説明

通信システム、親機及び子機

【課題】動的IPアドレスの通知を受ける親機側で障害が発生した場合であっても、最新の動的IPアドレスの迅速な登録を可能にする通信システム、親機および子機を提供する。
【解決手段】通信システム1は、親機10と、ネットワーク網30を介して接続する複数の子機20a,・・・20nとを備え、複数の子機20a,・・・,20nの各々は、定期的に、取得した動的IPアドレスの通知を親機10に行い、その通知に応答して親機10から送信されてくる返答がない場合には、定期的な時間間隔より短い時間間隔に変更して動的IPアドレスの通知を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、IP(Internet Protocol)アドレスを利用して装置間の接続を行う通信システムに係り、より詳細には、装置に割り当てられる動的IPアドレスを利用して接続するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばインターネットに接続されるすべての装置には、当該装置を識別するためのIPアドレスが割り当てられ、このIPアドレスを利用することで装置間の接続が実現される。IPアドレスとしては、あらかじめ割り当てられている固定IPアドレスと、動的に割り当てられる動的IPアドレスとがある。従来の装置間の接続方法として、特許文献1に開示された遠隔見守りシステム(通信システム)では、インターネットに接続される宅内装置(子機)に割り当てられた動的IPアドレスをサーバー装置(親機)に通知しておき、その動的IPアドレスに基づいて、サーバー装置が、宅内装置に接続するように構成されている。
また、特許文献2に開示された情報供給システム(通信システム)では、例えば通信回線の不通が生じた場合に、あらかじめ登録された管理コンピューター(親機)の固定IPアドレスに基づいて、監視端末(子機)が、管理コンピューターに対し、新規に割り当てられた動的IPアドレスの登録要求をするため、その新規の動的IPアドレスを管理コンピューターに送信するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−318446号
【特許文献2】特開2004−7597号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された動的IPアドレスの通知処理では、親機側の状態とは無関係に、子機の動的IPアドレスを子機が通知する。しかしながら、親機側で停電等の障害が発生している状況下では、例えばその動的IPアドレスが親機に到達せず、親機はその動的IPアドレスを登録することができない場合がある。同様に、親機側で障害が発生している状況下では、特許文献2に開示された親機でも、子機の動的IPアドレスの登録を行うことができない場合がある。かかる場合にはその後、障害が回復すれば、親機と子機間の通信を迅速に回復すべきであるが、親機では、先の障害によって、登録していた子機の動的IPアドレスを失っている可能性が高く、更に、障害が発生している間に、子機に付与されている動的IPアドレスが変更されていることもあるので、結局、子機から送られてくる、再度の動的IPアドレスの登録要求を待つ必要があった。すなわち、従来の通信システムでは、親機側で障害が発生した場合に、最新の動的IPアドレスを迅速に登録できないという問題があった。
また、特許文献1に開示された通信システムでは、子機から取得される画像データが親機から各子機へ送信されないため、親機と子機間の双方向通信を有効に利用したサービスができていない。
【0005】
そこで本発明は、親機側で障害が発生した場合であっても、親機と子機間の通信を実現するための最新の動的IPアドレスの迅速な登録を可能にする通信システム、親機および子機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するための通信システムは、固定IPアドレスを用いてネットワーク網に接続される1以上の親機と、上記ネットワーク網に動的IPアドレスを用いて接続される複数の子機とを備える通信システムであって、上記複数の子機の各々は、上記固定IPアドレスを予め記憶する記憶部と、上記動的IPアドレスの通知を上記固定IPアドレス宛てに行うための通知処理を定期的に実行する第1通知部と、上記通知処理に基づいて行われる動的IPアドレスの通知に応答して上記親機から送信されてくる返答を受信したかどうかを監視する監視部と、上記親機からの返答がない場合には、上記第1通知部における定期的な時間間隔より短い時間間隔に変更して上記通知処理を実行する第2通知部と、を有し、上記親機は、上記通知処理に基づいて行われる動的IPアドレスの通知があったときに、当該通知を受け取る受取部と、上記通知された動的IPアドレスを登録する登録部と、上記通知に対する子機への返答を、上記登録された動的IPアドレス宛てに行う返答部と、を有するものである。
【0007】
この通信システムによれば、親機からの返答がない場合に、動的IPアドレスの通知を定期的な時間間隔より短くして行うことで、親機が復帰した際、子機と接続をするための動的IPアドレスが迅速に登録され得る。
【0008】
また、上記の課題を解決するための親機は、動的IPアドレスを用いてネットワーク網に接続される子機と上記ネットワーク網を介して接続され、上記ネットワーク網に固定IPアドレスを用いて接続される親機であって、子機から直接、または、子機からルーターを介して、上記動的IPアドレスの通知があったときに、当該通知を受け取る受取部と、上記通知された動的IPアドレスを登録する登録部と、上記通知に対する子機への返答を、上記登録された動的IPアドレス宛てに行う返答部と、を備え、上記動的IPアドレスの通知は、定期的に行われるように予め設定されており、上記子機への返答が行われなかった場合には、上記動的IPアドレスの通知は、定期的な時間間隔より短い時間間隔で行われるものである。
【0009】
この親機によれば、子機への返答が行われないときに、短い時間間隔で動的IPアドレスの通知を受けることで、親機が復帰した際に、子機と接続を行うための動的アドレスが迅速に登録され得る。
【0010】
また、上記の課題を解決するための子機は、固定IPアドレスを用いてネットワーク網に接続される親機と上記ネットワーク網を介して接続され、上記ネットワーク網に動的IPアドレスを用いて接続される子機であって、上記固定IPアドレスを予め記憶する記憶部と、上記動的IPアドレスの通知を上記固定IPアドレス宛てに行うための通知処理を定期的に行う第1通知部と、上記通知処理に基づいて行われる動的IPアドレスの通知に応答して上記親機から送信されてくる返答を受信したかどうかを監視する監視部と、上記親機からの返答がない場合には、上記第1通知部における定期的な時間間隔より短い時間間隔に変更して上記通知処理を行う第2通知部と、を備えるものである。
【0011】
この子機によれば、親機からの返答がない場合であっても、動的IPアドレスの通知を行うための通知処理を定期的な時間間隔より短くして行うことで、親機が復帰した際に、子機と接続をするための動的IPアドレスが迅速に登録され得る。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、動的IPアドレスの通知を受ける親機側で障害が発生した場合であっても、親機が復帰した際に最新の動的IPアドレスを迅速に登録することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1実施形態の通信システムの構成を示す図である。
【図2】親機の機能を示すブロック図である。
【図3】子機の機能を示すブロック図である。
【図4】第1実施形態において、動的IPアドレスが親機に登録される場合の全体動作を示すフローチャートである。
【図5】第2実施形態の通信システムの構成を示す図である。
【図6】第3実施形態の通信システムの構成を示す図である。
【図7】第3実施形態の子機の機能を示すブロック図である。
【図8】第3実施形態において、動的IPアドレスが親機に登録される場合の全体動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<第1実施形態>
以下、本発明の通信システムの一実施形態を図面を参照して説明する。実施形態における通信システムは、ネットワーク網経由で通信可能なIP(Internet Protocol)パケット(以下、単に「パケット」と略記する)で音声や映像等のデータを伝送するネットワークアダプターを備える。
【0015】
[通信システムの構成]
図1は、親機としてのネットワークアダプターおよびその管理下にある子機としてのネットワークアダプターを含む通信システム1の構成を示す図である。
図1に示す通信システム1では、親機としてのネットワークアダプター10(以下、「親機10」と表記する。)、および、その管理下にある子機としてのネットワークアダプター20a,・・・,20n(以下、「子機20,20n」と表記する。)がISP(Internet Service Provider)と通信可能に構成され、各ISPがネットワーク網30に接続されている。
【0016】
親機10にはさらに、アンプ11を介してマイク12が接続されており、マイク12から集音された音声信号が増幅され、親機10に入力される。親機10は、入力された音声信号を含むパケットを生成して、ネットワーク網30を介して複数の子機20a、20nの各々に送信する。複数の子機20a,20nには、スピーカー22a,22nから音声を出力させるためのアンプ21a,21nが接続されており、子機20a,20nは、親機10から受信したパケットに含まれる音声信号を、スピーカー22a,22nから拡声させる。
【0017】
この通信システム1では、親機10と各子機20a,20nとの間の接続(例えば、音声データによる一斉放送など)を実現するために、固定IPアドレスおよび動的IPアドレスを利用したパケットの伝送が行われる。そのパケットの伝送は、親機10と各子機20a,20nとの間で直接、例えばTCP(Transmission Control Protocol)/IP(Internet Protocol)に従って行われる。
具体的には、各子機20a,20nは、親機10の固定IPアドレスを予め記憶しておき、定期的に、その固定IPアドレス宛てにパケットを送出する。このとき、各子機20a,20nは、割り当てられた動的IPアドレスの通知を行う。親機10は、各子機20a,20nから、当該各子機の動的IPアドレスの通知を受けた際に各動的IPアドレスを登録し、その各動的IPアドレス宛てにパケットを送出する。親機10における動的IPパケットの登録および子機20a,20nにおける動的IPアドレスの通知の処理については、後述する。
【0018】
なお、図1では、ISPに接続される子機20a,20nには、外部のDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)サーバー(図示せず)に従って動的IPアドレスが割り当てられる場合について示している。また、図1では、ISPに接続される親機10には、外部のDHCPサーバー(図示せず)に従って固定IPアドレスが割り当てられる場合について示している。
【0019】
この通信システム1において、親機10は、音声データの圧縮処理および伸長処理のほか、親機10内のデータ処理、タイミング処理、伝送処理を実行する。例えば、親機10は、マイク12で集音して得た音声データや、ある子機から受信した音声データを同時に複数の子機20a,20nに対して送出して一斉放送を実現するための既知の一斉放送機能を備える。この一斉放送機能により、親機10は、一斉放送に用いられる音声データを複数の子機20a,20nに送信することで、各子機20a,20nを介してその音声データを放送させる。
【0020】
次に、図1に示した親機10と複数の子機20a,20nの構成について図2および図3を参照して説明する。なお、以下において、複数の子機の各々に共通の説明では各子機が単に子機20として参照される。
【0021】
[親機10]
図2は、親機10の機能を説明するためのブロック図である。この機能は、図示しないCPUが図示しない記憶装置に格納されているプログラムを実行することによって実現される。
図2に示す親機10は、受取部201、登録部202、返答部203および管理テーブル2021を備える。
【0022】
受取部201は、ネットワーク網30を介して、複数の子機20からの通知を受け取る。この通知は、子機20に割り当てられる最新の動的IPアドレスを親機10に登録させる目的で行われる。この通知のためのパケットには、あて先を指定する情報としての親機10の固定IPアドレスと、送信元を指定する情報としての子機20の動的IPアドレスとが含まれる。子機20の動的IPアドレスは、子機20を示すドメイン名としてのホスト名が対応付けられている。
【0023】
登録部202は、複数の子機20から通知された各子機の動的IPアドレスを登録する。この登録は、例えば管理テーブル2021を用いて行われる。
管理テーブル2021は、子機20の動的IPアドレスを管理するために設けられている。図2に示すように、管理テーブル2021は、ホスト名(図2の例では、子機20が設置されている企業内の特定の支店名)と、子機20の動的IPアドレスとが記録されている。
【0024】
返答部203は、複数の子機20からの通知に対する返答を、登録された各子機20の動的IPアドレス宛てに行う。この返答は、最新の動的IPアドレスが親機10に到達したことを知らせる目的のほか、この実施形態では、親機10側で障害が生じたかどうかを監視するための目的で行われる。ここで、親機10側の障害とは、親機10において動的IPアドレスが登録不能となり得る障害である。例えば、親機10側の障害としては、親機10のリブート、停電、制御不能、ネットワーク網30の輻輳状態等が想定される。
【0025】
この返答のためのパケットには、あて先を指定する情報としての子機20の動的IPアドレスと、送信元を指定する情報としての親機10の固定IPアドレスとが含まれる。また、このパケットには、例えば、上記通知に含まれる子機20の動的IPアドレスの登録が成功したことを示す応答としての情報(フラグ等)が含まれるようにしてもよい。この場合には、子機20において、動的IPアドレスの登録が成功したか否かが判定できる。
【0026】
[子機20]
図3は、子機20の機能を説明するためのブロック図である。この機能は、図示しないCPUが図示しない記憶装置に格納されているプログラムを実行することによって実現される。
図3に示す子機20は、記憶部301、取得部302、第1通知部303、監視部304、第2通知部305、切替部306、報知部307および停止部308を備える。
【0027】
記憶部301は、親機10の固定IPアドレスを予め記憶する。
【0028】
取得部302は、図示しないDHCPサーバー(外部装置)によって動的に割り当てられる自己(自装置)の動的IPアドレスを取得する。例えば、取得部302は、ISPに対して動的IPアドレスの取得を求める要求パケットを送信し、その要求パケットを受信したDHCPサーバー(図示せず)から自己の動的IPパケットを受信する。ネットワーク網30への接続を実現するための動的IPアドレスの値は、固定とならずにDHCPサーバーの割り当て処理に従って動的に変化する。
【0029】
第1通知部303は、定期的に、割り当てられた動的IPアドレスの通知を親機10の固定IPアドレス宛てに行うための通知処理を実行する。本実施形態の子機20は、図示しないDHCPサーバーから、自己の動的IPアドレスを取得するため、この通知処理では、第1通知部303から直接、その動的IPアドレスの通知が固定IPアドレス宛てに行われる。この動的IPアドレスが、親機10で登録される。通信処理に基づいて行われる動的IPアドレスの通知のための定期的な時間間隔は、動的IPアドレスの登録を適切に行うことができる程度に設定される。この実施形態では、例えば、動的IPアドレスの定期的な時間間隔を60sまたは10sとする。
定期的な時間間隔は、上述した例に限られず、様々な観点から設定可能である。例えば、動的IPアドレスの通知は、取得部302が、図示しないDHCPサーバーから子機20の動的IPアドレスを受信したときに行われるようにしてもよいし、親機10に対して所定の情報(例えば音声データ等)が送信されるときに行われるようにしてもよい。
【0030】
監視部304は、上記の動的IPアドレスの通知に応答して親機10から送信されてくる返答を受信したかどうかを監視する。この監視は、子機20の動的IPアドレスが親機10に到達したか否かの判定の目的のほか、親機10側で障害が生じたか否かの判定の目的で行われる。例えば、返答が受信されるときには、監視部304では、子機20からの通知が親機10に到達したと判定される。一方、返信が受信されないときは、監視部304では、親機10側で障害が発生していると判定される。なお、監視部304では、動的IPアドレスを通知してから(通知処理を実行してから)その返答を受信するまでの許容可能な期間、すなわち、返答の受信可能な最長期間を管理している。例えば最長期間になると、監視部304は、返答がないと判定する。
最長期間は、例えば、各子機20と親機10との間のネットワーク環境(通信速度など)に基づいて設定される。
【0031】
第2通知部305は、親機10からの返答がない場合、すなわち、監視部304が親機10からの返答がないと判定した場合には、子機20の動的IPアドレスを通知する時間間隔を、第1通知部303における定期的な時間間隔より短い時間間隔に変更する。そして、第2通知部305は、上記通知処理、すなわち、親機10の固定IPアドレス宛てに子機20の動的IPアドレスの通知を行う。この動的IPアドレスの通知は、この実施形態では、親機10側での障害に伴う通信の回復処理の目的で行われる。具体的には、動的IPアドレスの通知は、上述した定期的な時間間隔より短くして行われる。この実施形態では、例えば、定期的な時間間隔が60sのときは5s、または、定期的な時間間隔が10sのときは1sとする。これにより、親機10側の障害が回復すれば、親機10における動的IPアドレスの登録が早期に完了し得る。
【0032】
切替部306は、第2通知部305が動的IPアドレスの通知を行っている状態において、親機10からの返答があったとき、すなわち、監視部304が親機10からの返答があったと判定したときに、第2通知部305による通知を第1通知部303による通知に切り替える。これにより、動的IPアドレスの通知は、定期的な時間間隔(例えば60s)で行われる。
【0033】
報知部307は、親機10からの返答がない場合、すなわち、監視部304が親機10からの返答がないと判定した場合、返答がないことを報知する。具体的には、この報知は、報知部307が、例えばパーソナルコンピューター(図示せず)に対して親機10からの返答がないことを示すメッセージを送信することにより行われる。これにより、図示しないパーソナルコンピューターが、親機10からの返答がないことを示すメッセージの表示または音声出力してユーザに報知し得る。または、報知部307は、図示しない回転灯に対して接点出力して点灯させることで、ユーザに報知するようにしてもよい。
【0034】
停止部308は、親機10から所定の情報(例えば、子機20内の音声データ等)の送信要求があったときに、親機10からの返答がない場合には(監視部304が親機10からの返答がないと判定したときには)、その所定の情報の送信を停止する。これにより、所定の情報の送信が停止する。
【0035】
[通信システムの動作]
次に、本実施形態の通信システムの全体動作について、図4を参照して説明する。
図4は、子機から通知される動的IPアドレスが親機に登録される場合の全体動作を示すフローチャートである。図4では、一例として、子機20が、親機10に対して動的IPアドレスの通知を行う場合の通信システム1の全体動作をあらわしている。
図6において先ず、子機20(取得部302)が例えばISPのDHCPサーバーから動的IPアドレスを取得する(ステップS101)。
【0036】
子機20(第1通知部303)は、ネットワーク網30を介して親機10に対し、動的IPアドレスの通知を行うための通知処理(第1通知処理)、すなわち、自己の動的IPアドレスの通知を定期的に行う(ステップS102)。そのために、第1通知部303は、記憶部301から親機10の固定IPアドレスを読み出し、その固定IPアドレス(あて先IPアドレス)と、子機20の動的IPアドレス(送信元IPアドレス)とを含むパケットを親機10に送信する。この全体動作の例では、定期的に通知する時間間隔は、60msであるために、ステップS102において、60msの間隔で子機20の動的IPアドレスが通知される。
【0037】
その結果、親機10(受取部201)が、子機20の動的IPアドレスを受信した場合には(ステップS103のYES)、親機10(登録部202)は、その動的IPアドレスの登録処理を行う(ステップS104)。そのために、登録部202は、ステップS103で受信したパケットの送信元IPアドレスに記述されている動的IPアドレスを管理テーブル2021に登録する。この全体動作の例では、動的IPアドレスは、ホスト名と対応付けられているために、登録部202は、管理テーブル2021を参照して、ホスト名と動的IPアドレスとを対応付けて登録する。これにより、以後、親機10は、子機20をあて先に指定して通信を行うことが可能となる。
【0038】
そして、親機10(返答部203)は、ネットワーク網30を介して、動的IPアドレスの通知を行った子機20に対し、その通知に応じた返答処理を行う(ステップS105)。そのために、返答部203は、ステップS104で登録した子機20の動的IPアドレス(あて先IPアドレス)と、親機10の固定IPアドレス(送信元IPアドレス)とを含むパケットを子機20に送信する。
なお、親機10側の障害として例えば親機10がリブート処理を行った場合、親機10は、ステップS103,S104,S105の処理を行えず、直ちにリブート処理を行う。リブートの完了後は、すでに管理テーブル2021に登録されていた情報(ホスト名、動的IPアドレス)が消去されるため、親機10は、どの子機20とも接続をすることができない。
【0039】
子機20(監視部304)は、ステップS105で処理された返答を受信したか否かを監視する(ステップS106)。その結果、返答を受信していないと判定された場合には(ステップS106のNO)、子機20(第2通知部305)は、ネットワーク網30を介して親機10に対し、動的IPアドレスの通知を行うための通知処理(第2通知処理)、すなわち、ステップS102で通知した時間間隔(図4の例では60ms)を短くして動的IPアドレスの通知を行う(ステップS107)。そのために、第2通知部305も、記憶部301から親機10の固定IPアドレスを読み出し、その固定IPアドレス(あて先IPアドレス)と、子機20の動的IPアドレス(送信元IPアドレス)とを含むパケットを親機10に送信する。この全体動作の例では、第2通知部305は、ステップS102で通知した時間間隔より55s短い5sの間隔で通知する。これにより、親機10は、子機20の動的IPアドレスを迅速に登録し得る。
【0040】
図4には図示されていないが、ステップS106において返答がないと判定された場合には、子機20(報知部307)は返答がないことを示すメッセージを例えばパーソナルコンピューター(図示せず)に送信(報知)することが好ましい。これにより、図示しないパーソナルコンピューターが、親機10からの返答がないことを示すメッセージの表示または音声出力してユーザに報知され、親機10側の障害が回復することが促される。
【0041】
また、ステップS106で返答がないと判定された場合に、子機20が、親機10に対して所定の情報(図4の例では、音声データ)を送信しているときには、子機20(停止部308)は、例えば音声データの送信を停止することが好ましい。これにより、親機10側で障害がある場合には、子機20からの通知以外の情報が送出されず、子機20からの通知が親機10に到達することが促され、親機10と子機20との通信状態が早期に良好になることが期待される。
【0042】
ここで、親機10側の障害が回復(図4の例では、リブートの完了)すると、親機10は、ステップS103〜S105の処理を行う。すなわち、親機10は、子機20からの通知に含まれる子機20の動的IPアドレスを受信し(ステップS103のYES)、その動的IPアドレスを管理テーブル2021に登録するとともに(ステップS104)、子機20に対し上記の返答処理を行う(ステップS105)。以後、親機10は、当該子機20の動的IPアドレスをあて先に指定することで、その子機20との通信を行うことができるようになる。
【0043】
そして、子機20(監視部304)は、ステップS106で返答を受信したと判定した場合は(YES)、子機20(監視部304)は、その受信が第2通知処理時か否かを判定する(ステップS108)。その結果、第2通知処理時であれば(ステップS108のYES)、子機20(切替部306)は、動的IPアドレスの通知を第1通知部303による通知(図4の例では、60sの間隔)に切り替える。切り替え後に第1通知部303が通知する処理は、ステップS102と同じである。
【0044】
以上説明したように、本実施形態の通信システム1では、複数の子機20の各々は、定期的に、親機10に対して自己の動的IPアドレスの通知を行い、その通知に応答して親機10からの返答がない場合には、動的IPアドレスを通知する時間間隔を、定期的な時間間隔より短い時間間隔に変更して通知を行う。これにより、親機10側で障害が生じた場合において、親機10が各子機20と接続をするための当該各子機の動的IPアドレスが迅速に登録される。
【0045】
<第2実施形態>
次に、本発明の通信システムの他の実施形態に関し、特に第1実施形態のものと異なる点について説明する。本実施形態の通信システムは、親機と子機とを備える点は図1に示した第1実施形態のものと同様であるが、親機および子機として適用するネットワーク機器が第1実施形態のものと異なる。
この実施形態では、監視カメラが子機として適用され、監視カメラを一元管理する管理サーバーが親機として適用される。
以下では、本実施形態における親機および子機の構成について、第1実施形態のものとの差異を中心に説明する。
【0046】
図5に、本実施形態の通信システム1aの構成を示す。図5に示すように、この通信システム1aでは、親機としての管理サーバー40、および、複数の監視カメラ50a,・・・,50nが、ISPにおいて通信可能に接続され、ISPがネットワーク網30に接続されている。
なお、以下の説明において、第1実施形態の説明と同様に、複数の監視カメラ50a,・・・,50nの各々に共通の説明では各監視カメラが単に監視カメラ50として参照される。
【0047】
監視カメラ50は、画像の取り込み、圧縮および伝送処理のほか、音声の取り込み、圧縮および伝送処理などを実行する。
管理サーバー40は、画像データ処理のほか、音声データ処理、タイミング処理、伝送処理などを実行する。例えば、この管理サーバー40が、監視カメラ50に対して画像データ(音声データを含めて)の送信要求を行うと、その送信要求を受信した監視カメラ50が、取り込んだ画像データを管理サーバー40へ送信する。これにより、管理サーバー40は、監視カメラ50が取り込んだ画像を表示し得る。
図6において、管理サーバー40は、図2に示した親機としての機能、すなわち、受取部201、登録部202、返答部203および管理テーブル2021を備える。
監視カメラ50は、図3に示した子機としての機能、すなわち、記憶部301、取得部302、第1通知部303、監視部304、第2通知部305、切替部306、報知部307および停止部308を備える。
【0048】
本実施形態の通信システム1aにおいては、監視カメラ50から通知される動的IPアドレスが管理サーバー40に登録される場合の全体動作は、図4のステップS101〜S109と同じである。従って、画像の監視を可能とするようにした通信システム1aでも、第1実施形態の通信システム1の場合と同様の作用および効果を奏する。
【0049】
<第3実施形態>
次に、第3実施形態の通信システムについて説明する。
この実施形態の通信システムは、親機としてのネットワークアダプター、および、子機としてのネットワークアダプターを備える構成は図1に示した第1実施形態のものと同様であるが、ブロードバンドルーター(以下、単に「ルーター」と略記する。)を介して親機および子機がネットワーク網に接続される構成が第1実施形態のものと異なる。
以下では、本実施形態における通信システムの構成について、第1実施形態のものとの差異を中心に説明する。まず、本実施形態の通信システムの構成について図6を参照して説明する。
【0050】
[通信システムの構成]
図6は、第3実施形態の通信システム1bの構成を示すブロック図である。図6に示すように、この通信システム1bでは、複数のネットワークアダプター70a,・・・,70nと、これらネットワークアダプターを一元管理するネットワークアダプター60とを備える。この通信システム1bでは、第1実施形態のもの(図1参照)と異なり、親機としてのネットワークアダプター60が、第1ルーター80を介して、ネットワーク網30に接続され、子機としての各ネットワークアダプター70a,・・・,70nが、各第2ルータ90a,・・・,90nを介して、ネットワーク網30に接続される。図6において、アンプ61,71a,・・・,71n、マイク62およびスピーカー72a,・・・,72nは、それぞれ図1のアンプ11,21a,・・・,21n、マイク12およびスピーカー22a,・・・,22nに対応する。
【0051】
この通信システム1bでは、第2ルーター90a,・・・,90nが、図示しないDHCPサーバーから直接、動的IPアドレスを取得するため、各ネットワークアダプター70a,・・・,70nでは、LAN(Local Area Network)に従った制御が行われる点に注意を要する。かかる点に鑑み、各ネットワークアダプター70a,・・・,70nが、動的IPアドレスの通知を固定IPアドレス宛てに行うための通知処理を行うことによって、動的IPアドレスが親機としてのネットワークアダプター60に通知される。図6では、ISPに接続される第1ルーター80には、DHCPサーバー(図示せず)に従って固定IPアドレスが割り当てられる場合について示している。また、図6では、ISPに接続される第2ルーター90a,・・・,90nには、DHCPサーバー(図示せず)に従って動的IPアドレスが割り当てられる場合について示している。
なお、以下の説明において、第1実施形態の説明と同様に、複数のネットワークアダプター70a,・・・,70nの各々に共通の説明では各ネットワークアダプターが単に子機70として参照され、親機としてのネットワークアダプター60の説明では単に親機60として参照される。さらに、複数の第2ルーター90a,・・・,90nの各々に共通の説明では各第2ルーターが単に第2ルーター90として参照される。
【0052】
[子機70]
図7は、子機70の機能を説明するためのブロック図である。
図7に示す子機70は、記憶部401、第1通知部402、監視部403、切替部404、第2通知部405、報知部406および停止部407を備える。なお、記憶部401、監視部403、切替部404、報知部406および停止部407は、図3に示した記憶部301、監視部304、切替部306、報知部307および停止部308と同じである。
以下では、本実施形態の子機70の構成について、第1実施形態の子機20と相違する点について説明する。
【0053】
子機70は、子機20と異なり、第2ルーター90を介してネットワーク網30に接続されるため、動的IPアドレスを取得するための取得部302(図3参照)を要しない。
さらに、第1通知部402および第2通知部405における通知処理は、通知方法が子機20と異なる。
具体的には、通知処理は以下のように行われる。すなわち、第1通知部402および第2通知部405は、動的IPアドレスの通知を固定IPアドレス宛てに行うための通知処理を実行する際に、その通知のためのメッセージを生成して、そのメッセージを第2ルーター90へ送出する。このメッセージの送出は、例えばIEEE802.3に従って行われる。
【0054】
通知のためのメッセージには、当該通知の内容を示す情報のほか、固定IPアドレスと、自己を指定する情報とが含まれる。動的IPアドレスは、その後の第2ルーター90の処理においてメッセージに対応するパケットに設定されることになるため、その設定された動的IPアドレスが親機60で登録されることが可能となる。
【0055】
なお、図6に示した親機60は、図2に示したものと同様に、受取部201、登録部202、返答部203および管理テーブル2021を備える。
【0056】
[通信システムの動作]
以下、本実施形態の通信システム1bの全体動作について、図8を参照して説明する。
図8は、動的IPアドレスが親機60に登録される場合の全体動作を示すフローチャートである。
図8において先ず、子機70(第1通知部402)は、第2ルーター90を介して親機60に対し、動的IPアドレスの通知を行うための通知処理(第1通知処理)を定期的に(例えば10sの間隔で)行う(ステップS201)。そのために、第1通知部402は、記憶部401から固定IPアドレスを読み出し、当該通知の内容を示す情報のほか、その固定IPアドレスと、自己を示す情報とを含むメッセージを、第2ルーター90を介してネットワーク網30へ送出する。この全体動作の例では、動的IPアドレスは、第2ルーター90に割り当てられるために、ステップS202において、第2ルーター90が、子機70からのメッセージに対応するパケットに動的IPアドレスを設定して、そのパケット(通知処理に基づいて行われる動的IPアドレスの通知)を、ネットワーク網30を介して第1ルーター80へ中継する。これにより、動的IPアドレスの通知が親機60に対して行われる。
【0057】
その結果、親機60(受取部201)が、第1ルーター80を介して動的IPアドレス(動的IPアドレスの通知)を受信した場合には(ステップS203のYES)、親機60(登録部202)は、その動的IPアドレスの登録処理を行う(ステップS204)。この登録処理の一例は、図4のステップS104と同じである。
【0058】
そして、親機60(返答部203)は、第1ルーター80を介して子機70に対し、通知処理に基づいて行われた動的IPアドレスの通知に応じた返答処理を行う(ステップS205)。そのために、返答部203は、返答の内容を示す情報のほか、ステップS204で登録した動的IPアドレスと、自己を示す情報とを含むメッセージを、第1ルーター80を介してネットワーク網30へ送出する。この全体動作の例では、固定IPアドレスは、第1ルーター80に割り当てられるために、ステップS206において、第1ルーター80が、親機60からのメッセージに対応するパケットに固定IPアドレスを設定して、そのパケットをネットワーク網30を介して第2ルーター90へ中継する。これにより、動的IPアドレスの通知に応答した返答が子機70に対して行われる。
【0059】
子機70(監視部403)は、親機60からの返答を受信したか否かを監視し(ステップS207)、その結果、返答を受信していないと判定された場合には(NO)、子機70(第2通知部405)は、動的IPアドレスの通知を行うための通知処理(第2通知処理)を実行する。すなわち、第2通知部405は、ステップS201で実行する通知処理の時間間隔を短くして(図8の例では1s)上記通知処理を実行する(ステップS208)。そのために、第2通知部405も、記憶部401から固定IPアドレスを読み出し、当該通知の内容を示す情報のほか、その固定IPアドレスと、自己を示す情報とを含むメッセージを、第2ルーター90を介してネットワーク網30へ送出する。これにより、親機60は、動的IPアドレスを迅速に登録し得る。
【0060】
なお、ステップS207のNOの判断の後、子機60(報知部406)は、返答がないことを示すメッセージを例えばパーソナルコンピューター(図示せず)に送信(報知)するようにしてもよい。あるいは、子機20(停止部407)は、例えば親機60に送信中の音声データの送信を停止するようにしてもよい。
【0061】
図8において、ステップS209〜S210の処理は、図4のステップS108〜S109の処理と同じである。
【0062】
以上説明したように、本実施形態の通信システム1bでは、複数の子機70の各々は、定期的に、親機60に対して動的IPアドレスの通知を行うための通知処理を実行し、その通知処理に基づいて行われる動的IPアドレスの通知に応答して親機60からの返答がない場合には、定期的に通知処理を実行する時間間隔より短い時間間隔に変更して通知処理を実行する。従って、この通信システム1bでは、第1実施形態のものと同様に、親機60側で障害が生じた場合において、親機60が各子機70との接続を実現するための動的IPアドレスが迅速に登録される。
【0063】
<実施形態の変更例>
上述した各実施形態に係る通信システムは例示に過ぎず、これに基づいて変更を行うことが可能である。
【0064】
各実施形態の子機は、所定のタイミングで、親機に切り替え可能である。所定のタイミングは、親機と子機との通信の実現を適切に行うことができるように設定される。例えば所定のタイミングは、親機から返答がない状態(図4では、ステップS106のNOの状態、または、図8では、ステップS207のNOの状態)が一定期間継続した場合とする。その場合には、子機では、一定期間が継続した後において親機に切り替わり(プログラムによるモードが子機→親機に切り替わり)、固定IPアドレスが割り当てられる。この固定IPアドレスは、各子機において新たに設定される。次に各子機と親機は、動的IPアドレスの登録処理(図4または図8に示した一連の処理)を行う。なお、上述した所定のタイミングは、子機が、図示しないコンピューター(例えば、サーバー、パーソナルコンピューター等)から切り替えのためのコマンドを受信した場合としてもよい。その場合には、子機では、そのコマンドに基づいて親機に切り替わることが可能となる(プログラムによるモードが子機→親機に切り替わる)。
また、各実施形態の親機も、所定のタイミングで(例えば、図示しないコンピューターから切り替えのためのコマンドを受信した場合)、子機に切り替え可能である。その場合には、親機では、そのコマンドに基づいて、子機に切り替わる(プログラムによるモードが親機→子機に切り替わる)。
【0065】
本発明の子機の他の例として、動的IPアドレスを利用してをネットワーク網に接続可能な機器であればよく、例えば、パーソナルコンピューター、交換機などでもよい。また、本発明の親機の他の例として、固定IPアドレスを利用してネットワーク網に接続可能な機器であればよく、例えば、サーバー、交換機などでもよい。
【0066】
また、各実施形態では、ネットワーク網30に配置される親機の台数は1台の場合について説明したが、複数の親機を配置するようにしてもよい。この場合、子機では、各親機の通信環境(通信速度等)に適した動的IPアドレスの通知を行うため、各親機とどの程度の時間間隔で定期的に通知するか否かについて常時管理可能な構成を備えている。従って、上述した子機が、親機毎に、当該親機との接続に必要な固定IPアドレスと、動的IPアドレスの通知を行うための通知処理を実行する定期的な時間間隔と、親機からの返答を受信可能な最長期間とを管理するテーブルを有することで、通信システムが、各実施形態の通信システムと同様の作用を実現することができるようになる。
【符号の説明】
【0067】
10 ネットワークアダプター(親機)
20a,20n ネットワークアダプター(子機)
30 ネットワーク網
201 受取部
202 登録部
203 返答部
301 記憶部
302 取得部
303 第1通知部
304 監視部
305 第2通知部
306 切替部
307 報知部
308 停止部
2021 管理テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定IPアドレスを用いてネットワーク網に接続される1以上の親機と、前記ネットワーク網に動的IPアドレスを用いて接続される複数の子機とを備える通信システムであって、
前記複数の子機の各々は、
前記固定IPアドレスを予め記憶する記憶部と、
前記動的IPアドレスの通知を前記固定IPアドレス宛てに行うための通知処理を定期的に実行する第1通知部と、
前記通知処理に基づいて行われる動的IPアドレスの通知に応答して前記親機から送信されてくる返答を受信したかどうかを監視する監視部と、
前記親機からの返答がない場合には、前記第1通知部における定期的な時間間隔より短い時間間隔に変更して前記通知処理を実行する第2通知部と、を有し、
前記親機は、
前記通知処理に基づいて行われる動的IPアドレスの通知があったときに、当該通知を受け取る受取部と、
前記通知された動的IPアドレスを登録する登録部と、
前記通知に対する子機への返答を、前記登録された動的IPアドレス宛てに行う返答部と、を有する、
ことを特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記子機は、
前記親機からの返答がない場合、返答がないことを報知する報知部をさらに有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記子機は、
前記親機から所定の情報の送信要求があったときに、前記親機からの返答がない場合には、前記所定の情報の送信を停止する停止部をさらに有する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の通信システム。
【請求項4】
前記親機または子機は、所定のタイミングで、前記子機または前記親機として切り替え可能に構成されている、
ことを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項5】
動的IPアドレスを用いてネットワーク網に接続される子機と前記ネットワーク網を介して接続され、前記ネットワーク網に固定IPアドレスを用いて接続される親機であって、
子機から直接、または、子機からルーターを介して、前記動的IPアドレスの通知があったときに、当該通知を受け取る受取部と、
前記通知された動的IPアドレスを登録する登録部と、
前記通知に対する子機への返答を、前記登録された動的IPアドレス宛てに行う返答部と、
を備え、
前記動的IPアドレスの通知は、定期的に行われるように予め設定されており、
前記子機への返答が行われなかった場合には、前記動的IPアドレスの通知は、定期的な時間間隔より短い時間間隔で行われる、
ことを特徴とする親機。
【請求項6】
固定IPアドレスを用いてネットワーク網に接続される親機と前記ネットワーク網を介して接続され、前記ネットワーク網に動的IPアドレスを用いて接続される子機であって、
前記固定IPアドレスを予め記憶する記憶部と、
前記動的IPアドレスの通知を前記固定IPアドレス宛てに行うための通知処理を定期的に行う第1通知部と、
前記通知処理に基づいて行われる動的IPアドレスの通知に応答して前記親機から送信されてくる返答を受信したかどうかを監視する監視部と、
前記親機からの返答がない場合には、前記第1通知部における定期的な時間間隔より短い時間間隔に変更して前記通知処理を行う第2通知部と、
を備えることを特徴とする子機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−61271(P2011−61271A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−205642(P2009−205642)
【出願日】平成21年9月7日(2009.9.7)
【出願人】(000223182)ティーオーエー株式会社 (190)
【Fターム(参考)】