説明

通信端末

【課題】複数の無線制御装置のそれぞれにより互いに異なる通信方式で無線通信を行う際に、アンテナの本数を減らすことができる通信端末を提供する。
【解決手段】本発明の一実施形態に係る携帯電話機10は、1x方式により1本のアンテナを用いて無線通信を行う1x通信制御部21と、EVDO方式により無線通信を行うとともにこの無線通信におけるデータの送受信を2本のアンテナを用いてダイバーシティ方式で行うEVDO通信制御部22と、を有する。また、携帯電話機10は、EVDO通信制御部に接続されたEVDO用アンテナ24と、1x通信制御部21およびEVDO通信制御部22により共用される共用アンテナ23を有する。また、携帯電話機10は、1x通信制御部21およびEVDO通信制御部22により制御され、共用アンテナ23と1x通信制御部21およびEVDO通信制御部22の一方との電気的接続を切り替える切替部25を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、通信端末に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機などの通信端末には、1台で複数の通信方式による通信が可能なものがある。たとえば、携帯電話機には、1台でCDMA2000_1x方式(以下、1x方式という)とCDMA2000_1xEVDO方式(以下、EVDO方式という)との2つの通信方式による通信が可能なものがある。
【0003】
この種の通信端末は、1つの無線制御装置によって複数の通信方式による通信を行うようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−35062号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
たとえば1つの無線制御装置によって2つの通信方式による通信を行う場合、一方の通信方式による通信と他方の通信方式による通信とは時間によって調整されることが多い。そこで、通信方式の選択の自由度を向上させるために、通信方式ごとに無線制御装置を用いることが考えられる。しかし、複数の無線制御装置を用いると、1つの無線制御装置を用いる場合に比べて無線制御装置ごとにアンテナを設ける必要が生じてしまい、アンテナの本数が増えてしまう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態に係る通信端末は、上述した課題を解決するために、第1の通信制御部と、第2の通信制御部と、第2通信用アンテナと、共用アンテナと、切替部と、を備えるものである。第1の通信制御部は、第1の通信方式により1本のアンテナを用いて無線通信を行う。第2の通信制御部は、第2の通信方式により無線通信を行うとともに、この無線通信におけるデータの送受信を2本のアンテナを用いてダイバーシティ方式で行う。第2通信用アンテナは、第2の通信制御部に接続される。共用アンテナは、第1の通信制御部および第2の通信制御部により共用される。切替部は、第1の通信制御部および第2の通信制御部により制御され、共用アンテナと第1の通信制御部および第2の通信制御部の一方との電気的接続を切り替える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の第1実施形態に係る通信端末の一構成例を示す斜視図。
【図2】第1実施形態に係る携帯電話機の通信ユニットの一構成例を概略的に示すブロック図。
【図3】第1実施形態に係る携帯電話機の1x通信制御部およびEVDO通信制御部の起動状態と切替部の切替先との関係の一例を示す説明図。
【図4】第1実施形態に係る携帯電話機の通信ユニットの変形例を示すブロック図。
【図5】第2実施形態に係る携帯電話機の通信ユニットの一構成例を概略的に示すブロック図。
【図6】第2実施形態に係る携帯電話機の1x通信制御部およびEVDO通信制御部の起動状態と切替部の切替先との関係の一例を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明に係る通信端末の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
【0009】
図1は、本発明の第1実施形態に係る通信端末の一構成例を示す斜視図である。なお、本実施形態では、本発明に係る通信端末として携帯電話機を用いる場合の一例について示す。また、通信端末は、1台で複数の通信方式による通信が可能な端末であれば携帯電話機に限られず、たとえばPDA(Personal Digital Assistant)、パーソナルコンピュータ、携帯型ゲーム機、携帯型音楽再生機、携帯型動画再生機などでもよい。
【0010】
携帯電話機10の正面の表面上には、タッチパネル11、レシーバ12、マイクロフォン13およびタッチキー14が設けられる。また、携帯電話機10の側面の一部には、ユーザによるシステムの起動指示や終了指示などの各種指示を受け付けるためのハードキー15が設けられる。
【0011】
図2は、第1実施形態に係る携帯電話機10の通信ユニット20の一構成例を概略的に示すブロック図である。
【0012】
携帯電話機10は、通信ユニット20により1台で複数の通信方式による通信が可能に構成される。以下の説明では、携帯電話機10が1台で1x方式(CDMA2000_1x方式)とEVDO方式(CDMA2000_1xEVDO方式)との2つの通信方式による通信が可能である場合の例について示す。
【0013】
通信ユニット20は、1x通信制御部21、EVDO通信制御部22、共用アンテナ23、EVDO用アンテナ24、切替部25および切替電源26を有する。
【0014】
1x通信制御部21は、1x方式により1本の共用アンテナ23を用いて無線通信にて図示しない基地局とデータ送受信および音声データの送受信を行うとともに、切替部25の電気的接続の切り替えを制御する。また、1x通信制御部21は、携帯電話機10の処理全般を担う。
【0015】
EVDO通信制御部22は、EVDO方式により共用アンテナ23およびEVDO用アンテナ24の2本のアンテナを用いて無線通信にて図示しない基地局とダイバーシティ方式でデータ送受信を行うとともに、切替部25の電気的接続の切り替えを制御する。
【0016】
共用アンテナ23は、切替部25と接続される。切替部25は、1x通信制御部21およびEVDO通信制御部22により制御されて、共用アンテナ23の電気的接続先を1x通信制御部21およびEVDO通信制御部22のいずれか一方に切り替える。
【0017】
この切替部25は、切替電源26から電力を供給される。本実施形態では、切替部25は、切替電源26から常時電力供給を受けるようになっている。
【0018】
1x通信制御部21およびEVDO通信制御部22はそれぞれ、CPU、RAMおよびROMなどの記憶媒体を少なくとも備えたワンチップコントローラである。CPUは、ROMなどの記憶媒体に記憶されたプログラムおよびプログラムの実行のために必要なデータをRAMへロードし、プログラムに従って、各種処理を実行する。
【0019】
RAMは、CPUが実行するプログラムおよびデータを一時的に格納するワークエリアを提供する。ROMなどの記憶媒体は、各種プログラムを実行するために必要な各種データを記憶する。なお、ROMなどの記憶媒体は、磁気的もしくは光学的記録媒体または半導体メモリなどの、CPUにより読み取り可能な記録媒体を含んだ構成を有し、これら記憶媒体内のプログラムおよびデータの一部または全部は電子ネットワークを介してダウンロードされるように構成してもよい。
【0020】
図2に示すように、1x通信制御部21のCPUは、ROMなどの記憶媒体に記憶されたプログラムによって、少なくとも1x通信部31、切替制御部32および起動状態制御部33として機能する。この各部31〜33は、RAMの所要のワークエリアを、データの一時的な格納場所として利用する。
【0021】
また、EVDO通信制御部22のCPUは、ROMなどの記憶媒体に記憶されたプログラムによって、少なくともEVDO通信部41、切替制御部42および起動状態制御部43として機能する。この各部41〜43は、RAMの所要のワークエリアを、データの一時的な格納場所として利用する。
【0022】
1x通信部31は、1x方式により1本の共用アンテナ23を用いて無線通信にて図示しない基地局とデータ送受信および音声データの送受信を行う。また、1x通信部31は、EVDO通信部41と現在の互いの通信状況(通信中であるか否かなど)を通知可能に構成される。
【0023】
切替制御部32は、1x通信部31に制御されて切替部25の電気的接続の切り替えを制御する。たとえば、1x通信部31が1x通信を開始する場合、1x通信部31は切替制御部32を介して切替部25を制御して共用アンテナ23と1x通信部31とを接続させる(図2の切替部25の「1」参照)。
【0024】
起動状態制御部33は、1x通信制御部21の起動状態を複数の状態のいずれかで制御する。以下の説明では、起動状態制御部33が、CPUがスリープする「システムスリープ状態」と、CPUは起動される(システムはONである)ものの1x通信部31がスリープする「システムアイドル状態(CPUはONで1x通信部31はスリープの状態)」と、1x通信制御部21の全てのコンポーネントが起動する「通常起動状態」と、の3つの状態で1x通信制御部21の起動状態を制御する場合の例について示す。
【0025】
EVDO通信部41は、EVDO方式により共用アンテナ23およびEVDO用アンテナ24の2本のアンテナを用いて無線通信にて図示しない基地局とダイバーシティ方式でデータ送受信を行う。なお、EVDO通信部41は、データ送信を伴わずデータ受信のみを行う場合には、1本のアンテナ(EVDO用アンテナ24)により無線通信することができる。EVDO通信部41は、1x通信部31と現在の互いの通信状況(通信中であるか否かなど)を通知可能に構成される。
【0026】
切替制御部42は、EVDO通信部41に制御されて切替部25の電気的接続の切り替えを制御する。たとえば、EVDO通信部41がEVDO通信を開始する場合、EVDO通信部41は切替制御部42を介して切替部25を制御して共用アンテナ23とEVDO通信部41とを接続させる(図2の切替部25の「2」参照)。
【0027】
なお、以下の説明では、1x通信部31による無線通信がEVDO通信部41による無線通信よりも優先される場合の例について示す。この場合、EVDO通信部41は、EVDO通信を開始する場合、まず1x通信部31の現在の通信状況を確認し、1x通信部31が現在通信中である場合は切替制御部25に対して指示を出すことなく待機する。
【0028】
起動状態制御部43は、EVDO通信制御部22の起動状態を複数の状態のいずれかで制御する。以下の説明では、起動状態制御部43が、CPUがスリープする「システムスリープ状態」と、CPUは起動される(システムはONである)もののEVDO通信部41がスリープする「システムアイドル状態」と、EVDO通信制御部22の全てのコンポーネントが起動する「通常起動状態」と、の3つの状態でEVDO通信制御部22の起動状態を制御する場合の例について示す。
【0029】
図3は、第1実施形態に係る携帯電話機10の1x通信制御部21およびEVDO通信制御部22の起動状態と切替部25の切替先との関係の一例を示す説明図である。図3には、1x通信部31による無線通信がEVDO通信部41による無線通信よりも優先される場合について示した。
【0030】
図3において、「RFスリープ」はシステムアイドル状態を示す。また、「RX」は受信中であることを示す。また、「RXTX」は送受信中であることを示す。また、「1」は切替部25が共用アンテナ23と1x通信部31とを接続した状態を、「2」は共用アンテナ23とEVDO通信部41とを接続した状態を、それぞれ示す。また、「*」は、切替部25の接続先が1x通信部31およびEVDO通信部41のいずれでも構わないことを示す。
【0031】
EVDO通信制御部22の受信(RX)は、データ送信を伴わずデータ受信のみを行う場合であり、1本のアンテナ(EVDO用アンテナ24)により無線通信することができる。一方、EVDO通信制御部22のデータ送受信(RXTX)は、共用アンテナ23およびEVDO用アンテナ24の2本のアンテナを用いて無線通信にて図示しない基地局とダイバーシティ方式でデータ送受信を行う。
【0032】
図3に示す関係は、1x通信部31およびEVDO通信部41が協調して切替部25を制御することにより実現される。
【0033】
図3に示すように、1x通信制御部21が通常起動状態であり、1x通信方式による受信(RX)または送信(TX)を行う場合は、共用アンテナ23と1x通信部31とが接続される。一方、1x通信制御部21がシステムスリープ状態または1x通信スリープ状態であり、かつEVDO通信方式によるデータ送受信(RXTX)を行う場合は、共用アンテナ23とEVDO通信部41とが接続される。
【0034】
1台で複数の通信方式による通信を行うにあたり、通信方式ごとに無線制御装置を用いる場合には、1つの無線制御装置を用いる場合に比べて無線制御装置ごとに専用のアンテナを設ける必要が生じてしまい、アンテナの本数が増えてしまう。たとえば、1x方式用の無線制御装置とEVDO方式用の無線制御装置とを有する携帯電話機は、1x方式用の1本アンテナと、EVDO方式用の2本のアンテナの計3本のアンテナが必要となる。
【0035】
一方、本実施形態に係る携帯電話機10の通信ユニット20は、1x通信部31およびEVDO通信部41が共用する1本の共用アンテナ23を備える。このため、携帯電話機10の通信ユニット20によれば、アンテナの総数を削減することができる。
【0036】
また、携帯電話機10などの携帯型の通信端末は、端末全体の小型化が望まれている。このため、通信ユニット20の設置スペースも小面積化されることが望ましい。通信ユニット20は、共用アンテナ23を備えることにより、無線制御装置ごとに専用のアンテナを設ける場合に比べて設置面積を削減することができる。
【0037】
また、端末全体の小型化により、筐体内に複数のアンテナが設置される場合にはアンテナ同士の干渉が生じやすい。本実施形態に係る携帯電話機10は、共用アンテナ23を備えることにより、無線制御装置ごとに専用のアンテナを設ける場合に比べて、アンテナ同士の干渉を解消することができる。
【0038】
図4は、第1実施形態に係る携帯電話機10の通信ユニット20の変形例を示すブロック図である。
【0039】
EVDO通信部41により送受信されるデータは、1x通信制御部21によって処理されてもよい。この場合、1x通信制御部21は、たとえばEVDO通信処理部34を備える。このEVDO通信処理部34は、EVDO通信部41からEVDO通信部41により受信されたデータを受信し、EVDO通信部41により送受信されるデータの編集などの処理を行う。このEVDO通信処理部34は、EVDO通信部41からEVDO通信部41により受信されたデータを受信可能なように、起動状態制御部33により1x通信制御部21のシステムアイドル状態において起動可能に制御される。
(第2の実施形態)
【0040】
図5は、第2実施形態に係る携帯電話機10の通信ユニット20Aの一構成例を概略的に示すブロック図である。
【0041】
本実施形態に係る携帯電話機10は、1x通信制御部21のみが切替部25の電気的接続の切り替えを行うことにより、切替部25に対する電力供給の制御を可能とするものである。この第2実施形態に示す通信ユニット20Aは、1x通信制御部21がEVDO通信処理部34および切替電力制御部35をさらに有する一方、EVDO通信制御部22が切替制御部42を有さない点で第1実施形態に示す携帯電話機10と異なる。他の構成および作用については図1に示す携帯電話機10と実質的に異ならないため、同じ構成には同一符号を付して説明を省略する。
【0042】
図5に示すように、1x通信制御部21のCPUは、ROMなどの記憶媒体に記憶されたプログラムによって、少なくとも1x通信部31、切替制御部32、起動状態制御部33、EVDO通信処理部34および切替電力制御部35として機能する。この各部31〜35は、RAMの所要のワークエリアを、データの一時的な格納場所として利用する。
【0043】
また、EVDO通信制御部22のCPUは、ROMなどの記憶媒体に記憶されたプログラムによって、少なくともEVDO通信部41および起動状態制御部43として機能する。この各部41および43は、RAMの所要のワークエリアを、データの一時的な格納場所として利用する。
【0044】
切替制御部32は、1x通信部31およびEVDO通信処理部34に制御されて切替部25の電気的接続の切り替えを制御する。たとえば、1x通信部31が1x通信を開始する場合、1x通信部31は切替制御部32を介して切替部25を制御して共用アンテナ23と1x通信部31とを接続させる(図2の切替部25の「1」参照)。また、EVDO通信処理部34がEVDO通信部41のEVDO方式によるデータの送受信を制御する場合、EVDO通信処理部34は切替制御部32を介して切替部25を制御して共用アンテナ23とEVDO通信部41とを接続させる(図2の切替部25の「2」参照)。
【0045】
1x通信制御部21の起動状態制御部33は、システムスリープ状態であるときにEVDO通信方式によるEVDO通信部41を用いたデータ送受信を行うべき旨の要求があると、起動状態をシステムアイドル状態へ移行する。この結果、EVDO通信処理部34が起動する。なお、このEVDO通信部41を用いたデータ送受信の開始要求は、ユーザによりタッチパネル11を介して行われてもよいし、携帯電話機10とデータ送受信可能に接続された外部機器(カーキットなど)を介して自動的に行われてもよいし、基地局からの無線信号による指示(たとえば電子メールの着信を促す要求など)であってもよい。
【0046】
EVDO通信処理部34は、EVDO通信部41によるデータの送受信を制御する。また、EVDO通信処理部34は、EVDO通信部41からEVDO通信部41により受信されたデータを受信し、EVDO通信部41により送受信されるデータの編集などの処理を行う。
【0047】
切替電力制御部35は、1x通信制御部21がシステムスリープ状態であると切替電源26から切替部25に対する電力供給を停止させ、システムアイドル状態および通常起動状態であると電力供給を行うよう切替電源26を制御する
【0048】
図6は、第2実施形態に係る携帯電話機10の1x通信制御部21およびEVDO通信制御部22の起動状態と切替部25の切替先との関係の一例を示す説明図である。
【0049】
図6に示すように、本実施形態に係る携帯電話機10の通信ユニット20Aにおいては、1x通信制御部21がシステムスリープ状態であるときにEVDO通信制御部22によりデータ送受信(RXTX)が行われる場合はない。これは、システムスリープ状態であるときにEVDO通信方式によるEVDO通信部41を用いたデータ送受信を行うべき旨の要求があると、起動状態制御部33によって1x通信制御部21の起動状態がシステムアイドル状態へ移行するためである。
【0050】
本実施形態に係る携帯電話機10によっても、第1実施形態に示した携帯電話機10と同様の作用効果を奏する。
【0051】
また、本実施形態に係る携帯電話機10の通信ユニット20Aは、1x通信制御部21が切替部25の電力を制御することにより、第1実施形態に係る携帯電話機10よりも消費電力を削減することができる。
【0052】
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【0053】
たとえば、上記実施形態では、1x通信部31とEVDO通信部41とが現在の互いの通信状況(通信中であるか否かなど)を通知可能に構成されて切替制御部32および42によって切替部25が制御される場合の例について示したが、切替部25の制御方法はこの例に限られない。たとえば、切替部25は、1x通信制御部21のCPUがONの場合(1x通信制御部21がシステムアイドル状態および通常起動状態の場合)は共用アンテナ23と1x通信部31とを接続し、1x通信制御部21のCPUがスリープの場合(1x通信制御部21がシステムスリープ状態の場合)は共用アンテナ23とEVDO通信部41とを接続するよう構成されてもよい。この場合、切替部25は1x通信制御部21のCPUがONか否かを示す信号によって電気的接続の切り替えを制御されることになる。
【符号の説明】
【0054】
10 携帯電話機
21 1x通信制御部
22 EVDO通信制御部
23 共用アンテナ
24 EVDO用アンテナ
25 切替部
26 切替電源
31 1x通信部
32 切替制御部
33 起動状態制御部
34 EVDO通信処理部
41 EVDO通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の通信方式により1本のアンテナを用いて無線通信を行う第1の通信制御部と、
第2の通信方式により無線通信を行うとともに、この無線通信におけるデータの送受信を2本のアンテナを用いてダイバーシティ方式で行う第2の通信制御部と、
前記第2の通信制御部に接続された第2通信用アンテナと、
前記第1の通信制御部および前記第2の通信制御部により共用される共用アンテナと、
前記第1の通信制御部および前記第2の通信制御部により制御され、前記共用アンテナと前記第1の通信制御部および前記第2の通信制御部の一方との電気的接続を切り替える切替部と、
を備えたことを特徴とする通信端末。
【請求項2】
前記切替部は、
前記第1の通信制御部および前記第2の通信制御部により前記電気的接続の切り替えを制御され、前記第1の通信制御部が無線通信を行う場合は前記共用アンテナと前記第1の通信制御部とを接続し、前記第1の通信制御部が無線通信を行わないとともに前記第2の通信制御部が無線通信を行う場合は前記共用アンテナと前記第2の通信制御部とを接続する、
請求項1記載の通信端末。
【請求項3】
前記第1の通信制御部は、
前記第1の通信方式による無線通信を行うとともに、前記第2の通信制御部によるデータ送受信の制御および前記第2の通信制御部が送受信するデータの処理を行い、
前記第2の通信制御部は、
前記第1の通信制御部に制御されて前記第2の通信方式による無線通信でデータの送受信を行うとともに受信したデータを前記第1の通信制御部に与え、
前記切替部は、
前記第1の通信制御部により前記電気的接続の切り替えおよび電力供給を制御され、前記第1の通信制御部がシステムスリープ状態であると電力供給を停止され、前記第1の通信制御部が前記第1の通信方式による無線通信を行う際には電力を供給されるとともに前記共用アンテナと前記第1の通信制御部とを接続し、前記第1の通信制御部が前記第1の通信方式による無線通信を行っていないとともに前記第2の通信制御部が前記第2の通信方式による無線通信でデータの送受信を行う際には電力を供給されるとともに前記共用アンテナと前記第2の通信制御部とを接続する、
請求項2記載の通信端末。
【請求項4】
前記第1の通信制御部は、
前記第1の通信方式による無線通信を行う第1通信部と、
前記第2の通信方式による無線通信におけるデータの送受信を制御しこの送受信されるデータの処理を行う第2通信処理部と、
前記切替部の前記電気的接続の切り替えを制御する切替制御部と、
前記切替部に対する電力供給を制御する切替電力制御部と、
システムスリープ状態と、前記第1通信部がスリープ状態である一方少なくとも前記第2通信処理部、前記切替制御部および前記切替電力制御部が起動状態であるシステムアイドル状態と、通常起動状態と、の複数の起動状態のいずれかで前記第1の通信制御部の起動状態を制御する起動状態制御部と、
を有し、
前記第2の通信制御部は、
前記第1の通信制御部に制御され、前記共用アンテナおよび前記第2通信用アンテナを用いて前記第2の通信方式による無線通信でデータの送受信を行うとともに受信したデータを前記第1の通信制御部に与える第2通信部、
を有し、
前記第1の通信制御部の前記起動状態制御部は、
前記システムスリープ状態において前記第2の通信方式で無線通信を行うべき旨の要求があると前記第1の通信制御部の前記起動状態を前記システムアイドル状態へ移行するとともに、前記第1の通信方式で無線通信を行うべき旨の要求があると前記起動状態を前記通常起動状態へ移行し、
前記切替部は、
前記切替電力制御部および前記切替制御部により電力供給および前記電気的接続の切り替えをそれぞれ制御され、前記第1の通信制御部が前記システムスリープ状態であると電力供給を停止され、前記第1の通信制御部が前記通常起動状態であると電力を供給されるとともに前記共用アンテナと前記第1の通信制御部とを接続し、前記第1の通信制御部が前記第2の通信方式で無線通信を行うべき旨の要求を受けて前記システムスリープ状態から前記システムアイドル状態へ移行すると電力を供給されるとともに前記共用アンテナと前記第2の通信制御部とを接続する、
請求項2記載の通信端末。
【請求項5】
前記第1の通信方式は、CDMA2000_1xであり、
前記第2の通信方式は、CDMA2000_1xEVDOである、
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の通信端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−60393(P2012−60393A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−201278(P2010−201278)
【出願日】平成22年9月8日(2010.9.8)
【出願人】(310022372)富士通東芝モバイルコミュニケーションズ株式会社 (219)
【Fターム(参考)】