説明

通信装置および家庭電気製品

【課題】通信エラーが解除し易くて、通信エラーの未然防止を図ることができる通信装置および家庭電気製品を提供すること。
【解決手段】赤外線送受信部210からの信号に基づいて、通信エラーの原因を認識した表示制御部200bが、通信エラーの原因と、その対処方法を、リアルタイムに液晶カラーパネルに表示させる。また、赤外線送受信部210からの信号に認識不能なコードが一部含まれている場合に、情報認識部200aでそのコードを読み飛ばして信号の情報を認識する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置および家庭電気製品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、通信装置としては、赤外線通信が、失敗した場合に、赤外線通信の失敗理由を抽出して、失敗理由を報知するようになっているものがある(特開2009−10682号公報)。
【0003】
しかしながら、上記従来の通信装置では、受信ができない原因がわかっても、具体的にどのようにすれば、通信エラーが解消できるのかわからないという問題があった。
【0004】
また、従来の通信装置では、外国製の情報端末等を用いて通信をおこなった場合等において、通信規格外のコードを含む情報が、送信されたときに、通信ができないことがあった。
【0005】
また、従来の通信装置では、結果として通信が失敗したことを報知するのみであり、リアルタイムに問題を報知してくれることがなく、通信エラーの未然防止を図ることができず、通信を正常に戻すのに、時間を要するという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−10682号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明の課題は、通信エラーの未然防止を図ることができる通信装置および家庭電気製品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、この発明の通信装置は、
情報端末からの信号を受信する受信部と、
上記情報端末との通信の状態を表示可能な表示部と、
上記受信部から信号を受けて、上記情報端末との通信の状態を継続的に監視して、通信が失敗するか否かを上記通信の最中にリアルタイムに予測する通信予測部と
を備え、
上記通信予測部は、通信が失敗すると予測した時点で、その通信の失敗の原因をリアルタイムに上記表示部に表示させることを特徴としている。
【0009】
本発明によれば、通信予測部が、リアルタイムに通信の失敗の原因を認識して、その通信の失敗の原因をリアルタイムに上記表示部に表示させるようになっているから、より迅速に通信が正常な状態に復帰させることができて、通信エラーの未然防止を図ることができる。例えば、通信の失敗の原因が、リアルタイムで上記表示部に表示されるから、ユーザーが、リアルタイムで問題の所在を知り得、通信の最中において、通信エラーを解除できて、通信を通信の初期状態に戻すことなく、継続して実行することができる。また、通信を継続して実行できない場合であっても、通信をより迅速に正常な状態に戻すことができる。
【0010】
また、一実施形態では、
上記通信予測部は、上記受信部からの信号を受けて上記信号が表す情報を認識する情報認識部を含み、
上記情報認識部は、上記受信部からの信号に規格外のコードが含まれているときに、そのコードを読み飛ばす。
【0011】
特に、外国製品は、独自の通信規格を使用していることが多いが、従来、通信において、認識不能なコードが一部に含まれている場合に、通信が不能になることが多かった。
【0012】
上記実施形態では、上記情報認識部が、上記受信部からの信号に上記情報端末と行っている通信の標準規格の規格外のコードが含まれているときに、そのコードを読み飛ばすようになっているから、信号に認識不能なコードが一部に含まれていたとしても、通信が不能になることがなく、適正に通信を行うことができる。したがって、通信エラーの発生を格段に低減することができる。
【0013】
また、本発明の家庭電気製品は、
本発明の通信装置を備え、
上記情報端末からの信号は、赤外線信号であり、
上記通信予測部は、上記情報端末の赤外線発信部から上記受信部に到達していた上記赤外線信号が、通信の途中で上記受信部に到達しなくなった場合に、上記表示部に上記赤外線発信部を上記受信部に向けることにより上記通信エラーを解除できることを表す情報を表示させる。
【0014】
尚、上記情報を表示させる時点は、赤外線信号が、通信の途中で上記受信部に到達しなくなった時点であることが好ましいが、そうでなくても構わない。
【0015】
IrDA(Infrared Data Association)規格等の比較的高速の赤外線通信プロトコルを用いた赤外線通信では、信号の指向性が比較的狭いため、情報端末を、正確に受信部である受光部に向けて赤外線を送信する必要がある。そのため、比較的高速の赤外線通信プロトコルを用いた赤外線通信では、加熱調理器において、情報端末を正確に受信部に向けることができなくて、赤外線通信を確実にできないという問題が頻繁に生じる可能性がある。
【0016】
本発明によれば、赤外線通信信号が、通信の途中で上記受信部に到達しなくなった場合に、上記表示部に、上記赤外線発信部を上記受信部に向けることにより上記通信エラーを解除できることを表す情報が表示されるから、比較的高速で指向性が高い赤外線通信を行っている場合におきる問題を、容易かつ迅速に解消できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の通信装置によれば、通信予測部が、リアルタイムに通信の失敗の原因を認識して、その通信の失敗の原因をリアルタイムに上記表示部に表示させるようになっているから、より迅速に通信が正常な状態に復帰させることができて、通信エラーの未然防止を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の家庭電気製品の一実施形態である蒸気調理器の正面斜視図である。
【図2】上記蒸気調理器の縦断面の模式図である。
【図3】図1に示す操作パネルおよび赤外線通信ポートを拡大した概略図である。
【図4】図3のF4−F4線から見た模式断面図である。
【図5】蒸気調理器の制御ブロック図である。
【図6】蒸気調理器と赤外線通信が可能な情報端末の一例である携帯電話の正面図である。
【図7】上記携帯電話の背面図である。
【図8】上記携帯電話機の構成を示すブロック図である。
【図9】カラー液晶表示部におけるトップ操作画面を示す図である。
【図10】マイメニュー画面を示す図である。
【図11】オリジナルメニュー画面を示す図である。
【図12】条件選択画面を示す図である。
【図13】写真登録画面を示す図である。
【図14】受信待ち画面を示す図である。
【図15】受信不能画面を示す図である。
【図16】受信失敗画面を示す図である。
【図17】受信中画面を示す図である。
【図18】非対応データ画面を示す図である。
【図19】通信が正確に終了した際に現れる撮影画像を表示する画面の一例を示す図である。
【図20】画像を携帯から蒸気調理器に登録するまでの手続きの一例を示すフローチャートである。
【図21】本発明の他の実施形態の蒸気調理器の制御のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を図示の形態により詳細に説明する。
【0020】
図1は、本発明の家庭電気製品の一実施形態である蒸気調理器の正面斜視図である。
【0021】
この蒸気調理器は、直方体形状のケーシング1の正面に、下端側の辺を略中心に回動する扉2が取り付けられている。この扉2の上部にハンドル3を取り付けると共に、扉2の略中央に耐熱ガラス4を取り付けている。また、扉2の右側に操作パネル5および受信部の一例としての赤外線通信ポート211を設けている。この操作パネル5は、表示部の一例としてのカラー液晶表示部6と、ボタン群7とを有している。また、ケーシング1の上側かつ右側後方に排気ダクト8を設けている。さらに、ケーシング1の扉2の下方に、露受容器9を着脱自在に取り付けている。
【0022】
図2は、上記蒸気調理器の縦断面の模式図である。
【0023】
図2に示すように、この蒸気調理器は、水タンク11から供給された水を蒸気発生装置12で加熱して飽和水蒸気を生成する。蒸気発生装置12で生成された飽和水蒸気は、蒸気供給通路(図示せず)を介して、加熱庫13の右側面に取り付けられた循環ユニット14の蒸気吸込口15の加熱庫13側に供給される。
【0024】
上記蒸気供給通路に接続された蒸気供給管34を、加熱庫13の右側面と平行になるように、循環ユニット14の蒸気吸込口15の近傍に取り付けている。また、循環ユニット14内には、蒸気吸込口15に対向するように循環ファン18を配置している。循環ファン18は、ファンモータ19によって回転駆動される。
【0025】
上記加熱庫13の上面および左側面を覆うように、L字状に屈曲した蒸気ダクト100を取り付けている。この蒸気ダクト100は、加熱庫13の上面側に固定された第1ダクト部110と、第1ダクト部110の左側方から下側に屈曲する屈曲部120と、加熱庫13の左側面側に固定され、屈曲部120を介して第1ダクト部110に連なる第2ダクト部130とを有している。
【0026】
この蒸気ダクト100の第1ダクト部110に、過熱蒸気生成ヒータ20を収納している。蒸気ダクト100の第1ダクト部110と、過熱蒸気生成ヒータ20で過熱蒸気生成装置21を構成している。なお、過熱蒸気生成装置は、蒸気ダクトとは別に設けてもよい。
【0027】
そして、蒸気ダクト100の第1ダクト部110の右側は、循環ユニット14の上部に設けられた蒸気供給口22に連通している。加熱庫13の天面には、複数の第1蒸気吹出口24が設けられており、蒸気ダクト100の第1ダクト部110は、第1蒸気吹出口24を介して加熱庫13内に連通している。一方、蒸気ダクト100の第2ダクト部130は、加熱庫13の左側面に設けられた複数の第2蒸気吹出口25を介して加熱庫13内に連通している。
【0028】
上記加熱庫13と蒸気ダクト100との隙間は、耐熱樹脂などによりシールされている。また、加熱庫13と蒸気ダクト100は、加熱庫13の前面開口を除いて断熱材により覆われている。
【0029】
上記循環ユニット14と過熱蒸気生成装置21と加熱庫13とそれらを接続する接続部材とによって、蒸気の循環経路が形成されている。そして、この循環経路における循環ユニット14の加熱庫13との境界部に、蒸気発生装置12で生成された飽和水蒸気が供給される。
【0030】
また、加熱庫13の下部には、図示しないマグネトロンが配置されている。このマグネトロンで発生したマイクロ波は、導波管(図示せず)によって加熱庫13の下部中央に導かれ、モータ37によって駆動される回転アンテナ38によって攪拌されながら加熱庫13内の上方に向かって放射されて被加熱物27を加熱する。上記加熱蒸気生成ヒータ20や、上記マグネトロンは、加熱部を構成している。
【0031】
また、ケーシング1内の下側には、冷却ファン部(図示せず)と、電装部品17とを配置している。電装部品17は、蒸気調理器の各部を駆動する駆動回路やこの駆動回路を制御する制御回路等を有している。
【0032】
図3は、図1に示す操作パネル5および赤外線通信ポート211を拡大した概略図であり、図4は、図3のF4−F4線から見た模式断面図である。
【0033】
上記ボタン群7は、戻るキー71、取り消しキー72、手動加熱キー73、および、あたためスタートキー74で構成されている。戻るキー71は、カラー液晶パネル61の画面表示を直前の画面表示に戻すときに押す。また、取り消しキー72は、途中で加熱をやめるときや、操作を取り消すときに押す。そして、手動加熱キー73は、高周波出力および加熱出力を手動で設定するときに押す。また、あたためスタートキー74は、加熱を開始するときに押す。尚、ユーザーは、操作パネル5を操作することにより、赤外線通信モードを選択することができるようになっている。また、上記赤外線通信ポート211は、後述の赤外線送受信部(図5に210で示す)に接続されている。
【0034】
赤外線通信ポート211は、可視光を遮断するカバーを有している。詳しくは、赤外線通信ポート211の表面の材質は、可視光を遮り赤外線を透過する材質で構成されている。上記赤外線通信ポート211の蒸気調理器の前後方向(奥行き方向)に重なる箇所には、赤外線検知用の受光素子が配置されている。
【0035】
図4を参照して、上記カラー液晶表示部6は、カラー液晶パネル61上にタッチパネル62を重ねて構成されている。なお、この発明の表示部は、液晶パネルに限らず、有機ELなどの他の表示デバイスを用いてもよく、カラー表示に限らず、白黒表示でもよい。
【0036】
このカラー液晶パネル61は、文字、数字、写真等をカラー表示できるものであり、加熱の種類、料理名、加熱時間、温度、料理の写真等を表示する。また、タッチパネル62は、ユーザーが指でタッチすると、表面電荷を変化させる透明素材からなる静電容量方式のタッチパネルである。これにより、ユーザーはタッチパネル62をタッチして、カラー液晶パネル61に表示される画像を選択できるようになっている。また、ユーザーがタッチパネル62をタッチして、カラー液晶パネル61に表示される選択可能な画像を選択すると、その画像の色が変わるようになっている。つまり、カラー液晶パネル61に表示される画像は、選択状態の色が非選択状態の色と異なるようになっている。なお、タッチパネル62は、例えば、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式または電磁誘導方式のタッチパネルに換えてもよく、また、指によるタッチパネルの操作だけでなく、タッチペンなどのペン状物体を用いて操作してもよい。
【0037】
図5は、この蒸気調理器の制御ブロック図を示している。この蒸気調理器は、マイクロコンピュータと入出力回路などからなる制御装置200を電装品部17(図2参照)内に備えている。制御装置200は、過熱蒸気生成ヒータ20、循環ファン用モータ19、冷却ファン用モータ16、給気ダンパ用モータ44、排気ダンパ用モータ60、赤外線送受信部210、操作パネル5、庫内温度センサ29、解凍センサ50、給水ポンプ70、蒸気発生装置12、マグネトロン80および記憶部211が接続されている。上記赤外線送受信部210は、増幅回路等からなり、制御装置200によって、駆動制御されるようになっている。
【0038】
操作パネル5からの信号および庫内温度センサ29、解凍センサ50からの検出信号に基づいて、制御装置200は、過熱蒸気生成ヒータ20、循環ファン用モータ19、冷却ファン用モータ16、給気ダンパ用モータ44、排気ダンパ用モータ60、操作パネル5、給水ポンプ70、蒸気発生装置12およびマグネトロン80などを制御するようになっている。
【0039】
上記制御装置200は、情報認識部200aと、表示制御部200bと、赤外線通信制御部200cと、タイマ200dとを有する。上記表示制御部200bは、通信予測部を含んでいる。
【0040】
上記信号認識部200aは、後述の携帯電話等の情報端末からの信号を、赤外線送受信部を介して受けるようになっている。上記信号認識部200aは、上記情報端末からの信号に、その情報端末との通信の規格外のコードであって認識不可能なコードがある場合に、その認識不可能なコードを読み飛ばすことにより、信号の情報を認識するようになっている。
【0041】
また、上記表示制御部200bは、カラー液晶表示部6の一画面に複数のメニューを表す複数の画像を同時に表示するようになっている。また、上記表示制御部200bは、後述するように、特定の通信エラーを認識した場合には、その通信エラーの対処法を、カラー液晶表示部6に表示するようになっている。また、上記赤外線通信制御部200cは、赤外線送受信部210の動作を制御するようになっており、タイマ200dは、時間計測を行うようになっている。
【0042】
図6は、この蒸気調理器と赤外線通信が可能な情報端末の一例である携帯電話の正面図であり、図7は、その携帯電話の背面図である。
【0043】
図6に示すように、この携帯電話機は、モニター側筐体301および操作側筐体302を備え、このモニター側筐体301と操作側筐体302とがヒンジ部303で連結され、折り畳み可能になっている。上記モニター側筐体301には、表示部305とスピーカ部306が設けられている。また、上記操作側筐体302には、通話ボタンや撮影ボタンなどを含む複数の操作ボタン307からなる操作部308とマイク部311とが設けられている。また、図7に示すように、上記モニター側筐体301の背面には、カメラ部312と、情報端末の赤外線発信部としての赤外線通信ポート313が設けられている。
【0044】
図8は、携帯電話機の構成を示すブロック図である。
【0045】
上記携帯電話機の制御回路360には、上記操作部308、マイク部311、表示部305、赤外線信号送受信部315、スピーカ部306、カメラ部312、通信部330および記憶部350が接続されている。上記制御回路360は、図示しないマイクロコンピュータ,ROM,RAM等で構成されており、上記各部の動作を制御する。上記制御回路360は、赤外線通信制御部360aを有し、この赤外線通信制御部360aで赤外線信号送受信部315の動作を制御する。
【0046】
上記操作部308の操作ボタン307が操作されると、これに対応する操作信号が制御回路360で検出される。マイク部311は、入力された音声を信号に変換して制御回路360に出力する。表示部305は、例えば液晶ディスプレイから構成され、携帯電話機が開かれている状態において、制御回路360から与えられる表示信号を表示する。
【0047】
赤外線信号送受信部315は、制御回路360から入力された信号を、予め定められた赤外線通信プロトコルに基づいて赤外線信号として赤外線通信ポート313(図7参照)から外部に送信する。また、この赤外線信号送受信部315は、予め定められた赤外線通信プロトコルに基づいて赤外線通信ポート313から赤外線信号を受信して制御回路360へ入力する。また、スピーカ部311は、制御回路360から入力された信号を音声に変換して外部に出力する。上記カメラ部312は、例えばCCDカメラから構成され、撮影した画像データを制御回路360に出力する。また、通信部330は、所定の通信プロトコルに基づいて、インターネットとの接続や、携帯電話回線との通信処理を行う。記憶部350は、例えば不揮発性メモリから構成され、後述する各種の情報を記憶する。
【0048】
図9は、カラー液晶表示部6におけるトップ操作画面を示す図である。
【0049】
この蒸気調理器は、携帯電話等の情報端末で撮影した調理後の料理を、その調理条件とともに記憶部211(図5参照)に記憶させることができるようになっている。
【0050】
以下、図9のトップ操作画面から撮影した写真を登録する手法と、登録に関して発生するおそれがある通信エラーと、この実施形態の蒸気調理器で通信エラーを未然に防止できる理由について説明する。
【0051】
まず、図9の画面において、マイメニューを選択して、カラー液晶表示部6に図10に示すマイメニュー画面を表示する。次に、マイメニュー画面において、登録・変更を選択して、図11に示すオリジナルメニュー画面を表示する。続いて、図11のオリジナルメニュー画面の表示において、登録・変更を選択して、図12に示す条件選択画面を表示する。そして、図12の条件選択画面で写真を選択して、図13に示す写真登録画面を表示する。
【0052】
次に、ユーザーが、図13の写真登録画面で、赤外線通信スタートキーを選択すると、カラー液晶表示部6が、図14に示す受信待ち画面に変わって、図14の受信待ち画面に示すように、「携帯電話から本体の受光部に向けて送信してください」の文言が、カラー液晶表示部6に表示されると共に、受信部の一例としての受光部である赤外線ポート211の位置が、カラー液晶表示部6に表示される。また、図14に示す受信待ち画面への切り替わりとともに、赤外線通信制御部200c(図5参照)が、赤外線送受信部210を駆動して、赤外線送受信部210が、信号の送受信を行い得るようになる。また、図14に示す受信待ち画面への切り替わりとともに、タイマ200dが、時間の経時を開始する。
【0053】
その後、ユーザーが、携帯電話の赤外線通信ポート313(図7参照)を、蒸気調理器の赤外線通信ポート211に向けて、携帯電話の操作部308の操作ボタン307のうちの予め定められた赤外線通信ボタンを操作して、当該写真の画像データを、複数個のパケットに分けて送ったとする。
【0054】
ここで、画面が、図14に示す受信待ちの画面に変わってから、所定の時間(例えば3分間)信号が赤外線ポート211に到達しなかったら、カラー液晶表示部6が、図15に示す受信不能画面に切り替わる。この受信不能画面は、情報端末からの送信がない場合や、情報端末から受信範囲外で信号が送信された場合等に現れる。この受信不能画面には、画像受送信範囲内で再度画像を送信して下さいとの表示がされている。この表示によって、ユーザーは、通信エラーが、受信範囲外からの送信等にあることを知ることができる。
【0055】
尚、図15(以下の図16,18も同様)の画面において、再送信が選択されると、図13に示す画面が現れるようになっており、図15(以下の図16,18も同様)の画面において、中止が選択されると、図12に示す画面が現れるようになっている。
【0056】
一方、図14の受信待ち画面になった後、所定時間内に携帯電話から画像の情報が送られた後、通信が完了する前に、携帯電話からの信号が受信できない状態になったとする。
【0057】
この場合、図14の画面から信号が到達して瞬時に信号を受けることができない状態になった場合には、画面が、図14に示す受信待ち画面から図16に示す受信失敗画面に変更される。また、図14の画面から信号が赤外線通信ポート211に到達してある程度信号を受けた後、信号の受信が不能になった場合には、画面が、図14に示す受信待ち画面から図17に示す受信中画面に移行した後、図16に示す受信失敗画面に切り替わる。
【0058】
図16の受信失敗画面は、受信開始後、携帯からのデータ送信を中止した場合や、受信開始後、ポート間の向きがそれた時等に現れる。図16の受信失敗画面には、通信が終わるまで携帯電話の赤外線ポートを受光部に向けたまま動かさないでくださいと表示されている。この表示によって、ユーザーは、通信エラーが、携帯の過度な移動にあることを知ることができる。
【0059】
この実施形態では、表示制御部200bは、赤外線送受信部210が信号を受信できなくなったことを認識したときに、カラー液晶表示部6に、この受信失敗画面を表示するようになっており、表示制御部200bの通信エラーの認識と同時進行でリアルタイムに受信の失敗をユーザーにしらせるようになっている。したがって、ユーザーは、通信の最中におけるリアルタイムのカラー液晶表示部6の表示によって、携帯電話の赤外線ポートを、再度、受光部に向けることができて、通信エラーを、通信の最中に解除できて、赤外線通信を最初からやり直さずに、赤外線通信を、継続して行うことができる。尚、この発明では、表示制御部は、赤外線送受信部が信号を受信できなくなったことを認識してから、所定の時間の経過後にカラー液晶表示部に、この受信失敗画面を表示させるようになっていても良い。
【0060】
また、ユーザーが、信号を持続的に受信部に送信したとする。この場合、画面が、図14に示す受信待ち画面から図17に示す受信中画面に変わる。ここで、通信データの容量が、蒸気調理器の記憶部211の記憶能力を超えたり、通信データの縦横サイズが大きいときや、規格外の画像データ(例えば、JPEG形式以外の画像データ)が送られたときには、画面が、図17の受信中画面から図18に示す非対応データ画面に切り替わる。この非対応データ画面は、データ容量が大きい時や、データの縦横サイズが大きい時や、JPEG形式以外の画像データが送信されたとき等に表示される。
【0061】
この非対応データ画面には、画像サイズの制限や、データ容量の制限に関する情報が記載されている。この画面によりユーザーは、送信信号を、規格に合うように、修正することができる。
【0062】
図19は、通信が正常に終了した際に現れる撮影画像を表示する画面の一例である。尚、図19の画面は、図18の画面から切り替わるが、図18の通信中画面は、最短でも2秒表示することが好ましく、通信が2秒以下で終わった場合にも、最短でも2秒表示することが好ましい。
【0063】
図20は、画像を携帯から蒸気調理器に登録するまでの手続きの一例を示すフローチャートである。
【0064】
手続きをスタートして、ステップS1で、ユーザーが赤外線通信スタートキーを選択すると、赤外線通信制御部200cが、赤外線送受信部210を駆動すると共に、タイマ200dが時間の計測をスタートする。その後、ステップS2で、赤外線通信制御部200cが、所定時間(例えば、3分間)内に通信信号を受信できたかを判断する。このステップS2で、所定時間内に信号を受信できたと判断すると、ステップS3に進む。一方、ステップS2で、赤外線通信制御部200cが、所定時間内に信号を受信できなかったと判断すると、ステップS7に進んで、表示制御部200bが、カラー液晶表示部6に、信号受信できない旨の表示をさせ、また、その対処方法を表示させる。そして、この表示によって、通信エラーを認識したユーザーは、赤外線通信の通信エリア内に移動して、再度ステップS1の手続きを行う。
【0065】
ステップS3では、情報認識部200aが、受信データに認識不能なコードが含まれているか否かを順次判断する。そして、認識不能なコードが含まれていないデータは、順次、赤外線通信制御部200cに送られる一方、受信データの一部に認識不能なコードが含まれていた場合は、ステップS8に進んで、情報認識部200aが、そのコードを読み飛ばして、データを認識可能なものとした後、その認識可能なデータを、順次、赤外線通信制御部200cに送るようになっている。
【0066】
ステップS4では、赤外線通信制御部200cが、通信信号を最後まで受信できたかを判断する。ステップS4で、通信信号を最後まで受信できたと判断すると、ステップS5に移る。一方、ステップS4で、通信信号を最後まで受信できなかったと判断すると、ステップS9に進んで、表示制御部200bが、リアルタイムで、カラー液晶表示部6に受信に失敗した旨の表示をさせ、また、その対処方法を表示させる。そして、この表示によって、通信エラーを認識したユーザーは、再度ステップS1に戻ってステップS1から手続きを繰り返す。
【0067】
ステップS5では、表示制御部200bが、受信データが対応しているデータであるか否かを判断する。詳しくは、このステップS5では、データ容量が、記憶部211の能力を超えるか、または、静止画像のデジタルデータを圧縮する方式が適切か否か等を判断する。そして、表示制御部200bが、受信データが対応していないデータであると判断すると、表示制御部200bが、カラー液晶表示部6に対応していないデータである旨の表示をさせ、また、その対処方法を表示させる。そして、この表示によって、通信エラーを認識したユーザーは、例えば画像データのデータ容量を縮小した後、再度ステップS1に戻ってステップS1から手続きを繰り返す。
【0068】
一方、ステップS5で、受信データが対応しているデータであると判断すると、ステップS6で、表示制御部200bがカラー液晶表示部6に送った画像の表示をさせ、ユーザーがその画像の登録を行い。手続きがエンドとなる。
【0069】
図21は、本発明の他の実施形態の蒸気調理器の制御のフローチャートである。
【0070】
図21を参照して、ユーザーが、赤外線通信モードを選択して、制御がスタートすると、ステップS101で、制御装置に内蔵されているカウンタが0に設定される。続いて、ステップS102で制御装置のタイマによる計時がスタートし、ステップS103で、通信予測部で、タイマによる計時が開始されてから、所定時間の一例としての0.5秒以内(所定時間が、0.5秒以内に限らないのは、勿論であり、例えば、0.3秒、0.7秒等、如何なる時間も選択できる)に、情報端末から信号を受信できたか否かが判断される。
【0071】
ステップS103で、通信予測部が、0.5秒以内に、情報端末から信号を受信できたと判断した場合には、ステップS104に進む一方、通信予測部が、0.5秒以内に、情報端末から信号を受信できなかったと判断した場合、ステップS108に進む。ステップS108では、通信予測部が、表示部に受信できない旨の表示をさせると共に、その対処を表示部に表示させる。ステップS108に続いて、ステップS109が実行される。ステップS109では、カウンタの数を、N=N+1に設定して、ループの回数をカウントし、次のステップS110で、制御装置が、カウンタの数が所定の数の一例としての10(所定の数が、10に限らないのは、勿論であり、例えば、15、20等、如何なる自然数も選択できる)よりか大きいか否かを判断する。ステップ110で、カウンタの数が、10よりも大きいと判断された場合には、制御が終了する。一方、ステップ110で、カウンタの数が、10以下の場合には、ステップS102に移行して、ステップS102に戻って、タイマによる計時を再度スタートする。
【0072】
ステップS104では、通信予測部が、フォームが、適切か否かを判断する。例えば、ステップS104では、通信予測部が、データが、規格外の画像データ(例えば、JPEG形式以外の画像データ)か否か等を判断する。ステップS104で、通信予測部が、フォームが適切であると判断すると、ステップS105に進む一方、ステップS104で、通信予測部が、フォームが適切でないと判断すると、ステップS111で、通信予測部が、表示部にフォームが適切でない旨の表示をさせた後、制御がエンドになる。
【0073】
ステップS105では、通信予測部が、サイズが適切か否かを判断する。例えば、ステップS105では、通信予測部が、通信データの容量が、蒸気調理器の記憶部211の記憶能力を超えているか否かを判断し、通信データの縦横サイズが大きいか否かを判断する。ステップS105で、サイズが適切であると判断されると、ステップS106に進む一方、ステップS105で、サイズが適切でないと判断されると、ステップS112で、通信予測部が、表示部にサイズが適切でない旨の表示をさせた後、制御がエンドになる。
【0074】
ステップS106では、通信予測部が、通信状態が適切か否かを判断する。具体的には、ステップS106では、通信予測部が、通信信号のレベルが、所定のレベルを超えているか否かや、S/N比(シグナルノイズ比)が所定の閾値を超えているか否かを判断する。ステップS106で、通信予測部が、通信状態が適切であると判断されると、ステップS107に進む一方、ステップS106で、通信状態が適切でないと判断すると、ステップS113に移行する。ステップS113では、通信予測部が、通信状態が適切でないと判断した時点で、適切でない通信情報の表示を、リアルタイムに表示部に表示させ、例えば、S/N比が所定の値を下回っている等の情報が、表示部に表示される。そして、S113の情報によって、問題を知ったユーザーにより例えば問題がリアルタイムに解消された後、ステップS107に進む。
【0075】
ステップS107では、エンドフラグか否かが判断される。ステップS107で、エンドフラグと判断されて、信号が終了した場合には、エンドに移行して、他の制御に移る一方、ステップS107で、エンドフラグと判断されなくて、信号が終了していない場合には、ステップ106を再度行うようになっている。
【0076】
上記実施形態の蒸気調理器によれば、通信予測部が、リアルタイムに通信の失敗の原因を認識して、その通信の失敗の原因をリアルタイムにカラー液晶表示部6に表示させるようになっているから、より迅速に通信が正常な状態に復帰させることができて、通信エラーの未然防止を図ることができる。例えば、通信の失敗の原因が、リアルタイムでカラー液晶表示部6に表示されるから、ユーザーが、リアルタイムで問題の所在を知り得、通信の最中において、通信エラーを解除できて、通信を通信の初期状態に戻すことなく、継続して実行することができる。また、通信を継続して実行できない場合であっても、通信をより迅速に正常な状態に戻すことができる。
【0077】
また、上記実施形態の蒸気調理器によれば、上記情報認識部が、赤外線送受信部210からの信号に携帯電話等と行っている通信の標準規格の規格外のコードが含まれているときに、そのコードを読み飛ばすようになっているから、信号に認識不能なコードが一部に含まれていたとしても、通信が不能になることがなく、適正に通信を行うことができる。したがって、通信エラーの発生を格段に低減することができる。
【0078】
また、上記実施形態の蒸気調理器によれば、赤外線通信信号が、通信の途中で赤外線送受信部210に到達しなくなった場合に、カラー液晶表示部6に、携帯電話の赤外線通信ポート313を赤外線送受信部210に向けることにより通信エラーを解除できることを表す情報が表示されるから、比較的高速で指向性が高い赤外線通信を行っている場合におきる問題を、容易かつ迅速に解消できる。
【0079】
尚、上記実施形態において、認識不能な一部のコードは、例えば画像データに関する規格外のJPEGのコードであっても良く、プロトコルの規格外のコードであっても良く、また、これらのコードは、信号のヘッダ、フッダ等、信号の如何なる箇所に存在していても良い。
【0080】
また、上記実施形態において、所定の時間として、具体的な時間が記載されている場合、変形例として、それ以外の時間が採用されても良いことは、言うまでもない。
【0081】
また、この発明では、情報端末と、ブルートゥース(Bluetooth)を用いた通信等、赤外線よりも短波長の電磁波を用いた無線通信を行っても良い。
【0082】
また、この発明では、通信データのデータサイズは、通信信号の最初の情報をして提供されるので、図20において、ステップS3、S4を省略するか、または、ステップS3を省略して、ステップS2からステップS5に手続きが移るようにしても良く、または、ステップS2からステップS3を介してステップS5に手続きが移るようにしても良い。そして、通信装置が通信データのサイズを受け取った時点で、通信データのサイズが記憶部の性能を超える場合、ステップS10にすぐに移るようにしても良い。
【0083】
また、この発明では、認識不能なコードを読み飛ばす機能を有していなくても良い。また、この発明では、受信データが対応しているデータであるかを判断しなくても良い。また、この発明では、信号が途中で未到着になったかを判断しなくても良い、また、この発明では、所定時間内に信号が受信できたかを判断しなくても良い。また、この発明では、この3つの判断のうちの2つを行わなくても良い。また、この発明では、通信エラーの原因をリアルタイムに表示部に表示させなくて、所定時間の経過後に、通信エラーの原因を表示部に表示させるようになっていても良い。
【0084】
また、上記実施形態では、加熱調理器が、蒸気調理器であったが、この発明の加熱調理器は、電子レンジ等、蒸気、過熱蒸気を用いないものであっても良く、この発明の加熱調理器は、加熱により食材を温める機能を有する調理器であれば、如何なる調理器であっても良い。
【0085】
また、上記実施形態では、情報端末としての携帯電話機と、加熱調理器との間で無線通信を行う場合を説明したが、この発明の通信は、ケーブルを介した有線通信でもよい。また、上記実施形態では、情報端末が携帯電話機であり、受信側装置が加熱調理器であったが、この発明では、情報端末は、携帯情報端末(PDA),スマートフォン,モバイルPC(パーソナルコンピュータ)等であっても良く、受信側装置は、他の家庭電気製品(例えば、炊飯器,冷蔵庫,掃除機,テレビジョン受像機,空気調和機,電気カミソリ,照明器具等)であっても良い。
【符号の説明】
【0086】
6 カラー液晶表示部
210 赤外線送受信部
211 赤外線通信ポート
311 携帯電話の赤外線ポート
200a 情報認識部
200b 表示制御部
200c 赤外線通信認識部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報端末からの信号を受信する受信部と、
上記情報端末との通信の状態を表示可能な表示部と、
上記受信部から信号を受けて、上記情報端末との通信の状態を継続的に監視して、通信が失敗するか否かを上記通信の最中にリアルタイムに予測する通信予測部と
を備え、
上記通信予測部は、通信が失敗すると予測した時点で、その通信の失敗の原因をリアルタイムに上記表示部に表示させることを特徴とする通信装置。
【請求項2】
請求項1に記載の通信装置において、
上記通信予測部は、上記受信部からの信号を受けて上記信号が表す情報を認識する情報認識部を含み、
上記情報認識部は、上記受信部からの信号に規格外のコードが含まれているときに、そのコードを読み飛ばすことを特徴とする通信装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の通信装置を備え
上記情報端末からの信号は、赤外線信号であり、
上記通信予測部は、上記情報端末の赤外線発信部から上記受信部に到達していた上記赤外線信号が、通信の途中で上記受信部に到達しなくなった場合に、上記表示部に上記赤外線発信部を上記受信部に向けることにより上記通信エラーを解除できることを表す情報を表示させることを特徴とする家庭電気製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図20】
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【図21】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2013−21500(P2013−21500A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−153142(P2011−153142)
【出願日】平成23年7月11日(2011.7.11)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】