説明

通信システム、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム

【課題】非接触通信デバイスが接続される情報処理装置が省電力モードに設定されていても、当該非接触通信デバイスと他の非接触通信デバイスとの間で通信可能な情報処理技術を提供する。
【解決手段】NFCデバイスND1は、情報処理装置50に対するデータの読み出しやデータの書き込みの要求を通信端末PC1から受信すると、省電力状態の情報処理装置50に起動を要求する。電力投入制御部502は、情報処理装置50が省電力状態である場合、NFCデバイスND1からの要求に応じて、情報処理装置50を起動させる。NFC制御部503は、情報処理装置50が省電力状態である場合、NFCデバイスND1の通信モードをパッシブタブモードに切り替え、NFCデバイスND1を介してデータの読み出しやデータの書き込みの要求があった場合、NFCデバイスND1の通信方式をP2P通信に切り替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システム、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば、非接触通信デバイスであるNFC(Near Field Communication)デバイスが接続される情報処理装置がある。NFCデバイスは、ICカードや他のNFCデバイスと非接触で通信可能であり、当該NFCデバイスを介して情報処理装置は、ICカードや他のNFCデバイスや他のNFCデバイスが接続された通信端末と通信可能になる。NFCデバイスは、リーダ/ライタ(R/W:Reader Writer)としても機能する。このため、NFCデバイスが接続された情報処理装置は、通信可能な範囲にある他のNFCデバイスに対してデータの読み書きを行うことができる。近年では、NFCデバイスが接続された情報処理装置において、書込ボタンと読出ボタンとを備え、他のNFCデバイスに対してデータの書き込みやデータの読み出しを非常に簡単なユーザインタフェースで行うことを可能にした技術が開発されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、情報処理装置の中には、所定の電力が供給される通常動作モードと、通常動作モードよりも低位の電力が供給される省電力モードとのいずれかに設定されるものがある。このような情報処理装置にNFCデバイスが接続され且つ当該情報処理装置が省電力モードに設定された場合、特許文献1の技術を適用すると、ユーザは書込ボタンや読出ボタンの操作を行うことができず、従って、当該情報処理装置は通信可能な範囲にある他のNFCデバイスに対してデータの読み書きを行うことができない恐れがあった。このため、ユーザは、情報処理装置が通常動作モードに復帰するのを待ってから、情報処理装置に接続されたNFCデバイスと通信可能な範囲になるよう他のNFCデバイスを当該情報処理装置に近づけて、NFCデバイス間の通信を開始させていた。
【0004】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、非接触通信デバイスが接続される情報処理装置が省電力モードに設定されていても、当該非接触通信デバイスと他の非接触通信デバイスとの間で通信可能な通信システム、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、通信システムであって、所定の電位の電力が供給される通常動作モードと前記所定の電位よりも低位の電力が供給される省電力モードとのいずれかに設定される情報処理装置と、パッシブタグとして機能する場合、通信範囲にある他の非接触通信デバイスから電力の供給を受け、当該他の非接触通信デバイスと非接触通信規格に従って通信する非接触通信デバイスとが接続され、前記非接触通信デバイスは、前記情報処理装置に記憶されたデータの読み出しの第1要求及び前記情報処理装置へのデータの書き込みの第2要求のうち少なくとも一方を前記他の非接触通信デバイスから受信する要求受信手段と、パッシブタグとして機能している場合に前記第1要求及び前記第2要求のうち少なくとも一方が受信された場合、前記省電力モードに設定されている前記情報処理装置を起動させる第3要求を前記情報処理装置に送信する要求送信手段と、前記第1要求に応じて、前記情報処理装置から前記データを読み出して前記他の非接触通信デバイスへ送信するデータ送信手段と、前記第2要求に応じて、前記情報処理装置へ書き込む対象のデータを前記他の非接触通信デバイスから受信するデータ受信手段とを有し、前記情報処理装置は、当該情報処理装置が前記省電力モードに設定されている場合、前記非接触通信デバイスの通信モードをパッシブタグとして機能する第1通信モードに切り替え、前記第1要求に応じた前記データの読み出し及び前記第2要求に応じた前記データの書き込みのうち少なくとも一方が前記非接触通信デバイスを介して行われる場合、前記非接触通信デバイスの通信モードを、前記非接触通信デバイスと前記他の非接触通信デバイスとが双方向で通信を行う第2通信モードに切り替える切替手段と、当該情報処理装置が省電力モードに設定されている場合、前記非接触通信デバイスから送信された前記第3要求に応じて、所定の電位の電力を電力供給手段から当該情報処理装置に供給させる電力投入手段とを有することを特徴とする。
【0006】
また、本発明は、所定の電位の電力が供給される通常動作モードと前記所定の電位よりも低位の電力が供給される省電力モードとのいずれかに設定される情報処理装置であって、パッシブタグとして機能する場合、通信範囲にある他の非接触通信デバイスから電力の供給を受け、当該他の非接触通信デバイスと非接触通信規格に従って通信する非接触通信デバイスが接続される接続手段と、当該情報処理装置が前記省電力モードに設定されている場合、前記非接触通信デバイスの通信モードをパッシブタグとして機能する第1通信モードに切り替え、前記第1要求に応じた前記データの読み出し及び前記第2要求に応じた前記データの書き込みのうち少なくとも一方が前記非接触通信デバイスを介して行われる場合、前記非接触通信デバイスの通信モードを、前記非接触通信デバイスと前記他の非接触通信デバイスとが双方向で通信を行う第2通信モードに切り替える切替手段と、当該情報処理装置が前記省電力モードに設定されている場合、前記非接触通信デバイスからの、当該情報処理装置の起動の要求に応じて、所定の電位の電力を電力供給手段から当該情報処理装置に供給させる電力投入手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、所定の電位の電力が供給される通常動作モードと前記所定の電位よりも低位の電力が供給される省電力モードとのいずれかに設定される情報処理装置で実行される情報処理方法であって、前記情報処理装置は、パッシブタグとして機能する場合、通信範囲にある他の非接触通信デバイスから電力の供給を受け、当該他の非接触通信デバイスと非接触通信規格に従って通信する非接触通信デバイスが接続される接続手段と、切替手段と、電力投入手段とを備え、前記切替手段が、当該情報処理装置が前記省電力モードに設定されている場合、前記非接触通信デバイスの通信モードをパッシブタグとして機能する第1通信モードに切り替えるステップと、前記電力投入手段が、当該情報処理装置が前記省電力モードに設定されている場合、前記非接触通信デバイスからの、当該情報処理装置の起動の要求に応じて、所定の電位の電力を電力供給手段から当該情報処理装置に供給させるステップと、前記切替手段が、前記第1要求に応じた前記データの読み出し及び前記第2要求に応じた前記データの書き込みのうち少なくとも一方が前記非接触通信デバイスを介して行われる場合、前記非接触通信デバイスの通信モードを、前記非接触通信デバイスと前記他の非接触通信デバイスとが双方向で通信を行う第2通信モードに切り替えるステップとを含むことを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、上記の方法をコンピュータに実行させるための情報処理プログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、非接触通信デバイスが接続される情報処理装置が省電力モードに設定されていても、当該非接触通信デバイスと他の非接触通信デバイスとの間で通信可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、一実施の形態にかかる通信システムの構成を例示する図である。
【図2】図2は、同実施の形態にかかる情報処理装置50のハードウェア構成を例示する図である。
【図3】図3は、同実施の形態にかかるNFCデバイスND1のハードウェア構成を例示する図である。
【図4】図4は、同実施の形態にかかる通信システムにおいて行なうデータ読み出し処理の手順を示すシーケンスチャートである。
【図5】図5は、同実施の形態にかかる通信システムにおいて行なうデータ書き込み処理の手順を示すシーケンスチャートである。
【図6】図6は、一変形例にかかる通信システムの構成を例示する図である。
【図7】図7は、同変形例にかかる処理状態の表示例を示す図である。
【図8】図8は、一変形例にかかるデータの転送が失敗した旨の表示例を示す図である。
【図9】図9は、一変形例にかかる通信システムの構成を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる通信システム、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムの一実施の形態を詳細に説明する。
【0012】
まず、本実施の形態にかかる通信システムの構成について図1を用いて説明する。通信システムは、情報処理装置50と、当該情報処理装置50に接続されるNFCデバイスND1と、当該NFCデバイスND1とは異なるNFCデバイスが接続された通信端末PC1とを備える。このNFCデバイスと、NFCデバイスND1とが通信可能な範囲にある場合、非接触IC用無線通信規格に従って通信することになる。尚、便宜上、以降では、NFCデバイスと、NFCデバイスND1とが行う通信を通信端末PC1とNFCデバイスND1とが行うものとして説明する。また、同図に示される情報処理装置50内の各部は、情報処理装置50の各機能であり、各機能の構成については後述する。
【0013】
次に、情報処理装置50のハードウェア構成について図2を用いて説明する。情報処理装置50は、コントローラ60と、ユーザインタフェース(UI)80と、これらに各々電力を供給する電力供給ユニット(不図示)と、サブCPU(不図示)とを有する。コントローラ60は、CPU61と、システムメモリ(RAM)62と、NB63と、シリアルバス(SB)64と、ASIC66と、ローカルメモリ(RAM)67と、HDD68と、ネットワークインターフェースカード(NIC)69と、USB70と、WLAN74と、USBホスト71と、メモリカードI/F73とを有する。UI80は、コントローラ60のASIC66に接続され、ユーザからの操作入力を受け付けると共に、ユーザに向けた表示を行う。即ち、本実施の形態においては、UI80は、操作入力部と表示部とが一体的に構成されている。
【0014】
コントローラ60は、情報処理装置50全体を制御するものであり、ASIC66にローカルメモリ67、HDD68などが接続されると共に、CPU61とASIC66とがCPUチップセットのNB63を介して接続されている。コントローラ60は、NB63を介してCPU61とASIC66とを接続することにより、CPU61のインターフェースが公開されていない場合に対応する。サブCPUは、コントローラ60への所定の電位の電力の供給が停止された場合に、情報処理装置50全体を制御する。
【0015】
NB63は、CPU61,システムメモリ62,SB64,ASIC66,NIC69,USB70,WLAN74,USBホスト71及びメモリカードI/F73を接続するためのブリッジである。SB64,NIC69,USB70,WLAN74,USBホスト71及びメモリカードI/F73は、PCIバスを介してNB63に接続されている。SB64は、PCIバスとROMや周辺デバイス等(不図示)とを接続するためのバスである。
【0016】
CPU61は、SB64を介して接続されるROMやHDD68やメモリカードI/F73を介して接続されるメモリカードに記憶された各種ソフトウェアを読み出してこれを起動し、情報処理装置50全体を制御すると共に、各種機能を実現させる。
【0017】
システムメモリ62は、情報処理装置50が各種処理を行う場合のワーキングメモリとして用いるメモリである。ローカルメモリ67は各種データを一時的に蓄積するためのバッファとして用いるメモリである。ASIC66は、特定の処理用途向けのICである。HDD68は、各種データや各種プログラムを記憶する補助記憶装置である。
【0018】
NIC69は、情報処理装置50をネットワークに接続するインターフェース機器である。USB70,USBホスト71,WLAN74及びメモリカードI/F73は、夫々の規格に準じたインターフェースである。メモリカードI/F73は、メモリカード用スロット(不図示)を介して挿抜可能なメモリカードと通信を行なって、メモリカードに記憶された各種プログラムや各種情報の読み出しやメモリカードへの情報の書き込みを行なう。また、USBホスト71は、USBケーブルを介して接続されるNFCデバイスND1と、他のNFCデバイスとが非接触で通信するためのインターフェースである。即ち、このUSBケーブル及びUSBホスト71を介してNFCデバイスND1が情報処理装置50に接続される。また、USBホスト71及びNFCデバイスND1を介して、情報処理装置50は、他のNFCデバイス(例えば通信端末PC1に接続されるNFCデバイス)と非接触で通信が可能になる。尚、NFCデバイスは、自身に記憶された情報を読み出して他のNFCデバイスに送信する処理であるICエミュレーションを行なうICタグ(パッシブタグ)として機能したり、他のNFCデバイスから情報を読み出したり他のNFCデバイスに情報を書き込んだりするリーダ/ライタとして機能したりする。以降、説明の便宜上、パッシブタグとして機能する通信モードをパッシブタグモードといい、リーダ/ライタとして機能する通信モードをリーダ/ライタモードという。また、NFCデバイスは、パッシブタグとして機能する場合及びリーダ/ライタとして機能する場合のいずれであっても、他のNFCデバイスと双方向で通信を行なう、即ち、P2P(Peer to Peer)で通信を行うことが可能である。P2Pで通信を行う場合の通信モードをP2Pモードという。
【0019】
以上のようなハードウェア構成の情報処理装置50では、情報処理装置50の有する各部に対して所定の電位の電力を各々供給し、通常の動作を行なうための通常動作モードと、電力の消費を抑えるためのモードとして、通常動作モードより低位の電力を供給する省電力モードとのいずれかを設定可能である。尚、通常動作モードが設定されている稼動状態を通常動作状態といい、省電力モードが設定されている稼動状態を省電力状態という。省電力モードが設定される条件(移行条件という)は、例えば、情報処理装置50のUI80が所定時間以上操作されないことなどである。情報処理装置50は、移行条件の成立を検出すると、省電力モードを設定して省電力状態へ移行し、各部へ供給する電力を調整する。
【0020】
次に、情報処理装置50において実現される各種機能について図1を用いて説明する。は、情報処理装置50は、機器情報管理部500と、電力状態制御部501と、電力投入制御部502と、NFC制御部503とを有する。
【0021】
電力状態制御部501は、コントローラ60に供給される電力の電圧を検出することにより、情報処理装置50の電力状態として、情報処理装置50が上述の省電力状態に移行したか否かを判断し、当該判断結果に応じて、NFC制御部503を介して、NFCデバイスND1の通信モードを切り替える。具体的には、電力状態制御部501は、情報処理装置50が省電力状態に移行したと判断した場合、NFC制御部503を介して、NFCデバイスND1の通信モードをパッシブタグモードに切り替える。また、電力状態制御部501は、通信端末PC1からの要求に応じてデータの読み出しやデータの書き込みが完了した場合、NFC制御部503を介して、NFCデバイスND1の通信モードをリーダ/ライタモードに切り替える。
【0022】
電力投入制御部502は、情報処理装置50が省電力モードに設定されている場合、情報処理装置50の起動がNFCデバイスND1から要求されると、情報処理装置50の電力供給ユニットから所定の電位の電力をコントローラ60及びUI80に供給させる。この結果、情報処理装置50を起動させて、通常動作状態にさせる。機器情報管理部500は、通信端末PC1からの要求に応じて、機器情報を取得する。機器情報とは、例えば、情報処理装置50の設定情報や、メールアドレスやFAXの送信先や電話番号や住所などのアドレス情報などである。機器情報は、例えば、HDD68に記憶されている。
【0023】
NFC制御部503は、上述したUSBホスト71により実現されるものであり、情報処理装置50に接続されるNFCデバイスND1を制御するものである。NFC制御部503は、電力状態制御部501の制御の下、NFCデバイスND1の通信モードをリーダ/ライタモード又はパッシブタブモードのいずれかに切り替える。また、NFCデバイスND1の通信モードがパッシブタブモードであるときNFCデバイスND1が他のNFCカードと通信を行う場合、P2Pで通信を行うため、NFC制御部503は、NFCデバイスND1の通信モードをP2Pモードに切り替える。また、NFC制御部503は、NFCデバイスND1の通信モードを判断して、電力状態制御部501の制御の下、当該通信モードに応じて、NFCデバイスND1に電力を供給する。具体的には、NFCデバイスND1の通信モードがパッシブタグモードである場合には、NFC制御部503は、NFCデバイスND1に電力を供給せず、NFCデバイスND1の通信モードがリーダ/ライタモードである場合には、NFC制御部503は、NFCデバイスND1に電力を供給する。
【0024】
次に、NFCデバイスND1のハードウェア構成について図3を用いて説明する。NFCデバイスND1は、アンテナ部100と、NFCコントローラ部101と、通信部104とを有する。NFCコントローラ部101は、制御部102と、メモリ103とを有する。通信部104は、制御部102の制御の下、リーダ/ライタとして機能する場合、USBホスト71を介して情報処理装置50から電力の供給を受け、USBホスト71を介して当該情報処理装置50と通信したり、アンテナ部100を介して送受信されるキャリアにより、通信可能な範囲にある他のNFCデバイスと非接触IC用無線通信規格に従って通信したりする。通信部104は、パッシブタグとして機能する場合、アンテナを介して他のNFCデバイスからキャリアを受信して電磁誘導により他のNFCデバイスから電力の供給を受け、キャリアの変調により当該他のNFCデバイスとの間で通信を行う。
【0025】
アンテナ部100は、他のNFCデバイスから電波やキャリアを受信したり、他のNFCデバイスに電波やキャリアを送信したりする。制御部102は、メモリ103に記憶された各種プログラムを実行することにより、NFCデバイスND1全体を制御する。特に、本実施の形態においては、制御部102は、情報処理装置50が省電力モードに設定されているとき、他のNFCデバイスとの通信を開始した場合、情報処理装置50の起動を情報処理装置50の電力投入制御部502に要求して、情報処理装置50を起動させて、通常動作状態にさせる。メモリ103は、各種データや各種プログラムを記憶する。
【0026】
尚、通信端末PC1に接続されるNFCデバイスは、従来と同様のNFCデバイスであり、通信部と、制御部と、アンテナ部とを有する。当該NFCデバイスは、リーダ/ライタとして機能する場合、アンテナを介して他のNFCデバイス(例えばNFCデバイスND1)にキャリアを送信して電磁誘導により他のNFCデバイスに電力を供給し、キャリアの変調により通信部と他のNFCデバイスとの間で通信を行う。また、当該NFCデバイスは、NFCデバイスND1と双方向で通信が可能である。
【0027】
次に、本実施の形態にかかる通信システムにおいて行なうデータ読み出し処理の手順について図4を用いて説明する。情報処理装置50が省電力状態に移行すると、電力状態制御部501は、NFCデバイスND1の通信モードをパッシブタグモードに切り替える切り替え信号をNFC制御部503に送る。NFC制御部503は切り替え信号を受け取ると、当該切り替え信号をNFCデバイスND1に送る(ステップS1)。NFCデバイスND1は、当該切り替え信号に応じて、自身の通信モードをパッシブタグモードに切り替える。この場合、情報処理装置50からNFCデバイスND1へ電力は供給されない。一方、通信端末PC1において、ユーザが、情報処理装置50に対する指定のデータの読み出しを要求する操作入力を行うと、通信端末PC1に接続されるNFCデバイスの通信モードはリーダ/ライタモードとなる。この状態で、ユーザが通信端末PC1をNFCデバイスND1に近づけ、通信端末PC1がNFCデバイスND1と通信可能な範囲内に入ると、通信端末PC1からキャリアが送信され、NFCデバイスND1はこれを受信すると電磁誘導により電力の供給を受けて、通信端末PC1とNFCデバイスND1との間で通信を開始する(ステップS2)。
【0028】
通信を開始すると、通信端末PC1とNFCデバイスND1とは互いに機器の認証を行う。機器の認証を行う方法は従来の技術と同様であるためその説明を省略する。その後、NFCデバイスND1は、情報処理装置50の起動を要求する起動要求信号を情報処理装置50の電力投入制御部502に送信する。電力投入制御部502は、起動要求信号を受信すると、情報処理装置50の電力供給ユニットから所定の電位の電力をコントローラ60及びUI80に供給させる(ステップS3)。この結果、情報処理装置50を起動させて、通常動作状態にさせる。
【0029】
一方、NFCデバイスND1は、情報処理装置50を起動させた旨を示す通知信号を通信端末PC1に送信する(ステップS4)。通信端末PC1は、通知信号を受信すると、ユーザの操作入力に応じた指定のデータの読み出しを要求する読み出し信号をNFCデバイスND1に送信する(ステップS5)。NFCデバイスND1は、読み出し信号を受信すると、情報処理装置50と通信を行って、読み出しが要求されている指定のデータの検出を行って(ステップS6)、指定のデータをシステムメモリ62やローカルメモリ67に一旦読み出す(ステップS7)。具体的には、例えば、読み出しが要求されているデータが上述の機器情報である場合には、NFCデバイスND1は、情報処理装置50の機器情報管理部500を介して、指定のデータに該当する機器情報を取得する。
【0030】
また、このとき、情報処理装置50のNFC制御部503は、NFCデバイスND1の通信モードをP2Pモードに切り替える。そして、NFCデバイスND1は、通信端末PC1とP2Pでの通信を開始し、ステップS7で読み出したデータを通信端末PC1に送信する(ステップS8)。尚、ステップS6で指定のデータを検出できない場合、NFCデバイスND1は、エラーを示す読み出しエラー信号を通信端末PC1に送信する。
【0031】
一方、通信端末PC1は、ステップS8で送信されたデータを受信し、ユーザの操作入力によって読み出しが要求されたデータの受信が全て完了すると、その旨を示す完了通知をNFCデバイスND1に送信する(ステップS9)。NFCデバイスND1は、完了通知を受信すると、P2Pでの通信を終了させる(ステップS10)。その後、情報処理装置50のNFC制御部503は、NFCデバイスND1の通信モードをリーダ/ライタモードに切り替える切り替え信号をNFCデバイスND1に送り(ステップS11)、NFCデバイスND1は、当該切り替え信号に応じて、自身の通信モードをリーダ/ライタモードに切り替える。
【0032】
次に、本実施の形態にかかる通信システムにおいて行なうデータ書き込み処理の手順について図5を用いて説明する。ステップS1は図4で説明したものと同様である。通信端末PC1においては、ユーザが、情報処理装置50に対するデータの書き込みを要求する操作入力を行うと、通信端末PC1に接続されるNFCデバイスの通信モードはリーダ/ライタモードとなる。この状態で、ユーザが通信端末PC1をNFCデバイスND1に近づけ、通信端末PC1がNFCデバイスND1と通信可能な範囲内に入ると、上述の図4で説明したステップS2〜S4の処理が行われる。
【0033】
ステップS20では、通信端末PC1は、通知信号を受信すると、ユーザの操作入力に応じたデータの書き込みを要求する書き込み信号をNFCデバイスND1に送信する。NFCデバイスND1は、書き込み信号を受信すると、情報処理装置50と通信を行って、書き込み先の検出を行う(ステップS21)。具体的には、例えば、NFCデバイスND1は、HDD68の記憶領域のうちデータの書き込みが可能な記憶領域を検出する。また、情報処理装置50のNFC制御部503は、NFCデバイスND1の通信モードをP2Pモードに切り替える。そして、NFCデバイスND1は、通信端末PC1とP2Pでの通信を開始する。そして、通信端末PC1は、書き込み対象のデータをNFCデバイスND1に送信する(ステップS22)。NFDデバイスND1は、書き込み対象のデータを受信すると、情報処理装置50と通信を行って、当該データと共に当該データの書き込みを要求する書き込み信号を情報処理装置50に送信し、情報処理装置50は、書き込み信号に応じて、当該データをシステムメモリ62やローカルメモリ67に一旦記憶させ、その後、HDD68のうちステップS21で検出した記憶領域に書き込む(ステップS23)。その後、NFDデバイスND1は、データの書き込みが完了した旨を示す完了通知信号を通信端末PC1に送信する(ステップS24)。ステップS10〜S11は図4で説明したものと同様である。
【0034】
以上のような構成によれば、情報処理装置50が省電力状態であっても、NFCデバイスが接続された通信端末PC1をNFCデバイスND1に通信可能な範囲内に近づけるだけで、データの転送が可能である。データの転送はP2Pで行なうため、NFCデバイス間で通信を開始した後は、データの書き込みを行うのか又はデータの読み出しを行うのかをユーザは意識しなくて良い。また、ユーザは、通信端末PC1を操作すれば良いため、情報処理装置50が備えるUI80としてはテンキーなどの簡単な構成であっても良く、このような構成の情報処理装置50でもデータの転送を容易に行うことが可能になる。従って、情報処理装置50に記憶されているデータとして例えば機器情報を通信端末PC1は容易に取得することができ、更に取得した機器情報を新たな情報処理装置に転送することも可能になる。即ち、機器情報の移植が容易に可能になる。
【0035】
また、情報処理装置50が省電力モードに設定されている場合に、NFCデバイスND1の通信モードをパッシブタグモードにし、データの読み出しやデータの書き込みが完了した後に、NFCデバイスND1の通信モードをリーダ/ライタモードにすることで、ユーザが意識することなく、通信モードを切り替えることができる。即ち、情報処理装置50が省電力状態では、パッシブタグモードにより、NFCデバイスND1における電力の消費量を抑制すると共に、情報処理装置50が通常動作状態になり、データの読み出しやデータの書き込みが完了した後は、リーダ/ライタモードにより、パッシブタグモードでは実現できない機能を実現させることができる。例えば、ICカードの認証や、Bluetooth/Wi-Fiハンドオーバーなどである。また、情報処理装置50として、例えば、プリンタ機能を少なくとも有する画像処理装置を適用した場合、NFCデバイスND1の通信モードがリーダ/ライタモードになることにより、ロック/プルプリントを実現させることができる。
【0036】
また、情報処理装置50がプリンタ機能を少なくとも有する画像処理装置である場合、上述の機器情報は、プリンタ機能を実現するために設定される情報、例えば、印刷用紙の情報などであっても良い。このような機器情報を容易に取得可能になることで、例えば、画像処理装置の機器管理者やサービスマンの利便性を向上させることができる。
【0037】
[変形例]
なお、本発明は前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。また、以下に例示するような種々の変形が可能である。
【0038】
上述した実施の形態において、情報処理装置50で実行される各種プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また当該各種プログラムを、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録してコンピュータプログラムプロダクトとして提供するように構成しても良い。
【0039】
上述した実施の形態においては、情報処理装置50として、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能及びファクシミリ機能のうち少なくとも1つの機能を有する画像処理装置を適用しても良い。
【0040】
上述した実施の形態においては、データの読み出しやデータの書き込みが完了した後に、NFCデバイスND1の通信モードをリーダ/ライタモードに切り替えたが、これに限らず、パッシブタブモードにするようにしても良い。
【0041】
また、上述した実施の形態においては、情報処理装置50が通常動作モードに設定されている場合には、NFCデバイスND1の通信モードをリーダ/ライタモードにするようにしても良い。
【0042】
上述した実施の形態においては、処理状態をユーザに報知するようにしても良い。図6は、本変形例にかかる通信システムの構成を例示する図である。情報処理装置50は、機器情報管理部500と、電力状態制御部501と、電力投入制御部502と、NFC制御部503とに加え、ユーザインタフェース部504を有する。NFC制御部503は、NFCデバイスND1が当該情報処理装置50や通信端末PC1と通信を行なう過程で、処理状態として、例えば、NFCデバイスND1が通信端末PC1と通信を開始したことや、データの読み出しやデータの書き込みを開始したことや、データの読み出しやデータの書き込みを完了したことを検出する。ユーザインタフェース部504は、上述したUI80により実現される機能であり、NFC制御部503が検出した処理状態を表示する。図7は、処理状態の表示例を示す図である。このような構成によれば、ユーザは、処理状態を確認することができため、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0043】
尚、情報処理装置50は、音声などの音を出力する音出力部を備え、処理状態を音声として出力することにより、処理状態をユーザに報知するようにしても良い。
【0044】
また、NFCデバイスND1から通信端末PC1へデータを送信中に、NFCデバイスND1と通信端末PC1とが通信を行なうための電波が途切れて、データの転送が中断されることが想定される。その要因としては、例えば、NFCデバイスND1と通信端末PC1との距離が通信不可能な距離まで離されてしまったり、通信端末PC1へ供給される電力が切れてしまったりすることである。このように、データの転送が中断されたことをNFC制御部503が検出した場合は、その旨をユーザに、ユーザインタフェース部504を介して報知するようにしても良い。図8は、データの転送が失敗した旨の表示例を示す図である。同図においては、データの書き込みが通信端末PC1から要求された場合に、データの転送が中断された場合の表示例である。このような構成によれば、ユーザは、データの転送が中断したことを確認することができため、ユーザの利便性を向上させることができる。尚、この場合も、情報処理装置50は、音声などの音を出力する音出力部を備え、データの転送が中断したことを音声として出力してユーザに報知するようにしても良い。
【0045】
尚、データの転送が中断された場合、一定時間内に通信が開始されない又は図8に示される終了ボタンが押下されると、NFCデバイス間の通信を強制終了し、転送中のデータを消去するようにしても良い。図9は、本変形例にかかる通信システムの構成を例示する図である。情報処理装置50は、機器情報管理部500と、電力状態制御部501と、電力投入制御部502と、NFC制御部503と、ユーザインタフェース部504とに加え、タイマ制御部505を有する。タイマ制御部505は、データの転送が中断されてからの時間を計測して、計測した時間が一定時間を越えるか否かを判断する。そして、当該判断結果が肯定的となった場合、タイマ制御部505は、転送中のデータを消去する、即ち、通信端末PC1に送信するためにシステムメモリ62やローカルメモリ67に一旦読み出したデータを削除する。
【0046】
一方、NFCデバイスND1の通信部104は、通信端末PC1にデータを送信する再には、当該データを複数のパケットに分割してこれを順次送信する。このパケットの送信中に電波が途切れたときに、通信部104は、送信できなかったパケットがどれであるかを示す中断パケット情報をメモリ103に記憶させる。その後、通信端末PC1からの電波が受信されて、通信端末PC1との通信が可能になったとき、通信部104は、通信端末PC1との通信を再開する。制御部102は、通信部104において通信が再開されたことを検出すると、メモリ103に記憶された中断パケット情報を参照して、送信対象のデータのうち、送信できなかったパケット及び当該パケット以降にあるパケットを通信部104に送信させる。また、情報処理装置50のNFC制御部503は、NFCデバイスND1の通信モードをP2Pモードに切り替え、NFCデバイスND1と通信端末PC1との間のパケットの転送をP2Pで行なわせる。
【0047】
以上のような構成によれば、データの転送が中断されたときは、一定時間内に通信が再開されれば、NFCデバイスND1と通信端末PC1との間でP2Pでの通信を再開させて、データのうち送信できなかった部分から送信を開始することができる。このため、例えば、ユーザは、通信端末PC1をNFCデバイスND1から一旦離してしまったとしても、一定時間内であれば、通信端末PC1をNFCデバイスND1に通信可能な範囲に近づけることで、読み出しを要求したデータを過不足なく容易に取得することが可能になる。
【符号の説明】
【0048】
50 情報処理装置
100 アンテナ部
101 NFCコントローラ部
102 制御部
103 メモリ
104 通信部
500 機器情報管理部
501 電力状態制御部
502 電力投入制御部
503 NFC制御部
504 ユーザインタフェース部
505 タイマ制御部
ND1 NFCデバイス
PC1 通信端末
【先行技術文献】
【特許文献】
【0049】
【特許文献1】特開2005−045557号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の電位の電力が供給される通常動作モードと前記所定の電位よりも低位の電力が供給される省電力モードとのいずれかに設定される情報処理装置と、パッシブタグとして機能する場合、通信範囲にある他の非接触通信デバイスから電力の供給を受け、当該他の非接触通信デバイスと非接触通信規格に従って通信する非接触通信デバイスとが接続され、
前記非接触通信デバイスは、
前記情報処理装置に記憶されたデータの読み出しの第1要求及び前記情報処理装置へのデータの書き込みの第2要求のうち少なくとも一方を前記他の非接触通信デバイスから受信する要求受信手段と、
パッシブタグとして機能している場合に前記第1要求及び前記第2要求のうち少なくとも一方が受信された場合、前記省電力モードに設定されている前記情報処理装置を起動させる第3要求を前記情報処理装置に送信する要求送信手段と、
前記第1要求に応じて、前記情報処理装置から前記データを読み出して前記他の非接触通信デバイスへ送信するデータ送信手段と、
前記第2要求に応じて、前記情報処理装置へ書き込む対象のデータを前記他の非接触通信デバイスから受信するデータ受信手段とを有し、
前記情報処理装置は、
当該情報処理装置が前記省電力モードに設定されている場合、前記非接触通信デバイスの通信モードをパッシブタグとして機能する第1通信モードに切り替え、前記第1要求に応じた前記データの読み出し及び前記第2要求に応じた前記データの書き込みのうち少なくとも一方が前記非接触通信デバイスを介して行われる場合、前記非接触通信デバイスの通信モードを、前記非接触通信デバイスと前記他の非接触通信デバイスとが双方向で通信を行う第2通信モードに切り替える切替手段と、
当該情報処理装置が省電力モードに設定されている場合、前記非接触通信デバイスから送信された前記第3要求に応じて、所定の電位の電力を電力供給手段から当該情報処理装置に供給させる電力投入手段とを有する
ことを特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記データ送信手段は、前記他の非接触通信デバイスへの前記データの送信中に当該他の非接触通信デバイスとの通信が途切れた後、一定時間内に当該他の非接触通信デバイスとの通信が再開した場合、前記データのうち、通信が途切れて送信できなかった部分を送信する
ことを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
所定の電位の電力が供給される通常動作モードと前記所定の電位よりも低位の電力が供給される省電力モードとのいずれかに設定される情報処理装置であって、
パッシブタグとして機能する場合、通信範囲にある他の非接触通信デバイスから電力の供給を受け、当該他の非接触通信デバイスと非接触通信規格に従って通信する非接触通信デバイスが接続される接続手段と、
当該情報処理装置が前記省電力モードに設定されている場合、前記非接触通信デバイスの通信モードをパッシブタグとして機能する第1通信モードに切り替え、前記第1要求に応じた前記データの読み出し及び前記第2要求に応じた前記データの書き込みのうち少なくとも一方が前記非接触通信デバイスを介して行われる場合、前記非接触通信デバイスの通信モードを、前記非接触通信デバイスと前記他の非接触通信デバイスとが双方向で通信を行う第2通信モードに切り替える切替手段と、
当該情報処理装置が前記省電力モードに設定されている場合、前記非接触通信デバイスからの、当該情報処理装置の起動の要求に応じて、所定の電位の電力を電力供給手段から当該情報処理装置に供給させる電力投入手段とを備える
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
前記非接触通信デバイスは、リーダ/ライタとして機能する場合、当該情報処理装置から電力の供給を受け、当該情報処理装置と通信する又は通信範囲にある他の非接触通信デバイスと非接触通信規格に従って通信し、
前記切替手段は、前記データの読み出し及び前記データの書き込みのうち少なくとも一方が完了した場合、前記非接触通信デバイスの通信モードを、リーダ/ライタとして機能する第3通信モードに切り替える
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記非接触通信デバイスは、リーダ/ライタとして機能する場合、当該情報処理装置から電力の供給を受け、当該情報処理装置と通信する又は通信範囲にある他の非接触通信デバイスと非接触通信規格に従って通信し、
前記切替手段は、前記情報処理装置が前記通常動作モードに設定されている場合、前記非接触通信デバイスの通信モードを、リーダ/ライタとして機能する第3通信モードに切り替える
ことを特徴とする請求項3又は4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記データの読み出し及び前記データの書き込みのうち少なくとも一方が完了した場合、完了の旨を報知する及び前記非接触通信デバイスから前記他の非接触通信デバイスへの前記データの送信が中断された場合、前記データの送信の中断を報知することのうち少なくとも一方を行う報知手段を更に備える
ことを特徴とする請求項3乃至5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
所定の電位の電力が供給される通常動作モードと前記所定の電位よりも低位の電力が供給される省電力モードとのいずれかに設定される情報処理装置で実行される情報処理方法であって、
前記情報処理装置は、パッシブタグとして機能する場合、通信範囲にある他の非接触通信デバイスから電力の供給を受け、当該他の非接触通信デバイスと非接触通信規格に従って通信する非接触通信デバイスが接続される接続手段と、切替手段と、電力投入手段とを備え、
前記切替手段が、当該情報処理装置が前記省電力モードに設定されている場合、前記非接触通信デバイスの通信モードをパッシブタグとして機能する第1通信モードに切り替えるステップと、
前記電力投入手段が、当該情報処理装置が前記省電力モードに設定されている場合、前記非接触通信デバイスからの、当該情報処理装置の起動の要求に応じて、所定の電位の電力を電力供給手段から当該情報処理装置に供給させるステップと、
前記切替手段が、前記第1要求に応じた前記データの読み出し及び前記第2要求に応じた前記データの書き込みのうち少なくとも一方が前記非接触通信デバイスを介して行われる場合、前記非接触通信デバイスの通信モードを、前記非接触通信デバイスと前記他の非接触通信デバイスとが双方向で通信を行う第2通信モードに切り替えるステップとを含む
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法をコンピュータに実行させるための情報処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−44092(P2011−44092A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−193346(P2009−193346)
【出願日】平成21年8月24日(2009.8.24)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】