説明

通信機器

【課題】複数の通信手段を備える通信機器では、いずれの通信手段を用いるかは、優先順位等に基づいて制御が行われていたが、優先すべきネットワークの通信が確立しない場合における通信回線の選択処理において、利用者が望まないネットワークを利用してしまう可能性があるという問題点が生じていた。また、上記問題点を解消するために、常に利用者が指定したネットワークのみにて通信を行うこととすると、いつまで経っても通信ができなくなる可能性があるという問題点も生じてしまう。
【解決手段】上記課題を解決するために、本発明では、通信予約をする際にネットワークの通信速度、通信費用等に応じて、優先するネットワークを指定することができ、さらに、指定されたネットワークにて通信が確立しなかった場合には、非指定ネットワークを選択するように制御されるため、通信予約の確実性を向上させることができるという優れた効果を奏する。
【選択図】 図6

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の通信手段を持つ通信機器における予約通信の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、通信機器の多くは、外部との通信手段を複数持つものが増えている。通信手段としては、様々な手段があり、例えば、GSM、W−CDMA、CDMA2000、IEEE802.11a/b/g、Bluetooth(登録商標)、Ethernet(登録商標)などが挙げられる。これらの通信手段で送信される情報は、いずれも電子データであり、伝送容量や伝送速度の差異はあるものの、原則としていずれの通信手段を用いても同種の情報のやり取りが可能である。利用者は、これらの複数の通信手段のうちから一の通信手段を選択して情報のやり取りを行う。
【0003】
特許文献1では、複数のファクシミリ回線を備えたファクシミリ装置に関する発明が開示されている。当該発明では、複数回線のうち、ISDN回線を優先順位の高い回線種別とし、アナログ回線を優先順位の低い回線種別としている。そして、回線の選択時には、まず優先順位の高いISDN回線のうち空いている回線を選択し、ISDN回線が全て使用中の場合にアナログ回線のうち空いている回線を選択することとしている。また、複数のISDN回線及び複数のアナログ回線は、原則として常に通信可能な状態であり、回線使用中のみ当該回線を選択することができず、空いている回線を選択することとなる。このように、特許文献1の技術では、利用者が意識することなく、優先順位に応じて空いている回線をリアルタイムで選択することができる。
【特許文献1】特開平6−164760号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、通信機器にて送受信するデータには、常にリアルタイム処理を必要とするとは限らない。例えば、電子ファイルを送受信する場合などには、必ずしもリアルタイムにて通信を行う必要は無く、利用したいネットワークが現時点では利用不可であれば、そのネットワークが利用可能となった時点で通信を行いたいと考える利用者も少なくない。仮に、無料のネットワークと有料のネットワークが利用可能な機能を有する通信機器であれば、現時点において無料のネットワークが利用不可であっても、なるべく無料のネットワークを利用して通信を行いたいと考えるのが通常である。
【0005】
上記特許文献1に記載の技術では、優先順位が高い回線が使用不可の場合には、順次リアルタイムにて優先順位の低い回線を使用することとしている。このため、上記のような利用者の要望を満たすことができず、利用者が望まないネットワークを利用してしまう可能性があるという問題点が生じていた。
【0006】
また、上記問題点を解消するために、常に利用者が指定したネットワークのみにて通信を行うこととすると、指定したネットワークが何らかの理由で絶えず通信不能となると、いつまで経っても通信ができなくなる可能性があるという新たな問題点が生じてしまう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明では、通信予約に基づいて複数のネットワークを利用可能な通信部と、ネットワークを指定した通信予約を受け付ける通信予約受付部と、指定ネットワークにて通信リンク確立が可能か判断する判断部と、判断部での判断結果に応じて通信部に指定ネットワークを利用させるか、指定されたネットワーク以外の非指定ネットワークを利用させるか制御する制御部とを有し、前記判断部は、所定日時となるまでに通信リンク確立ができなかった場合に通信リンク確立不可と判断する所定日時経過判断手段を有する通信機器を提供することを目的とする。また、前記制御部は、非指定ネットワークを利用させる制御の実行許可を利用者から得るための実行許可入力手段と、前記利用者からの実行許可を得ることで非指定ネットワークを利用させる制御を行う非指定ネットワーク利用制御手段と、を有する通信機器を提供する。
【0008】
さらに、本発明では、通信予約に基づいて複数のネットワークを利用可能な通信機器の制御方法において、ネットワークを指定した通信予約を受け付ける通信予約受付ステップと、指定ネットワークにて通信リンク確立が可能か判断する判断ステップと、判断ステップでの判断結果に応じて指定ネットワークを利用して通信を行うか、指定ネットワーク以外の非指定ネットワークを利用して通信を行うか制御する制御ステップとを有し、前記判断ステップは、所定日時となるまでに通信リンク確立ができなかった場合に通信リンク確立不可と判断する所定日時経過判断サブステップを有する通信機器の制御方法を提供する。また、前記制御ステップは、非指定ネットワークを利用させる制御の実行許可を利用者から得るための実行許可入力サブステップと、前記利用者からの実行許可を得ることで非指定ネットワークを利用させる非指定ネットワーク利用サブステップと、を有する通信機器の制御方法を提供する。
【発明の効果】
【0009】
以上のような構成をとる本発明の通信機器及び通信機器の制御方法では、指定されたネットワークが通信圏外、輻輳などを理由に直ちに利用可能でなくともそのネットワークの利用予約をすることで後にその通信圏内となり、又は輻輳解消となるのを待って利用することができる。従って、通信予約をする際にネットワークの通信速度、通信費用等に応じて指定したネットワークを、比較的高い確率で利用することができる。
【0010】
さらに、指定されたネットワークにて通信が確立しなかった場合には、非指定ネットワークを選択するように制御されるため、通信予約の確実性を担保できるという優れた効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明を実施するための最良の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、本発明はこれら実施の形態になんら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施しうる。なお、以下の実施形態と請求項の関係は次のとおりである。実施形態1、2は主として請求項1、3、7、9などについて説明する。実施形態3は主として請求項2、8などについて説明する。実施形態4は、4、5、6、10、11、12などについて説明する。
【0012】
≪実施形態共通のハードウェア構成≫図11に実施形態1乃至3の通信機器に共通するハードウェア構成を例示する。実施形態1乃至3における通信機器の構成要素である各部は、ハードウェア、ソフトウェア、ハードウェアとソフトウェアの両方のいずれかによって構成される。図11に示す通信機器は、CPUなどからなる主制御部(1101)、揮発性メモリ(1102)、不揮発性メモリ(1103)、ボタンやGUIにて外部からの操作を受け付ける操作入力部(1104)、通信状態や操作メニューを表示する液晶ディスプレイなどからなる表示部(1105)、複数の通信手段を提供する通信I/F(1106)などから構成されるハードウェアと、それらハードウェア上で実行可能なソフトウェアからなる。ソフトウェアとしては、通信I/Fを制御するための通信制御プログラムを実行する通信制御部(1107)などが備えられている。通信制御プログラム自体は、不揮発性メモリ(1103)などに格納されており、必要に応じて揮発性メモリに展開されて、主制御部における演算処理により動作する。
【0013】
より具体的には、本発明の通信部は、主として図11における通信I/F(1106)、通信制御部(1107)などからなる。また、本発明の通信予約受付部は、主として操作入力部(1104)、主制御部(1101)、不揮発性メモリ(1103)、表示部(1105)などからなる。また、本発明の判断部は、通信制御部(1107)、主制御部(1101)などからなる。また、本発明の制御部は、通信制御部(1107)、主制御部(1101)などからなる。なお、図11は、本発明のハードウェア構成の例示に過ぎず、これらの態様に限られない。
【0014】
≪実施形態1≫(実施形態1の概念)実施形態1について説明する。図1に本実施形態における通信機器の概念図を示す。図1に示すように、通信機器(0100)は、複数のネットワーク(0101、0102)が利用可能であり、いずれのネットワークを利用した場合であってもサーバ等(0103)と通信を行うことができる。この場合に、通信機器(0100)は、いずれかのネットワークを指定して通信を行うことができる。そして、指定したネットワークの通信リンクが確立した場合には、そのまま通信を行うことができるが、通信リンクが確立しない場合には、所定の条件に基づいて、指定したネットワーク以外のネットワークにて通信リンクの確立を行う。
【0015】
(実施形態1の構成)図2に本実施形態にかかる通信機器の機能ブロック図の一例を示す。本実施形態にかかる「通信機器」(0200)は、「通信部」(0201)と、「通信予約受付部」(0202)と、「判断部」(0203)と、制御部(0204)とからなる。また、判断部は、「所定時間経過判断手段」(0205)を備えていても良い。
【0016】
(実施形態1の構成の説明)「通信機器」(0200)とは、複数の通信手段を有する機器である。通信機器は、複数の通信手段を有していれば、どのような形態の物であってもよいが、移動可能な機器であることが望ましい。例えば、携帯電話機、PHS、PDA、ノートパソコン、携帯型ゲーム機、携帯音楽プレーヤー、リモコン装置などが該当する。
【0017】
「通信部」(0201)とは、通信予約に基づいて複数のネットワークを利用可能なように構成されている。複数のネットワークとは、GSM、W−CDMA、CDMA2000、FDMA、TDMA、PDC、PHS、GPRS、IEEE802.11a/b/g、Bluetooth(登録商標)、IrDA、Ethernet(登録商標)、ISDN回線、CATV回線、光ファイバー回線、などが挙げられ、有線及び無線のいずれであっても良い。通信部では、同一種類のネットワークを複数有していても良いし、異なる種類のネットワークを複数有していても良い。
【0018】
通信予約とは、ネットワークの通信リンク確立が可能となった後に通信を実行できるように、通信部から送信しようとしている情報を通信待ち状態とすることである。通信部では、後述する通信予約受付部にて受け付けた通信予約に基づいて、指定されたネットワークのリンクの確立が可能な状態となると、該ネットワークを利用して通信待ち状態である情報を通信することができる。なお、通信の実行は、通信リンク確立後即座に行っても良いし、通信リンクが確立した後、一定時間経過後に行うこととしても良いし、通信リンクが確立した後、所定時刻に行うこととしても良い。通信とは、情報の送信(サーバ等へのアップロード)のみならず、情報の受信(サーバ等からのダウンロード)も含む。本実施形態における通信機器では、ネットワークの選択制御を端末側にて行うため、情報を受信する場合には、指定したネットワークにて通信部が通信可能であることを示す情報を通信機器からサーバ等へ伝達する必要がある。このため、通信部では、通信可能であることを示す情報を通信待ち状態とし、当該情報がサーバ等に伝達された後にサーバ等からの情報を受信する。
【0019】
「通信予約受付部」(0202)は、ネットワークを指定した通信予約を受け付けるように構成されている。通信予約を行う情報の種類には次のようなものが該当する。通信機器から送信する情報としては、例えば、電子メールの送信メール、サーバへアップロードするための電子ファイル(動画像ファイル、音楽ファイル、テキストファイル、その他の様々なアプリケーションファイルなど)、家電製品の運転制御情報、ビデオ録画予約情報などが該当し、受信する情報としては、電子メールの受信メール、サーバからダウンロードする電子ファイル(動画像ファイル、音楽ファイル、テキストファイル、その他の様々なアプリケーションファイルなど)、家電製品の運転制御情報やビデオ録画予約情報の応答などが該当する。なお、これらの情報に限られず、通信予約を行う情報は、電子データ全般が該当しうる。
【0020】
ネットワークの指定は、例えば、図3に示すような表示部(0301)にGUI表示された画面にて行うことができる。動画像ファイル等は、ファイル容量が大きいため、なるべく通信容量が大容量で、かつ、通信速度の速いネットワークを利用することが望ましい。このため、動画像ファイルの通信には、Ethernet(登録商標)を指定して通信予約を行うことで利用者の利便性が向上する。また、電子メールの送受信は、比較的ファイル容量が小さく、即座に通信を行うことを臨む利用者が多いため、W−CDMAを指定して通信予約を行うことで利用者の利便性が向上する。このような設定は、通信予約を行う際に、一つずつ利用者が設定することとしても良いし、通信予約受付部にて条件に応じて自動で指定することとしても良い。例えば、ファイル容量に応じてネットワークを指定しても良いし、動画像ファイルやテキストファイルなどのファイル形式に応じてネットワークを指定しても良い。また、送受信したファイルの通信履歴とその際に指定したネットワークから、同様の容量又はファイル形式のネットワークを指定しても良い。また、送受信するデータごとに重要度、緊急度などを設定し、重要度の高い情報は、回線が途中で途切れることや情報が外部へ漏洩することを防ぐために有線のネットワークを指定することとしても良いし、緊急度が高い情報は、即座に通信可能なネットワークのうち通信速度が速いネットワークを指定するなどとしても良い。また、例えば、「間欠通信の間隔が短いものを指定ネットワークとして自動指定」、「端末の通信時の消費電力が少ないものを指定ネットワークとして自動指定」などといった条件のみを利用者が設定し、これに応じて通信予約受付部にてネットワークを指定しても良い。さらに、アプリケーションによって予め指定ネットワーク及び非指定ネットワークを限定するようにしても良い。例えば、メール送信(アプリケーション1)の場合にはIEEE802.11bを指定ネットワークとし、Ethernet(登録商標)やW−CDMAを非指定ネットワークに限定したり、サーバからのダウンロード(アプリケーション2)の場合にはEthernet(登録商標)を指定ネットワークとし、IEEE802.11bを非指定ネットワークに限定したり、とすることとしても良い。このとき、非指定ネットワークに優先順位を付しても良い。
【0021】
「判断部」(0203)は、指定ネットワークにて通信リンク確立が可能か判断するように構成されている。判断部では、通信予約受付部(0202)にて受け付けた通信予約にて指定されているネットワークに対して常に、又は一定時間間隔などの所定のスケジュールに従ってポーリングを行い、指定ネットワークの通信リンクが確立可能か否かを判断する。判断部は、通信予約を受け付けた後、指定ネットワークの通信リンク確立が確認されるか、指定ネットワークでの通信が通信不可と判断されるまでの間継続して通信リンクの確立の確認を継続する。
【0022】
通信リンク確立が可能か否かの判断は、例えば、次のようにして行うことができる。通信機器が携帯電話端末の場合には、WCDMAについての通信リンクの確立が可能か否かは、基地局が携帯電話端末のオフフックを検出し、携帯電話端末にて基地局からの応答を検出したか否か、また、交換制御局から通話用の空きチャンネルに関する情報を検出したか否か、呼出先から直接応答を得たか否かなどに判断することができる。
【0023】
指定ネットワークとは、通信予約受付部(0202)にて指定されたネットワークである。指定ネットワークは、一のネットワークを指定しても良いし、複数のネットワークを指定しても良い。例えば、無料のネットワークを全て指定ネットワークとすることも可能である。複数のネットワークを指定ネットワークとする場合には、さらに、指定ネットワーク間で優先順位を付しても良い。
【0024】
「所定時間経過判断手段」(0205)は、判断部が有する手段であり、通信リンク確立の最初のトライアルから所定時間が経過するまでの間にリンクが確立できなかった場合を通信リンク確立不可と判断する手段である。例えば、所定時間を5分間などと定めておき、判断部での指定ネットワークの通信リンク確立のための最初のトライアルから5分を経過しても通信リンクの確立ができなかった場合に、通信リンク確立不可との判断をする。所定時間は、予め通信機器に設定されていても良いし、利用者が設定することとしても良い。
【0025】
「制御部」(0204)は、判断部(0203)での判断結果に応じて通信部に指定ネットワークを利用させるか、指定されたネットワーク以外の非指定ネットワークを利用させるか制御するように構成されている。判断部にて通信リンクの確立が可能であると判断された場合には、制御部では、指定ネットワークを利用するように制御する。一方、判断部にて、通信リンクの確立が不可であると判断された場合には、制御部では非指定ネットワークを利用するように制御する。非指定ネットワークは、指定ネットワーク以外のネットワークである。非指定ネットワークは、複数のネットワークが該当する場合もあるため、非指定ネットワークに優先順位を付しておいても良い。また、上記の通り、複数のネットワークを指定ネットワークとすることも可能であり、指定ネットワークと非指定ネットワーク全てに共通の優先順位を付しても良い。
【0026】
なお、指定ネットワークの通信リンクが確立せず、非指定ネットワークを利用させるように制御部が制御する際には、通信するネットワークを非指定ネットワークに切り替える前に、切り替えを許可するか否かを利用者に選択させる選択手段を設けても良い。これは、実施形態3にて詳細に説明する。また、通信開始、通信中、通信完了等を知らせる報知手段を有していても良いし、利用したネットワークを報知する利用報知手段を有しても良い。利用報知手段を有している場合には、指定ネットワークを利用した場合と、非指定ネットワークを利用した場合とで、報知方法(報知音、報知画面等)等を変更することで、利用したネットワークを区別して報知することとしても良い。
【0027】
(実施形態1の具体例)図4を用いて、具体例を説明する。本具体例では、W−CDMA機能と無線LAN機能を併せ持つ携帯電話を通信機器(0401)として用いた場合について説明する。今、携帯電話が、W−CDMA機能は通信可能エリアであるが、無線LAN機能は通信不可エリアであるA地点にいる場合を示している。この場所で、通信機器の通信予約受付部にて、無線LANを指定ネットワークとしたビデオ録画予約メールの通信予約を受け付けると、携帯電話は指定ネットワークでの通信リンク確立ができず、ビデオ録画予約メールは通信待ち状態となる。
【0028】
判断部が、所定時間経過判断手段を有さない場合には、直ちに指定ネットワークでの通信リンク確立不可と判断しても良いし、例えば、トライアル5回以内に通信リンクの確立が不可である場合に通信リンク確立不可と判断するなどとしても良い。判断部にて通信リンク確立不可と判断されると、制御部では、非指定ネットワークであるW−CDMAを利用させるように制御する。通信部では、制御部での制御に基づいて、W−CDMAを利用してビデオ録画予約メールを送信する。
【0029】
判断部が、所定時間経過判断手段を有している場合には、判断部での通信リンク確立の最初のトライアルから所定時間が経過するまでの間、通信リンクの確立を継続してトライアルする。そして、所定時間内に携帯電話が無線LANの通信可エリアであるB地点に移動すると、指定ネットワークでの通信リンクを確立することができるので、判断部では、指定ネットワークでの通信が可であると判断し、制御部では、指定ネットワークである無線LANを利用させるように制御する。通信部では、制御部での制御に基づいて、無線LANを利用してビデオ録画予約メールを送信する。また、通信機器が所定時間になっても無線LANの通信可エリアに移動しなかった場合には、判断部では、指定ネットワークの通信リンクの確立が不可であると判断し、制御部は非指定ネットワークを利用させるように制御する。
【0030】
上記例では、指定ネットワークおよび非指定ネットワークがそれぞれ一つずつの場合について例示しているが、指定ネットワークまたは非指定ネットワークを複数設定することも可能である。例えば、非指定ネットワークを第1候補、第2候補、第3候補、第4候補などと優先順位を付して複数設定することも可能である。この場合、指定ネットワークでの通信リンクの確立ができないと、制御部では、第1候補の非指定ネットワークにて通信リンクの確立を試みるように制御する。さらに、指定ネットワーク、第1候補の非指定ネットワークの双方とも通信リンクの確立ができない場合には、第2候補の非指定ネットワークにて通信リンクの確立を試みるように制御する。以降、第3候補、第4候補と同様の操作を行う。
【0031】
(実施形態1の処理の流れ)本実施形態における通信機器の制御方法の基本的な処理の流れを図5の処理フローに示す。本実施形態における通信機器の制御方法は、通信予約に基づいて複数のネットワークを利用可能な通信機器を制御する方法であって、まず、ネットワークを指定した通信予約を受け付ける(S0501:通信予約受付ステップ)。次に、指定ネットワークにて通信リンク確立が可能か判断する(S0502:判断ステップ)。そして、制御ステップ(S0503)では、判断ステップ(S0502)での判断結果に応じて指定ネットワークを利用して通信を行うか、指定ネットワーク以外の非指定ネットワークを利用して通信を行うか制御する。
【0032】
判断ステップ(S0502)での判断結果が指定ネットワークでの通信リンクが確立可能であるとの判断結果である場合(S0504、YES)には、制御ステップでは、指定ネットワークを利用して通信を行うように制御する(S0506)。一方、判断結果が指定ネットワークでの通信リンクが確立不可である場合(S0504、NO)には、制御ステップでは、非指定ネットワークを利用して通信を行うように制御する(S0507)。ただし、判断ステップがさらに所定時間経過判断サブステップ(S0505)を有しているときには、判断結果が指定ネットワークでの通信リンクが確立不可であると(S0504、NO)、さらに、通信リンク確立の最初のトライアルから所定時間が経過したかを判断する(S0505)。そして、所定時間が経過していない場合(S0505、NO)には、指定ネットワークの通信リンクが確立できるか否かを継続して判断する。所定時間が既に経過している場合(S0505、YES)には、通信リンク確立不可と判断し、当該判断結果に応じた制御が制御ステップ(S0503)にて行われる。
【0033】
なお、制御ステップ(S0503)にて指定ネットワークを利用して通信を行うと制御された場合(S0506)には、指定ネットワークを利用して通信を開始する(S0508)。また、非指定ネットワークを利用して通信を行うと制御された場合(S0507)には、非指定ネットワークを利用して通信を開始する(S0509)。利用報知手段を有する場合には、通信を行う際に利用したネットワークを報知する利用報知サブステップを有することとしても良い。
【0034】
(実施形態1の効果)以上のような構成をとる本実施形態の通信機器及び通信機器の制御方法では、指定されたネットワークが通信圏外、輻輳などを理由に直ちに利用可能でなくともそのネットワークの利用予約をすることで後にその通信圏内となり、又は輻輳解消となるのを待って利用することができる。従って、通信予約をする際にネットワークの通信速度、通信費用等に応じて指定したネットワークが、比較的高い確率で利用することができる。
【0035】
さらに、指定されたネットワークにて通信が確立しなかった場合には、非指定ネットワークを選択するように制御されるため、通信予約の確実性を担保できるという優れた効果を奏する。
【0036】
≪実施形態2≫(実施形態2の概念)実施形態2について説明する。本実施形態の通信機器は、実施形態1の通信機器を基本とし、判断部での判断方法において特徴を有する。本実施形態の判断部では、所定日時となるまでに通信リンクが確立しなかった場合に通信リンク確立不可と判断することを特徴とする。
【0037】
(実施形態2の構成)図6に本実施形態にかかる通信機器の機能ブロック図の一例を示す。本実施形態にかかる「通信機器」(0600)は、「通信部」(0601)と、「通信予約受付部」(0602)と、「判断部」(0603)と、制御部(0604)とからなり、判断部が「所定日時経過判断手段」(0605)を有することを特徴とする。
【0038】
(実施形態2の構成の説明)「所定日時経過判断手段」(0605)とは、所定日時になるまでに通信リンク確立ができなかった場合に通信リンク確立不可と判断する手段である。所定日時とは、「○月○日○時○分」といった日付と時刻を示す情報や、日付のみ、時刻のみを示す情報である。
【0039】
例えば、実施形態1の図4に示す具体例において、録画予約を確実に行うためには、録画予約日時前に通信を行わなければならない。このような場合に、「録画日時の1時間前」を所定日時に設定すると、所定日時経過判断手段(0605)では、録画日時の1時間前までに指定ネットワークの通信リンク確立ができなかった場合に通信リンク確立不可と判断する。すると、制御部では、非指定ネットワークを利用して通信を行うように制御し、録画予約情報が非指定ネットワークにて送信される。
【0040】
また、設定する所定日時は、スケジューラ等と連動させても良い。例えば、通信機器がW−CDMA機能と無線LAN機能を備えており、通信機器の利用者の自宅内では無線LAN機能が利用可能であるとする。また、利用者の毎日の帰宅時刻はほぼ18時であるとすると、所定日時を19時などと設定することが有効である。このような場合において、利用者は、帰宅途中等にビデオ録画予約情報や、パソコンなどの電子スケジュール帳に追記したい予定やメモ、ダウンロードしたい楽曲の音楽情報などを忘れないうちに通信機器に入力し、指定ネットワークとして無線LANを指定しておく。すると、いつも通り帰宅した場合には、所定日時である19時には既に指定ネットワークにて通信リンクが確立可能となっている可能性が高く、概ね指定ネットワークを利用して通信を行うことができる。万が一、残業等で帰りが19時以降となってしまった場合には、非指定ネットワークにて通信が行われるため、通信したい情報が通信機器に留まってしまうというおそれもない。
【0041】
さらに、設定する所定日時と通信機器の位置情報とを連動させても良い。例えば、利用者が電車に乗っている場合に、所定時間間隔でGPS等にて位置情報を取得することで、通信機器の移動速度及び移動方向を算出することができる。算出された移動方向及び移動速度より、通信機器が今後どこに移動するかをある程度予測することが可能である。このため、非指定ネットワークでの通信制御に切り換わる所定日時までの時間が残り僅かであるが、通信機器の移動先を予測すると、もう数分待てば指定ネットワークでの通信が可能となる、と予測することができる。このような予測に基づき、所定日時の期限を自動的に延長するようにしても良い。また、利用者が通信網の未発達な地域に出かける場合などに、通信機器の移動先を予測すると、数分後に全てのネットワークの利用ができなくなる、といった予測を行うことも可能である。このような場合には、指定ネットワーク、非指定ネットワークのいずれかに限定されることなく、利用可能なネットワークにて所定日時となるのを待たずに通信を開始することとしても良い。なお、実施形態1に記載した所定時間経過判断手段を有する場合にも同様の制御を行うことができる。
【0042】
(実施形態2の処理の流れ)本実施形態における通信機器の制御方法の基本的な処理の流れを図7の処理フローに示す。本実施形態における通信機器の制御方法は、実施形態1の制御方法を基本とし、判断ステップ(S0702)において、指定ネットワークにて通信リンク確立が可能かの判断を、所定日時経過判断サブステップ(S0705)にて判断する点で特徴を有する。他のステップについては、実施形態1と同様であるため説明を省略する。
【0043】
所定日時経過判断サブステップ(S0705)では、所定日時となるまでに通信リンク確立ができなかった場合に通信リンク確立不可と判断する。すなわち、所定日時になるまで指定ネットワークでの通信リンク確立のためのトライアルを継続し、その結果通信リンクが確立した場合には、通信リンク確立可と判断し、所定日時になっても通信リンクが確立しなかった場合には、通信リンク確立不可と判断する。該判断結果に応じて、制御ステップ(S0703)以降にて通信に利用するネットワークの制御を行う。
【0044】
(実施形態2の効果)以上のような構成をとる本実施形態の通信機器及び通信機器の制御方法では、実施形態1の効果に加えて、所定日時経過判断手段を有することで、指定ネットワークへの通信リンク確立のためのトライアルを行う期限を定めることができ、指定ネットワークを効率的に活用することができる。また、万が一当該期限を過ぎてしまった場合であっても、確実に通信を行うことができるという優れた効果を奏する。
【0045】
≪実施形態3≫(実施形態3の概要)実施形態3について説明する。本実施形態の通信機器は、実施形態1及び2の通信機器を基本とし、制御部での制御方法において特徴を有する。本実施形態の制御部では、非指定ネットワークを利用させる場合には、利用者からの利用許可を得ることを特徴としている。
【0046】
(実施形態3の構成)図8に本実施形態にかかる通信機器の機能ブロック図の一例を示す。本実施形態にかかる「通信機器」(0800)は、「通信部」(0801)と、「通信予約受付部」(0802)と、「判断部」(0803)と、制御部(0804)とからなり、制御部が「実行許可入力手段」(0805)及び「非指定ネットワーク利用制御手段」(0806)を有することを特徴とする。
【0047】
(実施形態3の構成の説明)「実行許可入力手段」(0805)とは、非指定ネットワークを利用させる制御の実行許可を利用者から得るための手段である。判断部(0803)での判断結果が、指定ネットワークの通信リンク確立不可との判断である場合には、制御部(0804)では、非指定ネットワークを利用するように通信部(0801)を制御するが、当該制御を行う前に、実行許可入力手段(0805)にて、当該制御の実行許可を利用者から得る。実行許可入力手段では、例えば、図9に示すような画面を通信機器が備える表示部(0901)に表示し、利用者の入力を受け付ける。利用者が当該表示画面上で操作を行い、実行許可を与えない場合(図9中「いいえ」を選択した場合など)には、制御部は、指定ネットワークでの通信リンク確立のトライアルを継続させる制御を行っても良いし、所定時間経過後に再度通信リンクの確立のトライアルを実行させる制御を行っても良い。実行許可を与える場合(図9中「はい」を選択した場合など)には、後述する非指定ネットワーク利用制御手段(0806)にて非指定ネットワークでの利用制御を行う。
【0048】
なお、上記のような問題は、特にファイル容量が大きいデータ等で生じる可能性が高いため、実行許可入力手段(0805)は、特定のファイル形式や一定量以上の容量を持つファイルに限定して適用することとしても良い。
【0049】
「非指定ネットワーク利用制御手段」(0806)は、前記利用者からの実行許可を得ることで非指定ネットワークを利用させる制御を行う。実行許可入力手段(0805)にて、利用者からの実行許可が入力されると、非指定ネットワーク利用制御手段では、指定ネットワーク以外の非指定ネットワークを利用させる制御を行う。通信部(0801)では、当該制御に基づいて、非指定ネットワークを利用して通信を行う。
【0050】
(実施形態3の処理の流れ)本実施形態における通信機器の制御方法の基本的な処理の流れを図10の処理フローに示す。本実施形態における通信機器の制御方法は、実施形態1及び2の制御方法を基本とし、制御ステップ(1003)において特徴を有する。他のステップについては、実施形態1及び2と同様であるため説明を省略する。本実施形態では、通信部に指定ネットワークを利用させるか、非指定ネットワークに利用させるかを、実効許可入力サブステップ(S1005)及び非指定ネットワーク利用サブステップ(S1006)にて制御する。実行許可入力サブステップ(S1005)では、図9に示すような確認画面を表示して、非指定ネットワークを利用させる制御の実行許可を利用者から得る。そして、利用者からの実行許可が得られた場合(S1005、YES)には、非指定ネットワーク利用サブステップ(S1006)にて、非指定ネットワークを利用させる制御を行う。該制御を受けて、以降の処理にて非指定ネットワークを利用して通信を行うこととなる。また、利用者からの実行許可が得られなかった場合(S1005、NO)には、制御ステップでは、指定ネットワークでの通信リンク確立のトライアルを継続させる制御を行っても良いし、所定時間経過後に再度通信リンクの確立のトライアルを実行させる制御を行っても良い。
【0051】
(実施形態3の効果)以上のような構成をとる本実施形態の通信機器及び通信機器の制御方法では、実施形態1及び2の効果に加えて、実行許可入力手段を有することで、非指定ネットワークへの通信を行うか否かの判断を利用者に委ねることができ、より利用者の意向に沿ったネットワーク選択をすることができる。
【0052】
≪実施形態4≫(実施形態4の概要)実施形態4について説明する。本実施形態の通信機器は、実施形態1から3の通信機器を基本とし、判断部での通信リンク確立の可否の判断待ち状態における制御部の処理に特徴を有する。
【0053】
(実施形態4の構成)図12に本実施形態にかかる通信機器の機能ブロック図の一例を示す。本実施形態にかかる「通信機器」(1200)は、「通信部」(1201)と、「通信予約受付部」(1202)と、「判断部」(1203)と、制御部(1204)とからなり、制御部が「通信待ち経過時間報知手段」(1205)、「通信待ち残時間報知手段」(1206)、「非指定ネットワーク利用可能情報報知手段」(1207)のいずれか一又は複数を有することを特徴とする。
【0054】
(実施形態4の構成の説明)「通信待ち経過時間報知手段」(1205)とは、制御部が有し、通信リンク確立の最初のトライアルから経過した通信待ち経過時間を報知する手段である。経過時間報知手段は、判断部における通信リンクが確立可能か否かの判断がなされていない状態において、最初のトライアルを開始してから現時点までの経過時間を計測し、これを報知する。このため、利用者は、現時点でどのくらいの時間が通信リンクの確立のために費やされたのかを知ることができる。経過時間報知手段による報知タイミングは、1分毎、10分毎、1時間毎などに報知することとしても良いし、通信リンク確立の最初のトライアルから最大限許容されうる通信待ち時間の半分を過ぎた時点などに報知することとしても良い。経過時間の報知は、音声等で行っても良いし、画面表示等で行っても良い。
【0055】
「通信待ち残時間報知手段」(1206)は、制御部が有し、通信リンク確立の最初のトライアルから経過した通信待ち経過時間を許容される最大通信待ち時間から差し引いた通信待ち残時間を報知する手段である。「最大通信待ち時間」とは、所定時間経過判断手段に定められている所定時間や、実施形態2に記載する所定日時経過判断手段に定められている所定日時などから決定される、通信リンク確立の最初のトライアルから最大限許容されうる通信待ち時間をいう。通信待ち残時間報知手段は、判断部における通信リンクが確立可能か否かの判断がなされていない状態において、最初のトライアルを開始してから現時点までの経過時間を計測し、これを最大通信待ち時間から差し引いて通信待ち残時間を報知する。例えば、所定時間経過判断手段において、所定時間が5分と定められているとすると、指定ネットワークの通信リンク確立のための最初のトライアルから3分を経過しても通信リンクの確立ができなかった場合には、通信待ち残時間は2分となる。このため、利用者は、あとどのくらいの時間で非指定ネットワークを利用した通信リンクの確立が行われるのかを知ることができる。通信待ち残時間報知手段の報知タイミングは、1分毎、10分毎、1時間毎などに報知することとしても良いし、最大通信待ち時間の半分を過ぎた時点、残り10%になった時点に報知することとしても良いし、通信待ち残時間が残り10分になった時点などに報知することとしても良い。通信待ち残時間の報知は、音声等で行っても良いし、画面表示等で行っても良い。
【0056】
「非指定ネットワーク利用可能情報報知手段」(1207)は、制御部が有し、前記判断部での判断結果待ち状態である間に非指定ネットワークの利用が可能である場合には、非指定ネットワークが利用可能であることを報知する手段である。「判断結果待ち状態」とは、指定ネットワークでの通信リンクの確立ができておらず、判断部にて指定ネットワークの通信リンクの確立可あるいは確立不可の判断が保留されている状態である。この状態では、制御部は、指定ネットワークの通信リンクを確立させることはできず、また、指定ネットワークの通信リンクの確立不可との判断結果を得ていないため、非指定ネットワークの通信リンクを確立させることもできない。このような判断結果待ち状態において、非指定ネットワーク利用可能情報報知手段では、非指定ネットワークの利用が可能であるか否かを検知し、利用可能である場合には、非指定ネットワークが利用可能であることを利用者に対して報知する。このため、利用者は、報知を受けた時点において、指定ネットワークは利用することはできないが、非指定ネットワークは利用可能であるということを知ることができる。利用者は、当該報知を受けて、指定ネットワークとして定めているネットワークでの通信リンク確立指示をキャンセルして非指定ネットワークである他のネットワークでの通信リンク確立を指示することができる。利用者が未だ通信リンク確立待ち状態にある情報の送信を急ぐ場合には、上記処理により、通信リンク確立待ち状態を解消して即座に非指定ネットワークにて通信リンク確立を行うことができる。
【0057】
(実施形態4の処理の流れ)本実施形態における通信機器の制御方法の基本的な処理の流れを図13の処理フローに示す。本実施形態における通信機器の制御方法は、実施形態1から3の制御方法を基本とし、指定ネットワークにて通信リンクが確立不可の場合(S1302;NO)の制御ステップ(S1303)において特徴を有する。
【0058】
通信待ち経過時間報知手段を有する場合には、まず、通信待ち経過時間が計測され(S1305)、通信待ち経過時間の報知指示を受け付けると通信待ち経過時間報知サブステップにて通信待ち経過時間が報知される(S1307)。さらに、通信待ち残時間報知手段を有する場合には、通信待ち残時間が計測され、通信待ち残時間の報知指示を受け付けると、通信待ち残経過時間報知サブステップにて通信待ち残時間が報知される。通信待ち経過時間又は/及び通信待ち残時間の報知指示は、予め報知ルールとして定めておき、所定時間毎などに出力される。また、非指定ネットワーク利用可能情報報知手段を有する場合には、非指定ネットワークが利用可能状態であるか否かを検知し(S1311)、利用可能である場合には、非指定ネットワーク利用可能情報報知ステップにて非指定ネットワーク利用可能情報を報知する(S1312)。そして、利用者が非指定ネットワークを利用する指示をした場合には、制御部は非指定ネットワークを利用して通信を行うように制御し(S1314)、非指定ネットワークを利用した通信が開始される(S1316)。なお、実施形態1から3に記載した処理によって非指定ネットワークを利用した通信を開始しても良い。
【0059】
(実施形態4の効果)以上のような構成をとる本実施形態の通信機器及び通信機器の制御方法では、実施形態1から3の効果に加えて、通信待ち経過時間報知手段、通信待ち残時間報知手段、非指定ネットワーク利用可能情報報知手段のいずれかを有することにより、利用者は、通信リンク確立状態がどのような状態であるかを報知により知ることができる。これにより、利用者は通信リンク確立状態に応じた処理を即座に行うことができるため、利用者の利便性の向上に資する。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】実施形態1の概要を説明する図
【図2】実施形態1の機能ブロック図
【図3】ネットワークを指定する場合のGUIを例示する図
【図4】実施形態1の具体例を説明する図
【図5】実施形態1の処理フロー図
【図6】図実施形態2の機能ブロック図
【図7】実施形態2の処理フロー図
【図8】実施形態3の機能ブロック図
【図9】実行許可を与える場合のGUIを例示する図
【図10】実施形態3の処理フロー図
【図11】通信機器のハードウェア構成を例示する図
【図12】実施形態4の機能ブロック図
【図13】実施形態4の処理フロー図
【符号の説明】
【0061】
0600 通信機器
0601 通信部
0602 通信予約受付部
0603 判断部
0604 制御部
0605 所定日時経過判断手段
0805 実行許可入力手段
0806 非指定ネットワーク利用制御手段
1205 通信待ち経過時間報知手段
1206 通信待ち残時間報知手段
1207 非指定ネットワーク利用可能情報報知手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信予約に基づいて複数のネットワークを利用可能な通信部と、
ネットワークを指定した通信予約を受け付ける通信予約受付部と、
指定ネットワークにて通信リンク確立が可能か判断する判断部と、
判断部での判断結果に応じて通信部に指定ネットワークを利用させるか、指定されたネットワーク以外の非指定ネットワークを利用させるか制御する制御部と、を有し、
前記判断部は、所定日時となるまでに通信リンク確立ができなかった場合に通信リンク確立不可と判断する所定日時経過判断手段を有する通信機器。
【請求項2】
前記判断部は、非指定ネットワークを利用させる制御の実行許可を利用者から得るための実行許可入力手段と、
前記利用者からの実行許可を得ることで非指定ネットワークを利用させる制御を行う非指定ネットワーク利用制御手段と、
を有する請求項1に記載の通信機器。
【請求項3】
前記制御部は、利用したネットワークを報知する利用報知手段を有する請求項1又は2のいずれか一に記載の通信機器。
【請求項4】
前記制御部は、通信リンク確立の最初のトライアルから経過した通信待ち経過時間を報知する通信待ち経過時間報知手段を有する請求項1から3のいずれか一に記載の通信機器。
【請求項5】
前記制御部は、通信リンク確立の最初のトライアルから経過した通信待ち経過時間を許容される最大通信待ち時間から差し引いた通信待ち残時間を報知する通信待ち残時間報知手段を有する請求項1から4のいずれか一に記載の通信機器。
【請求項6】
前記制御部は、前記判断部での判断結果待ち状態である間に非指定ネットワークの利用が可能である場合には、非指定ネットワークが利用可能であることを報知する非指定ネットワーク利用可能情報報知手段を有する請求項1から5のいずれか一に記載の通信機器。
【請求項7】
通信予約に基づいて複数のネットワークを利用可能な通信機器の制御方法において、
ネットワークを指定した通信予約を受け付ける通信予約受付ステップと、
指定ネットワークにて通信リンク確立が可能か判断する判断ステップと、
判断ステップでの判断結果に応じて指定ネットワークを利用して通信を行うか、指定ネットワーク以外の非指定ネットワークを利用して通信を行うか制御する制御ステップと、有し、
前記判断ステップは、所定日時となるまでに通信リンク確立ができなかった場合に通信リンク確立不可と判断する所定日時経過判断サブステップを有する通信機器の制御方法。
【請求項8】
前記制御ステップは、非指定ネットワークを利用させる制御の実行許可を利用者から得るための実行許可入力サブステップと、
前記利用者からの実行許可を得ることで非指定ネットワークを利用させる非指定ネットワーク利用サブステップと、
を有する請求項7に記載の通信機器の制御方法。
【請求項9】
前記制御ステップは、利用したネットワークを報知する利用報知サブステップを有する請求項7又は8に記載の通信機器の制御方法。
【請求項10】
前記制御ステップは、通信リンク確立の最初のトライアルから経過した通信待ち経過時間を報知する通信待ち経過時間報知サブステップを有する請求項7から9のいずれか一に記載の通信機器の制御方法。
【請求項11】
前記制御ステップは、通信リンク確立の最初のトライアルから経過した通信待ち経過時間を許容される最大通信待ち時間から差し引いた通信待ち残時間を報知する通信待ち残時間報知サブステップを有する請求項7から10のいずれか一に記載の通信機器の制御方法。
【請求項12】
前記制御ステップは、前記判断ステップでの判断結果待ち状態である間に非指定ネットワークの利用が可能である場合には、非指定ネットワークが利用可能であることを報知する非指定ネットワーク利用可能情報報知サブステップを有する請求項7から11のいずれか一に記載の通信機器の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−45102(P2011−45102A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−206903(P2010−206903)
【出願日】平成22年9月15日(2010.9.15)
【分割の表示】特願2008−534260(P2008−534260)の分割
【原出願日】平成19年6月5日(2007.6.5)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】