通信システム、送信装置および受信装置
【課題】主情報を送信する波長とは別の波長を用いることなく、主情報以外の情報を送受信することができる。
【解決手段】送信ノード10は、通信システム上のいずれかの送信ノード10の動作状況を示す監視情報を強度変調方式によって強度情報に変調する伝達情報強度変調部102と、送信ノード10から受信ノード20に送信される光信号である主情報が強度に依存しない変調方式で変調された主情報の光信号の強度を、伝達情報強度変調部102が変調した強度情報に基づいて変動させ、強度を変動させた光信号を出力する光増幅部106とを備える。受信ノード20は、送信ノード10の光増幅部106が出力する光信号を、強度復調方式によって復調する強度信号復調部204を備える。
【解決手段】送信ノード10は、通信システム上のいずれかの送信ノード10の動作状況を示す監視情報を強度変調方式によって強度情報に変調する伝達情報強度変調部102と、送信ノード10から受信ノード20に送信される光信号である主情報が強度に依存しない変調方式で変調された主情報の光信号の強度を、伝達情報強度変調部102が変調した強度情報に基づいて変動させ、強度を変動させた光信号を出力する光増幅部106とを備える。受信ノード20は、送信ノード10の光増幅部106が出力する光信号を、強度復調方式によって復調する強度信号復調部204を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システム、送信装置および受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
OADM(Optical Add/Drop Multiplexer、光分岐挿入装置)系装置では、各ノードの装置情報や警報をNMS(Network Management System、ネットワーク管理システム)に送信し、NMSがネットワークの監視および制御を行っている。この場合、各ノードの装置情報や警報をNMSまで送信するために、ノードの設置拠点毎に専用のネットワークを構築したり、別途回線を用意したりする必要がある。装置情報や警報伝送用の回線数を削減するため、複数あるノードの装置情報や警報情報をノード間で情報伝達して特定のノードに集約し、特定のノードがNMSに送信する方式がある。
【0003】
装置情報や警報伝送用の回線数の削減するために、特定のノードに装置情報や警報情報を集約してNMSに送信する方法では、光を増幅する機能のみを有したノードの情報も伝達する必要があり、主情報とは別の波長の情報伝達専用レーザを用意して、OADMノード間の警報情報を伝送している。この波長は一般的にOSC(Optical Supervisory Channel)と呼ばれている。
【0004】
図10は、主情報とは別の波長の情報伝達専用レーザを用いた送信ノードと受信ノードの構成を示した図である。この図を用いて、送信ノード50が、装置情報や警報などの伝達情報を受信ノード60に送信する方法について説明する。
【0005】
伝達情報受付部501は監視部700から伝達情報を受け付け、伝達情報変調部502に入力する。伝達情報変調部502は、伝達情報受付部501から入力された伝達信号を変調する。レーザダイオード503は、伝達情報変調部502にて変調された伝達情報を光信号に変換する。光波長合波部508は、レーザダイオード503が変換した光信号と、光波長多重部506が多重化した光信号を光増幅部507が増幅した光信号とを合波する。送信ノード50は光波長合波部508が合波した光信号を受信ノード60に送信する。
【0006】
光信号分波部601は、送信ノードから送信された光信号から、レーザダイオード503が変換した光信号を分波して、受光素子602に入力する。受光素子602は、レーザダイオード503が変換した光信号を電気信号に変換し、伝達情報復調部603に入力する。伝達情報復調部603は、受光素子602から入力された電気信号を復調する。伝達情報検知部604は、伝達情報復調部603が復調した信号に基づいて、伝達情報を受信する。
【0007】
すなわち、送信ノード50は、主情報を送信する光信号の波長とは異なる波長の光信号に伝達情報を変換し、主情報を送信する光信号と伝達情報を変換した光信号とを合波して受信ノード60に送信する。また、受信ノード60は、送信された光信号から伝達情報を変換した光信号を分波して伝達情報を受信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平3−214936号公報
【特許文献2】特許第3503615号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上述した方法により送信ノード50が装置情報や警報などの伝達情報を受信ノード60に送信する場合には、装置情報や警報伝送用の波長を本来伝送すべき主情報を送信するための波長とは別に確保する必要があり、レーザダイオード503と、光波長合波部508と、光信号分波部601とが必要となる。また、光波長合波部508と光信号分波部601とにより、本来伝送すべき主情報を送信するための光信号の透過損失が発生してしまう。また、特許文献1,2においても、同様の問題がある。
【0010】
本発明は、主情報を送信する波長とは別の波長を用いることなく、主情報以外の情報を送受信することができる通信システム、送信装置および受信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、送信装置と受信装置とを備えた通信システムであって、前記送信装置は、前記通信システム上のいずれかの送信装置の動作状況を示す監視情報を強度変調方式によって強度情報に変調する強度変調部と、前記送信装置から前記受信装置に送信される光信号である主情報が強度に依存しない変調方式で変調された主情報の光信号の強度を、前記強度変調部が変調した前記強度情報に基づいて変動させ、当該強度を変動させた光信号を出力する光増幅部と、を備え、前記受信装置は、前記送信装置の光増幅部が出力する前記光信号を、強度復調方式によって復調する強度信号復調部を備えたことを特徴とする通信システムである。
【0012】
また、本発明は、送信装置と受信装置とを備えた通信システムの送信装置であって、前記通信システム上のいずれかの送信装置の動作状況を示す監視情報を強度変調方式によって強度情報に変調する強度変調部と、前記送信装置から前記受信装置に送信される光信号である主情報が強度に依存しない変調方式で変調された主情報の光信号の強度を、前記強度変調部が変調した前記強度情報に基づいて変動させ、当該強度を変動させた光信号を出力する光増幅部と、を備えたことを特徴とする送信装置である。
【0013】
また、本発明は、送信装置と受信装置とを備えた通信システムの受信装置であって、前記通信システム上のいずれかの送信装置の動作状況を示す監視情報が強度変調方式によって変調された強度情報に基づいて強度が変動された光信号であり前記送信装置から前記受信装置に送信される光信号である主情報が強度に依存しない変調方式で変調された主情報の光信号を、強度復調方式で復調する強度信号復調部を備えたことを特徴とする受信装置である。
【0014】
また、本発明は、前記主情報の光信号を2つに分配する光信号分配部と、前記分配部が分配する前記主情報の光信号のうち、一方の前記主情報の光信号の強度が一定となるように、当該主情報の光信号の強度を変動させる光増幅部と、を備え、前記強度信号復調部は、前記光信号分配部が分配する他方の前記主情報の光信号を、前記強度復調方式で復調することを特徴とする受信装置である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、送信装置の強度変調部は、監視情報を強度変調方式によって強度情報に変調する。また、送信装置の光増幅部は、主情報が強度に依存しない変調方式で変調された主情報の光信号の強度を、強度変調部が変調した強度情報に基づいて変動させ、強度を変動させた光信号を出力する。また、受信装置の強度信号復調部は、送信装置の光増幅部が出力する光信号を、強度復調方式によって復調する。これにより、本発明は、主情報を送信する波長とは別の波長を用いることなく、主情報以外の情報を送受信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態における光通信システムの構成を示した概略図である。
【図2】本実施形態における送信ノードの構成と受信ノードの構成とを示したブロック図である。
【図3】本実施形態における警報監視情報を強度変調方式で変調した光信号の出力レベルを示したグラフである。
【図4】本実施形態における主情報を位相変調方式で変調した光信号の出力レベルと位相状態とを示したグラフである。
【図5】本実施形態において、警報監視情報を強度変調方式で変調した光信号の出力レベルに応じて変動させた、主情報を位相変調方式で変調した光信号の出力レベルと位相状態とを示したグラフである。
【図6】本実施形態における送信ノードが警報監視情報と主情報とを送信する光信号の位相と出力レベルとを示したグラフである。
【図7】本実施形態における送信ノードが警報監視情報と主情報とを送信する光信号の位相と出力レベルとを示したグラフである。
【図8】本実施形態における送信ノードと受信ノードとの動作手順を示したフローチャートである。
【図9】本実施形態における送信ノードと受信ノードとの動作手順を示したフローチャートである。
【図10】従来の送信ノードの構成と受信ノードの構成を示した概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施形態における光通信システムの構成を示した概略図である。図示する例では、光通信システムは、ノード1〜4と、OpS(Operation Systems)サーバ5とを含んでいる。ノード1〜4は、主情報を送受信ならびに中継する光信号の中継を行う装置である。主情報は、送信元のノード1〜4から送信先のノード1〜4に送信する情報である。
【0018】
ノード3は、ノード2またはノード4に対して自装置の警報監視情報を送信する。警報監視情報(監視情報)は、ノード1〜4の動作状況(装置状態や警報など)を示す監視情報である。また、ノード2,4は、ノード1に対して自装置の警報監視情報とノード3の警報監視情報とを送信する。また、ノード1は、自装置の警報監視情報と、ノード2〜4の警報監視情報とをOpSサーバ5に送信する。OpSサーバ5は、ノード1から送信されるノード1〜4の警報監視情報を受信し、ノード1〜4の稼働状況や障害発生などを一元管理する装置である。
【0019】
ノード1は、ノード2,4と光ファイバ101,105によって接続されており、光信号を用いてノード2,4に対してデータを送信する。ノード2は、ノード1,3と光ファイバ108,102によって接続されており、光信号を用いてノード1,3に対してデータを送信する。ノード3は、ノード2,4と光ファイバ107,103によって接続されており、光信号を用いてノード2,4に対してデータを送信する。ノード4は、ノード1,3と光ファイバ104,106によって接続されており、光信号を用いてノード1,3に対してデータを送信する。また、ノード1とOpSサーバ5とは、DCN6(Data Comunication Network)によって、互いに情報の送受信を行う。
【0020】
次に、ノード1〜4の構成について説明する。以下、主情報と警報監視情報とを送信するノード1〜4を送信ノードとし、受信するノード1〜4を受信ノードとして説明する。ノード1〜4は、送信ノードと受信ノードとの両方の構成を備えている。例えば、ノード1がノード2に主情報と警報監視情報とを送信する場合、ノード1は送信ノードであり、ノード2は受信ノードである。また、ノード2がノード1に主情報と警報監視情報とを送信する場合、ノード2は送信ノードであり、ノード1は受信ノードである。
【0021】
図2は、本実施形態における送信ノード10の構成と受信ノード20の構成とを示したブロック図である。図示する例では、送信ノード10は、監視部300と、伝達情報受付部101と、伝達情報強度変調部102と、増幅利得調整部103と、光位相情報送信部104と、光波長多重部105と、光増幅部106とを備えている。
【0022】
監視部300は、自装置の監視および制御を行う。伝達情報受付部101は、受信ノード20に伝達する情報に、開始と終了を示す情報を付加する。伝達情報強度変調部102は、伝達する情報を強度変調方式で変調する。例えば、伝達信号を強度情報に変換する方法としては、伝達信号「1」を強度信号「強」とし、伝達信号「0」を強度信号「弱」とする。増幅利得調整部103は、入力された強度信号に基づいて、光増幅部106の利得を調整する。例えば、入力された強度信号が「強」の場合、増幅利得調整部103は、光増幅部106の利得を高く調整する。また、入力された強度信号が「弱」の場合、増幅利得調整部103は、光増幅部106の利得を低く調整する。光位相情報送信部104は、他のノードに送信する主情報を位相変調方式で変調する。光波長多重部105は、複数種類の波長の光信号を1つの光信号に多重化する。光増幅部106は、光信号の強度を増幅する。
【0023】
受信ノード20は、監視部300と、光信号分配部201と、受光素子202と、強度認識部203と、強度信号復調部204と、伝達情報検知部205と、増幅利得調整部206と、光増幅部207と、光波長分離部208と、光位相情報受信部209とを備えている。
【0024】
光信号分配部201は、送信ノード10から送信される光信号を2つに分配する。受光素子202は、光信号を電気信号に変換する。強度認識部203は、光信号の強度を認識する。強度信号復調部204は、強度信号を伝達された情報に復調する。伝達情報検知部205は、伝達された情報を検知する。増幅利得調整部206は、光増幅部207の利得を調整する。光増幅部207は、光信号を増幅する。光波長分離部208は、多重化されている光信号を複数種類の波長毎に分離する。光位相情報受信部209は、自装置宛に送信された情報を受信する。
【0025】
次に、本実施形態における警報監視情報の変調方式について説明する。本実施形態では、送信ノード10は、警報監視情報を強度変調方式で変調して受信ノード20に送信する。すなわち、送信ノード10は、光の強弱にて警報監視情報(デジタル情報)を送信する。図3は、本実施形態における警報監視情報を強度変調方式で変調した光信号の出力レベルを示したグラフである。図では、NRZ符号化方式にて情報を伝達する例を示しており、横軸は時間を示し、縦軸は出力レベルを示している。出力レベルが高い信号は「1」のbitを示し、出力レベルが低い信号は「0」のbitを示す。このグラフが示す警報監視情報は、「1010」である。
【0026】
次に、本実施形態における主情報の変調方式について説明する。本実施形態では、送信ノード10は、主情報を位相変調方式で変調して受信ノード20に送信する。図4は、本実施形態における主情報を位相変調方式で変調した光信号の出力レベルと位相状態とを示したグラフである。図示する例では、横軸は時間を示し、縦軸は出力レベルを示している。また、位相状態が「0」である信号は「0」のbitを示し、位相状態が「π」である信号は「1」のbitを示す。このグラフが示す主情報は、「0101101100」である。主情報を変調した光信号の出力レベルは一定である。なお、主情報の変調方式は、位相変調方式に限らず、強度変調以外の変調方式であればどのような変調方式を用いてもよい。
【0027】
次に、本実施形態における主情報と警報監視情報との送信方法について説明する。本実施形態では、主情報を位相変調方式(強度変調方式以外の変調方式)で変調しているため、主情報を変調した光信号の出力レベルが変動しても主情報が表す情報は変化しない。そこで、本実施形態では、送信ノード10は、主情報を変調した光信号の出力レベルを変動させて、警報監視情報を送信する。これにより、送信ノード10は、主情報を送信するための波長とは別の波長を用いることなく、警報監視情報を送信することができる。
【0028】
図5は、本実施形態において、警報監視情報を強度変調方式で変調した光信号の出力レベルに応じて変動させた、主情報を位相変調方式で変調した光信号の出力レベルと位相状態とを示したグラフである。図示する例では、横軸は時間を示し、縦軸は出力レベルを示している。また、位相状態が「0」である信号は「0」のbitを示し、位相状態が「π」である信号は「1」のbitを示す。このグラフの主情報は、「0101101100」である。
【0029】
また、主情報を変調した光信号の出力レベルは、警報監視情報を変調した光信号の出力レベルに応じて変動している。主情報を変調した光信号の出力レベルが閾値以上である信号は「1」のbitを示し、主情報を変調した光信号の出力レベルが閾値未満である信号は「0」のbitを示す。閾値は、光信号の出力レベルの高い値と低い値の平均値(中間の値)など、主情報を変調した光信号の出力レベルの高低を判定することができる値である。図示するグラフの警報監視情報は、「1010」である。なお、主情報を変調した光信号の出力レベルの変動範囲は、出力レベルの高低を判定できる範囲であればよい。
【0030】
次に、警報監視情報の具体例について説明する。本実施形態では、警報監視情報の開始を示す信号(スタートビット)は、「0101001」である。また、警報監視情報の終了を示す信号(エンドビット)は、「0011010」である。受信ノード20が、主情報を送信する光信号の出力レベルの変動は警報監視情報を強度変調した変動と自然レベル変動とのどちらであるかを識別するために、送信ノード10はスタートビットとエンドビットとを付加する。
【0031】
図6、図7は、本実施形態における送信ノード10が警報監視情報と主情報とを送信する光信号の位相と出力レベルとを示したグラフである。図示する例では、横軸は時間を示し、縦軸は出力レベルを示している。位相状態が「0」である信号は「0」のbitを示し、位相状態が「π」である信号は「1」のbitを示す。出力レベルが閾値以上である信号は「1」のbitを示し、出力レベルが閾値未満である信号は「0」のbitを示す。図6および図7において、符号(a)が主情報を示しており、符号(b)が警報監視情報を示している。
【0032】
なお、図6に示した例では、主情報を3ビット送信する毎に、警報監視情報を1ビット送信しているが、それぞれ独立した情報であるため、同期する必要はない。例えば、図7に示すように、主情報を送信するタイミングと警報監視情報を送信するタイミングとが異なるタイミングでもよい。
【0033】
なお、図4〜図7では、主情報を変調した光信号が1波長の場合を例としているが、実際は、主情報を強度変調方式以外の方式で変調した光信号が波長多重されている。
【0034】
次に、本実施形態におけるノード1〜4間での主情報と警報監視情報との送信方法について説明する。図8、図9は、本実施形態における送信ノード10と受信ノード20との動作手順を示したフローチャートである。ステップS101〜ステップS109の処理と、ステップS122〜ステップS126の処理とは、送信ノード10が行う処理である。また、ステップS110〜ステップS121の処理は、受信ノード20が行う処理である。
【0035】
(ステップS101)送信ノード10が備える各部は、自身の障害状態や制御情報などを含む警報監視情報を監視部300に入力する。その後、ステップS102の処理に進む。
(ステップS102)送信ノード10の監視部300は、送信ノード10が備える各部から入力された警報監視情報を記憶部に記憶する。また、監視部300は、入力された警報監視情報に基づいて自装置の動作状況を監視する。その後、ステップS103の処理に進む。
【0036】
(ステップS103)送信ノード10の監視部300は、ステップS102で記憶部に記憶した警報監視情報のうち、受信ノード20に送信する警報監視情報を抽出する。その後、ステップS104の処理に進む。抽出する方法としては、例えば、受信ノード20に送信する条件を予め定めておき、この条件に合致した警報監視情報を受信ノード20に送信する警報監視情報として抽出する。なお、受信ノード20に送信する警報監視情報を抽出する方法はどのような方法でもよい。
【0037】
(ステップS104)送信ノード10の監視部300は、主情報を送信する波長数が増加または減少するか否かを監視する。監視部300は、主情報を送信する波長数が増加または減少しない場合、伝達情報受付部101に、ステップS103で抽出した警報監視情報を入力する。監視部300は、主情報を送信する波長数が増加または減少する場合、主情報を送信する波長数が増加または減少するまで所定の時間(X秒)待機後、伝達情報受付部101に、ステップS103で抽出した警報監視情報を入力する。その後、ステップS105の処理に進む。OADM系装置では波長数に合わせて、光信号全体の出力レベルを調整する仕組みとなっている。よって、主情報を送信する光信号の出力レベルは波長数に合わせて変動する。そのため、主情報を送信する光信号の出力レベルが一定となるまで待機する。
【0038】
(ステップS105)送信ノード10の伝達情報受付部101は、入力された警報監視情報に、スタートビットとエンドビットとを付加する。その後、ステップS106の処理に進む。
(ステップS106)送信ノード10の伝達情報受付部101は、ステップS105で警報監視情報の開始を示す信号と警報監視情報の終了を示す信号とを付加した警報監視情報をデジタル信号に変換する。伝達情報受付部101は、デジタル信号を伝達情報強度変調部102に入力する。その後、ステップS107の処理に進む。
【0039】
(ステップS107)送信ノード10の伝達情報強度変調部102は、ステップS106で入力されたデジタル信号を変調して強度情報に変換し、増幅利得調整部103に入力する。その後、ステップS108の処理に進む。
【0040】
(ステップS108)送信ノード10の増幅利得調整部103は、入力された強度信号に基づいて、光増幅部106の利得を調整する。その後、ステップS109の処理に進む。
【0041】
(ステップS109)送信ノード10の光増幅部106は、波長によって多重化された主情報を変調した光信号の強度を増幅利得調整部103の調整に基づいて変化させ、この光信号を受信ノード20に送信する。このとき光増幅部106が送信する光信号は、例えば、図5〜図7に示した信号である。その後、ステップS110の処理に進む。
【0042】
(ステップS110)受信ノード20の光信号分配部201は、送信ノード10の光増幅部106から受信した光信号を、「主情報を受信するための光信号」と、「警報監視情報を受信するための光信号」とに分配する。また、光信号分配部201は、「主情報を受信するための光信号」を受光素子202に入力し、「警報監視情報を受信するための光信号」を光増幅部207に入力する。その後、ステップS111とステップS113の処理を行う。なお、「主情報を受信するための光信号」と「警報監視情報を受信するための光信号」とは、送信ノード10の光増幅部106から受信した光信号を単純に2分配した信号であり、同一の情報を含む光信号である。
【0043】
(ステップS111)受信ノード20の光増幅部207は、「主情報を受信するための光信号」を受信する。その後、ステップS112の処理に進む。
(ステップS112)受信ノード20の光増幅部207は、受信した「主情報を受信するための光信号」を増幅し、増幅した「主情報を受信するための光信号」を光波長分離部208に入力する。このとき、増幅利得調整部206は、出力信号強度の変動・強度が一定になるように光増幅部207の利得を調整し、送信ノードが変化させた光信号の強度を一定にする。これにより、送信ノード10から光信号の強弱により送信された警報監視情報を消去することができる。なお、強度が一定に調整された光信号は、従来の処理と同様に処理される。具体的には、強度が一定に調整された光信号は、光波長分離部208で波長毎に分離される。波長毎に分離された光信号のうち、受信ノード20宛に送信される波長の光信号は、光位相情報受信部209に入力され、その他の波長の光信号は、光波長多重部に入力される。
【0044】
(ステップS113)受信ノード20の受光素子201は、「警報監視情報を受信するための光信号」を受信する。受信できた場合はステップS114の処理に進み、受信できなかった場合はステップS122の処理に進む。
(ステップS114)受信ノード20の受光素子201は、「警報監視情報を受信するための光信号」の強度情報を電気信号に変換し、強度認識部203と強度信号復調部204とに入力する。その後、ステップS115とステップS116の処理を行う。
【0045】
(ステップS115)受信ノード20の強度認識部203は、電気信号の強度を認識する。強度認識部203が認識した電気信号の強度は、送信ノード10の光増幅部106が増幅した光信号の強度を示す。
(ステップS116)受信ノード20の強度信号復調部204に、「警報監視情報を受信するための光信号」の強度情報を示す電気信号が入力される。強度信号復調部204に、「警報監視情報を受信するための光信号」の強度情報を示す電気信号が入力された場合はステップS117の処理に進み、入力されなかった場合はステップS122の処理に進む。
【0046】
(ステップS117)受信ノード20の強度信号復調部204は、「警報監視情報を受信するための光信号」の強度情報を示す電気信号をデジタル情報に復調し、伝達情報検知部205に入力する
(ステップS118)受信ノード20の伝達情報検知部205に、「警報監視情報を受信するための光信号」の強度情報を示す電気信号を復調したデジタル情報が入力される。伝達情報検知部205に、デジタル情報が入力された場合はステップS119の処理に進み、入力されなかった場合はステップS122の処理に進む。
【0047】
(ステップS119)受信ノード20の伝達情報検知部205は、デジタル信号から警報監視情報を抽出し、監視部に入力する。その後、ステップS120の処理に進む。
(ステップS120)受信ノード20の監視部300は、入力された警報監視情報により、送信ノード10の情報を認識する。その後、ステップS121の処理に進む。
【0048】
(ステップS121)受信ノード20の監視部300は、警報監視情報を受信したことを通知する受信完了情報を送信ノード10に送信する。その後、ステップS122の処理に進む。なお、受信ノード20の監視部300から送信ノード10に受信完了情報を送信する方法はどのような方法でもよい。例えば、図1に示したとおり、各ノード間にはデータを送信するための光ファイバと、データを受信するための光ファイバとが設けられているため、受信ノード20の監視部300は、データを送信するための光ファイバを用いる通信方法で送信ノード10に受信完了情報を送信する。
【0049】
(ステップS122)送信ノード10の監視部300は、警報監視情報を受信ノード20に送信後、所定の時間内(y秒以内)に、受信ノード20から受信完了情報を受信したか否かを判定する。送信ノード10の監視部300は、警報監視情報を受信ノード20に送信後、所定の時間内に、受信ノード20から受信完了情報を受信した場合、処理を正常終了し、受信していない場合、ステップS123の処理に進む。
【0050】
(ステップS123)送信ノード10の監視部300は、警報監視情報を受信ノード20に送信後、所定の時間(y秒)が経過するまで処理を待機する。所定の時間が経過した後、ステップS124の処理に進む。
(ステップS124)送信ノード10の監視部300は、警報監視情報を送信した回数をカウントする(1つ増加させる)。その後、ステップS125の処理に進む。
【0051】
(ステップS125)送信ノード10の監視部300は、警報監視情報の送信回数が所定の回数(z回)以上であるか否かを判定する。送信ノード10の監視部300は、警報監視情報の送信回数が所定の回数以上であると判定した場合にはステップS126の処理に進み、所定の回数より少ないと判定した場合にはステップS104の処理に戻る。なお、ステップS104の処理に戻り、ステップS104以降の処理を再度実行することで、送信ノード10の監視部300は、再度警報監視情報を受信ノード20に送信する。
【0052】
(ステップS126)送信ノード10の監視部300は、受信ノード20に警報監視情報を送信することができないことを示す情報を、送信ノード10に対してデータを送信する他のノードに送信する。その後、保守者が以上を認識し、処理を終了する。
【0053】
上述したとおり、本実施形態では、主情報を送信するための波長の光信号(主情報伝送用波長の光信号)は、強度変調方式以外の方式(例えば、位相変調方式)で変調された光信号であるため、光信号の出力レベルの変化は主情報に依存しない。そこで、送信ノード10の伝達情報強度変調部102は、警報監視情報を強度変調方式で変調し、増幅利得調整部103は、伝達情報強度変調部102が変調した強度情報に基づいて、主情報伝送用波長の光信号の出力レベルを変動させることにより、受信ノード20に警報監視情報を送信する。
【0054】
また、受信ノード20の光信号分配部201は、受信した主情報伝送用波長の光信号を「主情報を受信するための光信号」と、「警報監視情報を受信するための光信号」とに分配する。そして、受信ノード20の受光素子201は、「警報監視情報を受信するための光信号」の強度情報を電気信号に変換し、強度信号復調部204は、電気信号を警報監視情報に復調する。これにより、警報監視情報を送信するための波長の光信号(警報監視情報伝送用波長の光信号)が必要なくなる。
【0055】
従って、送信ノード10の構成要素として、警報監視情報伝送用波長の光信号を生成するレーザダイオードが不要となるため、省電力化を実現できる。また、送信ノード10の構成要素として、警報監視情報伝送用波長の光信号を主情報伝送用波長の光信号と合波する光波長合波部が不要となるため、主情報伝送用波長の光信号の損失が減少して品質が向上し、主情報伝送用波長の光信号の長距離伝送が可能となる。また、受信ノード20の構成要素として、警報監視情報伝送用波長の光信号を電気信号に変換するための受光素子が不要となるため、省電力化を実現できる。また、受信ノード20の構成要素として、警報監視情報伝送用波長の光信号と主情報伝送用波長の光信号とを分波する光信号分波部が不要となるため、主情報伝送用波長の光信号の損失が減少して品質が向上し、主情報伝送用波長の光信号の長距離伝送が可能となる。
【0056】
なお、上述した実施形態における光通信システムが備える各装置を構成する各部の機能全体あるいはその一部は、これらの機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0057】
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶部のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時刻の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時刻プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0058】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。例えは、本実施形態では、警報監視情報を送受信する例を用いて説明したが、他の情報を送受信するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0059】
1〜4・・・ノード、5・・・OpSサーバ、6・・・DCN、10・・・送信ノード、20・・・受信ノード、101・・・伝達情報受付部、102・・・伝達情報強度変調部、103・・・増幅利得調整部、104・・・光位相情報送信部、105・・・光波長多重部、106・・・光増幅部、201・・・光信号分配部、202・・・受光素子、203・・・強度認識部、204・・・強度信号復調部、205・・・伝達情報検知部、206・・・増幅利得調整部、207・・・光増幅部、208・・・光波長分離部、209・・・光位相情報受信部、300・・・監視部
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システム、送信装置および受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
OADM(Optical Add/Drop Multiplexer、光分岐挿入装置)系装置では、各ノードの装置情報や警報をNMS(Network Management System、ネットワーク管理システム)に送信し、NMSがネットワークの監視および制御を行っている。この場合、各ノードの装置情報や警報をNMSまで送信するために、ノードの設置拠点毎に専用のネットワークを構築したり、別途回線を用意したりする必要がある。装置情報や警報伝送用の回線数を削減するため、複数あるノードの装置情報や警報情報をノード間で情報伝達して特定のノードに集約し、特定のノードがNMSに送信する方式がある。
【0003】
装置情報や警報伝送用の回線数の削減するために、特定のノードに装置情報や警報情報を集約してNMSに送信する方法では、光を増幅する機能のみを有したノードの情報も伝達する必要があり、主情報とは別の波長の情報伝達専用レーザを用意して、OADMノード間の警報情報を伝送している。この波長は一般的にOSC(Optical Supervisory Channel)と呼ばれている。
【0004】
図10は、主情報とは別の波長の情報伝達専用レーザを用いた送信ノードと受信ノードの構成を示した図である。この図を用いて、送信ノード50が、装置情報や警報などの伝達情報を受信ノード60に送信する方法について説明する。
【0005】
伝達情報受付部501は監視部700から伝達情報を受け付け、伝達情報変調部502に入力する。伝達情報変調部502は、伝達情報受付部501から入力された伝達信号を変調する。レーザダイオード503は、伝達情報変調部502にて変調された伝達情報を光信号に変換する。光波長合波部508は、レーザダイオード503が変換した光信号と、光波長多重部506が多重化した光信号を光増幅部507が増幅した光信号とを合波する。送信ノード50は光波長合波部508が合波した光信号を受信ノード60に送信する。
【0006】
光信号分波部601は、送信ノードから送信された光信号から、レーザダイオード503が変換した光信号を分波して、受光素子602に入力する。受光素子602は、レーザダイオード503が変換した光信号を電気信号に変換し、伝達情報復調部603に入力する。伝達情報復調部603は、受光素子602から入力された電気信号を復調する。伝達情報検知部604は、伝達情報復調部603が復調した信号に基づいて、伝達情報を受信する。
【0007】
すなわち、送信ノード50は、主情報を送信する光信号の波長とは異なる波長の光信号に伝達情報を変換し、主情報を送信する光信号と伝達情報を変換した光信号とを合波して受信ノード60に送信する。また、受信ノード60は、送信された光信号から伝達情報を変換した光信号を分波して伝達情報を受信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平3−214936号公報
【特許文献2】特許第3503615号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上述した方法により送信ノード50が装置情報や警報などの伝達情報を受信ノード60に送信する場合には、装置情報や警報伝送用の波長を本来伝送すべき主情報を送信するための波長とは別に確保する必要があり、レーザダイオード503と、光波長合波部508と、光信号分波部601とが必要となる。また、光波長合波部508と光信号分波部601とにより、本来伝送すべき主情報を送信するための光信号の透過損失が発生してしまう。また、特許文献1,2においても、同様の問題がある。
【0010】
本発明は、主情報を送信する波長とは別の波長を用いることなく、主情報以外の情報を送受信することができる通信システム、送信装置および受信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、送信装置と受信装置とを備えた通信システムであって、前記送信装置は、前記通信システム上のいずれかの送信装置の動作状況を示す監視情報を強度変調方式によって強度情報に変調する強度変調部と、前記送信装置から前記受信装置に送信される光信号である主情報が強度に依存しない変調方式で変調された主情報の光信号の強度を、前記強度変調部が変調した前記強度情報に基づいて変動させ、当該強度を変動させた光信号を出力する光増幅部と、を備え、前記受信装置は、前記送信装置の光増幅部が出力する前記光信号を、強度復調方式によって復調する強度信号復調部を備えたことを特徴とする通信システムである。
【0012】
また、本発明は、送信装置と受信装置とを備えた通信システムの送信装置であって、前記通信システム上のいずれかの送信装置の動作状況を示す監視情報を強度変調方式によって強度情報に変調する強度変調部と、前記送信装置から前記受信装置に送信される光信号である主情報が強度に依存しない変調方式で変調された主情報の光信号の強度を、前記強度変調部が変調した前記強度情報に基づいて変動させ、当該強度を変動させた光信号を出力する光増幅部と、を備えたことを特徴とする送信装置である。
【0013】
また、本発明は、送信装置と受信装置とを備えた通信システムの受信装置であって、前記通信システム上のいずれかの送信装置の動作状況を示す監視情報が強度変調方式によって変調された強度情報に基づいて強度が変動された光信号であり前記送信装置から前記受信装置に送信される光信号である主情報が強度に依存しない変調方式で変調された主情報の光信号を、強度復調方式で復調する強度信号復調部を備えたことを特徴とする受信装置である。
【0014】
また、本発明は、前記主情報の光信号を2つに分配する光信号分配部と、前記分配部が分配する前記主情報の光信号のうち、一方の前記主情報の光信号の強度が一定となるように、当該主情報の光信号の強度を変動させる光増幅部と、を備え、前記強度信号復調部は、前記光信号分配部が分配する他方の前記主情報の光信号を、前記強度復調方式で復調することを特徴とする受信装置である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、送信装置の強度変調部は、監視情報を強度変調方式によって強度情報に変調する。また、送信装置の光増幅部は、主情報が強度に依存しない変調方式で変調された主情報の光信号の強度を、強度変調部が変調した強度情報に基づいて変動させ、強度を変動させた光信号を出力する。また、受信装置の強度信号復調部は、送信装置の光増幅部が出力する光信号を、強度復調方式によって復調する。これにより、本発明は、主情報を送信する波長とは別の波長を用いることなく、主情報以外の情報を送受信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態における光通信システムの構成を示した概略図である。
【図2】本実施形態における送信ノードの構成と受信ノードの構成とを示したブロック図である。
【図3】本実施形態における警報監視情報を強度変調方式で変調した光信号の出力レベルを示したグラフである。
【図4】本実施形態における主情報を位相変調方式で変調した光信号の出力レベルと位相状態とを示したグラフである。
【図5】本実施形態において、警報監視情報を強度変調方式で変調した光信号の出力レベルに応じて変動させた、主情報を位相変調方式で変調した光信号の出力レベルと位相状態とを示したグラフである。
【図6】本実施形態における送信ノードが警報監視情報と主情報とを送信する光信号の位相と出力レベルとを示したグラフである。
【図7】本実施形態における送信ノードが警報監視情報と主情報とを送信する光信号の位相と出力レベルとを示したグラフである。
【図8】本実施形態における送信ノードと受信ノードとの動作手順を示したフローチャートである。
【図9】本実施形態における送信ノードと受信ノードとの動作手順を示したフローチャートである。
【図10】従来の送信ノードの構成と受信ノードの構成を示した概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施形態における光通信システムの構成を示した概略図である。図示する例では、光通信システムは、ノード1〜4と、OpS(Operation Systems)サーバ5とを含んでいる。ノード1〜4は、主情報を送受信ならびに中継する光信号の中継を行う装置である。主情報は、送信元のノード1〜4から送信先のノード1〜4に送信する情報である。
【0018】
ノード3は、ノード2またはノード4に対して自装置の警報監視情報を送信する。警報監視情報(監視情報)は、ノード1〜4の動作状況(装置状態や警報など)を示す監視情報である。また、ノード2,4は、ノード1に対して自装置の警報監視情報とノード3の警報監視情報とを送信する。また、ノード1は、自装置の警報監視情報と、ノード2〜4の警報監視情報とをOpSサーバ5に送信する。OpSサーバ5は、ノード1から送信されるノード1〜4の警報監視情報を受信し、ノード1〜4の稼働状況や障害発生などを一元管理する装置である。
【0019】
ノード1は、ノード2,4と光ファイバ101,105によって接続されており、光信号を用いてノード2,4に対してデータを送信する。ノード2は、ノード1,3と光ファイバ108,102によって接続されており、光信号を用いてノード1,3に対してデータを送信する。ノード3は、ノード2,4と光ファイバ107,103によって接続されており、光信号を用いてノード2,4に対してデータを送信する。ノード4は、ノード1,3と光ファイバ104,106によって接続されており、光信号を用いてノード1,3に対してデータを送信する。また、ノード1とOpSサーバ5とは、DCN6(Data Comunication Network)によって、互いに情報の送受信を行う。
【0020】
次に、ノード1〜4の構成について説明する。以下、主情報と警報監視情報とを送信するノード1〜4を送信ノードとし、受信するノード1〜4を受信ノードとして説明する。ノード1〜4は、送信ノードと受信ノードとの両方の構成を備えている。例えば、ノード1がノード2に主情報と警報監視情報とを送信する場合、ノード1は送信ノードであり、ノード2は受信ノードである。また、ノード2がノード1に主情報と警報監視情報とを送信する場合、ノード2は送信ノードであり、ノード1は受信ノードである。
【0021】
図2は、本実施形態における送信ノード10の構成と受信ノード20の構成とを示したブロック図である。図示する例では、送信ノード10は、監視部300と、伝達情報受付部101と、伝達情報強度変調部102と、増幅利得調整部103と、光位相情報送信部104と、光波長多重部105と、光増幅部106とを備えている。
【0022】
監視部300は、自装置の監視および制御を行う。伝達情報受付部101は、受信ノード20に伝達する情報に、開始と終了を示す情報を付加する。伝達情報強度変調部102は、伝達する情報を強度変調方式で変調する。例えば、伝達信号を強度情報に変換する方法としては、伝達信号「1」を強度信号「強」とし、伝達信号「0」を強度信号「弱」とする。増幅利得調整部103は、入力された強度信号に基づいて、光増幅部106の利得を調整する。例えば、入力された強度信号が「強」の場合、増幅利得調整部103は、光増幅部106の利得を高く調整する。また、入力された強度信号が「弱」の場合、増幅利得調整部103は、光増幅部106の利得を低く調整する。光位相情報送信部104は、他のノードに送信する主情報を位相変調方式で変調する。光波長多重部105は、複数種類の波長の光信号を1つの光信号に多重化する。光増幅部106は、光信号の強度を増幅する。
【0023】
受信ノード20は、監視部300と、光信号分配部201と、受光素子202と、強度認識部203と、強度信号復調部204と、伝達情報検知部205と、増幅利得調整部206と、光増幅部207と、光波長分離部208と、光位相情報受信部209とを備えている。
【0024】
光信号分配部201は、送信ノード10から送信される光信号を2つに分配する。受光素子202は、光信号を電気信号に変換する。強度認識部203は、光信号の強度を認識する。強度信号復調部204は、強度信号を伝達された情報に復調する。伝達情報検知部205は、伝達された情報を検知する。増幅利得調整部206は、光増幅部207の利得を調整する。光増幅部207は、光信号を増幅する。光波長分離部208は、多重化されている光信号を複数種類の波長毎に分離する。光位相情報受信部209は、自装置宛に送信された情報を受信する。
【0025】
次に、本実施形態における警報監視情報の変調方式について説明する。本実施形態では、送信ノード10は、警報監視情報を強度変調方式で変調して受信ノード20に送信する。すなわち、送信ノード10は、光の強弱にて警報監視情報(デジタル情報)を送信する。図3は、本実施形態における警報監視情報を強度変調方式で変調した光信号の出力レベルを示したグラフである。図では、NRZ符号化方式にて情報を伝達する例を示しており、横軸は時間を示し、縦軸は出力レベルを示している。出力レベルが高い信号は「1」のbitを示し、出力レベルが低い信号は「0」のbitを示す。このグラフが示す警報監視情報は、「1010」である。
【0026】
次に、本実施形態における主情報の変調方式について説明する。本実施形態では、送信ノード10は、主情報を位相変調方式で変調して受信ノード20に送信する。図4は、本実施形態における主情報を位相変調方式で変調した光信号の出力レベルと位相状態とを示したグラフである。図示する例では、横軸は時間を示し、縦軸は出力レベルを示している。また、位相状態が「0」である信号は「0」のbitを示し、位相状態が「π」である信号は「1」のbitを示す。このグラフが示す主情報は、「0101101100」である。主情報を変調した光信号の出力レベルは一定である。なお、主情報の変調方式は、位相変調方式に限らず、強度変調以外の変調方式であればどのような変調方式を用いてもよい。
【0027】
次に、本実施形態における主情報と警報監視情報との送信方法について説明する。本実施形態では、主情報を位相変調方式(強度変調方式以外の変調方式)で変調しているため、主情報を変調した光信号の出力レベルが変動しても主情報が表す情報は変化しない。そこで、本実施形態では、送信ノード10は、主情報を変調した光信号の出力レベルを変動させて、警報監視情報を送信する。これにより、送信ノード10は、主情報を送信するための波長とは別の波長を用いることなく、警報監視情報を送信することができる。
【0028】
図5は、本実施形態において、警報監視情報を強度変調方式で変調した光信号の出力レベルに応じて変動させた、主情報を位相変調方式で変調した光信号の出力レベルと位相状態とを示したグラフである。図示する例では、横軸は時間を示し、縦軸は出力レベルを示している。また、位相状態が「0」である信号は「0」のbitを示し、位相状態が「π」である信号は「1」のbitを示す。このグラフの主情報は、「0101101100」である。
【0029】
また、主情報を変調した光信号の出力レベルは、警報監視情報を変調した光信号の出力レベルに応じて変動している。主情報を変調した光信号の出力レベルが閾値以上である信号は「1」のbitを示し、主情報を変調した光信号の出力レベルが閾値未満である信号は「0」のbitを示す。閾値は、光信号の出力レベルの高い値と低い値の平均値(中間の値)など、主情報を変調した光信号の出力レベルの高低を判定することができる値である。図示するグラフの警報監視情報は、「1010」である。なお、主情報を変調した光信号の出力レベルの変動範囲は、出力レベルの高低を判定できる範囲であればよい。
【0030】
次に、警報監視情報の具体例について説明する。本実施形態では、警報監視情報の開始を示す信号(スタートビット)は、「0101001」である。また、警報監視情報の終了を示す信号(エンドビット)は、「0011010」である。受信ノード20が、主情報を送信する光信号の出力レベルの変動は警報監視情報を強度変調した変動と自然レベル変動とのどちらであるかを識別するために、送信ノード10はスタートビットとエンドビットとを付加する。
【0031】
図6、図7は、本実施形態における送信ノード10が警報監視情報と主情報とを送信する光信号の位相と出力レベルとを示したグラフである。図示する例では、横軸は時間を示し、縦軸は出力レベルを示している。位相状態が「0」である信号は「0」のbitを示し、位相状態が「π」である信号は「1」のbitを示す。出力レベルが閾値以上である信号は「1」のbitを示し、出力レベルが閾値未満である信号は「0」のbitを示す。図6および図7において、符号(a)が主情報を示しており、符号(b)が警報監視情報を示している。
【0032】
なお、図6に示した例では、主情報を3ビット送信する毎に、警報監視情報を1ビット送信しているが、それぞれ独立した情報であるため、同期する必要はない。例えば、図7に示すように、主情報を送信するタイミングと警報監視情報を送信するタイミングとが異なるタイミングでもよい。
【0033】
なお、図4〜図7では、主情報を変調した光信号が1波長の場合を例としているが、実際は、主情報を強度変調方式以外の方式で変調した光信号が波長多重されている。
【0034】
次に、本実施形態におけるノード1〜4間での主情報と警報監視情報との送信方法について説明する。図8、図9は、本実施形態における送信ノード10と受信ノード20との動作手順を示したフローチャートである。ステップS101〜ステップS109の処理と、ステップS122〜ステップS126の処理とは、送信ノード10が行う処理である。また、ステップS110〜ステップS121の処理は、受信ノード20が行う処理である。
【0035】
(ステップS101)送信ノード10が備える各部は、自身の障害状態や制御情報などを含む警報監視情報を監視部300に入力する。その後、ステップS102の処理に進む。
(ステップS102)送信ノード10の監視部300は、送信ノード10が備える各部から入力された警報監視情報を記憶部に記憶する。また、監視部300は、入力された警報監視情報に基づいて自装置の動作状況を監視する。その後、ステップS103の処理に進む。
【0036】
(ステップS103)送信ノード10の監視部300は、ステップS102で記憶部に記憶した警報監視情報のうち、受信ノード20に送信する警報監視情報を抽出する。その後、ステップS104の処理に進む。抽出する方法としては、例えば、受信ノード20に送信する条件を予め定めておき、この条件に合致した警報監視情報を受信ノード20に送信する警報監視情報として抽出する。なお、受信ノード20に送信する警報監視情報を抽出する方法はどのような方法でもよい。
【0037】
(ステップS104)送信ノード10の監視部300は、主情報を送信する波長数が増加または減少するか否かを監視する。監視部300は、主情報を送信する波長数が増加または減少しない場合、伝達情報受付部101に、ステップS103で抽出した警報監視情報を入力する。監視部300は、主情報を送信する波長数が増加または減少する場合、主情報を送信する波長数が増加または減少するまで所定の時間(X秒)待機後、伝達情報受付部101に、ステップS103で抽出した警報監視情報を入力する。その後、ステップS105の処理に進む。OADM系装置では波長数に合わせて、光信号全体の出力レベルを調整する仕組みとなっている。よって、主情報を送信する光信号の出力レベルは波長数に合わせて変動する。そのため、主情報を送信する光信号の出力レベルが一定となるまで待機する。
【0038】
(ステップS105)送信ノード10の伝達情報受付部101は、入力された警報監視情報に、スタートビットとエンドビットとを付加する。その後、ステップS106の処理に進む。
(ステップS106)送信ノード10の伝達情報受付部101は、ステップS105で警報監視情報の開始を示す信号と警報監視情報の終了を示す信号とを付加した警報監視情報をデジタル信号に変換する。伝達情報受付部101は、デジタル信号を伝達情報強度変調部102に入力する。その後、ステップS107の処理に進む。
【0039】
(ステップS107)送信ノード10の伝達情報強度変調部102は、ステップS106で入力されたデジタル信号を変調して強度情報に変換し、増幅利得調整部103に入力する。その後、ステップS108の処理に進む。
【0040】
(ステップS108)送信ノード10の増幅利得調整部103は、入力された強度信号に基づいて、光増幅部106の利得を調整する。その後、ステップS109の処理に進む。
【0041】
(ステップS109)送信ノード10の光増幅部106は、波長によって多重化された主情報を変調した光信号の強度を増幅利得調整部103の調整に基づいて変化させ、この光信号を受信ノード20に送信する。このとき光増幅部106が送信する光信号は、例えば、図5〜図7に示した信号である。その後、ステップS110の処理に進む。
【0042】
(ステップS110)受信ノード20の光信号分配部201は、送信ノード10の光増幅部106から受信した光信号を、「主情報を受信するための光信号」と、「警報監視情報を受信するための光信号」とに分配する。また、光信号分配部201は、「主情報を受信するための光信号」を受光素子202に入力し、「警報監視情報を受信するための光信号」を光増幅部207に入力する。その後、ステップS111とステップS113の処理を行う。なお、「主情報を受信するための光信号」と「警報監視情報を受信するための光信号」とは、送信ノード10の光増幅部106から受信した光信号を単純に2分配した信号であり、同一の情報を含む光信号である。
【0043】
(ステップS111)受信ノード20の光増幅部207は、「主情報を受信するための光信号」を受信する。その後、ステップS112の処理に進む。
(ステップS112)受信ノード20の光増幅部207は、受信した「主情報を受信するための光信号」を増幅し、増幅した「主情報を受信するための光信号」を光波長分離部208に入力する。このとき、増幅利得調整部206は、出力信号強度の変動・強度が一定になるように光増幅部207の利得を調整し、送信ノードが変化させた光信号の強度を一定にする。これにより、送信ノード10から光信号の強弱により送信された警報監視情報を消去することができる。なお、強度が一定に調整された光信号は、従来の処理と同様に処理される。具体的には、強度が一定に調整された光信号は、光波長分離部208で波長毎に分離される。波長毎に分離された光信号のうち、受信ノード20宛に送信される波長の光信号は、光位相情報受信部209に入力され、その他の波長の光信号は、光波長多重部に入力される。
【0044】
(ステップS113)受信ノード20の受光素子201は、「警報監視情報を受信するための光信号」を受信する。受信できた場合はステップS114の処理に進み、受信できなかった場合はステップS122の処理に進む。
(ステップS114)受信ノード20の受光素子201は、「警報監視情報を受信するための光信号」の強度情報を電気信号に変換し、強度認識部203と強度信号復調部204とに入力する。その後、ステップS115とステップS116の処理を行う。
【0045】
(ステップS115)受信ノード20の強度認識部203は、電気信号の強度を認識する。強度認識部203が認識した電気信号の強度は、送信ノード10の光増幅部106が増幅した光信号の強度を示す。
(ステップS116)受信ノード20の強度信号復調部204に、「警報監視情報を受信するための光信号」の強度情報を示す電気信号が入力される。強度信号復調部204に、「警報監視情報を受信するための光信号」の強度情報を示す電気信号が入力された場合はステップS117の処理に進み、入力されなかった場合はステップS122の処理に進む。
【0046】
(ステップS117)受信ノード20の強度信号復調部204は、「警報監視情報を受信するための光信号」の強度情報を示す電気信号をデジタル情報に復調し、伝達情報検知部205に入力する
(ステップS118)受信ノード20の伝達情報検知部205に、「警報監視情報を受信するための光信号」の強度情報を示す電気信号を復調したデジタル情報が入力される。伝達情報検知部205に、デジタル情報が入力された場合はステップS119の処理に進み、入力されなかった場合はステップS122の処理に進む。
【0047】
(ステップS119)受信ノード20の伝達情報検知部205は、デジタル信号から警報監視情報を抽出し、監視部に入力する。その後、ステップS120の処理に進む。
(ステップS120)受信ノード20の監視部300は、入力された警報監視情報により、送信ノード10の情報を認識する。その後、ステップS121の処理に進む。
【0048】
(ステップS121)受信ノード20の監視部300は、警報監視情報を受信したことを通知する受信完了情報を送信ノード10に送信する。その後、ステップS122の処理に進む。なお、受信ノード20の監視部300から送信ノード10に受信完了情報を送信する方法はどのような方法でもよい。例えば、図1に示したとおり、各ノード間にはデータを送信するための光ファイバと、データを受信するための光ファイバとが設けられているため、受信ノード20の監視部300は、データを送信するための光ファイバを用いる通信方法で送信ノード10に受信完了情報を送信する。
【0049】
(ステップS122)送信ノード10の監視部300は、警報監視情報を受信ノード20に送信後、所定の時間内(y秒以内)に、受信ノード20から受信完了情報を受信したか否かを判定する。送信ノード10の監視部300は、警報監視情報を受信ノード20に送信後、所定の時間内に、受信ノード20から受信完了情報を受信した場合、処理を正常終了し、受信していない場合、ステップS123の処理に進む。
【0050】
(ステップS123)送信ノード10の監視部300は、警報監視情報を受信ノード20に送信後、所定の時間(y秒)が経過するまで処理を待機する。所定の時間が経過した後、ステップS124の処理に進む。
(ステップS124)送信ノード10の監視部300は、警報監視情報を送信した回数をカウントする(1つ増加させる)。その後、ステップS125の処理に進む。
【0051】
(ステップS125)送信ノード10の監視部300は、警報監視情報の送信回数が所定の回数(z回)以上であるか否かを判定する。送信ノード10の監視部300は、警報監視情報の送信回数が所定の回数以上であると判定した場合にはステップS126の処理に進み、所定の回数より少ないと判定した場合にはステップS104の処理に戻る。なお、ステップS104の処理に戻り、ステップS104以降の処理を再度実行することで、送信ノード10の監視部300は、再度警報監視情報を受信ノード20に送信する。
【0052】
(ステップS126)送信ノード10の監視部300は、受信ノード20に警報監視情報を送信することができないことを示す情報を、送信ノード10に対してデータを送信する他のノードに送信する。その後、保守者が以上を認識し、処理を終了する。
【0053】
上述したとおり、本実施形態では、主情報を送信するための波長の光信号(主情報伝送用波長の光信号)は、強度変調方式以外の方式(例えば、位相変調方式)で変調された光信号であるため、光信号の出力レベルの変化は主情報に依存しない。そこで、送信ノード10の伝達情報強度変調部102は、警報監視情報を強度変調方式で変調し、増幅利得調整部103は、伝達情報強度変調部102が変調した強度情報に基づいて、主情報伝送用波長の光信号の出力レベルを変動させることにより、受信ノード20に警報監視情報を送信する。
【0054】
また、受信ノード20の光信号分配部201は、受信した主情報伝送用波長の光信号を「主情報を受信するための光信号」と、「警報監視情報を受信するための光信号」とに分配する。そして、受信ノード20の受光素子201は、「警報監視情報を受信するための光信号」の強度情報を電気信号に変換し、強度信号復調部204は、電気信号を警報監視情報に復調する。これにより、警報監視情報を送信するための波長の光信号(警報監視情報伝送用波長の光信号)が必要なくなる。
【0055】
従って、送信ノード10の構成要素として、警報監視情報伝送用波長の光信号を生成するレーザダイオードが不要となるため、省電力化を実現できる。また、送信ノード10の構成要素として、警報監視情報伝送用波長の光信号を主情報伝送用波長の光信号と合波する光波長合波部が不要となるため、主情報伝送用波長の光信号の損失が減少して品質が向上し、主情報伝送用波長の光信号の長距離伝送が可能となる。また、受信ノード20の構成要素として、警報監視情報伝送用波長の光信号を電気信号に変換するための受光素子が不要となるため、省電力化を実現できる。また、受信ノード20の構成要素として、警報監視情報伝送用波長の光信号と主情報伝送用波長の光信号とを分波する光信号分波部が不要となるため、主情報伝送用波長の光信号の損失が減少して品質が向上し、主情報伝送用波長の光信号の長距離伝送が可能となる。
【0056】
なお、上述した実施形態における光通信システムが備える各装置を構成する各部の機能全体あるいはその一部は、これらの機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0057】
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶部のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時刻の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時刻プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0058】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。例えは、本実施形態では、警報監視情報を送受信する例を用いて説明したが、他の情報を送受信するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0059】
1〜4・・・ノード、5・・・OpSサーバ、6・・・DCN、10・・・送信ノード、20・・・受信ノード、101・・・伝達情報受付部、102・・・伝達情報強度変調部、103・・・増幅利得調整部、104・・・光位相情報送信部、105・・・光波長多重部、106・・・光増幅部、201・・・光信号分配部、202・・・受光素子、203・・・強度認識部、204・・・強度信号復調部、205・・・伝達情報検知部、206・・・増幅利得調整部、207・・・光増幅部、208・・・光波長分離部、209・・・光位相情報受信部、300・・・監視部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信装置と受信装置とを備えた通信システムであって、
前記送信装置は、
前記通信システム上のいずれかの送信装置の動作状況を示す監視情報を強度変調方式によって強度情報に変調する強度変調部と、
前記送信装置から前記受信装置に送信される光信号である主情報が強度に依存しない変調方式で変調された主情報の光信号の強度を、前記強度変調部が変調した前記強度情報に基づいて変動させ、当該強度を変動させた光信号を出力する光増幅部と、
を備え、
前記受信装置は、
前記送信装置の光増幅部が出力する前記光信号を、強度復調方式によって復調する強度信号復調部
を備えたことを特徴とする通信システム。
【請求項2】
送信装置と受信装置とを備えた通信システムの送信装置であって、
前記通信システム上のいずれかの送信装置の動作状況を示す監視情報を強度変調方式によって強度情報に変調する強度変調部と、
前記送信装置から前記受信装置に送信される光信号である主情報が強度に依存しない変調方式で変調された主情報の光信号の強度を、前記強度変調部が変調した前記強度情報に基づいて変動させ、当該強度を変動させた光信号を出力する光増幅部と、
を備えたことを特徴とする送信装置。
【請求項3】
送信装置と受信装置とを備えた通信システムの受信装置であって、
前記通信システム上のいずれかの送信装置の動作状況を示す監視情報が強度変調方式によって変調された強度情報に基づいて強度が変動された光信号であり前記送信装置から前記受信装置に送信される光信号である主情報が強度に依存しない変調方式で変調された主情報の光信号を、強度復調方式で復調する強度信号復調部
を備えたことを特徴とする受信装置。
【請求項4】
前記主情報の光信号を2つに分配する光信号分配部と、
前記分配部が分配する前記主情報の光信号のうち、一方の前記主情報の光信号の強度が一定となるように、当該主情報の光信号の強度を変動させる光増幅部と、
を備え、
前記強度信号復調部は、前記光信号分配部が分配する他方の前記主情報の光信号を、前記強度復調方式で復調する
ことを特徴とする請求項3に記載の受信装置。
【請求項1】
送信装置と受信装置とを備えた通信システムであって、
前記送信装置は、
前記通信システム上のいずれかの送信装置の動作状況を示す監視情報を強度変調方式によって強度情報に変調する強度変調部と、
前記送信装置から前記受信装置に送信される光信号である主情報が強度に依存しない変調方式で変調された主情報の光信号の強度を、前記強度変調部が変調した前記強度情報に基づいて変動させ、当該強度を変動させた光信号を出力する光増幅部と、
を備え、
前記受信装置は、
前記送信装置の光増幅部が出力する前記光信号を、強度復調方式によって復調する強度信号復調部
を備えたことを特徴とする通信システム。
【請求項2】
送信装置と受信装置とを備えた通信システムの送信装置であって、
前記通信システム上のいずれかの送信装置の動作状況を示す監視情報を強度変調方式によって強度情報に変調する強度変調部と、
前記送信装置から前記受信装置に送信される光信号である主情報が強度に依存しない変調方式で変調された主情報の光信号の強度を、前記強度変調部が変調した前記強度情報に基づいて変動させ、当該強度を変動させた光信号を出力する光増幅部と、
を備えたことを特徴とする送信装置。
【請求項3】
送信装置と受信装置とを備えた通信システムの受信装置であって、
前記通信システム上のいずれかの送信装置の動作状況を示す監視情報が強度変調方式によって変調された強度情報に基づいて強度が変動された光信号であり前記送信装置から前記受信装置に送信される光信号である主情報が強度に依存しない変調方式で変調された主情報の光信号を、強度復調方式で復調する強度信号復調部
を備えたことを特徴とする受信装置。
【請求項4】
前記主情報の光信号を2つに分配する光信号分配部と、
前記分配部が分配する前記主情報の光信号のうち、一方の前記主情報の光信号の強度が一定となるように、当該主情報の光信号の強度を変動させる光増幅部と、
を備え、
前記強度信号復調部は、前記光信号分配部が分配する他方の前記主情報の光信号を、前記強度復調方式で復調する
ことを特徴とする請求項3に記載の受信装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2011−146863(P2011−146863A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−5033(P2010−5033)
【出願日】平成22年1月13日(2010.1.13)
【出願人】(399041158)西日本電信電話株式会社 (215)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月13日(2010.1.13)
【出願人】(399041158)西日本電信電話株式会社 (215)
【Fターム(参考)】
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