通信管理装置、通信管理方法
【課題】同一のコンテンツに対して単位時間当たりのダウンロード要求が複数発生した場合に、特定のダウンロード元端末に要求が集中してしまうことを抑止することを可能とすること。
【解決手段】複数の通信端末装置から、各通信端末装置が記憶するデータに関する情報を受信して記憶し、他の通信端末装置から前記データを受信することを要求する通信端末装置に対して、要求先とすべき前記他の通信端末装置の候補を通知する通知装置と、複数の前記通信端末装置と、を備える通信システムに備えられる通信管理装置であって、前記通信端末に対し、記憶している前記データに関する情報の送信タイミングを指示するタイミング指示部、を備える。
【解決手段】複数の通信端末装置から、各通信端末装置が記憶するデータに関する情報を受信して記憶し、他の通信端末装置から前記データを受信することを要求する通信端末装置に対して、要求先とすべき前記他の通信端末装置の候補を通知する通知装置と、複数の前記通信端末装置と、を備える通信システムに備えられる通信管理装置であって、前記通信端末に対し、記憶している前記データに関する情報の送信タイミングを指示するタイミング指示部、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各通信端末装置が通信を行う際に相手となる他の通信端末装置を管理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットにおいてP2P(Peer To Peer)技術が進展してきている。P2P技術は様々な長所を持つ。例えば、これまでサーバーで保持していた機能を、P2Pでは端末に分散させるため、クライアントサーバー方式と比較してサーバー負荷等を軽減できる。さらに、近隣からのダウンロードの場合は、P2Pではクライアントサーバー方式と比較して、ルーターやスイッチやケーブル等のノード・リンクにかかる負荷や、ダウンロード時間を削減することができる。
【0003】
しかしながら、端末やノード・リンクへの負荷集中や、設備負荷やダウンロード時間が増加するという問題があった。特に、設備負荷やダウンロード時間の増加は、ダウンロード先端末とダウンロード元端末との間のホップ数等を考慮せずにダウンロード先端末を選定しているために生じていた。
【0004】
近年、P4P(Provider Portal for P2P)技術が提案され、近隣からのダウンロードを誘発する仕組みが構築されつつある。そのため、P4Pでは、上記の問題点が軽減されてきている(非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Haiyong Xie, Arvind Krishnamurthy, Avi Silberschatz, and Y. Richard Yang. P4P: Explicit Communications for Cooperative Control Between P2P and Network Providers. http://www.dcia.info/documents/P4P_Overview.pdf
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のP4Pでは、同一のコンテンツに対してのダウンロードの要求が頻発すると、特定のダウンロード元端末へコンテンツ要求が集中し、ネットワーク機器への負荷やコンテンツ配信サーバーへの負荷など、設備への負荷が増加してしまう。これを原因として、ダウンロードに要する時間が長くなり、性能が悪化するという問題があった。また、このような問題はP4P特有の問題ではなく、従来のP2Pにも共通する問題であった。
上記事情に鑑み、本発明は、同一のコンテンツに対して単位時間当たりのダウンロード要求が複数発生した場合に、特定のダウンロード元端末に要求が集中してしまうことを抑止することを可能とする通信管理装置及び通信管理方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、複数の通信端末装置から、各通信端末装置が記憶するデータに関する情報を受信して記憶し、他の通信端末装置から前記データを受信することを要求する通信端末装置に対して、要求先とすべき前記他の通信端末装置の候補を通知する通知装置と、複数の前記通信端末装置と、を備える通信システムに備えられる通信管理装置であって、前記通信端末に対し、記憶している前記データに関する情報の送信タイミングを指示するタイミング指示部、を備える。
【0008】
本発明の一態様は、上記の通信管理装置であって、前記タイミング指示部は、前記データを受信することの要求の頻度に応じて、前記データに関する情報の送信タイミングを決定する。
【0009】
本発明の一態様は、上記の通信管理装置であって、前記タイミング指示部は、前記データを受信することの要求の頻度が高いほど、前記データに関する情報を送信する間隔が短くなるように前記送信タイミングを決定する。
【0010】
本発明の一態様は、上記の通信管理装置であって、前記タイミング指示部は、前記通信端末装置に生じている負荷に応じて前記データに関する情報の送信タイミングを決定する。
【0011】
本発明の一態様は、上記の通信管理装置であって、前記タイミング指示部は、前記通知装置に生じている負荷に応じて前記データに関する情報の送信タイミングを決定する。
【0012】
本発明の一態様は、通信管理装置であって、複数の通信端末装置から、各通信端末装置が記憶するデータに関する情報を受信して記憶する記憶部と、他の通信端末装置から前記データを受信することを要求する通信端末装置に対して、要求先とすべき前記他の通信端末装置の候補を前記記憶部に記憶される情報に基づいて決定し通知する通知部と、前記通信端末に対し、記憶している前記データに関する情報の送信タイミングを指示するタイミング指示部と、を備える。
【0013】
本発明の一態様は、複数の通信端末装置から、各通信端末装置が記憶するデータに関する情報を受信して記憶し、他の通信端末装置から前記データを受信することを要求する通信端末装置に対して、要求先とすべき前記他の通信端末装置の候補を通知する通知装置と、複数の前記通信端末装置と、を備える通信システムに備えられる通信管理装置が行う通信管理方法であって、前記通信管理装置が、前記通信端末に対し、記憶している前記データに関する情報の送信タイミングを指示するタイミング指示ステップ、を有する。
【0014】
本発明の一態様は、複数の通信端末装置から、各通信端末装置が記憶するデータに関する情報を受信して記憶する記憶部を備える通信管理装置が行う通信管理方法であって、他の通信端末装置から前記データを受信することを要求する通信端末装置に対して、要求先とすべき前記他の通信端末装置の候補を前記記憶部に記憶される情報に基づいて決定し通知する通知ステップと、前記通信端末に対し、記憶している前記データに関する情報の送信タイミングを指示するタイミング指示ステップと、を有する。
【発明の効果】
【0015】
本発明により、同一のコンテンツに対して単位時間当たりのダウンロード要求が複数発生した場合に、特定のダウンロード元端末に要求が集中してしまうことを抑止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】通信システムのシステム構成を表すシステム構成図である。
【図2】通信システムにおいて、DL先通信端末装置がDL元通信端末装置からコンテンツのデータをダウンロードする際の処理の流れを表すシーケンス図である。
【図3】第一実施形態における通信端末装置の機能構成を表す概略ブロック図である。
【図4】第一実施形態におけるピア管理サーバーの機能構成を表す概略ブロック図である。
【図5】コンテンツ保持情報テーブルの具体例を表す図である。
【図6】第一実施形態における最適化サーバーの機能構成を表す概略ブロック図である。
【図7】コンテンツ要求情報テーブルの具体例を表す図である。
【図8】第一実施形態の通信システムの動作の流れを表すシーケンス図である。
【図9】第二実施形態における通信端末装置の機能構成を表す概略ブロック図である。
【図10】第二実施形態における最適化サーバーの機能構成を表す概略ブロック図である。
【図11】端末負荷情報テーブルの具体例を表す図である。
【図12】第二実施形態の通信システムの動作の流れを表すシーケンス図である。
【図13】第三実施形態におけるピア管理サーバーの機能構成を表す概略ブロック図である。
【図14】第三実施形態における最適化サーバーの機能構成を表す概略ブロック図である。
【図15】サーバー負荷情報テーブルの具体例を表す図である。
【図16】第三実施形態の通信システムの動作の流れを表すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
〔システム構成〕
図1は、通信システム100のシステム構成を表すシステム構成図である。通信システム100の具体例として、第一実施形態、第二実施形態、第三実施形態がある。まずは、各実施形態に共通する構成について説明する。通信システム100は、複数台の通信端末装置10(10−1〜10−8)を有しており、各通信端末装置10同士はリンクやノードによって互いに通信可能に接続されている。リンクやノードとは、ネットワークを構成するための要素となる装置や機器(通信要素機器)であり、例えばルーター、スイッチ、ハブ、ケーブル等である。以下の説明では、ルーターをリンクやノードの具体例として取り上げて説明を行う。
【0018】
通信システム100は、複数台の通信端末装置10の他にも、複数台のルーター20(20−1〜20−7)、ピア管理サーバー30、最適化サーバー40を備える。ルーター20−1〜20−4には、複数台の通信端末装置10が接続される。ルーター20−5〜20−7には、複数台のルーター20が接続される。ルーター20−7には、さらにピア管理サーバー30が接続され、ピア管理サーバー30(通知装置)には最適化サーバー40(通信管理装置)が接続される。
【0019】
通信端末装置10は、パーソナルコンピューター、ワークステーション、PDA、携帯電話機、サーバー装置、クラウドなどの通信可能な情報処理装置である。通信端末装置10は、使用者が所望するコンテンツのデータを、当該データを記憶している他の通信端末装置10から受信する。このとき、通信端末装置10は、ピア管理サーバー30に問い合わせることによって、通信すべき相手となる他の通信端末装置10を判定する。なお、以下の説明において、コンテンツのデータを受信する側の通信端末装置10を「DL先通信端末装置」といい、コンテンツのデータを送信する側の通信端末装置10を「DL元通信端末装置」という。また、通信端末装置10は、ピア管理サーバー30から頻度通知を受信する。頻度通知は、通信端末装置10が、自身が記憶しているコンテンツのデータをピア管理サーバー30に通知する頻度(以下、「コンテンツ保持情報通知頻度」という。)を表す情報である。通信端末装置10は、受信した頻度通知に応じた頻度で、コンテンツ保持情報をピア管理サーバー30に送信する。
【0020】
以下の説明では、コンテンツ保持情報通知頻度は、コンテンツ保持情報をピア管理サーバー30に送信する時間の間隔を表す情報と定義する。したがって、コンテンツ保持情報通知頻度が短い時間であるほど、単位時間あたりに送信されるコンテンツ保持情報の数が多くなる。しかしながら、コンテンツ保持情報通知頻度はこのような定義に限定される必要は無く、例えば所定時間内(例えば1時間)の間にコンテンツ保持情報を送信する回数として定義されても良いし、その他の定義であっても良い。
【0021】
ルーター20は、各通信端末装置10や各サーバーを互いに通信可能に接続するネットワークの要素である。ルーター20は、パケットを受信し、受信されたパケットをルーティングテーブルに従って通信端末装置10、他のルーター20、ピア管理サーバー30のいずれかへ送信する。
【0022】
ピア管理サーバー30は、通信端末装置10からの問い合わせに応じて、問い合わせてきた通信端末装置10が通信すべき相手となる他の通信端末装置10を示す識別情報(以下、「端末識別情報」という。)のリスト(以下、「DL元リスト」という。)を生成する。そして、ピア管理サーバー30は、作成したDL元リストを、問い合わせしてきた通信装置端末10に対して返信する。端末識別情報とは、例えば通信端末装置10に予め付与されているIDであっても良いし、通信端末装置10のIPアドレスであっても良いし、ピアIDであっても良い。以下、端末識別情報がIPアドレスである場合を例として説明する。
【0023】
最適化サーバー40は、コンテンツ保持情報通知頻度を算出する。そして、最適化サーバー40は、算出したコンテンツ保持情報通知頻度を含む頻度通知を、ピア管理サーバー30に送信する。
通信システム100において、DL先通信端末装置10がDL元通信端末装置10からコンテンツのデータをダウンロードする際の処理は、第一実施形態〜第三実施形態において共通する処理である。図2は、通信システム100において、DL先通信端末装置10がDL元通信端末装置10からコンテンツのデータをダウンロードする際の処理の流れを表すシーケンス図である。以下、図2を用いて、上記処理の流れについて説明する。
【0024】
DL先通信端末装置10は、使用者が所望するコンテンツのデータを示す識別子を含むDL元リスト要求データを生成し、ピア管理サーバー30へ送信する(ステップS1)。ピア管理サーバー30は、DL元リスト要求データを受信すると、DL元リスト要求データに含まれる識別子が示すコンテンツを記憶している通信端末装置10を検索する。なお、ピア管理サーバー30は、各通信端末装置10が記憶しているコンテンツのデータについての情報(コンテンツ保持情報)を収集することによって、各通信端末装置10と、各々が記憶するコンテンツのデータとを対応付けたテーブル(コンテンツ保持情報テーブル)を記憶している。
【0025】
次に、ピア管理サーバー30は、検索された通信端末装置10のIPアドレスが列挙されたDL元リストを作成する(ステップS2)。そして、ピア管理サーバー30は、作成されたDL元リストを、DL先通信端末装置へ返送する(ステップS3)。
【0026】
DL先通信端末装置10は、ピア管理サーバー30からDL元リストを受信すると、ユーザーが所望するコンテンツのデータを示す識別子を含むダウンロード要求データを生成する。そして、DL先通信端末装置10は、DL元リストに示されるIPアドレスを選択し、選択されたIPアドレスの各通信装置端末10(DL元通信端末装置)に対し、生成されたダウンロード要求データを送信する(ステップS4)。DL先通信端末装置10がダウンロード要求データを送信するDL元通信端末装置の台数は、1台であっても良いし複数台であっても良い。DL先通信端末装置10が複数台にダウンロード要求データを送信する場合には、並行して送信しても良いし、タイミングをあけてシーケンシャルに送信しても良い。
【0027】
DL元通信端末装置10は、ダウンロード要求データを受信すると、ダウンロード要求データに含まれる識別子が示すコンテンツのデータを読み出し、DL先通信端末装置10へ送信する。DL先通信端末装置10は、DL元通信端末装置からコンテンツのデータを受信し、ローカルの記憶装置(コンテンツ記憶部)に記録する(ステップS5)。
次に、各実施形態に特有の構成及び処理の流れについて説明する。
【0028】
[第一実施形態]
通信システム100の第一実施形態は、複数の通信端末装置10として通信端末装置10a、ピア管理サーバー30としてピア管理サーバー30a、最適化サーバー40として最適化サーバー40aを備える。
図3は、第一実施形態における通信端末装置10の機能構成を表す概略ブロック図である。第一実施形態における通信端末装置10(10a)は、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)やメモリや補助記憶装置などを備え、通信端末用プログラムを実行することによって送受信部101、コンテンツ記憶部102、通信制御部103を備える装置として機能する。
【0029】
送受信部101は、ネットワークインターフェース等の通信装置を用いて構成される。送受信部101は、ルーター20を介して、他の通信端末装置10a、ピア管理サーバー30a、最適化サーバー40aとデータの送受信を行う。
コンテンツ記憶部102は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。コンテンツ記憶部102は、通信制御部103によって受信されたコンテンツのデータを記憶する。
【0030】
通信制御部103は、他の通信端末装置10aから、ユーザーが所望するコンテンツのデータをダウンロードするために必要となる処理を行う。例えば、通信制御部103は、コンテンツ記憶部102に記憶されているコンテンツのデータに基づいてコンテンツ保持情報を生成し、ピア管理サーバー30aに送信する。また、通信制御部103は、ピア管理サーバー30aに対し、DL元リスト要求を送信する。また、通信制御部103は、DL元リストをピア管理サーバー30aから受信する。また、通信制御部103は、DL元リストからDL元通信端末装置を選択し、ダウンロード要求データを送信する。また、通信制御部103は、DL元通信端末装置から送信されるコンテンツのデータを受信し、受信されたデータをコンテンツ記憶部102に書き込む。
【0031】
図4は、第一実施形態におけるピア管理サーバー30の機能構成を表す概略ブロック図である。第一実施形態におけるピア管理サーバー30(30a)は、バスで接続されたCPUやメモリや補助記憶装置などを備え、ピア管理用プログラムを実行することによって送受信部301、コンテンツ保持情報管理部302、コンテンツ保持情報記憶部303、DL元リスト生成部304を備える装置として機能する。
【0032】
送受信部301は、ネットワークインターフェース等の通信装置を用いて構成される。送受信部301は、ルーター20を介して、通信端末装置10aとデータの送受信を行う。また、送受信部301は、最適化サーバー40aとデータの送受信を行う。なお、送受信部301と最適化サーバー40aとの間にルーターが設置されている場合には、送受信部301は、ルーターを介して最適化サーバー40aとデータの送受信を行う。
コンテンツ保持情報管理部302は、通信端末装置10aからコンテンツ保持情報を受信する。コンテンツ保持情報管理部302は、受信されたコンテンツ保持情報に基づいて、コンテンツ保持情報記憶部303に記憶されるコンテンツ保持情報テーブルの内容を更新する。
【0033】
コンテンツ保持情報記憶部303(記憶部)は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。コンテンツ保持情報記憶部303は、コンテンツ保持情報テーブルを記憶する。図5は、コンテンツ保持情報テーブルの具体例を表す図である。コンテンツ保持情報テーブルには、各通信端末装置10aのIPアドレスと、各通信端末装置10aがデータを保持しているコンテンツのコンテンツIDとを対応付けたレコードが登録される。図5の場合、IPアドレスが“A1”である通信端末装置10aは、コンテンツIDが“C11”、“C13”、“C16”である3つのコンテンツのデータを記憶している。また、IPアドレスが“A2”である通信端末装置10aは、コンテンツIDが“C12”、“C15”、“C16”である3つのコンテンツのデータを記憶している。また、IPアドレスが“A3”である通信端末装置10aは、コンテンツIDが“C21”、“C22”である2つのコンテンツのデータを記憶している。
【0034】
DL元リスト生成部304(通知部)は、通信端末装置10aからDL元リスト要求を受信すると、DL元リスト要求からコンテンツIDを抽出する。DL元リスト生成部304は、コンテンツ保持情報テーブルを参照し、抽出したコンテンツIDのデータを保持している通信端末装置10aのIPアドレスを取得する。DL元リスト生成部304は、取得したIPアドレスを用いてDL元リストを生成する。そして、DL元リスト生成部304は、生成したDL元リストを、DL元リスト要求の送信元である通信端末装置10a(DL先通信端末装置)に対して返送する。
【0035】
また、DL元リスト生成部304は、コンテンツ要求情報を生成し、最適化サーバー40aへ送信する。コンテンツ要求情報とは、通信端末装置10aがコンテンツのダウンロードを要求する処理に関する情報である。例えば、コンテンツ要求情報は、ピア管理サーバー30aが通信端末装置10aからDL元リスト要求を受信した時刻に関する情報であっても良い。この場合、DL元リスト生成部304は、これまでに受信されたDL元リスト要求に基づいてコンテンツ要求情報を生成する。
【0036】
図6は、第一実施形態における最適化サーバー40の機能構成を表す概略ブロック図である。第一実施形態における最適化サーバー40(40a)は、バスで接続されたCPUやメモリや補助記憶装置などを備え、最適化サーバー用プログラムを実行することによって送受信部401、コンテンツ要求情報管理部402、コンテンツ要求情報記憶部403、頻度通知部404を備える装置として機能する。
【0037】
送受信部401は、ネットワークインターフェース等の通信装置を用いて構成される。送受信部401は、ルーター20を介して、通信端末装置10aとデータの送受信を行う。また、送受信部401は、ピア管理サーバー30aとデータの送受信を行う。なお、送受信部401とピア管理サーバー30aとの間にルーターが設置されている場合には、送受信部401は、ルーターを介してピア管理サーバー30aとデータの送受信を行う。
【0038】
コンテンツ要求情報管理部402は、ピア管理サーバー30aに対し、コンテンツ要求情報の送信を依頼する。コンテンツ要求情報管理部402は、コンテンツ要求情報を受信すると、受信されたコンテンツ要求情報に基づいて、コンテンツ要求情報記憶部403に記憶されるコンテンツ要求情報テーブルの内容を更新する。
コンテンツ要求情報記憶部403は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。コンテンツ要求情報記憶部403は、コンテンツ要求情報テーブルを記憶する。図7は、コンテンツ要求情報テーブルの具体例を表す図である。コンテンツ要求情報テーブルには、DL元リスト要求がピア管理サーバー30において受信された時刻がレコードとして登録される。図7の場合、DL元リスト要求が、時刻T1、時刻T2、時刻T3、時刻T4等の時刻に受信されている。
【0039】
頻度通知部404(タイミング指示部)は、所定のタイミングでコンテンツ保持情報通知頻度を算出する。頻度通知部404は、コンテンツ要求情報記憶部403に記憶されているコンテンツ要求情報テーブルに基づいてコンテンツ保持情報通知頻度を算出する。例えば、頻度通知部404は、所定の時間内に受信されたDL元リスト要求の数が多いほど、短い時間をコンテンツ保持情報通知頻度として算出する。すなわち、頻度通知部404は、所定の時間内に受信されたDL元リスト要求の数が多いほど、短い時間でより多くのコンテンツ保持情報が通信端末装置10aから送信されるように、コンテンツ保持情報通知頻度を算出する。例えば、以下のような式でコンテンツ保持情報通知頻度は表される。
H=1/(a×N)・・・式1
式1において、Hはコンテンツ保持情報通知頻度であり、aは予め設定される定数であり、Nは所定の時間内に受信されたDL元リスト要求の数である。なお、上記の所定の時間内とは、例えば、頻度通知部404がコンテンツ保持情報通知頻度の算出を行うタイミングから遡ってM秒間やM分間の間であっても良い。Mは正の実数である。
【0040】
頻度通知部404は、算出したコンテンツ保持情報通知頻度を含む頻度通知を生成し、各通信端末装置10aへ送信する。
図8は、第一実施形態の通信システム100の動作の流れを表すシーケンス図である。図8は、特にコンテンツ要求情報、頻度通知、コンテンツ保持情報に関連する動作の流れを表す。まず、コンテンツ要求情報に関連する動作について説明する。最適化サーバー40aのコンテンツ要求情報管理部402は、所定のタイミングで、ピア管理サーバー30aに対し、コンテンツ要求情報の送信を依頼する(ステップS10)。所定のタイミングとは、例えば10秒毎や1分毎や10分毎であっても良い。ピア管理サーバー30aのDL元リスト生成部304は、コンテンツ要求情報の送信の依頼を受けると、コンテンツ要求情報を生成する。そして、DL元リスト生成部304は、生成したコンテンツ要求情報を最適化サーバー40aへ送信する(ステップS11)。
【0041】
次に、頻度通知に関連する動作について説明する。最適化サーバー40aの頻度通知部404は、所定のタイミングで、コンテンツ保持情報通知頻度を算出する(ステップS12)。所定のタイミングとは、例えば10秒毎や1分毎や10分毎であっても良いし、コンテンツ要求情報を受信したタイミングであっても良いし、前回の算出が行われた後に所定数(例えば5や10)の新たなコンテンツ要求情報を受信したタイミングであっても良いし、他のタイミングであっても良い。
頻度通知部404は、コンテンツ保持情報通知頻度を算出すると、コンテンツ保持情報通知頻度を含む頻度通知を生成する。そして、頻度通知部404は、生成した頻度通知を各通信端末装置10aへ送信する(ステップS13)。
【0042】
次に、コンテンツ保持情報に関連する処理について説明する。通信端末装置10aの通信制御部103は、最後に受信した頻度通知に含まれるコンテンツ保持情報通知頻度にしたがった頻度で、コンテンツ保持情報をピア管理サーバー30aへ送信する(ステップS14)。
【0043】
このように構成された第一実施形態の通信システム100によれば、最適化サーバー40aが、コンテンツ要求情報に基づいてコンテンツ保持情報通知頻度を算出する。この際、最適化サーバー40aは、所定の時間内に受信されたDL元リスト要求の数が多いほど、短い時間でより多くのコンテンツ保持情報が通信端末装置10aから送信されるように、コンテンツ保持情報通知頻度を算出する。そのため、ピア管理サーバー30aは、頻繁に要求されているコンテンツのデータについて、保持している通信端末装置10aに関する情報を短い時間間隔で更新することが可能となる。頻繁に要求されているということは、そのコンテンツのデータを保持している通信端末装置10aも頻繁に発生していることとなる。そして、上述した処理によって、ピア管理サーバー30aは、新たにコンテンツのデータを取得した通信端末装置10aに関する情報をいち早く知ることが可能となる。そのため、同一のコンテンツに対してダウンロードの要求が頻発した場合であっても、そのコンテンツのデータを新たに取得した通信端末装置10aをDL元通信端末装置としてDL元リストに含めることが可能となる。すなわち、各通信端末装置10aが記憶しているコンテンツを現状に沿って的確に把握し、DL元通信端末装置となり得る通信端末装置10aの候補を的確に増やすことが可能となる。したがって、同一のコンテンツに対してダウンロードの要求が頻発した場合であっても、特定のDL元通信端末装置に対して要求が集中してしまうことを軽減できる。
【0044】
[第二実施形態]
通信システム100の第二実施形態は、複数の通信端末装置10として通信端末装置10b、ピア管理サーバー30としてピア管理サーバー30a、最適化サーバー40として最適化サーバー40bを備える。以下の説明において、ピア管理サーバー30aに関する説明は、その構成が第一実施形態における構成と同じであるため省略する。
【0045】
図9は、第二実施形態における通信端末装置10の機能構成を表す概略ブロック図である。第二実施形態における通信端末装置10(10b)は、バスで接続されたCPUやメモリや補助記憶装置などを備え、通信端末用プログラムを実行することによって送受信部101、コンテンツ記憶部102、通信制御部103、端末負荷情報管理部114を備える装置として機能する。送受信部101、コンテンツ記憶部102、通信制御部103の構成は、第一実施形態における構成と同じであるため説明を省略する。
【0046】
端末負荷情報管理部114は、自装置(通信端末装置10b)に生じている負荷を表す情報(端末負荷情報)を取得し、最適化サーバー40bへ送信する。端末負荷情報は、例えば各通信端末装置10bのCPUの使用率や、各通信端末装置10bのメモリの使用量や、各通信端末装置10bの帯域に対する使用トラフィック量や、各通信端末装置10bの使用トラフィック量や、各通信端末装置10bが接続された通信路の契約回線の帯域などである。帯域に対する使用トラフィック量とは、例えば各通信端末装置10bのポートの送信トラフィックの和を帯域で除算した値によって表されても良いし、受信トラフィックの和を帯域で除算した値によって表されても良いし、これら二つの値の合計値や平均値によって表されても良い。使用トラフィック量とは、例えば各通信端末装置10bのポートの送受信トラフィックの和によって表される。また、上記各値は、最大値であっても良いし、平均値であっても良いし、合計値であっても良い。
【0047】
図10は、第二実施形態における最適化サーバー40の機能構成を表す概略ブロック図である。第二実施形態における最適化サーバー40(40b)は、バスで接続されたCPUやメモリや補助記憶装置などを備え、最適化サーバー用プログラムを実行することによって送受信部401、コンテンツ要求情報管理部402、コンテンツ要求情報記憶部403、頻度通知部414、端末負荷情報管理部415、端末負荷情報記憶部416を備える装置として機能する。送受信部401、コンテンツ要求情報管理部402、コンテンツ要求情報記憶部403の構成は、第一実施形態における構成と同じであるため説明を省略する。
【0048】
端末負荷情報管理部415は、通信端末装置10bに対し、端末負荷情報の送信を依頼する。端末負荷情報管理部415は、端末負荷情報を受信すると、受信された端末負荷情報に基づいて、端末負荷情報記憶部416に記憶される端末負荷情報テーブルの内容を更新する。
端末負荷情報記憶部416は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。端末負荷情報記憶部416は、端末負荷情報テーブルを記憶する。図11は、端末負荷情報テーブルの具体例を表す図である。端末負荷情報テーブルには、端末負荷情報が受信された時刻(受信時刻)と、端末負荷情報の送信元の端末識別情報と、端末負荷情報とを対応付けたレコードが登録される。
【0049】
頻度通知部414は、所定のタイミングでコンテンツ保持情報通知頻度を算出する。頻度通知部414は、コンテンツ要求情報記憶部403に記憶されているコンテンツ要求情報テーブルと、端末負荷情報記憶部416に記憶されている端末負荷情報テーブルとに基づいて、コンテンツ保持情報通知頻度を算出する。例えば、頻度通知部414は、所定の時間内に受信されたDL元リスト要求の数が多いほど、短い時間をコンテンツ保持情報通知頻度として算出する。また、頻度通知部414は、通信端末装置10bに生じている負荷が大きいほど、長い時間をコンテンツ保持情報通知頻度として算出する。逆に、頻度通知部414は、通信端末装置10bに生じている負荷が小さいほど、短い時間をコンテンツ保持情報通知頻度として算出する。コンテンツ保持情報通知頻度を算出する際に端末負荷情報が参照される通信端末装置10bは、予め定められた特定通信端末装置10bであっても良いし、通信システム100に含まれる全ての通信端末装置10bであっても良いし、生じている負荷が大きい方から所定台数の通信端末装置10bであっても良いし、他の基準で選ばれた通信端末装置10bであっても良い。例えば、以下のような式でコンテンツ保持情報通知頻度は表される。
H=1/((a×N)−(b×P1))・・・式2
式2において、Hはコンテンツ保持情報通知頻度であり、a及びbは予め設定される定数であり、Nは所定の時間内に受信されたDL元リスト要求の数であり、P1は通信端末装置10bに生じている負荷の大きさである。なお、上記の所定の時間内とは、例えば、頻度通知部414がコンテンツ保持情報通知頻度の算出を行うタイミングから遡ってM秒間やM分間の間であっても良い。Mは正の実数である。
そして、頻度通知部414は、算出したコンテンツ保持情報通知頻度を含む頻度通知を生成し、各通信端末装置10bへ送信する。
【0050】
図12は、第二実施形態の通信システム100の動作の流れを表すシーケンス図である。図12は、特にコンテンツ要求情報、頻度通知、コンテンツ保持情報に関連する動作の流れを表す。まず、コンテンツ要求情報に関連する動作について説明する。最適化サーバー40bのコンテンツ要求情報管理部402は、所定のタイミングで、ピア管理サーバー30aに対し、コンテンツ要求情報の送信を依頼する(ステップS20)。所定のタイミングとは、例えば10秒毎や1分毎や10分毎であっても良い。ピア管理サーバー30aのDL元リスト生成部304は、コンテンツ要求情報の送信の依頼を受けると、コンテンツ要求情報を生成する。そして、DL元リスト生成部304は、生成したコンテンツ要求情報を最適化サーバー40bへ送信する(ステップS21)。
【0051】
また、最適化サーバー40bの端末負荷情報管理部415は、所定のタイミングで、通信端末装置10bに対し、端末負荷情報の送信を依頼する(ステップS22)。所定のタイミングとは、例えば10秒毎や1分毎や10分毎であっても良い。通信端末装置10bの端末負荷情報管理部114は、端末負荷情報の送信の依頼を受けると、端末負荷情報を生成する。そして、端末負荷情報管理部114は、生成した端末負荷情報を最適化サーバー40bへ送信する(ステップS23)。
【0052】
次に、頻度通知に関連する動作について説明する。最適化サーバー40bの頻度通知部414は、所定のタイミングで、コンテンツ保持情報通知頻度を算出する(ステップS24)。所定のタイミングとは、例えば10秒毎や1分毎や10分毎であっても良いし、コンテンツ要求情報を受信したタイミングであっても良いし、端末負荷情報を受信したタイミングであっても良いし、前回の算出が行われた後に所定数(例えば5や10)の新たなコンテンツ要求情報及び端末負荷情報を受信したタイミングであっても良いし、他のタイミングであっても良い。
【0053】
頻度通知部414は、コンテンツ保持情報通知頻度を算出すると、コンテンツ保持情報通知頻度を含む頻度通知を生成する。そして、頻度通知部414は、生成した頻度通知を各通信端末装置10bへ送信する(ステップS25)。
次に、コンテンツ保持情報に関連する処理について説明する。通信端末装置10bの通信制御部103は、最後に受信した頻度通知に含まれるコンテンツ保持情報通知頻度にしたがった頻度で、コンテンツ保持情報をピア管理サーバー30aへ送信する(ステップS26)。
【0054】
このように構成された第二実施形態の通信システム100によれば、最適化サーバー40bが、コンテンツ要求情報及び端末負荷情報に基づいてコンテンツ保持情報通知頻度を算出する。この際、最適化サーバー40bは、所定の時間内に受信されたDL元リスト要求の数が多いほど、短い時間でより多くのコンテンツ保持情報が通信端末装置10bから送信されるように、コンテンツ保持情報通知頻度を算出する。さらに、最適化サーバー40bは、通信端末装置10bに生じている負荷が大きいほど、長い時間をコンテンツ保持情報通知頻度として算出する。そのため、第一実施形態と同様の効果を得ると共に、通信端末装置10bの負荷状況に応じた適切なコンテンツ保持情報通知頻度を算出することが可能となる。
【0055】
具体的には、第二実施形態の通信システム100による効果は以下のとおりである。通信端末装置10bに生じている負荷が大きいにも拘わらずコンテンツ保持情報通知頻度が短く算出されてしまうと、通信端末装置10bに生じる負荷がさらに大きくなってしまう。この場合、通信端末装置10bの動作に悪影響を及ぼす可能性がある。しかしながら、最適化サーバー40bは、通信端末装置10bに生じている負荷が大きいほど、長い時間をコンテンツ保持情報通知頻度として算出する。そのため、通信端末装置10bに過大な負荷が生じてしまうことを抑止することができる。
【0056】
[第三実施形態]
通信システム100の第三実施形態は、複数の通信端末装置10として通信端末装置10a、ピア管理サーバー30としてピア管理サーバー30c、最適化サーバー40として最適化サーバー40cを備える。以下の説明において、通信端末装置10aに関する説明は、その構成が第一実施形態における構成と同じであるため省略する。
【0057】
図13は、第三実施形態におけるピア管理サーバー30の機能構成を表す概略ブロック図である。第三実施形態におけるピア管理サーバー30(30c)は、バスで接続されたCPUやメモリや補助記憶装置などを備え、ピア管理用プログラムを実行することによって送受信部301、コンテンツ保持情報管理部302、コンテンツ保持情報記憶部303、DL元リスト生成部304、サーバー負荷情報管理部325を備える装置として機能する。送受信部301、コンテンツ保持情報管理部302、コンテンツ保持情報記憶部303、DL元リスト生成部304の構成は、第一実施形態における構成と同じであるため説明を省略する。
【0058】
サーバー負荷情報管理部325は、自装置(ピア管理サーバー30c)に生じている負荷を表す情報(サーバー負荷情報)を取得し、最適化サーバー40cへ送信する。サーバー負荷情報は、例えばピア管理サーバー30cのCPUの使用率や、ピア管理サーバー30cのメモリの使用量や、ピア管理サーバー30cの帯域に対する使用トラフィック量や、ピア管理サーバー30cの使用トラフィック量や、ピア管理サーバー30cが接続された通信路の契約回線の帯域などである。帯域に対する使用トラフィック量とは、例えばピア管理サーバー30cのポートの送信トラフィックの和を帯域で除算した値によって表されても良いし、受信トラフィックの和を帯域で除算した値によって表されても良いし、これら二つの値の合計値や平均値によって表されても良い。使用トラフィック量とは、例えばピア管理サーバー30cのポートの送受信トラフィックの和によって表される。また、上記各値は、最大値であっても良いし、平均値であっても良いし、合計値であっても良い。
【0059】
図14は、第三実施形態における最適化サーバー40の機能構成を表す概略ブロック図である。第三実施形態における最適化サーバー40(40c)は、バスで接続されたCPUやメモリや補助記憶装置などを備え、最適化サーバー用プログラムを実行することによって送受信部401、コンテンツ要求情報管理部402、コンテンツ要求情報記憶部403、頻度通知部424、サーバー負荷情報管理部425、サーバー負荷情報記憶部426を備える装置として機能する。送受信部401、コンテンツ要求情報管理部402、コンテンツ要求情報記憶部403の構成は、第一実施形態における構成と同じであるため説明を省略する。
【0060】
サーバー負荷情報管理部425は、ピア管理サーバー30cに対し、サーバー負荷情報の送信を依頼する。サーバー負荷情報管理部425は、サーバー負荷情報を受信すると、受信されたサーバー負荷情報に基づいて、サーバー負荷情報記憶部426に記憶されるサーバー負荷情報テーブルの内容を更新する。
サーバー負荷情報記憶部426は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。サーバー負荷情報記憶部426は、サーバー負荷情報テーブルを記憶する。図15は、サーバー負荷情報テーブルの具体例を表す図である。サーバー負荷情報テーブルには、サーバー負荷情報が受信された時刻(受信時刻)と、サーバー負荷情報とを対応付けたレコードが登録される。
【0061】
頻度通知部424は、所定のタイミングでコンテンツ保持情報通知頻度を算出する。頻度通知部424は、コンテンツ要求情報記憶部403に記憶されているコンテンツ要求情報テーブルと、サーバー負荷情報記憶部426に記憶されているサーバー負荷情報テーブルとに基づいて、コンテンツ保持情報通知頻度を算出する。例えば、頻度通知部424は、所定の時間内に受信されたDL元リスト要求の数が多いほど、短い時間をコンテンツ保持情報通知頻度として算出する。また、頻度通知部424は、ピア管理サーバー30cに生じている負荷が大きいほど、長い時間をコンテンツ保持情報通知頻度として算出する。逆に、頻度通知部424は、ピア管理サーバー30cに生じている負荷が小さいほど、短い時間をコンテンツ保持情報通知頻度として算出する。例えば、以下のような式でコンテンツ保持情報通知頻度は表される。
H=1/((a×N)−(c×S1))・・・式3
式3において、Hはコンテンツ保持情報通知頻度であり、a及びcは予め設定される定数であり、Nは所定の時間内に受信されたDL元リスト要求の数であり、S1はピア管理サーバー30cに生じている負荷の大きさである。なお、上記の所定の時間内とは、例えば、頻度通知部424がコンテンツ保持情報通知頻度の算出を行うタイミングから遡ってM秒間やM分間の間であっても良い。Mは正の実数である。
そして、頻度通知部424は、算出したコンテンツ保持情報通知頻度を含む頻度通知を生成し、各通信端末装置10aへ送信する。
【0062】
図16は、第三実施形態の通信システム100の動作の流れを表すシーケンス図である。図16は、特にコンテンツ要求情報、頻度通知、コンテンツ保持情報に関連する動作の流れを表す。まず、コンテンツ要求情報に関連する動作について説明する。最適化サーバー40cのコンテンツ要求情報管理部402は、所定のタイミングで、ピア管理サーバー30cに対し、コンテンツ要求情報の送信を依頼する(ステップS30)。所定のタイミングとは、例えば10秒毎や1分毎や10分毎であっても良い。ピア管理サーバー30cのDL元リスト生成部304は、コンテンツ要求情報の送信の依頼を受けると、コンテンツ要求情報を生成する。そして、DL元リスト生成部304は、生成したコンテンツ要求情報を最適化サーバー40cへ送信する(ステップS31)。
【0063】
また、最適化サーバー40cのサーバー負荷情報管理部425は、所定のタイミングで、ピア管理サーバー30cに対し、サーバー負荷情報の送信を依頼する(ステップS32)。所定のタイミングとは、例えば10秒毎や1分毎や10分毎であっても良い。ピア管理サーバー30cのサーバー負荷情報管理部325は、サーバー負荷情報の送信の依頼を受けると、サーバー負荷情報を生成する。そして、サーバー負荷情報管理部325は、生成したサーバー負荷情報を最適化サーバー40cへ送信する(ステップS33)。
【0064】
次に、頻度通知に関連する動作について説明する。最適化サーバー40cの頻度通知部424は、所定のタイミングで、コンテンツ保持情報通知頻度を算出する(ステップS34)。所定のタイミングとは、例えば10秒毎や1分毎や10分毎であっても良いし、コンテンツ要求情報を受信したタイミングであっても良いし、サーバー負荷情報を受信したタイミングであっても良いし、前回の算出が行われた後に所定数(例えば5や10)の新たなコンテンツ要求情報及びサーバー負荷情報を受信したタイミングであっても良いし、他のタイミングであっても良い。
【0065】
頻度通知部424は、コンテンツ保持情報通知頻度を算出すると、コンテンツ保持情報通知頻度を含む頻度通知を生成する。そして、頻度通知部424は、生成した頻度通知を各通信端末装置10aへ送信する(ステップS35)。
次に、コンテンツ保持情報に関連する処理について説明する。通信端末装置10aの通信制御部103は、最後に受信した頻度通知に含まれるコンテンツ保持情報通知頻度にしたがった頻度で、コンテンツ保持情報をピア管理サーバー30cへ送信する(ステップS36)。
【0066】
このように構成された第三実施形態の通信システム100によれば、最適化サーバー40cが、コンテンツ要求情報及びサーバー負荷情報に基づいてコンテンツ保持情報通知頻度を算出する。この際、最適化サーバー40cは、所定の時間内に受信されたDL元リスト要求の数が多いほど、短い時間でより多くのコンテンツ保持情報が通信端末装置10aから送信されるように、コンテンツ保持情報通知頻度を算出する。さらに、最適化サーバー40cは、ピア管理サーバー30cに生じている負荷が大きいほど、長い時間をコンテンツ保持情報通知頻度として算出する。そのため、第一実施形態と同様の効果を得ると共に、ピア管理サーバー30cの負荷状況に応じた適切なコンテンツ保持情報通知頻度を算出することが可能となる。
【0067】
具体的には、第三実施形態の通信システム100による効果は以下のとおりである。コンテンツ保持情報通知頻度が短く算出されてしまうと、それに応じて大量のコンテンツ保持情報が各通信端末装置10aからピア管理サーバー30cに送信される。そのため、ピア管理サーバー30cに生じている負荷が大きいにも拘わらずコンテンツ保持情報通知頻度が短く算出されてしまうと、ピア管理サーバー30cに生じる負荷がさらに大きくなってしまう。この場合、ピア管理サーバー30cの動作に悪影響を及ぼす可能性がある。しかしながら、最適化サーバー40cは、ピア管理サーバー30cに生じている負荷が大きいほど、長い時間をコンテンツ保持情報通知頻度として算出する。そのため、ピア管理サーバー30cに過大な負荷が生じてしまうことを抑止することができる。
【0068】
[変形例]
最適化サーバー40の機能は、ピア管理サーバー30に統合されても良い。
図8に表される処理において、ピア管理サーバー30aは、通信端末装置10aからDL元リスト要求を受信する度に、コンテンツ要求情報を最適化サーバー40aに対して送信するように構成されても良い。この場合、最適化サーバー40aは、図8のステップS10におけるコンテンツ要求情報の送信依頼処理を行わないように構成されても良い。このような変形は、第二実施形態や第三実施形態においても同様に行われても良い。
【0069】
コンテンツ要求情報は、ピア管理サーバー30aが通信端末装置10aからDL元リスト要求を受信した時刻に関する情報ではなく、他の情報であっても良い。例えば、単位時間あたりの検索クエリの数であっても良いし、通信システム100においてDL先通信端末装置がDL元通信端末装置へコンテンツのダウンロードを要求した総回数であっても良いし、通信システム100においてDL先通信端末装置がDL元通信端末装置からコンテンツをダウンロードしようとした総回数であっても良いし、通信システム100においてDL先通信端末装置がDL元通信端末装置からコンテンツをダウンロードした総回数であっても良い。
【0070】
また、コンテンツ要求情報管理部402は、ピア管理サーバー30aに代えて、通信端末装置10aに対してコンテンツ要求情報依頼を行っても良い。この場合、通信端末装置10aの通信制御部103は、コンテンツ要求情報を生成し送信する。また、コンテンツ要求情報管理部402は、通信端末装置10a及びピア管理サーバー30aの双方に対してコンテンツ要求情報依頼を行っても良い。この場合、コンテンツ保持情報管理部302及び通信制御部103がコンテンツ要求情報を生成し送信する。このような変形は、第二実施形態や第三実施形態においても同様に行われても良い。
【0071】
第二実施形態において、端末負荷情報には、通信端末装置10bのリソースに関する情報が付加されても良い。通信端末装置10bのリソースに関する情報とは、通信端末装置10bのCPU等の動作クロック周波数や、総メモリ量や、送信帯域や、受信帯域などの情報である。端末負荷情報がこのように構成された場合には、頻度通知部414は、通信端末装置10bのリソースが大きいほど、短い時間をコンテンツ保持情報通知頻度として算出する。逆に、頻度通知部414は、通信端末装置10bのリソースが小さいほど、長い時間をコンテンツ保持情報通知頻度として算出する。例えば、以下のような式でコンテンツ保持情報通知頻度は表される。
H=1/((a×N)−(b×P1)+(d×P2))・・・式4
式4において、Hはコンテンツ保持情報通知頻度であり、aとbとdとは予め設定される定数であり、Nは所定の時間内に受信されたDL元リスト要求の数であり、P1は通信端末装置10bに生じている負荷の大きさであり、P2は通信端末装置10bのリソースの大きさである。
【0072】
第三実施形態において、サーバー負荷情報には、ピア管理サーバー30cのリソースに関する情報が付加されても良い。ピア管理サーバー30cのリソースに関する情報とは、ピア管理サーバー30cのCPU等の動作クロック周波数や、総メモリ量や、送信帯域や、受信帯域などの情報である。サーバー負荷情報がこのように構成された場合には、頻度通知部424は、ピア管理サーバー30cのリソースが大きいほど、短い時間をコンテンツ保持情報通知頻度として算出する。逆に、頻度通知部424は、ピア管理サーバー30cのリソースが小さいほど、長い時間をコンテンツ保持情報通知頻度として算出する。例えば、以下のような式でコンテンツ保持情報通知頻度は表される。
H=1/((a×N)−(c×S1)+(e×S2))・・・式5
式5において、Hはコンテンツ保持情報通知頻度であり、aとcとeとは予め設定される定数であり、Nは所定の時間内に受信されたDL元リスト要求の数であり、S1はピア管理サーバー30cに生じている負荷の大きさであり、S2はピア管理サーバー30cのリソースの大きさである。
【0073】
第一実施形態〜第三実施形態における各構成は、それぞれ組み合わせられても良い。例えば、通信端末装置10bと、ピア管理サーバー30cとを含む通信システム100が構築されても良い。この場合、最適化サーバー40は、例えば最適化サーバー40bの構成に対してさらにサーバー負荷情報管理部425及びサーバー負荷情報記憶部426を備えるように構成されても良い。また、この場合、頻度通知部414は、サーバー負荷情報にも基づいてコンテンツ保持情報通知頻度を算出するように構成される。この場合、例えば、以下のような式でコンテンツ保持情報通知頻度は表される。
H=1/((a×N)−(b×P1+c×S1))・・・式6
式6における各値は、上述した通りである。
さらに、第一実施形態〜第三実施形態における各構成が組み合わせられた場合、以下のような式でコンテンツ保持情報通知頻度が表されても良い。
H=1/((a×N)−(b×P1+c×S1)+(d×P2+e×S2))・・・式7
式7における各値は、上述した通りである。
【0074】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0075】
10…通信端末装置, 20…ルーター, 30…ピア管理サーバー, 40…最適化サーバー
【技術分野】
【0001】
本発明は、各通信端末装置が通信を行う際に相手となる他の通信端末装置を管理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットにおいてP2P(Peer To Peer)技術が進展してきている。P2P技術は様々な長所を持つ。例えば、これまでサーバーで保持していた機能を、P2Pでは端末に分散させるため、クライアントサーバー方式と比較してサーバー負荷等を軽減できる。さらに、近隣からのダウンロードの場合は、P2Pではクライアントサーバー方式と比較して、ルーターやスイッチやケーブル等のノード・リンクにかかる負荷や、ダウンロード時間を削減することができる。
【0003】
しかしながら、端末やノード・リンクへの負荷集中や、設備負荷やダウンロード時間が増加するという問題があった。特に、設備負荷やダウンロード時間の増加は、ダウンロード先端末とダウンロード元端末との間のホップ数等を考慮せずにダウンロード先端末を選定しているために生じていた。
【0004】
近年、P4P(Provider Portal for P2P)技術が提案され、近隣からのダウンロードを誘発する仕組みが構築されつつある。そのため、P4Pでは、上記の問題点が軽減されてきている(非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Haiyong Xie, Arvind Krishnamurthy, Avi Silberschatz, and Y. Richard Yang. P4P: Explicit Communications for Cooperative Control Between P2P and Network Providers. http://www.dcia.info/documents/P4P_Overview.pdf
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のP4Pでは、同一のコンテンツに対してのダウンロードの要求が頻発すると、特定のダウンロード元端末へコンテンツ要求が集中し、ネットワーク機器への負荷やコンテンツ配信サーバーへの負荷など、設備への負荷が増加してしまう。これを原因として、ダウンロードに要する時間が長くなり、性能が悪化するという問題があった。また、このような問題はP4P特有の問題ではなく、従来のP2Pにも共通する問題であった。
上記事情に鑑み、本発明は、同一のコンテンツに対して単位時間当たりのダウンロード要求が複数発生した場合に、特定のダウンロード元端末に要求が集中してしまうことを抑止することを可能とする通信管理装置及び通信管理方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、複数の通信端末装置から、各通信端末装置が記憶するデータに関する情報を受信して記憶し、他の通信端末装置から前記データを受信することを要求する通信端末装置に対して、要求先とすべき前記他の通信端末装置の候補を通知する通知装置と、複数の前記通信端末装置と、を備える通信システムに備えられる通信管理装置であって、前記通信端末に対し、記憶している前記データに関する情報の送信タイミングを指示するタイミング指示部、を備える。
【0008】
本発明の一態様は、上記の通信管理装置であって、前記タイミング指示部は、前記データを受信することの要求の頻度に応じて、前記データに関する情報の送信タイミングを決定する。
【0009】
本発明の一態様は、上記の通信管理装置であって、前記タイミング指示部は、前記データを受信することの要求の頻度が高いほど、前記データに関する情報を送信する間隔が短くなるように前記送信タイミングを決定する。
【0010】
本発明の一態様は、上記の通信管理装置であって、前記タイミング指示部は、前記通信端末装置に生じている負荷に応じて前記データに関する情報の送信タイミングを決定する。
【0011】
本発明の一態様は、上記の通信管理装置であって、前記タイミング指示部は、前記通知装置に生じている負荷に応じて前記データに関する情報の送信タイミングを決定する。
【0012】
本発明の一態様は、通信管理装置であって、複数の通信端末装置から、各通信端末装置が記憶するデータに関する情報を受信して記憶する記憶部と、他の通信端末装置から前記データを受信することを要求する通信端末装置に対して、要求先とすべき前記他の通信端末装置の候補を前記記憶部に記憶される情報に基づいて決定し通知する通知部と、前記通信端末に対し、記憶している前記データに関する情報の送信タイミングを指示するタイミング指示部と、を備える。
【0013】
本発明の一態様は、複数の通信端末装置から、各通信端末装置が記憶するデータに関する情報を受信して記憶し、他の通信端末装置から前記データを受信することを要求する通信端末装置に対して、要求先とすべき前記他の通信端末装置の候補を通知する通知装置と、複数の前記通信端末装置と、を備える通信システムに備えられる通信管理装置が行う通信管理方法であって、前記通信管理装置が、前記通信端末に対し、記憶している前記データに関する情報の送信タイミングを指示するタイミング指示ステップ、を有する。
【0014】
本発明の一態様は、複数の通信端末装置から、各通信端末装置が記憶するデータに関する情報を受信して記憶する記憶部を備える通信管理装置が行う通信管理方法であって、他の通信端末装置から前記データを受信することを要求する通信端末装置に対して、要求先とすべき前記他の通信端末装置の候補を前記記憶部に記憶される情報に基づいて決定し通知する通知ステップと、前記通信端末に対し、記憶している前記データに関する情報の送信タイミングを指示するタイミング指示ステップと、を有する。
【発明の効果】
【0015】
本発明により、同一のコンテンツに対して単位時間当たりのダウンロード要求が複数発生した場合に、特定のダウンロード元端末に要求が集中してしまうことを抑止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】通信システムのシステム構成を表すシステム構成図である。
【図2】通信システムにおいて、DL先通信端末装置がDL元通信端末装置からコンテンツのデータをダウンロードする際の処理の流れを表すシーケンス図である。
【図3】第一実施形態における通信端末装置の機能構成を表す概略ブロック図である。
【図4】第一実施形態におけるピア管理サーバーの機能構成を表す概略ブロック図である。
【図5】コンテンツ保持情報テーブルの具体例を表す図である。
【図6】第一実施形態における最適化サーバーの機能構成を表す概略ブロック図である。
【図7】コンテンツ要求情報テーブルの具体例を表す図である。
【図8】第一実施形態の通信システムの動作の流れを表すシーケンス図である。
【図9】第二実施形態における通信端末装置の機能構成を表す概略ブロック図である。
【図10】第二実施形態における最適化サーバーの機能構成を表す概略ブロック図である。
【図11】端末負荷情報テーブルの具体例を表す図である。
【図12】第二実施形態の通信システムの動作の流れを表すシーケンス図である。
【図13】第三実施形態におけるピア管理サーバーの機能構成を表す概略ブロック図である。
【図14】第三実施形態における最適化サーバーの機能構成を表す概略ブロック図である。
【図15】サーバー負荷情報テーブルの具体例を表す図である。
【図16】第三実施形態の通信システムの動作の流れを表すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
〔システム構成〕
図1は、通信システム100のシステム構成を表すシステム構成図である。通信システム100の具体例として、第一実施形態、第二実施形態、第三実施形態がある。まずは、各実施形態に共通する構成について説明する。通信システム100は、複数台の通信端末装置10(10−1〜10−8)を有しており、各通信端末装置10同士はリンクやノードによって互いに通信可能に接続されている。リンクやノードとは、ネットワークを構成するための要素となる装置や機器(通信要素機器)であり、例えばルーター、スイッチ、ハブ、ケーブル等である。以下の説明では、ルーターをリンクやノードの具体例として取り上げて説明を行う。
【0018】
通信システム100は、複数台の通信端末装置10の他にも、複数台のルーター20(20−1〜20−7)、ピア管理サーバー30、最適化サーバー40を備える。ルーター20−1〜20−4には、複数台の通信端末装置10が接続される。ルーター20−5〜20−7には、複数台のルーター20が接続される。ルーター20−7には、さらにピア管理サーバー30が接続され、ピア管理サーバー30(通知装置)には最適化サーバー40(通信管理装置)が接続される。
【0019】
通信端末装置10は、パーソナルコンピューター、ワークステーション、PDA、携帯電話機、サーバー装置、クラウドなどの通信可能な情報処理装置である。通信端末装置10は、使用者が所望するコンテンツのデータを、当該データを記憶している他の通信端末装置10から受信する。このとき、通信端末装置10は、ピア管理サーバー30に問い合わせることによって、通信すべき相手となる他の通信端末装置10を判定する。なお、以下の説明において、コンテンツのデータを受信する側の通信端末装置10を「DL先通信端末装置」といい、コンテンツのデータを送信する側の通信端末装置10を「DL元通信端末装置」という。また、通信端末装置10は、ピア管理サーバー30から頻度通知を受信する。頻度通知は、通信端末装置10が、自身が記憶しているコンテンツのデータをピア管理サーバー30に通知する頻度(以下、「コンテンツ保持情報通知頻度」という。)を表す情報である。通信端末装置10は、受信した頻度通知に応じた頻度で、コンテンツ保持情報をピア管理サーバー30に送信する。
【0020】
以下の説明では、コンテンツ保持情報通知頻度は、コンテンツ保持情報をピア管理サーバー30に送信する時間の間隔を表す情報と定義する。したがって、コンテンツ保持情報通知頻度が短い時間であるほど、単位時間あたりに送信されるコンテンツ保持情報の数が多くなる。しかしながら、コンテンツ保持情報通知頻度はこのような定義に限定される必要は無く、例えば所定時間内(例えば1時間)の間にコンテンツ保持情報を送信する回数として定義されても良いし、その他の定義であっても良い。
【0021】
ルーター20は、各通信端末装置10や各サーバーを互いに通信可能に接続するネットワークの要素である。ルーター20は、パケットを受信し、受信されたパケットをルーティングテーブルに従って通信端末装置10、他のルーター20、ピア管理サーバー30のいずれかへ送信する。
【0022】
ピア管理サーバー30は、通信端末装置10からの問い合わせに応じて、問い合わせてきた通信端末装置10が通信すべき相手となる他の通信端末装置10を示す識別情報(以下、「端末識別情報」という。)のリスト(以下、「DL元リスト」という。)を生成する。そして、ピア管理サーバー30は、作成したDL元リストを、問い合わせしてきた通信装置端末10に対して返信する。端末識別情報とは、例えば通信端末装置10に予め付与されているIDであっても良いし、通信端末装置10のIPアドレスであっても良いし、ピアIDであっても良い。以下、端末識別情報がIPアドレスである場合を例として説明する。
【0023】
最適化サーバー40は、コンテンツ保持情報通知頻度を算出する。そして、最適化サーバー40は、算出したコンテンツ保持情報通知頻度を含む頻度通知を、ピア管理サーバー30に送信する。
通信システム100において、DL先通信端末装置10がDL元通信端末装置10からコンテンツのデータをダウンロードする際の処理は、第一実施形態〜第三実施形態において共通する処理である。図2は、通信システム100において、DL先通信端末装置10がDL元通信端末装置10からコンテンツのデータをダウンロードする際の処理の流れを表すシーケンス図である。以下、図2を用いて、上記処理の流れについて説明する。
【0024】
DL先通信端末装置10は、使用者が所望するコンテンツのデータを示す識別子を含むDL元リスト要求データを生成し、ピア管理サーバー30へ送信する(ステップS1)。ピア管理サーバー30は、DL元リスト要求データを受信すると、DL元リスト要求データに含まれる識別子が示すコンテンツを記憶している通信端末装置10を検索する。なお、ピア管理サーバー30は、各通信端末装置10が記憶しているコンテンツのデータについての情報(コンテンツ保持情報)を収集することによって、各通信端末装置10と、各々が記憶するコンテンツのデータとを対応付けたテーブル(コンテンツ保持情報テーブル)を記憶している。
【0025】
次に、ピア管理サーバー30は、検索された通信端末装置10のIPアドレスが列挙されたDL元リストを作成する(ステップS2)。そして、ピア管理サーバー30は、作成されたDL元リストを、DL先通信端末装置へ返送する(ステップS3)。
【0026】
DL先通信端末装置10は、ピア管理サーバー30からDL元リストを受信すると、ユーザーが所望するコンテンツのデータを示す識別子を含むダウンロード要求データを生成する。そして、DL先通信端末装置10は、DL元リストに示されるIPアドレスを選択し、選択されたIPアドレスの各通信装置端末10(DL元通信端末装置)に対し、生成されたダウンロード要求データを送信する(ステップS4)。DL先通信端末装置10がダウンロード要求データを送信するDL元通信端末装置の台数は、1台であっても良いし複数台であっても良い。DL先通信端末装置10が複数台にダウンロード要求データを送信する場合には、並行して送信しても良いし、タイミングをあけてシーケンシャルに送信しても良い。
【0027】
DL元通信端末装置10は、ダウンロード要求データを受信すると、ダウンロード要求データに含まれる識別子が示すコンテンツのデータを読み出し、DL先通信端末装置10へ送信する。DL先通信端末装置10は、DL元通信端末装置からコンテンツのデータを受信し、ローカルの記憶装置(コンテンツ記憶部)に記録する(ステップS5)。
次に、各実施形態に特有の構成及び処理の流れについて説明する。
【0028】
[第一実施形態]
通信システム100の第一実施形態は、複数の通信端末装置10として通信端末装置10a、ピア管理サーバー30としてピア管理サーバー30a、最適化サーバー40として最適化サーバー40aを備える。
図3は、第一実施形態における通信端末装置10の機能構成を表す概略ブロック図である。第一実施形態における通信端末装置10(10a)は、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)やメモリや補助記憶装置などを備え、通信端末用プログラムを実行することによって送受信部101、コンテンツ記憶部102、通信制御部103を備える装置として機能する。
【0029】
送受信部101は、ネットワークインターフェース等の通信装置を用いて構成される。送受信部101は、ルーター20を介して、他の通信端末装置10a、ピア管理サーバー30a、最適化サーバー40aとデータの送受信を行う。
コンテンツ記憶部102は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。コンテンツ記憶部102は、通信制御部103によって受信されたコンテンツのデータを記憶する。
【0030】
通信制御部103は、他の通信端末装置10aから、ユーザーが所望するコンテンツのデータをダウンロードするために必要となる処理を行う。例えば、通信制御部103は、コンテンツ記憶部102に記憶されているコンテンツのデータに基づいてコンテンツ保持情報を生成し、ピア管理サーバー30aに送信する。また、通信制御部103は、ピア管理サーバー30aに対し、DL元リスト要求を送信する。また、通信制御部103は、DL元リストをピア管理サーバー30aから受信する。また、通信制御部103は、DL元リストからDL元通信端末装置を選択し、ダウンロード要求データを送信する。また、通信制御部103は、DL元通信端末装置から送信されるコンテンツのデータを受信し、受信されたデータをコンテンツ記憶部102に書き込む。
【0031】
図4は、第一実施形態におけるピア管理サーバー30の機能構成を表す概略ブロック図である。第一実施形態におけるピア管理サーバー30(30a)は、バスで接続されたCPUやメモリや補助記憶装置などを備え、ピア管理用プログラムを実行することによって送受信部301、コンテンツ保持情報管理部302、コンテンツ保持情報記憶部303、DL元リスト生成部304を備える装置として機能する。
【0032】
送受信部301は、ネットワークインターフェース等の通信装置を用いて構成される。送受信部301は、ルーター20を介して、通信端末装置10aとデータの送受信を行う。また、送受信部301は、最適化サーバー40aとデータの送受信を行う。なお、送受信部301と最適化サーバー40aとの間にルーターが設置されている場合には、送受信部301は、ルーターを介して最適化サーバー40aとデータの送受信を行う。
コンテンツ保持情報管理部302は、通信端末装置10aからコンテンツ保持情報を受信する。コンテンツ保持情報管理部302は、受信されたコンテンツ保持情報に基づいて、コンテンツ保持情報記憶部303に記憶されるコンテンツ保持情報テーブルの内容を更新する。
【0033】
コンテンツ保持情報記憶部303(記憶部)は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。コンテンツ保持情報記憶部303は、コンテンツ保持情報テーブルを記憶する。図5は、コンテンツ保持情報テーブルの具体例を表す図である。コンテンツ保持情報テーブルには、各通信端末装置10aのIPアドレスと、各通信端末装置10aがデータを保持しているコンテンツのコンテンツIDとを対応付けたレコードが登録される。図5の場合、IPアドレスが“A1”である通信端末装置10aは、コンテンツIDが“C11”、“C13”、“C16”である3つのコンテンツのデータを記憶している。また、IPアドレスが“A2”である通信端末装置10aは、コンテンツIDが“C12”、“C15”、“C16”である3つのコンテンツのデータを記憶している。また、IPアドレスが“A3”である通信端末装置10aは、コンテンツIDが“C21”、“C22”である2つのコンテンツのデータを記憶している。
【0034】
DL元リスト生成部304(通知部)は、通信端末装置10aからDL元リスト要求を受信すると、DL元リスト要求からコンテンツIDを抽出する。DL元リスト生成部304は、コンテンツ保持情報テーブルを参照し、抽出したコンテンツIDのデータを保持している通信端末装置10aのIPアドレスを取得する。DL元リスト生成部304は、取得したIPアドレスを用いてDL元リストを生成する。そして、DL元リスト生成部304は、生成したDL元リストを、DL元リスト要求の送信元である通信端末装置10a(DL先通信端末装置)に対して返送する。
【0035】
また、DL元リスト生成部304は、コンテンツ要求情報を生成し、最適化サーバー40aへ送信する。コンテンツ要求情報とは、通信端末装置10aがコンテンツのダウンロードを要求する処理に関する情報である。例えば、コンテンツ要求情報は、ピア管理サーバー30aが通信端末装置10aからDL元リスト要求を受信した時刻に関する情報であっても良い。この場合、DL元リスト生成部304は、これまでに受信されたDL元リスト要求に基づいてコンテンツ要求情報を生成する。
【0036】
図6は、第一実施形態における最適化サーバー40の機能構成を表す概略ブロック図である。第一実施形態における最適化サーバー40(40a)は、バスで接続されたCPUやメモリや補助記憶装置などを備え、最適化サーバー用プログラムを実行することによって送受信部401、コンテンツ要求情報管理部402、コンテンツ要求情報記憶部403、頻度通知部404を備える装置として機能する。
【0037】
送受信部401は、ネットワークインターフェース等の通信装置を用いて構成される。送受信部401は、ルーター20を介して、通信端末装置10aとデータの送受信を行う。また、送受信部401は、ピア管理サーバー30aとデータの送受信を行う。なお、送受信部401とピア管理サーバー30aとの間にルーターが設置されている場合には、送受信部401は、ルーターを介してピア管理サーバー30aとデータの送受信を行う。
【0038】
コンテンツ要求情報管理部402は、ピア管理サーバー30aに対し、コンテンツ要求情報の送信を依頼する。コンテンツ要求情報管理部402は、コンテンツ要求情報を受信すると、受信されたコンテンツ要求情報に基づいて、コンテンツ要求情報記憶部403に記憶されるコンテンツ要求情報テーブルの内容を更新する。
コンテンツ要求情報記憶部403は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。コンテンツ要求情報記憶部403は、コンテンツ要求情報テーブルを記憶する。図7は、コンテンツ要求情報テーブルの具体例を表す図である。コンテンツ要求情報テーブルには、DL元リスト要求がピア管理サーバー30において受信された時刻がレコードとして登録される。図7の場合、DL元リスト要求が、時刻T1、時刻T2、時刻T3、時刻T4等の時刻に受信されている。
【0039】
頻度通知部404(タイミング指示部)は、所定のタイミングでコンテンツ保持情報通知頻度を算出する。頻度通知部404は、コンテンツ要求情報記憶部403に記憶されているコンテンツ要求情報テーブルに基づいてコンテンツ保持情報通知頻度を算出する。例えば、頻度通知部404は、所定の時間内に受信されたDL元リスト要求の数が多いほど、短い時間をコンテンツ保持情報通知頻度として算出する。すなわち、頻度通知部404は、所定の時間内に受信されたDL元リスト要求の数が多いほど、短い時間でより多くのコンテンツ保持情報が通信端末装置10aから送信されるように、コンテンツ保持情報通知頻度を算出する。例えば、以下のような式でコンテンツ保持情報通知頻度は表される。
H=1/(a×N)・・・式1
式1において、Hはコンテンツ保持情報通知頻度であり、aは予め設定される定数であり、Nは所定の時間内に受信されたDL元リスト要求の数である。なお、上記の所定の時間内とは、例えば、頻度通知部404がコンテンツ保持情報通知頻度の算出を行うタイミングから遡ってM秒間やM分間の間であっても良い。Mは正の実数である。
【0040】
頻度通知部404は、算出したコンテンツ保持情報通知頻度を含む頻度通知を生成し、各通信端末装置10aへ送信する。
図8は、第一実施形態の通信システム100の動作の流れを表すシーケンス図である。図8は、特にコンテンツ要求情報、頻度通知、コンテンツ保持情報に関連する動作の流れを表す。まず、コンテンツ要求情報に関連する動作について説明する。最適化サーバー40aのコンテンツ要求情報管理部402は、所定のタイミングで、ピア管理サーバー30aに対し、コンテンツ要求情報の送信を依頼する(ステップS10)。所定のタイミングとは、例えば10秒毎や1分毎や10分毎であっても良い。ピア管理サーバー30aのDL元リスト生成部304は、コンテンツ要求情報の送信の依頼を受けると、コンテンツ要求情報を生成する。そして、DL元リスト生成部304は、生成したコンテンツ要求情報を最適化サーバー40aへ送信する(ステップS11)。
【0041】
次に、頻度通知に関連する動作について説明する。最適化サーバー40aの頻度通知部404は、所定のタイミングで、コンテンツ保持情報通知頻度を算出する(ステップS12)。所定のタイミングとは、例えば10秒毎や1分毎や10分毎であっても良いし、コンテンツ要求情報を受信したタイミングであっても良いし、前回の算出が行われた後に所定数(例えば5や10)の新たなコンテンツ要求情報を受信したタイミングであっても良いし、他のタイミングであっても良い。
頻度通知部404は、コンテンツ保持情報通知頻度を算出すると、コンテンツ保持情報通知頻度を含む頻度通知を生成する。そして、頻度通知部404は、生成した頻度通知を各通信端末装置10aへ送信する(ステップS13)。
【0042】
次に、コンテンツ保持情報に関連する処理について説明する。通信端末装置10aの通信制御部103は、最後に受信した頻度通知に含まれるコンテンツ保持情報通知頻度にしたがった頻度で、コンテンツ保持情報をピア管理サーバー30aへ送信する(ステップS14)。
【0043】
このように構成された第一実施形態の通信システム100によれば、最適化サーバー40aが、コンテンツ要求情報に基づいてコンテンツ保持情報通知頻度を算出する。この際、最適化サーバー40aは、所定の時間内に受信されたDL元リスト要求の数が多いほど、短い時間でより多くのコンテンツ保持情報が通信端末装置10aから送信されるように、コンテンツ保持情報通知頻度を算出する。そのため、ピア管理サーバー30aは、頻繁に要求されているコンテンツのデータについて、保持している通信端末装置10aに関する情報を短い時間間隔で更新することが可能となる。頻繁に要求されているということは、そのコンテンツのデータを保持している通信端末装置10aも頻繁に発生していることとなる。そして、上述した処理によって、ピア管理サーバー30aは、新たにコンテンツのデータを取得した通信端末装置10aに関する情報をいち早く知ることが可能となる。そのため、同一のコンテンツに対してダウンロードの要求が頻発した場合であっても、そのコンテンツのデータを新たに取得した通信端末装置10aをDL元通信端末装置としてDL元リストに含めることが可能となる。すなわち、各通信端末装置10aが記憶しているコンテンツを現状に沿って的確に把握し、DL元通信端末装置となり得る通信端末装置10aの候補を的確に増やすことが可能となる。したがって、同一のコンテンツに対してダウンロードの要求が頻発した場合であっても、特定のDL元通信端末装置に対して要求が集中してしまうことを軽減できる。
【0044】
[第二実施形態]
通信システム100の第二実施形態は、複数の通信端末装置10として通信端末装置10b、ピア管理サーバー30としてピア管理サーバー30a、最適化サーバー40として最適化サーバー40bを備える。以下の説明において、ピア管理サーバー30aに関する説明は、その構成が第一実施形態における構成と同じであるため省略する。
【0045】
図9は、第二実施形態における通信端末装置10の機能構成を表す概略ブロック図である。第二実施形態における通信端末装置10(10b)は、バスで接続されたCPUやメモリや補助記憶装置などを備え、通信端末用プログラムを実行することによって送受信部101、コンテンツ記憶部102、通信制御部103、端末負荷情報管理部114を備える装置として機能する。送受信部101、コンテンツ記憶部102、通信制御部103の構成は、第一実施形態における構成と同じであるため説明を省略する。
【0046】
端末負荷情報管理部114は、自装置(通信端末装置10b)に生じている負荷を表す情報(端末負荷情報)を取得し、最適化サーバー40bへ送信する。端末負荷情報は、例えば各通信端末装置10bのCPUの使用率や、各通信端末装置10bのメモリの使用量や、各通信端末装置10bの帯域に対する使用トラフィック量や、各通信端末装置10bの使用トラフィック量や、各通信端末装置10bが接続された通信路の契約回線の帯域などである。帯域に対する使用トラフィック量とは、例えば各通信端末装置10bのポートの送信トラフィックの和を帯域で除算した値によって表されても良いし、受信トラフィックの和を帯域で除算した値によって表されても良いし、これら二つの値の合計値や平均値によって表されても良い。使用トラフィック量とは、例えば各通信端末装置10bのポートの送受信トラフィックの和によって表される。また、上記各値は、最大値であっても良いし、平均値であっても良いし、合計値であっても良い。
【0047】
図10は、第二実施形態における最適化サーバー40の機能構成を表す概略ブロック図である。第二実施形態における最適化サーバー40(40b)は、バスで接続されたCPUやメモリや補助記憶装置などを備え、最適化サーバー用プログラムを実行することによって送受信部401、コンテンツ要求情報管理部402、コンテンツ要求情報記憶部403、頻度通知部414、端末負荷情報管理部415、端末負荷情報記憶部416を備える装置として機能する。送受信部401、コンテンツ要求情報管理部402、コンテンツ要求情報記憶部403の構成は、第一実施形態における構成と同じであるため説明を省略する。
【0048】
端末負荷情報管理部415は、通信端末装置10bに対し、端末負荷情報の送信を依頼する。端末負荷情報管理部415は、端末負荷情報を受信すると、受信された端末負荷情報に基づいて、端末負荷情報記憶部416に記憶される端末負荷情報テーブルの内容を更新する。
端末負荷情報記憶部416は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。端末負荷情報記憶部416は、端末負荷情報テーブルを記憶する。図11は、端末負荷情報テーブルの具体例を表す図である。端末負荷情報テーブルには、端末負荷情報が受信された時刻(受信時刻)と、端末負荷情報の送信元の端末識別情報と、端末負荷情報とを対応付けたレコードが登録される。
【0049】
頻度通知部414は、所定のタイミングでコンテンツ保持情報通知頻度を算出する。頻度通知部414は、コンテンツ要求情報記憶部403に記憶されているコンテンツ要求情報テーブルと、端末負荷情報記憶部416に記憶されている端末負荷情報テーブルとに基づいて、コンテンツ保持情報通知頻度を算出する。例えば、頻度通知部414は、所定の時間内に受信されたDL元リスト要求の数が多いほど、短い時間をコンテンツ保持情報通知頻度として算出する。また、頻度通知部414は、通信端末装置10bに生じている負荷が大きいほど、長い時間をコンテンツ保持情報通知頻度として算出する。逆に、頻度通知部414は、通信端末装置10bに生じている負荷が小さいほど、短い時間をコンテンツ保持情報通知頻度として算出する。コンテンツ保持情報通知頻度を算出する際に端末負荷情報が参照される通信端末装置10bは、予め定められた特定通信端末装置10bであっても良いし、通信システム100に含まれる全ての通信端末装置10bであっても良いし、生じている負荷が大きい方から所定台数の通信端末装置10bであっても良いし、他の基準で選ばれた通信端末装置10bであっても良い。例えば、以下のような式でコンテンツ保持情報通知頻度は表される。
H=1/((a×N)−(b×P1))・・・式2
式2において、Hはコンテンツ保持情報通知頻度であり、a及びbは予め設定される定数であり、Nは所定の時間内に受信されたDL元リスト要求の数であり、P1は通信端末装置10bに生じている負荷の大きさである。なお、上記の所定の時間内とは、例えば、頻度通知部414がコンテンツ保持情報通知頻度の算出を行うタイミングから遡ってM秒間やM分間の間であっても良い。Mは正の実数である。
そして、頻度通知部414は、算出したコンテンツ保持情報通知頻度を含む頻度通知を生成し、各通信端末装置10bへ送信する。
【0050】
図12は、第二実施形態の通信システム100の動作の流れを表すシーケンス図である。図12は、特にコンテンツ要求情報、頻度通知、コンテンツ保持情報に関連する動作の流れを表す。まず、コンテンツ要求情報に関連する動作について説明する。最適化サーバー40bのコンテンツ要求情報管理部402は、所定のタイミングで、ピア管理サーバー30aに対し、コンテンツ要求情報の送信を依頼する(ステップS20)。所定のタイミングとは、例えば10秒毎や1分毎や10分毎であっても良い。ピア管理サーバー30aのDL元リスト生成部304は、コンテンツ要求情報の送信の依頼を受けると、コンテンツ要求情報を生成する。そして、DL元リスト生成部304は、生成したコンテンツ要求情報を最適化サーバー40bへ送信する(ステップS21)。
【0051】
また、最適化サーバー40bの端末負荷情報管理部415は、所定のタイミングで、通信端末装置10bに対し、端末負荷情報の送信を依頼する(ステップS22)。所定のタイミングとは、例えば10秒毎や1分毎や10分毎であっても良い。通信端末装置10bの端末負荷情報管理部114は、端末負荷情報の送信の依頼を受けると、端末負荷情報を生成する。そして、端末負荷情報管理部114は、生成した端末負荷情報を最適化サーバー40bへ送信する(ステップS23)。
【0052】
次に、頻度通知に関連する動作について説明する。最適化サーバー40bの頻度通知部414は、所定のタイミングで、コンテンツ保持情報通知頻度を算出する(ステップS24)。所定のタイミングとは、例えば10秒毎や1分毎や10分毎であっても良いし、コンテンツ要求情報を受信したタイミングであっても良いし、端末負荷情報を受信したタイミングであっても良いし、前回の算出が行われた後に所定数(例えば5や10)の新たなコンテンツ要求情報及び端末負荷情報を受信したタイミングであっても良いし、他のタイミングであっても良い。
【0053】
頻度通知部414は、コンテンツ保持情報通知頻度を算出すると、コンテンツ保持情報通知頻度を含む頻度通知を生成する。そして、頻度通知部414は、生成した頻度通知を各通信端末装置10bへ送信する(ステップS25)。
次に、コンテンツ保持情報に関連する処理について説明する。通信端末装置10bの通信制御部103は、最後に受信した頻度通知に含まれるコンテンツ保持情報通知頻度にしたがった頻度で、コンテンツ保持情報をピア管理サーバー30aへ送信する(ステップS26)。
【0054】
このように構成された第二実施形態の通信システム100によれば、最適化サーバー40bが、コンテンツ要求情報及び端末負荷情報に基づいてコンテンツ保持情報通知頻度を算出する。この際、最適化サーバー40bは、所定の時間内に受信されたDL元リスト要求の数が多いほど、短い時間でより多くのコンテンツ保持情報が通信端末装置10bから送信されるように、コンテンツ保持情報通知頻度を算出する。さらに、最適化サーバー40bは、通信端末装置10bに生じている負荷が大きいほど、長い時間をコンテンツ保持情報通知頻度として算出する。そのため、第一実施形態と同様の効果を得ると共に、通信端末装置10bの負荷状況に応じた適切なコンテンツ保持情報通知頻度を算出することが可能となる。
【0055】
具体的には、第二実施形態の通信システム100による効果は以下のとおりである。通信端末装置10bに生じている負荷が大きいにも拘わらずコンテンツ保持情報通知頻度が短く算出されてしまうと、通信端末装置10bに生じる負荷がさらに大きくなってしまう。この場合、通信端末装置10bの動作に悪影響を及ぼす可能性がある。しかしながら、最適化サーバー40bは、通信端末装置10bに生じている負荷が大きいほど、長い時間をコンテンツ保持情報通知頻度として算出する。そのため、通信端末装置10bに過大な負荷が生じてしまうことを抑止することができる。
【0056】
[第三実施形態]
通信システム100の第三実施形態は、複数の通信端末装置10として通信端末装置10a、ピア管理サーバー30としてピア管理サーバー30c、最適化サーバー40として最適化サーバー40cを備える。以下の説明において、通信端末装置10aに関する説明は、その構成が第一実施形態における構成と同じであるため省略する。
【0057】
図13は、第三実施形態におけるピア管理サーバー30の機能構成を表す概略ブロック図である。第三実施形態におけるピア管理サーバー30(30c)は、バスで接続されたCPUやメモリや補助記憶装置などを備え、ピア管理用プログラムを実行することによって送受信部301、コンテンツ保持情報管理部302、コンテンツ保持情報記憶部303、DL元リスト生成部304、サーバー負荷情報管理部325を備える装置として機能する。送受信部301、コンテンツ保持情報管理部302、コンテンツ保持情報記憶部303、DL元リスト生成部304の構成は、第一実施形態における構成と同じであるため説明を省略する。
【0058】
サーバー負荷情報管理部325は、自装置(ピア管理サーバー30c)に生じている負荷を表す情報(サーバー負荷情報)を取得し、最適化サーバー40cへ送信する。サーバー負荷情報は、例えばピア管理サーバー30cのCPUの使用率や、ピア管理サーバー30cのメモリの使用量や、ピア管理サーバー30cの帯域に対する使用トラフィック量や、ピア管理サーバー30cの使用トラフィック量や、ピア管理サーバー30cが接続された通信路の契約回線の帯域などである。帯域に対する使用トラフィック量とは、例えばピア管理サーバー30cのポートの送信トラフィックの和を帯域で除算した値によって表されても良いし、受信トラフィックの和を帯域で除算した値によって表されても良いし、これら二つの値の合計値や平均値によって表されても良い。使用トラフィック量とは、例えばピア管理サーバー30cのポートの送受信トラフィックの和によって表される。また、上記各値は、最大値であっても良いし、平均値であっても良いし、合計値であっても良い。
【0059】
図14は、第三実施形態における最適化サーバー40の機能構成を表す概略ブロック図である。第三実施形態における最適化サーバー40(40c)は、バスで接続されたCPUやメモリや補助記憶装置などを備え、最適化サーバー用プログラムを実行することによって送受信部401、コンテンツ要求情報管理部402、コンテンツ要求情報記憶部403、頻度通知部424、サーバー負荷情報管理部425、サーバー負荷情報記憶部426を備える装置として機能する。送受信部401、コンテンツ要求情報管理部402、コンテンツ要求情報記憶部403の構成は、第一実施形態における構成と同じであるため説明を省略する。
【0060】
サーバー負荷情報管理部425は、ピア管理サーバー30cに対し、サーバー負荷情報の送信を依頼する。サーバー負荷情報管理部425は、サーバー負荷情報を受信すると、受信されたサーバー負荷情報に基づいて、サーバー負荷情報記憶部426に記憶されるサーバー負荷情報テーブルの内容を更新する。
サーバー負荷情報記憶部426は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。サーバー負荷情報記憶部426は、サーバー負荷情報テーブルを記憶する。図15は、サーバー負荷情報テーブルの具体例を表す図である。サーバー負荷情報テーブルには、サーバー負荷情報が受信された時刻(受信時刻)と、サーバー負荷情報とを対応付けたレコードが登録される。
【0061】
頻度通知部424は、所定のタイミングでコンテンツ保持情報通知頻度を算出する。頻度通知部424は、コンテンツ要求情報記憶部403に記憶されているコンテンツ要求情報テーブルと、サーバー負荷情報記憶部426に記憶されているサーバー負荷情報テーブルとに基づいて、コンテンツ保持情報通知頻度を算出する。例えば、頻度通知部424は、所定の時間内に受信されたDL元リスト要求の数が多いほど、短い時間をコンテンツ保持情報通知頻度として算出する。また、頻度通知部424は、ピア管理サーバー30cに生じている負荷が大きいほど、長い時間をコンテンツ保持情報通知頻度として算出する。逆に、頻度通知部424は、ピア管理サーバー30cに生じている負荷が小さいほど、短い時間をコンテンツ保持情報通知頻度として算出する。例えば、以下のような式でコンテンツ保持情報通知頻度は表される。
H=1/((a×N)−(c×S1))・・・式3
式3において、Hはコンテンツ保持情報通知頻度であり、a及びcは予め設定される定数であり、Nは所定の時間内に受信されたDL元リスト要求の数であり、S1はピア管理サーバー30cに生じている負荷の大きさである。なお、上記の所定の時間内とは、例えば、頻度通知部424がコンテンツ保持情報通知頻度の算出を行うタイミングから遡ってM秒間やM分間の間であっても良い。Mは正の実数である。
そして、頻度通知部424は、算出したコンテンツ保持情報通知頻度を含む頻度通知を生成し、各通信端末装置10aへ送信する。
【0062】
図16は、第三実施形態の通信システム100の動作の流れを表すシーケンス図である。図16は、特にコンテンツ要求情報、頻度通知、コンテンツ保持情報に関連する動作の流れを表す。まず、コンテンツ要求情報に関連する動作について説明する。最適化サーバー40cのコンテンツ要求情報管理部402は、所定のタイミングで、ピア管理サーバー30cに対し、コンテンツ要求情報の送信を依頼する(ステップS30)。所定のタイミングとは、例えば10秒毎や1分毎や10分毎であっても良い。ピア管理サーバー30cのDL元リスト生成部304は、コンテンツ要求情報の送信の依頼を受けると、コンテンツ要求情報を生成する。そして、DL元リスト生成部304は、生成したコンテンツ要求情報を最適化サーバー40cへ送信する(ステップS31)。
【0063】
また、最適化サーバー40cのサーバー負荷情報管理部425は、所定のタイミングで、ピア管理サーバー30cに対し、サーバー負荷情報の送信を依頼する(ステップS32)。所定のタイミングとは、例えば10秒毎や1分毎や10分毎であっても良い。ピア管理サーバー30cのサーバー負荷情報管理部325は、サーバー負荷情報の送信の依頼を受けると、サーバー負荷情報を生成する。そして、サーバー負荷情報管理部325は、生成したサーバー負荷情報を最適化サーバー40cへ送信する(ステップS33)。
【0064】
次に、頻度通知に関連する動作について説明する。最適化サーバー40cの頻度通知部424は、所定のタイミングで、コンテンツ保持情報通知頻度を算出する(ステップS34)。所定のタイミングとは、例えば10秒毎や1分毎や10分毎であっても良いし、コンテンツ要求情報を受信したタイミングであっても良いし、サーバー負荷情報を受信したタイミングであっても良いし、前回の算出が行われた後に所定数(例えば5や10)の新たなコンテンツ要求情報及びサーバー負荷情報を受信したタイミングであっても良いし、他のタイミングであっても良い。
【0065】
頻度通知部424は、コンテンツ保持情報通知頻度を算出すると、コンテンツ保持情報通知頻度を含む頻度通知を生成する。そして、頻度通知部424は、生成した頻度通知を各通信端末装置10aへ送信する(ステップS35)。
次に、コンテンツ保持情報に関連する処理について説明する。通信端末装置10aの通信制御部103は、最後に受信した頻度通知に含まれるコンテンツ保持情報通知頻度にしたがった頻度で、コンテンツ保持情報をピア管理サーバー30cへ送信する(ステップS36)。
【0066】
このように構成された第三実施形態の通信システム100によれば、最適化サーバー40cが、コンテンツ要求情報及びサーバー負荷情報に基づいてコンテンツ保持情報通知頻度を算出する。この際、最適化サーバー40cは、所定の時間内に受信されたDL元リスト要求の数が多いほど、短い時間でより多くのコンテンツ保持情報が通信端末装置10aから送信されるように、コンテンツ保持情報通知頻度を算出する。さらに、最適化サーバー40cは、ピア管理サーバー30cに生じている負荷が大きいほど、長い時間をコンテンツ保持情報通知頻度として算出する。そのため、第一実施形態と同様の効果を得ると共に、ピア管理サーバー30cの負荷状況に応じた適切なコンテンツ保持情報通知頻度を算出することが可能となる。
【0067】
具体的には、第三実施形態の通信システム100による効果は以下のとおりである。コンテンツ保持情報通知頻度が短く算出されてしまうと、それに応じて大量のコンテンツ保持情報が各通信端末装置10aからピア管理サーバー30cに送信される。そのため、ピア管理サーバー30cに生じている負荷が大きいにも拘わらずコンテンツ保持情報通知頻度が短く算出されてしまうと、ピア管理サーバー30cに生じる負荷がさらに大きくなってしまう。この場合、ピア管理サーバー30cの動作に悪影響を及ぼす可能性がある。しかしながら、最適化サーバー40cは、ピア管理サーバー30cに生じている負荷が大きいほど、長い時間をコンテンツ保持情報通知頻度として算出する。そのため、ピア管理サーバー30cに過大な負荷が生じてしまうことを抑止することができる。
【0068】
[変形例]
最適化サーバー40の機能は、ピア管理サーバー30に統合されても良い。
図8に表される処理において、ピア管理サーバー30aは、通信端末装置10aからDL元リスト要求を受信する度に、コンテンツ要求情報を最適化サーバー40aに対して送信するように構成されても良い。この場合、最適化サーバー40aは、図8のステップS10におけるコンテンツ要求情報の送信依頼処理を行わないように構成されても良い。このような変形は、第二実施形態や第三実施形態においても同様に行われても良い。
【0069】
コンテンツ要求情報は、ピア管理サーバー30aが通信端末装置10aからDL元リスト要求を受信した時刻に関する情報ではなく、他の情報であっても良い。例えば、単位時間あたりの検索クエリの数であっても良いし、通信システム100においてDL先通信端末装置がDL元通信端末装置へコンテンツのダウンロードを要求した総回数であっても良いし、通信システム100においてDL先通信端末装置がDL元通信端末装置からコンテンツをダウンロードしようとした総回数であっても良いし、通信システム100においてDL先通信端末装置がDL元通信端末装置からコンテンツをダウンロードした総回数であっても良い。
【0070】
また、コンテンツ要求情報管理部402は、ピア管理サーバー30aに代えて、通信端末装置10aに対してコンテンツ要求情報依頼を行っても良い。この場合、通信端末装置10aの通信制御部103は、コンテンツ要求情報を生成し送信する。また、コンテンツ要求情報管理部402は、通信端末装置10a及びピア管理サーバー30aの双方に対してコンテンツ要求情報依頼を行っても良い。この場合、コンテンツ保持情報管理部302及び通信制御部103がコンテンツ要求情報を生成し送信する。このような変形は、第二実施形態や第三実施形態においても同様に行われても良い。
【0071】
第二実施形態において、端末負荷情報には、通信端末装置10bのリソースに関する情報が付加されても良い。通信端末装置10bのリソースに関する情報とは、通信端末装置10bのCPU等の動作クロック周波数や、総メモリ量や、送信帯域や、受信帯域などの情報である。端末負荷情報がこのように構成された場合には、頻度通知部414は、通信端末装置10bのリソースが大きいほど、短い時間をコンテンツ保持情報通知頻度として算出する。逆に、頻度通知部414は、通信端末装置10bのリソースが小さいほど、長い時間をコンテンツ保持情報通知頻度として算出する。例えば、以下のような式でコンテンツ保持情報通知頻度は表される。
H=1/((a×N)−(b×P1)+(d×P2))・・・式4
式4において、Hはコンテンツ保持情報通知頻度であり、aとbとdとは予め設定される定数であり、Nは所定の時間内に受信されたDL元リスト要求の数であり、P1は通信端末装置10bに生じている負荷の大きさであり、P2は通信端末装置10bのリソースの大きさである。
【0072】
第三実施形態において、サーバー負荷情報には、ピア管理サーバー30cのリソースに関する情報が付加されても良い。ピア管理サーバー30cのリソースに関する情報とは、ピア管理サーバー30cのCPU等の動作クロック周波数や、総メモリ量や、送信帯域や、受信帯域などの情報である。サーバー負荷情報がこのように構成された場合には、頻度通知部424は、ピア管理サーバー30cのリソースが大きいほど、短い時間をコンテンツ保持情報通知頻度として算出する。逆に、頻度通知部424は、ピア管理サーバー30cのリソースが小さいほど、長い時間をコンテンツ保持情報通知頻度として算出する。例えば、以下のような式でコンテンツ保持情報通知頻度は表される。
H=1/((a×N)−(c×S1)+(e×S2))・・・式5
式5において、Hはコンテンツ保持情報通知頻度であり、aとcとeとは予め設定される定数であり、Nは所定の時間内に受信されたDL元リスト要求の数であり、S1はピア管理サーバー30cに生じている負荷の大きさであり、S2はピア管理サーバー30cのリソースの大きさである。
【0073】
第一実施形態〜第三実施形態における各構成は、それぞれ組み合わせられても良い。例えば、通信端末装置10bと、ピア管理サーバー30cとを含む通信システム100が構築されても良い。この場合、最適化サーバー40は、例えば最適化サーバー40bの構成に対してさらにサーバー負荷情報管理部425及びサーバー負荷情報記憶部426を備えるように構成されても良い。また、この場合、頻度通知部414は、サーバー負荷情報にも基づいてコンテンツ保持情報通知頻度を算出するように構成される。この場合、例えば、以下のような式でコンテンツ保持情報通知頻度は表される。
H=1/((a×N)−(b×P1+c×S1))・・・式6
式6における各値は、上述した通りである。
さらに、第一実施形態〜第三実施形態における各構成が組み合わせられた場合、以下のような式でコンテンツ保持情報通知頻度が表されても良い。
H=1/((a×N)−(b×P1+c×S1)+(d×P2+e×S2))・・・式7
式7における各値は、上述した通りである。
【0074】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0075】
10…通信端末装置, 20…ルーター, 30…ピア管理サーバー, 40…最適化サーバー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の通信端末装置から、各通信端末装置が記憶するデータに関する情報を受信して記憶し、他の通信端末装置から前記データを受信することを要求する通信端末装置に対して、要求先とすべき前記他の通信端末装置の候補を通知する通知装置と、複数の前記通信端末装置と、を備える通信システムに備えられる通信管理装置であって、
前記通信端末に対し、記憶している前記データに関する情報の送信タイミングを指示するタイミング指示部、
を備える通信管理装置。
【請求項2】
前記タイミング指示部は、前記データを受信することの要求の頻度に応じて、前記データに関する情報の送信タイミングを決定する請求項1に記載の通信管理装置。
【請求項3】
前記タイミング指示部は、前記データを受信することの要求の頻度が高いほど、前記データに関する情報を送信する間隔が短くなるように前記送信タイミングを決定する請求項2に記載の通信管理装置。
【請求項4】
前記タイミング指示部は、前記通信端末装置に生じている負荷に応じて前記データに関する情報の送信タイミングを決定する請求項1〜3のいずれかに記載の通信管理装置。
【請求項5】
前記タイミング指示部は、前記通知装置に生じている負荷に応じて前記データに関する情報の送信タイミングを決定する請求項1〜4のいずれかに記載の通信管理装置。
【請求項6】
複数の通信端末装置から、各通信端末装置が記憶するデータに関する情報を受信して記憶する記憶部と、
他の通信端末装置から前記データを受信することを要求する通信端末装置に対して、要求先とすべき前記他の通信端末装置の候補を前記記憶部に記憶される情報に基づいて決定し通知する通知部と、
前記通信端末に対し、記憶している前記データに関する情報の送信タイミングを指示するタイミング指示部と、
を備える通信管理装置。
【請求項7】
複数の通信端末装置から、各通信端末装置が記憶するデータに関する情報を受信して記憶し、他の通信端末装置から前記データを受信することを要求する通信端末装置に対して、要求先とすべき前記他の通信端末装置の候補を通知する通知装置と、複数の前記通信端末装置と、を備える通信システムに備えられる通信管理装置が行う通信管理方法であって、
前記通信管理装置が、前記通信端末に対し、記憶している前記データに関する情報の送信タイミングを指示するタイミング指示ステップ、
を有する通信管理方法。
【請求項8】
複数の通信端末装置から、各通信端末装置が記憶するデータに関する情報を受信して記憶する記憶部を備える通信管理装置が行う通信管理方法であって、
他の通信端末装置から前記データを受信することを要求する通信端末装置に対して、要求先とすべき前記他の通信端末装置の候補を前記記憶部に記憶される情報に基づいて決定し通知する通知ステップと、
前記通信端末に対し、記憶している前記データに関する情報の送信タイミングを指示するタイミング指示ステップと、
を有する通信管理方法。
【請求項1】
複数の通信端末装置から、各通信端末装置が記憶するデータに関する情報を受信して記憶し、他の通信端末装置から前記データを受信することを要求する通信端末装置に対して、要求先とすべき前記他の通信端末装置の候補を通知する通知装置と、複数の前記通信端末装置と、を備える通信システムに備えられる通信管理装置であって、
前記通信端末に対し、記憶している前記データに関する情報の送信タイミングを指示するタイミング指示部、
を備える通信管理装置。
【請求項2】
前記タイミング指示部は、前記データを受信することの要求の頻度に応じて、前記データに関する情報の送信タイミングを決定する請求項1に記載の通信管理装置。
【請求項3】
前記タイミング指示部は、前記データを受信することの要求の頻度が高いほど、前記データに関する情報を送信する間隔が短くなるように前記送信タイミングを決定する請求項2に記載の通信管理装置。
【請求項4】
前記タイミング指示部は、前記通信端末装置に生じている負荷に応じて前記データに関する情報の送信タイミングを決定する請求項1〜3のいずれかに記載の通信管理装置。
【請求項5】
前記タイミング指示部は、前記通知装置に生じている負荷に応じて前記データに関する情報の送信タイミングを決定する請求項1〜4のいずれかに記載の通信管理装置。
【請求項6】
複数の通信端末装置から、各通信端末装置が記憶するデータに関する情報を受信して記憶する記憶部と、
他の通信端末装置から前記データを受信することを要求する通信端末装置に対して、要求先とすべき前記他の通信端末装置の候補を前記記憶部に記憶される情報に基づいて決定し通知する通知部と、
前記通信端末に対し、記憶している前記データに関する情報の送信タイミングを指示するタイミング指示部と、
を備える通信管理装置。
【請求項7】
複数の通信端末装置から、各通信端末装置が記憶するデータに関する情報を受信して記憶し、他の通信端末装置から前記データを受信することを要求する通信端末装置に対して、要求先とすべき前記他の通信端末装置の候補を通知する通知装置と、複数の前記通信端末装置と、を備える通信システムに備えられる通信管理装置が行う通信管理方法であって、
前記通信管理装置が、前記通信端末に対し、記憶している前記データに関する情報の送信タイミングを指示するタイミング指示ステップ、
を有する通信管理方法。
【請求項8】
複数の通信端末装置から、各通信端末装置が記憶するデータに関する情報を受信して記憶する記憶部を備える通信管理装置が行う通信管理方法であって、
他の通信端末装置から前記データを受信することを要求する通信端末装置に対して、要求先とすべき前記他の通信端末装置の候補を前記記憶部に記憶される情報に基づいて決定し通知する通知ステップと、
前記通信端末に対し、記憶している前記データに関する情報の送信タイミングを指示するタイミング指示ステップと、
を有する通信管理方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−109804(P2012−109804A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−257118(P2010−257118)
【出願日】平成22年11月17日(2010.11.17)
【出願人】(399041158)西日本電信電話株式会社 (215)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月17日(2010.11.17)
【出願人】(399041158)西日本電信電話株式会社 (215)
【Fターム(参考)】
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