説明

通信ネットワークシステム

【課題】 負荷を分散可能な通信ネットワークシステムを提供する。
【解決手段】 通信ネットワークシステム110は、仮想ハブVHUB1〜VHUB3と、仮想LANカードVLANC1〜VLANC7とを備える。仮想ハブVHUB1〜VHUB3は、それぞれ、実サブネットA,C,Eに階層的に配置される。仮想LANカードVLANC1〜VLANC3は、仮想ハブVHUB1に接続され、仮想LANカードVLANC4〜VLANC6は、仮想ハブVHUB2に接続される。そして、仮想LANカードVLANC3は、仮想LANカードVLANC4にブリッジ接続される。仮想LANカードVLANC7は、仮想ハブVHUB3に接続される。仮想LANカードVLANC6は、仮想LANカードVLANC7にブリッジ接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、通信ネットワークシステムに関し、特に、負荷を低減した通信を行なう通信ネットワークシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、L2−VPN(Virtual Private Network)技術の一つであるSoftEtherを用いたWoIP(Wireless service over IP networks)ネットワークシステムが知られている(非特許文献1)。
【0003】
このWoIPネットワークシステムは、ネットワークA,Bを備え、ネットワークAは、パーソナルコンピュータPC1と、移動体端末MT1とを含み、ネットワークBは、パーソナルコンピュータPC2と、移動体端末MT2とを含む。
【0004】
パーソナルコンピュータPC1は、仮想HUBおよび仮想LAN(Local Area Network)カードVLANC1がインストールされ、パーソナルコンピュータPC2は、仮想LANカードVLANC2がインストールされる。そして、仮想LANカードVLANC1およびVLANC2は、仮想HUBに接続される。
【0005】
パーソナルコンピュータPC1の実際のLANカードには、133.1.△△△.1のIPアドレスが付与され、パーソナルコンピュータPC1の仮想LANカードVLNC1には、133.1.△△△.2のIPアドレスが付与される。
【0006】
また、パーソナルコンピュータPC2の実際のLANカードには、133.1.×××.1のIPアドレスが付与され、パーソナルコンピュータPC2の仮想LANカードVLNC2には、133.1.△△△.3のIPアドレスが付与される。
【0007】
さらに、移動体端末MT1,2は、それぞれ、133.1.△△△.12,133.1.△△△.22のIPアドレスが付与される。
【0008】
このような、状態において、移動体端末MT1(133.1.△△△.12)は、移動体端末MT2(133.1.△△△.22)へパケットを送信する。
【0009】
移動体端末MT1(133.1.△△△.12)からパーソナルコンピュータPC1に到達したパケットは、パーソナルコンピュータPC1(133.1.△△△.1)からパーソナルコンピュータPC2(133.1.×××.1)行きのパケットにカプセル化され、パーソナルコンピュータPA1からパーソナルコンピュータPC2までトンネリング通信で転送される。
【0010】
パケットは、パーソナルコンピュータPC2に到達すると、移動体端末2(133.1.ΔΔΔ.22)行のパケットに戻り、移動体端末2に送信される。その結果、移動体端末1,2間で通話が可能となる。
【0011】
このように、ネットワークAに存在する移動体端末MT1は、VPN技術を用いることによって、異なるIPアドレスが割当てられたパーソナルコンピュータPC1,PC2を介してネットアークBに存在する移動体端末MT2と通話が可能となる。
【非特許文献1】田嶋 克行、蓑田 佑紀、梶原 亮、塚本 勝俊、小牧 省三,「無線LANで構築したWoIPシステムのハンドオーバ時間に関する一検討」,信学技報告,IEICE Technical Report MoMuC2005−2(2005−05).
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかし、従来のWoIPネットワークシステムにおいては、1個の仮想HUBが用いられているため、この1個の仮想HUBに接続される仮想LANカードの個数が増加すると、2つの仮想LANカード間で通信を行なう場合、トラフィック(負荷)が1個の仮想HUBに集中するという問題がある。
【0013】
そこで、この発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、負荷を分散可能な通信ネットワークシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この発明によれば、通信ネットワークシステムは、複数の仮想ハブと、複数の仮想LANカードと、複数のアクセスポイントと、複数の端末とを備える。複数の仮想ハブは、複数の実サブネットワークに階層的に配置される。複数の仮想LANカードは、複数の実サブネットワークに配置され、仮想専用線を用いて複数の仮想ハブとともに複数の実サブネットワーク上に仮想的なネットワークを構成する。複数のアクセスポイントは、複数の仮想LANカードに接続される。複数の端末は、複数の実サブネットワークに配置され、各々がIPアドレスを固定的に保持する。そして、複数の端末の各々は、仮想的なネットワークを用いて他の実サブネットワーク内に配置された他の端末と通信を行なう。
【0015】
好ましくは、複数の仮想ハブは第1および第2の仮想ハブを含む。第1の仮想ハブは、複数の実サブネットワークに含まれる第1の実サブネットワークに配置される。第2の仮想ハブは、第1の実サブネットワークに隣接する第2の実サブネットワークに配置され、第2の実サブネットワークに隣接する第3の実サブネットワークに配置された仮想LANカードに接続される。複数の仮想LANカードは、第1から第3の仮想LANカードを含む。第1の仮想LANカードは、第1の実サブネットワークに配置され、第1の仮想ハブに接続される。第2の仮想LANカードは、第2の実サブネットワークに配置され、かつ、仮想専用線を用いて第1の仮想ハブに接続される。第3の仮想LANカードは、第2の実サブネットワークに配置され、かつ、第2の仮想ハブに接続されるとともに第2の仮想LANカードとレイヤー2でブリッジ接続される。
【0016】
好ましくは、第2の仮想ハブおよび第3の仮想LANカードは、同じパーソナルコンピュータに実装される。
【0017】
好ましくは、複数の仮想ハブは、第1および第2の仮想ハブを含む。第1および第2の仮想ハブは、複数の実サブネットワークのうち、隣接する第1および第2の実サブネットワークにそれぞれ階層的に配置される。複数の仮想LANカードは、第1および第2の仮想LANカードを含む。第1の仮想LANカードは、第1の実サブネットワークに配置され、第1の仮想ハブに接続される。第2の仮想LANカードは、第2の実サブネットワークに配置され、第2の仮想ハブに接続される。そして、第1の仮想ハブは、仮想専用線によって第2の仮想ハブと接続され、レイヤー3で第2の仮想ハブと通信を行なう。
【0018】
好ましくは、第1の仮想ハブおよび第1の仮想LANカードは、同じパーソナルコンピュータに実装され、第2の仮想ハブおよび第2の仮想LANカードは、同じパーソナルコンピュータに実装される。
【発明の効果】
【0019】
この発明においては、階層的に配置された複数の仮想ハブと、複数の仮想LANカードとを用いて仮想的なネットワークシステムが構成され、その構成された仮想的なネットワークシステムを用いて2つの端末間で通信が行なわれる。そして、階層的に配置された複数の仮想ハブのうち、最上位に配置された仮想ハブを通過する通信数は、1個の仮想ハブを用いて仮想的なネットワークシステムを構成した場合よりも大幅に減少される。
【0020】
したがって、この発明によれば、負荷を分散できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0022】
図1は、この発明の実施の形態による通信ネットワークシステムの概略図である。図1を参照して、通信ネットワークシステム100は、SIP(Session Initiation Protocol)サーバ1と、仮想HUB(VHub)11〜18と、アクセスポイント(AP:Access Point)21〜31と、移動体端末41〜50とを備える。
【0023】
なお、通信ネットワークシステム100は、IP(Internet Protocol)電話を行なうためのネットワークシステムである。
【0024】
仮想HUB11〜18は、インターネットINTに階層的に配置される。そして、仮想HUB11は、SIPサーバ1に接続される。この場合、仮想HUB11は、最上位レベルに存在し、仮想HUB12,13は、仮想HUB11が存在するレベルよりも1つ低いレベルに存在し、仮想HUB14,15は、仮想HUB12,13が存在するレベルよりも1つ低いレベルに存在し、仮想HUB16,17は、仮想HUB14,15が存在するレベルよりも1つ低いレベルに存在し、仮想HUB18は、最下層に存在する。
【0025】
AP21,22は、仮想HUB11に接続され、AP23,24は、それぞれ、仮想HUB12,13に接続される。また、AP25,26は、仮想HUB14に接続され、AP27,28は、仮想HUB15に接続される。さらに、AP29〜31は、それぞれ、仮想HUB16〜18に接続される。
【0026】
移動体端末41〜50は、それぞれ、AP21〜29,31に対応して設けられる。
【0027】
SIPサーバ1は、移動体端末41〜50の各々が任意の他の移動体端末との間でIP電話による通話を行なえるように2つの移動体端末間で通話を確立する。仮想HUB11〜18は、SoftEtherという仮想専用線を用いて仮想的なL2ネットワーク、並びにL3ネットワークを構成する。
【0028】
AP21〜29,31は、それぞれ、移動体端末41〜50からのパケットを自己が接続された仮想HUBへ送信するとともに、自己が接続された仮想HUBからのパケットをそれぞれ移動体端末41〜50へ送信する。
【0029】
移動体端末41〜50は、複数の実サブネットワークに配置され、各々が仮想的なL3ネットワークにおけるIPアドレスを固定的に保持する。そして、移動体端末41〜50は、その固定的に保持するIPアドレスを用いて仮想的なL2ネットワークを介して他の移動体端末とIP電話による通話を行なう。この場合、移動体端末41〜50は、どの実サブネットワークへ移動しても固定的に保持するIPアドレスを用いて他の移動体端末とIP電話による通話を行なうことができる。
【0030】
このように、通信ネットワークシステム100は、階層的に配置された複数の仮想HUB11〜18を用いて構成された仮想的なL2ネットワークを介して通話を行なうことができるネットワークシステムである。
【0031】
そこで、以下においては、複数の仮想HUBを階層的に配置して仮想的なネットワークシステムを構成する各種の形態について説明する。
【0032】
[実施の形態1]
図2は、実施の形態1による通信ネットワークシステムの概略図である。図2を参照して、実施の形態1による通信ネットワークシステム110は、SIPサーバ1と、パーソナルコンピュータPCa,PCb,PCc1,PCc2,PCd,PCe1,PCe2と、仮想ハブVHUB1〜VHUB3と、スイッチングハブSW−HUB1〜SW−HUB3と、仮想LANカードVLANC1〜VLANC7と、アクセスポイントAPb,APc,APd,APeと、ルーターRUT1〜RUT3と、移動体端末MTb,MTc,MTd,MTeとを備える。
【0033】
ルーターRUT1〜RUT3は、LANケーブルによって相互に接続される。SIPサーバ1、スイッチングハブSW−HUB1およびパーソナルコンピュータPCaは、サブネットワーク(「サブネット」という)Aに配置される。そして、スイッチングハブSW−HUB1は、ルーターRUT1にLANケーブルによって接続され、SIPサーバ1およびパーソナルコンピュータPCaは、LANケーブルによってスイッチングハブSW−HUB1に接続される。
【0034】
また、仮想ハブVHUB1および仮想LANカードVLANC1は、パーソナルコンピュータPCaに実装される。そして、仮想LANカードVLANC1は、パーソナルコンピュータPCaに備えられたSoftEther接続マネージャによって仮想ハブVHUB1に接続される。これによって、仮想LANカードVLANC1は、仮想のLANケーブルによって仮想ハブVHUB1に接続される。
【0035】
パーソナルコンピュータPCbおよび移動体端末MTbは、サブネットBに配置される。そして、パーソナルコンピュータPCbは、LANケーブルによってルーターRUT1に接続され、アクセスポイントAPbおよび仮想LANカードVLANC2は、パーソナルコンピュータPCbに実装される。また、移動体端末MTbは、IPアドレスPVIPB(=192.bbb.bbb.bb1)を固定的に保持する。さらに、仮想LANカードVLANC2は、パーソナルコンピュータPCbに備えられたSoftEther接続マネージャによって仮想ハブVHUB1に接続される。これによって、仮想LANカードVLANC2は、仮想のLANケーブルによって仮想ハブVHUB1に接続される。
【0036】
スイッチングハブSW−HUB2、パーソナルコンピュータPCc1,PCc2および移動体端末MTcは、サブネットCに配置される。スイッチングハブSW−HUB2は、LANケーブルによってルーターRUT1に接続され、パーソナルコンピュータPCc1,PCc2は、LANケーブルによってスイッチングハブSW−HUB2に接続される。また、アクセスポイントAPcおよび仮想LANカードVLANC3は、パーソナルコンピュータPCc1に実装され、仮想ハブVHUB2および仮想LANカードVLANC4は、パーソナルコンピュータPCc2に実装される。さらに、移動体端末MTcは、IPアドレスPVIPC(=192.bbb.bbb.bb2)を固定的に保持する。
【0037】
仮想LANカードVLANC3は、パーソナルコンピュータPCc1に備えられたSoftEther接続マネージャによって仮想ハブVHUB1に接続される。これによって、仮想LANカードVLANC3は、仮想のLANケーブルによって仮想ハブVHUB1に接続される。また、仮想LANカードVLAC4は、パーソナルコンピュータPCc2に備えられたSoftEther接続マネージャによって仮想ハブVHUB2に接続される。これによって、仮想LANカードVLANC4は、仮想のLANケーブルによって仮想ハブVHUB2に接続される。さらに、仮想LANカードVLANC3は、ブリッジ接続によって仮想LANカードVLANC4と接続される。
【0038】
パーソナルコンピュータPCdおよび移動体端末MTdは、サブネットDに配置される。パーソナルコンピュータPCdは、LANケーブルによってルーターRUT2に接続される。また、移動体端末MTdは、IPアドレスPVIPD(=192.bbb.bbb.bb3)を固定的に保持する。
【0039】
さらに、アクセスポイントAPdおよび仮想LANカードVLANC5は、パーソナルコンピュータPCdに実装される。そして、仮想LANカードVLANC5は、パーソナルコンピュータPCdに備えられたSoftEther接続マネージャによって仮想ハブVHUB2に接続される。これによって、仮想LANカードVLANC5は、仮想のLANケーブルによって仮想ハブVHUB2に接続される。
【0040】
スイッチングハブSW−HUB3、パーソナルコンピュータPCe1,PCe2および移動体端末MTeは、サブネットEに配置される。スイッチングハブSW−HUB3は、LANケーブルによってルーターRUT3に接続され、パーソナルコンピュータPCe1,PCe2は、LANケーブルによってスイッチングハブSW−HUB3に接続される。また、アクセスポイントAPeおよび仮想LANカードVLANC6は、パーソナルコンピュータPCe1に実装され、仮想ハブVHUB3および仮想LANカードVLANC7は、パーソナルコンピュータPCe2に実装される。さらに、移動体端末MTeは、IPアドレスPVIPE(=192.bbb.bbb.bb4)を固定的に保持する。
【0041】
そして、仮想LANカードVLANC6は、パーソナルコンピュータPCe1に備えられたSoftEther接続マネージャによって仮想ハブVHUB2に接続される。これによって、仮想LANカードVLANC6は、仮想のLANケーブルによって仮想ハブVHUB2に接続される。また、仮想LANカードVLANC7は、パーソナルコンピュータPCe2に備えられたSoftEther接続マネージャによって仮想ハブVHUB3に接続される。これによって、仮想LANカードVLANC7は、仮想のLANケーブルによって仮想ハブVHUB3に接続される。さらに、仮想LANカードVLANC7は、ブリッジ接続によって仮想LANカードVLANC6に接続される。
【0042】
このように、パーソナルコンピュータPCa,PCb,PCc1,PCc2,PCd,PCe1,PCe2は、仮想ハブおよび仮想LANカード、または仮想LANカードが実装されるので、Windows 2000(登録商標),Windows XP(登録商標),Windows server 2003(登録商標),アップル OS−X(登録商標)のいずれかが動作するパーソナルコンピュータである。
【0043】
ルーターRUT1は、サブネットA、サブネットB、サブネットCおよびルーターRUT2の相互間におけるパケットのやり取りを制御する。ルーターRUT2は、ルーターRUT1、ルーターRUT3およびサブネットDの相互間におけるパケットのやり取りを制御する。ルーターRUT3は、ルーターRUT2と実サブネットEとの間のパケットのやり取りを制御する。
【0044】
SIPサーバ1は、通信ネットワークシステム100において、移動体端末MTb,MTc,MTd,MTeの各々が任意の他の移動体端末との間でIP電話による通話を行なえるように2つの移動体端末間で通話を確立する。
【0045】
スイッチングハブSW−HUB1は、ルーターRUT1から受けたパケットをSIPサーバ1またはパーソナルコンピュータPCaに送信するとともに、SIPサーバ1またはパーソナルコンピュータPCaからのパケットをルーターRUT1へ送信する。
【0046】
仮想LANカードVLANC1は、仮想ハブVHUB1との間で仮想Ethernetフレームを送受信する。仮想ハブVHUB1は、仮想LANカードVLANC2またはVLANC3との間で仮想Ethernetフレームを送受信する。
【0047】
移動体端末MTbは、アクセスポイントAPbとの間でパケットを送受信する。アクセスポイントAPbは、パーソナルコンピュータPCbに内蔵されたLANカード(図示せず)と移動体端末MTbとの間でパケットを送受信する。仮想LANカードVLANC2は、パーソナルコンピュータPCbに内蔵されたLANカードからのパケットを仮想Ethernetフレームに変換し、その変換した仮想EthernetフレームをルーターRUT1およびスイッチングハブSW−HUB1を介して仮想ハブVHUB1へ送信するとともに、仮想ハブVHUB1からスイッチングハブSW−HUB1およびルーターRUT1を介して仮想Ethernetフレーム(Ethernetは登録商標)を受信し、その受信した仮想EthernetフレームをEthernetフレームに変換してパーソナルコンピュータPCbに内蔵されたLANカードへ送信する。
【0048】
スイッチングハブSW−HUB2は、ルーターRUT1から受けたパケットをパーソナルコンピュータPCc1またはパーソナルコンピュータPCc2に送信するとともに、パーソナルコンピュータPCc1またはパーソナルコンピュータPCc2からのパケットをルーターRUT1へ送信する。
【0049】
移動体端末MTcは、アクセスポイントAPcとの間でパケットを送受信する。アクセスポイントAPcは、パーソナルコンピュータPCc1に内蔵されたLANカード(図示せず)と移動体端末MTcとの間でパケットを送受信する。仮想LANカードVLANC3は、パーソナルコンピュータPCc1に内蔵されたLANカードからのパケットを仮想Ethernetフレームに変換し、その変換した仮想EthernetフレームをスイッチングハブSW−HUB2、ルーターRUT1およびスイッチングハブSW−HUB1を介して仮想ハブVHUB1へ送信するとともに、仮想ハブVHUB1からスイッチングハブSW−HUB1、ルーターRUT1およびスイッチングハブSW−HUB2を介して仮想Ethernetフレームを受信し、その受信した仮想EthernetフレームをEthernetフレームに変換してパーソナルコンピュータPCc1に内蔵されたLANカードへ送信する。
【0050】
仮想LANカードVLANC4は、仮想LANカードVLANC3と仮想ハブVHUB2との間で仮想Ethernetフレームを送受信する。仮想ハブVHUB2は、仮想LANカードVLANC4と仮想LANカードVLANC5との間で仮想Ethernetフレームを送受信する。
【0051】
移動体端末MTdは、アクセスポイントAPdとの間でパケットを送受信する。アクセスポイントAPdは、パーソナルコンピュータPCdに内蔵されたLANカード(図示せず)と移動体端末MTdとの間でパケットを送受信する。仮想LANカードVLANC5は、パーソナルコンピュータPCdに内蔵されたLANカードからのパケットを仮想Ethernetフレームに変換し、その変換した仮想EthernetフレームをルーターRUT2を介して仮想ハブVHUB2へ送信するとともに、仮想ハブVHUB2からルーターRUT2を介して仮想Ethernetフレームを受信し、その受信した仮想EthernetフレームをEthernetフレームに変換してパーソナルコンピュータPCdに内蔵されたLANカードへ送信する。
【0052】
移動体端末MTeは、アクセスポイントAPeとの間でパケットを送受信する。アクセスポイントAPeは、パーソナルコンピュータPCe1に内蔵されたLANカード(図示せず)と移動体端末MTeとの間でパケットを送受信する。仮想LANカードVLANC6は、パーソナルコンピュータPCe1に内蔵されたLANカードからのパケットを仮想Ethernetフレームに変換し、その変換した仮想EthernetフレームをスイッチングハブSW−HUB3およびルーターRUT3を介して仮想ハブVHUB2へ送信するとともに、仮想ハブVHUB2からルーターRUT3およびスイッチングハブSW−HUB3を介して仮想Ethernetフレームを受信し、その受信した仮想EthernetフレームをEthernetフレームに変換してパーソナルコンピュータPCe1に内蔵されたLANカードへ送信する。
【0053】
仮想LANカードVLANC7は、仮想LANカードVLANC6と仮想ハブVHUB3との間で仮想Ethernetフレームを送受信する。仮想ハブVHUB3は、仮想LANカードVLANC7と他の実サブネット(実サブネットEに隣接する実サブネット)に配置された仮想LANカードVLANC(図示せず)との間で仮想Ethernetフレームを送受信する。
【0054】
図3は、図1に示す仮想ハブVHUB1〜VHUB3および仮想LANカードVLANC1〜VLANC7の論理的トポロジーを示す概念図である。図3を参照して、仮想ハブVHUB1および仮想LANカードVLANC1は、実サブネットAに配置され、仮想LANカードVLANC2は、実サブネットBに配置される。また、仮想ハブVHUB2および仮想LANカードVLANC3,VLANC4は、実サブネットCに配置され、仮想LANカードVLANC5は、実サブネットDに配置される。さらに、仮想ハブVHUB3および仮想LANカードVLANC6,VLANC7は、実サブネットEに配置される。
【0055】
そして、仮想LANカードVLANC1〜VLANC3は、仮想のLANケーブルによって仮想ハブVHUB1に接続され、仮想LANカードVLANC4〜VLANC6は、仮想のLANケーブルによって仮想ハブVHUB2に接続され、仮想LANカードVLANC7は、仮想のLANケーブルによって仮想ハブVHUB3に接続される。また、実サブネットCに配置された2つの仮想LANカードVLANC3,4は、ブリッジ接続によって相互に接続され、実サブネットEに配置された2つの仮想LANカードVLANC6,VLANC7は、ブリッジ接続によって相互に接続される。
【0056】
そうすると、仮想ハブVHUB2は、仮想LANカードVLANC4,VLANC3を介して仮想ハブVHUB1に接続され、仮想ハブVHUB3は、仮想LANカードVLANC6,VLANC7を介して仮想ハブVHUB2に接続される。その結果、仮想ハブVHUB1〜VHUB3は、階層的に配置される。すなわち、仮想ハブVHUB1が最上位のレベルに存在し、仮想ハブVHUB2が最上位のレベルよりも低いレベルに存在し、仮想ハブVHUB3が最下位のレベルに存在する。
【0057】
このように、仮想ハブVHUB1〜VHUB3は、異なる実サブネットA,C,Eに配置され、仮想LANカードVLANC1〜VLANC7とともに実サブネットA〜実サブネットE上に仮想的なネットワークVNETを構成する。
【0058】
そして、仮想的なネットワークVNETは、仮想ハブVHUB1および仮想LANカードVLANC1〜VLANC3からなるサブ仮想ネットワークVNET1と、仮想ハブVHUB2および仮想LANカードVLANC4〜VLANC6からなるサブ仮想ネットワークVNET2とを含む。サブ仮想ネットワークVNET1は、実サブネットA,B,C上に形成され、サブ仮想ネットワークVNET2は、実サブネットD,E,F上に形成される。
【0059】
したがって、仮想的なネットワークVNETは、複数の実サブネット上に形成されたサブ仮想ネットワークが複数個集まった構成からなる。
【0060】
実サブネットDに配置された移動体端末MTdが実サブネットCに配置された移動体端末MTcと通信する場合について説明する。図4は、異なる2つの実サブネットに配置された2つの移動体端末間の通信を説明するための図である。なお、図4においては、移動体端末等をレイヤー構造によって示す。
【0061】
移動体端末MTdと移動体端末MTcとの間で通信が行なわれる場合、移動体端末MTc,MTdは、それぞれのプライベートIPアドレスPVIPC,PVIPDを固定的に保持する。
【0062】
移動体端末MTdは、自己が保持するIPアドレスPVIPD(=192.bbb.bbb.bb3)を送信元のIPアドレスとして含み、IPアドレスPVIPC(=192.bbb.bbb.bb2)を送信先のIPアドレスとして含むパケットを生成し、その生成したパケットをレイヤー1の無線通信によってアクセスポイントAPdへ送信する。
【0063】
そして、アクセスポイントAPdは、移動体端末MTdからのパケットを受信し、その受信したパケットをパーソナルコンピュータPCdのLANカードを介して仮想LANカードVLANC5へレイヤー2の通信によって送信する。
【0064】
仮想LANカードVLANC5は、アクセスポイントAPdからのパケットを受信し、その受信したパケットを仮想のEthernetフレームに変換し、その変換した仮想のEthernetフレームをルーターRUT2,RUT1を介して仮想ハブVHUB2へ送信する。
【0065】
仮想ハブVHUB2は、仮想LANカードVLANC5からの仮想のEthernetフレームを受信し、その受信した仮想のEthernetフレームを仮想LANカードVLANC4へ送信する。仮想LANカードVLANC4は、仮想ハブVHUB2からの仮想のEthernetフレームを受信し、その受信した仮想のEthernetフレームを仮想LANカードVLANC3へ送信する。
【0066】
仮想LANカードVLANC3は、仮想LANカードVLANC4からの仮想のEthernetフレームを受信し、その受信した仮想のEthernetフレームを実際のEthernetフレームであるパケットに変換する。そして、仮想LANカードVLANC3は、その変換したパケットをパーソナルコンピュータPCc1に内蔵されたLANカードを介してアクセスポイントAPcへ送信する。
【0067】
アクセスポイントAPcは、仮想LANカードVLANC3からのパケットを受信し、その受信したパケットをレイヤー1の無線通信によって移動体端末MTcへ送信する。
【0068】
なお、仮想LANカードVLANC5−仮想ハブVHUB2−仮想LANカードVLANC4−仮想LANカードVLAN3間で行なわれる仮想的なネットワークVNETを介した通信は、仮想LANカードVLANC3〜VLANC5および仮想ハブVHUB2に割り当てられた仮想的なネットワークVNETにおけるIPアドレスを用いて行なわれる。
【0069】
これによって、実サブネットDに配置された移動体端末MTdは、実サブネットCに配置された移動体端末MTcとIP電話による通話を行なうことができる。
【0070】
図5は、1個の仮想ハブを有する通信ネットワークシステムの概略図である。図5を参照して、通信ネットワークシステム200は、図2に示す通信ネットワークシステム110の仮想ハブVHUB1〜VHUB3を仮想ハブVHUB11に代え、仮想LANカードVLANC1〜VLANC7を仮想LANカードVLANC11〜VLANC14に代え、スイッチングハブSW−HUB2,SW−HUB3、ルーターRUT3およびパーソナルコンピュータPCe1,PCe2を削除したものであり、その他は、通信ネットワークシステム110と同じである。
【0071】
通信ネットワークシステム200においては、仮想ハブVHUB11および仮想LANカードVLANC11は、パーソナルコンピュータPCaに実装される。そして、仮想LANカードVLANC11は、パーソナルコンピュータPCaに備えられたSoftEther接続マネージャによって仮想ハブVHUB11に接続される。これによって、仮想LANカードVLANC11は、仮想のLANケーブルによって仮想ハブVHUB11に接続される。
【0072】
また、仮想LANカードVLANC12は、アクセスポイントAPbとともにパーソナルコンピュータPCbに実装され、パーソナルコンピュータPCbに備えられたSoftEther接続マネージャによって仮想ハブVHUB11に接続される。これによって、仮想LANカードVLANC12は、仮想のLANケーブルによって仮想ハブVHUB11に接続される。
【0073】
さらに、仮想LANカードVLANC13は、アクセスポイントAPcとともにパーソナルコンピュータPCcに実装され、パーソナルコンピュータPCcに備えられたSoftEther接続マネージャによって仮想ハブVHUB11に接続される。これによって、仮想LANカードVLANC13は、仮想のLANケーブルによって仮想ハブVHUB11に接続される。
【0074】
さらに、仮想LANカードVLANC14は、アクセスポイントAPdとともにパーソナルコンピュータPCdに実装され、パーソナルコンピュータPCdに備えられたSoftEther接続マネージャによって仮想ハブVHUB11に接続される。これによって、仮想LANカードVLANC14は、仮想のLANケーブルによって仮想ハブVHUB11に接続される。
【0075】
図6は、図5に示す仮想ハブVHUB11および仮想LANカードVLANC11〜VLANC14の論理的トポロジーを示す概念図である。図6を参照して、仮想ハブVHUB11および仮想LANカードVLANC11は、実サブネットAに配置され、仮想LANカードVLANC12〜VLANC14は、それぞれ、実サブネットB,C,Dに配置される。そして、仮想LANカードVLANC11〜VLANC14は、仮想ハブVHUB11に接続される。
【0076】
このように、通信ネットワークシステム200においては、4個の仮想LANカードVLANC11〜VLANC14が1個の仮想ハブVHUB11に接続されて仮想的なネットワークVNET_Cが構成される。
【0077】
図7は、図5および図6に示す通信ネットワークシステム200における通信を説明するための図である。
【0078】
移動体端末MTdは、自己が保持するIPアドレスPVIPD(=192.bbb.bbb.bb3)を送信元のIPアドレスとして含み、IPアドレスPVIPC(=192.bbb.bbb.bb2)を送信先のIPアドレスとして含むパケットを生成し、その生成したパケットをレイヤー1の無線通信によってアクセスポイントAPdへ送信する。
【0079】
そして、アクセスポイントAPdは、移動体端末MTdからのパケットを受信し、その受信したパケットをパーソナルコンピュータPCdのLANカードを介して仮想LANカードVLANC14へレイヤー2の通信によって送信する。
【0080】
仮想LANカードVLANC14は、アクセスポイントAPdからのパケットを受信し、その受信したパケットを仮想のEthernetフレームに変換し、その変換した仮想のEthernetフレームをルーターRUT2,RUT1を介して仮想ハブVHUB11へ送信する。
【0081】
仮想ハブVHUB11は、仮想LANカードVLANC14からの仮想のEthernetフレームを受信し、その受信した仮想のEthernetフレームをルーターRUT1を介して仮想LANカードVLANC13へ送信する。仮想LANカードVLANC13は、仮想ハブVHUB11からの仮想のEthernetフレームを受信し、その受信した仮想のEthernetフレームを実際のEthernetフレームであるパケットに変換する。そして、仮想LANカードVLANC13は、その変換したパケットをパーソナルコンピュータPCcに内蔵されたLANカードを介してアクセスポイントAPcへ送信する。
【0082】
アクセスポイントAPcは、仮想LANカードVLANC13からのパケットを受信し、その受信したパケットをレイヤー1の無線通信によって移動体端末MTcへ送信する。
【0083】
なお、仮想LANカードVLANC14−仮想ハブVHUB11−仮想LANカードVLANC11−仮想LANカードVLAN13間で行なわれる仮想的なネットワークVNET_Cを介した通信は、仮想LANカードVLANC11,VLANC13,VLANC14および仮想ハブVHUB11に割り当てられた仮想的なネットワークVNET_CにおけるIPアドレスを用いて行なわれる。
【0084】
これによって、実サブネットDに配置された移動体端末MTdは、実サブネットCに配置された移動体端末MTcと通信を行なうことができる。
【0085】
図4に示す通信ネットワークシステム110における移動体端末MTd,MTc間の通信と、図7に示す通信ネットワークシステム200における移動体端末MTd,MTc間の通信とを比較すると、複数の仮想ハブVHUB1〜VHUB3が階層的に配置された通信ネットワークシステム110においては、実サブネットAに配置された仮想ハブVHUB1を経由することなく、移動体端末MTd,MTc間で通信が行なわれているのに対し、通信ネットワークシステム200においては、実サブネットAに配置された仮想ハブVHUB11を経由して、移動体端末MTd,MTc間で通信が行なわれている。
【0086】
したがって、通信ネットワークシステム110においては、トラフィック(負荷)が複数の仮想ハブVHUB1〜VHUB3に分散されるのに対し、通信ネットワークシステム200においては、トラフィック(負荷)が1つの仮想ハブVHUB11に集中する。
【0087】
このように、複数の仮想ハブVHUB1〜VHUB3を階層的に配置することによって、トラフィック(負荷)を複数の仮想ハブVHUB1〜VHUB3に分散できる。
【0088】
[実施の形態2]
図8は、実施の形態2による通信ネットワークシステムの概略図である。図8を参照して、実施の形態2による通信ネットワークシステム120は、図2に示す通信ネットワークシステム110の仮想ハブVHUB1〜VHUB3を仮想ハブVHUB21〜VHUB23に代え、仮想LANカードVLANC1〜VLANC7を仮想LANカードVLANC21〜VLANC25に代え、スイッチングハブSW−HUB2.SW−HUB3を削除したものであり、その他は、通信ネットワークシステム110と同じである。
【0089】
仮想ハブVHUB21および仮想LANカードVLANC21は、パーソナルコンピュータPCaに実装される。そして、仮想LANカードVLANC21は、パーソナルコンピュータPCaに備えられたSoftEther接続マネージャによって仮想ハブVHUB21に接続される。これによって、仮想LANカードVLANC21は、仮想のLANケーブルによって仮想ハブVHUB21に接続される。
【0090】
仮想LANカードVLANC23は、アクセスポイントAPbとともにパーソナルコンピュータPCbに実装され、パーソナルコンピュータPCbに備えられたSoftEther接続マネージャによって仮想ハブVHUB21に接続される。これによって、仮想LANカードVLANC23は、仮想のLANケーブルによって仮想ハブVHUB21に接続される。
【0091】
アクセスポイントAPc、仮想ハブVHUB22および仮想LANカードVLANC22は、同じパーソナルコンピュータPCcに実装され、1つの装置として動作する。そして、仮想LANカードVLANC22は、パーソナルコンピュータPCcに備えられたSoftEther接続マネージャによって仮想ハブVHUB22に接続される。これによって、仮想LANカードVLANC22は、仮想のLANケーブルによって仮想ハブVHUB22に接続される。
【0092】
仮想LANカードVLANC24は、アクセスポイントAPdとともにパーソナルコンピュータPCdに実装され、パーソナルコンピュータPCdに備えられたSoftEther接続マネージャによって仮想ハブVHUB22に接続される。これによって、仮想LANカードVLANC24は、仮想のLANケーブルによって仮想ハブVHUB22に接続される。
【0093】
アクセスポイントAPe、仮想ハブVHUB23および仮想LANカードVLANC25は、同じパーソナルコンピュータPCeに実装され、1つの装置として動作する。そして、仮想LANカードVLANC25は、パーソナルコンピュータPCeに備えられたSoftEther接続マネージャによって仮想ハブVHUB23に接続される。これによって、仮想LANカードVLANC25は、仮想のLANケーブルによって仮想ハブVHUB23に接続される。
【0094】
仮想ハブVHUB21および仮想LANカード21は、それぞれ、上述した仮想ハブVHUB1および仮想LANカードVLANC1と同じ機能を果たす。
【0095】
仮想LANカードVLANC23は、パーソナルコンピュータPCbに内蔵されたLANカードからのパケットを仮想Ethernetフレームに変換し、その変換した仮想EthernetフレームをルーターRUT1およびスイッチングハブSW−HUB1を介して仮想ハブVHUB21へ送信するとともに、仮想ハブVHUB21からスイッチングハブSW−HUB1およびルーターRUT1を介して仮想Ethernetフレームを受信し、その受信した仮想EthernetフレームをEthernetフレームに変換してパーソナルコンピュータPCbに内蔵されたLANカードへ送信する。
【0096】
仮想LANカードVLANC22は、パーソナルコンピュータPCcに内蔵されたLANカードからのパケットを仮想Ethernetフレームに変換し、その変換した仮想Ethernetフレームを仮想ハブVHUB22へ送信するとともに、仮想ハブVHUB22から仮想Ethernetフレームを受信し、その受信した仮想EthernetフレームをEthernetフレームに変換してパーソナルコンピュータPCcに内蔵されたLANカードへ送信する。
【0097】
仮想ハブVHUB22は、仮想LANカードVLANC22,24との間で仮想Ethernetフレームを送受信するとともに、仮想ハブVHUB21とレイヤー3の通信を行なう。
【0098】
仮想LANカードVLANC24は、パーソナルコンピュータPCdに内蔵されたLANカードからのパケットを仮想Ethernetフレームに変換し、その変換した仮想EthernetフレームをルーターRUT2を介して仮想ハブVHUB22へ送信するとともに、仮想ハブVHUB22からルーターRUT2を介して仮想Ethernetフレームを受信し、その受信した仮想EthernetフレームをEthernetフレームに変換してパーソナルコンピュータPCdに内蔵されたLANカードへ送信する。
【0099】
仮想LANカードVLANC25は、パーソナルコンピュータPCeに内蔵されたLANカードからのパケットを仮想Ethernetフレームに変換し、その変換した仮想Ethernetフレームを仮想ハブVHUB23へ送信するとともに、仮想ハブVHUB23から仮想Ethernetフレームを受信し、その受信した仮想EthernetフレームをEthernetフレームに変換してパーソナルコンピュータPCeに内蔵されたLANカードへ送信する。
【0100】
仮想ハブVHUB23は、仮想LANカードVLANC25との間で仮想Ethernetフレームを送受信するとともに、仮想ハブVHUB22とレイヤー3の通信を行なう。
【0101】
図9は、図8に示す仮想ハブVHUB21〜VHUB23および仮想LANカードVLANC21〜VLANC25の論理的トポロジーを示す概念図である。図9を参照して、仮想ハブVHUB21および仮想LANカードVLANC21は、実サブネットAに配置され、仮想LANカードVLANC23は、実サブネットBに配置される。また、仮想ハブVHUB22および仮想LANカードVLANC22は、実サブネットCに配置され、仮想LANカードVLANC24は、実サブネットDに配置される。さらに、仮想ハブVHUB23および仮想LANカードVLANC25は、実サブネットEに配置される。
【0102】
そして、仮想LANカードVLANC21,VLANC23および仮想ハブVHUB22は、仮想のLANケーブルによって仮想ハブVHUB21に接続される。また、仮想LANカードVLANC22,VLANC24および仮想ハブVHUB23は、仮想のLANケーブルによって仮想ハブVHUB22に接続される。
【0103】
そうすると、仮想ハブVHUB22は、仮想ハブVHUB21に接続され、仮想ハブVHUB23は、仮想ハブVHUB22に接続される。その結果、仮想ハブVHUB21〜VHUB23は、階層的に配置される。すなわち、仮想ハブVHUB21が最上位のレベルに存在し、仮想ハブVHUB22が最上位のレベルよりも低いレベルに存在し、仮想ハブVHUB23が最下位のレベルに存在する。
【0104】
このように、仮想ハブVHUB21〜VHUB23は、異なる実サブネットA,C,Eに配置され、仮想LANカードVLANC21〜VLANC25とともに複数の実サブネットA〜実サブネットE上に仮想的なネットワークVNETを構成する。
【0105】
図10は、図8および図9に示す通信ネットワークシステム120における通信を説明するための図である。移動体端末MTdと移動体端末MTcとの間で通信が行なわれる場合、移動体端末MTc,MTdは、それぞれのIPアドレスPVIPC,PVIPDを固定的に保持する。
【0106】
移動体端末MTdは、自己が保持するIPアドレスPVIPD(=192.bbb.bbb.bb3)を送信元のIPアドレスとして含み、IPアドレスPVIPC(=192.bbb.bbb.bb2)を送信先のIPアドレスとして含むパケットを生成し、その生成したパケットをレイヤー1の無線通信によってアクセスポイントAPdへ送信する。
【0107】
そして、アクセスポイントAPdは、移動体端末MTdからのパケットを受信し、その受信したパケットをパーソナルコンピュータPCdのLANカードを介して仮想LANカードVLANC24へレイヤー2の通信によって送信する。
【0108】
仮想LANカードVLANC24は、アクセスポイントAPdからのパケットを受信し、その受信したパケットを仮想のEthernetフレームに変換し、その変換した仮想のEthernetフレームをルーターRUT2,RUT1を介して仮想ハブVHUB22へ送信する。
【0109】
仮想ハブVHUB22は、仮想LANカードVLANC24からの仮想のEthernetフレームを受信し、その受信した仮想のEthernetフレームを仮想LANカードVLANC22へ送信する。仮想LANカードVLANC22は、仮想ハブVHUB22からの仮想のEthernetフレームを受信し、その受信した仮想のEthernetフレームをEthernetフレームに変換する。そして、仮想LANカードVLANC22は、その変換したパケットをパーソナルコンピュータPCcに内蔵されたLANカードを介してアクセスポイントAPcへ送信する。
【0110】
アクセスポイントAPcは、仮想LANカードVLANC22からのパケットを受信し、その受信したパケットをレイヤー1の無線通信によって移動体端末MTcへ送信する。
【0111】
なお、仮想LANカードVLANC24−仮想ハブVHUB22−仮想LANカードVLANC22間で行なわれる仮想的なネットワークVNETを介した通信は、仮想LANカードVLANC22,VLANC24および仮想ハブVHUB22に割り当てられた仮想的なネットワークVNETにおけるIPアドレスを用いて行なわれる。
【0112】
これによって、実サブネットDに配置された移動体端末MTdは、実サブネットCに配置された移動体端末MTcと通信を行なうことができる。
【0113】
このように、通信ネットワークシステム120においても、移動体端末MTdは、実サブネットAに配置された仮想ハブVHUB21を経由しなくても、実サブネットCに配置された移動体端末MTcと通信を行なうことができる。
【0114】
[実施の形態3]
図11は、実施の形態3による通信ネットワークシステムの論理的トポロジーを示す図である。図11を参照して、実施の形態3による通信ネットワークシステム130は、仮想ハブVHUB31〜VHUB33と、仮想LANカードVLANC31〜VLANC36とを備える。
【0115】
仮想ハブVHUB31および仮想LANカードVLANC31は、実サブネットAに配置され、仮想LANカードVLANC32は、実サブネットBに配置される。また、仮想LANカードVLANC33,VLANC34および仮想ハブVHUB32は、実サブネットCに配置され、仮想LANカードVLANC35は、実サブネットDに配置される。さらに、仮想ハブVHUB33および仮想LANカードVLANC36は、実サブネットEに配置される。
【0116】
仮想ハブVHUB31および仮想LANカードVLANC31は、同じパーソナルコンピュータに実装され、SoftEther接続マネージャによって相互に接続される。仮想LANカードVLANC32は、パーソナルコンピュータに実装され、SoftEther接続マネージャによって仮想ハブVHUB31に接続される。仮想LANカードVLANC33は、パーソナルコンピュータに実装され、SoftEther接続マネージャによって仮想ハブVHUB31に接続される。
【0117】
仮想ハブVHUB32および仮想LANカードVLANC34は、同じパーソナルコンピュータに実装され、SoftEther接続マネージャによって相互に接続される。そして、仮想LANカードVLANC34は、ブリッジ接続によって仮想LANカードVLANC33と接続される。仮想LANカードVLANC35は、パーソナルコンピュータに実装され、SoftEther接続マネージャによって仮想ハブVHUB32に接続される。仮想ハブVHUB33および仮想LANカードVLANC36は、同じパーソナルコンピュータに実装され、SoftEther接続マネージャによって相互に接続される。
【0118】
このように、通信ネットワークシステム130においては、仮想LANカードVLANC31〜VLANC33は、仮想ハブVHUB31に接続され、仮想LANカードVLANC34,VLANC35および仮想ハブVHUB33は、仮想ハブVHUB32に接続され、さらに、仮想LANカードVLANC34は、ブリッジ接続によって仮想LANカードVLANC33に接続される。
【0119】
したがって、仮想ハブVHUB32は、仮想LANカードVLANC34,VLANC33を介して仮想ハブVHUB31に接続され、仮想ハブVHUB33は、仮想のLANケーブルによって仮想ハブVHUB32に接続される。
【0120】
その結果、仮想ハブVHUB31〜VHUB33は、それぞれ、異なる実サブネットA,C,Eに階層的に配置される。そして、仮想ハブVHUB31と仮想ハブVHUB32との接続方式は、通信ネットワークシステム110における仮想ハブVHUB1と仮想ハブVHUB2との接続方式と同じであり(図3参照)、仮想ハブVHUB32と仮想ハブVHUB33との接続方式は、通信ネットワークシステム120における仮想ハブVHUB22と仮想ハブVHUB23との接続方式と同じである(図9参照)。したがって、通信ネットワークシステム130は、実施の形態1による仮想ハブVHUBの接続方式と実施の形態2による仮想ハブVHUBの接続方式とによって階層的に接続された複数の仮想ハブVHUB31〜VHUB33を備えることを特徴とする。
【0121】
このように、通信ネットワークシステム130においては、複数の仮想ハブVHUB31〜VHUB33は、階層的に配置されるので、移動体端末MTdと移動体端末MTcとの間の通信は、実施の形態1,2による通信ネットワークシステム110,120と同じように実サブネットAに配置された仮想ハブVHUB31を経由せずに行なわれる。
【0122】
次に、複数の仮想ハブを階層的に配置した通信ネットワークシステムにおいて全ての端末が任意の2端末間で通信を行なった場合、最上位レベルに配置された仮想ハブを経由するセッション数の確率分布について説明する。
【0123】
図12は、確率分布の解析に用いた通信ネットワークシステムのネットワークトポロジーを示す図である。図12において、二重丸は、最上位レベルに存在する仮想ハブ(「親仮想ハブ」という)を表し、一重丸は、各レベルに配置された仮想ハブを表し、四角は、アクセスポイントを表す。
【0124】
図12に示す通信ネットワークシステムにおいては、各仮想ハブは、下位の2個のハブから接続され、最下層の仮想ハブには、1個のアクセスポイントが接続され、1個のアクセスポイントには、1個の移動体端末MTが接続される。
【0125】
図13は、セッション数を計算するためのネットワークトポロジーを示す図である。レベルMの階層モデルでは、移動体端末MTが4N=2個あり、グループA(GrA)およびグループB(GrB)には、それぞれ、2N個の移動体端末MTが存在する。そして、親仮想ハブを通過するセッション数は、グループGrA,GrB間でセッションを生成している移動体端末MTの組数に等しい。
【0126】
ここで、それぞれ、2N個の移動体端末MTが存在する2個のネットワークGrA,GrBが、1つの仮想ハブVHUB(親仮想ハブ)で繋がれたネットワーク(図13)を考えると、1つの仮想ハブVHUB(親仮想ハブ)を通過するセッション数は、図12に示す通信ネットワークと等しく、2つのネットワークGrA,GrB間でセッションを生成している移動体端末MTの組数に等しい。したがって、図13に示す通信ネットワークシステムは、図12に示す通信ネットワークシステムに等しい。
【0127】
そこで、図12に示す通信ネットワークシステムを解析モデルとして用いる。
【0128】
全ての移動体端末MTが同時に互いにセッションを生成するとき、本ネットワークトポロジーで発生するセッションの組合せは、4N台の移動体端末MTから2N個のペアの作り方の組合せであるので、次式によって表される。
【0129】
【数1】

【0130】
一方、2N個のセッションの中で親仮想ハブVHUBを通過するセッション数を2l(l=0,2,4,・・・,N)とすると、セッション生成の組合せは、次式によって表される。
【0131】
【数2】

【0132】
したがって、全ての組合せ数は、次式によって表される。
【0133】
【数3】

【0134】
この式(3)は、4N台の移動体端末から2N個のペアの作り方の組合せを表しており、式(1)と等しくなる。
【0135】
ここで、一般性を失うことなく、それぞれのセッションの生成は、互いに独立で、その生成確率は、等確率と仮定する。このとき、親仮想ハブVHUBを通過するセッション数L=2lは、ランダム変数となり、その確率分布P(2l)は、2N個のセッションの中で親仮想ハブVHUBを通過するセッション数が2lとなる確率で与えられる。Lの確率分布をP(2l)によって表すと、確率分布P(2l)は、式(1),(2)より、次式のようになる。
【0136】
【数4】

【0137】
この確率分布を用いて、親仮想ハブVHUBを通過するセッション数<L>は、次式によって表される。
【0138】
【数5】

【0139】
図14は、従来の通信ネットワークシステムのトポロジーを示す図である。従来の通信ネットワークシステムにおいては、仮想ハブVHUBは、1個であるため、全てのセッションは、必ず、親仮想ハブVHUBを通過する。したがって、従来の通信ネットワークシステムのトポロジーは、図14に示すトポロジーとなる。
【0140】
そして、従来の通信ネットワークシステムにおいては、全ての移動体端末MTがセッションを生成しているとき、親仮想ハブVHUBを通過するセッション数<L>は、必ず、全端末数の半分となる。したがって、セッション数<L>は、次式によって表される。
【0141】
【数6】

【0142】
図15は、累積確率分布とセッション数との関係を示す図である。図15において、横軸は、セッション数を表し、縦軸は、累積確率分布を表す。また、曲線k1,k2,k3は、それぞれ、総端末数が16台、32台および64台である場合の累積確率分布とセッション数との関係を示す。
【0143】
図15に示す結果から、親仮想ハブVHUBを通過するセッション数Lは、総端末数が16台、32台および64台である場合、約8割の確率でそれぞれ4個以下、8個以下および18個以下となる。
【0144】
一方、従来のように、仮想ハブVHUBが1台しか存在しない通信ネットワークシステム200においては、その1台の仮想ハブVHUBを通過するセッション数は、総端末数が16台、32台および64台である場合、それぞれ、8個、16個および32個である。
【0145】
したがって、複数の仮想ハブを階層的に配置することによって、親仮想ハブVHUBを通過するセッション数は、大幅に減少する。
【0146】
図16は、親仮想ハブを通過する平均セッション数と総端末数との関係を示す図である。図16において、横軸は、総端末数を表し、縦軸は、親仮想ハブを通過する平均セッション数を表す。また、直線k4は、従来の通信ネットワークシステム200における親仮想ハブを通過する平均セッション数と総端末数との関係を示し、直線k5は、この発明による通信ネットワークシステム110,120,130における親仮想ハブを通過する平均セッション数と総端末数との関係を示す。
【0147】
図16を参照して、従来の通信ネットワークシステムにおいては、総端末数4N台の半分の値のセッション数が、必ず、親仮想ハブを通過する(直線k4参照)。一方、この発明による通信ネットワークシステム110,120,130においては、親仮想ハブを通過するセッション数は、従来の通信ネットワークシステムにおいて親仮想ハブを通過するセッション数よりも大幅に減少する。そして、そのセッション数の減少割合は、総端末数4Nが増加するとともに、大きくなる(直線k5参照)。
【0148】
たとえば、総端末数が100台である場合、従来の通信ネットワークシステム200においては、50個のセッションが親仮想ハブを通過するのに対し、この発明による通信ネットワークシステム110,120,130においては、親仮想ハブを通過するセッション数は約25個となる。
【0149】
このように、複数の仮想ハブを階層的に配置した通信ネットワークシステム110,120,130においては、1つの仮想ハブへのトラフィック(負荷)の集中を分散させることができる。そして、その分散度合いは、通信ネットワークシステム110,120,130における総端末数の増加に伴って大きくなる。
【0150】
通信ネットワークシステム110,120,130においては、3個の仮想ハブVHUB1〜VHUB3,VHUB21〜VHUB23,VHUB31〜VHUB33が階層的に配置されると説明したが、この発明においては、これに限らず、通信ネットワークシステム110,120,130においては、仮想ハブVHUBおよび仮想LANカードVLANCによって構成される仮想的なネットワークシステムにおける通信量に応じて、階層的に配置される仮想ハブVHUBの個数を決定してもよい。
【0151】
また、通信ネットワークシステム110,120,130においては、3個の仮想ハブVHUB1〜VHUB3,VHUB21〜VHUB23,VHUB31〜VHUB33が異なる実サブネットに階層的に配置されると説明したが、この発明においては、これに限らず、通信ネットワークシステム110,120,130においては、仮想ハブVHUBおよび仮想LANカードVLANCによって構成される仮想的なネットワークシステムを用いて通信を行なう移動体端末MTの個数が相対的に多い実サブネットに相対的に多い個数の仮想ハブVHUBを配置するようにしてもよい。
【0152】
さらに、上記においては、VoIPによる通信を行なう通信ネットワークシステム110,120,130において、複数の仮想ハブVHUBを階層的に配置すると説明したが、この発明においては、これに限らず、VoIP以外の通信を行なう通信ネットワークシステムにおいて、複数の仮想ハブVHUBを階層的に配置するようにしてもよい。
【0153】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0154】
この発明は、負荷を分散可能な通信ネットワークシステムに適用される。
【図面の簡単な説明】
【0155】
【図1】この発明の実施の形態による通信ネットワークシステムの概略図である。
【図2】実施の形態1による通信ネットワークシステムの概略図である。
【図3】図1に示す仮想ハブおよび仮想LANカードの論理的トポロジーを示す概念図である。
【図4】異なる2つの実サブネットに配置された2つの移動体端末間の通信を説明するための図である。
【図5】1個の仮想ハブを有する通信ネットワークシステムの概略図である。
【図6】図5に示す仮想ハブおよび仮想LANカードの論理的トポロジーを示す概念図である。
【図7】図5および図6に示す通信ネットワークシステムにおける通信を説明するための図である。
【図8】実施の形態2による通信ネットワークシステムの概略図である。
【図9】図8に示す仮想ハブおよび仮想LANカードの論理的トポロジーを示す概念図である。
【図10】図8および図9に示す通信ネットワークシステムにおける通信を説明するための図である。
【図11】実施の形態3による通信ネットワークシステムの論理的トポロジーを示す図である。
【図12】確率分布の解析に用いた通信ネットワークシステムのネットワークトポロジーを示す図である。
【図13】セッション数を計算するためのネットワークトポロジーを示す図である。
【図14】従来の通信ネットワークシステムのトポロジーを示す図である。
【図15】累積確率分布とセッション数との関係を示す図である。
【図16】親仮想ハブを通過する平均セッション数と総端末数との関係を示す図である。
【符号の説明】
【0156】
1 SIPサーバ、11〜18,VHUB1〜VHUB3,VHUB11,VHUB21〜VHUB23,VHUB31〜VHUB33 仮想ハブ、21〜31,APb,APc,APd,APe アクセスポイント、41〜50,MTb,MTc,MTd,MTe 移動体端末、100,110,120,130,200 通信ネットワークシステム、INT インターネット、PCa,PCb,PCc,PCc1,PCc2,PCd,PCe1,PCe2 パーソナルコンピュータ、SW−HUB1〜SW−HUB3 スイッチングハブ、RUT1〜RUT3 ルーター、VLANC1〜VLANC7,VLANC11〜VLANC14,VLANC21〜VLANC25,VLANC31〜VLANC36 仮想LANカード。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の実サブネットワークに階層的に配置された複数の仮想ハブと、
前記複数の実サブネットワークに配置され、仮想専用線を用いて前記複数の仮想ハブとともに前記複数の実サブネットワーク上に仮想的なネットワークを構成する複数の仮想LANカードと、
前記複数の仮想LANカードに接続された複数のアクセスポイントと、
前記複数の実サブネットワークに配置され、各々がIPアドレスを固定的に保持する複数の端末とを備え、
前記複数の端末の各々は、前記仮想的なネットワークを用いて他の実サブネットワーク内に配置された他の端末と通信を行なう、通信ネットワークシステム。
【請求項2】
前記複数の仮想ハブは、
前記複数の実サブネットワークに含まれる第1の実サブネットワークに配置された第1の仮想ハブと、
前記第1の実サブネットワークに隣接する第2の実サブネットワークに配置され、前記第2の実サブネットワークに隣接する第3の実サブネットワークに配置された仮想LANカードに接続された第2の仮想ハブとを含み、
前記複数の仮想LANカードは、
前記第1の実サブネットワークに配置され、前記第1の仮想ハブに接続された第1の仮想LANカードと、
前記第2の実サブネットワークに配置され、かつ、前記仮想専用線を用いて前記第1の仮想ハブに接続された第2の仮想LANカードと、
前記第2の実サブネットワークに配置され、かつ、前記第2の仮想ハブに接続されるとともに前記第2の仮想LANカードとレイヤー2でブリッジ接続された第3の仮想LANカードとを含む、請求項1に記載の通信ネットワークシステム。
【請求項3】
前記第2の仮想ハブおよび前記第3の仮想LANカードは、同じパーソナルコンピュータに実装される、請求項2に記載の通信ネットワークシステム。
【請求項4】
前記複数の仮想ハブは、前記複数の実サブネットワークのうち、隣接する第1および第2の実サブネットワークにそれぞれ階層的に配置された第1および第2の仮想ハブを含み、
前記複数の仮想LANカードは、
前記第1の実サブネットワークに配置され、前記第1の仮想ハブに接続された第1の仮想LANカードと、
前記第2の実サブネットワークに配置され、前記第2の仮想ハブに接続された第2の仮想LANカードとを含み、
前記第1の仮想ハブは、前記仮想専用線によって前記第2の仮想ハブと接続され、レイヤー3で前記第2の仮想ハブと通信を行なう、請求項1に記載の通信ネットワークシステム。
【請求項5】
前記第1の仮想ハブおよび前記第1の仮想LANカードは、同じパーソナルコンピュータに実装され、
前記第2の仮想ハブおよび前記第2の仮想LANカードは、同じパーソナルコンピュータに実装される、請求項4に記載の通信ネットワークシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2007−124277(P2007−124277A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−313797(P2005−313797)
【出願日】平成17年10月28日(2005.10.28)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成17年度、総務省、研究テーマ「広帯域無線信号の一括光伝送による放送・通信の融合に関する研究」に関する委託研究、産業活力再生特別措置法第30条の適用を受ける特許出願
【出願人】(504176911)国立大学法人大阪大学 (1,536)
【出願人】(503420833)学校法人大阪工大摂南大学 (62)
【出願人】(393031586)株式会社国際電気通信基礎技術研究所 (905)
【Fターム(参考)】