説明

通信装置、移動端末、データ通信方法

【課題】緊急時や災害発生時など個別トラフィックチャネルによる通信が輻輳するときに、より確実にユーザデータによる通信を行うことを可能にする中継装置、移動端末、データ通信方法を提供すること。
【解決手段】移動端末と、無線アクセスネットワーク上に配置されて前記移動端末との間の通信において無線リソース制御を行う中継装置との間で、ユーザデータを送信するときのデータ通信方法である。例えば、移動端末UEは、RRCメッセージに収容可能な所定量のデータごとにユーザデータを分割し、その所定量のユーザデータをそれぞれ含む複数のRRCメッセージを生成して中継装置RN宛に送信する。中継装置RNは、移動端末UEから複数のRRCメッセージを受信し、受信した複数のRRCメッセージの各々から上記所定量のデータを抽出して結合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線アクセスネットワークにおけるユーザデータの送受信技術に関する。
【背景技術】
【0002】
緊急時や災害発生時に危険地域を監視するための通信用の専用線は既に存在しているが、地震等で断線してしまった場合には、危険地域の監視を行うことはできなくなる。そのため、緊急時や災害発生時には無線通信に依存する可能性が高くなる。このとき、例えば災害発生時は多くのユーザが移動端末による無線通信を試みるために、トラフィックが輻輳することで、通常のメールの送受信・通話を行うことは困難となり、移動端末による通信が通常時よりも機能しない場合が生ずる。これは多くのユーザが一斉に通信を試みた結果、ユーザデータの送受信に必要な個別トラフィックチャネル(DTCH: Dedicated Traffic Channel)が不足するためである。
【0003】
かかる観点から、緊急時や災害発生時に優先度が低いユーザデータ(例えばメールデータ等)が送信されにくくなっていたことに鑑み、送信優先度をサービスタイプに応じて定めるようにしたデータ送信方法が知られている。この公知のデータ送信方法によれば、移動端末のRLC(Radio Link Control)レイヤ又はパケットデータ収束プロトコル(PDCP:Packet Data Convergence Protocol)サブレイヤにおいて、送信データが格納されるパケットのヘッダに設定されたサービスタイプ情報を検出する。そして、上位レイヤにおいて設定した各送信データのサービスタイプをこれらのレイヤにて検出し、検出したサービスタイプに応じて下位レイヤであるMAC(Media Access Control)レイヤにおける上りリンク帯域の割り当て優先度を決定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−303030号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述した従来のデータ送信方法では、高い優先度で割り当てられたデータが送信される可能性は高くなるものの、緊急時や災害発生時など個別トラフィックチャネルによる通信が輻輳するときには優先度が高いデータであっても、必ず送信できるとは限らない。
【0006】
よって、発明の1つの側面では、緊急時や災害発生時など個別トラフィックチャネルによる通信が輻輳するときに、より確実にユーザデータによる通信を行うことを可能にする通信装置、移動端末、データ通信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の観点では、無線アクセスネットワーク上に配置されて移動端末との間の通信において無線リソース制御を行う通信装置が提供される。
この通信装置は、
無線リソース制御メッセージに収容可能な所定量のデータごとに、移動端末へ送信すべきユーザデータを複数のデータに分割する第1データ処理部と、
前記複数のデータの各々を無線リソース制御メッセージに収容させて移動端末へ送信する第1送信部と、
移動端末から複数の無線リソース制御メッセージを受信する第1受信部と、
前記第1受信部が受信した複数の無線リソース制御メッセージの各々から前記所定量のデータを抽出して結合する第2データ処理部と、
を備える。
【0008】
第2の観点では、無線アクセスネットワーク上に配置されて無線リソース制御を行う通信装置との間で通信を行う移動端末が提供される。
この移動端末は、
無線リソース制御メッセージに収容可能な所定量のデータごとに、前記通信装置へ送信すべきユーザデータを複数のデータに分割する第3データ処理部と、
前記複数のデータの各々を無線リソース制御メッセージに収容させて前記通信装置へ送信する第2送信部と、
前記通信装置から複数の無線リソース制御メッセージを受信する第2受信部と、
前記第2受信部が受信した複数の無線リソース制御メッセージの各々から前記所定量のデータを抽出して結合する第4データ処理部と、
を備える。
【0009】
第3の観点では、移動端末と、無線アクセスネットワーク上に配置されて前記移動端末との間の通信において無線リソース制御を行う通信装置との間で、一方が送信装置、他方が受信装置となってユーザデータの通信を行うときのデータ通信方法が提供される。
このデータ通信方法は、
送信装置は、無線リソース制御メッセージに収容可能な所定量のデータごとにユーザデータを分割し、
送信装置は、前記所定量のユーザデータをそれぞれ含む複数の無線リソース制御メッセージを生成して受信装置宛に送信し、
受信装置は、前記送信装置から前記複数の無線リソース制御メッセージを受信し、
受信装置は、受信した複数の無線リソース制御メッセージの各々から前記所定量のデータを抽出して結合する、
ことを含む。
【発明の効果】
【0010】
開示の通信装置、移動端末、データ通信方法によれば、緊急時や災害発生時など個別トラフィックチャネルによる通信が輻輳するときに、より確実にユーザデータによる通信を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施形態の無線通信システムを示す図。
【図2】実施形態の制御プレーンのプロトコルスタックを示す図。
【図3】実施形態の基地局の主要部の構成を示すブロック図。
【図4】実施形態の移動端末の主要部の構成を示すブロック図。
【図5】実施形態の基地局および移動端末の機能ブロック図。
【図6】実施形態の無線通信システムにおいて移動端末がユーザデータを送信するときのシーケンス図。
【図7】実施形態の無線通信システムにおいて移動端末がユーザデータを受信するときのシーケンス図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(1)実施形態の無線通信システム
先ず図1を参照して、実施形態の無線通信システムについて説明する。
図1に示すように、実施形態の無線通信システムは、基地局eNBのセルをいくつかのエリアに分離し、各エリアに無線処理を行うRRH(Remote Radio Head)を配置した例を示している。図1に示す基地局eNBは、7個のRRH−1,RRH−2,…,RRH−7と、各RRHと光ケーブル(図1では点線で示す。)によって接続される中継装置RNと、蓄積サーバDSとを含む。中継装置RNは主としてベースバンド処理を行う。各RRHと中継装置RNの間の光ケーブルは例えば10Km程度離れていてもよい。各RRHと中継装置RNの間の通信は、例えばOBSAI(Open Base Station Architecture Initiative)やCPRI(Common Public Radio Interface)といった汎用インタフェースが使用されてよい。
なお、基地局eNBは、通信装置の一例である。
【0013】
なお、本実施形態の無線通信システムでは一例として、LTE(Long Term Evolution)における無線アクセスネットワークであるE−UTRAN(Evolved UMTS Terrestrial Radio Access Network)内のシステムを想定している。E−UTRANでは、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)とは異なり、基地局eNBがRRC(Radio Resource Control),RLC(Radio Link Control)の機能を担う。基地局eNBの上位には、制御プレーンの処理を行うMME(Mobility Management Entity;モビリティ管理機能)が存在する。
【0014】
図1に示した無線通信システムにおいてセル内の移動端末UEが基地局eNBを介して通信を行うときに、緊急時や災害発生時の状況下では、基地局eNBより上位の無線アクセスネットワーク側で一般の通信を規制することを報知する。このような状況下では、個別トラフィックチャネル(DTCH: Dedicated Traffic Channel)を確保することはできないが、個別制御チャネル(DCCH: Dedicated Control Channel)によるトラフィックは疎通できる可能性が高い。個別制御チャネルは、移動端末UEと基地局eNBの間でのRRCメッセージの送受信に利用されるチャネルである。本実施形態では、RRCメッセージにユーザデータを収容させることにより、緊急時や災害発生時の状況下においてもユーザデータの送受信を行うことを可能とする。
【0015】
緊急時や災害発生時の状況下でRRCメッセージにユーザデータを収容させるため、本実施形態では、RRCメッセージの“UL(DL) INFORMATION TRANSFER”を利用する。図2は制御プレーンのプロトコルスタックを示している。ここで、LTE等の無線通信システムでは、RRCよりも上位のプロトコルにはNAS(Non-Access Stratum)メッセージが含まれているが、本実施形態では、緊急時や災害発生時の状況下においてNASメッセージの代わりに送信側(基地局eNBあるいは移動端末UE)でユーザデータを挿入する。
【0016】
また、本実施形態では、RRCよりも上位のプロトコルデータに、NASメッセージ(例えば平常時)、あるいはユーザデータ(緊急時や災害発生時)のいずれかのデータが含まれているか中継装置RNで判別できるようにするためのIE(Information Element)を以下のとおり定義する。すなわち、RRCメッセージである“UL(DL) INFORMATION TRANSFER”の中のIEである“dedicated Info Type”の値として、新たに“dedicated Info U”を設ける。なお、“UL(DL) INFORMATION TRANSFER”については、例えば3GPP(3rd Generation Partnership Project)の標準仕様書である“3GPP TS 36.331 V9.4.0 (2010-09) 3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Radio Access Network; Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA); Radio Resource Control (RRC); Protocol specification (Release 9)”を参照されたい。
【0017】
中継装置RNは、RRCメッセージとして“UL(DL) INFORMATION TRANSFER”を受信したときには、このRRCメッセージ内のIEである“dedicated Info Type”の値をチェックする。中継装置RNは、受信したRRCメッセージの“dedicated Info Type”の値が“dedicated Info NAS”であれば、このメッセージの内容(NASメッセージ)を確認することなく、RRCメッセージをMMEあるいは移動端末UEへ転送する。中継装置RNは、受信したRRCメッセージの“dedicated Info Type”の値が“dedicated Info U”である場合には、受信したRRCメッセージにユーザデータが含まれていると判断する。
中継装置RNは、送信すべきRRCメッセージにユーザデータを含ませる場合には、送信すべきRRCメッセージの“dedicated Info Type”の値を“dedicated Info U”に設定する。
【0018】
ここで、1つのRRCメッセージが収容することができるユーザデータの量は僅かである。そこで、中継装置RNと移動端末UEの間では、本来送信すべきユーザデータを複数の所定量のデータに分割して送信を行う。このとき、送信側において、上述した“dedicated Info Type”の値を“dedicated Info U”に設定した複数のRRCメッセージの各々に、分割した所定量のデータを含ませた上で、RRCメッセージを送信する。受信側では、受信したRRCメッセージの“dedicated Info Type”の値を確認し、ユーザデータが分割された個々のデータが含まれているかどうかのチェックを行う。そして、受信側では、同一のコネクションIDと関連付けて、複数のRRCメッセージに含まれている所定の複数のデータを結合して元のユーザデータを生成する。
【0019】
より具体的には、移動端末UEからMMEへユーザデータを送信するときには、中継装置RNは、移動端末UEから受信した複数のRRCメッセージの各々から、分割されたユーザデータを抽出して蓄積サーバDNへ転送する。蓄積サーバDNは、分割されたユーザデータ(所定量のデータ)をコネクションID単位ですべて受信したことを確認し、その複数の分割されたユーザデータを結合して元のユーザデータを結合してMMEへ送信する。逆に、MMEから移動端末UEへユーザデータを送信するときには、蓄積サーバDNはMMEから受信したユーザデータを分割し、中継装置RNは、分割したユーザデータ(所定量のデータ)を複数のRRCメッセージの各々に挿入して移動端末UEへ送信する。
【0020】
(2)基地局eNBおよび移動端末UEの構成
次に、本実施形態の基地局eNBおよび移動端末UEの構成について、図3および図4を参照して説明する。図3は、本実施形態の基地局eNBの主要部の構成を示すブロック図である。図4は、本実施形態の移動端末UEの主要部の構成を示すブロック図である。なお、図3の構成は、図1に示したシステムに適用される一例である。
【0021】
先ず図3を参照すると、本実施形態の基地局eNBは、エリアごとに設けられる複数のRRHであるRRH−1,RRH−2,…,RRH−7と、中継装置RNとを備える。
RRHは、送信アンテナおよび受信アンテナ(デュプレクサを設けて両アンテナを共用してよい。)と、無線送信部と、無線受信部(いずれも図示せず)とを備える。
無線送信部は、D/A(Digital to Analog)変換器、ローカル周波数発信器、ミキサ、パワーアンプ、フィルタ等を備える。無線送信部は、中継装置RNから受信した移動端末UE宛の送信信号(ベースバンド信号)を、ベースバンド周波数から無線周波数へアップコンバート等した後に、送信アンテナから空間へ放射する。
無線受信部は、帯域制限フィルタ、ローノイズアンプ(LNA: Low Noise Amplifier)、ローカル周波数発信器、直交復調器、AGC(Automatic Gain Control)アンプ、A/D(Analog to Digital)変換器などを含む。無線受信部は、受信アンテナにおいて移動端末UEから受信した無線信号をデジタルベースバンド信号に変換し、そのベースバンド信号を中継装置RN宛に送信する。
【0022】
中継装置RNは、各RRHに対応した複数のベースバンド部BBU(Base Band Unit)であるBBU−1,BBU−2,…,BBU−7と、L2スイッチ10と、ネットワークI/F(Interface)20、制御部30、および、メモリ31を備える。
各ベースバンド部BBUは、対応するRRHからベースバンド信号を受信するときには、そのベースバンド信号の復調処理、および、誤り訂正の復号処理(デコード)を行った後、処理後の受信信号をL2スイッチへ送出する。各ベースバンド部BBUは、各RRHへベースバンド信号を送信するときには、L2スイッチ10から与えられるベースバンドの送信信号に対して、誤り訂正の符号化処理(エンコード)、および、変調処理を行った後、処理後の送信信号を各RRHへ送出する。
【0023】
L2スイッチ10は、各ベースバンド部BBUとネットワークI/F20の間でレイヤ2のスイッチとして機能する。L2スイッチ10は、MMEからネットワークI/F20を経由して受信した信号を、その宛先を送信先の移動端末UEに応じたベースバンド部BBUごとに振り分けて転送する。また、L2スイッチ10は、各ベースバンド部BBUから受信した信号を順に、ネットワークI/F20へ送出する。
【0024】
ネットワークI/F20は、MMEとS1インタフェースで、あるいは他の基地局eNBとX2インタフェースで信号の授受を行うための回路を含む。
制御部30は、マイクロコントローラを主体として構成され、例えばRAM(Random Access Memory)および/またはROM(Read Only Memory)として構成されるメモリ31を利用しながら制御チャネルに応じた信号制御を行う。例えば、制御部30は、ネットワークI/F20から個別制御チャネル(DCCH)の信号を受け入れてその内容に応じた制御を行う。なお、制御部30およびメモリ31によって実行される機能については後述する。
【0025】
次に図4を参照すると、本実施形態の移動端末UEは、アンテナ44と、無線処理部45と、変復調部46と、符号化・復号化部47と、制御部50と、アプリケーション処理部60と、メモリ51,61とを備える。
無線処理部45は、無線送信部と無線受信部(いずれも図示せず)を備え、アナログ回路およびデジタル回路から構成される。
無線送信部は、D/A変換器、ローカル周波数発信器、ミキサ、パワーアンプ、フィルタ等を備える。無線送信部は、変復調部46からの基地局eNB宛の送信信号(ベースバンド信号)を、ベースバンド周波数から無線周波数へアップコンバート等した後に、アンテナ44から空間へ放射する。
無線受信部は、帯域制限フィルタ、ローノイズアンプ、ローカル周波数発信器、直交復調器、AGCアンプ、A/D変換器などを含む。無線受信部は、アンテナ44において基地局eNB(RRH)から受信した無線信号をデジタルベースバンド信号に変換し、そのベースバンド信号を変復調部46へ送出する。
【0026】
変復調部46は、信号受信時には無線処理部45から送出される受信信号に対して復調処理を行い、信号送信時には符号化・復号化部47から送出される送信信号に対して変調処理(デコード)を行う。符号化・復号化部47は、信号受信時には変復調部46から送出される受信信号に対して復号処理を行い、信号送信時には制御部50から送出される送信信号に対して符号化処理(エンコード)を行う。
変復調部46および符号化・復号化部47は、DSP(Digital Signal Processor)等のデジタル回路によって実現されうる。
【0027】
制御部50は、マイクロコントローラを主体として構成され、RAMおよび/またはROMとして構成されるメモリ51を利用しながら制御チャネル(DCCH)およびユーザデータ用個別チャネル(DTCH)に応じた信号制御を行う。なお、制御部50およびメモリ51によって実行される機能については後述する。
アプリケーション処理部60は、マイクロコントローラ(制御部50と共用のものでもよい。)を主体として構成され、RAMおよび/またはROMとして構成されるメモリ61を利用しながら、例えば基地局eNBから受信したユーザデータに基づいて所定のアプリケーションプログラムを実行する。
【0028】
(3)基地局eNBおよび移動端末UEの機能ブロックおよびシーケンス
次に、基地局eNBおよび移動端末UEによって実現される主要な機能について、図5に示す機能ブロック図を参照して説明する。
【0029】
図5に示すように、移動端末UEは、RRC受信部501、RRC判断部502、RRC送信部503、データ処理部504、およびRRC作成部505の各機能ブロックを含む機能ブロック群500を備える。機能ブロック群500の各機能ブロックは主として、符号化・復号化部47、制御部50によって実現される。
【0030】
RRC受信部501は、中継装置RNからRRCメッセージを受信し、デコードする機能ブロックである。
RRC判断部502は、受信したRRCメッセージが負荷規制(解除)通知を含む報知情報であるか判断するとともに、受信したRRCメッセージにユーザデータの一部が含まれているか判断する機能ブロックである。
RRC送信部503は、自装置内で作成したRRCメッセージをエンコードして、中継装置RN宛に送信する機能ブロックである。
データ処理部504は、自端末からユーザデータを送信するときに、送信モードに応じてユーザデータを所定のデータ量に分割し、自端末に対するユーザデータを受信するときに、送信モードに応じて所定量の分割されたユーザデータを結合する機能ブロックである。
RRC作成部505は、IE(Information Element)の値を設定した上でRRCメッセージ作成する機能ブロックである。
【0031】
図5に示すように、中継装置RNは、RRC受信部301、RRC判断部302、MSG送信部303、S1作成部304、RRC作成部305、データ受信部306、データ作成部307、およびS1受信部308の各機能ブロックを含む機能ブロック群300を備える。機能ブロック群300の各機能ブロックは主として、ベースバンド処理部BBU、制御部30によって実現される。
【0032】
RRC受信部301は、移動端末UEからRRCメッセージを受信し、デコードする機能ブロックである。
RRC判断部302は、受信したRRCメッセージにユーザデータの一部が含まれているか判断する機能ブロックである。
MSG送信部303は、自装置内で作成したメッセージをエンコードして、他ノードに送信する機能ブロックである。
S1作成部304は、IEを設定した上でS1メッセージを作成する機能ブロックである。
RRC作成部305は、受信したメッセージを元に移動端末UEへ送信するRRCメッセージを作成する機能ブロックである。
データ受信部306は、蓄積サーバDSからデータを受信し、デコードする機能ブロックである。
データ作成部307は、蓄積サーバDSへユーザデータを送信するメッセージを作成する機能ブロックである。
S1受信部308は、MMEから送信されたS1メッセージを受信し、デコードする機能ブロックである。
【0033】
図5に示すように、蓄積サーバDSは、データ受信部701、データ処理部702、およびMSG送信部703の機能ブロックを備える。また、蓄積サーバDSは、コネクションIDテーブルメモリ704と、データメモリ705とを備える。蓄積サーバDSでは例えば、マイクロコントローラ、RAMおよび/またはROM等のメモリ、およびデジタル回路による送受信部によって上記各機能ブロックが実現される。
【0034】
データ受信部701は、中継装置RNまたはMMEからRRCメッセージを受信し、デコードする機能ブロックである。
データ処理部702は、移動端末UEのユーザデータをMMEへ送信するときには中継装置RNからのデータを結合する処理を、MMEからのユーザデータを移動端末UEへ送信するときにはユーザデータを分割する処理を、コネクションID単位で行う機能ブロック図である。
MSG送信部703は、自装置内で作成したRRCメッセージをエンコードして、中継装置RNあるいはMMEへ送信する機能ブロックである。
コネクションIDテーブルメモリ704は、処理対象のユーザデータとコネクションIDを関連付けるための記憶装置である。
データメモリ705は、送信あるいは結合すべきデータを一時的に格納する記憶装置である。
【0035】
(4)基地局eNBおよび移動端末UEのシーケンス
次に、図6および図7を参照して、移動端末UEとMMEの間でRRCメッセージにユーザデータを挿入して送信あるいは受信するときのシーケンスを説明する。図6は移動端末UEがユーザデータを送信するときのシーケンスを示しており、図7は移動端末UEがユーザデータを受信するときのシーケンスを示している。
【0036】
(4−1)データ送信シーケンス
先ず、移動端末UEがユーザデータを送信するときのシーケンスについて説明する。
緊急時や災害発生時には先ず、移動端末UEのRRC受信部501は、ネットワーク(MME)から送信される報知情報(負荷規制)を中継装置RNを通して受信し、デコードする(ステップS10)。RRC受信部501は、デコードした報知情報をRRC判断部502へ送る。RRC判断部502は、受信したRRCメッセージが負荷規制通知を含む報知情報である場合、負荷規制を有効にするか否かを管理するための負荷規制フラグ(ON:有効、OFF:無効)をONにする(ステップS20)。
【0037】
送信すべきユーザデータが発生した場合、移動端末UEのデータ処理部504は、RRC作成部505に対してデータ送信要求を発行する。送信するユーザデータはデータ処理部504で保持しておく。RRC作成部505は、データ送信要求を受信した場合、先ず負荷規制フラグを参照し、データ送信において、ユーザデータを複数に分割して送信する送信方式(以下、「分割送信モード」という。)を使用するか否か判断する。RRC作成部505は、負荷規制フラグがONであるならば、分割送信モードを使用することを決定する。
【0038】
RRC作成部505はデータ送信のコネクション確立のためにRRC CONNECTION REQUESTメッセージを作成し、RRC送信部503へ送る。ただし、負荷規制フラグがONである場合、分割送信モードを使用する旨をRRC CONNECTION REQUESTに含める。RRC送信部503は、RRC作成部505より送られたメッセージをエンコードし、中継装置RNへ送信する(ステップS30)。なお、図6および図7において、RRC CONNECTION REQUEST(分割送信)等、「分割送信」を括弧書きで含む信号は、分割送信モードを使用する旨の情報を含むことを意味する。
【0039】
中継装置RNのRRC受信部301は、移動端末UEより送信されたRRC CONNECTION REQUESTメッセージを受信し、デコードする。RRC受信部301は、デコードしたメッセージをRRC判断部302に送る。RRC判断部302は、受信したRRCメッセージにユーザデータが含まれていない場合、デコードされたメッセージをRRC作成部305へ渡す。RRC判断部302は、受信したRRCメッセージがRRC CONNECTION REQUEST(分割送信)である場合、分割送信モードを有効にするか否かを管理するための分割送信フラグ(ON:有効、OFF:無効)をONにする(ステップS40)。なお、分割送信フラグはコネクションIDごとに管理される。
RRC作成部305は、RRC CONNECTION REQUEST(分割送信)を受信した場合、個別制御チャネル(DCCH)の無線ベアラ(SRB1)の設定を行い、MSG送信部303に対してRRC CONNECTION SETUPの送信要求を発行する。その送信要求に係るコネクションが分割送信モードであることをRRC作成部305は保持しておく。MSG送信部303は、RRC作成部305から受けたRRC CONNECTION SETUPをエンコードし、移動端末UEへ送信する(ステップS50)。
【0040】
移動端末UEのRRC受信部501は、中継装置RNが送信したRRC CONNECTION SETUPを受信してデコードし、そのデコードしたメッセージをRRC判断部502へ送る。RRC判断部502は、受信したメッセージにユーザデータが含まれていないこと、およびこのメッセージが報知情報ではないことを確認し、RRC作成部505へデコードされたデータを送る。RRC作成部505は、RRC CONNECTION SETUP COMPLETE を作成し、RRC送信部503へメッセージ送信要求を発行する。RRC送信部503は、RRC作成部503より送られたRRC CONNECTION SETUP COMPLETE をエンコードし、中継装置RNへ送信する(ステップS60)。
【0041】
中継装置RNのRRC受信部301は、移動端末UEより送信されたRRC CONNECTION SETUP COMPLETE を受信し、受信したRRC CONNECTION SETUP COMPLETEをデコードしてRRC判断部302へ送る。RRC判断部302は、受信したメッセージ(RRC CONNECTION SETUP COMPLETE)にユーザデータが含まれていないことを確認し、そのメッセージをRRC作成部305へ送る。RRC作成部305は、RRC CONNECTION SETUP COMPLETEを受信したことをS1作成部304へ通知する。S1作成部304は、RRC CONNECTION SETUP COMPLETEの受信通知を受けるとINITIAL UE MESSAGEを作成し、そのメッセージとともにMSG送信部303へ送信要求を発行する。MSG送信部303は、S1作成部304から受信したメッセージをデコードし、MMEへ送信する(ステップS70)。
【0042】
中継装置RNから送信されたINITIAL UE MESSAGEに応じてMMEは、中継装置RNにINITIAL CONTEXT SETUPを送信する(ステップS80)。中継装置RNのS1受信部308は、MMEから受信したINITIAL CONTEXT SETUPをデコードし、当該メッセージをS1作成部304へ送る。S1作成部304は、RRC作成部305へINITIAL CONTEXT SETUPの受信を通知する。RRC作成部305は、S1作成部304からINITIAL CONTEXT SETUP受信通知を受けるとSECURITY MODE COMMANDを作成し、当該メッセージをMSG送信部303へ送信するとともに、MSG送信部303へ送信要求を発行する。MSG送信部303は、RRC作成部305から受信したSECURITY MODE COMMANDをエンコードし、移動端末UEへ送信する(ステップS90)。
【0043】
移動端末UEのRRC受信部501は、中継装置RNが送信したSECURITY MODE COMMANDを受信し、デコードする。RRC受信部501は、デコードしたメッセージをRRC判断部502へ送る。RRC判断部502は、受信したメッセージ(SECURITY MODE COMMAND)にユーザデータが含まれていないこと、およびこのメッセージが報知情報ではないことを確認し、RRC作成部505へデコードされたメッセージを渡す。RRC作成部505は、SECURITY MODE COMPLETE を作成し、RRC送信部503へ当該メッセージの送信要求を発行する。RRC送信部503は、RRC作成部505から受信したSECURITY MODE COMPLETE をエンコードし、中継装置RNへ送信する(ステップS100)。
【0044】
中継装置RNのRRC受信部301は、移動端末UEより送信されたSECURITY MODE COMPLETEを受信し、デコードしてRRC判断部302へ送る。RRC判断部302は受信したメッセージ(SECURITY MODE COMPLETE)にユーザデータが含まれていないことを確認し、当該メッセージをRRC作成部305へ渡す。RRC作成部305は、このコネクションの分割送信モードがONであることを確認し、S1作成部304へSECURITY MODE COMPLETEの受信通知確認(分割送信)を返す。この受信通知確認(分割送信)は、分割送信モードであることを受信通知確認メッセージに含ませたものである。なお、分割送信モードがOFFである場合には、すなわち通常のコネクションの場合には、移動端末UE宛のRRC CONNECTION RECONFIGURATIONを作成する。
S1作成部304は、RRC作成部305からSECURITY MODE COMPLETEの受信通知確認(分割送信)を受け、INITIAL CONTEXT SETUP RESPONSE (分割送信)を作成する。MSG送信部303はS1作成部304より受けたINITIAL CONTEXT SETUP RESPONSE (分割送信)をエンコードし、MMEへ送信する(ステップS110)。
以上により、ユーザデータの分割送信の準備が整ったことになる。
【0045】
ユーザデータの分割送信の準備が整うと移動端末UEは、以下のデータ分割処理を行う(ステップS120)。すなわち、移動端末UEのRRC作成部505は、データ処理部504に対してデータ要求を発行することで、データ送信の準備の完了を通知するとともに、送信可能なデータ量を通知する。データ処理部504は、保持しているユーザデータを通知されたデータ量のデータ(所定量のデータ)に分割し、データ番号を順に付してRRC作成部505へ渡す。
RRC作成部505は、データ処理部504から渡された所定量のデータを収容したRRCメッセージであるUL INFORMATION TRANSFER (dedicated Info Type = dedicated Info U) を作成してRRC送信部503へ送るとともに、RRC送信部503へ送信要求を発行する。RRC送信部503は、RRC作成部505より受信したメッセージ(UL INFORMATION TRANSFER)をエンコードし、中継装置RNへ送信する(ステップS130)。
【0046】
次に中継装置RNは、蓄積サーバDSに対してデータ蓄積要求を行う(ステップS140)。この処理は、コネクション単位(コネクションIDの単位)により、分割された複数のデータ(最初のデータ(データ番号n=1)から最後のデータ(データ番号n=end)までのデータに対して行われる。データ蓄積要求は以下の処理を含む。
先ず、中継装置RNのRRC受信部301は、移動端末UEより送信されたRRCメッセージ(UL INFORMATION TRANSFER)を受信し、デコードしてRRC判断部302へ送る。RRC判断部302は、受信したRRCメッセージにユーザデータの一部が含まれている場合、そのデータを抽出してデータ作成部307へ送る。データ作成部307は、RRC判断部302から送られたデータを含む、蓄積サーバDS宛のメッセージを作成し、そのメッセージをMSG送信部303宛に送るとともに、MSG送信部303へ送信要求を発行する。MSG送信部303は、データ作成部307から受けたメッセージをエンコードし、蓄積サーバDSへ送信する。
【0047】
蓄積サーバDSのデータ受信部701は、中継装置RNより受信したメッセージ(データ蓄積要求)をデコードし、データ処理部702へ送る。データ処理部702は、コネクションIDテーブルメモリ704を参照し、受信したメッセージのコネクションIDが未登録ならばコネクションIDテーブル(CIDテーブル)に新規に登録する(ステップS150)。データ処理部702は、受信したデータをコネクションID、データ番号とともにデータメモリ705に書き込み保持する(ステップS160)。
データ処理部702は、分割された複数のデータの各々に対してステップS140〜S160の処理を繰返し、最後のデータ(データ番号n=end)を認識すると、それまでに蓄積されているデータの結合処理を行う。さらにデータ処理部702は、結合して得られたユーザデータを含むメッセージを作成してMSG送信部703へ送る。MSG送信部703は、データ処理部702より送られたメッセージをエンコードし、MMEへ送信する。
【0048】
(4−2)データ受信シーケンス
次に、移動端末UEがユーザデータを受信するときのシーケンスについて説明する。
移動端末UEがユーザデータを受信するときの処理は、図6を参照して説明したデータ送信時の処理と共通する処理が多いため、以下では、図7を参照してデータ送信時との相違点に注目して説明する。なお、以下では、移動端末UEのメモリ51に、コネクションIDテーブルとデータを格納する場合について説明する。
図7において、移動端末UEはMMEから、自端末宛の下りのデータが存在することを示すページングメッセージ(PAGING)を、中継装置RNを通して受信する(ステップS25)。このページングメッセージをトリガとしてコネクション確立プロシージャが開始される。このコネクション確立プロシージャでは、データ送信時のステップS30〜S110と同一の処理が行われる。
【0049】
コネクション確立プロシージャに続くデータ受信プロシージャでは先ず、蓄積サーバDSのデータ受信部701はMMEから、コネクションIDごとのユーザデータを含むデータ送信要求を受ける(ステップS200)。データ処理部702は、コネクションIDテーブルメモリ704を参照し、受信したデータ送信要求のコネクションIDが未登録ならばコネクションIDテーブル(CIDテーブル)に新規に登録する(ステップS210)。データ処理部702は、受信したユーザデータをコネクションIDとともにデータメモリ705に書き込み保持する(ステップS220)。
次に蓄積サーバDSのデータ処理部702は、データ分割処理を行う(ステップS230)。データ分割処理は、ステップS220でデータメモリ705に書き込んだユーザデータを、RRCメッセージに収容可能な所定量の複数のデータに分割する処理である。データ処理部702は、分割された個々のデータにデータ番号を順に付してMSG送信部703へ渡す。MSG送信部703は、MSG送信部703から渡されたデータを順に、中継装置RNへ送信する(ステップS240)。このとき、各データはコネクションIDとデータ番号によって対応付けられる。
【0050】
中継装置RNのデータ受信部306は、蓄積サーバDSから送信される複数のデータの各々を受信し、受信した各データをRRC作成部305へ渡す。RRC作成部305は、データ受信部306より受けたデータを収容したRRCメッセージであるDL INFORMATION TRANSFER (dedicated Info Type = dedicated Info U) を作成し、当該メッセージをMSG送信部303へ送るとともに、MSG送信部303へ当該メッセージの送信要求を発行する。MSG送信部303は、RRC作成部305より受信したメッセージ(DL INFORMATION TRANSFER)をエンコードし、移動端末UEへ送信する(ステップS250)。
【0051】
移動端末UEのRRC受信部501は、中継装置RNより受信したRRCメッセージをデコードし、RRC判断部502へ送る。RRC判断部502は、データ処理部504に以下の処理を実行させる。すなわち、データ処理部504は、メモリ51を参照し、受信したメッセージのコネクションIDが未登録ならばコネクションIDテーブル(CIDテーブル)に新規に登録する。データ処理部504は、受信したデータをコネクションID、データ番号とともにメモリ51に書き込み保持する(ステップS260)。データ処理部504は、受信メッセージに含まれる、分割された複数のデータの各々に対してステップS260の処理を繰返し、最後のデータ(データ番号n=end)を認識すると、それまでに蓄積されているデータの結合処理を行う(ステップS270)。データの結合が完了すると、移動端末UEは、中継装置RNを通して蓄積サーバDSに対してデータ受信完了通知を送信する(ステップS280)。
【0052】
以上説明したように、本実施形態の無線通信システムによれば、緊急時や災害発生時の状況下でユーザデータを所定量のデータごとに分割して複数のRRCメッセージに収容させる。これにより、緊急時や災害発生時の状況下においてもユーザデータの送受信を確実に行うことができる。
【0053】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の通信装置、移動端末、データ通信方法は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのは勿論である。例えば、上述した実施形態の無線通信システムは、LTEの無線アクセスネットワークであるE−UTRANに応じた構成とし、通信装置として、レイヤ3(RRC)の処理を行う基地局(中継装置、蓄積サーバ)を例示したが、これに限られない。例えば、W−CDMA(Wideband-Code Division Multiple Access)の無線アクセスネットワークであるUMTSではレイヤ3(RRC)の処理はRNC(Radio Network Controller)が担う。したがって、本発明をUMTSに適用する場合には、上記中継装置および蓄積サーバの機能をRNCが行うようにする。すなわち、本発明の通信装置は、基地局あるいはRNCのいずれかの機能の一部として実現されうる。
【0054】
以上の各実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0055】
(付記1)
無線アクセスネットワーク上に配置されて移動端末との間の通信において無線リソース制御を行う通信装置であって、
無線リソース制御メッセージに収容可能な所定量のデータごとに、移動端末へ送信すべきユーザデータを複数のデータに分割する第1データ処理部と、
前記複数のデータの各々を無線リソース制御メッセージに収容させて移動端末へ送信する第1送信部と、
移動端末から複数の無線リソース制御メッセージを受信する第1受信部と、
前記第1受信部が受信した複数の無線リソース制御メッセージの各々から前記所定量のデータを抽出して結合する第2データ処理部と、
を備えた、通信装置。
【0056】
(付記2)
前記無線リソース制御メッセージは、ユーザデータを有するか否かについての情報を設定可能なメッセージであって、
前記第1送信部は、前記第1受信部がトラフィックの負荷規制を行うための報知情報を受信すると、ユーザデータを有することを示す情報を設定した無線リソース制御メッセージを移動端末へ送信し、
前記第2データ処理部は、移動端末から受信した無線リソース制御メッセージ内の前記情報を参照して、当該メッセージからユーザデータを抽出するか否かを決定する、
付記1に記載された通信装置。
【0057】
(付記3)
無線アクセスネットワーク上に配置されて無線リソース制御を行う通信装置との間で通信を行う移動端末であって、
無線リソース制御メッセージに収容可能な所定量のデータごとに、前記通信装置へ送信すべきユーザデータを複数のデータに分割する第3データ処理部と、
前記複数のデータの各々を無線リソース制御メッセージに収容させて前記通信装置へ送信する第2送信部と、
前記通信装置から複数の無線リソース制御メッセージを受信する第2受信部と、
前記第2受信部が受信した複数の無線リソース制御メッセージの各々から前記所定量のデータを抽出して結合する第4データ処理部と、
を備えた、移動端末。
【0058】
(付記4)
前記無線リソース制御メッセージは、ユーザデータを有するか否かについての情報を設定可能なメッセージであって、
前記第2送信部は、前記第2受信部がトラフィックの負荷規制を行うための報知情報を受信すると、ユーザデータを有することを示す情報を設定した無線リソース制御メッセージを前記通信装置へ送信し、
前記第2データ処理部は、通信装置から受信した無線リソース制御メッセージ内の前記情報を参照して、当該メッセージからユーザデータを抽出するか否かを決定する、
付記3に記載された移動端末。
【0059】
(付記5)
移動端末と、無線アクセスネットワーク上に配置されて前記移動端末との間の通信において無線リソース制御を行う通信装置との間で、一方が送信装置、他方が受信装置となってユーザデータの通信を行うときのデータ通信方法であって、
送信装置は、無線リソース制御メッセージに収容可能な所定量のデータごとにユーザデータを分割し、
送信装置は、前記所定量のユーザデータをそれぞれ含む複数の無線リソース制御メッセージを生成して受信装置宛に送信し、
受信装置は、前記送信装置から前記複数の無線リソース制御メッセージを受信し、
受信装置は、受信した複数の無線リソース制御メッセージの各々から前記所定量のデータを抽出して結合する、
ことを含む、データ通信方法。
【0060】
(付記6)
前記送信装置は、トラフィックの負荷規制を行うための報知情報を受信すると、前記無線リソース制御メッセージに、ユーザデータを有することを示す情報を含ませて送信し、
前記受信装置は、無線リソース制御メッセージを受信すると、前記情報を参照することで、受信した無線リソース制御メッセージからユーザデータを抽出するか否かを決定する、
付記5に記載されたデータ通信方法。
【符号の説明】
【0061】
eNB…基地局
RN…中継装置
10…L2スイッチ
20…ネットワークI/F
30…制御部
31…メモリ
DS…蓄積サーバ
UE…移動端末
44…アンテナ
45…無線処理部
46…変復調部
47…符号化・復号化部
50…制御部
51…メモリ
60…アプリケーション処理部
61…メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線アクセスネットワーク上に配置されて移動端末との間の通信において無線リソース制御を行う通信装置であって、
無線リソース制御メッセージに収容可能な所定量のデータごとに、移動端末へ送信すべきユーザデータを複数のデータに分割する第1データ処理部と、
前記複数のデータの各々を無線リソース制御メッセージに収容させて移動端末へ送信する第1送信部と、
移動端末から複数の無線リソース制御メッセージを受信する第1受信部と、
前記第1受信部が受信した複数の無線リソース制御メッセージの各々から前記所定量のデータを抽出して結合する第2データ処理部と、
を備えた、通信装置。
【請求項2】
前記無線リソース制御メッセージは、ユーザデータを有するか否かについての情報を設定可能なメッセージであって、
前記第1送信部は、前記第1受信部がトラフィックの負荷規制を行うための報知情報を受信すると、ユーザデータを有することを示す情報を設定した無線リソース制御メッセージを移動端末へ送信し、
前記第2データ処理部は、移動端末から受信した無線リソース制御メッセージ内の前記情報を参照して、当該メッセージからユーザデータを抽出するか否かを決定する、
請求項1に記載された通信装置。
【請求項3】
無線アクセスネットワーク上に配置されて無線リソース制御を行う通信装置との間で通信を行う移動端末であって、
無線リソース制御メッセージに収容可能な所定量のデータごとに、前記通信装置へ送信すべきユーザデータを複数のデータに分割する第3データ処理部と、
前記複数のデータの各々を無線リソース制御メッセージに収容させて前記通信装置へ送信する第2送信部と、
前記通信装置から複数の無線リソース制御メッセージを受信する第2受信部と、
前記第2受信部が受信した複数の無線リソース制御メッセージの各々から前記所定量のデータを抽出して結合する第4データ処理部と、
を備えた、移動端末。
【請求項4】
移動端末と、無線アクセスネットワーク上に配置されて前記移動端末との間の通信において無線リソース制御を行う通信装置との間で、一方が送信装置、他方が受信装置となってユーザデータの通信を行うときのデータ通信方法であって、
送信装置は、無線リソース制御メッセージに収容可能な所定量のデータごとにユーザデータを分割し、
送信装置は、前記所定量のユーザデータをそれぞれ含む複数の無線リソース制御メッセージを生成して受信装置宛に送信し、
受信装置は、前記送信装置から前記複数の無線リソース制御メッセージを受信し、
受信装置は、受信した複数の無線リソース制御メッセージの各々から前記所定量のデータを抽出して結合する、
ことを含む、データ通信方法。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2012−205218(P2012−205218A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−70068(P2011−70068)
【出願日】平成23年3月28日(2011.3.28)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】