通信システム及び通信装置
【課題】省電力化及びリンクの正常性確認を両立する。
【解決手段】対向して配置された第1の通信装置と第2の通信装置とを備える通信システムであって、前記第1の通信装置の制御部は、前記第2の通信装置へ第1の同期情報を送信し、前記送信した第1の同期情報に含まれる電源の制御タイミングの情報を管理テーブルに記録し、前記電源オフの制御タイミングになると、前記第1の通信装置の予備系のポートの動作を停止し、前記電源オンの制御タイミングになると、前記第1の通信装置の予備系のポートの動作を再開し、前記第2の通信装置の制御部は、前記受信した第1の同期情報に含まれる電源の制御タイミングの情報を管理テーブルに記録し、前記電源オフの制御タイミングになると、前記第2の通信装置の予備系のポートの動作を停止し、前記電源オンの制御タイミングになると、前記第2の通信装置の予備系のポートの動作を再開する。
【解決手段】対向して配置された第1の通信装置と第2の通信装置とを備える通信システムであって、前記第1の通信装置の制御部は、前記第2の通信装置へ第1の同期情報を送信し、前記送信した第1の同期情報に含まれる電源の制御タイミングの情報を管理テーブルに記録し、前記電源オフの制御タイミングになると、前記第1の通信装置の予備系のポートの動作を停止し、前記電源オンの制御タイミングになると、前記第1の通信装置の予備系のポートの動作を再開し、前記第2の通信装置の制御部は、前記受信した第1の同期情報に含まれる電源の制御タイミングの情報を管理テーブルに記録し、前記電源オフの制御タイミングになると、前記第2の通信装置の予備系のポートの動作を停止し、前記電源オンの制御タイミングになると、前記第2の通信装置の予備系のポートの動作を再開する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対向装置にパケットを転送するパケット転送装置に関し、特に、予備系の省電力化技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、通信トラフィックの増加によって、データセンタに設置されるネットワーク機器の台数、及び一台あたりの消費電力量が増加しており、消費電力削減は世界的な課題となっている。
【0003】
一方、データセンタで使用されるネットワーク機器には高信頼性が要求されている。高信頼化技術の一つとして、イーサネット回線(「イーサネット」は登録商標。以下同じ。)による現用系/予備系による二重化技術が採用されている。二重化技術の一つであるホットスタンバイ方式では、予備(SBY)系は常時通電しており、現用(ACT)系に障害が発生したときに、速やかに予備系へ切り替えることによって、サービスを継続することができる。
【0004】
しかし、実質的なデータのやりとりがない場合にも、予備系を常時通電すると、消費電力の無駄が多いことが課題となる。
【0005】
この前述の課題を改善する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示されている技術によると、GMPLS(Generalized Multi-Protocol Label Switching)によって制御されるネットワークシステムにおいて、複数の装置を経由する現用系及び予備系のLSP(Label Switched Path)を冗長に構成し、予備系LSPの経路上の全てのインタフェースを省電力状態に設定するように、各LSPのインタフェースの節電能力を考慮して経路を設定する。そして、現用系LSPに障害が発生した場合、予備系LSP上の全てのインタフェースの省電力状態を解除し、通常状態とすることによってネットワークシステム全体での省電力化を実現している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−100442号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述した特許文献1に記載された技術は、予備系の回線終端部を省電力化し電源をOFFとするので、電源OFF以降、予備系における通信ができない。よって、回線終端部の電源OFF以降、予備系が故障し、更に現用系の障害によって現用系から予備系に切り替わった場合、システムがダウンする。すなわち、予備系の回線終端部の電源をOFFとすることによって、予備系の障害が潜在化する。
【0008】
本発明は、省電力化及びリンクの正常性確認が両立したパケット転送装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願において開示される発明の代表的な一例を示せば以下の通りである。すなわち、対向して配置された第1の通信装置と第2の通信装置とを備える通信システムであって、前記各通信装置は、各々が回線終端部を有する複数の送信ポート及び受信ポートと、前記各ポートの動作を制御する制御部と、を有し、前記送信ポート及び前記受信ポートは、各々、現用系のポートと予備系のポートとを含み、前記現用系の各ポートは、前記対向する通信装置の現用系のポートと接続されており、前記予備系の各ポートは、前記対向する通信装置の予備系のポートと接続されており、前記第1の通信装置の制御部は、前記第2の通信装置へ第1の同期情報を送信し、前記送信した第1の同期情報に含まれる電源の制御タイミングの情報を管理テーブルに記録し、前記電源オフの制御タイミングになると、前記第1の通信装置の予備系のポートの動作を停止し、前記電源オンの制御タイミングになると、前記第1の通信装置の予備系のポートの動作を再開し、前記第2の通信装置の制御部は、前記第1の通信装置から前記第1の同期情報を受信すると、前記受信した第1の同期情報に含まれる電源の制御タイミングの情報を管理テーブルに記録し、前記電源オフの制御タイミングになると、前記第2の通信装置の予備系のポートの動作を停止し、前記電源オンの制御タイミングになると、前記第2の通信装置の予備系のポートの動作を再開する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の代表的な実施の形態によれば、予備系の省電力化を図りつつ、高信頼性を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1の実施形態のパケット転送装置の構成を示すブロック図である。
【図2A】第1の実施形態のパケット転送装置1とパケット転送装置2との間でイーサネット回線による現用系/予備系によって構成された二重化通信路の例を示すブロック図である。
【図2B】第1の実施形態の現用系のパケット転送装置の回線終端部の電源状態と消費電力とを表した図である。
【図2C】第1の実施形態の予備系のパケット転送装置の回線終端部の電源状態と消費電力とを表した図である。
【図3】第1の実施形態のパケット転送装置によって転送される設定情報パケットの説明図である。
【図4】第1の実施形態のパケット転送装置によって転送される同期情報パケットの説明図である。
【図5】第1の実施形態の回線終端部管理テーブルの説明図である。
【図6】第1の実施形態の同期パケット管理テーブルの説明図である。
【図7】第1の実施形態のMACアドレス管理テーブルの説明図である。
【図8A】第1の実施の形態のパケット転送装置の間の動作を示すシーケンス図である。
【図8B】第1の実施の形態のパケット転送装置の間の動作を示すシーケンス図である。
【図9】第1の実施形態のパケット転送装置のデータ受信処理を示すフローチャートである。
【図10A】本発明の第2の実施形態のパケット転送装置の間でイーサネット回線による現用系/予備系によって構成された二重化通信路の例を示すブロック図である。
【図10B】第2の実施形態の現用系のパケット転送装置の回線終端部の電源状態と消費電力とを表した図である。
【図10C】第2の実施形態の予備系のパケット転送装置の回線終端部の電源状態と消費電力とを表した図である。
【図11】第2の実施の形態のパケット転送装置の間の動作を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
<実施形態1>
図1は、本発明の第1の実施形態のパケット転送装置1000の構成を示すブロック図である。
【0014】
パケット転送装置1000は、受信側回線終端部1〜n(10−1〜10−n)、送信側回線終端部1〜n(20−1〜20−n)、イーサネット処理部30、メモリ40、制御部50及びCPU60を備える。イーサネット処理部30は、ルーティング処理部30−1及びSW30−2を有する。メモリ40は、回線終端部管理テーブル40−1、同期パケット管理テーブル40−2及びMACアドレス管理テーブル40−3を格納する。
【0015】
受信側回線終端部1〜n(10−1〜10−n)及び送信側回線終端部1〜n(20−1〜20−n)は、物理層のプロトコルを制御する、いわゆるPHYチップを含む。
【0016】
以下、回線No.0を現用系として、受信側回線終端部1(10−1)がデータを受信した場合について説明する。通常のデータ処理では、パケット転送装置1000が受信したデータは、データを受信側回線終端部1(10−1)からイーサネット処理部30を経て回線No.0の送信側回線終端部1(20−1)へ送られる。すなわち、イーサネット処理部30内のルーティング処理部30−1が最適経路を選択し、SW30−2がデータを宛先アドレスへフォワーディングする。MACアドレスは、MACアドレス管理テーブル40−3によって管理される。CPU60は、メモリ40に格納されたプログラムを実行することによって、メモリ40に格納された各テーブルを更新する。
【0017】
また、予備系の回線終端部10及び20の電源をOFFにすることで省電力化する。省電力処理は、パケット転送装置1000が設定情報パケット10000を受信することによって実行される。以下、回線No.1を予備系として受信側回線終端部2(10−2)から設定情報パケット10000を受信した場合について説明する。
【0018】
パケット転送装置1000が設定情報パケット10000を受信すると、受信したパケット10000は、受信側回線終端部2(10−2)からイーサネット処理部30を経て回線No.1の送信側回線終端部2(20−2)へ送られる。
【0019】
イーサネット処理部30では、まず、設定情報パケット10000から対向装置の回線終端部のMACアドレスを、後述するMACアドレス管理テーブル40−3へ書き込む。なお、自装置の回線終端部のMACアドレスは既に設定されている。そこで、イーサネット処理部30は、自装置の回線終端部のMACアドレスと対向装置の回線終端部のMACアドレスとを比較し、大きいMACアドレスが設定された装置をマスタに、小さいMACアドレスが設定された装置をスレーブに設定する。次のステップにおける同期情報パケット20000の送信の主導権はマスタ側が持つことになる。
【0020】
次に、メモリ40内の同期パケット管理テーブル40−2の電源OFF開始時刻のフィールド40−2−cに、同期情報パケット20000の電源OFF開始時刻20000−8の情報を書き込む、制御部50は、この情報に基づいて受信側回線終端部2(10−2)及び送信側回線終端部2(20−1)の電源をOFFにする。
【0021】
しかし、予備系の回線終端部の電源をOFFにすると、電源OFF以降、予備系同士は通信できない。このため、回線終端部の電源OFF以降、予備系が故障し、更に現用系の障害によって現用系から予備系に切り替わった場合、システムがダウンする。すなわち、予備系回線終端部の障害を潜在化する。このため、予備系回線終端部の電源がOFFになっていても、予備系終端部の電源を一時的にONにして、予備系リンクの正常を確認し、予備系終端部の障害を潜在化させないようにする。
【0022】
具体的には、予備系回線終端部の電源OFF時の動作と同様に、後述するメモリ40の回線終端部管理テーブル40−1(図5参照)の電源OFF継続時間40−1−eのフィールドに、設定情報パケット10000に含まれる電源OFF継続時間10000−8を書き込み、電源ON継続時間40−1−fのフィールドに設定情報パケット10000の電源ON継続時間10000−9を書き込む。この電源OFF継続時間及び電源ON継続時間の情報に基づいて、制御部50は、受信側回線終端部2(10−2)及び送信側回線終端部2(20−2)の電源をOFF及びONに制御する。
【0023】
また、自装置の時刻と対向装置の時刻との間にずれが生じると、電源ON継続時間10000−9の情報が一致していても、リンク確認時間がずれることによって、リンク断が誤って検出される。この誤検出を防ぐために、回線終端部の電源ON時のリンク確立において、同期情報パケット20000によって同期情報をやりとりし、自装置の時刻と対向装置の時刻とを整合させる。これによって、自装置の時刻と対向装置の時刻との差を小さくすることができる。
【0024】
さらに、後述するMACアドレス管理テーブル40−3(図7参照)を参照して、自装置の回線終端部のMACアドレスと、対向装置の回線終端部のMACアドレスとを比較する。比較の結果、MACアドレスが大きい装置をマスタとして、マスタ側から同期情報パケット20000を送信する。なお、マスタ側装置は、時計のズレを防止するために、NTP(Network Time Protocol)等で時刻合わせをしてもよい。
【0025】
スレーブ側装置は、マスタ側装置から同期情報パケット20000を受信すると、受信した同期情報パケット20000から電源OFF開始時刻20000−8を抽出し、メモリ40内の同期パケット管理テーブル40−2(図8参照)の電源OFF開始時刻40−2−cのフィールドに書き込む。また、受信した同期情報パケット20000から電源ON開始時刻20000−9を抽出し、メモリ40内の同期パケット管理テーブル40−2の電源ON開始時刻40−2−bのフィールドに書き込む。
【0026】
制御部50は、同期パケット管理テーブル40−2の情報に基づいて、受信側回線終端部2(10−2)と送信側回線終端部2(20−2)の電源をON/OFFする時刻を同期させる。
【0027】
なお、本実施の形態では、パケット転送装置1000の省電力化について説明するが、本発明は、ネットワーク機器(サーバ、スイッチ、ルータ等)における予備系の省電力化にも適用することができる。
【0028】
図2Aは、第1の実施形態のパケット転送装置1(1000−1)とパケット転送装置2(1000−2)との間でイーサネット回線による現用系/予備系によって構成された二重化通信路の例を示すブロック図である。また、図2Bは、図2Aに示す現用系のパケット転送装置の回線終端部の電源状態及び消費電力を時間軸上に表した図であり、図2Cは、図2Aに示す予備系のパケット転送装置の回線終端部の電源状態及び消費電力を時間軸上に表した図である。
【0029】
図2Aに示す例では、現用系(ACT系)が回線No.0であり、予備系(STB系)が回線No.1である。また、図2Aに示す例では、現用系及び予備系の回線は、各々、上り下り1本ずつであるが、複数の現用系及び/又は予備系の回線が複数本であってもよい。
【0030】
現用系では、パケット転送装置1(1000−1)及びパケット転送装置2(1000−2)の各送信側回線終端部1(20−1)及び各受信側回線終端部1(10−1)は、電源がONの状態(S30)が維持される。データ受信時の際の電力消費の変動を考慮しない場合、回線終端部の消費電力は一定である(S31)。
【0031】
一方、予備系では、図1で前述したようにパケット転送装置1(1000−1)及びパケット転送装置2(1000−2)の予備系の各送信側回線終端部2(20−2)及び各受信側回線終端部2(10−2)の電源をOFFに制御することによって、平均消費電力を削減し、さらに、予備系の各終端部の電源を定期的にONにすることによって、リンクの正常を確認する。
【0032】
制御部50は、後述する回線終端部管理テーブル40−1(図5参照)を参照し、電源OFF継続時間が5秒であり、電源ON継続時間が2秒であることから、予備系の回線終端部の電源を2秒間ONにし(S33)、5秒間OFFにすること(S32)を繰り返す。このように、予備系の回線終端部の電源のON/OFFを定期的に制御することによって、平均消費電力を下げることができる。すなわち、予備系の平均消費電力は、現用系の平均消費電力に比べて、予備系の回線終端部の電源を2秒/5秒の継続時間でON/OFFすることから、原理的に、消費電力を5/7削減することができる(S34)。
【0033】
図3は、第1の実施形態のパケット転送装置によって転送される設定情報パケット10000の説明図である。
【0034】
設定情報パケット10000は、UDPに従って転送されるパケットであって、イーサネットヘッダ及びイーサネットデータを含む。
【0035】
イーサネットヘッダは、宛先MACアドレス10000−1、送信元MACアドレス10000−2及びタイプ10000−3の各フィールドを含む。イーサネットデータは、IPヘッダ10000−4、UDPヘッダ10000−5、識別子10000−6、メッセージ種別10000−7、電源OFF継続時間10000−8、電源ON継続時間10000−9、同期パケットの再送回数10000−10及びタイムスタンプ10000−11の各フィールドを含む。
【0036】
図1で前述したように、パケット転送装置1000が設定情報パケット10000を受信することによって、回線終端部10及び20の電源のON/OFF制御を開始し、受信したパケット転送装置1000に含まれるデータを後述する回線終端部管理テーブル40−1(図5参照)に書き込む。制御部50は、回線終端部管理テーブル40−1に記録された情報によって、回線終端部の電源ON/OFFを制御する。なお、設定情報パケット10000の受信によって、パケット転送装置1000の回線終端部の電源のON/OFFの制御が開始するが、この制御を開始するための設定は、手動でも可能である。
【0037】
具体的には、宛先MACアドレス10000−1は設定情報パケット10000の受信側のパケット転送装置1000のアドレスであり、送信元MACアドレス10000−2は、設定情報パケット10000の送信側のパケット転送装置1000のアドレスである。各回線番号の回線終端部の宛先MACアドレス10000−1と、送信元MACアドレス10000−2とを比較して、大きいMACアドレスが設定された装置に、後述する自装置と対向装置の同期情報パケット20000の送信権が設定される。タイプ10000−3はIPであるので、0800(16進数)となる。識別子10000−6は受信したパケットを判別するためのデータで、設定情報パケットでは「1」が、同期情報パケットでは「2」が設定される。
【0038】
送信側のパケット転送装置1000は、Requestパケットの確認応答であるACKパケットを受信した後に、次のデータを送信する。このメッセージ種別を判別するために、設定情報パケット10000のメッセージ種別10000−7のデータを用いる。メッセージ種別10000−7には、Requestパケットでは「1」が、Ackパケットでは「2」が設定される。
【0039】
タイムスタンプ10000−11は、マスタ側のパケット転送装置1000が設定情報パケット10000を送信した時刻である。制御部50が回線終端部の電源をOFFする継続時間(例えば、5秒)は、電源OFF継続時間10000−8に記載された値である。一方、制御部50が回線終端部の電源をONする継続時間(例えば、2秒)は、電源ON継続時間10000−9に記載された値である。
【0040】
送信側のパケット転送装置1000は、所定の時間が経過しても確認応答を受信しなかった場合、同期情報パケット20000を再送する。設定情報パケット10000の同期情報パケットの再送回数10000−10は、後述する同期情報パケット20000(図4参照)の再送回数の上限値を設定するために用いられる。なお、この設定値を超えて同期情報パケット20000を再送する際にタイムアウトとなる。
【0041】
図4は、第1の実施形態のパケット転送装置によって転送される同期情報パケット20000の説明図である。
【0042】
同期情報パケット20000は、UDPに従って転送されるパケットであって、イーサネットヘッダ及びイーサネットデータに分けられる。
【0043】
イーサネットヘッダは、宛先MACアドレス20000−1、送信元MACアドレス20000−2及びタイプ20000−3の各フィールドを含む。イーサネットデータは、IPヘッダ20000−4、UDPヘッダ20000−5、識別子20000−6、メッセージ種別20000−7、電源OFF開始時刻20000−8、電源ON開始時刻20000−9、同期パケットの再送回数(カウンタ)20000−10及びタイムスタンプ20000−11の各フィールドを含む。
【0044】
図1で前述したように、自装置の時刻と対向装置の時刻とがずれると、電源ON継続時間10000−9の情報が一致していても、リンク確認時間がずれることによって、リンク断が誤って検出される。この誤検出を防ぐために、回線終端部の電源ON時のリンク確立において、同期情報パケット20000によって同期情報をやりとりし、自装置の時刻と対向装置の時刻とを整合させる。
【0045】
具体的には、宛先MACアドレス20000−1は同期情報パケット20000の受信側のパケット転送装置1000のアドレスであり、送信元MACアドレス20000−2は、同期情報パケット20000の送信側のパケット転送装置1000のアドレスである。タイプ20000−3はIPであるので、0800(16進数)となる。識別子20000−6は受信したパケットを判別するためのデータで、設定情報パケットでは「1」が、同期情報パケットでは「2」が設定される。
【0046】
送信側のパケット転送装置1000は、Requestパケットの確認応答であるACKパケットを受信した後に、次のデータを送信する。このメッセージ種別を判別するために、同期情報パケット20000のメッセージ種別20000−7のデータを用いる。メッセージ種別20000−7には、Requestパケットでは「1」が、Ackパケットでは「2」が設定される。
【0047】
タイムスタンプ20000−11は、マスタ側のパケット転送装置1000が同期情報パケット20000を送信した時刻である。制御部50が回線終端部の電源をOFFする時刻(例えば、2010:9:1 22:15:00)は、電源OFF開始時刻20000−8に記載された値である。一方、回線終端部の電源をONする時刻(例えば、2010:9:1 22:15:05)は、電源ON開始時間20000−9に記載された値である。
【0048】
ある時間が経過しても確認応答が来なかった場合、送信側のパケット転送装置1000は、同期情報パケット20000を再送信する。設定情報パケット10000の同期情報パケットの再送回数10000−10には、後述する同期情報パケット20000(図4参照)の再送回数の上限値を設定するために用いられる。なお、この設定値を超えて同期情報パケット20000を再送する際にタイムアウトとなる。
【0049】
送信側のパケット転送装置1000は、所定の時間が経過しても確認応答が来なかった場合、同期情報パケット20000を再送する。この時、送信側のパケット転送装置1000は、同期情報パケット20000の再送回数をカウントアップし、同期情報パケットの再送回数20000−10に設定する。図3で前述した設定情報パケット10000の同期情報パケットの再送回数10000−10の設定値を超えて同期情報パケット20000を再送する際にタイムアウトとなる。
【0050】
図5は、第1の実施形態の回線終端部管理テーブル40−1の一例を説明する図である。
【0051】
回線終端部管理テーブル40−1は、主に、設定情報パケット10000に含まれる情報を管理するテーブルで、回線番号40−1−a、送信時刻(Request)40−1−b、受信時刻(Ask)40−1−c、遅延時間40−1−d、電源OFF継続時間40−1−e、電源ON継続時間40−1−f及び再送継続時間40−1−gを含む。回線終端部管理テーブル40−1は、前述した設定情報パケット10000を受信する度に更新される。制御部50は、回線終端部管理テーブル40−1の電源OFF継続時間40−1−e及び電源ON継続時間40−1−fに記録された情報によって、回線終端部10、20の電源のON/OFFを制御する。
【0052】
具体的には、マスタ側のパケット転送装置1000が送信した設定情報パケット(Request)10000に含まれるタイムスタンプ10000−11の時刻が送信時刻(Request)40−1−bのフィールドに設定され、その応答としてパケット転送装置1000から送信される設定情報パケット(Ack)10000に含まれるタイムスタンプ10000−11の時刻が受信時刻(Ack)40−1−cのフィールドに設定される。例えば、回線No.1では、送信時刻に2010:9:1 22:10:05が設定され、受信時刻に2010:9:1 22:10:06が設定される。
【0053】
設定情報パケット(Request)と設定情報パケット(Ack)との遅延時間が遅延時間40−1−dのフィールドに設定され、その遅延時間から算出された再送間隔時間が再送間隔時間40−1−gのフィールドに設定される。この設定情報パケット10000のやりとりにおいて、RequestとAckのメッセージの遅延時間を利用することによって、同期情報パケット20000の再送間隔時間を算出し、通信品質を定める。算出された再送間隔によって、通信品質に合わせて同期情報パケット20000を再送することができ、高精度の時刻同期処理を実現することができる。
【0054】
さらに、設定情報パケット10000に含まれる電源OFF継続時間10000−8が電源OFF継続時間40−1−eのフィールドに設定され、電源ON継続時間10000−9が電源ON継続時間40−1−fのフィールドに設定される。
【0055】
図6は、第1の実施形態の同期パケット管理テーブル40−2の一例を説明する図である。
【0056】
同期パケット管理テーブル40−2は、主に、同期情報パケット20000に含まれる情報を管理するテーブルで、回線番号40−2−a、電源ON開始時刻40−2−b、電源OFF開始時刻40−2−c、再送回数(設定回数)40−2−d及び再送回数のカウント値40−2−eを含む。設定情報パケット10000及び同期情報パケット20000を受信した場合に、パケット管理テーブル40−2が更新される。
【0057】
図1で前述したように、自装置の時刻と対向装置の時刻とがずれると、電源ON継続時間10000−9の情報が一致していても、リンク確認時間がずれることによって、リンク断が誤って検出される。この誤検出を防ぐために、回線終端部の電源ON時のリンク確立において、同期情報パケット20000によって同期情報をやりとりし、自装置の時刻と対向装置の時刻とを整合させる。
【0058】
具体的には、マスタ側のパケット転送装置1000が送信した同期情報パケット(Request)20000に含まれる電源ON開始時刻20000−9の時刻が電源ON開始時刻40−2−bのフィールドに設定され、電源OFF開始時刻20000−8の時刻が電源OFF開始時刻40−2−cのフィールドに設定される。例えば、回線No.1では、電源ON開始時刻に2010:9:1 22:15:00が設定され、電源OFF開始時刻に2010:9:1 22:15:02が設定される。
【0059】
パケット転送装置1000は、設定情報パケット10000を受信すると、同期パケット再送回数10000−10を同期情報パケットの再送回数(設定回数)40−2−cのフィールドに設定する。また、同期情報パケット20000の再送回数のカウント値が、再送回数(カウント数)40−2−dのフィールドに設定される。再送回数(カウント数)40−2−cが再総回数(設定回数)40−2−dを超えて同期情報パケット20000を再送する際にタイムアウトとなる。
【0060】
図7は、第1の実施形態のMACアドレス管理テーブル40−3の一例を説明する図である。
【0061】
MACアドレス管理テーブル40−3は、自装置のMACアドレスと対向装置のMACアドレスとを管理することによって、同期情報パケットの送信権(マスタ又はスレーブ)を管理する。
【0062】
MACアドレス管理テーブル40−3は、回線番号40−3−a、マスタ側の装置のMACアドレス40−3−b及びスレーブ側の装置のMACアドレス40−3−cを含む。
【0063】
具体的には、本実施の形態では、設定情報パケット10000の宛先MACアドレス10000−1又は送信元MACアドレス10000−2のうち、MACアドレスが大きい装置のMACアドレスがマスタ40−3−bに設定され、他方の装置のMACアドレスがスレーブ40−3−cに設定される。マスタ側の装置には同期情報パケット20000の送信権が設定される。
【0064】
図8A、図8Bは、第1の実施の形態のパケット転送装置1(1000−1)とパケット転送装置2(1000−2)との間の、制御部50及び回線終端部(受信側及び送信側を含む)の動作を示すシーケンス図である。
【0065】
図8Aに示す動作において、設定情報パケット10000によって設定される電源OFF継続時間40−1−eは5秒で、電源ON継続時間40−1−fは2秒である。
【0066】
パケット転送装置1(1000−1)は、設定情報パケット(Request)10000をパケット転送装置2(1000−2)へ送信する(S50)。パケット転送装置2(1000−2)は、この設定情報パケット10000に含まれる情報を、メモリ40に格納されているの回線終端部管理テーブル40−1に書き込む(S51)。
【0067】
また、自装置の回線終端部のMACアドレスと対向装置の回線終端部のMACアドレスとを比較して、大きいMACアドレスが設定された装置をマスタとし、小さいMACアドレスが設定された装置をスレーブとする(S52)。そして、両MACアドレスを、MACアドレス管理テーブル40−3へ書き込む。
【0068】
その後、パケット転送装置2(1000−2)は、設定情報パケット(Ack)10000を送信する(S53)。この設定情報パケット(Ack)10000に含まれる情報が、パケット転送装置1(1000−1)のメモリ40に格納されている回線終端部管理テーブル40−1に書き込まれる(S54)。
【0069】
次に、パケット転送装置1(1000−1)は、自装置の時刻と対向装置の時刻とがずれないように、同期情報パケット(Request)20000を送信する(S55)。同期情報パケット20000の送信権は、MACアドレス管理テーブル40−3のマスタ40−3−bに登録されているMACアドレスが割り当てられている装置が保有する(図8Aでは、パケット転送装置1がマスタである)。
【0070】
パケット転送装置2(1000−2)は、受信した同期情報パケット(Request)20000に含まれる情報をメモリ40に格納されている同期パケット管理テーブル40−2に書き込む(S56)。そして、制御部50は、回線終端部の電源のOFFを指示する(S57)。さらに、パケット転送装置2(1000−2)は、同期情報パケット(Ack)20000を送信する(S58)。
【0071】
パケット転送装置1(1000−1)は、受信した同期情報パケット(Ack)20000に含まれる情報をメモリ40に格納されている同期パケット管理テーブル40−2に書き込む(S59)。そして、制御部50は、回線終端部の電源のOFFを指示する(S60)。
【0072】
回線終端部の電源のOFFを指示した結果、パケット転送装置1(1000−1)の回線終端部とパケット転送装置2(1000−2)の回線終端部との電源がOFFとなる。回線終端部管理テーブル40−1の電源OFF継続時間40−1−eのフィールドには5秒が設定されているので、電源OFF後5秒が経過すると、パケット転送装置2(1000−2)の制御部50は、回線終端部の電源のONを指示し(S61)、パケット転送装置1(1000−1)の制御部50は、回線終端部の電源のONを指示する(S62)。回線終端部の電源のONを指示した結果、パケット転送装置1(1000−1)の回線終端部とパケット転送装置2(1000−2)の回線終端部との電源がONとなる。
【0073】
回線終端部管理テーブル40−1の電源ON継続時間40−1−fのフィールドには2秒が設定されているので、電源ON後2秒の間に、自装置の時刻と対向装置の時刻とがずれないように、パケット転送装置1(1000−1)は同期情報パケット(Request)20000を送信する(S63)。パケット転送装置2(1000−2)は、受信した同期情報パケット(Request)20000に含まれる情報をメモリ40に格納されている同期パケット管理テーブル40−2に書き込む(S64)。そして、制御部50は、回線終端部の電源のOFFを指示する(S65)。さらに、パケット転送装置2(1000−2)は、同期情報パケット(Ack)20000を送信する(S66)。
【0074】
このように、パケット転送装置1(1000−1)とパケット転送装置2(1000−2)との間で、同期情報パケット20000をやりとりすることによって、パケット転送装置が動作しているかを互い監視している。なお、同期情報パケット20000をやりとりとは別に、ヘルスチェックを行ってもよい。
【0075】
パケット転送装置1(1000−1)は、受信した同期情報パケット(Ack)20000に含まれる情報をメモリ40に格納されている同期パケット管理テーブル40−2に書き込む(S67)。制御部50は、回線終端部の電源のOFFを指示する(S68)。
【0076】
回線終端部の電源のOFFを指示した結果、パケット転送装置1(1000−1)の回線終端部とパケット転送装置2(1000−2)の回線終端部との電源がOFFとなる。回線終端部管理テーブル40−1の電源OFF継続時間40−1−eのフィールドには5秒が設定されているので、電源OFF後5秒が経過すると、パケット転送装置2(1000−2)の制御部50は、回線終端部の電源のONを指示し(S69)、パケット転送装置1(1000−1)の制御部50は、回線終端部の電源のONを指示する(S70)。以下、これらのシーケンスを繰り返す。
【0077】
次に、図8Bを参照して、現用系であったパケット転送装置1(1000−1)が予備系となり、予備系であったパケット転送装置2(1000−2)が現用系となった後のシーケンスについて説明する。
【0078】
すなわち、図8Bにおいては、現用系の装置の障害(例えば、瞬断)が発生し、現用系と予備系とが切り替わった後の動作を説明する。なお、図8Bにおいては、現用系と予備系との切り替わりに伴い、パケット転送装置2(1000−2)がマスタ側、パケット転送装置1(1000−1)がスレーブ側になり、同期情報パケット20000の送信権が変わった場合について説明するが、マスタ側のパケット転送装置とスレーブ側のパケット転送装置とが入れ替わらなくてもよい。
【0079】
パケット転送装置1(1000−1)の情報とパケット転送装置2(1000−2)の情報とは設定済みであるため、新たに設定情報パケット10000をやりとりして、情報を設定する必要はない。
【0080】
本実施の形態では、自装置と対向装置の回線終端部のMACアドレスを比較して、大きいアドレスの装置をマスタ側とし、小さいアドレスの装置をスレーブ側とし、マスタ側の装置が同期情報パケット20000の送信権を得ている。しかし、現用系と予備系の切り替わりが発生した場合は、MACアドレス管理テーブル40−3のマスタとスレーブのアドレスが入れ替わり、入れ替わった現用系から同期情報パケット20000が送信される。
【0081】
次に、現用系と予備系の切り替わりが発生した場合は、現用系の回線終端部管理テーブル40−1は、回線番号40−1−aを単位として、予備系へ引き継がれる。なお、パケット転送装置1000に入力されたコマンド等を契機として、設定情報パケット10000をやりとりすることによって、回線終端部管理テーブル40−1を更新することができる。
【0082】
まず、パケット転送装置2(1000−2)は、自装置の時刻と対向装置の時刻とがずれないように、同期情報パケット(Request)20000を送信する(S80)。
【0083】
パケット転送装置1(1000−1)は、受信した同期情報パケット(Request)20000に含まれる情報をメモリ40に格納されている同期パケット管理テーブル40−2に書き込む(S81)。そして、制御部50は、回線終端部の電源のOFFを指示する(S82)。さらに、パケット転送装置1(1000−1)は、同期情報パケット(Ack)20000を送信(S83)する。
【0084】
パケット転送装置2(1000−2)は、受信した同期情報パケット(Ack)20000に含まれる情報をメモリ40に格納されている同期パケット管理テーブル40−2に書き込む(S84)。そして、制御部50は、回線終端部の電源のOFFを指示する(S85)。
【0085】
回線終端部の電源のOFFを指示した結果、パケット転送装置2(1000−2)の回線終端部とパケット転送装置1(1000−1)の回線終端部との電源がOFFとなる。回線番号40−1−aを引き継いだ回線終端部管理テーブル40−1の電源OFF継続時間40−1−eのフィールドには5秒が設定されているので、電源OFF後5秒が経過すると、パケット転送装置1(1000−1)の制御部50は、回線終端部の電源のONを指示し(S86)、パケット転送装置2(1000−2)の制御部50は、回線終端部の電源のONを指示する(S87)。
【0086】
回線終端部の電源のONを指示した結果、パケット転送装置2(1000−2)の回線終端部とパケット転送装置1(1000−1)の回線終端部との電源がONとなる。回線番号40−1−aを引き継いだ回線終端部管理テーブル40−1の電源ON継続時間40−1−fのフィールドには2秒が設定されているので、電源ON後2秒の間に、自装置の時刻と対向装置の時刻とがずれないように、パケット転送装置2(1000−2)は、受信した同期情報パケット(Request)20000を送信する(S88)。パケット転送装置1(1000−1)は、受信した同期情報パケット(Request)20000に含まれる情報をメモリ40に格納されている同期パケット管理テーブル40−2に書き込む(S89)。そして、制御部(50)は、回線終端部の電源のOFFを指示する(S90)。さらに、パケット転送装置1(1000−1)は、同期情報パケット(Ack)20000を送信する(S91)。
【0087】
パケット転送装置2(1000−2)は、受信した同期情報パケット(Ack)20000に含まれる情報をメモリ40に格納されている同期パケット管理テーブル40−2に書き込む(S92)。そして、制御部50は、回線終端部の電源のOFFを指示する(S93)。回線終端部の電源のOFFを指示した結果、パケット転送装置2(1000−2)の回線終端部とパケット転送装置1(1000−1)の回線終端部との電源がOFFとなる。
【0088】
回線番号40−1−aを引き継いだ回線終端部管理テーブル40−1の電源OFF継続時間40−1−eのフィールドには5秒が設定されているので、電源OFF後5秒が経過すると、パケット転送装置1(1000−1)の制御部(50)は、回線終端部の電源のONを指示し(S94)、パケット転送装置2(1000−2)の制御部50は、回線終端部の電源のONを指示する(S95)。以下、これらのシーケンスを繰り返す。
【0089】
図9は、第1の実施形態のパケット転送装置1000のデータ受信処理を示すフローチャートである。
【0090】
まず、データを受信し(S80)、受信したパケットが通常のデータパケットか、設定情報パケット10000か、同期情報パケット20000かを判別する(S82)。具体的には、設定情報パケット10000の識別子10000−6及び同期情報パケット20000の識別子20000−6によって判別することができる。受信したパケットが通常のデータパケットであれば、データパケット処理を実行して(S83)、処理を終了する。
【0091】
一方、受信したパケットが設定情報パケット10000であれば、前述した設定情報パケット処理を実行し、受信したパケットが同期情報パケット20000であれば、前述した同期情報パケット処理を実行する。
【0092】
設定情報パケットの処理は、まず、設定情報パケット10000に含まれる回線終端部のMACアドレスをMACアドレス管理テーブル40−3へ書き込む。具体的には、自装置の回線終端部のMACアドレスと対向装置の回線終端部のMACアドレスとを比較し(S90)、大きいMACアドレスが設定された装置をマスタとし、小さいMACアドレスが設定された装置をスレーブとし、同期情報パケット20000の送信権を決定する(S91)。
【0093】
次に、同期情報パケット管理テーブル40−2を更新する。具体的には、設定情報パケット10000の同期パケット再送回数10000−10を同期パケット管理テーブル40−2の再送回数(設定値)40−2−dのフィールドに書き込む(S92)。
【0094】
その後、回線終端部管理テーブル40−1を更新する。具体的には、情報設定パケット(Request)10000のタイムスタンプ10000−11を送信時刻40−1−bのフィールドに書き込み、情報設定パケット(Ack)のタイムスタンプ10000−11を受信時刻40−1−cのフィールドに書き込む(S93)。次に、回線終端部の電源OFF継続時間10000−8を電源OFF継続時間40−1−eのフィールドに書き込み、電源ON継続時間10000−9を電源ON係属時間40−1−fのフィールドに書き込む(S94)。また、設定情報パケット(Request)10000と設定情報パケット(Ack)10000との応答の遅延時間を算出し、遅延時間40−1−dのフィールドに書き込む(S95)。さらに、同期情報パケット20000の再送間隔を算出し、再送間隔時間40−1−gのフィールドに書き込む(S96)。
【0095】
同期情報パケットの処理では、同期パケット管理テーブル40−2を更新する。まず、同期情報パケット20000の電源OFF開始時刻20000−8を同期パケット管理テーブル40−2の電源OFF開始時刻40−2−cのフィールドに書き込み、電源ON開始時刻20000−9を電源ON開始時刻40−2−bのフィールドに書き込む(S100)。次に、同期情報パケット20000の再送回数をカウントアップし(S101)、再送回数が設定情報パケット10000によって設定された回数以下か否かを判定する(S102)。再送回数が設定回数を超えていればタイムアウト処理を実行する(S103)。一方、再送回数が設定回数以内であれば、設定された回線終端部電源ON/OFF時刻に従って、回線終端部の電源のON/OFFを制御する(S104)。
【0096】
以上説明したように、本発明の第1の実施の形態によれば、予備系の回線終端部の電源をOFFにすることで省電力化を図りつつ、予備系の回線終端部の電源を間欠的にONにすることでリンクの正常性確認を行い、予備系回線終端部の障害を潜在化させない。これにより、省電力化を図りつつ、高信頼性を実現することができる。
【0097】
<実施形態2>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0098】
本発明において最大の効果を得るためには、自装置及び対向装置の両方が省電力機能を備える必要がある。このため、前述した第1の実施形態では、自装置の回線終端部及び対向装置の回線終端部の両方が省電力機能を備えていたが、第2の実施形態では、自装置の回線終端部のみが省電力機能を備え、自装置の回線終端部は省電力機能を備えない場合について説明する。
【0099】
図10Aは、第2の実施形態のパケット転送装置1(1000−1)とルータ(2000)との間でイーサネット回線による現用系/予備系によって構成された二重化通信路の例を示すブロック図である。また、図10Bは、図10Aに示す現用系のパケット転送装置の回線終端部の電源状態及び消費電力を時間軸上に表した図であり、図10Cは、図10Aに示す予備系のパケット転送装置の回線終端部の電源状態及び消費電力を時間軸上に表した図である。
【0100】
図10Aに示す例では、現用系(ACT系)が回線No.0であり、予備系(STB系)が回線No.1である。また、図10Aに示す例では、現用系及び予備系の回線は、各々、上り下り1本ずつであるが、複数の現用系及び/又は予備系の回線が複数本であってもよい。
【0101】
現用系では、パケット転送装置1(1000−1)及びルータ2000の各送信側回線終端部20及び各受信側回線終端部10は、電源がONの状態(S150)が維持される。データ受信時の電力消費の変動を考慮しない場合、回線終端部の消費電力は一定である(S151)。
【0102】
第2の実施形態では、対向装置に省電力機能が備わっていない。このため、予備系において、自装置内の予備系の送信側回線終端部の電源は常にONの状態とし、受信側回線終端部の電源を定期的にOFFにすることによって、ルータ2000との通信を継続しつつ、省電力化を達成できる。
【0103】
ルータ2000の予備系は、現用系と同様に各受信側回線終端部10の電源のONが維持されることから、データ受信の際の電力消費を考慮しない場合、回線終端部の消費電力は一定である。
【0104】
制御部50は、回線終端部管理テーブル40−1を参照し、電源OFF継続時間が5秒であり、電源ON継続時間が2秒であることから、予備系の受信側回線終端部の電源を2秒間ONにし(S153)、5秒間OFFにすること(S152)を繰り返す。このように、予備系の受信側回線終端部の電源を定期的にON/OFFすることによって、平均消費電力を下げることができる。なお、前述した第1の実施形態(図2C)と比べて、パケット転送装置1(1000−1)の受信側回線終端部の消費電力のみが削減されるので、消費電力を5/14削減することができる(S154)。この削減は、第1の実施形態の消費電力を比べると5/14少ない。
【0105】
図11は、第2の実施形態のパケット転送装置1(1000−1)とルータ2000との間の、制御部50及び回線終端部(受信側及び送信側を含む)の動作を示すシーケンス図である。
【0106】
図11に示す動作において、設定情報パケット10000によって設定される電源OFF継続時間40−1−eは5秒で、電源ON継続時間40−1−fは2秒である。また、予備系の受信側回線終端部を定期的にOFFするだけなので、第2の実施形態においては、図8Aで説明した同期情報パケット20000のシーケンスも必要なく、マスター側、スレーブ側の概念もない。
【0107】
具体的には、パケット転送装置1(1000−1)は、設定情報パケット(Request)10000をルータ2000に送信する(S200)。ルータ2000は、設定情報パケット(Request)に対する確認応答(設定情報パケット(Ack))を送信しない。
【0108】
パケット転送装置1(1000−1)は、複数回の設定情報パケット(Request)10000に対する確認応答がない場合、対向装置が省電力機能を備えない、例えば、ルータ等の装置である判断する。そして、パケット転送装置1(1000−1)は、送信する設定情報パケット(Request)10000に含まれる情報を、メモリ40に格納されている回線終端部管理テーブル40−1に書き込む(S204)。そして、制御部50は、受信側回線終端部の電源のOFFを指示する(S205)。受信側回線終端部の電源のOFFを指示した結果、パケット転送装置1(1000−1)の受信側回線終端部の電源がOFFとなる。
【0109】
回線終端部管理テーブル40−1の電源OFF継続時間40−1−eのフィールドには5秒が設定されているので、電源OFF後5秒が経過すると、パケット転送装置1(1000−1)の制御部50は、受信側回線終端部の電源のONを指示する(S206)。受信側回線終端部の電源のONを指示した結果、パケット転送装置1(1000−1)の受信側回線終端部の電源はONとなる。回線終端部管理テーブル40−1の電源ON継続時間40−1−fのフィールドには2秒が設定されているので、受信側回線終端部の電源は、設定された間隔でON/OFFが繰り返される(S205〜208)。
【符号の説明】
【0110】
10−1、10−2、10−n 受信側回線終端部
20−1、20−2、20−n 送信側回線終端部
30 イーサネット処理部
30−2 SW
40 メモリ
40−1 回線終端部管理テーブル
40−2 同期パケット管理テーブル
40−3 MACアドレス管理テーブル
50 制御部
60 CPU
100 イーサネット処理部
1000−1、1000−2 パケット転送装置
2000 ルータ
10000 設定情報パケット
20000 同期情報パケット
【技術分野】
【0001】
本発明は、対向装置にパケットを転送するパケット転送装置に関し、特に、予備系の省電力化技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、通信トラフィックの増加によって、データセンタに設置されるネットワーク機器の台数、及び一台あたりの消費電力量が増加しており、消費電力削減は世界的な課題となっている。
【0003】
一方、データセンタで使用されるネットワーク機器には高信頼性が要求されている。高信頼化技術の一つとして、イーサネット回線(「イーサネット」は登録商標。以下同じ。)による現用系/予備系による二重化技術が採用されている。二重化技術の一つであるホットスタンバイ方式では、予備(SBY)系は常時通電しており、現用(ACT)系に障害が発生したときに、速やかに予備系へ切り替えることによって、サービスを継続することができる。
【0004】
しかし、実質的なデータのやりとりがない場合にも、予備系を常時通電すると、消費電力の無駄が多いことが課題となる。
【0005】
この前述の課題を改善する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示されている技術によると、GMPLS(Generalized Multi-Protocol Label Switching)によって制御されるネットワークシステムにおいて、複数の装置を経由する現用系及び予備系のLSP(Label Switched Path)を冗長に構成し、予備系LSPの経路上の全てのインタフェースを省電力状態に設定するように、各LSPのインタフェースの節電能力を考慮して経路を設定する。そして、現用系LSPに障害が発生した場合、予備系LSP上の全てのインタフェースの省電力状態を解除し、通常状態とすることによってネットワークシステム全体での省電力化を実現している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−100442号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述した特許文献1に記載された技術は、予備系の回線終端部を省電力化し電源をOFFとするので、電源OFF以降、予備系における通信ができない。よって、回線終端部の電源OFF以降、予備系が故障し、更に現用系の障害によって現用系から予備系に切り替わった場合、システムがダウンする。すなわち、予備系の回線終端部の電源をOFFとすることによって、予備系の障害が潜在化する。
【0008】
本発明は、省電力化及びリンクの正常性確認が両立したパケット転送装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願において開示される発明の代表的な一例を示せば以下の通りである。すなわち、対向して配置された第1の通信装置と第2の通信装置とを備える通信システムであって、前記各通信装置は、各々が回線終端部を有する複数の送信ポート及び受信ポートと、前記各ポートの動作を制御する制御部と、を有し、前記送信ポート及び前記受信ポートは、各々、現用系のポートと予備系のポートとを含み、前記現用系の各ポートは、前記対向する通信装置の現用系のポートと接続されており、前記予備系の各ポートは、前記対向する通信装置の予備系のポートと接続されており、前記第1の通信装置の制御部は、前記第2の通信装置へ第1の同期情報を送信し、前記送信した第1の同期情報に含まれる電源の制御タイミングの情報を管理テーブルに記録し、前記電源オフの制御タイミングになると、前記第1の通信装置の予備系のポートの動作を停止し、前記電源オンの制御タイミングになると、前記第1の通信装置の予備系のポートの動作を再開し、前記第2の通信装置の制御部は、前記第1の通信装置から前記第1の同期情報を受信すると、前記受信した第1の同期情報に含まれる電源の制御タイミングの情報を管理テーブルに記録し、前記電源オフの制御タイミングになると、前記第2の通信装置の予備系のポートの動作を停止し、前記電源オンの制御タイミングになると、前記第2の通信装置の予備系のポートの動作を再開する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の代表的な実施の形態によれば、予備系の省電力化を図りつつ、高信頼性を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1の実施形態のパケット転送装置の構成を示すブロック図である。
【図2A】第1の実施形態のパケット転送装置1とパケット転送装置2との間でイーサネット回線による現用系/予備系によって構成された二重化通信路の例を示すブロック図である。
【図2B】第1の実施形態の現用系のパケット転送装置の回線終端部の電源状態と消費電力とを表した図である。
【図2C】第1の実施形態の予備系のパケット転送装置の回線終端部の電源状態と消費電力とを表した図である。
【図3】第1の実施形態のパケット転送装置によって転送される設定情報パケットの説明図である。
【図4】第1の実施形態のパケット転送装置によって転送される同期情報パケットの説明図である。
【図5】第1の実施形態の回線終端部管理テーブルの説明図である。
【図6】第1の実施形態の同期パケット管理テーブルの説明図である。
【図7】第1の実施形態のMACアドレス管理テーブルの説明図である。
【図8A】第1の実施の形態のパケット転送装置の間の動作を示すシーケンス図である。
【図8B】第1の実施の形態のパケット転送装置の間の動作を示すシーケンス図である。
【図9】第1の実施形態のパケット転送装置のデータ受信処理を示すフローチャートである。
【図10A】本発明の第2の実施形態のパケット転送装置の間でイーサネット回線による現用系/予備系によって構成された二重化通信路の例を示すブロック図である。
【図10B】第2の実施形態の現用系のパケット転送装置の回線終端部の電源状態と消費電力とを表した図である。
【図10C】第2の実施形態の予備系のパケット転送装置の回線終端部の電源状態と消費電力とを表した図である。
【図11】第2の実施の形態のパケット転送装置の間の動作を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
<実施形態1>
図1は、本発明の第1の実施形態のパケット転送装置1000の構成を示すブロック図である。
【0014】
パケット転送装置1000は、受信側回線終端部1〜n(10−1〜10−n)、送信側回線終端部1〜n(20−1〜20−n)、イーサネット処理部30、メモリ40、制御部50及びCPU60を備える。イーサネット処理部30は、ルーティング処理部30−1及びSW30−2を有する。メモリ40は、回線終端部管理テーブル40−1、同期パケット管理テーブル40−2及びMACアドレス管理テーブル40−3を格納する。
【0015】
受信側回線終端部1〜n(10−1〜10−n)及び送信側回線終端部1〜n(20−1〜20−n)は、物理層のプロトコルを制御する、いわゆるPHYチップを含む。
【0016】
以下、回線No.0を現用系として、受信側回線終端部1(10−1)がデータを受信した場合について説明する。通常のデータ処理では、パケット転送装置1000が受信したデータは、データを受信側回線終端部1(10−1)からイーサネット処理部30を経て回線No.0の送信側回線終端部1(20−1)へ送られる。すなわち、イーサネット処理部30内のルーティング処理部30−1が最適経路を選択し、SW30−2がデータを宛先アドレスへフォワーディングする。MACアドレスは、MACアドレス管理テーブル40−3によって管理される。CPU60は、メモリ40に格納されたプログラムを実行することによって、メモリ40に格納された各テーブルを更新する。
【0017】
また、予備系の回線終端部10及び20の電源をOFFにすることで省電力化する。省電力処理は、パケット転送装置1000が設定情報パケット10000を受信することによって実行される。以下、回線No.1を予備系として受信側回線終端部2(10−2)から設定情報パケット10000を受信した場合について説明する。
【0018】
パケット転送装置1000が設定情報パケット10000を受信すると、受信したパケット10000は、受信側回線終端部2(10−2)からイーサネット処理部30を経て回線No.1の送信側回線終端部2(20−2)へ送られる。
【0019】
イーサネット処理部30では、まず、設定情報パケット10000から対向装置の回線終端部のMACアドレスを、後述するMACアドレス管理テーブル40−3へ書き込む。なお、自装置の回線終端部のMACアドレスは既に設定されている。そこで、イーサネット処理部30は、自装置の回線終端部のMACアドレスと対向装置の回線終端部のMACアドレスとを比較し、大きいMACアドレスが設定された装置をマスタに、小さいMACアドレスが設定された装置をスレーブに設定する。次のステップにおける同期情報パケット20000の送信の主導権はマスタ側が持つことになる。
【0020】
次に、メモリ40内の同期パケット管理テーブル40−2の電源OFF開始時刻のフィールド40−2−cに、同期情報パケット20000の電源OFF開始時刻20000−8の情報を書き込む、制御部50は、この情報に基づいて受信側回線終端部2(10−2)及び送信側回線終端部2(20−1)の電源をOFFにする。
【0021】
しかし、予備系の回線終端部の電源をOFFにすると、電源OFF以降、予備系同士は通信できない。このため、回線終端部の電源OFF以降、予備系が故障し、更に現用系の障害によって現用系から予備系に切り替わった場合、システムがダウンする。すなわち、予備系回線終端部の障害を潜在化する。このため、予備系回線終端部の電源がOFFになっていても、予備系終端部の電源を一時的にONにして、予備系リンクの正常を確認し、予備系終端部の障害を潜在化させないようにする。
【0022】
具体的には、予備系回線終端部の電源OFF時の動作と同様に、後述するメモリ40の回線終端部管理テーブル40−1(図5参照)の電源OFF継続時間40−1−eのフィールドに、設定情報パケット10000に含まれる電源OFF継続時間10000−8を書き込み、電源ON継続時間40−1−fのフィールドに設定情報パケット10000の電源ON継続時間10000−9を書き込む。この電源OFF継続時間及び電源ON継続時間の情報に基づいて、制御部50は、受信側回線終端部2(10−2)及び送信側回線終端部2(20−2)の電源をOFF及びONに制御する。
【0023】
また、自装置の時刻と対向装置の時刻との間にずれが生じると、電源ON継続時間10000−9の情報が一致していても、リンク確認時間がずれることによって、リンク断が誤って検出される。この誤検出を防ぐために、回線終端部の電源ON時のリンク確立において、同期情報パケット20000によって同期情報をやりとりし、自装置の時刻と対向装置の時刻とを整合させる。これによって、自装置の時刻と対向装置の時刻との差を小さくすることができる。
【0024】
さらに、後述するMACアドレス管理テーブル40−3(図7参照)を参照して、自装置の回線終端部のMACアドレスと、対向装置の回線終端部のMACアドレスとを比較する。比較の結果、MACアドレスが大きい装置をマスタとして、マスタ側から同期情報パケット20000を送信する。なお、マスタ側装置は、時計のズレを防止するために、NTP(Network Time Protocol)等で時刻合わせをしてもよい。
【0025】
スレーブ側装置は、マスタ側装置から同期情報パケット20000を受信すると、受信した同期情報パケット20000から電源OFF開始時刻20000−8を抽出し、メモリ40内の同期パケット管理テーブル40−2(図8参照)の電源OFF開始時刻40−2−cのフィールドに書き込む。また、受信した同期情報パケット20000から電源ON開始時刻20000−9を抽出し、メモリ40内の同期パケット管理テーブル40−2の電源ON開始時刻40−2−bのフィールドに書き込む。
【0026】
制御部50は、同期パケット管理テーブル40−2の情報に基づいて、受信側回線終端部2(10−2)と送信側回線終端部2(20−2)の電源をON/OFFする時刻を同期させる。
【0027】
なお、本実施の形態では、パケット転送装置1000の省電力化について説明するが、本発明は、ネットワーク機器(サーバ、スイッチ、ルータ等)における予備系の省電力化にも適用することができる。
【0028】
図2Aは、第1の実施形態のパケット転送装置1(1000−1)とパケット転送装置2(1000−2)との間でイーサネット回線による現用系/予備系によって構成された二重化通信路の例を示すブロック図である。また、図2Bは、図2Aに示す現用系のパケット転送装置の回線終端部の電源状態及び消費電力を時間軸上に表した図であり、図2Cは、図2Aに示す予備系のパケット転送装置の回線終端部の電源状態及び消費電力を時間軸上に表した図である。
【0029】
図2Aに示す例では、現用系(ACT系)が回線No.0であり、予備系(STB系)が回線No.1である。また、図2Aに示す例では、現用系及び予備系の回線は、各々、上り下り1本ずつであるが、複数の現用系及び/又は予備系の回線が複数本であってもよい。
【0030】
現用系では、パケット転送装置1(1000−1)及びパケット転送装置2(1000−2)の各送信側回線終端部1(20−1)及び各受信側回線終端部1(10−1)は、電源がONの状態(S30)が維持される。データ受信時の際の電力消費の変動を考慮しない場合、回線終端部の消費電力は一定である(S31)。
【0031】
一方、予備系では、図1で前述したようにパケット転送装置1(1000−1)及びパケット転送装置2(1000−2)の予備系の各送信側回線終端部2(20−2)及び各受信側回線終端部2(10−2)の電源をOFFに制御することによって、平均消費電力を削減し、さらに、予備系の各終端部の電源を定期的にONにすることによって、リンクの正常を確認する。
【0032】
制御部50は、後述する回線終端部管理テーブル40−1(図5参照)を参照し、電源OFF継続時間が5秒であり、電源ON継続時間が2秒であることから、予備系の回線終端部の電源を2秒間ONにし(S33)、5秒間OFFにすること(S32)を繰り返す。このように、予備系の回線終端部の電源のON/OFFを定期的に制御することによって、平均消費電力を下げることができる。すなわち、予備系の平均消費電力は、現用系の平均消費電力に比べて、予備系の回線終端部の電源を2秒/5秒の継続時間でON/OFFすることから、原理的に、消費電力を5/7削減することができる(S34)。
【0033】
図3は、第1の実施形態のパケット転送装置によって転送される設定情報パケット10000の説明図である。
【0034】
設定情報パケット10000は、UDPに従って転送されるパケットであって、イーサネットヘッダ及びイーサネットデータを含む。
【0035】
イーサネットヘッダは、宛先MACアドレス10000−1、送信元MACアドレス10000−2及びタイプ10000−3の各フィールドを含む。イーサネットデータは、IPヘッダ10000−4、UDPヘッダ10000−5、識別子10000−6、メッセージ種別10000−7、電源OFF継続時間10000−8、電源ON継続時間10000−9、同期パケットの再送回数10000−10及びタイムスタンプ10000−11の各フィールドを含む。
【0036】
図1で前述したように、パケット転送装置1000が設定情報パケット10000を受信することによって、回線終端部10及び20の電源のON/OFF制御を開始し、受信したパケット転送装置1000に含まれるデータを後述する回線終端部管理テーブル40−1(図5参照)に書き込む。制御部50は、回線終端部管理テーブル40−1に記録された情報によって、回線終端部の電源ON/OFFを制御する。なお、設定情報パケット10000の受信によって、パケット転送装置1000の回線終端部の電源のON/OFFの制御が開始するが、この制御を開始するための設定は、手動でも可能である。
【0037】
具体的には、宛先MACアドレス10000−1は設定情報パケット10000の受信側のパケット転送装置1000のアドレスであり、送信元MACアドレス10000−2は、設定情報パケット10000の送信側のパケット転送装置1000のアドレスである。各回線番号の回線終端部の宛先MACアドレス10000−1と、送信元MACアドレス10000−2とを比較して、大きいMACアドレスが設定された装置に、後述する自装置と対向装置の同期情報パケット20000の送信権が設定される。タイプ10000−3はIPであるので、0800(16進数)となる。識別子10000−6は受信したパケットを判別するためのデータで、設定情報パケットでは「1」が、同期情報パケットでは「2」が設定される。
【0038】
送信側のパケット転送装置1000は、Requestパケットの確認応答であるACKパケットを受信した後に、次のデータを送信する。このメッセージ種別を判別するために、設定情報パケット10000のメッセージ種別10000−7のデータを用いる。メッセージ種別10000−7には、Requestパケットでは「1」が、Ackパケットでは「2」が設定される。
【0039】
タイムスタンプ10000−11は、マスタ側のパケット転送装置1000が設定情報パケット10000を送信した時刻である。制御部50が回線終端部の電源をOFFする継続時間(例えば、5秒)は、電源OFF継続時間10000−8に記載された値である。一方、制御部50が回線終端部の電源をONする継続時間(例えば、2秒)は、電源ON継続時間10000−9に記載された値である。
【0040】
送信側のパケット転送装置1000は、所定の時間が経過しても確認応答を受信しなかった場合、同期情報パケット20000を再送する。設定情報パケット10000の同期情報パケットの再送回数10000−10は、後述する同期情報パケット20000(図4参照)の再送回数の上限値を設定するために用いられる。なお、この設定値を超えて同期情報パケット20000を再送する際にタイムアウトとなる。
【0041】
図4は、第1の実施形態のパケット転送装置によって転送される同期情報パケット20000の説明図である。
【0042】
同期情報パケット20000は、UDPに従って転送されるパケットであって、イーサネットヘッダ及びイーサネットデータに分けられる。
【0043】
イーサネットヘッダは、宛先MACアドレス20000−1、送信元MACアドレス20000−2及びタイプ20000−3の各フィールドを含む。イーサネットデータは、IPヘッダ20000−4、UDPヘッダ20000−5、識別子20000−6、メッセージ種別20000−7、電源OFF開始時刻20000−8、電源ON開始時刻20000−9、同期パケットの再送回数(カウンタ)20000−10及びタイムスタンプ20000−11の各フィールドを含む。
【0044】
図1で前述したように、自装置の時刻と対向装置の時刻とがずれると、電源ON継続時間10000−9の情報が一致していても、リンク確認時間がずれることによって、リンク断が誤って検出される。この誤検出を防ぐために、回線終端部の電源ON時のリンク確立において、同期情報パケット20000によって同期情報をやりとりし、自装置の時刻と対向装置の時刻とを整合させる。
【0045】
具体的には、宛先MACアドレス20000−1は同期情報パケット20000の受信側のパケット転送装置1000のアドレスであり、送信元MACアドレス20000−2は、同期情報パケット20000の送信側のパケット転送装置1000のアドレスである。タイプ20000−3はIPであるので、0800(16進数)となる。識別子20000−6は受信したパケットを判別するためのデータで、設定情報パケットでは「1」が、同期情報パケットでは「2」が設定される。
【0046】
送信側のパケット転送装置1000は、Requestパケットの確認応答であるACKパケットを受信した後に、次のデータを送信する。このメッセージ種別を判別するために、同期情報パケット20000のメッセージ種別20000−7のデータを用いる。メッセージ種別20000−7には、Requestパケットでは「1」が、Ackパケットでは「2」が設定される。
【0047】
タイムスタンプ20000−11は、マスタ側のパケット転送装置1000が同期情報パケット20000を送信した時刻である。制御部50が回線終端部の電源をOFFする時刻(例えば、2010:9:1 22:15:00)は、電源OFF開始時刻20000−8に記載された値である。一方、回線終端部の電源をONする時刻(例えば、2010:9:1 22:15:05)は、電源ON開始時間20000−9に記載された値である。
【0048】
ある時間が経過しても確認応答が来なかった場合、送信側のパケット転送装置1000は、同期情報パケット20000を再送信する。設定情報パケット10000の同期情報パケットの再送回数10000−10には、後述する同期情報パケット20000(図4参照)の再送回数の上限値を設定するために用いられる。なお、この設定値を超えて同期情報パケット20000を再送する際にタイムアウトとなる。
【0049】
送信側のパケット転送装置1000は、所定の時間が経過しても確認応答が来なかった場合、同期情報パケット20000を再送する。この時、送信側のパケット転送装置1000は、同期情報パケット20000の再送回数をカウントアップし、同期情報パケットの再送回数20000−10に設定する。図3で前述した設定情報パケット10000の同期情報パケットの再送回数10000−10の設定値を超えて同期情報パケット20000を再送する際にタイムアウトとなる。
【0050】
図5は、第1の実施形態の回線終端部管理テーブル40−1の一例を説明する図である。
【0051】
回線終端部管理テーブル40−1は、主に、設定情報パケット10000に含まれる情報を管理するテーブルで、回線番号40−1−a、送信時刻(Request)40−1−b、受信時刻(Ask)40−1−c、遅延時間40−1−d、電源OFF継続時間40−1−e、電源ON継続時間40−1−f及び再送継続時間40−1−gを含む。回線終端部管理テーブル40−1は、前述した設定情報パケット10000を受信する度に更新される。制御部50は、回線終端部管理テーブル40−1の電源OFF継続時間40−1−e及び電源ON継続時間40−1−fに記録された情報によって、回線終端部10、20の電源のON/OFFを制御する。
【0052】
具体的には、マスタ側のパケット転送装置1000が送信した設定情報パケット(Request)10000に含まれるタイムスタンプ10000−11の時刻が送信時刻(Request)40−1−bのフィールドに設定され、その応答としてパケット転送装置1000から送信される設定情報パケット(Ack)10000に含まれるタイムスタンプ10000−11の時刻が受信時刻(Ack)40−1−cのフィールドに設定される。例えば、回線No.1では、送信時刻に2010:9:1 22:10:05が設定され、受信時刻に2010:9:1 22:10:06が設定される。
【0053】
設定情報パケット(Request)と設定情報パケット(Ack)との遅延時間が遅延時間40−1−dのフィールドに設定され、その遅延時間から算出された再送間隔時間が再送間隔時間40−1−gのフィールドに設定される。この設定情報パケット10000のやりとりにおいて、RequestとAckのメッセージの遅延時間を利用することによって、同期情報パケット20000の再送間隔時間を算出し、通信品質を定める。算出された再送間隔によって、通信品質に合わせて同期情報パケット20000を再送することができ、高精度の時刻同期処理を実現することができる。
【0054】
さらに、設定情報パケット10000に含まれる電源OFF継続時間10000−8が電源OFF継続時間40−1−eのフィールドに設定され、電源ON継続時間10000−9が電源ON継続時間40−1−fのフィールドに設定される。
【0055】
図6は、第1の実施形態の同期パケット管理テーブル40−2の一例を説明する図である。
【0056】
同期パケット管理テーブル40−2は、主に、同期情報パケット20000に含まれる情報を管理するテーブルで、回線番号40−2−a、電源ON開始時刻40−2−b、電源OFF開始時刻40−2−c、再送回数(設定回数)40−2−d及び再送回数のカウント値40−2−eを含む。設定情報パケット10000及び同期情報パケット20000を受信した場合に、パケット管理テーブル40−2が更新される。
【0057】
図1で前述したように、自装置の時刻と対向装置の時刻とがずれると、電源ON継続時間10000−9の情報が一致していても、リンク確認時間がずれることによって、リンク断が誤って検出される。この誤検出を防ぐために、回線終端部の電源ON時のリンク確立において、同期情報パケット20000によって同期情報をやりとりし、自装置の時刻と対向装置の時刻とを整合させる。
【0058】
具体的には、マスタ側のパケット転送装置1000が送信した同期情報パケット(Request)20000に含まれる電源ON開始時刻20000−9の時刻が電源ON開始時刻40−2−bのフィールドに設定され、電源OFF開始時刻20000−8の時刻が電源OFF開始時刻40−2−cのフィールドに設定される。例えば、回線No.1では、電源ON開始時刻に2010:9:1 22:15:00が設定され、電源OFF開始時刻に2010:9:1 22:15:02が設定される。
【0059】
パケット転送装置1000は、設定情報パケット10000を受信すると、同期パケット再送回数10000−10を同期情報パケットの再送回数(設定回数)40−2−cのフィールドに設定する。また、同期情報パケット20000の再送回数のカウント値が、再送回数(カウント数)40−2−dのフィールドに設定される。再送回数(カウント数)40−2−cが再総回数(設定回数)40−2−dを超えて同期情報パケット20000を再送する際にタイムアウトとなる。
【0060】
図7は、第1の実施形態のMACアドレス管理テーブル40−3の一例を説明する図である。
【0061】
MACアドレス管理テーブル40−3は、自装置のMACアドレスと対向装置のMACアドレスとを管理することによって、同期情報パケットの送信権(マスタ又はスレーブ)を管理する。
【0062】
MACアドレス管理テーブル40−3は、回線番号40−3−a、マスタ側の装置のMACアドレス40−3−b及びスレーブ側の装置のMACアドレス40−3−cを含む。
【0063】
具体的には、本実施の形態では、設定情報パケット10000の宛先MACアドレス10000−1又は送信元MACアドレス10000−2のうち、MACアドレスが大きい装置のMACアドレスがマスタ40−3−bに設定され、他方の装置のMACアドレスがスレーブ40−3−cに設定される。マスタ側の装置には同期情報パケット20000の送信権が設定される。
【0064】
図8A、図8Bは、第1の実施の形態のパケット転送装置1(1000−1)とパケット転送装置2(1000−2)との間の、制御部50及び回線終端部(受信側及び送信側を含む)の動作を示すシーケンス図である。
【0065】
図8Aに示す動作において、設定情報パケット10000によって設定される電源OFF継続時間40−1−eは5秒で、電源ON継続時間40−1−fは2秒である。
【0066】
パケット転送装置1(1000−1)は、設定情報パケット(Request)10000をパケット転送装置2(1000−2)へ送信する(S50)。パケット転送装置2(1000−2)は、この設定情報パケット10000に含まれる情報を、メモリ40に格納されているの回線終端部管理テーブル40−1に書き込む(S51)。
【0067】
また、自装置の回線終端部のMACアドレスと対向装置の回線終端部のMACアドレスとを比較して、大きいMACアドレスが設定された装置をマスタとし、小さいMACアドレスが設定された装置をスレーブとする(S52)。そして、両MACアドレスを、MACアドレス管理テーブル40−3へ書き込む。
【0068】
その後、パケット転送装置2(1000−2)は、設定情報パケット(Ack)10000を送信する(S53)。この設定情報パケット(Ack)10000に含まれる情報が、パケット転送装置1(1000−1)のメモリ40に格納されている回線終端部管理テーブル40−1に書き込まれる(S54)。
【0069】
次に、パケット転送装置1(1000−1)は、自装置の時刻と対向装置の時刻とがずれないように、同期情報パケット(Request)20000を送信する(S55)。同期情報パケット20000の送信権は、MACアドレス管理テーブル40−3のマスタ40−3−bに登録されているMACアドレスが割り当てられている装置が保有する(図8Aでは、パケット転送装置1がマスタである)。
【0070】
パケット転送装置2(1000−2)は、受信した同期情報パケット(Request)20000に含まれる情報をメモリ40に格納されている同期パケット管理テーブル40−2に書き込む(S56)。そして、制御部50は、回線終端部の電源のOFFを指示する(S57)。さらに、パケット転送装置2(1000−2)は、同期情報パケット(Ack)20000を送信する(S58)。
【0071】
パケット転送装置1(1000−1)は、受信した同期情報パケット(Ack)20000に含まれる情報をメモリ40に格納されている同期パケット管理テーブル40−2に書き込む(S59)。そして、制御部50は、回線終端部の電源のOFFを指示する(S60)。
【0072】
回線終端部の電源のOFFを指示した結果、パケット転送装置1(1000−1)の回線終端部とパケット転送装置2(1000−2)の回線終端部との電源がOFFとなる。回線終端部管理テーブル40−1の電源OFF継続時間40−1−eのフィールドには5秒が設定されているので、電源OFF後5秒が経過すると、パケット転送装置2(1000−2)の制御部50は、回線終端部の電源のONを指示し(S61)、パケット転送装置1(1000−1)の制御部50は、回線終端部の電源のONを指示する(S62)。回線終端部の電源のONを指示した結果、パケット転送装置1(1000−1)の回線終端部とパケット転送装置2(1000−2)の回線終端部との電源がONとなる。
【0073】
回線終端部管理テーブル40−1の電源ON継続時間40−1−fのフィールドには2秒が設定されているので、電源ON後2秒の間に、自装置の時刻と対向装置の時刻とがずれないように、パケット転送装置1(1000−1)は同期情報パケット(Request)20000を送信する(S63)。パケット転送装置2(1000−2)は、受信した同期情報パケット(Request)20000に含まれる情報をメモリ40に格納されている同期パケット管理テーブル40−2に書き込む(S64)。そして、制御部50は、回線終端部の電源のOFFを指示する(S65)。さらに、パケット転送装置2(1000−2)は、同期情報パケット(Ack)20000を送信する(S66)。
【0074】
このように、パケット転送装置1(1000−1)とパケット転送装置2(1000−2)との間で、同期情報パケット20000をやりとりすることによって、パケット転送装置が動作しているかを互い監視している。なお、同期情報パケット20000をやりとりとは別に、ヘルスチェックを行ってもよい。
【0075】
パケット転送装置1(1000−1)は、受信した同期情報パケット(Ack)20000に含まれる情報をメモリ40に格納されている同期パケット管理テーブル40−2に書き込む(S67)。制御部50は、回線終端部の電源のOFFを指示する(S68)。
【0076】
回線終端部の電源のOFFを指示した結果、パケット転送装置1(1000−1)の回線終端部とパケット転送装置2(1000−2)の回線終端部との電源がOFFとなる。回線終端部管理テーブル40−1の電源OFF継続時間40−1−eのフィールドには5秒が設定されているので、電源OFF後5秒が経過すると、パケット転送装置2(1000−2)の制御部50は、回線終端部の電源のONを指示し(S69)、パケット転送装置1(1000−1)の制御部50は、回線終端部の電源のONを指示する(S70)。以下、これらのシーケンスを繰り返す。
【0077】
次に、図8Bを参照して、現用系であったパケット転送装置1(1000−1)が予備系となり、予備系であったパケット転送装置2(1000−2)が現用系となった後のシーケンスについて説明する。
【0078】
すなわち、図8Bにおいては、現用系の装置の障害(例えば、瞬断)が発生し、現用系と予備系とが切り替わった後の動作を説明する。なお、図8Bにおいては、現用系と予備系との切り替わりに伴い、パケット転送装置2(1000−2)がマスタ側、パケット転送装置1(1000−1)がスレーブ側になり、同期情報パケット20000の送信権が変わった場合について説明するが、マスタ側のパケット転送装置とスレーブ側のパケット転送装置とが入れ替わらなくてもよい。
【0079】
パケット転送装置1(1000−1)の情報とパケット転送装置2(1000−2)の情報とは設定済みであるため、新たに設定情報パケット10000をやりとりして、情報を設定する必要はない。
【0080】
本実施の形態では、自装置と対向装置の回線終端部のMACアドレスを比較して、大きいアドレスの装置をマスタ側とし、小さいアドレスの装置をスレーブ側とし、マスタ側の装置が同期情報パケット20000の送信権を得ている。しかし、現用系と予備系の切り替わりが発生した場合は、MACアドレス管理テーブル40−3のマスタとスレーブのアドレスが入れ替わり、入れ替わった現用系から同期情報パケット20000が送信される。
【0081】
次に、現用系と予備系の切り替わりが発生した場合は、現用系の回線終端部管理テーブル40−1は、回線番号40−1−aを単位として、予備系へ引き継がれる。なお、パケット転送装置1000に入力されたコマンド等を契機として、設定情報パケット10000をやりとりすることによって、回線終端部管理テーブル40−1を更新することができる。
【0082】
まず、パケット転送装置2(1000−2)は、自装置の時刻と対向装置の時刻とがずれないように、同期情報パケット(Request)20000を送信する(S80)。
【0083】
パケット転送装置1(1000−1)は、受信した同期情報パケット(Request)20000に含まれる情報をメモリ40に格納されている同期パケット管理テーブル40−2に書き込む(S81)。そして、制御部50は、回線終端部の電源のOFFを指示する(S82)。さらに、パケット転送装置1(1000−1)は、同期情報パケット(Ack)20000を送信(S83)する。
【0084】
パケット転送装置2(1000−2)は、受信した同期情報パケット(Ack)20000に含まれる情報をメモリ40に格納されている同期パケット管理テーブル40−2に書き込む(S84)。そして、制御部50は、回線終端部の電源のOFFを指示する(S85)。
【0085】
回線終端部の電源のOFFを指示した結果、パケット転送装置2(1000−2)の回線終端部とパケット転送装置1(1000−1)の回線終端部との電源がOFFとなる。回線番号40−1−aを引き継いだ回線終端部管理テーブル40−1の電源OFF継続時間40−1−eのフィールドには5秒が設定されているので、電源OFF後5秒が経過すると、パケット転送装置1(1000−1)の制御部50は、回線終端部の電源のONを指示し(S86)、パケット転送装置2(1000−2)の制御部50は、回線終端部の電源のONを指示する(S87)。
【0086】
回線終端部の電源のONを指示した結果、パケット転送装置2(1000−2)の回線終端部とパケット転送装置1(1000−1)の回線終端部との電源がONとなる。回線番号40−1−aを引き継いだ回線終端部管理テーブル40−1の電源ON継続時間40−1−fのフィールドには2秒が設定されているので、電源ON後2秒の間に、自装置の時刻と対向装置の時刻とがずれないように、パケット転送装置2(1000−2)は、受信した同期情報パケット(Request)20000を送信する(S88)。パケット転送装置1(1000−1)は、受信した同期情報パケット(Request)20000に含まれる情報をメモリ40に格納されている同期パケット管理テーブル40−2に書き込む(S89)。そして、制御部(50)は、回線終端部の電源のOFFを指示する(S90)。さらに、パケット転送装置1(1000−1)は、同期情報パケット(Ack)20000を送信する(S91)。
【0087】
パケット転送装置2(1000−2)は、受信した同期情報パケット(Ack)20000に含まれる情報をメモリ40に格納されている同期パケット管理テーブル40−2に書き込む(S92)。そして、制御部50は、回線終端部の電源のOFFを指示する(S93)。回線終端部の電源のOFFを指示した結果、パケット転送装置2(1000−2)の回線終端部とパケット転送装置1(1000−1)の回線終端部との電源がOFFとなる。
【0088】
回線番号40−1−aを引き継いだ回線終端部管理テーブル40−1の電源OFF継続時間40−1−eのフィールドには5秒が設定されているので、電源OFF後5秒が経過すると、パケット転送装置1(1000−1)の制御部(50)は、回線終端部の電源のONを指示し(S94)、パケット転送装置2(1000−2)の制御部50は、回線終端部の電源のONを指示する(S95)。以下、これらのシーケンスを繰り返す。
【0089】
図9は、第1の実施形態のパケット転送装置1000のデータ受信処理を示すフローチャートである。
【0090】
まず、データを受信し(S80)、受信したパケットが通常のデータパケットか、設定情報パケット10000か、同期情報パケット20000かを判別する(S82)。具体的には、設定情報パケット10000の識別子10000−6及び同期情報パケット20000の識別子20000−6によって判別することができる。受信したパケットが通常のデータパケットであれば、データパケット処理を実行して(S83)、処理を終了する。
【0091】
一方、受信したパケットが設定情報パケット10000であれば、前述した設定情報パケット処理を実行し、受信したパケットが同期情報パケット20000であれば、前述した同期情報パケット処理を実行する。
【0092】
設定情報パケットの処理は、まず、設定情報パケット10000に含まれる回線終端部のMACアドレスをMACアドレス管理テーブル40−3へ書き込む。具体的には、自装置の回線終端部のMACアドレスと対向装置の回線終端部のMACアドレスとを比較し(S90)、大きいMACアドレスが設定された装置をマスタとし、小さいMACアドレスが設定された装置をスレーブとし、同期情報パケット20000の送信権を決定する(S91)。
【0093】
次に、同期情報パケット管理テーブル40−2を更新する。具体的には、設定情報パケット10000の同期パケット再送回数10000−10を同期パケット管理テーブル40−2の再送回数(設定値)40−2−dのフィールドに書き込む(S92)。
【0094】
その後、回線終端部管理テーブル40−1を更新する。具体的には、情報設定パケット(Request)10000のタイムスタンプ10000−11を送信時刻40−1−bのフィールドに書き込み、情報設定パケット(Ack)のタイムスタンプ10000−11を受信時刻40−1−cのフィールドに書き込む(S93)。次に、回線終端部の電源OFF継続時間10000−8を電源OFF継続時間40−1−eのフィールドに書き込み、電源ON継続時間10000−9を電源ON係属時間40−1−fのフィールドに書き込む(S94)。また、設定情報パケット(Request)10000と設定情報パケット(Ack)10000との応答の遅延時間を算出し、遅延時間40−1−dのフィールドに書き込む(S95)。さらに、同期情報パケット20000の再送間隔を算出し、再送間隔時間40−1−gのフィールドに書き込む(S96)。
【0095】
同期情報パケットの処理では、同期パケット管理テーブル40−2を更新する。まず、同期情報パケット20000の電源OFF開始時刻20000−8を同期パケット管理テーブル40−2の電源OFF開始時刻40−2−cのフィールドに書き込み、電源ON開始時刻20000−9を電源ON開始時刻40−2−bのフィールドに書き込む(S100)。次に、同期情報パケット20000の再送回数をカウントアップし(S101)、再送回数が設定情報パケット10000によって設定された回数以下か否かを判定する(S102)。再送回数が設定回数を超えていればタイムアウト処理を実行する(S103)。一方、再送回数が設定回数以内であれば、設定された回線終端部電源ON/OFF時刻に従って、回線終端部の電源のON/OFFを制御する(S104)。
【0096】
以上説明したように、本発明の第1の実施の形態によれば、予備系の回線終端部の電源をOFFにすることで省電力化を図りつつ、予備系の回線終端部の電源を間欠的にONにすることでリンクの正常性確認を行い、予備系回線終端部の障害を潜在化させない。これにより、省電力化を図りつつ、高信頼性を実現することができる。
【0097】
<実施形態2>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0098】
本発明において最大の効果を得るためには、自装置及び対向装置の両方が省電力機能を備える必要がある。このため、前述した第1の実施形態では、自装置の回線終端部及び対向装置の回線終端部の両方が省電力機能を備えていたが、第2の実施形態では、自装置の回線終端部のみが省電力機能を備え、自装置の回線終端部は省電力機能を備えない場合について説明する。
【0099】
図10Aは、第2の実施形態のパケット転送装置1(1000−1)とルータ(2000)との間でイーサネット回線による現用系/予備系によって構成された二重化通信路の例を示すブロック図である。また、図10Bは、図10Aに示す現用系のパケット転送装置の回線終端部の電源状態及び消費電力を時間軸上に表した図であり、図10Cは、図10Aに示す予備系のパケット転送装置の回線終端部の電源状態及び消費電力を時間軸上に表した図である。
【0100】
図10Aに示す例では、現用系(ACT系)が回線No.0であり、予備系(STB系)が回線No.1である。また、図10Aに示す例では、現用系及び予備系の回線は、各々、上り下り1本ずつであるが、複数の現用系及び/又は予備系の回線が複数本であってもよい。
【0101】
現用系では、パケット転送装置1(1000−1)及びルータ2000の各送信側回線終端部20及び各受信側回線終端部10は、電源がONの状態(S150)が維持される。データ受信時の電力消費の変動を考慮しない場合、回線終端部の消費電力は一定である(S151)。
【0102】
第2の実施形態では、対向装置に省電力機能が備わっていない。このため、予備系において、自装置内の予備系の送信側回線終端部の電源は常にONの状態とし、受信側回線終端部の電源を定期的にOFFにすることによって、ルータ2000との通信を継続しつつ、省電力化を達成できる。
【0103】
ルータ2000の予備系は、現用系と同様に各受信側回線終端部10の電源のONが維持されることから、データ受信の際の電力消費を考慮しない場合、回線終端部の消費電力は一定である。
【0104】
制御部50は、回線終端部管理テーブル40−1を参照し、電源OFF継続時間が5秒であり、電源ON継続時間が2秒であることから、予備系の受信側回線終端部の電源を2秒間ONにし(S153)、5秒間OFFにすること(S152)を繰り返す。このように、予備系の受信側回線終端部の電源を定期的にON/OFFすることによって、平均消費電力を下げることができる。なお、前述した第1の実施形態(図2C)と比べて、パケット転送装置1(1000−1)の受信側回線終端部の消費電力のみが削減されるので、消費電力を5/14削減することができる(S154)。この削減は、第1の実施形態の消費電力を比べると5/14少ない。
【0105】
図11は、第2の実施形態のパケット転送装置1(1000−1)とルータ2000との間の、制御部50及び回線終端部(受信側及び送信側を含む)の動作を示すシーケンス図である。
【0106】
図11に示す動作において、設定情報パケット10000によって設定される電源OFF継続時間40−1−eは5秒で、電源ON継続時間40−1−fは2秒である。また、予備系の受信側回線終端部を定期的にOFFするだけなので、第2の実施形態においては、図8Aで説明した同期情報パケット20000のシーケンスも必要なく、マスター側、スレーブ側の概念もない。
【0107】
具体的には、パケット転送装置1(1000−1)は、設定情報パケット(Request)10000をルータ2000に送信する(S200)。ルータ2000は、設定情報パケット(Request)に対する確認応答(設定情報パケット(Ack))を送信しない。
【0108】
パケット転送装置1(1000−1)は、複数回の設定情報パケット(Request)10000に対する確認応答がない場合、対向装置が省電力機能を備えない、例えば、ルータ等の装置である判断する。そして、パケット転送装置1(1000−1)は、送信する設定情報パケット(Request)10000に含まれる情報を、メモリ40に格納されている回線終端部管理テーブル40−1に書き込む(S204)。そして、制御部50は、受信側回線終端部の電源のOFFを指示する(S205)。受信側回線終端部の電源のOFFを指示した結果、パケット転送装置1(1000−1)の受信側回線終端部の電源がOFFとなる。
【0109】
回線終端部管理テーブル40−1の電源OFF継続時間40−1−eのフィールドには5秒が設定されているので、電源OFF後5秒が経過すると、パケット転送装置1(1000−1)の制御部50は、受信側回線終端部の電源のONを指示する(S206)。受信側回線終端部の電源のONを指示した結果、パケット転送装置1(1000−1)の受信側回線終端部の電源はONとなる。回線終端部管理テーブル40−1の電源ON継続時間40−1−fのフィールドには2秒が設定されているので、受信側回線終端部の電源は、設定された間隔でON/OFFが繰り返される(S205〜208)。
【符号の説明】
【0110】
10−1、10−2、10−n 受信側回線終端部
20−1、20−2、20−n 送信側回線終端部
30 イーサネット処理部
30−2 SW
40 メモリ
40−1 回線終端部管理テーブル
40−2 同期パケット管理テーブル
40−3 MACアドレス管理テーブル
50 制御部
60 CPU
100 イーサネット処理部
1000−1、1000−2 パケット転送装置
2000 ルータ
10000 設定情報パケット
20000 同期情報パケット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向して配置された第1の通信装置と第2の通信装置とを備える通信システムであって、
前記各通信装置は、
各々が回線終端部を有する複数の送信ポート及び受信ポートと、
前記各ポートの動作を制御する制御部と、を有し、
前記送信ポート及び前記受信ポートは、各々、現用系のポートと予備系のポートとを含み、
前記現用系の各ポートは、前記対向する通信装置の現用系のポートと接続されており、
前記予備系の各ポートは、前記対向する通信装置の予備系のポートと接続されており、
前記第1の通信装置の制御部は、
前記第2の通信装置へ第1の同期情報を送信し、
前記送信した第1の同期情報に含まれる電源の制御タイミングの情報を管理テーブルに記録し、
前記電源オフの制御タイミングになると、前記第1の通信装置の予備系のポートの動作を停止し、
前記電源オンの制御タイミングになると、前記第1の通信装置の予備系のポートの動作を再開し、
前記第2の通信装置の制御部は、
受信した前記第1の同期情報に含まれる電源の制御タイミングの情報を管理テーブルに記録し、
前記電源オフの制御タイミングになると、前記第2の通信装置の予備系のポートの動作を停止し、
前記電源オンの制御タイミングになると、前記第2の通信装置の予備系のポートの動作を再開することを特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記第2の通信装置の制御部は、前記電源オンの制御タイミングになると、前記第2の通信装置の予備系のポートの動作を再開すると共に、前記予備系の送信ポートから前記第1の通信装置に前記第1の同期情報の応答である第2の同期情報を送信することを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記第1の通信装置は、前記第2の通信装置に第1の設定情報を送信し、
前記第2の通信装置は、
前記第1の設定情報を受信すると、前記受信した第1の設定情報に含まれる予備系ポートの動作時間及び停止時間を前記管理テーブルに記録し、
前記第2の通信装置は、前記第1の通信装置に、前記第1の設定情報の応答である第2の設定情報を送信し、
前記第1の通信装置は、前記第2の設定情報を受信すると、前記受信した第2の設定情報に含まれる予備系ポートの動作時間及び停止時間を前記管理テーブルに記録することを特徴とする請求項1又は2に記載の通信システム。
【請求項4】
前記第1の通信装置の制御部は、前記第2の通信装置に設定情報を送信した後の所定時間内に、前記第2の通信装置から応答を受信することができない場合、前記第1の通信装置の予備系の前記送信ポートの動作を停止せず、前記受信ポートのみの動作を停止することを特徴とする請求項3に記載の通信システム。
【請求項5】
前記各制御部は、
現用系の障害を検出した場合、予備系の送信ポートを現用系の送信ポートに設定し、予備系の受信ポートを現用系の受信ポートに設定することによって、障害を回復し、
前記障害回復前に設定された予備系ポートの動作時間及び停止時間を引き継ぎ、
前記予備系ポートの停止時間が経過した場合、新たに設定された予備系のポートの動作を再開すると共に、前記対向する通信装置に前記同期情報を送信することを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の通信システム。
【請求項6】
通信回線を介してユーザデータを転送する通信装置であって、
各々が回線終端部を有する複数の送信ポート及び受信ポートと、
前記送信ポート及び受信ポートの動作を制御する制御部と、を備え、
前記送信ポート及び前記受信ポートは、各々、現用系のポートと予備系のポートとを含み、
前記現用系の各ポートは、対向する前記通信装置の現用系のポートと接続されており、
前記予備系の各ポートは、前記対向する通信装置の予備系のポートと接続されており、
前記制御部は、
前記対向する通信装置へ同期情報を送信し、
前記送信した同期情報に含まれる電源の制御タイミングの情報を管理テーブルに記録し、
前記電源オフの制御タイミングになると、前記予備系のポートの動作を停止し、
前記電源オンの制御タイミングになると、前記予備系のポートの動作を再開することを特徴とする通信装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記電源オンのタイミングになると、前記予備系のポートの動作を再開すると共に、前記予備系の送信ポートから前記対向する通信装置に同期情報に対する応答を送信することを特徴とする請求項6に記載の通信装置。
【請求項8】
前記通信装置は、前記対向する通信装置に第1の設定情報を送信し、
前記制御部は、前記対向する通信装置に設定情報を送信することによって、予備系ポートの動作時間及び停止時間を前記対向する通信装置に設定することを特徴とする請求項6又は7に記載の通信装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記対向する通信装置に設定情報を送信した後の所定時間内に、前記対向する通信装置から応答を受信することができない場合、前記送信ポートの動作を停止せず、前記受信ポートのみの動作を停止することを特徴とする請求項8に記載の通信装置。
【請求項10】
前記制御部は、
現用系の障害を検出した場合、予備系の送信ポートを現用系の送信ポートに設定し、予備系の受信ポートを現用系の受信ポートに設定することによって、障害を回復し、
前記障害回復前に設定された予備系ポートの動作時間及び停止時間を引き継ぎ、
前記予備系ポートの停止時間が経過した場合、新たに設定された予備系のポートの動作を再開すると共に、前記対向する通信装置に前記同期情報を送信することを特徴とする請求項6から8のいずれか一つに記載の通信装置。
【請求項1】
対向して配置された第1の通信装置と第2の通信装置とを備える通信システムであって、
前記各通信装置は、
各々が回線終端部を有する複数の送信ポート及び受信ポートと、
前記各ポートの動作を制御する制御部と、を有し、
前記送信ポート及び前記受信ポートは、各々、現用系のポートと予備系のポートとを含み、
前記現用系の各ポートは、前記対向する通信装置の現用系のポートと接続されており、
前記予備系の各ポートは、前記対向する通信装置の予備系のポートと接続されており、
前記第1の通信装置の制御部は、
前記第2の通信装置へ第1の同期情報を送信し、
前記送信した第1の同期情報に含まれる電源の制御タイミングの情報を管理テーブルに記録し、
前記電源オフの制御タイミングになると、前記第1の通信装置の予備系のポートの動作を停止し、
前記電源オンの制御タイミングになると、前記第1の通信装置の予備系のポートの動作を再開し、
前記第2の通信装置の制御部は、
受信した前記第1の同期情報に含まれる電源の制御タイミングの情報を管理テーブルに記録し、
前記電源オフの制御タイミングになると、前記第2の通信装置の予備系のポートの動作を停止し、
前記電源オンの制御タイミングになると、前記第2の通信装置の予備系のポートの動作を再開することを特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記第2の通信装置の制御部は、前記電源オンの制御タイミングになると、前記第2の通信装置の予備系のポートの動作を再開すると共に、前記予備系の送信ポートから前記第1の通信装置に前記第1の同期情報の応答である第2の同期情報を送信することを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記第1の通信装置は、前記第2の通信装置に第1の設定情報を送信し、
前記第2の通信装置は、
前記第1の設定情報を受信すると、前記受信した第1の設定情報に含まれる予備系ポートの動作時間及び停止時間を前記管理テーブルに記録し、
前記第2の通信装置は、前記第1の通信装置に、前記第1の設定情報の応答である第2の設定情報を送信し、
前記第1の通信装置は、前記第2の設定情報を受信すると、前記受信した第2の設定情報に含まれる予備系ポートの動作時間及び停止時間を前記管理テーブルに記録することを特徴とする請求項1又は2に記載の通信システム。
【請求項4】
前記第1の通信装置の制御部は、前記第2の通信装置に設定情報を送信した後の所定時間内に、前記第2の通信装置から応答を受信することができない場合、前記第1の通信装置の予備系の前記送信ポートの動作を停止せず、前記受信ポートのみの動作を停止することを特徴とする請求項3に記載の通信システム。
【請求項5】
前記各制御部は、
現用系の障害を検出した場合、予備系の送信ポートを現用系の送信ポートに設定し、予備系の受信ポートを現用系の受信ポートに設定することによって、障害を回復し、
前記障害回復前に設定された予備系ポートの動作時間及び停止時間を引き継ぎ、
前記予備系ポートの停止時間が経過した場合、新たに設定された予備系のポートの動作を再開すると共に、前記対向する通信装置に前記同期情報を送信することを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の通信システム。
【請求項6】
通信回線を介してユーザデータを転送する通信装置であって、
各々が回線終端部を有する複数の送信ポート及び受信ポートと、
前記送信ポート及び受信ポートの動作を制御する制御部と、を備え、
前記送信ポート及び前記受信ポートは、各々、現用系のポートと予備系のポートとを含み、
前記現用系の各ポートは、対向する前記通信装置の現用系のポートと接続されており、
前記予備系の各ポートは、前記対向する通信装置の予備系のポートと接続されており、
前記制御部は、
前記対向する通信装置へ同期情報を送信し、
前記送信した同期情報に含まれる電源の制御タイミングの情報を管理テーブルに記録し、
前記電源オフの制御タイミングになると、前記予備系のポートの動作を停止し、
前記電源オンの制御タイミングになると、前記予備系のポートの動作を再開することを特徴とする通信装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記電源オンのタイミングになると、前記予備系のポートの動作を再開すると共に、前記予備系の送信ポートから前記対向する通信装置に同期情報に対する応答を送信することを特徴とする請求項6に記載の通信装置。
【請求項8】
前記通信装置は、前記対向する通信装置に第1の設定情報を送信し、
前記制御部は、前記対向する通信装置に設定情報を送信することによって、予備系ポートの動作時間及び停止時間を前記対向する通信装置に設定することを特徴とする請求項6又は7に記載の通信装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記対向する通信装置に設定情報を送信した後の所定時間内に、前記対向する通信装置から応答を受信することができない場合、前記送信ポートの動作を停止せず、前記受信ポートのみの動作を停止することを特徴とする請求項8に記載の通信装置。
【請求項10】
前記制御部は、
現用系の障害を検出した場合、予備系の送信ポートを現用系の送信ポートに設定し、予備系の受信ポートを現用系の受信ポートに設定することによって、障害を回復し、
前記障害回復前に設定された予備系ポートの動作時間及び停止時間を引き継ぎ、
前記予備系ポートの停止時間が経過した場合、新たに設定された予備系のポートの動作を再開すると共に、前記対向する通信装置に前記同期情報を送信することを特徴とする請求項6から8のいずれか一つに記載の通信装置。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図11】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図11】
【公開番号】特開2012−151721(P2012−151721A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−9585(P2011−9585)
【出願日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
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