説明

通信端末、事前通知プログラムおよび事前通知方法

【課題】使用者に番組を視聴できない状態であることを事前に通知することができる通信端末を提供する。
【解決手段】携帯電話機10は、デジタルチューナ36およびテレビ機能を実行するためのテレビキーを含む起動画面を表示するディスプレイ30などを備える。たとえば、起動画面は、メインメニュー画面でマルチメディアキーが操作されると表示される。また、起動画面に遷移する操作がされると、前回視聴していた番組に対する放送波が探索される。そして、放送波の探索ができなかった場合、テレビキーに対して、通知アイコンが関連付けて表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、通信端末、事前通知プログラムおよび事前通知方法に関し、特に放送波を受信する、通信端末、事前通知プログラムおよび事前通知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
放送波を受信する、通信端末の一例が特許文献1に開示されている。特許文献1の携帯電話機では、テレビを視聴するための操作がなされると、制御部は、前回のテレビ番組の視聴が終了されたときに視聴されていたチャンネルを選択する。そして、選択されたチャンネルの番組がアンテナによって受信されると、選択されたチャンネルの番組の視聴が可能な状態になる。
【特許文献1】特開2006−25206号公報[H04N 5/44, H04M 1/00, H04M 1/26]
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、特許文献1の携帯電話機では、アンテナによって番組を受信できない場合、使用者はテレビを視聴するための操作を行わない限り、そのことを知ることができない。
【0004】
それゆえに、この発明の主たる目的は、新規な、通信端末、事前通知プログラムおよび事前通知方法を提供することである。
【0005】
この発明の他の目的は、番組を視聴する際の利便性を向上させることができる、通信端末、事前通知プログラムおよび事前通知方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、上記の課題を解決するために、以下の構成を採用した。なお、括弧内の参照符号および補足説明等は、この発明の理解を助けるために記述する実施形態との対応関係を示したものであって、この発明を何ら限定するものではない。
【0007】
第1の発明は、放送波を受信するチューナおよびチューナを起動するための起動画面を表示する表示装置を有する、通信端末であって、起動画面を表示させるための操作がされたかを判断する判断部、判断部によって起動画面を表示させるための操作がされたと判断されたとき、放送波を探索する探索部、および探索部によって放送波の探索ができなかったとき、探索結果を通知する通知部を備える、通信端末である。
【0008】
第1の発明では、通信端末(10:実施例において対応する部分を例示する参照符号。以下、同じ。)は、たとえばテレビ放送などの放送波を受信するチューナ(36)およびテレビ機能を実行するためのキーを含む起動画面を表示する表示装置(30)を備える。また、キー操作によってテレビ機能が実行されると、チューナが起動される。判断部(24,S1)は、起動画面より前の画面(メインメニュー画面)で、この起動画面を表示させるための操作がされたかを判断する。探索部(24,S3)は、起動画面を表示させる操作がされると、たとえば前回視聴していたチャンネルに対応する放送波を探索する。通知部(24,S15)は、放送波の探索ができなかったとき、表示や振動などによって探索結果を通知する。
【0009】
第1の発明によれば、使用者には番組を視聴できない状態であることが事前に通知される。そのため、使用者は番組を視聴する際に不要な操作をしなくて済むようになるため、番組を視聴する際の利便性が向上する。
【0010】
第2の発明は、第1の発明に従属し、通知部は、探索部によって放送波の探索ができなかったとき、起動画面に探索結果を表示する。
【0011】
第2の発明では、放送波の探索ができなければ、探索結果としてアイコン(90,92)が起動画面に表示される。
【0012】
第2の発明によれば、使用者は、通知結果によって、番組を視聴できない状態であることを、容易に知ることができる。
【0013】
第3の発明は、第1の発明または第2の発明に従属し、通信機器を振動させる振動部をさらに備え、通知部は、探索部によって放送波の探索ができなかったとき、振動部によって通信機器を振動させる。
【0014】
第3の発明では、振動部(40)は、バイブレータとも呼ばれ、通信機器を振動させる。そして、放送波の探索ができない場合、振動部によって通信端末が振動する。
【0015】
第3の発明によれば、使用者は、視覚や聴覚に頼らず、番組を視聴できない状態であることを知ることができる。
【0016】
第4の発明は、第1の発明ないし第3の発明のいずれかに従属し、放送波は、地上デジタル放送の放送波を含む。
【0017】
第4の発明によれば、たとえば、地上デジタル移動体向け(1セグメント)放送(以下、「ワンセグ放送」と言う。)に対応する通信端末に適用することができる。
【0018】
第5の発明は、第1の発明ないし第4の発明のいずれかに従属し、起動画面には、待ち受け画面が含まれ、待ち受け画面には、チューナを起動するためのキーが表示される。
【0019】
第5の発明では、たとえば、チューナを起動させるためのキー(100)は、待ち受け画面において、ショートカットのように表示される。
【0020】
第5の発明によれば、使用者は、待ち受け画面を表示させるだけで、放送を視聴できるかを確認できる。
【0021】
第6の発明は、第1の発明ないし第5の発明のいずれかに従属し、現在位置を測位する測位部、および探索部によって放送波の探索ができず、位置取得部によって取得された位置が事前に設定された地域に含まれないとき、設定地域を表示する地域表示部をさらに備える。
【0022】
第6の発明では、測位部(24,S9)は、たとえばGPS衛星(400)からの信号を利用して、現在位置を測位する。たとえば。測位された現在位置が東京都のある地点を示す経緯度であり、設定地域が「大阪」であれば、地域表示部(24,S13)は、『設定地域は、「大阪」です。』の文字列を表示する。
【0023】
第6の発明によれば、放送波を探索できない場合、設定地域が表示されるため、使用者は設定地域を再設定すればよいことに容易に気づくことができる。
【0024】
第7の発明は、放送波を受信するチューナ(36)およびチューナを起動するための起動画面を表示する表示装置(30)を有する、通信端末(10)のプロセッサ(24)を、起動画面を表示させるための操作がされたかを判断する判断部(S1)、判断部によって操作がされたと判断されたとき、放送波を探索する探索部(S3)、および探索部によって放送波の探索ができなかったとき、探索結果を通知する通知部(S15)として機能させる、事前通知プログラムである。
【0025】
第7の発明でも、第1の発明と同様、使用者には番組を視聴できない状態であることが事前に通知される。そのため、使用者は番組を視聴する際に不要な操作をしなくて済むようになるため、番組を視聴する際の利便性が向上する。
【0026】
第8の発明は、放送波を受信するチューナ(36)およびチューナを起動するための起動画面を表示する表示装置(30)を有する、通信端末(10)の事前通知方法であって、起動画面を表示させるための操作がされたかを判断し(S1)、操作がされたと判断されたとき、放送波を探索し(S3)、そして探索部によって放送波の探索ができなかったとき、探索結果を通知する(S15)、事前通知方法である。
【0027】
第8の発明でも、第1の発明と同様、使用者には番組を視聴できない状態であることが事前に通知される。そのため、使用者は番組を視聴する際に不要な操作をしなくて済むようになるため、番組を視聴する際の利便性が向上する。
【発明の効果】
【0028】
この発明によれば、使用者には番組を視聴できない状態であることが事前に通知される。従って、番組を視聴する際に不要な操作を使用者にさせずに済むため、番組を視聴する際の利便性が向上する。
【0029】
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】図1はこの発明の一実施例の携帯電話機の電気的な構成を示す図解図である。
【図2】図2は図1に示すディスプレイに表示される画面の遷移の一例を示す図解図である。
【図3】図3は図1に示すディスプレイに表示される起動画面の一例を示す図解図である。
【図4】図4は図1に示すディスプレイに表示される起動画面の他の一例を示す図解図である。
【図5】図5は図1に示すディスプレイに表示される待ち受け画面の一例を示す図解図である。
【図6】図6は図1に示すRAMのメモリマップの一例を示す図解図である。
【図7】図7は図1に示すプロセッサの事前通知処理の一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1を参照して、本実施例の携帯電話機10は、通信端末の一種であり、コンピュータまたはCPUと呼ばれるプロセッサ24を含む。また、プロセッサ24には、無線通信回路14、A/D変換器16、D/A変換器20、キー入力装置26、表示ドライバ28、フラッシュメモリ32、RAM34、デジタルチューナ36、振動部として機能するバイブレータ40および発光部として機能するLED42が接続されると共に、GPS回路44も接続される。無線通信回路14にはアンテナ12が接続され、A/D変換器16にはマイク18が接続され、D/A変換器20にはスピーカ22が接続される。また、表示ドライバ28には、ディスプレイ30が接続される。さらに、デジタルチューナ36には放送アンテナ38が接続される。そして、GPS回路44にはGPSアンテナ46が接続される。
【0032】
プロセッサ24は携帯電話機10の全体制御を司る。RAM34は、プロセッサ24の作業領域(描画領域を含む)ないしバッファ領域として用いられる。フラッシュメモリ32には、携帯電話機10の文字、画像、音声、音および映像のようなコンテンツのデータが記録される。
【0033】
A/D変換器16は、マイク18を通して入力される音声ないし音についてのアナログ音声信号を、デジタル音声信号に変換する。D/A変換器20は、デジタル音声信号をアナログ音声信号に変換(復号)して、図示しないアンプを介してスピーカ22に与える。したがって、アナログ音声信号に対応する音声ないし音がスピーカ22から出力される。なお、プロセッサ24は、アンプの増幅率を制御することで、スピーカ22から出力される音声の音量を調整することができる。
【0034】
キー入力装置26は、メニューキー、カーソルキー、通話キーおよび終話キーなどを含む。そして、使用者が操作したキーの情報(キーデータ)はプロセッサ24に入力される。また、キー入力装置26に含まれる各キーが操作されると、クリック音が鳴る。したがって、使用者は、クリック音を聞くことで、キー操作に対する操作感を得ることができる。
【0035】
表示ドライバ28は、プロセッサ24の指示の下、表示装置の一種であるディスプレイ30の表示を制御する。また、表示ドライバ28は表示する画像データを一時的に記憶するビデオメモリ(図示せず)を含む。
【0036】
無線通信回路14は、CDMA方式での無線通信を行うための回路である。たとえば、使用者がキー入力装置26を用いて電話発信(発呼)を指示すると、無線通信回路14は、プロセッサ24の指示の下、電話発信処理を実行し、アンテナ12を介して電話発信信号を出力する。電話発信信号は、基地局および通信網(図示せず)を経て相手の電話機に送信される。そして、相手の電話機において着信処理が行われると、通信可能状態が確立され、プロセッサ24は通話処理を実行する。
【0037】
通常の通話処理について具体的に説明すると、相手の電話機から送られてきた変調音声信号はアンテナ12によって受信される。受信された変調音声信号には、無線通信回路14によって復調処理および復号処理が施される。そして、これらの処理によって得られた受話音声信号は、D/A変換器20によってアナログ音声信号に変換された後、スピーカ22から出力される。一方、マイク18を通して取り込まれた送話音声信号は、A/D変換器16によってデジタル音声信号に変換された後、プロセッサ24に与えられる。デジタル音声信号に変換された送話信号には、プロセッサ24の指示の下、無線通信回路14によって符号化処理および変調処理が施され、アンテナ12を介して出力される。したがって、変調音声信号は、基地局および通信網を介して相手の電話機に送信される。
【0038】
また、相手の電話機からの電話発信信号がアンテナ12によって受信されると、無線通信回路14は、電話着信(着呼)をプロセッサ24に通知する。これに応じて、プロセッサ24は、表示ドライバ28を制御して、着信通知に記述された発信元情報(電話番号など)をディスプレイ30に表示する。また、これとほぼ同時に、プロセッサ24は、図示しないスピーカから着信音(着信メロディ、着信音声と言うこともある。)を出力させると共に、バイブレータ40を起動することで携帯電話機10を振動させ、LED42を発光させる。
【0039】
そして、使用者が通話キーを用いて応答操作を行うと、無線通信回路14は、プロセッサ24の指示の下、電話着信処理を実行する。さらに、通信可能状態が確立され、プロセッサ24は上述した通常の通話処理を実行する。
【0040】
また、通話可能状態に移行した後に終話キーによって通話終了操作が行われると、プロセッサ24は、無線通信回路14を制御して、通話相手に通話終了信号を送信する。そして、通話終了信号の送信後、プロセッサ24は通話処理を終了する。また、先に通話相手から通話終了信号を受信した場合も、プロセッサ24は通話処理を終了する。さらに、通話相手によらず、移動通信網から通話終了信号を受信した場合も、プロセッサ24は通話処理を終了する。
【0041】
GPS回路44は、現在の位置を測位(取得)する操作が行われると起動される。また、GPSアンテナ46は、GPS衛星400から送信されるGPS信号を受信し、GPS回路46に出力する。そして、プロセッサ26は、受信したGPS信号に基づいて測位処理を実行することで、現在位置データとして緯度および経度を算出する。このように、携帯電話機10では、GPS回路44およびGPSアンテナ46が測位部として機能するため、現在位置を測位することができる。
【0042】
なお、図1には、簡単のために、1つのGPS衛星400しか描画していないが、現在位置を測位するためには、少なくとも3つ以上のGPS衛星400からGPS信号を受信しなければならない。ただし、通常の測位処理では、二次元測位のため、緯度および経度しか算出できないが、4つのGPS衛星400からGPS信号を受信できる場合、三次元測位によって、高度も算出することができる。
【0043】
デジタルチューナ36は、テレビおよびラジオの地上デジタル放送の放送波を受信する。たとえば、テレビ機能を実行するためのキーが操作されると、デジタルチューナ36は起動する。また、起動したデジタルチューナ36は、放送アンテナ38によって受信したテレビの地上デジタル放送の放送波から、選局されたチャンネルに対応するテレビ放送信号を抽出する。さらに、デジタルチューナ36は、その抽出したテレビ放送信号に対して復調等の処理を行い、復調信号(MPEG2トランスポートストリームとも言う。)を生成する。そして、デジタルチューナ36は、MPEG−TSデコーダ、ビデオデコーダ、字幕デコーダおよびオーディオデコーダを含むデコーダ(図示せず)に復調信号を出力する。
【0044】
デコーダに入力された復調信号は、MEPG−TSデコーダによってMPEG方式に基づいた復号処理が行われ、映像信号、字幕信号および音声信号が形成される。また、映像信号はビデオデコーダでデコードされ、字幕信号は字幕デコーダでデコードされ、音声信号は音声デコーダでデコードされる。さらに、デコードされた各データはプロセッサ24に入力される。そして、プロセッサ24は、デコードされた映像データをビデオメモリに格納し、デコードされた音声データ(デジタル音声信号)をD/A変換機20に出力する。したがって、受信したテレビ放送に従う映像がディスプレイ30に表示されるとともに、放送の音声(放送音声)がピーカ22から出力される。
【0045】
また、字幕を表示する設定がされている場合、プロセッサ24は、デコードされた文字データを、映像データと共にビデオメモリに格納する。この字幕とは、放送番組に付随して、アナウンサーや、タレントなどが話す台詞などの放送音声の内容を表示するためのものである。そのため、使用者は、音声を聞かなくても、字幕と映像とを見るだけで、放送の内容を把握することができる。
【0046】
また、プロセッサ24は、テレビ機能を終了する操作がされると、視聴中のチャンネルの放送波に関する情報を記憶させる。そして、テレビ機能が再び実行されると、プロセッサ24は、記憶した情報に基づいて、前回視聴していたチャンネルが選局されるように、デジタルチューナ36に対して命令を出す。
【0047】
また、テレビ機能が初めて実行される場合は、チャンネルの初期設定がされる。この初期設定では、使用者は、「オート」または「マニュアル」によってチャンネルを設定することができる。たとえば、「オート」が選択されると、所定周波数内で受信可能な放送波を調べることで、チャンネルが設定される。一方、「マニュアル」が選択されると、使用者によって設定された地域(設定地域)に基づいてチャンネルが設定される。
【0048】
なお、番組を視聴しているときに、キー入力装置24によってチャンネルを選局する操作がされると、プロセッサ24は選局命令をデジタルチューナ36に出力する。さらに、ラジオ機能を実行する場合でも、テレビ機能を実行する場合と略同じであるため、詳細な説明は省略する。
【0049】
また、携帯電話機10は、図示しないネットワークとの通信を確立することで、ブラウザ機能やメール機能などを実行することができる。また、携帯電話機10は、図示しない二次電池の電池残量に基づいて利用目安時間を表示する、電池機能を実行することもできる。
【0050】
図2(A)−(D)は、テレビ機能を実行するときの画面の遷移の一例を示す図解図である。また、ディスプレイ30の表示は、アンテナ12による受信状態を示すアンテナイコン、二次電池の電池残量を示す電池アイコンおよび日時を含む状態表示領域60および待ち受け画面(待機画面またはホーム画面と呼ばれることもある)、メニュー画面および起動画面などが表示される機能表示領域62を含む。
【0051】
たとえば、携帯電話機10の電源がオンにされると、図2(A)に示すように、状態表示領域62に待ち受け画面が表示される。この状態で、メニューキーが操作されると、図2(B)に示すメインメニュー画面が、機能表示領域62に表示される。このメインメニューには、スケジュールキー70、データフォルダキー72、メディアメニューキー74および設定キー76が表示されると共に、各キーを選択するためのカーソルCuが表示される。
【0052】
また、カーソルCuは、カーソルキーによって位置を変更することができる。そして、使用者が任意のキーを操作する場合、任意のキーをカーソルCuによって選択した後にメニューキーが押下される。たとえば、スケジュールキー70が操作されると、スケジュールを登録し、管理するためのスケジュール機能が実行される。データフォルダキー72が操作されると、フラッシュメモリ32およびRAM24に記憶されているデータを表示したり管理したりするためのデータ管理機能が実行される。メディアメニューキー74が操作されると、図2(C)に示すように、起動画面がメインメニュー画面に代えて表示される。設定キー76が操作されると、設定画面(図示せず)がメインメニュー画面に代えて表示される。
【0053】
図2(C)を参照して、起動画面にはテレビ機能を実行するためのテレビキー80およびラジオ機能を実行するためのラジオキー82が表示されると共に、カーソルCuが表示される。そして、テレビキー80が操作されると、テレビ機能が実行され、放送波を受信できれば、図2(D)に示すように、テレビ放送およびデータ放送などが表示される。一方、ラジオキー82が操作されると、ラジオ機能が実行され、音声がスピーカ22から出力される。
【0054】
ここで、本実施例では、起動画面に遷移したときに、番組を視聴できない状態であれば、そのことが事前に通知される。具体的に説明すると、他の画面から起動画面へ遷移する操作がされると、放送波の探索処理が実行される。このとき、本実施例の探索処理では、前回視聴していたチャンネルに対応する放送波が探索される。そして、放送波を探索(発見/受信)できない場合、図3に示すように通知アイコン90をテレビキー80に関連付けて表示する。また、放送波の探索ができない場合は、現在位置を測位し、その現在位置が設定地域の中に含まれていなければ、図4に示すように設定地域を補助表示する。これにより、使用者は、通知アイコン90によって、番組を視聴できない状態であることを、容易に知ることができる。特に、設定地域が表示される場合、設定地域が表示されるため、使用者は設定地域を再設定すればよいことに容易に気づくことができる。ただし、他の実施例では、放送波の探索ができなければ、測位処理を実行せずに、設定地域を表示するようにしてもよい。
【0055】
また、テレビ機能においてチャンネルの初期設定がされていない状態で、起動画面が表示された場合、前回視聴していたチャンネルが記憶されていないため、探索処理は実行されず、起動画面には「チャンネルの初期設定を行ってください。」の文字列が表示される。ただし、前回視聴していたチャンネルが記憶されていなければ、予め設定された放送波が探索されるようにしてもよい。また、測位処理によって測位された現在位置を含む地域を特定し、特定された地域における複数のチャンネルのうち、一番小さい番号のチャンネルに対応する放送波が探索されるようにしてもよい。
【0056】
そして、起動画面が表示されている場合、所定時間(たとえば、1分)毎に放送波が再探索される。これにより、使用者が携帯電話機10を持って移動した場合に、放送波を受信可能な場所へ到達したことを知ることができる。
【0057】
また、他の実施例では、ラジオキー82に対しても、通知アイコン90が関連付けて示されてもよい。そして、放送波を探索できなかった場合に、通知アイコン90を表示すると共に、バイブレータ40による振動およびLED42による発光を行うようにしてもよい。
【0058】
また、その他の実施例では、図5(A)に示すように、待ち受け画面に、ショートカットのように、テレビ機能を実行するためのテレビキー100、メール機能を実行するためのメールキー102および電池機能を実行するための電池キー104が表示される。この場合、待ち受け画面に遷移する操作がされると、放送波が探索される。そして、放送波を探索できなかった場合、図5(B)に示すように、テレビキー100に対して通知アイコン92が関連付けて表示される。
【0059】
従って、使用者は、待ち受け画面を表示させるだけで、放送を視聴できるかを確認できる。そのため、使用者がテレビ機能を利用する頻度が高ければ、使用者の利便性は格段によくなる。そして、タッチパネルを有し、ホーム画面にアイコンが表示される、いわゆるスマートフォンに対しても、この実施例を適用することができる。
【0060】
また、さらにその他の実施例では、放送波の探索ができない場合は、通知アイコン90,92を表示せずに、バイブレータ40によって携帯電話機10を振動させると共に、LED42を発光させることで、放送波の探索ができなかったことを通知してもよい。これにより、使用者は、視覚や聴覚に頼らず、番組を視聴できない状態であることを知ることができる。
【0061】
このように、本実施例の携帯電話機10では、使用者には番組を視聴できない状態であることが事前に通知される。そのため、使用者は番組を視聴する際に不要な操作をしなくて済むようになるため、番組を視聴する際の利便性が向上する。たとえば、従来では、番組を視聴できない状態であっても、使用者はテレビ機能を起動させなければ、その状態を知ることができなかった。ところが、本実施例では、テレビ機能を起動させる操作を行う前に、番組を視聴できない状態を知ることができる。そのため、番組を視聴できない状態であれば、使用者は、テレビ機能を起動させる操作を行わずに済むようになる。
【0062】
なお、これらの実施例は、ワンセグ放送に対応する携帯電話機10にも適用することができる。
【0063】
図6は、RAM34のメモリマップを示す図である。RAM34には、プログラム記憶領域302およびデータ記憶領域304が含まれる。また、プログラムおよびデータの一部は、フラッシュメモリ32から一度に全部または必要に応じて部分的かつ順次的に読み出され、RAM34に記憶される。
【0064】
プログラム記憶領域302には、携帯電話機10を動作させるためのプログラムが記憶されている。たとえば、携帯電話機10を動作させるためのプログラムには、事前通知プログラム310が含まれる。事前通知プログラム310は、起動画面に遷移したときに放送波を探索(受信)できていなければ、その探索結果を使用者に通知するためのプログラムである。なお、図示は省略するが、携帯電話機10を動作させるためのプログラムには、放送波を探索するためのプログラムなどが含まれる。
【0065】
続いて、データ記憶領域304には、キー画像データ330、通知アイコン画像データ332および設定地域データ334が記憶されると共に、探索カウンタ336が設けられる。キー画像データ330はテレビキー80およびラジオキー82などのキーを表示するための画像データである。通知アイコンデータ332は、図3,図5に示すような、通知アイコン90,92を表示するための画像データである。設定地域データ334は、テレビ機能において、使用者によって設定された地域を示すデータである。
【0066】
探索カウンタ336は、所定時間を計測するためのカウンタであり、リセット(初期化)されるとカウント(計測)を開始する。そのため、探索カウンタ336は、探索タイマと呼ばれる。そして、本実施例では、探索タイマは、起動画面が表示されているときに通知処理が実行される度にリセットされる。
【0067】
なお、図示は省略するが、データ記憶領域304には、待機状態で表示される画像データや、文字列のデータなどが記憶されると共に、携帯電話機10の動作に必要なカウンタや、フラグも設けられる。
【0068】
プロセッサ24は、Android(登録商標)およびREXなどのLinux(登録商標)ベースのOSや、その他のOSの制御下で、図7に示す事前通知処理などを含む、複数のタスクを並列的に処理する。
【0069】
図7は事前通知処理のフロー図である。たとえば、携帯電話機10の電源がオンにされると、プロセッサ24はステップS1で、起動画面に遷移する操作がされたか否かを判断する。たとえば、図2(B)に示すメインメニュー画面で、メディアメニューキー74が操作されたかが判断される。なお、ステップS1の処理を実行するプロセッサ24は判断部として機能する。
【0070】
ステップS1で“NO”であれば、たとえばメインメニュー画面において、メディアメニューキー74が操作されなければ、ステップS1の処理が繰り返して実行される。続いて、ステップS3では、放送波の探索処理を実行する。たとえば、前回視聴していたチャンネルに対応する放送波が探索される。なお、ステップS3の処理を実行するプロセッサ24は探索部として機能する。
【0071】
続いて、ステップS5では、起動画面を表示する。たとえば、メディアメニューキー74が操作された場合は、図2(C)に示す起動画面が表示される。続いて、ステップS7では放送波を探索できたか否かを判断する。つまり、前回視聴していたチャンネルに対応する放送波を探索できたかが判断される。ステップS7で“YES”であれば、たとえば前回視聴していたチャンネルに対応する放送波の探索ができていれば、ステップS17に進む。一方、ステップS7で“NO”であれば、たとえば前回視聴していたチャンネルに対応する放送波の探索ができていなければ、ステップS9で測位処理を実行する。つまり、GPS回路44を起動して、現在位置を測位する。続いて、ステップS11では、設定地域の中か否かを判断する。つまり、測位された現在位置が設定地域の中に含まれているかが判断される。
【0072】
ステップS11で“YES”であれば、つまり設定地域データ334によって示される地域に測位された現在位置が含まれていれば、ステップS15に進む。一方、ステップS11で“NO”であれば、つまり設定地域に現在位置が含まれていなければ、ステップS13で設定地域を表示する。たとえば、設定地域データ334が「大阪」を示しており、
測位された現在位置が東京都のある地点を示す経緯度であれば、図4に示すように『設定地域は「大阪」です。』の文字列がディスプレイ30に表示される。
【0073】
続いて、ステップS15で通知処理を実行する。たとえば、プロセッサ24は、探索結果として、図3,図4に示すように通知アイコン90をディスプレイ30に表示する。なお、ステップS15の処理を実行するプロセッサ24は通知部として機能する。
【0074】
続いて、ステップS17で探索タイマをリセットする。つまり所定時間を計測するために探索カウンタ336をリセットする。続いて、ステップS19では、探索タイマが満了したか否かを判断する。つまり探索タイマによって所定時間が計測されたか否かが判断される。ステップS19で“YES”であれば、つまり探索タイマが満了すれば、ステップS21で、ステップS3と同様、放送波の探索処理を実行して、ステップS5に戻る。
【0075】
一方、ステップS19で“NO”であれば、つまり探索タイマが満了していなければ、ステップS23で他の画面に遷移したか否かを判断する。たとえば、テレビキー80が操作されたかが判断される。ステップS23で“NO”であれば、たとえば携帯電話機10に何も操作がされなければ、ステップS19に戻る。また、ステップS23で“YES”であれば、たとえば図2(D)に示すように、テレビ放送およびデータ放送などが表示されると、ステップS1に戻る。
【0076】
なお、起動画面が図5(A)に示す待ち受け画面である場合、たとえば、ステップS1ではメインメニュー画面で、終話キーが操作されたか否かが判断される。そして、ステップS5では図5(A)に示す待ち受け画面が表示される。そして、ステップS15では、図5(B)に示すように、テレビキー100に通知アイコン92が関連付けて表示される。
【0077】
また、他の実施例では、デジタルチューナ36に代えて、テレビ用のアナログチューナや、ラジオ用のアナログチューナなどが設けられてもよい。
【0078】
また、携帯電話機10の通信方式はCDMA方式であるが、LTE(Long Term Evolution)方式、W−CDMA方式、GSM方式、TDMA方式、FDMA方式およびPHS方式などが採用されてもよい。
【0079】
また、本実施例で用いられた複数のプログラムは、データ配信用のサーバのHDDに記憶され、ネットワークを介して携帯電話機10に配信されてもよい。また、CD,DVD,BD(Blu−ray Disc)などの光学ディスク、USBメモリおよびメモリカードなどの記憶媒体に複数のプログラムを記憶させた状態で、その記憶媒体が販売または配布されてもよい。そして、上記したサーバや記憶媒体などを通じてダウンロードされた、複数のプログラムが本実施例と同等の構成の携帯電話機にインストールされた場合、本実施例と同等の効果が得られる。
【0080】
さらに、本実施例は、携帯電話機10のみに限らず、いわゆるスマートフォンおよびPDA(Personal Digital Assistant)に適用されてもよい。
【0081】
そして、本明細書中で挙げた、所定時間などの具体的な数値は、いずれも単なる一例であり、製品の仕様変更などに応じて適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0082】
10 … 携帯電話機
12 … アンテナ
14 … 無線通信回路
24 … プロセッサ
26 … キー入力装置
30 … ディスプレイ
34 … RAM
36 … デジタルチューナ
38 … 放送アンテナ
40 … バイブレータ
42 … LED
44 … GPS回路
46 … GPSアンテナ
100 … テレビキー
400 … GPS衛星

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送波を受信するチューナおよび前記チューナを起動するための起動画面を表示する表示装置を有する、通信端末であって、
前記起動画面を表示させるための操作がされたかを判断する判断部、
前記判断部によって前記起動画面を表示させるための操作がされたと判断されたとき、放送波を探索する探索部、および
前記探索部によって放送波の探索ができなかったとき、探索結果を通知する通知部を備える、通信端末。
【請求項2】
前記通知部は、前記探索部によって放送波の探索ができなかったとき、前記起動画面に探索結果を表示する、請求項1記載の通信端末。
【請求項3】
前記通信機器を振動させる振動部をさらに備え、
前記通知部は、前記探索部によって放送波の探索ができなかったとき、前記振動部によって前記通信機器を振動させる、請求項1または2記載の通信端末。
【請求項4】
前記放送波は、地上デジタル放送の放送波を含む、請求項1ないし3のいずれかに記載の通信端末。
【請求項5】
前記起動画面には、待ち受け画面が含まれ、
前記待ち受け画面には、前記チューナを起動するためのキーが表示される、請求項1ないし4のいずれかに記載の通信端末。
【請求項6】
現在位置を測位する測位部、および
前記探索部によって放送波の探索ができず、前記位置取得部によって取得された位置が事前に設定された地域に含まれないとき、設定地域を表示する地域表示部をさらに備える、請求項1ないし5のいずれかに記載の通信端末。
【請求項7】
放送波を受信するチューナおよび前記チューナを起動するための起動画面を表示する表示装置を有する、通信端末のプロセッサを、
前記起動画面を表示させるための操作がされたかを判断する判断部、
前記判断部によって前記起動画面を表示させるための操作がされたと判断されたとき、放送波を探索する探索部、および
前記探索部によって放送波の探索ができなかったとき、探索結果を通知する通知部として機能させる、事前通知プログラム。
【請求項8】
放送波を受信するチューナおよび前記チューナを起動するための起動画面を表示する表示装置を有する、通信端末の事前通知方法であって、
前記起動画面を表示させるための操作がされたかを判断し、
前記起動画面を表示させるための操作がされたと判断されたとき、放送波を探索し、そして
放送波の探索ができなかったとき、探索結果を通知する、事前通知方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−26868(P2013−26868A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−160449(P2011−160449)
【出願日】平成23年7月22日(2011.7.22)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】