説明

通信装置、及び通信方法

【課題】互いに連携することなく経路の障害を監視できるようにした通信装置、及び通信方法を提供すること。また、経路の障害に対する誤検出を防止できるようにした通信装置、及び通信方法を提供すること。
【解決手段】隣接通信装置との間を第1の経路と第2の経路とで接続され、該第1又は第2の経路を介して経路識別子を含むフレームを受信する通信装置において、前記第1及び第2の経路から受信したフレーム夫々から、障害監視のためのフレームである第1及び第2の監視フレームを抽出する監視フレーム抽出部と、入力された監視フレームに基づいて、障害を検出する障害監視部と、前記監視フレーム抽出部で抽出された前記第1または第2の監視フレームに夫々含まれる前記経路識別子が同一となるように変換し、該フレームを前記障害監視部に入力する変換部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置、及び通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えばイーサネット(登録商標)ワーク等のネットワークにおけるプロテクション機能の一つとして1:1プロテクションがある。1:1プロテクションは、例えば、現用系と予備系とが異なる経路で定義され、現用系の経路で障害が発生した場合、予備系の経路を利用してフレーム等が送信されるようにしたものである。図38は各通信装置10〜30間において1:1プロテクションが設定されている場合の通信システム1の構成例を示す図である。図36では、経路の例としてVLAN(Virtual Local Area Network)を例にしている。
【0003】
このような経路が設定された場合、例えば、CCM(Continuity Check message)と呼ばれるOAM(Operations, Administration, and Maintenance)フレームが通信装置10〜30間で交換されることで、VLANに対する監視を行うことができる。例えば、OAMフレームが通信装置10,20間で交換されることで、通信装置10,20間の現用VLANと予備VLANの夫々のVLANを監視(以下、「個別VLANの監視」と称する)できる。また、同様にOAMフレームが交換されることで、例えば通信装置10,20間における現用VLANと予備VLANの2つのVLANの双方を監視(以下、「サービスの監視」と称する)できる。
【0004】
OAMフレームでは、個別VLANの監視とサービスの監視とを監視レベルによって区別している。図36の例では、個別VLANの監視レベルは「K」、サービスの監視レベルは「K+1」となっている。サービスの監視は、個別VLANの監視と比較して、広い(又は長い)区間が監視されるため、個別VLANに対する監視レベルより高いレベルが設定される。
【0005】
図37(A)及び図37(B)はフレームのフォーマット例を示し、図37(A)はデータフレーム、図37(B)はOAMフレームのフォーマット例を示す。同図(B)に示すように、OAMフレームには「監視レベル」領域があり、例えば「K」、又は「K+1」等の監視レベルが挿入される。通信装置10〜30は、「監視レベル」によりどの監視レベルに対するOAMフレームかを判別できる。
【0006】
このようなOAMフレーム等に対する通信装置10〜30の受信処理について説明する。図38は通信装置20における受信処理の例を説明するための図である。通信装置20は、対向する通信装置10との間で、現用VLANと予備VLANの2つの経路で接続されるが、現用VLANに対してラインカード#1(260)、予備VLANに対してラインカード#2(270)により接続されている。また、通信装置20は、通信装置30との間でも現用VLANと予備VLANにより接続され、現用VLANはラインカード#3(280)、予備VLANはラインカード#4(290)により夫々接続される。
【0007】
ラインカード#1(260)は通信装置10から現用VLANを介してフレームを受信する。ラインカード#1(260)のOAM抽出部262は、受信したフレームのうち、監視レベル「K」のOAMフレームを障害監視部261に出力し、それ以外を転送処理部263に出力する。障害監視部261は、監視レベル「K」のOAMフレームの連続性等を確認することで、通信装置10と接続された現用VLANを監視できる。通信装置20は予備VLANを介して通信装置10から送信されたフレームを受信する。ラインカード#2(270)のOAM抽出部272は、監視レベル「K」のOAMフレームを障害監視部271に出力し、それ以外を転送処理部273に出力する。障害監視部271は当該OAMフレームの連続性等を確認することで、予備VLANを監視できる。
【0008】
現用VLANが通常状態のとき、現用VLANを介して受信した監視レベル「K+1」のOAMフレームは、転送処理部263により、ラインカード#3(280)に出力される。また、かかる現用VLAN上で障害等が発生した場合、経路が切り替えられて、予備VLANを介して受信した監視レベル「K+1」のOAMフレームは転送処理部273によりラインカード#3(280)に出力される。
【0009】
ラインカード#3(280)のOAM抽出部282は、監視レベル「K+1」のOAMフレームを障害監視部281に出力し、それ以外を現用VLANに送信する。障害監視部281は、現用VLANがアクティブの場合でも、予備VLANがアクティブの場合でも、サービス監視用のOAMフレーム(例えば、監視レベル「K+1」)を受信できるため、現用VLANと予備VLANの双方の監視(サービスの監視)を行うことができる。
【0010】
一方、通信装置20と通信装置30との間において現用VLANに障害等が発生した場合、通信装置30に対する経路が予備VLANに切り替えられる。図39はかかる場合におけるOAMフレームの受信処理の例を示す図である。ラインカード#1(260)の転送処理部263は、通信装置20,30間の現用VLAN(例えば、VLAN ID=A)における障害を検知すると、フレームの転送先をラインカート#3(280)からラインカード#4(290)に切り替える。これにより、フレームは予備VLAN(例えば、VLAN ID=B)を経由して通信装置300に送信される。
【0011】
なお、ネットワークにおけるプロテクション機能として他にも1+1プロテクションがある。1+1プロテクションは、例えば、フレームが複製されて現用系と予備系の双方の経路に送信されるようにしたプロテクション機能である。
【0012】
このような1+1プロテクションに関する技術として、例えば、送信側のスイッチ装置から現用系のパスと予備系のパスの双方に現用系監視用フレームと予備系監視用フレームとを送信する。そして、受信側のスイッチで現用系パスからの予備系監視用フレームを破棄し、予備系パスからの現用系監視用フレームを破棄し、透過した現用系監視用フレームと予備系監視用フレームとを用いて各パスの疎通確認を行うようにしたものがある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】ITU-T G.8031
【非特許文献2】IEEE 802.1ag
【非特許文献3】ITU-T Y.1731
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2009−152729号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
上述した技術において、通信装置20は、一方のラインカード#3(280)に障害監視部281を備え、他方のラインカード#4(290)に障害監視部を備えていない。通信装置20,30間の現用VLAN上に障害等が発生した場合、上述したように、通信装置20は、受信したフレームをラインカード#3(280)からラインカード#4(290)に切り替えて送信する。この切り替えにより、ラインカード#3(280)は通信装置20が受信したフレームを入力できなくなる。ラインカード#3(280)の障害監視部281は当該フレームを入力できないため、サービスの監視を行うことができない。かかる場合、障害監視部281は、通信装置10,20間の2つの経路は共に共存しているにも関わらず、2つの経路が停止している又は障害が発生しているなど、誤検出する場合もある。これを解決するため、例えば、ラインカード#4(290)に当該障害部を設ける場合がある。この場合、ラインカード#3(280)とラインカード#4(290)の2つの障害監視部が互いに連携して情報を相互に入出力することを考慮しているためである。すなわち、2つの障害監視部は、例えば、フレームの連続性を確認するためフレームのシーケンス番号を確認するが、経路が切り替えられてもその連続性を確認するために、2つの障害監視部が互いにシーケンス番号等の情報を入出力する。かかる場合に、例えばOAMフレームの受信間隔が閾値よりも非常に短い場合、2つの障害監視部も互いに情報を閾値より速く入出力するため、相互に連携することが困難となる。
【0016】
そこで、本発明の一目的は、互いに連携することなく経路の障害を監視できるようにした通信装置、及び通信方法を提供することにある。
【0017】
また、本発明の他の目的は経路の障害に対する誤検出を防止できるようにした通信装置、及び通信方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
一態様によれば、隣接通信装置との間を第1の経路と第2の経路とで接続され、該第1又は第2の経路を介して経路識別子を含むフレームを受信する通信装置において、前記第1及び第2の経路から受信したフレーム夫々から、障害監視のためのフレームである第1及び第2の監視フレームを抽出する監視フレーム抽出部と、入力された監視フレームに基づいて、障害を検出する障害監視部と、前記監視フレーム抽出部で抽出された前記第1または第2の監視フレームに夫々含まれる前記経路識別子が同一となるように変換し、該フレームを前記障害監視部に入力する変換部とを備える。
【0019】
また、他の態様によれば、隣接装置との間を第1の経路と第2の経路とで接続され、該第1又は第2の経路を介して経路識別子を含むフレームを受信する通信装置において、前記第1及び第2の経路から受信したフレーム夫々から、障害監視のためのフレームである第1及び第2の監視フレームを抽出する監視フレーム抽出部と、入力された監視フレームに基づいて、障害を監視する障害監視部と、前記監視フレーム抽出部で抽出された前記第1及び第2の監視フレーム夫々に対してサービス識別子を付与し、該フレームを前記障害監視部に入力するサービス識別子付与部とを備える。
【発明の効果】
【0020】
互いに連携することなく経路の障害を監視できるようにした通信装置、及び通信方法を提供することにある。経路の障害に対する誤検出を防止できるようにした通信装置、及び通信方法を提供することにある。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は通信装置の受信系の構成例を示す図である。
【図2】図2は通信装置の送信系の構成例を示す図である。
【図3】図3(A)はMAC転送テーブル、図3(B)はVLAN ID変換テーブル、図3(C)はOAM送信制御テーブルの各例を示す図である。
【図4】図4は通信装置の受信系の構成例を示す図である。
【図5】図5は通信装置の送信系の構成例を示す図である。
【図6】図6は動作例を説明するための図である。
【図7】図7は動作例を説明するための図である。
【図8】図8は動作例を説明するための図である。
【図9】図9は動作例を説明するための図である。
【図10】図10は通信装置の受信系の構成例を示す図である。
【図11】図11(A)及び図11(B)はVLAN ID変換テーブルの例を夫々示す図である。
【図12】図12(A)は動作例を説明するための図である。
【図13】図13は通信装置の受信系の構成例を示す図である。
【図14】図14(A)はVLAN ID変換テーブル、図14(B)は障害監視部位置テーブルの例を夫々示す図である。
【図15】図15は通信装置の受信系の構成例を示す図である。
【図16】図16は動作例を説明するための図である。
【図17】図17は通信装置の受信系の構成例を示す図である。
【図18】図18(A)は障害監視部位置テーブル、図18(B)はVLAN ID変換テーブルの例を夫々示す図である。
【図19】図19は通信装置の送信系の構成例を示す図である。
【図20】図20は動作例を説明するための図である。
【図21】図21は動作例を説明するための図である。
【図22】図22は動作例を説明するための図である。
【図23】図23は動作例を説明するための図である。
【図24】図24は通信装置の受信系の構成例を示す図である。
【図25】図25(A)〜図25(C)はサービス識別テーブルの例を夫々示す図である。
【図26】図26は通信装置の受信系の構成例を示す図である。
【図27】図27は動作例を説明するための図である。
【図28】図28は動作例を説明するための図である。
【図29】図29は通信装置の受信系の構成例を示す図である。
【図30】図30(A)及び図30(B)はサービス識別テーブルの例を夫々示す図である。
【図31】図31は動作例を説明するための図である。
【図32】図32は動作例を説明するための図である。
【図33】図33は通信システムの構成例を示す図である。
【図34】図34は通信装置の受信系の構成例を示す図である。
【図35】図35は通信装置の受信系の構成例を示す図である。
【図36】図36は通信システムの構成例を示す図である。
【図37】図37(A)はデータフフレーム、図37(B)はOAMフレームのフォーマット例を夫々示す図である。
【図38】図38は動作例を説明するための図である。
【図39】図39は動作例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。本実施例は、1:1プロテクションによりネットワークの障害を検知するものとし、各通信装置は、現用系の経路と予備系の2つの経路により他の通信装置と接続されるものとする。図33は、このような通信システム1の構成例を示す。通信システム1は複数の通信装置100〜300を備え、通信装置200と通信装置100とが現用VLANと予備VLANにより接続される。通信装置100,200間において、現用VLANに障害が発生すると経路が切り替えられて予備VLANを介してフレームが送受信される。通信装置200と通信装置300においても同様である。
【0023】
尚、以下の各実施例において、個別VLANの監視とは、例えば、現用VLANと予備VLANの各VLANを個別に監視することであり、サービスの監視(又はサービスに対する監視)とは、例えば、現用VLANと予備VLANの双方を監視することである。
【0024】
<第1の実施例>
まず、第1の実施例を説明する。第1の実施例は、例えば、VLAN IDを用いてサービスの監視を行う例である。VLAN IDは、例えば、現用VLANと予備VLANの2つのVLAN(又は経路)を識別するための識別符号である。図33の例では、通信装置100,200間の現用VLANと予備VLANの各VLAN IDは、夫々「1」と「2」であり、通信装置200,300間の現用VLANと予備VLANの各VLAN IDは、夫々「A」と「B」となる。OAMフレームやデータフレームなどのフレームには、VLAN IDが挿入されて送信されるものとする。
【0025】
<受信系の構成例>
次に第1の実施例における各通信装置100〜300の構成例を説明する。図1及び図2は第1の実施例における通信装置200の構成例、図3(A)〜同図(C)はテーブルの例を夫々示す。通信装置100〜300の構成例は、例えばいずれも同一であり、代表して通信装置200を例にして説明する。
【0026】
図1は通信装置200の受信系(通信装置100からフレームを受信し、通信装置300に送信する)、図2は通信装置200の送信系(通信装置100にフレームを送信する)の構成例を示す。説明の便宜のため別々の図面で示されるが、通信装置200は例えば双方の構成(例えば図1と図2)を備えるものとなっている。
【0027】
通信装置200は、ラインカード#1(201)と、スイッチモジュール250、及びラインカード#3(202)とを備える。
【0028】
例えば、ラインカード#1(201)は2つのVLAN(現用VLANと予備VLAN)を介して通信装置100と接続され、ラインカード#3(202)も2つのVLAN(現用VLANと予備VLAN)を介して通信装置300と接続される。
【0029】
ラインカード#1(201)は、フレーム受信部211と、OAM抽出部212と、転送処理部213と、障害監視部214と、VLAN ID変換部225と、VLAN ID変換テーブル226とを備える。
【0030】
フレーム受信部211は、現用VLAN又は予備VLANを介して通信装置100から送信されたフレームを受信し、OAM抽出部212に出力する。例えば、フレーム受信部211は、受信フレームが通信装置200宛てのフレームのとき当該フレームを受信し、そうでないとき破棄等する。
【0031】
OAM抽出部212は、受信フレームからフレーム種別を判別し、OAMフレームを抽出する。フレームには、「Ethernet(登録商標)タイプ」領域があり(例えば図37(A))、OAM抽出部212は当該領域にOAMフレームであることを示す符号等が挿入されているか否かにより受信フレームがOAMフレームか否かを判別する。
【0032】
また、OAM抽出部212は、抽出したOAMフレームのうち、個別VLANに対する監視用のOAMフレーム(例えば、監視レベル「K」)と、サービスに対する監視用のOAMフレーム(例えば、監視レベル「K+1」)とを判別する。そして、OAM抽出部212は個別VLAN監視用のOAMフレームを障害監視部214に、サービス監視用のOAMフレームをVLAN ID変換部225に出力する。例えば、OAMフレーム内には「監視レベル」領域があり(例えば図37(B))、OAM抽出部212は当該領域に挿入された監視レベルに基づいて判別する。
【0033】
転送処理部213は、例えば、OAM抽出部212から出力されたフレームをMAC転送テーブルに従いスイッチモジュール250を介してラインカード#3(202)に転送する。
【0034】
図3(A)はMAC転送テーブル2131の例を示す図である。MAC転送テーブル2131は、「宛先MAC(Media Access Control)アドレス」と、「受信VLAN」と、「送信ポート」、及び「送信VLAN」の各項目を備える。この例の場合、転送処理部213は、VLAN IDが「2」、宛先MACアドレスが「MACx」である受信フレームに対して、VLAN IDを「A」又は「B」に変換し、送信ポート「30」又は「40」から送信されるように転送する。
【0035】
VLAN ID変換部225は、サービス監視用OAMフレーム(例えば、監視レベル「K+1」)を入力し、当該フレームのVLAN IDをVLAN ID変換テーブル226に従って変換する。例えば、VLAN ID変換部225は、予備VLANから受信したサービス監視用OAMフレームのVLAN IDを現用VLANのVLAN IDに変換して出力し、現用VLANから受信したサービス監視用OAMフレームのVLAN IDを変換せずに出力する。あるいは、VLAN ID変換部225は、現用VLANから受信したサービス監視用OAMフレームも予備VLANから受信したサービス監視用OAMフレームも共に共通のVLAN IDに変換して出力する。これにより、VLAN ID変換部225は、現用VLANからのサービス監視用OAMフレームも予備VLANからのサービス監視用OAMフレームも同一のVLAN IDとなるように変換して出力する。
【0036】
VLAN ID変換テーブル226は、変換すべきVLAN ID等を保持したテーブルである。図3(B)はVLAN ID変換テーブル226の例を示す図である。VLAN ID変換テーブル226は、「受信VLAN」と、「障害監視カード番号」と、「現用VLAN受信VLAN ID」の各項目を含む。「受信VLAN ID」は、例えば変換対象となるサービス監視用OAMフレームのVLAN IDである。「障害監視カード番号」は、例えば、サービス監視用の障害監視部のあるカード番号を示し、変換後のサービス監視用OAMフレームの転送先である。「現用VLAN」は、例えば、変換後のVLAN IDを示す。VLAN ID変換テーブル226の他の例として、例えば、図11(A)等に示されるが詳細は第2の実施例以降で説明する。
【0037】
障害監視部214は、OAM抽出部212又はVLAN ID変換部225から出力されたOAMフレームを入力し、当該OAMフレームに基づいて障害監視を行う。障害監視部214は、個別VLAN監視用OAMフレームに基づいて個別VLANを監視し、サービス監視用OAMフレームに基づいてサービスを監視する。
【0038】
障害の監視はいくつかの方法がある。例えば、障害監視部214は、サービス監視用OAMフレームを受信したときタイマをリセットしてダウンカウントし、次に同一VLAN IDのサービス監視用OAMフレームを受信したときタイマをリセットする。障害監視部214は、タイマがリセットされず満了になったときサービス障害を検出し、リセットされれば障害ではないことを検出する。または、例えば、障害監視部214は同一VLAN IDのサービス監視用OAMフレームのシーケンス番号を検知し、連続して番号を検知すると障害ではなく、非連続のとき障害であると検出することもできる。
【0039】
スイッチモジュール250は、例えば、転送処理部213から出力されたフレームのVLAN IDに基づいて、送信ポート先のラインカード#3(202)に当該フレームを転送する。
【0040】
ラインカード#3(202)はフレーム送信部231を備える。フレーム送信部231は、転送処理部213から転送されたフレームを現用VLAN又は予備VLANを介して通信装置300に送信する。
【0041】
<送信系の構成例>
図2は、通信装置200の送信系の構成例を示す図である。通信装置200は、サービス監視用OAMフレームを生成し、現用VLANまたは予備VLANを介して通信装置100に送信する。
【0042】
障害監視部214は、OAM送信制御テーブルを保持し、当該テーブルに基づいて、サービス監視用OAMフレームを生成し、当該フレームを現用VLANまたは予備VLANに送信する。
【0043】
図3(C)はOAM送信制御テーブル2141の例を示す図である。OAM送信制御テーブル2141は、現用VLANまたは予備VLANごとに「送信ポート先」と「送信VLAN ID」の各項目を含む。「送信ポート先」は、例えば、生成されたサービス監視用OAMフレームの送信ポート番号を示し、「送信VLAN ID」は、例えば、当該サービス監視用OAMフレームを送信するVLANのVLAN IDを示す。
【0044】
図2に示すように、通信装置200は、更に、送信切替部217とフレーム送信部218とを備える。
【0045】
送信切替部217は、複数の障害監視部からスイッチモジュール250等を介してサービス監視用OAMフレームを入力したとき、そのうち1つを選択して出力する。また、送信切替部217は、例えば、障害監視部214からスイッチモジュール250等を介して1つのサービス監視用OAMフレームを入力したとき、切り替えることなく当該OAMフレームを出力する。
【0046】
フレーム送信部218は、送信切替部217から出力されたOAMフレームを現用VLAN又は予備VLANを介して通信装置100に送信する。例えば、フレーム送信部218は、サービス監視用OAMフレーム内には「VLAN ID」が挿入されているため(図3(C))、このVLAN IDに基づいて対応する送信ポートから送信する。
【0047】
<動作例>
まず、受信系の動作例を説明する。図1に示すように、通信装置100との間の現用VLANが定常(又は通常)状態のとき、通信装置200は現用VLANから個別VLAN監視用OAMフレーム(例えば、監視レベル「K」)を受信する。
【0048】
OAM抽出部212は当該OAMフレームを抽出し障害監視部214に出力する。これにより、障害監視部214は通信装置100との間の現用VLANを個別に監視できる。また、通信装置200は予備VLANから個別VLAN監視用OAMフレームを受信する。OAM抽出部212はこれを抽出し障害監視部214に出力する。これにより、障害監視部214は通信装置100の間の予備VLANを個別に監視できる。
【0049】
現用VLANが通常状態のとき、通信装置200は、現用VLANからサービス監視用OAMフレーム(例えば、監視レベル「K+1」)を受信したとき、OAM抽出部212がこれを抽出し、VLAN ID変換部225に出力する。VLAN ID変換部225は、VLAN ID変換テーブル226に従って当該フレームのVLAN IDを変換(例えば共通VLAN IDに変換)または変換することなく、スイッチモジュール250を介して障害監視部214に転送する。
【0050】
一方、通信装置100との間の現用VLANに障害が発生し予備VLANに経路が切り替えられた場合、通信装置200は予備VLANからサービス監視用OAMフレームを受信する。そのとき、OAM抽出部212はこれを抽出し、VLAN ID変換部225に出力する。VLAN ID変換部225は、VLAN ID変換テーブル226に従って、当該OAMフレームのVLAN IDを変換(例えば、共通VLAN ID又は現用VLANのVLAN IDに夫々変換)してスイッチモジュール250を介して障害監視部214に転送する。
【0051】
障害監視部214は、サービス監視用OAMフレームについて、VLAN ID変換部225による変換により、現用VLANから受信したものも予備VLANから受信したものも同一のVLAN IDとして入力するため、両者を区別することなくサービスを監視できる。従って、障害監視部214は他の監視部等と連携することなく通信装置100との間のサービス障害を監視できる。
【0052】
一方、転送処理部213は、OAM抽出部212から出力されたフレーム(データフレームなど)をMAC転送テーブル2131(例えば図3(A))に従って送信する。例えば、転送処理部213は、通信装置300との間の現用VLANが定常状態のとき、受信したフレームのVLAN IDを「A」に変換して、スイッチモジュール250を介してフレーム送信部231に転送する。スイッチモジュール250とフレーム送信部231は、例えば、変換されたVLAN IDに基づいて、通信装置300との間の現用VLANに当該フレームを送信する。
【0053】
また、転送処理部213は、通信装置300との間の現用VLANに障害発生したとき、受信したフレームのVLAN IDを「B」に変換して、スイッチモジュール250を介してフレーム送信部231に転送する。スイッチモジュール250とフレーム送信部231は、例えば、変換されたVLAN IDに基づいて通信装置300との間の予備VLANに当該フレームを送信する。
【0054】
転送処理部213により通信装置300に対する経路が現用VLANから予備VLANに切り替えられた場合、障害監視部214は、かかる切り替えに影響なく、2つの経路から受信したサービス監視用OAMフレームを入力する。これは、例えば、OAM抽出部212の後段に転送処理部213が配置され、サービス監視用OAMフレームが抽出された後で転送先が切り替えられても抽出自体に影響がないからである。従って、本通信装置200は、通信装置300との経路の切り替えに影響なく、サービス障害に対する誤検出を防止できる。
【0055】
なお、送信系に対する動作例は以下のようになる。すなわち、図2に示すように、障害監視部214は、OAM送信制御テーブル2141(例えば図3(C))に従って、サービス監視用OAMフレームを生成し、現用VLAN又は予備VLANに送信する。例えば、障害監視部214は、現用VLANが定常状態のとき、生成したサービス監視用OAMフレームを、スイッチモジュール250等を介して現用VLANに送信する。一方、障害監視部214は、現用VLANに障害が発生したとき、サービス監視用OAMフレームを、スイッチモジュール250等を介して予備VLANに送信する。このように、通信装置200は、通信装置100との間の経路状態に応じて、サービス監視用OAMフレームを生成し、通信装置100に送信できる。
【0056】
<第2の実施例>
次に第2の実施例について説明する。第2の実施例は、第1の実施例におけるラインカード#1(201),#3(202)(例えば、図1)がそれぞれ2つある場合の例である。
【0057】
図4は、本第2の実施例における通信装置200の受信系の構成例、図5は通信装置200の送信系の構成例、図6〜図9は動作例を夫々示す。また、図10は第2の実施例における通信装置200の他の構成例、図11(A)〜同図(B)はテーブルの例、図12は動作例を夫々示す図である。
【0058】
<構成例>
図4に示すように、通信装置200は、ラインカード#1〜#4(210〜240)と、スイッチモジュール250を備える。例えば、図1のラインカード#1(201)は、図4のラインカード#1(210)とラインカード#2(220)に対応し、図1のラインカード#3(202)は、図4のラインカード#3(230)とラインカード#4(240)に対応する。
【0059】
ラインカード#1(210)は現用VLANを介して通信装置100と接続され、ラインカード#2(220)は予備VLANを介して通信装置100と接続される。一方、ラインカード#3(230)は現用VLANを介して通信装置300と接続され、ラインカード#4(240)は予備VLANを介して通信装置300と接続される。
【0060】
ただし、図4に示す例では、ラインカード#2(220)にVLAN ID変換部225とVLAN ID変換テーブル226とを備え、ラインカード#1(210)にはかかる構成がないものとなっている。
【0061】
すなわち、ラインカード#1(210)は、フレーム受信部211と、OAM抽出部212と、転送処理部213と、障害監視部214を備える。一方、ラインカード#2(220)は、フレーム受信部221と、OAM抽出部222と、転送処理部223と、障害監視部224と、VLAN ID変換部225と、VLAN ID変換テーブル226を備える。
【0062】
図4の例の場合、ラインカード#1(210)のOAM抽出部212は、現用VLANを介して受信した受信フレームのうち、個別VLAN監視用のOAMフレームを障害監視部214に出力し、サービス監視用のOAMフレームを、スイッチモジュール250を介して障害監視部214に転送する。OAM抽出部212は、例えば、OAMフレーム内の「監視レベル」(例えば、図33(B))により出力先を判別する。尚、OAM抽出部212は、サービス監視用のOAMフレームを障害監視部214に直接出力してもよい。
【0063】
一方、ラインカード#2(220)のOAM抽出部222は、予備VLANを介して受信した受信フレームのうち、個別VLAN監視用のOAMフレームを障害監視部224に出力し、サービス監視用のOAMフレームをVLAN ID変換部225に出力する。
【0064】
VLAN ID変換部225は、予備VLANを介して受信したサービス監視用のOAMフレームに対して、VLAN ID変換テーブル226に従って、そのVLAN ID(例えば「2」)を現用VLANのVLAN ID(例えば「1」)に変換する。また、VLAN ID変換部225は、VLAN ID変換テーブル226に従って、サービス監視用障害監視部214のあるラインカード#1(210)に変換後のサービス監視用OAMフレームを転送する。
【0065】
ラインカード#3(230),#4(240)は、フレーム送信部231,241を夫々備える。フレーム送信部231,241は、転送処理部213,223により夫々指示された送信ポートからフレームを夫々送信する。フレーム送信部231,241は、例えば、転送処理部213,223で夫々変換されたVLAN IDに従って、フレームを夫々送信する。
【0066】
図5は通信装置200における送信系の構成例を示す図である。ラインカード#1(210)の障害監視部214は、OAM転送制御テーブル(例えば、図3(C))に従って、サービス監視用OAMフレームを生成しスイッチモジュール250を介していずれかの送信切替部217,227に転送する。この場合、スイッチモジュール250は、当該フレームを例えばVLAN IDに基づいて転送する。
【0067】
<受信系の動作例>
次に、第2の実施例における通信装置200の動作例を説明する。図6及び図7は動作例を説明するための図である。ただし、図6及び図7において説明の便宜のため一部構成を省略している。
【0068】
図6に示すように、通信装置200は、通信装置100から現用VLANを介して個別VLANの監視用のOAMフレーム(例えば、監視レベル「K」)を受信したとき、OAM抽出部212はこれを受信し(S1)、当該フレームを障害監視部214に転送する(S2)。障害監視部214は、現用VLAN監視用のOAMフレームを入力し、通信装置100との間の現用VLANに対する障害を監視する。
【0069】
一方、通信装置200は、現用VLANを介してサービス監視用のOAMフレーム(例えば、監視レベル「K+1」)を受信したとき(S3)、OAM抽出部212は、スイッチモジュール250を介して障害監視部214に当該フレームを転送する(S4)。
【0070】
例えば、OAM抽出部212は、OAMフレームの「監視レベル」(例えば図37(B))が「K」のときOAMフレームを障害監視部214に転送し、「監視レベル」が「K+1」のとき、OAMフレームを障害監視部214に転送する。
【0071】
OAM抽出部212で抽出されたOAMフレーム以外のフレームは転送処理部213に出力される。転送処理部213は、MAC転送テーブル2131(例えば図3(A))に従って、当該フレームをスイッチモジュール250を介していずれかのラインカード#3(230),#4(240)に転送する。例えば、転送処理部213は、通信装置300との間の現用VLANが定常状態のとき、ラインカード#3(230)に当該フレームを転送する(S5)。一方、転送処理部213は通信装置300との間の現用VLANに障害が発生したとき、予備VLANからデータフレームを送信するように、ラインカード#4(240)に転送する。
【0072】
一方、通信装置100との間の現用VLANに障害等が発生して経路が現用VLANから予備VLANに切り替えられたとき、OAM抽出部222は通信装置100からのフレームを受信する(S6)。すなわち、OAM抽出部222は、個別VLAN監視用のOAMフレームを受信すると、当該フレームを障害監視部224に出力する(S7)。障害監視部224は、個別VLAN監視用のOAMフレームを監視することで、経路切り替え後の予備VLANの障害を監視できる。
【0073】
また、OAM抽出部222は、サービス監視用のOAMフレームを受信したとき(S8)、当該フレームをVLAN ID変換部225に出力する(S9)。
【0074】
VLAN ID変換部225は、VLAN ID変換テーブル226に従い、OAMフレームのVLAN IDを、現用VLANを示すID(例えば「1」)に変換する。VLAN ID変換部225は、変換したOAMフレームを、VLAN ID変換テーブル226に従ってスイッチモジュール250を介して障害監視部214に転送する(S10)。
【0075】
転送処理部223も、転送処理部213と同様に、MAC転送テーブルに従って、OAM抽出部222から出力されたフレームに対して、VLAN IDを変換し、いずれかのラインカード#3(230),#4(240)に転送する(S11)。
【0076】
障害監視部214は、サービス監視用のOAMフレームに関して、スイッチモジュール250を介してOAM抽出部212から受信するものと、VLAN ID変換部225から受信するものの2つのOAMフレームを受信する。2つのOAMフレームともにVLAN IDが現用VLANのVLAN IDを示すものとなっており、障害監視部214は2つのOAMフレームを区別することなく監視できる。障害監視部214による監視は、上述したように、例えばタイマの利用、又はフレームのシーケンス番号の確認等により行う。
【0077】
障害監視部214によるサービス監視用OAMフレームの監視は、第1の実施例と同様に、通信装置300との間の経路切り替えに影響されずに行うことができる。例えば、障害監視部214が通信装置100との間の現用VLANを介して受信したサービス監視用OAMフレームを監視しているときに、通信装置300との間の経路が現用VLANから予備VLANに切得られても、当該切り替えに影響なく監視できる。第1の実施例と同様に、例えば、OAM抽出部212によりサービス監視用OAMフレームが抽出された後で転送処理部213により経路の切り替えが行われているからである。
【0078】
図6の動作例において、OAM抽出部212は、サービス監視用のOAMフレームをスイッチモジュール250に出力するようにした。例えば、OAM抽出部212は、障害監視部214に直接出力するようにしてもよい。図7はかかる場合の動作例を説明するための図である。
【0079】
図7に示すように、OAM抽出部212は、更に、サービス監視用のOAMフレームも障害監視部214に出力する(S4‐1)。この場合でも、障害監視部214は、現用VLANから受信したサービス監視用のOAMフレームも、予備VLANから受信したサービス監視用のOAMフレームもVLAN IDを区別することなく監視できる。例えば、OAM抽出部212は、現用VLANからサービス監視用OAMフレームを入力したとき、フレーム内の「VLAN ID」と「Ethernet(登録商標)タイプ」とに基づいてフレーム種別等を判別して、当該フレームを障害監視部214へ直接出力する。
【0080】
<送信系の動作例>
次に送信系の動作例を説明する。図8は送信系の動作例を説明するための図である。障害監視部214は、サービス監視用のOAMフレームを生成し、OAM転送制御テーブル2141に従って現用VLAN又は予備VLANを介して通信装置100に送信する。
【0081】
すなわち、現用VLANが定常状態のとき、障害監視部214は、サービス監視用のOAMフレームを生成し、スイッチモジュール250を介して送信切替部217に転送する(S20)。スイッチモジュール250は、例えば、当該フレーム内のVLAN ID(例えば、「1」)に基づいて当該フレームを送信切替部217に転送する。
【0082】
送信切替部217は転送されたOAMフレームをフレーム送信部218に出力する。フレーム送信部218は、例えば、VLAN IDに基づいて、指定された送信ポート(例えばポート番号「10」)からサービス監視用OAMフレームを送信する。これにより、サービス監視用のOAMフレームは現用VLANを介して通信装置100に送信される(S22)。
【0083】
一方、通信装置100との間の現用VLANに障害が発生した場合、障害監視部214は、サービス監視用OAMフレームを生成し、スイッチモジュール250を介して送信切替部227に転送する(S21)。スイッチモジュール250は、例えばVLAN ID(例えば、「2」)に基づいて、当該フレームを送信切替部227に転送する。
【0084】
送信切替部227は、当該フレームをフレーム送信部218に出力する。フレーム送信部228は、例えばVLAN IDに基づいて指定された送信ポート(例えばポート番号「20」)から当該フレームを送信する。これにより、現用VLANに障害が発生した場合、予備VLANを介してサービス監視用のOAMフレームが通信装置100に送信される(S23)。
【0085】
尚、受信系の例(例えば図7)と同様に、図9に示すように、障害監視部214は、サービス監視用OAMフレームをフレーム送信部218に直接出力するようにしてもよい(S20‐1)。当該OAMフレームはスイッチモジュール250を経由しないため、経由する場合と比較してスイッチモジュール250内の経路のリソースを軽減させることができる。
【0086】
このように、第2の実施例において、VLAN ID変換部225は、予備VLANから受信したサービス監視用OAMフレームのVLAN IDを現用VLANから受信したものと同じIDにして出力している。これにより、障害監視部214は、通信装置100との経路が現用VLANから予備VLANに切り替わってもサービス監視用OAMフレームを区別することなく入力するため、他の監視部などと連携することなく2つの経路を監視できる。
【0087】
また、通信装置300との経路が現用VLANから予備VLANに切り替えられたとしても、障害監視部214は、当該切り替えに影響なく通信装置100から受信するサービス監視用OAMフレームを受信でき、障害に対する誤検出を防止できる。
【0088】
次に第2の実施例におけるいくつかの変形例を説明する。
【0089】
<第1の変形例>
本変形例は、現用VLANから受信したサービス監視用OAMフレームも、予備VLANから受信したサービス監視用OAMフレームも、そのVLAN IDが共通VLAN IDに変換される例である。図10は通信装置200の構成例、図11(A)及び同図(B)はテーブルの例、図12は動作例を夫々示す図である。尚、第1の変形例における送信系の構成例と動作例は、上述した例と同様に図5,図8〜図9に示される。
【0090】
図10に示すように、通信装置200は、ラインカード#1(210)において、更に、VLAN ID変換部215と、VLAN ID変換テーブル216とを備える。
【0091】
尚、ラインカード#1(210)のOAM抽出部212は、サービス監視用のOAMフレームをVLAN ID変換部215に出力する。
【0092】
VLAN ID変換部215は、現用VLANから受信したサービス監視用OAMフレームについて、VLAN ID変換テーブル216に基づいて、そのVLAN IDを共通VLAN IDに変換する。
【0093】
図11(A)は、VLAN ID変換テーブル216の例を示す図である。VLAN ID変換テーブル216は、更に、「共通VLAN ID」の項目を含む。「共通VLAN ID」は、例えば、変換後のVLAN IDを示す。ラインカード#2(220)のVLAN ID変換テーブル226にも同一の共通VLAN IDが記憶される。
【0094】
一方、ラインカード#2(220)のVLAN ID変換部225も、VLAN ID変換テーブル226に基づいて、サービス監視用OAMフレームのVLAN IDを共通VLAN IDに変換して障害監視部214に出力する。図11(B)はVLAN ID変換テーブル226の例を示す図である。VLAN ID変換テーブル226も「共通VLAN ID」の項目を含む。図11(A)及び同図(B)の例では、現用VLANで受信したサービス監視用OAMフレームも予備VLANで受信したサービス監視用OAMフレームも、共通VLAN ID「100」に変換される。
【0095】
図12は、第1の変形例における動作例を説明するための図である。ラインカード#1(210)のVLAN ID変換部215は、サービス監視用のOAMフレームのVLAN IDを現用VLANのIDから共通VLAN IDに変換して出力する(S30)。変換されたOAMフレームは、スイッチモジュール250から障害監視部214に転送される。
【0096】
通信装置100との間の現用VLANに障害が発生した場合、経路が現用VLANから予備VLANに切り替えられ、ラインカード#2(220)のVLAN ID変換部225は予備VLANからのサービス監視用OAMフレームを入力する。VLAN ID変換部225は、当該OAMフレームのVLAN IDを共通VLAN IDに変換して出力する。変換されたOAMフレームは、スイッチモジュール250を介して障害監視部214に転送される。
【0097】
障害監視部214は、予備VLANから受信したサービス監視用OAMフレームも現用VLANから受信したサービス監視用OAMフレームも共通のVLAN IDが挿入されているため、両者を区別なく監視できる。
【0098】
このように本変形例においても、通信装置200は、通信装置100との経路が現用VLANから予備VLANに経路が切り替えられても、障害監視部214にサービス監視用OAMフレームが集められる。障害監視部214は、入力した当該OAMフレームには共通のVLAN IDが挿入されるため、両者を区別なく監視できる。従って、障害監視部214は、他の監視部等と連携することなくサービスを監視できる。
【0099】
また、通信装置300との間の経路が現用VLANから予備VLANに切り替えられても、その切り替えに影響なく、VLAN ID変換部215,225は共通IDに変換して障害監視部214にサービス監視用のOAMフレームを出力できる。よって、通信装置300との経路が切り替えられても、障害監視部214は通信装置100との間のサービスに対して障害を検出でき、誤検出を防止できる。
【0100】
<第2の変形例>
次に第2の変形例を説明する。第2の変形例は、専用のカード(又はボード)上にサービス監視用の障害監視部がある例である。図13は、第2の変形例における通信装置200の構成例を示す図である。
【0101】
通信装置200は、更に、障害監視カード255を備え、障害監視カード255は障害監視部256を備える。
【0102】
この場合、VLAN ID変換部225は、例えば、上述した例と同様に、予備VLANから受信したサービス監視用のOAMフレームのVLAN IDを現用VLANのVLAN IDに変換する。又は、VLAN ID変換部225は、現用VLANも予備VLANも双方から受信したサービス監視用OAMフレームのVLAN IDを共通VLAN IDに変換することもできる。
【0103】
図14(A)はVLAN ID変換テーブル226の例を示す図である。この場合、「障害監視カード番号」は、例えば、専用の障害監視カードのカード番号(又はボード番号)を示す。
【0104】
第2の変形例の場合においても、現用VLANからのサービス監視用OAMフレームも予備VLANからのサービス監視用OAMフレームも1つの障害監視部256に集められる。このとき、通信装置100との経路が現用VLANから予備VLANに切り替えられてもVLAN IDは同一のため、障害監視部256は両者を区別することなくサービス監視を行うことができる。よって、通信装置100との経路が切り替えられても、障害監視部256により通信装置100に対するサービスを監視できるため、障害監視部256は他の監視部等と連携することなくサービスを監視できる。また、通信装置300との経路が切り替えられても、その切り替えに影響なく、障害監視部256はサービス監視用OAMフレームを入力するため、当該サービスに対する誤検出を防止できる。
【0105】
図15は、通信装置200が、更に、2つのラインカード#1(210),#2(220)を備える場合において、専用の障害監視カード255を備える場合の構成例を示す図である。この場合、OAM抽出部212もVLAN ID変換部225も、専用の障害監視カード255にサービス監視用のOAMフレームを送信するようになっている。
【0106】
OAM抽出部212は、障害監視部256の送信先を示す障害監視部位置テーブルを保持し、この情報に従ってサービス監視用のOAMフレームを障害監視カード255に転送する。
【0107】
図14(B)は障害監視部位置テーブル2121の例を示す図である。障害監視部位置テーブル2121は、「受信VLAN」と「障害監視カード番号」とを含む。「受信VLAN」は、例えば、対象となるサービス監視用OAMフレームのVLAN ID、「障害監視カード番号」は、例えば、専用の障害監視カード255のカード番号を示す。
【0108】
VLAN ID変換部225は、VLAN ID変換テーブル226に従って、VLAN IDを現用VLANに変換し、VLAN ID変換テーブル226に記憶された「障害監視カード番号」(例えば図14(A))に従って転送する。
【0109】
図16は、第2の変形例における動作例を説明するための図である。ラインカード#1(210)のOAM抽出部212は、障害監視部位置テーブル2121に従って、サービス監視用OAMフレームを障害監視カード255に転送する(S40)。
【0110】
一方、通信装置100との現用VLANの障害により経路が予備VLANに切り替えられたとき、OAM抽出部222は、サービス監視用OAMフレームをVLAN ID変換部225に出力する(S9)。
【0111】
VLAN ID変換部225は、VLAN ID変換テーブル226に従い、当該OAMフレームのVLAN IDを現用VLANと同一のものにし、変換後のOAMフレームを、障害監視カード255に転送する(S41)。
【0112】
障害監視部256は、2つのラインカード#1(210),#2(220)から転送された2つのサービス監視用OAMフレームについて、そのVLAN IDは現用VLANと同一となっているため両者を区別なく処理でき、サービス監視を行うことができる。
【0113】
この変形例の場合も、現用VLANと予備VLANの双方から受信したサービス監視用OAMフレームが1つの障害監視部256に集められて、障害監視部256はすべて現用VLANと同一のIDが挿入されたサービス監視用OAMフレームを入力する。よって、通信装置100との経路が切り替えられても、障害監視部256は他の監視部等と連携することなくサービスを監視できる。また、通信装置300との経路が切り替えられても、その切り替えに影響なく、障害監視部256はサービス監視用OAMフレームを入力するため、当該サービスに対する誤検出を防止できる。
【0114】
尚、専用の障害監視カード255が用いられる場合、サービス監視用のOAMフレームを常に専用の障害監視カード255に出力することで、VLAN ID変換テーブル226と障害監視部位置テーブル2121の「障害監視カード番号」を削除できる。これにより、OAM抽出部212とVLAN ID変換テーブル226は、「障害監視カード番号」の情報を保持することがないため、記憶する情報量を削減できる。
【0115】
本第2の実施例では、現用VLANと接続されたラインカード#1(210)の障害監視部214、又は専用の障害監視カード255の障害監視部256がサービス監視を行うものとして説明した。いずれかの障害監視部214,256においてサービス監視を行うようにすることもでき、サービス監視の負荷を分散することもできる。この場合、例えば、VLAN ID変換テーブル226と障害監視部位置テーブル2121における「障害監視カード番号」を変更することで、サービス監視用のOAMフレームをいずれかの障害監視部214,256に出力できる。
【0116】
<第3の実施例>
次に第3の実施例を説明する。上述した第2の実施例では、1つの障害監視部214,256がサービスを監視する例について説明した。本第3の実施例は、複数の障害監視部がサービスを監視する例である。例えば、図4において、ラインカード#1(210)自体が故障した場合、障害監視部214はサービスを監視できない。かかる場合、通信装置100との間の予備VLANがアクティブにも拘わらず、これを監視できずにサービス障害と誤検出する場合がある。本第3の実施例では、サービス監視を行う障害監視部が複数あることでかかる誤検出を防止する。
【0117】
図17は第3の実施例における通信装置200の受信系の構成例、図18(A)及び同図(B)はテーブルの例、図19は送信系の構成例、図20〜図23は動作例を夫々示す図である。
【0118】
<受信系の構成例>
図17は通信装置200の受信系の構成例を示す図である。第2の実施例(例えば図4)と同様に、例えば、図1のラインカード#1(201)は、図17のラインカード#1(210)とラインカード#2(220)に対応し、図1のラインカード#3(202)は、図17のラインカード#3(230)とラインカード#4(240)に対応する。
【0119】
ラインカード#1(210)のOAM抽出部212は、現用VLANを介して受信したサービス監視用のOAMフレームを複製し、障害監視部位置テーブル2121に従って、ラインカード#1(210)とラインカード#2(220)の2つの障害監視部214,224に転送する。
【0120】
図18(A)は、障害監視部位置テーブル2121の例を示す図である。第3の実施例における障害監視部位置テーブル2121は、「障害監視カード番号」として、例えば、障害監視部214,224のあるすべてのカード番号が記憶される。この例では、サービス監視用OAMフレームは、2つのカード番号「1000」と「2000」が記憶され、2つのカード(ラインカード#1(210)とラインカード#2(220))に転送されることを示す。
【0121】
一方、ラインカード#2(220)のVLAN ID変換部225は、予備VLANを介して受信したサービス監視用OAMフレームのVLAN IDを現用VLANのIDに変換した後、複製する。そして、VLAN ID変換部225は、VLAN ID変換テーブル226に従って、ラインカード#1(210)とラインカード#2(220)の障害監視部214,224に変換後のサービス監視用OAMフレームを転送する。
【0122】
図18(B)はVLAN ID変換テーブル226の例を示す図である。VLAN ID変換テーブル226の「障害監視カード番号」も、例えば、障害監視部214,224のあるすべてのカード番号を示す。
【0123】
ラインカード#1(210)の障害監視部214は、通信装置100に対する現用VLANが定常状態のとき、OAM抽出部212から転送されたサービス監視用OAMフレームを入力する。また、障害監視部214は、経路が予備VLANに切り替えられたとき、VLAN ID変換部225から転送されたサービス監視用OAMフレームを入力する。障害監視部214は、例えばタイマの利用等により、入力した当該OAMフレームを監視することでサービスを監視する。
【0124】
また、ラインカード#2(220)の障害監視部224は、現用VLANが定常状態のとき、OAM抽出部212から転送されたサービス監視用OAMフレームを入力する。また障害監視部214は、経路が予備VLANに切り替えられたとき、VLAN ID変換部225から転送されたサービス監視用OAMフレームを入力する。障害監視部224も、例えばタイマ等の利用により、入力した当該OAMフレームを監視することでサービスを監視する。
【0125】
<送信系の構成例>
図19は、第3の実施例における通信装置200の送信系の構成例を示す図である。ラインカード#1(210)の障害監視部214は、第2の実施例と同様にOAM送信制御テーブル2141(例えば図3(C))に従い、当該OAMフレームをいずれかの送信切替部217,227に転送する。
【0126】
ラインカード#2(220)の障害監視部224もOAM送信制御テーブル2241(例えば図3(C))に従い、サービス監視用OAMフレームを生成し、当該OAMフレームを送信切替部217,227に転送する。
【0127】
送信切替部217は、2つの障害監視部214,224から夫々同じVLAN ID(例えば現用VLANのVLAN IDと同一)のサービス監視用OAMフレームを入力する。送信切替部217は、どちらか一方の当該OAMフレームをフレーム送信部218に出力する。例えば、送信切替部217は、障害監視部214から送信されたサービス監視用OAMフレームをフレーム送信部218に出力する。フレーム送信部218は現用VLANを介して通信装置100にサービス監視用OAMフレームを送信する。
【0128】
送信切替部227は、2つの障害監視部214,224から、VLAN IDが同一(例えば予備VLANのVLAN ID)のサービス監視用OAMフレームを入力する。この場合も、送信切替部227はいずれか一方、例えば障害監視部224からのサービス監視用OAMフレームをフレーム送信部228に出力する。
【0129】
尚、障害監視部214は、送信切替部217に出力するサービス監視用OAMフレームを、スイッチモジュール250を経由せず、送信切替部217に直接出力してもよい。障害監視部224も、送信切替部227に出力するサービス監視用OAMフレームを送信切替部217に直接出力してもよい。
【0130】
<動作例>
次に、本第3の実施例における動作例を説明する。図20及び図21は受信系における動作例、図22及び図23は送信系における動作例を説明するための図である。第2の実施例と同様に、図20等には説明の便宜から一部構成を省略して記載している。
【0131】
図20に示すように、通信装置200は、通信装置100から現用VLANを介してサービス監視用OAMフレームを受信すると、OAM抽出部212は、当該OAMフレームを複製する。そして、OAM抽出部212は、障害監視部位置テーブル2121に従い、スイッチモジュール250を介して2つの障害監視部214,224に当該OAMフレームを転送する(S4,S50)。
【0132】
このとき、例えば、通信装置300との間の現用VLANに障害が発生した場合、転送処理部213は現用VLANから予備VLANに経路を切り替えて、データフレーム等を送信する。しかし、サービス監視用OAMフレームはかかる経路切り替えに影響することなく、2つの障害監視部214,224に出力される。
【0133】
一方、通信装置100との間の現用VLANに障害が発生した場合、経路が予備VLANに切り替えられる。このとき、当該予備VLANを介して入力されたサービス監視用OAMフレームは、OAM抽出部222を経由してVLAN ID変換部225に入力される(S9)。
【0134】
VLAN ID変換部225は、入力したサービス監視用OAMフレームのVLAN IDを第1の実施例等と同様に現用VLANと同一のものにし、複製する。そして、VLAN ID変換部225は、VLAN ID変換テーブル226に従い、スイッチモジュール250を介して当該OAMフレームを2つの障害監視部214,224に転送する(S10,S51)。
【0135】
このときに、通信装置300との経路が現用VLANから予備VLANに切り替えられても、その切り替えに影響なく、当該OAMフレームは障害監視部214,224に転送される。
【0136】
2つの障害監視部214,224は、通信装置200が現用VLANからサービス監視用OAMフレームを受信したとき、ともに当該サービス監視用OAMフレームを入力する(S4,S50)。また、2つの障害監視部214,224は、通信装置200が予備VLANからサービス監視用OAMフレームを受信したとき、ともに当該サービス監視用OAMフレームを入力する(S10,S51)。2つの障害監視部214,224はともにサービス監視用OAMフレームに対してタイマ等を利用することでサービスを監視できる。
【0137】
このように通信装置100との経路が切り替えられても、2つの障害監視部214,224はともに同一VLAN IDのサービス監視用OAMフレームを入力する。従って、例えば、ラインカード#1(210)又はラインカード#2(220)に障害が発生しても、いずれかのラインカード#1(210),#2(220)の障害監視部214,224でサービスを監視できる。
【0138】
尚、2つの障害監視部214,224によりサービス監視を行う場合、以下のようにサービス障害を検出できる。例えば、一方の障害監視部214,224によりサービス監視が行われない場合でも、他方の障害監視部214,224によりサービス監視が行われ正常だった場合、サービス障害ではないとする。一方、サービス監視が行われていないものも含めて全ての障害監視部214,224がサービス監視用OAMフレームを一定期間受信できない場合、サービス障害であるとする。尚、以上のようなサービス障害の検出は、例えば、各障害監視部214,224に接続された上位装置に各障害監視部214,224がサービス障害の有無を通知することで実現できる。
【0139】
尚、上述した例は複製されたサービス監視用OAMフレームが全てスイッチモジュール250を経由して各障害監視部214,224に出力される例を説明した。例えば、第2の実施例と同様に、ラインカード#1(210),#2(220)内の障害監視部214,224に当該OAMフレームが送信される場合、スイッチモジュール250を介さないようにすることもできる。
【0140】
図21はかかる場合の動作例を説明するための図である。ラインカード#1(210)のOAM抽出部212は、複製したサービス監視用OAMフレームの一方を障害監視部214に直接出力する(S4‐2)。一方、VLAN ID変換部225も、複製したサービス監視用OAMフレームの一方を障害監視部224に直接出力する(S51‐1)。
【0141】
次に第3の実施例における送信系の動作例を説明する。図22及び図23は動作例を説明するための図である。
【0142】
図22に示すように、障害監視部214は、OAM送信制御テーブル2141(例えば図3(C))に従って、サービス監視用OAMフレームを生成し、現用VLANが定常状態のとき、当該OAMフレームを送信切替部217に転送する(S20)。一方、障害監視部214は、現用VLANに障害が発生したとき、当該OAMフレームを送信切替部227に転送する(S21)。
【0143】
障害監視部224も、OAM送信制御テーブル2241(例えば図3(C))に従って、サービス監視用OAMフレームを生成し、現用VLANが定常状態のとき、当該OAMフレームを送信切替部217に転送する(S60)。一方、障害監視部224は、現用VLANに障害が発生したとき、当該OAMフレームを送信切替部227に転送する(S61)。
【0144】
送信切替部217は、2つの障害監視部214,224から出力されたサービス監視用OAMフレームを入力し、いずれか一方(例えば、障害監視部214からのサービス監視用OAMフレーム)をフレーム送信部218に出力する。これにより、現用VLANが定常状態のとき、サービス監視用OAMフレームが現用VLANから送信される。
【0145】
また、送信切替部227は、2つの障害監視部214,224から出力されたサービス監視用OAMフレームを入力し、いずれか一方(例えば、障害監視部224からのサービス監視用OAMフレーム)をフレーム送信部228に出力する。これにより、現用VLANに障害が発生したとき、サービス監視用OAMフレームが予備VLANから送信される。
【0146】
また、送信系についても受信系と同様に、ラインカード#1(210),#2(220)内の送信切替部217,227にサービス監視用OAMフレームが出力されるとき、スイッチモジュール250を介さずに、送信切替部217,227に直接出力されてもよい。
【0147】
図23はかかる場合の動作例を説明するための図である。同図に示すように、障害監視部214は、通信装置100との間の現用VLANが定常状態のとき、生成したサービス監視用OAMフレームを送信切替部217に直接出力する(S20‐1)。一方、通信装置100との間の現用VLANに障害が発生したとき、障害監視部224は、生成したサービス監視用OAMフレームを送信切替部227に直接出力する(S61‐1)。
【0148】
以上説明してきたように、本第3の実施例では、各障害監視部214,224は、通信装置100との間の経路が切り替えられても、サービス監視用OAMフレームを入力し、サービスの監視を行うことができる。その際に、各障害監視部214,224は相互に情報を交換することなく監視できるため、互いに連携することなくサービス監視を行うことができる。また、通信装置300との経路が切り替えられても、各障害監視部214,224は、切り替えに影響することなくサービス監視用OAMフレームを入力できるため、当該切り替えによるサービス障害の誤検出を防止できる。
【0149】
更に、本第3の実施例では、各障害監視部214,224が分散してサービス障害を監視する。従って、いずれかのラインカード#1(210),#2(220)自体に障害が発生したときでも、他方のラインカード#1(210),#2(220)の障害監視部214,224がサービス障害を監視できる。
【0150】
尚、本第3の実施例では、VLAN ID変換部225が予備VLANを介して受信したサービス監視用OAMフレームのVLAN IDを現用VLANと同一にして転送する例を説明した。第2の実施例の第1の変形例と同様に、現用VLANと予備VLANから受信した2つのサービス監視用OAMフレームのVLAN IDを共通VLAN IDに変換するようにしてもよい。図34はかかる場合の通信装置200の構成例を示す図である。2つのVLAN ID変換部215,225は夫々現用VLANと予備VLANから受信したサービス監視用OAMフレームに対して共通VLAN IDに変換して複製する。VLAN ID変換部215は、複製した当該OAMフレームを2つの障害監視部214,224に出力する。VLAN ID変換部225も、複製した当該OAMフレームを2つの障害監視部214,224に出力する。これにより、上述した第3の実施例と同様に実施できる。
【0151】
<第4の実施例>
第1〜第3の実施例では、例えば、VLAN IDを用いてサービスが監視される例について説明した。本第4の実施例では、サービス識別子によりサービスが監視される例について説明する。
【0152】
図24は通信装置200の受信系の構成例を示す図である。送信系の構成例は、第1の実施例と同様に図2に示される。
【0153】
図24に示すように、通信装置200は、更に、サービス識別子付与部251と、サービス識別テーブル252とを備える。
【0154】
サービス識別子付与部251は、OAM抽出部212で抽出されたサービス監視用OAMフレーム(例えば、監視レベル「K+1」)を入力し、サービス識別テーブル252に従って、当該OAMフレームにサービス識別子を付与する。また、サービス識別子付与部251は、サービス識別子を付与したサービス監視用OAMフレームを、サービス識別テーブル252に従って、スイッチモジュール250を介してサービス監視用の障害監視部のあるラインカード(又はボード)に転送する。
【0155】
サービス識別テーブル252は、付与すべきサービス識別子等を保持する。図25(A)は、サービス識別テーブル252の例を示す図である。サービス識別テーブル252は、「受信VLAN」と、「障害監視カード番号」、更に、「サービス識別子」の各項目を含む。「サービス識別子」は、例えば、サービス監視用OAMフレームに付与されるサービス識別子を示す。
【0156】
図24における動作は、例えば以下のようになる。すなわち、OAM抽出部212は、第1の実施例等と同様に通信装置100と接続された現用VLAN及び予備VLANから受信したサービス監視用OAMフレームを抽出し、サービス識別子付与部251に出力する。
【0157】
サービス識別子付与部251は、サービス識別テーブル252に従い、現用VLANから受信した当該OAMフレームも予備VLANから受信したOAMフレームも共にサービス識別子(例えば「100」)を付与し、障害監視部214に転送する。
【0158】
障害監視部214は、2つの経路からのサービス監視用OAMフレームに対して、タイマの利用等により、サービスを監視する。
【0159】
尚、転送処理部213は、第1の実施例等と同様に、OAM抽出部212で抽出されたフレーム以外のフレームに対して、MAC転送テーブル2131(例えば図3(A))に従い、通信装置300に接続された現用VLAN又は予備VLANに送信する。
【0160】
このように、本第4の実施例においても、例えば、現用VLANを介して受信したサービス監視用OAMフレームも、予備VLANを介して受信したサービス監視用OAMフレームも、同一のサービス識別子が付与されて障害監視部214に入力される。障害監視部214は、同一の2つのOAMフレームを区別なく処理でき、他の障害部等と連携することなく通信装置100との間のサービスを監視できる。また、転送処理部213により、通信装置300との間の経路が現用VLANから予備VLANに切り替えられたとしても、サービス監視用OAMフレームはサービス識別子付与部251等を介して障害監視部214に入力されるため、かかる切り替えに影響されない。従って、通信装置200は、かかる経路の切り替えによって、通信装置100との間のサービス障害に対する誤検出を防止できる。
【0161】
尚、サービス監視用障害監視部は、第2の実施例における第2の変形例(例えば図13)と同様に、専用の障害監視カード255を備え、障害監視カード255の障害監視部256によりサービスを監視することもできる。図35はかかる場合の通信装置200の構成例を示す図である。この場合、サービス識別テーブル252は、転送先として障害監視カード255のカード番号(又はボード番号)を記憶すればよい。
【0162】
<第5の実施例>
次に第5の実施例について説明する。第5の実施例では、第4の実施例におけるラインカード#1(201),#3(202)がそれぞれ2つある場合の例である。図26は第5の実施例における通信装置200の受信系の構成例、図27及び図28は動作例を夫々示す図である。尚、第5の実施例における通信装置200の送信系の構成例と動作例は、第2の実施例と同様に例えば図5、及び図8〜図9に示される。
【0163】
<構成例>
図26は第5の実施例における通信装置200の受信系の構成例を示す図である。例えば、図24のラインカード#1(201)は、図26のラインカード#1(210)とラインカード#2(220)に対応し、図4のラインカード#3(202)は、図26のラインカード#3(230)とラインカード#4(240)に対応する。また、2つのラインカード#1(210),#2(220)に、サービス識別子付与部251,253と、サービス識別テーブル252,254とを夫々備える。
【0164】
ラインカード#1(210)のサービス識別子付与部251は、現用VLANを介して受信したサービス監視用OAMフレーム(例えば、VLAN ID=1)を入力し、サービス識別テーブル252(例えば、図25(B))に従って、サービス識別子を付与する。また、サービス識別子付与部251は、サービス識別テーブル252に従って、サービス監視用の障害監視部214にサービス識別子が付与されたサービス監視用OAMフレームを転送する。
【0165】
ラインカード#2(220)のサービス識別子付与部253は、予備VLANを介して受信したサービス監視用OAMフレーム(例えば、VLAN ID=2)を入力する。サービス識別子付与部253は、サービス識別テーブル254(例えば、図25(C))に従って、サービス識別子を付与し、スイッチモジュール250を介して、サービス監視用の障害監視部214に転送する。
【0166】
障害監視部214は、同一(又は共通)のサービス識別子が付与されたサービス監視用OAMフレームを入力し、タイマ利用等により、サービスを監視する。
【0167】
<動作例>
次に第5の実施例における動作例を説明する。図27及び図28は動作例を説明するための図である。
【0168】
通信装置200は、通信装置100と接続された現用VLANが定常状態のとき、現用VLANからサービス監視用OAMフレーム(例えば、VLAN ID=1)を受信する。サービス識別子付与部251は、受信したサービス監視用OAMフレームを入力し、サービス識別子(例えば、「100」)を付与して、スイッチモジュール250を経由して、サービス監視用の障害監視部214に転送する(S70)。
【0169】
このとき、例えば、転送処理部213が通信装置300との経路を現用VLANから予備VLANに変更しても、障害監視部214は、経路変更に影響なくサービス監視用OAMフレームを入力する。
【0170】
一方、通信装置100と接続された現用VLANに障害等が発生し、経路が予備VLANに切り替えられた場合、ラインカード#2(220)がサービス監視用OAMフレーム(例えば、VLAN ID=2)を受信する。サービス識別子付与部253は、当該フレームにサービス識別子(例えば、「100」)を付与し、スイッチモジュール250を介してサービス監視用の障害監視部214に転送する(S71)。
【0171】
このとき、例えば、転送処理部223が通信装置300との経路を現用VLANから予備VLANに変更しても、障害監視部214は、経路変更に影響なく、サービス識別子付与部253からのサービス監視用OAMフレームを入力できる。
【0172】
障害監視部214は、サービス監視用OAMフレームを入力し(S70,S71)、例えばシーケンス番号等やタイマ等によりその連続性を確認することで、サービス障害を監視する。
【0173】
上述した例は、サービス識別子付与部251は、スイッチモジュール250を介して障害監視部214にサービス監視用OAMフレームを送信した。例えば、図28に示すように、サービス識別子付与部251は、当該OAMフレームを障害監視部214に直接出力することもできる(S70‐1)。
【0174】
このように本第5の実施例についても、現用VLANから受信したサービス監視用OAMフレームも、予備VLANから受信したサービス監視用OAMフレームも、異なるVLAN IDを持つものの、同一のサービス識別子が付与されて障害監視部214に入力される。障害監視部214は、通信装置100との経路が切り替えられても2つのOAMフレームを区別なく処理でき、当該OAMフレームの連続性等を確認することで、他の障害部等と連携することなく通信装置100との間のサービス障害を監視できる。
【0175】
また、転送処理部213により、通信装置300との経路が現用VLANから予備VLANに切り替えられたとしても、サービス監視用OAMフレームはサービス識別子付与部251等を介して障害監視部214に入力されるため、かかる切り替えに影響されない。従って、通信装置200は、かかる経路の切り替えによって、サービス障害に対する誤検出を防止できる。
【0176】
尚、第2の実施例で説明したが、専用の障害監視カード255と障害監視部256によりサービス障害を検出することもできる(例えば、図13、図15等)。この場合、例えば、図13及び図15において、VLAN ID変換部225に代えてサービス識別子付与部251,253、また、VLAN ID変換テーブル226に代えてサービス識別テーブル252,254を備えることで実施できる。
【0177】
専用の障害監視カード255が用いられる場合でも、障害監視部214によりサービス障害を検出する場合でも、例えば、サービス監視用OAMフレームの転送先を予め決めておくことで、サービス識別テーブル252の「障害監視カード番号」を削除でき情報量を削減できる。
【0178】
<第6の実施例>
次に第6の実施例を説明する。第6の実施例は、例えば、第4の実施例等と同様にサービス識別子を用いる場合の例であり、第3の実施例と同様に複数の障害監視部がサービス障害を監視する例である。
【0179】
図29は第6の実施例における通信装置200の受信系の構成例、図30(A)及び同図(B)はサービス識別テーブルの例、図31及び図32は動作例を夫々示す図である。尚、通信装置200の送信系の構成例は、第3の実施例と同様である(例えば図19)。
【0180】
<構成例>
第6の実施例における通信装置200の受信系の構成例を説明する。図29に示すように、ラインカード#1(210)のサービス識別子付与部251は、現用VLANから受信したサービス監視用OAMフレームに対して、サービス識別テーブル252に従ってサービス識別子を付与し、サービス識別子が付与された当該OAMフレームを複製する。サービス識別子付与部251は、サービス識別テーブル252に従って、スイッチモジュール250を介して2つの障害監視部214,224に、複製したOAMフレームを転送する。
【0181】
サービス識別テーブル252は、第5の実施例と同様に、対象となるVLAN IDと、付与すべきサービス識別子とを保持するが、更に、転送先として障害監視部214,224のあるすべてのカード番号(又はボード番号)の情報を保持する。図30(A)はサービス識別テーブル252に例を示す図である。この例の場合、サービス識別子「100」が付与された、VLAN IDが「1」のサービス監視用OAMフレームは、カード番号「1000」と「2000」に転送される。
【0182】
一方、サービス識別子付与部253は、予備VLANから受信した監視用OAMフレームに対して、サービス識別テーブル254に従ってサービス識別子を付与し、サービス識別子が付与された当該OAMフレームを複製する。サービス識別子付与部253は、サービス識別テーブル254に従って、スイッチモジュール250を介して障害監視部224とラインカード#1(210)の障害監視部214に、複製したOAMフレームを転送する。
【0183】
図30(B)は、サービス識別テーブル254の例を示す図である。この例の場合、サービス識別子「100」が付与された、VLAN IDが「2」のサービス監視用OAMフレームは、カード番号「1000」と「2000」に転送される。
【0184】
2つの障害監視部214,224は、ともに同一のサービス識別子が付与されたサービス監視用OAMフレームを入力し、タイマ等の利用により、通信装置100との間のサービスを監視できる。
【0185】
<動作例>
図31は第6の実施例における動作例を説明するための図である。サービス識別子付与部251は、通信装置100と接続された現用VLANが定常状態のとき、サービス監視用OAMフレーム(例えば、VLAN ID=1)を入力し、当該フレームにサービス識別子(例えば「100」)を付与する。サービス識別子付与部251は、スイッチモジュール250を介して、サービス識別子を付与したサービス監視用OAMフレームを2つの障害監視部214,224に転送する(S70,S75)。
【0186】
このとき、例えば、通信装置300と接続された現用VLANに障害が発生した場合、転送処理部213は現用VLANから予備VLANに経路を切り替えて、データフレーム等を送信することになる。しかし、サービス監視用OAMフレームはかかる経路切り替えに影響することなく、2つの障害監視部214,224に出力される。
【0187】
一方、通信装置100と接続された現用VLANに障害が発生した場合、経路が予備VLANに切り替えられ、サービス識別子付与部253は、当該予備VLANを介して入力されたサービス監視用OAMフレーム(例えば、VLAN ID=2)を入力する。サービス識別子付与部253は、入力したサービス監視用OAMフレームにサービス識別子(例えば、「100」)を付与した後、複製する。そして、サービス識別子付与部253は、スイッチモジュール250を経由して、2つの障害監視部214,224に複製したOAMフレームを転送する(S71,S76)。
【0188】
このときに、通信装置300との経路が現用VLANから予備VLANに切り替えられても、その切り替えに影響なく、当該OAMフレームは障害監視部214,224に出力される。
【0189】
障害監視部214は、現用VLANが定常状態のとき、サービス識別子付与部251からサービス監視用OAMフレームを入力し、経路が予備VLANに切り替えられたとき、サービス識別子付与部253からサービス監視用OAMフレームを入力する。障害監視部214は、経路が切り替えられても同一のサービス識別子が付与されたサービス監視用OAMフレームを入力し、当該OAMフレームの連続性等を確認することでサービス障害を監視する。
【0190】
一方、障害監視部224は、現用VLANが定常状態のとき、サービス識別子付与部251からサービス監視用OAMフレームを入力し、経路が予備VLANに切り替えられたとき、サービス識別子付与部253からサービス監視用OAMフレームを入力する。障害監視部224は、経路が切り替えられても同一のサービス識別子が付与されたサービス監視用OAMフレームを入力し、当該OAMフレームの連続性等を確認することでサービス障害を監視する。
【0191】
障害監視については、例えば、第3の実施例と同様に、サービス監視を行うことができない障害監視部214,224を含めて、すべての障害監視部214,224が障害発生を検知したときに、サービス障害であることが検出される。サービス監視を行うことができない障害監視部214,224があっても、他方の障害監視部224,214によりサービス障害が正常であることが検出されると、サービス障害でないとする。例えば、各障害監視部214,224に接続された上位装置に各障害監視部214,224がサービス障害の有無を通知することで実現できる。
【0192】
また、第3の実施例と同様に、同じラインカード#1(210),#2(220)内の障害監視部214,224に出力される場合、スイッチモジュール250を介さず、障害監視部214,224に直接出力することもできる。
【0193】
図32はかかる場合の動作例を説明するための図である。ラインカード#1(210)のサービス識別子付与部251は、複製したサービス監視用OAMフレームの一方を障害監視部214に直接出力し(S70‐1)、スイッチモジュール250を介して他方のOAMフレームを障害監視部224に出力する(S75)。一方、サービス識別子付与部253もスイッチモジュール250を介して障害監視部214に複製したOAMフレームの一方を出力し(S76)、他方を障害監視部224に直接出力する(S71‐1)。
【0194】
このように本第6の実施例についても、現用VLANから受信したサービス監視用OAMフレームも、予備VLANから受信したサービス監視用OAMフレームも、異なるVLAN IDを持つものの、同一のサービス識別子が付与されて障害監視部214に入力される。障害監視部214は、通信装置100との経路が切り替えられても2つのOAMフレームを区別なく処理でき、他の障害部等と連携することなく通信装置100との間のサービス障害を監視できる。
【0195】
また、転送処理部213により、通信装置300との間の経路が現用VLANから予備VLANに切り替えられたとしても、サービス監視用OAMフレームはサービス識別子付与部251等を介して障害監視部214に入力されるため、かかる切り替えに影響されない。従って、通信装置200は、かかる経路の切り替えによる通信装置100との間のサービス監視に対する誤検出を防止できる。
【0196】
更に、本第6の実施例において、2つのラインカード#1(210),#2(220)の各障害監視部214,224が通信装置100との間のサービス障害を監視しており、サービス障害を分散して監視できる。よって、ラインカード#1(210),#2(220)の一方に障害が発生した場合でも、他方のラインカード#2(220),#1(210)の障害監視部224,214がサービス障害を監視できる。
【0197】
<その他の実施例>
第2の実施例において、現用VLANと接続されたラインカード#1(210)の障害監視部214が、サービス監視用の障害監視部として説明した(例えば、図4)。例えば、予備VLANと接続されたラインカード#2(220)の障害監視部224がサービス監視用の障害監視部であってもよい。この場合、ラインカード#1(210)がVLAN ID変換部225とVLAN ID変換テーブル226とを備える。VLAN ID変換部225は、VLAN ID変換テーブル226に従って、サービス監視用OAMフレームのVLAN IDを予備VLANと同一のもの(例えば、VLAN ID=2)に変換して、障害監視部224に出力する。これにより障害監視部224に現用VLANと予備VLANから受信したサービス監視用OAMフレームが集められてサービス監視を行うことができる。よって、通信装置200は、他と連携しなくてもサービス障害を監視できる。また、障害監視部224は、通信装置300との経路の切り替えに影響なく当該フレームを入力できるためサービス障害に対する誤検出を防止できる。
【0198】
第5の実施例においても、ラインカード#1(210)の障害監視部214がサービス監視用の障害監視部として説明したが(例えば、図26)、例えば、ラインカード#2(220)の障害監視部224がサービス監視用の障害監視部であってもよい。この場合、ラインカード#1(210)のサービス識別テーブル252には転送先としてラインカード#2(220)が記憶され、サービス識別子付与部251はサービス識別子を付与したサービス監視用OAMフレームを障害監視部224に出力する。障害監視部224には、現用VLANと予備VLANから受信したサービス監視用OAMフレームが集められ、同一のVLAN IDとなって通信装置100との間のサービスを監視できる。よって、障害監視部224は、他と連携しなくてもサービスを監視できる。また、障害監視部224は、通信装置300との間の経路の切り替えに影響なく当該フレームを入力できるため、サービス障害の誤検出を防止できる。
【0199】
第1〜第6の実施例において、通信装置200と通信装置100とは、現用VLANと予備VLANの2つの経路で接続される例を説明した。例えば、かかる現用VLANと予備VLANが夫々複数あってもよい。この場合、通信装置200はラインカード#1(210)により複数の現用VLANと接続でき、ラインカード#2(220)により複数の予備VLANと接続できる。あるいは、通信装置200は、更に3つ以上のラインカードを備え、ラインカード毎に各現用VLANと各予備VLANとが接続されるようにしてもよい。いずれの場合においても、サービス監視用としていずれかの障害監視部が設定されて、当該障害監視部を有するラインカード以外のラインカードにおいて、VLAN ID変換部225とVLAN ID変換テーブル226とを各々備えるようにする。そして、VLAN ID変換部225は第1の実施例等と同様に、入力したサービス監視用OAMフレームのVLAN IDを現用VLANと同一又は共通VLAN IDにしてサービス監視用OAMフレームに転送すればよい。
【0200】
第1〜第6の実施例において、通信装置100との経路、及び通信装置300との経路について、現用VLANから予備VLANに切り替えられる例について説明した。例えば、各経路について予備VLANから現用VLANに切り替えられても、同様に第1〜第6の実施例はそれぞれ実施できる。
【0201】
以上まとめると付記のようになる。
【0202】
(付記1)
隣接通信装置との間を第1の経路と第2の経路とで接続され、該第1又は第2の経路を介して経路識別子を含むフレームを受信する通信装置において、
前記第1及び第2の経路から受信したフレーム夫々から、障害監視のためのフレームである第1及び第2の監視フレームを抽出する監視フレーム抽出部と、
入力された監視フレームに基づいて、障害を検出する障害監視部と、
前記監視フレーム抽出部で抽出された前記第1または第2の監視フレームに夫々含まれる前記経路識別子が同一となるように変換し、該フレームを前記障害監視部に入力する変換部と、
を備えることを特徴とする通信装置。
【0203】
(付記2)
前記監視フレーム抽出部は、前記第1の監視フレームを抽出する第1の監視フレーム抽出部と、前記第2の監視フレームを抽出する第2の監視フレーム抽出部とを備え、
前記変換部は、前記第1の監視フレームに挿入された第1の経路識別子を第3の経路識別子に変換する第1の変換部と、前記第2の監視フレームに挿入された第2の経路識別子を前記第3の経路識別子に変換する第2の変換部とを備え、
前記障害監視部は、前記第1及び第2の変換部から夫々出力された前記第1及び第2の監視フレームに基づいて前記障害を検出することを特徴とする付記1記載の通信装置。
【0204】
(付記3)
前記監視フレーム抽出部は、前記第1の監視フレームを抽出する第1の監視フレーム抽出部と、前記第2の監視フレームを抽出する第2の監視フレーム抽出部とを備え、
前記変換部は、前記第2の監視フレームに含まれる第2の経路識別子を前記第1の監視フレームに含まれる第1の経路識別子に変換し、
前記障害監視部は、前記第1の監視フレーム抽出部から出力された前記第1の監視フレームと、前記変換部から出力された前記第2の監視フレームに基づいて前記障害を検出することを特徴とする付記1記載の通信装置。
【0205】
(付記4)
前記第1の監視フレーム抽出部と前記第1の変換部、及び前記障害監視部は前記第1の経路が接続されたボード上に備えられていることを特徴とする付記2記載の通信装置。
【0206】
(付記5)
前記第1の監視フレーム抽出部と前記障害監視部は前記第1の経路が接続されたボード上に備えられていることを特徴とする付記3記載の通信装置。
【0207】
(付記6)
前記障害監視部は第1及び第2の障害監視部を備え、
前記第1の変換部は前記第3の経路識別子が挿入された前記第1の監視フレームを前記第1及び第2の障害監視部に出力し、
前記第2の変換部は前記第3の経路識別子が挿入された前記第2の監視フレームを前記第1及び第2の障害監視部に出力し、
前記第1及び第2の障害監視部は、前記第3の識別子が夫々挿入された前記第1及び第2の監視フレームに基づいて前記第1及び第2の経路に対する障害を夫々検出することを特徴とする付記2記載の通信装置。
【0208】
(付記7)
前記障害監視部は第1及び第2の障害監視部を備え、
前記第1の監視フレーム抽出部は前記第1の監視フレームを前記第1及び第2の障害監視部に出力し、
前記変換部は前記第1の経路識別子が挿入された前記第2の監視フレームを前記第1及び第2の障害監視部に出力し、
前記第1及び第2の障害監視部は、前記第1の経路識別子が夫々挿入された前記第1及び第2の監視フレームに基づいて前記第1及び第2の経路に対する障害を夫々検出することを特徴とする付記3記載の通信装置。
【0209】
(付記8)
前記第1の監視フレーム抽出部と前記第1の変換部、及び前記第1の障害監視部は前記第1の経路が接続されたボード上に備えられていることを特徴とする付記6記載の通信装置。
【0210】
(付記9)
前記第1の監視フレーム抽出部と前記第1の障害監視部は前記第1の経路が接続されたボード上に備えられていることを特徴とする付記7記載の通信装置。
【0211】
(付記10)
前記障害監視部は、前記監視フレーム抽出部と前記変換部とを備えるボードとは異なるボードに備えられていることを特徴とする付記1記載の通信装置。
【0212】
(付記11)
前記障害監視部は、第3及び第4の監視フレームを生成し、前記第3及び第4の監視フレームを前記第1及び第2の経路に夫々送信することを特徴とする付記1記載の通信装置。
【0213】
(付記12)
更に、第1及び第2の送信切替部を備え、
前記障害監視部は、第1及び第2の障害監視部を備え、
前記第1の障害監視部は、第3及び第4の監視フレームを生成し、当該第3及び第4の監視フレームを前記第1及び第2の送信切替部に夫々出力し、
前記第2の障害監視部は、前記第3又は第4の監視フレームを生成し、当該第3及び第4の監視フレームを前記第1及び第2の送信切替部に夫々出力し、
前記第1の送信切替部は、前記第1の障害監視部から出力された前記第3の監視フレームと前記第2の障害監視部から出力された前記第3の監視フレームとを入力し、いずれか一方を前記第1の経路に送信し、
前記第2の送信切替部は、前記第1の障害監視部から出力された前記第3の監視フレームと前記第2の障害監視部から出力された前記第4の監視フレームとを入力し、いずれか一方を前記第2の経路に送信することを特徴とする付記1記載の通信装置。
【0214】
(付記13)
隣接装置との間を第1の経路と第2の経路とで接続され、該第1又は第2の経路を介して経路識別子を含むフレームを受信する通信装置において、
前記第1及び第2の経路から受信したフレーム夫々から、障害監視のためのフレームである第1及び第2の監視フレームを抽出する監視フレーム抽出部と、
入力された監視フレームに基づいて、障害を監視する障害監視部と、
前記監視フレーム抽出部で抽出された前記第1及び第2の監視フレーム夫々に対してサービス識別子を付与し、該フレームを前記障害監視部に入力するサービス識別子付与部と、
を備えることを特徴とする通信装置。
【0215】
(付記14)
前記監視フレーム抽出部は、前記第1の経路から受信した前記第1の監視フレームを抽出する第1の監視フレーム抽出部と、前記第2の経路から受信した前記第2の監視フレームを抽出する第2の監視フレーム抽出部とを備え、
前記サービス識別子付与部は、前記第1の監視フレームに対して前記サービス識別子を付与する第1のサービス識別子付与部と、前記第2の監視フレームに対して前記サービス識別子を付与する第2のサービス識別子付与部とを備え、
前記障害監視部は前記第1及び第2のサービス識別子付与部から出力された前記第1及び第2の監視フレームに基づいて前記障害を検出することを特徴とする付記13記載の通信装置。
【0216】
(付記15)
前記第1の監視フレーム抽出部と前記第1のサービス識別子付与部、及び障害監視部は前記第1の経路が接続されたボードに備えられていることを特徴とする付記14記載の通信装置。
【0217】
(付記16)
前記障害監視部は第1及び第2の障害監視部を備え、
前記第1のサービス識別子付与部は前記サービス識別子が付与された前記第1の監視フレームを前記第1及び第2の障害監視部に出力し、
前記第2のサービス識別子付与部は前記サービス識別子が付与された前記第2の監視フレームを前記第1及び第2の障害監視部に出力し、
前記第1及び第2の障害監視部は、前記サービス識別子が夫々挿入された前記第1及び第2の監視フレームに基づいて前記第1及び第2の経路に対する前記障害を夫々検出することを特徴とする付記14記載の通信装置。
【0218】
(付記17)
前記障害監視部は、前記監視フレーム抽出部と前記サービス識別子付与部を備えるボートとは異なるボードに備えられていることを特徴とする付記13記載の通信装置。
【0219】
(付記18)
隣接装置との間を第1の経路と第2の経路とで接続され、該第1又は第2の経路を介して経路識別子を含むフレームを受信する通信装置における通信方法であって、
前記第1及び第2の経路から受信したフレーム夫々から、障害監視のためのフレームである第1及び第2の監視フレームを監視フレーム抽出部により抽出し、
前記監視フレーム抽出部で抽出された前記第1または第2の監視フレームに夫々含まれる前記経路識別子が同一となるように変換部により変換し、該フレームを前記変換部により障害監視部に入力し、
入力された該フレームに基づいて、前記障害監視部により障害を検出する、
ことを特徴とする通信方法。
【0220】
(付記19)
隣接装置との間を第1の経路と第2の経路とで接続され、該第1又は第2の経路を介して経路識別子を含むフレームを受信する通信装置における通信方法であって、
前記第1及び第2の経路から受信したフレーム夫々から、障害監視のためのフレームである第1及び第2の監視フレームを監視フレーム抽出部により抽出し、
前記監視フレーム抽出部で抽出された前記第1及び第2の監視フレーム夫々に対してサービス識別子をサービス識別子付与部により付与し、該フレームを前記サービス識別子付与部により障害監視部に入力し、
入力された該フレームに基づいて、前記障害監視部により障害を監視する、
ことを特徴とする通信方法。
【符号の説明】
【0221】
1:通信システム 100,200,300:通信装置
201,202:ラインカード#1,#3
210〜240:ラインカード#1〜#4
212,222:OAM抽出部 213,223:転送処理部
214,224,256:障害監視部
215,225:VLAN ID変換部 216,226:VLAN ID変換テーブル
217,227:送信切替部 250:スイッチモジュール
251,253:サービス識別子付与部 252,254:サービス識別テーブル
255:障害監視カード 2121:障害監視部位置テーブル
2131:MAC転送テーブル 2141,2241:OAM送信制御テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
隣接通信装置との間を第1の経路と第2の経路とで接続され、該第1又は第2の経路を介して経路識別子を含むフレームを受信する通信装置において、
前記第1及び第2の経路から受信したフレーム夫々から、障害監視のためのフレームである第1及び第2の監視フレームを抽出する監視フレーム抽出部と、
入力された監視フレームに基づいて、障害を検出する障害監視部と、
前記監視フレーム抽出部で抽出された前記第1または第2の監視フレームに夫々含まれる前記経路識別子が同一となるように変換し、該フレームを前記障害監視部に入力する変換部と、
を備えることを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記監視フレーム抽出部は、前記第1の監視フレームを抽出する第1の監視フレーム抽出部と、前記第2の監視フレームを抽出する第2の監視フレーム抽出部とを備え、
前記変換部は、前記第1の監視フレームに挿入された第1の経路識別子を第3の経路識別子に変換する第1の変換部と、前記第2の監視フレームに挿入された第2の経路識別子を前記第3の経路識別子に変換する第2の変換部とを備え、
前記障害監視部は、前記第1及び第2の変換部から夫々出力された前記第1及び第2の監視フレームに基づいて前記障害を検出することを特徴とする請求項1記載の通信装置。
【請求項3】
前記監視フレーム抽出部は、前記第1の監視フレームを抽出する第1の監視フレーム抽出部と、前記第2の監視フレームを抽出する第2の監視フレーム抽出部とを備え、
前記変換部は、前記第2の監視フレームに含まれる第2の経路識別子を前記第1の監視フレームに含まれる第1の経路識別子に変換し、
前記障害監視部は、前記第1の監視フレーム抽出部から出力された前記第1の監視フレームと、前記変換部から出力された前記第2の監視フレームに基づいて前記障害を検出することを特徴とする請求項1記載の通信装置。
【請求項4】
前記障害監視部は第1及び第2の障害監視部を備え、
前記第1の変換部は前記第3の経路識別子が挿入された前記第1の監視フレームを前記第1及び第2の障害監視部に出力し、
前記第2の変換部は前記第3の経路識別子が挿入された前記第2の監視フレームを前記第1及び第2の障害監視部に出力し、
前記第1及び第2の障害監視部は、前記第3の識別子が夫々挿入された前記第1及び第2の監視フレームに基づいて前記第1及び第2の経路に対する障害を夫々検出することを特徴とする請求項2記載の通信装置。
【請求項5】
前記障害監視部は第1及び第2の障害監視部を備え、
前記第1の監視フレーム抽出部は前記第1の監視フレームを前記第1及び第2の障害監視部に出力し、
前記変換部は前記第1の経路識別子が挿入された前記第2の監視フレームを前記第1及び第2の障害監視部に出力し、
前記第1及び第2の障害監視部は、前記第1の経路識別子が夫々挿入された前記第1及び第2の監視フレームに基づいて前記第1及び第2の経路に対する障害を夫々検出することを特徴とする請求項3記載の通信装置。
【請求項6】
更に、第1及び第2の送信切替部を備え、
前記障害監視部は、第1及び第2の障害監視部を備え、
前記第1の障害監視部は、第3及び第4の監視フレームを生成し、当該第3及び第4の監視フレームを前記第1及び第2の送信切替部に夫々出力し、
前記第2の障害監視部は、前記第3又は第4の監視フレームを生成し、当該第3及び第4の監視フレームを前記第1及び第2の送信切替部に夫々出力し、
前記第1の送信切替部は、前記第1の障害監視部から出力された前記第3の監視フレームと前記第2の障害監視部から出力された前記第3の監視フレームとを入力し、いずれか一方を前記第1の経路に送信し、
前記第2の送信切替部は、前記第1の障害監視部から出力された前記第3の監視フレームと前記第2の障害監視部から出力された前記第4の監視フレームとを入力し、いずれか一方を前記第2の経路に送信することを特徴とする請求項1記載の通信装置。
【請求項7】
隣接装置との間を第1の経路と第2の経路とで接続され、該第1又は第2の経路を介して経路識別子を含むフレームを受信する通信装置において、
前記第1及び第2の経路から受信したフレーム夫々から、障害監視のためのフレームである第1及び第2の監視フレームを抽出する監視フレーム抽出部と、
入力された監視フレームに基づいて、障害を監視する障害監視部と、
前記監視フレーム抽出部で抽出された前記第1及び第2の監視フレーム夫々に対してサービス識別子を付与し、該フレームを前記障害監視部に入力するサービス識別子付与部と、
を備えることを特徴とする通信装置。
【請求項8】
前記監視フレーム抽出部は、前記第1の経路から受信した前記第1の監視フレームを抽出する第1の監視フレーム抽出部と、前記第2の経路から受信した前記第2の監視フレームを抽出する第2の監視フレーム抽出部とを備え、
前記サービス識別子付与部は、前記第1の監視フレームに対して前記サービス識別子を付与する第1のサービス識別子付与部と、前記第2の監視フレームに対して前記サービス識別子を付与する第2のサービス識別子付与部とを備え、
前記障害監視部は前記第1及び第2のサービス識別子付与部から出力された前記第1及び第2の監視フレームに基づいて前記障害を検出することを特徴とする請求項7記載の通信装置。
【請求項9】
隣接装置との間を第1の経路と第2の経路とで接続され、該第1又は第2の経路を介して経路識別子を含むフレームを受信する通信装置における通信方法であって、
前記第1及び第2の経路から受信したフレーム夫々から、障害監視のためのフレームである第1及び第2の監視フレームを監視フレーム抽出部により抽出し、
前記監視フレーム抽出部で抽出された前記第1または第2の監視フレームに夫々含まれる前記経路識別子が同一となるように変換部により変換し、該フレームを前記変換部により障害監視部に入力し、
入力された該フレームに基づいて、前記障害監視部により障害を検出する、
ことを特徴とする通信方法。
【請求項10】
隣接装置との間を第1の経路と第2の経路とで接続され、該第1又は第2の経路を介して経路識別子を含むフレームを受信する通信装置における通信方法であって、
前記第1及び第2の経路から受信したフレーム夫々から、障害監視のためのフレームである第1及び第2の監視フレームを監視フレーム抽出部により抽出し、
前記監視フレーム抽出部で抽出された前記第1及び第2の監視フレーム夫々に対してサービス識別子をサービス識別子付与部により付与し、該フレームを前記サービス識別子付与部により障害監視部に入力し、
入力された該フレームに基づいて、前記障害監視部により障害を監視する、
ことを特徴とする通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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