説明

通信ネットワークのためのトポロジー発見による動的サービス配信

ネットワーク上で提供される動的サービスを管理する方法であって、前記ネットワークへの入場を制御するためのルールを記憶するステップと、前記ネットワークの状態を追跡するステップと、前記ネットワーク上でセッションを確立するための要求を受信するステップと、前記セッションを確立するための前記要求を承諾するかどうかを決定するために前記記憶されたルールと前記ネットワークの状態との両者を使用するステップと、を含む方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には通信とネットワーキングとの分野に関し、特定的には広帯域インフラストラクチャ上のサービスの配信に関する。
【背景技術】
【0002】
サービスを配信するために必要とされるネットワーク資源は、ネットワークを構成する相互接続技術によって制約される。商取引上の理由からサービスプロバイダ(サービス提供業者)のネットワークの容量は、新しいエンドユーザの増加と共に直線的に成長することはできない。その結果、サービスプロバイダは、申込み超過と呼ばれることを実行しなくてはならない。これは、ネットワーク内の同じ資源が異なるエンドユーザに多数回販売されることを意味する。
【0003】
申込み超過は、すべてのユーザが彼らのデータパイプを同時に消費していることはないであろうという原理に基づいている。サービスプロバイダは、ネットワークにどれくらい多くの同時使用が存在するであろうかを推定し、各データパイプによって使用される資源の量に対してある幾つかの最大限界を与える。混雑時(すなわち、ネットワークが処理できるレベルを超えるトラフィックレベルで同時に多くのエンドユーザがネットワークにアクセスしようとしているとき)には、セッションに関連するサービス品質は、ネットワークが特別の処理を必要とするセッションとそのような特別の処理を必要としない他のセッションとを区別できないので、実質的に低下する可能性がある。これは、サービス(またはサービスの集合)によって消費される資源がエンドユーザへのデータパイプの特性によって制限されるという結果を招く。
【0004】
例えばビデオオンデマンド・アプリケーションにおいて(例えばユーザがビデオクリップまたは映画を要求する場合に)、もしエンドユーザが今日の静的データパイプを介してコンテンツプロバイダから流れているビデオ(すなわち動的サービス)をダウンロードしたい場合、その視聴体験は、従来の放送TVを見ることによって得られる視聴体験より遥かに劣ることになりそうである。この理由は、もしネットワークによって利用可能にされなければユーザにとって劣った視聴品質(例えばジャーキー、フレーム抜けなど)という結果を招く、配信されるべきビデオフレームに必要とされるある一定量の帯域幅が存在することである。現在、サービスプロバイダのアクセスネットワークは、最大限努力のコンテンツ配信に基づいているが、これはこのようなサービス配信のために必要とされるサービス品質と比較して不十分であり得る。これは特に、多数のユーザが同じセットのネットワーク資源を目指して競い合う、共用競争ベースのアクセスネットワークにおいて真である。
【0005】
今日、サービスプロバイダを悩ませている問題の一つは、帯域幅ホグ(大食い)の存在である。帯域幅ホグという語句は、配信ネットワーク資源の大半を消費するユーザ/エンドポイント(端点)の典型的には小さなパーセンテージを指す。今日、サービスプロバイダがデータパイプの静的特性のためにこれらの帯域幅ホグに関してアクセスを制御できる容易な、あるいは適切な手段は存在しない。帯域幅ホグは、エンドポイントが他の非帯域幅ホグ関連セッションによって必要とされる同じ資源を欲し、また帯域幅ホグに関連するセッションがその同じ資源を目指して競い合う限り、データパイプによって許されると同じくらい多くの帯域を消費する可能性がある。
【0006】
静的データパイプの特性は、加入者またはエンドユーザのために利用可能にされるある最小および最大帯域幅が存在し得るというものである。現在いったん提供されると帯域幅のこの利用可能性は、再提供することなしには変更できない。したがって静的な提供はネットワーク資源の非効率的利用という結果を招く。提供することは、サービス配信に関与するある顧客構内装置およびまたは何らかの中間的ネットワーク要素のいずれかに加入者またはエンドユーザのサービスプロファイルを静的に構成するという行為である。顧客構内装置(ケーブルモデム)の場合、提供されるためには装置の再ブートが必要である。サービスプロバイダは、そのネットワーク内に限定されたセットの資源を持っており、したがってそのネットワーク内で利用可能な資源が、サービスプロバイダが顧客として迎え入れることに同意したエンドユーザのニーズを満足させ得ることを保証しなくてはならない。エンドユーザは、サービスプロバイダのネットワーク内の、またはそれを超えた別の場所からコンテンツを受信するためにデータパイプを使用する。エンドユーザはまた、ローカル(家庭または企業)サイトから、他のコンテンツプロバイダまたは同位者(ピア)(例えばこのサービスプロバイダのネットワーク内の他のエンドユーザ)またはこのようなコンテンツを受信できる他の任意の合法的エンティティのいずれかであり得る遠隔端(リモートエンド)にコンテンツを送るためにデータパイプを使用することもできる。エンドユーザがデータパイプ上で転送したいと思っているコンテンツのタイプとは無関係に、オンデマンドストリーミングビデオ・アプリケーション、または電話アプリケーション、または即時メッセージ・アプリケーション(ビデオ成分を持つ、または持たない)、または単なるインターネットブラウジングに関して、動的サービスに関連するデータトラフィックは、エンドユーザのために静的に規定された資源によって制約される。
【0007】
今日、差別化されたサービスをエンドユーザに提供するためのモデルは、階層化サービス(ティアードサービス)(例えばブロンズ、シルバー、ゴールド)である。サービスプロバイダは、エンドユーザまたは加入者が加入している階層に基づいてデータパイプの特性が異なり得る階層化サービスモデルを提供する。階層化サービスは、顧客関連への階層が静的であって、階層とその関連特性も静的であるので、動的サービスのニーズに取り組んでいない。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
一般に一態様において本発明は、ネットワーク上で提供される動的サービスを管理する方法を特徴付ける。本方法は、前記ネットワークへの入場を制御するためのルールを記憶するステップと、前記ネットワークの状態を追跡するステップと、前記ネットワーク上でセッションを確立するための要求を受信するステップと、前記セッションを確立するための前記要求を承諾するかどうかを決定するために前記記憶されたルールと前記ネットワークの状態の両者を使用するステップと、を含む。
【0009】
他の実施形態は、下記の特徴の一つ以上を含む。前記記憶されたルールはまた、サービス品質(QoS)を制御するためのルールを含み、前記受信された要求はまた、要求されたセッションに関するQoSを要求し、前記方法は更に、前記受信されたセッション要求のための一つ以上のポリシー決定であって、前記確立されたセッションに関するQoSを実現するための一つ以上のポリシー決定を生成するために前記記憶されたルールを使用するステップと、確立されたセッションをサポートすることに責任を有する終端装置に前記一つ以上のポリシー決定を送出するステップと、を含む。このネットワークは、制御平面とデータ平面とによって特徴付けられ、サービスに関する要求を受動的に監視し受信するステップは、この制御平面で行われる。前記ネットワークの状態を追跡するステップは、ネットワーク上でアクティブになっているQoS使用可能セッションに関する情報を追跡するステップを含む。前記ネットワークの状態を追跡するステップは、ネットワークの状態を受動的に監視するステップを含む。前記ネットワークの状態を追跡するステップは、ネットワーク資源の使用を監視するステップを含む。ネットワーク資源の使用を監視するステップは、使用情報に関してネットワーク要素をポーリングするステップを含む。前記記憶されたルールはまた使用ベースのルールを含む。前記ネットワークの状態を追跡するステップは、アクティブなQoS使用可能セッションによる資源の使用を監視するステップを含む。本方法はまた、前記サービス要求に関してある一定のレベルのQoSを確立するための一つ以上のポリシー決定を生成するために前記記憶されたルールを使用するステップと、前記要求されたセッションがネットワーク終端装置を介して確立される一つ以上のポリシー決定をこのネットワーク終端装置に送出するステップと、を更に含む。本方法はまた、前記サービス要求に関するある一定のレベルのQoSを確立するための一つ以上のポリシー決定を生成するために前記記憶されたルールを使用するステップと、前記要求されたセッションを処理するように構成されたデータパイプを適応させるための一つ以上のポリシー決定をネットワーク終端装置に送出するステップと、を更に含む。このネットワークは、ケーブルネットワークまたはDSLネットワークである。セッションを確立するための前記要求を受信するステップは、アプリケーションマネージャからの要求を受信するステップを含む。ネットワークへの入場を制御するためのルールを記憶するステップは、これらのルールを動的にロードするステップを含む。前記ルールを動的にロードするステップは、前記ルールをコンパイルされた形式でロードするステップを含む。前記記憶されたルールと前記ネットワークの状態との両者を使用するステップは、待ち時間感受性アプリケーションのためにより高い優先度を使用するステップを含む。本方法はまた、ルール記憶するステップと、ネットワークの状態を監視するステップと、セッションを確立するための、また1セットの階層的に配置されたポリシーサーバの間で受信されたセッション要求に関する一つ以上のポリシー決定を生成するための要求を承諾するかどうかを決定するために前記記憶されたルールと前記ネットワークの状態との両者を使用するステップと、からなる実施形態を配布するステップを含む。
【0010】
一般にもう一つの態様において本発明は、ネットワーク上で動的サービスを提供する方法であって、前記ネットワークへの入場を制御するためのルールを記憶するステップと、前記ネットワークの状態を追跡するステップと、前記ネットワーク上でセッションを確立するための要求を受信するステップと、前記ネットワーク上でセッションを確立するための前記要求に応じて入場制御を管理するために前記記憶されたルールと前記ネットワークの状態の両者を使用するステップと、を含む方法を特徴付ける。
【0011】
一般に更に他の態様で本発明は、ネットワーク終端装置を含むネットワーク上で提供される動的サービスを管理するための装置を特徴付ける。本装置は、プロセッサシステムと、前記ネットワーク終端装置とのネットワーク上での通信を可能にするインタフェースと、ネットワークへの入場を制御するためのルールとプログラムコードとを記憶するメモリシステムとを含んでおり、このプログラムコードは前記プロセッサシステム上で実行されたときに、前記装置に:前記ネットワークの状態を追跡するステップと、前記ネットワーク上でセッションを確立するための受信された要求を処理するステップと、セッションを確立するための前記要求を承諾するかどうかを決定するために前記記憶されたルールと前記ネットワークの状態の両者を使用するステップと、を行わせるプログラムコードである。
【0012】
他の実施形態は、下記の特徴を含む。前記メモリはまたサービス品質(QoS)を制御するためのルールを記憶し、前記プログラムコードはまた、前記プロセッサシステム上で実行されたときに、前記装置に:前記受信されたセッション要求に関する一つ以上のポリシー決定であって前記確立されたセッションに関するQoSを実施するための一つ以上のポリシー決定を生成するために前記記憶されたルールを使用するステップと、前記一つ以上のパリシー決定を前記ネットワーク終端装置に送出するステップと、を行わせる。
【0013】
一般に一態様において本発明は、複数のネットワーク終端装置と、これら複数のネットワーク終端装置の背後にある複数のCPE(顧客構内装置)とを含むネットワークに接続されたポリシーサーバを動作させる方法を特徴付ける。本方法は、終端装置によって保持されるデータに関して前記複数の終端装置をポーリングするステップと、どの終端装置の背後にどのCPEが存在するかを識別するトポロジー(地形学)情報を生成するために前記ポーリングされたデータを処理するステップと、トポロジーデータ構造体に前記トポロジー情報を格納するステップと、を含む。
【0014】
他の実施形態は、下記の特徴の一つ以上を含む。本方法はまた、前記複数のCPEの間で前記CPEのうちの一つに関してセッションを立ち上げるための要求を受信するステップと、前記CPEのうちの一つのCPEがネットワーク終端装置の背後に位置するそのネットワーク終端装置を識別するために前記トポロジーデータ構造体を参照するステップと、前記要求されたセッションの特性を構成するために前記識別されたネットワーク終端装置にポリシー決定を送出するステップと、を含む。前記終端装置はケーブルモデム終端システム(CMTS)である。本方法はまた、前記ポーリングされたデータを更に含み、前記ポーリングされたデータを処理するステップは前記記憶されたポーリングされたデータを処理するステップを含む。ポーリングするステップは、前記複数のネットワーク終端装置によって保持されるMIBからMIBテーブルを抽出するステップと、前記抽出されたMIBテーブルを記憶するステップと、を含み、また処理するステップは前記トポロジー情報を生成するために前記記憶されたMIBテーブルを処理するステップを含む。前記ネットワークはまた、前記複数のCPEが接続された複数のモデムを含み、また各終端装置は各々のブレードが対応する1セットのチャネルをサポートする1セットのブレードによって特徴付けられ、処理するステップはどのブレードとチャネルとモデムとが各CPEに関連しているかを決定するステップを含む。各ネットワーク終端装置は、複数のアクセスネットワークのうちの対応する一つに接続され、前記複数のモデムの各々は、前記複数のアクセスネットワークのうちの対応する一つと通信し、前記トポロジー情報は、前記複数のネットワーク終端装置のうちの対応する一つの対応するブレードおよびチャネルと、前記複数のモデムのうちの対応する一つとへの前記複数のCPEのうちの各CPEのマッピングを表す。前記複数のネットワーク終端装置をポーリングするステップは、前記複数の終端装置によって記憶され保持されるMIBをポーリングするステップを含む。ポーリングするステップは、ポーリングするためにSNMPを使用するステップを含む。前記トポロジーデータ構造体内に前記トポロジー情報を格納するステップは、複数のレコードを含む加入者データのリストに前記トポロジー情報を格納するステップを含む。前記複数のレコードの各レコードは、前記複数のCPEのうちの対応する一つのCPEのアドレスを記憶しており、また各レコードは前記複数のCPEのうちの対応する一つのCPEに関して前記複数のネットワーク終端装置のうちの対応する一つのためのインデックスを識別する。前記記憶されたCPEアドレスはIPアドレスである。前記複数のレコードの各レコードは、前記複数のCPEの対応する一つのCPEのアドレスを記憶し、また各レコードは、前記複数のCPEの対応する一つに関して、前記複数のネットワーク終端装置のうちの対応する一つのためのインデックスと前記ネットワーク終端装置内の対応するブレードを識別するブレードインデックスと前記ネットワーク終端装置内の対応するチャネルを識別するチャネルインデックスと前記複数のモデムのうちの対応する一つのモデムのMACアドレスとを識別する。
【0015】
一般に更に他の態様で本発明は、複数のネットワーク終端装置と前記複数のネットワーク終端装置の背後にある複数のCPE(顧客構内装置)とを含むネットワーク上での使用のための装置を特徴付ける。本装置は、プロセッサシステムと;前記複数のネットワーク終端装置とのネットワーク上での通信を可能にするインタフェースと;トポロジーデータ構造体と、前記プロセッサシステム上で実行されたときに、前記装置に:前記ネットワーク終端装置によって保持されるデータに関して前記複数のネットワーク終端装置をポーリングするステップと、どの終端装置の背後にどのCPEが存在するかを識別するトポロジー情報を生成するために前記ポーリングされたデータを処理するステップと、前記トポロジー情報を前記トポロジーデータ構造体に格納するステップと、を行わせるプログラムコードと、を記憶するメモリシステムと;を含む。前記プログラムコードは、前記プロセッサシステム上で実行されたときに、前記装置に:前記複数のCPEの間で前記CPEの一つに関してセッションを立ち上げるための受信された要求を処理するステップと、前記CPEがネットワーク終端装置の背後に配置されたそのネットワーク終端装置を識別するために前記トポロジーデータ構造体を参照するステップと、前記要求されたセッションの特性を構成するために前記識別されたネットワーク終端装置にポリシー決定を送出するステップと、とを行わせる。
【0016】
データパイプの特性を動的に制御することは、サービスプロバイダによって運用される配信ネットワークがこれらの特性を変更できることを可能にし、あるいは帯域幅ホグに関連するデータパイプのアクセスを動的に制限することさえ可能にする。代替のモデルではサービスプロバイダは、このような帯域幅ホグによるそのネットワーク資源の追加使用を有料化することができるであろう。
【0017】
本発明の一つ以上の実施形態の詳細は、付属の図面と下記の説明とに述べられる。本発明の他の特徴と目的と利点は、説明と図面から、また請求項から明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
(アーキテクチャ)
図1は、サービスプロバイダのネットワーク10のハイレベル図である。これは、アプリケーションサーバ(AS)12と、一つ以上のアクセスネットワーク16へのゲートウェイとして機能する多数のケーブルモデム終端システム(CMTS)14と、アプリケーションサーバ12に代わって入場制御とサービスの品質とを管理するポリシーサーバ(PS)18と、を含む。これらの要素は典型的には、これらが互いに通信できるネットワーク20(例えばインターネット)に接続される。パソコンまたはセットトップボックスといった顧客構内装置(CPE)22は、ケーブルモデム(CM)24を介してアクセスネットワーク16に接続される。
【0019】
ケーブルヘッドエンドに位置する装置であるCMTSは、多重化ネットワークインタフェース上の多くのケーブルモデムユーザへの、またユーザからのデータを経路指定するように設計されたデータ交換システムとして機能する。これは、これが接続されたアクセスネットワーク(例えばケーブルデータネットワーク)上での上流向きと下流向きの通信を統合する。CMTSは、アクセスネットワーク上でケーブルモデムに接続するためにプロトコル(例えばDOCSIS RFI MACプロトコル)を実行する。DOCSISは、標準方式によりケーブルネットワーク上でデータを伝送する方法を定義するData−Over−Cable Service Interface Specifications(ケーブルによるデータサービス・インタフェース仕様)のセットを指す(DOCSIS1.0,1.1,2.0を参照のこと)。RFIは、MACと、CMTSとCMネットワーク要素との間の物理層インタフェースと、を定義するDOCSIS Radio Frequency Interface(無線周波数インタフェース)仕様である。
【0020】
CMTSは、多数の6MHz幅のチャネルに分割されるスペクトル上で動作する。各チャネルは、典型的には約30〜40Mbpsの容量を有する。物理的にCMTSは典型的には、各々のブレードがn個のチャネル(ここでnは典型的には4に等しい)をサポートする多数のブレードを含む。各ブレードは、CMTS内の対応するスロットに保持される。
【0021】
コンテンツプロバイダによって管理されるアプリケーションサーバ12は、ケーブルモデム24に接続されたCPE22上のアプリケーションにコンテンツを配信するエンティティである。インターネット上でこのようなサーバの一般的例は、ヤフー・ウェブサーバ、ファイルアップロードサーバ、ビデオサーバ、Xboxサーバなどを含む。
【0022】
またエンドユーザまたはネットワーク管理システムに代わってQoSベースのサービスを要求するためにポリシーサーバ18にインタフェースするシステムであるアプリケーションマネージャ(AM)26も存在する。典型的にはアプリケーションマネージャ26は、図示のようにアプリケーションサーバ12の一部として実現される。
【0023】
ケーブルモデム24は、他の顧客構内装置(CPE)22がアクセスネットワーク16に接続して、ケーブルサービスを受信することを可能にする。説明されている実施形態ではケーブルモデムは、6MHzチャネルで最大30〜40Mbpsのデータを配信できる64/256QAM(Quadrature Amplitude Modulation:直交振幅変調)RF受信器である。ユーザからのデータは、320kbpsから10Mbpsのデータ速度を有するQPSK/QAM送信器を使用して変調される(ここでQPSKはQuadrature Phase Shift Keying modulation(四相ディジタル位相変調)を指す)。上流向きおよび下流向きデータ速度は、加入者ニーズに合うようにケーブルモデムを使用して柔軟に構成できる。
【0024】
ポリシーサーバ18は、主としてアプリケーションマネージャ26とCMTS(単数または複数)14との間の媒介手段として働くシステムである。これは、アプリケーションマネージャからの要求と、アプリケーションとCMTSとの間の代理メッセージとにネットワークポリシーを適用する。説明されている実施形態ではこれは、パケットケーブルマルチメディア(PCMM)規格(例えばパケットケーブルマルチメディア・アーキテクチャフレームワーク技術報告PKT−TR−ARCH−V01−030627を参照のこと)ならびにここに説明されている拡張機能によって指定される機能を実現する。媒介手段としてのその容量においてポリシーサーバ18は、ネットワークまたはサービスの運用者によって確立されたポリシールールに基づいて異なる要求者のためにQoSを与え、終端装置(例えばCMTS)にポリシー決定を押し付けることによってQoSに影響を与える。その拡張された機能は、ネットワークの状態(ネットワーク上で起こっていること、セッションの状態など)を追跡して監視するステップと、そのネットワークの状態に基づいてポリシー決定を行うステップと、を含む。
【0025】
一般に、説明されているこの実施形態は、通信ネットワーク上での動的サービスの配信を可能にする。サービスの配信は、サービスのユーザ(エンドユーザとも呼ばれる)と、サービスの配信を容易にする配信ネットワーク(例えばアクセスネットワーク16)と、サービスのためのコンテンツのプロバイダと、を含む。配信ネットワーク(またはアクセスネットワーク16)は、一般にサービスプロバイダと呼ばれるエンティティによって所有されている。サービスのユーザは一般に、何らかの人間のオペレータまたはサービスを呼び出し得るマシンを含む。ユーザまたは加入者は、居住者、企業、またはサービスプロバイダの他の任意の合法的顧客であり得るであろう。サービスのためのコンテンツのプロバイダは、コンテンツプロバイダと呼ばれる。コンテンツに関する供給源はサービスプロバイダによって所有されて管理されことがあり得るが、この場合コンテンツはローカルコンテンツと呼ばれる。代替としてコンテンツの供給源がサービスプロバイダとは異なるあるエンティティによって所有され管理されることがあり得るが、この場合コンテンツは第三者(サードパーティ)コンテンツと呼ばれる。
【0026】
典型的には配信されつつある動的サービスは、合法的ユーザが要求時に呼び出し得るサービスであって、また一つ以上のコンテンツプロバイダによって提供され、一つ以上のサービスプロバイダによって所有される一つ以上の配信ネットワーク上で配信されるサービスである。ここで説明されるケーブルネットワーク実施形態の場合、動的サービスの例は、音声ビデオ電話、ビデオオンデマンド、インターネットデータサービス、ゲームの時間ベース・ボリュームベースのサービスを含むが、これらに限定されない。
【0027】
サービスのユーザに配信される如何なるサービスに関しても、コンテンツプロバイダとユーザとの間にはデータパイプと呼ばれる経路が設けられる。典型的にはサービスプロバイダは、配信ネットワークとデータパイプの提供とに責任を有するエンティティである。データパイプは、一つ以上の物理的ネットワーク要素を通り、サービスに関与する二つのエンドポイント間にデータを配信するための接続を与える論理管路である。ビデオ、音声/電話またはインターネットデータのいずれであってもコンテンツの配信は、静的手段または構成された手段を介してデータパイプが確立されている家庭または企業へのこのようなデータパイプの上で家庭または企業いずれにおける広帯域ユーザにも提供される。
【0028】
データパイプの提供は、電子的サービス(例えば電話、ビデオ)を構成し管理し起動するというプロセスである。現在、提供が実際の提供プロセスの自動化も指していることで用語法が入り混じっている。ここで使用される提供は、このようなプロセスの自動化とは反対のプロセスを意味する。このプロセスは自動化し得るが、従来技術で知られるように、提供は静的であり、これは動的サービスを要求する顧客を満足させるようにデータパイプを自動的に適応させることができないことを意味する。
【0029】
データパイプは、通信するエンティティ間のセッションをサポートするために使用される。セッションは、サービス(例えばビデオオンデマンド、ゲーム、電話/音声、ファイル共用など)の要求と配信に関与している二つ以上のエンドポイント間の情報の流れを指す。このようにしてセッションは、動的サービス呼出しの事例に関連する動的関係を表す。1セッションは、サービスを提供するために必要とされるすべてのデータフローとデータパイプが通る種々の要素で使用されるすべての資源とを含む。音声コールに関してセッションは、ユーザが被呼者に電話をかけるときに結果として生じるエンドユーザ間の接続に写像するであろう。このような音声セッションは、呼を完了させるために利用されるすべてのネットワーク資源を含む。マルチメディアメッセージ通信サービスに関してセッションは、メッセージ通信サービスを提供するために必要とされるネットワーク資源と共にビデオ、音声およびデータトラフィック(コンテンツ)を含む。
【0030】
(制御平面)
説明されている実施形態ではポリシーサーバは、CMTSとCMとを監視して制御するために制御平面内でだけ動作する。「制御平面」によってわれわれは、データパイプの構築、管理および解体に関連する信号送出または制御態様を意味する。信号送出態様に関与するネットワークの要素間のすべてのエンティティは、サービスプロバイダネットワークの制御平面を形成する。これに対してサービスに関与する二つのエンドポイント間のデータパイプ上でのデータの転送に関与する要素を指すデータ平面も存在する。データの転送に関与するネットワークの要素間のすべてのエンティティは、サービスプロバイダネットワークのデータ平面を形成する。例えばビデオオンデマンドサービス−ここではユーザが要求時に映画を注文できる−に関しては、データパイプと映画コンテンツの実際の転送とに含まれる如何なるネットワークエンティティもデータ平面であると考えられる。
【0031】
言い換えればセッションに関連するデータは、ポリシーサーバを流れない。ポリシーサーバは、信号送出がセッションの確立と管理と解体とに関連するメッセージだけを指す動的セッションの信号送出態様だけを処理する。
【0032】
データ平面に常駐する如何なる機器装置(例えば監視用または制御用)もデータパイプを流れるデータを検査するステップを含み、これは無論、プライバシー問題を引き起こすであろうことは注目に値する。これに対して制御平面にだけ常駐する如何なる機器装置もパイプを流れるデータを検査するステップを含まず、したがってプライバシー問題を引き起こすことはない。
【0033】
(監視機能)
拡張された機能を実行するためにポリシーサーバは、現在アクティブになっているすべてのセッションの状態を維持することによって、また種々の関連するネットワーク装置と構成要素とに記録されているある一定の情報を受動的に監視することによってネットワークの状態を追跡する。それからネットワーク資源がどのように使用されているかについてのこの知識は、ポリシーを実行するために使用される。例えばポリシーサーバは、ブレードまたはチャネルレベル上の特定のアプリケーションによって使用されている資源を制限するためにこの知識を使用する。例えばあるサービス要求が入ってきて、ネットワークが現在混雑していることをポリシーサーバがその監視機能を介して知ったと仮定すると、ポリシーサーバはネットワークが混雑していれば新しい要求を入れないというルールを実行できる。
【0034】
留意されるようにポリシーサーバは、2種類のセッションのフロー上の、すなわちQoS使用可能セッションと非QoS使用可能セッションの上のデータを収集して維持する。如何なるQoS使用可能セッションもポリシーサーバを通らなくてはならないので、ポリシーサーバはどの種類のアプリケーションが関係しているか、とそれを使用している加入者と、それらのセッションに関する他の使用関連の詳細と、を正確に知っている。ポリシーサーバは、CMTSごとに、ブレードごとに、ケーブルモデムごとに、アプリケーションごとに、加入者ごとに、加入者階層ごとに、含む多数のレベルでこの情報を追跡する。更にこれらのQoS使用可能セッションに関してポリシーサーバは、どんなセッションが存在するか、どれほど多くの帯域幅が各セッションによって消費されているか、どの種類のQoSパラメータが各セッションのために使用されているかを追跡する。
【0035】
他方では非QoS使用可能セッションは、ポリシーサーバを通過しない。これら他のセッションは「ベストエフォート(最善努力)」ベースでネットワークによって取り扱われ、これはこれらのセッションすべてがイコールベース(同じ条件)で利用可能な資源を目指して競い合うことを意味する。したがってポリシーサーバは、これらのセッションに関する如何なる詳細も先験的には知っていない。これらのフローに関する情報を取得するためにポリシーサーバは、これらのベストエフォートのフローに関連するネットワークトラフィックの測定値を確認するためにCMTSとケーブルモデムとによって維持される種々のMIBを監視する。これは、定期的に、例えば20〜30分ごとに関連MIBをポーリングすることによってこのデータを監視する。更にこれはまた、CMTS、ブレード、ポート、チャネル、およびケーブルモデムを含む種々のレベルに関してこのデータを収集する。
【0036】
この仕方で収集されたトラフィックデータは、特定のレベルによって取り扱われているすべてのパケットに関する集計データを表す。言い換えればこの監視されたパケット数は、QoS使用可能セッションに関連するパケットだけでなくベストエフォートセッションに関連するすべてのパケットを含む。ポリシーサーバはQoS使用可能セッションのために留保された、または割り当てられた帯域幅を知っているので、このポリシーサーバはベストエフォートセッションのためのカウントの評価に到達するために集計カウントからこれらの数を減算する。QoS使用可能セッションは、これらの割り当てられた帯域幅で継続的に動作してはいないようであるから、ベストエフォートフローの推定値はこれらのフローの大きさを控えめに言う傾向があるであろう。更に説明されている実施形態ではデータは20〜30分ごとにポーリングされるだけなので、このカウントはリアルタイムの数を表さない。しかしながらネットワークの状態のこれらの近似値は、意味のあるポリシー決定の基礎となる十分に有用な情報を提供する。
【0037】
ポリシーサーバは、監視データの質を改善するための手法を使用できる。例えば、監視された情報を更に有用な形式にするためにポリシーサーバは、使用時の傾向を識別するためにこの情報を時間に亘って分析し、近未来のネットワーク状態を予測することができる。更にある回数に亘って、ポリシーサーバは、特定のチャネルまたはセッションの使用に関してより正確なデータを取得でき、またこの機会が起きるときポリシーサーバは、ネットワークの状態の見え方を改善するためにこのデータを使用できる。例えば特定のセッションが解体されるときポリシーサーバは、上流下流の両方向でこのセッションによって取り扱われたパケットの総数の正確なカウントを得ることができる。これらの回でポリシーサーバは、ベストエフォートセッションに関する集計数のより正確な推定値に到達するためにこれらのより正確なカウントをその計算に組み入れる。
【0038】
より頻繁にポーリングすることによってリアルタイムデータにより近いデータを生成することも可能であることは無論である。しかしながらこれを行うために支払われる代償は、ネットワークが配信するサービスの低下である。より頻繁にポーリングすることは、そうでなければサービスを配信するために使用され得る帯域幅を消費するであろう。したがってポーリングの頻度と収集されるデータの量とを選択することは、収集されるデータの精度とサービスレベルとの間の妥協を必要とする。
【0039】
ポリシーサーバは、下記事項を追跡することによって(典型的には適当なMIB内の情報を読取ることによって)アクセスネットワーク利用の効率を改善する:
a)CMTSのチャネル特性:これは、チャネルが上りおよび下り方向に動作しているQAM方式といった情報を含む。典型的な下りQAM方式は、64−QAMまたは256−QAMである。典型的な上り変調方式は、QPSKまたは16−QAMである。所定のチャネル内の「雑音」に依存してCMTSは、より高速での伝送を可能にする方式からより低速での伝送を可能にする方式にQAM方式を動的に変えることができ、この逆も可能である。これはチャネルの「容量」に影響を与え、チャネルの容量の如何なる増加または減少にも適応するために絶えず監視されることを必要とする。これは、アクセスネットワークの効率的利用を保証するために決定的であり得る。
【0040】
b)動的チャネル変更:特定のチャネルの仕様に依存してCMTSは、ケーブルモデムの1グループに一つの異なるチャネルを動的に割り当てる。ポリシーサーバからこのプロセスを監視し、ある幾つかの場合には制御することが重要である。例えばもしCMTSが「古い」チャネル上で動作していたCMのグループに「新しい」チャネルを突然割り当てると、これが「古い」チャネル上で減少したトラフィックに繋がるが、今度は「新しい」チャネルがそれを流れるトラフィックを持つことになる。これらの変化は、リアルタイムで検出され、この情報は、効率的なネットワーク利用を保証するために決定を行うときに考慮される。
【0041】
c)一次/二次ポート変更:CMTSは、改善された信頼度と冗長性のためにCMのグループの役に立つ一次および二次ポートを有する。簡単に説明すればこれは次のように働き得るであろう:
ポート1→CMグループ1のために一次
CMグループ2のために二次
ポート2→CMグループ2のために一次
CMグループ2のために二次
もしこの状況でポート2が動作不良となれば、ポート1はポート2の機能と負荷とを肩代わりするであろう。このような変更は追跡され、入場制御決定を行う際に考慮される。
【0042】
(ポリシーの実施)
ポリシーサーバは、動的サービスのためのゲートキーパー(門番)として働く。エンドポイントと多数のコンテンツプロバイダとの間の媒介装置として機能することによってこれは、サービスに関して認証し、必要な資源が利用可能であることを保証することによってサービスを起動し、また動的サービスの請求書作製発行(billing)の態様に関与する。動的サービスが起動されようとしているとき、コンテンツプロバイダまたはサービスを要求しているエンドポイントは、ポリシーサーバからのサービスを要求する。一般にポリシーサーバは、二つのこと−入場制御とQoS制御を行う。
【0043】
最初にポリシーサーバは、サービスが提供され得ることを保証するために要求の入場制御を行い、それからそのサービスのために資源が利用可能であることを保証するために、データ経路内の関係するネットワーク要素に必要な処置を実施する。入場制御ポリシーの一部はサービスプロバイダによって制御され、これらのポリシーは:どのアプリケーションが資源に関して要求することを許されるか、どのコンテンツプロバイダがサービスプロバイダのネットワークから資源に関して取得および要求が許されるか、どのエンドユーザがどのタイプのサービスに関して要求が許されるか、そしてコンテンツサーバとエンドユーザといった種々のエンティティによってどれほど多くの資源が要求され得るか、といったことを制御するために使用される。
【0044】
もし入場制御が合格すれば、そのセッションは進むことができ、良好な配信のためにネットワークを介して必要とされるサービス品質を与えられる。もし入場制御が不合格であればセッションは進むことができない。入場制御は、1)無許可のコンテンツプロバイダまたはエンドユーザによる要求、2)要求されるサービス品質を提供するためには不十分なネットワーク内の資源、によって不成功になる可能性がある。もし入場制御が理由2のために不成功であれば、コンテンツプロバイダはどのようにしてでも、しかし低下したサービスレベルでコンテンツを配信することを選択することができる。
【0045】
いったん入場制御がすべてのルール検査を通過すると、ポリシーサーバはその特定のアプリケーションのためにどの種類のQoSが必要とされるであろうかを計算する。それからまたこれは、QoSのこのレベルを実施するためにCMTSにポリシー決定を伝達する。すなわちこれは、そのアプリケーションに関して適当な経験を与えるために、ジッタ、待ち時間、帯域幅などに関してある一定のQoSを設定するようにCMTSに指示する。例えばこれは、小さいジッタ、短い待ち時間特性を有するフローを創生することができる。CMTSが従うDOCSIS規格は、例えば利用可能なスケジューリング機構の適当な一つを使用するようにCMTSに命令することによってこれを要求することを可能にする。
【0046】
ローカルデータベースにおいてポリシーサーバは、ネットワーク内に何が認可されているかを考慮する、および/またはネットワークの監視されている状態を考慮する使用ベースのルールを含む1セットのポリシールールを記憶している。ポリシーサーバはサービス要求に応じてポリシー決定を生成するためにポリシールールを使用する。ポリシーサーバがネットワークの状態に関して収集した詳細の量が与えられれば、ポリシーサーバは特定の加入者のためと同様に特定のアプリケーションのために、ややきめの細かい入場制御を実施することができる。
【0047】
ネットワークとネットワーク要素との監視されている状態の分析に基づくトポロジー発見プロセスを使用して、ポリシーサーバは、各特定の要求者がどこに(すなわちどのCMTSの背後に)位置するかを示すテーブルを生成して維持する。より明確にはポリシーサーバは、どのCTMS/ブレード/チャネルか関係しているかを決定するためにセッション設定要求内の加入者情報を使用する。それからポリシーサーバは、実施されることを必要としているポリシー決定のすべてを計算し、それからこれらのポリシー決定を適当なCMTSに送る。そしてCMTSは、設定されつつあるセッションのためにこれらの決定を実行する。ポリシー決定は定義されて、セッションが設定されるときにCMTSに押しやられ、またこれらは典型的にはセッションが存在している限り有効に留まる。
【0048】
ポリシーサーバは、ネットワーク資源(例えば帯域幅)を管理するために使用され、資源がどのように管理されるべきかを定義するためにネットワーク運用者またはサービス運用者がサイト固有のポリシーを付加することを可能にすることによってカストマイズされることが意図されている。
【0049】
説明されている実施形態がケーブルネットワーク環境に実現されると仮定すると、下記の論議は帯域幅に関する要求を「ゲート」と称するであろう。帯域幅が要求されると、この帯域幅がどのように使用されるべきかを定義する1セットのパラメータも指定される。これらのパラメータは、この要求が承認されるべきかどうかを決定するためにポリシーが評価されるときに使用される。「ゲート」は、帯域幅が使用されている限り存在する。ゲートが終了または削除されると、帯域幅はもはや利用できない。
【0050】
上記のパラメータのセットは、商業的に利用可能な装置が従う種々の公に利用可能な仕様書において識別され定義される。帯域幅を割り当てる方法を指定することに加えて、これらのパラメータはまた、ネットワークを流れるパケットを処理する方法と、特定のタイプのアプリケーションにどれほど多くの帯域幅を割り当てるべきかと、トラフィックフローに関する最小限界値および最大限界値を確立するウィンドウを設定することと、帯域幅に関する予約、パケットをドロップするためのルールなどを設定する方法と、を指定する。
【0051】
この仕様書は、例えばケーブル研究所(Cable Labs)によって実現され、より詳細に関して読者が参照されるパケットケーブルマルチメディア仕様書を含む。
【0052】
ポリシーサーバは、1セットのポリシールールで構成される。各ポリシールールは、いつポリシーが関連するかを決定するために使用される1セットの条件と、これらの条件が満たされたときに実行される1セットの処置とを含む。これらの処置は、1ゲートまたは1セットのゲートに対して実行され得る。これは、ポリシー処置に関連するゲート選択基準によって決定される。ポリシーサーバは、ポリシーサーバの外部で起きるイベントに応じてポリシーを評価する。これらのイベントは、「ポリシートリガー」と呼ばれる。
【0053】
下記は、ポリシー管理のこれらの態様の各々を論じ、また更にサポートされる特徴の幾つかを定義する。
【0054】
(ポリシー条件)
ポリシー条件は、ネットワークの状態に関する情報と、ポリシーサーバによって受信されるゲート要求に関連する情報とを定義するオブジェクトによって表される。これらのオブジェクトの各々は、ポリシー内で利用可能な関連情報の集まりを有する。これは下記のタイプの情報を含む:
管理インタフェースを介して構成される情報
外部データベースから集められる情報
外部のネットワーク装置から集められる情報
ネットワーク資源利用に基づいて計算される情報
【0055】
構成された情報は、手動で入力された構成情報を含む。例えばサービスプロバイダは、ポリシーサーバに接続され、これらのアプリケーションサーバを特定のアプリケーションに結びつけるある幾つかのアプリケーションサーバを識別したいと思う可能性がある。この情報によって、もしポリシーサーバがある特定のアプリケーションサーバから要求を受信すれば、このポリシーサーバはどのアプリケーションがこのサービスに関連しているかを自動的に決定でき、それによってどのQoSがこの要求に必要とされるであろうかを知ることができる。例えば音声アプリケーションに関連する要求は優先度の高いサービスを受ける必要があるであろうが、これに対して一時的な映画ダウンロードの要求は低い優先度を与えられ得るであろう。このような関連は、手動で構成された情報に基づく可能性がある。
【0056】
外部データベースは、多数のサービス運用業者(MSO)またはサービスプロバイダによって維持されるデータベースを含む。これらは、典型的には加入者情報と、ネットワークおよび加入者アクセスを管理するために使用される情報と、ポリシーを定義する際に有用である他の情報とを含むかもしれない。一つの特定の例は、加入者が資格を与えられているサービスの階層へのこの加入者IPのマッピングである。
【0057】
外部ネットワーク装置から集められた情報は、種々のMIBで維持され、MIBから取得可能であるデータに関連している。この情報は、CMTS、ブレード、チャネルのパケットトラフィックと、CMTSおよびケーブルモデムに関する構成情報とを含む。
【0058】
ポリシー条件で使用され得る1セットのオブジェクトの一例は下記の通りである:
・加入者; サービスプロバイダ/MSO/運用者によって提供されるサービスのエンドユーザ。
・加入者階層; 加入者に関連するサービスプランまたは一括セットのサービス。
・アプリケーションマネージャ/アプリケーションサーバ。
・アプリケーション; ゲートと関連するアプリケーション(単一のアプリケーションが多数のアプリケーションマネージャまたはアプリケーションサーバと関連し得る)。
・ゲート
・CMTS
・CMTSブレード
・CMTSチャネル
・地域またはゾーン; これはネットワークの行政的、地理的、組織的サブセットを表す。これはまた全ネットワークを表すこともできる。
・トリガーイベント; これはポリシー評価をトリガー(誘発)したイベントである。
・時間; 現在時間は、リストアップされた他の多くと同じ意味で実際には「オブジェクト」ではないが条件付で使用できる。
・ネットワーク状態; 資源に関する要求が行われているときにポリシーサーバによって認識されたネットワークの状態。
・他のオブジェクト; ポリシーエンジンは拡張可能であって、追加の属性が既存のオブジェクト上で定義されることを可能にし、また新しいオブジェクトタイプがポリシー評価に関して定義されることを可能にする。
単一のポリシー内で、異なるオブジェクトに基づいた、または同じオブジェクトに基づいた多数の条件を持つことは可能である。
【0059】
(ポリシートリガー)
ポリシー評価は、ポリシーサーバの外部で起きるイベントによって「トリガー」される。次のリストは、ポリシー評価をトリガーできるイベントの一部を定義する:
・アプリケーションマネージャからのゲート作製要求。
・アプリケーションマネージャからのゲート修正要求。
・アプリケーションマネージャからのゲート削除要求。
・ゲートタイムリミット到達。このポリシーサーバによって前に作製されたゲートに関連するタイムリミットに到達した。
・ゲートボリュームリミット到達。このポリシーサーバによって前に作製されたゲートに関連するボリュームリミットに到達した。
・混雑検出。ネットワーク状態は、ポリシー条件についてのセクションで説明されたオブジェクトに関するすべてのセッションの使用統計を保持することによって追跡される。これはまた、実際のネットワーク装置を監視することによって(例えばSNMP MIBをポーリングすることによって)も追跡される。ネットワークが混雑していると見なされる使用レベルを定義することは可能であり、これらのレベルは、混雑を処理するようにポリシーをトリガーするために使用できる。混雑レベルが定義され得るオブジェクトは下記を含む:
○ 加入者
○ アプリケーション
○ アプリケーションマネージャ/アプリケーションサーバ
○ CMTS
○ CMTSブレード
○ CMTSチャネル
○ 地域
【0060】
(ポリシー処置)
あるポリシーに関連する条件が満たされたときに実行され得る多数の処置が存在する。これらは、下記のテーブルに要約される。ある幾つかの処置は、ある幾つかのタイプのトリガーイベントに関してだけ意味を成すことに留意すること。
・ゲート要求を拒否する
・ゲート要求を認可する:要求で指定された要件を満たす要求を認可する
・下記を含む修正パラメータを有するゲート要求を認可する:
○ 引き下げられた、または引き上げられたトラフィック優先度
○ 使用ベースまたは時間ベースのトラフィック制限
○ 減らされた(または増やされた)帯域幅割当て
○ 動作可能特殊特徴要素(例えば電子的監視またはゲートがケーブルモデムリブートを生き残るための能力)
・新しく認可された要求のための「余地を作る」ために選択された以前から存在するゲートを削除する(選択基準に基づく)
・下記を含む選択された以前から存在するゲートのパラメータを変更する(選択基準に基づく):
○ トラフィック優先度の引下げ(または引上げ)
○ 使用ベースまたは時間ベースのトラフィック制限の追加
○ 帯域幅割当ての削減
・通知イベントを生成する(例えばSNMPトラップまたは運用へのEメールまたはロギングイベントの生成)
・他の処置(製品は予め定義されたセットの処置をプログラム的に拡張する能力をサポートする)
【0061】
(選択基準):
ある幾つかの処置は、多数のゲートに適用できる。これらの処置は、処置が実行されるべきである以前から存在しているゲートのサブセットをポリシーライターが指定することを可能にするゲート選択基準をサポートする。これらの選択基準はポリシーサーバが下記に基づいてゲートを選択することを可能にする:
・ゲートに関連する加入者階層
・ゲートに関連するアプリケーション
・ゲートに関連するアプリケーションマネージャ/アプリケーションサーバ
・ゲートに関連するCMTS
・ゲートに関連するCMTSブレード
・ゲートに関連するCMTSチャネル
・ゲートに関連する使用統計
【0062】
(ポリシーの例)
上記に定義された情報を説明するために、ここに製品が下記をサポートできるポリシーの幾つかの例がある:
1. 特定の1アプリケーション、または1セットのアプリケーションに関して、固有の帯域幅とQoS優先度とを有するフローを与える。
例えばテレビ会議アプリケーションは、384/768上り/下り帯域幅、リアルタイムポーリング型優先度(VBR同等)を受ける。
【0063】
2. 特定の1アプリケーション、または1セットのアプリケーションに関して、時刻に基づいて固有の帯域幅とQoS優先度とを有するフローを与える。
例えばゲームサービスは、午前6時から午後6時の間は512/512上り/下り帯域幅とノンリアルタイムポーリング型優先度を受け、他の時間帯では256/512を受ける。
【0064】
3. 1セットの加入者に関して(一括/階層に基づく)アプリケーションへのアクセスは、特定の回数の間、認可される。これらの回数の間、固有の帯域幅とQoS特性が適用される。
例えば、加入者Aは、午後6時から午前6時までの間、ゲームセッションのために増加した帯域幅とQoSサービスとへのアクセスを与えるゲームの束を購入している。
【0065】
4. 特定の装置(CMTS/ブレード/チャネル)に関して動的フローは、現在のネットワーク資源使用に基づいて特定の帯域幅とQoS特性とを与えて作成され得る。
例えばゲームセッションのためのより広い帯域幅の動的要求は、CMTSの帯域幅利用が容量の60%未満である場合にだけ許される。
【0066】
5. ネットワークの一部分以内で、ある帯域幅は特定のタイプのアプリケーションのために留保されるべきである。
例えばある地域内では帯域幅の30%は、VOIPアプリケーションのために留保されなくてはならない。
【0067】
6. MSOネットワーク内の特定のサーバに関して、サーバの現在の使用が容量一杯であれば、動的フローが作成されることを許可しない。
例えば特定のビデオオンデマンドサーバに割り当てられるべきである帯域幅の全量は、1.5Gb/sec以下にすべきである。
【0068】
7. もしある一定の加入者が、ある地域内でネットワーク性能に実質的に影響を与える程度に帯域幅を使用していれば、この状況を調整するためにある幾つかの処置をとる(注:これは「帯域幅ホグ」例である)。
例えばその「省略時のベストエフォートフロー」が1週間の間、自分のCMTSのために利用可能な帯域幅の10%より多くを使用する如何なる加入者もそのネットワークトラフィック優先度を下げるべきであり、またネットワーク運用者による適当な処置に関してその加入者レコードに注意を向けさせるべきである。
【0069】
(ポリシー配信)
ポリシーサーバのためのポリシーは、ウェブベースの管理インタフェースを使用して書かれる。このインタフェースは、ポリシーライターによってカストマイズされ得る条件と処置とに関して予め定義されたテンプレートの集まりからユーザが選択することを可能にする。ポリシーエディタは、新しいテンプレート(条件と処置の両者に関する)がポリシーエディタに追加され得るように拡張機構を備える。ポリシーライターがあるポリシーに関してすべての条件と処置とを選択したとき、そのポリシーは一つ(以上)のポリシーサーバに展開配置される用意が整っている。この時点でポリシーは後の編集のために保存されるか、直ちに展開配置され得る。
【0070】
1ポリシー(または1セットのポリシー)がポリシーサーバに展開配置されているとき、各ポリシーは標準のプログラミング言語に翻訳される。この表現は、このプログラミング言語のために標準のインタプリタで実行可能なバイトコードにコンパイルされる。ポリシーエディタが必要とされるポリシーのタイプをサポートできない場合には、この手法は直接標準のプログラミング言語でポリシーを書くことになっている拡張機構を与える。これはまた、同じプログラミング言語に翻訳され得るポリシーを定義するための代替の方法によってポリシーエディタが交換または増強されることを可能にし、またポリシーインフラストラクチャの残りの部分は如何なる変更も必要としない。
【0071】
コンパイルされたポリシーは、結合されてポリシーサーバ(単数または複数)に展開配置され得る「ポリシーライブラリ」にまとめられる。コンパイルされたポリシーのためのインタプリタ(上述の)は、ポリシーが帯域幅要求を処理するためにポリシーサーバによって実行され得るようにポリシーサーバ内に構築される。ポリシーライブラリがポリシーサーバ(単数または複数)に配布された後に、コンパイルされたポリシーは、インタプリタ内に動的にロードされる。ポリシーの動的ローディングは、サポートされるアプリケーションの一部が高いレベルの利用可能性を必要とするという理由で極めて重要である停止またはリブートなしでポリシーサーバが新しいポリシーを再ロードできることを意味する。更にポリシーがコンパイルされているのでこれらのポリシーは、アプリケーションが帯域幅要求を処理するために極めて短い待ち時間を必要とするときでも、迅速に実行され得る。
【0072】
(待ち時間感受性アプリケーションのサポート)
ポリシーサーバによってサポートされるアプリケーションの一部はセッション設定待ち時間に極めて敏感であるので、ポリシーサーバはポリシーエンジンに組み込まれるこれらのアプリケーションのための特別なサポートを有する。あるポリシーが作成されるとき、すべての要求を評価するためにこのポリシーが使用されるべきかどうか、あるいは待ち時間感受性アプリケーションのためにスキップされるべきかどうかを指定することが可能である。
【0073】
これは、これらの要求を妥当性検証するためにより少ないポリシーが使用されるのでポリシーサーバが待ち時間感受性アップリケーションに関する要求をより迅速に処理することを可能にする。ポリシーサーバはまた、これらの要求がすべての処理(ポリシー処理だけでなく)に関して高い優先度を受けること可能にする、待ち時間感受性アプリケーションからの要求のための「高速経路」を実現する。待ち時間感受性であるアプリケーション要求のこの特別処理は、ポリシーサーバが最小遅延をセッション設定プロセスに導入することを可能にし、それによってアプリケーションがその短いセッション設定時間を維持することを可能にする。
【0074】
(トポロジー発見)
サービスプロバイダがエンドユーザへのデータパイプのサービス品質属性を動的に調整できるようにするために、サービスプロバイダはセッション要求または動的サービス要求をエンドユーザの場所に関連付ける機構を使用する。これは、動的な仕方で、すなわち要求が受信されたときに行われる。この関連付けを動的に実行する能力は、セッション設定時にデータパイプのサービス品質特性を動的に調整できることにとって鍵である。ポリシーサーバは、コンテンツフローに関連するデータの経路においてセッションの終了点と中間的ネットワーク要素との場所を動的に見つけ出す。ポリシーサーバは、エンドユーザへの経路において中間的ネットワーク要素を見つけ出すために、エンドユーザの終点ID(IPアドレスまたは十分に適格のドメイン名のいずれか)を使用する。例えば広帯域インターネットアクセスを与えるケーブルネットワークでは、クライアントまたはPCに対応するIPアドレスにエンドユーザの終点IDを解明することができる。それからポリシーサーバは、エンドユーザが取り付けられたケーブルモデムとして機能するCMTSのIPアドレスを解明するためにエンドユーザのIPアドレスを使用することができる。同様にポリシーサーバは、ケーブルモデムが取り付けられているCMTSを解明するために終点のMACアドレスを使用する。いったんポリシーサーバがデータパイプをエンドユーザに送付する中間的ネットワーク要素を見つけ出すと、ポリシーサーバは、必要な資源が動的セッションに利用可能となるようにこれらのネットワーク要素に調整を行う。
【0075】
一般にアクセスネットワークでは、ホストはエッジまたはアクセスルータの背後に配置される。前に留意されたようにここに説明されている高速ケーブルデータネットワークでは、ホストは図1に示すように、CMTSの背後に配置される。ポリシーサーバは、各加入者がどのCMTSの背後に配置されているかを解明するためにトポロジー発見プロセスを使用し、テーブル内でこの情報を保持し更新する。ポリシーサーバが特定の加入者のためのサービスに関する要求を受信すると、このポリシーサーバはこの加入者のためのCMTSがどこに配置されているかを知るために、このテーブルを参照する。いったん関連するCMTSが識別されると、ポリシーサーバは資源留保要求をこのCMTSに発行する。
【0076】
ポリシーサーバによって実行されるトポロジー発見は、MSOのアクセスネットワークを構成する物理的構成要素(例えばCMTS、ブレード、チャネル、ケーブルモデム、およびCPE装置)を自動的に検出する。このトポロジー発見は、CMTSから経路選択テーブル情報と加入者管理情報とを取得することによってこれを行う。前述のように各CMTSは、CMTSの状態、関連ケーブルモデムの状態、および対応するCPE装置の状態を表す情報が存在する多量の情報を種々の規格指定のMIBテーブル内に保持する。加入者のCMTSへのマッピングはMIBから直接読み取り可能ではないが、このマッピングはある適当な情報を抽出してこの情報を知的に分析することによって構築され得る。
【0077】
図1を参照するとポリシーサーバ内のデータ収集器50は、これが定期的にCMTSをポーリングし、ポーリングされたデータを照合して分析し、それからその結果をポリシーサーバに利用可能にするトポロジー発見プロセスを実行する。CMTSをポーリングするときデータ収集器は、特定の1セットのMIBから関連情報を検索するためにSNMP(Simple Network Management Protol(単純ネットワーク管理プロトコル))を使用する。SNMPは、ネットワークトラフィックとネットワーク構成要素の振舞いとに関する統計データを収集するためのよく知られたプロトコルである。ポリシーサーバは、IPサブネットのCMTSへのマッピングを構成するために抽出されたこれを使用する。
【0078】
データ収集器がCMTS MIBの状態情報を検索するためにSNMPを使用してCMTS MIBを定期的にポーリングすると、この検索された情報は個別のMIBによって定義された1セットの関連のないテーブルとして得られる。データ収集器は、CPE装置、ケーブルモデム、CMTSチャネル、CMTSブレード、およびCMTSの間の関係を含むネットワークトポロジーのまとまりのある見え方を生成するためにこれらのテーブルを相関付ける。相関アルゴリズムの詳細は、図4に関連して以下に説明される。
【0079】
最後にデータ収集器は、ある幾つかの機能を実行するためにトポロジーデータを使用するポリシーサーバにとってトポロジーデータを利用可能にする。例えばポリシーサーバは、CMTS内の特定のチャネル上に累積した留保されている帯域幅に所定の閾値を超えさせる要求拒否といった、特定のトポロジー情報に依存するポリシーを実行するためにこのトポロジーデータを使用する。
【0080】
これを例示するより詳細な例は、図2に示される。この例ではアプリケーションマネージャを介したアプリケーションサーバは、CPE1,2,3,4に関して上り、下り両方向に2Mbps容量のチャネルを要求している。このポリシーサーバは、チャネルの留保された上り帯域幅に10Mbpsを超えさせる如何なる要求も拒否するように指示する記憶されたポリシーを持っている。ポリシーサーバは、どのCMTSがCPE1,2,3,4を取り扱っているかを突き止めるためにそのポリシー発見プロセスを介して生成されたマッピング情報を有するそのデータベースを検査する。トポロジーデータは、CPE1,2,3,4がCMTSX、ブレードY、チャネルZに写像されることを示している。どのCMTS/ブレード/チャネルが関係しているかを知ることに基づいて、ポリシーサーバは、チャネルZが留保された上りトラフィックの9Mbpsを有することを決定するために監視された情報のその他のデータベースを検査する。したがってCPE1、2、3、4に関する要求されたセッションを追加することは、上り帯域幅に10Mbps上限を超えさせるであろう。したがってポリシーサーバは、CPE1、2、3、4のためのサービス要求を拒否する。
【0081】
またポリシーサーバは、図3に示すようにPCMM要求を適当なCMTSに動的に経路指定するためにトポロジー情報を使用する。この場合アプリケーションマネージャは、CPE1、2、3、4に関するPCMMサービス要求をポリシーサーバに発行する。各PCMM要求は要求しているCPE装置のIPアドレスを含むので、ポリシーサーバはネットワーク内のCMTSをポーリングすることによって知られるサブネット情報に対する加入者のIPアドレスの整合を実行することによってCMTSを探し当てるためにこの情報を使用する。この例ではポリシーサーバは、その記憶されたトポロジーデータからCPE1、2、3、4がCMTSCによって操作されていることを決定する。したがってポリシーサーバは、要求されたサービスを提供するために適当なポリシー決定をCMTSCに転送する。
【0082】
ポリシーサーバはまた、特定のCMTSブレードにインストールされたゲートの数といったトポロジーデータに基づいて使用統計値を維持する。これらの統計値はネットワークの現在の状態を表し、ポリシー実行時に助けとなる。更に種々のチャートと報告が、ネットワークの動作的健全性を例証するために使用統計値に基づいて生成され得る。
【0083】
(トポロジー発見アルゴリズム)
このセクションは検索されたMIBテーブルを相関させるためにデータ収集器によって使用されるアルゴリズムを説明する。この結果は、CPE装置、ケーブルモデム、CMTSチャネルおよびCMTSの間の関係を含むネットワークトポロジーのまとまりのある見え方となる。
【0084】
各CMTSに関してデータ収集器は、図4に示す一連の動作を実行する。先ずデータ収集器は下記のMIBテーブルをポーリングし(フェーズ100)、その情報をローカルに記憶する:
DOCS−SUBMGT−MIB:docsSubMgtCpeIpTable
DOCS−IF−MIB:docsIfCmtsCmStatusTable
DOCS−IF−MIB:docsIfDownstreamChannelTable
DOCS−IF−MIB:docsIfUpstreamChannelTable
ENTITY−MIB:entPhysicalTable
ENTITY−MIB:entAliasMappingTable
IF−MIB:ifTable
IP−FORWARD−MIB:ipCidrRouteTable
【0085】
それからデータ収集器は、CMTSに接続されたCPE装置のすべてを表すdocsSubMgtCpeIpTable内のデータを見て回る(フェーズ102)。このテーブル内の各行に関してデータ収集器は、docsIfCmtsCmStatusIndexフィールドを読み取り、これを使用してdocsIfCmtsCmStatusTableからの対応する行を探索する(フェーズ104)。このdocsIfCmtsCmStatusTableからの対応する行は、CPE装置に関連するケーブルモデムを表す。
【0086】
各行から(すなわちCPE装置に関連する各ケーブルモデムに関して)データ収集器は、docsIfCmtsCmStatusDownChannelIfIndexフィールドを読み取り、またdocsIfCmtsCmStatusUpChannelIfIndexフィールドを読取る。これらのフィールド内の情報は、下りおよび上りチャネルとこれらのチャネルに対応するブレードとを下記のように識別するために使用される。
【0087】
データ収集器は、docsIfCmtsCmStatusDownChannelIfIndexフィールドから読み取られた情報を使用してdocsIfDownstreamChannelTableから対応する行を探索する(フェーズ106)。対応する行は、ケーブルモデムに接続されたCMTS下りチャネルを表す。同様にデータ収集器は、docsIfCmtsCmStatusUpChannelIfIndexフィールドから読取られた情報を使用して、docsIfUpstreamChannelTableから対応する行を探索する(フェーズ108)。この場合、対応する行はケーブルモデムに接続されたCMTS上りチャネルを表す。
【0088】
データ収集器はまた、docsIfCmtsCmStatusDownChannelIfIndexから読み取られた情報を使用して下りチャネルに対応するCMTSブレードを見つけ出す(フェーズ110)。この装置はこれを下記のように行う。これは、entAliasMappingTableを介してdocsIfCmtsCmStatusDownChannelIfIndexをentPhysicalIndexに変換する。それからこれは、entPhysicalIndexを使用してentPhysicalTable内の対応する行を探索する。この行は下りチャネルを表す。データ収集器は、下りチャネルのentPhysicalContainedInフィールドを読み取り、この情報を使用してentPhysicalTable内の含有するエンティティを探索する。この含有エンティティは、下りチャネルを含むMAC層またはブレードのいずれかを表す。entPhysicalClassフィールドは、それが現すものを指示するであろう。もし含有エンティティがMAC層を表すならば、データ収集器はentPhysicalContainedInフィールドを読み取り、この情報を使用して、ブレードを表すentPhysicalTable内の含有エンティティを探索する。最後にデータ収集器は、ブレードのentPhysicalContainedInフィールドを読み取り、この情報を使用してentPhysicalTable内のブレードに関して含有エンティティを探索する。この場合、含有エンティティはブレードを保持するスロットを表す。entPhysicalParentRelPosフィールドは、ブレードのインデックスを与える。
【0089】
データ収集器は、前のフェーズで与えられた説明と同様な仕方で上りチャネルに対応するCMTSブレードを見つけ出すためにdocsIfCmtsCmStatusUpChannelIfIndexを使用する(フェーズ112)。
【0090】
最後にデータ収集器は、CMTS上のCPE装置とケーブルモデムとに関するサブネットのリストを作成するためにipCidrRouteTable内のデータを見て回る(フェーズ114)。各行に関してデータ収集器は、ipCidrRouteIfIndexフィールドを読み取り、この情報を使用してifTable内の対応する行を探索する。もし結果として得られた行がdocsCableMaclayer(127)に等しくないifTypeを持つならば、データ収集器はこのリストからそれを削除する(フェーズ118)。
【0091】
この抽出された情報からデータ収集器は、加入者データのリストを生成する。このリスト内の各レコードは、CPE(加入者とも呼ばれる)の対応するIPアドレス(または十分に適格のドメイン名)によって識別される。各レコードは、CPEが接続された要素、すなわちCMTS IPアドレス、ブレードインデックス、チャネルインデックス、およびモデムMACアドレスを識別する。
【0092】
(否定応答)
もしポリシーサーバによって発行された資源要求内のIPアドレスに基づいて加入者をCMTSが探し当てることができないために資源要求が不成功であれば、データ収集器はこの情報を使用してCMTSへのIPアドレス・マッピングが変化したことを知る。これは、データ収集器がネットワークをポーリングする時点間にネットワークにIPアドレス変更が行われたとき、および情報が無効になったときの「ウィンドウ」時に要求が到来したときに発生し得る。データ収集器サーバは、更新された情報を得るためにネットワークを再ポーリングし、この新しい情報に基づいて新しい現在のCMTSに対して要求を再試行する。
【0093】
(ポリシーサーバの経路指定)
適当なCMTSにPCMM要求を経路指定するための前に説明された経路指定方法論は、アプリケーションマネージャとのインタフェースを単純にするために協同動作するポリシーサーバのより複雑なトポロジーを考慮するために拡張され得る。例えば図3に示すように、ポリシーサーバは、階層的仕方で構成でき、ここでは一つのポリシーサーバは、要求をアプリケーションマネージャからより低いレベルの1グループの他のポリシーサーバの適当な一つに転送するためにゲートウェイとして機能する(図5を参照)。代替としてポリシーサーバは、図6に示すようにピア(同位者)として行動することができる。この場合には、アプリケーションマネージャは、要求をポリシーサーバの一つに転送し、このポリシーサーバはこの要求を他のポリシーサーバのうちの適当な一つに転送する。
【0094】
この仕方で多数のポリシーサーバを使用することは、ルール処理の分割を可能にするという利点を有する。これは、ある幾つかのタイプのルールが一つのレベルで実行され、他のタイプのルールがより低いレベルで実行されるようにポリシールールが階層的仕方で分配され得る階層的アプローチに関して特に真実である。例えばトップレベルは階層レベルまたは加入者ごとの総体レベルルールであることができ、より低いレベルはよりきめ細かなルールであり得るであろう。この仕方でのルール処理の分割は、アーキテクチャをより拡張性のあるものにする。
【0095】
データ収集器はポリシーサーバの一部として示されているが、これは別の構成要素であることもできる。更にもしデータ収集器が別個の構成要素であれば、これは多数のポリシーサーバに奉仕することができるであろう。すなわちデータ収集器はその収集した情報を多数の異なるポリシーサーバに提供できるであろう。
【0096】
ポリシーサーバは、一つ以上のプロセッサと、アプリケーションサーバおよびCMTSとの通信を可能にするインタフェースと、抽出されたMIBテーブル、加入者データのリスト、および前述の機能を実現するコードを記憶するためのメモリと、を含むプラットフォーム上に実現される。
【0097】
(他の実施形態)
前述の実施形態はケーブルネットワークを含んでいたが、ここに提示された考えは、動的サービスが提供される如何なる広帯域ネットワークまたは他のネットワーク(光、有線または無線にかかわらず)にも適用可能である。例えばこれらの考えが実現され得る他のネットワーク環境は、DSL(Digital Subscriber Loop:ディジタル加入者回線)ネットワークと企業ネットワークとを含む。更に同じ考えは、サービスがピアツーピア(同位層間)ベースであるか、コンテンツプロバイダ・エンドユーザ間ベースであるかに関係なく適用可能である。
【0098】
他の実施形態も前記の特許請求の範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】配信サービスのためのケーブルネットワークのアーキテクチャのブロック図である。
【図2】入場制御を実行するためのトポロジーデータの使用を示す図である。
【図3】サービス要求を動的に経路指定するためのトポロジーデータの使用を示す図である。
【図4】トポロジー発見プロセスと相関アルゴリズムとのフロー図である。
【図5】ポリシーサーバの階層的配置を示す図である。
【図6】互いにピアツーピア関係にあるポリシーサーバを示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク上で提供される動的サービスを管理する方法であって、
前記ネットワークへの入場を制御するためのルールを記憶するステップと、
前記ネットワークの状態を追跡するステップと、
前記ネットワーク上でセッションを確立するための要求を受信するステップと、
前記セッションを確立するための前記要求を承諾するかどうかを決定するために前記記憶されたルールと前記ネットワークの状態との両者を使用するステップと、を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記記憶されたルールはまたサービス品質(QoS)を制御するためのルールを含み、前記受信された要求はまた要求されたセッションのためのQoSを要求し、前記方法は更に、
前記受信されたセッション要求のための一つ以上のポリシー決定であって、前記確立されたセッションに関するQoSを実現するための一つ以上のポリシー決定を生成するために前記記憶されたルールを使用するステップと、
確立されたセッションをサポートすることに責任を有する終端装置に前記一つ以上のポリシー決定を送出するステップと、を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ネットワークは制御平面とデータ平面とによって特徴付けられ、サービスに関する要求を受動的に監視し受信するステップは前記制御平面で行われることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ネットワークの状態を追跡するステップは、ネットワーク上でアクティブになっているQoS使用可能セッションに関する情報を追跡するステップを含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ネットワークの状態を追跡するステップは、ネットワークの状態を受動的に監視するステップを含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ネットワークの状態を追跡するステップは、ネットワーク資源の使用を監視するステップを含むことを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
ネットワーク資源の使用を監視するステップは、使用情報に関してネットワーク要素をポーリングするステップを含むことを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記記憶されたルールはまた使用ベースのルールを含むことを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記ネットワークの状態を追跡するステップは、アクティブなQoS使用可能セッションによる資源の使用を監視するステップを含むことを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項10】
前記サービス要求に関してある一定のレベルのQoSを確立するための一つ以上のポリシー決定を生成するために前記記憶されたルールを使用するステップと、
前記要求されたセッションがネットワーク終端装置を介して確立される一つ以上のポリシー決定をこのネットワーク終端装置に送出するステップと、を更に含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記サービス要求に関してある一定レベルのQoSを確立するための一つ以上のポリシー決定を生成するために前記記憶されたルールを使用するステップと、
前記要求されたセッションを処理するように構成されたデータパイプを適応させるために一つ以上のポリシー決定をネットワーク終端装置に送出するステップと、を更に含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記ネットワークはケーブルネットワークであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記ネットワークはDSLネットワークであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
セッションを確立するための前記要求を受信するステップは、アプリケーションマネージャからの要求を受信するステップを含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
ネットワークへの入場を制御するためのルールを記憶するステップは、これらのルールを動的にロードするステップを含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記ルールを動的にロードするステップは、前記ルールをコンパイルされた形式でロードするステップを含むことを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記記憶されたルールと前記ネットワークの状態との両者を使用するステップは、待ち時間感受性アプリケーションのためにより高い優先度を使用するステップを含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
ルール記憶するステップと、ネットワークの状態を監視するステップと、セッションを確立するための、また1セットの階層的に配置されたポリシーサーバの間で受信されたセッション要求に関する一つ以上のポリシー決定を生成するための要求を承諾するかどうかを決定するために前記記憶されたルールと前記ネットワークの状態との両者を使用するステップと、からなる実施形態を配布するステップを更に含むことを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項19】
ネットワーク上で動的サービスを提供する方法であって、
前記ネットワークへの入場を制御するためのルールを記憶するステップと、
前記ネットワークの状態を追跡するステップと、
前記ネットワーク上でのセッションを確立するための要求を受信するステップと、
前記ネットワーク上でセッションを確立するための前記要求に応じて入場制御を管理するために前記記憶されたルールと前記ネットワークの状態の両者を使用するステップと、を含むことを特徴とする方法。
【請求項20】
前記記憶されたルールはまた、サービス品質(QoS)を制御するためのルールを含み、前記方法は更に、セッションを確立するための前記受信された要求に応じて作成されるセッションに関するQoSを管理するために前記記憶されたルールを使用するステップを含むことを特徴とする、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
ネットワーク終端装置を含むネットワーク上で提供される動的サービスを管理するための装置であって、
プロセッサシステムと、
前記ネットワーク終端装置との前記ネットワーク上での通信を可能にするインタフェースと、
前記ネットワークへの入場を制御するためのルールと、前記プロセッサシステム上で実行されたときに、前記装置に:
前記ネットワークの状態を追跡するステップと、
前記ネットワーク上でセッションを確立するための受信された要求を処理するステップと、
前記セッションを確立するための前記要求を承諾するかどうかを決定するために前記記憶されたルールと前記ネットワークの状態の両者を使用するステップと、を行わせるプログラムコードと、を記憶するメモリシステムと、を含むことを特徴とする装置。
【請求項22】
前記メモリはまたサービス品質(QoS)を制御するためのルールを記憶することと、
前記プログラムコードはまた前記プロセッサシステム上で実行されたときに、前記装置に:
前記受信されたセッション要求に関して前記確立されたセッションに関するQoSを実現するための一つ以上のポリシー決定を生成するために前記記憶されたルールを使用するステップと、
前記一つ以上のポリシー決定を前記ネットワーク終端装置に送出するステップと、を行わせることと、を特徴とする、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
複数のネットワーク終端装置と、前記複数のネットワーク終端装置の背後にある複数のCPE(顧客構内装置)とを含むネットワークに接続されたポリシーサーバを動作させる方法であって、
終端装置によって保持されるデータに関して前記複数の終端装置をポーリングするステップと、
どの終端装置の背後にどのCPEが存在するかを識別するトポロジー情報を生成するために前記ポーリングされたデータを処理するステップと、
トポロジーデータ構造体に前記トポロジー情報を格納するステップと、を含むことを特徴とする方法。
【請求項24】
前記複数のCPEの間で前記CPEのうちの一つに関してセッションを立ち上げるための要求を受信するステップと、
前記CPEの一つがネットワーク終端装置の背後に位置するそのネットワーク終端装置を識別するために前記トポロジーデータ構造体を参照するステップと、
前記要求されたセッションの特性を構成するために前記識別されたネットワーク終端装置にポリシー決定を送出するステップと、を更に含むことを特徴とする、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記終端装置はケーブルモデム終端システム(CMTS)であることを特徴とする、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記方法は前記ポーリングされたデータを更に含み、前記ポーリングされたデータを処理するステップは前記記憶されたポーリングされたデータを処理するステップを含むことを特徴とする、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記ポーリングするステップは、前記複数のネットワーク終端装置によって保持されるMIBからMIBテーブルを抽出するステップと、
前記抽出されたMIBテーブルを記憶するステップと、を含み、
また処理するステップは前記トポロジー情報を生成するために前記記憶されたMIBテーブルを処理するステップを含むことを特徴とする、請求項23に記載の方法。
【請求項28】
前記ネットワークはまた前記複数のCPEが接続された複数のモデムを含み、各終端装置は各々のブレードが対応する1セットのチャネルをサポートする1セットのブレードによって特徴付けられ、処理するステップはどのブレードとチャネルとモデムとが各CPEに関連しているかを決定するステップを含むことを特徴とする、請求項23に記載の方法。
【請求項29】
各ネットワーク終端装置は複数のアクセスネットワークの対応する一つに接続されることと、前記複数のモデムの各々は前記複数のアクセスネットワークの対応する一つと通信することと、前記トポロジー情報は前記複数のネットワーク終端装置のうちの対応する一つのネットワーク終端装置の対応するブレードおよびチャネルと、前記複数のモデムのうちの対応する一つのモデムとへの前記複数のCPEの各CPEのマッピング(写像)を表すことと、を特徴とする、請求項23に記載の方法。
【請求項30】
前記複数のネットワーク終端装置をポーリングするステップは、前記複数の終端装置によって記憶され保持されるMIBをポーリングするステップを含むことを特徴とする、請求項23に記載の方法。
【請求項31】
ポーリングするステップは、ポーリングするためにSNMPを使用するステップを含むことを特徴とする、請求項23に記載の方法。
【請求項32】
前記トポロジーデータ構造体内に前記トポロジー情報を格納するステップは、複数のレコードを含む加入者データのリストに前記トポロジー情報を格納するステップを含むことを特徴とする、請求項23に記載の方法。
【請求項33】
前記複数のレコードの各レコードは前記複数のCPEのうちの対応する一つのCPEのアドレスを記憶しており、また各レコードは前記複数のCPEのうちの対応する一つのCPEに関して前記複数のネットワーク終端装置のうちの対応する一つのネットワーク終端装置のためのインデックスを識別することを特徴とする、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記記憶されたCPEアドレスはIPアドレスであることを特徴とする、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記複数のレコードの各レコードは前記複数のCPEのうちの対応する一つのアドレスを記憶することと、また各レコードは前記複数のCPEのうちの対応する一つに関して前記複数のネットワーク終端装置のうちの対応する一つのネットワーク終端装置のためのインデックスとこのネットワーク終端装置内の対応するブレードを識別するブレードインデックスと前記ネットワーク終端装置内の対応するチャネルを識別するチャネルインデックスと前記複数のモデムのうちの対応する一つのモデムのMACアドレスとを識別することと、を特徴とする、請求項32に記載の方法。
【請求項36】
複数のネットワーク終端装置と前記複数のネットワーク終端装置の背後にある複数のCPE(顧客構内装置)とを含むネットワーク上での使用のための装置であって、
プロセッサシステムと、
前記複数のネットワーク終端装置との前記ネットワーク上での通信を可能にするインタフェースと、
トポロジーデータ構造体と、前記プロセッサシステム上で実行されたときに前記装置に:
前記ネットワーク終端装置によって保持されるデータに関して前記複数のネットワーク終端装置をポーリングするステップと、
どの終端装置の背後にどのCPEが存在するかを識別するトポロジー情報を生成するために前記ポーリングされたデータを処理するステップと、
前記トポロジー情報を前記トポロジーデータ構造体に格納するステップと、を行わせるプログラムコードと、を記憶するメモリシステムと、を含むことを特徴とする装置。
【請求項37】
前記前記プログラムコードは、前記プロセッサシステム上で実行されたときに、前記装置に:
前記複数のCPEの間で前記CPEの一つに関してセッションを立ち上げるための受信された要求を処理するステップと、
前記CPEの一つがネットワーク終端装置の背後に配置されたこのネットワーク終端装置を識別するために前記トポロジーデータ構造体を参照するステップと、
前記要求されたセッションの特性を構成するために前記識別されたネットワーク終端装置にポリシー決定を送出するステップと、とを行わせることを特徴とする、請求項39に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2007−503189(P2007−503189A)
【公表日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−533793(P2006−533793)
【出願日】平成16年6月14日(2004.6.14)
【国際出願番号】PCT/US2004/019024
【国際公開番号】WO2004/112302
【国際公開日】平成16年12月23日(2004.12.23)
【出願人】(505454384)キャミアント,インク. (9)
【Fターム(参考)】