説明

通信ネットワークシステム及びパスの高信頼化方法

【課題】プロテクション方式並みに高速に障害回復できること、多重障害に対してもパスを回復できること、ネットワーク資源の利用効率が良いことの3つの特徴を兼ね備え得る通信ネットワークシステムなどを提供することである。
【解決手段】パスデータベースと、パス切替部とを具備する通信ネットワークシステムによって解決できる。パスデータベースは、一の現用パスと、代替パスで保護されている他の現用パスとを同じグループにグループ化するためのグループ化データを蓄積する。パス切替部は、一の現用パスに障害が発生したときに、グループ化データを参照し、一の現用パスと同じグループに属する他の現用パスの代替パスへの切り替えを行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信ネットワークシステム及びパスの高信頼化方法に関する。
【背景技術】
【0002】
データ通信トラヒックの増大に伴い、通信ネットワーク、その中でも中核部分に当たるトランスポートネットワークにおいて、信頼性の向上が重要となっている。トランスポートネットワークでは、データを送受信するノード間にトラヒック伝送用のパスを設定する。このパスが通過するノードやリンクに故障などが生じて通信不能になると、送受信ノード間においてデータを伝送できなくなる。その後は、他の通信可能なパスによって送受信ノード間を接続するまで通信できない。
【0003】
トランスポートネットワークの信頼性は、通信中の送受信ノード間が通信不能になってから、再び通信可能になるまでにかかる時間、つまり、パスの障害回復時間を用いて表現できる。すなわち、パスの障害回復時間が短い方がネットワークの信頼性は高くなる。
【0004】
パス障害回復方式は、プロテクション方式とリストレーション方式との2種類に分けられる。プロテクション方式は、通常のトラヒック伝送に用いる現用パスに対して、現用パスとは交わらないような代替パスを予め設定しておく。一方、リストレーション方式は、現用パスに障害が発生してから、代替パスを設定する。
【0005】
プロテクション方式では、現用パスが使用不能になっても、使用するパスを現用パスから代替パスに切り替えるだけで障害から回復できる。しかし、現用パスに障害がないときも常に代替パスを維持するため、ネットワーク資源(リンクの帯域)の利用効率は悪くなる。そこで、パスに要求される信頼性のレベルに応じて、1+1プロテクションとM:Nプロテクションが使い分けられる。
【0006】
1+1プロテクションでは、現用パスと代替パスの双方に同じトラヒックを流すことができる。従って、いずれかのパスが通信不能になっても、受信ノードにおいて信号を受信するパスを切り替えるだけで通信が回復する。このため非常に高速に障害から回復できる。しかし、1つの通信に対して2本のパスを確保するため、ネットワーク資源の利用効率は半減する。
【0007】
一方、M:Nプロテクションでは、M本の代替パスをN本の現用パスで共有する(MとNはM≦Nなる自然数)。現用パスが通信不能になった場合には、送受信ノードのそれぞれで、現用パスからM本ある代替パスのうちの1本へ切り替え処理を行う。送受信ノードにおいて切り替え処理が入る分、1+1プロテクションに比べて、障害回復時間が長くなる。しかし、複数の現用パスで同じ代替パスを共有できるため、ネットワーク資源の利用効率は1+1プロテクションに比べて良くなる。また、現用パスが通信可能なときは、代替パス上に信頼性が低くても構わないトラヒックを流せるため、さらにネットワーク資源の利用効率を高められる。
【0008】
リストレーション方式では、現用パスが使用不能になってから、代替パスを設定するために送受信ノードだけでなく、中継ノードにおいても切り替え処理を行う。このため、障害回復にはパスを1本設定するのと同じだけの時間がかかる。代替パスの経路が予め決められていない場合は、経路計算の分だけさらに障害回復が遅れる。また、必要な帯域が空いていなければ、代替パスの設定に失敗し、代替パスの設定をやり直さなければならない。その一方で、代替パスが設定されていない分、プロテクション方式に比べてネットワーク資源の利用効率は高い。また、送受信ノードペアが異なる複数の現用パスで代替パス用のネットワーク資源を共有できるため、さらにネットワーク資源の利用効率を高められる。
【0009】
プロテクション方式において100%の障害回復を保証できるのは、ネットワーク内の単一障害(単一のノード又はリンクの障害)に対してである。つまり、2つ以上の障害が同時期にネットワーク内で発生した場合、送受信ノード間が通信可能であることは保証されない。プロテクション方式によってk重障害からの回復を100%保証するには、1本の現用パスに対して、k本の代替パスが必要となる(当欄において、kは2以上の整数とする。)。この場合、k重障害から復旧可能になるものの、1+1プロテクション方式ないし、M:Nプロテクション方式と同等の障害回復時間を要することになり、かつ、ネットワーク資源の利用効率はk分の1程度に低下する。
【0010】
一方、リストレーション方式は任意の障害に対応し得るものの、十分な空き帯域がなければ、必ず障害回復できるとは限らない。政府や銀行など、ネットワーク利用者によっては、パスに対して非常に高い信頼性を要求されるので、ネットワークに多重障害が起きても1つのパスを高速かつ間違いなく障害回復できる仕組みが求められている。しかし、パスを提供するネットワーク事業者が、そのようなパスをコスト面で効率よく提供するための方法は、現時点で示されていない。
【0011】
例えば、特開2006−135686号公報(特許文献1参照)には、プロテクション方式に基づいて、複数のリンク障害に対するパスの回復方法が示されている。ただし、特許文献1における複数のリンク障害とは、複数のリンクが収容された管路に対して障害が発生することで、そこに収容されている複数のリンクが同時に使用不能となる場合に限定される。
【0012】
特開2006−340058号公報(特許文献2参照)は、プロテクション方式を拡張し、k重障害に対してパスを必ず回復できる方法を示している。しかし、この方法によると、1本のパスに対してk本の代替パスが必要となる。これはネットワーク資源の利用効率の観点からすると、非常に効率が悪い。
【0013】
特開2007−49336号公報(特許文献3参照)には、プロテクション方式とリストレーション方式を組み合わせた、多重障害時に対するパスの復旧方法が示されている。しかし、この方法は、k重障害に対して、プロテクション方式と同等の時間でパスを100%障害回復できることを必ずしも保証するものではない。
【0014】
特許第3900194号公報(特許文献4参照)は、リストレーション方式を用いて多重障害からパスを回復する方法を開示している。しかし、ここでの多重障害とは多重リンク障害のみに限られ、多重ノード障害については未対応である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開2006−135686号公報
【特許文献2】特開2006−340058号公報
【特許文献3】特開2007−49336号公報
【特許文献4】特許第3900194号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
以上のように、多重障害に対する障害回復システム及び方法は既にいくつか示されている。しかしながら、プロテクション方式並みに高速に障害回復できること、多重障害に対してもパスを回復できること、ネットワーク資源の利用効率が良いこと、の3つの特徴を兼備したシステム及び方法は皆無であるという問題点があった。
【0017】
本発明の目的は、上述した課題である3つの特徴を兼備し得ることを解決する通信ネットワークシステム、及び、パスの高信頼化方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の一つ目のアスペクトによる通信ネットワークシステムは、パスデータベースと、パス切替部とを具備する。パスデータベースは、一の現用パスと、代替パスで保護されている他の現用パスとを同じグループにグループ化するためのグループ化データを蓄積する。パス切替部は、一の現用パスに障害が発生したときに、グループ化データを参照し、一の現用パスと同じグループに属する他の現用パスの代替パスへの切り替えを行う。
【0019】
本発明の二つ目のアスペクトによるパスの高信頼化方法は、第一の現用パスを設定することと、第二の現用パスを設定することと、保護することと、グループ化することと、切り替えを行うこととを具備する。第一の現用パスを設定することにおいては、通信ネットワークにおける送信ノードから受信ノードへ第一の現用パスを設定する。第二の現用パスを設定することにおいては、送信ノードから受信ノードへ第二の現用パスを設定する。保護することにおいては、第二の現用パスを代替パスで保護する。グループ化することにおいては、第一の現用パスと、第二の現用パスとを同じグループにグループ化する。切り替えを行うことにおいては、第一の現用パスに障害が発生したときに、第一の現用パスと同じグループに属する第二の現用パスの代替パスへのパスの切り替えを行う。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、プロテクション方式並みに高速に障害回復できること、多重障害に対してもパスを回復できること、ネットワーク資源の利用効率が良いことの3つの特徴を兼ね備え得る通信ネットワークシステム、及び、パスの高信頼化方法を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】第一の実施の形態において前提とするネットワークの基本的な構成図
【図2】第一の実施の形態におけるノードの構成説明図
【図3】送信ノードが受信するパス設定要求メッセージの説明図
【図4】送信ノードが作成するパス設定要求メッセージの説明図
【図5】パス削除要求メッセージの説明図
【図6】障害発生前におけるパスの例を示す図
【図7】障害発生前におけるトポロジデータベースの状態を説明する図
【図8】障害発生前におけるパスデータベースの状態を説明する図
【図9】1+1プロテクションによる障害復旧後におけるパスの例を示す図
【図10】1+1プロテクションによる障害復旧でノードN6が行うスイッチング処理を説明する図
【図11】多重障害復旧後におけるパスの例を示す図
【図12】多重障害からの復旧でノードN6が行うスイッチング処理を説明する図
【図13】多重障害発生時におけるトポロジデータベースの状態を説明する図
【図14】多重障害発生時におけるパスデータベースの状態を説明する図
【図15】多重障害復旧後におけるパスデータベースの状態を説明する図
【図16】障害回復メッセージの説明図
【図17】第二の実施の形態におけるノードの構成説明図
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。図1は、一つ目の実施の形態において前提とするネットワークの基本的な構成図である。図1のネットワークは、ノードN1〜N6とリンクL1〜L8とを備える。図中、四角形で示されたノードN1〜N6は、スイッチング機能並びに、ノード間にパスを設定するための機能を持つ。実直線で示されたリンクL1〜L8は、ノード間を繋ぐもので、銅線、光ファイバなど、データを伝送するための媒体である。
【0023】
図2に、ノードの構成説明図を示す。図1に示したノードN1〜N6は、それぞれ、図2に示す構成と同様の構成を有している。図2において、一つのノードは、通信部M1と、経路計算部M2と、パス設定部M3と、パス切替部M4と、トポロジデータベースM5と、パスデータベースM6と、スイッチM7と、入力信号モニタM8〜M11と、障害解析部M100とを備えている。なお、図2では、説明の便宜上、スイッチM7の入出力数をそれぞれ4としている。実際の入出力数はスイッチM7の規模に依存する。
【0024】
図中、通信部M1は、他のノードにおける通信部と通信するための機能を持つ。経路計算部M2は、トポロジデータベースM5に格納されているトポロジ情報に基づいて、パスの経路を計算する。パス設定部M3は、パス切替部M4を介してスイッチM7を操作し、パスを設定すると共に、パスデータベースM6に格納されているパス情報を管理する。パス切替部M4は、スイッチM7の切り替え操作を行う。入力信号モニタM8〜M11は、スイッチM7に入力される信号をモニタリングする。障害解析部M100は、入力信号モニタM8〜M11によるモニタリングに基づいて、障害を解析する。
【0025】
トポロジデータベースM5には、ネットワークの接続形態に関するトポロジ情報が蓄積される。具体的には、各リンクL1〜L8ごとに、出力ノード、入力ノード、出力ノードにおける出力ポート、入力ノードにおける入力ポート、空き帯域、リンクの状態などの情報が格納される。パスデータベースM6には、それぞれのパスに関するパス情報が蓄積される。具体的には、それぞれの現行パス又は代替パスごとに、送信ノード、受信ノード、入力ポート、出力ポート、使用帯域、プロテクションの有無、プロテクションが適用されている場合にはプロテクションの種類、確保された代替パスなどの情報が格納される。これらの情報は、ノード間で送受信されるパス設定要求メッセージによって通知できる。
【0026】
《ネットワークにパスを設定する動作の説明》
通信部M1は、経路計算部M2又はパス設定部M3と、他のノードにおける通信部との間で、メッセージ送受信を仲介する。まず、通信部M1が、他のノードからパス設定要求メッセージを受信した場合の動作について説明する。通信部M1は、パス設定要求メッセージをパス設定部M3に転送する。
【0027】
[1−1.受信したパス設定要求メッセージで指定されたパスの送信ノードが自身のノードである場合]図3に、パス設定要求メッセージの説明図を示す。このパス設定要求メッセージは、新しく設定されるパスの送信ノードが受信するものである。図示するように、このパス設定要求メッセージS1には、送信ノードと、受信ノードと、パスの帯域とに関する情報などが含まれている。
【0028】
パス設定部M3は経路計算部M2にパスの経路計算を依頼する。パス設定部M3から経路計算を依頼された経路計算部M2は、トポロジデータベースM5に格納されているリンクの空き帯域情報などを参照して、パスの経路を計算する。また、その結果をパス設定部M3へ返す。経路計算部M2からパスの経路計算結果を受け取ったパス設定部M3は、新しく設定されるパスの情報をパスデータベースM6に登録する。
【0029】
また、パス設定部M3は、パス切替部M4に対して、スイッチM7のスイッチングを依頼する。パス切替部M4は、その依頼に基づき、スイッチM7を切り替える。また、スイッチング処理を終えると、その旨をパス設定部M3に伝える。パス設定部M3は、経路計算部M2に、スイッチM7が切り替えられたことを知らせる。さらに、新たに設定されるパスにおける次ホップのノードに対してパス設定要求メッセージを作成し、そのパス設定要求メッセージを通信部M1に渡す。
【0030】
図4に、パス設定要求メッセージの説明図を示す。このパス設定要求メッセージは、新しく設定されるパスの送信ノードが作成するものである。図示するように、パス設定要求メッセージS2には、パスの識別符号と、送信ノードと、受信ノードと、パスの帯域と、パスが通過するリンク(図4では、ノードと出力ポートの組で表現されている。ノードと入力ポートの組でも、リンクの識別子などで表現しても良い。)とに関する情報などが含まれている。パス設定部M3からパス設定要求メッセージを受け取る通信部M1は、次ホップのノードに対して、パス設定要求メッセージを送信する。
【0031】
[1−2.受信したパス設定要求メッセージで指定されたパスの送信ノードが自身のノードではない場合]パス設定部M3は、新たに設定されるパスの情報をパスデータベースM6に登録する。また、パス切替部M4にスイッチングを依頼する。パス切替部M4はスイッチング処理を行う。また、スイッチング処理を終えると、その旨をパス設定部M3に伝える。パス設定部M3は、経路計算部M2に、スイッチM7が切り替えられたことを知らせる。さらに、新たに設定されるパスにおける次ホップのノードに対して、図4に示したようなパス設定要求メッセージを作成し、そのパス設定要求メッセージを通信部M1に渡す。パス設定部M3からパス設定要求メッセージを受け取る通信部M1は、次ホップのノードに対して、パス設定要求メッセージを送信する。
【0032】
[1−3.受信したパス設定要求メッセージで指定されたパスの受信ノードが自身のノードである場合]パス設定部M3は、新たに設定されるパスの情報をパスデータベースM6に登録する。また、パス切替部M4にスイッチングを依頼する。パス切替部M4はスイッチング処理を行う。また、スイッチング処理を終えると、その旨をパス設定部M3に伝える。パス設定部M3は、経路計算部M2に、スイッチM7が切り替えられたことを知らせる。
【0033】
パス設定部M3からスイッチング処理が終了したことを知らされる経路計算部M2は、トポロジデータベースM5における自身のノードに関する情報を更新する。また、他のノードにトポロジ情報の更新を伝えるために、更新した情報を含むトポロジ更新メッセージを作成し、通信部M1に渡す。経路計算部M2からトポロジ更新メッセージを受け取る通信部M1は、宛先のノードに対して、トポロジ更新メッセージを送信する。
【0034】
宛先のノードにおいては、その宛先のノードにおける通信部M1がトポロジ更新メッセージを受信すると、それを経路計算部M2に転送する。経路計算部M2ではトポロジ更新メッセージに基づき、トポロジデータベースM5を更新する。
【0035】
《ネットワークからパスを削除する動作の説明》
次に、通信部M1が、他のノードからパス削除要求メッセージを受信した場合の動作について説明する。通信部M1は、パス削除要求メッセージをパス設定部M3に転送する。図5に、パス削除要求メッセージの説明図を示す。図示するように、パス削除要求メッセージS3には、パスの識別符号など、削除対象のパスを特定する情報が含まれている。
【0036】
[2−1.受信したパス削除要求メッセージで指定されたパスの受信ノードが自身のノードでない場合]パス設定部M3はパス切替部M4にスイッチングを依頼する。パス切替部M4はスイッチング処理を行う。また、スイッチング処理を終えると、その旨をパス設定部M3に伝える。パス設定部M3は、経路計算部M2に、スイッチM7が切り替えられたことを知らせる。また、パスデータベースM6から、該当パスの情報を削除する。さらに、削除対象のパスにおける次ホップのノードに対して、図5と同様のパス削除要求メッセージを作成し、そのパス削除要求メッセージを通信部M1に渡す。パス設定部M3からパス削除要求メッセージを受け取る通信部M1は、次ホップのノードに対して、パス削除要求メッセージを送信する。
【0037】
[2−2.受信したパス削除要求メッセージで指定されたパスの受信ノードが自身のノードである場合]パス設定部M3はパス切替部M4にスイッチングを依頼する。パス切替部M4はスイッチング処理を行う。また、スイッチング処理を終えると、その旨をパス設定部M3に伝える。パス設定部M3は、経路計算部M2に、スイッチM7が切り替えられたことを知らせる。また、パスデータベースM6から、該当パスの情報を削除する。
【0038】
《ネットワーク全体の動作例:正常時の説明》
図6は、図1と同じ構成のネットワークにおいて、ノードN1からノードN6へ、現用パスと代替パスの対を2対設定している様子を示している。図6において、現用パスP1,P2は、太い実線矢印で示され、これらの代替パスB1,B2は、破線の矢印で示されている。現用パスP1は、ノードN1からノードN2を経由しノードN6へ至るパスである。現用パスP2は、ノードN1からノードN5を経由し、ノードN6へ至るパスである。現用パスP1の代替パスB1は、ノードN1からノードN3を経由し、ノードN6へ至るパスである。現用パスP2の代替パスB2は、ノードN1からノードN4を経由し、ノードN6へ至るパスである。
【0039】
図6に示すパスP1,P2,B1,B2が設定されている状況において、各ノードN1〜N6におけるトポロジデータベースM5には、図7に示すようなネットワークの接続形態に関するトポロジ情報が格納されている。図7は、トポロジデータベースM5が有する情報をテーブル形式で示した説明図である。ただし、図7の例では、各リンクL1〜L8の帯域がC、各パスP1,P2,B1,B2の帯域がc0であると仮定している。図7における空き帯域の欄は、リンクの帯域とパスの帯域との引き算で記述している。
【0040】
図7に示すテーブルT1を参照すると、リンクL1は、出力ノードN1の出力ポート#1から入力ノードN2の入力ポート#1へ至ること、空き帯域がC−c0であること、正常に動作していることが分かる。リンクL2は、出力ノードN1の出力ポート#2から入力ノードN3の入力ポート#1へ至ること、空き帯域がC−c0であること、正常に動作していることが分かる。その他のリンクも同様であり、例えば、リンクL8は、出力ノードN5の出力ポート#2から入力ノードN6の入力ポート#4へ至ること、空き帯域がC−c0であること、正常に動作していることが分かる。
【0041】
一方、各ノードN1〜N6におけるパスデータベースM6には、図8に示すようなパスに関するパス情報が格納されている。図8は、パスデータベースM6が有する情報をテーブル形式で示した説明図である。図8に示すテーブルT2を参照すると、パスP1は、送信ノードN1から受信ノードN6へ至るパスであること、ノードN1の出力ポート#1と、ノードN2の出力ポート#2とを経由すること、c0の大きさの帯域を占有すること、予備の代替パスとしてパスB1が確保されていること、正常に動作していることなどが分かる。また、パスB1は、送信ノードN1から受信ノードN6へ至るパスであること、ノードN1の出力ポート#2と、ノードN3の出力ポート#2とを経由すること、c0の大きさの帯域を占有すること、予備の代替パスが存在しないこと、正常に動作していることなどが分かる。なお、図8のテーブルT2におけるハイフン“−”は、空欄を意味している。
【0042】
図8における保護形態の欄を参照すると、パスP1とパスP2とは、1+1プロテクションに設定されていることが分かる。予備パスの欄も併せて参照すれば、パスP1は、代替パスB1により、1+1プロテクションという保護形態で保護されていて、パスP2は、代替パスB2により、1+1プロテクションという保護形態で保護されていることが分かる。
【0043】
図8におけるグループの欄を参照すると、パスP1,B1と、パスP2,B2との2組が同じグループG1として関連付けられていることが分かる。このように、1組目のパスP1,B1が1+1プロテクションとして設定されており、2組目のパスP2,B2も1+1プロテクションとして設定されており、かつ、パスP1,B1の経路がそれぞれ、パスP2,B2のいずれの経路とも交わらない場合には、パス設定部M3は、パスP1,B1と、パスP2,B2との2組を一つのグループに纏める。仮に、交わっていた場合には、パス設定部M3は、パスP1,B1と、パスP2,B2との2組を別のグループに分ける。
【0044】
図6に示すネットワークの接続形態において、図2に示す構成と同様の構成を有するノードN6においては、4つの入力信号、入力1〜入力4を受信している。図7を参照すると明らかな通り、ノードN6における入力1は、ノードN2を経由する現用パスP1からの入力であり、入力2は、ノードN3を経由する代替パスB1からの入力であり、入力3は、ノードN4を経由する現用パスP2からの入力であり、入力4は、ノードN5を経由する代替パスB2からの入力である。ノードN6は、現用パスP1(または代替パスB1)から送信されてきたデータを、出力1に出力し、現用パスP2(または代替パスB2)から送信されてきたデータを、出力3に出力する。
【0045】
ノードN6におけるパス切替部M4は、障害解析部M100に対して、入力信号モニタM8,M9がモニタリングした現用パスP1からの入力信号と代替パスB1からの入力信号とを解析させている。同様に、障害解析部M100に対して、入力信号モニタM10,M11がモニタリングした現用パスP2からの入力信号と代替パスB2からの入力信号とを解析させている。このとき、パス切替部M4は、障害解析部M100が、入力信号モニタM8又は入力信号モニタM10での異常を検出しない限り、入力1からの信号を出力1に出力し、入力3からの信号を出力3に出力するようなスイッチM7の状態を維持している。
【0046】
《ネットワーク全体の動作例:一つのパスに障害が発生した時の説明》
図6に示したネットワークにおいて、リンクL5の異常により、現用パスP1に障害が発生した場合の動作について説明する。図9に示すように、障害回復処理が行われ、代替パスB1が現用パスP1の代替に使用される。このとき、ノードN6においては、入力信号モニタM8で異常が検出され、障害解析部M100がその異常をパス切替部M4に伝える。図10に示すように、パス切替部M4は、入力2に入力される信号が出力1に出力されるようにスイッチM7を切り替える。ノードN6における入力2は、代替パスB1からの入力に接続されているので、スイッチM7の切り替えによって、障害が発生した現用パスP1に代わって代替パスB1が使用されることになる。
【0047】
ノードN6において、現用パスP1に障害が発生したことが検出されると、各ノードN1〜N6において、トポロジデータベースM5及びパスデータベースM6の更新が行われる。トポロジデータベースM5では、異常状態になったリンクL5の状態の欄が“正常”から“異常”へ更新される。パスデータベースM6では、障害が発生した現用パスP1の状態の欄が“正常”から“異常”へ更新される。
【0048】
なお、障害発生後、ノードN6において入力信号モニタM8での異常が検出されなくなると、パス切替部M4は、入力1の信号が出力1に出力されるようにスイッチM7を切り替え、入力1の信号が出力1に出力されるようにスイッチM7の状態を元に戻すことができる。
【0049】
《ネットワーク全体の動作例:二つのパスに障害が発生した時の説明》
図6に示したネットワークにおいて、リンクL5及びリンクL6の異常により、現用パスP1及び代替パスB1に障害が発生した場合の動作について説明する。図11に示すように、障害回復処理が行われ、代替パスB2が現用パスP1の代替に使用される。現用パスP1と代替パスB1とに同時に障害が発生した場合、ノードN6は、入力信号モニタM8,M9で異常を検出する。障害解析部M100は、入力信号モニタM10,M11の観測状況から、現用パスP2は正常なため、代替パスB2が代替経路として使用可能であると判断する。
【0050】
ノードN6において、障害解析部M100は、障害解析結果をパス切替部M4に伝える。パス切替部M4は、送信ノードN1に対して代替パスB2を用いて障害回復することを通知するための障害回復メッセージを作成し、通信部M1に転送する。また、図12に示すように、入力4からの入力が出力1に出力されるようスイッチM7を切り替える。ノードN6における入力4は、代替パスB2からの入力に接続されているので、スイッチM7の切り替えによって、障害が発生した現用パスP1に代わって代替パスB2が使用されることになる。
【0051】
ノードN6において、現用パスP1及び代替パスB1に障害が発生したことが検出されたとき、トポロジデータベースM5及びパスデータベースM6の更新が行われる。図13のテーブルT3に示すように、トポロジデータベースM5では、異常状態になったリンクL5及びリンクL6の状態の欄がそれぞれ“正常”から“異常”へ更新される。図14のテーブルT4に示すように、パスデータベースM6では、障害が発生した現用パスP1及び代替パスB1の状態の欄がそれぞれ“正常”から“異常”へ更新される。
【0052】
その後、ノードN6において、現用パスP1から代替パスB2への切り替えが行われ、障害復旧処理が終了したときには、パスデータベースM6の更新が行われる。図15のテーブルT5に示すように、パスデータベースM6では、代替パスB2の保護の欄が、空欄から“P1”へ更新される。この保護の欄の“P1”は、現行パスP2の代替パスB2が、同じグループに属する現行パスP1を保護して、現行パスP1の代替として使用されていることを示している。なお、トポロジデータベースM5については、図13のテーブルT3におけるデータの更新は無い。
【0053】
ノードN6において、通信部M1は、パス切替部M4が作成した障害回復メッセージを、パスP1の送信ノードN1に対して送信する。図16に、障害回復メッセージの説明図を示す。図示するように、障害回復メッセージS4には、障害が発生したパスを特定する情報と、そのパスによる接続を回復するために代替として使用されたパスを特定する情報とが含まれている。ノードN1の通信部M1は、ノードN6の通信部M1から送信された障害回復メッセージを受信すると、パス切替部M4に転送する。ノードN1でも障害回復処理が行われ、ノードN1のパス切替部M4は、入力1から入る入力データ(現用パスP1への入力データ)が出力4(代替パスB2への出力)に出力されるようスイッチM7を切り替える。
【0054】
第一の実施の形態によれば、通信ネットワークシステムにおいて、k本のパスをk重障害から高速、確実、かつネットワーク資源を効率的に用いて回復することが可能になる。すなわち、1:1プロテクションによって保護された現行パスがk本あり、かつ、ある現用パスと代替パスとの組のいずれの経路も、その他の現用パス及び代替パスの組のいずれの経路とも交わらない場合には、同一の送受信ノード間に設定されたk本の現用パスの間で、k本の代替パスを使い回せるようにできる。
【0055】
以上、1+1プロテクション方式により代替パスを設定した場合について詳細に説明した。なお、本発明は、M:Nプロテクション方式により代替パスを設定する場合にも、リストレーション方式により代替パスを設定する場合にも適用可能である。M:Nプロテクション方式により代替パスを設定した場合には、パスデータベースM6における予備パスの欄に、複数の代替パスを示すデータを格納するようにすれば良い。簡単な設計変更により、1+1プロテクション方式の現行パス及び代替パスの組と、M:Nプロテクション方式の現行パス及び代替パスの組とを同じグループにグループ化したり、M:Nプロテクション方式の現行パス及び代替パスの組と、M:Nプロテクション方式の現行パス及び代替パスの組とを同じグループにグループ化したりすることができる。
【0056】
リストレーション方式により代替パスを設定した場合には、パスデータベースM6における予備パスの欄に、現行パスの障害時に現れる代替パスのデータを格納するようにすれば良い。プロテクション方式の現行パス及び代替パスの組と、リストレーション方式の現行パス及び代替パスの組とをグループ化したり、リストレーション方式の現行パス及び代替パスの組を複数まとめてグループ化したりすることができる。
【0057】
その他、本発明は、代替パスを欠く現行パスと、任意の方式によって代替パスで保護された現行パスとを同じグループにグループ化したりすることもできる。
【0058】
本発明を実施するための別の形態について、図面を参照して説明する。図17は、二つ目の実施の形態におけるノードの構成説明図である。図2の構成を有するノードに代えて、図17の構成を有するノードを、図1のネットワークに適用することが可能である。第二の実施の形態におけるノードは、第一の実施の形態における経路計算部M2の接続形態について工夫している。図17に示すように、第二の実施の形態においては、通信部M12、経路計算部M2、トポロジデータベースM5を、ネットワーク中の複数のノードで共用できるようにしてある。共用されるトポロジデータベースM5は、共用される通信部M12と、各ノードにおける通信部M1とを繋げることによって、共用する複数のノードにおけるそれぞれのパス設定部M3などと接続される。これにより、ネットワーク中に配備しなければならない経路計算部M2及びトポロジデータベースM5の数を、それぞれ1つのみに減らすことが可能になる。
【符号の説明】
【0059】
N1〜N6:ノード
L1〜L8:リンク
M1:通信部
M2:経路計算部
M3:パス設定部
M4:パス切替部
M5:トポロジデータベース
M6:パスデータベース
M7:スイッチ
M8〜M11:入力信号モニタ
M12:通信部
M100:障害解析部
P1:ノードN1、N2、N6を通る現用パス
B1:ノードN1、N3、N6を通るP1の代替パス
P2:ノードN1、N5、N6を通る現用パス
B2:ノードN1、N4、N6を通るP2の代替パス
S1〜S4:送受信メッセージ
T1,T3:トポロジデータベースの内容を説明するテーブル
T2,T4,T5:パスデータベースの内容を説明するテーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一の現用パスと、代替パスで保護されている他の現用パスとを同じグループにグループ化するためのグループ化データを蓄積するパスデータベースと、
前記一の現用パスに障害が発生したときに、前記グループ化データを参照し、前記一の現用パスと同じグループに属する前記他の現用パスの代替パスへの切り替えを行うパス切替部とを具備する
通信ネットワークシステム。
【請求項2】
請求項1に記載された通信ネットワークシステムにおいて、
前記パス切替部は、
前記一の現用パスも代替パスで保護されていた場合において、前記一の現用パスに障害が発生したときに、前記一の現用パスの代替パスでも障害が生じた場合に、前記グループ化データを参照し、前記一の現用パスと同じグループに属する前記他の現用パスの代替パスへの切り替えを行う
通信ネットワークシステム。
【請求項3】
請求項2に記載された通信ネットワークシステムにおいて、
前記パス切替部は、
前記他の現用パスに障害が発生したときに、前記他の現用パスの代替パスでも障害が生じた場合に、前記グループ化データを参照し、前記他の現用パスと同じグループに属する前記一の現用パスの代替パスへの切り替えを行う
通信ネットワークシステム。
【請求項4】
請求項2又は3に記載された通信ネットワークシステムにおいて、
前記パスデータベースは、
前記一の現用パスと、前記一の現用パスの代替パスと、前記他の現用パスと、前記他の現用パスの代替パスとのいずれの経路も交わらない場合に、前記一の現用パスと、前記他の現用パスとを同じグループにグループ化するためのグループ化データを蓄積する
通信ネットワークシステム。
【請求項5】
請求項2〜4いずれか1項に記載された通信ネットワークシステムにおいて、
前記パスデータベースは、
前記一の現用パスと、1+1プロテクション方式の代替パスで保護されている前記他の現用パスとを同じグループにグループ化するためのグループ化データを蓄積する
通信ネットワークシステム。
【請求項6】
請求項2〜4いずれか1項に記載された通信ネットワークシステムにおいて、
前記パスデータベースは、
前記一の現用パスと、M:Nプロテクション方式の代替パスで保護されている前記他の現用パスとを同じグループにグループ化するためのグループ化データを蓄積し、或いは、
前記一の現用パスと、リストレーション方式の代替パスで保護されている前記他の現用パスとを同じグループにグループ化するためのグループ化データを蓄積する
通信ネットワークシステム。
【請求項7】
請求項1〜6いずれか1項に記載された通信ネットワークシステムであって、前記通信ネットワークを形成する複数のノードを更に具備し、かつ、前記パス切替部を前記複数のノードにおけるノードごとに設けたシステムで使用される
ノード。
【請求項8】
請求項7に記載されたノードにおいて、
前ホップの複数のノードから入力される複数の入力の中の一の入力と、次ホップの複数のノードへ出力される複数の出力の中の一の出力とを接続するスイッチを備え、
前記パス切替部は、
前記スイッチを切り替えることによって、代替パスへの切り替えを行う
ノード。
【請求項9】
請求項8に記載されたノードにおいて、
前記パス切替部は、
前記スイッチを切り替えることによって、代替パスへの切り替えを行ったときに、切り替えられた代替パスが、どの現行パスを保護したのかを示す保護情報データを他のノードへ通知する障害回復メッセージを作成する
ノード。
【請求項10】
通信ネットワークにおける送信ノードから受信ノードへ第一の現用パスを設定することと、
前記送信ノードから前記受信ノードへ第二の現用パスを設定することと、
前記第二の現用パスを代替パスで保護することと、
前記第一の現用パスと、前記第二の現用パスとを同じグループにグループ化することと、
前記第一の現用パスに障害が発生したときに、前記第一の現用パスと同じグループに属する前記第二の現用パスの代替パスへのパスの切り替えを行うこととを具備する
パスの高信頼化方法。
【請求項11】
請求項10に記載されたパスの高信頼化方法において、
前記第一の現用パスを代替パスで保護することを更に具備し、
前記パスの切り替えを行うことにおいては、
前記第一の現用パスに障害が発生したときに、前記第一の現用パスを保護する代替パスでも障害が生じた場合に、前記第一の現用パスと同じグループに属する前記第二の現用パスの代替パスへの切り替えを行うことを含む
パスの高信頼化方法。
【請求項12】
請求項11に記載されたパスの高信頼化方法において、
前記パスの切り替えを行うことにおいては、
前記第二の現用パスに障害が発生したときに、前記第二の現用パスを保護する代替パスでも障害が生じた場合に、前記第二の現用パスと同じグループに属する前記第一の現用パスの代替パスへの切り替えを行うことを更に含む
パスの高信頼化方法。
【請求項13】
請求項11又は12に記載されたパスの高信頼化方法において、
前記グループ化することにおいては、
前記第一の現用パスと、前記第一の現用パスを保護する代替パスと、前記第二の現用パスと、前記第二の現用パスを保護する代替パスとのいずれの経路も交わらない場合に、前記第一の現用パスと、前記第二の現用パスとを同じグループにグループ化することを含む
パスの高信頼化方法。
【請求項14】
請求項11〜13いずれか1項に記載されたパスの高信頼化方法において、
前記第一の現用パスを代替パスで保護することにおいては、
前記第一の現用パスを、1+1プロテクション方式で保護する代替パスを設定することを含む
パスの高信頼化方法。
【請求項15】
請求項10〜14いずれか1項に記載されたパスの高信頼化方法において使用されるパスを切り替える方法であって、前記通信ネットワークを形成する複数のノードにおける一のノードが、
前記第一の現用パスに障害が発生したことを検出することと、
前記第一の現用パスと同じグループに属する前記第二の現用パスの代替パスへのパスの切り替えを行うことと、
切り替えられた代替パスが、どの現行パスを保護したのかを示す障害回復メッセージを他のノードへ通知することとを具備する
方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2010−166328(P2010−166328A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−6878(P2009−6878)
【出願日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成19年度、独立行政法人情報通信研究機構、高度通信・放送研究開発における委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】