説明

通信装置

【課題】折畳式でないストレート式の電話装置程、他人に初期画面を見られる気遣いをする必要がない折畳式携帯電話装置に於いて、初期画面に使用者の要望するものを表示させる。
【解決手段】装置の開閉を検出する開閉検出部17と、開閉検出部17により装置が閉から開になったことを検出すると登録された初期画面を表示させる制御回路11を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、初期画面を登録可能な通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話装置は電源をOFFにすると着信ができなくなるために通常は電源をONにしたままである。このために、初期画面は他人に見られても支障がない画面、例えば、着信待受け画面や時計画面などを表示している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この表示方法が折畳式携帯電話装置にも適用された。しかしながら、折畳式携帯電話装置は通常閉じられているために、折畳式でないストレート式の電話装置程、他人に初期画面を見られる気遣いをする必要がない。かかる点に鑑み、折畳式携帯電話装置に於ける初期画面の有効な表示方法が要求された。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の通信装置はかかる点に鑑みなされたもので、表示部を有する第1の筐体と、第2の筐体とがヒンジ部を介して開閉可能であり、装置を閉じた状態で露出する非表示キーを有する通信装置であり、装置が開かれたとき、非表示キーが押された状態であれば、工場出荷時に設定されていた初期画面を前記表示部に表示し、装置が開かれたとき、非表示キーが押された状態でなければ、使用者が設定した初期画面を前記表示部に表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
折畳式でないストレート式の電話装置程、他人に初期画面を見られる気遣いをする必要がない折畳式携帯電話装置に於いて、初期画面に使用者の要望するものを表示させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための通信装置を例示するものであって、本発明をこの通信装置に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態の通信装置にも等しく適用し得るものである。
【実施例】
【0007】
本発明の実施例を図面に基づき説明する。図1は実施例の要部の構成を示すブロック図である。本実施例の折畳式携帯電話装置は、同じ周波数のキャリアを同一セルで複数利用するCDMA方式の折畳式携帯電話装置である。
【0008】
(1)は通信部であり、後述のベースバンド部(3)からの信号をアンテナ(2)を介して基地局へ発信したり、アンテナ(2)を介して基地局からの電波を受信したりする。
【0009】
(3)はベースバンド部であり、CDMA処理回路(31)と音声コーデック(32)を有する。CDMA処理回路(31)は符号分割多元接続、スクランブル、誤り制御、タイミング検出を行う。音声コーデック(32)は音声を圧縮(符号化)・伸張(復号化)したり、アナログとディジタルの変換を行ったり、内部の増幅回路(図示せず)により受話音量やマイクロホンの感度を変更する。 (4)は耳にあてて通話に使用されるスピーカであり、増幅回路(5)で増幅されたベースバンド部(3)の電気信号を音声に変換する。(6)は通話に使用されるマイクロホンであり、音声を電気信号に変換する。(7)は増幅回路であり、マイクロホン(6)の出力を増幅してベースバンド部(3)に出力する。(8)は通話を周囲の人に聞かせるためのスピーカであり、耳用のスピーカ(4)が配設される面の背面に配設される。このスピーカ(8)は増幅回路(9)で増幅されたベースバンド部(3)の電気信号を音声に変換する。また、スピーカ(8)は着信報知の鳴動を行う。
【0010】
(10)は切替回路であり、3つの夫々の増幅回路(5)(7)(9)とベースバンド部(3)との接続を後述の制御回路(11)の制御によりON/OFFする。尚、これら3つの増幅回路(5)(7)(9)はゲインを固定しており、受話音量やマイクロホンの感度を変更することはできない。受話音量やマイクロホンの感度の変更は制御回路(11)の制御によりベースバンド部(3)の音声コーデック(32)が行う。
【0011】
(11)はマイクロプロセッサからなる制御回路であり、ROM(12)に記憶されたプログラムに基づき各部を制御する。(13)はRAMであり、制御回路(11)の動作に必要な情報(初期画面の登録情報等)が記憶される。(14)は液晶の表示部であり、電話番号や、日付に対応した表示情報を表示する。(15)はバイブレータであり、制御回路(11)の制御に基づき着信時に振動を発生させる。
【0012】
(16)は入力部であり、電話番号の入力等を行うテンキー(161)と、発呼及び通話の開始等を操作する通話キー(162)と、通話の終了等を操作する終話キー(163)と、初期画面を設定する設定キー(164)と、設定された画面の表示を行わない非表示キー(165)を有する。(17)は開閉検出部であり、折畳式である本装置の開閉を検出し、制御回路(11)に出力する。
本実施例の折畳式携帯電話装置は、図2,図3に示す如く、ヒンジ(18)を備えている。スピーカ(4)や表示部(14)が配設された受話部(19)と、マイクロホン(6)やテンキー(161)が配設された送話部(20)がヒンジ(18)により開閉する。ヒンジ(18)の開閉状態は開閉検出部(17)で検出され、制御回路(11)に出力される。開閉検出部(17)は、ヒンジ(18)が閉じたときに受話部(19)に設けられた凸部(171)によって押圧されるスイッチ(172)を有する。非表示キー(165)は閉じた状態でも操作できるように、受話部(19)の側面に配設される。
【0013】
次に、実施例の主要な動作を説明する。図4は制御回路(11)の設定動作を示すフローチャートであり、図5は制御回路(11)の初期画面の表示制御動作を示すフローチャートある。
【0014】
図4に於いて、設定キー(164)が押されると(S1のY)、制御回路(11)は初期画面の選択を要求する表示を行わせる(S2)。例えば、着信待受け画面/時計画面/カレンダー画面/スケジュール画面/メール画面/アニメーション画面/メモ帳画面/メモリダイヤル画面/ネットワークデータ画面の選択を行わせる。
【0015】
初期画面の選択が行われると(S3のY)、制御回路(11)は選択された画面の表示時間の設定を要求する表示を行わせる(S4)。例えば、表示時間を制限するのであれば何分か2桁の数字で入力するように、表示時間を無制限にして設定を終了させるのであれば、"99"を入力するように表示させる。"99"以外の数字が入力された場合は(S5のY、S6のN)、ステップS2に戻って、入力した時間が経過した後に表示する初期画面の設定を要求する。"99"が入力されれば、設定内容をRAM(13)に記憶させる(S7)。
【0016】
このようにして、初期画面として、複数の画面を設定することができる。例えば、最初のステップS3で"メール画面"、最初のステップS5で"01"、2回目のステップS3で"スケジュール画面"、2回目のステップS5で"02"、3回目のステップS3で"時計画面"、3回目のステップS5で"99"が入力されると、初期画面として、メールを1分、スケジュールを2分、その後は時計を表示させる。
【0017】
図5に於いて、制御回路(11)は、装置が閉じた状態から開かれた状態に変化したか否か(S11)を監視する。装置が開かれたことの認識は、スイッチ(172)が凸部(171)によって押圧された状態から押圧されなくなった状態に変化したことを検出することによって行われる。
【0018】
装置が開かれたとき(S11のY)、非表示キー(165)が押された状態であれば(S12のY)、工場出荷時に設定されていた初期画面(ROM(12)に記憶される設定画面)を表示させる(S13)。装置が開かれたとき(S11のY)、非表示キー(165)が押された状態でなければ(S12のN)、使用者が設定した初期画面(ステップS7でRAM(13)に記憶された設定画面)を表示させる(S14)。
【0019】
このように、本発明は装置が開かれたときに、使用者が設定した画面を表示することができる。これにより、使用者が最初に見る画面に、使用者の要望するものを表示させることができる。尚、折畳式携帯電話装置は通常閉じられているために、折畳式でないストレート式の電話装置程、他人に初期画面を見られる気遣いをする必要がない。
【0020】
また、本発明は、設定された初期画面を表示させないキーを備えるために、使用者は状況に応じて、その表示の選択が可能になる。尚、その操作方法は、上述の実施例のようにキーを押さないときに設定された画面を表示させてもよく、図6のフローチャートに示す如く、キーを押したときに設定された画面を表示させてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施例の主要な構成を示すブロック図である。
【図2】実施例のヒンジを開いた状態の斜視図である。
【図3】実施例のヒンジを閉じた状態の斜視図である。
【図4】実施例の設定動作を示すフローチャートである。
【図5】実施例の表示動作を示すフローチャートである。
【図6】他の実施例の表示動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0022】
11 制御回路
13 RAM
14 表示部
16 入力部
164 設定キー
165 非表示キー
17 開閉検出部
171 凸部
172 スイッチ
18 ヒンジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部を有する第1の筐体と、第2の筐体とがヒンジ部を介して開閉可能であり、装置を閉じた状態で露出する非表示キーを有する通信装置であり、
装置が開かれたとき、非表示キーが押された状態であれば、工場出荷時に設定されていた初期画面を前記表示部に表示し、装置が開かれたとき、非表示キーが押された状態でなければ、使用者が設定した初期画面を前記表示部に表示することを特徴とする通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−245319(P2008−245319A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−136484(P2008−136484)
【出願日】平成20年5月26日(2008.5.26)
【分割の表示】特願2000−80123(P2000−80123)の分割
【原出願日】平成12年3月22日(2000.3.22)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】