説明

通信装置

【課題】 電話システムで用いられるネットワークが同期網からIP網へ切り替えられても、ネットワークに同期してサービスを継続することができる通信装置を目的とする。
【解決手段】 通信装置1が有する回線インタフェース14は、CDR161により下り信号をデータとクロックとに分離し、データに含まれる時刻情報を時刻情報抽出部162が抽出する。時刻情報抽出部162は、データの時刻情報が挿入されている位置に基づき、同期の基準となるフレームデータを生成して出力する。セレクタ164は、分離された他方のクロックおよびフレームデータを入力され、時刻情報抽出部162の判断に基づきクロックとフレームデータとの何れか一方の信号を選択して出力し、通信装置1の各部は、セレクタ164から出力された信号から生成されるクロックに基づき動作する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、IP(Internet Protocol)網または同期網と接続される通信装置のクロック同期に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電話システムは、回線交換を行う通信装置を介して、SDH(Synchronous Digital Hierarchy、同期デジタルハイアラーキ)等の同期網と通信していたが、近年の通信技術の発達に伴い、同期網と通信しなくても同期をとることができるようになったため、同期網の代わりにインターネットとの親和性の高いIP(Internet Protocol)網と通信する電話システムへの切り替えが進んでいる。このようなIP網と通信する電話システムは、音声データをIP化して伝送するためVoIP(Voice over IP)システムと呼ばれる。
【0003】
現在、電話システムが接続するネットワークは、IP網へ切り替えが進んではいるが、依然、同期網を用いて通信する電話システムもある。このような同期網を用いて通信する電話システムは、ネットワークインフラが同期網しか敷設されていない地域で用いられることが多いが、いずれはIP網への切り替えが見込まれる地域である場合もある。従って、電話システムを導入するタイミングによっては、同期網を用いる電話システムを導入し、その後IP網を用いるVoIPシステムへ切り替えが行われることになる。このような場合、ネットワークの切り替えを行うとともに、システムを構成する通信装置の交換も必要になる。
【0004】
同期網を用いる電話システムを構成する通信装置は、音声データを同期網を伝送するフレーム形式へ変換するフレーム生成部が備えられている。このような同期網を用いる電話システムを構成する通信装置は、同期網から送られてくるフレームのビットクロックに基づき同期をとる。これに対し、IP網を用いる電話システムを構成する通信装置は、音声データをIP網を伝送可能なパケットへ変換したり、パケットを分解して音声データへ変換したりするパケット変換部が必要になる。IP網を用いる電話システムを構成する通信装置は、IP網から送られてくるパケットから所定の手順によりクロックを抽出してそのクロックに基づき同期をとる。
【0005】
このように、ネットワークインフラが、同期網であるかIP網であるかによって、同期の仕方が異なるため、通信装置の内部構成は大きく変わる。
【0006】
なお、IP網を経由する電話接続装置に関連する技術として、例えば、特許文献1が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−144854号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
同期網を用いた電話システムを導入した後に、IP網を用いたVoIPシステムへ切り替える場合、通信装置の交換が必要になるため切り替えコストがかかるという問題があった。
【0009】
そこで、本発明は、電話システムで用いられるネットワークが同期網からIP網へ切り替えられても、ネットワークに同期してサービスを継続することができる通信装置を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明による通信装置は、同期網またはIP網と接続する回線インタフェースと、データを交換する交換スイッチと、データをパケットデータへ変換するとともにパケットデータの分解を行うパケット変換部とを備える通信装置であって、前記回線インタフェースには、下り信号をデータとクロックとに分離する分離手段と、前記分離手段により分離されたデータに含まれる時刻情報を抽出し、前記データの前記時刻情報が挿入されている位置に基づき、同期の基準となるフレームデータを生成して出力する時刻情報抽出部と、前記分離手段により分離されたクロックおよび前記時刻情報抽出部から出力されるフレームデータを入力され、前記クロックと前記フレームデータとの何れか一方の信号を選択して出力するセレクタと、前記セレクタから出力される信号に基づき、通信装置内の同期の基準となるクロックを発生するPLL(Phase Locked Loop)とを備え、前記時刻情報抽出部は、前記フレームデータが同期している基準の周波数に基づいて前記セレクタが出力する信号の選択を前記セレクタへ指示する選択信号を出力することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明による通信装置によれば、電話システムで用いられるネットワークが同期網からIP網へ切り替えられても、サービスを継続することができる。
【0012】
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施の形態に係る電話システムの構成を示すブロック図。
【図2】図1の電話システムに備えられる通信装置の構成を示すブロック図。
【図3】図2の通信装置の回線インタフェースの構成を示すブロック図。
【図4】図3の時刻情報抽出部における、選択部に入力される2つのフレームパルスのどちらかを選択する判断処理を示すシーケンス図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施例を、図面を参照して説明する。
【実施例】
【0015】
図1は、本発明の一実施の形態を示す電話システムの構成を示したブロック図である。
電話システムは、ネットワーク2に光ケーブル等で接続される通信装置1a、1bおよび通信装置1a、1bに接続される一般加入電話である(IP電話でない)電話端末3a、3bを有する。電話端末3a、3bは、図1では2つずつ示したが、電話端末3a、3bの数は、2つに限定されるものではない。
【0016】
電話端末3(電話端末3a、3bを総称して電話端末3と称する。)は、例えば図示しない受話器から入力された音声をデジタルデータへ変換し通信装置1(通信装置1a、1bを総称して通信装置1と称する。)へ出力する。通信装置1は、電話端末3から送られてくるデータを、所定の処理を行ってネットワーク2へ送信する。また、通信装置1は、ネットワーク2から受信したデータを、所定の処理を行って電話端末3へ出力する。電話端末3は、通信装置1から送られてきたデータを音声に変換して受話器から出力する。
【0017】
通信装置1が行う処理は、ネットワーク2がSDHなどの同期網である場合と、IP網である場合とでは異なる。そのため、本実施例では、ネットワーク2が同期網である場合に行う処理と、ネットワーク2がIP網である場合に行う処理とを、同一のハードウェアで処理するように構成し、通信装置1に接続されるネットワーク2が、同期網とIP網とのどちらであるかを判断して、接続されるネットワークに対応した通信処理を行う。その構成および処理を以下詳細に説明する。
【0018】
図2は、通信装置1の構成を示したブロック図である。
通信装置1には、通信装置1の各部を制御する主制御部10、電話端末とのインタフェースである端末インタフェース11、PCMデータを交換するタイムスイッチで構成される交換スイッチ12、音声データをパケット化したりパケットを分解して音声データへ変換したりするパケット変換部13、およびネットワーク2とのインタフェースである回線インタフェース14を有する。回線インタフェース14には、光ケーブルにてネットワーク2と接続するための光インタフェース15およびネットワーク2と同期するための同期インタフェース16が備えられている。
【0019】
また、交換スイッチ12は、端末インタフェース11、パケット変換部13、および同期インタフェース16と、時分割バスであるPCMハイウェイH1、H2、H3を介して接続される。また、主制御部10は、交換スイッチ12と接続線18を介して接続され、主制御部10は、この接続線18を介して交換スイッチ12を制御したり、監視したりする。そして、パケット変換部13は、データライン17を介して同期インタフェース16と接続される。その他、通信装置1の各部は、図示しない制御ラインで互いに接続される。
【0020】
電話端末3から発呼されると、通信装置1へデータが送られる。通信装置1は、端末インタフェース11からデータを受信する。端末インタフェース11は、PCMハイウェイH1を介して交換スイッチ12へデータを送り、交換スイッチ12はデータを交換する。交換スイッチ12のデータの交換は、選択された何れかのPCMハイウェイH(PCMハイウェイH1、H2、H3を総称してPCMハイウェイHと称する。)と、選択された何れかのPCMハイウェイHとを接続する処理である。
【0021】
例えば、端末インタフェース11に接続される電話端末3からの発呼の処理、すなわち上り信号を接続処理する場合、端末インタフェース11から入力されたデータを端末インタフェース11へ出力するのであれば、交換スイッチ12は、端末インタフェース11側のPCMハイウェイH1と同期インタフェース16側のPCMハイウェイH3とを接続する。また、端末インタフェース11から入力されたデータをパケット変換部13へ出力するのであれば、交換スイッチ12は、端末インタフェース11側のPCMハイウェイH1とパケット変換部13側のPCMハイウェイH2とを接続する。このように、交換スイッチ12は、端末インタフェース11から入力されたデータを、端末インタフェース11とパケット変換部13とのどちらへ出力するかの判断は、主制御部10からの指示に基づいて行う。主制御部10は、後述する時刻情報抽出部162の判断結果に基づいて交換スイッチ12へ指示する。そして、下り信号を接続処理する場合は、同期インタフェース16側のPCMハイウェイH3と端末インタフェース11側のPCMハイウェイH1とを接続するか、もしくはパケット変換部13側のPCMハイウェイH2と端末インタフェース11側のPCMハイウェイH1とを接続し、端末インタフェース11から電話端末3へデータを出力する。
【0022】
同期インタフェース16は、上り信号を伝送する場合は、交換スイッチ12からPCMハイウェイH3を介して入力されるPCMデータ、もしくはパケット変換部13からデータライン17を介して入力されるパケットデータの何れか一方を光インタフェース15へ出力する。光インタフェース15は光信号へ変換してネットワーク2へ送信する。下り信号を伝送する場合は、光インタフェース15から受信する光信号を電気信号へ変換して同期インタフェース16へ出力する。同期インタフェース16は、光インタフェース15から送られる信号から、データとクロックを抽出する。クロックは、通信装置1の各部へ送られる。また、データは交換スイッチ12またはパケット変換部13の何れかに出力される。この、データの出力先の選択や、クロックの抽出については、図3および図4を参照して詳細に説明する。
【0023】
図3は、回線インタフェース14の構成を示したブロック図である。
回線インタフェース14は、光インタフェース15および同期インタフェース16を備えることは上述した。ここでは、光インタフェース15および同期インタフェース16の構成について説明する。まず、光インタフェース15には、下り信号の光信号を電気信号へ変換する光電変換器151および上り信号の電気信号を光信号へ変換する光電変換器152を備える。そして、同期インタフェース16は、下り信号を処理する、CDR(Clock Data Recovery)161、時刻情報抽出部162、分周器163、セレクタ164、およびPLL(Phase Locked Loop、位相同期回路)165と、上り信号を処理する、時刻情報挿入部166、およびセレクタ167とを備える。
【0024】
同期インタフェース16は、処理対象の信号が上り信号であるか下り信号であるかによって処理が異なる。まず、同期インタフェース16の下り信号の処理について説明する。
【0025】
CDR161は、入力される信号(下り信号)からデータとクロックとを分離して出力する。データは、交換スイッチ12および時刻情報抽出部162を介してパケット変換部13へ出力される。クロックは、分周器163へ出力される。このクロックは、データのビットクロックを表す。分周器163は、入力されたクロックをN分の1に分周し、分周されたクロックをセレクタ164のポートI2へ出力する。
【0026】
また、時刻情報抽出部162は、光インタフェース15が接続するネットワーク2がIP網である場合のデータであるパケットデータから、同期処理の基準となるフレームパルスを生成するものである。時刻情報抽出部162は、CDR161から出力されたパケットデータに含まれる時刻情報であるタイムスタンプから、時刻情報を抽出してフレームパルスを生成する。また、このフレームパルスの基準クロックに基づき、後述する、光インタフェース15が接続されているネットワーク2が同期網であるかIP網であるかの判断を行う。時刻情報抽出部162は、これらの処理を行うと、データをパケット変換部13へ、フレームパルスをセレクタ164のポートI1へ、そして、ネットワーク2は同期網であるかIP網であるかの判断結果に基づき、セレクタ164、167が出力すべきデータを指示する選択信号を、セレクタ164、167へ出力する。また、交換スイッチ12が行う交換処理において、PCMハイウェイをどのように接続するかの指示情報は、同期インタフェース16に備えられる時刻情報抽出部162から、図示しない制御ラインを介して主制御部10へ送られる。
【0027】
セレクタ164は、パケットデータから生成されたフレームパルスがポートI1から入力され、分周されたフレームパルスがポートI2から入力され、時刻情報抽出部162からの指示である選択信号に基づき、ポートI1、I2に入力された信号の一方を選択して出力する。セレクタ164から出力された信号は、PLL165に入力される。PLL165は、PLL165内部で発振するクロック信号を、入力されたフレームパルスに同期させ、同期がとれたクロックを図2中では図示されないクロックラインを介して通信装置1の各部へ供給する。
【0028】
この下り信号の処理は、ネットワーク2から送られてくるデータを交換スイッチ12やパケット変換部13へ出力するだけでなく、通信装置1が同期をとるための基準のクロックを生成する処理を行う。そのため、基準のクロックを生成する処理は、ネットワーク2が同期網であるかIP網であるかによって、同期インタフェース14での基準クロック生成に関する処理や信号の流れが異なる。そこで、ネットワーク2が同期網の場合とIP網の場合とを、それぞれ説明する。
【0029】
まず、ネットワーク2が同期網である場合、回線インタフェース14が同期網から受信するデータは、PCM(Pulse Code Modulation)データである。CDR161は、PCMデータを交換スイッチ12および時刻情報抽出部162へ出力するとともに、フレームパルスを分周器163を介してセレクタ164へ出力する。セレクタ164には、分周器163によって分周されたフレームパルスがポートI2から入力され、ポートI1にはフレームパルスは入力されない。時刻情報抽出部162は、後述する判断処理によりネットワーク2が同期網であることを判断し、セレクタ164に対して、ポートI2のビットクロックを出力する指示である選択信号を出力する。セレクタ164は、ポートI1にはデータが入力されず、ポートI2には、分周されたフレームパルスが入力され、選択信号に基づいてポートI2に入力されたビットクロックを選択し、PLL165へ出力する。
【0030】
これに対し、ネットワーク2がIP網である場合、回線インタフェース14が同期網から受信するデータは、パケットデータである。CDR161は、パケットデータを交換スイッチ12および時刻情報抽出部162へ出力するとともに、フレームパルスを分周器163を介してセレクタ164へ出力する。セレクタ164には、分周器163によって分周されたフレームパルスが、ポートI2から入力される。時刻情報抽出部162は、パケットデータから、同期処理の基準となるフレームパルスを生成してセレクタ164へ出力するとともに、このフレームパルスの基準クロックに基づき、後述する判断処理を行う。この判断処理により、時刻情報抽出部162は、ネットワーク2がIP網であることを判断し、セレクタ164に対してポートI1のフレームパルスを出力する指示である選択信号を出力する。なお、この判断処理の結果は、図示しない制御ラインを介して主制御部10へ通知される。セレクタ164は、ポートI1にはパケットデータから生成されたフレームデータが入力され、ポートI2には、分周されたビットクロックが入力され、選択信号に基づいてポートI1に入力されたフレームデータを選択し、PLL165へ出力する。
以上が、下り信号の処理における同期インタフェース16の各部の動作である。
【0031】
次に、同期インタフェース16の上り信号の処理について説明する。
セレクタ167は、交換スイッチ12から送られてくる信号(上り信号)がポートI3から入力され、パケット変換部13から時刻情報挿入部166を介して送られてくる信号(上り信号)がポートI4から入力される。セレクタ167は、下り信号を処理する時刻情報抽出部162からの指示である選択信号に基づき、ポートI3、I4に入力された信号の一方を選択して出力する。出力された信号は、光電変換部152により光信号に変換されてネットワーク2へ出力される。これが、上り信号の処理である。
【0032】
次に、図4を参照して、時刻情報抽出部162が行う、光インタフェース15が接続されているネットワーク2が同期網であるかIP網であるかの判断処理について説明する。
【0033】
図4は、時刻情報抽出部162の判断処理を示すフローチャートである。
まず、CDR161からデータが送られてくると、そのデータにタイムスタンプが挿入されている位置を検出する(ステップS10)。タイムスタンプが挿入されている位置を検出すると(ステップS10でYes)、タイムスタンプが挿入されている位置に基づきフレームパルスを生成して(ステップS11)出力する。そして、このフレームパルスが、25MHzに同期しているか否かを判断する(ステップS12)。25MHzは、IP通信で用いられるイーサネット(登録商標)規格の基準クロックの周波数である。25MHzであるか否かを判断することで、ネットワーク2が同期網であるかIP網であるかを判断することができる。なお、同期網の基準クロックの周波数は、STM−1であれば156MHz、STM−4であれば622MHzというように、同期網の種別によって異なる。そのため、イーサネット規格の基準クロックの周波数である25MHzであるか否かを判断するようにしている。
【0034】
そして、フレームパルスが25MHzに同期していれば、タイムスタンプから生成したフレームパルスを選択するように(図3の例では、ポートI1からの入力を出力するように)、セレクタ164へ選択信号を出力する。また、この選択信号は、上り信号を処理するセレクタ167にも送られる。セレクタ167に対して送られる選択信号は、出力ポートから出力するデータを、時刻情報挿入部166からポートI4に入力されるパケットデータを選択するように指示するものである。
【0035】
ステップS10でタイムスタンプが挿入されている位置を検出できない場合(ステップS10でNo)、CDR161からセレクタ164へ出力されるフレームパルスを選択するように(図3の例では、ポートI2からの入力を出力するように)、セレクタ164へ選択信号を出力する(ステップS14)。ネットワーク2が同期網であれば、タイムスタンプが挿入されていないため、ステップS10の処理でタイムスタンプが挿入されていることはない。そのため、ネットワーク2が同期網であると判断される。なお、この選択信号は、上り信号を処理するセレクタ167にも送られる。セレクタ167に対して送られる選択信号は、出力ポートから出力するデータを、交換スイッチ12から入力されるデータを選択するように指示するものである。また、ステップS12で25MHzに同期していないと判断した場合(ステップS12でNo)は、ステップS10でNoの場合と同様にステップS14の処理を行う。
【0036】
以上述べたように、通信装置1は、同期インタフェース16により、ネットワーク2が同期網の場合でもIP網の場合でも、通信装置1が同期する基準クロックを抽出することができるようにしている。そのため、通信装置1は、ネットワーク2が同期網であってもIP網であっても、通信装置1がネットワーク2と同期をとることができるため、ネットワーク2が同期網からIP網へ変更された場合でも、ネットワーク2が変更される前と同様に通信装置1はネットワーク2と同期をとることができる。また、ネットワーク2が同期網であってもIP網であっても、上記の通信装置1によれば、同一の構成であるため、ネットワーク2が同期網からIP網へ変更される過渡期の通信装置1は、ネットワーク2の種類に応じた製造を行う必要がなく、設計および製造のコストを削減することができる。
【0037】
さらに、時刻情報抽出部162は、ネットワーク2が同期網であるかIP網であるかを判断するために、時刻情報抽出部162に入力されるデータがイーサネット規格の基準クロックの周波数である25MHzであるか否かを判断基準としているため、種別が複数ある同期網の基準クロックの周波数と比較して判断するよりも、少ない処理で判断することができる。
【0038】
なお、本発明は、以上の構成に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上記実施例では、ネットワークと通信装置とは、光ケーブルを介して通信する例を示したが、電気信号を伝送する同軸ケーブル等であってもよい。この場合は、光インタフェースは構成から削除される。
【符号の説明】
【0039】
1…通信装置、2…ネットワーク、3,3a,3b…電話端末、10…主制御部、11…端末インタフェース、12…交換スイッチ、13…パケット変換部、14…回線インタフェース、15…光インタフェース、16…同期インタフェース、17…データライン、18…接続線、151,152…光電変換器、161…CDR、162…時刻情報抽出部、163…分周器、164,167…セレクタ、165…PLL、166…時刻情報挿入部166、H,H1,H2,H3…PCMハイウェイ、I1,I2,I3,I4…ポート。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
同期網またはIP網と接続する回線インタフェースと、データを交換する交換スイッチと、データをパケットデータへ変換するとともにパケットデータの分解を行うパケット変換部とを有する通信装置であって、
前記回線インタフェースには、
下り信号をデータとクロックとに分離する分離手段と、
前記分離手段により分離されたデータに含まれる時刻情報を抽出し、前記データの前記時刻情報が挿入されている位置に基づき、同期の基準となるフレームデータを生成して出力する時刻情報抽出部と、
前記分離手段により分離されたクロックおよび前記時刻情報抽出部から出力されるフレームデータを入力され、前記クロックと前記フレームデータとの何れか一方の信号を選択して出力するセレクタと、
前記セレクタから出力される信号に基づき、通信装置内の同期の基準となるクロックを発生するPLL(Phase Locked Loop)とを備え、
前記時刻情報抽出部は、前記フレームデータが同期している基準の周波数に基づいて前記セレクタが出力する信号の選択を前記セレクタへ指示する選択信号を出力することを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記時刻情報抽出部が出力する選択信号は、前記フレームデータが同期している基準の周波数が25MHzである場合に、前記フレームデータを出力する指示を示すこと特徴とする請求項1に記載の通信装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2011−155404(P2011−155404A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−14716(P2010−14716)
【出願日】平成22年1月26日(2010.1.26)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】