説明

通信装置、自律分散制御ネットワーク及びそれらに用いる分散制御によるパス再構成方法

【課題】 NMS装置への処理負荷を軽減し、計算時間の短縮化を図ることが可能な通信装置を提供する。
【解決手段】 通信装置(NE200)は、自装置を起点として既に設定済みの全てのパスをより効率の良い経路に切り替え可能であるかを計算するパスの最適化計算を行う手段(パス再構成判断処理部16)と、その計算結果の情報をNMS1に通知する手段(装置制御処理部18)とを有し、パスの最適化計算を、他の通信装置と並行して行っている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は通信装置、自律分散制御ネットワーク及びそれらに用いる分散制御によるパス再構成方法に関し、特に自律分散制御ネットワークにおけるパスの再構成に関する。
【背景技術】
【0002】
MPLS(Multi−Protocol Label Switching)、GMPLS(Generalized MPLS)やASON(Automatic Switch Optical Network)に代表される自律分散制御ネットワークが近年実用化・利用されている。
【0003】
これら自律分散制御ネットワークでは、OSPF−TE(Open Shortest Path First − Traffic Engineering)やIS−IS−TE(Intermediate System − to − Intermediate System − Traffic Engineering)に代表されるルーティングプロトコルにより経路制御が実現されている。
【0004】
本発明に関連する自律分散制御ネットワークで利用されるルーティングプロトコルは、リンクステートの利用可能帯域(=空き帯域)を考慮して送信元通信装置と送信先通信装置との間でコストの合計が最も小さい経路を設定するパスの経路として選択する。
【0005】
また、本発明に関連する自律分散制御ネットワークでは、RSVP−TE(Resource reSerVation Protocol − Traffic Engineering)やCR−LDP(Constraint Routed Label Distribution Protocol)に代表されるシグナリングプロトコルによりパス管理(設定・維持・切断)が実現されている。
【0006】
下記の特許文献1に記載のネットワークでは、NMS等から効率的にパス情報を収集し、別のパスを収容するように仮想的、論理的に設定されたパスと実際の伝送路に直接対応したリンクとを区別して経路検索を行っている。つまり、このネットワークでは、GMPLSパスを設定する時のトンネルをパス経路として判断しないで、End−to−Endのパス経路を算出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−060337号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述した本発明に関連する自律分散制御ネットワークでは、以下に示すような解決すべき問題点がある。図9を参照してこれらの問題点について説明する。
【0009】
図9においては、図中の(1)から(3)まで時系列でパスの設定と切断後のネットワークの状態を示している。尚、図9の説明において、全てのリンクの最大利用可能帯域は「5」、全てのリンクのコストは「1」、全てのパスの帯域は「5」と仮定する。
【0010】
(1)のネットワークの状態はPATH200(リンクコスト合計=「2」)とPATH300(リンクコスト合計=「3」)が設定済みの状態である。次に、PATH100(リンクコスト合計=「3」)を設定すると(2)のネットワークの状態になり、続いて、PATH300を切断すると(3)のネットワークの状態になる。
【0011】
(3)のネットワークの状態では、PATH100の経路がNE(Network Equipment)301−NE302−NE303−NE304(リンクコスト合計=「4」)だが、NE301−NE305−NE306−NE308(リンクコスト合計=「3」)の経路を通った方が、リンクコスト合計が小さいため、効率が良い。
【0012】
そのため、ある時点で設定したパスの経路は、その時点での最適な経路でしかなく、時間が経過するとその経路が最も効率が良い経路とは言えず、再度パス経路の見直しの実施が必要になる。
【0013】
そこで、本発明の目的は上記の問題点を解消し、NMS装置への処理負荷を軽減することができ、計算時間の短縮化を図ることができる通信装置、自律分散制御ネットワーク及びそれらに用いる分散制御によるパス再構成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明による通信装置は、自装置を起点として既に設定済みの全てのパスをより効率の良い経路に切り替え可能であるかを計算するパスの最適化計算を行う手段と、その計算結果の情報をNMS(Network Management System)に通知する手段とを備え、
前記パスの最適化計算を、他の通信装置と並行して行っている。
【0015】
本発明による自律分散制御ネットワークは、上記の通信装置を含むことを特徴とする。
【0016】
本発明による分散制御によるパス再構成方法は、通信装置が、当該通信装置を起点として既に設定済みの全てのパスをより効率の良い経路に切り替え可能であるかを計算するパスの最適化計算を行う処理と、その計算結果の情報をNMS(Network Management System)に通知する処理とを実行し、
前記パスの最適化計算を複数の通信装置各々において並行して行っている。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、上記のような構成及び動作とすることで、NMS装置への処理負荷を軽減することができ、計算時間の短縮化を図ることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態による自律分散制御対応装置(NE)の構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態による自律分散制御ネットワークの構成例を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態によるリンクステート情報テーブルの構成を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態によるパス情報テーブルの構成を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態による経路情報テーブルの構成を示す図である。
【図6】図2に示すNMS内部の動作を示すフローチャートである。
【図7】図2に示す各自律分散制御対応装置(NE)内部の動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態による自律分散制御ネットワークの処理動作を示すシーケンス図である。
【図9】本発明に関連する自律分散制御ネットワークの処理動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。まず、本発明による自律分散制御ネットワークの概要について説明する。本発明による自律分散制御ネットワークは、MPLS(Multi−Protocol Label Switching)、GMPLS(Generalized MPLS)やASON(Automatic Switch Optical Network)に代表される自律分散制御ネットワークである。
【0020】
本発明による自律分散制御ネットワークは、各自律分散制御対応装置(NE:Network Equipment)(通信装置)を起点として既に設定済みの全てのパスを、より効率の良い(例えば、ネットワークリソースの使用量の少ない、またはリンクコストの合計が小さい)経路に切り替え可能であるかを各装置単位で分散して計算し、その情報をNMS(Network Management System)に通知する機能を有することを特徴とする。
【0021】
本発明では、自律分散制御対応ネットワーク内でパスを設定する場合、各自律分散制御対応装置(NE)が保守者の指示にしたがって自律分散制御で経路制御及びシグナリングを実行し、各自律分散制御対応装置(NE)のラベル予約・スイッチ設定を行い、指定された始点装置と終点装置との間のパスを設定/切断する。
【0022】
本発明の想定するネットワークでは、パケットやTDM(Time Division Multiplexing:時分割多重)、WDM(Wavelength Division Multiplexing:波長多重)等の通信技術によってエンド・トゥ・エンドのパスを提供する。
【0023】
そこで、本発明では、従来、NMS装置が行っていた効率的なパス経路の再計算を分散して各自律分散制御対応装置(NE)で実施することで、NMS装置への処理負荷を軽減すると共に、計算時間の短縮化を図ることが可能になる。
【0024】
図1は本発明の実施の形態による自律分散制御対応装置(NE)(通信装置)の構成例を示すブロック図であり、図2は本発明の実施の形態による自律分散制御対応ネットワークの構成例を示すブロック図である。
【0025】
図3は本発明の実施の形態によるリンクステート情報テーブルの構成を示す図であり、図4は本発明の実施の形態によるパス情報テーブルの構成を示す図であり、図5は本発明の実施の形態による経路情報テーブルの構成を示す図である。
【0026】
図1において、自律分散制御対応装置(NE200)は、記憶部11と、シグナリング処理部12と、ルーティング処理部13と、パス管理処理部14と、リルート処理部15と、パス再構成判断処理部16と、その他既存機能処理部17と、装置制御処理部18とから構成されている。尚、図示していないが、図2に示す自律分散制御対応装置(NE201)〜自律分散制御対応装置(NE206)も、図1に示す自律分散制御対応装置(NE200)と同様の構成となっている。
【0027】
記憶部11は、リンクステート情報記憶部111と、パス情報記憶部112と、その他既存情報記憶部113とを備えている。
【0028】
リンクステート情報記憶部111は、図3に示すリンクステート情報テーブル21を記憶する記憶部である。パス情報記憶部112は、図4に示すパス情報テーブル22と図5に示す経路情報テーブル23とを記憶する記憶部である。その他既存情報記憶部113は、一般的な自律分散制御対応装置が持つ情報を記憶する記憶部である。
【0029】
図3において、リンクステート情報テーブル21は、ネットワーク内のリンク情報、つまりリンクID211、接続元NE ID212、接続先NE ID213、利用可能帯域214、リンクコスト215、その他リンク関連情報216を記録している。
【0030】
リンクID211は、ネットワーク内のリンクを各自律分散制御対応装置内で一意にする識別子である。接続先NE ID212及び接続先NE ID213は、リンクを接続する両端のNE識別子である。尚、NE識別子はネットワーク内でNEを一意に識別する識別子である。
【0031】
利用可能帯域214は、パス設定用に利用可能な帯域を示す(そのリンクにパスが設定されたら利用可能帯域は減少し、パスが切断されたら利用可能帯域が増加する)。リンクコスト215は、該当のリンクのコスト値を示す。その他リンクステート関連情報216は、一般的なNEが記憶しているリンクの情報を示す。
【0032】
一般的に、OSPF(Open Shortest Path First)等のリンクステート型のルーティングプロトコルは、コスト値の合計の最も小さな経路を選択する。
【0033】
図4において、パス情報テーブル22は、そのNEにおけるパスの情報、つまりパスID221、送信元NE222、送信先NE223、帯域224、経路ID225、リンクコスト合計226、その他パス関連情報227を記憶している(本情報は一般的な自律分散制御対応装置に具備されている)。
【0034】
尚、経路ID225は、経路情報テーブル23から参照されている。リンクコスト合計226は、該当のパスが通過するリンクのリンクコストの合計値を示す。
【0035】
図5において、経路情報テーブル23は、そのNEにおける経路情報、つまり経路ID231、ホップ(1)232、ホップ(2)233、ホップ(3)234、・・・、ホップ(X)235を記憶している。
【0036】
経路ID231は、NE内で経路を一意に識別する識別子である。ホップ(X)235は、その経路が通過するNEのNE IDを示す。
【0037】
シグナリング処理部12は、RSVP−TE(Resource reSerVation Protocol − Traffic Engineering)やCR−LDP(Constraint Routed Label Distribution Protocol)に代表されるシグナリングプロトコルの処理を実施する。
【0038】
ルーティング処理部13は、OSPF−TE(Open Shortest Path First − Traffic Engineering)やIS−IS−TE(Intermediate System − to − Intermediate System − Traffic Engineering)に代表されるルーティングプロトコルの処理を実施する。
【0039】
ルーティングプロトコルは、ネットワーク内の各リンクの情報を交換する処理やその情報を基に送信元通信装置と送信先通信装置との間の経路を計算する処理を実施する。
【0040】
シグナリング処理部12及びルーティング処理部13は、既存の自律分散制御対応装置が持つ処理部である。パス管理処理部14は、パス情報テーブル22を維持することにより、各ノードに関係するパスを管理する。リルート処理部15は、シグナリング処理部12と連携してパスの切り替え処理を実施する。
【0041】
パス再構成判断処理部16は、パス情報テーブル22を検索し、より効率の良い経路の有無を確認する処理部である。その他既存機能処理部17は、一般的な自律分散制御対応装置が持つ機能の処理部である。装置制御処理部18は、NMS1からのコマンド受信・応答処理・通知処理や、コマンドやシグナリング要求を外部装置に転送する処理部である。
【0042】
図2において、本発明の実施の形態による自律分散制御ネットワークは、自律分散制御対応装置(NE200〜NE206)と、NMS1とから構成される。自律分散制御対応通信装置(NE200〜NE206)は、ラベル(パケット、タイムスロット、波長等の識別子)の情報に基づきクロスコネクト(以下、XCと呼ぶ)(または、スイッチング)を実施する。
【0043】
また、自律分散制御対応通信装置(NE200〜NE206)は、MPLS/GMPLS/ASON等の自律分散制御プロトコルによって、自律分散制御パスの経路制御やパス管理(パスの設定、維持、切断)を実施する。
【0044】
自律分散制御対応装置(NE200〜NE206)間は、1本またはそれ以上の物理リンク(光ファイバ等)(図2中の太線)の通信リンクで接続されている。また、自律分散制御対応装置(NE200〜NE206)間は、制御メッセージ交換リンク(図2中の破線)で接続されている。
【0045】
通信リンクは、エンドユーザの情報が通るリンクであるのに対して、制御メッセージ交換リンクは、自律分散制御対応装置(NE200〜NE206)間の制御情報の交換に用いるリンクである。ネットワークの運用方法によっては、通信リンクと制御メッセージ交換リンクとが同一の物理リンクを共有することもある。
【0046】
NMS1は、ネットワーク全体の自律分散制御対応装置(NE200〜NE206)の監視/保守(例:パスの設定・切断要求、通信装置撤去管理)を行う機能を持ち、保守者とネットワークとのインタフェースとなるシステムである。
【0047】
NMS1と各自律分散制御対応装置(NE200〜NE206)とは、マネージメントリンクで接続され、NMS1はマネージメントリンクを介して各自律分散制御対応装置(NE200〜NE206)の設定を行う。
【0048】
図6は図2に示すNMS1内部の動作を示すフローチャートであり、図7は図2に示す各自律分散制御対応装置(NE200〜NE206)内部の動作を示すフローチャートであり、図8は本発明の実施の形態による自律分散制御ネットワークの処理動作を示すシーケンス図である。これら図1〜図8を参照して本発明の実施の形態による自律分散制御ネットワークの動作について説明する。
【0049】
NMS1は、各自律分散制御対応装置(NE200〜NE206)に対して、パスの最適化演算の実施要求を出す(図6ステップS2)。この時の要求は、マルチスレッドで実施する。NMS1は、管理している全てのNEまたは最適化を行うNEに対して上記の処理を繰り返す(図6ステップS1〜S3)。
【0050】
各自律分散制御対応装置(NE200〜NE206)は、NMS1からのパスの最適化演算の実施要求に対して以下の動作を実行する。尚、以下の説明では、自律分散制御対応装置(NE200)について説明するが、他の自律分散制御対応装置(NE201〜NE206)も同様の動作を行う。
【0051】
自律分散制御対応装置(NE200)は、パス情報テーブル22と同じデータを持つ仮想パス情報テーブルと、経路情報テーブル23と同じデータを持つ仮想経路情報テーブルとを作成する(図7ステップS11)。
【0052】
自律分散制御対応装置(NE200)は、NMS1からのパスの最適化演算の実施要求を受信すると、仮想パス情報テーブルを検索し、対象のNEが始点となっているパスの数だけ処理を繰り返す(図7ステップS12〜S16)。
【0053】
パス再構成判断処理部16は、仮想パス情報テーブルや仮想経路情報テーブルを検索し、より効率の良い経路(例えば、コスト値や装置のホップ数)の有無を演算する(図7ステップS13)。この時、仮想パス情報テーブル及び仮想経路情報テーブルの内容は、算出したパスの情報で更新する。
【0054】
パス再構成判断処理部16は、効率の良い経路の存在の有無を確認し(図7ステップS14)、経路を変更することによって得られる効果値(例えば、コスト値やホップ数)を積算する(図7ステップS15)。パス再構成判断処理部16は、積算した効果値を装置制御処理部18を介してNMS1へ通知する(図7ステップS17)。
【0055】
図8は、図6に示す処理と図7に示す処理との間のシーケンスを示している。NMS1はマルチスレッドで、各自律分散制御対応装置(NE200〜NE207)に対してパスの最適化実施要求を出す(図8のF21)。
【0056】
各自律分散制御対応装置(NE200〜NE207)は、始点となるパスに対する最適な経路を算出し、その効果値を積算する(図8のF31〜F38)。各自律分散制御対応装置(NE200〜NE207)は、積算した効果値をNMS1に通知する(図8のF41〜F48)。
【0057】
このように、本実施の形態では、NMS1における負荷軽減を図ることができる。上述した本発明に関連する従来の方式では、ネットワークの構成が大きくなればなるほど、対象となるパスの量や迂回経路の数が膨大になるため、最適なパスの計算には膨大な処理を行う必要があり、NMSに対して負荷がかかってしまい、本来のNMSが行うオペレーションに支障を来たす可能性がある。
【0058】
また、本実施の形態では、パスの始点となる各自律分散制御対応装置(NE200〜NE207)が最適経路の計算を並列で実行するため、ネットワークの規模が大きく、複雑になるほど、経路算出の時間を短縮することができる。
【0059】
本発明では、上記の実施の形態において、各自律分散制御対応装置(NE200〜NE207)がNMS1からの最適化要求を受けてからパスの最適化計算を行っているが、NMS1からの最適化要求を受けてからパスの最適化計算を行うのではなく、自律分散制御対応装置(NE)において定期周期でパスの最適化計算を自動実行させておき、ある閾値以上の効率化が見込めるパス経路が見つかった場合に、各自律分散制御対応装置(NE)からNMS1に通知を出す利用方法も考えられる。
【0060】
上記の実施の形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下の記載に限定されない。
【0061】
[付記1]
通信装置が、当該通信装置を起点として既に設定済みの全てのパスをより効率の良い経路に切り替え可能であるかを計算するパスの最適化計算を行う処理と、その計算結果の情報をNMS(Network Management System)に通知する処理とを実行し、
前記パスの最適化計算を複数の通信装置各々において並行して行い、
前記より効率の良い経路は、ネットワークリソースの使用量の少ない経路またはリンクコストの合計が小さい経路であることを特徴とする分散制御によるパス再構成方法。
【0062】
[付記2]
MPLS(Multi−Protocol Label Switching)、GMPLS(GeneralizedMPLS)、ASON(Automatic Switch Optical Network)に代表される自律分散制御ネットワークに用いることを特徴とする付記1に記載の分散制御によるパス再構成方法。
【0063】
[付記3]
前記NMSからの最適化要求を受けてから前記パスの最適化計算を行うことを特徴とする付記1または付記2に記載の分散制御によるパス再構成方法。
【0064】
[付記4]
前記パスの最適化計算を定期周期で行うことを特徴とする付記1または付記2に記載の分散制御によるパス再構成方法。
【0065】
[付記5]
通信装置が、当該通信装置を起点として既に設定済みの全てのパスをより効率の良い経路に切り替え可能であるかを計算するパスの最適化計算を行う処理と、その計算結果の情報をNMS(Network Management System)に通知する処理とを実行し、
前記パスの最適化計算を複数の通信装置各々において並行して行い、
前記通信装置を、MPLS(Multi−Protocol Label Switching)、GMPLS(GeneralizedMPLS)、ASON(Automatic Switch Optical Network)に代表される自律分散制御ネットワークに用いることを特徴とする分散制御によるパス再構成方法。
【0066】
[付記6]
通信装置が、当該通信装置を起点として既に設定済みの全てのパスをより効率の良い経路に切り替え可能であるかを計算するパスの最適化計算を行う処理と、その計算結果の情報をNMS(Network Management System)に通知する処理とを実行し、
前記パスの最適化計算を複数の通信装置各々において並行して行い、
前記NMSからの最適化要求を受けてから前記パスの最適化計算を行うことを特徴とする分散制御によるパス再構成方法。
【0067】
[付記7]
通信装置が、当該通信装置を起点として既に設定済みの全てのパスをより効率の良い経路に切り替え可能であるかを計算するパスの最適化計算を行う処理と、その計算結果の情報をNMS(Network Management System)に通知する処理とを実行し、
前記パスの最適化計算を複数の通信装置各々において並行して行い、
前記パスの最適化計算を定期周期で行うことを特徴とする分散制御によるパス再構成方法。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明は、GMPLSをサポートしている伝送装置とそのネットワーク管理装置とに適用可能である。
【符号の説明】
【0069】
1 NMS
11 記憶部
12 シグナリング処理部
13 ルーティング処理部
14 パス管理処理部
15 リルート処理部
16 パス再構成判断処理部
17 その他既存機能処理部
18 装置制御処理部
21 リンクステート情報テーブル
22 パス情報テーブル
23 経路情報テーブル
111 リンクステート情報記憶部
112 パス情報記憶部
113 その他既存情報記憶部
200〜207 自律分散制御対応装置(NE)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自装置を起点として既に設定済みの全てのパスをより効率の良い経路に切り替え可能であるかを計算するパスの最適化計算を行う手段と、その計算結果の情報をNMS(Network Management System)に通知する手段とを有し、
前記パスの最適化計算を、他の通信装置と並行して行うことを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記より効率の良い経路は、ネットワークリソースの使用量の少ない経路またはリンクコストの合計が小さい経路であることを特徴とする請求項1記載の通信装置。
【請求項3】
MPLS(Multi−Protocol Label Switching)、GMPLS(GeneralizedMPLS)、ASON(Automatic Switch Optical Network)に代表される自律分散制御ネットワークに用いることを特徴とする請求項1または請求項2記載の通信装置。
【請求項4】
前記NMSからの最適化要求を受けてから前記パスの最適化計算を行うことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか記載の通信装置。
【請求項5】
前記パスの最適化計算を定期周期で行うことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか記載の通信装置。
【請求項6】
上記の請求項1から請求項5のいずれかに記載の通信装置を含むことを特徴とする自律分散制御ネットワーク。
【請求項7】
通信装置が、当該通信装置を起点として既に設定済みの全てのパスをより効率の良い経路に切り替え可能であるかを計算するパスの最適化計算を行う処理と、その計算結果の情報をNMS(Network Management System)に通知する処理とを実行し、
前記パスの最適化計算を複数の通信装置各々において並行して行うことを特徴とする分散制御によるパス再構成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−169945(P2012−169945A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−30328(P2011−30328)
【出願日】平成23年2月16日(2011.2.16)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】