説明

通信コネクタ。

【課題】温度変化に対して高周波成分除去効果の低下を抑制することができる通信コネクタを提供する。
【解決手段】接続端子3,4に取り付けられる磁性体1と、磁性体1に取り付けられ、接続端子3,4の周囲に磁界を形成する磁界形成部材2と、磁性体1の温度に応じて磁界形成部材2への電流を変化させる制御部5と、を備えた通信コネクタ30である。例えば、磁性体1の温度が上昇すると磁性体1の透磁率が低下し、高周波成分除去効果が低下してしまう。これに対し、通信コネクタ30においては、磁性体1に取り付けられた磁界形成部材2と制御部5を備え、制御部5が磁性体1の温度に応じて磁界形成部材2への電流を変化させることにより、接続端子3,4の周囲に磁界を形成し、温度変化に対する磁性体1の特性低下を補正する。これにより、高周波成分除去効果の低下を抑制できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車載LAN等の通信ネットワークの機器をつなぐコネクタにおいては、伝送信号の高周波成分のノイズを除去するため、バスバー(バス端子)周辺にフィルタとしてフェライトを収容したコネクタが使用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−159311号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、フィルタとして用いられる磁性体であるフェライトは、透磁率やインピーダンスが温度によって変化する性質がある。そのため、温度変化によりフェライトによる高周波成分の除去効果が低下し、通信コネクタにおけるノイズ除去を良好にできない場合があった。
【0005】
そこで、本発明は上記事情を鑑みてなされたものであり、温度変化に対する磁性体の高周波成分除去効果の低下を抑制することができる通信コネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明に係る通信コネクタは、接続端子に取り付けられた磁性体と、磁性体に取り付けられ、接続端子の周囲に磁界を形成する磁界形成部材と、磁性体の温度に応じて磁界形成部材への電流を変化させる制御部と、を備えて構成される。
【0007】
この発明によれば、制御部が磁性体の温度に応じて磁界形成部材への電流を変化させることにより、磁界形成部材が接続端子の周囲に磁界を形成する。これにより、磁性体の透磁率やインピーダンスの特性変化を補正し、温度変化に対する磁性体の高周波成分除去効果の低下を抑制できる。
【0008】
本発明に係る通信コネクタにおいては、磁界形成部材がコイルであることが好ましい。磁界形成部材がコイルであることにより、電流による磁界の形成が制御しやすくなる。
【0009】
また、本発明に係る通信コネクタにおいては、磁性体がプリント基板上に備えられ、コイルがプリント基板上の配線パターンにより形成されていることが好ましい。コイルがプリント基板上の配線パターンにより形成されていることにより、コイルを磁性体にあらためて取り付けることなく、温度変化に対する磁性体の高周波成分除去効果の低下を抑制することが可能となる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、温度変化に対する磁性体の高周波成分除去効果の低下を抑制することができる通信コネクタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第一実施形態に係る通信コネクタの概略構成図である。
【図2】フェライトコアの温度とインピーダンスの関係を示す図である。
【図3】フェライトコアの正規化インピーダンスと磁束密度の関係を示す図である。
【図4】サーミスタの正規化抵抗値と周囲温度の関係を示す図である。
【図5】サーミスタとコイルを直列に接続した図である。
【図6】サーミスタとコイルを直列接続した場合の電流と温度の関係を示す図である。
【図7】磁界形成部材であるコイルを磁性体に巻き付けた場合に形成される磁界を示す図である。
【図8】磁界形成部材であるコイルを磁性体に巻き付けた場合に形成される磁界を示す図である。
【図9】コイルによって発生する磁界(外部磁界)と磁性体(フェライトコア)のインピーダンスの関係を示す図である。
【図10】磁界形成部材であるコイルを磁性体に巻き付けた場合の正規化インピーダンス(補正係数)と温度との関係を示す図である。
【図11】本発明の第一実施形態に係る磁性体(フェライトコア)に磁界形成部材(コイル)を取り付けたものと、従来例(フェライトコアのみ)の温度とインピーダンスの関係を比較して示す図である。
【図12】基本波形及びフェライトコアの有無による波形を示す図である。
【図13】基本波形及びフェライトコアの有無による波形を示す図である。
【図14】本発明の第一実施形態に係る磁性体(フェライトコア)に磁界形成部材(コイル)を取り付けた場合の温度による波形差異を示す図である。
【図15】−30℃におけるフェライトコアの周波数と透磁率の関係を示す図である。
【図16】25℃におけるフェライトコアの周波数と透磁率の関係を示す図である。
【図17】80℃におけるフェライトコアの周波数と透磁率の関係を示す図である。
【図18】コイルを磁性体の中央部分に巻きつけた図である。
【図19】中央部分にコイルを巻き付けた磁性体の磁界の形成状況を示す図である。
【図20】本発明の第二実施形態に係る通信コネクタにおける制御基板を示す図である。
【図21】配線パターンに流れる電流を示す図である。
【図22】制御基板において形成される外部磁界とフェライトコアのインピーダンスとの関係を示す図である。
【図23】配線パターンに電流が流れたときにフェライトコアの周囲に形成される磁界を上面から示す図である。
【図24】配線パターンに電流が流れたときにフェライトコアの周囲に形成される磁界を側面から示す図である。
【図25】通信コネクタの組み立てにおける第一工程を示す図である。
【図26】通信コネクタの組み立てにおける第二工程を示す図である。
【図27】通信コネクタの組み立てにおける第三工程を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を用い、重複する説明は省略する。
【0013】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第一実施形態に係る通信コネクタ30を示す概略構成図である。通信コネクタ30は、磁性体1、磁界形成部材2、接続端子3,4及び制御部5を備える。
【0014】
磁性体1は、高周波におけるノイズ成分を除去できる性質を有する。例えば、透磁率が高いことによって、信号電流などにおいて発生する磁界による磁束を収束させ、熱エネルギーなどとして消費するものであればよい。これにより、電流エネルギーの一部が磁界から電波として放出されることによって発生するノイズを除去することが可能となる。
【0015】
また、磁性体1は、図1に示すように2つの貫通孔7が形成されており、貫通孔7に接続端子3,4が挿入されることによって、接続端子3,4に取り付けられて用いられる。これにより、接続端子における信号電流の高周波成分を除去することができる。
【0016】
磁性体1としては、透磁率が高い特性を示すフェライトコアを用いることが好ましい。フェライトコアは、その透磁率によって、信号電流等において発生する磁界による磁束を収束させ、熱エネルギーとして消費することによりノイズを除去することができる。フェライトコアは、例えば、信号として使われている周波数に応じて、ニッケル・亜鉛系や、マンガン・亜鉛系などのフェライトコアを用いることができる。
【0017】
磁界形成部材2は、電流により磁界を形成することができる性質を有する部材である。磁界形成部材2は、例えば、磁性体1の温度が上昇することによって磁性体1の透磁率が低下し、信号電流等において発生する磁界による磁束を全て収束させることができない場合に、電流により磁界を形成することによって、信号電流等による磁界の磁束を打ち消し、ノイズを低減する。
【0018】
また、磁界形成部材2は、例えば、磁性体1の温度が上昇することによって磁性体1のインピーダンスが変化し、高周波抑制効果が低下する場合に、磁界を形成することによって、磁性体1に磁界を印加し、インピーダンスの制御を行うことによってノイズを低減する。
【0019】
制御部5は、磁性体1の温度に応じて、磁界形成部材2に流す電流を変化させる機能を有しており、例えば単独の素子であるサーミスタであってもよく、センサと制御回路の組み合わせであってもよい。制御部5により調整された電流が磁界形成部材2を流れることによって、接続端子3,4の周囲にフェライトコアの特性低下を補正できる磁界が形成される。
【0020】
磁界形成部材2としては、コイルが好ましい。コイルは電流による磁界の形成が制御しやすく、制御部5による電流の変化に対応することができる。
【0021】
図2は、磁性体1として用いられるフェライトコアの温度とインピーダンスの関係を示す図である。まず、フェライトコアは、温度が低いときには透磁率(μ)が高く、温度が高くなると透磁率が低くなるという特性を有している。この透磁率とインピーダンスは下記式(1)の関係にある。
Z=k・μ・μ”・ω+jk・μ・μ’・ω ・・・(1)
(Z:インピーダンス、μ:真空の透磁率(=4・10−7)、ω:2πf(f:周波数)、k:フェライト形状による係数、j:虚数単位)
【0022】
フェライトコアにおける透磁率の特性及び上記式(1)から、図2に示すフェライトコアの温度とインピーダンスの関係が導かれる。図2のように、フェライトコアの温度が約50〜60℃を超えるとフェライトコアのインピーダンスは低下する。フェライトコアは、図2に示すように、温度に対するインピーダンスの差が大きいことから、このバラツキを考慮して設計する必要があるため、通信コネクタの設計自由度が小さくなる。
【0023】
図3は、フェライトコアの正規化インピーダンスと磁束密度の関係を示す。図3に示すように、フェライトコアに外部から平行磁界を加え、磁束密度が高くなると、インピーダンスは下がる傾向を示す。
【0024】
図4のサーミスタの正規化抵抗値と周囲温度の関係を示す図である。図4のとおり、周囲温度が高くなるとサーミスタは抵抗値が低くなる特性を有する。サーミスタのこの特性を用い、サーミスタ5とコイル2を直列に接続した例を図5に示す。
【0025】
図5のとおり、サーミスタ5とコイル2を直列に接続して電源6により電圧を印加すると、図6に示す電流と温度の関係のように、温度が高くなるに従って電流値が高くなる。つまり、サーミスタを制御部5として用いることにより、周囲温度が高くなるに従って、制御電流を大きくすることができ、磁性体1の温度上昇に伴う特性低下を補正する磁界を形成することが可能となる。
【0026】
図7及び図8は、磁界形成部材であるコイル2を磁性体1の周囲に巻き付けた場合に形成される磁界を示す図である。図7に示すように、磁性体1は接続端子3に取り付けられている。この接続端子3に信号電流9が矢印方向に流れると、信号電流による磁界10が接続端子3の両側に発生する。
【0027】
上記磁界10に対し、図8に示すように、磁性体1の側面周囲に巻かれたコイル2に制御電流11が矢印方向に流れると、接続端子3,4の周囲に磁界12が形成される。この磁界12が信号電流9に沿って形成される磁界10の磁束を打ち消し、ノイズ成分を低減する。このときのコイル2から発生する外部磁界と磁性体1(フェライト)のインピーダンスは図9のとおり、コイル2から発生する外部磁界が大きくなるにしたがって、インピーダンスは低くなる傾向を示す。
【0028】
図10は、磁界形成部材であるコイル2を磁性体1に巻き付けた場合の正規化インピーダンス(補正係数)と温度との関係を示す図であり、図3及び図6から導き出したものである。図10のとおり、温度が高くなるにしたがって、インピーダンスは低くなるが、コイル2が磁性体1に巻かれ、温度上昇に伴い磁界を形成することによって、フェライトコアの特性低下を補正できるため、50℃近辺以降ではインピーダンスの変化が抑制されている。
【0029】
また、図11は第一実施形態に係る磁性体1(フェライトコア)に磁界形成部材2(コイル)を取り付けたものと、従来例(フェライトコアのみ)の、温度とインピーダンスの関係を比較して示す図である。図11は、図2に示す温度とインピーダンスの関係と、図10に示す正規化インピーダンス(補正係数)と温度との関係の積から得られるものであり、第一実施形態に係るコイルが取り付けられたフェライトコア(a)は、フェライトコアのみの従来例(b)よりも温度によるインピーダンスの変動が小さくなる。このように、コイル2が取り付けられた磁性体1は温度に対するインピーダンスの差が小さいことから、バラツキを考慮して設計する必要がなくなり、通信コネクタの設計自由度が大きくなる。
【0030】
図12及び図13は、基本波形及びフェライトコアの有無による波形を示す図である。図12は、フェライトコアの効果が最も効かない例であり、このような場合はフェライトコアの特性が最大であっても高周波抑制効果は小さくなる。図13は、フェライトコアの効果が最も効く例であり、このような場合にフェライトコアの特性が最大になると通信波形がなまってしまう。また、温度変化による高周波成分の除去効果の低下分を考慮して設計すると通常時(及び温度により強める時)は、波形がなまってしまい通信できない場合がある。
【0031】
図14は、本発明の第一実施形態に係る磁性体(フェライトコア)に磁界形成部材(コイル)を取り付けた場合の温度による波形差異を示す図である。図14に示すように、フェライトコアがない場合と比較して高周波を抑制することができるとともに、−30〜85℃の温度においても波形の差異が小さく、温度ばらつきによる特性変化が小さいことを示している。
【0032】
図15〜17は、フェライトコアの温度による周波数と透磁率の関係を示す図である。図15は−30℃、図16は25℃、図17は80℃におけるフェライトコアの周波数と透磁率の関係を示し、図17に示すように、温度が80℃と高温になると高周波領域での透磁率が低下する傾向を示す。このため、磁性体1にコイル2を取り付け、制御部で電流を変化させることによって、磁性体1(例えば、フェライトコア)の特性低下の補正を行う。
【0033】
図18は、コイル2を磁性体1の中央部分に巻きつけた図である。図18に示すように、磁性体1の胴回りである中央部分に数回コイル2を巻き付けることによって、図8のような磁性体1の側面周囲にコイル2を巻くのとは異なる取り付け方法によっても、磁性体1に磁界形成部材2を取り付けることができる。
【0034】
図19は、中央部分にコイル2を巻き付けた磁性体1の磁界の形成状況を示す図である。図19に示すように、コイル2を磁性体1の胴回りである中央部分に巻き付けた場合には、信号電流による磁界10に対し、制御電流12による磁界11は複雑に形成され、図8のように磁性体1の側面周囲にコイル2を巻き付けた場合とは異なった磁界の形成を示す。このように、磁性体1に対する磁界形成部材(コイル)2の取り付け方により、磁界の形成を調整することが可能となる。
【0035】
以上述べたように、本発明の第一実施形態に係る通信コネクタは、磁性体1、磁界形成部材2、接続端子3,4、制御部5を備えることによって、温度が変化した場合に制御部5が電流を変化させることによって、磁界形成部材2が磁界を形成し、信号電流等による磁界の磁束を打ち消す。また、磁性体1に磁界を印加し、インピーダンスの制御を行う。これにより、温度変化に対する磁性体1の高周波成分除去効果の低下を抑制することが可能となる。
【0036】
(第2実施形態)
以下に、本発明の第二実施形態に係る通信コネクタについて説明する。本発明の第二実施形態に係る通信コネクタは、磁性体1、磁界形成部材2及び制御部5を備える点においては、上記の第一実施形態に係る通信コネクタと同様であるが、磁性体1がプリント基板20上に備えられ、磁界形成部材であるコイルがプリント基板20上の配線パターン23により形成されている点で相違する。
【0037】
図20は、本発明の第二実施形態に係る通信コネクタにおける制御基板24を示す図である。図20に示すように、制御基板24は、プリント基板20上に電源端子21,22が取り付けられており、また、後工程で設置される複数の磁性体1を囲む形状で配線パターン23がプリント基板20上に形成されている。また、制御部5もプリント基板20上に形成されている。
【0038】
上記のように、第二実施形態に係る通信コネクタにおいては、配線パターン23によりコイルを形成するため、磁性体1に磁界形成部材2を取り付ける必要がなくなる。また、コイルをはんだや溶接でプリント基板20や接続端子3,4に取り付ける必要がなくなる。さらに一つのプリント基板20に複数の磁性体1やコイルを形成でき、制御部5としてのサーミスタ等の電子部品や電源端子21、22も実装することが可能となる。
【0039】
図21は、配線パターン23に流れる制御電流を示す図である。プリント基板20上の配線パターン23は、例えば図21に示すように、上部側と下部側で対向するように配線され、磁性体が設置される部分には磁性体の形状を沿うように配線されている。この配線パターン23において制御電流が矢印方向に流れ、磁界が形成される。
【0040】
図22は、制御基板24において形成される外部磁界と磁性体であるフェライトコアのインピーダンスとの関係を示す。図22のように、制御基板24において形成される外部磁界が大きくなるにしたがって、磁性体であるフェライトコアのインピーダンスは低下する。
【0041】
図23及び24は、配線パターンに電流が流れたときにフェライトコアの周囲に形成される磁界を上面及び側面から示す図である。図23及び24に示すように、信号電流によって形成される磁界10に対し、配線パターン23を流れる制御電流によって磁性体1の周囲には磁界11が形成される。
【0042】
図25は、通信コネクタ30の組み立てにおける第一工程を示す図である。図25に示すように、第一工程においては、磁性体1と、配線パターン23、制御部5及び電源端子21,22を搭載したプリント基板20と、接続端子3,4を準備する。
【0043】
図26は、通信コネクタ30の組み立てにおける第二工程を示す図である。図26に示すように、第二工程においては、プリント基板20上の所定の位置(例えば、プリント基板20上の貫通孔と磁性体1の貫通孔が一致する位置)に磁性体1を取り付け、さらに接続端子3,4をプリント基板20上の貫通孔及び磁性体1の貫通孔に挿入させることによって、磁性体1と、配線パターン23、制御部5及び電源端子21,22を搭載したプリント基板20と、接続端子3,4を組み合わせて一体化することができる。
【0044】
図27は、通信コネクタ30の組み立てにおける第三工程を示す図である。図27に示すように、第三工程においては、第二工程で組み合わされた磁性体1、プリント基板20及び接続端子3,4を、ハウジング25内に取り付けることによって、通信コネクタ30とすることができる。
【0045】
以上述べたように、本発明の第二実施形態に係る通信コネクタにおいては、磁性体1と、配線パターン23、制御部5及び電源端子21,22を搭載したプリント基板20と、接続端子3,4を備えることによって、温度変化に対する磁性体1の高周波成分除去効果の低下を抑制することが可能となる。
【0046】
なお、以上の説明は、本発明の実施の形態についての説明であって、この発明を限定するものではなく、様々な変形例を容易に実施することができる。例えば、図1においては磁性体1の側面周囲に磁界形成部材2であるコイルを巻き付けており、図18においては磁性体1の中央部分に磁界形成部材2であるコイルを巻き付けているが、磁界形成部材2の磁性体1への取り付け方は磁性体1の特性を補正でき、磁性体1の機能を阻害しない範囲であればどのような取り付け方であってもよい。
【0047】
制御部5は、磁性体1の温度に基づいて、磁界形成2に流す電流を変化させるが、磁性体1自体の温度を直接検知してもよく、磁性体1の周辺温度を磁性体1の温度として検知してもよい。
【0048】
また、制御部5は、例えば磁性体1の温度が低く、磁性体1が充分に高周波成分を除去している場合には、磁界形成部材2(例えばコイル)に電流を流さなくてもよい。
【0049】
また、図26に示す通信コネクタ30の組み立てにおける第二工程においては、プリント基板20上の貫通孔に接続端子3,4を挿入させてから、磁性体1をプリント基板20上に取り付けてもよい。
【符号の説明】
【0050】
1・・・磁性体(フェライトコア)、2・・・磁界形成部材(コイル)、3,4・・・接続端子、5・・・制御部(サーミスタ)、6・・・電源、7・・・貫通孔、9・・・信号電流、10・・・信号電流による磁界、11・・・制御電流、12・・・制御電流による磁界、20・・・プリント基板、21,22・・・電源端子、23・・・配線パターン、24・・・制御基板、25・・・ハウジング、30・・・通信コネクタ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続端子に取り付けられた磁性体と、
前記磁性体に取り付けられ、前記接続端子の周囲に磁界を形成する磁界形成部材と、
前記磁性体の温度に応じて前記磁界形成部材への電流を変化させる制御部と、
を備えた通信コネクタ。
【請求項2】
前記磁界形成部材がコイルである請求項1記載の通信コネクタ。
【請求項3】
前記磁性体をプリント基板上に備え、
前記コイルが前記プリント基板上の配線パターンにより形成されている請求項2記載の通信コネクタ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−222441(P2011−222441A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−93119(P2010−93119)
【出願日】平成22年4月14日(2010.4.14)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】