説明

通信端末

【課題】ポートにてアクセスする機能を割り当てたが、これらのインターフェースを標準化することで、接続する機器に依存せず、通信端末がもつ通信機能を端末内の各機能で使用することができ、また、複数の相手端末との通信を同時に行える通信端末を提供する。
【解決手段】GPS受信機4の設定機能と位置情報取得機能を有するGPS基板と、CPU基板と、を備え、CPU基板は、GPS基板用ポート7とTCP・UDP/IP通信用ポート6とを有する通信端末1。CPU基板は、通信端末内部状態設定・制御用ポートを有する。イーサネットインターフェース、有線通信インターフェース及び無線通信インターフェースを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信端末に関し、特にIP通信機能をもった通信端末にGPS受信機を実装し、位置情報、通信機能および端末内部の情報などにIPのポートを割り当て、複数から同時に接続・通信できる機能を有した通信端末に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、GPS受信機を使用した通信端末は、取得した位置情報の通信しか行うものがない。GPS受信機と通信端末を接続し、決められた場所にGPS受信機の位置情報しか送れない。それ以外の情報の通信や設定などはできない(特許文献1−3参照)。
【特許文献1】特開2003−283546号公報
【特許文献2】特開2004−78914号公報
【特許文献3】特開2004−153404号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記従来技術においては、通信端末内の位置情報のみを通信することしか考慮されていない。通信端末が持つ通信機能は、それ以外の情報も通信することができず、複数の相手の端末との通信することも考慮されていない。
また、通信端末とGPS受信機とが別々に分かれているため、それぞれの設定を行う必要があり、その設定なども、通信端末、GPS受信機の各々の仕様などを確認の上で、行わなければならないことなどがあった。このため、外部機器がGPS受信機との通信を行う場合も、その処理を通信端末、GPS受信機とで行う必要もあった。
【0004】
本発明の目的は、通信端末がもつ通信機能を端末内の各機能で使用することができ、複数の相手端末との通信を同時に行えること、また、例えば外部機器との通信の処理の手順を従来よりも改善することを可能とする通信端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するために、本発明は、GPS受信機の設定機能と位置情報取得機能を有するGPS基板と、CPU基板と、を備え、前記CPU基板は、GPS基板用ポートとTCP・UDP/IP通信用ポートとを有する通信端末である。
【0006】
また、本発明は、前記CPU基板は、通信端末内部状態設定・制御用ポートを有する通信端末である。
【0007】
そして、本発明は、イーサネット(登録商標)インターフェースを有する通信端末である。
【0008】
更に、本発明は、有線通信インターフェース及び無線通信インターフェースを有する通信端末である。
【0009】
また、本発明は、IPアドレスと専用ポートを有し、無線エリア内の端末の管理をIPアドレスとポート番号で行い、外部端末に容易に接続し情報の取得と設定を可能とする通信端末である。GPS受信機との接続に専用ポートを割り当て、GPS受信機との通信は端末が行い、接続する側が、通信端末のIPアドレスとポート番号だけで、通信端末内部のGPS受信機と接続することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、IPのポートは、複数の接続を受け入れることができる。これにより、通信端末がもつ機能の情報を複数の相手端末と通信することが可能である。通信端末の持つ機能にポートを割り当てたことで、複数の機能の情報を同時に取得することが可能である。通信端末内にIPをもつことで、有線および無線によらずIPの通信を行うことができ、同様の機能を満たすことができる。通信端末が持つ機能をポート毎に割り当てるため、一つのIPアドレスで通信端末内の機能を管理することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明を実施するための最良の形態を説明する。
本発明の通信端末の実施例について、図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0012】
実施例1を説明する。本発明の第一の実施形態の通信端末について、図1〜図4を用いて説明する。図1に示すように、通信端末1は、イーサネット通信などのインターフェースドライバ2、TCP/IP、UDP/IPなどのIPプロトコル3、そしてGPS受信機4を有しており、内部にCPU基板とGPS基板を備えている。インターフェースは、有線、無線のどちらも使用が可能で、複数有することが可能である。なお、イーサネット(登録商標)は、衝突検知つき搬送波検出多元接続方式の一つである。
【0013】
本実施例の通信端末と接続機器とを、有線のイーサネットケーブル5で接続した利用図を図2に示す。通信端末1は、GPS受信機(GPS基板)8と端末制御部(CPU基板)4とにより、GPS受信機の設定機能と位置情報取得機能を有するとともに、TCP/IPもしくはUDP/IPによる通信を行う。通信端末1は、接続・受信するポートをそれぞれに割り当てる。ここでは、通信用ポート6にポート10001、GPS受信機の位置情報取得用ポート7をポート10002と設定している。GPS受信機との接続および通信手順は、通信端末が行い、外部の接続機器は、IPアドレスとポート番号のみでGPS受信機の通信・管理を行うことができる。
【0014】
外部の接続機器は、通信端末1の通信用ポート6に接続すると通信端末1の制御・設定を行うことができ、位置情報取用ポート7に接続するとGPS受信機と通信でき、位置情報の取得が可能である。そして、それぞれの機能とポートを別にするとともに相互に独立しているので、同時に通信することが可能である。
【実施例2】
【0015】
実施例2を説明する。本実施例の通信端末1は、図3に示すように、通信用ポート6、位置情報取得用ポート7及び無線通信ポート13を有するインターフェースドライバ2と、無線通信ポート11及び無線位置情報取得用ポート12を有する無線インターフェースドライバ10を備えている。通信用ポート6にポート10001、位置情報取得用ポート7にポート10002、無線通信ポート13をポート10005、無線通信用ポート11にポート10003、無線位置情報取得用ポート12にポート10004と設定する。本実施例の通信端末1は、インターフェースにイーサネットケーブル5等との有線通信機能及び無線通信機能を有しており、有線の他に無線通信機能を持つことで、遠隔位置の相手機器と通信することが可能である。また、通信端末1内のポートは、複数の接続が可能であるので、複数の無線による相手機器との通信および同時にイーサネットケーブル5側の接続機器9との通信も可能である。
【0016】
本実施例の通信端末1は、無線通信機能により位置情報を通信しながら有線接続した接続端末9とも通信することが可能である。これにより、無線位置情報取得用ポート12を介し無線による遠隔から通信端末1の位置情報を取得しながら同時に接続機器9と通信・設定を行うことができる。また、接続機器9は、通信端末1から位置情報を取得しながら通信端末内の無線通信機能を使い、離れた相手と通信を行うことが可能である。
【実施例3】
【0017】
実施例3を説明する。本実施例の通信端末1はIPのプロトコルを実装することから、IPアドレスが割り当てられ、無線通信機能を有することができ、図4に示すように、接続した他の通信端末1の位置情報および接続機器9の情報を同時に離れた場所から取得することが可能である。エリア内の通信端末1は、全てIPアドレスによる管理が可能になり、設定・制御が行いやすく、IPアドレスとポート番号の組み合わせで容易に情報の取得が可能である。同時に複数の接続が可能であるので、接続機器9も位置情報を無線側の機器と同時に取得することができる。また、位置情報を取得しながらそれにあわせた通信も同時に行うことができ、特定の場所による通信なども行うことが可能となる。
【0018】
以上説明したように、実施例の通信端末にTCP/IPもしくは、UDP/IPのIPプロトコルの実装を行い、通信をこのIPで行う。IP通信は、複数のポートで行うことが可能なので、それぞれの機能に必要なポートを割り当て、ポートと機能とをひも付けている。位置情報の取得用のポート、通信用のポート、端末制御用のポートのように機能ごとにポートを割り当てることで同時に全ての機能の通信を行うことができる。また、実施例の通信端末は、IPを実装することからIPアドレスを割り当てている。このIPアドレスと割り当てたポート番号により通信端末内に機能を容易に管理することが可能となる。それぞれの機能を別々に接続した場合(通信端末に機器等を追加した場合)と比較して、設定等も不要となり、機能を一元的に管理することができる。(1つのIPアドレスと複数のポート番号で管理することが可能となる。)
【0019】
図5は、通信端末とGPS受信機とが別体である場合に、外部機器がGPS受信機と通信を行う手順を説明するフローチャートである。
図5において、外部機器がGPS受信機から位置情報等の受信処理を始めると(ステップ500)、先ず、外部機器と通信端末との通信接続を確立させる(ステップ510)。
次に、通信端末とGPS受信機との通信接続を確立させる(ステップ520)。上記、ステップ510、ステップ520で、外部機器とGPS受信機との通信接続が確立したので、外部機器とGPS受信機との間で、位置情報等の送受信を開始する(ステップ530)。
【0020】
図6は、通信端末にGPS受信機を内蔵する実施例において、外部機器がGPS受信機と通信を行う手順を説明するフローチャートである。
図6において通信端末はGPS受信機を内蔵し、その通信をポートに割り当てているため、外部機器は、通信を開始する(ステップ600)のに、通信端末の内蔵GPS受信機に割り当てられたポートに接続することで、外部機器とGPS受信機との通信接続が確立する(ステップ610)。従って、ステップ610が処理されれば、その次のステップで、外部機器とGPS受信機との間で位置情報等の送受信を開始することが出来る(ステップ620)。
上述のように、本実施例によれば、図5にて示す通信端末とGPS受信機とが別体である場合に比較して、外部機器とGPS受信機との間での位置情報等の送受信が、より少ない手順にて実施可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】実施例1の通信端末の構成の説明図である。
【図2】実施例1における接続機器から位置情報を取得および端末自体の制御を行える構成の説明図である。
【図3】実施例2のインターフェースに無線を用いた、通信端末の構成の説明図である。
【図4】実施例3における無線エリア内における通信端末の管理方法の説明図である。
【図5】従来の通信端末とGPS受信機が別構成のシステムにおける通信開始までのフローチャートである。
【図6】本発明を利用する実施例で、内蔵のGPS受信機にポートを割り当てたシステムにおける通信開始までのフローチャートである。
【符号の説明】
【0022】
1・・・通信端末
2・・・インターフェースドライバ
3・・・IPプロトコル
4・・・GPS受信機
5・・・イーサネットケーブル
6・・・通信用ポート
7・・・位置情報取得用ポート
8・・・端末制御
9・・・接続機器
10・・・無線インターフェースドライバ
11・・・無線通信用ポート
12・・・無線位置情報取得用ポート
13・・・無線通信ポート
14・・・無線エリア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
GPS受信機の設定機能と位置情報取得機能を有するGPS基板と、CPU基板と、を備え、前記CPU基板は、GPS基板用ポートとTCP・UDP/IP通信用ポートとを有することを特徴とする通信端末。
【請求項2】
請求項1記載の通信端末において、
前記CPU基板は、通信端末内部状態設定・制御用ポートを有することを特徴とする通信端末。
【請求項3】
請求項1記載の通信端末において、
イーサネットインターフェースを有することを特徴とする通信端末。
【請求項4】
請求項1記載の通信端末において、
有線通信インターフェース及び無線通信インターフェースを有することを特徴とする通信端末。
【請求項5】
請求項2記載の通信端末において、
IPアドレスと専用ポートを有し、無線エリア内の端末の管理をIPアドレスとポート番号で行い、外部端末に容易に接続し情報の取得と設定を可能とすることを特徴とする通信端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−324701(P2007−324701A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−149900(P2006−149900)
【出願日】平成18年5月30日(2006.5.30)
【出願人】(502129933)株式会社日立産機システム (1,140)
【Fターム(参考)】