説明

通信システム、移動局装置、基地局装置、及び処理方法

【課題】伝搬路状況が激しく変動する場合であっても、通信の切断を防止する通信システム、移動局装置、基地局装置、及び処理方法を提供する。
【解決手段】
移動局装置と、空間ダイバーシチ方式と空間多重方式を動的に設定して前記移動局装置と通信する基地局装置を備える通信システムにおいて、前記基地局装置は、通信開始後、前記移動局装置に対する最初の送信を送信方式の動的な設定によらず前記空間ダイバーシチ方式によって送信し、 前記移動局装置は、前記基地局装置からの前記最初の送信を前記空間ダイバーシチ方式により受信することを特徴とする通信システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システム、移動局装置、基地局装置、及び処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、W−CDMA(Wideband−Code Division Multiple Access:広帯域符号分割多元接続)方式をはじめとする第3世代移動体通信システム(3G)が世界的に普及してきている。また、さらなる高速通信を実現するために次世代の移動体通信システムの検討が行われている。次世代の移動体通信システムとして、下りの通信速度が100Mbps〜1Gbpsとなる第4世代移動体通信システム(4G)が検討されている。
【0003】
しかし、3Gと4Gとではシステム構成に大きな違いがある。そこで、3Gと4Gとの技術的、時間的なギャップを埋め、4Gへのスムーズな移行を実現するために、3Gと同一の周波数を使用し、4Gの候補となっている新技術を導入して、下りの通信速度が100Mbps程度を実現するE−UTRA(Evolved Universal Terrestrial Radio Access)が3GPP(3rd Generation Partnership Project:第3世代パートナーシッププロジェクト)で活発に議論されている。
【0004】
次世代の移動体通信システムであるE−UTRAでは、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access:直交周波数多元接続)方式が下りリンクとして採用されている。また、E−UTRAでは、複数の変調方式(Modulation rate)や符号化率(Coding rate)を適応的に変更するようなAMC(Adaptive Modulation and Coding:適応変調符号化)という技術が採用されている。さらに、E−UTRAでは、送信側と受信側との双方に複数のアンテナを設け、これら複数のアンテナを使用して、データの送受信を行うMIMO(Multiple Input Multiple Output:多入力多出力)伝送方式が採用されている。
MIMO伝送方式については、空間多重(Spatial multiplexing:SM)、ビームフォーミング(Beam forming:BF)、及び空間ダイバーシチ(Single−stream transmit diversity mode:SD)などの伝送方式が考えられており、これらの3つの伝送方式を切り替えることが提案されている(非特許文献1)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】3GPP R1−060774 “Evaluation of Downlink MIMO Transmission Mode Selection”
【非特許文献2】3GPP TSG−Ran Working Group 1 Meeting #44、 R1−060647、DL Adaptive STTD/SM Performance Evaluation for E−UTRA.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、端末装置が高速に移動している場合や、都市部などのように遮蔽物が多いような環境の場合には、伝搬路状況が激しく変動する。伝搬路状況が激しく変動する場合、伝送方式を切り替える端末装置は、非常に短い時間に得た少ない情報で通信の伝送方式を選択すると、適切な伝送方式を選択することができない。特に、通信開始直後や通信再開直後は伝送方式を選択するための情報が少なく、適切な伝送方式を選択できずに通信品質が確保できないときは、端末装置の通信は切断されてしまう。
【0007】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、伝搬路状況が激しく変動する場合であっても、通信の切断を防止する通信システム、移動局装置、基地局装置、及び処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、移動局装置と、空間ダイバーシチ方式と空間多重方式を動的に設定して前記移動局装置と通信する基地局装置を備える通信システムにおいて、前記基地局装置は、通信開始後、前記移動局装置に対する最初の送信を送信方式の動的な設定によらず前記空間ダイバーシチ方式によって送信し、前記移動局装置は、前記基地局装置からの前記最初の送信を前記空間ダイバーシチ方式により受信することを特徴とする通信システムである
【0009】
(2)また、前記基地局装置は、前記空間ダイバーシチ方式による送信を、所定の条件を満足するまで継続することを特徴とする(1)の通信システムである。
【0010】
(3)また、前記移動局装置は、前記空間ダイバーシチ方式による受信を、所定の条件を満足するまで継続することを特徴とする(2)の通信システムである。
【0011】
(4)また、前記基地局装置は、前記所定の条件が、前記移動局装置へ所定の情報を送信することを特徴とする(2)の通信システムである。
【0012】
(5)また、前記移動局装置は、前記所定の条件が、前記基地局装置から所定の情報を受信することを特徴とする(3)の通信システムである。
【0013】
(6)また、前記所定の情報は、所定の情報量を有する情報であることを特徴とする(4)または(5)の通信システムである。
【0014】
(7)また、前記所定の情報は、通信開始から所定の単位が所定の数に達するまでの情報であることを特徴とする(6)の通信システムである。
【0015】
(8)また、前記移動局装置は、前記所定の情報を受信するために、所定の時間内に待ち受けを行うことを特徴とする(6)又は(7)の通信システムである。
【0016】
(9)また、前記所定の情報は、動的に設定される伝送方式を識別可能な情報を含むことを特徴とする(6)ないし(8)のいずれかの通信システムである。
【0017】
(10)また、前記動的に設定される伝送方式に基づいて伝送方式を変更することを特徴とする(9)の通信システムである。
【0018】
(11)また、前記通信開始後とは、前記基地局装置と前記移動局装置との通信が一時的に遮断された後に再開された後を含むことを特徴とする(1)ないし(10)のいずれかの通信システムである。
【0019】
(12)また、前記所定の情報は、制御情報であることを特徴とする(4)ないし(10)のいずれかの通信システムである。
【0020】
(13)また、本発明は、空間ダイバーシチ方式と空間多重方式を動的に設定して移動局装置と通信する基地局装置であって、通信開始後、前記移動局装置に対する最初の送信を送信方式の動的な設定によらず前記空間ダイバーシチ方式によって送信することを特徴とする基地局装置である。
【0021】
(14)また、前記空間ダイバーシチ方式による送信を、所定の条件を満足するまで継続することを特徴とする(13)の基地局装置である。
【0022】
(15)また、前記所定の条件が、前記移動局装置へ所定の情報を送信することを特徴とする(14)の基地局装置である。
【0023】
(16)また、前記所定の情報は、所定の情報量を有する情報であることを特徴とする(15)の基地局装置である。
【0024】
(17)また、前記所定の情報は、通信開始から所定の単位が所定の数に達するまでの情報であることを特徴とする(16)の基地局装置である。
【0025】
(18)また、前記所定の情報は、動的に設定される伝送方式を識別可能な情報を含むことを特徴とする(16)又は(17)の基地局装置である。
【0026】
(19)また、前記動的に設定される伝送方式に基づいて送信方式を変更することを特徴とする(18)の基地局装置である。
【0027】
(20)また、前記通信開始後とは、前記移動局装置との通信が一時的に遮断された後に再開された後、を含むことを特徴とする(13)ないし(19)のいずれかの基地局装置である。
【0028】
(21)また、前記所定の情報は、制御情報であることを特徴とする(15)ないし(19)のいずれかの基地局装置である。
【0029】
(22)また、本発明は、移動局装置と空間ダイバーシチ方式と空間多重方式を動的に設定して前記移動局装置と通信する基地局装置を備える通信システムにおける移動局装置であって、前記基地局装置からの前記最初の送信を前記空間ダイバーシチ方式により受信することを特徴とする移動局装置である。
【0030】
(23)また、前記空間ダイバーシチ方式による受信を、所定の条件を満足するまで継続することを特徴とする(22)の移動局装置である。
【0031】
(24)また、前記所定の条件が、前記基地局装置から所定の情報を受信することを特徴とする(23)の移動局装置である。
【0032】
(25)また、前記所定の情報は、所定の情報量を有する情報であることを特徴とする(24)の移動局装置である。
【0033】
(26)また、前記所定の情報は、通信開始から所定の単位が所定の数に達するまでの情報であることを特徴とする(25)の移動局装置である。
【0034】
(27)また、前記所定の情報を受信するために、所定の時間内に待ち受けを行うことを特徴とする(25)又は(26)の移動局装置である。
【0035】
(28)また、前記所定の情報は、動的に設定される伝送方式を識別可能な情報を含むことを特徴とする(25)ないし(27)のいずれの移動局装置である。
【0036】
(29)また、前記動的に設定される伝送方式を識別可能な情報に基づいて受信方式を変更することを特徴とする(28)の移動局装置である。
【0037】
(30)また、前記通信開始後とは、前記基地局装置との通信が一時的に遮断された後に再開された後、を含むことを特徴とする(22)ないし(29)のいずれかの移動局装置である。
【0038】
(31)また、前記所定の情報は、制御情報であることを特徴とする(24)ないし(29)のいずれかの移動局装置である。
【0039】
(32)また、本発明は、空間ダイバーシチ方式と空間多重方式を動的に設定して移動局装置と通信する基地局装置における処理方法であって、前記基地局装置が、通信開始後、前記移動局装置に対する最初の送信を送信方式の動的な設定によらず前記空間ダイバーシチ方式によって送信することを特徴とする処理方法である。
【0040】
(33)また、前記空間ダイバーシチ方式による送信を、所定の条件を満足するまで継続することを特徴とする(32)の処理方法である。
【0041】
(34)また、前記所定の条件が、前記移動局装置へ所定の情報を送信することを特徴とする(33)の処理方法である。
【0042】
(35)また、前記所定の情報は、所定の情報量を有する情報であることを特徴とする(34)の処理方法である。
【0043】
(36)また、前記所定の情報は、通信開始から所定の単位が所定の数に達するまでの情報であることを特徴とする(35)の処理方法である。
【0044】
(37)また、前記所定の情報は、動的に設定される伝送方式を識別可能な情報を含むことを特徴とする(35)又は(36)の処理方法である。
【0045】
(38)また、前記動的に設定される伝送方式に基づいて送信方式を変更することを特徴とする(37)の処理方法である。
【0046】
(39)また、前記通信開始後とは、前記移動局装置との通信が一時的に遮断された後に再開された後、を含むことを特徴とする(32)ないし(38)のいずれかの処理方法である。
【0047】
(40)また、前記所定の情報は、制御情報であることを特徴とする(34)ないし(38)のいずれかの処理方法である。
【0048】
(41)また、本発明は、移動局装置と空間ダイバーシチ方式と空間多重方式を動的に設定して前記移動局装置と通信する基地局装置を備える通信システムにおける受信制御方法であって、前記移動局装置が、前記基地局装置からの前記最初の送信を前記空間ダイバーシチ方式により受信することを特徴とする処理方法である。
【0049】
(42)また、前記空間ダイバーシチ方式による受信を、所定の条件を満足するまで継続することを特徴とする(41)の処理方法である。
【0050】
(43)また、前記所定の条件が、前記基地局装置から所定の情報を受信することを特徴とする(42)の処理方法である。
【0051】
(44)また、前記所定の情報は、所定の情報量を有する情報であることを特徴とする(43)の処理方法である。
【0052】
(45)また、前記所定の情報は、通信開始から所定の単位が所定の数に達するまでの情報であることを特徴とする(44)の処理方法である。
【0053】
(46)また、前記所定の情報を受信するために、所定の時間内に待ち受けを行うことを特徴とする(44)又は(45)の処理方法である。
【0054】
(47)また、前記所定の情報は、動的に設定される伝送方式を識別可能な情報を含むことを特徴とする(44)ないし(46)のいずれかの処理方法である。
【0055】
(48)また、前記動的に設定される伝送方式を識別可能な情報に基づいて受信方式を変更することを特徴とする(47)の処理方法である。
【0056】
(49)また、前記通信開始後とは、前記基地局装置との通信が一時的に遮断された後に再開された後、を含むことを特徴とする(41)ないし(48)のいずれかの処理方法である。
【0057】
(50)また、前記所定の情報は、制御情報であることを特徴とする(43)ないし(48)のいずれかの処理方法である。
【発明の効果】
【0058】
本発明によれば、伝送方式を所定の期間、品質重視の伝送方式に固定することで、該期間の通信は通信品質の悪い方式を誤って選択してしまうことがなく、通信の切断を防止できる。また、該期間の通信状況に基づき該期間経過後の伝送方式を適切に判断できるようになるので、該期間経過後の通信でも通信の切断を防止し、伝送容量の低下を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る送受信装置のブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る送信信号の説明図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る伝送方式を切り替える方法の説明図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係るフロー図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る送受信装置のブロック図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る伝送方式を切り替える方法の説明図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係るフロー図である。
【図8】本発明の第3の実施形態に係る送受信装置のブロック図である。
【図9】本発明の第3の実施形態に係る伝送方式を切り替える方法の説明図である。
【図10】本発明の第3の実施形態に係るフロー図である。
【図11】本発明の第4の実施形態に係る送受信装置のブロック図である。
【図12】本発明の第4の実施形態に係る伝送方式を切り替える方法の説明図である。
【図13】本発明の第4の実施形態に係るフロー図である。
【図14】本発明の第5の実施形態に係る送受信装置のブロック図である。
【図15】本発明の第5の実施形態に係るフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0060】
(第1の実施形態)
以下に本発明の通信システム、移動局装置、基地局装置、及び処理方法について、実施形態により図面を参照しながら説明する。
【0061】
本実施形態では、第1の送受信装置100と第2の送受信装置200は、品質重視の伝送方式である空間ダイバーシチSDと、空間ダイバーシチSDより品質が劣る伝送方式である空間多重SMと、ビームフォーミングBFとを切替えることができる。
ここで、空間ダイバーシチSDとは、送信側の複数アンテナから同じデータを送信し、受信側は複数アンテナで受信する伝送方式である。伝送方式が空間ダイバーシチSDの場合、受信側は受信した複数データを合成して精度を高めることができる。空間多重SMとは、送信側の複数アンテナから異なるデータを送信し、受信側は複数アンテナで受信する伝送方式である。また、ビームフォーミングBFとは、送信電波の位相を変化させ、電波の送出方向を制御することによりデータを効率的に送信する伝送方式である。
空間ダイバーシチSDによる伝送方式は、空間多重SM、及び、ビームフォーミングBFと比較して、通信の品質がよく、電波環境が悪い状況に有効になる。
【0062】
また、本実施形態では、送受信装置は伝送方式を最初の制御データの通信開始から受信完了するまで空間ダイバーシチSDに固定する。なお、通信開始直後の伝送方式は、空間ダイバーシチSDと決められているとする。
【0063】
図1は本発明の実施に適用可能な第1の送受信装置100から第2の送受信装置200へのデータ通信を行う無線送受信システムに係る第1の実施形態の概要を示すブロック図である。本実施形態では、基地局装置である第1の送受信装置100、移動局装置である第2の送受信装置200ともアンテナ部101、201のアンテナの数は2本とする。
【0064】
第1の送受信装置100は、送信したいデータ列をアンテナ部101から第2の送受信装置200のアンテナ部201へ空間ダイバーシチSD、空間多重SM、ビームフォーミングBFのいずれかの伝送方式で通信する。
また、第1の送受信装置100のアンテナ部101から第2の送受信装置200のアンテナ部201への通信は、通信方式を多元接続の方式であるOFDMAとする。第2の送受信装置200のアンテナ部201から第1の送受信装置100のアンテナ部101への通信は、通信方式をSC−FDMA(Single Carrier−Frequency Division Multiple Access:シングルキャリア周波数分割多元接続)とする。なお、第1の送受信装置100から第2の送受信装置200への通信方式と、第2の送受信装置200から第1の送受信装置100への通信方式とは同じであっても、異なっていてもよい。通信方式は上記の通信方式に限るものではなく、CDMA(Code Division Multiple Access:符号分割多元接続)など他の通信方式を用いてもよい。
【0065】
まず、第1の送受信装置100について説明をする。第1の送受信装置100は、アンテナ部101と、送信部111と、制御部121と、受信部131と、記憶部141とを有する。
【0066】
アンテナ部101は、2本のアンテナを備え、送信部111から入力された信号を第2の送受信装置200へ送信する機能と、第2の送受信装置200から送信された信号を受信し、受信部131に出力する機能とを有する。
受信部131は、アンテナ部101から入力された受信信号を復調し、該復調した受信データ列よりユーザデータ、および制御データ等を分離するデータ列分離手段133を備え、該分離したデータ列を制御部121へ出力する機能を有する。
【0067】
なお、制御データとは、通信の送受信や送受信装置を制御するためのデータであり、ユーザデータとは制御データ以外のデータである。具体的には、制御データにはL1/L2制御データ(Layer1/Layer2制御データ)や所定のOFDMシンボルに割り当てられる制御チャネルのデータがあり、ユーザデータには音声データやHTTP(HyperText Transfer Protocol:ハイパーテキスト転送プロトコル)要求がある。しかし、制御データは前記データに限られない。
【0068】
制御部121は、受信部131から入力されたデータに含まれる第2の送受信装置200が決定した伝送方式を特定し、第1の送受信装置100が送信の際に用いる伝送方式として該伝送方式情報を送信部111へ出力する。ただし、制御部121は、記憶部141が記憶する所定の時間間隔である伝送周期に基づき後述する同期タイミングで、前記伝送方式を送信部111へ出力する。また、制御部121は、通信開始直後の伝送方式情報を空間ダイバーシチSDとする。
また、制御部121は、受信部131から入力されたユーザデータをその他第1の送受信装置100が有する周辺回路に出力し、また、周辺回路から入力されたユーザデータと制御データを送信部111へ出力する。
【0069】
送信部111は、制御部121から入力された伝送方式情報に従い、伝送方式を空間多重SMまたは空間ダイバーシチSDまたはビームフォーミングBFに切り替える伝送方式切替手段112を備える。送信部111は、該切り替えられた伝送方式に応じて、制御部121より得られる送信すべきユーザデータ、制御データ等を多重し、送信データ列を生成する送信データ列生成手段113を備える。
送信部111は、該生成した送信データ列を変調し、無線周波数にアップコンバートして、アンテナ部101を介し第2の送受信装置200へ送信する機能を有する。このとき、送信データ列は、前記伝送周期毎に区切られて(以下、伝送周期データという)時系列に送信され、同じ伝送周期内の送信データは、同じ伝送方式で送信される。
【0070】
図2は、前記送信部111が送信した信号を示す概要図である。図2において、横軸は時間であり、通信開始後、最初の制御データを送信し、次に最初のユーザデータを送信し、その後、制御データやユーザデータを受信する。ここで、最初の制御データはN個の伝送周期データ、ユーザデータはM個の伝送周期データから構成される。
【0071】
次に、第2の送受信装置200について説明をする。第2送送受信装置200は、アンテナ部201と、送信部211と、制御部221と、受信部231と、記憶部241とを有する。
【0072】
アンテナ部201は、2本のアンテナを備え、第1の送受信装置100から送信された信号を受信してベースバンド帯域にダウンコンバートし、受信部231に出力する機能と、送信部211から入力された信号を第1の送受信装置100へ送信する機能とを有する。
受信部231は、制御部221から入力された伝送方式情報に従い伝送方式を空間ダイバーシチSD、空間多重SM、ビームフォーミングBFのいずれかに切り替える伝送方式切替手段232を有し、該切り替えられた伝送方式でアンテナ部201から入力された受信信号を復調する。また、受信部231は、前記復調した受信信号の受信データ列より、ユーザデータおよび制御データ等を分離するデータ列分離手段233を備える。そして、受信部231は、該分離したデータ列を制御部221へ出力する機能を有する。
【0073】
具体的には、データ列分離手段233は、予め決められたOFDMシンボルの所定のサブキャリアに配置される制御フォーマットインディケータチャネルの情報により、制御チャネルが配置されるOFDMシンボルを特定し、該OFDMシンボルに配置されるデータを制御データとすることで、制御データとユーザデータとを分離する。
【0074】
制御部221は、データ判定手段223と伝送方式決定手段222を有し、通信状況に応じて伝送方式を決定する。
データ判定手段223は、受信データが通信開始後の最初の制御データであるか否かを判定し、最初の制御データであれば、伝送方式を空間ダイバーシチSDに固定する。
【0075】
そして、伝送方式決定手段222は、受信データが最初の制御データでない場合、つまり、受信データにユーザデータが含まれた場合、伝送方式を空間ダイバーシチSD、空間多重SM、ビームフォーミングBFのいずれかに決定する(以下、動的決定という)。その後、伝送方式決定手段222は、受信データが制御データであっても最初の制御データではないので、伝送方式を前記動的決定により決定する。
【0076】
なお、前記動的決定する方法には、例えば、SNR(Signal to Noise Ratio)によって判定する方法がある。具体的には、伝送方式決定手段222は、SNRと記憶部241が記憶する予め決めた所定の閾値とを比較し、SNRが所定の閾値以上であれば、伝送方式を空間多重SMとし、SNRが所定の閾値より小さいならば、空間ダイバーシチSDとする。
しかし、前記動的決定する方法は、該方法に限定されず、チャネル行列HのコンディションナンバーKによってチャネルモデルを推定してチャネルモデルに適した伝送方式を選択し、かつ、SE(Spectral Efficiency)を最大とするような伝送方式に決定する方法であってもよい。具体的には、チャネル行列Hの特異値の最大値lmax(H)と最小値lmin(H)とを計算し、コンディションナンバーK=lmax(H)/最小値lmin(H)を算出し、K≦2のときは空間多重SMに決定し、2<K<20のときは空間ダイバーシチSDに決定し、K≧20のときはビームフォーミングBFに決定してもよい(非特許文献2)。
【0077】
制御部221は、伝送方式決定手段222が前記固定又は決定した伝送方式情報を送信部211とへ出力する。また、制御部221は、記憶部241が記憶する所定の時間間隔である伝送周期に基づき後述する同期タイミングで、前記伝送方式を伝送方式切替手段232へ出力する。ただし、制御部221は、通信開始直後の伝送方式情報を空間ダイバーシチSDとする。
また、制御部221は、受信部231から入力されたユーザデータをその他第2の送受信装置200が有する周辺回路に出力し、また、周辺回路から入力されたユーザデータと制御データを送信部211へ出力する。
【0078】
送信部211は、送信データ列生成手段213を有し、制御部221から入力されるユーザデータ、および制御データを多重化し、送信データ列を生成する機能を有する。そして、送信部211は該生成した送信データ列を変調し、アンテナ部201を介し第1の送受信装置100へ送信する。なお、本実施形態において、制御部221から入力された伝送方式情報は、制御データとして送信されるが、これに限られない。
【0079】
以下、通信データと通信方式の関係を具体的に説明する。図3は、本実施形態の伝送方式を切り替える方法を説明する概要図である。また、図3において横軸は時間である。
図3(a)は、第2の送受信装置200が第1の送受信装置100との通信開始後、第1の送受信装置100から、3つの伝送周期データからなる最初の制御データを受信し、次に、1つの伝送周期データからなる最初のユーザデータを受信し、その後、制御データを受信しているデータ列を示す図である。
図3(b)は、第2の送受信装置200が第1の送受信装置100との通信開始後、第1の送受信装置100から、1つの伝送周期データからなる最初の制御データを受信し、次に、3つの伝送周期データからなる最初のユーザデータを受信し、その後、制御データを受信しているデータ列を示す図である。
図3(c)は、第2の送受信装置200が第1の送受信装置100との通信開始後、第1の送受信装置100から、1つの伝送周期データからなる最初の制御データを受信し、次に、1つの伝送周期データからなる最初のユーザデータを受信し、その後、制御データとユーザデータの伝送周期データを交互に受信しているデータ列を示す図である。
【0080】
ここで、第1の送受信装置100の記憶部141と第2の送受信装置200の記憶部241は、三角印で示す所定の時間間隔である伝送周期を記憶する。第1の送受信装置100の制御部121と第2の送受信装置200の制御部221は、通信開始後、図3中の三角印で示す第1の送受信装置100の記憶部141と第2の送受信装置200の記憶部241が記憶する伝送周期が経過するタイミング(以下、同期タイミングという)にあわせ、それぞれ伝送方式切替手段112と伝送方式切替手段232に決定した伝送方式情報を出力する。
なお、図3では、1つの伝送周期データは、制御データ、又は、ユーザデータのみで構成されているが、本発明はこれに限らず、制御データとユーザデータとが含まれていてもよい。
【0081】
次に、伝送方式決定手段222が伝送方式を空間ダイバーシチSDに固定する範囲と、第1の送受信装置100から第2の送受信装置200への通信の伝送方式が空間ダイバーシチSDに固定される範囲について説明をする。
図3の(a−1)において、1番目の伝送周期データは、予め決められた通信開始直後の伝送方式である空間ダイバーシチSDで通信される。該伝送方式での通信は、図3の(a−1)の点線矢印で示された範囲である。
【0082】
1番目の伝送周期データは、制御データであり、通信開始後の最初の制御データを構成する。よって、伝送方式決定手段222は、伝送方式を空間ダイバーシチSDに固定する。該固定に基づき、2番目の伝送周期データは、伝送方式を空間ダイバーシチSDで通信される。
2番目の伝送周期データも制御データであり、最初の制御データである。よって、伝送方式決定手段222は、伝送方式を空間ダイバーシチSDに固定する。該固定に基づき、3番目の伝送周期データは、伝送方式を空間ダイバーシチSDで通信される。同様に、3番目の伝送周期データも制御データであり、最初の制御データである。よって、伝送方式決定手段222は、伝送方式を空間ダイバーシチSDに固定する。該固定に基づき、4番目の伝送周期データは、伝送方式を空間ダイバーシチSDで通信される。
【0083】
そして、4番目の伝送周期データはユーザデータであり、制御データではないので、最初の制御データは3番目の伝送周期データまでである。よって、伝送方式決定手段222は、4番目以降の伝送周期データについて伝送方式を前記動的決定により決定する。該決定に基づき、第1の送受信装置100と第2の送受信装置200は、次の前記同期タイミングで伝送方式を該決定された伝送方式に切り替える。
【0084】
これより、伝送方式決定手段222が伝送方式を空間ダイバーシチSDに固定する範囲は、図3の(a−1)の実線矢印で示された範囲である。また、第1の送受信装置100から第2の送受信装置200への通信の伝送方式が、空間ダイバーシチSDに固定される範囲は、図3の(a−1)の破線矢印で示された範囲である。
同様に、図3の(b−1)、(c−1)の場合、伝送方式決定手段222が伝送方式を空間ダイバーシチSDに固定する範囲は、実線矢印で示された範囲である。また、第1の送受信装置100から第2の送受信装置200への通信の伝送方式が、空間ダイバーシチSDに固定される範囲は、破線矢印で示された範囲である。なお、図3の(b−1)、(c−1)の点線矢印で示された範囲は、通信開始直後に空間ダイバーシチSDとされる範囲である。
【0085】
また、伝送方式決定手段222は、伝送周期データの数を数え、予め定めた数になるまで、伝送方式を空間ダイバーシチSDに決定することもできる。
図3の(a−3)は、前記予め定めた数が2の場合である。1番目の伝送周期データは、予め決められた通信開始直後の伝送方式である空間ダイバーシチSDで通信される。該伝送方式での通信は、図3の(a−3)の点線矢印で示された範囲である。
【0086】
伝送方式決定手段222は、1番目の伝送周期データが入力されると、伝送周期データの数を1とする。伝送方式決定手段222は、伝送周期データの数が予め定めた数2に達していないので、伝送方式を空間ダイバーシチSDに固定する。該固定に基づき、2番目の伝送周期データは、伝送方式を空間ダイバーシチSDで通信される。
伝送方式決定手段222は、2番目の伝送周期データが入力されると、伝送周期データの数は、2となる。伝送方式決定手段222は、伝送周期データの数が、予め定めた数2に達したので、以降の伝送方式を前記動的決定により決定する。該決定に基づき、第1の送受信装置100と第2の送受信装置200は、次の前記同期タイミングで伝送方式を該決定された伝送方式に切り替える。
【0087】
これにより、伝送方式決定手段222が伝送方式を空間ダイバーシチSDに固定する範囲は、図3の(a−3)の実線矢印で示された範囲である。また、第1の送受信装置100から第2の送受信装置200への通信の伝送方式が、空間ダイバーシチSDに固定される範囲は、図3の(a−3)の破線矢印で示された範囲である。
同様に、図3の(a−2)は、前記予め定めた数が1の場合である。
【0088】
なお、本実施形態では、データを数える単位を伝送周期としているが、本発明はこれに限られず、例えば、所定のデータ長であってもよいし、特定の時間長であるスロットであってもよい。
【0089】
次に動作について説明する。図4は、本実施形態の動作を示すフロー図である。
まず、第1の送受信装置100は、通信開始直後の伝送方式である空間ダイバーシチSDでデータを送信する(S101)。
【0090】
第2の送受信装置200は、第1の送受信装置100より送信された信号をアンテナ部201で受信し、受信部231へ出力する(S102)。受信部231は、通信開始直後の伝送方式である空間ダイバーシチSDで受信した受信信号を復調し、該復調した受信データ列をユーザデータと制御データに分離し、制御部221へ出力する(S103)。
【0091】
制御部221は、前記受信データの種類を判定し、伝送方式を決定する。具体的には、制御部221のデータ判定手段223は、該入力されたデータが通信開始後の最初の制御データであるか否かを判定する(S104)。そして、伝送方式決定手段222は、最初の制御データである場合は、伝送方式を空間ダイバーシチSDに固定し(S105)、最初の制御データでない場合は、前記動的決定の方法を用いて伝送方式を決定する(S106)。
制御部221は、該固定又は決定した伝送方式情報を、送信部211に出力する。送信部211は、送信データ列生成手段213により、ステップS105で固定又S106で決定した伝送方式情報をデータ列として生成し、アンテナ201を介して、第1の送信装置100へ送信する(S107)。
【0092】
次に、第1の送受信装置100は、送信装置200より送信された信号をアンテナ部101により受信し、受信部131へ出力する。受信部131は、該受信した受信信号を復調し、該復調した受信データ列をユーザデータと制御データに分離し、制御部121へ出力する(S108)。制御部121は、入力された制御データからステップS105で固定又S106で決定した伝送方式情報を特定する(S109)。
【0093】
制御部121は、記憶部141が記憶している伝送周期に基づいた前記同期タイミングにあわせ、前記特定したステップS105で固定又S106で決定した伝送方式情報を送信部111へ出力する。送信部111の伝送方式切替手段112は、制御部121から入力された前記伝送方式情報に従い、送信する伝送方式を空間多重SMまたは空間ダイバーシチSDまたはビームフォーミングBFに切り替える(S110)。
一方、第2の送受信装置200に含まれる制御部221は、記憶部241が記憶している伝送周期に基づいた前記同期タイミングで、受信部231へステップS105で固定又S106で決定した伝送方式情報を出力する。受信部231は、制御部221から入力された前記伝送方式情報に従い、受信する伝送方式を空間多重SMまたは空間ダイバーシチSDまたはビームフォーミングBFに切り替える(S111)。これより第1の送受信装置100と第2の送受信装置200との伝送方式を統一した通信をすることが可能な状態となる。
【0094】
そして、第1の送受信装置100が有する送信部111は、アンテナ101を介し、前記伝送方式情報の伝送方式で第2の送受信装置200にデータを送信する(S112)。第2の送受信装置200の受信部231は、第1の送受信装置100からの送信信号をアンテナ201を介して、第1の送受信装置100と同じ前記伝送方式で受信し、復調する(S113)。
【0095】
本実施形態によれば、送受信装置は、通信開始から制御データを送信するまでの間、伝送方式を品質重視の伝送方式である空間ダイバーシチSDに固定して通信を行う。
これにより、送受信装置は、通信品質の悪い方式を誤って選択してしまうことがなく、該期間の通信を品質重視の方式で行うので、通信の切断を防止できる。また、該期間の通信状況に基づき該期間経過後の伝送方式を適切に判断できるようになるので、該期間経過後の通信でも通信の切断を防止し、伝送容量の低下を防ぐことができる。
【0096】
(第2の実施形態)
第1の実施形態である送受信装置は、伝送方式を最初の制御データの通信開始から受信完了するまで空間ダイバーシチSDに固定するが、本実施形態である送受信装置は、送受信装置は伝送方式を最初の制御データの通信開始から最初のユーザデータの受信完了するまで空間ダイバーシチSDに固定する。
図5は、本実施形態の第1の送受信装置100と第2の送受信装置300の構成を示す概略的ブロック図である。本実施形態と第1の実施形態を比較すると、制御部321が異なる。しかし、構成要素が持つ機能は第1の実施形態と同じであるので、第1の実施形態と同じ機能の説明は省略する。
【0097】
制御部321は、データ判定手段323と伝送方式決定手段322を有し、各通信状況に応じて伝送方式を決定する。
データ判定手段323は受信データが通信開始後の最初の制御データであるか否かを判定し、最初の制御データであれば、伝送方式決定手段322は伝送方式を空間ダイバーシチSDに固定する。そして、伝送方式決定手段322は、次に、受信データが最初の制御データでない場合も、つまり、受信データにユーザデータが含まれた場合も、伝送方式を空間ダイバーシチSDに決定する。その後、受信データとしてユーザデータが続く場合は、伝送方式を空間ダイバーシチSDに固定し、受信データに制御データが含まれたときは、伝送方式を前記動的決定により決定する。さらにその後は、受信データが制御データであっても最初の制御データではなく、ユーザデータであっても最初のユーザデータではないので、前記動的決定する方法で伝送方式を決定する。
【0098】
制御部321は、伝送方式決定手段322が前記決定した伝送方式情報を送信部211とへ出力する。また、制御部321は、記憶部241が記憶している所定の伝送周期に基づいた前記同期タイミングで、前記伝送方式を伝送方式切替手段332へ出力する。ただし、制御部321は、通信開始直後の伝送方式情報を空間ダイバーシチSDとする。
また、制御部321は、受信部231から入力されたユーザデータをその他第2の送受信装置300が有する周辺回路に出力し、また、周辺回路から入力されたユーザデータと制御データを送信部211へ出力する。
【0099】
以下、通信データと通信方式の関係を具体的に説明する。図6は、本実施形態の伝送方式を切り替える方法を説明する概要図である。また、図6において横軸は時間である。図6(a)〜(c)に示すデータは、図3(a)〜(c)に示すデータと同じであるので、説明は省略する。
【0100】
伝送方式決定手段322が、伝送方式を空間ダイバーシチSDに固定する範囲と、第1の送受信装置100から第2の送受信装置300への通信の伝送方式が空間ダイバーシチSDに固定される範囲について説明をする。
図6の(a−1)において、1番目の伝送周期データは、予め決められた通信開始直後の伝送方式である空間ダイバーシチSDで通信される。該伝送方式での通信は、図3の(a−1)の点線矢印で示された範囲である。
【0101】
1番目の伝送周期データは、制御データであり、通信開始後の最初の制御データを構成する。よって、伝送方式決定手段322は、伝送方式を空間ダイバーシチSDに固定する。該固定に基づき、2番目の伝送周期データは、伝送方式を空間ダイバーシチSDで通信される。
2番目の伝送周期データも制御データであり、最初の制御データである。よって、伝送方式決定手段322は、伝送方式を空間ダイバーシチSDに固定する。該固定に基づき、3番目の伝送周期データは、伝送方式を空間ダイバーシチSDで通信される。同様に、3番目の伝送周期データも制御データであり、最初の制御データである。よって、伝送方式決定手段322は、伝送方式を空間ダイバーシチSDに固定する。該固定に基づき、4番目の伝送周期データは、伝送方式を空間ダイバーシチSDで通信される。
そして、4番目の伝送周期データはユーザデータであり、制御データではないが、4番目の伝送周期データは、通信開始後の最初のユーザデータを構成する。よって、伝送方式決定手段322は、伝送方式を空間ダイバーシチSDに固定する。該固定に基づき、5番目の伝送周期データは、伝送方式を空間ダイバーシチSDで通信される。
【0102】
次に、5番目の伝送周期データは制御データであり、ユーザデータではないので、最初の制御データと最初のユーザデータは、4番目の伝送周期データまでである。よって、伝送方式決定手段322は、5番目以降の伝送周期データについて伝送方式を前記動的決定により決定する。該決定に基づき、第1の送受信装置100と第2の送受信装置300は、次の前記同期タイミングで伝送方式を該決定された伝送方式に切り替える。
【0103】
これより、伝送方式決定手段322が伝送方式を空間ダイバーシチSDに固定する範囲は、図6の(a−1)の実線矢印で示された範囲である。また、第1の送受信装置100から第2の送受信装置300への通信の伝送方式が、空間ダイバーシチSDに固定される範囲は、図6の(a−1)の破線矢印で示された範囲である。
同様に、図6の(b−1)、(c−1)の場合、伝送方式決定手段322が伝送方式を空間ダイバーシチSDに固定する範囲は、実線矢印で示された範囲である。また、第1の送受信装置100から第2の送受信装置300への通信の伝送方式が、空間ダイバーシチSDに固定される範囲は、破線矢印で示された範囲である。なお、図6の(b−1)、(c−1)の点線矢印で示された範囲は、通信開始直後に空間ダイバーシチSDとされる範囲である。
【0104】
次に動作について説明する。図7は、本実施形態の動作を示すフロー図である。
本実施形態の動作と第1の実施形態の動作と比較すると、S204の判定方法が異なる。しかし、他の動作については第1の実施形態と同じであるので、第1の実施形態と同じ動作の説明は省略する。
本実施形態では、制御部321のデータ判定手段323は、該入力された通信開始後のデータが最初の制御データ、または、最初のユーザデータであるか否かを判定する(S204)。そして、伝送方式決定手段322は、最初の制御データである場合は、伝送方式を空間ダイバーシチSDに固定し(S105)、最初の制御データでない場合は、前記動的決定する方法で伝送方式を決定する(S106)。
【0105】
以上より、最初に制御データを通信し、次に最初のユーザデータを通信する送受信装置は、第1の実施形態のように最初の制御データのみ伝送方式を空間ダイバーシチSDに固定する場合に比べ、さらに最初のユーザデータを通信する期間も、伝送方式を品質重視の伝送方式である空間ダイバーシチSDに固定して通信を行う。
これにより、送受信装置は、第1の実施形態より長い期間の通信を品質重視の方式で行うので、さらに通信の切断を防止できる。また、前記固定して通信を行う期間の通信状況に基づき該期間経過後の伝送方式を適切に判断できるようになるので、該期間経過後の通信でも通信の切断を防止し、伝送容量の低下を防ぐことができる。
【0106】
(第3の実施形態)
第1の実施形態である送受信装置は、伝送方式を最初の制御データの通信開始から受信完了するまで空間ダイバーシチSDに固定するが、本実施形態である送受信装置は、伝送方式を最初のユーザデータの通信開始から受信完了するまで空間ダイバーシチSDに固定する。
図8は、本実施形態の第1の送受信装置100と第2の送受信装置400の構成を示す概略的ブロック図である。本実施形態と第1の実施形態を比較すると、制御部421が異なる。しかし、構成要素が持つ機能は第1の実施形態と同じであるので、第1の実施形態と同じ機能の説明は省略する。
【0107】
制御部421は、データ判定手段423と伝送方式決定手段422を有し、各通信状況に応じて伝送方式を決定する。
データ判定手段423は受信データが通信開始後の最初のユーザデータであるか否かを判定し、最初のユーザデータであれば、伝送方式決定手段422は伝送方式を空間ダイバーシチSDに固定する。そして、伝送方式決定手段422は、受信データが最初のユーザデータでない場合、つまり、受信データに制御データが含まれた場合、伝送方式を前記動的決定により決定する。その後は、受信データがユーザデータであっても最初のユーザデータではないので、伝送方式を前記動的決定により決定する。
【0108】
制御部421は、伝送方式決定手段422が前記決定した伝送方式情報を送信部211とへ出力する。また、制御部421は、記憶部241が記憶している所定の伝送周期に基づいた前記同期タイミングで、前記伝送方式を伝送方式切替手段432へ出力する。ただし、制御部421は、通信開始直後の伝送方式情報を空間ダイバーシチSDとする。
また、制御部421は、受信部231から入力されたユーザデータをその他第2の送受信装置400が有する周辺回路に出力し、また、周辺回路から入力されたユーザデータと制御データを送信部211へ出力する。
【0109】
以下、通信データと通信方式の関係を具体的に説明する。図9は、本実施形態の伝送方式を切り替える方法を説明する概要図である。また、図9において横軸は時間である。図9(a)〜(c)に示すデータは、図3(a)〜(c)に示すデータと同じであるので、説明は省略する。
【0110】
伝送方式決定手段422が、伝送方式を空間ダイバーシチSDに固定する範囲と、第1の送受信装置100から第2の送受信装置400への通信の伝送方式が空間ダイバーシチSDに固定される範囲について説明をする。
図9の(a−1)において、1番目の伝送周期データである制御データは、予め決められた通信開始直後の伝送方式である空間ダイバーシチSDで通信される。該伝送方式での通信は、図3の(a−1)の点線矢印で示された範囲である。
【0111】
1番目から3番目の伝送周期データは制御データである。よって、伝送方式決定手段422は、伝送方式を前記動的決定により決定する。該決定に基づき、第1の送受信装置100と第2の送受信装置400は、次の前記同期タイミングで伝送方式を該決定された伝送方式に切り替える。
【0112】
そして、4番目の伝送周期データはユーザデータであり、最初のユーザデータである。よって、伝送方式決定手段422は、伝送方式を空間ダイバーシチSDに固定する。該固定に基づき、5番目の伝送周期データは、伝送方式を空間ダイバーシチSDで通信される。
【0113】
次に、5番目の伝送周期データは、制御データであり、ユーザデータではないので、最初のユーザデータは4番目の伝送周期データまでである。よって、伝送方式決定手段422は、5番目以降の伝送周期データについて伝送方式を前記動的決定により決定する。
【0114】
これより、伝送方式決定手段422が伝送方式を空間ダイバーシチSDに固定する範囲は、図9の(a−1)の実線矢印で示された範囲である。また、第1の送受信装置100から第2の送受信装置400への通信の伝送方式が、空間ダイバーシチSDに固定される範囲は、図9の(a−1)の破線矢印で示された範囲である。
同様に、図9の(b−1)、(c−1)の場合、伝送方式決定手段422が伝送方式を空間ダイバーシチSDに固定する範囲は、実線矢印で示された範囲である。また、第1の送受信装置100から第2の送受信装置400への通信の伝送方式が、空間ダイバーシチSDに固定される範囲は、破線矢印で示された範囲である。なお、図9の(b−1)、(c−1)の点線矢印で示された範囲は、通信開始直後に空間ダイバーシチSDとされる範囲である。
【0115】
また、伝送方式決定手段422は、最初のユーザデータの通信開始から伝送周期データの数を数え、該数えた通信データの数が所定の数になるまで、伝送方式を空間ダイバーシチSDに固定してもよい。
図9の(b−3)は、前記予め定めた数が2の場合である。1番目の伝送周期データは、予め決められた通信開始直後の伝送方式である空間ダイバーシチSDで通信される。該伝送方式での通信は、図9の(b−3)の点線矢印で示された範囲である。
【0116】
伝送方式決定手段422は、最初のユーザデータである2番目の伝送周期データが入力されると、伝送周期データの数を数え始め、2番目の伝送周期データを1とする。伝送方式決定手段422は、伝送周期データの数が予め定めた数2に達していないので、伝送方式を空間ダイバーシチSDに固定する。該固定に基づき、3番目の伝送周期データは、伝送方式を空間ダイバーシチSDで通信される。
【0117】
3番目の伝送周期データが入力されると、伝送方式決定手段422の数える伝送周期データの数は、予め定めた数である2となる。よって、伝送方式決定手段422は、以降の伝送周期データについて伝送方式を前記動的決定により決定する。該決定に基づき、第1の送受信装置100と第2の送受信装置400は、次の前記同期タイミングで伝送方式を該決定された伝送方式に切り替える。
【0118】
これにより、伝送方式決定手段422が伝送方式を空間ダイバーシチSDに固定する範囲は、図9の(b−3)の実線矢印で示された範囲である。また、第1の送受信装置100と第2の送受信装置400との通信の伝送方式が、空間ダイバーシチSDに固定される範囲は、図9の(b−3)の破線矢印で示された範囲である。
同様に、図9の(b−2)は、前記予め定めた数が1の場合である。
【0119】
次に動作について説明する。図10は、本実施形態の動作を示すフロー図である。
本実施形態の動作と第1の実施形態の動作と比較すると、S304の判定方法が異なる。しかし、他の動作については第1の実施形態と同じであるので、第1の実施形態と同じ動作の説明は省略する。
本実施形態では、制御部421のデータ判定手段423は、該入力されたデータが通信開始後の最初のユーザデータであるか否かを判定する(S304)。そして、伝送方式決定手段422は、最初のユーザデータである場合は、伝送方式を空間ダイバーシチSDに固定し(S105)、最初のユーザデータでない場合は、伝送方式を前記動的決定により決定する(S106)。
【0120】
一般的な通信において、制御データの通信は短時間で完了し、予め定めた通信開始直後の伝送方式で通信が完了するため、伝送方式を判断する必要がないことがある。本実施形態によれば、送受信装置は、第2の実施形態のように制御データに基づいて伝送方式を空間ダイバーシチSDに固定せず、ユーザデータのみに基づいて伝送方式を空間ダイバーシチSDに固定するので、送受信装置の回路やプログラムを簡易化することができる。
【0121】
(第4の実施形態)
第1の実施形態である送受信装置は伝送方式を通信開始から受信完了するまで空間ダイバーシチSDに固定するが、本実施形態である送受信装置は、最初の制御データの通信開始から一定の時間が経過するまで、空間ダイバーシチSDに固定する。
図11は、本実施形態の第1の送受信装置100と第2の送受信装置500の構成を示す概略的ブロック図である。本実施形態と第1の実施形態を比較すると、制御部521が異なる。しかし、構成要素が持つ機能は第1の実施形態と同じであるので、第1の実施形態と同じ機能の説明は省略する。
【0122】
制御部521は、時間判定手段523と伝送方式決定手段522を有し、通信時間に応じて伝送方式を決定する。
【0123】
時間判定手段523は、通信開始から所定の時間ΔTが経過したか否かを判定し、伝送方式決定手段522は、通信開始からΔTが経過するまで、伝送方式を空間ダイバーシチSDに固定する。そして、伝送方式決定手段522は、通信開始からΔTが経過した場合は、伝送方式を前記動的決定により決定する。
【0124】
制御部521は、伝送方式決定手段522が前記固定又は決定した伝送方式情報を送信部211とへ出力する。また、制御部521は、記憶部241が記憶している所定の伝送周期に基づいた前記同期タイミングで、前記伝送方式を伝送方式切替手段532へ出力する。ただし、制御部521は、通信開始直後の伝送方式情報を空間ダイバーシチSDとする。
また、制御部521は、受信部231から入力されたユーザデータをその他第2の送受信装置500が有する周辺回路に出力し、また、周辺回路から入力されたユーザデータと制御データを送信部211へ出力する。
【0125】
以下、通信データと通信方式の関係を具体的に説明する。図12は、本実施形態の伝送方式を切り替える方法を説明する概要図である。また、図12において横軸は時間である。図12(a)〜(c)に示すデータは、図3(a)〜(c)に示すデータと同じであるので、説明は省略する。
【0126】
伝送方式決定手段522が、伝送方式を空間ダイバーシチSDに固定する範囲と、第1の送受信装置100から第2の送受信装置500への通信の伝送方式が空間ダイバーシチSDに固定される範囲について説明をする。
図12の(a−1)において、1番目の伝送周期データは、予め決められた通信開始直後の伝送方式である空間ダイバーシチSDで通信される。該伝送方式での通信は、図3の(a−1)の点線矢印で示された範囲である。
1番目の伝送周期データを受信開始後、時間判定手段523は時間の測定を開始する。2番目と3番目の伝送周期データを受信する際には、1番目の伝送周期データの受信開始後ΔTを経過していない。よって、伝送方式決定手段522は、伝送方式を空間ダイバーシチSDに固定する。該固定に基づき、2番目と3番目の伝送周期データは、伝送方式を空間ダイバーシチSDで通信される。
【0127】
そして、4番目の伝送周期データを受信する前に、1番目の伝送周期データの受信開始後ΔTが経過している。よって、伝送方式決定手段522は、1番目の伝送周期データの受信開始後ΔTが経過後の伝送方式を前記動的決定により決定する。該決定に基づき、第1の送受信装置100と第2の送受信装置500は、次の前記同期タイミングで伝送方式を該決定された伝送方式に切り替える。
【0128】
これより、伝送方式決定手段522が伝送方式を空間ダイバーシチSDに固定する範囲は、図12の(a−1)の実線矢印で示された範囲である。また、第1の送受信装置100から第2の送受信装置500への通信の伝送方式が、空間ダイバーシチSDに固定される範囲は、図12の(a−1)の破線矢印で示された範囲である。
同様に、図12の(b−1)、(c−1)の場合、伝送方式決定手段522が伝送方式を空間ダイバーシチSDに固定する範囲は、実線矢印で示された範囲である。また、第1の送受信装置100から第2の送受信装置500への通信の伝送方式が、空間ダイバーシチSDに固定される範囲は、破線矢印で示された範囲である。
【0129】
また、伝送方式決定手段522は、最初のユーザデータの受信開始から所定の時間ΔTを経過するまで伝送方式を空間ダイバーシチSDに固定することもできる。
図12の(b−2)において、1番目の伝送周期データは、予め決められた通信開始直後の伝送方式である空間ダイバーシチSDで通信される。該伝送方式での通信は、図12の(b−2)の点線矢印で示された範囲である。
【0130】
1番目の伝送周期データは制御データである。よって、伝送方式決定手段522は、伝送方式決定手段522は伝送方式を前記動的決定により決定する。該決定に基づき、第1の送受信装置100と第2の送受信装置500は、次の前記同期タイミングで伝送方式を該決定された伝送方式に切り替える。
【0131】
そして、2番目の伝送周期データはユーザデータであり、最初のユーザデータである。よって、伝送方式決定手段522は時間の測定を開始する。
3番目と4番目の伝送周期データを受信する際には、最初のユーザデータの受信開始後ΔTを経過していない。よって、伝送方式決定手段522は、伝送方式を空間ダイバーシチSDに固定する。該固定に基づき、3番目と4番目の伝送周期データは、伝送方式を空間ダイバーシチSDで通信される。
【0132】
そして、5番目の伝送周期データを受信する前に、最初のユーザデータの受信開始後ΔTが経過している。よって、伝送方式決定手段522は、最初のユーザデータの受信開始後ΔTが経過後の伝送方式について前記動的決定により決定する。該決定に基づき、第1の送受信装置100と第2の送受信装置500は、次の前記同期タイミングで伝送方式を該決定された伝送方式に切り替える。
【0133】
これにより、伝送方式決定手段522が伝送方式を空間ダイバーシチSDに固定する範囲は、図12の(b−2)の実線矢印で示された範囲である。また、第1の送受信装置100から第2の送受信装置500への通信の伝送方式が、空間ダイバーシチSDに固定される範囲は、図12の(b−2)の破線矢印で示された範囲である。
同様に、図12の(c−2)の場合、伝送方式決定手段522が伝送方式を空間ダイバーシチSDに固定する範囲は、実線矢印で示された範囲である。また、第1の送受信装置100から第2の送受信装置500への通信の伝送方式が、空間ダイバーシチSDに固定される範囲は、破線矢印で示された範囲である。なお、図12の(c−2)の点線矢印で示された範囲は、通信開始直後に空間ダイバーシチSDとされる範囲である。
【0134】
次に動作について説明する。図13は、本実施形態の動作を示すフロー図である。
本実施形態の動作と第1の実施形態の動作と比較すると、S404の判定方法が異なる。しかし、他の動作については第1の実施形態と同じであるので、第1の実施形態と同じ動作の説明は省略する。
本実施形態では、制御部521の時間判定手段523は、1番目の伝送周期データを受信開始後一定の時間ΔTが経過したか否かを判定する(S404)。そして、伝送方式決定手段522は、通信開始からΔTが経過するまで、伝送方式を空間ダイバーシチSDに固定し(S105)、通信開始からΔTが経過した場合は、伝送方式を前記動的決定により決定する(S106)。
【0135】
本実施形態によれば、送受信装置は、通信開始から所定の時間が経過するまで、伝送方式を品質重視の伝送方式である空間ダイバーシチSDに固定して通信を行う。
これにより、送受信装置は、通信品質の悪い方式を誤って選択してしまうことがなく、該時間の通信を品質重視の方式で行うので、通信の切断を防止できる。また、該時間の通信状況に基づき該時間経過後の伝送方式を適切に判断できるようになるので、該期間経過後の通信でも通信の切断を防止し、伝送容量の低下を防ぐことができる。
【0136】
(第5の実施形態)
第1の実施形態では、第2の送受信装置200が伝送方式決定部を備えていたが、本実施形態では、第1の送受信装置600が伝送方式決定部を備える。以下、図面を参照しながら本実施形態について詳しく説明する。図14は本発明の実施に適用可能な第1の送受信装置600から第2の送受信装置700へのデータ通信を行う無線送受信システムに係る第5の実施形態の概要を示すブロック図である。
また、本実施形態では、送受信装置は伝送方式を最初の制御データの通信開始から受信完了するまで空間ダイバーシチSDに固定する。なお、通信開始直後の伝送方式は、空間ダイバーシチSDと決められているとする。
【0137】
まず、第1の送受信装置600について説明をする。本実施形態と第1の実施形態を比較すると、制御部621が異なる。しかし、構成要素が持つ機能は第1の実施形態と同じであるので、第1の実施形態と同じ機能の説明は省略する。
【0138】
制御部621は、受信部131から入力されたデータから後述する伝送方式判定情報を特定し、制御部621が有する伝送方式決定手段622は、入力された第2の送受信装置700が送信した伝送方式判定情報に基づき伝送方式を決定する。
伝送方式決定手段622は、前記伝送方式判定情報が最初の制御データであれば、伝送方式を空間ダイバーシチSDに固定する。伝送方式決定手段622は、前記伝送方式判定情報が最初の制御データでない場合、伝送方式を空間ダイバーシチSD、空間多重SM、ビームフォーミングBFのいずれかに決定する。
制御部621は、伝送方式決定手段622が前記固定又は決定した伝送方式情報を送信部111とへ出力する。また、制御部621は、記憶部141が記憶している所定の伝送周期に基づいた前記同期タイミングで、前記伝送方式を伝送方式切替手段132へ出力する。ただし、制御部621は、通信開始直後の伝送方式情報を空間ダイバーシチSDとする。
また、制御部621は、受信部131から入力されたユーザデータをその他第1の送受信装置600が有する周辺回路に出力し、また、周辺回路から入力されたユーザデータと制御データを送信部111へ出力する。
【0139】
次に、第2の送受信装置700について説明をする。本実施形態と第1の実施形態を比較すると、制御部721が異なる。しかし、構成要素が持つ機能は第1の実施形態と同じであるので、第1の実施形態と同じ機能の説明は省略する。
【0140】
制御部721は、第1の実施形態と同じデータ判定手段223を有し、データ判定手段223が判定した前記伝送方式判定情報を送信部211とへ出力する。該伝送方式判定情報は、制御データとして、送信部211とアンテナ部201を介し、第1の送受信装置600へ送信される。また、制御部721は、受信部231から入力されたデータから、第1の送受信装置600が決定した伝送方式情報を特定し、伝送方式切替部232へ出力する。
また、制御部721は、受信部231から入力されたユーザデータをその他第2の送受信装置700が有する周辺回路に出力し、また、周辺回路から入力されたユーザデータと制御データを送信部211へ出力する。
【0141】
次に動作について説明する。図15は、本実施形態の動作を示すフロー図である。
まず、第1の送受信装置600は、通信開始直後の伝送方式である空間ダイバーシチSDでデータを送信する(S101)。
第2の送受信装置700は、第1の送受信装置600より送信された信号をアンテナ部201で受信し、受信部231へ出力する(S102)。受信部231は、通信開始直後の伝送方式である空間ダイバーシチSDで受信した受信信号を復調し、該復調した受信データ列をユーザデータと制御データに分離し、制御部721へ出力する(S103)。
制御部721は、データ判定手段223が判定した前記伝送方式判定情報を送信部211とへ出力し、送信部211は、送信データ列生成手段213により、前記伝送方式判定情報をデータ列として生成し、アンテナ201を介して、第1の送信装置600へ送信する(S501)。
【0142】
次に、第1の送受信装置600は、第2の送受信装置700より送信された前記伝送方式判定情報をアンテナ部101により受信し、受信部131へ出力する。受信部131は、該受信した受信信号を復調し、該復調した受信データ列をユーザデータと制御データに分離し、制御部621へ出力する(S502)。制御部621は、入力された制御データから前記伝送方式判定情報を特定し、該伝送方式判定情報に基づき伝送方式を決定する。
具体的には、制御部621が有する伝送方式決定手段622は、前記伝送方式判定情報が最初の制御データであるか否かを判断する(S503)。そして、伝送方式決定手段622は、第2の送受信装置700が受信したデータが最初の制御データである場合は、伝送方式を空間ダイバーシチSDに固定し(S504)、最初の制御データでない場合は、前記動的決定により伝送方式を決定する(S505)。
制御部621は、該決定した伝送方式情報を、送信データとして送信部111へ出力し、送信部111は、アンテナ部101を介し該伝送方式情報を第2の送受信装置700に送信する(S506)。
【0143】
第2の送受信装置700は、第1の送受信装置600より送信された該伝送方式情報をアンテナ部201で受信し、受信部231へ出力する。受信部231は、初期の伝送方式である空間ダイバーシチSDで受信した受信信号を復調し、該復調した受信データ列をユーザデータと制御データに分離し、制御部721へ出力する(S507)。制御部721は、受信部231から入力された制御データに含まれる前記伝送方式情報を特定する(S508)。
【0144】
一方、第1の送受信装置600が有する制御部621は、記憶部141が記憶している伝送周期に基づいた前記同期タイミングで、前記特定した伝送方式情報を送信部111へ出力する。送信部111の伝送方式切替手段112は、制御部121から入力された前記伝送方式情報に従い、送信する伝送方式を空間多重SMまたは空間ダイバーシチSDまたはビームフォーミングBFに切り替える(S509)。
そして、第2の送受信装置700に含まれる制御部721は、記憶部241が記憶している伝送周期に基づいた前記同期タイミングで、受信部231へステップS504で固定又はS505で決定した伝送方式情報を出力する。第2の送受信装置700が有する受信部231は、制御部221から入力された前記伝送方式情報に従い、受信する伝送方式を空間多重SMまたは空間ダイバーシチSDまたはビームフォーミングBFに切り替える(S510)。これより第1の送受信装置600と第2の送受信装置700との伝送方式を統一した通信をすることが可能な状態となる。
【0145】
第1の送受信装置600が有する送信部111は、アンテナ101を介し、前記伝送方式情報の伝送方式で第2の送受信装置700にデータを送信する(S511)。第2の送受信装置700の受信部231は、第1の送受信装置600からの送信信号をアンテナ201を介して、前記伝送方式で受信し、復調する(S512)。
【0146】
本実施形態では、第1の送受信装置600が伝送方式決定手段を具備し伝送方式を決定している場合であっても、第1の送受信装置600は、第2の送受信装置700に対し、通信開始から制御データを送信するまでの間、伝送方式を品質重視の伝送方式である空間ダイバーシチSDに固定して通信を行う。
これにより、送受信装置は、通信品質の悪い方式を誤って選択してしまうことがなく、該期間の通信を品質重視の方式で行うので、通信の切断を防止できる。また、該期間の通信状況に基づき該期間経過後の伝送方式を適切に判断できるようになるので、該期間経過後の通信でも通信の切断を防止し、伝送容量の低下を防ぐことができる。
【0147】
上記全ての実施形態において、送受信装置は伝送方式を、通信開始から所定の期間、空間ダイバーシチSDとするが、本発明はこれに限定されず、通信再開から所定の期間、空間ダイバーシチSDとしてもよい。通信再開とは、例えば、移動中に一時的に通信が遮断され、その後通信を再開する場合や、電波の受信品質が低い場所で、一時的に通信ができなくなり、その後通信を再開する場合がある。
これにより、通信再開後についても、品質重視の伝送方式で通信し、高い通信品質により、伝送容量の低下を防ぐ事ができる。通信再開が必要となるのは通信の品質が悪い状況が多いので、特に有効である。
【0148】
なお、上記全ての実施形態において、第1の送受信装置100、600は、複数の移動局装置と通信する基地局装置であり、第2の送受信装置200、300、400、500、700は、移動局装置であってもよいし、逆に第1の送受信装置100、600が移動局装置であり、第2の送受信装置200、300、400、500、700が複数の移動局装置と通信する基地局装置であってもよい。また、単に第1の送受信装置100、600と、第2の送受信装置200、300、400、500、700とは、1対1で送受信していてもよい。
【0149】
また、上記全ての実施形態において、送受信装置は、アンテナを2本に限定するものではなく、何本でもよい。さらに、第1の送受信装置と第2の送受信装置のアンテナの本数が同じであるとも限らない。
また、伝送方式決定手段は、一のアンテナで送受信する周波数帯域で伝送方式を決定し、他のアンテナで送受信する周波数帯域と伝送方式が異なってもよい。さらに、伝送方式決定手段は、伝送方式情報を送受信するための制御データを無視して、伝送方式の決定に影響を及ぼさないものとしてもよい。
また、本発明の実施には空間多重SMと空間ダイバーシチSDとビームフォーミングBFとを切り替えることに限ったものではない。例えば、例えば空間多重SMと空間ダイバーシチSDとのように2つの伝送方式を切り替えても良いし、4つ以上の伝送方式を切り替えてもよい。
【0150】
さらに、図1における送信部111、制御部121、受信部131、送信部211、制御部221、受信部231、および図5における送信部111、制御部121、受信部131、送信部211、制御部321、受信部231、図8における送信部111、制御部121、受信部131、送信部211、制御部421、受信部231、図9における送信部111、制御部121、受信部131、送信部211、制御部521、受信部231、図12における送信部111、制御部621、受信部131、送信部211、制御部721、受信部231、の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各部の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0151】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0152】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものでなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【符号の説明】
【0153】
100、600・・・第1の送受信装置
101・・・アンテナ部
111・・・送信部
112・・・伝送方式切替手段
113・・・送信データ列生成手段
121、621・・・制御部
622・・・伝送方式決定手段
131・・・受信部
141・・・記憶部
133・・・データ列分離手段
200、300、400、500、700・・・第2の送受信装置
201・・・アンテナ部
211・・・送信部
213・・・送信データ列生成手段
221、321、421、521、721・・・制御部
222、322、422、522・・・伝送方式決定手段
223、323、423、523・・・データ判定手段
231・・・受信部
232・・・伝送方式切替手段
233・・・データ列分離手段
241・・・記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動局装置と、空間ダイバーシチ方式と空間多重方式を動的に設定して前記移動局装置と通信する基地局装置を備える通信システムにおいて、
前記基地局装置は、通信開始後、前記移動局装置に対する最初の送信を送信方式の動的な設定によらず前記空間ダイバーシチ方式によって送信し、
前記移動局装置は、前記基地局装置からの前記最初の送信を前記空間ダイバーシチ方式により受信すること
を特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記基地局装置は、前記空間ダイバーシチ方式による送信を、所定の条件を満足するまで継続すること
を特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記移動局装置は、前記空間ダイバーシチ方式による受信を、所定の条件を満足するまで継続すること
を特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項4】
前記基地局装置は、前記所定の条件が、前記移動局装置へ所定の情報を送信すること
を特徴とする請求項2に記載の通信システム。
【請求項5】
前記移動局装置は、前記所定の条件が、前記基地局装置から所定の情報を受信すること
を特徴とする請求項3に記載の通信システム。
【請求項6】
前記所定の情報は、所定の情報量を有する情報であること
を特徴とする請求項4又は5に記載の通信システム。
【請求項7】
前記所定の情報は、通信開始から所定の単位が所定の数に達するまでの情報であること
を特徴とする請求項6に記載の通信システム。
【請求項8】
前記移動局装置は、前記所定の情報を受信するために、所定の時間内に待ち受けを行うこと
を特徴とする請求項6又は7に記載の通信システム。
【請求項9】
前記所定の情報は、動的に設定される伝送方式を識別可能な情報を含むこと
を特徴とする請求項6ないし8のいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項10】
前記動的に設定される伝送方式に基づいて伝送方式を変更すること
を特徴とする請求項9に記載の通信システム。
【請求項11】
前記通信開始後とは、前記基地局装置と前記移動局装置との通信が一時的に遮断された後に再開された後、を含むこと
を特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項12】
前記所定の情報は、制御情報であること
を特徴とする請求項4ないし10のいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項13】
空間ダイバーシチ方式と空間多重方式を動的に設定して移動局装置と通信する基地局装置であって、
通信開始後、前記移動局装置に対する最初の送信を送信方式の動的な設定によらず前記空間ダイバーシチ方式によって送信すること
を特徴とする基地局装置。
【請求項14】
前記空間ダイバーシチ方式による送信を、所定の条件を満足するまで継続すること
を特徴とする請求項13に記載の基地局装置。
【請求項15】
前記所定の条件が、前記移動局装置へ所定の情報を送信すること
を特徴とする請求項14に記載の基地局装置。
【請求項16】
前記所定の情報は、所定の情報量を有する情報であること
を特徴とする請求項15に記載の基地局装置。
【請求項17】
前記所定の情報は、通信開始から所定の単位が所定の数に達するまでの情報であること
を特徴とする請求項16に記載の基地局装置。
【請求項18】
前記所定の情報は、動的に設定される伝送方式を識別可能な情報を含むこと
を特徴とする請求項16又は17に記載の基地局装置。
【請求項19】
前記動的に設定される伝送方式に基づいて送信方式を変更すること
を特徴とする請求項18に記載の基地局装置。
【請求項20】
前記通信開始後とは、前記移動局装置との通信が一時的に遮断された後に再開された後、を含むこと
を特徴とする請求項13ないし19のいずれか1項に記載の基地局装置。
【請求項21】
前記所定の情報は、制御情報であること
を特徴とする請求項15ないし19のいずれか1項に記載の基地局装置。
【請求項22】
移動局装置と空間ダイバーシチ方式と空間多重方式を動的に設定して前記移動局装置と通信する基地局装置を備える通信システムにおける移動局装置であって、
前記基地局装置からの前記最初の送信を前記空間ダイバーシチ方式により受信すること
を特徴とする移動局装置。
【請求項23】
前記空間ダイバーシチ方式による受信を、所定の条件を満足するまで継続すること
を特徴とする請求項22に記載の移動局装置。
【請求項24】
前記所定の条件が、前記基地局装置から所定の情報を受信すること
を特徴とする請求項23に記載の移動局装置。
【請求項25】
前記所定の情報は、所定の情報量を有する情報であること
を特徴とする請求項24に記載の移動局装置。
【請求項26】
前記所定の情報は、通信開始から所定の単位が所定の数に達するまでの情報であること
を特徴とする請求項25に記載の移動局装置。
【請求項27】
前記所定の情報を受信するために、所定の時間内に待ち受けを行うこと
を特徴とする請求項25又は26に記載の移動局装置。
【請求項28】
前記所定の情報は、動的に設定される伝送方式を識別可能な情報を含むこと
を特徴とする請求項25ないし27のいずれか1項に記載の移動局装置。
【請求項29】
前記動的に設定される伝送方式を識別可能な情報に基づいて受信方式を変更すること
を特徴とする請求項28に記載の移動局装置。
【請求項30】
前記通信開始後とは、前記基地局装置との通信が一時的に遮断された後に再開された後、を含むこと
を特徴とする請求項22ないし29のいずれか1項に記載の移動局装置。
【請求項31】
前記所定の情報は、制御情報であること
を特徴とする請求項24ないし29のいずれか1項に記載の移動局装置。
【請求項32】
空間ダイバーシチ方式と空間多重方式を動的に設定して移動局装置と通信する基地局装置における処理方法であって、
前記基地局装置が、通信開始後、前記移動局装置に対する最初の送信を送信方式の動的な設定によらず前記空間ダイバーシチ方式によって送信すること
を特徴とする処理方法。
【請求項33】
前記空間ダイバーシチ方式による送信を、所定の条件を満足するまで継続すること
を特徴とする請求項32に記載の処理方法。
【請求項34】
前記所定の条件が、前記移動局装置へ所定の情報を送信すること
を特徴とする請求項33に記載の処理方法。
【請求項35】
前記所定の情報は、所定の情報量を有する情報であること
を特徴とする請求項34に記載の処理方法。
【請求項36】
前記所定の情報は、通信開始から所定の単位が所定の数に達するまでの情報であること
を特徴とする請求項35に記載の処理方法。
【請求項37】
前記所定の情報は、動的に設定される伝送方式を識別可能な情報を含むこと
を特徴とする請求項35又は36に記載の処理方法。
【請求項38】
前記動的に設定される伝送方式に基づいて送信方式を変更すること
を特徴とする請求項37に記載の処理方法。
【請求項39】
前記通信開始後とは、前記移動局装置との通信が一時的に遮断された後に再開された後、を含むこと
を特徴とする請求項32ないし38のいずれか1項に記載の処理方法。
【請求項40】
前記所定の情報は、制御情報であること
を特徴とする請求項34ないし38のいずれか1項に記載の処理方法。
【請求項41】
移動局装置と空間ダイバーシチ方式と空間多重方式を動的に設定して前記移動局装置と通信する基地局装置を備える通信システムにおける処理方法であって、
前記移動局装置が、前記基地局装置からの前記最初の送信を前記空間ダイバーシチ方式により受信すること
を特徴とする処理方法。
【請求項42】
前記空間ダイバーシチ方式による受信を、所定の条件を満足するまで継続すること
を特徴とする請求項41に記載の処理方法。
【請求項43】
前記所定の条件が、前記基地局装置から所定の情報を受信すること
を特徴とする請求項42に記載の処理方法。
【請求項44】
前記所定の情報は、所定の情報量を有する情報であること
を特徴とする請求項43に記載の処理方法。
【請求項45】
前記所定の情報は、通信開始から所定の単位が所定の数に達するまでの情報であること
を特徴とする請求項44に記載の処理方法。
【請求項46】
前記所定の情報を受信するために、所定の時間内に待ち受けを行うこと
を特徴とする請求項44又は45に記載の処理方法。
【請求項47】
前記所定の情報は、動的に設定される伝送方式を識別可能な情報を含むこと
を特徴とする請求項44ないし46のいずれか1項に記載の処理方法。
【請求項48】
前記動的に設定される伝送方式を識別可能な情報に基づいて受信方式を変更すること
を特徴とする請求項47に記載の処理方法。
【請求項49】
前記通信開始後とは、前記基地局装置との通信が一時的に遮断された後に再開された後、を含むこと
を特徴とする請求項41ないし48のいずれか1項に記載の処理方法。
【請求項50】
前記所定の情報は、制御情報であること
を特徴とする請求項41ないし49のいずれか1項に記載の処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−130476(P2011−130476A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−20620(P2011−20620)
【出願日】平成23年2月2日(2011.2.2)
【分割の表示】特願2009−550055(P2009−550055)の分割
【原出願日】平成21年1月16日(2009.1.16)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】