説明

通信システム、並びに、通信サービス提供システム及びプログラム、並びに、通信端末及び通信プログラム

【課題】 通信システムにおいて、通信端末へ通信サービスを提供する際に、通信システムに係るリソースを効率的に使用する。
【解決手段】 本発明は、通信サービス提供装置と、ユーザが使用する1又は複数のユーザ通信端末とを備える通信システムに関する。そして、通信サービス提供装置は、ユーザ通信端末からの要求に応じて、ユーザと対話するための対話シナリオを送信する手段と、ユーザ通信端末から、送信した対話シナリオの実行結果を受信する手段と、受信した実行結果に応じた処理を行う手段とを有することを特徴とする。また、ユーザ通信端末は、通信サービス提供装置から対話シナリオを受信する手段と、受信した対話シナリオにしたがって、ユーザと対話して、ユーザとの対話に基づく対話シナリオの実行結果を生成する手段と、生成した実行結果を、通信サービス提供装置に送信する手段とを有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、通信システム、並びに、通信サービス提供システム及びプログラム、並びに、通信端末及び通信プログラムに関し、例えば、IVR(Interactive Voice Response)シナリオに従ってIVRサービスを通信端末に提供する通信システムに適用し得る。
【背景技術】
【0002】
一般的に、従来のIVRシステムでは、ユーザは電話端末等の通信装置(以下、「ユーザ端末」という)から、IVRシステムへ接続するための専用電話番号にコール後、IVRシステムと呼接続した状態で、IVRシステムからの自動音声応答のサービスを受ける形態をとる。
【0003】
この際に、IVR装置のサービスは所定のシナリオ(以下、「IVRシナリオ」という)をベースに提供される。ここで言う「IVRシナリオ」とは、システムとユーザが対話するための処理内容が記述されているものである。例えば、当該IVRシステムがカスタマサポートのコールセンタ向けの設備であれば、サポートのカテゴリ一覧を音声ガイダンスで出力した後、ユーザにユーザ端末のプッシュボタン(以下、「PB」ともいう)押下を促す音声ガイダンスを出力し、その後、ユーザからの入力値(プッシュボタンの押下の内容)に対応したカテゴリのサポート一覧を音声で流すといった、一連の処理定義がIVRシナリオにあたる。
【0004】
シナリオを構成するデータには、例えば、ユーザによるプッシュボタンの入力内容により、どの音声ガイダンス(音声データ)を再生するかという進行手順を記述したリンク情報や、リンク情報に対応するガイダンステキスト情報等が含まれる。
【0005】
次に、VoIPプロトコルベースでの従来のIVRシステムのシーケンス例を示す。
【0006】
図6は、従来のIVRシステムSと、ユーザ端末Tとの間の処理について説明したシーケンス図である。
【0007】
まず、ユーザ端末TがIVRシステムSへ接続するための特定の番号(アドレス)へ発呼するINVITEのSIPメッセージを送信し(S1)、IVRシステムSが、接続を許可するSIPメッセージ(200 OK)をユーザ端末Tに応答し(S2)、そのSIPメッセージを受信したユーザ端末Tが、確認応答のSIPメッセージ(ACK)を返答し(S3)、ユーザ端末TとIVRシステムSとの間の呼(セッション)が接続される。
【0008】
ユーザ端末TとIVRシステムSとの間の呼が接続されると、IVRシステムSは、ユーザ端末Tへ、所定のシナリオに従ったIVRのサービスの提供を行う(S4)。
【0009】
そして、IVRシステムSによる、ユーザ端末TへIVRのサービスの提供が終了し、ユーザ端末TからIVRシステムSへ、呼の切断を要求するSIPメッセージ(BYE)が送信され、IVRシステムSは、それを許可するSIPメッセージ(200 OK)を送信し、IVRシステムSとユーザ端末Tとの間の呼が切断される(S5、S6)。
【0010】
上述のステップS4において、IVRシステムSからユーザ端末TへのIVRのサービス提供には、所定のシナリオに従ったガイダンス音声の提供、プッシュボタンによるユーザからの入力信号の受付、シナリオに従ってサポートセンタのオペレータへの接続等が含まれる。そして、この間、ユーザ端末Tは、IVRシステムSとの間の呼を継続して接続した状態でなければならない。
【0011】
そこで、従来の特許文献1の記載技術では、ユーザが使用する携帯電話端末に予めインストールされた問合用アプリケーション(メニュー選択画面を備えたアプリケーション)により、予め所定のメニュー選択をユーザに実施させてからPBX(IVRシステム)へ発呼させている。これにより、特許文献1の記載技術では、ユーザによる携帯電話端末の操作開始から、IVRシステムによる音声ガイダンスの提供までの時間を短縮している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2005−286672
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、従来のIVRシステムには以下のような問題点がある。
【0014】
図6に示すような、従来のIVRシステムではコールセンタ等のIVRシステムに接続し、オンラインの状態にてガイダンスの聴取及び、オペレータヘの接続待ちを行う。
【0015】
したがって、従来のIVRシステムでは、混雑時の同時接続数を考慮して、IVRシステムの最大チャネル数を検討する必要がある。このチャネル数を許容できるサーバやネットワーク機器を導入しなければならず、システム構築のコストが高くなる傾向にある。
【0016】
また、従来のIVRシステムでは、サービスはすべて呼接続の状態で行われるため、呼接続からサービス終了までの間が課金対象となる。通常これらはユーザ若しくは、コールセンタのサービス提供者のどちらかが負担する。
【0017】
さらに、従来のIVRシステムでは、IVRのチャネル数に対して、オペレータの数が少ないため、混雑時等ではオペレータへの接続待ちのために、待たされることが良くある。オペレータ接続待ちの間もユーザは、電話が接続中状態のため、常に応答を待たなければならない。また、この間にも通話課金が発生する。
【0018】
さらにまた、特許文献1の記載技術を従来のIVRシステムに適用したとしても、予めユーザ端末Tに問合用アプリケーションを配布する方式や、問合用アプリケーションのバージョン管理等が問題となる。
【0019】
以上の問題点を鑑み、通信システムにおいて、ユーザが使用する通信端末へ、通信サービス(例えば、IVRサービス)を提供する際に、通信システムに係るリソースを効率的に使用することができる通信システム、並びに、通信サービス提供システム及びプログラム、並びに、通信端末及び通信プログラムが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0020】
第1の本発明は、通信サービス提供装置と、ユーザが使用する1又は複数のユーザ通信端末とを備える通信システムにおいて、(1)上記通信サービス提供装置は、(1−1)上記通信端末のユーザと対話をするための進行手順が記述された対話シナリオを記憶する対話シナリオ記憶手段と、(1−2)上記ユーザ通信端末からの要求に応じて、上記対話シナリオ記憶手段に記憶された対話シナリオを、上記ユーザ通信端末に送信する対話シナリオ送信手段と、(1−3)対話シナリオを送信した先の上記ユーザ通信端末から、送信した対話シナリオの実行結果を受信する対話シナリオ結果受信手段と、(1−4)上記対話シナリオ結果受信手段が受信した実行結果に応じた処理を行う実行結果処理手段とを有し、(2)それぞれの上記ユーザ通信端末は、(2−1)上記通信サービス提供装置と接続し、上記通信サービス提供装置から対話シナリオを受信する対話シナリオ受信手段と、(2−2)受信した対話シナリオにしたがって、当該ユーザ通信端末のユーザへの出力内容の出力処理、及び、当該ユーザ通信端末のユーザからの入力を受付ける入力処理を行い、当該ユーザ通信端末のユーザからの入力内容に応じて対話シナリオの実行結果を生成する対話シナリオ実行手段と、(2−3)上記対話シナリオ実行手段が生成した実行結果を、上記通信サービス提供装置に送信する実行結果出力手段とを有することを特徴とする。
【0021】
第2の本発明は、ユーザが使用する1又は複数のユーザ通信端末に通信サービスを提供する通信サービス提供装置において、(1)上記通信端末のユーザと対話をするための進行手順が記述された対話シナリオを記憶する対話シナリオ記憶手段と、(2)上記ユーザ通信端末からの要求に応じて、上記対話シナリオ記憶手段に記憶された対話シナリオを、上記ユーザ通信端末に送信する対話シナリオ送信手段と、(3)対話シナリオを送信した先の上記ユーザ通信端末から、送信した対話シナリオの実行結果を受信する対話シナリオ結果受信手段と、(4)上記対話シナリオ結果受信手段が受信した実行結果に応じた処理を行う実行結果処理手段とを有することを特徴とする。
【0022】
第3の本発明の通信サービス提供プログラムは、ユーザが使用する1又は複数のユーザ通信端末に通信サービスを提供する通信サービス提供装置に搭載されたコンピュータを、(1)上記通信端末のユーザと対話をするための進行手順が記述された対話シナリオを記憶する対話シナリオ記憶手段と、(2)上記ユーザ通信端末からの要求に応じて、上記対話シナリオ記憶手段に記憶された対話シナリオを、上記ユーザ通信端末に送信する対話シナリオ送信手段と、(3)対話シナリオを送信した先の上記ユーザ通信端末から、送信した対話シナリオの実行結果を受信する対話シナリオ結果受信手段と、(4)上記対話シナリオ結果受信手段が受信した実行結果に応じた処理を行う実行結果処理手段として機能させることを特徴とする。
【0023】
第4の本発明は、通信サービス提供装置から通信サービスの提供を受ける通信端末において、(1)上記通信サービス提供装置と接続し、上記通信サービス提供装置から、当該通信端末のユーザと対話をするための進行手順が記述された対話シナリオを受信する対話シナリオ受信手段と、(2)受信した対話シナリオにしたがって、当該ユーザ通信端末のユーザへの出力内容の出力処理、及び、当該ユーザ通信端末のユーザからの入力を受付ける入力処理を行い、当該ユーザ通信端末のユーザからの入力内容に応じて対話シナリオの実行結果を生成する対話シナリオ実行手段と、(3)上記対話シナリオ実行手段が生成した実行結果を、上記通信サービス提供装置に送信する実行結果出力手段とを有することを特徴とする。
【0024】
第5の本発明の通信プログラムは、通信サービス提供装置から通信サービスの提供を受ける通信端末に搭載された通信プログラムおいて、(1)上記通信サービス提供装置と接続し、上記通信サービス提供装置から、当該通信端末のユーザと対話をするための進行手順が記述された対話シナリオを受信する対話シナリオ受信手段と、(2)受信した対話シナリオにしたがって、当該ユーザ通信端末のユーザへの出力内容の出力処理、及び、当該ユーザ通信端末のユーザからの入力を受付ける入力処理を行い、当該ユーザ通信端末のユーザからの入力内容に応じて対話シナリオの実行結果を生成する対話シナリオ実行手段と、(3)上記対話シナリオ実行手段が生成した実行結果を、上記通信サービス提供装置に送信する実行結果出力手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、通信システムにおいて、ユーザが使用する通信端末へ、通信サービスを提供する際に、通信システムに係るリソースを効率的に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】実施形態に係る通信システムの全体構成について示したブロック図である。
【図2】実施形態に係るユーザ端末がIVRシステムからIVRサービスを受ける動作の概要について示したシーケンス図である。
【図3】実施形態に係るユーザ端末の動作の詳細について示したシーケンス図(1)である。
【図4】実施形態に係るユーザ端末の動作の詳細について示したシーケンス図(2)である。
【図5】実施形態に係るIVRシステムの動作の詳細について示したシーケンス図である。
【図6】従来のIVRシステムの動作について示したシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
(A)主たる実施形態
以下、本発明による通信システム、並びに、通信サービス提供システム及びプログラム、並びに、通信端末及び通信プログラムの一実施形態を、図面を参照しながら詳述する。なお、この実施形態では、本発明の通信サービス提供システム及び通信端末を、IVRシステム及びユーザ端末に適用した例について説明する。
【0028】
(A−1)実施形態の構成
図1は、この実施形態の通信システム1の全体構成を示すブロック図である。
【0029】
通信システム1には、ユーザ端末20、30及び、ユーザ端末20、30にIVRサービスを提供するIVRシステム10が備えられている。そして、ユーザ端末20、30とIVRシステム10との間は、ネットワークNにより接続されている。なお、ユーザ端末30については、既存のIP電話端末等の通信装置を適用することができるので詳しい説明を省略する。
【0030】
IVRシステム10とユーザ端末20、30との間で用いられる通信プロトコルは限定されないものであるが、ここでは呼制御にはSIPが用いられるものとする。
【0031】
IVRシステム10の用途は限定されないものであるが、ここでは、IVRシステム10は、カスタマサポートセンタで、顧客が使用するユーザ端末20、30に対して、IVRサービスを提供することに使用されているものとする。また、図1においては、図示を省略しているが、通信システム1には、そのサポートセンタのオペレータが使用するIP電話端末等の通信装置(以下、「オペレータ端末」という)が、配置されているものとする。そして、IVRシステム10とオペレータ端末は連携しており、IVRシステム10は、必要に応じて、ユーザ端末を、オペレータ端末に接続させるものとする。なお、ここでは、IVRサービスには、上述のオペレータ端末への接続(以下、「オペレータ接続」という)も含まれるものとして説明する。
【0032】
また、図1においては図示を省略しているが、既存のIVRシステムと同様に、ユーザ端末20、30とIVRシステム10の間に、SIP/HTTPプロキシサーバや、ロードバランサ等を介在させるようにしても良い。
【0033】
次に、ユーザ端末20の内部構成について説明する。
【0034】
ユーザ端末20は、呼制御部21、シナリオ受信部22、入力結果送信部23、シナリオ解釈部24及び、TTS(Text to Speech)/PB(Push Button)入力部25を有している。
【0035】
ユーザ端末20は、IVRシステム10からIVRシナリオのデータの配信を受け、ユーザ端末20内でそのIVRシナリオを実行し、IVRシナリオの内容に従って、ユーザに音声ガイダンスの提供をしたり、音声ガイダンスに応じたプッシュボタンの入力を受付けたりする。そして、ユーザ端末20は、IVRシステム10から受付けたシナリオを実行した実行結果(ユーザからのプッシュボタンの入力に応じた結果)を、IVRシステム10に返答する。
【0036】
ユーザ端末20がIVRシステム10に返答するIVRの実行結果の内容は、ユーザがIVRシナリオに従って入力した入力値が、IVRシステム10で解釈可能であれば、その形式は限定されないものである。例えば、IVRシナリオに従って、複数回プッシュボタンの入力を受けた場合には、その全ての入力値を返答するようにしても良いし、最終の質問(音声ガイダンス)及びその質問に対する入力値の組み合わせに応じた識別子(例えば、コード番号等)だけを返答するようにしても良い。
ユーザ端末20は、例えば、プロセッサやメモリ等のプログラムの実施構成、他の通信装置と通信をするためのインタフェース、ユーザに音声出力するスピーカ、及びユーザからの音声を取り込むマイク等を有する情報処理装置に、実施形態の通信プログラム等をインストールすることにより構築してもよく、その場合でもユーザ端末20の機能的構成は、図1のように表わすことができる。
【0037】
上述の情報処理装置は、具体的には、パソコンや携帯電話端末等を適用することができる。また上述の情報処理装置としては、既存のIP電話の専用端末を適用するようにしても良い。
【0038】
呼制御部21は、当該ユーザ端末20において呼制御機能を担っている。
【0039】
通信システム1では、IVRシステム10からIVRシナリオの配信を受けて自ら実行するユーザ端末(以下、「IVRシナリオ配信対象端末」)であるユーザ端末20と、IVRシナリオ配信対象端末ではない既存のユーザ端末30が配置されている。そのため、呼制御部21では、IVRシステム10へ接続の制御をする際に、自身がIVRシナリオ配信対象端末である旨をIVRシステム10に通知する。
【0040】
具体的には、呼制御部21は、例えば、IVRシステム10へ接続(IVRサービスの提供)を要求するリクエストメッセージ(例えば、INVITEメッセージ)に、自身がIVRシナリオ配信対象端末である旨の識別子を挿入することにより、IVRシステム10への通知をするようにしても良い。INVITEメッセージに自身がIVRシナリオ配信対象端末である旨の識別子を挿入する場合には、例えば、INVITEメッセージの追加ヘッダや、SDP(Session Description Protocol)に挿入することが挙げられる。
【0041】
シナリオ受信部22は、IVRシステム10から所定のIVRシナリオをダウンロードする機能を担っている。この際、シナリオ受信部22に、ダウンロードしたIVRシナリオを格納するキャッシュ(図示しない)を具備し、キャッシュに含まれるIVRシナリオについては、ダウンロードしない構成としても良い。IVRシステム10からダウンロードしようとするIVRシナリオが、キャッシュに格納されているものと同一であるか否かは、例えば、ダウンロードする前に、IVRシステム10から、当該IVRシナリオに係る識別情報(例えば、ファイル名やファイルサイズ等の、IVRシナリオを特定可能な識別情報)の通知を受けるようにしてもよい。そして、シナリオ受信部22は、通知された識別情報と、キャッシュに格納されたIVRシナリオとを比較して、当該IVRシナリオのダウンロードの要否を判定するようにしても良い。IVRシステム10側において、例えば、IVRシナリオの内容やバージョンごとに異なるファイル名を付しておけば、ユーザ端末20側で、ダウンロードの要否の判定を容易にすることができる。
【0042】
入力結果送信部23は、ユーザ端末で実行したIVRシナリオの実行結果をIVRシステム10に送信する。入力結果送信部23の処理の詳細については、後述する動作説明において説明する。
【0043】
シナリオ解釈部24は、シナリオ受信部22にてダウンロードしたIVRシナリオを解釈し、サービスとして実行するものである。シナリオ解釈部24は、必要に応じて、TTS/PB入力部25へ、実行中のIVRシナリオに含まれるテキストデータを音声データに変換して図示しないスピーカに出力させる。また、シナリオ解釈部24は、ユーザが図示しないプッシュボタンにより入力した内容を、TTS/PB入力部25を介して取り込み、シナリオの実行に利用する。
【0044】
なお、IVRシナリオの形式や、シナリオ解釈部24によるIVRシナリオの解釈処理については、既存のIVRシステムと同様の構成を適用することができる。ただし、シナリオ解釈部24では、上述の通り、自装置内のTTS/PB入力部25を、ユーザと対話するためのインタフェースとして用いている点等で、既存のIVRシステムとは異なっている。
【0045】
TTS/PB入力部25は、上述の通り、シナリオ解釈部24からの指示により、テキストデータを音声データに変換して、図示しないスピーカに出力したり、図示しないプッシュボタンの入力内容を、シナリオ解釈部24に引き渡したりするものであり、ユーザと対話するためのインタフェースの機能を担っている。
【0046】
次に、IVRシステム10の内部構成について説明する。
【0047】
IVRシステム10は、呼制御部11、IVR部12、シナリオ配信部13、入力結果受付部14、及び、オペレータ接続制御部15を有している。
【0048】
呼制御部11は、当該IVRシステム10において、呼制御の機能を担っている。呼制御部11による呼制御処理については従来の呼制御処理とほぼ同様の処理を適用することができるが、接続してくるユーザ端末が、IVRシナリオ配信対象端末であるか否かを判定し、ユーザ端末の種類に応じた処理を行う点等で異なっている。呼制御部11は、接続してきたユーザ端末がIVRシナリオ配信対象端末(ユーザ端末20)である場合には、その後の処理を、シナリオ配信部13等に依頼し、IVRシナリオ配信対象端末でない場合(ユーザ端末30の場合)には、IVR部12に依頼する。
【0049】
IVR部12は、IVRシナリオ配信対象端末でないユーザ端末30に対してIVRサービスを提供する従来型のIVR機能を担っている。
【0050】
シナリオ配信部13は、ユーザ端末20からの要求に応じて、所定のIVRシナリオを配信するものである。
【0051】
シナリオ配信部13からユーザ端末20へ、IVRシナリオを配信する配信方式は限定されないものであるが、ここではHTTPを用いて配信するものとする。ここでは、例として、シナリオ配信部13は、WWWサーバとして機能しており、ユーザ端末20からIVRシステム10(シナリオ配信部13)へアクセスがあると、そのアクセスの際に指定されたURLに応じたIVRシナリオを、ユーザ端末20へ提供するものとする。
【0052】
入力結果受付部14は、IVRシナリオを送信した先のユーザ端末から、そのIVRシナリオのIVRシナリオの実行結果(ユーザによるプッシュボタンの入力値等)を受信するものである。また、入力結果受付部14は、受信したIVRシナリオの実行結果に応じた処理を行う。
【0053】
入力結果受付部14は、例えば、IVRシナリオの実行結果の内容により、オペレータ接続が必要となった場合に、IVRシステム10からユーザ端末20にオペレータ接続(ユーザ端末20を、上述の図示しないオペレータ端末と接続させる)を行うように呼制御部11に指示するようにしても良い。また、入力結果受付部14は、IVRシナリオの実行結果の内容により、シナリオ配信部13へ、その実行結果に応じた別のIVRシナリオの配信指示を行うようにしても良い。
【0054】
入力結果受付部14がユーザ端末20から、IVRシナリオの実行結果を受付ける方式は限定されないものであるが、ここではHTTPを用いて受信(アップロード)するものとする。実行結果のアップロード先として入力結果受付部14を示すURLは、予めSIPメッセージ等でユーザ端末20に通知しておくようにしても良いし、ユーザ端末20に配信するIVRシナリオ内に格納しておくようにしても良く、その通知方法は限定されないものである。
【0055】
オペレータ接続制御部15は、入力結果受付部14の指示に応じて、ユーザ端末20へオペレータ接続を実行する。なお、オペレータ接続制御部15によるオペレータ接続に必要な、ユーザ端末20及びオペレータ端末への呼制御は、呼制御部11に行わせるようにしても良い。
【0056】
(A−2)実施形態の動作
次に、以上のような構成を有するこの実施形態の通信システム1の動作を説明する。
【0057】
まず、ユーザ端末20とIVRシステム10の間のシーケンスの概要について説明する。
【0058】
図2は、ユーザ端末20がIVRシステム10からIVRサービスを受ける場合の処理の概要について示したシーケンス図である。
【0059】
まず、ユーザ端末20が、IVRシステム10へ、接続(IVRサービスの提供)を要求するSIPのINVITEメッセージを送信したものとする(S101)。
【0060】
ステップS101において、ユーザ端末20が送信するINVITEメッセージには、自装置がIVRシナリオ配信対象端末である旨の識別子が含まれている。
【0061】
そして、IVRシステム10では、受信したINVITEメッセージに、IVRシナリオ配信対象端末からの接続要求であることを示す識別子が付与されていることが認識され、シナリオ配信部13によりIVRシナリオの配信準備が行われる(S102)。
【0062】
なお、ステップS102において、受信したINVITEメッセージに、IVRシナリオ配信対象端末からの接続要求であることを示す識別子が付与されていない場合(すなわち、ユーザ端末30からの接続要求の場合)には、IVR部12により従来のIVRサービスの提供(IVRシナリオの配信を伴わないIVRサービスの提供)が行われる。IVR部12によるIVRサービスの処理は、従来のIVRサービスと同様のものであるので詳しい説明は省略する。
【0063】
次に、ユーザ端末20からINVITEメッセージを受信したIVRシステム10は、ユーザ端末20へ、接続を許可するSIPメッセージ(200 OK)を応答する(S103)。
【0064】
ステップS103で、IVRシステム10からユーザ端末20へ送信するSIPメッセージ(200 OK)には、配信するIVRシナリオのダウンロード先の情報(IVRシナリオが保存されたWWWサーバのURL等)が含まれているものとする。ここでは、SIPメッセージ(200 OK)に含まれるURLには、IVRシステム10のシナリオ配信部13における所定のIVRシナリオのファイルのアクセス先が指定されているものとする。
【0065】
そして、IVRシステム10から、接続を許可するSIPメッセージ(200 OK)を受信したユーザ端末20は、IVRシステム10へ確認応答のSIPメッセージ(ACK)を返答する(S104)。
【0066】
そして、ユーザ端末20は、受信したSIPメッセージ(200 OK)に含まれるURL(IVRシステム10のシナリオ配信部13)へ、HTTPプロトコルによりアクセスし、所定のIVRシナリオのダウンロードを開始する(S105、S106)。なお、ユーザ端末20がIVRシナリオのデータをダウンロード中には、IVRシステム10からダウンロード中である旨の音声ガイダンスを送信するようにしても良い。
【0067】
IVRシナリオのダウンロード時間については、一般的なカスタマサポートを行うIVRシナリオでも数KByte以内に収まると考えられ、ユーザ端末20がいわゆる3G(第3世代)に対応した携帯電話端末であったとしても、一瞬(1秒以下程度)でダウンロードは完了すると考えられる。
【0068】
そして、ユーザ端末20は、IVRシナリオのダウンロードが完了すると、IVRシステム10との呼を切断するSIPメッセージ(BYE)を、IVRシステム10に送信し(S107)、IVRシステム10から切断を許可するSIPメッセージ(200 OK)が返答される(S108)。
【0069】
そして、ユーザ端末20は、自装置の機能(シナリオ解釈部24等)により、スタンドアロン構成で、ユーザにIVRサービスを提供する(S109)。
【0070】
そして、IVRサービスの提供が終了すると、ユーザ端末20(入力結果送信部23)は、そのIVRサービスの実行結果(ユーザからのプッシュボタンの入力内容を含む)、をIVRシステム10に送信する(S110)。このとき、ユーザ端末20から送信される実行結果には、当該ユーザ端末20の識別子(電話番号やSIP上のアドレス等)や、セッション(上述のステップS101での発呼に基づくセッション)が識別できる情報も含まれるものとする。
【0071】
そして、IVRシステム10(入力結果受付部14)では、ユーザ端末20からIVRシナリオの実行結果を受信すると、その実行結果を、IVRシステム10(入力結果受付部14)内で登録し(S111)、ユーザ端末20へ応答する(S112)。
【0072】
そして、IVRシステム10は、受信した実行結果によりオペレータ接続が必要と判断した場合は、オペレータ接続をユーザ端末20に対して行う(S113)。
【0073】
IVRシステム10では、受信したIVRシナリオの実行結果に応じた処理を行う。具体的な例としては、IVRシステム10は、当該実行結果の送信元に係るユーザ情報が格納されたデータベース(図示せず)の更新(例えば、当該ユーザの問い合わせ内容の登録や、ユーザ情報の変更処理等)を行ったり、当該実行結果に応じた別のIVRシナリオを配信したり、オペレータ接続させる等の処理を行うようにしても良い。ただし、ここでは、上述のように、IVRシステム10は、受信した実行結果の内容を解釈し、オペレータ接続が必要と判定したものとして以降の説明を行う。
【0074】
次に、上述の図2に示すフローチャートにおける、ユーザ端末20の処理の詳細について説明する。
【0075】
図3、図4は、ユーザ端末20がIVRシステム10からIVRサービスの提供を受ける場合のユーザ端末20側の処理の詳細について示したシーケンス図である。
【0076】
まず、ユーザによるユーザ端末20への発呼操作(例えば、プッシュボタンやメニュー選択等により、IVRシステム10の電話番号等を入力)が行われ(S201)、呼制御部21により、IVRシステム10へ発呼し呼接続する処理が行われる(S202〜S205)。S202〜S205の処理は、上述のステップS101〜S104と同様であるため説明を省略する。
【0077】
そして、呼制御部21は、呼接続処理が完了すると、シナリオ受信部22に、IVRシナリオの受信指示を行う(S206)。そして、シナリオ受信部22は、IVRシステム10からIVRシナリオをダウンロードし(S207、S208)、IVRシナリオのダウンロードが完了すると、その旨を呼制御部21に通知する(S209)。ステップS207、S208の、シナリオ受信部22によるIVRシナリオのダウンロード処理は、上述のステップS105、S106と同様であるので詳しい説明を省略する。
【0078】
そして、呼制御部21は、IVRシナリオ受信完了を受けて、IVRシステム10との呼を切断する処理を行う(S210、S211)。ステップS210、S211の呼制御部21によるIVRシステム10との呼を切断する処理は、上述のステップS107、S108と同様の処理であるので詳しい説明を省略する。
【0079】
そして、シナリオ受信部22は、IVRシナリオのダウンロードが完了すると、シナリオ解釈部24に、ダウンロードしたIVRシナリオの実行指示を出す(S212)。
【0080】
そして、シナリオ解釈部24は、ダウンロードしたIVRシナリオを解析する(S213)。
【0081】
そして、シナリオ解釈部24は、IVRシナリオを実行する。具体的には、シナリオ解釈部24は、IVRシナリオの内容に沿って、ガイダンス用のテキストデータを、TTS/PB入力部25に与え(S214)、TTS/PB入力部25がそのテキストデータを音声ガイダンスのデータに変換し(S215)、図示しないスピーカによりユーザ端末20のユーザへ出力する(S216)。なお、ここで出力する音声ガイダンスは、ユーザにプッシュボタンによる入力を促す内容の音声ガイダンスであるものとする。
【0082】
そして、音声ガイダンスに応じて、ユーザにより図示しないプッシュボタンへの入力が行われると(S217)、TTS/PB入力部25はその入力内容(入力値)を認識して、シナリオ解釈部24に引き渡す(S218)。
【0083】
シナリオ解釈部24、TTS/PB入力部25では、IVRシナリオが終了するまで、上述のS214〜S218の処理が繰り返される。
【0084】
そして、IVRシナリオが終了すると、シナリオ解釈部24は、IVRシナリオの実効結果(ユーザの入力値に応じた実行結果)を、入力結果送信部23に通知する(S219)。
【0085】
そして、入力結果送信部23は、与えられたIVRシナリオの実行結果を、IVRシステム10に送信する(S220)。
【0086】
そして、IVRシステム10は、受信したIVRシナリオの実行結果を自装置に登録して(S221)、ユーザ端末20へ実行結果の受信を通知する(S222)。
【0087】
その後、IVRシステム10からユーザ端末20へオペレータ接続(コールバック)がおこなわれ、ユーザ端末20と図示しないオペレータ端末とが接続されると、ユーザ端末20のユーザは、オペレータと話すことができる(S223)。
【0088】
次に、上述の図2に示すフローチャートにおける、IVRシステム10の処理の詳細について説明する。
【0089】
図5は、IVRシステム10がユーザ端末20にIVRサービスを提供する場合の、IVRシステム10側の処理の詳細について示したシーケンス図である。
【0090】
まず、IVRシステム10では、呼制御部11がユーザ端末20からの発呼(INVITEメッセージ)を受付けたものとする(S301)。
【0091】
そして、呼制御部11は、そのINVITEメッセージの内容から、ユーザ端末20がIVRシナリオ配信対象端末であることを認識し、シナリオ配信部13に対してシナリオ配信の準備指示を行う(S302)。
【0092】
そして、シナリオ配信部13ではシナリオの配信準備として、ユーザ端末20に対して配信するIVRシナリオにアクセスするためのダウンロード先情報(URL等)の検出がおこなわれ(S303)、検出したダウンロード先情報が、呼制御部11に通知される(S304)。IVRシステム10から通知するURLは、一律に予め設定された内容であっても良いし、ユーザ端末の識別情報(電話番号やアドレス等)に応じて異なるURL(IVRシナリオのデータ)を適用するようにしても良い。
【0093】
そして、呼制御部11は、ユーザ端末20に対して、INVITEメッセージに応じて接続を許可するSIPメッセージ(200 OK)に、シナリオ配信部13から通知された、IVRシナリオダウンロード先情報(URL)を付与して送信する(S305)
そして、シナリオ配信部13により、ユーザ端末20からのIVRシナリオのダウンロードを受付け(S306)、ユーザ端末20へIVRシナリオを送信する(S307)。
【0094】
IVRシナリオの送信が完了すると、ユーザ端末20からの呼切断の要求に係るSIPメッセージ(BYE)を、呼制御部11が受付けて(S308)、切断を許可するSIPメッセージ(200 OK)を返答する(S309)。
【0095】
その後、ユーザ端末20からIVRシナリオの実行結果が、ユーザ端末20に通知されると、入力結果受付部14によりその通知が受付される(S310)。そして、入力結果受付部14は、その実行結果を自身に登録し(S311)、ユーザ端末20へ応答する(S312)。
【0096】
そして、入力結果受付部14は、受信したIVRシナリオの実行結果を解釈し、必要に応じて、オペレータ接続制御部15に対してオペレータ接続の指示を行う(S313)。そして、オペレータ接続の指示を受けたオペレータ接続制御部15から、入力結果受付部14に対して応答が通知される(S314)。
【0097】
次に、オペレータ接続制御部15は、図示しないコールセンタシステムにおいて、空いているオペレータ端末を確認(空いているオペレータ端末が無い場合は、いずれかのオペレータ端末が空くまで待機)し(S315)、空いているオペレータ端末と、ユーザ端末20との接続処理を、呼制御部11に指示する(S316)。
【0098】
そして、入力結果受付部14から接続処理の指示を受けた呼制御部11は、オペレータ接続制御部15に対して確認応答を返答(S317)すると共に、空いているオペレータ端末と、ユーザ端末20とを接続させるための呼制御を開始する。
【0099】
そして、呼制御部21は、ユーザ端末20をオペレータ端末と接続させるために、ユーザ端末20へ発呼するためのSIPメッセージ(INVITEメッセージ等)を送信(S318)し、その後オペレータ端末と接続させる。
【0100】
ここでは、IVRシステム10の呼制御部11が、直接、オペレータ端末の呼制御を行う構成について説明したが、例えば、オペレータ端末を管理するコールセンタサーバ(例えば、呼制御機能やCTIシステムの機能を担っているサーバ)が配置されている場合には、そのコールセンタサーバに、ユーザ端末20をオペレータ端末との接続をさせるようにしても良い。すなわち、IVRシステム10の入力結果受付部14により、ユーザ端末20に対して、オペレータ接続が必要と判断された後、オペレータ端末とユーザ端末20とを接続させる具体的構成については限定されないものであり、オペレータ端末及びユーザ端末20が配置されている環境に応じた構成を適用することができる。
【0101】
(A−3)実施形態の効果
この実施形態によれば、以下のような効果を奏することができる。
【0102】
IVRシステム10とユーザ端末20とが呼(セッション)を接続している間は、初期呼接続からIVRシナリオダウンロード完了までであり、従来のIVRシステムよりもIVRサービス提供に伴う接続時間が短くなり、従来よりも少ないサーバリソースで、IVRシステム10を構築することができる。
【0103】
また、上述の通り、IVRシステム10とユーザ端末20との接続時間は、従来のIVRシステムよりもIVRサービス提供に伴う接続時間が短いため、回線の効率的な利用や、通信料金等が可能である。
【0104】
さらにまた、通信システム1では、オペレータ接続が必要な場合には、IVRシステム10からユーザ端末20へコールバックする構成となっているため、従来IVRシステムのように、ユーザが、通話状態のままオペレータ接続されるまでの間待つ必要がないため、利便性が高い。
【0105】
また、ユーザ端末20はIVRシステム10に接続するたびに、IVRシナリオをダウンロードして実行するため、特許文献1の記載技術のように、IVRシステム10側との間で、実行するIVRシナリオの齟齬等が発生しない。言い換えると、ユーザ端末20は、常に最新のIVRシナリオをダウンロードして実行することができる。
【0106】
(B)他の実施形態
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、以下に例示するような変形実施形態も挙げることができる。
【0107】
(B−1)上記の実施形態では、ユーザ端末20では、TTS/PB入力部25を備え、IVRシナリオに格納された音声ガイダンスのテキストを、TTSにより音声データに変換して出力しているが、IVRシナリオに最初から音声データとして格納し、ユーザ端末20側ではその音声データの出力だけを行うようにしても良い。
【0108】
(B−2)上記の実施形態では、ユーザ端末20はTTS/PB入力部25を備え、ユーザに対する出力は音声出力により行い、ユーザからの入力はプッシュボタンにより行っている。しかし、ユーザ端末20においてユーザと対話するためのインタフェース(入出力)の形式は限定されないものである。
【0109】
例えば、ユーザ端末20に表示ディスプレイを備えてユーザに音声ガイダンスのテキストをそのままディスプレイ表示するようにしても良い。また、IVRシナリオに音声ガイダンスの代わりにガイダンス用の動画像データ及び音声データを格納して、ユーザ端末20で出力するようにしても良い。さらに、ユーザ端末20において、ユーザからの入力は、マウス、キーボード、タッチパネル、音声入力等の他のインタフェースを用いるようにしても良い。
【0110】
(B−3)上記の実施形態では、ユーザ端末20は、自装置がIVRシナリオ配信対象端末である旨の識別子をIVRシステム10に通知しているが、他の方法によりIVRシステム10側で、IVRシナリオ配信対象端末の識別を行うようにしても良い。例えば、IVRシステム10側で、IVRシナリオ配信対象端末を管理するテーブルを備える用にしても良い。
【0111】
また、全てのユーザ端末がIVRシナリオ配信対象端末であるという前提の場合には、IVRシステム10において、そのような識別を行う処理やIVR部12を省略することができる。
【符号の説明】
【0112】
1…通信システム、20…ユーザ端末、21…呼制御部、22…シナリオ受信部、23…入力結果送信部、24…シナリオ解釈部、25…TTS/PB入力部、10…IVRシステム、11…呼制御部、12…IVR部、13…シナリオ配信部、14…入力結果受付部、15…オペレータ接続制御部、30…ユーザ端末。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信サービス提供装置と、ユーザが使用する1又は複数のユーザ通信端末とを備える通信システムにおいて、
上記通信サービス提供装置は、
上記通信端末のユーザと対話をするための進行手順が記述された対話シナリオを記憶する対話シナリオ記憶手段と、
上記ユーザ通信端末からの要求に応じて、上記対話シナリオ記憶手段に記憶された対話シナリオを、上記ユーザ通信端末に送信する対話シナリオ送信手段と、
対話シナリオを送信した先の上記ユーザ通信端末から、送信した対話シナリオの実行結果を受信する対話シナリオ結果受信手段と、
上記対話シナリオ結果受信手段が受信した実行結果に応じた処理を行う実行結果処理手段とを有し、
それぞれの上記ユーザ通信端末は、
上記通信サービス提供装置と接続し、上記通信サービス提供装置から対話シナリオを受信する対話シナリオ受信手段と、
受信した対話シナリオにしたがって、当該ユーザ通信端末のユーザへの出力内容の出力処理、及び、当該ユーザ通信端末のユーザからの入力を受付ける入力処理を行い、当該ユーザ通信端末のユーザからの入力内容に応じて対話シナリオの実行結果を生成する対話シナリオ実行手段と、
上記対話シナリオ実行手段が生成した実行結果を、上記通信サービス提供装置に送信する実行結果出力手段とを有する
ことを特徴とする通信システム。
【請求項2】
それぞれの上記ユーザ通信端末は、
上記対話シナリオ受信手段が受信した対話シナリオを保持する対話シナリオ保持手段をさらに有し、
上記対話シナリオ受信手段は、上記通信サービス提供装置から受信しようとする対話シナリオが、上記対話シナリオ保持手段に保持されている対話シナリオと同一である場合には、当該対話シナリオを、上記通信サービス提供装置から受信せず、上記対話シナリオ保持手段から取得する
ことを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
当該通信システムは、オペレータが使用するオペレータ通信端末を1又は複数備え、
上記実行結果処理手段は、上記ユーザ通信端末から受信した対話シナリオの実行結果の内容により必要な場合、いずれかの上記オペレータ通信端末と、当該ユーザ通信端末とを接続させる呼制御処理を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の通信システム。
【請求項4】
当該通信システムは、ユーザが使用するものであって、対話シナリオを受信して実行することができない1又は複数の対話シナリオ実行不能端末を備え、
上記通信サービス提供装置は、
当該通信サービス提供装置に接続してきた上記対話シナリオ実行不能通信端末に対して、所定の対話シナリオにしたがって、当該通信サービス提供装置への出力内容の出力処理、及び、当該対話シナリオ実行不能通信端末のからの入力を受付ける入力処理を行い、対話シナリオの実行結果を生成し、その実行結果に応じた処理を行う対話シナリオ実行不能端末用処理手段をさらに有する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の通信システム。
【請求項5】
ユーザが使用する1又は複数のユーザ通信端末に通信サービスを提供する通信サービス提供装置において、
上記通信端末のユーザと対話をするための進行手順が記述された対話シナリオを記憶する対話シナリオ記憶手段と、
上記ユーザ通信端末からの要求に応じて、上記対話シナリオ記憶手段に記憶された対話シナリオを、上記ユーザ通信端末に送信する対話シナリオ送信手段と、
対話シナリオを送信した先の上記ユーザ通信端末から、送信した対話シナリオの実行結果を受信する対話シナリオ結果受信手段と、
上記対話シナリオ結果受信手段が受信した実行結果に応じた処理を行う実行結果処理手段と
を有することを特徴とする通信サービス提供装置。
【請求項6】
ユーザが使用する1又は複数のユーザ通信端末に通信サービスを提供する通信サービス提供装置に搭載されたコンピュータを、
上記通信端末のユーザと対話をするための進行手順が記述された対話シナリオを記憶する対話シナリオ記憶手段と、
上記ユーザ通信端末からの要求に応じて、上記対話シナリオ記憶手段に記憶された対話シナリオを、上記ユーザ通信端末に送信する対話シナリオ送信手段と、
対話シナリオを送信した先の上記ユーザ通信端末から、送信した対話シナリオの実行結果を受信する対話シナリオ結果受信手段と、
上記対話シナリオ結果受信手段が受信した実行結果に応じた処理を行う実行結果処理手段と
して機能させることを特徴とする通信サービス提供プログラム。
【請求項7】
通信サービス提供装置から通信サービスの提供を受ける通信端末において、
上記通信サービス提供装置と接続し、上記通信サービス提供装置から、当該通信端末のユーザと対話をするための進行手順が記述された対話シナリオを受信する対話シナリオ受信手段と、
受信した対話シナリオにしたがって、当該ユーザ通信端末のユーザへの出力内容の出力処理、及び、当該ユーザ通信端末のユーザからの入力を受付ける入力処理を行い、当該ユーザ通信端末のユーザからの入力内容に応じて対話シナリオの実行結果を生成する対話シナリオ実行手段と、
上記対話シナリオ実行手段が生成した実行結果を、上記通信サービス提供装置に送信する実行結果出力手段と
を有することを特徴とする通信端末。
【請求項8】
通信サービス提供装置から通信サービスの提供を受ける通信端末に搭載された通信プログラムおいて、
上記通信サービス提供装置と接続し、上記通信サービス提供装置から、当該通信端末のユーザと対話をするための進行手順が記述された対話シナリオを受信する対話シナリオ受信手段と、
受信した対話シナリオにしたがって、当該ユーザ通信端末のユーザへの出力内容の出力処理、及び、当該ユーザ通信端末のユーザからの入力を受付ける入力処理を行い、当該ユーザ通信端末のユーザからの入力内容に応じて対話シナリオの実行結果を生成する対話シナリオ実行手段と、
上記対話シナリオ実行手段が生成した実行結果を、上記通信サービス提供装置に送信する実行結果出力手段と
を有することを特徴とする通信プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−49797(P2012−49797A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−189615(P2010−189615)
【出願日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【出願人】(308033722)株式会社OKIネットワークス (165)
【Fターム(参考)】