説明

通信端末装置、情報通信方法及び情報通信プログラム

【課題】通話中に通話相手の表示領域の同じ位置に、的確にポインタ画像を表示させることができる通信端末装置を提供する。
【解決手段】
取得した画像情報の中に、特徴情報データベース4042Aに記憶されている特定画像が含まれているかどうかを判断し(S502)、特定画像が含まれていると判断した場合(S502:YES)、特定画像の表示領域を含む分割領域を決定する(S503)。そして特定画像を含む分割領域にトーン信号の割り当て処理を実行する(S505)。決定した分割領域と、トーン信号Noを対応付けて分割領域情報データベース4043Aに記憶する(S510)。続いて分割領域情報と画像情報と対応付けして画像情報データベース4041Aに記憶して(S511)、分割領域情報生成処理を終了する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、他の通信端末装置との間で情報の送受信と通話ができる通信端末装置、情報通信方法、情報通信プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電話回線を介して他の通信端末装置との間で、お互いの表示画面に共通の画像を表示させながら通話することができる通信端末装置が知られている。さらに、特許文献1に記載の情報通信端末では、表示画面に表示された画像に含まれる対象物を指し示す為に、表示画面内の特定領域を分割した領域に対応するキー入力操作子が利用者からの入力を受け付け、目印を表示する領域の情報を目印情報として作成し、他の情報通信端末に送信することで、通信相手の情報通信端末の表示画面上で前記対象物が含まれる領域に目印情報を表示することができる情報通信端末が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−39772号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記記載の通信端末装置では、表示画面内での対象物の位置、大きさ、個数に関係無く表示領域を等間隔の分割領域に分割しているので、対象物と分割領域の位置が合わず、利用者が指示したい対象物に対して最適な位置に目印情報が表示できないという問題がある。また、電話回線を介したトーン信号を用いて、上記目印情報を通信相手の端末装置に送信する場合、利用者が指示したい対象物に対して前記分割領域の位置が合わないと、操作のやり直しや、誤操作等による不要なトーン信号が発信されてしまい会話に支障をきたすという課題もある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明の通信端末装置は、電話回線を介して装置間で情報の送受信を行う通信手段と通話を行う通話手段とを備えた通信端末装置において、画像情報を表示する表示領域を備えた表示手段と、前記表示手段の表示領域に対して、利用者により指示操作された位置を示す情報である操作位置情報を検出する検出手段と、前記表示領域に表示されている前記画像情報から所定条件に基づいて、人の顔画像又は対象物を示す対象物画像である特定画像を検出し、前記特定画像の表示領域を示す特定画像情報を抽出する特定画像情報抽出手段と、前記特定画像情報抽出手段により抽出された前記特定画像情報に基づいて前記表示手段の表示領域を複数の分割領域に分割し、前記分割領域毎にトーン信号を対応付けした情報である分割領域情報を生成する分割領域情報生成手段と、前記画像情報と前記分割領域情報生成手段により生成された前記分割領域情報を対応付けて他の通信端末装置に送信する画像分割領域情報送信手段と、他の通信端末装置から、前記画像分割領域情報送信手段により送信された前記画像情報と前記分割領域情報を受信する画像分割領域情報受信手段と、前記通話手段にて他の通信端末装置と通話中に前記検出手段により前記操作位置情報を検出した場合、前記操作位置情報が示す位置を含む前記分割領域情報に対応するトーン信号を、通話中の他の通信端末装置に送信するトーン信号送信手段と、通話中の他の通信端末装置から前記トーン信号送信手段により送信された前記トーン信号を受信するトーン信号受信手段と、前記トーン信号受信手段により受信した前記トーン信号と、前記画像分割領域情報受信手段により受信した前記分割領域情報と照合して対応する前記分割領域を特定し、特定された前記分割領域に指示情報を表示する分割領域指示情報表示手段とを備えることを特徴とする。
【0006】
請求項2に係る発明の通信端末装置では、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記分割領域情報生成手段は、前記特定画像情報抽出手段により抽出された前記特定画像情報の1つが、前記複数の分割領域の何れか1つに含まれるよう前記分割領域情報を生成することを特徴とする。
【0007】
請求項3に係る発明の通信端末装置では、請求項1乃至2のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記分割領域情報生成手段は、前記特定画像を含まない分割領域に対応付ける前記トーン信号より送信時間が短いトーン信号を、前記特定画像を含む分割領域に対応付けて前記分割領域情報を生成することを特徴とする。
【0008】
請求項4に係る発明の通信端末装置では、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記通信端末装置は、人の顔画像を検出するための顔特徴情報、または対象物画像を検出するための対象物特徴情報が記憶されている特徴情報記憶手段をさらに備え、前記特定画像情報抽出手段は、前記特徴情報記憶手段に記憶されている前記顔特徴情報、または前記対象物特徴情報と、前記表示領域に表示されている前記画像情報とを照合することにより、前記特定画像情報を抽出することを特徴とする。
【0009】
請求項5に係る発明の通信端末装置では、請求項4に記載の発明の構成に加え、前記特徴情報記憶手段に記憶されている前記顔特徴情報、もしくは前記対象物特徴情報には、優先順位を示す優先情報が対応付けて記憶されており、前記特定画像情報抽出手段により、前記表示領域に表示されている前記画像情報から複数の前記特定画像情報が抽出された場合、前記分割領域情報生成手段は、前記優先情報が示す優先順位の高い前記特定画像情報から順に、送信時間が短い前記トーン信号を対応付けて前記分割領域情報を生成することを特徴とする。
【0010】
請求項6に係る発明の通信端末装置では、請求項1乃至5のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記表示領域に表示されている前記画像情報の色の情報である色情報の分布を分析する色情報分析手段を備え、前記分割領域情報生成手段は、前記特定画像情報抽出手段により抽出された前記特定画像情報以外の領域を、前記色情報分析手段により分析された前記色情報の分布に基づいて分割した前記分割領域情報を生成することを特徴とする。
【0011】
請求項7に係る発明においては、電話回線を介して装置間で情報の送受信を行う通信手段と通話を行う通話手段とを備えた通信端末装置での情報通信方法であって、画像情報を表示する表示領域に表示されている前記画像情報から所定条件に基づいて、人の顔画像又は対象物を示す対象物画像である特定画像を検出し、前記特定画像の表示領域を示す特定画像情報を抽出する特定画像情報抽出ステップと、前記特定画像情報抽出ステップにより抽出された前記特定画像情報に基づいて前記表示手段の表示領域を複数の分割領域に分割し、前記分割領域毎にトーン信号を対応付けした情報である分割領域情報を生成する分割領域情報生成ステップと、前記画像情報と前記分割領域情報生成ステップにより生成された前記分割領域情報を対応付けて他の通信端末装置に送信する画像分割領域情報送信ステップと、他の通信端末装置から、前記画像分割領域情報送信ステップにより送信された前記画像情報と前記分割領域情報を受信する画像分割領域情報受信ステップと、記通話手段にて他の通信端末装置と通話中に、前記表示領域に対して利用者により指示操作された位置を示す情報である操作位置情報を検出する検出ステップと、前記検出ステップにより前記操作位置情報を検出した場合、前記操作位置情報が示す位置を含む前記分割領域情報に対応するトーン信号を、通話中の他の通信端末装置に送信するトーン信号送信ステップと、通話中の他の通信端末装置から前記トーン信号送信ステップにより送信された前記トーン信号を受信するトーン信号受信ステップと、前記トーン信号受信ステップにより受信した前記トーン信号と、前記画像分割領域情報受信ステップにより受信した前記分割領域情報と照合して対応する前記分割領域を特定し、特定された前記分割領域に指示情報を表示する分割領域指示情報表示ステップとを備えることを特徴とする。
【0012】
請求項8に係る発明においては、電話回線を介して装置間で情報の送受信を行う通信手段と通話を行う通話手段とを備えた通信端末装置を動作させる情報通信プログラムであって、画像情報を表示する表示領域に表示されている前記画像情報から所定条件に基づいて、人の顔画像又は対象物を示す対象物画像である特定画像を検出し、前記特定画像の表示領域を示す特定画像情報を抽出する特定画像情報抽出ステップと、前記特定画像情報抽出ステップにより抽出された前記特定画像情報に基づいて前記表示手段の表示領域を複数の分割領域に分割し、前記分割領域毎にトーン信号を対応付けした情報である分割領域情報を生成する分割領域情報生成ステップと、前記画像情報と前記分割領域情報生成ステップにより生成された前記分割領域情報を対応付けて他の通信端末装置に送信する画像分割領域情報送信ステップと、他の通信端末装置から、前記画像分割領域情報送信ステップにより送信された前記画像情報と前記分割領域情報を受信する画像分割領域情報受信ステップと、前記通話手段にて他の通信端末装置と通話中に、前記表示領域に対して利用者により指示操作された位置を示す情報である操作位置情報を検出する検出ステップと、前記検出ステップにより前記操作位置情報を検出した場合、前記操作位置情報が示す位置を含む前記分割領域情報に対応するトーン信号を、通話中の他の通信端末装置に送信するトーン信号送信ステップと、通話中の他の通信端末装置から前記トーン信号送信ステップにより送信された前記トーン信号を受信するトーン信号受信ステップと、前記トーン信号受信ステップにより受信した前記トーン信号と、前記画像分割領域情報受信ステップにより受信した前記分割領域情報と照合して対応する前記分割領域を特定し、特定された前記分割領域に指示情報を表示する分割領域指示情報表示ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る発明の通信端末装置では、表示領域に表示されている前記画像情報から所定条件に基づいて、人の顔画像又は対象物を示す対象物画像である特定画像を検出し、特定画像情報として抽出する。そして、抽出された前記特定画像情報に基づいて前記表示領域を複数の分割領域に分割し、前記分割領域毎にトーン信号を対応付けした情報である分割領域情報を生成し、前記画像情報と前記分割領域情報を対応付けて他の通信端末装置に送信する。また、他の通信端末装置から送信された前記画像情報と前記分割領域情報を受信する。そして、他の通信端末装置と通話中に、利用者により指示操作された操作位置情報を検出した場合、前記操作位置情報が示す位置を含む前記分割領域情報に対応するトーン信号を、通話中の他の通信端末装置に送信する。また、通話中の他の通信端末装置から送信された前記トーン信号を受信する。そして、受信した前記トーン信号と前記分割領域情報と照合して対応する前記分割領域を特定し、特定された前記分割領域に指示情報を表示する。よって、利用者は、通信端末装置の表示領域に、通話相手の通信端末装置に表示されている同じ画像情報を表示させながら通話している状態で表示領域に操作指示を行うと、通話相手の表示領域の同じ位置に指示情報を表示させることができる。したがって、利用者は通話中に表示している画像情報に対して、指示をしながら会話をすることができ、電話による会話を円滑に進めることができる。
【0014】
請求項2に係る発明の通信端末装置では、請求項1に記載の発明の効果に加え、抽出された特定画像情報の1つが、複数の分割領域の何れか1つに含まれるよう分割領域情報を生成する。よって、利用者は、表示されている画像情報の中の特定画像を指示する場合、多少の操作ズレが生じても通話相手の表示領域に的確に指示情報を表示することができる。
【0015】
請求項3に係る発明の通信端末装置では、請求項1乃至2のいずれかに記載の発明の効果に加え、特定画像を含まない分割領域に対応付ける前記トーン信号より送信時間が短いトーン信号を、特定画像を含む分割領域に対応付けて前記分割領域情報を生成する。よって、利用者が特定画像を指示する場合、通話相手の通信端末装置への送信時間が短いトーン信号にて信号を送るので、信号音による会話への支障を低減させながら、通話相手の表示領域に指示情報を表示することができる。
【0016】
請求項4に係る発明の通信端末装置では、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明の効果に加え、人の顔画像を検出するための顔特徴情報、または対象物画像を検出するための対象物特徴情報が記憶されているので、表示領域に表示されている画像情報と照合することにより特定画像情報を抽出する。よって、表示されている画像情報の中に人の顔画像か、または対象物画像が含まれている場合、特定画情報として抽出することができる。したがって、利用者は、通話相手の表示領域に表示されている画像情報の中の人の顔画像や対象物画像に対して、より的確に指示情報を表示することができる。
【0017】
請求項5に係る発明の通信端末装置では、請求項4に記載の発明の効果に加え、特徴情報記憶手段に記憶されている顔特徴情報、もしくは対象物特徴情報には、優先順位を示す優先情報が対応付けて記憶されている。そして表示領域に表示されている前記画像情報から複数の特定画像情報が抽出された場合、優先情報が示す優先順位の高い特定画像情報から順に、送信時間が短いトーン信号を対応付ける。よって、利用者は、表示中の画像情報の中に複数の特定画像情報が含まれる場合でも、会話への支障を最適な条件で低減させながら、通話相手の表示領域に指示情報を表示することができる。
【0018】
請求項6に係る発明の通信端末装置では、請求項1乃至5のいずれかに記載の発明の効果に加え、表示領域に表示されている画像情報の色の情報である色情報の分布を分析し、特定画像情報以外の領域を、色情報の分布に基づいて分割する。よって、利用者は、表示されている画像情報の中で同類の色情報部分を指示する場合、多少の操作ズレが生じても通話相手の表示領域に的確に指示情報を表示することができる。
【0019】
請求項7に係る発明においては、電話回線を介して装置間で情報の送受信を行う通信手段と通話を行う通話手段とを備えた通信端末装置での情報通信方法であって、表示領域に表示されている前記画像情報から所定条件に基づいて、人の顔画像又は対象物を示す対象物画像である特定画像を検出し、特定画像情報として抽出する。そして、抽出された前記特定画像情報に基づいて前記表示領域を複数の分割領域に分割し、前記分割領域毎にトーン信号を対応付けした情報である分割領域情報を生成し、前記画像情報と前記分割領域情報を対応付けて他の通信端末装置に送信する。また、他の通信端末装置から送信された前記画像情報と前記分割領域情報を受信する。そして、他の通信端末装置と通話中に、利用者により指示操作された操作位置情報を検出した場合、前記操作位置情報が示す位置を含む前記分割領域情報に対応するトーン信号を、通話中の他の通信端末装置に送信する。また、通話中の他の通信端末装置から送信された前記トーン信号を受信する。そして、受信した前記トーン信号と前記分割領域情報と照合して対応する前記分割領域を特定し、特定された前記分割領域に指示情報を表示する。よって、利用者は、通信端末装置の表示領域に、通話相手の通信端末装置に表示されている同じ画像情報を表示させながら通話している状態で表示領域に操作指示を行うと、通話相手の表示領域の同じ位置に指示情報を表示させることができる。
【0020】
請求項8に係る発明においては、電話回線を介して装置間で情報の送受信を行う通信手段と通話を行う通話手段とを備えた通信端末装置を動作させる情報通信プログラムであって、表示領域に表示されている前記画像情報から所定条件に基づいて、人の顔画像又は対象物を示す対象物画像である特定画像を検出し、特定画像情報として抽出する。そして、抽出された前記特定画像情報に基づいて前記表示領域を複数の分割領域に分割し、前記分割領域毎にトーン信号を対応付けした情報である分割領域情報を生成し、前記画像情報と前記分割領域情報を対応付けて他の通信端末装置に送信する。また、他の通信端末装置から送信された前記画像情報と前記分割領域情報を受信する。そして、他の通信端末装置と通話中に、利用者により指示操作された操作位置情報を検出した場合、前記操作位置情報が示す位置を含む前記分割領域情報に対応するトーン信号を、通話中の他の通信端末装置に送信する。また、通話中の他の通信端末装置から送信された前記トーン信号を受信する。そして、受信した前記トーン信号と前記分割領域情報と照合して対応する前記分割領域を特定し、特定された前記分割領域に指示情報を表示する。よって、利用者は、通信端末装置の表示領域に、通話相手の通信端末装置に表示されている同じ画像情報を表示させながら通話している状態で表示領域に操作指示を行うと、通話相手の表示領域の同じ位置に指示情報を表示させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】概略構成図である。
【図2】通信端末装置40の物理的構成図である。
【図3】通信端末装置40の電気的構成図である。
【図4】フラッシュROM404の説明図である。
【図5】通信端末装置40で実行される分割領域情報生成処理のフローチャート図である。
【図6】特徴情報データベース4042Aの説明図である。
【図7】分割領域の説明図である。
【図8】トーン信号情報の説明図である。
【図9】分割領域情報データベース4043Aの説明図である。
【図10】画像情報データベース4041Aの説明図である。
【図11】通信端末装置40で実行される送信側処理のフローチャート図である。
【図12】通信端末装置40で実行される受信側処理のフローチャート図である。
【図13】ポインタ画像の表示画面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を具体化した通信端末装置の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、これらの図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものであり、記載されている装置の構成、各種処理のフローチャートなどは、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
【0023】
まず、図1〜図3を参照して、本実施形態の概略構成10、及び構成要素である通信端末装置40の物理的構成、電気的構成について、順に説明する。
【0024】
図1を参照して、本実施形態の概略構成10について説明する。図1に示すように、通信端末装置40が電話回線20を介して、他の通信端末装置40と接続されている。よって、利用者は、通信端末装置40に相手の通信端末装置40の電話番号を入力して発呼操作をすることにより、お互いの装置間で通話ができる状態となる。また、本実施形態の通信端末装置40には、子機30が備えられており、利用者は子機を用いて通話をしながら、通信端末装置40の後述する表示画面を参照することができる。
【0025】
次に図2を参照して、通信端末装置40の物理的構成について説明する。本実施形態の通信端末装置40は、図2に示すように長方形の筐体の略中央部分に表示手段413が備えられている。表示手段413は、通信端末装置40の各種操作画面や、画像データを表示することができる。また、筐体下部には、他の通信端末装置40と通話する時に使用する音声を入力する機器であるマイク411と、音声を出力する機器であるスピーカ412が備えられている。
【0026】
次に図3を参照して、通信端末装置40の電気的構成について説明する。本実施形態の通信端末装置40は、図3に示すように、CPU401、ROM402、RAM403、フラッシュROM404、マイク411、スピーカ412、表示手段413、操作入力手段414、子機通信手段440、通信手段450を備えており、これらはすべてバスで相互に接続されている。
【0027】
CPU401は、通信端末装置40全体の制御を司る。ROM402は、通信端末装置40の基本的な動作に必要なプログラムやそのための設定値等を記憶している。CPU401は、ROM402に記憶されたプログラムに従って、通信端末装置40の動作を制御する。RAM403は、各種データを一時的に記憶するための記憶装置である。また、フラッシュROM404は、不揮発性の半導体メモリであり、後述する各種記憶エリアを備えている。
【0028】
マイク411は、利用者が通信端末装置40を用いて電話回線を介した通話を使用する時に、利用者が発する音声情報を入力する機器である。また、スピーカ412は、通話相手の通信端末装置40から取得した音声情報を出力する機器である。本実施形態の通信端末装置40では、子機30が備えられているが、子機30を用いず、通信端末装置40のマイク411と、スピーカ412を使用して通話できるようになっている。
【0029】
表示手段413は、利用者が通信端末装置40の各種操作を行うための操作画面や、他機器から取得した画像データ等を表示する機器である。また、操作入力手段414は、前述の表示手段413に重ねて配置された汎用的なタッチパネル機器である。利用者が表示画面413を参照しながらタッチすると、操作入力手段414はタッチされた位置情報を取得することができる。
【0030】
子機通信手段440は、通常の電話機の親機と子機間で使用されているDECT(Digital Enhanced Cordless Telecommunications)規格に準じた無線通信ができる通信機器である。子機通信手段440を介して、利用者は、子機30で通話ができるようになる。また、通信手段450は、汎用的に電話機器等に使用されている公衆電話回線と接続通信できる通信機器である。
【0031】
次に図4を参照して、フラッシュROM404の構成について説明する。フラッシュROM404は、画像情報記憶エリア4041、特徴情報記憶エリア4042、分割領域情報記憶エリア4043、トーン信号情報記憶エリア4044、ポインタ画像情報記憶エリア4045等で構成されている。画像情報記憶エリア4041には、他機器から取得した写真データ等の画像情報が記憶されている。特徴情報記憶エリア4042には、後述する特徴情報データベース4042Aが記憶されている。分割領域情報記憶エリア4043には、後述する分割領域情報データベース4043Aが記憶されている。トーン信号情報記憶エリア4044には、後述するトーン信号周波数データベース4044A、トーン信号情報データベース4044Bが記憶されている。ポインタ画像情報記憶エリア4045には、表示手段413の特定箇所を指示するため指示情報であるポインタ画像情報等が記憶されている。
【0032】
以下に、図5を参照して、通信端末装置40において実行される分割画像情報生成処理について説明する。図5に示す処理は、ROM402に記憶されたプログラムに従って、CPU401が実行する。
【0033】
図5に示す分割画像情報生成処理は、通信端末装置40の電源がONにされると開始される。まず、初めに画像情報を取得したかどうかを判断する(S501)。具体的には、図2の表示手段413に表示されているような画像情報を、利用者の操作により外部の機器から取得したり、電話回線を介して他の装置から取得したかどうかを、CPU401が判断する。ステップS501の処理で、CPU401が画像情報を取得していないと判断した場合(S501:NO)、ステップS501を繰り返し処理しながら待機する。ステップS501の処理にて、CPU401が画像情報を取得したと判断した場合(S501:YES)、取得した画像情報に特定画像が含まれているかどうかを判断する(S502)。
【0034】
ここで、ステップS502の処理での特定画像について、図6を参照しながら説明する。図6は、特徴情報データベース4042Aの説明図である。特徴情報データベース4042Aには、分類名、特定画像、優先順位の項目が対応付けられて記憶されている。分類名の項目は、特定画像の分類を示す情報が記憶されており、特定画像の項目には特定画像を示す画像データが記憶されている。また優先順位の項目は、特定画像の優先度を示す情報が数値情報で記憶されており、数値が低い程、優先順位が高くなるよう設定して記憶されている。本実施形態では、顔1、顔2、車の特定画像が記憶されているが、これに限るものでは無く、またこれらの情報は、利用者が通信端末装置40を操作することにより適宜追加、設定変更できるようになっているものとする。
【0035】
よって、ステップS502の処理では、CPU401はステップS501にて取得した画像情報の中に、特徴情報データベース4042Aに記憶されている特定画像が含まれているかどうかを判断する。ステップS502の処理にて、CPU401が画像情報の中に特定画像が含まれていると判断した場合(S502:YES)、特定画像の表示領域を含む分割領域を決定する(S503)。
【0036】
そこで、図6、図7を参照しながら具体的にステップS502、S503の処理の説明をする。まず、図7(a)に示す様な画像情報90をS501の処理にて取得した場合、CPU401は、特徴情報データベース4042Aに記憶されている特定画像の、顔1(特定画像91)、顔2(特定画像92)、車(特定画像93)と一致する画像が含まれていると判断する(S502:YES)。次に、画像情報90の表示領域を図7(b)に示すように最小分割単位の領域である単位領域サイズA0で細分化し、細分化された各単位領域(番号1〜120)の中から、ステップS503の処理で判断された特定画像91、92、93(図6)を含む分割領域を決定する。さらに図7の(c)、(d)を参照しながら具体的に説明すると、特定画像91を含む分割領域B1が、単位領域54、55、56、66、67、68、78、79、80、90、91、92で構成される領域として決定される。また、特定画像92を含む分割領域B2が、単位領域57、58、59、60、69、70、71、72、81、82、83、84、93、94、95、96で構成される領域として決定される。また、特定画像93を含む分割領域B3が、単位領域61、62、63,64、65、73、74、75、76、77、85、86、87、88、89、97、98、99、100、101で構成される領域として決定される。
【0037】
続いて、CPU401は、画像情報90に対して、前記4042Aに記憶された特定画像すべてを用いて分割領域の決定が完了したかどうかを判断する(S504)。ステップS504の処理にて、全ての特定画像に対してステップS503の処理がまだ完了していないと判断された場合は(S504:NO)、S503の処理へ戻り、繰り返し処理を実行する。また、ステップS504の処理にて、全ての特定画像に対して処理が完了したと判断した場合は(S504:YES)、CPU401は特定画像を含む分割領域にトーン信号の割り当て処理を実行する(S505)。具体的に説明すると、CPU401は、ステップS502の処理で判断された特定画像に対して、特徴情報データベース4042Aに記憶されている優先順位を取得し、優先順位の高い特定画像に対して、後述するトーン信号情報データベース4044Bの中の信号Noの小さい番号から順番にトーン信号を割り当てる処理を実行する。
【0038】
ここで、図8を参照してトーン信号について説明する。本実施形態で使用するトーン信号は、図8の(a)に示すようなDTMF信号(Dual Tone Multiple Frequency)を主に採用している。DTMF信号とは、電話回線を用いた通信機器にて一般的に使用されている信号方式であり、トーン信号周波数データベース4044Aの様な情報に基づいて、各番号に対して、合波して信号を生成するための周波数情報が対応付けられて使用されている。例えば、トーン信号周波数データベース4044Aの中の番号1のトーン信号は、周波数697Hzと周波数1209Hzを合波して生成される信号である。また、番号9のトーン信号は、周波数852Hzと周波数1477Hzを合波して生成される信号である。また、番号2~8と、A、B、C、D、*、0、#についても上記と同様に、各番号に対応する周波数を合波してトーン信号を生成する。
【0039】
そして図8の(b)は、本実施形態で使用するトーン信号情報データベース4044Bを示す図であり、信号No、トーン種別、トーン内容、送出時間の項目が対応付けられて記憶されている。信号Noの項目には、信号を識別する情報が記憶されており、トーン種別の項目には、1種類の周波数で構成されたシングルトーン信号か、またはDTMF信号の様な2種類の周波数を合波して構成されたDTMF信号なのかを示す情報が記憶されている。また、トーン内容の項目には、周波数の情報や、図8の(a)に示すトーン信号周波数データベース4044Aの中で、どのトーン番号に対応しているのかを識別する情報が記憶されている。本実施形態では、信号No,D1とD11については、シングルトーン信号で設定しているので、周波数の情報が記憶されている。例えば、信号No,D1は周波数50Hzの不可聴音の信号で設定してあり、D11は周波数2500Hzの可聴領域の信号で設定している。ただ、信号No,D1とD11の周波数はあくまで一例であり、これに限るものでは無く、適宜設定が変更できるようになっている。
【0040】
また、送出時間の項目については、上述したトーン信号を送信する時間の情報が記憶されている。例えば、信号No,D1のトーン信号では、送出時間としてON期間0.5+OFF期間0.5とあるので、周波数50Hzの信号を、0.5秒間送信し、その後0.5秒間は信号の送信を停止するように設定されている。また、信号No,D12のトーン信号の場合では、送出時間がON期間0.5+OFF期間0.12+ON期間0.5+OFF期間0.12となっているので、トーン信号周波数データベース4044A(図8)での1のトーンを2回送信するようになっている。また、トーン信号情報データベース4044Bは、信号Noの番号が小さい程、トーン信号の送出時間が短く、または周波数が低く設定しているので、通話中にトーン信号が送信されても利用者の会話への支障が少なくなるよう設定されている。
【0041】
図5のステップS505の処理に戻り、CPU401は特定画像91の優先順位を特徴情報データベース4042Aを参照して優先順位1と判定し、ステップS503の処理で決定された分割領域B1に、トーン信号情報データベース4044Bの信号No,D1のトーン信号を割り付ける処理を実行する。同様に特定画像92に対応する分割領域B2、特定画像93に対応する分割領域B3に対してステップS505の処理を実行し、図9に示すような分割領域情報データベース4043AをフラッシュROM404の分割領域情報記憶エリア4043に生成する。
【0042】
ここで、図9に示す分割領域情報データベース4043Aについて説明する。分割領域情報データベース4043Aは、領域No、特定領域、分割領域、トーン信号Noの項目が対応付けて記憶されている。領域Noの項目には、ステップS503の処理で決定された分割領域の識別番号が記憶され、特定領域の項目では特定画像を識別する情報が記憶されている。また、分割領域の項目では、ステップS503の処理で決定された分割領域を構成する単位領域を識別する情報が記憶されている。また、トーン信号Noの項目には、ステップS505の処理で割り当てたトーン信号Noの情報が記憶されている。例えば、分割領域の領域No,B1には、特定画像として特定画像91と、分割領域を構成する単位領域54、55、56、66、67、68、78、79、80、90、91、92と、さらにトーン信号No,D1が対応付けて記憶されている。
【0043】
そして、図5の分割領域情報生成処理に戻り、CPU401は、画像情報90の中でステップ505にて処理された分割領域以外の領域に対して、色情報の解析を実施して同類の色が分布している色分布に基づいて領域を特定し、特定した領域を分割領域として決定する処理を実行する(S506)。そしてCPU401は色情報で分割された領域に対して、トーン信号を割り当て、分割領域情報データベース4043Aに記憶処理する(S507)。そこで図7を参照して具体的に説明すると、画像情報90に対して、特定画像を含む分割領域として決定された分割領域B1、B2、B3以外の領域を、同類の色情報の分布に基づいて、分割領域C4、C5、C6、C7、C8を決定する(S506)。
【0044】
そして、ステップS506で処理された分割領域に対して、トーン信号を割り当て、分割領域情報データベース4043Aに記憶処理する(S507)。本実施形態では、分割領域を構成する単位領域の数が多い順に、トーン信号情報データベース4044Bより、まだ割り当てられていないトーン信号Noの小さい順から割り当てる。
【0045】
次に、CPU401は、画像情報90の中で、まだトーン信号が割り当てられていない領域があるかどうかを判断する(S508)。ステップS508の処理で、トーン信号が割り当てられていない領域が無いと判断した場合(S508:NO)、後述するステップS510へ移行する。また、ステップS508の処理で、CPU401がトーン信号の割り当てられていない領域があると判断した場合(S508:YES)、トーン信号割り当て処理を実行する(S509)。本実施形態では、単位領域109、110.111、112、113がトーン信号を割り当てられていないので、分割領域C9として特定し、トーン信号No,9を対応付けする(S509)。
【0046】
また、上述したステップS502の処理にて、CPU401が画像情報90の中に特定画像が含まれていないと判断した場合(S502:NO)も、S509の処理へ移行し、図示はしないが表示領域全体に対して所定数の分割領域で均等に分割するようになっている。ここで言う所定数とは、例えば、表示領域を整数個の均等な分割領域にできるような数で良く、本実施形態では、例えば30分割(単位領域4個を1つの分割領域とする場合)などで均等に分割すれば良いが、分割数は適宜設定が変更できるようになっているものとする。
【0047】
そして、ステップS509の処理にて決定した分割領域と、トーン信号Noを対応付けて分割領域情報データベース4043Aに記憶する(S510)。続いて分割領域情報と画像情報と対応付けして画像情報データベース4041Aに記憶して(S511)、分割領域情報生成処理を終了する。
【0048】
ここで図10を参照して画像情報データベース4041Aについて説明する。画像情報データベース4041Aは、識別No、画像情報、分割領域情報の項目が対応付けて記憶されている。識別Noの項目には、画像情報が取得された順に採番された数字が記憶され、画像情報の項目には、画像情報を識別する識別情報が記憶され、分割領域情報の項目には、分割領域情報データベース4043Aを特定する識別情報が記憶されている。本実施形態では、識別No,1には、画像情報90のデータが画像情報P0001として記憶され、対応する分割領域情報データベース4043A(図9)が図10に示す分割領域情報の項目に識別情報T001として記憶されている。
【0049】
次に、図11を参照して、通信端末装置40において実行される送信側処理について説明する。図11に示す処理は、ROM402に記憶されたプログラムに従って、CPU401が実行する。
【0050】
図11に示す送信側処理は、通信端末装置40の電源がONにされると開始される。初めに、画像情報の送信指示が有るかどうかを判断する(S601)。具体的に説明すると、利用者が通信端末装置40を操作して、画像情報データベース4041Aに記憶されている画像情報の中からどれかを指定し、送信先として他の通信端末装置40の電話番号を入力して、画像情報を送信するよう操作指示があったかどうかを判断する。そしてステップS601の処理で、CPU401は送信指示があったと判断した場合(S601:YES)、画像情報と分割領域情報を送信する処理を実行する(S602)。本実施形態において、図10を参照して説明すると、利用者が画像情報90(図7)の識別情報であるP0001を他の通信端末装置40へ送信する操作指示を行った場合、CPU401は対応する分割領域情報T001を呼び出し、T001に対応するデータベース4043Aを、画像情報P0001と対応付けして送信する処理を実行する。また、ステップS601の処理で、CPU401が画像情報の送信指示が無いと判断した場合(S601:NO)、後述するステップS603へ進む。
【0051】
次に、CPU401は、利用者の操作により電話の発呼指示があったかどうかを判断する(S603)。ここで言う発呼指示とは、通常の電話機での発信操作方法と同様なので図示は省略するが、相手装置の電話番号を入力し、電話の発信指示を行う操作である。ステップS603の処理で、CPU401は発呼指示があったと判断した場合(S603:YES)、相手の通信端末装置40と通話状態になるよう処理する(S604)。また、ステップS603の処理で、電話の発呼指示が無いと判断した場合(S603:NO)、ステップS601へ戻る。
【0052】
続いて、通話中の状態で、送信した画像情報の表示指示があったかどうかを判断する(S605)。具体的には、利用者が通話中の相手に送信済の画像情報を表示手段413へ表示するよう操作指示があったどうかを判断する。ここで言う送信済の画像情報とは、ステップS602の処理にて、通話相手の電話番号を送信先として指定して送信された画像情報である。本実施形態では、画像情報P0001が送信済の画像情報となる。
【0053】
そして、ステップS605の処理で、CPU401は送信した画像情報の表示指示があったと判断した場合(S605:YES)、画像情報の表示処理を実施し(S606)、図7の(a)に示す画像情報90が、表示手段413へ表示される。
【0054】
さらに、表示手段413の表示画面に対して、利用者の操作指示があったかどうかを判断する(S607)。例えば、図7の(c)に示す特定画像91を利用者が指で表示画面にタッチして指示操作した場合、CPU401はステップS607の処理で操作指示有と判断する(S607:YES)。続いて、操作指示された位置を含む分割領域を、分割領域情報データベース4043Aを参照して特定し、自拠点の表示手段413の表示領域において、特定した分割領域にポインタ画像情報を表示する(S620)。さらに、ステップS620の処理で特定された分割領域情報に対応するトーン信号の送信処理を実行する(S608)。また、ステップS607の処理で、操作指示が無いと判断した場合は(S607:NO)、ステップS609の処理へ進む。
【0055】
具体的に説明をすると、ステップS607では、例えばCPU401が利用者により特定画像91の表示位置に操作指示されたと判断した場合、分割領域情報データベース4043Aに記憶されている領域No,B1の分割領域に含まれると判定し、対応するトーン信号No、D1を、通話相手の通信端末装置40へ送信する処理を実行する(S608)。よって、受信側での処理は後述するが、ステップS608で送信されたトーン信号No、D1を受信側で受信すると、トーン信号No、D1に対応した分割領域の表示位置に、ポインタ画像を表示させることができるようになる。
【0056】
そして、次に通話終了の指示があったかどうかを判断する(S609)。具体的には、利用者が電話による通話を切る操作を行ったかどうか、または、通話相手から通話が切られたかどうかを通話終了として判断し、通話終了の指示があった場合(S609:YES)、通話を終了し、表示手段413へ表示している画像情報の表示を終了する処理を行い(S610)、本処理である送信側処理を終了する。または、S609の処理にて、CPU401は通話終了の指示が無いと判断した場合(S609:NO)、ステップS605の処理へ戻り繰り返し処理が実行される。
【0057】
次に、図12を参照して、通信端末装置40において実行される受信側処理について説明する。図12に示す処理は、ROM402に記憶されたプログラムに従って、CPU401が実行する。
【0058】
図12に示す受信側処理は、通信端末装置40の電源がONにされると開始される。初めに、他の通信端末装置40から、画像情報と分割領域情報の受信をしたかどうかを判断する(S701)。具体的には、他の通信端末装置の送信側処理(図11)でのS602の送信処理により送信された画像情報と分割領域情報を受信したかどうかを判断する。ステップS701の処理にて、受信していないと判断された場合(S701:NO)、ステップS703へ移行する。また、ステップS701の処理で、画像情報と分割領域情報を受信したと判断した場合(S701:YES)、受信した画像情報と分割領域情報の記憶処理を実行する(S702)。具体的には、フラッシュROM404の画像情報記憶エリア4041に、画像情報データベース4041Aに受信した画像情報と分割領域情報を記憶し、さらに対応する分割領域情報データベース4043Aを分割領域情報記憶エリア4043に記憶する。
【0059】
そして、CPU401は、電話の着呼があったかどうかを判断する(S703)。ここでは、他の通信端末装置40の送信側処理(図11)において、S603の処理にて発呼された発呼指示に対応する着呼指示があったかどうかを判断する。CPU401がステップS703の処理で、着呼指示が無いと判断した場合(S703:NO)、ステップS701の処理へ戻る。また、ステップS703の処理で着呼指示があったと判断した場合(S703:YES)、発呼指示に対応した他の通信端末装置40と電話回線を介して通話ができるよう処理を実行する(S704)。
【0060】
続いて、ステップS704の処理にて他の通信端末装置40と通話中になった状態で、通話相手の通信端末装置40から受信した画像情報の表示指示があったかどうかを判断する(S705)。具体的には、利用者が通話中の相手の通信端末装置40から受信済の画像情報を表示手段413へ表示するよう操作指示があったどうかを判断する。ここで言う受信済の画像情報とは、ステップS701、S702の処理にて、取得し記憶された画像情報である。本実施形態では、画像情報P0001が受信済の画像情報となる。ステップS705の処理にて、CPU401は表示指示があったと判断した場合(S705:YES)、画像情報の表示処理を実行する(S706)。本実施形態では、利用者が画像情報P0001を表示するよう指示したとすると、図7の(a)に示すような画像情報90が表示手段413へ表示する。
【0061】
さらに、CPU401は、通話相手の通信端末装置40から、トーン信号を受信したかどうかを判断する(S707)。具体的には、通話相手の通信端末装置40の送信側処理(図11)での、ステップS608の処理で送信されたトーン信号を受信したかどうかを判断する。そして、CPU401がトーン信号を受信したと判断した場合(S707:YES)、対応する領域にポインタ画像を表示する処理を実施する(S708)。続いて、CPU401は、通話終了指示があったかどうかを判断する(S709)。具体的には、利用者が電話による通話を切る操作を行ったかどうか、または、通話相手から通話が切られたかどうかを通話終了として判断し、通話終了の指示があった場合(S709:YES)、通話を終了し、表示手段413へ表示している画像情報の表示を終了する処理を行い(S710)、本処理である受信側処理を終了する。または、S709の処理にて、CPU401は通話終了の指示が無いと判断した場合(S709:NO)、ステップS705の処理へ戻り繰り返し処理が実行する。
【0062】
本実施形態を用いて具体的に説明すると、通話相手の通信端末装置40の送信側処理のステップS608(図11)にて、トーン信号No,D1が送信されているので、受信側の通信端末装置40の受信側処理では、ステップS707でトーン信号No,D1を受信する。受信したトーン信号No,D1に対して、ステップS701、S702の処理で受信し記憶した分割領域情報データベース4043Aを参照して、トーン信号No,D1に対応する分割領域B1を特定する。そして、図13に示す様に、特定した分割領域B1の領域内の所定の位置にポインタ画像80を表示中の画像情報90に重ねて表示する。図13の(a)は、画像情報90に対応した分割領域情報を説明便宜上示した説明図であり、図13の(b)は、実際に利用者が見るポインタ画像が表示された状態の画面説明図である。
【0063】
上述のポインタ画像は、図示は省略するが、CPU401がフラッシュROM404のポインタ画像情報記憶エリア4045に記憶されているデータベースから取得するようになっている。また、本実施形態では、ポインタ画像としてポインタ画像80のような矢印形状を用いたが、これに限るものでは無く、丸形や三角形などの他形状を用いることもできる。
【0064】
本実施形態により、利用者が通信端末装置40間で電話回線による通話をしながら、表示画面の指示したい位置をタッチするなどの操作指示を行うことで、通話相手の表示画面の対応する位置へポインタ画像を表示することができる。さらに、表示している画像情報の中に指示したい対象物である特定画像が含まれている場合は、利用者はその特定画像に対してある程度ずれた位置へタッチしても、通話相手の表示画面に表示されている特定画像に対して的確にポインタ画像を表示することができる。したがって、利用者は通話中に表示している画像情報に対して、指示をしながら会話をすることができ、電話による会話を円滑に進めることができるようになる。
【0065】
なお、前述の実施形態に示される構成や処理は例示であり、各種の変形が可能なことはいうまでもない。例えば、図5の分割領域情報生成処理にて、ステップS506の処理で特定画像以外の領域を、色情報を解析して色分布により分割領域を決定したが、色情報を解析せず、予め設定された分割領域で均等に分割するようにしても良い。また、図8に示すトーン信号情報はあくまで一例であるので、これに限るものではない。
【0066】
また、図11の送信側処理にてステップS607、S608によりトーン信号を発信しているが、本実施形態の通信端末装置40は、通信側処理と受信側処理の両方を実行できるようになっているので、受信側処理を実行している通信端末装置40にて、上述したステップS607、S608を実行することもできる。また、ステップS607での操作指示をタッチパネルによる操作入力で説明したが、これに限るものでは無く、例えば、通信端末装置40にマウスコントローラによる入力手段を備えておけば、マウスの操作により操作指示を行うこともできる。
【0067】
また、図11のステップS620の処理では、利用者によりステップS607の処理にて指示操作された場合、自拠点にて対応する分割領域にポインタ画像情報を表示するようにしたが、これに限るものでは無く、自拠点の表示手段にはポインタ画像を表示しないようにしても良い。
【0068】
さらに、本実施形態では、指示情報としてポインタ画像を用いて説明したが、これに限るものでは無く、例えば、利用者により操作された指示位置を含む分割領域の色を変更表示したり、対応した分割領域を囲む稜線を指示情報として表示する等の方法を用いても良い。
【符号の説明】
【0069】
20 電話回線
30 子機
40 通信端末装置
411 マイク
412 スピーカ
413 表示手段
4044A トーン信号周波数データベース
4044B トーン信号情報データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電話回線を介して装置間で情報の送受信を行う通信手段と通話を行う通話手段とを備えた通信端末装置において、
画像情報を表示する表示領域を備えた表示手段と、
前記表示手段の表示領域に対して、利用者により指示操作された位置を示す情報である操作位置情報を検出する検出手段と、
前記表示領域に表示されている前記画像情報から所定条件に基づいて、人の顔画像又は対象物を示す対象物画像である特定画像を検出し、前記特定画像の表示領域を示す特定画像情報を抽出する特定画像情報抽出手段と、
前記特定画像情報抽出手段により抽出された前記特定画像情報に基づいて前記表示手段の表示領域を複数の分割領域に分割し、前記分割領域毎にトーン信号を対応付けした情報である分割領域情報を生成する分割領域情報生成手段と、
前記画像情報と前記分割領域情報生成手段により生成された前記分割領域情報を対応付けて他の通信端末装置に送信する画像分割領域情報送信手段と、
他の通信端末装置から、前記画像分割領域情報送信手段により送信された前記画像情報と前記分割領域情報を受信する画像分割領域情報受信手段と、
前記通話手段にて他の通信端末装置と通話中に前記検出手段により前記操作位置情報を検出した場合、前記操作位置情報が示す位置を含む前記分割領域情報に対応するトーン信号を、通話中の他の通信端末装置に送信するトーン信号送信手段と、
通話中の他の通信端末装置から前記トーン信号送信手段により送信された前記トーン信号を受信するトーン信号受信手段と、
前記トーン信号受信手段により受信した前記トーン信号と、前記画像分割領域情報受信手段により受信した前記分割領域情報と照合して対応する前記分割領域を特定し、特定された前記分割領域に指示情報を表示する分割領域指示情報表示手段と、
を備えることを特徴とする通信端末装置。
【請求項2】
前記分割領域情報生成手段は、前記特定画像情報抽出手段により抽出された前記特定画像情報の1つが、前記複数の分割領域の何れか1つに含まれるよう前記分割領域情報を生成することを特徴とする請求項1に記載の通信端末装置。
【請求項3】
前記分割領域情報生成手段は、前記特定画像を含まない分割領域に対応付ける前記トーン信号より送信時間が短いトーン信号を、前記特定画像を含む分割領域に対応付けて前記分割領域情報を生成することを特徴とする請求項1乃至2のいずれかに記載の通信端末装置。
【請求項4】
前記通信端末装置は、
人の顔画像を検出するための顔特徴情報、または対象物画像を検出するための対象物特徴情報が記憶されている特徴情報記憶手段をさらに備え、
前記特定画像情報抽出手段は、前記特徴情報記憶手段に記憶されている前記顔特徴情報、または前記対象物特徴情報と、前記表示領域に表示されている前記画像情報とを照合することにより、前記特定画像情報を抽出することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の通信端末装置。
【請求項5】
前記特徴情報記憶手段に記憶されている前記顔特徴情報、もしくは前記対象物特徴情報には、優先順位を示す優先情報が対応付けて記憶されており、
前記特定画像情報抽出手段により、前記表示領域に表示されている前記画像情報から複数の前記特定画像情報が抽出された場合、
前記分割領域情報生成手段は、前記優先情報が示す優先順位の高い前記特定画像情報から順に、送信時間が短い前記トーン信号を対応付けて前記分割領域情報を生成することを特徴とする請求項4に記載の通信端末装置。
【請求項6】
前記表示領域に表示されている前記画像情報の色の情報である色情報の分布を分析する色情報分析手段を備え、
前記分割領域情報生成手段は、前記特定画像情報抽出手段により抽出された前記特定画像情報以外の領域を、前記色情報分析手段により分析された前記色情報の分布に基づいて分割した前記分割領域情報を生成することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の通信端末装置。
【請求項7】
電話回線を介して装置間で情報の送受信を行う通信手段と通話を行う通話手段とを備えた通信端末装置での情報通信方法において、
画像情報を表示する表示領域に表示されている前記画像情報から所定条件に基づいて、人の顔画像又は対象物を示す対象物画像である特定画像を検出し、前記特定画像の表示領域を示す特定画像情報を抽出する特定画像情報抽出ステップと、
前記特定画像情報抽出ステップにより抽出された前記特定画像情報に基づいて前記表示手段の表示領域を複数の分割領域に分割し、前記分割領域毎にトーン信号を対応付けした情報である分割領域情報を生成する分割領域情報生成ステップと、
前記画像情報と前記分割領域情報生成ステップにより生成された前記分割領域情報を対応付けて他の通信端末装置に送信する画像分割領域情報送信ステップと、
他の通信端末装置から、前記画像分割領域情報送信ステップにより送信された前記画像情報と前記分割領域情報を受信する画像分割領域情報受信ステップと、
前記通話手段にて他の通信端末装置と通話中に、前記表示領域に重層して配置され、利用者により指示操作された位置を示す情報である操作位置情報を検出する検出ステップと、
前記検出ステップにより前記操作位置情報を検出した場合、前記操作位置情報が示す位置を含む前記分割領域情報に対応するトーン信号を、通話中の他の通信端末装置に送信するトーン信号送信ステップと、
通話中の他の通信端末装置から前記トーン信号送信ステップにより送信された前記トーン信号を受信するトーン信号受信ステップと、
前記トーン信号受信ステップにより受信した前記トーン信号と、前記画像分割領域情報受信ステップにより受信した前記分割領域情報と照合して対応する前記分割領域を特定し、特定された前記分割領域に指示情報を表示する分割領域指示情報表示ステップと、
を備えることを特徴とする通信端末装置の情報通信方法。
【請求項8】
電話回線を介して装置間で情報の送受信を行う通信手段と通話を行う通話手段とを備えた通信端末装置を動作させる情報通信プログラムであって、
画像情報を表示する表示領域に表示されている前記画像情報から所定条件に基づいて、人の顔画像又は対象物を示す対象物画像である特定画像を検出し、前記特定画像の表示領域を示す特定画像情報を抽出する特定画像情報抽出ステップと、
前記特定画像情報抽出ステップにより抽出された前記特定画像情報に基づいて前記表示手段の表示領域を複数の分割領域に分割し、前記分割領域毎にトーン信号を対応付けした情報である分割領域情報を生成する分割領域情報生成ステップと、
前記画像情報と前記分割領域情報生成ステップにより生成された前記分割領域情報を対応付けて他の通信端末装置に送信する画像分割領域情報送信ステップと、
他の通信端末装置から、前記画像分割領域情報送信ステップにより送信された前記画像情報と前記分割領域情報を受信する画像分割領域情報受信ステップと、
前記通話手段にて他の通信端末装置と通話中に、前記表示領域に重層して配置され、利用者により指示操作された位置を示す情報である操作位置情報を検出する検出ステップと、
前記検出ステップにより前記操作位置情報を検出した場合、前記操作位置情報が示す位置を含む前記分割領域情報に対応するトーン信号を、通話中の他の通信端末装置に送信するトーン信号送信ステップと、
通話中の他の通信端末装置から前記トーン信号送信ステップにより送信された前記トーン信号を受信するトーン信号受信ステップと、
前記トーン信号受信ステップにより受信した前記トーン信号と、前記画像分割領域情報受信ステップにより受信した前記分割領域情報と照合して対応する前記分割領域を特定し、特定された前記分割領域に指示情報を表示する分割領域指示情報表示ステップと、
をコンピュータに実行させるための情報通信プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−71823(P2011−71823A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−222149(P2009−222149)
【出願日】平成21年9月28日(2009.9.28)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】