説明

通信端末装置、通信制御方法、及び通信制御プログラム、

【課題】使用者による入力操作音を他の通信端末装置へ送信されることを抑制することができる通信端末装置、通信制御方法、通信制御プログラムを提供することを目的とする。
【解決手段】まず初めに、CPU121は、入力装置127への入力操作が有るかどうかを判断する(S801)。入力操作有りと判断した場合(S801:YES)、さらに音情報の入力を検出できたと判断して(S802:YES)、次に検出した音情報が第二閾値以上かどうかを判断する(S803)。第二閾値以上であると判断した場合(S803:YES)、ステップS810の処理にて、CPU121は、ステップS802、S803で検出した第二閾値以上の音量を、第一閾値以下になるよう変更制御して、他の通信端末装置120へ送信する処理を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信端末装置、通信制御方法、及び通信制御プログラムに関し、詳細には、使用者による入力操作音を他の通信端末装置へ送信されることを抑制することができる通信端末装置、通信制御方法、通信制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の拠点でネットワークを介して接続し、各拠点で取得された撮影画像と音声情報を双方向に送受信することにより、遠隔の地にある者同士の会議を実現するテレビ会議装置が知られている。
【0003】
さらにテレビ会議装置で行われる会議の進行中に、会議参加者が文字や図形を入力して他拠点の会議装置と送受信しながらリアルタイムに会議を行うシステムも考案されている。(特許文献1)。上記システムでは、撮影画像や音声情報の他に、使用者により入力された文字情報、図形情報に識別情報を付加してメッセージパケットとして他の会議装置へ送信する。そしてメッセージパケットを受信した会議装置では、付加された識別情報に従って識別され、撮像画像、音声情報、文字情報、図形情報を、それらのイベント発生順に共有ウィンドウに表示させることができるので、複数種類のデータを同期させながらリアルタイムにテレビ会議を行うことができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−297624号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記会議装置を用いてテレビ会議を進行しながら、一時的にチャット機能等を作動させて文字情報での会話を行う場合、使用者はテレビ会議装置に備えられているキーボード等にタイプ入力操作を行う。その様な場合、使用者のキーボードへのタイプ入力操作による操作音が、マイクに集音されてしまい、相手拠点のスピーカから不要な音として出力されてしまうという課題がある。
【0006】
そこで、本発明の目的は、通信端末装置、通信制御方法、及び通信制御プログラムに関し、詳細には、使用者による入力操作音を他の通信端末装置へ送信されることを抑制することができる通信端末装置、通信制御方法、通信制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成する為に、請求項1に記載の通信端末装置では、通信回線を介して他の通信端末装置と接続され、情報の送受信を行う通信端末装置において、前記通信端末装置が設置された場所での使用者の音声、又は周囲の音を前記音情報として入力する音情報入力手段と、前記音情報入力手段により入力された前記音情報を他の前記通信端末装置へ送信する音情報送信手段と、使用者の操作により入力領域画面に入力された情報を入力情報として取得する入力情報取得手段と、前記入力情報取得手段により入力された前記入力情報、または他の前記通信端末装置から受信した前記入力情報を表示手段へ出力する入力情報出力手段と、前記入力情報取得手段により前記入力情報を取得中かどうか判断する入力状態判断手段と、前記入力状態判断手段により前記入力情報を取得中であると判断した場合、前記音情報送信手段により送信する前記音情報の音量レベルを第一閾値以下に変更する音量レベル変更手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の通信端末装置では、請求項1に記載の構成に加え、前記入力情報取得手段で取得された前記入力情報を他の前記通信端末装置へ通信回線を介して送信する入力情報送信手段をさらに備え、前記音量レベル変更手段は、前記音情報送信手段により送信する前記音情報の音量レベルを第一閾値以下に変更した後に、前記入力情報送信手段により前記入力情報を送信したと判断したら、前記第一閾値以下に変更した前記音量レベルを変更前の音量レベルに戻すことを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の通信端末装置では、請求項1乃至2のいずれかに記載の構成に加え、前記入力状態判断手段は、前記入力情報取得手段による前記入力情報の入力操作に対応した音量が第二閾値以上かどうかを判断する入力操作音量判断手段をさらに備え、前記音量レベル変更手段は、前記入力操作音量判断手段により入力操作に対応した前記音量が第二閾値以上と判断された場合のみ、前記音量レベルを変更することを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の通信端末装置では、請求項1乃至3のいずれかに記載の構成に加え、前記音量レベル変更手段は、前記第一閾値を0として、前記音情報送信手段により前記音情報の送信を停止することを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の通信端末装置では、請求項1乃至4のいずれかに記載の構成に加え、前記通信端末装置が設置されている周囲を撮像し撮像画像を生成する撮像手段と、前記撮像手段より生成された前記撮像画像を他の前記通信端末装置へ通信回線を介して送信する撮像画像送信手段と、他の前記通信端末装置の前記撮像画像送信手段で送信された前記撮像画像を前記表示手段へ出力する撮像画像出力手段をさらに備え、前記撮像画像送信手段は、前記音量レベル変更手段により前記音量レベルを変更すると判断した場合、変更すると判断した時点の直前の前記撮像画像を静止画像として他の前記通信端末装置へ送信することを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の通信制御方法では、通信回線を介して他の通信端末装置と接続され、情報の送受信を行う通信端末装置にて処理される通信制御方法おいて、前記通信端末装置が設置された場所での使用者の音声、又は周囲の音を前記音情報として入力する音情報入力ステップと、前記音情報入力ステップにより入力された前記音情報を他の前記通信端末装置へ送信する音情報送信ステップと、使用者の操作により入力領域画面に入力された情報を入力情報として取得する入力情報取得ステップと、前記入力情報取得ステップにより入力された前記入力情報、または他の前記通信端末装置から受信した前記入力情報を表示手段へ出力する入力情報出力ステップと、前記入力情報取得ステップにより前記入力情報を取得中かどうか判断する入力状態判断ステップと、前記入力状態判断ステップにより前記入力情報を取得中であると判断した場合、前記音情報送信ステップにより送信する前記音情報の音量レベルを第一閾値以下に変更する音量レベル変更ステップとを処理することを特徴とする。
【0013】
請求項7に記載の通信制御プログラムでは、通信回線を介して他の通信端末装置と接続され、情報の送受信を行う通信端末装置にて実行させる通信制御プログラムおいて、前記通信端末装置が設置された場所での使用者の音声、又は周囲の音を前記音情報として入力する音情報入力ステップと、前記音情報入力ステップにより入力された前記音情報を他の前記通信端末装置へ送信する音情報送信ステップと、使用者の操作により入力領域画面に入力された情報を入力情報として取得する入力情報取得ステップと、前記入力情報取得ステップにより入力された前記入力情報、または他の前記通信端末装置から受信した前記入力情報を表示手段へ出力する入力情報出力ステップと、前記入力情報取得ステップにより前記入力情報を取得中かどうか判断する入力状態判断ステップと、前記入力状態判断ステップにより前記入力情報を取得中であると判断した場合、前記音情報送信ステップにより送信する前記音情報の音量レベルを第一閾値以下に変更する音量レベル変更ステップと、
を前記通信端末装置で実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の通信端末装置では、通信回線を介して他の通信端末装置と接続され、情報の送受信を行う。通信端末装置が設置された場所での使用者の音声、又は周囲の音を音情報として入力する。そして入力された音情報を他の通信端末装置へ送信する。また、使用者の操作により入力領域画面に入力された情報を入力情報として取得する。入力された入力情報、または他の通信端末装置から受信した入力情報を表示手段へ出力する。また、入力情報を取得中かどうか判断し、取得中であると判断した場合、送信する音情報の音量レベルを第一閾値以下に変更する。したがって、他拠点の通信端末装置と会議を進行している時に、使用者が一時的に他拠点と文字情報による会話を行いたい場合は、文字を入力している操作中の音量レベルを低下させて他拠点の通信端末装置へ音情報を送信することができる。よって、テレビ会議中に文字情報による会話が行われている時は、文字を入力する際の操作音が、相手拠点に不快な音として送信されることを抑制することができる。
【0015】
請求項2に記載の通信端末装置では、請求項1に記載の構成の効果に加え、取得された入力情報を他の通信端末装置へ通信回線を介して送信する。そして送信する音情報の音量レベルを第一閾値以下に変更した後に、入力情報を送信したと判断したら、第一閾値以下に変更した音量レベルを変更前の音量レベルに戻す。したがって、使用者は、操作により入力した文字等の入力情報を他の通信端末装置へ送信が完了したら、他拠点へ送信する音情報の音量レベルを元の状態に戻すので、従来の音声による会話を円滑に行うことができるようになる。
【0016】
請求項3に記載の通信端末装置では、請求項1乃至2のいずれかに記載の構成の効果に加え、入力情報の入力操作に対応した音量が第二閾値以上かどうかを判断する。そして入力操作に対応した音量が第二閾値以上と判断された場合のみ、音量レベルを変更する。したがって、他拠点の通信端末装置と会議を進行している時に、使用者が一時的に文字等の入力情報の入力操作を行った場合でも、その入力操作に対応した音量がある閾値以上の大きな音量の場合のみ、音量レベルを変更させることができる。よって、入力操作音が比較的小さい音量の場合は、音量レベルは変更されないので、不要に音量レベルが変更されることを抑制できる。
【0017】
請求項4に記載の通信端末装置では、請求項1乃至3のいずれかに記載の構成の効果に加え、第一閾値を0として、音情報の送信を停止する。したがって、他拠点の通信端末装置と会議を進行している時に、使用者が一時的に他拠点と文字情報による会話を行いたい場合は、文字を入力している操作中の音量レベルを0にして、一時的に他拠点の通信端末装置へ音情報を送信することを停止することができる。
【0018】
請求項5に記載の通信端末装置では、請求項1乃至4のいずれかに記載の構成の効果に加え、通信端末装置が設置されている周囲を撮像し撮像画像を生成する。生成された撮像画像を他の前記通信端末装置へ通信回線を介して送信する。他の通信端末装置から送信された撮像画像を表示手段へ出力する。そして、音量レベルを変更すると判断した場合、変更すると判断した時点の直前の撮像画像を静止画像として他の通信端末装置へ送信する。したがって、他拠点の通信端末装置と会議を進行している時に、使用者が一時的に他拠点と文字情報による会話を行いたい場合は、文字を入力している操作中の音量レベルを低下させ、かつ使用者の撮像画像を入力操作直前の画像を静止画像として他拠点の通信端末装置へ送信することができる。よって、使用者が入力情報を入力している時の不要な撮像画像を、入力操作前の静止画像に変更するので、使用状況に合わせて通信負荷、処理負荷を低減させることができる。
【0019】
請求項6に記載の通信制御方法では、通信回線を介して他の通信端末装置と接続され、情報の送受信を行う。通信端末装置が設置された場所での使用者の音声、又は周囲の音を音情報として入力する。そして入力された音情報を他の通信端末装置へ送信する。また、使用者の操作により入力領域画面に入力された情報を入力情報として取得する。入力された入力情報、または他の通信端末装置から受信した入力情報を表示手段へ出力する。また、入力情報を取得中かどうか判断し、取得中であると判断した場合、送信する音情報の音量レベルを第一閾値以下に変更する。したがって、他拠点の通信端末装置と会議を進行している時に、使用者が一時的に他拠点と文字情報による会話を行いたい場合は、文字を入力している操作中の音量レベルを低下させて、他拠点の通信端末装置へ音情報を送信することができる。よって、テレビ会議中に文字情報による会話が行われている時は、文字を入力する際の操作音が、相手拠点に不快な音として送信されることを抑制することができる。
【0020】
請求項7に記載の通信制御プログラムでは、通信回線を介して他の通信端末装置と接続され、情報の送受信を行う。通信端末装置が設置された場所での使用者の音声、又は周囲の音を音情報として入力する。そして入力された音情報を他の通信端末装置へ送信する。また、使用者の操作により入力領域画面に入力された情報を入力情報として取得する。入力された入力情報、または他の通信端末装置から受信した入力情報を表示手段へ出力する。また、入力情報を取得中かどうか判断し、取得中であると判断した場合、送信する音情報の音量レベルを第一閾値以下に変更する。したがって、他拠点の通信端末装置と会議を進行している時に、使用者が一時的に他拠点と文字情報による会話を行いたい場合は、文字を入力している操作中の音量レベルを低下させて、他拠点の通信端末装置へ音情報を送信することができる。よって、テレビ会議中に文字情報による会話が行われている時は、文字を入力する際の操作音が、相手拠点に不快な音として送信されることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】テレビ会議システム100の概略構成図である。
【図2】テレビ会議システム100の電気的構成図である。
【図3】会議装置1の構成説明図である。
【図4】作動履歴情報データベース1153の説明図である。
【図5】通信端末装置1で実行するメイン処理のフローチャート図である。
【図6】通信端末装置1で実行する情報送信処理のフローチャート図である。
【図7】表示装置125でのチャットモード画面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を具体化した通信端末装置の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、これらの図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものであり、記載されている装置の構成、各種処理のフローチャートなどは、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
【0023】
まず、図1〜図2を参照して、本実施形態のテレビ会議システム100の概略構成、及び構成要素である会議装置1、通信端末装置120の電気的構成について、順に説明する。図1に示すように、テレビ会議システム100は、各拠点(以後、10A、10B、10Cとする。)に設けられた、会議装置1、通信端末装置120を含み、これらはすべてネットワーク200に接続されている。ネットワーク200としては、例えば、IP(Internet Protocol)やISDN(Integrated Services Digital Network)等のネットワークを採用することができる。図1では、拠点は3拠点しか図示されていないが、実際には複数が存在してもよい。また各拠点は、例えば、ある企業の同一サイト内に複数存在してもよいし、異なる事業所内や、異なる地域や国に点在して存在していてもよい。
【0024】
通信端末装置120は、例えば、周知のパーソナルコンピュータであり、汎用型の装置である。通信端末装置120は、ネットワーク200を介して接続された複数の拠点間で、使用者の撮像画像や音声情報を送受信することでTV会議を行う為の通信機能等を備える。また、会議装置1は、テレビ会議使用者の撮像画像を取得するカメラ機器や、音声情報を取得するマイク機器、音声情報を出力するスピーカ機器を備える。また、会議装置1は、通信端末装置120と電気的な接続をすることにより、ネットワーク200を介して他拠点とテレビ会議を行うための機器として機能するようになる。会議装置1、通信端末装置120についての詳細な説明は、後述する。
【0025】
さらに、テレビ会議への参加を希望する使用者は、通信端末装置120のうちいずれかを操作し、使用者はID情報等を登録することによってテレビ会議にログインする。テレビ会議に参加した状態では、例えば会議装置1のカメラ(図3参照)によって会議に参加している使用者が撮像される。撮像された画像(以下「撮像画像」という。)は、会議装置1から通信端末装置120へ送信され、他拠点の通信端末装置120に対して送信される。撮像画像を受信した他拠点の通信端末装置120では、受信した撮像画像を自拠点で撮像した撮像画像と共に表示装置125に表示させる。撮像画像が複数存在する場合、個別のウィンドウ内に其々表示させる。これによってテレビ会議に参加する使用者は、各拠点で会議に参加する使用者の撮像画像を共有して視認することが可能となる。
【0026】
次に、図2を参照して、会議装置1、通信端末装置120の電気的構成について説明する。会議装置1としては、CPU111と、CPU111に各々接続されたROM112およびRAM113を備えている。CPU111には、その他、入出力(I/O)インタフェイス114が接続されている。I/Oインタフェイス114には、カメラ6、マイク4、スピーカ10、画像入力処理部106、音入力処理部104、音出力処理部110、記録装置115、外部接続装置116が接続されている。
【0027】
CPU111は、会議装置1の全体の制御を司る。ROM112は、BIOSを含む、会議装置1を動作させるための各種のプログラムや、そのための設定値を記憶している。CPU111は、ROM112や後述する記憶装置115に記憶されたプログラムに従って、会議装置1の動作を制御する。RAM113は、各種データを一時的に記憶するための記憶装置である。
【0028】
画像入力処理部106、音入力処理部104、音出力処理部110には、それぞれ、カメラ6、マイク4、スピーカ10が接続されている。カメラ6は、会議装置1が設置されている拠点を撮像する撮像機器であり、画像入力処理部106は、カメラ6からの撮像画像の入力を処理する機器である。マイク4は、会議装置1が設置されている拠点の音情報を取得する機器であり、音入力処理部104は、マイク4から入力された音情報を処理する機器である。スピーカ10は、他拠点の装置から送信された他拠点の音情報を出力する機器であり、音出力処理部110は、スピーカ10へ音情報の出力を処理する機器である。
【0029】
外部接続装置116は、汎用的なUSB機器等であり、通信端末装置120と接続することで撮像画像や音情報の送受信を行うための通信機器である。
【0030】
また、記憶装置115は、プログラム情報記憶エリア1151、作動履歴情報記憶エリア1152、を含む複数の記憶エリアを備えている。プログラム情報記憶エリア1151には、詳細は図示しないが、撮像画像、音情報を通信端末装置120との間で送受信する機能を会議装置1に実行させるための各種プログラムが記憶されている。作動履歴情報記憶エリア1152には、詳細な説明は後述するが、図4に示すような作動履歴情報データベース1153が記憶されている。
【0031】
次に、通信端末装置120の電気的構成について説明をする。通信端末装置120としては、CPU121と、CPU121に各々接続されたROM122およびRAM123を備えている。CPU121には、その他、入出力(I/O)インタフェイス124が接続されている。I/Oインタフェイス124には、表示装置125、画像出力処理部126、入力装置127、通信装置133、記憶装置135、外部接続装置150、CD−ROMドライブ140が接続されている。
【0032】
CPU121は、通信端末装置120の全体の制御を司る。ROM122は、BIOSを含む、通信端末装置120を動作させるための各種のプログラムや、そのための設定値を記憶している。CPU121は、ROM122や、後述する記憶装置135に記憶されたプログラムに従って、通信端末装置120の動作を制御する。RAM123は、各種データを一時的に記憶するための記憶装置である。
【0033】
画像出力処理部126には、表示装置125が接続されている。表示装置125は、他拠点から取得した撮像画像や、自拠点で撮像された撮像画像等を表示する機器であり、汎用的な液晶モニタ、プロジェクタ等の表示機器である。画像出力処理部126は、表示装置125への撮像画像の出力を処理する機器である。また、入力装置127は、使用者が通信端末装置120へ情報を入力するための装置であり、汎用的なキーボードや、ペンタブレット等の入力装置である。
【0034】
また、記憶装置135は、プログラム情報記憶エリア1351を含む複数の記憶エリアを備えている。詳細は図示しないが、撮像画像、音情報を会議装置1や、他拠点の通信端末装置120との間で送受信することでテレビ会議を行うためのテレビ会議アプリを、通信端末装置120に実行させるための各種プログラムが記憶されている。また、本実施例では、テレビ会議を行っている他拠点と文字情報による会話を行う機能であるチャットモード機能を実行させるプログラムも記憶されているものとする。
【0035】
CD−ROMドライブ140は、CD−ROM141に記録されているデータを読み込む機器である。また、CD−ROM141は、通信端末装置120でテレビ会議を行うためのテレビ会議アプリ等が記憶されている。CD−ROM141の導入時には、これら各種プログラムが、CD−ROM141から、プログラム記憶エリア1351に記憶される。外部接続装置150は、汎用的なUSB機器等であり、会議装置1に接続することで撮像画像や音情報の送受信を行うための通信機器である。通信装置133は、ネットワーク200に接続し、他の通信端末装置120との間で撮像画像や音情報等の各種データの送受信を行うための機器である。
【0036】
次に、図3を参照しながら、本実施形態での会議装置1の外観構成について説明をする。図3に示すように、会議装置1は、第一筐体2と、第二筐体3とを備えている。第一筐体2と第二筐体3とは、回転軸5を介して連結され、回転軸5を中心に回動することで折り畳み可能に構成されている。会議装置1の上部中央には、回転軸5に回動可能に軸支されたカメラ6が設けられている。カメラ6の中心にはレンズ部7が設けられている。会議装置1は、回転軸5を上方に向け、第一筐体2と第二筐体3とを最大角度で開いた状態で、机上等の水平面に載置して自立させることができる。会議装置1が自立した状態で、カメラ6を回動し、レンズ部7を撮像対象者に向けることで、会議装置1の設置が完了する。
【0037】
次に、第一筐体2の構造について説明する。図3に示すように、第一筐体2は、縦長の略直方体状に形成されている。第一筐体2の内側には、電子基板等の各種電子部品が格納されている。第一筐体2は、正面部21、右側面部22、左側面部23、上面部24、底面部25、背面部26を備えている。正面部21の略中央には、スピーカ10が設けられている。スピーカ10は、他拠点の通信端末装置120から送信された音情報等を出力する。正面部21の下部の左右両側には、マイク4(11,12)が各々設けられている。マイク4は、自拠点の使用者の音情報を取得し、接続している自拠点の通信端末装置120へ出力する。
【0038】
上面部24は、正面部21の上部から後方に向かって半円弧状に形成されている。その終端部は上面部24の最上部に位置し、かつ回転軸5に対して直交する方向に切断されている。この終端部には、第一筐体2と第二筐体3を開く際に、第二筐体3の上端部に設けられた後述する係止部66が係止するための被係止部56が設けられている。図3に示すように、係止部66が被係止部56に係止することによって、第一筐体2と第二筐体3の回動が制限される。このとき、第一筐体2と第二筐体3との開度は最大角度となる。
【0039】
また、上面部24の長手方向中央には、略長方形状に切り欠いた凹部14が設けられている。凹部14の内側には、回転軸5を中心に回動可能に軸支されたカメラ6が設けられている。カメラ6を使用する時は、図3に示すように、カメラ6を回動してレンズ部7を外部に露出させる。カメラ6を使用しない時は、カメラ6を回動してレンズ部7を凹部14の内側に収納する。レンズ部7を収納できるので、使用しない時にレンズ部7が損傷するのを防止できる。
【0040】
右側面部22の長手方向略中央には、スピーカ10の音量を大きくするための+(プラス)ボタン51と、小さくするための−(マイナス)ボタン52とが上下に並んで設けられている。右側面部22の下側には、マイク4による音の入力を一時禁止するマイク禁止ボタン53が設けられている。
【0041】
右側面部22の背面部26側の縁部に沿った部分には、右側面部22よりも一段低くなった段差部22Aが設けられている。段差部22Aは、会議装置1を閉じたときに、第二筐体3の後述する側壁部32によって覆われる部分である。この段差部22Aを設けることによって、会議装置1を閉じた状態において、第一筐体2の右側面部22と、第二筐体3の側壁部32とを面一にできる。
【0042】
左側面部23には、カメラ6による撮影を一時中断するカメラ中断ボタン(図示外)と、通信端末装置120に対して撮像画像、音情報の入出力を行うための通信用の配線を接続するため、汎用的なUSB機器等の外部接続装置部(図示外)が設けられている。
【0043】
底面部25は、背面部26側の非接地部27と、正面部21側の接地部28とからなる。接地部28は、非接地部27よりも下方に突出しているため、机上等の水平面に接地する部分となる。図3に示すように、接地部28は、正面部21側から背面部26側に向かって所定角度で斜め上方に傾斜している。接地部28の傾斜面は、会議装置1を最大角度で開き、机上等の水平面に自立させたときに水平となるように形成されている。
【0044】
次に、第二筐体3の構造について説明する。図3に示すように、第二筐体3は、断面凹状の蓋状に形成されている。第二筐体3は、薄板である本体部31を備えている。本体部31は、その上端部において回転軸5に回動可能に連結されている。本体部31の左右両端部には、第一筐体2側に向かって突出するリブ状の側壁部32(左端部の側壁部は図示外)が各々設けられている。さらに、本体部31の下端部には、第一筐体2側に向かって突出すると共に、机上に接地するリブ状の接地部33が設けられている。一対の側壁部32と接地部33とは互いに連接している。
【0045】
また、これら本体部31、側壁部32、接地部33によって囲まれる内側に、第一筐体2の背面部26側に覆い被さるための空洞部37が形成されている。会議装置1を折り畳んだときに、第一筐体2の背面部26側に第二筐体3が覆い被さることで、会議装置1の厚みを薄くできる。
【0046】
次に、図4を参照にしながら、作動履歴情報記憶エリア1152に記憶されている作動履歴情報データベース1153について説明をする。作動履歴情報データベース1153には、履歴番号、日付、ID、カメラの拡大値、解像度、マイクの音量、指向性、スピーカの音量の項目が対応付けて記憶されている。履歴番号の項目は、作動履歴情報が追加される際に自動で採番される番号情報が記憶されている。日付の項目には、作動履歴情報の各項目が記憶された日付情報が年月日情報として記憶されている。IDの項目には、会議装置1と接続した通信端末装置120の識別情報が記憶されている。カメラの拡大値の項目には、カメラ6を前回作動させた時の拡大値が記憶されている。拡大値の設定については、テレビ会議アプリを介して使用者が適宜設定できるようになっている。カメラの解像度の項目は、カメラ6を前回作動させた時の解像度設定値が記憶されている。本実施形態での解像度とは、表示装置125に撮像画像を表示するための表示条件である画素数を示す情報であり、m×nの形式で記憶されている。また、画素数が多い程、つまり解像度が大きい程、表示装置125にて表示する撮像画像を高画質で表示できる。マイクの音量の項目には、マイク4を前回作動させた時の入力レベル設定値が記憶されている。マイクの指向性の項目には、マイク4を前回作動させた時の入力方向に関する特性値である指向方向の設定値が記憶されている。スピーカの音量の項目には、スピーカ10を前回作動させた時の出力レベルの設定値が記憶されている。
【0047】
次に、図5を参照して通信端末装置120のCPU121により行われるメイン処理について説明をする。図5は通信端末装置120でのメイン処理のフローチャートであり、通信端末装置120の電源がONされると開始される。まず初めに、CPU121は、テレビ会議アプリの起動指示があるかどうかを判断する(S701)。具体的には、通信端末装置120の使用者の操作により、テレビ会議アプリを起動させる指示があったかどうかで判断する。ステップS701の処理で、CPU121は、起動指示が有ったと判断した場合(S701:YES)、テレビ会議アプリ起動処理を実行する(S702)。ステップS702の処理では、通信端末装置120のプログラム情報記憶エリア1351に記憶されているテレビ会議アプリを起動させる処理が行われる。また、ステップ702の処理では、テレビ会議アプリを起動した後、使用者はテレビ会議を行う他拠点の通信端末装置120の識別情報を特定し、他拠点の通信端末装置120と通信回線を介して情報の送受信が可能な接続状態を確立させるものとする。また、ステップS701の処理で、CPU121は、テレビ会議アプリを起動させる指示が無いと判断した場合(S701:NO)、再度ステップS701の処理に戻り、繰り返し処理が実行される。
【0048】
次に、CPU121は、会議装置1と接続したかどうかを判断する(S703)。具体的には、使用者が会議装置1とUSBケーブル等を用いて、通信端末装置120の外部接続装置150と、会議装置1の外部接続装置116が電気的に接続されたかどうかを判断する。そして、CPU121は、会議装置1と接続していないと判断した場合(S703:NO)、ステップS703の処理を繰り返し実行する。
【0049】
また、ステップS703の処理で、CPU121は、会議装置1と接続があったと判断した場合(S703:YES)、次に、CPU121は、撮像画像、音情報を会議装置1から取得する(S704)。ステップS704の処理では、まず会議装置1の識別情報、撮像画像、音情報に関する設定値情報を受信する。ここでの設定値情報は、図4に示す作動履歴情報データベース1153の中から、ステップS703で接続した会議装置1に対応する識別情報に記憶されている各種設定値情報を取得する。そして、取得した設定値に基づいて、カメラ6で撮像された撮像画像と、マイク4で入力された音情報を取得し、RAM123への一時記憶処理を開始する。
【0050】
次にCPU121は、チャットモードを起動されたかどうかを判断する(S705)。ステップS705の処理では、使用者の操作により、テレビ会議アプリの機能の一部であるチャットモードを有効にするかどうかの指示があったかどうかを判断する。ステップS705の処理で、CPU121は、チャットモードの起動が無かったと判断した場合(S705:NO)、ステップS707の処理へ移行する。
【0051】
ここでチャットモードについて、図7を参照しながら説明をする。図7は表示装置125にて撮像画像とチャット画面が表示されている状態の画面説明図である。図7には、表示領域の上部に撮像画像を表示する領域である撮像画像領域500が表示されている。撮像画像領域500には、他拠点である拠点10Bの撮像画像501と、拠点10Cの撮像画像502が表示され、その下部に自拠点である拠点10Aの撮像画像503が表示されている状態を示す。また、表示画面の下部にはチャット画面504が表示されている。チャット画面504には、各通信端末装置120で入力された文字のメッセージ情報が表示されている。また、チャット画面504の下部には、文字を入力するための領域であるメッセージ入力領域505が表示されている。使用者はメッセージ入力領域505をアクティブ状態に指定し、キーボード等の入力装置127に入力操作を行うことにより文字を入力する。また、チャット画面504の右上部には、メッセージ入力領域505に入力されたメッセージを他拠点の通信端末装置120へ送信する為の送信アイコン506が表示されている。使用者は、このチャットモードを起動させて、チャット画面504のメッセージを読みながら、メッセージ入力領域505にメッセージを、入力装置127を介して入力し、送信アイコン506を指定することで、会議しながら文字によるメッセージを他拠点の使用者とやりとりすることができるようになる。
【0052】
図5のステップS706の処理の後、CPU121は、情報送信処理を実行する(S707)。ここで、図6を参照しながら情報送信処理について詳細に説明をする。まず初めに、CPU121は、入力装置127への入力操作が有るかどうかを判断する(S801)。具体的には、キーボード等の入力装置127へ使用者が入力操作を行っているかどうかを
判断する。そして、ステップS801の処理で、CPU121は入力操作有りと判断した場合(S801:YES)、次に音情報を検出したかどうかを判断する(S802)。ステップS802の処理では、ステップS801の処理で判断した入力操作に対応した音情報がマイク4から取得されたかどうかを判断する。ここでの入力操作に対応した音かどうかの判断について、例えば、入力装置127がキーボードであるとして説明すると、使用者がキーボートのキーを押下した同時刻に、マイク4から入力された音情報の中で、特異な音量や周波数を検出できたかどうかで判断するようにしてもよいが、これに限るものではない。
【0053】
ステップS802の処理で、CPU121は、音情報の入力を検出できなかったと判断した場合(S802:NO)、後述するステップS808の処理へ移行する。また、ステップS802の処理で、CPU121は、音情報の入力を検出できたと判断した場合(S802:YES)、次に検出した音情報の音量が第二閾値以上かどうかを判断する(S803)。ステップS803の処理では、具体的には、ステップS802の処理で検出した音情報の音量が予め設定されている第二閾値以上かどうかを判断する。ここでの音量に対する第二閾値とは、入力操作音としてマイクから入力された音情報を相手拠点で出力する際に、不快な音量のレベルが設定されているものとする。例えば、第二閾値は、55dBと設定されているのが望ましいが、これに限るものはない。
【0054】
ステップS803の処理で、CPU121は、検出した音情報の音量が第二閾値以上でないと判断した場合(S803:NO)、後述するステップS808へ移行する。また、ステップS803の処理で、CPU121は、検出した音情報の音量が第二閾値以上であると判断した場合(S803:YES)、タイマー設定処理を実行する(S804)。ステップS804の処理では、ステップS803でYESと判断されてからの経過時間を計測するためのタイマーがセットされる。
【0055】
次に、CPU121は、チャットへの入力操作があるかどうかを判断する(S805)。ステップS805の処理では、図7に示すメッセージ入力領域505への入力操作かどうかを判断する。ステップS805の処理で、CPU121は、チャットへの入力操作では無いと判断した場合(S805:NO)、後述するステップS810の処理へ移行する。また、ステップS805の処理で、CPU121は、チャットへの入力操作であると判断した場合、メッセージ送信指示が有るかどうかを判断する(S806)。ステップS806の処理では、図7に示す送信アイコン506を使用者がカーソル等を用いて指示する操作が有るかどうかを判断する。ステップS806の処理で、CPU121は、送信指示が無いと判断した場合(S806:NO)、後述するステップS810へ移行する。
【0056】
ステップS810の処理では、CPU121は、ステップS802、S803で検出した第二閾値以上の音量を、第一閾値以下になるよう変更制御して、他の通信端末装置120へ送信する処理を実行する。ここでの第一閾値とは、前記の第二閾値より小さい値が設定されており、例えば20dBに設定されているものとする。ステップS810の処理にて、入力操作により発生した第二閾値以上の音量が、第一閾値以下になるように音量を変更制御して他拠点へ送信する。また、第一閾値を0に設定した場合は、ステップS802、S803で検出した第二閾値以上の音量の音情報を、他拠点への送信を停止するようにすることもできる。
【0057】
ステップS810の処理の後、CPU121は、撮像画像を直前の静止画像情報に変更して送信する処理を実行する(S811)。ステップS811の処理では、具体的には、ステップS803の処理で第二閾値以上と判断される直前に取得した撮像画像を、静止画像として他拠点の通信端末装置120へ送信するようになる。詳細な説明は省略するが、本実施形態では、図5ステップS704で取得して、RAM123に動画として再生できるように連続的に記憶されている撮像画像の中から、ステップS803の処理の判断直前に取得して記憶されている撮像画像を抽出し、静止画像として生成するようになっているものとする。
【0058】
また、ステップS806の処理で、CPU121は、メッセージ送信指示有と判断した場合(S806:YES)、メッセージ送信処理を実行する(S807)。ステップS807の処理では、具体的には、図7に示すメッセージ入力領域505に入力されたメッセージを、使用者が送信アイコンを押下することで、他拠点の通信端末装置120へ送信する処理を実行する。また、ステップS807の処理では、ステップS804で設定されたタイマーを停止させてリセット処理も同時に行われる。
【0059】
ステップS807の処理の後、CPU121は、音量を初期設定値で送信する処理を実行する(S808)。ステップS808の処理では、図5のS704で取得した音情報に関する音量の設定値にて、他拠点の通信端末装置120へ音情報を送信する。よって、ステップS810で音量が第一閾値以下で設定変更されている状態の場合は、初期の状態の音量の設定値に戻して、音情報が送信されるようになる。
【0060】
次に、ステップS808の処理の後、CPU121は、撮像画像を初期設定値で生成して送信する処理を実行する(S809)。具体的には、ステップS809の処理では、図5のS704で取得した撮像画像に関する設定値にて、他拠点の通信端末装置120へ撮像画像を送信する。よって、ステップS811で撮像画像が静止画像で送信するように設定変更されている状態の場合は、初期の状態の動画で再生する撮像画像の設定値に戻して、撮像画像が送信されるようになる。
【0061】
また、ステップS801の処理で、CPU121は、入力装置への入力操作が無いと判断した場合(S801:NO)、タイマー設定がされているかどうかを判断する(S812)。ステップS812の処理で、CPU121は、タイマー設定がされていないと判断した場合(S812:NO)、ステップS808の処理へ移行する。また、ステップS812の処理で、CPU121は、タイマー設定がされていると判断した場合(S812:YES)、タイマーが所定時間以上経過したかどうかを判断する(S813)。ここでの所定時間とは、例えば3秒程度としてもよいが、これに限るものではなく、適宜設定変更は可能である。ステップS813の処理で、CPU121は、所定時間を経過していないと判断した場合(S813:NO)、ステップS810の処理へ移行する。また、ステップS813の処理で、CPU121は、所定時間以上経過していると判断した場合(S813:YES)、ステップS808の処理へ移行する。
【0062】
そして、ステップS809、またはステップS811の処理の後、本処理は終了し、図5のステップS708へ移行する。CPU121は、情報受信処理を実行する(S708)。ステップS708の処理では、他拠点から送信された撮像画像や音情報、チャットモードでのメッセージを受信する。次に、ステップS708の処理で受信した情報を出力する処理を実行する(S709)。具体的には、ステップS708の処理で受信した撮像画像と、自拠点での撮像画像を表示装置125へ表示させ、他拠点から受信した音情報をスピーカ10から出力し、またチャットモードが起動されている場合は、他拠点から送信されたメッセージと、自拠点で入力したメッセージを、表示装置125のチャット画面504へ表示させる。
【0063】
次に、CPU121は、会議終了指示が有るかどうかを判断する(S710)。具体的には、会議終了指示とは、自拠点、または通信を接続中の他拠点の通信端末装置120を使用者が操作することにより、テレビ会議アプリの終了の指示が出されたかどうかを判断する。会議終了指示が無いと判断した場合(S710:NO)、ステップS704の処理へ戻り、繰り返し処理が実行される。また、ステップS710の処理にて、会議終了指示があったと判断した場合(S710:YES)、他拠点の通信端末装置120との通信の接続を遮断する処理を実行し、テレビ会議アプリの終了処理を実行する(S711)。ステップS711の処理の後、本処理を終了する。
【0064】
したがって、上記図5〜6の各種処理を実行することにより、他拠点の通信端末装置120と会議を進行している時に、使用者が一時的に他拠点と文字情報による会話を行いたい場合は、文字を入力している操作中の音量レベルを低下させて、他拠点の通信端末装置120へ音情報を送信することができる。よって、テレビ会議中に文字情報による会話が行われている時は、文字を入力する際の入力操作音が、相手拠点に不快な音として送信されることを抑制することができる。またさらに、使用者は、操作により入力した文字等の入力情報を他の通信端末装置へ送信が完了したら、他拠点へ送信する音情報の音量レベルを元の状態に戻すので、従来の音声による会話を円滑に行うことができるようになる。さらに、使用者が一時的に文字等の入力情報の入力操作を行った場合でも、その入力操作に対応した音量がある閾値以上の大きな音量の場合のみ、音量レベルを変更させることができる。よって、入力操作音が比較的小さい音量の場合は、音量レベルは変更されないので、不要に音量レベルが変更されることを抑制できる。また、文字を入力している操作中の音量レベルを0にして、一時的に他拠点の通信端末装置へ音情報を送信することを停止することもできる。また、使用者が入力情報を入力している時の不要な撮像画像を、入力操作前の静止画像に変更するので、使用状況に合わせて通信負荷、処理負荷を低減させることができる。
【0065】
本発明は上記実施形態に限定されることはなく、様々な変形が可能であることは言うまでもない。例えば、上記実施例では、入力操作についてチャットモードを用いて説明をしたが、これに限るものではなく、例えば、ペンタブレットや、タッチパネル等の入力装置を用いて、手書き情報の送受信を行う電子ホワイトボード機能等に適用できる。
【0066】
また、上記実施例の情報送信処理(図5)でのステップS811の処理では、撮像画像を静止画像に変更して送信するようにしたが、これに限るものではなく、通信する相手拠点の通信端末装置120に、撮像画像の解像度を低くして送信するようにしても良いし、また撮像画像のフレームレートを低くして送信するように変更してもよい。また、ステップS811で送信する静止画像を、予め使用者が指定できるようにして、使用者の意図する静止画像を送信するようにしても良い。
【符号の説明】
【0067】
1 会議装置
10A テレビ会議拠点
10B テレビ会議拠点
10C テレビ会議拠点
100 テレビ会議システム
120 通信端末装置
1153 作動履歴情報データベース
200 ネットワーク
500 撮像画像領域
504 チャット画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信回線を介して他の通信端末装置と接続され、情報の送受信を行う通信端末装置において、
前記通信端末装置が設置された場所での使用者の音声、又は周囲の音を前記音情報として入力する音情報入力手段と、
前記音情報入力手段により入力された前記音情報を他の前記通信端末装置へ送信する音情報送信手段と、
使用者の操作により入力領域画面に入力された情報を入力情報として取得する入力情報取得手段と、
前記入力情報取得手段により入力された前記入力情報、または他の前記通信端末装置から受信した前記入力情報を表示手段へ出力する入力情報出力手段と、
前記入力情報取得手段により前記入力情報を取得中かどうか判断する入力状態判断手段と、
前記入力状態判断手段により前記入力情報を取得中であると判断した場合、前記音情報送信手段により送信する前記音情報の音量レベルを第一閾値以下に変更する音量レベル変更手段
を備えることを特徴とする通信端末装置。
【請求項2】
前記入力情報取得手段で取得された前記入力情報を他の前記通信端末装置へ通信回線を介して送信する入力情報送信手段をさらに備え、
前記音量レベル変更手段は、前記音情報送信手段により送信する前記音情報の音量レベルを第一閾値以下に変更した後に、前記入力情報送信手段により前記入力情報を送信したと判断したら、前記第一閾値以下に変更した前記音量レベルを変更前の音量レベルに戻すことを特徴とする請求項1に記載の通信端末装置。
【請求項3】
前記入力状態判断手段は、前記入力情報取得手段による前記入力情報の入力操作に対応した音量が第二閾値以上かどうかを判断する入力操作音量判断手段をさらに備え、
前記音量レベル変更手段は、前記入力操作音量判断手段により入力操作に対応した前記音量が第二閾値以上と判断された場合のみ、前記音量レベルを変更することを特徴とする請求項1乃至2のいずれかに記載の通信端末装置。
【請求項4】
前記音量レベル変更手段は、前記第一閾値を0として、前記音情報送信手段により前記音情報の送信を停止することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の通信端末装置。
【請求項5】
前記通信端末装置が設置されている周囲を撮像し撮像画像を生成する撮像手段と、
前記撮像手段より生成された前記撮像画像を他の前記通信端末装置へ通信回線を介して送信する撮像画像送信手段と、
他の前記通信端末装置の前記撮像画像送信手段で送信された前記撮像画像を前記表示手段へ出力する撮像画像出力手段をさらに備え、
前記撮像画像送信手段は、前記音量レベル変更手段により前記音量レベルを変更すると判断した場合、変更すると判断した時点の直前の前記撮像画像を静止画像として他の前記通信端末装置へ送信することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の通信端末装置。
【請求項6】
通信回線を介して他の通信端末装置と接続され、情報の送受信を行う通信端末装置にて処理される通信制御方法おいて、
前記通信端末装置が設置された場所での使用者の音声、又は周囲の音を前記音情報として入力する音情報入力ステップと、
前記音情報入力ステップにより入力された前記音情報を他の前記通信端末装置へ送信する音情報送信ステップと、
使用者の操作により入力領域画面に入力された情報を入力情報として取得する入力情報取得ステップと、
前記入力情報取得ステップにより入力された前記入力情報、または他の前記通信端末装置から受信した前記入力情報を表示手段へ出力する入力情報出力ステップと、
前記入力情報取得ステップにより前記入力情報を取得中かどうか判断する入力状態判断ステップと、
前記入力状態判断ステップにより前記入力情報を取得中であると判断した場合、前記音情報送信ステップにより送信する前記音情報の音量レベルを第一閾値以下に変更する音量レベル変更ステップと
を処理することを特徴とする通信制御方法。
【請求項7】
通信回線を介して他の通信端末装置と接続され、情報の送受信を行う通信端末装置にて実行させる通信制御プログラムおいて、
前記通信端末装置が設置された場所での使用者の音声、又は周囲の音を前記音情報として入力する音情報入力ステップと、
前記音情報入力ステップにより入力された前記音情報を他の前記通信端末装置へ送信する音情報送信ステップと、
使用者の操作により入力領域画面に入力された情報を入力情報として取得する入力情報取得ステップと、
前記入力情報取得ステップにより入力された前記入力情報、または他の前記通信端末装置から受信した前記入力情報を表示手段へ出力する入力情報出力ステップと、
前記入力情報取得ステップにより前記入力情報を取得中かどうか判断する入力状態判断ステップと、
前記入力状態判断ステップにより前記入力情報を取得中であると判断した場合、前記音情報送信ステップにより送信する前記音情報の音量レベルを第一閾値以下に変更する音量レベル変更ステップと、
を前記通信端末装置で実行させることを特徴とする通信制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−138748(P2012−138748A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−289460(P2010−289460)
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】