説明

通信装置及び通信システム

【課題】携帯端末との取引情報を容易に確認及び修正できる。
【解決手段】携帯端末と近距離無線通信を行う第1通信部と、前記携帯端末と前記第1通信部との間の近距離無線通信が行われると、前記携帯端末に関する取引情報が管理サーバに記憶されるように、前記管理サーバとネットワークを介して通信を行う第2通信部と、前記携帯端末と前記第1通信部との間の近距離無線通信が正常に完了したか否かを判別する判別部と前記携帯端末と前記第1通信部との間の近距離無線通信が正常に完了していないと前記判別部が判別した場合、前記携帯端末に記憶される取引情報を前記管理サーバに記憶される取引情報に一致させるための、前記携帯端末に記憶される取引情報の更新を誘導する誘導情報を出力する出力部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置及び通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、携帯電話等の携帯端末に対して、電子マネーをチャージする決済端末等の通信装置が知られている。この通信装置と携帯端末とは、周知の近距離無線通信等によって非接触状態で取引情報を通信する(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−186297号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述したように、通信装置と携帯端末とは、非接触状態で取引情報の通信を行う。このため、例えば、通信中に、通信装置によって情報を読み取り可能な範囲から携帯端末が離れてしまった場合、通信装置と携帯端末との間で取引情報の通信が正常に終了しない虞がある。前述した通信装置では、携帯端末との取引情報の通信が正常に終了しなかった場合、通信装置の利用者が通信装置の管理者に問い合わせる等の煩雑な対応によって、取引情報の確認及び修正を行う必要があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前述した課題を解決する主たる本発明は、携帯端末と近距離無線通信を行う第1通信部と、前記携帯端末と前記第1通信部との間の近距離無線通信が行われると、前記携帯端末に関する取引情報が管理サーバに記憶されるように、前記管理サーバとネットワークを介して通信を行う第2通信部と、前記携帯端末と前記第1通信部との間の近距離無線通信が正常に完了したか否かを判別する判別部と前記携帯端末と前記第1通信部との間の近距離無線通信が正常に完了していないと前記判別部が判別した場合、前記携帯端末に記憶される取引情報を前記管理サーバに記憶される取引情報に一致させるための、前記携帯端末に記憶される取引情報の更新を誘導する誘導情報を出力する出力部と、を備えたことを特徴とする通信装置である。
【0006】
本発明の他の特徴については、添付図面及び本明細書の記載により明らかとなる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、携帯端末との取引情報を容易に確認及び修正可能な通信装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本実施形態における通信設備を示す図である。
【図2】本実施形態に係る通信装置との間で近距離無線通信を行う携帯端末の機能を示すブロック図である。
【図3】本実施形態に用いられる取引情報の一例を示す図である。
【図4】本実施形態に係る通信装置の機能を示すブロック図である。
【図5】本実施形態に用いられる管理サーバの機能を示すブロック図である。
【図6】本実施形態に係る通信装置の動作を示すフローチャートである。
【図7】本実施形態における携帯端末に未受取の電子マネーがある場合の通信システムの動作を示す図である。
【図8】本実施形態における通信装置と携帯端末との間の近距離無線通信が正常に完了しなかった場合の通信システムの動作を示す図である。
【図9】本実施形態における通信装置と携帯端末との間の近距離無線通信が正常に完了した場合の通信システムの動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書および添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
【0010】
===通信設備===
図1は、本実施形態における通信設備を示す図である。
通信設備100は、例えば電子マネー決済を行うための設備である。通信設備100は、通信装置1、管理サーバ2、管理サイト3、携帯端末4を含んで構成される。
【0011】
携帯端末4は、近距離無線通信を利用した例えば電子マネーの取引を行う機能を有する例えば携帯電話である。尚、携帯端末4の詳細は後述する。
【0012】
通信装置1は、携帯端末4との間で近距離無線通信を行い、携帯端末4の取引情報を管理サーバ2に記憶する電子マネー決済装置である。尚、取引情報、通信装置1の詳細は後述する。
【0013】
管理サーバ2は、携帯端末4の取引情報を記憶して、電子マネーによる決済を管理・運用するための例えばサーバコンピュータである。管理サーバ2は、通信装置1との間で通信できるように、例えばVPN(Virtual Private Network)5を介して通信装置1に接続される。尚、管理サーバ2の詳細は後述する。
【0014】
管理サイト3は、携帯端末4と管理サーバ2との間を通信可能に接続するウェブページを表示するための例えばウェブサーバである。管理サイト3は、管理サーバ2との間で通信できるように、例えばVPN5を介して管理サーバ2に接続される。管理サイト3は、携帯端末4との間で通信できるように、例えば公衆インターネット網6を介して携帯端末4に接続される。尚、管理サイト3の詳細は後述する。
【0015】
===携帯端末===
以下、図1乃至図3を参照して、本実施形態に係る通信装置との間で近距離無線通信を行う携帯端末について説明する。図2は、本実施形態に係る通信装置との間で近距離無線通信を行う携帯端末の機能を示すブロック図である。図3は、本実施形態に用いられる取引情報の一例を示す図である。
【0016】
携帯端末4は、近距離無線通信を利用した例えば電子マネーの取引を行う機能を有する例えば携帯電話である。携帯端末4は、無線通信部41、近距離無線通信部42、記憶部43、制御部44、カメラ部45、入力部46を含んで構成される。
【0017】
無線通信部41は、公衆インターネット網6を介して管理サイト3との間で通信を行うための例えば無線通信用のIC(Integrated Circuit)である。
近距離無線通信部42は、通信装置1との間で近距離無線通信を行うための例えばRFID(Radio Frequency Identification)トランスポンダ用のICである。
【0018】
記憶部43は、例えば第1の領域43a、第2の領域43bを有する。第1の領域43aには、例えば携帯端末4を制御するためのプログラムが記憶される。第2の領域43bには、例えば取引情報が記憶される。取引情報は、例えば電子マネー取引を行うときに利用される、各携帯端末毎の情報である。尚、取引情報には、例えば他の携帯端末から識別するための携帯端末ID、携帯端末4に入金されている電子マネーの残高が含まれるものとする。携帯端末IDと残高とは、関連付けられているものとする。取引情報は、通信装置1、管理サーバ2によって更新さるものとする。
【0019】
制御部44は、携帯端末4を制御するための例えば携帯電話用のマイコンである。
カメラ部45は、携帯端末4に設けられた例えばデジタルカメラである。
入力部46、携帯端末4のユーザから携帯端末4への各種設定を受け付ける例えばキーである。
【0020】
例えば、通信装置1、管理サーバ2から取引情報を要求された場合、携帯端末4は、取引情報を通信装置1、管理サーバ2に送信するものとする。
例えば、通信装置1によって取引情報の更新が行われた場合、取引情報の更新が完了したときに、携帯端末4は、例えば携帯端末4での取引情報の更新が完了したことを示すアック信号を出力するものする。
【0021】
===通信装置===
以下、図1乃至図4を参照して、本実施形態に係る通信装置について説明する。図4は、本実施形態に係る通信装置の機能を示すブロック図である。
【0022】
通信装置1は、携帯端末4との間で近距離無線通信を行い、携帯端末4の取引情報を管理サーバ2に記憶する電子マネー決済装置である。通信装置1は、第1通信部11、第2通信部12、記憶部13、判別部14、制御部15、出力部16を含んで構成される。
【0023】
第1通信部11は、携帯端末4との間で近距離無線通信を行うための例えばRFIDリーダライタ用のICである。
第2通信部12は、VPN5を介して管理サーバ2との間で通信を行うための例えば無線通信用のICである。
記憶部13には、例えば通信装置1を制御するためのプログラムが記憶される。
【0024】
判別部14は、携帯端末4と第1通信部11との間の近距離無線通信が正常に完了したか否かを判別する。判別部14は、アック信号を携帯端末4から受信したか否かによって、携帯端末4と第1通信部11との間の近距離無線通信が正常に完了したか否かを判別する。例えば、第1通信部11がアック信号を受信した場合、携帯端末4と第1通信部11との間の近距離無線通信が正常に完了したと判別部14は判別するものとする。一方、例えば、第1通信部11がアック信号を受信しなかった場合、携帯端末4と第1通信部11との間の近距離無線通信が正常に完了しなかったと判別部14は判別するものとする。
制御部15は、通信装置1を制御するための例えばCPUである。
【0025】
出力部16は、公衆インターネット網6を介して、携帯端末4と管理サイト3とを通信可能な状態に接続して、管理サーバ2に記憶された取引情報と一致するように、携帯端末4に記憶された取引情報を更新するための誘導情報を表示する、例えば液晶ディスプレイである。尚、誘導情報は、例えば管理サイト3における、携帯端末4と管理サーバ2との間を通信可能に接続するウェブページのURL(Uniform Resource Locator)を示す文字列が変換された例えば二次元バーコードとする。尚、出力部16が、本実施形態における出力部、表示部に相当する。管理サーバ2、管理サイト3の詳細は後述する。
【0026】
例えば、通信装置1は、近距離無線通信を行うための電波を常時発生しているものとする。携帯端末4に電子マネーを入金するために、携帯端末4を通信装置1に近づけたとき、携帯端末4と通信装置1との間の近距離無線通信が開始するものとする。尚、通信装置1の動作の詳細は後述する。
【0027】
===管理サイト===
以下、図1を参照して、本実施形態に用いられる管理サイトについて説明する。
管理サイト3は、携帯端末4と管理サーバ2との間を通信可能に接続するウェブページを表示するための例えばウェブサーバである。
【0028】
例えば、誘導情報に示されたURLに基づいて、携帯端末4から管理サイト3のウェブページに接続した場合、携帯端末4に記憶された取引情報の残高修正を行うか否かを選択するための選択キーが、携帯端末4のディスプレイ(不図示)に表示されるものとする。例えば、残高修正を行う選択キーを選択した場合、残高修正を要求する修正命令が、管理サイト3を介して、携帯端末4から管理サーバ2に送信される。一方、例えば、残高修正を行わない選択キーが選択された場合、修正命令は送信されない状態となる。
【0029】
===管理サーバ===
以下、図1、図3、図5を参照して、本実施形態に用いられる管理サーバについて説明する。図5は、本実施形態に用いられる管理サーバの機能を示すブロック図である。
【0030】
管理サーバ2は、携帯端末4の取引情報を記憶して、電子マネーによる決済を管理・運用するための例えばサーバコンピュータである。管理サーバ2は、無線通信部21、制御部22、記憶部23、判断部24を含んで構成される。
【0031】
無線通信部21は、VPN5を介して通信装置1、管理サイト3との間で通信を行うための例えば無線通信用のICである。
制御部22は、管理サーバ2を制御するための例えばCPUである。
記憶部23は、例えば第1の領域23a、第2の領域23bを有する。第1の領域23aには、例えば管理サーバ2を制御するためのプログラムが記憶される。第2の領域23bには、例えば取引情報が記憶される。
判断部24は、管理サイト3によって通信可能に接続された携帯端末4に記憶された携帯端末4の取引情報(以下、携帯端末4のローカル取引情報という)と、第2の領域23bに記憶された携帯端末4の取引情報(以下、携帯端末4のサーバ取引情報という)とが一致しているか否かを判断する。
【0032】
例えば、管理サーバ2が、通信装置1から受取確認命令を受信した場合、管理サーバ2は、判断部23の判断結果を示す情報を送信する。尚、受取確認命令は、未受取の電子マネーがあるか否かを確認するために、通信装置1から管理サーバ2に送信される命令である。例えば、携帯端末4のローカル取引情報と携帯端末4のサーバ取引情報とが例えば一致していない場合、管理サーバ2は、未受取の電子マネーがあることを示す未受取情報を送信する。一方、例えば、携帯端末4のローカル取引情報と携帯端末4のサーバ取引情報とが例えば一致している場合、管理サーバ2は、未受取の電子マネーがないことを示す受取情報を送信する。
【0033】
例えば、管理サーバ2が、管理サイト3によって通信可能に接続された携帯端末4から修正命令を受信した場合、管理サーバ2は、携帯端末4のローカル取引情報を要求して取得する。携帯端末4のローカル取引情報と携帯端末4のサーバ取引情報とが例えば一致していない場合、管理サーバ2は、携帯端末4のローカル取引情報を更新して、携帯端末4のサーバ取引情報に一致させる。一方、携帯端末4のローカル取引情報と携帯端末4のサーバ取引情報とが例えば一致している場合、管理サーバ2は、携帯端末4のローカル取引情報の更新を行わない状態となる。
【0034】
例えば、管理サーバ2が、通信装置1から取引情報を要求された場合、管理サーバ2は、取引情報を通信装置1に送信するものとする。
【0035】
===通信装置の動作===
以下、図1乃至図6を参照して、本実施形態に係る通信装置の動作について説明する。図6は、本実施形態に係る通信装置の動作を示すフローチャートである。
【0036】
携帯端末4に電子マネーを入金する際の通信装置1の動作について説明する。記憶部13に記憶された通信装置1を制御するためのプログラムの実行が開始され、携帯端末4に電子マネーを入金するために、携帯端末4を通信装置1に近づけて、携帯端末4と通信装置1との間の近距離無線通信が開始したところから説明する。
【0037】
未受取の電子マネーがあるか否かを確認するために、通信装置1は、受取確認命令を管理サーバ2に送信する。管理サーバ2は、VPN5、通信装置1を介して、携帯端末4の取引情報を、携帯端末4に要求して取得する。管理サーバ2は、携帯端末4のローカル取引情報と携帯端末4のサーバ取引情報とに基づいて、未受取情報又は受取情報を通信装置1に送信する(ステップS1)。
【0038】
通信装置1は、管理サーバ2から受信した受取情報又は未受取情報に基づいて、携帯端末4における未受取の電子マネーがあるか否かを判断する(ステップS2)。例えば、未受取の電子マネーがあることを示す未受取情報を通信装置1が管理サーバ2から受信した場合(ステップS2のYES)、通信装置1は、携帯端末4と管理サイト3とを通信可能な状態に接続するための誘導情報を出力部16に表示した(ステップS7)後、制御動作を終了する。
【0039】
一方、例えば、未受取の電子マネーがないことを示す受取情報を通信装置1が管理サーバ2から受信した場合(ステップS2のNO)、携帯端末4に電子マネーを入金するために、通信装置1は、以下の制御動作を行う。例えば、携帯端末4の利用者が、入金する電子マネーの額に相当する紙幣を通信装置1の紙幣挿入口(不図示)に挿入して、入金釦(不図示)を押下した場合、通信装置1は、紙幣挿入口に挿入された紙幣を回収する(ステップS3)。入金された電子マネーが、携帯端末4のローカル取引情報と携帯端末4のサーバ取引情報とに反映されるように、通信装置1は、携帯端末4のローカル取引情報と携帯端末4のサーバ取引情報とを更新する(ステップS4)。
【0040】
通信装置1は、携帯端末4から送信されるアック信号に基づいて、携帯端末4と第1通信部11との間の近距離無線通信が正常に完了したか否かを判別する(ステップS5)。例えば、通信装置1がアック信号を受信した場合(ステップS5のYES)、携帯端末4と第1通信部11との間の近距離無線通信が正常に完了したと、通信装置1が判別して制御動作を終了する。一方、例えば、通信装置1がアック信号を受信しない場合(ステップS5のNO)、携帯端末4と第1通信部11との間の近距離無線通信が正常に完了しなかったと、通信装置1が判別する。その場合、通信装置1は、携帯端末4のサーバ取引情報と携帯端末4のローカル取引情報とを一致させるために、携帯端末4と管理サイト3とを通信可能に接続するための誘導情報を出力部16に表示した(ステップS6)後、制御動作を終了する。
【0041】
===通信システムの動作===
以下、図1乃至図9を参照して、本実施形態に係る通信システムの動作について説明する。図7は、本実施形態における携帯端末に未受取の電子マネーがある場合の通信システムの動作を示す図である。図8は、本実施形態における通信装置と携帯端末との間の近距離無線通信が正常に完了しなかった場合の通信システムの動作を示す図である。図9は、本実施形態における通信装置と携帯端末との間の近距離無線通信が正常に完了した場合の通信システムの動作を示す図である。
【0042】
携帯端末4に電子マネーを入金する際の通信システムの動作について、携帯端末4に未受取の電子マネーがある場合、通信装置1と携帯端末4との間の近距離無線通信が正常に完了しなかった場合、通信装置1と携帯端末4との間の近距離無線通信が正常に完了した場合に分けて説明する。記憶部13に記憶された通信装置1を制御するためのプログラムの実行が開始され、携帯端末4に電子マネーを入金するために、携帯端末4を通信装置1に近づけて、携帯端末4と通信装置1との間の近距離無線通信が開始するところから説明する。
【0043】
<携帯端末4に未受取の電子マネーがある場合>
携帯端末4に電子マネーを入金するために、携帯端末4を通信装置1に近づけたとき、携帯端末4と通信装置1との間の近距離無線通信が開始する。携帯端末4に未受取の電子マネーがあるか否かを確認するために、受取確認命令が通信装置1から管理サーバ2に送信される。
【0044】
携帯端末4に未受取の電子マネーがある場合、未受取情報が管理サーバ2から通信装置1に送信される。その場合、携帯端末4と管理サイト3とを通信可能な状態に接続するための誘導情報が、通信装置1の出力部16に表示される。
【0045】
管理サイト3に接続するために、出力部16に表示された誘導情報である例えば二次元バーコードを携帯端末4のカメラ部45で撮影する。ここで、携帯端末4は、例えばカメラ部45で撮影した二次元バーコードを読み取って、その二次元バーコードを複合する機能を有しているものとする。カメラ部45で撮影された二次元バーコードは、複合されて、携帯端末4と管理サーバ2との間を通信可能に接続するウェブページのURLが、携帯端末4のディスプレイに表示される。例えば、そのURLに基づいて、携帯端末4から管理サイト3のウェブページに接続した場合、残高修正を行うか否かを選択するための選択キーが、携帯端末4のディスプレイに表示される。
【0046】
残高修正を行う選択キーを選択した場合、残高修正を要求する修正命令が、管理サイト3を介して、携帯端末4から管理サーバ2に送信される。携帯端末4のローカル取引情報が管理サーバ2から要求されて、携帯端末4のサーバ取引情報と携帯端末4のローカル取引情報とに基づいて、携帯端末4のローカル取引情報が更新される。携帯端末4のローカル取引情報と携帯端末4のサーバ取引情報とが例えば一致していない場合、携帯端末4のローカル取引情報と携帯端末4のサーバ情報とが一致するように、管理サーバ2によって携帯端末4のローカル取引情報が更新された後、通信システムの制御動作は終了する。一方、携帯端末4のローカル取引情報と携帯端末4のサーバ取引情報とが例えば一致している場合、携帯端末4のローカル取引情報は更新されない状態で、通信システムの制御動作は終了する。
【0047】
<通信装置1と携帯端末4との間の近距離無線通信が正常に完了しなかった場合>
携帯端末4に電子マネーを入金するために、携帯端末4を通信装置1に近づけたとき、携帯端末4と通信装置1との間の近距離無線通信が開始する。携帯端末4に未受取の電子マネーがあるか否かを確認するために、受取確認命令が通信装置1から管理サーバ2に送信される。
【0048】
携帯端末4に未受取の電子マネーがない場合、受取情報が管理サーバ2から通信装置1に送信される。
【0049】
入金する電子マネーの額に相当する紙幣が通信装置1の紙幣挿入口に挿入されて、入金釦が押下された場合、紙幣挿入口に挿入された紙幣は通信装置1に回収される。入金された電子マネーが、携帯端末4のローカル取引情報と携帯端末4のサーバ取引情報とに反映されるように、携帯端末4のローカル取引情報と携帯端末4のサーバ取引情報とが更新される。
【0050】
携帯端末4と第1通信部11との間の近距離無線通信が正常に完了しなかった場合、アック信号が携帯端末4から通信装置1に送信されない状態となる。その場合、携帯端末4と管理サイト3とを通信可能な状態に接続するための誘導情報が、通信装置1の出力部16に表示される。その後、残高修正を行う通信システムの動作は、携帯端末4に未受取の電子マネーがある場合に残高修正を行う通信システムの動作と同様であるので、その説明は省略する。
【0051】
<通信装置1と携帯端末4との間の近距離無線通信が正常に完了した場合>
携帯端末4に電子マネーを入金するために、携帯端末4を通信装置1に近づけたとき、携帯端末4と通信装置1との間の近距離無線通信が開始する。携帯端末4に未受取の電子マネーがあるか否かを確認するために、受取確認命令が通信装置1から管理サーバ2に送信される。
【0052】
携帯端末4に未受取の電子マネーがない場合、受取情報が管理サーバ2から通信装置1に送信される。
【0053】
入金する電子マネーの額に相当する紙幣が通信装置1の紙幣挿入口に挿入されて、入金釦が押下された場合、紙幣挿入口に挿入された紙幣は通信装置1に回収される。入金された電子マネーが、携帯端末4のローカル取引情報と携帯端末4のサーバ取引情報とに反映されるように、携帯端末4のローカル取引情報と携帯端末4のサーバ取引情報とが更新される。
【0054】
携帯端末4と第1通信部11との間の近距離無線通信が正常に完了した場合、アック信号が携帯端末4から通信装置1に送信された後、通信システムの制御動作は終了する。
【0055】
前述したように、第1通信部11が携帯端末4との間で近距離無線通信を行う。その際、第2通信部12が管理サーバ2との間で、公衆インターネット網6を介して通信を行う。そして、携帯端末4の取引情報が、管理サーバ2に記憶される。判別部14が、第1通信部11と携帯端末4との間の近距離無線通信が正常に完了したか否かを判別する。第1通信部11と携帯端末4との間の近距離無線通信が正常に完了していないと判別された場合、携帯端末4の取引情報の更新を誘導する誘導情報が出力される。例えば、携帯端末4と通信装置1との間の近距離無線通信を行われている際中に、携帯端末4が通信装置1から離れたことによって、近距離無線通信が正常に完了しなかった場合、携帯端末4に記憶された取引情報の更新を誘導する誘導情報が出力される。よって、その誘導情報に基づいて、携帯端末4の取引情報を容易に確認し、修正できる。
【0056】
又、携帯端末4の取引情報は、管理サーバ2に記憶される。通信装置1は、管理サーバ2との間で通信を行い、携帯端末4との間で近距離無線通信を行う。携帯端末4と通信装置1との間で近距離無線通信が行われたときに、携帯端末4の取引情報は、通信装置1から管理サーバ2に送信され、管理サーバ2に記憶される。通信装置1は、通信装置1と携帯端末4との間の近距離無線通信が正常に完了したか否かを判別する。その近距離無線通信が正常に完了していないと判別された場合、管理サーバ2に記憶された取引情報に一致するように、携帯端末4に記憶される取引情報を更新する誘導情報が、通信装置1から出力される。よって、その誘導情報に基づいて、携帯端末4の取引情報を容易に確認し、修正できる。
【0057】
又、管理サイト3は、VPN5を介して管理サーバ2に接続され、公衆インターネット網6を介して携帯端末4に接続される。管理サイト3を介して管理サーバ2と携帯端末4とを接続するための誘導情報が、通信装置1の出力部16に表示される。よって、携帯端末4と通信装置1との間の通信が正常に完了していないことを迅速に認識し、携帯端末4に取り込んだ誘導情報に基づいて、携帯端末4の取引情報を容易に確認し、修正できる。又、携帯端末4と管理サーバ2とは、管理サイト3を介して通信可能に接続される。例えば、管理サイト3に、取引情報の修正要求を行うか否かを選択するための選択キーを設けて、管理サイト3を介して管理サーバ2に接続された携帯端末4のユーザが、取引情報を修正するか否かの選択を行えるようにできる。従って、携帯端末4の取引情報を容易に確認及び修正可能な通信システムの利用性を向上できる。
【0058】
又、携帯端末4に記憶された取引情報の更新を誘導する誘導情報は、二次元バーコードである。よって、二次元バーコードに、誘導情報として大量の情報を含めることができる。例えば二次元バーコードを解析する機能を有する携帯端末4を用いてその情報を容易に取得することができる。従って、携帯端末との取引情報を容易に確認し、修正できる。
【0059】
尚、本実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。
【0060】
本実施形態においては、出力部16が、誘導情報を表示する例えば液晶ディスプレイである場合について説明したが、これに限定されるものでない。例えば、出力部16を、誘導情報を印刷する例えばコピー装置としてもよい。尚、このとき、出力部16が、本実施形態における出力部、印刷部に相当する。この場合、第1通信部11と携帯端末4との間の近距離無線通信が正常に完了していないと判別されたとき、誘導情報が出力部16で印刷される。よって、印刷された誘導情報を通信装置1から離れたところに持ち込むことができ、通信システムの利用性を向上できる。
【0061】
又、本実施形態においては、第1通信部11が例えばRFIDによって携帯端末4との間で近距離無線通信を行う場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、ブルートゥース(登録商標)、赤外線通信によって、携帯端末4との間で近距離無線通信を行うようにしてもよい。その場合、例えば第1通信部11と携帯端末4との間の近距離無線通信を高速化したり、低コスト化したりできるので、通信システムの経済性、利用性を向上できる。
【符号の説明】
【0062】
1 通信装置
2 管理サーバ
3 管理サイト
4 携帯端末
5 VPN
6 公衆インターネット網
11 第1通信部
12 第2通信部
13 記憶部
14 判別部
15 制御部
16 出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末と近距離無線通信を行う第1通信部と、
前記携帯端末と前記第1通信部との間の近距離無線通信が行われると、前記携帯端末に関する取引情報が管理サーバに記憶されるように、前記管理サーバとネットワークを介して通信を行う第2通信部と、
前記携帯端末と前記第1通信部との間の近距離無線通信が正常に完了したか否かを判別する判別部と、
前記携帯端末と前記第1通信部との間の近距離無線通信が正常に完了していないと前記判別部が判別した場合、前記携帯端末に記憶される取引情報を前記管理サーバに記憶される取引情報に一致させるための、前記携帯端末に記憶される取引情報の更新を誘導する誘導情報を出力する出力部と、
を備えたことを特徴とする通信装置。
【請求項2】
携帯端末に関する取引情報が記憶される管理サーバと、
前記携帯端末及び前記管理サーバと通信を行う通信装置と、
を備え、
前記通信装置は、
前記携帯端末と近距離無線通信を行う第1通信部と、
前記携帯端末と前記第1通信部との間の近距離無線通信が行われると、前記携帯端末に関する取引情報が管理サーバに記憶されるように、前記管理サーバとネットワークを介して通信を行う第2通信部と、
前記携帯端末と前記第1通信部との間の近距離無線通信が正常に完了したか否かを判別する判別部と、
前記携帯端末と前記第1通信部との間の近距離無線通信が正常に完了していないと前記判別部が判別した場合、前記携帯端末に記憶される取引情報を前記管理サーバに記憶される取引情報に一致させるための、前記携帯端末に記憶される取引情報の更新を誘導する誘導情報を出力する出力部と、
を備えたことを特徴とする通信システム。
【請求項3】
前記携帯端末及び前記管理サーバとネットワークを介して通信を行う管理サイト、を備え、
前記通信装置は、前記出力部から出力される前記誘導情報を表示する表示部、を備え、
前記誘導情報は、前記携帯端末及び前記管理サイトを前記ネットワークを介して通信可能な状態に接続するための情報であり、
前記携帯端末が前記誘導情報を受信して前記携帯端末及び前記管理サイトが前記ネットワークを介して通信可能な状態に接続されると、前記管理サイトは、前記携帯端末に記憶される取引情報が前記管理サーバに記憶される取引情報と一致するように、前記携帯端末及び前記管理サーバを前記ネットワークを介して中継する
ことを特徴とする請求項2に記載の通信システム。
【請求項4】
前記携帯端末及び前記管理サーバとネットワークを介して通信を行う管理サイト、を備え、
前記通信装置は、前記出力部から出力される前記誘導情報を印刷する印刷部、を備え、
前記誘導情報は、前記携帯端末及び前記管理サイトを前記ネットワークを介して通信可能な状態に接続するための情報であり、
前記携帯端末が前記誘導情報を受信して前記携帯端末及び前記管理サイトが前記ネットワークを介して通信可能な状態に接続されると、前記管理サイトは、前記携帯端末に記憶される取引情報が前記管理サーバに記憶される取引情報と一致するように、前記携帯端末及び前記管理サーバを前記ネットワークを介して中継する
ことを特徴とする請求項2に記載の通信システム。
【請求項5】
前記誘導情報は、二次元バーコードであることを特徴とする請求項3又は4に記載の通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−198616(P2012−198616A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−60792(P2011−60792)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(000237710)富士電機リテイルシステムズ株式会社 (1,851)
【Fターム(参考)】