説明

通信端末、及び通信端末の機器選択プログラム

【課題】外部機器のサービス種別情報に基づいて外部機器の選択を行うことで、携帯電話機の使用者の利便性向上に寄与し得る移動通信端末を提供する。
【解決手段】
外部機器が提供するサービスの種別を示す、サービス情報の入力を受け付ける受付手段と、外部機器との無線通信回線を確立して通信を行う通信手段と、前記通信手段が確立した無線通信回線を通じて、外部機器のサービス情報を取得するサービス情報取得手段と、前記サービス情報取得手段が取得した外部機器のサービス情報に、前記受付手段が受け付けたサービス情報の少なくとも一部が含まれる外部機器を、サービスを提供する外部機器として選択する選択手段とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器選択を行う通信端末、及び通信端末の機器選択プログラムに関する
【背景技術】
【0002】
近年、無線通信回線の普及に伴って無線通信機能を備えた持ち運び可能な通信端末の普及が進んでいる。無線通信機能を備えた通信端末の一例である携帯電話機は、無線通信回線を通じた音声通信機能やデータ通信機能を備えており、音声通話、メールの送受信などの様々な用途に活用されている。また、携帯電話機に搭載される記憶装置や情報処理装置の多様化に従って、音楽再生機能や写真撮影機能など、通信機能に限られない様々なサービスを提供可能な携帯電話機が普及している。
【0003】
このような携帯電話機が提供するサービスの多機能化に伴って、無線通信機能を使用して外部機器と接続し、外部機器との連携動作によってより充実したサービスを提供する技術が実用化されている。例えば、携帯電話機とヘッドホンを無線通信機能により接続し、接続されたヘッドホンを通じて音楽データを出力する。これにより、携帯電話機の使用者は音響性能に優れたヘッドホンを通じて音楽祭性機能を使用することができる。また、無線通信回線によって携帯電話機とヘッドホンとを接続することにより、有線配線にて接続する場合に比べ携帯電話機の使用者は配線を意識することなく外部機器を使用することができる。
【0004】
無線通信機能の中でもBluetooth(登録商標、以下同様)に規定される近距離無線通信方式を使用して携帯電話機が外部機器と接続し、外部機器と携帯電話機の接続状態や、携帯電話機における外部機器の登録情報に基づいて、外部機器の情報を携帯電話機の表示部に表示する技術が公開されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−199186
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
例として、先述したBluetoothを用いて外部機器との接続を行う携帯電話機において、自端末の周辺に多数存在する外部機器のうち、所望の外部機器をひとつ選択して無線通信回線を確立する動作について考える。一般に、このような無線通信回線の確立動作は、まず携帯電話機がBluetoothを用いて無線通信回線を確立可能な外部機器を検出する。そして、携帯電話機の使用者が検出された外部機器のうち所望の外部機器を選択することによって、外部機器との無線通信回線の確立動作が行われる。
【0007】
しかし、自端末の周辺に多数の外部機器が存在する場合には、検出される外部機器の数も同様に多くなる。そのため、携帯電話機の使用者は多数表示された外部機器の中から所望の1つを選出せねばならない。更に、外部機器毎に提供可能なサービスはそれぞれ異なるため、使用者は検出された外部機器のうち、所望のサービスを提供可能な外部機器がどれであるかを把握して選出しなければ、所望のサービスの提供を受けられない。このように、従来の外部機器との接続処理においては、携帯電話機の使用者は多数検出された外部機器のうちから1つを選択しなければならないため、使用者のサービス使用の利便性を損なう虞があった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、本発明の通信機器は、外部機器が提供するサービスの種別を示す、サービス情報の入力を受け付ける受付手段と、外部機器との無線通信回線を確立して通信を行う通信手段と、前記通信手段が確立した無線通信回線を通じて、外部機器のサービス情報を取得するサービス情報取得手段と、前記サービス情報取得手段が取得した外部機器のサービス情報に、前記受付手段が受け付けたサービス情報の少なくとも一部が含まれる外部機器を、サービスを提供する外部機器として選択する選択手段とを有することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の通信機器の機器選択プログラムは、外部機器が提供するサービスの種別を示す、サービス情報の入力を受け付ける受付手段と、外部機器との無線通信回線を確立して通信を行う通信手段と、前記通信手段が確立した無線通信回線を通じて、外部機器のサービス情報を取得するサービス情報取得手段と、前記サービス情報取得手段が取得した外部機器のサービス情報に、前記受付手段が受け付けたサービス情報の少なくとも一部が含まれる外部機器を、サービスを提供する外部機器として選択する選択手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、通信機器の使用者が提供を望むサービスの種類に基づいて、無線通信回線を確立する外部機器の選択が行えるため、使用者の利便性向上に寄与し得る通信端末及び通信端末の機器選択プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態に関わる通信端末の、内部構成を示すブロック図。
【図2】本実施形態における、通信端末と外部機器から構成されるネットワークを示す図。
【図3】本実施形態における機器選択処理のフローチャート。
【図4】本実施形態における機器選択処理に伴う画面表示の例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0013】
(携帯電話機の構成)
図1は、本実施形態における通信端末の一例である、携帯電話機の内部の構造を示すブロック図である。以下、特に断りが無い場合には、この図1に従って本発明の各構成部の動作を説明する。
【0014】
携帯電話機に搭載される制御部31は、CPU(Central Processing Unit)などの電子回路から構成される。CPUは、後述するROMあるいはRAMに記憶されているプログラムに従って処理を実行する。更にCPUは、上述した各回路部から供給される信号を処理し、また種々の制御信号を生成し、各回路部へ供給する。これらの処理により、CPUは携帯電話機を統括的に制御する。記憶部32は、例えば電気的に書き換えや消去が可能な不揮発性メモリであるフラッシュメモリ素子、HDD(Hard Disc Drive)、ROM(Read Only Memory)、およびRAM(Random Access Memory)などから構成される。記憶部32には、制御部31のCPUにより実行される種々のアプリケーションプログラムやデータ群に加えて、後述する機器選択処理に用いる機器データベースが格納されている。
【0015】
記憶部32に格納される機器データベースには、携帯電話機がこれまで無線通信回線を確立した外部機器の情報が記憶されている。
【0016】
また、携帯電話機はアンテナ21を備え、このアンテナ21を介して外部機器との無線信号の送受信を行う。本実施例においては、アンテナ21はBluetoothに規定される無線通信方式に基づく無線信号の送受信を行うものとして述べるが、本発明に適用可能な無線通信方式はこれに限られるものではない。例えば、WLAN(Wireless Local Area Network)やWirelessUSB(Universal Serial Bus)、Zigbee、Transfer-JET、W−CDM
A(Wideband Code Division Multiple Access)、LTE(Long Term Evolution)やGSM(Global System for Mobile Communications)などに規定される、様々な無線通信方式を用いても構わない。
【0017】
アンテナ21から受信された無線信号は、Bluetooth信号処理部26へと入力される。Bluetooth信号処理部26では入力された無線信号を周波数変換し、受信ベースバンド信号へと変換する。次に、Bluetooth信号処理部26は変換された受信ベースバンド信号から所定の伝送フォーマットの受信データを生成する。生成された受信データは、制御部31へと入力される。
【0018】
受信データが音声データであった場合には、制御部31により受信データのPCM複合化処理が行われ、音声信号への変換が行われる。変換された音声信号は、受話増幅器29により適正レベルまで増幅された後、スピーカ8より音声として出力される。また、受信データが制御信号であった場合には、制御信号が制御部31に入力され、制御部31はこの制御信号に基づいて携帯電話機の制御を行う。
【0019】
一方で、アンテナ21から外部機器へ向けて無線信号が送信される際には、制御部31で生成された所定の伝送フォーマットの送信データが、Bluetooth信号処理部26へと入力される。Bluetooth信号処理部26は送信データを送信ベースバンド信号へと変換し、所定の周波数へと周波数変換する。周波数変換された無線信号がBluetooth信号処理部26からアンテナ21へと入力され、アンテナ21は無線信号を外部機器に向けて送信する。例えばアンテナ21を通じて音声信号を送信する場合には、まず携帯電話機の使用者によってマイクロフォン7への音声の入力が行われる。マイクロフォン7へ入力された音声信号は、送話増幅器30により適正レベルまで増幅された後、制御部31へと入力される。制御部31は、音声信号をPCM符号化した音声データを生成する。この音声データを送信データとして、先述した無線信号の送信処理が行われる。
【0020】
なお、携帯電話機には操作キー4が設けられ、使用者による操作キー4の押下によって制御部31へ種々の操作指示が入力される。また、携帯電話機にはディスプレイ10が設けられ、制御部31から出力される画像信号に応じて種々の文字や図形が表示される。
【0021】
(機器データベースの作成)
次に、記憶部32に記録される機器データベースについて述べる。機器データベースには、例えば外部機器を一意に特定する機器識別ID情報、外部機器の機器名称情報、外部機器の種別情報、外部機器の無線通信回線上のアドレス情報などが記録される。これらの機器名称情報は、外部機器と携帯電話機とが無線通信回線を確立した際に、外部機器に予め記録された情報を読み取って記録されるものであっても構わないし、携帯電話機の使用者がこれらの情報を逐一入力するものであっても構わない。あるいは、制御部31がこれらの情報を生成するものであっても構わない。
【0022】
また、機器データベースには、携帯電話機と外部機器とが無線通信回線を確立した直近の日時の情報、機器データベースに登録された日時の情報が記録される。あるいは、無線通信回線を通じて使用された、外部機器の累積使用回数の情報、外部機器の累積使用時間の情報などが、外部機器毎に記録される。
【0023】
また、機器データベースには外部機器のサービス種別情報が記録される。サービス種別情報は、音楽の再生サービスや電話帳の交換サービスなどの、外部機器が行い得るサービスを示す情報である。例えば外部機器が音楽の再生サービスを提供するヘッドセットである場合には、ヘッドセットのサービス種別として「音楽の再生サービス」が記録される。
【0024】
例えばBluetoothにおいては、外部機器が保持するプロファイル情報を用いてサービス種別の情報を生成することができる。このプロファイル情報としては、A2DP(Advanced Audio Distribution Profile)や、AVRCP(Audio/Video Remote Control Profile)、ICP(Intercom Profile)、HID(Human Interface Device Profile)、BIP(Basic Imaging Profile)、BPP(Basic Printing Profile)あるいはHFP(Hands−Free Profile)などが存在する。
【0025】
また、Bluetoothにおいては、外部機器が保持するCoD(Class of Service)情報内に含まれる、Service Class、Major Device Class、あるいはMinor Device Classの情報を用いて、サービス種別の情報を生成してもよい。Service Classには、スピーカに関連するサービスや、電話通信に関連するサービスなどがそれぞれ分類されてService Classを構成するビットに割当てられている。制御部31はこのService Classを構成するビットを読み取って、サービス種別の情報を生成することができる。同様に、制御部31はこのMajor Device ClassやMinor Device Classを構成するビット情報を読み取って、サービス種別の情報を生成することができる。あるいは、制御部31は先述したプロファイル情報と、Major Device Class及びMinor Device Class情報とを組み合わせてサービス種別の情報を生成してもよい。
【0026】
なお、このサービス種別の情報の生成方法は、ここに列挙したものに限定されない。例えば、外部機器に記録されている機種の種別を表す情報や、機種の名称を表す情報を制御部31がアンテナ21を介して受信し、これらの情報に基づいてサービス種別の情報を生成しても構わない。また、制御部31が外部機器と携帯電話機が送受信する無線信号から、外部機器が行い得るサービスを示す情報を読み取り、この情報に基づいてサービス種別の情報を生成しても構わない。また、本実施例では例としてBluetoothを通信方式として用いる場合を示しているが、他の通信方式における、外部機器が行い得るサービスを示す情報に対応する情報を制御部31が読み取って、サービス種別の情報を生成するものであっても構わない。
【0027】
なお、機器データベースに記録される情報は、ここに列挙したものに限定されない。機器データベースには例えば、携帯電話機の使用者が機種毎に付したコメントが記録されていても構わない。また、機器データベースはここに列挙した情報のうち、いくつかを省略して構成しても構わない。
【0028】
(機器の選択処理)
以下に制御部31が行う機器の選択処理の流れを、図3を用いて説明する。図3は、携帯電話機の使用者が所望するサービスの種別に応じて、携帯電話機が外部機器を選択して接続を確立する機器の選択処理の流れを示したフローチャートである。
【0029】
まず、制御部31が機器の選択処理を開始する(ステップ100)と、制御部31はディスプレイ10にサービスの選択画面を表示し、携帯電話機の使用者による所望のサービスの選択を促す(ステップ101)。携帯電話機の使用者によって所望のサービスが入力されると、制御部31はアンテナ21を介して携帯電話機の周辺に存在する外部機器の検出を行い、記憶部32に記録された機器データベースの更新を行う(ステップ102)。
即ち、制御部31は現在携帯電話機の周辺にある外部機器は何が存在するかを検出すると共に、外部機器が提供可能なサービス種別の情報、外部機器の累積使用時間などの情報を取得する。そして、制御部31はこれらの情報を記憶部32に記録された機器データベースに記録する。なお、ステップ102に記した機器データベースの更新処理を省略し、予め記憶部32に記録された機器データベースの情報を用いて以下に述べる機器選択処理を行っても構わない。
【0030】
制御部31による機器データベースの更新が行われると、制御部31は所望のサービスを提供可能な外部機器が存在するか否かを、記憶部32に記録された機器データベースを照会して判断する(ステップ103)。機器データベース内に所望のサービスを提供する外部機器が存在しないと制御部31が判断した場合は(ステップ103のNo)、制御部31は所望のサービスを提供する外部機器が存在しない旨をディスプレイ10に表示し(ステップ104)、処理を終了する(ステップ111)。なお、制御部31が所望のサービスを提供する外部機器が存在しないと判断した場合には、ステップ102で先述した機器データベースの更新を行い、再度外部機器の検出を行っても構わない。一方、機器データベース内に所望のサービスを提供する外部機器が存在する場合には(ステップ103のYes)、制御部31は所望のサービスを提供可能な外部機器のうちで未使用のものがあるか否かを判断する(ステップ105)。外部機器が未使用であるか否かの判断は、例えば累積使用回数が0回の外部機器があるか否かによって判断する。あるいは、累積使用時間が0回の外部機器があるか否かによって判断する。未使用の外部機器が存在すると制御部31が判断した場合は(ステップ105のYes)、制御部31はこの外部機器を選択し(ステップ106)、選択した外部機器をディスプレイ10に表示して(ステップ110)、処理を終了する(ステップ111)。機器データベース内に未使用の外部機器が存在しないと制御部31が判断した場合は(ステップ105のNo)、制御部31は所望のサービスを提供可能な外部機器のうちで累積使用回数が最大の外部機器が複数存在するか否かを判断する(ステップ107)。制御部31は累積使用回数が最大の外部機器が複数存在しない、すなわち1つのみ存在すると判断すると(ステップ107のNo)、所望のサービスを提供可能な外部機器のうち累積使用回数が最大の外部機器を選択し(ステップ108)、選択した外部機器をディスプレイ10に表示して(ステップ110)、処理を終了する(ステップ111)。一方、累積使用回数が最大の機器が複数存在すると制御部31が判断した場合には(ステップ107のYES)、制御部31は所望のサービスを提供可能な外部機器のうち直近に使用した外部機器を選択し(ステップ109)、選択した外部機器をディスプレイ10に表示して(ステップ110)、処理を終了する(ステップ111)。直近に使用した外部機器がどれであるかの選択は、例えば制御部31が記憶部32に記憶された機器データベースから外部機器が未使用となっている時間を読み出し、この未使用時間が最小となる外部機器を選択することで行われる。
【0031】
(機器の選択処理の動作例)
次に、図2に示す携帯電話機と外部機器から構成されるネットワークにおいて、先述した機器選択処理の例を述べる。図4は、機器選択処理に伴ってディスプレイ10に表示される画面表示の例である。
【0032】
まず、携帯電話機の使用者によって所望のサービスの選択が行われる(ステップ101、図4(a))。このとき所望のサービスが「2.音楽を聴く」であった場合、制御部31は記憶部32に記録された機器データベース内に「2.音楽を聴く」サービスを提供可能な外部機器が存在するか否かを判断する(ステップ103)。図2において、「2.音楽を聴く」サービスに該当するプロファイルであるA2DPを有する外部機器は、携帯電話機71、ヘッドセット72、及びコンピュータ74の3つである(ステップ103のYes)。次に、制御部31はこれら3つの外部機器のうち、未使用のものが無いか否かを判断する(ステップ105)。図2においては、3つの外部機器のうちに未使用のものが無いため(ステップ105のNo)、制御部31は3つの外部機器のうち、累積使用回数が最大のものを選択する(ステップ107)。図2においては、3つの外部機器のうち累積使用回数が最大となるのは、累積使用回数が100回のヘッドセット72である。制御部31はヘッドセット72を選択して(ステップ108)、ディスプレイ10に表示して(ステップ110、図4(b))、処理を終了する(ステップ111)。ここで図4(b)に示すように、ディスプレイ10に選択した外部機器を表示する際には、選択した外部機器と無線通信回線を確立するボタンや、あるいはサービスを提供可能な外部機器のうち選択されなかった外部機器を表示するボタンを表示してもよい。あるいは、選択された外部機器の機器名称などの、機器データベース内に記録された情報の一部を変更するボタンを表示してもよい。携帯電話機の使用者がこれらのボタンを選択操作することにより、制御部31はボタンに対応した処理を行う。図4(c)にサービスを提供可能な外部機器のうち、選択されなかった外部機器をディスプレイ10に表示する際の画面表示例を示す。
外部機器の表示は、サービス提供可能な外部機器をリスト状に表示することで行う。携帯電話機の使用者がリストに表示された外部機器を選択すると、制御部31はディスプレイ10に図4(b)と同様の機器選択画面を表示する。なお、図4(c)に例示した外部機器のリストは、例えば外部機器の累積使用時間の順に並べて表示してもよい。これにより、携帯電話機の使用者は使い慣れた、頻繁に使用する外部機器を優先して選択することができる。
【0033】
なお、ステップ109にて直近に使用した機器を選択する際にも、図4(b)に述べた場合と同様に、選択した外部機器と無線通信回線を確立するボタンや、あるいはサービスを提供可能な外部機器のうち選択されなかった外部機器を表示するボタンを表示してもよい。あるいは、選択された外部機器の機器名称などの、機器データベース内に記録された情報の一部を変更するボタンを表示してもよい。また、図4(c)に述べた場合と同様に、ステップ109にて直近に使用した機器を選択する際に、サービス提供可能な外部機器のうち、選択されなかった外部機器をディスプレイ10に表示してもよい。外部機器のリストは、例えば未使用時間の短い外部機器を上位に表示してもよい。これにより、携帯電話機の使用者は直近に使用した、使い慣れた外部機器を優先して選択することができる。
【0034】
次に、携帯電話機の使用者の所望のサービスが「4.コントローラをつなぐ」であった場合の処理について述べる。制御部31は所望のサービスの入力を受け付けると、記憶部32に記録された機器データベース内に「4.コントローラをつなぐ」サービスを提供可能な外部機器が存在するか否かを判断する(ステップ103)。図2において、「4.コントローラをつなぐ」サービスに該当するプロファイルである、HIDを有する外部機器はコンピュータ74、キーボード75の2つである(ステップ103のYes)。次に、制御部31は検出された外部機器に、未使用のものがあるか否かを判断する(ステップ105)。図2において、2つの外部機器のうちキーボード75は累積使用回数が0回であるため、未使用であると制御部31によって判断される(ステップ105のYes)。制御部31はキーボード75を選択し(ステップ106)、ディスプレイ10に表示して(ステップ108、図4(d))、処理を終了する(ステップ109)。図4(e)にサービスを提供可能な外部機器のうち選択されなかった外部機器をディスプレイ10に表示する際の画面表示例を示す。外部機器の表示は、サービス提供可能な外部機器をリスト状に表示することで行う。携帯電話機の使用者がリストに表示された外部機器を選択すると、制御部31はディスプレイ10に図4(d)と同様の機器選択画面を表示する。なお、図4(c)に例示した外部機器のリストは、例えば未使用の外部機器を優先して上位に表示させてもよい。これにより、携帯電話機の使用者は新たに追加した外部機器を優先して選択することができる。
【0035】
次に、携帯電話機の使用者の所望のサービスが「5.画像を印刷する」であった場合の処理について述べる。制御部31は所望のサービスの入力を受け付けると、記憶部32に記憶された機器データベース内に「5.画像を印刷する」サービスを提供可能な外部機器が存在するか否かを判断する(ステップ103)。図2において、「5.画像を印刷する」サービスに該当するプロファイルである、BPPを有する外部機器は存在しない(ステップ103のNo)。制御部31は、所望のサービスを提供可能な外部機器が存在しない旨をディスプレイ10に表示する(ステップ104、図4(f))。
【0036】
以上の処理によって、図4(b、d)に示すように、制御部31は所望のサービスを提供可能な外部機器を1つだけ選択して表示する。これにより、携帯電話機の使用者は外部機器が提供可能なサービス種別の情報を逐一把握し、選択する手間が省かれ、所望のサービスを提供可能な外部機器を自動的に選択して、無線通信回線を確立するか否かの操作を行うことができる。更にこのとき、累積使用回数の多い外部機器を選択することによって、携帯電話機の使用者にとって使い慣れた、頻繁に使用する外部機器を自動で選択することができる。また、以上の処理によって、制御部31は所望のサービスを提供可能な外部機器のうち、未使用のものを選択して表示する。このとき未使用の外部機器を選択することで、新しく登録した外部機器を優先して選択することができる。また、以上の処理によって、制御部31は所望のサービスを提供可能な外部機器のうち、累積使用回数の多い外部機器が複数存在する場合には、直近に使用した機器を選択して表示する。このとき直近に使用した機器を選択することで、頻繁に使用する外部機器が複数存在する場合であっても、携帯電話機の使用者にとって使い慣れた外部機器を1つのみ選択することができる。
【0037】
また、以上の処理によって、図4(c、e)に示すように、制御部31は所望のサービスを提供可能な外部機器を選択してリスト状に表示する。これにより、携帯電話機の使用者は外部機器が提供可能なサービス種別の情報を把握する手間が省かれ、所望のサービスを提供可能な外部機器をリスト状に表示することができる。更にこのとき、累積使用回数の多い外部機器をリスト上位に表示することによって、携帯電話機の使用者にとって使い慣れた、頻繁に使用する外部機器を優先的に選択することができる。また、以上の処理によって、制御部31は所望のサービスを提供可能な外部機器のうち、未使用のものをリスト上位に表示する。携帯電話機の使用者は、新しく登録した外部機器を優先して選択することができる。また、以上の処理によって、制御部31は所望のサービスを提供可能な外部機器のうち、直近に使用した外部機器をリスト上位に表示することによって、携帯電話機の使用者にとって使い慣れた外部機器を優先して選択することができる。
【0038】
なお、本実施例においては図(b,d)に示したように、所望のサービスを提供可能な外部機器を1つ選択しディスプレイ10に表示する場合を述べた。しかし、本発明の動作はこれに限られるものではない。例えば選択されなかった外部機器のアイコンなどをディスプレイ10の下部に並べて表示し、携帯電話機の使用者がこのアイコンを選択することで、制御部31が改めて外部機器の選択を行うものとしてもよい。これにより、制御部31が選択した外部機器が携帯電話機の使用者の所望する外部機器と異なるものであった場合にも、簡便に外部機器の再選択を行うことが可能となる。
【0039】
なお、本実施例においては外部機器の累積使用回数、及び未使用時間に基づいて外部機器の選択及びリスト表示の並べ替えを行うと述べたが、本発明の動作はこれに限られるものではない。例えば、一定の期間中、例えば直近1週間の累積使用時間や累積使用回数に基づいて外部機器の選択及びリスト表示を行ってもよい。また、外部機器の累積使用回数や、1度の無線通信回線の確立中に連続して使用された時間の長さ、機器の登録日時、機器データベースにおける外部機器情報の変更日時、前回外部機器を使用してから未使用となっている時間の長さ、外部機器の名称、外部機器の提供可能なサービス種別の数、外部機器の無線通信回線上のアドレス、外部機器の無線通信回線における無線信号の品質など、様々な情報に基づいて外部機器の選択及びリスト表示の並べ替えを行っても構わない。更に、外部機器の選択及びリスト表示の並べ替えを外部機器のどの情報に基づいて行うかは、携帯電話機の使用者が自由に選択できるものとしても構わない。
【0040】
なお、ここに述べた実施の形態において、移動通信端末の例として携帯電話機を挙げて説明を行った。しかし、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、例えばPDA(Personal Digital Assistant)や小型情報処理機器などにも適用できる。また、パーソナルコンピュータやテレビ、あるいは固定電話機などの据え置き型の情報処理機器などにも適用できる。本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲であれば、構成要素を変形して具体化してもよい。また、上記各実施形態に開示されている複数の構成要素の適宣な組み合わせにより、種々の発明を形成してもよい。例えば、各実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を排除してもよい。
【符号の説明】
【0041】
4 操作キー
7 マイクロフォン
8 スピーカ
10 ディスプレイ
21 アンテナ
26 Bluetooth信号処理部
29 受話増幅器
30 送話増幅器
31 制御部
32 記憶部
70 携帯電話機
71 携帯電話機
72 ヘッドセット
73 カメラ
74 コンピュータ
75 キーボード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部機器との無線通信回線を確立して通信を行う通信手段と、
外部機器が提供するサービスの種別を示すサービス情報を含む、サービス指示の入力を受け付ける受付手段と、
前記通信手段が確立した無線通信回線を通じて、外部機器のサービス情報を取得するサービス情報取得手段と、
前記サービス情報取得手段が取得した外部機器のサービス情報のうち、少なくとも一部に、前記受付手段が受け付けたサービス情報が含まれる外部機器を、サービスを提供する外部機器として選択する選択手段と
を有することを特徴とする通信端末。
【請求項2】
外部機器との無線通信回線を確立して通信を行う通信手段と、
外部機器が提供するサービスの種別を示すサービス情報を含む、サービス指示の入力を受け付ける受付手段と、
外部機器を識別する外部機器固有情報及び、外部機器固有情報に関連付けられたサービスの提供履歴情報を記憶する記憶部と、
前記サービス情報取得手段が取得した外部機器のサービス情報のうち、少なくとも一部に、前記受付手段が受け付けたサービス情報が含まれる外部機器を、サービスを提供する外部機器として選択する選択手段と
を有することを特徴とする通信端末。
【請求項3】
前記選択手段は、
外部機器のサービス情報に、前記受付手段が受け付けたサービス情報の少なくとも一部が含まれる外部機器に関するサービスの提供履歴情報を前記記憶部から読み出し、
外部機器が提供したサービスの提供時間が最も長い外部機器、あるいは外部機器がサービスを提供した回数の最も多い外部機器を、サービスを提供する外部機器として選択する
ことを特徴とする請求項2に記載の通信端末。
【請求項4】
前記選択手段は、
外部機器のサービス情報に、前記受付手段が受け付けたサービス情報の少なくとも一部が含まれる外部機器に関するサービスの提供履歴情報を前記記憶部から読み出し、
外部機器がサービスを提供した回数が0回である外部機器を、サービスを提供する外部機器として選択する
ことを特徴とする請求項2に記載の通信端末。
【請求項5】
前記選択手段は、
外部機器のサービス情報に、前記受付手段が受け付けたサービス情報の少なくとも一部が含まれる外部機器に関するサービスの提供履歴情報を前記記憶部から読み出し、
外部機器が提供したサービスの提供時間が最も長い外部機器、あるいは外部機器がサービスを提供した回数の最も多い外部機器が複数存在する場合には、
該複数の外部機器のうち、直近にサービスを提供した外部機器をサービスを提供する外部機器として選択する
ことを特徴とする請求項4に記載の通信端末。
【請求項6】
外部機器が提供するサービスの種別を示す、サービス情報の入力を受け付ける受付手段と、
外部機器との無線通信回線を確立して通信を行う通信手段と、
前記通信手段が確立した無線通信回線を通じて、外部機器のサービス情報を取得するサービス情報取得手段と、
外部機器のサービス情報に、前記受付手段が受け付けたサービス情報の少なくとも一部が含まれる外部機器を、サービスを提供する外部機器として選択する選択手段と
を有することを特徴とする通信端末の機器選択プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2011−77950(P2011−77950A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−228912(P2009−228912)
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
2.GSM
【出願人】(310022372)富士通東芝モバイルコミュニケーションズ株式会社 (219)
【Fターム(参考)】