説明

通信装置、通信システム、およびそのリソース拡張方法

【課題】 機能リソースが枯渇した場合であっても、機能リソース数を拡張することを可能にすること。
【解決手段】 複数のインタフェースカード(11〜13)と、スイッチカード(14)と、複数の機能カード(16〜18)と、前記複数のインタフェースカード、前記スイッチカード、および前記複数の機能カードを制御する制御カード(19)と、を備えた通信装置(1)は、ネットワーク(3)を介して接続された異なる通信装置(2)に設置された機能カード(26〜28)上の機能リソースを使用できるようにする機能を有するリソース拡張機能カード(15)を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置に関し、特に、リソース数を拡張する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、通信装置では、複数のインタフェースカードが有する有限の回線リソースと、複数の機能カードが有する有限の機能リソースと、をスイッチカードによって接続することにより、任意のカード及び呼の処理を行っている。
【0003】
本発明と関連する先行技術文献が知られている。
【0004】
例えば、特許文献1は、無線機器が無線通信装置の空きリソースを利用して外部無線通信装置と通信できるようにした「無線通信システムおよび無線通信方法」を開示している。この特許文献1に開示された無線通信システムは、無線機器と無線通信装置とを有する。無線機器は、パーソナルエリアネットワークまたは小規模無線通信ネットワークにより通信を行う。無線通信装置は、パーソナルエリアネットワークまたは小規模無線通信ネットワークにより無線機器と通信可能であり、かつ外部ネットワークにより通信するための複数の無線通信用ハードウェアリソースを備えている。無線機器が、無線通信装置の空きリソースを利用して外部無線通信装置と通信する。無線通信装置は、空きリソース情報を生成し、その空きリソース情報を無線機器に送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−244974号公報([0020]〜[0022]、図1、図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の通信装置において、回線リソース数と機能リソース数とが同数であれば良いが、回線リソースに比べて、機能リソースを実現するためには物理的に多数のカードを通信装置に搭載する必要がある。しかしながら、通信装置に搭載できるカード数には限りがあることなどから、回線リソース数に比べて、機能リソース数が少ない場合がある。
【0007】
このため、通信装置が扱う任意の回線及び呼の設定数が増加した場合、回線リソースよりも先に機能リソースが枯渇することになる。この場合、任意の回線及び呼の処理ができなくなるという課題がある。
【0008】
尚、特許文献1では、無線機器が、外部無線通信装置と通信するために、その中継装置である無線通信装置から空きリソースを借用しているに過ぎない。
【0009】
本発明の目的は、機能リソースが枯渇した場合であっても、機能リソース数を拡張することを可能にする、通信装置、通信システム、およびそのリソース拡張方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明では、こうした課題に鑑み、通信装置にリソース拡張機能カードを搭載し、リソース拡張機能カードを異なる通信装置と接続することで、機能リソースが枯渇した場合であっても、異なる通信装置の機能リソースを使用することで通信装置が従来有していた機能リソース数を拡張することを可能としている。
【0011】
すなわち、本発明の通信装置は、複数のインタフェースカードと、スイッチカードと、複数の機能カードと、複数のインタフェースカード、スイッチカード、および複数の機能カードを制御する制御カードと、を備えた通信装置であって、ネットワークを介して接続された異なる通信装置に設置された機能カード上の機能リソースを使用できるようにする機能を持つリソース拡張機能カードを有する、ことを特徴とする。
【0012】
本発明のリソース拡張方法は、第1の通信装置と第2の通信装置とがネットワークを介して接続された通信システムにおけるリソース拡張方法であって、第1の通信装置が、当該第1の通信装置内で通信を処理するための機能リソースが足りないと判断した場合、ネットワークを介して第2の通信装置の機能リソースを使用することを特徴とする。
【0013】
本発明の通信システムは、第1の通信装置と、第2の通信装置と、第1の通信装置と第2の通信装置とを接続するネットワークと、を備える通信システムであって、第1の通信装置は、複数の第1のインタフェースカードと、第1のスイッチカードと、複数の第1の機能カードと、複数の第1のインタフェースカード、第1のスイッチカード、および複数の第1の機能カードを制御する第1の制御カードと、ネットワークを介して接続された第2の通信装置に設置された機能カード上の機能リソースを使用できるようにする機能を持つ第1のリソース拡張機能カードと、を備え、第2の通信装置は、複数の第2のインタフェースカードと、第2のスイッチカードと、複数の第2の機能カードと、複数の第2のインタフェースカード、第2のスイッチカード、および複数の第2の機能カードを制御する第2の制御カードと、ネットワークを介して接続された第1の通信装置に設置された機能カード上の機能リソースを使用できるようにする機能を持つ第2のリソース拡張機能カードと、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る通信装置は、当該通信装置内で使用できる機能リソースが枯渇した場合にも、機能カードを増やすことなく、一つの通信装置内で使用できる機能リソース数を拡張できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施例による通信装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施例に係る通信システムの構成を示すブロック図である。
【図3】図2に示した通信システムにおいて、第1および第2の通信装置に於けるリソース拡張機能カードによって、第1の通信装置で処理する回線や呼を取得する際の、主に第1の通信装置内部の動作を示すシーケンス図である。
【図4】図2に示した通信システムにおいて、第1および第2の通信装置に於けるリソース拡張機能カードによって、第1の通信装置で処理する回線や呼を取得する際の、主に第2の通信装置内部の動作を示すシーケンス図である。
【図5】図2に示した通信システムにおいて、第1および第2の通信装置に於けるリソース拡張機能カードによって、第1の通信装置で処理する回線や呼を解放する際の、主に第1の通信装置内部の動作を示すシーケンス図である。
【図6】図2に示した通信システムにおいて、第1および第2の通信装置に於けるリソース拡張機能カードによって、第1の通信装置で処理する回線や呼を解放する際の、主に第2の通信装置内部の動作を示すシーケンス図である。
【図7】本発明と関連する通信装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の理解を容易にするために、図7を参照して、本発明と関連する通信装置1’について説明する。
【0017】
図7において、関連する通信装置1’は、第1乃至第3のインタフェースカード11、12、13と、スイッチカード14と、第1乃至第3の機能カード16、17、18と、制御カード19とを備える。図示の例では、インタフェースカードおよび機能カードの各々の個数が3であるが、これに限定されないのは勿論である。
【0018】
尚、「カード」は、ユニット、装置、或いは手段と読み替え得る。
【0019】
第1乃至第3のインタフェースカード11、12、13は、それぞれ、第1乃至第3のインタフェース110、120、130に接続されている。
【0020】
第1乃至第3のインタフェースカード11、12、13は、外部の別の通信装置との通信回線を接続するためのインタフェース処理を行うカードである。第1乃至第3のインタフェースカード11、12、13は、それぞれ、外部装置との第1乃至第3のインタフェース110、120、130を介して外部通信装置と物理的に接続され、通信装置1’内部で後述するスイッチカード14と物理的に接続される。
【0021】
スイッチカード14は、前述した第1乃至第3のインタフェースカード11、12、13及び第1乃至第3の機能カード16、17、18と物理的に接続される。スイッチカード14は、インタフェースカードが有する回線リソースと、機能カードが有する機能リソースと、を論理的に接続する機能を有する。
【0022】
第1乃至第3の機能カード16、17、18は、通信装置1’で処理する回線や呼の機能を実現するカードである。第1乃至第3の機能カード16、17、18は、前述したスイッチカード14と物理的に接続される。
【0023】
制御カード19は、通信装置1全体の制御を司るカードである。制御カード19は、第1乃至第3のインタフェースカード11、12、13、スイッチカード14、第1乃至第3の機能カード16、17、18に対して、回線や呼の設定や解放処理などを行うために、全カードと物理的な接続を有する。但し、図7では前記接続の記載を省略している。
【0024】
関連する通信装置1’においては、次のような課題がある。
【0025】
すなわち、通信装置1’内部に有する回線リソース数と、機能リソース数とが同数であれば良いが、回線リソースに比べて、機能リソースを実現するためには物理的に多数のカードを通信装置1’に搭載する必要がある。しかしながら、通信装置1’に搭載できるカード数には限りがあることなどから、回線リソース数に比べて、機能リソース数が少ない場合がある。このため、通信装置1’が扱う任意の回線及び呼の設定数が増加した場合、回線リソースよりも先に機能リソースが枯渇することになる。この場合、任意の回線及び呼が設定不可となってしまう。
【0026】
本発明の目的は、通信装置にリソース拡張機能カードを搭載し、リソース拡張機能カードを異なる通信装置と接続することで、機能リソースが枯渇した場合であっても、異なる通信装置の機能リソースを使用することで、通信装置が本来有していた機能リソース数を拡張することを可能にすることである。
【0027】
次に、本発明の特徴について説明する。
【0028】
本発明は、複数の機能カードを搭載する通信装置において、機能カードで処理可能な機能リソース数が枯渇しても、別の(異なる)通信装置に搭載する機能カード上のリソースを使用することで、通信装置のリソース数を拡張できるようにしたことを特徴としている。
【0029】
このようにして、本発明では、機能リソースが枯渇している場合にも、通信装置が新たに搭載するリソース拡張機能カードによってリソース設定ができるので、通信装置が本来有する機能リソース数を拡張することができる。
【実施例1】
【0030】
図1を参照して、本発明の第1の実施例による通信装置1について説明する。図示の通信装置1は、リソース拡張機能カード15を更に備えている点を除いて、図7に示した関連する通信装置1’と同様の構成を有し、動作をする。
【0031】
図1において、通信装置1は、第1乃至第3のインタフェースカード11、12、13と、スイッチカード14と、リソース拡張機能カード15と、第1乃至第3の機能カード16、17、18と、制御カード19とを備える。図示の例では、インタフェースカードおよび機能カードの各々の個数が3であるが、これに限定されないのは勿論である。
【0032】
尚、「カード」は、ユニットや装置、或いは手段とも読み替え得る。
【0033】
第1乃至第3のインタフェースカード11、12、13には、それぞれ、第1乃至第3のインタフェース110、120、130が接続されている。リソース拡張機能カード15には、インタフェース150が接続されている。
【0034】
第1乃至第3のインタフェースカード11、12、13の各々は、外部の別の通信装置との通信回線を接続するためのインタフェース処理を行うカードである。第1乃至第3のインタフェースカード11、12、13は、それぞれ、外部装置との第1乃至第3のインタフェース110、120、130を介して外部通信装置と物理的に接続される。第1乃至第3のインタフェースカード11、12、13は、通信装置1内部で後述するスイッチカード14と物理的に接続される。
【0035】
スイッチカード14は、前述した第1乃至第3のインタフェースカード11、12、13及び後述するリソース拡張機能カード15、及び第1乃至第3の機能カード16、17、18と物理的に接続される。スイッチカード14は、インタフェースカード11〜13が有する回線リソースと、機能カード16〜18が有する機能リソースを論理的に接続する機能を有する。
【0036】
リソース拡張機能カード15は、前述したスイッチカード14と物理的に接続され、外部装置とのインタフェース150を介して外部通信装置と物理的に接続される。
【0037】
第1乃至第3の機能カード16、17、18は、通信装置1で処理する回線や呼の機能を実現するカードである。第1乃至第3の機能カード16、17、18は、前述したスイッチカード14と物理的に接続される。
【0038】
制御カード19は、通信装置1全体の制御を司るカードである。制御カード19は、第1乃至第3のインタフェースカード11、12、13、スイッチカード14、リソース拡張機能カード15、第1乃至第3の機能カード16、17、18に対して回線や呼の設定や解放処理などを行うために、全カードと物理的な接続を有する。但し、図1では前記接続の記載を省略している。
【0039】
通信装置1において、任意の回線及び呼の処理を開始する際には、制御カード19の指示により、第1乃至第3のインタフェースカード11、12、13が有する複数の回線リソースの中から任意の回線リソースを設定し、第1乃至第3の機能カード16、17、18が有する複数の機能リソースの中から任意の機能リソースを設定し、スイッチカード14に対して、前述した回線リソースと機能リソースとを接続する設定を行う。
【0040】
ここで、第1乃至第3の機能カード16、17、18が有する機能リソースが枯渇した場合にも、制御カード19がリソース拡張用機能カード15に対して機能リソースを設定することで、回線及び呼を設定する。
【0041】
次に、図2を参照して、本発明の第1の実施例に係る通信システムについて説明する。図示の通信システムは、本発明の第1の実施例としての通信装置1が同じく本発明の第1の実施例としての通信装置2と、ネットワーク3を介して接続されている。ここでは、通信装置1を第1の通信装置と呼び、通信装置2を第2の通信装置と呼ぶことにする。
【0042】
第2の通信装置2は、第1乃至第3のインタフェースカード21、22、23と、スイッチカード24と、リソース拡張機能カード25と、第1乃至第3の機能カード26、27、28と、制御カード29とを備える。図示の例では、インタフェースカードおよび機能カードの各々の個数が3であるが、これに限定されないのは勿論である。
【0043】
第1乃至第3のインタフェースカード21、22、23には、それぞれ、第1乃至第3のインタフェース210、220、230が接続されている。リソース拡張機能カード25には、インタフェース250が接続されている。
【0044】
これらカード21〜29の機能は、それぞれ、図1に示したカード11〜19と同様であるので、説明の簡略化のためにそれらの説明については省略する。
【0045】
尚、第1の通信装置1において、第1乃至第3のインタフェースカード11、12、13は、纏めて、複数の第1のインタフェースカードとも呼ばれ、スイッチカード14は第1のスイッチカードとも呼ばれ、リソース拡張機能カード15は第1のリソース拡張機能カードとも呼ばれ、第1乃至第3の機能カード16、17、18は、纏めて、複数の第1の機能カードとも呼ばれ、制御カード19は第1の制御カードとも呼ばれる。
【0046】
同様に、第2の通信装置において、第1乃至第3のインタフェースカード21、22、23は、纏めて、複数の第2のインタフェースカードとも呼ばれ、スイッチカード24は第2のスイッチカードとも呼ばれ、リソース拡張機能カード25は第2のリソース拡張機能カードとも呼ばれ、第1乃至第3の機能カード26、27、28は、纏めて、複数の第2の機能カードとも呼ばれ、制御カード29は第2の制御カードとも呼ばれる。
【0047】
本発明の第1の実施例では、第1の通信装置1が有する機能リソースが枯渇した場合に、第1の通信装置1の第1のリソース拡張機能カード15がインタフェース150、ネットワーク3、インタフェース250を介して第2の通信装置2の第2のリソース拡張機能カード25と通信することで、第2の通信装置2が有する機能リソースを使用することで、第1の通信装置1で処理する回線や呼を実現することができる。
【0048】
次に、図3乃至図6を参照して、本発明の第1の実施例の動作について説明する。
【0049】
図3および図4は、図2の第1および第2の通信装置1および2に於けるリソース拡張機能カード15、25によって、第1の通信装置1で処理する回線や呼を取得する動作を示すシーケンス図である。図5および図6は、図2の第1および第2の通信装置1および2に於けるリソース拡張機能カード15、25によって、第1の通信装置1で処理する回線や呼を解放する動作を示すシーケンス図である。
【0050】
先ず、回線や呼の取得動作について、図3では主に第1の通信装置1内部の動作を、図4では主に第2の通信装置2内部の動作を説明する。
【0051】
図3において、第1の通信装置1にリソース取得要因が発生したとする(ステップ1001)。この場合、第1の制御カード19は第1のインタフェースカード11に対して回線リソースの取得設定を行い(ステップ1002)、第1のインタフェースカード11は回線リソースの取得結果を応答する(ステップ1003)。
【0052】
同様に、第1の制御カード19は、第1のスイッチカード14に対して前述した回線リソースと後で取得する機能リソースとを接続する設定を行い(ステップ1004)、第1のスイッチカード14は接続設定結果を応答する(ステップ1005)。
【0053】
次に、第1の制御カード19は、第1の通信装置1が有する機能リソースのうち、使用可能な機能リソースが残っているかどうかを確認する(ステップ1006、1007)。機能リソースがある場合(ステップ1008)、第1の制御カード19は、第1の通信装置1内で通常の機能リソース取得処理を実施する(ステップ1009)。
【0054】
第1の制御カード19は、第1の機能カード16に対して機能リソースの取得設定を行い(ステップ1010)、第1の機能カード16は機能リソースの取得結果を応答し(ステップ1011)、リソース取得が完了する(ステップ1031)。
【0055】
ステップ1007にて機能リソースが無い場合(ステップ1012)、第1の制御カード19は、第1の通信装置1の外部装置の機能リソース取得処理である拡張機能リソースの取得処理を実施する(ステップ1013)。第1の制御カード19は第1のリソース拡張機能カード15に対して拡張機能リソースの取得設定を行い(ステップ1014)、第1のリソース拡張機能カード15は拡張機能リソースの取得処理を行う(ステップ1015)。第1のリソース拡張機能カード15は、ネットワーク3を介して、外部の第2の通信装置2が具備する第2のリソース拡張機能カード25に対して、拡張機能リソースの取得設定を行う(ステップ1016)。
【0056】
図4に移って、第2の通信装置2内部の第2のリソース拡張機能カード25にて拡張機能リソースの受付処理を行い(ステップ1017)、第2のリソース拡張機能カード25は、第2の制御カード29に対して、拡張機能リソースの取得要求を行う(ステップ1018)。第2の制御カード29では、拡張機能リソースとして第2の通信装置2が有する機能リソースが使用できるかどうかを確認する(ステップ1019)。リソースが使用可能な場合(ステップ1020)、第2の制御カード29は拡張機能リソースの取得処理を実施する(ステップ1021)。
【0057】
第2の制御カード29は第2のスイッチカード24に対して接続設定を実施し(ステップ1022)、第2のスイッチカード24は設定結果を応答する(ステップ1023)。同様に、第2の制御カード29は、第2の機能カード26に対して、機能リソースの取得設定を行い(ステップ1024)、第2の機能カード26は取得結果を応答し(ステップ1025)、拡張リソース取得が完了する(ステップ1027)。
【0058】
第2の制御カード29は、第2のリソース拡張機能カード25に対して、拡張機能リソースの取得応答を行い(ステップ1028)、第2のリソース拡張機能カード25は、ネットワーク3を介して、第1の通信装置1の第1のリソース拡張機能カード15に対して、拡張機能リソースの取得結果を応答する(ステップ1029)。
【0059】
図3に戻って、第1の通信装置1の第1のリソース拡張機能カード15は、第1の制御カード19に拡張機能リソースの取得結果を応答し(ステップ1030)、リソース取得が完了する(ステップ1031)。
【0060】
次に回線や呼の解放動作について、図5では主に第1の通信装置1内部の動作を、図6では主に第2の通信装置2内部の動作を説明する。
【0061】
図5において、第1の通信装置1にリソース解放要因が発生したとする(ステップ1032)。この場合、第1の制御カード19は第1のインタフェースカード11に対して回線リソースの解放設定を行い(ステップ1033)、第1のインタフェースカード11は回線リソースの解放結果を応答する(ステップ1034)。同様に、第1の制御カード19は第1のスイッチカード14に対して前述した回線リソースと後で解放する機能リソースとの接続を解除する設定を行い(ステップ1035)、第1のスイッチカード14は接続解除の結果を応答する(ステップ1036)。
【0062】
次に、第1の制御カード19は、解放する機能リソースが第1の通信装置1内部に有する機能リソースを取得したものか、拡張機能リソースとして第2の通信装置2にて取得したものかを確認する(ステップ1037)。解放する機能リソースが第1の通信装置1内部に有する機能リソースである場合(ステップ1038)、第1の制御カード19はリソース解放処理を行う(ステップ1039)。第1の制御カード19は、第1の機能カード16に対して、機能リソースの解放設定を行い(ステップ1040)、第1の機能カード16は解放結果を応答し(ステップ1041)、リソース解放が完了する(ステップ1058)。
【0063】
ステップ1037にて解放する機能リソースが第2の通信装置2内部に有する拡張機能リソースであった場合(ステップ1042)、第1の制御カード19は第1の拡張機能リソースの解放処理を実施する(ステップ1043)。第1の制御カード19は第1のリソース拡張機能カード15に対して拡張機能リソースの解放設定を行い(ステップ1044)、第1のリソース拡張機能カード15は、ネットワーク3を介して、外部の第2の通信装置2が具備する第2のリソース拡張機能カード25に対して、拡張機能リソースの解放処理を行う(ステップ1046)。
【0064】
図6に移って、第2の通信装置2内部の第2のリソース拡張機能カード25にて拡張機能リソースの解放処理の受付処理を行い(ステップ1047)、第2のリソース拡張機能カード25は、第2の制御カード29に対して、拡張機能リソースの解放要求を行う(ステップ1048)。第2の制御カード29では拡張リソースの解放処理を実施する(ステップ1049)。第2の制御カード29は第2のスイッチカード24に対して解放設定を実施し(ステップ1050)、第2のスイッチカード24は解放結果を応答する(ステップ1051)。同様に、第2の制御カード29は、第2の機能カード26に対して、機能リソースの解放設定を行い(ステップ1052)、第2の機能カード26は解放結果を応答し(ステップ1053)、拡張機能リソースの解放が完了する(ステップ1054)。第2の制御カード29は、第2のリソース拡張機能カード25に対して拡張機能リソースの解放の応答を行い(ステップ1055)、第2のリソース拡張機能カード25は、ネットワーク3を介して、第1の通信装置1の第1のリソース拡張機能カード15に対して、拡張機能リソースの解放結果を応答する(ステップ1056)。
【0065】
図5に戻って、第1の通信装置1の第1のリソース拡張機能カード15は、第1の制御カード19に拡張機能リソースの解放結果を応答し(ステップ1057)、リソースの解放が完了する(ステップ1058)。
【0066】
以上説明したように、本発明の第1の実施例においては、以下に記載するような効果を奏する。
【0067】
第1の効果は、リソース拡張機能カードを搭載することで、通信装置内で使用できる機能リソースが枯渇した場合にも、他の通信装置の機能リソースを使用できるので、機能カードを増やすことなく一つの通信装置内で使用できる機能リソース数を拡張できることである。
【0068】
第2の効果は、ネットワーク全体の機能リソースを増やすことなく、リソース拡張機能カードを用いて機能リソースを拡張しているので、ネットワーク全体としては機能リソースの有効活用ができることである。
【実施例2】
【0069】
本発明の第2の実施例は、その基本的構成は上記の通りであるが、リソース拡張機能カードについては、その機能をソフトウェアで実現している。これにより、独立したカードの構成ではなく、ソフトウェアをインタフェースカード、機能カード、制御カードに搭載し、外部の通信装置との接続を既存のインタフェースカードを用いる構成にすることも可能である。
【0070】
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0071】
1 ・・・ 通信装置
11〜13 ・・・ インタフェースカード
14 ・・・ スイッチカード
15 ・・・ リソース拡張機能カード
16〜18 ・・・ 機能カード
19 ・・・ 制御カード
2 ・・・ 通信装置
21〜23 ・・・ インタフェースカード
24 ・・・ スイッチカード
25 ・・・ リソース拡張機能カード
26〜28 ・・・ 機能カード
29 ・・・ 制御カード
3 ・・・ ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のインタフェースカードと、スイッチカードと、複数の機能カードと、前記複数のインタフェースカード、前記スイッチカード、および前記複数の機能カードを制御する制御カードと、を備えた通信装置において、
ネットワークを介して接続された異なる通信装置に設置された機能カード上の機能リソースを使用できるようにする機能を持つリソース拡張機能カードを有する、ことを特徴とする通信装置。
【請求項2】
リソース取得要因が発生して、当該通信装置に機能リソースが無い場合、
前記制御カードは、前記リソース拡張機能カードに対して拡張機能リソースの取得設定を行い、
前記リソース拡張機能カードは、前記異なる通信装置が具備するリソース拡張機能カードに対して、拡張機能リソースの取得設定を行い、
前記異なる通信装置のリソース拡張機能カードから拡張機能リソースの取得結果の応答があった場合、
当該通信装置の前記リソース拡張機能カードは、前記制御カードに拡張機能リソースの取得結果を応答する、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
リソース解放要因が発生して、解放すべき機能リソースが前記異なる通信装置内部に有する拡張機能リソースであった場合、
前記制御カードは、前記リソース拡張機能カードに対して拡張機能リソースの解放設定を行い、
前記リソース拡張機能カードは、前記異なる通信装置のリソース拡張機能カードに対して、拡張機能リソースの解消処理を行い、
前記異なる通信装置のリソース拡張機能カードから拡張機能リソースの解放結果の応答があった場合、
当該通信装置の前記リソース拡張機能カードは、前記制御カードに拡張機能リソースの解放結果を応答する、
請求項2に記載の通信装置。
【請求項4】
第1の通信装置と第2の通信装置とがネットワークを介して接続された通信システムにおけるリソース拡張方法であって、
前記第1の通信装置が、当該第1の通信装置内で通信を処理するための機能リソースが足りないと判断した場合、前記ネットワークを介して前記第2の通信装置の機能リソースを使用することを特徴とする、通信システムのリソース拡張方法。
【請求項5】
前記第1の通信装置が、拡張機能リソースの取得処理を行うステップと、
前記第1の通信装置が、前記ネットワークを介して前記第2の通信装置に拡張機能リソースの取得設定を行うステップと、
前記第2の通信装置が、拡張機能リソースの受付処理を行うステップと、
前記第2の通信装置が、拡張機能リソースの取得処理を実施するステップと、
前記第2の通信装置が、前記ネットワークを介して第1の通信装置に対し、拡張機能リソースの取得結果を応答するステップと、
前記第1の通信装置が、前記拡張機能リソースの取得結果に応答して、リソース取得を完了するステップと、
を含む、請求項4に記載の通信システムのリソース拡張方法。
【請求項6】
前記第1の通信装置が、拡張機能リソースの解放処理を実施するステップと、
前記第1の通信装置が、前記ネットワークを介して前記第2の通信装置に対して、拡張機能リソースの解放処理を行うステップと、
前記第2の通信装置が、前記拡張機能リソースの解放処理を受け付けるステップと、
前記第2の通信装置が、拡張機能リソースの解放処理を実施するステップと、
前記第2の通信装置が、前記ネットワークを介して前記第1の通信装置に拡張機能リソースの解放結果を応答するステップと、
前記第1の通信装置が、前記拡張機能リソースの解放結果に応答して、リソース解放を完了するステップと、
を含む、請求項5に記載の通信システムのリソース拡張方法。
【請求項7】
第1の通信装置と、第2の通信装置と、前記第1の通信装置と前記第2の通信装置とを接続するネットワークと、を備える通信システムにおいて、
前記第1の通信装置は、
複数の第1のインタフェースカードと、
第1のスイッチカードと、
複数の第1の機能カードと、
前記複数の第1のインタフェースカード、前記第1のスイッチカード、および前記複数の第1の機能カードを制御する第1の制御カードと、
前記ネットワークを介して接続された前記第2の通信装置に設置された機能カード上の機能リソースを使用できるようにする機能を持つ第1のリソース拡張機能カードと、
を備え、
前記第2の通信装置は、
複数の第2のインタフェースカードと、
第2のスイッチカードと、
複数の第2の機能カードと、
前記複数の第2のインタフェースカード、前記第2のスイッチカード、および前記複数の第2の機能カードを制御する第2の制御カードと、
前記ネットワークを介して接続された前記第1の通信装置に設置された機能カード上の機能リソースを使用できるようにする機能を持つ第2のリソース拡張機能カードと、
を備えることを特徴とする通信システム。
【請求項8】
前記第1の通信装置内でリソース取得要因が発生して、当該第1の通信装置に機能リソースが無い場合、
前記第1の制御カードは、前記第1のリソース拡張機能カードに対して拡張機能リソースの取得設定を行い、
前記第1のリソース拡張機能カードは、前記ネットワークを介して前記第2のリソース拡張機能カードに対して、拡張機能リソースの取得設定を行い、
前記第2のリソース拡張機能カードは、拡張機能リソースの受付処理を行い、
前記第2のリソース拡張機能カードは、前記第2の制御カードに対して、拡張機能リソースの取得要求を行い、
前記第2の制御カードは、拡張機能リソースとして当該第2の通信装置が有する機能リソースが使用できる場合、拡張機能リソースの取得処理を実施し、
前記第2の制御カードは、拡張機能リソースの取得が完了後に、前記第2のリソース拡張機能カードに対して、拡張機能リソースの取得応答を行い、
前記第2のリソース拡張機能カードは、前記ネットワークを介して前記第1のリソース拡張機能カードに対して、拡張機能リソースの取得結果を応答し、
前記第1のリソース拡張機能カードは、前記第1の制御カードに拡張機能リソースの取得結果を応答する、
請求項7に記載の通信システム。
【請求項9】
前記第1の通信装置内でリソース解放要因が発生して、解放すべき機能リソースが前記第2の通信装置内部に有する拡張機能リソースであった場合、
前記第1の制御カードは、前記第1のリソース拡張機能カードに対して拡張機能リソースの解放設定を行い、
前記第1のリソース拡張機能カードは、前記ネットワークを介して前記第2のリソース拡張機能カードに対して、拡張機能リソースの解放処理を行い、
前記第2のリソース拡張機能カードが、前記拡張機能リソースの解放処理を受け付け、
前記第2のリソース拡張機能カードは、前記第2の制御カードに対して、拡張機能リソースの解放要求を行い、
前記第2の制御カードは、拡張機能リソースの解放処理を実施し、
前記第2の制御カードは、拡張機能リソースの解放が完了後に、前記第2のリソース拡張機能カードに対して、拡張機能リソースの解放応答を行い、
前記第2のリソース拡張機能カードは、前記ネットワークを介して前記第1のリソース拡張機能カードに対して、拡張機能リソースの解放結果を応答し、
前記第1のリソース拡張機能カードは、前記第1の制御カードに拡張機能リソースの解放結果を応答する、
請求項8に記載の通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−142705(P2012−142705A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−292700(P2010−292700)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】