通信インタフェース装置及び該通信インタフェースを備えた半導体装置
【課題】複数のレーンを有する通信インタフェースにおいて消費電流の増大を抑制し各レーン間でパラレルクロック信号を同期させる装置の提供。
【解決手段】シリアルクロック線21にシリアルクロック信号が供給され、レーン1はシリアルクロック線からシリアルクロック信号を入力して第1のレーン内に分配し、該シリアルクロック信号サンプリングクロック信号とするカスケード接続されたフリップフロップ(FF)12、13を有し、FF13の出力の反転信号がFF12に帰還入力される分周回路を備え、FF13の出力信号がパラレルクロック信号としてレーン1内に分配され、レーン2ではシリアルクロック信号を入力してレーン内に分配し、レーン1のFF12の出力を受け、レーン2の前記シリアルクロック信号でサンプルするFF13を備え、FF13の出力がパラレルクロック信号としてレーン2内に分配されると共にレーン2のFF12に帰還入力される。
【解決手段】シリアルクロック線21にシリアルクロック信号が供給され、レーン1はシリアルクロック線からシリアルクロック信号を入力して第1のレーン内に分配し、該シリアルクロック信号サンプリングクロック信号とするカスケード接続されたフリップフロップ(FF)12、13を有し、FF13の出力の反転信号がFF12に帰還入力される分周回路を備え、FF13の出力信号がパラレルクロック信号としてレーン1内に分配され、レーン2ではシリアルクロック信号を入力してレーン内に分配し、レーン1のFF12の出力を受け、レーン2の前記シリアルクロック信号でサンプルするFF13を備え、FF13の出力がパラレルクロック信号としてレーン2内に分配されると共にレーン2のFF12に帰還入力される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信インタフェース装置に関し、特に、複数レーンを備えた通信インタフェース装置のクロック同期に好適な装置に関する。
【背景技術】
【0002】
シリアル通信インタフェース(SerDes:Serializer/Deserializer)では、受信部において受信データからクロックアンドデータリカバリ(CDR)によりクロック及びデータをリカバーしデシリアライズ(シリアルデータをパラレルデータに変換)し、送信部において送出対象のパラレルデータをシリアライズして送信する。クロックの周波数はPCI Express1.1規格等ではレーン(伝送路)あたり2.5Gb/sのデータストリームを送信するために2.5GHzの高速クロック(シリアルクロック)を必要とする。因みにPCI Express2.0規格では5Gb/sとされ、5GHzの高速クロック(シリアルクロック)を必要とする。
【0003】
通信インタフェースにおいて、各レーンにはシリアルクロック信号が分配されるとともに、シリアルクロック信号を分周した分周クロック信号(パラレル信号駆動用のクロック信号として用いられることから「パラレルクロック信号」という)が分配される。
【0004】
レーン内において、パラレルクロック信号はシリアルデータをシリアルパラレル変換したパラレルデータのサンプルリングを行う順序回路等に分配される。複数レーン間におけるパラレルクロック信号のタイミング調整(レーン間でのパラレルクロック信号の同期化)、及び、パラレルクロック信号とシリアルクロック信号の遅延調整が必要とされる。
【0005】
本願発明者は、SERDES等のシリアル通信インタフェースを有する半導体装置において、複数レーン間での分周クロック信号(シリアルパラレル変換用の分周クロック信号)の遅延調整を、該半導体装置内のCTS(Clock Tree Synthesis)クロック信号を用いて行う構成を提案している(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−109426号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記したように、マルチレーンのシリアル通信インタフェースにおいて、複数レーン間でのパラレルクロック信号のタイミング調整、周波数がGHzオーダのシリアルクロック信号とのタイミング調整が必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、上記課題の少なくとも1つを解決するため、特に制限されないが、概略以下の構成とされる。
【0009】
本発明によれば、複数のレーンが共通に接続された第1のクロック信号線に第1のクロック信号を供給するクロック駆動回路を備え、前記複数のレーンは第1、第2のレーンを備え、前記第1のレーンは、前記第1のクロック信号線から前記第1のクロック信号を入力して前記第1のレーン内に分配し、前記第1のクロック信号(又はその分周信号)をサンプリングクロック信号として共通に入力する、カスケード接続されたM段(ただし、Mは2以上の整数)のフリップフロップを備え、M段目のフリップフロップの出力の反転信号が初段のフリップフロップに帰還入力され、前記M段目のフリップフロップの出力が第2のクロック信号として前記第1のレーン内に分配され、前記第2のレーンは、前記第1のクロック信号線から前記第1のクロック信号を入力して前記第2のレーン内に分配し、前記第1のレーンの前記M段目のフリップフロップに入力される(M−1)段目のフリップフロップの出力を、前記第1と第2のレーン間の第2のクロック信号線を介して、入力として受け、前記第1のクロック信号(又はその分周信号)をサンプリングクロックとして、前記入力をサンプルする第1のフリップフロップを備え、前記第1のフリップフロップの出力が第2のクロック信号として前記第2のレーン内に分配される通信インタフェース装置が提供される。
【0010】
本発明において、前記複数のレーンが、さらに第3乃至第S(ただし、Sは3以上の整数)のレーンを備え、
第Iのレーン(ただし、Iは3以上のS以下の整数)は、
前記第1のクロック信号線から前記第1のクロック信号を入力して前記第Iのレーン内に分配し、
隣の第(I−1)のレーン内の前記第1のフリップフロップの出力を初段に受けるカスケード接続された(M−1)段のフリップフロップの最終段の出力を、前記第(I−1)のレーンと前記第Iのレーン間の第2のクロック信号線を介して、入力として受け、前記第Iのレーン内の前記第1のクロック信号(又はその分周信号)をサンプリングクロック信号として前記入力をサンプルする第1のフリップフロップを備え、前記第Iのレーンの前記第1のフリップフロップの出力が第2のクロック信号として前記第Iのレーン内に分配される。
【0011】
本発明において、第Jのレーン(ただし、Jは2以上、且つ、S以下の整数)は、
前記第1のクロック信号(又はその分周信号)を共通のサンプリングクロックとする、カスケード接続された(M−1)段のフリップフロップと、
前記(M−1)段のフリップフロップの最終段のフリップフロップの出力と、
前記第(J−1)のレーンと前記第Jのレーンの間の前記第2のクロック信号線と、
に第1、第2の入力がそれぞれ接続され、
出力が、前記第Jのレーンの前記第1のフリップフロップの入力に接続されたセレクタを備え、前記第Jのレーンの前記第1のフリップフロップの反転出力が、前記(M−1)段のフリップフロップの初段のフリップフロップの入力に接続される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、各レーン間のパラレルクロック信号のタイミングを合わせることができる。また、本発明によれば、各レーン間のパラレルクロック信号とシリアルクロック信号を遅延調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施形態の構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態の動作例を説明するタイミング図である。
【図3】本発明の第2の実施形態の構成を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施形態の動作例を説明するタイミング図である。
【図5】本発明の第2の実施形態の別の動作例を説明するタイミング図である。
【図6】本発明の第3の実施形態の構成を示す図である。
【図7】本発明の第3の実施形態の構成の変形例1を示す図である。
【図8】本発明の第3の実施形態の構成の変形例2を示す図である。
【図9】本発明の第3の実施形態の動作例を説明するタイミング図である。
【図10】比較例1の構成を示す図である。
【図11】比較例1の動作を説明するタイミング図である。
【図12】比較例2の構成を示す図である。
【図13】比較例2の動作を説明するタイミング図である。
【図14】比較例3の構成を示す図である。
【図15】比較例3の動作を説明するタイミング図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施形態について以下に説明する。本発明は、パラレルクロックをレーン間で分配する方式をとらず、第1のレーンでシリアルクロックを分周してパラレルクロックを生成し、第2レーン以降では、若番側の隣接レーンの1クロック前の分周波形を同期タイミング用のクロック信号(当該レーン内のシリアルクロック信号)でラッチすることで、マルチレーン間で同じタイミングでパラレルクロック信号波形が生成される。
【0015】
本発明の態様(MODES)の1つにおいて、第1のクロック信号線(図1のシリアルクロック信号線21)に第1のクロック信号(シリアルクロック信号)を出力するクロック駆動回路(20)を備え、第1のレーン(レーン1)は、前記第1のクロック信号線から前記第1のクロック信号を入力して前記第1のレーン内に分配し、第1のクロック信号をサンプリングクロック信号として共通に入力する、カスケード接続されたM段(ただし、Mは2以上の整数)のフリップフロップ(12、13)を備え、M段目のフリップフロップ(13)の出力の反転信号が初段のフリップフロップ(12)に帰還入力され、前記M段目のフリップフロップ(13)の出力が第2のクロック信号(パラレルクロック信号)として前記第1のレーン内に分配される。第2のレーン(レーン2)は、前記第1のクロック信号線から前記第1のクロック信号を入力して前記第2のレーン内に分配し、前記第1のレーンの前記M段目のフリップフロップ(13)に入力される(M−1)段目のフリップフロップ(12)の出力を、前記第1と第2のレーン間の第2のクロック信号線(パラレルクロック信号線22)を介して、入力として受け、前記第2のレーン内の前記第1のクロック信号又はその分周信号をサンプリングクロック信号として、前記入力をサンプルする第1のフリップフロップ(13)を備え、前記第1のフリップフロップ(13)の出力が第2のクロック信号(パラレルクロック信号)として前記第2のレーン内に分配される。
【0016】
さらに、第3乃至第S(ただし、Sは3以上の整数)のレーンを備え、第Iのレーン(ただし、Iは3以上のS以下の整数)は、前記第1のクロック信号線(21)から前記第1のクロック信号を入力して前記第Iのレーン内に分配する。また、隣の第(I−1)のレーン内に設けられ、第(I−1)のレーン内の第1のフリップフロップ(13)の出力を受けるカスケード接続された(M−1)段目のフリップフロップ(12)の出力を、前記第(I−1)のレーンと前記第Iのレーン間の第2のクロック信号線(22)を介して、入力として受け、前記第Iのレーン内の前記第1のクロック信号又はその分周信号をサンプリングクロック信号として前記入力をサンプルする第1のフリップフロップ(13)を備え、前記第Iのレーンの前記第1のフリップフロップ(13)の出力が第2のクロック信号として前記第Iのレーン内に分配される。
【0017】
本発明の態様(MODES)の1つにおいて、第Jのレーン(ただし、Jは2以上、且つ、S以下の整数)は、前記第1のクロック信号又は前記第1のクロック信号の分周信号を共通のサンプリングクロックとする(M−1)段(ただし、Mは2以上の整数)のフリップフロップ(12)を備えている。さらに、第(J−1)のレーンと第Jのレーンの間の前記第2のクロック信号線(22)と、(M−1)段のフリップフロップの最終段のフリップフロップ(12)の出力とに、第1、第2の入力がそれぞれ接続され、出力が前記第Jのレーンの前記第1のフリップフロップ(13)の入力に接続されたセレクタ(14)を備えている。前記第1のフリップフロップ(13)の反転出力が、前記(M−1)段のフリップフロップの初段のフリップフロップ(12)の入力に帰還される構成とし、隣のレーンから転送された第2のクロック信号(パラレルクロック信号)をサンプリングしてレーン内の第2のクロック信号とするか、当該レーン内で第1のクロック信号を分周して第2のクロック信号を生成するかを選択できる。
【0018】
本発明の態様(MODES)の別の1つにおいて、第Jのレーン(ただし、Jは2以上、且つ、S−1以下の整数)は、前記第1のクロック信号を共通のサンプリングクロック信号として入力とし、初段が第Jのレーンの前記第1のフリップフロップ(図3の13)の出力を入力とし、(N−1)段(ただし、Nは2以上の所定の整数)のフリップフロップ(図3の12)を備えたシフトレジスタを有し、前記第Jのレーンの前記シフトレジスタの(N−1)段目のフリップフロップの出力が、前記第Jのレーンと前記第(J+1)のレーン間に設けられた第2のクロック信号線(22)を介して、前記第(J+1)のレーンの前記第1のフリップフロップ(13)に入力される構成としてもよい。
【0019】
本発明の態様(MODES)の別の1つにおいて、第Jのレーン(ただし、Jは2以上、且つ、S以下の整数)は、前記第1のクロック信号を共通のサンプリングクロック信号として入力する、カスケード接続された(M−1)段のフリップフロップ(12’:図3ではM=2)を備え、前記第(J−1)のレーンと前記第Jのレーンの間に設けられた前記第2のクロック信号線(22)と、前記第Jのレーンの前記カスケード接続された(M−1)段のフリップフロップ(12’)の最終段の出力と、に第1、第2の入力がそれぞれ接続され、出力が、前記第Jのレーンの前記第1のフリップフロップ(13)の入力に接続されたセレクタ(14)を備え、前記第Jのレーンの前記第1のフリップフロップの出力が、前記第Jのレーンの前記カスケード接続された(M−1)段のフリップフロップの初段(12’)に帰還入力される。セレクタ(14)で第2の入力を選択時、前記第Jのレーンの前記カスケード接続された(M−1)段のフリップフロップ(12’)と前記第Jのレーンの前記第1のフリップフロップ(13)とがカスケード接続され、M段のフリップフロップからなる第1の分周回路を構成する。一方、セレクタ(14)で前記第1の入力を選択時、前記第(J−1)のレーンと前記第Jのレーンの間に設けられた第2のクロック信号線(22)からの信号が、前記第Jのレーンの前記第1のフリップフロップ(13)の入力に入力される。Jが2以上(S−1)以下の第Jのレーンについて、前記(M−1)段のフリップフロップの最終段の出力が前記第Jのレーンと第(J+1)のレーンの間に設けられた第2のクロック信号線を介して第(J+1)のレーンに出力される。
【0020】
本発明の態様(MODES)の別の1つにおいては、第Jのレーン(ただし、Jは2以上、且つ、S−1以下の整数)において、前記第1のフリップフロップ(13)の出力を、前記(N−1)段のフリップフロップからなる前記シフトレジスタの初段に入力し、前記シフトレジスタの最終段の出力が、前記第Jのレーンと第(J+1)のレーン間に設けられた第2のクロック信号線(22)を介して、隣の第(J+1)のレーンの前記第1のフリップフロップ(13)に入力される構成としてもよい。前記Nは、前記各レーン内に分配される前記第2のクロック信号が前記第1のクロック信号を2N分周したものである場合のNに対応する。
【0021】
本発明の態様(MODES)のさらに別の1つにおいて、各レーンが、前記レーン内に入力された前記第1クロック信号を分周する第2の分周回路(図6、図7、図8の15)を備え、前記第2の分周回路から出力される前記第1のクロック信号の分周信号を前記各レーン内に分配し、前記第1のレーンの前記第1の分周回路の前記M段のフリップフロップ(図6、図7、図8の12、13)は、前記第1のレーン内の前記第2の分周回路から出力される前記第1のクロック信号の分周信号を共通のサンプリングクロック信号とし、前記第Iのレーン(Iは2以上のS以下)の前記第1のフリップフロップ(図6、図7、図8の13)は、前記第Iのレーン内の前記第2の分周回路から出力される前記第1のクロック信号の分周信号をサンプリングクロック信号とする構成としてもよい。
【0022】
本発明の態様(MODES)のさらに別の1つにおいて、前記第Iのレーン(Iは2以上のS以下)の前記第2の分周回路を構成するフリップフロップの初段(図7、図8の16)には、セレクタ(図7、図8の17)を介して、隣の第(I−1)のレーンと前記第Iのレーン間に設けられた第1の分周クロック信号線(23)を介して転送された、前記第(I−1)のレーン内の前記第2分周回路(15)からの前記第1のクロック信号の分周信号が入力される構成としてもよい。このセレクタ(17)は、隣の第(I−1)のレーンと前記第Iのレーン間に設けられた第1の分周クロック信号線(23)と、前記第Iのレーンの前記第2の分周回路(15)の出力を第1、第2の入力に入力し、選択信号に基づき一方を選択し、前記セレクタの出力が、前記第2の分周回路を構成するフリップフロップ(15)の初段に入力される。なお、第2の分周回路の構成によっては、前記セレクタの出力の反転信号が、前記第2の分周回路を構成するフリップフロップ(15)の初段に入力される。
【0023】
本発明の態様(MODES)のさらに別の1つにおいて、第1のレーンは、前記第1のレーン内に入力された前記第1クロック信号をサンプリングクロック信号とする1つ又は複数段のフリップフロップ(15)を備えた第2の分周回路を備え、前記第1のレーンの前記第1の分周回路の前記M段のフリップフロップ(12、13)は、前記第1のレーンの前記第2の分周回路から出力される前記第1のクロック信号の分周信号を共通のサンプリングクロック信号とする。第Iのレーン(Iは2以上のS以下)は、前記第Iのレーン内に入力された前記第1クロック信号を共通のサンプリングクロック信号とするK段(ただし、Kは1以上の整数)のフリップフロップ(15)を備えた第2の分周回路と、隣の第(I−1)のレーンと前記第Iのレーン間に設けられた第1の分周クロック信号線を介して転送された、前記第(I−1)のレーン内の前記第1のクロック信号の分周信号を初段が入力し、共通のサンプリングクロック信号として入力とする2K段のフリップフロップ(16)からなるシフトレジスタと、を備え、さらに、前記第2の分周回路(15)の出力と、前記2K段のフリップフロップ(16)からなるシフトレジスタの最終段の出力と、を第1、第2の入力に入力する第2のセレクタ(17)を備え、前記第2のセレクタの出力(17)が、前記第1のクロック信号の分周信号として、前記第Iのレーン内に分配され、前記第Iのレーン(Iは2以上のS以下)の前記第1のフリップフロップは、前記第Iのレーン内の前記第2のセレクタ(17)から出力される前記第1のクロック信号の分周信号をサンプリングクロック信号とする。以下、例示的実施形態に即して説明する。
【0024】
<実施形態1>
図1は、本発明の第1の実施形態の構成を示す図である。クロック駆動回路20は、不図示のPLL(位相同期ループ)等からのクロック信号(例えばGHzオーダ)を受け、複数のレーンが共通に接続された第1のクロック信号線21にシリアルクロック信号を出力する。
【0025】
第1のレーン(レーン1)10は、シリアルクロック信号線21からシリアルクロック信号を入力するレシーバ11を備え、レシーバ11から出力されるシリアルクロック信号はレーン1内に分配される。シリアルクロック信号をサンプリングクロック信号として共通に入力する、カスケード接続された2段のフリップフロップ12、13を備え、2段目のフリップフロップ13の出力の反転信号(反転出力)が初段のフリップフロップ12に帰還入力される分周回路を備えている。2段目のフリップフロップ13の出力がパラレルクロック信号としてレーン1内に分配される。
【0026】
なお、図1において、フリップフロップ12の入力端子(データ端子)の○は反転入力(負論理入力)を表しており、フリップフロップ13の出力が1のときは0を入力し、フリップフロップ13の出力が0のときは、1を入力することと等価となる。フリップフロップ12、13は通常、出力端子(正転出力端子)(Q)と、出力端子(Q)の反転信号を出力する反転出力端子(QB)を備えており、図1等の接続は、フリップフロップ13の反転出力(QB)を、フリップフロップ12のデータ端子(D)に帰還接続し、フリップフロップ13の出力端子(Q)からの出力信号をレーン1内のパラレルクロック信号として分配し、フリップフロップ12の出力端子(Q)をフリップフロップ13のデータ端子(D)に接続することを表している。図1以降では、簡単のため、フリップフロップ12のデータ端子を負論理入力で表しているが、フリップフロップ13の反転出力又はフリップフロップの出力信号の反転信号をフリップフロップ12がデータ端子に入力することと等価である。
【0027】
第2のレーン(レーン2)10は、シリアルクロック信号線21からシリアルクロック信号を入力するレシーバ11を備え、レシーバ11から出力されるシリアルクロック信号は第2のレーン内に分配される。第1のレーン10の1段目のフリップフロップ12の出力(2段目のフリップフロップ13のデータ端子に入力される)を、第1と第2のレーン間のパラレルクロック信号線22及び、第2のレーン(レーン2)のセレクタ14を介して、入力に受け、第2のレーン(レーン2)10のレシーバ11から当該レーン内に分配されるシリアルクロック信号をサンプリングクロック信号として前記入力をサンプルするフリップフロップ13を備え、このフリップフロップ13の出力が、パラレルクロック信号として、第2のレーン内に分配される。
【0028】
第3のレーン(レーン3)10は、シリアルクロック信号線21からシリアルクロック信号を入力するレシーバ11を備え、レシーバ11から出力されるシリアルクロック信号は第3のレーン内に分配される。隣の第2のレーンのフリップフロップ12の出力を、第2のレーンと第3レーン間のパラレルクロック信号線22、及び、レーン3内のセレクタ14を介して、入力に受け、レーン3内のレシーバ11から出力されるシリアルクロック信号をサンプリングクロック信号として前記入力をサンプルするフリップフロップ13を備え、フリップフロップ13の出力がパラレルクロック信号として前記第3のレーン内に分配される。
【0029】
第4以降のレーンを備える場合も、同様にして、第Iのレーン(ただし、Iは4以上の所定の整数)は、シリアルクロック信号線21からシリアルクロック信号を入力するレシーバ11を備え、レシーバ11から出力されるシリアルクロック信号は第Iレーン内に分配される。隣の第(I−1)のレーンのフリップフロップ12の出力を、第(I−1)のレーンと第Iのレーン間の第2のクロック信号線22と、第(I−1)のレーンのセレクタ14を介して、入力に受け、レシーバ11から出力されるシリアルクロック信号をサンプリングクロックとして前記入力をサンプルするフリップフロップ13を備え、フリップフロップ13の出力がパラレルクロック信号として前記第Iのレーン内に分配される。
【0030】
本実施形態において、第2以降の各レーン10は、レシーバ11から当該レーン内に分配されたシリアルクロック信号をフリップフロップ13と共通のサンプリングクロックとするフリップフロップ12を備え、隣のレーンと当該レーンの間のパラレルクロック信号線22と、フリップフロップ12の出力に、第1、第2の入力がそれぞれ接続され、出力が、当該レーンのフリップフロップ13の入力に接続されたセレクタ14を備え、フリップフロップ13の出力の反転信号がフリップフロップ12の入力に帰還接続される。セレクタ14は、選択信号selに基づき、隣のレーンからパラレルクロック信号線22を介して転送されるパラレルクロック信号を用いる場合、第1の入力を選択して、隣のレーンからパラレルクロック信号線22を介して転送されるパラレルクロック信号をフリップフロップ13の入力に供給する。
【0031】
第2以降の各レーン10において、隣のレーンからパラレルクロック信号線22を介して転送されるパラレルクロック信号を用いず、当該レーン内でシリアルクロック信号を分周してパラレルクロック信号を生成する場合、セレクタ14は、第2の入力を選択してフリップフロップ12の出力をフリップフロップ13の入力に供給し、フリップフロップ12、13は4分周回路として機能する。当該レーン内でシリアルクロック信号を分周してパラレルクロック信号を生成する場合(セレクタ14で第2の入力選択時)、各レーン間でのパラレルクロック信号の遅延調整は行われず、各レーン間のパラレルクロック信号の同期は保証されない。
【0032】
なお、図1に示した構成では、第1のレーンにおける2段カスケード接続されたフリップフロップ12と13は、4分周回路を構成しているが、本発明において、パラレルクロック信号の分周数は4分周に限定されるものでないことは勿論である。例えばM段(Mは2以上の整数)カスケード接続され、最終段の出力の反転信号を初段に帰還するフリップフロップを備え、M−1段目のフリップフロップの出力(M段目)のフリップフロップへの入力)を、パラレルクロック線22を介して第2のレーンのフリップフロップ13の入力に供給する構成としてもよい。この場合、第2のレーンにおいてフリップフロップ12はM−1段カスケード接続され、M−1段目のフリップフロップの出力と、第1のレーンからのパラレルクロック線22とがセレクタ14に入力されることになる。他のレーンについても同様とされる。また分周値は2の倍数等に限定されるものでなく、任意であってよい。
【0033】
図2は、本発明の一実施形態の動作を説明するタイミング図である。図2には、レーン1、2、3に分配されるシリアルクロック信号(a)と、レーン1、2、3のそれぞれにおいてレーン内に分配されるパラレルクロック信号(各レーンのフリップフロップ13の出力)が実線の波形(b)、(d)、(f)で示され、レーン1からレーン2、レーン2からレーン3にパラレルクロック信号線22を介して転送されるパラレルクロック信号(フリップフロップ12の出力)は、破線の波形(c)、(e)で示されている。なお、図2において、パラレルクロック信号は、シリアルクロック信号を6分周して生成される。この6分周構成は、図1において、各レーンに、フリップフロップ13の出力を入力するフリップフロップ12の後段にさらにフリップフロップ12を備え、2段目のフリップフロップ12の出力がセレクタ14を介してフリップフロップ13に入力される。フリップフロップ12及び13はレシーバからのシリアルクロック信号を共通のサンプルリングクロック信号とする。
【0034】
図2に示すように、第2のレーン以降の各レーンにおいては、若番側の隣接レーンの1クロック(シリアルクロック信号)前のパラレルクロック信号がパラレルクロック線22を介して当該各レーン内のフリップフロップ13に転送され、フリップフロップ13は転送されたパラレルクロック信号を次のシリアルクロック信号の立ち上がりエッジでサンプリングすることで、各レーン内に分配されるパラレルクロック信号のタイミングを、複数レーン1、2、3間で合わせることができる。また、各レーンに、パラレルクロック信号を分配するクロック駆動回路を具備せず、パラレルクロック信号とシリアルクロック信号の遅延調整を容易化している。
【0035】
<実施形態2>
図3は、本発明の第2の実施形態の構成を示す図である。図3の第1のレーン、第3のレーンは図1と同一構成である。第2のレーンは、シリアルクロック信号線21からシリアルクロック信号を入力するレシーバ11と、第1のレーンのフリップフロップ13に入力されるフリップフロップ12の出力を、第1のレーンと第2のレーン間に設けられたパラレルクロック信号線22を介して第1の入力に受けるセレクタ14と、セレクタ14の出力を受けるフリップフロップ13(第1のフリップフロップ)を備え、フリップフロップ13の出力はパラレルクロック信号として第2のレーン内に分配される。さらに、フリップフロップ13の出力を入力として初段のフリップフロップ12が受け、第2のレーン内のレシーバ11からのシリアルクロック信号をサンプリングクロック信号として共通に受ける、3段構成のフリップフロップ12からなるシフトレジスタを備えている。さらに、第2のレーン10’において、フリップフロップ13の出力の反転信号を入力とし、第2のレーン内のレシーバ11からのシリアルクロック信号をサンプリングクロック信号として受けるフリップフロップ12’を備えている。フリップフロップ12’の出力は、セレクタ14の第2の入力に接続される。
【0036】
図3の例では、パラレルクロック信号は、シリアルクロック信号を4分周して生成される。第2のレーン(レーン2)10’において、3段のフリップフロップ12がシフトレジスタを構成し、セレクタ14で第1の入力が選択された場合、3段のフリップフロップ12は、フリップフロップ13とともに4段のシフトレジスタを形成し、パラレルクロック信号のタイミング調整が行われる。すなわち、セレクタ14は、隣のレーン1からパラレルクロック信号線22を介して転送される分周クロック信号(パラレルクロック信号)を用いる場合、選択信号selに基づき、第1の入力を選択し、フリップフロップ13に与え、フリップフロップ13の出力は、3段のフリップフロップ12からなるシフトレジスタの初段に入力される。すなわち、隣のレーン1からパラレルクロック信号線22を介して転送される分周クロック信号(パラレルクロック信号)は、フリップフロップ13でサンプルされ、その出力は、3段のフリップフロップ12を順次後段に転送され、第2のレーンのフリップフロップ13でサンプルされたパラレルクロック信号から、シリアルクロック信号3サイクル分遅れて、パラレルクロック信号線22を介して、第3のレーン内のセレクタ14を介して、第3のレーン内のフリップフロップ13に入力され、シリアルクロック信号4サイクル分(パラレルクロック信号の1周期分)遅れてサンプルされる。
【0037】
第2のレーンのフリップフロップ13によりシリアルクロック信号でサンプルされた出力は、パラレルクロック信号線22を介して第3のレーンに転送されるパラレルクロック信号よりも、シリアルクロック信号の3サイクル分進んでいる。なお、第2のレーン内のフリップフロップ13でサンプルされたパラレルクロック信号は、第2のレーン内に分配される。
【0038】
なお、隣のレーン1からパラレルクロック信号線22を介して転送されるパラレルクロック信号を用いず、当該レーン内でシリアルクロック信号を分周してパラレルクロック信号を生成する場合、選択信号selに基づき、セレクタ14は、第2の入力を選択し、フリップフロップ12’の出力をフリップフロップ13の入力に供給し、フリップフロップ12’と13は4分周回路として機能する。
【0039】
第3のレーン(レーン3)(10’)は、隣の第2のレーン(レーン2)の3段シフトレジスタを構成する最終段のフリップフロップ12からに出力を、第2のレーンと第3レーン間のパラレルクロック信号線22を介して、第1の入力に受けるセレクタ14を備え、セレクタ14の出力はフリップフロップ13に入力され、フリップフロップ13の出力の反転信号はフリップフロップ12の入力に帰還される。フリップフロップ12の出力はセレクタ14の第2の入力に接続される。フリップフロップ13の出力がパラレルクロック信号として前記第3のレーン内に分配される。セレクタ14は、隣のレーンからパラレルクロック信号線22を介して転送されるパラレルクロック信号を用いる場合には、第1の入力を選択して、隣のレーンからパラレルクロック信号線22を介して転送されるパラレルクロック信号をフリップフロップ13の入力に供給する。隣のレーンからパラレルクロック信号線22を介して転送されるパラレルクロック信号を用いず、当該レーン内でシリアルクロック信号を分周してパラレルクロック信号を生成する場合、セレクタ14は第2の入力を選択しフリップフロップ12の出力をフリップフロップ13の入力に供給し、フリップフロップ12、13は4分周回路として機能する。
【0040】
なお、S個のレーン(Sは4以上の整数)構成の場合、第2乃至第(S−1)レーンは第2レーンと同一構成とされ、第Sのレーンは、図3の第3のレーンと同一構成とされる。
【0041】
図4は、図3に示した本実施形態の動作を説明するためのタイミングチャートである。図4において、パラレルクロック信号はシリアルクロック信号を6分周して生成される。図3において、各レーンは、フリップフロップ13の出力の反転信号を入力するフリップフロップ12の後段にさらにフリップフロップ12を備え、2段目のフリップフロップ12の出力がセレクタ14を介してフリップフロップ13に入力される。フリップフロップ12及び13はレシーバからのシリアルクロック信号を共通のサンプルリングクロック信号とする。第2のレーン(レーン2)内のフリップフロップ12からなるシフトレジスタは5段のフリップフロップで構成される。
【0042】
レーン1、2、3に分配されるシリアルクロック信号(a)と、レーン1、2、3においてレーン内に分配されるパラレルクロック信号(各レーンのフリップフロップ13の出力)が実線の波形(b)、(d)、(i)で示されている。波形(c)はレーン1からレーン2にパラレルクロック信号線22を介して転送されるパラレルクロック信号(フリップフロップ12の出力)である。レーン2において、レーン1からパラレルクロック信号線22を介して転送されるパラレルクロック信号(波形(c))をフリップフロップ13でサンプルした波形は、レーン2内のパラレルクロック信号として分配されるとともにソフトレジスタの初段のフリップフロップ12−1に帰還され、フリップフロップ12−1は1クロック遅れた波形(e)を出力し、次段以降のフリップフロップは、前段のフリップフロップの出力を1クロックサイクル遅れて出力し((f)〜(h))、6段のフリップフロップからなるシフトレジスタの出力(波形(h))は、パラレルクロック線22を介してレーン3に入力され、レーン3のフリップフロップ13にてサンプルされる。レーン3のフリップフロップ13の出力はレーン3内のパラレルクロック信号(i)としてレーン内に分配される。
【0043】
<実施形態2:変形例>
図5は、本実施形態の動作の変形例を示すタイミングチャートである。図5において、レーン1、2、3に分配されるシリアルクロック信号(a)と、レーン1、2、3においてレーン内に分配されるパラレルクロック信号(各レーンのフリップフロップ13の出力)が実線の波形(b)、(d)、(g)で示されている。波形(c)はレーン1からレーン2にパラレルクロック信号線22を介して転送されるパラレルクロック信号(レーン1のフリップフロップ12の出力)である。レーン2において、レーン1からパラレルクロック信号線22を介して転送されるパラレルクロック信号(波形(c))をフリップフロップ13でサンプルした波形(d)は、レーン2内のパラレルクロック信号として分配されるとともに、シフトレジスタの初段のフリップフロップ12に帰還される。その際、波形(d)はインバータで反転され、180度位相を遅らせる。初段のフリップフロップは、波形(d)の反転信号をシリアルクロック信号1クロックサイクル(位相で60度)遅れらせた波形(e)を出力し、次の段のフリップフロップ12は、波形(e)をシリアルクロック信号1クロックサイクル(位相で60度)遅れらせた波形(f)をパラレルクロック線22に出力する。レーン3のフリップフロップ13は、波形(f)を、レーン3内のシリアルクロック信号にてサンプルする。レーン3のフリップフロップ13の出力はレーン3内のパラレルクロック信号波形(h)としてレーン内に分配される。
【0044】
図5の実施形態によれば、パラレルクロック信号がシリアルクロック信号を6分周したものである場合において、図3のフリップフロップ13の反転信号を、シフトレジスタの初段に入力する構成としたことで、出力がセレクタ14に接続されたシフトレジスタを構成するフリップフロップ12は2段で済む。
【0045】
これに対して、図4においては、シフトレジスタを構成するフリップフロップ12(第2のレーン内のフリップフロップ12、13)は5段構成とされる。また、パラレルクロック信号がシリアルクロック信号を4分周したものである場合において、出力がセレクタ14に接続されたシフトレジスタを構成するフリップフロップ12は1段で済む。これに対して、図4の実施形態においては、シフトレジスタを構成するフリップフロップ12は2段構成とされる(図3の構成に対応)。
【0046】
<実施形態3>
図6は、本発明の第3の実施形態の構成を示す図である。図6を参照すると、本実施形態は、図1の前記実施形態と相違して、第1のレーン(10”)において、レシーバ11から出力されるシリアルクロック信号をフリップフロップ15で2分周させた信号を、フリップフロップ12、13のサンプリングクロック信号として用いている。フリップフロップ12の出力は、パラレルクロック信号線22を介して第2のレーンに出力され、フリップフロップ13の出力は、第1のレーン内のパラレルクロック信号として分配される。
【0047】
第2、第3のレーン(レーン2、3)の各レーンにおいて、第2、第3のレーン内に入力されたシリアルクロック信号をサンプリングクロック信号とし、出力をレーン内に反転信号を帰還入力するフリップフロップ15を備えている。入力されたシリアルクロックをレーン内に分配する場合、セレクタ17、18を介して、フリップフロップ15の出力がシリアルクロック信号の2分周信号として第2、第3のレーン内に分配される。フリップフロップ15の出力信号はセレクタ18を介して、レーン内のシリアルクロックとして分配され、セレクタ17を介して反転信号がフリップフロップ15のデータ端子に入力され、フリップフロップ15は、データ端子の信号を、レシーバ11の出力に応答してサンプルする。
【0048】
第1のレーン10”のフリップフロップ15から出力されるシリアルクロック信号の2分周信号は、第1のレーンと第2のレーン間に設けられたシリアル分周クロック信号線23を介して第2のレーン10”に供給される。
【0049】
第2のレーンでは、シリアル分周クロック信号線23を介して第1のレーンから入力された第1クロック信号の分周信号を、初段が入力し、レシーバ11からのシリアルクロック信号をサンプリングクロックとする2段カスケード接続されたフリップフロップ16を備えたシフトレジスタを備えている。
【0050】
さらに、反転出力が入力に帰還され、第2のレーン内のシリアルクロック信号をサンプリング信号とし2分周回路を構成するフリップフロップ15の出力と、第2のレーン内のシリアルクロック信号をサンプリング信号としシフトレジスタを構成する2段のフリップフロップ16の最終段の出力と、を第1、第2の入力に入力するセレクタ17を備え、セレクタ17の出力が、前記第1のクロック信号の分周信号として、前記第2、第3のレーン内に分配される。第2のレーンのセレクタ17の出力は、シリアル分周クロック信号線23を介して第3のレーンに供給される。
【0051】
セレクタ17が第2の入力を選択する場合、隣の第1のレーンからシリアル分周クロック信号線23を介して転送された2分周シリアルクロック信号を2段のフリップフロップ16からなるシフトレジスタでタイミング調整した信号が第2のレーン内に分配され、さらに、シリアル分周クロック信号線23を介して第3のレーンに転送される。隣のレーンからの分周シリアルクロック信号を使用しない場合、セレクタ17は第1の入力を選択し、第2のレーン内の2分周回路(15)の出力が第2のレーン内に分配される。第3のレーンも同様とされる。ただし、第3のレーンは、隣のレーン(第4のレーン)が存在しない場合、第4のレーンにシリアル分周クロック信号を転送することはしない。なお、隣の第1のレーンからシリアル分周クロック信号を使用する場合に、サンプリングクロック信号の供給を停止する等の制御を行い、フリップフロップ15の動作を停止させるようにしてもよい。また、レーン内で分周クロック信号を作成する場合(フリップフロップ15を動作させる場合)、フリップフロップ16の動作を停止させるようにしてもよい。
【0052】
図6において、シリアルクロック信号を分周する回路として、簡単のため、フリップフロップ15を1つ備えた構成(2分周回路)を示したが、本発明がかかる構成に限定されるものではいことは勿論である。すなわち、フリップフロップ15のかわりに、複数段カスケード接続されたフリップフロップを備えてもよい。フリップフロップ15でシリアルクロック信号をN分周する場合、シフトレジスタ16を構成するフリップフロップはN段接続される。
【0053】
<実施形態3:変形例1>
図7は、第3の実施形態の変形例1の構成を示す図である。図6の回路は、実装上、例えば図7に示すように、2分周回路を構成するフリップフロップ15を、シフトレジスタを構成するフリップフロップ16の1部に組み入れる構成としてもよいことは勿論である。この場合、隣のレーンからのシリアル分周クロック信号線23と、フリップフロップ15の出力帰還路とを第1、第2の入力とするセレクタ17を備え、フリップフロップ15の出力を負論理入力とし、フリップフロップ15と共通のサンプリングクロックで駆動されるフリップフロップ16(負論理入力又は反転出力)を備え、フリップフロップ15の出力とフリップフロップ16の出力が、セレクタ18に入力される構成としてもよい。セレクタ17、18で第1の入力を選択するときは、フリップフロップ15からなる2分周回路とされる。セレクタ17、18で第2の入力を選択するときは、隣のレーンからのシリアル分周クロック信号線23を介して転送された分周クロック信号を2段のフリップフロップ15、16でシフトしセレクタ18から出力する構成とされる。
【0054】
<実施形態3:変形例2>
図8は、本発明の第3の実施形態の変形例2の構成を示す図である。図8に示すように、この変形例において、第1のレーンは、図6の構成と同一であり、第2、第3のレーンにおいて、隣のレーンからパラレルクロック線22を介してパラレルクロックを受けレーン内に分配する回路(フリップフロップ12、セレクタ14、フリップフロップ13)の構成も、図6の構成と同一である。本実施形態の変形例では、第2、第3のレーンにおいて、シリアルクロックから2分周クロックを生成する回路を、セレクタ17とフリップフロップ15で構成している。レーン2のセレクタ17は、レーン1からのシリアル分周クロック線23からの2分周クロック信号を第1の入力に入力し、レーン2内のフリップフロップ15の出力を第2の入力に入力し、選択信号selにより一方を選択し、フリップフロップ15の入力には、セレクタ17の反転信号が入力され、フリップフロップ15はレシーバ11で受信したシリアルクロック信号で入力をサンプルする。セレクタ17はローカルモードのときは、第1の入力(フリップフロップ15の出力)を選択し、隣のレーンとの同期をとるときは、第2の入力(シリアル分周クロック線23)を選択する。フリップフロップ15の出力はシリアルクロック信号としてレーン内に分配されるとともに、シリアル分周クロック線23を介してレーン3のセレクタ17に入力される。フリップフロップ15の出力(2分周クロック)は、パラレルクロックの4分周回路を構成するフリップフロップ12、13のサンプリングクロック信号として入力される。
レーン3のセレクタ17は、レーン2からのシリアル分周クロック線23からの2分周クロック信号を第1の入力に入力し、レーン2内のフリップフロップ15の出力を第2の入力に入力し、選択信号selにより一方を選択する。フリップフロップ15の入力には、セレクタ17の反転信号が入力され、フリップフロップ15はレシーバ11で受信したシリアルクロック信号で入力をサンプルする。第2のレーンと同様、セレクタ17はローカルモードのときは、第1の入力(フリップフロップ15の出力)を選択し、隣のレーンとの同期をとるときは、第2の入力(シリアル分周クロック線23)を選択する。フリップフロップ15の出力(2分周クロック)は、シリアルクロック信号としてレーン内に分配され、パラレルクロックの4分周回路を構成するフリップフロップ12、13のサンプリングクロック信号として入力される。
【0055】
<実施形態3の動作>
図9は、図6乃至図8に示した本発明の第3の実施形態の動作を説明する図である。なお、図9において、パラレルクロック信号はシリアルクロック信号の12分周信号とされる。各レーンにおいて、フリップフロップ12とフリップフロップ13の間には1つのフリップフロップ12を備えている。レーン1、2、3に分配されるシリアルクロック信号(a)と、レーン1、2、3において、シリアルクロック信号を2分周した2分周クロック信号(b)、(e)、(i)と、レーン1、2、3内に分配されるパラレルクロック信号(各レーンのフリップフロップ13の出力)が実線の波形(c)、(f)、(h)が示されている。さらに、波形(d)は、レーン1からレーン2にパラレルクロック信号線22を介して転送されるパラレルクロック信号(レーン1のフリップフロップ12の出力)の波形である。
【0056】
レーン2において、レーン1からパラレルクロック信号線22を介して転送されるパラレルクロック信号(波形(c))を、フリップフロップ13でサンプルした波形(d)は、レーン2内のパラレルクロック信号として分配されるとともに、シフトレジスタの初段のフリップフロップ12に帰還される。その際、波形(d)は、反転され、フリップフロップ12は、波形(d)の反転信号を1クロック遅れた波形(f)を出力し、パラレルクロック線22に出力する。
【0057】
レーン3のフリップフロップ13は、波形(f)をレーン3内のシリアルクロック信号にてサンプルする。レーン3のフリップフロップ13の出力はレーン3内のパラレルクロック信号波形(h)としてレーン内に分配される。
【0058】
図9に「同期タイミング」として示すように、レーン1、2、3内にそれぞれ分配されるパラレルクロック信号は波形(c)、(f)、(j)に示すように、シリアル分周クロック線23を介して転送され、レーン内に分配される2分周クロックの立ち上がりエッジに同期している。
【0059】
以下に参考例として、本発明の構成をとらない比較例について説明する。
【0060】
<比較例1>
図10に、マルチレーン間のパラレルクロック同期回路の比較例1の構成を示す。なお、図10は、本発明者により作成されたものである。各レーン(1、2、3)10Aに接続されたシリアルクロック線21Aとパラレルクロック線22Aを備えている。クロック駆動回路20−1は、PLL(位相同期ループ)等からのクロック信号を受け、シリアルクロック線21Aにシリアルクロック信号を出力する。各レーン10A内において、シリアルクロック信号21Aはレシーバ11−1で受信され、各レーン内に分配される。また、シリアルクロック信号を分周回路30で分周し、クロック駆動回路20−2は分周クロック信号(パラレルクロック)をパラレルクロック線22Aに出力する。パラレルクロック線22Aのパラレルクロック信号は各レーン10A内のレシーバ11−2で受信され、各レーン内に分配される。
【0061】
図11に、図10の構成のタイミングチャートの一例を示す。図11には、シリアルクロック信号と、レーン1、2、3に分配されるパラレルクロック信号のタイミング波形が示されている。クロック駆動回路から、シリアルクロック信号とパラレルクロック信号の双方を各レーンに分配している。
【0062】
図10の構成の場合、パラレルクロック信号の配線遅延がレーン1、2、3の各レーンで異なる。図10においては、シリアルクロック信号とパラレルクロック信号の遅延変動を調整しレーン間で遅延を合わせる必要がある。
【0063】
しかしながら、パラレルクロック信号とシリアルクロック信号の遅延時間を等しくすることは困難である。シリアルクロック信号とパラレルクロック信号を駆動するクロック駆動回路では必要とされる駆動能力が異なる。シリアルクロック信号とパラレルクロック信号のクロック駆動回路20−1、20−2を同じ構成にすると、遅延時間を合わせやすいが、シリアルクロックの駆動と同じ駆動能力した場合、パラレルクロック信号の駆動能力が過剰になり、消費電流が増大する。
【0064】
<比較例2>
図12は、比較例2の構成を示す図である。なお、図12は本発明者により作成されたものである。シリアルクロック信号はクロック駆動回路20−1によってレーン1、2、3に対して一括で駆動している。シリアルクロック信号を分周回路30で分周した分周クロック信号をクロック駆動回路20−2でレーン1、2、3に対して一括で駆動している。各レーン1、2、3では、シリアルクロック信号をレシーバ11−1で受け、レーン内に分配する。パラレルクロック信号をデータ端子に入力し、シリアルクロック信号の立ち上がりエッジでサンプルして出力するフリップフロップ12と、フリップフロップ12の出力をデータ端子に受け、シリアルクロック信号の立ち上がりエッジでサンプルするフリップフロップ13を備えている。フリップフロップ12,13は2段のシフトレジスタを構成し、フリップフロップ13の出力がレーン内に分配される。
【0065】
図13は、図12の回路の動作の一例を示すタイミングチャートである。図12には、シリアルクロック信号と、レーン1、2、3に分配されるパラレルクロック信号のタイミング波形が示されている。図13に示すように、クロック駆動回路20−1、20−2から、シリアルクロック信号と分周クロック信号(パラレルクロック信号)の双方を分配し、レーン1、2、3に分配されたパラレルクロック信号を、シリアルクロック信号でラッチしなおすことで、各レーンに分配されたパラレルクロック信号の差分を解消し、レーン間で位相を合わせることができる。図12において、レーン1、2、3の破線で示す波形(b)、(d)、(f)は、クロック駆動回路から各レーンに分配される分周クロック信号の波形を表している。レーン1、2、3において実線で示す波形(c)、(e) 、(g)は、各レーンでシリアルクロック信号によりフリップフロップでラッチされレーン内に分配されるパラレルクロックである。図13に、「同期タイミング」として示すように、各レーンにおいて実線で示すパラレルクロック信号の立ち上がりエッジはレーン間で位相が合っている。
【0066】
図12の構成においても、パラレルクロック信号とシリアルクロック信号の遅延時間を等しくすることは困難である。シリアルクロック信号とパラレルクロック信号で必要な駆動能力は相違している。シリアルクロック信号とパラレルクロック信号とクロック駆動回路を同じ回路構成とすると遅延時間を合わせやすいが、パラレルクロック信号では駆動能力が過剰になり消費電流が増大する。
【0067】
<比較例3>
図14は、比較例3の構成を示す図である。この比較例3では、シリアルクロック信号をクロック駆動回路20−1で駆動してレーン1、2、3に分配し、シリアルクロック信号を分周回路30で分周した分周クロック信号をクロック駆動回路20−2で駆動しレーン1、2、3に分配している。各レーンにおいて、シリアルクロック線20Cから受信したシリアルクロック信号を、分周回路(フリップフロップ15)で2分周する。各レーンでは、クロック駆動回路20−2より各レーンに分配されたパラレルクロック信号を、分周回路15で2分周した信号でラッチし直すことで、各レーンに分配されたパラレルクロック信号の差分を解消し、位相をレーン間で合わせるようにしている。
【0068】
図15は、図14の回路の動作の一例を示すタイミングチャートである。図15において、レーン1、2、3の破線で示す波形(b)、(e)、(h)は、クロック駆動回路20−2から各レーンに分配される分周クロック信号のタイミング波形を表している。レーン1、2、3の波形(c)、(f)、(i)はフリップフロップ15の出力であるシリアルクロック2分周の波形を表している。レーン1、2、3の実線で示す波形(d)、(g)、(j)は、各レーンでシリアルクロック信号の2分周信号によりフリップフロップ12、13でラッチされレーン内に分配されるパラレルクロック信号である。同期タイミングとして示すように、各レーンにおいて、実線で示すパラレルクロック信号は位相が合っている。
【0069】
図14の比較例3においても、シリアルクロック信号とパラレルクロック信号を駆動するクロック駆動回路が異なるため、シリアルクロック信号とパラレルクロック信号の遅延を合わせることは困難である。シリアルクロック信号とパラレルクロック信号のクロック駆動回路20−1、20−2を同一構成とし、遅延を合わせるようにした場合、パラレルクロック信号側のクロック駆動回路の駆動能力が過剰となり、消費電流が増大する。
【0070】
上記のように、比較例1、2、3のいずれも、各レーンに供給するシリアルクロック信号とパラレルクロック信号をそれぞれ駆動する駆動回路を備えており、両者の駆動能力を同一として各レーン間でクロックのタイミングを調整する場合、クロック信号側のクロック駆動回路の駆動能力が過剰となり、消費電流が増大する。
【0071】
上記比較例と相違して、本実施形態によれば、パラレルクロック信号をクロック駆動回路から各レーンに一括駆動するという構成をとらず、リアルクロックとパラレルクロックのクロック駆動回路を同一構成としてシリアルクロック信号とパラレルクロック信号の遅延を合わせる必要はない。このため、パラレルクロック信号側のクロック駆動回路の駆動能力が過剰となり、消費電流が増大するという問題も回避される。
【0072】
なお、上記の特許文献の各開示を、本書に引用をもって繰り込むものとする。本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の請求の範囲の枠内において種々の開示要素の多様な組み合わせないし選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。
【符号の説明】
【0073】
10、10’、10”、10A、10B、10C レーン(伝送路)
11、11−1、11−2、11−3 レシーバ
12、12’、12−1、12−2、12−3、13、15、31、32、33、34 フリップフロップ
14、16、17、18 セレクタ
20、20−1、20−2、202 クロック駆動回路
21、21A シリアルクロック線(シリアルクロック信号)
22、22A パラレルクロック線(パラレルクロック信号)
23 シリアル分周クロック信号線
30 分周回路
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信インタフェース装置に関し、特に、複数レーンを備えた通信インタフェース装置のクロック同期に好適な装置に関する。
【背景技術】
【0002】
シリアル通信インタフェース(SerDes:Serializer/Deserializer)では、受信部において受信データからクロックアンドデータリカバリ(CDR)によりクロック及びデータをリカバーしデシリアライズ(シリアルデータをパラレルデータに変換)し、送信部において送出対象のパラレルデータをシリアライズして送信する。クロックの周波数はPCI Express1.1規格等ではレーン(伝送路)あたり2.5Gb/sのデータストリームを送信するために2.5GHzの高速クロック(シリアルクロック)を必要とする。因みにPCI Express2.0規格では5Gb/sとされ、5GHzの高速クロック(シリアルクロック)を必要とする。
【0003】
通信インタフェースにおいて、各レーンにはシリアルクロック信号が分配されるとともに、シリアルクロック信号を分周した分周クロック信号(パラレル信号駆動用のクロック信号として用いられることから「パラレルクロック信号」という)が分配される。
【0004】
レーン内において、パラレルクロック信号はシリアルデータをシリアルパラレル変換したパラレルデータのサンプルリングを行う順序回路等に分配される。複数レーン間におけるパラレルクロック信号のタイミング調整(レーン間でのパラレルクロック信号の同期化)、及び、パラレルクロック信号とシリアルクロック信号の遅延調整が必要とされる。
【0005】
本願発明者は、SERDES等のシリアル通信インタフェースを有する半導体装置において、複数レーン間での分周クロック信号(シリアルパラレル変換用の分周クロック信号)の遅延調整を、該半導体装置内のCTS(Clock Tree Synthesis)クロック信号を用いて行う構成を提案している(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−109426号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記したように、マルチレーンのシリアル通信インタフェースにおいて、複数レーン間でのパラレルクロック信号のタイミング調整、周波数がGHzオーダのシリアルクロック信号とのタイミング調整が必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、上記課題の少なくとも1つを解決するため、特に制限されないが、概略以下の構成とされる。
【0009】
本発明によれば、複数のレーンが共通に接続された第1のクロック信号線に第1のクロック信号を供給するクロック駆動回路を備え、前記複数のレーンは第1、第2のレーンを備え、前記第1のレーンは、前記第1のクロック信号線から前記第1のクロック信号を入力して前記第1のレーン内に分配し、前記第1のクロック信号(又はその分周信号)をサンプリングクロック信号として共通に入力する、カスケード接続されたM段(ただし、Mは2以上の整数)のフリップフロップを備え、M段目のフリップフロップの出力の反転信号が初段のフリップフロップに帰還入力され、前記M段目のフリップフロップの出力が第2のクロック信号として前記第1のレーン内に分配され、前記第2のレーンは、前記第1のクロック信号線から前記第1のクロック信号を入力して前記第2のレーン内に分配し、前記第1のレーンの前記M段目のフリップフロップに入力される(M−1)段目のフリップフロップの出力を、前記第1と第2のレーン間の第2のクロック信号線を介して、入力として受け、前記第1のクロック信号(又はその分周信号)をサンプリングクロックとして、前記入力をサンプルする第1のフリップフロップを備え、前記第1のフリップフロップの出力が第2のクロック信号として前記第2のレーン内に分配される通信インタフェース装置が提供される。
【0010】
本発明において、前記複数のレーンが、さらに第3乃至第S(ただし、Sは3以上の整数)のレーンを備え、
第Iのレーン(ただし、Iは3以上のS以下の整数)は、
前記第1のクロック信号線から前記第1のクロック信号を入力して前記第Iのレーン内に分配し、
隣の第(I−1)のレーン内の前記第1のフリップフロップの出力を初段に受けるカスケード接続された(M−1)段のフリップフロップの最終段の出力を、前記第(I−1)のレーンと前記第Iのレーン間の第2のクロック信号線を介して、入力として受け、前記第Iのレーン内の前記第1のクロック信号(又はその分周信号)をサンプリングクロック信号として前記入力をサンプルする第1のフリップフロップを備え、前記第Iのレーンの前記第1のフリップフロップの出力が第2のクロック信号として前記第Iのレーン内に分配される。
【0011】
本発明において、第Jのレーン(ただし、Jは2以上、且つ、S以下の整数)は、
前記第1のクロック信号(又はその分周信号)を共通のサンプリングクロックとする、カスケード接続された(M−1)段のフリップフロップと、
前記(M−1)段のフリップフロップの最終段のフリップフロップの出力と、
前記第(J−1)のレーンと前記第Jのレーンの間の前記第2のクロック信号線と、
に第1、第2の入力がそれぞれ接続され、
出力が、前記第Jのレーンの前記第1のフリップフロップの入力に接続されたセレクタを備え、前記第Jのレーンの前記第1のフリップフロップの反転出力が、前記(M−1)段のフリップフロップの初段のフリップフロップの入力に接続される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、各レーン間のパラレルクロック信号のタイミングを合わせることができる。また、本発明によれば、各レーン間のパラレルクロック信号とシリアルクロック信号を遅延調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施形態の構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態の動作例を説明するタイミング図である。
【図3】本発明の第2の実施形態の構成を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施形態の動作例を説明するタイミング図である。
【図5】本発明の第2の実施形態の別の動作例を説明するタイミング図である。
【図6】本発明の第3の実施形態の構成を示す図である。
【図7】本発明の第3の実施形態の構成の変形例1を示す図である。
【図8】本発明の第3の実施形態の構成の変形例2を示す図である。
【図9】本発明の第3の実施形態の動作例を説明するタイミング図である。
【図10】比較例1の構成を示す図である。
【図11】比較例1の動作を説明するタイミング図である。
【図12】比較例2の構成を示す図である。
【図13】比較例2の動作を説明するタイミング図である。
【図14】比較例3の構成を示す図である。
【図15】比較例3の動作を説明するタイミング図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施形態について以下に説明する。本発明は、パラレルクロックをレーン間で分配する方式をとらず、第1のレーンでシリアルクロックを分周してパラレルクロックを生成し、第2レーン以降では、若番側の隣接レーンの1クロック前の分周波形を同期タイミング用のクロック信号(当該レーン内のシリアルクロック信号)でラッチすることで、マルチレーン間で同じタイミングでパラレルクロック信号波形が生成される。
【0015】
本発明の態様(MODES)の1つにおいて、第1のクロック信号線(図1のシリアルクロック信号線21)に第1のクロック信号(シリアルクロック信号)を出力するクロック駆動回路(20)を備え、第1のレーン(レーン1)は、前記第1のクロック信号線から前記第1のクロック信号を入力して前記第1のレーン内に分配し、第1のクロック信号をサンプリングクロック信号として共通に入力する、カスケード接続されたM段(ただし、Mは2以上の整数)のフリップフロップ(12、13)を備え、M段目のフリップフロップ(13)の出力の反転信号が初段のフリップフロップ(12)に帰還入力され、前記M段目のフリップフロップ(13)の出力が第2のクロック信号(パラレルクロック信号)として前記第1のレーン内に分配される。第2のレーン(レーン2)は、前記第1のクロック信号線から前記第1のクロック信号を入力して前記第2のレーン内に分配し、前記第1のレーンの前記M段目のフリップフロップ(13)に入力される(M−1)段目のフリップフロップ(12)の出力を、前記第1と第2のレーン間の第2のクロック信号線(パラレルクロック信号線22)を介して、入力として受け、前記第2のレーン内の前記第1のクロック信号又はその分周信号をサンプリングクロック信号として、前記入力をサンプルする第1のフリップフロップ(13)を備え、前記第1のフリップフロップ(13)の出力が第2のクロック信号(パラレルクロック信号)として前記第2のレーン内に分配される。
【0016】
さらに、第3乃至第S(ただし、Sは3以上の整数)のレーンを備え、第Iのレーン(ただし、Iは3以上のS以下の整数)は、前記第1のクロック信号線(21)から前記第1のクロック信号を入力して前記第Iのレーン内に分配する。また、隣の第(I−1)のレーン内に設けられ、第(I−1)のレーン内の第1のフリップフロップ(13)の出力を受けるカスケード接続された(M−1)段目のフリップフロップ(12)の出力を、前記第(I−1)のレーンと前記第Iのレーン間の第2のクロック信号線(22)を介して、入力として受け、前記第Iのレーン内の前記第1のクロック信号又はその分周信号をサンプリングクロック信号として前記入力をサンプルする第1のフリップフロップ(13)を備え、前記第Iのレーンの前記第1のフリップフロップ(13)の出力が第2のクロック信号として前記第Iのレーン内に分配される。
【0017】
本発明の態様(MODES)の1つにおいて、第Jのレーン(ただし、Jは2以上、且つ、S以下の整数)は、前記第1のクロック信号又は前記第1のクロック信号の分周信号を共通のサンプリングクロックとする(M−1)段(ただし、Mは2以上の整数)のフリップフロップ(12)を備えている。さらに、第(J−1)のレーンと第Jのレーンの間の前記第2のクロック信号線(22)と、(M−1)段のフリップフロップの最終段のフリップフロップ(12)の出力とに、第1、第2の入力がそれぞれ接続され、出力が前記第Jのレーンの前記第1のフリップフロップ(13)の入力に接続されたセレクタ(14)を備えている。前記第1のフリップフロップ(13)の反転出力が、前記(M−1)段のフリップフロップの初段のフリップフロップ(12)の入力に帰還される構成とし、隣のレーンから転送された第2のクロック信号(パラレルクロック信号)をサンプリングしてレーン内の第2のクロック信号とするか、当該レーン内で第1のクロック信号を分周して第2のクロック信号を生成するかを選択できる。
【0018】
本発明の態様(MODES)の別の1つにおいて、第Jのレーン(ただし、Jは2以上、且つ、S−1以下の整数)は、前記第1のクロック信号を共通のサンプリングクロック信号として入力とし、初段が第Jのレーンの前記第1のフリップフロップ(図3の13)の出力を入力とし、(N−1)段(ただし、Nは2以上の所定の整数)のフリップフロップ(図3の12)を備えたシフトレジスタを有し、前記第Jのレーンの前記シフトレジスタの(N−1)段目のフリップフロップの出力が、前記第Jのレーンと前記第(J+1)のレーン間に設けられた第2のクロック信号線(22)を介して、前記第(J+1)のレーンの前記第1のフリップフロップ(13)に入力される構成としてもよい。
【0019】
本発明の態様(MODES)の別の1つにおいて、第Jのレーン(ただし、Jは2以上、且つ、S以下の整数)は、前記第1のクロック信号を共通のサンプリングクロック信号として入力する、カスケード接続された(M−1)段のフリップフロップ(12’:図3ではM=2)を備え、前記第(J−1)のレーンと前記第Jのレーンの間に設けられた前記第2のクロック信号線(22)と、前記第Jのレーンの前記カスケード接続された(M−1)段のフリップフロップ(12’)の最終段の出力と、に第1、第2の入力がそれぞれ接続され、出力が、前記第Jのレーンの前記第1のフリップフロップ(13)の入力に接続されたセレクタ(14)を備え、前記第Jのレーンの前記第1のフリップフロップの出力が、前記第Jのレーンの前記カスケード接続された(M−1)段のフリップフロップの初段(12’)に帰還入力される。セレクタ(14)で第2の入力を選択時、前記第Jのレーンの前記カスケード接続された(M−1)段のフリップフロップ(12’)と前記第Jのレーンの前記第1のフリップフロップ(13)とがカスケード接続され、M段のフリップフロップからなる第1の分周回路を構成する。一方、セレクタ(14)で前記第1の入力を選択時、前記第(J−1)のレーンと前記第Jのレーンの間に設けられた第2のクロック信号線(22)からの信号が、前記第Jのレーンの前記第1のフリップフロップ(13)の入力に入力される。Jが2以上(S−1)以下の第Jのレーンについて、前記(M−1)段のフリップフロップの最終段の出力が前記第Jのレーンと第(J+1)のレーンの間に設けられた第2のクロック信号線を介して第(J+1)のレーンに出力される。
【0020】
本発明の態様(MODES)の別の1つにおいては、第Jのレーン(ただし、Jは2以上、且つ、S−1以下の整数)において、前記第1のフリップフロップ(13)の出力を、前記(N−1)段のフリップフロップからなる前記シフトレジスタの初段に入力し、前記シフトレジスタの最終段の出力が、前記第Jのレーンと第(J+1)のレーン間に設けられた第2のクロック信号線(22)を介して、隣の第(J+1)のレーンの前記第1のフリップフロップ(13)に入力される構成としてもよい。前記Nは、前記各レーン内に分配される前記第2のクロック信号が前記第1のクロック信号を2N分周したものである場合のNに対応する。
【0021】
本発明の態様(MODES)のさらに別の1つにおいて、各レーンが、前記レーン内に入力された前記第1クロック信号を分周する第2の分周回路(図6、図7、図8の15)を備え、前記第2の分周回路から出力される前記第1のクロック信号の分周信号を前記各レーン内に分配し、前記第1のレーンの前記第1の分周回路の前記M段のフリップフロップ(図6、図7、図8の12、13)は、前記第1のレーン内の前記第2の分周回路から出力される前記第1のクロック信号の分周信号を共通のサンプリングクロック信号とし、前記第Iのレーン(Iは2以上のS以下)の前記第1のフリップフロップ(図6、図7、図8の13)は、前記第Iのレーン内の前記第2の分周回路から出力される前記第1のクロック信号の分周信号をサンプリングクロック信号とする構成としてもよい。
【0022】
本発明の態様(MODES)のさらに別の1つにおいて、前記第Iのレーン(Iは2以上のS以下)の前記第2の分周回路を構成するフリップフロップの初段(図7、図8の16)には、セレクタ(図7、図8の17)を介して、隣の第(I−1)のレーンと前記第Iのレーン間に設けられた第1の分周クロック信号線(23)を介して転送された、前記第(I−1)のレーン内の前記第2分周回路(15)からの前記第1のクロック信号の分周信号が入力される構成としてもよい。このセレクタ(17)は、隣の第(I−1)のレーンと前記第Iのレーン間に設けられた第1の分周クロック信号線(23)と、前記第Iのレーンの前記第2の分周回路(15)の出力を第1、第2の入力に入力し、選択信号に基づき一方を選択し、前記セレクタの出力が、前記第2の分周回路を構成するフリップフロップ(15)の初段に入力される。なお、第2の分周回路の構成によっては、前記セレクタの出力の反転信号が、前記第2の分周回路を構成するフリップフロップ(15)の初段に入力される。
【0023】
本発明の態様(MODES)のさらに別の1つにおいて、第1のレーンは、前記第1のレーン内に入力された前記第1クロック信号をサンプリングクロック信号とする1つ又は複数段のフリップフロップ(15)を備えた第2の分周回路を備え、前記第1のレーンの前記第1の分周回路の前記M段のフリップフロップ(12、13)は、前記第1のレーンの前記第2の分周回路から出力される前記第1のクロック信号の分周信号を共通のサンプリングクロック信号とする。第Iのレーン(Iは2以上のS以下)は、前記第Iのレーン内に入力された前記第1クロック信号を共通のサンプリングクロック信号とするK段(ただし、Kは1以上の整数)のフリップフロップ(15)を備えた第2の分周回路と、隣の第(I−1)のレーンと前記第Iのレーン間に設けられた第1の分周クロック信号線を介して転送された、前記第(I−1)のレーン内の前記第1のクロック信号の分周信号を初段が入力し、共通のサンプリングクロック信号として入力とする2K段のフリップフロップ(16)からなるシフトレジスタと、を備え、さらに、前記第2の分周回路(15)の出力と、前記2K段のフリップフロップ(16)からなるシフトレジスタの最終段の出力と、を第1、第2の入力に入力する第2のセレクタ(17)を備え、前記第2のセレクタの出力(17)が、前記第1のクロック信号の分周信号として、前記第Iのレーン内に分配され、前記第Iのレーン(Iは2以上のS以下)の前記第1のフリップフロップは、前記第Iのレーン内の前記第2のセレクタ(17)から出力される前記第1のクロック信号の分周信号をサンプリングクロック信号とする。以下、例示的実施形態に即して説明する。
【0024】
<実施形態1>
図1は、本発明の第1の実施形態の構成を示す図である。クロック駆動回路20は、不図示のPLL(位相同期ループ)等からのクロック信号(例えばGHzオーダ)を受け、複数のレーンが共通に接続された第1のクロック信号線21にシリアルクロック信号を出力する。
【0025】
第1のレーン(レーン1)10は、シリアルクロック信号線21からシリアルクロック信号を入力するレシーバ11を備え、レシーバ11から出力されるシリアルクロック信号はレーン1内に分配される。シリアルクロック信号をサンプリングクロック信号として共通に入力する、カスケード接続された2段のフリップフロップ12、13を備え、2段目のフリップフロップ13の出力の反転信号(反転出力)が初段のフリップフロップ12に帰還入力される分周回路を備えている。2段目のフリップフロップ13の出力がパラレルクロック信号としてレーン1内に分配される。
【0026】
なお、図1において、フリップフロップ12の入力端子(データ端子)の○は反転入力(負論理入力)を表しており、フリップフロップ13の出力が1のときは0を入力し、フリップフロップ13の出力が0のときは、1を入力することと等価となる。フリップフロップ12、13は通常、出力端子(正転出力端子)(Q)と、出力端子(Q)の反転信号を出力する反転出力端子(QB)を備えており、図1等の接続は、フリップフロップ13の反転出力(QB)を、フリップフロップ12のデータ端子(D)に帰還接続し、フリップフロップ13の出力端子(Q)からの出力信号をレーン1内のパラレルクロック信号として分配し、フリップフロップ12の出力端子(Q)をフリップフロップ13のデータ端子(D)に接続することを表している。図1以降では、簡単のため、フリップフロップ12のデータ端子を負論理入力で表しているが、フリップフロップ13の反転出力又はフリップフロップの出力信号の反転信号をフリップフロップ12がデータ端子に入力することと等価である。
【0027】
第2のレーン(レーン2)10は、シリアルクロック信号線21からシリアルクロック信号を入力するレシーバ11を備え、レシーバ11から出力されるシリアルクロック信号は第2のレーン内に分配される。第1のレーン10の1段目のフリップフロップ12の出力(2段目のフリップフロップ13のデータ端子に入力される)を、第1と第2のレーン間のパラレルクロック信号線22及び、第2のレーン(レーン2)のセレクタ14を介して、入力に受け、第2のレーン(レーン2)10のレシーバ11から当該レーン内に分配されるシリアルクロック信号をサンプリングクロック信号として前記入力をサンプルするフリップフロップ13を備え、このフリップフロップ13の出力が、パラレルクロック信号として、第2のレーン内に分配される。
【0028】
第3のレーン(レーン3)10は、シリアルクロック信号線21からシリアルクロック信号を入力するレシーバ11を備え、レシーバ11から出力されるシリアルクロック信号は第3のレーン内に分配される。隣の第2のレーンのフリップフロップ12の出力を、第2のレーンと第3レーン間のパラレルクロック信号線22、及び、レーン3内のセレクタ14を介して、入力に受け、レーン3内のレシーバ11から出力されるシリアルクロック信号をサンプリングクロック信号として前記入力をサンプルするフリップフロップ13を備え、フリップフロップ13の出力がパラレルクロック信号として前記第3のレーン内に分配される。
【0029】
第4以降のレーンを備える場合も、同様にして、第Iのレーン(ただし、Iは4以上の所定の整数)は、シリアルクロック信号線21からシリアルクロック信号を入力するレシーバ11を備え、レシーバ11から出力されるシリアルクロック信号は第Iレーン内に分配される。隣の第(I−1)のレーンのフリップフロップ12の出力を、第(I−1)のレーンと第Iのレーン間の第2のクロック信号線22と、第(I−1)のレーンのセレクタ14を介して、入力に受け、レシーバ11から出力されるシリアルクロック信号をサンプリングクロックとして前記入力をサンプルするフリップフロップ13を備え、フリップフロップ13の出力がパラレルクロック信号として前記第Iのレーン内に分配される。
【0030】
本実施形態において、第2以降の各レーン10は、レシーバ11から当該レーン内に分配されたシリアルクロック信号をフリップフロップ13と共通のサンプリングクロックとするフリップフロップ12を備え、隣のレーンと当該レーンの間のパラレルクロック信号線22と、フリップフロップ12の出力に、第1、第2の入力がそれぞれ接続され、出力が、当該レーンのフリップフロップ13の入力に接続されたセレクタ14を備え、フリップフロップ13の出力の反転信号がフリップフロップ12の入力に帰還接続される。セレクタ14は、選択信号selに基づき、隣のレーンからパラレルクロック信号線22を介して転送されるパラレルクロック信号を用いる場合、第1の入力を選択して、隣のレーンからパラレルクロック信号線22を介して転送されるパラレルクロック信号をフリップフロップ13の入力に供給する。
【0031】
第2以降の各レーン10において、隣のレーンからパラレルクロック信号線22を介して転送されるパラレルクロック信号を用いず、当該レーン内でシリアルクロック信号を分周してパラレルクロック信号を生成する場合、セレクタ14は、第2の入力を選択してフリップフロップ12の出力をフリップフロップ13の入力に供給し、フリップフロップ12、13は4分周回路として機能する。当該レーン内でシリアルクロック信号を分周してパラレルクロック信号を生成する場合(セレクタ14で第2の入力選択時)、各レーン間でのパラレルクロック信号の遅延調整は行われず、各レーン間のパラレルクロック信号の同期は保証されない。
【0032】
なお、図1に示した構成では、第1のレーンにおける2段カスケード接続されたフリップフロップ12と13は、4分周回路を構成しているが、本発明において、パラレルクロック信号の分周数は4分周に限定されるものでないことは勿論である。例えばM段(Mは2以上の整数)カスケード接続され、最終段の出力の反転信号を初段に帰還するフリップフロップを備え、M−1段目のフリップフロップの出力(M段目)のフリップフロップへの入力)を、パラレルクロック線22を介して第2のレーンのフリップフロップ13の入力に供給する構成としてもよい。この場合、第2のレーンにおいてフリップフロップ12はM−1段カスケード接続され、M−1段目のフリップフロップの出力と、第1のレーンからのパラレルクロック線22とがセレクタ14に入力されることになる。他のレーンについても同様とされる。また分周値は2の倍数等に限定されるものでなく、任意であってよい。
【0033】
図2は、本発明の一実施形態の動作を説明するタイミング図である。図2には、レーン1、2、3に分配されるシリアルクロック信号(a)と、レーン1、2、3のそれぞれにおいてレーン内に分配されるパラレルクロック信号(各レーンのフリップフロップ13の出力)が実線の波形(b)、(d)、(f)で示され、レーン1からレーン2、レーン2からレーン3にパラレルクロック信号線22を介して転送されるパラレルクロック信号(フリップフロップ12の出力)は、破線の波形(c)、(e)で示されている。なお、図2において、パラレルクロック信号は、シリアルクロック信号を6分周して生成される。この6分周構成は、図1において、各レーンに、フリップフロップ13の出力を入力するフリップフロップ12の後段にさらにフリップフロップ12を備え、2段目のフリップフロップ12の出力がセレクタ14を介してフリップフロップ13に入力される。フリップフロップ12及び13はレシーバからのシリアルクロック信号を共通のサンプルリングクロック信号とする。
【0034】
図2に示すように、第2のレーン以降の各レーンにおいては、若番側の隣接レーンの1クロック(シリアルクロック信号)前のパラレルクロック信号がパラレルクロック線22を介して当該各レーン内のフリップフロップ13に転送され、フリップフロップ13は転送されたパラレルクロック信号を次のシリアルクロック信号の立ち上がりエッジでサンプリングすることで、各レーン内に分配されるパラレルクロック信号のタイミングを、複数レーン1、2、3間で合わせることができる。また、各レーンに、パラレルクロック信号を分配するクロック駆動回路を具備せず、パラレルクロック信号とシリアルクロック信号の遅延調整を容易化している。
【0035】
<実施形態2>
図3は、本発明の第2の実施形態の構成を示す図である。図3の第1のレーン、第3のレーンは図1と同一構成である。第2のレーンは、シリアルクロック信号線21からシリアルクロック信号を入力するレシーバ11と、第1のレーンのフリップフロップ13に入力されるフリップフロップ12の出力を、第1のレーンと第2のレーン間に設けられたパラレルクロック信号線22を介して第1の入力に受けるセレクタ14と、セレクタ14の出力を受けるフリップフロップ13(第1のフリップフロップ)を備え、フリップフロップ13の出力はパラレルクロック信号として第2のレーン内に分配される。さらに、フリップフロップ13の出力を入力として初段のフリップフロップ12が受け、第2のレーン内のレシーバ11からのシリアルクロック信号をサンプリングクロック信号として共通に受ける、3段構成のフリップフロップ12からなるシフトレジスタを備えている。さらに、第2のレーン10’において、フリップフロップ13の出力の反転信号を入力とし、第2のレーン内のレシーバ11からのシリアルクロック信号をサンプリングクロック信号として受けるフリップフロップ12’を備えている。フリップフロップ12’の出力は、セレクタ14の第2の入力に接続される。
【0036】
図3の例では、パラレルクロック信号は、シリアルクロック信号を4分周して生成される。第2のレーン(レーン2)10’において、3段のフリップフロップ12がシフトレジスタを構成し、セレクタ14で第1の入力が選択された場合、3段のフリップフロップ12は、フリップフロップ13とともに4段のシフトレジスタを形成し、パラレルクロック信号のタイミング調整が行われる。すなわち、セレクタ14は、隣のレーン1からパラレルクロック信号線22を介して転送される分周クロック信号(パラレルクロック信号)を用いる場合、選択信号selに基づき、第1の入力を選択し、フリップフロップ13に与え、フリップフロップ13の出力は、3段のフリップフロップ12からなるシフトレジスタの初段に入力される。すなわち、隣のレーン1からパラレルクロック信号線22を介して転送される分周クロック信号(パラレルクロック信号)は、フリップフロップ13でサンプルされ、その出力は、3段のフリップフロップ12を順次後段に転送され、第2のレーンのフリップフロップ13でサンプルされたパラレルクロック信号から、シリアルクロック信号3サイクル分遅れて、パラレルクロック信号線22を介して、第3のレーン内のセレクタ14を介して、第3のレーン内のフリップフロップ13に入力され、シリアルクロック信号4サイクル分(パラレルクロック信号の1周期分)遅れてサンプルされる。
【0037】
第2のレーンのフリップフロップ13によりシリアルクロック信号でサンプルされた出力は、パラレルクロック信号線22を介して第3のレーンに転送されるパラレルクロック信号よりも、シリアルクロック信号の3サイクル分進んでいる。なお、第2のレーン内のフリップフロップ13でサンプルされたパラレルクロック信号は、第2のレーン内に分配される。
【0038】
なお、隣のレーン1からパラレルクロック信号線22を介して転送されるパラレルクロック信号を用いず、当該レーン内でシリアルクロック信号を分周してパラレルクロック信号を生成する場合、選択信号selに基づき、セレクタ14は、第2の入力を選択し、フリップフロップ12’の出力をフリップフロップ13の入力に供給し、フリップフロップ12’と13は4分周回路として機能する。
【0039】
第3のレーン(レーン3)(10’)は、隣の第2のレーン(レーン2)の3段シフトレジスタを構成する最終段のフリップフロップ12からに出力を、第2のレーンと第3レーン間のパラレルクロック信号線22を介して、第1の入力に受けるセレクタ14を備え、セレクタ14の出力はフリップフロップ13に入力され、フリップフロップ13の出力の反転信号はフリップフロップ12の入力に帰還される。フリップフロップ12の出力はセレクタ14の第2の入力に接続される。フリップフロップ13の出力がパラレルクロック信号として前記第3のレーン内に分配される。セレクタ14は、隣のレーンからパラレルクロック信号線22を介して転送されるパラレルクロック信号を用いる場合には、第1の入力を選択して、隣のレーンからパラレルクロック信号線22を介して転送されるパラレルクロック信号をフリップフロップ13の入力に供給する。隣のレーンからパラレルクロック信号線22を介して転送されるパラレルクロック信号を用いず、当該レーン内でシリアルクロック信号を分周してパラレルクロック信号を生成する場合、セレクタ14は第2の入力を選択しフリップフロップ12の出力をフリップフロップ13の入力に供給し、フリップフロップ12、13は4分周回路として機能する。
【0040】
なお、S個のレーン(Sは4以上の整数)構成の場合、第2乃至第(S−1)レーンは第2レーンと同一構成とされ、第Sのレーンは、図3の第3のレーンと同一構成とされる。
【0041】
図4は、図3に示した本実施形態の動作を説明するためのタイミングチャートである。図4において、パラレルクロック信号はシリアルクロック信号を6分周して生成される。図3において、各レーンは、フリップフロップ13の出力の反転信号を入力するフリップフロップ12の後段にさらにフリップフロップ12を備え、2段目のフリップフロップ12の出力がセレクタ14を介してフリップフロップ13に入力される。フリップフロップ12及び13はレシーバからのシリアルクロック信号を共通のサンプルリングクロック信号とする。第2のレーン(レーン2)内のフリップフロップ12からなるシフトレジスタは5段のフリップフロップで構成される。
【0042】
レーン1、2、3に分配されるシリアルクロック信号(a)と、レーン1、2、3においてレーン内に分配されるパラレルクロック信号(各レーンのフリップフロップ13の出力)が実線の波形(b)、(d)、(i)で示されている。波形(c)はレーン1からレーン2にパラレルクロック信号線22を介して転送されるパラレルクロック信号(フリップフロップ12の出力)である。レーン2において、レーン1からパラレルクロック信号線22を介して転送されるパラレルクロック信号(波形(c))をフリップフロップ13でサンプルした波形は、レーン2内のパラレルクロック信号として分配されるとともにソフトレジスタの初段のフリップフロップ12−1に帰還され、フリップフロップ12−1は1クロック遅れた波形(e)を出力し、次段以降のフリップフロップは、前段のフリップフロップの出力を1クロックサイクル遅れて出力し((f)〜(h))、6段のフリップフロップからなるシフトレジスタの出力(波形(h))は、パラレルクロック線22を介してレーン3に入力され、レーン3のフリップフロップ13にてサンプルされる。レーン3のフリップフロップ13の出力はレーン3内のパラレルクロック信号(i)としてレーン内に分配される。
【0043】
<実施形態2:変形例>
図5は、本実施形態の動作の変形例を示すタイミングチャートである。図5において、レーン1、2、3に分配されるシリアルクロック信号(a)と、レーン1、2、3においてレーン内に分配されるパラレルクロック信号(各レーンのフリップフロップ13の出力)が実線の波形(b)、(d)、(g)で示されている。波形(c)はレーン1からレーン2にパラレルクロック信号線22を介して転送されるパラレルクロック信号(レーン1のフリップフロップ12の出力)である。レーン2において、レーン1からパラレルクロック信号線22を介して転送されるパラレルクロック信号(波形(c))をフリップフロップ13でサンプルした波形(d)は、レーン2内のパラレルクロック信号として分配されるとともに、シフトレジスタの初段のフリップフロップ12に帰還される。その際、波形(d)はインバータで反転され、180度位相を遅らせる。初段のフリップフロップは、波形(d)の反転信号をシリアルクロック信号1クロックサイクル(位相で60度)遅れらせた波形(e)を出力し、次の段のフリップフロップ12は、波形(e)をシリアルクロック信号1クロックサイクル(位相で60度)遅れらせた波形(f)をパラレルクロック線22に出力する。レーン3のフリップフロップ13は、波形(f)を、レーン3内のシリアルクロック信号にてサンプルする。レーン3のフリップフロップ13の出力はレーン3内のパラレルクロック信号波形(h)としてレーン内に分配される。
【0044】
図5の実施形態によれば、パラレルクロック信号がシリアルクロック信号を6分周したものである場合において、図3のフリップフロップ13の反転信号を、シフトレジスタの初段に入力する構成としたことで、出力がセレクタ14に接続されたシフトレジスタを構成するフリップフロップ12は2段で済む。
【0045】
これに対して、図4においては、シフトレジスタを構成するフリップフロップ12(第2のレーン内のフリップフロップ12、13)は5段構成とされる。また、パラレルクロック信号がシリアルクロック信号を4分周したものである場合において、出力がセレクタ14に接続されたシフトレジスタを構成するフリップフロップ12は1段で済む。これに対して、図4の実施形態においては、シフトレジスタを構成するフリップフロップ12は2段構成とされる(図3の構成に対応)。
【0046】
<実施形態3>
図6は、本発明の第3の実施形態の構成を示す図である。図6を参照すると、本実施形態は、図1の前記実施形態と相違して、第1のレーン(10”)において、レシーバ11から出力されるシリアルクロック信号をフリップフロップ15で2分周させた信号を、フリップフロップ12、13のサンプリングクロック信号として用いている。フリップフロップ12の出力は、パラレルクロック信号線22を介して第2のレーンに出力され、フリップフロップ13の出力は、第1のレーン内のパラレルクロック信号として分配される。
【0047】
第2、第3のレーン(レーン2、3)の各レーンにおいて、第2、第3のレーン内に入力されたシリアルクロック信号をサンプリングクロック信号とし、出力をレーン内に反転信号を帰還入力するフリップフロップ15を備えている。入力されたシリアルクロックをレーン内に分配する場合、セレクタ17、18を介して、フリップフロップ15の出力がシリアルクロック信号の2分周信号として第2、第3のレーン内に分配される。フリップフロップ15の出力信号はセレクタ18を介して、レーン内のシリアルクロックとして分配され、セレクタ17を介して反転信号がフリップフロップ15のデータ端子に入力され、フリップフロップ15は、データ端子の信号を、レシーバ11の出力に応答してサンプルする。
【0048】
第1のレーン10”のフリップフロップ15から出力されるシリアルクロック信号の2分周信号は、第1のレーンと第2のレーン間に設けられたシリアル分周クロック信号線23を介して第2のレーン10”に供給される。
【0049】
第2のレーンでは、シリアル分周クロック信号線23を介して第1のレーンから入力された第1クロック信号の分周信号を、初段が入力し、レシーバ11からのシリアルクロック信号をサンプリングクロックとする2段カスケード接続されたフリップフロップ16を備えたシフトレジスタを備えている。
【0050】
さらに、反転出力が入力に帰還され、第2のレーン内のシリアルクロック信号をサンプリング信号とし2分周回路を構成するフリップフロップ15の出力と、第2のレーン内のシリアルクロック信号をサンプリング信号としシフトレジスタを構成する2段のフリップフロップ16の最終段の出力と、を第1、第2の入力に入力するセレクタ17を備え、セレクタ17の出力が、前記第1のクロック信号の分周信号として、前記第2、第3のレーン内に分配される。第2のレーンのセレクタ17の出力は、シリアル分周クロック信号線23を介して第3のレーンに供給される。
【0051】
セレクタ17が第2の入力を選択する場合、隣の第1のレーンからシリアル分周クロック信号線23を介して転送された2分周シリアルクロック信号を2段のフリップフロップ16からなるシフトレジスタでタイミング調整した信号が第2のレーン内に分配され、さらに、シリアル分周クロック信号線23を介して第3のレーンに転送される。隣のレーンからの分周シリアルクロック信号を使用しない場合、セレクタ17は第1の入力を選択し、第2のレーン内の2分周回路(15)の出力が第2のレーン内に分配される。第3のレーンも同様とされる。ただし、第3のレーンは、隣のレーン(第4のレーン)が存在しない場合、第4のレーンにシリアル分周クロック信号を転送することはしない。なお、隣の第1のレーンからシリアル分周クロック信号を使用する場合に、サンプリングクロック信号の供給を停止する等の制御を行い、フリップフロップ15の動作を停止させるようにしてもよい。また、レーン内で分周クロック信号を作成する場合(フリップフロップ15を動作させる場合)、フリップフロップ16の動作を停止させるようにしてもよい。
【0052】
図6において、シリアルクロック信号を分周する回路として、簡単のため、フリップフロップ15を1つ備えた構成(2分周回路)を示したが、本発明がかかる構成に限定されるものではいことは勿論である。すなわち、フリップフロップ15のかわりに、複数段カスケード接続されたフリップフロップを備えてもよい。フリップフロップ15でシリアルクロック信号をN分周する場合、シフトレジスタ16を構成するフリップフロップはN段接続される。
【0053】
<実施形態3:変形例1>
図7は、第3の実施形態の変形例1の構成を示す図である。図6の回路は、実装上、例えば図7に示すように、2分周回路を構成するフリップフロップ15を、シフトレジスタを構成するフリップフロップ16の1部に組み入れる構成としてもよいことは勿論である。この場合、隣のレーンからのシリアル分周クロック信号線23と、フリップフロップ15の出力帰還路とを第1、第2の入力とするセレクタ17を備え、フリップフロップ15の出力を負論理入力とし、フリップフロップ15と共通のサンプリングクロックで駆動されるフリップフロップ16(負論理入力又は反転出力)を備え、フリップフロップ15の出力とフリップフロップ16の出力が、セレクタ18に入力される構成としてもよい。セレクタ17、18で第1の入力を選択するときは、フリップフロップ15からなる2分周回路とされる。セレクタ17、18で第2の入力を選択するときは、隣のレーンからのシリアル分周クロック信号線23を介して転送された分周クロック信号を2段のフリップフロップ15、16でシフトしセレクタ18から出力する構成とされる。
【0054】
<実施形態3:変形例2>
図8は、本発明の第3の実施形態の変形例2の構成を示す図である。図8に示すように、この変形例において、第1のレーンは、図6の構成と同一であり、第2、第3のレーンにおいて、隣のレーンからパラレルクロック線22を介してパラレルクロックを受けレーン内に分配する回路(フリップフロップ12、セレクタ14、フリップフロップ13)の構成も、図6の構成と同一である。本実施形態の変形例では、第2、第3のレーンにおいて、シリアルクロックから2分周クロックを生成する回路を、セレクタ17とフリップフロップ15で構成している。レーン2のセレクタ17は、レーン1からのシリアル分周クロック線23からの2分周クロック信号を第1の入力に入力し、レーン2内のフリップフロップ15の出力を第2の入力に入力し、選択信号selにより一方を選択し、フリップフロップ15の入力には、セレクタ17の反転信号が入力され、フリップフロップ15はレシーバ11で受信したシリアルクロック信号で入力をサンプルする。セレクタ17はローカルモードのときは、第1の入力(フリップフロップ15の出力)を選択し、隣のレーンとの同期をとるときは、第2の入力(シリアル分周クロック線23)を選択する。フリップフロップ15の出力はシリアルクロック信号としてレーン内に分配されるとともに、シリアル分周クロック線23を介してレーン3のセレクタ17に入力される。フリップフロップ15の出力(2分周クロック)は、パラレルクロックの4分周回路を構成するフリップフロップ12、13のサンプリングクロック信号として入力される。
レーン3のセレクタ17は、レーン2からのシリアル分周クロック線23からの2分周クロック信号を第1の入力に入力し、レーン2内のフリップフロップ15の出力を第2の入力に入力し、選択信号selにより一方を選択する。フリップフロップ15の入力には、セレクタ17の反転信号が入力され、フリップフロップ15はレシーバ11で受信したシリアルクロック信号で入力をサンプルする。第2のレーンと同様、セレクタ17はローカルモードのときは、第1の入力(フリップフロップ15の出力)を選択し、隣のレーンとの同期をとるときは、第2の入力(シリアル分周クロック線23)を選択する。フリップフロップ15の出力(2分周クロック)は、シリアルクロック信号としてレーン内に分配され、パラレルクロックの4分周回路を構成するフリップフロップ12、13のサンプリングクロック信号として入力される。
【0055】
<実施形態3の動作>
図9は、図6乃至図8に示した本発明の第3の実施形態の動作を説明する図である。なお、図9において、パラレルクロック信号はシリアルクロック信号の12分周信号とされる。各レーンにおいて、フリップフロップ12とフリップフロップ13の間には1つのフリップフロップ12を備えている。レーン1、2、3に分配されるシリアルクロック信号(a)と、レーン1、2、3において、シリアルクロック信号を2分周した2分周クロック信号(b)、(e)、(i)と、レーン1、2、3内に分配されるパラレルクロック信号(各レーンのフリップフロップ13の出力)が実線の波形(c)、(f)、(h)が示されている。さらに、波形(d)は、レーン1からレーン2にパラレルクロック信号線22を介して転送されるパラレルクロック信号(レーン1のフリップフロップ12の出力)の波形である。
【0056】
レーン2において、レーン1からパラレルクロック信号線22を介して転送されるパラレルクロック信号(波形(c))を、フリップフロップ13でサンプルした波形(d)は、レーン2内のパラレルクロック信号として分配されるとともに、シフトレジスタの初段のフリップフロップ12に帰還される。その際、波形(d)は、反転され、フリップフロップ12は、波形(d)の反転信号を1クロック遅れた波形(f)を出力し、パラレルクロック線22に出力する。
【0057】
レーン3のフリップフロップ13は、波形(f)をレーン3内のシリアルクロック信号にてサンプルする。レーン3のフリップフロップ13の出力はレーン3内のパラレルクロック信号波形(h)としてレーン内に分配される。
【0058】
図9に「同期タイミング」として示すように、レーン1、2、3内にそれぞれ分配されるパラレルクロック信号は波形(c)、(f)、(j)に示すように、シリアル分周クロック線23を介して転送され、レーン内に分配される2分周クロックの立ち上がりエッジに同期している。
【0059】
以下に参考例として、本発明の構成をとらない比較例について説明する。
【0060】
<比較例1>
図10に、マルチレーン間のパラレルクロック同期回路の比較例1の構成を示す。なお、図10は、本発明者により作成されたものである。各レーン(1、2、3)10Aに接続されたシリアルクロック線21Aとパラレルクロック線22Aを備えている。クロック駆動回路20−1は、PLL(位相同期ループ)等からのクロック信号を受け、シリアルクロック線21Aにシリアルクロック信号を出力する。各レーン10A内において、シリアルクロック信号21Aはレシーバ11−1で受信され、各レーン内に分配される。また、シリアルクロック信号を分周回路30で分周し、クロック駆動回路20−2は分周クロック信号(パラレルクロック)をパラレルクロック線22Aに出力する。パラレルクロック線22Aのパラレルクロック信号は各レーン10A内のレシーバ11−2で受信され、各レーン内に分配される。
【0061】
図11に、図10の構成のタイミングチャートの一例を示す。図11には、シリアルクロック信号と、レーン1、2、3に分配されるパラレルクロック信号のタイミング波形が示されている。クロック駆動回路から、シリアルクロック信号とパラレルクロック信号の双方を各レーンに分配している。
【0062】
図10の構成の場合、パラレルクロック信号の配線遅延がレーン1、2、3の各レーンで異なる。図10においては、シリアルクロック信号とパラレルクロック信号の遅延変動を調整しレーン間で遅延を合わせる必要がある。
【0063】
しかしながら、パラレルクロック信号とシリアルクロック信号の遅延時間を等しくすることは困難である。シリアルクロック信号とパラレルクロック信号を駆動するクロック駆動回路では必要とされる駆動能力が異なる。シリアルクロック信号とパラレルクロック信号のクロック駆動回路20−1、20−2を同じ構成にすると、遅延時間を合わせやすいが、シリアルクロックの駆動と同じ駆動能力した場合、パラレルクロック信号の駆動能力が過剰になり、消費電流が増大する。
【0064】
<比較例2>
図12は、比較例2の構成を示す図である。なお、図12は本発明者により作成されたものである。シリアルクロック信号はクロック駆動回路20−1によってレーン1、2、3に対して一括で駆動している。シリアルクロック信号を分周回路30で分周した分周クロック信号をクロック駆動回路20−2でレーン1、2、3に対して一括で駆動している。各レーン1、2、3では、シリアルクロック信号をレシーバ11−1で受け、レーン内に分配する。パラレルクロック信号をデータ端子に入力し、シリアルクロック信号の立ち上がりエッジでサンプルして出力するフリップフロップ12と、フリップフロップ12の出力をデータ端子に受け、シリアルクロック信号の立ち上がりエッジでサンプルするフリップフロップ13を備えている。フリップフロップ12,13は2段のシフトレジスタを構成し、フリップフロップ13の出力がレーン内に分配される。
【0065】
図13は、図12の回路の動作の一例を示すタイミングチャートである。図12には、シリアルクロック信号と、レーン1、2、3に分配されるパラレルクロック信号のタイミング波形が示されている。図13に示すように、クロック駆動回路20−1、20−2から、シリアルクロック信号と分周クロック信号(パラレルクロック信号)の双方を分配し、レーン1、2、3に分配されたパラレルクロック信号を、シリアルクロック信号でラッチしなおすことで、各レーンに分配されたパラレルクロック信号の差分を解消し、レーン間で位相を合わせることができる。図12において、レーン1、2、3の破線で示す波形(b)、(d)、(f)は、クロック駆動回路から各レーンに分配される分周クロック信号の波形を表している。レーン1、2、3において実線で示す波形(c)、(e) 、(g)は、各レーンでシリアルクロック信号によりフリップフロップでラッチされレーン内に分配されるパラレルクロックである。図13に、「同期タイミング」として示すように、各レーンにおいて実線で示すパラレルクロック信号の立ち上がりエッジはレーン間で位相が合っている。
【0066】
図12の構成においても、パラレルクロック信号とシリアルクロック信号の遅延時間を等しくすることは困難である。シリアルクロック信号とパラレルクロック信号で必要な駆動能力は相違している。シリアルクロック信号とパラレルクロック信号とクロック駆動回路を同じ回路構成とすると遅延時間を合わせやすいが、パラレルクロック信号では駆動能力が過剰になり消費電流が増大する。
【0067】
<比較例3>
図14は、比較例3の構成を示す図である。この比較例3では、シリアルクロック信号をクロック駆動回路20−1で駆動してレーン1、2、3に分配し、シリアルクロック信号を分周回路30で分周した分周クロック信号をクロック駆動回路20−2で駆動しレーン1、2、3に分配している。各レーンにおいて、シリアルクロック線20Cから受信したシリアルクロック信号を、分周回路(フリップフロップ15)で2分周する。各レーンでは、クロック駆動回路20−2より各レーンに分配されたパラレルクロック信号を、分周回路15で2分周した信号でラッチし直すことで、各レーンに分配されたパラレルクロック信号の差分を解消し、位相をレーン間で合わせるようにしている。
【0068】
図15は、図14の回路の動作の一例を示すタイミングチャートである。図15において、レーン1、2、3の破線で示す波形(b)、(e)、(h)は、クロック駆動回路20−2から各レーンに分配される分周クロック信号のタイミング波形を表している。レーン1、2、3の波形(c)、(f)、(i)はフリップフロップ15の出力であるシリアルクロック2分周の波形を表している。レーン1、2、3の実線で示す波形(d)、(g)、(j)は、各レーンでシリアルクロック信号の2分周信号によりフリップフロップ12、13でラッチされレーン内に分配されるパラレルクロック信号である。同期タイミングとして示すように、各レーンにおいて、実線で示すパラレルクロック信号は位相が合っている。
【0069】
図14の比較例3においても、シリアルクロック信号とパラレルクロック信号を駆動するクロック駆動回路が異なるため、シリアルクロック信号とパラレルクロック信号の遅延を合わせることは困難である。シリアルクロック信号とパラレルクロック信号のクロック駆動回路20−1、20−2を同一構成とし、遅延を合わせるようにした場合、パラレルクロック信号側のクロック駆動回路の駆動能力が過剰となり、消費電流が増大する。
【0070】
上記のように、比較例1、2、3のいずれも、各レーンに供給するシリアルクロック信号とパラレルクロック信号をそれぞれ駆動する駆動回路を備えており、両者の駆動能力を同一として各レーン間でクロックのタイミングを調整する場合、クロック信号側のクロック駆動回路の駆動能力が過剰となり、消費電流が増大する。
【0071】
上記比較例と相違して、本実施形態によれば、パラレルクロック信号をクロック駆動回路から各レーンに一括駆動するという構成をとらず、リアルクロックとパラレルクロックのクロック駆動回路を同一構成としてシリアルクロック信号とパラレルクロック信号の遅延を合わせる必要はない。このため、パラレルクロック信号側のクロック駆動回路の駆動能力が過剰となり、消費電流が増大するという問題も回避される。
【0072】
なお、上記の特許文献の各開示を、本書に引用をもって繰り込むものとする。本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の請求の範囲の枠内において種々の開示要素の多様な組み合わせないし選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。
【符号の説明】
【0073】
10、10’、10”、10A、10B、10C レーン(伝送路)
11、11−1、11−2、11−3 レシーバ
12、12’、12−1、12−2、12−3、13、15、31、32、33、34 フリップフロップ
14、16、17、18 セレクタ
20、20−1、20−2、202 クロック駆動回路
21、21A シリアルクロック線(シリアルクロック信号)
22、22A パラレルクロック線(パラレルクロック信号)
23 シリアル分周クロック信号線
30 分周回路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のレーンが共通に接続された第1のクロック信号線に、第1のクロック信号を出力するクロック駆動回路を備え、
前記複数のレーンは、少なくとも第1、第2のレーンを含み、
前記第1のレーンは、
前記第1のクロック信号線から前記第1のクロック信号を入力し、
前記第1レーン内の前記第1のクロック信号を共通のサンプリングクロック信号とする、カスケード接続されたM段(ただし、Mは2以上の整数)のフリップフロップを有する第1の分周回路を備え、前記第1の分周回路の前記M段目のフリップフロップの出力信号が第2のクロック信号として前記第1のレーン内に分配され、
第2のレーンは、
前記第1のクロック信号線から前記第1のクロック信号を入力し、
前記第1のレーンの前記M段目のフリップフロップに入力される前記第1のレーンの(M−1)段目のフリップフロップの出力を、前記第1のレーンと前記第2のレーン間に設けられた第2のクロック信号線を介して、入力として受け、前記第2のレーン内の前記第1のクロック信号をサンプリングクロック信号として、前記入力をサンプルする第1のフリップフロップを備え、前記第2のレーンの前記第1のフリップフロップの出力が第2のクロック信号として前記第2のレーン内に分配される、通信インタフェース装置。
【請求項2】
前記複数のレーンが、さらに第3乃至第S(ただし、Sは3以上の整数)のレーンを備え、
第Iのレーン(ただし、Iは3以上のS以下の整数)は、
前記第1のクロック信号線から前記第1のクロック信号を入力して前記第Iのレーン内に分配し、
隣の第(I−1)のレーン内に設けられ、前記第(I−1)の前記第1のフリップフロップの出力を初段に受けるカスケード接続された(M−1)段のフリップフロップの最終段の出力を、前記第(I−1)のレーンと前記第Iのレーン間の第2のクロック信号線を介して、入力として受け、前記第Iのレーン内の前記第1のクロック信号又はその分周信号をサンプリングクロック信号として前記入力をサンプルする第1のフリップフロップを備え、前記第Iのレーンの前記第1のフリップフロップの出力が第2のクロック信号として前記第Iのレーン内に分配される、請求項1記載の通信インタフェース装置。
【請求項3】
前記複数のレーンが、さらに第3乃至第S(ただし、Sは3以上の整数)のレーンを有し、
第Jのレーン(ただし、Jは2以上、且つ、前記S以下の整数)は、
前記第1のクロック信号線から前記第1のクロック信号を入力して前記第Jのレーン内に分配し、
前記第Jのレーン内の前記第1のクロック信号を、共通のサンプリングクロック信号とする、カスケード接続された(M−1)段のフリップフロップを備え、
前記第(J−1)のレーンと前記第Jのレーンの間に設けられた第2のクロック信号線と、
前記第Jのレーンの前記カスケード接続された(M−1)段のフリップフロップの最終段の出力と、
に第1及び第2の入力がそれぞれ接続され、
出力が前記第Jのレーンの前記第1のフリップフロップの入力に接続されたセレクタを備え、
前記第Jのレーンの前記第1のフリップフロップの出力が、前記第Jのレーンの前記カスケード接続された(M−1)段のフリップフロップの初段に帰還入力され、
前記セレクタで、前記第2の入力を選択時、前記第Jのレーンの前記カスケード接続された(M−1)段のフリップフロップと、前記第Jのレーンの前記第1のフリップフロップとがカスケード接続され、M段のフリップフロップからなる第1の分周回路を構成し、
前記セレクタで前記第1の入力を選択時、前記第(J−1)のレーンと前記第Jのレーンの間に設けられた第2のクロック信号線からの信号が、前記第Jのレーンの前記第1のフリップフロップの入力に入力され、
前記Jが2以上(S−1)以下の第Jのレーンについて、前記(M−1)段のフリップフロップの最終段の出力が、前記第Jのレーンと第(J+1)のレーンの間に設けられた第2のクロック信号線を介して、前記第(J+1)のレーンに供給される、請求項2記載の通信インタフェース装置。
【請求項4】
第Jのレーン(ただし、Jは2以上、且つ、S−1以下の整数)は、
前記第1のクロック信号を共通のサンプリングクロック信号として入力し、
初段が前記第Jのレーンの前記第1のフリップフロップの出力を入力とし、(N−1)段(ただし、Nは2以上の所定の整数)のフリップフロップを備えたシフトレジスタを有し、
前記第Jのレーンの前記シフトレジスタの(N−1)段目のフリップフロップの出力が、前記第Jのレーンと前記第(J+1)のレーン間に設けられた第2のクロック信号線を介して、前記第(J+1)のレーンの前記第1のフリップフロップに入力される、請求項2記載の通信インタフェース装置。
【請求項5】
第Jのレーン(ただし、Jは2以上、且つ、S以下の整数)は、
前記第Jのレーン内の前記第1のクロック信号を共通のサンプリングクロック信号とする、カスケード接続された(M−1)段のフリップフロップを備え、
前記第(J−1)のレーンと前記第Jのレーンの間に設けられた前記第2のクロック信号線と、
前記第Jのレーンの前記カスケード接続された(M−1)段のフリップフロップの最終段の出力と、
に第1及び第2の入力がそれぞれ接続され、
出力が、前記第Jのレーンの前記第1のフリップフロップの入力に接続されたセレクタを備え、
前記第Jのレーンの前記第1のフリップフロップの出力が、前記第Jのレーンの前記カスケード接続された(M−1)段のフリップフロップの初段に帰還入力され、
前記セレクタで第2の入力を選択時、前記第Jのレーンの前記カスケード接続された(M−1)段のフリップフロップと前記第Jのレーンの前記第1のフリップフロップとがカスケード接続され、M段のフリップフロップからなる第1の分周回路を構成し、
前記第Jのレーンの前記セレクタで前記第1の入力を選択時、前記第(J−1)のレーンと前記第Jのレーンの間に設けられた第2のクロック信号線からの信号が、前記第Jのレーンの前記第1のフリップフロップの入力に入力され、
前記Jが2以上(S−1)以下の第Jのレーンについて、前記(M−1)段のフリップフロップの最終段の出力が前記第Jのレーンと第(J+1)のレーンの間に設けられた第2のクロック信号線を介して前記第(J+1)のレーンに供給される、請求項4記載の通信インタフェース装置。
【請求項6】
第Jのレーン(ただし、Jは2以上、且つ、S−1以下の整数)において、
前記第1のフリップフロップの出力を、前記(N−1)段のフリップフロップからなる前記シフトレジスタの初段に入力し、
前記第Jのレーンの前記シフトレジスタの出力を、前記第Jのレーンと第(J+1)のレーン間に設けられた第2のクロック信号線を介して、第(J+1)のレーンの前記第1のフリップフロップの入力とする、請求項4又は5記載の通信インタフェース装置。
【請求項7】
前記Nは、前記各レーン内に分配される前記第2のクロック信号が前記第1のクロック信号をN分周したものである場合のNに対応する、請求項4又は5記載の通信インタフェース装置。
【請求項8】
前記Nは、前記各レーン内に分配される前記第2のクロック信号が前記第1のクロック信号を2N分周したものである場合のNに対応する、請求項6記載の通信インタフェース装置。
【請求項9】
前記第1乃至第Sのレーンの各レーンが、前記レーン内に入力された前記第1クロック信号を分周する第2の分周回路を備え、
前記第2の分周回路から出力される前記第1のクロック信号の分周信号を、前記各レーン内に分配し、
前記第1のレーンの前記第1の分周回路の前記M段のフリップフロップは、前記第1のレーン内の前記第2の分周回路から出力される前記第1のクロック信号の分周信号を共通のサンプリングクロック信号とし、
前記第Iのレーン(Iは2以上のS以下の整数)の前記第1のフリップフロップは、前記第Iのレーン内の前記第2の分周回路から出力される前記第1のクロック信号の分周信号をサンプリングクロック信号とする、請求項2記載の通信インタフェース装置。
【請求項10】
前記第Iのレーン(Iは2以上のS以下の整数)の前記第2の分周回路を構成するフリップフロップの初段には、セレクタを介して、隣の第(I−1)のレーンと前記第Iのレーン間に設けられた第1の分周クロック信号線を介して転送された、前記第(I−1)のレーン内の前記第2分周回路からの前記第1のクロック信号の分周信号が入力される、請求項9記載の通信インタフェース装置。
【請求項11】
前記第Iのレーンの前記セレクタは、隣の第(I−1)のレーンと前記第Iのレーン間に設けられた前記第1の分周クロック信号線と、前記第Iのレーンの前記第2の分周回路の出力とを、第1と第2の入力に入力し、選択信号に基づき一方を選択し、前記セレクタの出力又はその反転信号が前記第2の分周回路を構成するフリップフロップの初段に入力される、請求項10記載の通信インタフェース装置。
【請求項12】
前記第1のレーンは、前記第1のレーン内に入力された前記第1クロック信号をサンプリングクロック信号とする1又は複数段のフリップフロップを備えた第2の分周回路を備え、
前記第1のレーンの前記第1の分周回路を構成する前記M段のフリップフロップは、前記第1のレーンの前記第2の分周回路から出力される前記第1のクロック信号の分周信号を共通のサンプリングクロック信号とし、
前記第Iのレーン(Iは2以上のS以下の整数)は、
前記第Iのレーン内に入力された前記第1クロック信号を共通のサンプリングクロック信号とする1又は複数段のフリップフロップを備えた第2の分周回路と、
隣の第(I−1)のレーンと前記第Iのレーン間に設けられた第1の分周クロック信号線を介して転送された、前記第(I−1)のレーン内の前記第2の分周回路からの前記第1のクロック信号の分周信号を、初段が入力し、共通のサンプリングクロック信号として入力とする複数段フリップフロップからなるシフトレジスタと、
を備え、さらに
前記第2の分周回路の出力と、
前記シフトレジスタの最終段の出力と、
を第1、第2の入力に入力する第2のセレクタを備え、
前記第2のセレクタの出力が、前記第1のクロック信号の分周信号として、前記第Iのレーン内に分配され、
前記第Iのレーン(Iは2以上のS以下)の前記第1のフリップフロップは、前記第Iのレーン内の前記第2のセレクタから出力される前記第1のクロック信号の分周信号をサンプリングクロック信号とする、請求項9記載の通信インタフェース装置。
【請求項13】
前記第Iのレーン(Iは2以上のS以下)において、前記第2の分周回路と前記シフトレジスタがフリップフロップを共用する、請求項12記載の通信インタフェース装置。
【請求項14】
請求項1乃至13のいずれか1項記載の通信インタフェース装置を備えた半導体装置。
【請求項1】
複数のレーンが共通に接続された第1のクロック信号線に、第1のクロック信号を出力するクロック駆動回路を備え、
前記複数のレーンは、少なくとも第1、第2のレーンを含み、
前記第1のレーンは、
前記第1のクロック信号線から前記第1のクロック信号を入力し、
前記第1レーン内の前記第1のクロック信号を共通のサンプリングクロック信号とする、カスケード接続されたM段(ただし、Mは2以上の整数)のフリップフロップを有する第1の分周回路を備え、前記第1の分周回路の前記M段目のフリップフロップの出力信号が第2のクロック信号として前記第1のレーン内に分配され、
第2のレーンは、
前記第1のクロック信号線から前記第1のクロック信号を入力し、
前記第1のレーンの前記M段目のフリップフロップに入力される前記第1のレーンの(M−1)段目のフリップフロップの出力を、前記第1のレーンと前記第2のレーン間に設けられた第2のクロック信号線を介して、入力として受け、前記第2のレーン内の前記第1のクロック信号をサンプリングクロック信号として、前記入力をサンプルする第1のフリップフロップを備え、前記第2のレーンの前記第1のフリップフロップの出力が第2のクロック信号として前記第2のレーン内に分配される、通信インタフェース装置。
【請求項2】
前記複数のレーンが、さらに第3乃至第S(ただし、Sは3以上の整数)のレーンを備え、
第Iのレーン(ただし、Iは3以上のS以下の整数)は、
前記第1のクロック信号線から前記第1のクロック信号を入力して前記第Iのレーン内に分配し、
隣の第(I−1)のレーン内に設けられ、前記第(I−1)の前記第1のフリップフロップの出力を初段に受けるカスケード接続された(M−1)段のフリップフロップの最終段の出力を、前記第(I−1)のレーンと前記第Iのレーン間の第2のクロック信号線を介して、入力として受け、前記第Iのレーン内の前記第1のクロック信号又はその分周信号をサンプリングクロック信号として前記入力をサンプルする第1のフリップフロップを備え、前記第Iのレーンの前記第1のフリップフロップの出力が第2のクロック信号として前記第Iのレーン内に分配される、請求項1記載の通信インタフェース装置。
【請求項3】
前記複数のレーンが、さらに第3乃至第S(ただし、Sは3以上の整数)のレーンを有し、
第Jのレーン(ただし、Jは2以上、且つ、前記S以下の整数)は、
前記第1のクロック信号線から前記第1のクロック信号を入力して前記第Jのレーン内に分配し、
前記第Jのレーン内の前記第1のクロック信号を、共通のサンプリングクロック信号とする、カスケード接続された(M−1)段のフリップフロップを備え、
前記第(J−1)のレーンと前記第Jのレーンの間に設けられた第2のクロック信号線と、
前記第Jのレーンの前記カスケード接続された(M−1)段のフリップフロップの最終段の出力と、
に第1及び第2の入力がそれぞれ接続され、
出力が前記第Jのレーンの前記第1のフリップフロップの入力に接続されたセレクタを備え、
前記第Jのレーンの前記第1のフリップフロップの出力が、前記第Jのレーンの前記カスケード接続された(M−1)段のフリップフロップの初段に帰還入力され、
前記セレクタで、前記第2の入力を選択時、前記第Jのレーンの前記カスケード接続された(M−1)段のフリップフロップと、前記第Jのレーンの前記第1のフリップフロップとがカスケード接続され、M段のフリップフロップからなる第1の分周回路を構成し、
前記セレクタで前記第1の入力を選択時、前記第(J−1)のレーンと前記第Jのレーンの間に設けられた第2のクロック信号線からの信号が、前記第Jのレーンの前記第1のフリップフロップの入力に入力され、
前記Jが2以上(S−1)以下の第Jのレーンについて、前記(M−1)段のフリップフロップの最終段の出力が、前記第Jのレーンと第(J+1)のレーンの間に設けられた第2のクロック信号線を介して、前記第(J+1)のレーンに供給される、請求項2記載の通信インタフェース装置。
【請求項4】
第Jのレーン(ただし、Jは2以上、且つ、S−1以下の整数)は、
前記第1のクロック信号を共通のサンプリングクロック信号として入力し、
初段が前記第Jのレーンの前記第1のフリップフロップの出力を入力とし、(N−1)段(ただし、Nは2以上の所定の整数)のフリップフロップを備えたシフトレジスタを有し、
前記第Jのレーンの前記シフトレジスタの(N−1)段目のフリップフロップの出力が、前記第Jのレーンと前記第(J+1)のレーン間に設けられた第2のクロック信号線を介して、前記第(J+1)のレーンの前記第1のフリップフロップに入力される、請求項2記載の通信インタフェース装置。
【請求項5】
第Jのレーン(ただし、Jは2以上、且つ、S以下の整数)は、
前記第Jのレーン内の前記第1のクロック信号を共通のサンプリングクロック信号とする、カスケード接続された(M−1)段のフリップフロップを備え、
前記第(J−1)のレーンと前記第Jのレーンの間に設けられた前記第2のクロック信号線と、
前記第Jのレーンの前記カスケード接続された(M−1)段のフリップフロップの最終段の出力と、
に第1及び第2の入力がそれぞれ接続され、
出力が、前記第Jのレーンの前記第1のフリップフロップの入力に接続されたセレクタを備え、
前記第Jのレーンの前記第1のフリップフロップの出力が、前記第Jのレーンの前記カスケード接続された(M−1)段のフリップフロップの初段に帰還入力され、
前記セレクタで第2の入力を選択時、前記第Jのレーンの前記カスケード接続された(M−1)段のフリップフロップと前記第Jのレーンの前記第1のフリップフロップとがカスケード接続され、M段のフリップフロップからなる第1の分周回路を構成し、
前記第Jのレーンの前記セレクタで前記第1の入力を選択時、前記第(J−1)のレーンと前記第Jのレーンの間に設けられた第2のクロック信号線からの信号が、前記第Jのレーンの前記第1のフリップフロップの入力に入力され、
前記Jが2以上(S−1)以下の第Jのレーンについて、前記(M−1)段のフリップフロップの最終段の出力が前記第Jのレーンと第(J+1)のレーンの間に設けられた第2のクロック信号線を介して前記第(J+1)のレーンに供給される、請求項4記載の通信インタフェース装置。
【請求項6】
第Jのレーン(ただし、Jは2以上、且つ、S−1以下の整数)において、
前記第1のフリップフロップの出力を、前記(N−1)段のフリップフロップからなる前記シフトレジスタの初段に入力し、
前記第Jのレーンの前記シフトレジスタの出力を、前記第Jのレーンと第(J+1)のレーン間に設けられた第2のクロック信号線を介して、第(J+1)のレーンの前記第1のフリップフロップの入力とする、請求項4又は5記載の通信インタフェース装置。
【請求項7】
前記Nは、前記各レーン内に分配される前記第2のクロック信号が前記第1のクロック信号をN分周したものである場合のNに対応する、請求項4又は5記載の通信インタフェース装置。
【請求項8】
前記Nは、前記各レーン内に分配される前記第2のクロック信号が前記第1のクロック信号を2N分周したものである場合のNに対応する、請求項6記載の通信インタフェース装置。
【請求項9】
前記第1乃至第Sのレーンの各レーンが、前記レーン内に入力された前記第1クロック信号を分周する第2の分周回路を備え、
前記第2の分周回路から出力される前記第1のクロック信号の分周信号を、前記各レーン内に分配し、
前記第1のレーンの前記第1の分周回路の前記M段のフリップフロップは、前記第1のレーン内の前記第2の分周回路から出力される前記第1のクロック信号の分周信号を共通のサンプリングクロック信号とし、
前記第Iのレーン(Iは2以上のS以下の整数)の前記第1のフリップフロップは、前記第Iのレーン内の前記第2の分周回路から出力される前記第1のクロック信号の分周信号をサンプリングクロック信号とする、請求項2記載の通信インタフェース装置。
【請求項10】
前記第Iのレーン(Iは2以上のS以下の整数)の前記第2の分周回路を構成するフリップフロップの初段には、セレクタを介して、隣の第(I−1)のレーンと前記第Iのレーン間に設けられた第1の分周クロック信号線を介して転送された、前記第(I−1)のレーン内の前記第2分周回路からの前記第1のクロック信号の分周信号が入力される、請求項9記載の通信インタフェース装置。
【請求項11】
前記第Iのレーンの前記セレクタは、隣の第(I−1)のレーンと前記第Iのレーン間に設けられた前記第1の分周クロック信号線と、前記第Iのレーンの前記第2の分周回路の出力とを、第1と第2の入力に入力し、選択信号に基づき一方を選択し、前記セレクタの出力又はその反転信号が前記第2の分周回路を構成するフリップフロップの初段に入力される、請求項10記載の通信インタフェース装置。
【請求項12】
前記第1のレーンは、前記第1のレーン内に入力された前記第1クロック信号をサンプリングクロック信号とする1又は複数段のフリップフロップを備えた第2の分周回路を備え、
前記第1のレーンの前記第1の分周回路を構成する前記M段のフリップフロップは、前記第1のレーンの前記第2の分周回路から出力される前記第1のクロック信号の分周信号を共通のサンプリングクロック信号とし、
前記第Iのレーン(Iは2以上のS以下の整数)は、
前記第Iのレーン内に入力された前記第1クロック信号を共通のサンプリングクロック信号とする1又は複数段のフリップフロップを備えた第2の分周回路と、
隣の第(I−1)のレーンと前記第Iのレーン間に設けられた第1の分周クロック信号線を介して転送された、前記第(I−1)のレーン内の前記第2の分周回路からの前記第1のクロック信号の分周信号を、初段が入力し、共通のサンプリングクロック信号として入力とする複数段フリップフロップからなるシフトレジスタと、
を備え、さらに
前記第2の分周回路の出力と、
前記シフトレジスタの最終段の出力と、
を第1、第2の入力に入力する第2のセレクタを備え、
前記第2のセレクタの出力が、前記第1のクロック信号の分周信号として、前記第Iのレーン内に分配され、
前記第Iのレーン(Iは2以上のS以下)の前記第1のフリップフロップは、前記第Iのレーン内の前記第2のセレクタから出力される前記第1のクロック信号の分周信号をサンプリングクロック信号とする、請求項9記載の通信インタフェース装置。
【請求項13】
前記第Iのレーン(Iは2以上のS以下)において、前記第2の分周回路と前記シフトレジスタがフリップフロップを共用する、請求項12記載の通信インタフェース装置。
【請求項14】
請求項1乃至13のいずれか1項記載の通信インタフェース装置を備えた半導体装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−49595(P2012−49595A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−186869(P2010−186869)
【出願日】平成22年8月24日(2010.8.24)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月24日(2010.8.24)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】
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