説明

通信端末および該通信端末による安否確認方法

【課題】高齢者等の単身生活者の安否確認を、該単身生活者およびその監視者に煩雑な操作を強いることなく、容易に行うことができる通信端末および該通信端末による安否確認方法を提供すること。
【解決手段】被監視者側端末1は、高齢の単身生活者等の被監視者によって所持される携帯電話機等の通信端末であり、監視者側端末2は、単身生活者の近親者等の監視者によって所持される携帯電話機または固定電話機等の通信端末である。被監視者側端末1は、検知回路部3による感知結果から、パターン認識判定部7が所定の移動パターンを検出した場合に、メッセージ送信制御部8は通信回路部4を介して監視者側端末2に、被監視者に異常がない旨のメッセージを送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信端末および該通信端末による安否確認方法に関し、特に高齢者等の安否を確認するための通信端末および該通信端末による安否確認方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の核家族化の進行に伴って単身生活者が増加してきており、単身生活者の中には高齢者あるいは病人等の安否確認を要する者も多い。これらの単身生活者の安否確認には、その生活場所を直接訪問することが望ましいが、近親者等の監視者の住居が近隣に存在しない場合も多く、定期的な訪問は容易ではない。
【0003】
そこで、1人暮らしの高齢者等の安否を確認するための技術がいくつか開示されている。例えば、特許文献1には、被監視者である高齢者等に異常が発生して、ある位置から移動できない状況が一定時間継続した場合等に、この異常を検出して監視者に通知することができる携帯通信システムが開示されている。具体的には、被監視者が携帯する携帯端末の自己位置が検出された際に、自己位置が所定時間にわたって変化しない場合に、監視者が携帯する携帯端末に対して異常通知を行うものである。
【0004】
また、特許文献2には、屋内および屋外を問わずに被監視者の身に何か異常が起こった可能性がある場合に、それを検出してその旨のメッセージが監視者に送信される監視装置が開示されている。具体的には、無線送受信機能を備えた携帯電話機が、最後に被監視者によってキー入力操作されてから所定時間が経過した場合に、異常通知メッセージを監視者に送信するものである。
【0005】
一方、特許文献3には、被監視者が体調の異常により動けなかったり、病気等で危険な状態にあったりする場合を判断する携帯端末装置が開示されている。具体的には、人の体動および/または移動を検出可能な検出手段によって、人の体動および/または移動が所定時間検出されなかったときには、人が倒れている等の異常事態と判断し、監視者に対して自動的に連絡をするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−3992号公報
【特許文献2】特開2004−282165号公報
【特許文献3】特開2006−325261号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した特許文献1〜3に開示されている技術では、高齢者等の安否確認を行うのが難しい場合がある。例えば、特許文献1に開示されている技術では、GPS(Global Positioning System)を利用して携帯端末の自己位置を検出しているが、現行のGPSでは精度が十分ではない上に、室内ではその精度がさらに悪くなる。それ故、確実な安否確認を行うのは難しい。
【0008】
また、特許文献2に開示されている技術では、被監視者が最後に携帯電話機のキー入力操作をしてから所定時間が経過した場合に、異常通知メッセージを監視者に送信しており、被監視者が携帯電話機を操作することを前提としている。しかし、一部の高齢者では携帯電話機の操作に不慣れであったり、病気を患っているために操作を行うことが難しかったりする場合がある。そのため、このような高齢者には、特許文献2に開示されている技術は不向きである。
【0009】
特許文献3に開示されている技術においても、GPSを利用した位置検出あるいは携帯端末装置に対するキー操作をもって被監視者の体動および/または移動を検出している。そのため、上述した特許文献1および2と同様の問題を有している。
【0010】
なお、特許文献1〜3に開示されているような携帯端末を利用して1人暮らしの高齢者等の安否確認を行う方法以外に、カメラを設置したり、コールシステムを設置したりする方法もある。しかし、カメラあるいはコールシステム等の設置には設備費用、管理費、および、通信費等の諸費用がかかってしまう。またこの場合、監視者がシステムにアクセスする必要があり、煩雑である。
【0011】
そこで、本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、高齢者等の被監視者の安否確認を、該被監視者およびその監視者に煩雑な操作を強いることなく、容易に行うことができる通信端末および該通信端末による安否確認方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る通信端末は、上記の課題を解決するために、自身の移動を感知するモーションセンサと、上記モーションセンサによる感知結果から、所定の移動パターンを検出する検出部と、予め定められた連絡先にメッセージを送信する通信部とを備え、上記検出部が上記所定の移動パターンを検出した場合に、上記通信部は上記予め定められた連絡先に異常がない旨のメッセージを送信することを特徴としている。
【0013】
上記の構成によれば、通信端末の移動の感知結果から所定の移動パターンを検出した場合は、通信端末を所持している高齢者等の被監視者が日常動作をしていると想定されるので、被監視者に異常がないと判断される。この場合、異常がない旨のメッセージを予め定められた連絡先(すなわち、監視者)に自動または手動で送信する。
【0014】
このように、被監視者が日常動作をしている中で該被監視者の安否確認を行うことができるので、被監視者およびその監視者に煩雑な操作を強いることなく、容易に安否確認を行うことができる。特に本発明では、カメラを設置したり、コールシステムを設置したりする必要がないので、カメラあるいはコールシステム等の設置に伴う設備費用、管理費、および、通信費等の諸費用がかからない。
【0015】
また、本発明に係る通信端末においては、上記検出部が上記所定の移動パターンを検出した場合に、上記通信部は上記異常がない旨のメッセージを自動的に送信することを特徴としている。
【0016】
上記の構成によれば、病気を患っているために通信端末の操作を行うことが難しい高齢者等の場合でも、異常がない旨のメッセージが自動的に監視者に送信されるので問題がない。
【0017】
また、本発明に係る通信端末においては、上記通信部が上記異常がない旨のメッセージを送信する前に、上記異常がない旨のメッセージを送信するか否かをユーザに対して確認する確認部と、上記異常がない旨のメッセージの送信を上記ユーザが指示するための入力部とをさらに備え、上記検出部が上記所定の移動パターンを検出した場合に、上記入力部において上記異常がない旨のメッセージの送信が上記ユーザによって指示されると、上記通信部は上記異常がない旨のメッセージを送信することを特徴としている。
【0018】
上記の構成によれば、確認部によって上記のメッセージを送信するか否かの確認を被監視者に対して行っている。そして、被監視者は上記のメッセージを送信するか否かの指示を入力部に入力することによって、上記のメッセージの送信と非送信とを選択することができる。したがって、異常がある旨のメッセージを被監視者が手動で送信することができる。ここで、異常がない旨のメッセージを手動送信する場合でも、入力部から上記のメッセージの送信と非送信とを選択するだけでよいので、携帯電話機等の操作に不慣れな高齢者でも容易に操作を行うことができる。
【0019】
また、本発明に係る通信端末においては、上記確認部は、上記異常がない旨のメッセージを送信するか否かを確認する文章、図あるいは記号を表示するディスプレイ、または、上記異常がない旨のメッセージを送信するか否かを確認する音声を流すスピーカ、あるいは、上記異常がない旨のメッセージを送信するか否かをシグナルによって確認するランプであることを特徴としている。
【0020】
上記の構成によれば、通信端末のディスプレイの表示またはスピーカからの音声を確認し、異常がある旨のメッセージを送信するか否かを被監視者が決定することができる。
【0021】
また、本発明に係る通信端末においては、上記モーションセンサは、加速度センサ、地磁気センサ、または、ジャイロセンサであることを特徴としている。
【0022】
上記の構成によれば、被監視者の身動きに伴う通信端末の移動を感知することができる。
【0023】
また、本発明に係る通信端末においては、上記通信部は、無線通信によって上記メッセージを送信することを特徴としている。
【0024】
上記の構成によれば、通信端末を携帯することが可能であるので、被監視者は該通信端末を常時携帯することが可能となる。すなわち、より精度の高い安否確認が実現される。
【0025】
また、本発明に係る通信端末においては、電力を供給する電源部をさらに備え、上記電源部の電力残量が所定の量を下回った場合に、上記通信部は上記予め定められた連絡先に上記電源部の電力残量が少ない旨のメッセージを送信することを特徴としている。
【0026】
また、本発明に係る通信端末においては、上記電源部は、充電可能であることを特徴としている。
【0027】
上記の構成によれば、監視者は、通信端末の電力がなくなってしまう前に、該通信端末の充電、電池交換等を行うことができる。あるいは、通信端末の電力がなくなってしまう前に、被監視者の安否確認を行うために、監視者が被監視者に連絡を取ることもできる。
【0028】
また、本発明に係る通信端末においては、通信端末を操作していない時間、上記モーションセンサが移動を感知していない時間、または、上記検出部が上記所定の移動パターンを検出していない時間が所定の時間を超えた場合に、上記通信部は上記予め定められた連絡先に異常がある旨のメッセージを自動的に送信することを特徴としている。
【0029】
上記の構成によれば、モーションセンサによる感知結果から所定の移動パターンを所定の時間検出しなかったり、通信端末の移動を所定の時間感知しなかったり、被監視者による通信端末の操作を所定の時間検知しなかったりした場合には、被監視者が日常動作をしていない可能性が高いので、被監視者に異常があると判断される。この場合、異常がある旨のメッセージを監視者に自動で送信する。そのため、上記のメッセージを受け取った監視者は、すぐに被監視者に連絡をとったり、被監視者のもとに駆けつけたりすることができる。
【0030】
本発明に係る通信端末による安否確認方法は、上記の課題を解決するために、上述したいずれかの通信端末による安否確認方法であって、上記通信端末の移動を感知するステップと、上記通信端末の移動の感知結果から、所定の移動パターンを検出するステップと、上記所定の移動パターンを検出した場合に、予め定められた連絡先に異常がない旨のメッセージを送信するステップとを含んでいることを特徴としている。
【0031】
上記の方法によれば、高齢者等の被監視者の安否確認を、該被監視者およびその監視者に煩雑な操作を強いることなく、容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明においては、通信端末の移動の感知結果から所定の移動パターンを検出した場合は、通信端末を所持している高齢者等の被監視者が日常動作をしていると想定されるので、被監視者に異常がないと判断される。この場合、異常がない旨のメッセージを予め定められた連絡先(すなわち、監視者)に自動または手動で送信する。このように、被監視者が日常動作をしている中で該被監視者の安否確認を行うことができるので、被監視者およびその監視者に煩雑な操作を強いることなく、容易に安否確認を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の一実施形態に係る通信端末の要部構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る被監視者側端末による安否確認の流れを示すフロー図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る被監視者側端末の操作の有無に基づいて、被監視者の異常を判断する場合の流れを示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図面に基づいて、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、以下の説明においては、同一の機能および作用を示す部材については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0035】
(通信端末の構成)
本実施形態に係る通信端末の構成について、図1を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る通信端末の要部構成を示すブロック図である。
【0036】
図1中に示す被監視者側端末1は、高齢の単身生活者等の被監視者によって所持される携帯電話機等の通信端末であり、監視者側端末2は、単身生活者の近親者等の監視者によって所持される携帯電話機または固定電話機等の通信端末である。被監視者側端末1では、通信回路部4を介した有線通信あるいは無線通信によって、監視者側端末2と通信可能になっており、監視者が被監視者の安否確認を行うことができるように構成されている。具体的には、被監視者側端末1から安否を知らせるメッセージを所定のタイミングで監視者側端末2に送信するように構成されている。したがって、予め定められた連絡先(すなわち、監視者)に被監視者の安否を知らせるメッセージが所定のタイミングで送信される。なお、監視者側端末2は、1つであってもよいし、複数であってもよい。
【0037】
以下に、被監視者側端末1の具体的な構成について説明する。図1に示すように、被監視者側端末1は、検知回路部3、通信回路部4(通信部)、入力回路部5(入力部)、および、CPU(Central Processing Unit)6を有している。CPU6は、パターン認識判定部7(検出部)、メッセージ送信制御部8、タイマ回路部9、および、報知部10(確認部)を有している。
【0038】
検知回路部3は、被監視者側端末1の移動を感知するセンサ(モーションセンサ)を有している。該モーションセンサとしては、例えば3軸センサ(例えば加速度センサ等)または6軸センサ(例えば加速度センサと地磁気センサとの併用等)、あるいは、これらのセンサとジャイロセンサとの併用等が挙げられる。このようなモーションセンサを用いることによって、被監視者の身動きに伴う被監視者側通信端末1の移動を感知することができる。
【0039】
パターン認識判定部7では、検知回路部3による感知結果から、所定の移動パターンを検出する。パターン認識判定部7は記憶回路を有しており、上記の所定の移動パターンを検出した結果の情報(以下、検出情報と称す)を記憶している。ここで、所定の移動パターンとは、例えば被監視者側端末1をそのセンターラインを中心軸として1回転させた動きであったり、被監視者側端末1を垂直または水平方向に90°以上動かした後に、10秒以内に水平または垂直方向に45°以上に動かした動きであったり、特に限定はない。したがって、被監視者が被監視者側端末1を所持しながら身動きをした場合に、該被監視者側端末1に与えられ得る動きであればよい。換言すれば、被監視者側端末1を所持している被監視者が日常動作をしていると考えられるような動きであればよい。
【0040】
メッセージ送信制御部8では、タイマ回路部9からの時刻情報に基づいて、所定のタイミングでパターン認識判定部7から上記の所定の移動パターンの検出情報を取得する。ここで、メッセージ送信制御部8がパターン認識判定部7から上記の検出情報を取得するタイミングとは、換言すれば被監視者の安否確認を行うタイミングである。したがって、被監視者の安否確認を行うタイミングは、監視者に被監視者の安否を知らせるメッセージを送信するタイミングと同期している。よって、メッセージ送信制御部8では、安否を知らせるメッセージを送信するタイミングでパターン認識判定部7から上記の検出情報を取得している。この際、メッセージ送信制御部8では、前回の安否確認から今回の安否確認までの間の検出情報に基づいて、被監視者の異常の有無を判断しており、それに応じて監視者側端末2へのメッセージの送信を制御している。詳しくは後述するが、メッセージ送信制御部8では、「元気です」等、被監視者に異常がない旨のメッセージの送信、および、「連絡ください」等、被監視者に異常がある旨のメッセージの送信を制御している。パターン認識判定部7からの情報に基づいて、被監視者に異常がない旨のメッセージを送信する場合は、直接通信回路部4を介して監視者側端末2に送信するか、一度報知部10および入力回路部5を介して被監視者の確認を行ってから、上記のメッセージの送信を行う。
【0041】
前者の場合は、そのまま通信回路部4を介して上記のメッセージの送信を行う。一方、後者の場合は、まず報知部10によって、上記のメッセージの送信を行うか否かの確認を被監視者に対して行う。具体的には、報知部10は、上記のメッセージの送信を行うか否かを確認する文章や図・記号を表示するディスプレイ、または、上記のメッセージの送信を行うか否かを確認する音声を流すスピーカ、あるいは、色や点灯/点滅等によるシグナルによって、確認操作を伝えるランプ等である。ランプによる確認の具体例としては、被監視者側端末1に装備されているLED等の光源が点灯/点滅あるいは色の組み合わせでメッセージの代わりをしたり、送信ボタン/非送信ボタンが光ってその確認動作を促したりする等して異常がない旨のメッセージを送信するか否かを確認する構成が挙げられる。
被監視者は、報知部10の表示、音声、あるいは、点灯等を確認し、上記のメッセージを送信するか否かの指示を入力回路部5に入力する。ここで、入力回路部5は、スイッチまたはボタン等、メッセージの送信と非送信を選択できるものであればよい。被監視者が入力回路部5から異常がない旨のメッセージの送信を指示すると、メッセージ送信制御部8は、通信回路部4を介して上記のメッセージの送信を行う。一方、被監視者が入力回路部5から異常がない旨のメッセージの送信を指示しなかった場合は、上記のメッセージは監視者側端末2には送信されない。
【0042】
これに対して、パターン認識判定部7からの情報に基づいて、被監視者に異常がある旨のメッセージを送信する場合は、直接通信回路部4を介して監視者側端末2に送信する。
【0043】
ところで、上述したように被監視者側端末1は、携帯電話機等の携帯端末であってもよい。被監視者側端末1が携帯電話機等の携帯端末である場合は、被監視者は該被監視者側端末1を常時携帯することが可能となる。すなわち、より精度の高い安否確認が実現される。図1には、被監視者側端末1が最低限必要な部材(すなわち、被監視者の安否確認を行うのに最低限必要な部材)を示しているが、被監視者側端末1が携帯電話機等の携帯端末として機能するために必要な各種部材は適宜追加可能であり、ここではそれらの部材についての説明は省略する。
【0044】
(安否確認の対象となる時間帯)
安否確認の対象となる時間帯は任意であり、監視者が適宜設定できるように構成されている。ここで、安否確認の対象となる時間帯とは、検知回路部3が被監視者側端末1の移動を感知する時間帯である。したがって、上記の安否確認の対象となる時間帯に検知回路部3による感知結果から、所定の移動パターンをパターン認識判定部7が検出した結果の情報に基づいて、メッセージ送信制御部8は被監視者の安否の確認を行っている。
【0045】
例えば、安否確認の対象となる時間帯を6時〜23時に設定した場合、メッセージ送信制御部8は、6時〜23時の間の検出情報に基づいて、被監視者の安否の確認を行う。したがって、23時〜翌朝6時の間は、安否確認が行われない。このように、被監視者の睡眠時間帯等、被監視者の身動きに伴う被監視者側端末1の移動が感知されない可能性が高い時間帯を安否確認の対象外とすることができる。これによって、異常がないのに、異常がある旨のメッセージが送信されるのを有効に防ぐことができる。安否確認を行う時間帯はタイマ回路部9によって管理している。
【0046】
また、安否を知らせるメッセージは、安否確認の対象となる時間帯に1回送るように設定してもよいし、それ以上送るように設定してもよく、特に限定はない。例えば安否確認の対象となる時間帯に安否を知らせるメッセージを1回送るように設定する場合、毎朝10時に安否を知らせるメッセージを送るように設定しているとする(安否確認を行う時間帯は6時〜23時とする)。この場合、10時〜23時、および、翌朝6時〜10時が1日の安否確認の対象となる時間帯であり、1日の安否確認の対象となる時間帯が終了した時点で安否を知らせるメッセージを送信する。すなわち、メッセージ送信制御部8は、1日の安否確認の対象となる時間帯が終了した翌朝10時の時点で10時〜23時、および、翌朝6時〜10時までの間の上記の検出情報をパターン認識判定部7から取得し、被監視者の異常の有無を判断する。そして、その判断に応じたメッセージを監視者に送信するように制御する。
【0047】
したがって、例えば安否確認の対象となる時間帯に安否を知らせるメッセージを3回送るように設定する場合、毎日10時、16時、および、22時に安否を知らせるメッセージを送るように設定しているとする(安否確認を行う時間帯は6時〜23時とする)。この場合、10時〜16時が安否確認の対象となる1回目の時間帯であり、16時〜22時が安否確認の対象となる2回目の時間帯であり、22時〜23時および翌朝6時〜10時が安否確認の対象となる3回目の時間帯であり、安否確認の対象となる各回の時間帯が終了した時点で安否を知らせるメッセージを送信する。すなわち、メッセージ送信制御部8は、1回目の安否確認の対象となる時間帯が終了した16時の時点で10時〜16時までの間の上記の検出情報をパターン認識判定部7から取得し、被監視者の異常の有無を判断する。そして、その判断に応じたメッセージを監視者に送信するように制御する。2回目および3回目の安否確認の対象となる時間帯が終了した時点でも、それぞれ上記と同様のタイミングで検出情報を取得し、被監視者の異常の有無を判断し、その判断に応じたメッセージを監視者に送信する。なお、以上では具体例を挙げているが、本発明は必ずしもこれに限定されるわけではないことは言うまでもない。
【0048】
(異常がない旨のメッセージの送信)
以下には、メッセージ送信制御部8によるメッセージの送信の制御について、詳しく説明する。上述したように、メッセージ送信制御部8では、被監視者に異常がない旨のメッセージの送信と、被監視者に異常がある旨のメッセージの送信とを制御している。
【0049】
まず、被監視者に異常がない旨のメッセージを送る場合について説明する。メッセージ送信制御部8は、パターン認識判定部7から取得した検出情報に基づいて、被監視者の異常の有無を判断する。具体的には、前回の安否確認から今回の安否確認までの間に、パターン認識判定部7が、検知回路部3による感知結果から所定の移動パターンを検出した場合は、被監視者に異常はないと判断する。そこで、メッセージ送信制御部8では、異常がない旨のメッセージを監視者側端末2に送信するように制御する。
【0050】
ここで、本実施形態では、監視者側端末2への異常がない旨のメッセージの送信を自動送信するか手動送信にするかを選択できる。上記のメッセージの送信が自動送信に設定されている場合は、メッセージ送信制御部8は、通信回路部4を介して、異常がない旨のメッセージを監視者側端末2に自動的に送信する。一方、上記のメッセージの送信が手動送信に設定されている場合は、上述したように、報知部10によって、上記のメッセージの送信を行うか否かの確認を被監視者に対して行う。そして、被監視者は、入力回路部5を介して、上記のメッセージの送信または非送信の指示を行う。
【0051】
被監視者が入力回路部5から異常がない旨のメッセージの送信を指示すると、メッセージ送信制御部8は、通信回路部4を介して上記のメッセージの送信を行う。一方、被監視者が入力回路部5から異常がない旨のメッセージの送信を指示しなかった場合は、上記のメッセージは監視者側端末2には送信されない。
【0052】
(異常がある旨のメッセージの送信)
続いて、被監視者に異常がある旨のメッセージを送る場合について説明する。前回の安否確認から今回の安否確認までの間に、パターン認識判定部7が、検知回路部3による感知結果から所定の移動パターンを検出しなかった場合は、パターン認識部7によって所定の移動パターンが検出されていない時間が任意の一定時間を超えたか否かをメッセージ送信制御部8が判断する。ここで、所定の移動パターンが検出されていない時間とは、1日の安否確認の対象となる時間帯の開始時刻から現時点までの間に上記の所定の移動パターンが検出されていない時間である。したがって、例えば安否確認の対象となる時間帯に安否を知らせる1回メッセージを送るように設定する場合、毎朝10時に安否を知らせるメッセージを送るように設定しているとする(安否確認を行う時間帯は6時〜23時とする)。この場合、1日の安否確認の対象となる時間帯の開始時刻である朝10時から現時点までの間に、所定の移動パターンが検出されていない時間が任意の一定時間を超えたか否かを判断する。
【0053】
所定の移動パターンが検出されていない時間が任意の一定時間を超えた場合は、メッセージ送信制御部8は被監視者に異常があると判断する。そこで、メッセージ送信制御部8では、異常がある旨のメッセージを監視者側端末2に送信するように制御する。被監視者に異常がある旨のメッセージを送信する場合は、通信回路部4を介して監視者側端末2に自動的に送信する。
【0054】
もし、所定の移動パターンが検出されていない時間が任意の一定時間を超えていない場合は、次回に安否確認を行うタイミング(すなわち、安否を知らせるメッセージを送るタイミング)まで待ち、再度所定の移動パターンの検出を行う。
【0055】
ここで、前回の安否確認から今回の安否確認までの間に、検知回路部3が被監視者側端末1の移動を感知していないがために、パターン認識判定部7が所定の移動パターンの検出を行うことができなかった場合は、その情報とタイマ回路部9の時間情報とからメッセージ送信制御部8が、検知回路部3によって被監視者側端末1の移動が感知されていない時間が任意の一定時間を超えたか否かを判断する。ここで、被監視者側端末1の移動が感知されていない時間とは、1日の安否確認の対象となる時間帯の開始時刻から現時点までの間に上記の移動が感知されていない時間である。したがって、例えば安否確認の対象となる時間帯に安否を知らせるメッセージを1回送るように設定する場合、毎朝10時に安否を知らせるメッセージを送るように設定しているとする(安否確認の対象となる時間帯は6時〜23時とする)。この場合、1日の安否確認の対象となる時間帯の開始時刻である朝10時から現時点までの間に、被監視者側端末1の移動が感知されていない時間が任意の一定時間を超えたか否かを判断する。
【0056】
検知回路部3によって移動が感知されていない時間(すなわち、パターン認識判定部7が所定の移動パターンを検出することができない時間)が任意の一定時間超えた場合は、メッセージ送信制御部8は被監視者に異常があると判断し、異常がある旨のメッセージを監視者側端末2に送信するように制御する。被監視者に異常がある旨のメッセージを送信する場合は、通信回路部4を介して監視者側端末2に自動的に送信する。
【0057】
もし、検知回路部3によって移動が感知されていない時間(すなわち、パターン認識判定部7が所定の移動パターンを検出することができない時間)が任意の一定時間超えていない場合は、次回に安否確認を行うタイミング(すなわち、安否を知らせるメッセージを送るタイミング)まで待ち、再度所定の移動パターンの検出を行う。
【0058】
なお、被監視者側端末1が携帯電話機等の携帯端末である場合は、被監視者が被監視者側端末1を操作する場合も想定される。そこで、被監視者が被監視者側端末1の操作を行ったか否かをもって、被監視者の異常の有無を判断してもよい。例えば、被監視者側端末1の操作を行うボタンあるいはスイッチ等の操作部(図示せず)の操作を検知する検知部(図示せず)を設け、該検知部が操作部の操作を最後に検知してから任意の一定時間が経過した場合に、被監視者に異常があると判断し、異常がある旨のメッセージを監視者側端末2に送信するように構成することも可能である。
【0059】
以上では、被監視者に異常がある旨のメッセージを、(1)パターン認識判定部7が所定の移動パターンを任意の一定時間検出しなかった場合、(2)検知回路部3が被監視者側端末1の移動を任意の一定時間感知しなかった場合、および、(3)図示しない検知部が被監視者側端末1の操作を任意の一定時間検知しなかった場合に送信する構成を示したが、上記の(1)〜(3)すべての場合について異常がある旨のメッセージを送信しなくてもよい。したがって、被監視者側端末1は、(1)〜(3)のいずれか1つの場合についてのみに上記のメッセージを送るように設定されていてもよいし、(1)〜(3)のうちの2つの場合について上記のメッセージを送るように設定されていてもよく、特に限定はない。
【0060】
ここで、本明細書中における任意の一定時間(所定の時間)とは、監視者が任意に設定できる時間であり、特に限定はない。例えば、上記の一定時間として、安否確認の対象となる時間を採用してもよい。この具体例を挙げると、安否確認の対象となる時間帯に安否を知らせるメッセージを1回送るように設定する場合、毎朝10時に安否を知らせるメッセージを送るように設定しているとする(安否確認を行う時間帯は6時〜23時とする)。この場合、1日の安否確認の対象となる時間帯の開始時刻である朝10時から23時まで、および、翌朝6時から10時までの計17時間が一定時間となる。すなわち、10時〜23時、および、翌朝6時〜10時の間に、パターン認識判定部7が所定の移動パターンを検出しなかったり、検知回路部3が被監視者側端末1の移動を感知しなかったり、図示しない検知部が被監視者側端末1の操作を検知しなかったりした場合は、メッセージ送信制御部8は被監視者に異常があると判断する。
【0061】
なお、以上では具体例を挙げているが、本発明は必ずしもこれに限定されるわけではないことは言うまでもない。例えば、上記の一定時間として、2日間分の安否確認の対象となる時間(例えば、1日の安否確認の対象となる時間帯が6時〜23時の場合は、計34時間)を採用してもよいし、上述したように監視者が任意に設定した時間を採用してもよく、特に限定はない。
【0062】
(安否確認の流れ)
被監視者側端末1による安否確認の流れについて、図2に沿って詳しく説明する。図2は、本発明の一実施形態に係る被監視者側端末1による安否確認の流れを示すフロー図である。
【0063】
まず、安否確認を行うタイミング(すなわち、安否を知らせるメッセージを送るタイミング)で安否確認を開始する(ステップ1;以下、S1と略記する)。そして、メッセージ送信制御部8では、パターン認識判定部7から検出情報を取得する(S2)。
【0064】
メッセージ送信制御部8では、パターン認識判定部7から取得した検出情報に基づいて、被監視者の異常の有無を判断する。具体的には、前回の安否確認から今回の安否確認までの間に、パターン認識判定部7が所定の移動パターンを検出した場合(S3,YES)、被監視者に異常はないと判断する。そこで、メッセージ送信制御部8は、異常がない旨のメッセージを監視者側端末2に送信するように制御するが、上記のメッセージの送信が自動送信に設定されている場合は(S4,YES)、通信回路部4を介して異常がない旨のメッセージを監視者側端末2に自動的に送信する(S7)。
【0065】
一方、異常がない旨のメッセージの送信が手動送信に設定されている場合は(S4,NO)、報知部10によって、上記のメッセージの送信を行うか否かの確認を被監視者に対して行う(S5)。被監視者が入力回路部5から異常がない旨のメッセージの送信を指示すると(S6,YES)、メッセージ送信制御部8は、通信回路部4を介して上記のメッセージの送信を行う(S7)。これに対して、被監視者が入力回路部5から異常がない旨のメッセージの送信を指示しなかった場合は(S6,NO)、上記のメッセージは監視者側端末2には送信されない。
【0066】
ここで、S3において、前回の安否確認から今回の安否確認までの間に、パターン認識判定部7が所定の移動パターンを検出しなかった場合(NO)、前回の安否確認から今回の安否確認までの間に、検知回路部3が被監視者側端末1の移動を感知したか否かをメッセージ送信制御部8にてさらに判断する(S8)。前回の安否確認から今回の安否確認までの間に、検知回路部3が被監視者側端末1の移動を感知している場合は(S8,YES)、パターン認識部7が所定の移動パターンを検出していない時間、すなわち1日の安否確認の対象となる時間帯の開始時刻から現時点までの間に上記の所定の移動パターンを検出していない時間が任意の一定時間を超えたか否かをメッセージ送信制御部8にて判断する(S9)。
【0067】
メッセージ送信制御部8では、所定の移動パターンを検出していない時間が任意の一定時間を超えた場合は(S9,YES)、被監視者に異常があると判断する。そこで、メッセージ送信制御部8は被監視者に異常がある旨のメッセージを、通信回路部4を介して監視者側端末2に自動的に送信する(S7)。一方、所定の移動パターンを検出していない時間が任意の一定時間を超えていない場合は(S9,NO)、次回に安否確認を行うタイミング(すなわち、安否を知らせるメッセージを送るタイミング)まで待ち、S1に戻って再度所定の移動パターンの検出を行う。
【0068】
ここで、S8において、前回の安否確認から今回の安否確認までの間に、検知回路部3が被監視者側端末1の移動を感知していない場合(NO)、上記の移動を感知していない時間、すなわち1日の安否確認の対象となる時間帯の開始時刻から現時点までの間に上記の移動を感知していない時間が任意の一定時間を超えたか否かをメッセージ送信制御部8にて判断する(S10)。メッセージ送信制御部8では、被監視者側端末1の移動を感知していない時間が任意の一定時間を超えた場合は(S10,YES)、被監視者に異常があると判断する。そこで、メッセージ送信制御部8は被監視者に異常がある旨のメッセージを、通信回路部4を介して監視者側端末2に自動的に送信する(S7)。一方、上記の移動を感知していない時間が任意の一定時間を超えていない場合は(S10,NO)、次回に安否確認を行うタイミング(すなわち、安否を知らせるメッセージを送るタイミング)まで待ち、S1に戻って再度所定の移動パターンの検出を行う。
【0069】
上述したように、被監視者が被監視者側端末1の操作を行ったか否かをもって、被監視者の異常の有無を判断してもよい。そこで、被監視者側端末1の操作の有無に基づいて、被監視者の異常を判断する場合の流れについて、図3に沿って説明する。図3は、本発明の一実施形態に係る被監視者側端末1の操作の有無に基づいて、被監視者の異常を判断する場合の流れを示すフロー図である。
【0070】
まず、安否確認を行うタイミング(すなわち、安否を知らせるメッセージを送るタイミング)で安否確認を開始する(S11)。そして、被監視者側端末1の操作を行う操作部(図示せず)の操作を検知する検知部(図示せず)が、被監視者によって操作部が操作されたか否かを検知する(S12)。被監視者による操作部の操作が検知された場合は(S12,YES)、そのまま処理を終える。一方、被監視者による操作部の操作が検知されなかった場合は(S12,NO)、被監視者による操作部の操作を最後に検知してから任意の一定時間が経過したか否かをメッセージ送信制御部8にて判断する(S13)。被監視者による操作部の操作を最後に検知してから任意の一定時間が経過した場合(S13,YES)、メッセージ送信制御部8では、被監視者に異常があると判断し、異常がある旨のメッセージを監視者側端末2に送信する(S14)。これに対して、被監視者による操作部の操作を最後に検知してから任意の一定時間が経過していない場合は(S13,NO)、次回に安否確認を行うタイミング(すなわち、安否を知らせるメッセージを送るタイミング)まで待ち、S11に戻って再度被監視者による操作部の操作の検知を行う。
【0071】
なお、上述したように、被監視者に異常がある旨のメッセージを、(1)パターン認識判定部7が所定の移動パターンを任意の一定時間検出しなかった場合、(2)検知回路部3が被監視者側端末1の移動を任意の一定時間感知しなかった場合、および、(3)図示しない検知部が被監視者側端末1の操作を任意の一定時間検知しなかった場合のうち、少なくとも1つの場合について異常がある旨のメッセージを送信すればよい。したがって、図2中のS3におけるNO以降の処理は、適宜変更可能である。例えば、S9またはS8,S10の処理を省略してもよいし、S8〜S10を省略し、図3のS11〜S14を加えてもよいし、S8〜S14すべての処理を行ってもよく、特に限定はない。
【0072】
(被監視者側端末1の充電)
被監視者側端末1が携帯電話機等の携帯端末の場合は、被監視者側端末1の各種部材に電力を供給するための電源部(図示せず)を被監視者側端末1が有している必要がある。上記の電源部は、充電式のものであってもよいし、それ以外のものであってもよい。ただし充電式等、常に安定的に電力が供給されない場合、上記の電源部の電力がなくなって確認を行えなくなる状況が想定される。そこで、このような状況を回避するために、電源部の電力残量が所定の量を下回った場合に、被監視者側端末1の電力残量が少なくなった旨のメッセージを監視者側端末2に送信するような機能を設けてもよい。これによれば、監視者は、被監視者側端末1の電力がなくなってしまう前に、該被監視者側端末1の充電、電池交換等を行うことができる。あるいは、被監視者側端末1の電力がなくなってしまう前に、被監視者の安否確認を行うために、監視者が被監視者に連絡を取ることもできる。
【0073】
上記の電源部が充電式のものである場合は、被監視者側端末1を充電器等のクレードルに置いておき、その日のうちに被監視者がそこから取って所持するようにしてもよい。これによれば、被監視者側端末1が充電器等のクレードルに置かれている間(例えば、睡眠時間の間等)は充電されているので、被監視者が被監視者側端末1を所持している間に電源部の電力がなくなってしまう可能性が低くなる。
【0074】
なお、被監視者側端末1が携帯電話機等の携帯端末の場合は、被監視者側端末1が圏外にあると通信回路部4は監視者側端末2にメッセージを送信することができない。そのため、被監視者側端末1は圏内にあることが前提となる。したがって、被監視者側端末1が携帯電話機等の携帯端末の場合は、被監視者が行動し得る範囲内(例えば、家の敷地内)は圏内である必要がある。
【0075】
ところで、被監視者側端末1は必ずしも無線通信を行う携帯電話機等の携帯端末でなくてもよく、有線通信を行う固定電話機等の固定端末であってもよい。この場合は、被監視者側端末1を充電する必要もないし、被監視者側端末1が圏内にある必要もない。
【0076】
(作用効果)
以上で説明したように、本実施形態では被監視者側端末1の移動の感知結果から所定の移動パターンを検出した場合は、被監視者側端末1を所持している高齢者等の被監視者が日常動作をしていると想定されるので、被監視者に異常がないと判断される。この場合、異常がない旨のメッセージを監視者側端末2に自動または手動で送信する。逆に、上記の感知結果から所定の移動パターンを任意の一定時間検出しなかったり、被監視者側端末1の移動を任意の一定時間感知しなかったり、被監視者による被監視者側端末1の操作を任意の一定時間検知しなかったりした場合には、被監視者が日常動作をしていない可能性が高いので、被監視者に異常があると判断される。この場合、異常がある旨のメッセージを監視者側端末2に自動で送信する。
【0077】
このように、被監視者が日常動作をしている中で該被監視者の安否確認を行うことができるので、被監視者およびその監視者に煩雑な操作を強いることなく、容易に安否確認を行うことができる。特に本実施形態では、カメラを設置したり、コールシステムを設置したりする必要がないので、カメラあるいはコールシステム等の設置に伴う設備費用、管理費、および、通信費等の諸費用がかからない。
【0078】
さらに、被監視者に異常があると判断された場合は、異常がある旨のメッセージが監視者端末2に自動的に送信されるので、上記のメッセージを受け取った監視者は、すぐに被監視者に連絡をとったり、被監視者のもとに駆けつけたりすることができる。
【0079】
また、異常がない旨のメッセージを手動で送信する場合には、報知部10によって上記のメッセージの送信を行うか否かの確認を被監視者に対して行う。そして、被監視者は上記のメッセージを送信するか否かの指示を入力回路部5に入力することによって、上記のメッセージの送信と非送信とを選択することができる。このように、異常がない旨のメッセージを手動送信するように設定されている場合でも、入力回路部5から上記のメッセージの送信と非送信とを選択するだけでよいので、携帯電話機等の操作に不慣れな高齢者でも容易に操作を行うことができる。また、病気を患っているために操作を行うことが難しい高齢者等の場合は、異常がない旨のメッセージも自動的に監視者側端末2に送信するように設定すればよいので問題はない。
【0080】
本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、それによって得られる実施の形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明に係る通信端末は、高齢者等の単身生活者の安否確認を行うための携帯電話機、または、固定電話機等に適用できる。
【符号の説明】
【0082】
1 被監視者側端末
2 監視者側端末
3 検知回路部
4 通信回路部
5 入力回路部
6 CPU
7 パターン認識判定部
8 メッセージ送信制御部
9 タイマ回路部
10 報知部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自身の移動を感知するモーションセンサと、
上記モーションセンサによる感知結果から、所定の移動パターンを検出する検出部と、
予め定められた連絡先にメッセージを送信する通信部とを備え、
上記検出部が上記所定の移動パターンを検出した場合に、上記通信部は上記予め定められた連絡先に異常がない旨のメッセージを送信することを特徴とする通信端末。
【請求項2】
上記検出部が上記所定の移動パターンを検出した場合に、上記通信部は上記予め定められた連絡先に上記異常がない旨のメッセージを自動的に送信することを特徴とする請求項1に記載の通信端末。
【請求項3】
上記通信部が上記予め定められた連絡先に上記異常がない旨のメッセージを送信する前に、上記異常がない旨のメッセージを送信するか否かをユーザに対して確認する確認部と、
上記異常がない旨のメッセージの送信を上記ユーザが指示するための入力部とをさらに備え、
上記検出部が上記所定の移動パターンを検出した場合に、上記入力部において上記異常がない旨のメッセージの送信が上記ユーザによって指示されると、上記通信部は上記予め定められた連絡先に上記異常がない旨のメッセージを送信することを特徴とする請求項1に記載の通信端末。
【請求項4】
上記確認部は、上記異常がない旨のメッセージを送信するか否かを確認する文章、図あるいは記号を表示するディスプレイ、または、上記異常がない旨のメッセージを送信するか否かを確認する音声を流すスピーカ、あるいは、上記異常がない旨のメッセージを送信するか否かをシグナルによって確認するランプであることを特徴とする請求項3に記載の通信端末。
【請求項5】
上記モーションセンサは、加速度センサ、地磁気センサ、または、ジャイロセンサであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の通信端末。
【請求項6】
上記通信部は、無線通信によって上記メッセージを送信することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の通信端末。
【請求項7】
電力を供給する電源部をさらに備え、
上記電源部の電力残量が所定の量を下回った場合に、上記通信部は上記予め定められた連絡先に上記電源部の電力残量が少ない旨のメッセージを送信することを特徴とする請求項6に記載の通信端末。
【請求項8】
上記電源部は、充電可能であることを特徴とする請求項7に記載の通信端末。

【請求項9】
通信端末を操作していない時間、上記モーションセンサが移動を感知していない時間、または、上記検出部が上記所定の移動パターンを検出していない時間が所定の時間を超えた場合に、上記通信部は上記予め定められた連絡先に異常がある旨のメッセージを自動的に送信することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の通信端末。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の通信端末による安否確認方法であって、
上記通信端末の移動を感知するステップと、
上記通信端末の移動の感知結果から、所定の移動パターンを検出するステップと、
上記所定の移動パターンを検出した場合に、予め定められた連絡先に異常がない旨のメッセージを送信するステップとを含んでいることを特徴とする安否確認方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−3606(P2013−3606A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−130609(P2011−130609)
【出願日】平成23年6月10日(2011.6.10)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】