説明

通信ネットワークのための2重送信

2重送信ネットワークが、無線および固定などの2種類のリンクが制御情報およびデータを伝えるために並列式に機能するハイブリッドアーキテクチャを使用することができる。少なくとも1つの例示的な実施形態において、装置110が、少なくとも2つのローカルトランシーバ130、140、およびコントローラ120を含む。コントローラ120は、2つのローカルトランシーバ130、140を制御するために接続され、ローカルトランシーバ130、140のうちの少なくとも1つを介してリモート端末150との並列な第1の通信リンクおよび第2の通信リンクを確立するように構成される。第1の通信リンクは、第1の物理層通信プロトコルを使用し、第2の通信リンクは、第2の物理層通信プロトコルを使用する。第2の物理層通信プロトコルが、第1の物理層通信プロトコルと異なる可能性があるか、または第1のトランシーバおよび第2のトランシーバが、異なる周波数で動作するように構成される可能性がある。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
通信ネットワーク、特に、バックホールネットワーク、境界ネットワーク、およびアクセスネットワークは、銅線ネットワーク、同軸ケーブル、および光ネットワークなどの固定リンクネットワーク、ならびに無線アクセスネットワークからなる。固定リンクネットワークは、概して高帯域幅を有するポイントツーポイント接続を提供する。そのような接続は、チャネルの変動がそれほど起こらない。無線アクセスネットワークは、ポイントツーマルチポイント接続を提供し、概して、必要なインフラストラクチャが比較的少なく、配置するのが比較的容易である。通常、そのような接続は、チャネルの変動が比較的起こりやすい。
【0002】
新しい通信ネットワーク技術の開発および標準化は、現在、多種多様な応用をより手厚くサポートするために、帯域幅の増加、サービス品質(QoS)の向上、およびレイテンシーの削減に焦点を当てる。これらの応用は、高精細度テレビジョン、オンラインゲーム、およびリアルタイムビデオを含む。
【0003】
固定ネットワークと無線ネットワークは、両方とも、広く配置されている。固定ネットワークは、コアネットワークと固定リモート端末(RT)の間の通信を提供することが多い。概して、ローカル無線ネットワークは、屋内での接続性を提供する。IEEE802.16(WiMAX)などのその他の無線ネットワーク技術は、数百ヤードまたはさらには数マイルの範囲の無線接続性を提供することができる。したがって、固定ネットワークと無線ネットワークは、直列式に接続されることが多い。
【0004】
例えば、デジタル加入者線(DSL)ラインを終端するRTは、屋内での通信のための無線ルータに接続されることが多い。セルラーネットワークなどのその他の無線ネットワークは、固定広帯域アクセスネットワークとは独立に動作する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】「Very high speed digital subscriber line transceivers 2(VDSL2)」、Series G:Transmission Systems and Media,Digital Systems and Networks、ITU G.993.2、2006年2月
【非特許文献2】「Handshake procedures for digital subscriber line(DSL) transceivers」、Series G:Transmission Systems and Media,Digital Systems and Networks、ITU G.994.1、2007年2月
【非特許文献3】IEEE802.11シリーズ
【非特許文献4】IEEE802.16シリーズ
【非特許文献5】IEEE802.3シリーズ
【非特許文献6】ITU T Recommendations G.984.1/2/3
【非特許文献7】ITU T Recommendations J.222.1/2/3
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願は、少なくとも2重送信ネットワークを開示する。2重送信ネットワークは、複数のローカルトランシーバを含むことができ、無線および固定などの2種類のリンクが制御情報およびデータを伝えるために並列式に機能するハイブリッドアーキテクチャを使用することができる。固定および無線アクセスポイントのハイブリッドアーキテクチャは、リンク初期化時間を短縮し、即座に帯域幅の要件に対処する、固定技術と無線技術を組み合わせる強みを生かして、誤り耐性を向上し、全体的な性能を高める。
【0007】
少なくとも1つの例示的な実施形態は、少なくとも2つのローカルトランシーバ、およびコントローラを含む装置を対象とする。コントローラは、2つのローカルトランシーバを制御するために接続され、ローカルトランシーバのうちの少なくとも1つを介してリモート端末との並列な第1の通信リンクおよび第2の通信リンクを確立するように構成される。第1の通信リンクは、第1の物理層通信プロトコルを使用し、第2の通信リンクは、第2の物理層通信プロトコルを使用する。第2の物理層通信プロトコルが、第1の物理層通信プロトコルと異なる可能性があるか、または第1のトランシーバおよび第2のトランシーバが、異なる周波数で動作するように構成される可能性がある。
【0008】
別の例示的な実施形態は、ローカルトランシーバの組を動作させる方法を開示する。方法は、それぞれ第1の物理層プロトコルおよび第2の物理層プロトコルを使用する並列な第1の物理層通信リンクおよび第2の物理層通信リンクを確立するためにローカルトランシーバの組からリモート端末に情報を送信するステップを含む。第2の物理層通信プロトコルが、第1の物理層通信プロトコルと異なる可能性があるか、またはローカルトランシーバの組が、異なる周波数で動作するように構成される可能性がある。方法は、ローカルトランシーバの組でリモート端末から情報を受信するステップをさらに含む。
【0009】
例示的な実施形態は、以下の詳細な説明を添付の図面と併せて考慮することによってより明確に理解されるであろう。図1−8は、本明細書に記載の非限定的な例示的な実施形態を示す。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】例示的な実施形態によるローカルマルチトランシーバユニットを示す図である。
【図2】例示的な実施形態による、リモート端末との通信リンクを確立するローカルマルチトランシーバユニットを示す図である。
【図3】例示的な実施形態によるハイブリッド2重媒体ネットワークを示す図である。
【図4】例示的な実施形態による、トランシーバの組を動作させる方法を示す図である。
【図5A】例示的な実施形態による、リモート端末に送信されるべき情報に応じてトランシーバの組を動作させる方法を示す図である。
【図5B】例示的な実施形態による、リモート端末から情報を受信することに応じてトランシーバの組を動作させる方法を示す図である。
【図6】例示的な実施形態による、送信要求に応じてトランシーバの組を動作させる方法を示す図である。
【図7】例示的な実施形態による、チャネルの性能の変化に応じてトランシーバの組を動作させる方法を示す図である。
【図8】例示的な実施形態による、トランシーバを作動および停止する方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
ここで、さまざまな例示的な実施形態が、いくつかの例示的な実施形態が図示されている添付の図面を参照してより十分に説明される。図面において、層の厚みおよび領域は、明確にするために誇張される可能性がある。
【0012】
したがって、例示的な実施形態はさまざまな修正および代替的な形態が可能であるが、それらの実施形態が、例として図面に示され、本明細書において詳細に説明される。しかし、例示的な実施形態を開示された特定の形態に限定する意図はなく、むしろ反対に、例示的な実施形態は、特許請求の範囲内に入るすべての修正、均等物、および変更を包含すべきであることを理解されたい。図の説明全体を通して、同様の番号は同様の要素を指す。
【0013】
用語「第1の」、「第2の」などが、さまざまな要素を説明するために本明細書において使用される可能性があるが、これらの要素は、これらの用語によって限定されるべきでないことが理解されるであろう。これらの用語は、ある要素を別の要素と区別するためにだけ使用される。例えば、例示的な実施形態の範囲を逸脱することなしに、第1の要素が第2の要素と呼ばれる可能性があり、同様に、第2の要素が第1の要素と呼ばれる可能性がある。本明細書において使用されるとき、用語「および/または」は、関連する列挙された項目のうちの1つまたは複数の任意のおよびすべての組み合わせを含む。
【0014】
要素が別の要素に「接続される」または「結合される」と言われるとき、その要素がその別の要素に直接接続もしくは結合される可能性があるか、または仲立ちする要素が存在する可能性があることが理解されるであろう。対照的に、要素が別の要素に「直接接続される」または「直接結合される」と言われるとき、仲立ちする要素は存在しない。要素間の関係を示すために使用されるその他の語は、同様にして解釈されるべきである(例えば、「−の間」と「直接的に−の間」、「付近の−」と「直接隣接する−」など)。
【0015】
本明細書において使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、例示的な実施形態の限定であるように意図されていない。本明細書において使用されるとき、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈がそうでないことを明確に示さない限り、複数系も含むように意図される。用語「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含む(includes)」、および/または「含む(including)」は、本明細書において使用されるとき、言及された特徴、完全体(integer)、ステップ、オペレーション、要素、および/またはコンポーネントの存在を指定するが、1つまたは複数のその他の特徴、完全体、ステップ、オペレーション、要素、コンポーネントおよび/またはそれらの群の存在または追加を排除しないことがさらに理解されるであろう。
【0016】
一部の代替的な実装において、示された機能/動作が、図に示された順序とは異なる順序で行われ得ることにも留意されたい。例えば、連続で示された2つの図が、実際には実質的に同時に実行される可能性があり、または関連する機能/動作に応じて逆順に実行される場合もあり得る。
【0017】
別途定義されない限り、本明細書において使用されるすべての用語(技術用語および科学用語を含む)は、例示的な実施形態が属する技術分野の当業者によって通常理解されるのと同じ意味を有する。用語、例えば、よく使用される辞書で定義された用語は、関連技術の中でのそれらの用語の意味にふさわしい意味を持つと解釈されるべきであり、本明細書において明示的にそのように定義されない限り非現実的なまたは過度に型通りの意味に解釈されないことがさらに理解されるであろう。
【0018】
例示的な実施形態および対応する詳細な説明の一部は、ソフトウェア、またはコンピュータメモリ内のデータビットに対するオペレーションのアルゴリズムおよび記号的表現の観点で示される。これらの記述および表現は、当業者がそれらの当業者の成果の内容をその他の当業者に効果的に伝える記述および表現である。アルゴリズムは、本明細書において使用されるとき、および一般的に使用されるとき、所望の結果をもたらす自己矛盾のない一連のステップのであると考えられる。ステップとは、物理量の物理的操作を必要とするステップである。必ずではないが通常は、これらの量は、記憶、転送、組み合わせ、比較、およびその他の操作を行われ得る光学的、電気的、または磁気的信号の形態をとる。これらの信号をビット、値、要素、シンボル、文字、項、数などと呼ぶことが、主に共通使用の理由で便利な場合があることが分かっている。
【0019】
以下の説明において、例示的な実施形態が、プログラムモジュールとして実装され得る(例えば、流れ図の形態の)オペレーションの動作および記号的表現を参照して説明され、または機能的プロセスが、特定のタスクを実行するか、もしくは特定の抽象データ型を実装するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含み、既存のネットワーク要素または制御ノード(例えば、基地局もしくはノードBに配置されたスケジューラ)で既存のハードウェアを使用して実装され得る。そのような既存のハードウェアは、1つまたは複数の中央演算処理装置(CPU)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)コンピュータなどを含み得る。
【0020】
しかし、これらのおよび同様の用語のすべては、適切な物理量に関連付けられるべきであり、これらの量に付される便宜的なラベルであるにすぎないことに留意されたい。別途具体的に示されない限り、または説明から明らかな場合には、「処理する」、または「計算する」、または「算定する」、または「表示」の「決定」などの用語は、コンピュータシステムのレジスタおよびメモリ内で物理的電子的量として表されるデータを操作し、コンピュータシステムのメモリ、またはレジスタ、またはその他のそのような情報記憶、送信、もしくは表示デバイス内で同様に物理量として表されるその他のデータに変換するコンピュータシステム、または同様の電子的コンピューティングデバイスの動作およびプロセスを指す。
【0021】
例示的な実施形態のソフトウェアで実装される態様は、通常、何らかの形態のプログラムストレージ媒体上に符号化されるか、または何らかの種類の伝送媒体上に実装されることにも留意されたい。プログラムストレージ媒体は、磁気式である(例えば、フロッピー(登録商標)ディスクもしくはハードドライブ)か、または光学式である(例えば、コンパクトディスク読み出し専用メモリもしくは「CD ROM」)可能性があり、読み出し専用であるか、またはランダムアクセス式である可能性がある。同様に、伝送媒体は、ツイストペア線、同軸ケーブル、光ファイバ、また当技術分野に知られている何らかのその他の好適な伝送媒体である可能性がある。例示的な実施形態は、任意の所与の実装のこれらの態様によって限定されない。
【0022】
例示的な実施形態は、2重送信ネットワークを含む通信ネットワークを対象とする。例示的な実施形態の少なくとも一部は、2重送信媒体を含む2重送信ネットワーク(ハイブリッド2重媒体ネットワーク)を開示する。ハイブリッド2重媒体ネットワークは、無線および固定などの2種類のリンクが制御情報およびデータを伝えるために並列式に機能するハイブリッドアーキテクチャを使用する。固定および無線アクセスポイントのハイブリッドアーキテクチャは、リンク初期化時間を短縮し、即座に帯域幅の要件に対処する、固定技術と無線技術を組み合わせる強みを生かして、誤り耐性を向上し、全体的な性能を高める。これは、固定チャネルおよび無線チャネルを並列に動作させるために使用される接合ハイブリッド媒体コントローラによって実現される。
【0023】
図1は、ネットワークで使用されるローカルマルチトランシーバユニット(LMTU)の例示的な実施形態を示す。示されるように、LMTU110は、ネットワーク100に含まれる。LMTU110は、「Very high speed digital subscriber line transceivers 2(VDSL2)」、Series G:Transmission Systems and Media,Digital Systems and Networks、ITU G.993.2、2006年2月で定義されたアクセスノードまたはアクセスノードの一部である可能性がある。LMTU110は、以下でより詳細に説明されるように、第1の通信リンクおよび第2の通信リンクCOM−LINK−1およびCOM−LINK−2のうちの少なくとも1つを介してリモートマルチトランシーバユニット(MTU)150(リモート端末)と通信するように構成される。
【0024】
LMTU110は、ハイブリッド媒体コントローラ120、ならびに第1のローカルトランシーバ130および第2のローカルトランシーバ140を含む。ハイブリッド媒体コントローラ120は、第1のローカルトランシーバ130および第2のローカルトランシーバ140に接続される。図1に示されるように、データは、ハイブリッド媒体コントローラ120へ/から入力および出力されるが、データは、第1のローカルトランシーバ130および第2のローカルトランシーバ140へ/から直接入力および出力され得ることを理解されたい。LMTU110は、3つ以上のトランシーバを含む可能性があり、これらのトランシーバを並列に動作させ得ることを理解されたい。
【0025】
第1のローカルトランシーバ130は、第1のインターフェース132および第1のローカルコントローラ135を含む。第1のローカルコントローラ135は第1のインターフェース132とは別れて示されているが、第1のローカルコントローラ135は、第1のインターフェース132に実装され得ることを理解されたい。さらに、本明細書で説明されるハイブリッド媒体コントローラ120の機能の少なくとも一部は、第1のローカルコントローラ135に実装され得る。
【0026】
第1のインターフェース132は、階層化されたアーキテクチャに基づくことができる。階層化されたアーキテクチャの構造は、開放型システム間相互接続(OSI)モデルに基づくことができる。知られているように、OSIモデルは、最下層から最上層に向かって、物理層、データリンク層、ネットワーク層、トランスポート層、セッション層、プレゼンテーション層、およびアプリケーション層を含む。伝送媒体およびプロトコルに応じて、各層は、複数の副層を有する可能性がある。
【0027】
示されるように、第1のインターフェース132は、物理層PHY−1、データリンク層LINK−1、およびネットワーク層NETWORK−1を含む。データリンク層LINK−1は、第1の媒体アクセス制御(MAC)副層を含む。3つの層だけが示されているが、当業者は、4つ以上の層が第1のインターフェース132で使用され得ることを理解するに違いない。物理層PHY−1は、リモートMTU150との第1の通信リンクCOM−LINK−1を確立するために使用される第1の物理層通信プロトコルに基づく。第1の通信リンクCOM−LINK−1は、例えば、ポイントツーポイント通信の固定リンクである可能性がある。
【0028】
第2のローカルトランシーバ140は、第2のインターフェース142および第2のローカルコントローラ145を含む。第1のローカルコントローラ145は第1のインターフェース142とは離れて示されているが、第1のローカルコントローラ145は、第1のインターフェース142内に実装され得ることを理解されたい。さらに、本明細書で説明されるハイブリッド媒体コントローラ120の機能の少なくとも一部は、第2のローカルコントローラ145に実装され得る。
【0029】
第2のインターフェース142は、やはり、階層化されたアーキテクチャに基づくことができる。示されるように、第2のインターフェース142は、物理層PHY−2、データリンク層LINK−2、およびネットワーク層NETWORK−2を含む。データリンク層LINK−2は、第2のMAC副層を含む。3つの層だけが示されているが、当業者は、4つ以上の層が第2のインターフェース142で使用され得ることを理解するに違いない。物理層PHY−2は、リモートMTU150との第2の通信リンクCOM−LINK−2を確立するために使用される第2の物理層通信プロトコルに基づく。第2の通信リンクCOM−LINK−2は、例えば、ポイントツーポイント通信の固定リンクである可能性がある。しかし、第1の通信リンクCOM−LINK−1および第2の通信リンクCOM−LINK−2は、同じ種類の通信リンクであるか、または異なる種類の通信リンクである可能性があることを理解されたい。したがって、ネットワーク100は、固定通信リンクと無線通信リンク、2つの固定通信リンク、または2つの無線通信リンクを使用する可能性がある。
【0030】
各物理層PHY−1およびPHY−2は、チャネルを介した通信を提供する。各リンク層LINK−1およびLINK−2は、データを転送するための機能的および手続き的手段を提供する。各ネットワーク層NETWORK−1およびNETWORK−2は、送信元から送信先にデータシーケンスを転送するタスクを与えられる。例えば、インターネットプロトコル(IP)などのプロトコルが、ネットワーク層で働くことができる。
【0031】
第2の物理層通信プロトコルは、第1の物理層通信プロトコルと同じであるか、または異なる可能性がある。例えば、第1の物理層通信プロトコルは、無線通信用のプロトコルである可能性があり、第2の物理層通信プロトコルは、光または有線通信プロトコルである可能性がある。したがって、第1のローカルトランシーバ130は、無線トランシーバであり、第2のローカルトランシーバ140は、光または有線通信トランシーバである。別の例においては、第1と第2両方の物理層通信プロトコルは、無線リンク用であるが、ただし異なる周波数で動作する可能性がある。したがって、第1のローカルトランシーバ130と第2のローカルトランシーバ140の両方は、無線トランシーバであり、第1の通信リンクCOM−LINK−1および第2の通信リンクCOM−LINK−2は、無線通信リンクである。
【0032】
ハイブリッド媒体コントローラ120は、第1のローカルトランシーバ130および第2のローカルトランシーバ140に、それぞれ、第1のローカルコントローラ135および第2のローカルコントローラ145を介して第1のローカルトランシーバ130と第2のローカルトランシーバ140の間で低レベル制御情報を共有および転送させるように構成される。第1のローカルコントローラ135および第2のローカルコントローラ145は、それぞれ、第1のインターフェース132および第2のインターフェース142の内部のレジスタおよびメモリ領域に対する読み出しおよび制御されたアクセスを提供する。
【0033】
ハイブリッド媒体コントローラ120は、さらなるローカルトランシーバの間で低レベル制御情報を共有および転送するようにさらに構成され得ることを理解されたい。ハイブリッド媒体コントローラ120は、第1のローカルトランシーバ130および第2のローカルトランシーバ140とは別の箱として示されているが、ハイブリッド媒体コントローラ120は、第1のローカルトランシーバ130および第2のローカルトランシーバ140のうちの少なくとも1つに実装され得ることを理解されたい。さらに、ハイブリッド媒体コントローラ120は、第1のローカルコントローラ135および第2のローカルコントローラ145のうちの少なくとも1つに実装される可能性があり、それぞれ、第1のインターフェース132および第2のインターフェース142の機能の一部を含む可能性がある。ハイブリッド媒体コントローラ120が第1のローカルトランシーバおよび第2のローカルトランシーバのうちの一方のみに実装される場合、ハイブリッド媒体コントローラ120を含まないローカルトランシーバは、そのローカルトランシーバのローカルコントローラを含まない可能性があることを理解されたい。
【0034】
ハイブリッド媒体コントローラ120が第1のローカルコントローラ135と第2のローカルコントローラ145の両方に実装される例においては、第1のローカルコントローラ135および第2のローカルコントローラ145は、マスター−スレーブ構成で動作する可能性がある。
【0035】
ハイブリッド媒体コントローラ120は、下位層の内部状態のほとんど、ならびに第1のローカルコントローラ135および第2のローカルコントローラ145を介したシグナリングのほとんどを監視することができる。例えば、第1のローカルトランシーバ130および第2のローカルトランシーバ140のうちの1つの初期化は、リンクを確立するための初期シグナリング(例えば、シンボル同期、フレーム同期、チャネル品質の測定、および(即時的な)チャネル状態情報)を含み得る。上位の通信層には通常は隠されるこの情報が、ローカルコントローラ135および145によって、ハイブリッド媒体コントローラが利用できるようにされる。通常動作中、ハイブリッド媒体コントローラ120は、検波器およびパケットデコーダの出力および状態を監視する。(例えば、自動再送要求(ARQ)方式を用いた)再送信、またはハイブリッド(ARQ)におけるような増加的冗長化(incremental redundancy)が使用される場合、ハイブリッド媒体コントローラ120は、第1の通信リンクCOM−LINK−1および第2の通信リンクCOM−LINK−2のうちのどちらを使用すべきかを決定することができる。ハイブリッド媒体コントローラ120は、第1の通信リンクCOM−LINK−1と第2の通信リンクCOM−LINK−2の両方を使用すると決定する可能性がある。
【0036】
第1の通信リンクCOM−LINK−1と第2の通信リンクCOM−LINK−2のうちの1つに突然の送信の問題(例えば、マイクロカット(micro−cut)、強いインパルス雑音、深いフェージング)がある場合、ハイブリッド媒体コントローラ120は、他方の通信リンクを使用して(例えば、通信の一時的な切断の場合)何が起こったかを調べ、再送信を支援し、同時に、通信を引き継ぎ、通信リンクの再確立を支援することができる。共有される低レベル制御情報は、第1のインターフェース132および第2のインターフェース142の通信スタックによって変わる可能性がある。
【0037】
プロトコルによって、低レベル制御情報は、物理層制御情報および/またはデータリンク層制御情報である可能性がある。図1に示された例示的な実施形態において、ハイブリッド媒体コントローラ120は、第1のローカルコントローラ135および第2のローカルコントローラ145を介してインターフェース132および142の通信スタックの層の内部状態およびパラメータに直接アクセスできる。したがって、マスター−スレーブ構成が、ハイブリッド媒体コントローラ120とインターフェース132および142との間に存在し得る。
【0038】
物理層制御情報の例は、機器の種類に関する情報と、電力要件と、信号点配置情報と、フレーム化形式と、フレーム化パラメータと、前方誤り制御(forward error control)(FEC)設定と、信号対雑音比(SNR)、FEC状態情報、ハイブリッド自動再送要求(ARQ肯定応答および否定応答)巡回冗長検査(CRC)状態情報、ならびにビット誤りおよびパケット誤り率などのリンク品質測定値とを含む。
【0039】
低レベル制御情報のさらなる例は、「Very high speed digital subscriber line transceivers 2(VDSL2)」、Series G:Transmission Systems and Media,Digital Systems and Networks、ITU G.993.2、2006年2月、および「Handshake procedures for digital subscriber line(DSL) transceivers」、Series G:Transmission Systems and Media,Digital Systems and Networks、ITU G.994.1、2007年2月で与えられている。無線通信における低レベル制御情報の例は、無線ローカルエリアネットワーク通信に関する規格のIEEE802.11シリーズ、および無線広帯域アクセスに関する規格のIEEE802.16シリーズで与えられ得る。受動光ネットワークにおける低レベル制御情報の例は、有線イーサネット(登録商標)の物理層およびリンク層を定義する規格のIEEE802.3シリーズ、受動光ネットワークに関するITU T Recommendations G.984.1/2/3、および同軸ケーブルに関するITU T Recommendations J.222.1/2/3で与えられ得る。
【0040】
第1のローカルトランシーバ130および第2のローカルトランシーバ140は、制御情報を共有するように構成され、したがって、ユーザの視点からは1つの送信機−受信機の組に見える可能性がある。例えば、第1の通信リンクCOM−LINK−1および第2の通信リンクCOM−LINK−2は、ユーザによって1つの論理リンクとみなされる。ハイブリッド媒体コントローラ120は、さまざまなレベルで第1のローカルトランシーバ130と第2のローカルトランシーバ140を接続することができる。例えば、インターフェース/バスが、第1のトランシーバ130のチップセットから第2のトランシーバ140のチップセットまで設けられ、それによって、物理層PHY−1とPHY−2の物理層の接続を設けることができる。
【0041】
低レベル制御情報は、フレームにまとめられ、通信スタックを介して上層に送信されることもできる。低レベル制御情報の形式および表現は、プロトコルで内部的に使用される表現と同一であるか、またはそれに類似している可能性がある。例えば、第1のローカルトランシーバ130で受信された低レベル制御情報が、フレームにまとめられ、上位層に向かってネットワーク層NETWORK−1を介してハイブリッド媒体コントローラ120に送信されることができる。次に、低レベル制御情報は、ネットワーク層NETWORK−2に送信され、物理層PHY−2まで第2のインターフェース142の通信スタックを下るように送信され得る。低レベル制御情報は、ハイブリッド媒体コントローラ120とデータリンク層LINK−1およびLINK−2の間で直接転送される可能性もある。
【0042】
ハイブリッド媒体コントローラ120は低レベル制御情報にアクセスできるので、ハイブリッド媒体コントローラ120は、リモートMTU150との第1の通信リンクCOM−LINK−1および第2の通信リンクCOM−LINK−2を並列に確立するように構成される。さらに、第1の通信リンクCOM−LINK−1および第2の通信リンクCOM−LINK−2はそれぞれ単一のリンクとして示されているが、第1の通信リンクCOM−LINK−1および第2の通信リンクCOM−LINK−2は、LMTU110およびリモートMTU150から複数のポイント(例えば、ネットワーク上のノード)およびプロトコルを含み得ることを理解されたい。
【0043】
図2は、第2の通信リンクCOM−LINK−2を確立する例示的な実施形態を示す。例えば、第2の通信リンクCOM−LINK−2が確立中であるとき、ハイブリッド媒体コントローラ120およびリモートMTU150は、第1のローカルトランシーバ130およびリモートMTU150の対応する第1のリモートトランシーバ170を介して低レベル制御情報を交換する。より具体的には、低レベル制御情報は、第2のローカルトランシーバ140からハイブリッド媒体コントローラ120に転送される。ハイブリッド媒体コントローラ120は、第1のローカルトランシーバ130と低レベル制御情報を共有して、リモートMTU150とすでに確立されている第1の通信リンクCOM−LINK−1を介して低レベル制御情報を送信する。第1のリモートトランシーバ170が低レベル制御情報を受信するとき、第1のリモートトランシーバ170は、第2のハイブリッド媒体コントローラ160に低レベル制御情報を転送し、次に、第2のハイブリッド媒体コントローラ160が、第2のリモートトランシーバ180に低レベル制御情報を転送する。そして、第2のリモートトランシーバ180および第2のローカルトランシーバ140が、低レベル制御情報を用いて第2の通信リンクCOM−LINK−2を確立することができる。
【0044】
したがって、低レベル制御情報は、第2の通信リンクCOM−LINK−2が確立中である間に、第2の通信リンクCOM−LINK−2上の速度を改善し、レイテンシーを削減し、および/または帯域幅を節約するために第1の通信リンクCOM−LINK−1上で交換され得る。第1の通信リンクCOM−LINK−1が利用できることは、概して初期化中に交換される低レベル制御情報が(第1の通信リンクCOM−LINK−1が信頼できる通信を提供する限り)超ロバストである必要がないので、第2の通信リンクCOM−LINK−2の迅速なセットアップを可能にする。第2のハイブリッド媒体コントローラ160は、ハイブリッド媒体コントローラ120と同じである可能性がある。したがって、第2のハイブリッド媒体コントローラ160の説明は、明瞭かつ簡潔にするために省略される。
【0045】
結果的に、第2の通信リンクCOM−LINK−2上の通信セッションは、低レベル制御情報を用いて制御され得る。例えば、低レベル制御情報は、第2の通信リンクCOM−LINK−2上の通信セッションを初期化し、通信パラメータの更新を支援し、対応する第1のリモートトランシーバ170への第1のローカルトランシーバ130の情報の送信と、対応する第2のリモートトランシーバ180への第2のローカルトランシーバ140の情報の送信との間の選択的なスケジューリングを行うためにハイブリッド媒体コントローラ120によって使用され得る。
【0046】
制御情報の共有の結果として、通信セッションの初期化時間が、削減され得る。例えば、第2の通信リンクCOM−LINK−2が確立中であるとき、ハイブリッド媒体コントローラ120は、第1のローカルトランシーバ130に低レベル制御情報を提供する。低レベル制御情報が、確立済みの第1の通信リンクCOM−LINK−1上で送信され得るので、第2の通信リンクCOM−LINK−2を確立するときに、ハンドシェイクなどの初期化手順の一部が簡素化され得る。
【0047】
例えば、ネットワーク100は、ITU T recommendation G.994.1(02/2007)、「Handshake procedures for digital subscriber line(DSL) transceivers」で規定されたDSLトランシーバのためのハンドシェイク手順を用いて実装され得る。ラインの両端のxDSLトランシーバ(例えば、第1のローカルトランシーバ130および第1のリモートトランシーバ170)は、1つまたは複数のxDSL端末ユニットの代わりに動作モードをネゴシエーションするハンドシェイクトランシーバユニット(HSTU)(図示せず)を含む。特定のxDSL動作モードに関連する必須の搬送波の組を使用する特定のシグナリング方式が、規定される。上り方向および下り方向のための必須の搬送波の組は、概して、規定された最大電力レベルを有する2−3個のトーンからなる。さらに、シンボルレートおよび搬送波周波数の許容範囲が、すぐに狭められる。第1の通信リンクCOM−LINK−1が利用できない場合、通常のプロトコルが、定義されたとおりに実行される。しかし、第1の通信リンクCOM−LINK−1が存在する場合、初めに交換される通信パラメータが、ずっと迅速にかつ確実に転送され得る。
【0048】
G.994.1によれば、G.994.1で規定されている搬送波の組だけが、シグナリングに使用されることができ、搬送波の組の中のすべてのトーンは、差動符号化2値位相偏移変調(differentially encoded binary phase shift keying)(DPSK)を用いて同じデータビットで同時に変調されることが、規定される。その結果、データ転送速度は低く、例えば、相当な量のオーバヘッドを含め、搬送波の組あたり約500−800ビット/秒となる。交換されている情報は、機能リスト(capabilities list)、モード要求、モード選択、モード提案、さまざまな種類の肯定応答信号、否定応答信号、およびメッセージ要求信号を含み得る。非常に少ないトーン(すなわち、2−3個のトーン)を有する搬送波の組、ならびにシンボルレートおよび搬送波周波数の要件の使用は、特に、搬送波の組で使用されるトーンが、例えば、無線周波数干渉、漏話、またはインパルス雑音による過大な雑音によって影響を受けるとき、システムが障害を起こしやすくする。第1の通信リンクCOM−LINK−1は、ずっと高い速度で、かつずっと高い信頼性で関連情報を直ちに交換することでき、複雑な確認方式を迅速化し、効果的に簡素化することもできる。
【0049】
第1の通信リンクCOM−LINK−1を介して送信された低レベル制御情報を用いて第2の通信リンクCOM−LINK−2を確立することによって、ハイブリッド媒体コントローラ120は、第1の通信リンクCOM−LINK−1または第2の通信リンクCOM−LINK−2を使用して、そうでなければ通信セッションの帯域幅を消費したであろう制御情報を交換するか、または過大なレイテンシーを抑制することができる。例えば、第1の通信リンクCOM−LINK−1上の第1の通信セッションが、確立され得る。第2の通信セッションが、チャネル特性/要件情報、伝送誤りの扱い、および確認応答などの第1の通信リンクCOM−LINK−1に関する通信パラメータを交換または更新するために、第2の通信リンクCOM−LINK−2上でハイブリッド媒体コントローラ120によって確立され得る。
【0050】
さらに、低レベル制御情報を共有することは、低レベルの送信の問題および接続性の問題を軽減することができる。例えば、第1の通信リンクCOM−LINK−1上の通信セッションが性能の変化に見舞われる(例えば、第1の通信リンクCOM−LINK−1が切れる)とき、ハイブリッド媒体コントローラ120は、第2の通信リンクCOM−LINK−2を使用して、通信セッションが切れ、復旧される必要があることをリモートMTU−150に知らせることができる。その結果、第1の通信リンクCOM−LINK−1を確立するためにハイブリッド媒体コントローラ120によって使用される低レベル制御情報が、第1の通信リンクCOM−LINK−1および通信セッションを復旧するために第2の通信リンクCOM−LINK−2を介してハイブリッド媒体コントローラ120によって送信されることができる。さらに、状態要求が、問題を判定するために第2の通信リンクCOM−LINK−2を介して送信され得る。チャネル誤りの場合、第2の通信リンクCOM−LINK−2が、低下したスループットの影響を軽減し、ARQメッセージを迅速に伝達することができる。
【0051】
また、ハイブリッド媒体コントローラ120は、第1の通信リンクCOM−LINK−1および第2の通信リンクCOM−LINK−2を使用して、より幅広いスケジューリングの選択肢および多様性を提供することによってデータ転送を改善する。例えば、LMTU110とリモートMTU150の間で転送されているデータ量が小さい(例えば、性能の閾値を超えている)場合、ハイブリッド媒体コントローラ120は、通信セッションを確立するために第1の通信リンクCOM−LINK−1および第2の通信リンクCOM−LINK−2のうちの1つを選択することができる。しかし、データの大きなバーストが送信されなければならない(例えば、現在の通信能力が性能の閾値を下回っている)とき、ハイブリッド媒体コントローラ120は、第1の通信リンクCOM−LINK−1および第2の通信リンクCOM−LINK−2のうちの選択されていない通信リンク上で第2の通信セッションを確立することができる。さらに、ハイブリッド媒体コントローラ120は、転送されている情報の種類のレイテンシーの要件およびサービス品質に基づいて、第1の通信リンクCOM−LINK−1および第2の通信リンクCOM−LINK−2上で通信セッションを確立することができる。したがって、ハイブリッド媒体コントローラ120は、低レベル制御情報を用いて第1の通信リンクCOM−LINK−1および第2の通信リンクCOM−LINK−2上で通信セッションを確立することによって帯域幅および/またはレイテンシーの要件を管理する。
【0052】
ハイブリッド媒体コントローラ120は、第1の通信リンクCOM−LINK−1および第2の通信リンクCOM−LINK−2上の情報の送信を選択的にスケジューリングする。ハイブリッド媒体コントローラ120は、第1の通信リンクCOM−LINK−1および第2の通信リンクCOM−LINK−2上にアクティブな通信セッションがない段階と、第1の通信リンクCOM−LINK−1および第2の通信リンクCOM−LINK−2のうちの一方の通信リンク上の通信セッションがアクティブである段階と、第1の通信リンクCOM−LINK−1および第2の通信リンクCOM−LINK−2の両方の通信リンク上の両方の通信セッションがアクティブである段階を含む複数の段階のうちの1つにある可能性がある。ハイブリッド媒体コントローラ120は、アクティブなトランシーバ(例えば、第1のローカルトランシーバ130および第2のローカルトランシーバ140のうちの1つ)がスリープモードである(例えば、情報が送信されないか、または情報がほとんど送信されない)ことができ、そのアクティブなトランシーバを初期化することなしに、作動されたときに情報を迅速に転送できるように、第1のローカルトランシーバ130および第2のローカルトランシーバ140を制御することができる。
【0053】
例えば、第1のローカルトランシーバ130と第2のローカルトランシーバ140の両方が非アクティブである、および/またはスイッチを切られている場合、ハイブリッド媒体コントローラ120は、リモートMTU150との通信リンクを確立するために第1のローカルトランシーバ130と第2のローカルトランシーバ140のどちらを作動させるべきかを選択することができる。第2のローカルトランシーバ140が選択され、第2の通信リンクCOM−LINK−2上の通信セッションのトラフィックが多い(例えば、通信能力が性能の閾値を下回っている)場合、ハイブリッド媒体コントローラ120は、第1のローカルトランシーバ130を作動させることができる。低レベル制御情報が、第1の通信リンクCOM−LINK−1を確立するために第2の通信リンクCOM−LINK−2を介して送信されることができる。第1の通信リンクCOM−LINK−1が初期化されると、第2の通信セッションが確立され得る。第1の通信リンクCOM−LINK−1および第2の通信リンクCOM−LINK−2上の通信セッションで転送されているトラフィックが少ない(例えば、通信能力が性能の閾値を超えている)場合、ハイブリッド媒体コントローラ120は、通信セッションのうちの1つを終了し、第1の通信リンクCOM−LINK−1および第2の通信リンクCOM−LINK−2のうちの1つをスリープモードにすることを決定する可能性がある。
【0054】
(データリンク層LINK−1またはLINK−2の一部としての)MACデータが、低レベル制御情報で提供され得る。MACデータを取得することによって、ハイブリッド媒体コントローラ120は、到着するデータの遅延、要求されるレイテンシー、およびサービス品質などの詳細なリアルタイムの使用統計を知る。ハイブリッド媒体コントローラ120は、1組の性能の閾値および異なるコスト関数を使用して(1つまたは複数の)適切なチャネルを選択し、品質および低遅延を保証するために第1の通信リンクCOM−LINK−1および第2の通信リンクCOM−LINK−2にまたがって一部のデータを二重化することができる。詳細なリアルタイムの使用統計に基づいて、ハイブリッド媒体コントローラ120は、第1のおよび/または第2の通信リンクCOM−LINK−1およびCOM−LINK−2がスリープ/スタンバイモードにされるべきか、それともアクティブモードにされるべきかを決定する。
【0055】
図3は、LMTUを含むハイブリッド2重媒体ネットワークの例示的な実施形態を示す。図示されるように、ハイブリッド2重媒体ネットワーク300は、無線通信リンクCOM−LINK−1Aおよび固定媒体通信リンクCOM−LINK−2Aを介して少なくとも1つのリモートMTU350に接続され得るLMTU310を含む。ハイブリッド2重媒体ネットワーク300は、超高速DSL(very high speed DSL)(VDSL)などのDSLに基づくネットワークである可能性がある。しかし、ハイブリッド2重媒体ネットワーク300は、その他のアクセス技術に基づく可能性がある。
【0056】
LMTU310は、デジタル加入者線アクセス多重化装置(digital subscriber line access multiplexer)(DSLAM)を含み得る。当業者は、LMTU310が、その他の通信リンクを介して2つ以上のリモートMTU350に接続され得ることを理解するであろう。
【0057】
LMTU310は、第1のローカルトランシーバ330と第2のローカルトランシーバ340の間に結合されたハイブリッド媒体コントローラ320を含む。第1のローカルトランシーバ330および第2のローカルトランシーバ340は、それぞれ、無線インターフェース332および固定アクセス物理インターフェース342を含む。第1のローカルトランシーバ330および第2にローカルトランシーバ340は、それぞれ、第1のローカルコントローラ335および第2のローカルコントローラ345も含む。第1のローカルコントローラ335および第2のローカルコントローラ345は、それぞれ、無線インターフェース332および固定アクセス物理インターフェース342の内部のレジスタおよびメモリ領域に対する読み出しおよび制御されたアクセスを提供する。
【0058】
リモートMTU350は、第1のリモートトランシーバ370と第2のリモートトランシーバ380の間に結合されたハイブリッド媒体コントローラ360を含む。第1のリモートトランシーバ370および第2のリモートトランシーバ380は、それぞれ、無線インターフェース372および固定アクセス物理インターフェース382を含む。第1のリモートトランシーバ370および第2にリモートトランシーバ380は、それぞれ、第1のリモートコントローラ375および第2のリモートコントローラ385も含む。第1のリモートコントローラ375および第2のリモートコントローラ385は、それぞれ、無線インターフェース372および固定アクセス物理インターフェース382の内部のレジスタおよびメモリ領域に対する読み出しおよび制御されたアクセスを提供する。
【0059】
ハイブリッド媒体コントローラ320および360は、それぞれ、第1のおよび第2のローカルコントローラ335、345ならびに第1のおよび第2のローカルコントローラ375、385を介して、上述のハイブリッド媒体コントローラ120の機能を実行するように構成される。したがって、簡潔かつ明瞭にするために、ハイブリッド媒体コントローラ320および360の追加的な特徴のみが、説明される。さらに、ローカルおよびリモートトランシーバ330、340、370、および380は、上述のローカルトランシーバ130および140の機能を実行するように構成される。したがって、簡潔かつ明瞭にするために、ローカルおよびリモートトランシーバ330、340、370、および380の追加的な特徴のみが、説明される。
【0060】
図3に示されるように、データは、ハイブリッド媒体コントローラ320および360へ/から入力および出力されるが、データは、トランシーバ330、340、370および380へ/から直接入力および出力され得ることを理解されたい。
【0061】
第1のローカルトランシーバ330および第1のリモートトランシーバ370は、無線通信リンクCOM−LINK−1Aを介して通信するように構成される。第2のローカルトランシーバ340および第2のリモートトランシーバ380は、銅線、同軸ケーブル、または光ファイバなどの固定媒体による固定媒体通信リンクCOM−LINK−2Aを介して通信するように構成される。
【0062】
図3に示されるように、インターフェース332、342、372、および382のそれぞれは、物理層PHY−1L、PHY−2L、PHY−1R、およびPHY−2R、リンク層LINK−1L、LINK−2L、LINK−1R、およびLINK−2R、ならびにネットワーク層NETWORK−1L、NETWORK−2L、NETWORK−1R、およびNETWORK−2Rを含む。各データリンク層LINK−1L、LINK−1R、LINK−2L、およびLINK−2Rは、媒体アクセス制御(MAC)副層を含む。当業者は、インターフェース332、342、372、および382が、開放型システム間相互接続参照(OSI)モデルのさらなる層などの追加的な層を含み得ることを理解するに違いない。
【0063】
各物理層PHY−1L、PHY−2L、PHY−1R、およびPHY−2Rは、リンクを介した通信を提供する。例えば、無線インターフェース332および372の物理層PHY−1LおよびPHY−1Rは、LMTU310およびリモートMTU350が無線通信リンクCOM−LINK−1Aを介して通信することを可能にする。各リンク層LINK−1L、LINK−2L、LINK−1R、およびLINK−2Rは、データを転送するための機能的および手続き的手段を提供する。各ネットワーク層NETWORK−1L、NETWORK−2L、NETWORK−1R、およびNETWORK−2Rは、送信元から送信先にデータシーケンスを転送するタスクを与えられる。例えば、インターネットプロトコル(IP)が、ネットワーク層で働くことができる。
【0064】
ハイブリッド2重媒体ネットワーク300内のハイブリッド媒体コントローラ320と360の間の通信セッションが、無線通信リンクCOM−LINK−1Aおよび固定媒体通信リンクCOM−LINK−2A上で確立され得る。例えば、通信セッションは、ハイブリッド媒体コントローラ320および360を用いて、第2のローカルトランシーバ340と第2のリモートトランシーバ380の間で、および第1のローカルトランシーバ330と第1のリモートトランシーバ370の間で確立され得る。
【0065】
各物理層PHY−1L、PHY−2L、PHY−1R、およびPHY−2Rに含まれる物理媒体依存(physical media dependent)(PMD)副層が、シンボルタイミングの生成および回復、符号化および復号、ならびに変調および復調を担う。PMDは、エコーキャンセルおよびラインの等化も含み得る。
【0066】
物理層PHY−1L、PHY−2L、PHY−1R、およびPHY−2R内のそのすぐ上の副層は、フレーム化およびフレーム同期機能、ならびに前方誤り訂正、誤り検出、インターリーブおよびデインターリーブ、スクランブルおよびデスクランブル機能を提供する物理媒体固有伝送コンバージェンス(physical media specific transmission convergence)(PMS−TC)副層である。PMS−TCは、制御情報を交換するためのオーバヘッドチャネルも提供する。
【0067】
例として、ツイストペア銅線を介して通信するデジタル加入者線システム用のPMDおよびPMS−TCが、「Very high speed digital subscriber line transceivers 2(VDSL2)」、Series G:Transmission Systems and Media,Digital Systems and Networks、ITU G.993.2、2006年2月で定義されている。その他の固定アクセスシステムは、同様のPMDおよびPMS−TC構造を有する。したがって、明瞭かつ簡潔にするために、PMDおよびPMS−TCは、さらに詳細に説明されない。
【0068】
初期化手順は、ハイブリッド媒体コントローラ320と360の間のハンドシェイク手順と、それに続くチャネル発見フェーズと、トレーニングフェーズと、チャネル分析および交換フェーズとを含む。例えば、ハイブリッド媒体コントローラ320は、第2のローカルトランシーバ340に、第2のリモートトランシーバ380との固定媒体通信リンクCOM−LINK−2Aを確立するように指示することができる。このプロセスの間、低レベル制御情報が交換される。
【0069】
無線通信リンクCOM−LINK−1Aが利用できることは、固定媒体通信リンクCOM−LINK−2Aを確立するときに、ハイブリッド媒体コントローラ320と360の間の初期化手順を短縮する。例えば、固定媒体通信リンクCOM−LINK−2Aが孤立したリンクであるならば、ハイブリッド媒体コントローラ320は、固定媒体通信リンクCOM−LINK−2Aがまだ確立中である間、固定媒体通信リンクCOM−LINK−2Aを介して第2のローカルトランシーバ340と第2のリモートトランシーバ380の間で初期化データを伝達する。通常極めてロバストで低速な技術が、これを伝達するために使用される。しかし、無線通信COM−LINK−1Aが利用できる可能性があるので、第2のローカルトランシーバ340と第2のリモートトランシーバ380の間の初期化データは、固定アクセス通信リンクCOM−LINK−2Aが確立中である間に確立されている無線通信リンクCOM−LINK−1Aを介して交換され得る。
【0070】
さらに、無線通信リンクCOM−LINK−1Aは、同期を目的とし、トレーニング測定値およびパラメータを交換するための信頼できるバックチャネルとして働くことができる。例えば、ハイブリッド媒体コントローラ320および360が固定アクセス通信リンクCOM−LINK−2A(または無線通信リンクCOM−LINK−1A)上の通信セッションで情報を交換しているとき、無線通信リンクCOM−LINK−1A(または固定アクセス通信リンクCOM−LINK−2A)用の開始プロトコルは、低レベル制御情報がハイブリッド媒体コントローラ320および360で利用可能なので短縮され得る。無線フィードバックが、アクティブなラインの間の漏話を測定し、測定値を漏話推定モジュールに転送するためのチャネル捕捉手順を高速化するためにハイブリッド2重媒体ネットワーク300で使用され得る。
【0071】
ハイブリッド媒体コントローラ360、第1のリモートトランシーバ370、および第2のリモートトランシーバ380は、ハイブリッド媒体コントローラ320、第1のローカルトランシーバ330、および第2のローカルトランシーバ340と同様にして動作する。したがって、簡潔かつ明瞭にするために、ハイブリッド媒体コントローラ360、第1のリモートトランシーバ370、および第2のリモートトランシーバ380は、さらに詳細に説明されない。
【0072】
ハイブリッド媒体コントローラ320は、第1のローカルトランシーバ330および第2のローカルトランシーバ340の外に示されているが、ハイブリッド媒体コントローラ320は、第1のローカルトランシーバ330および第2のローカルトランシーバ340のうちの少なくとも1つに実装され得ることを理解されたい。さらに、ハイブリッド媒体コントローラ360は、第1のリモートトランシーバ370および第2のリモートトランシーバ380の外に示されているが、ハイブリッド媒体コントローラ360は、第1のリモートトランシーバ370および第2のリモートトランシーバ380のうちの少なくとも1つに実装され得ることを理解されたい。
【0073】
例えば、ハイブリッド媒体コントローラ320は、第2のローカルトランシーバ340の第2のローカルコントローラ345に実装され得る。第1の通信リンクCOM−LINK−1Aが確立されている場合、第2の通信リンクCOM−LINK−2Aを介した送信を対象とするメッセージが、固定アクセス物理インターフェース342から、第2のローカルコントローラ345を通り、第1のローカルトランシーバ330を通り、第1の通信リンクCOM−LINK−1Aを介して第1のリモートトランシーバ370にルーティングされ得る。この例において、ハイブリッド媒体コントローラ360は、固定アクセス物理インターフェース382の内部のレジスタへのアクセスを可能にするために第2のリモートコントローラ385に実装される。したがって、第2のリモートコントローラ385は、固定アクセス物理インターフェース382のプロトコルスタックから情報を取り出し、固定アクセス物理インターフェース382のプロトコルスタックに情報を入れることができる。したがって、この例において、第1のローカルトランシーバ330および第1のリモートトランシーバ370は、標準的なトランシーバとして実装され、それらのトランシーバのそれぞれのローカルコントローラ335および375を含まない可能性がある。
【0074】
ハイブリッド媒体コントローラ320が第1のローカルコントローラ335と第2のローカルコントローラ345の両方に実装される例においては、第1のローカルコントローラ335および第2のローカルコントローラ345は、マスター−スレーブ構成で動作する可能性がある。ハイブリッド媒体コントローラ360が第1のリモートコントローラ375と第2のリモートコントローラ385の両方に実装される例においては、第1のリモートコントローラ375および第2のリモートコントローラ385は、マスター−スレーブ構成で動作する可能性がある。
【0075】
図4−8は、例示的な実施形態による、ローカルトランシーバの組を動作させる方法を示す。図4−8の方法は、ハイブリッド媒体コントローラ120、160、320、および360のうちの1つなどのハイブリッド媒体コントローラを含むLMTUによって実装され得る。図4はLMTUの観点で実装されているが、同じ方法が、図1−3を参照して上で説明されたリモート端末のうちの任意の1つと同じである可能性があるリモート端末によって実行され得ることを理解されたい。したがって、図4−8を参照して以下で説明されるハイブリッド媒体コントローラは、少なくとも、ハイブリッド媒体コントローラ120、160、320、および360の機能を有すると理解されるべきである。図4は、例示的な実施形態による、ローカルトランシーバの組を動作させる方法400を示す。ステップ410において、ハイブリッド媒体コントローラが、それぞれの第1のプロトコルおよび第2のプロトコルを使用する並列な第1の物理層リンクおよび第2の物理層リンクを介してローカルトランシーバの組から情報(制御とデータの両方)を送信する。ステップ420において、ハイブリッド媒体コントローラが、ローカルトランシーバの組において、リモート端末からの受信情報を処理する。ステップ410およびステップ420において実行されるオペレーションの例示的な例が、図5−8を参照して以下でより詳細に検討される。
【0076】
図5Aは、図4に示されたステップ410の例示的な実施形態を示す。より具体的には、図5Aは、第1のローカルトランシーバの内部の送信要求に応じてローカルトランシーバの組を動作させる方法500を示す。送信要求は、送信情報、例えば、内部的な制御情報、ユーザデータ、またはローカルもしくはリモートハイブリッド媒体コントローラによって要求される情報に関連する可能性がある。ステップ505において、ハイブリッド媒体コントローラが、第1のローカルトランシーバが第1のリモートトランシーバに送信されるべき情報を持っているかどうかを判定する。持っている場合、方法は、情報の送信の要件が調べられ、最も好適な通信リンクが、利用可能なチャネルに関する利用可能な性能インジケータに基づいて選択されるステップ515に進む。
【0077】
性能インジケータは、データによって変わる、および/またはチャネルの状態に基づく可能性がある。ハイブリッド媒体コントローラに接続されたローカルトランシーバおよび第2のローカルトランシーバのローカルコントローラ(例えば、第1のローカルコントローラ335および第2のローカルコントローラ345)は、通常のデータチャネルと制御チャネルの両方に対するアクセスを提供することができる。これらのチャネルのそれぞれは、異なるロバスト性、データ転送速度、信頼性(例えば、ビット誤り率)、および/またはレイテンシーなどの異なるリンク性能インジケータを有する可能性がある。
【0078】
第1の通信リンク上のチャネルを介した通信が行われなければならない場合、方法は、ステップ520に進み、第1のローカルトランシーバを使用して情報を送信する。第2の通信リンクが使用される場合、方法は、ハイブリッド媒体コントローラが、パケットに情報を埋め込み、例えば、情報の送信元、情報の種類、優先レベル、および必要な保護を識別するためのラベルを追加する可能性があるステップ530に進む。次に、方法は、第2のローカルトランシーバを使用して、適切な優先レベルおよび保護を用いて情報を含むパケットを送信することによるステップ540に進む。
【0079】
図5Bは、図4に示されたステップ420の例示的な実施形態を示す。より具体的には、図5Bは、例示的な実施形態による、リモート端末から情報を受信することに応じてローカルトランシーバの組を動作させる方法550を示す。ステップ555において、ローカルトランシーバの組のうちの受信するトランシーバが、リモート端末から何らかの到着する情報があるかどうかを判定する。到着するデータがある場合、方法は、受信された情報が送信先を決定するために調べられるステップ565に進む。調査は、情報の種類を判定することも含み得る。情報がローカルの受信するトランシーバを対象とする場合、方法は、ステップ570に進み、情報が、そのローカルの受信するトランシーバで処理される。情報がローカルの受信するトランシーバを対象としない場合、方法は、ステップ580に進み、情報が、ハイブリッド媒体コントローラを介して対象のローカルトランシーバに転送される。ステップ590において、情報が、対象のローカルトランシーバで処理される。
【0080】
図6は、図4に示されたステップ410の例示的な実施形態を示す。より具体的には、図6は、例示的な実施形態による、送信要求に応じてトランシーバの組を動作させる方法600を示す。ステップ610において、ローカルトランシーバの組が、利用可能なチャネルの性能インジケータと、ローカルトランシーバの組のうちの少なくとも一方が処理しているトラフィックの量とを監視する。利用可能なチャネルは、制御チャネルとデータチャネルの両方を含む。
【0081】
上述のように、性能インジケータは、データによって変わる、および/またはチャネルの状態に基づく可能性がある。ハイブリッド媒体コントローラに接続されたローカルトランシーバおよび第2のローカルトランシーバのローカルコントローラ(例えば、第1のローカルコントローラ335および第2のローカルコントローラ345)は、通常のデータチャネルと制御チャネルの両方に対するアクセスを提供することができる。これらのチャネルのそれぞれは、異なるロバスト性、データ転送速度、信頼性(例えば、ビット誤り率)、および/またはレイテンシーなどの異なるリンク性能インジケータを有する可能性がある。
【0082】
ハイブリッド媒体コントローラは、ローカルトランシーバの内部の状態と、ハイブリッド媒体コントローラを用いる内部の性能測定とを監視する。非アクティブなチャネルに関して、ハイブリッド媒体コントローラは、トランシーバの性能特性および履歴的なチャネル特性のデータベースを保持することができる。データベースは、所与の送信要求に応じてトランシーバを作動させるか否かを決定する際に役立つ。LMTUは、チャネルの可用性およびチャネル特性を判定するために周期的にチャネルを探索することもできる。
【0083】
ステップ620において、ローカルトランシーバの組が、リモート端末への通信のための送信要求を調べる。そのような送信要求がなされる場合、ハイブリッド媒体コントローラは、送信要求に関する1組の性能の閾値に基づいて(1つまたは複数の)チャネルを選択することによるステップ630に進む。
【0084】
1組の性能の閾値は、性能インジケータに基づく。性能インジケータは、対応する1組の性能の閾値のうちのいずれかが満たされていないかどうか、および(予測される)性能が閾値を超えている/下回っているかどうかを判定するために使用され得る。例えば、レイテンシー、信頼性、高速な誤り回復、およびそれらの性能インジケータの任意の組み合わせが、使用され得る。例えば、性能が性能の閾値を下回っている(例えば、トラフィックの需要が高い)場合、第1の通信リンクと第2の通信リンクの両方のチャネルが、ハイブリッド媒体コントローラによって選択され得る。別の例において、性能が性能の閾値を超えている(例えば、トラフィックの需要が低い)場合、第1の通信リンクおよび第2の通信リンクのうちの一方のチャネルが、選択され得る。
【0085】
送信要求は、例えば、到着するユーザデータによって引き起こされる外部的な送信要求であるか、あるいは、例えば、リモート端末に情報を伝達する(制御する)ため、または肯定応答のタイムアウトの後に、もしくはリモート端末が要求したときに情報を再送信するための内部的な要求によって引き起こされる内部的な送信要求である可能性がある。送信要求によって促されると、ハイブリッド媒体コントローラは、利用可能であるならばより多くのリソースを割り当てることによって現在アクティブなチャネルを増強すること、またはリンクを作動させることを決定することができる。
【0086】
ステップ640において、ハイブリッド媒体コントローラが、少なくとも1つの性能インジケータに基づいて必要に応じて、チャネルの性能を高めるべきかどうか、チャネルの能力を高めるべきかどうか、および/または(1つもしくは複数の)チャネルを作動させるべきかどうかを評価し、その後、ハイブリッド媒体コントローラは、ステップ610に戻る。これは、さまざまな新しい送信要求および繰り返しを伴う可能性がある。
【0087】
必要に応じて、チャネルの能力を高めるべきかどうか、および/または(1つもしくは複数の)チャネルを作動させるべきかどうかを評価する際に予測コンポーネントが存在し得る。例えば、ハイブリッド媒体コントローラは、使用中のアプリケーション(例えば、ユーザが高精細度チャネルを見ていること)を知ることができ、次に、使用中のアプリケーションを使用中の1組の性能の閾値とコスト判定とに反映することができる。したがって、ユーザが素早いチャネルの変更を実行しようと決めるとき、ハイブリッド媒体コントローラは、古いストリームを含むバッファが役に立たなくなり、初めは(圧縮された)データから新しいストリームを生成するのに十分なデータがバッファにないことが多いので、(以下で説明されるように、第2の通信リンクを確立するかまたは拡張することによって)ほとんど瞬時に帯域幅を増やす可能性がある。
【0088】
送信要求がない場合、ハイブリッド媒体コントローラは、ステップ620からステップ650に進み、少なくとも1つの性能インジケータに基づいて必要に応じて、現在の性能を維持するべきか、チャネルの能力を下げるべきか、および/または(1つもしくは複数の)チャネルを停止するべきかを評価し、その後、ハイブリッド媒体コントローラは、ステップ610に戻る。例えば、送信要求がない場合、ハイブリッド媒体コントローラは、(1つまたは複数の)アクティブなチャネルを停止することを決定する可能性がある。
【0089】
図7は、図4に示されたステップ410の例示的な実施形態を示す。より具体的には、図7は、例示的な実施形態による、チャネルの性能の変化に応じてローカルトランシーバの組を動作させる方法700を示す。ステップ710において、ローカルトランシーバの組が、利用可能な制御チャネルおよびデータチャネルの性能インジケータと、ローカルトランシーバの組が処理しているトラフィックの量とを監視する。性能インジケータは、図5Aおよび6を参照して上で説明された。したがって、明瞭かつ簡潔にするために、性能インジケータの説明は、ここでは行わない。
【0090】
ステップ720において、ローカルトランシーバの組が、性能インジケータ(例えば、バースト誤り、フェージング、干渉、および/またはインパルス雑音によるチャネル品質、スループット、および/またはレイテンシー)のうちの1つまたは複数の(突然の)変化を調べる。ハイブリッド媒体コントローラは、少なくとも、多数の送信誤りがあるかどうか、または信号が全くないかどうかを調べることができる。アクティブなチャネルが切れている場合、ハイブリッド媒体コントローラは、切れていないチャネルを介してリモート端末に制御情報(例えば、低レベル制御情報)を伝達する。
【0091】
そのような変化が起こる場合、ハイブリッド媒体コントローラは、影響を受けるチャネルのトランシーバの状態を判定するために、(1つまたは複数の)利用可能なチャネルを介して状態情報を要求することによるステップ730に進む。例えば、第1の通信リンクが切れる場合、ハイブリッド媒体コントローラは、第2の通信リンクを使用して、第1のローカルトランシーバおよび第1のリモートトランシーバならびに影響を受けるチャネルの状態を判定することができる。
【0092】
次に、方法は、利用可能なチャネルを使用して、必要に応じて、影響を受けるチャネルの修復を支援するか、または影響を受けるチャネルの性能の変化の影響を軽減するか、および/もしくは(1つもしくは複数の)チャネルを作動(停止)することによるステップ740に進む。そして、方法は、性能情報と、ローカルトランシーバの組が処理しているトラフィックの量とを監視するステップ710に進む。
【0093】
チャネルの変化が観測されない場合、方法は、ステップ720からステップ750に進み、ステップ750において、ハイブリッド媒体コントローラが、必要に応じて、現在の(および予測される)トラフィックの量に関する現在の性能を維持するべきかどうか、性能を調整するべきかどうか、ならびに/またはチャネルを作動もしくは停止するべきかどうかを評価し、その後、方法は、ステップ710に戻る。
【0094】
図8は、図4の例示的な実施形態による、ローカルトランシーバの組の中のトランシーバを作動および停止する方法800を示す。
【0095】
ステップ810において、ハイブリッド媒体コントローラが、第1の物理層通信プロトコルを用いる、リモート端末との第1の通信リンクを(再)確立するために第1のトランシーバを選択する。低レベル制御情報が、第1の通信リンクを確立し、通信セッションを初期化するためにリモート端末に伝達される。
【0096】
第1の通信リンクを確立するために、ハイブリッド媒体コントローラは、例えば、(1つまたは複数の)アプリケーションおよびデータストリームの特性に基づいて、どの利用可能なリンクが現在の(および(近い)将来の)要求を最もよくサポートするかを評価することができる。一例において、セキュリティ監視システムがハイブリッド媒体コントローラに「ハートビート」を送信するか、またはスマートメーターがハイブリッド媒体コントローラに「状態情報」要求を送信する。ハイブリッド媒体コントローラは、どのリンクおよび関連するローカルトランシーバがそのような軽いバースト的なトラフィックを処理できるかを決定し、決定されたローカルトランシーバを使用した後、決定されたローカルトランシーバをスタンバイ/スリープモードにする。
【0097】
しかし、稼働中にソフトウェア更新が開始されるか、またはLMTUが多くのデータを送信もしくは受信する場合、第2の通信リンクが、以下でより詳細に説明されるように使用され得る。さらに、リンクに関する突然の問題が、別のリンク(例えば、第2の通信リンク)によってより早く解決されることができ、すぐに「データ量」トリガーにならない。例えば、VDSL2においては、インパルス雑音保護が、ローカルトランシーバにそれらの内部のインターリーバの全体の長さが原因である多大な遅延を持たせる可能性がある。低レイテンシーを要求する一部のデータに関して、遅延が、その他の通信リンクの使用を引き起こす可能性がある。唯一の用途が、夜間のいずれかの時点でいかなるレイテンシーまたはスループットの制約もなく「長時間の高精細度ビデオをダウンロードすること」である場合、ハイブリッド媒体コントローラは、「最も低価格のリンク」もしくは「最も使用されていないリンク(greenest link)」を選択するか、または性能インジケータ(例えば、レイテンシーおよびスループットの制約)の重みづけされた組み合わせを使用してどの(1つまたは複数の)リンクを作動させるべきかを決定することができる。
【0098】
図8に示された方法においては、第1の通信リンクが最初に選択される。しかし、図8は、そのように限定されるべきでなく、ハイブリッド媒体コントローラは、最初に2つの通信リンクを選択する可能性があることを理解されたい。あるいは、第2の通信リンクが最初に選択され得る。
【0099】
第2の通信リンクが選択される場合、第2の通信リンクが、図8に示された第1の通信リンクとなる。以下の説明に基づいて、当業者は、第1の通信リンクおよび第2の通信リンクの機能が入れ替えられるので、第2の通信リンクが選択される場合にどのように方法が実装されるかを理解するであろう。
【0100】
通信セッションが第1の通信リンク上で確立されると、情報が、ローカルトランシーバとリモート端末の間で転送される。
【0101】
ステップ815において、ハイブリッド媒体コントローラが、ハイブリッド媒体コントローラが第1の通信リンクを単独で使用するときよりも低いコストで第1の通信リンクを(再)確立するのを支援するために第2の通信リンクが利用可能であるかどうかを評価する。ハイブリッド媒体コントローラは、例えば、1組の性能の閾値と、性能インジケータに基づくさまざまなコスト関数とを使用してスケジューリングオペレーションを実行する。ハイブリッド媒体コントローラに接続されたローカルトランシーバおよび第2のローカルトランシーバのローカルコントローラ(例えば、第1のローカルコントローラ335および第2のローカルコントローラ345)は、通常のデータチャネルと制御チャネルの両方に対するアクセスを提供することができる。性能インジケータは、図5Aおよび6を参照して説明されており、したがって、明瞭かつ簡潔にするためにさらに詳細に説明されない。
【0102】
少なくとも1つのコスト関数に基づいて、ハイブリッド媒体コントローラは、第2の通信リンクを使用して第1の通信リンクの(再)確立を支援するべきかどうかを決定することができる。
【0103】
第2の通信リンクがより低いコストで利用できる場合、方法は、第2の通信リンクが、第1の通信リンクの(再)確立を支援するために第1のローカルトランシーバと第1のリモートトランシーバの間で情報(例えば、低レベル制御情報)を交換するために使用されるステップ830に進む。ハイブリッド媒体コントローラは、パケットに情報を埋め込み、例えば、情報の送信元、情報の種類、優先レベル、および必要な保護を識別するためのラベルを追加し、第2の通信リンクを介してリモート端末に転送するために第2のローカルトランシーバにその情報を転送することができる。例えば、第1の通信リンクに関する低レベル制御情報が、第2の通信リンクを介して送信され、第1の通信リンク上の通信セッションの通信パラメータの更新を支援し、第1のローカルトランシーバと第2のローカルトランシーバの間でデータ送信を選択的にスケジューリングするためにハイブリッド媒体コントローラによって使用され得る。
【0104】
第2の通信リンクを使用するコストがより高い場合、次に、第1のローカルトランシーバおよび第1のリモートトランシーバが、ステップ820において、第2のローカルトランシーバおよび第2のリモートトランシーバからの支援なしに第1の通信リンクを(再)確立する。第1のトランシーバが第1の通信リンクを(再)確立し、第1の通信リンクを介して通信するために使用された後、ハイブリッド媒体コントローラは、ステップ845において、第1の通信リンクが性能を維持するために使用されるべきかどうかを判定する。ステップ845は、以下でより詳細に説明される。
【0105】
ステップ830および845の後、ハイブリッド媒体コントローラは、ステップ835において、性能インジケータに基づいて第2の通信リンクが第1の通信リンクの動作を支援するために利用できるかどうか、および性能インジケータが性能の閾値を超えるかどうかを判定する。ハイブリッド媒体コントローラは、周期的に更新され得るさまざまな性能インジケータに基づいて第1の通信リンク上の通信性能を監視する。
【0106】
第1のローカルトランシーバおよび第2のローカルトランシーバを使用して第1の通信リンクおよび第2の通信リンクを介して通信するコストがより低い(例えば、現在の通信能力が性能の閾値を超えている)場合、ハイブリッド媒体コントローラは、ステップ840において、第1の通信リンクと第2の通信リンクの両方を介した情報の送信をスケジューリングする。
【0107】
例えば、転送されているデータ量が少ない(例えば、通信能力が性能の閾値を下回っている)場合、ハイブリッド媒体コントローラは、ステップ840において、リモート端末との第2の通信リンクを使用するために第2のローカルトランシーバを選択する。第2の通信リンクは、第1の通信リンクの動作を支援する。第2の通信リンクは、第1の物理層プロトコルとは異なるか、または第1の物理層プロトコルと同じであるが、異なる周波数で動作する可能性がある第2の物理層プロトコルを使用する。
【0108】
データ量は、単に、(予測される)性能が性能の閾値を超えているかどうかを判定するために使用され得る1つの性能インジケータであるにすぎないことを理解されたい。例えば、レイテンシー、信頼性、高速な誤り回復、およびそれらの性能インジケータの任意の組み合わせが、使用され得る。
【0109】
図6の説明で説明されたように、性能が性能の閾値を超えるかどうかを判定する際に予測コンポーネントが存在し得る。例えば、ハイブリッド媒体コントローラは、使用中のアプリケーション(例えば、ユーザが高精細度テレビチャネルを見ていること)を知ることができ、次に、使用中のアプリケーションを使用中の1組の性能の閾値とコスト判定とに反映することができる。したがって、ユーザが素早い(テレビ)チャネルの変更を実行しようと決めるとき、ハイブリッド媒体コントローラは、古いストリームを含むバッファが役に立たなくなり、初めは(圧縮された)データから新しいストリームを生成するのに十分なデータがバッファにないことが多いので、(以下で説明されるように、第2の通信リンクを確立するかまたは拡張することによって)ほとんど瞬時に帯域幅を増やす可能性がある。
【0110】
第1のトランシーバおよび第2のトランシーバが通信するために使用された後、ハイブリッド媒体コントローラは、ステップ845において、第1の通信リンクが性能を維持するために使用中であるかどうかを判定する。ハイブリッド媒体コントローラは、1組の性能の閾値と、性能インジケータに基づくさまざまなコスト関数とを使用して、第1の通信リンクが性能を維持するために使用中であるかどうかを判定することができる。例えば、転送されるべきデータ量が多い(例えば、現在の通信能力が性能の閾値を下回っている)場合、ハイブリッド媒体コントローラは、第1の通信リンクおよび第2の通信リンクを監視および制御し続ける。
【0111】
ハイブリッド媒体コントローラは、図3に示されたハイブリッド媒体コントローラ320および360、または図1に示されたハイブリッド媒体コントローラ120および160を参照して上で説明されたのと同じようにして低レベル制御情報に基づいて通信リンクを制御することができる。したがって、簡潔にするために、低レベル制御情報に基づく通信リンクの制御の説明は、繰り返されない。
【0112】
第1の通信リンクが性能を維持するために使用中でない場合、第1のトランシーバが、ステップ850において、ハイブリッド媒体コントローラによってスタンバイ/スリープモードにされる。例えば、データ量が少ない(例えば、現在の能力が性能の閾値を十分に超えている)場合、ハイブリッド媒体コントローラは、第1のトランシーバをスタンバイ/スリープモードにすることができる。
【0113】
第1の通信リンクが性能を維持するために使用中である場合、ハイブリッド媒体コントローラは、ステップ835に進む。
【0114】
ハイブリッド媒体コントローラが第1のトランシーバをスタンバイ/スリープモードにすると、ハイブリッド媒体コントローラは、ステップ855において、性能インジケータに基づいて、第1の通信が性能を満足するために使用されるべきかどうかを監視する。ステップ855において第1の通信リンクが使用されるべきである場合、ハイブリッド媒体コントローラは、ステップ815に進む。
【0115】
第1の通信リンクおよび第2の通信リンクのすべてのあり得る状態が示されてはいないが、あり得る状態は、図8の上記の説明から理解されるに違いない。例えば、第1の通信リンクと第2の通信リンクの両方が、スリープ/スタンバイモードである可能性がある。
【0116】
例示的な実施形態が上に述べたように説明されているが、例示的な実施形態が多種多様である可能性があることは明らかであろう。例えば、固定アクセスネットワークは、無線ネットワークの高速な基幹ネットワークとして動作する可能性があり、RTにインストールされた無線アクセスポイントは、無線ネットワークの中継器として使用され得る。固定ネットワークがスター型ネットワークを形成する可能性があり、一方、無線ネットワークは、そのスター型ネットワークに加わり、さらに、RT間の追加的な接続を提供する。
【0117】
その上、データまたは低レベル制御情報は、OSIスタックの中間レベルの層で転送される可能性がある。例えば、インターフェースが、自身のトランシーバスタック内の上位レベルに低レベル制御情報またはデータを提供することができ、データまたは低レベル制御情報が、無線インターフェースの層内の同じレベルに転送されることができる。そして、ローカルコントローラ(例えば、ローカルコントローラ135および145)の機能が、それぞれ、インターフェース(例えば、インターフェース132および142)において実行される。
【0118】
そのような変更は、例示的な実施形態の精神および範囲からの逸脱とみなされるべきでなく、当業者に明らかであろうすべての修正は、特許請求の範囲内に含まれるように意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つのローカルトランシーバ(130、140)と、
2つのローカルトランシーバ(130、140)を制御するために接続され、第1の通信リンク(COM−LINK−1)が第1の物理層通信プロトコルを使用し、第2の通信リンク(COM−LINK−2)が第2の物理層通信プロトコルを使用するように、2つのローカルトランシーバ(130、140)のうちの少なくとも1つを介してリモート端末(150)との並列な第1の通信リンクおよび第2の通信リンク(COM−LINK−1、COM−LINK−2)を確立するように構成されたコントローラ(120)であって、第2の物理層通信プロトコルが第1の物理層通信プロトコルと異なるか、または第1のトランシーバおよび第2のトランシーバ(130、140)が異なる周波数で動作するように構成される、コントローラ(120)と
を含む、装置(110)。
【請求項2】
コントローラ(120)が、2つのローカルトランシーバ(130、140)に、第1の通信リンク(COM−LINK−1)を介してリモート端末(150)に制御情報を伝達させるように構成され、制御情報が、第2の通信リンク(COM−LINK−2)上の通信セッションを制御するのに使用するためのものである、請求項1に記載の装置(110)。
【請求項3】
コントローラ(120)が、2つのローカルトランシーバ(130、140)に、第1の通信リンク(COM−LINK−1)を介してリモート端末(150)に制御情報を伝達させるように構成され、制御情報が、第2の通信リンク(COM−LINK−2)上の通信セッションを初期化するのに使用するためのものである、請求項1に記載の装置(110)。
【請求項4】
コントローラ(120)が、2つのローカルトランシーバ(130、140)に、第1の通信リンク(COM−LINK−1)を介してリモート端末(150)に制御情報を伝達させるように構成され、制御情報が、第2の通信リンク(COM−LINK−2)上の通信セッションに関するパラメータを更新するのに使用するためのものである、請求項1に記載の装置(110)。
【請求項5】
ローカルトランシーバ(130、140)の組を動作させる方法であって、
それぞれ第1の物理層プロトコルおよび第2の物理層プロトコルを使用する並列な第1の物理層通信リンクおよび第2の物理層通信リンク(COM−LINK−1、COM−LINK−2)を確立するためにローカルトランシーバ(130、140)の組からリモート端末(150)に情報を送信するステップ(410)であって、第2の物理層通信プロトコルが第1の物理層通信プロトコルと異なるか、またはローカルトランシーバ(130、140)の組が異なる周波数で動作するように構成される、情報を送信するステップ(410)と、
ローカルトランシーバ(130、140)の組によってリモート端末(150)から情報を受信するステップ(420)とを含む、方法。
【請求項6】
送信するステップ(410)が、
第2の物理層通信リンク(COM−LINK−2)を確立するのに使用するために、第1の物理層通信リンク(COM−LINK−1)を介して、第2の物理層リンク(COM−LINK−2)から生じる制御情報を送信するステップを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
送信するステップ(410)が、
第2の物理層通信リンク(COM−LINK−2)上の通信セッションを制御するのに使用するために第2のトランシーバ(140)から生じる制御情報を送信するステップを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
送信するステップ(410)が、
第2の物理層通信リンク(COM−LINK−2)上の通信セッションに関するパラメータを更新するのに使用するために制御情報を送信するステップを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
送信するステップ(410)が、
リモート端末(150)に送信されるべき情報の量に基づいて、第1の物理層通信リンクおよび第2の物理層通信リンク(COM−LINK−1、COM−LINK−2)のうちの一方または両方を介して情報を送信するステップを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項10】
送信するステップ(410)が、
第1の物理層通信リンクおよび第2の物理層通信リンク(COM−LINK−1、COM−LINK−2)のうちの一方の誤り率に基づいて、第1の物理層通信リンクおよび第2の物理層通信リンク(COM−LINK−1、COM−LINK−2)のうちの一方または両方を介して情報を送信するステップを含む、請求項5に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2013−512618(P2013−512618A)
【公表日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−541109(P2012−541109)
【出願日】平成22年11月17日(2010.11.17)
【国際出願番号】PCT/US2010/056925
【国際公開番号】WO2011/066146
【国際公開日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(391030332)アルカテル−ルーセント (1,149)
【Fターム(参考)】