説明

通信装置

【課題】受信機の優先順位と機能に基づいて送信先の受信機を決定する通信装置を提供する。
【解決手段】通信装置管理システム1の通信装置10からあて先である受信機グループ20の「SIP−URI」をSIP管理サーバー30に送信する。SIP管理サーバー30は、「SIP−URI」が属するグループの「コンタクトアドレス」である「受信機20X」、「受信機20Y」、及び「受信機20Z」の「SIPアドレス」を通信装置10に送信する。通信装置10はSIP管理サーバー30から受信した「SIPアドレス」に優先順位を設定し、優先順位の順に「SIPアドレス」の受信機が送信条件の機能を備えているかをチェックする。例えば、「受信機20Y」が送信条件の機能を備え、機能を備えている受信機の中で優先順位が一番高いときには、「受信機20Y」が送信先として画像が送信される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークに接続されている通信装置に係り、特に送信側が設定する条件(以下、送信条件という)である通信機能(以下、機能という)を有する受信機に画像を送信する通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今用いられている通信装置は、通信装置から受信機に画像を送信するときに、受信機の機能を確認し、受信機の機能に合わせて画像を送信している。例えば、通信装置はB4サイズに対応できるが受信機がA4サイズとA3サイズしか対応できない場合には、通信装置からB4サイズの画像を読み込ませても、受信機はB4サイズで画像を出力することができない。このような場合では、通信装置がB4サイズの画像を自動的にA4サイズに縮小、またはA3サイズに拡大して受信機に送信する。また、特許文献1のファクシミリ装置では、受信側のファクシミリ装置と最初に通信を行うときには、送信側のファクシミリ装置が受信側のファクシミリ装置から機能情報を受信して記憶する。そして、原稿の画像を受信側のファクシミリ装置に送信する操作がユーザーにより行われた場合には、記憶している相手側ファクシミリ装置の機能情報を表示し、ユーザーが指定した機能で受信側のファクシミリ装置に画像を送信できる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−109727
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1ではユーザーが指定した機能で原稿の画像をファクシミリ装置に送信して出力させることができるが、その指定がユーザーの意図するものとのは異なることがある。例えば、ユーザーはB4サイズの原稿をそのままB4サイズで送信して出力したいと所望していても、受信側のファクシミリ装置がA4サイズとA3サイズしか対応していないので、ユーザーはB4サイズの画像をA4サイズに縮小またはA3サイズに拡大のいずれかを指定しなければならない。つまりユーザーの意図とは異なる指定をしなければならない。仮に、受信側にはB4サイズに対応している別のファクシミリ装置が設置されていても、ユーザーはそのファクシミリ装置の存在を知らないので、意図するものとは異なる機能を指定しなければならない。また、受信側も原稿と異なるA4サイズに縮小されることで、原稿の文字や図が判別できなくなってしまった場合には、送信側に電話やメールなどで受信側のB4サイズに対応しているファクシミリ装置のFAX番号を連絡し、再送を依頼しなければならない。更に、このような連絡を受けた送信側も、再度送信操作を行わなければならない。このため、送信側と受信側のユーザーの両方に手間がかかり、また2回送信することで、更に通信料が課金されるという問題があった。
【0005】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、上記課題を解決できる通信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の通信装置は、SIPアドレスが割り付けられている受信機にIP網を用いてファクシミリ通信により画像を送信する通信装置であって、送信先の宛先であるSIP−URIを指定した送信指示を受け付ける宛先受付手段と、前記宛先受付手段によって受け付けられた前記SIP−URIをSIP管理サーバーに送信し、前記SIP管理サーバーから前記SIP−URIのコンタクトアドレスである前記SIPアドレスを受信するSIPアドレス受信手段と、送信条件の入力を受け付ける送信条件入力手段と、前記SIPアドレス受信手段で受信した前記SIPアドレスが複数である場合に、当該SIPアドレスが割り付けられている前記受信機から機能を受信する機能受信手段とを具備し、前記SIPアドレス受信手段で受信された複数の前記SIPアドレスの中で、前記送信条件を満たす機能を備える前記受信機に割り当てられている前記SIPアドレス宛にファクシミリ通信により画像を送信することを特徴としている。
また、本発明の通信装置は、前記SIPアドレス受信手段により受信した前記SIPアドレスに対して優先順位が割り当てられている場合には、前記送信条件を満たす機能を備えた前記受信機の中で前記優先順位が一番高い前記SIPアドレスの前記受信機にファクシミリ通信により画像を送信することを特徴としている。
また、本発明の通信装置は、前記SIPアドレス受信手段により受信した前記SIPアドレスに割り当てられている前記優先順位の高い順に、前記優先順位が割り当てられている前記SIPアドレスの受信機について前記送信条件に適合する機能を備えているかを判定し、前記送信条件を満たす機能を備えていると判定された前記受信機にファクシミリ通信により画像を送信することを特徴としている。
また、本発明の通信装置は、前記SIPアドレス受信手段により受信した前記SIPアドレスの使用状態とファクシミリ通信状態を監視して前記SIPアドレスの使用回数と通信エラー回数をカウントし、前記使用回数と前記通信エラー回数に基づいて前記SIPアドレスに対して前記優先順位を割り当てる優先順位設定手段を備えることを特徴としている。
また、本発明の通信装置は、前記SIPアドレス受信手段により受信した前記SIPアドレスに割り当てる前記優先順位の入力を受け付ける優先順位受付手段を備えることを特徴としている。
また、本発明の通信装置は、前記受信機に前記画像を送信する前に送信許可の確認を行う送信許可確認手段を備えることを特徴としている。
また、本発明の通信装置の前記送信許可確認手段は、送信先の前記SIPアドレスと前記画像の画像プレビューを表示することを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明の通信装置は、受信機の優先順位とその受信機が備えている機能に基づいて送信先の受信機を決定できるので、ユーザーの意図に従って画像を送信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施形態に係る通信装置管理システムの構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る通信装置の機能構成を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係る受信機情報登録テーブルの構成を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る優先順位設定テーブルの構成を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係る画像送信処理を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態に係る優先順位設定画面のフォーマットを示す図である。
【図7】本発明の実施形態に係る送信許可確認画面のフォーマットを示す図である。
【図8】本発明の実施形態に係る変更送信許可確認画面のフォーマットを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という)について図面を参照して説明する。
【0010】
本発明の実施形態に係る通信装置管理システム1の構成について、図1を用いて説明する。通信装置管理システム1は、図1に示すように通信装置10、受信機グループ20、受信機21A、及びSIP管理サーバー30から構成され、これらはネットワーク40に接続されている。通信装置10は、ファクシミリ装置(以下、FAX装置という)、又はファクシミリ機能を備えているプリンタ、MFP(Multifunction Peripheral)、及び複合機等である。受信機グループ20は、ファクシミリ機能を備えている受信機20X、受信機20Y、及び受信機20Zから構成され、各々の受信機は通信装置10から送信される画像を受信することができる。受信機21Aは、ファクシミリ機能を備えている受信機であり、通信装置10から送信される画像を受信することができる。SIP管理サーバー30は、SIP(Session Initiation Protocol:セッション確立プロトコル)により電話やインスタントメッセンジャーのような、1対1あるいは複数を一まとまりとする通信の開始や完了を制御するときに使用されるSIP−URI(SIP−Uniform Resource Identifier:SIP通信リソース識別子)を管理する。SIP−URIはSIPアドレスにSIPプロトコルを示す「sip:」を前に付けた形式であり、SIPアドレスは、E−mailアドレスと同様に「ユーザー名@ドメイン名」の形式となっている。例えば「sip:iadr@jptk.co.jp」というURIは、「jptk.co.jp」の「iadr」というSIPの宛先を示す。また、SIP−URIは特定の機器の宛先だけでなく、1つのグループの宛先にもなる。SIP管理サーバー30は、このようなSIP−URIを管理するので、通信装置10から受信機グループ20のSIP−URIを受信すると、その受信機グループ20に属するSIP−URIのSIPアドレス(以下、コンタクトアドレスという)を通信装置10に送信する。また、SIP管理サーバー30が、通信装置10からグループでない受信機21AのSIP−URIを受信すると、その受信機21AのSIP−URIのSIPアドレスを送信する。ネットワーク40は、インターネットやイントラネット等の例えばIPネットワークである。図1に示す通信装置管理システム1においては、1台の通信装置10、1つの受信機グループ20、及び1台の受信機21Aをネットワーク40に接続する構成としているが、実際には、複数の通信装置10、複数の受信機グループ、及び複数の受信機がネットワーク40に接続されている。
【0011】
次に、本発明の実施形態に係る送信側の通信装置10の主要な機能について、図2を用いて説明する。通信装置10は、制御部110と、補助記憶部120、データ保存部130、操作パネル140、操作パネル処理部150、原稿読取部160、画像処理部170、及びネットワーク通信部180等を備えている。制御部110と、補助記憶部120、データ保存部130、操作パネル処理部150、画像処理部170、及びネットワーク通信部180は、バス190により接続されている。
【0012】
制御部110は、RAMやROM等の主記憶手段、及びMPU(Micro Processing Unit)やCPU(Central Processing Unit)等の制御手段を備えている。また、制御部110は、各種I/Oや、USB(ユニバーサル・シリアル・バス)等のインターフェース、バスコントローラ等を含む総合的な通信装置10のコントロールを行う。制御部110には、優先順位と機能により送信先を決定して画像を送信する画像送信処理部110aと、送信先とのSIPアドレスの使用状態とSIP通信状態を監視し、SIPアドレスの使用回数と通信エラー回数をカウントするSIP監視処理部110bを備えている。画像送信処理部110aが実行する画像送信処理については、後述する。
【0013】
補助記憶部120は、フラッシュメモリ等からなる補助記憶装置で、制御部110が実行する処理のプログラムやデータを記憶する。補助記憶部120には、図3に示す受信機情報登録テーブル120aと図4に示す優先順位設定テーブル120bが記憶されている。受信機情報登録テーブル120aと優先順位設定テーブル120bの構成については、後述する。
【0014】
データ保存部130は、データやプログラムを保存するハードディスクドライブである。データ保存部130には、原稿読取部160から読み取った画像やネットワーク通信部180が受信した画像を保存する画像データ保存エリア130aを備えている。
【0015】
操作パネル140は、操作画面の表示とユーザーによる操作を受け付ける。操作パネル140には、図6に示す優先順位設定画面200や図7に示す送信許可確認画面300を表示することができる。
【0016】
操作パネル処理部150は、通信装置10が備えている機能の操作項目を操作パネル140に表示する処理、及び操作パネル140からユーザーの操作を入力する処理、及び出力する画像イメージ(以下、画像プレビューという)を表示する処理を行う。
【0017】
原稿読取部160は、ユーザーが操作パネル140から読み取り操作を行うと、通信装置10の原稿台にセットされた原稿の読み取りを行い、画像に変換して画像処理部170に出力する。
【0018】
画像処理部170は、原稿読取部160から画像を入力すると、印刷可能な画像イメージやFAXやメールで送信可能なイメージのデータに変換し、制御部110に出力する。
を行う。
【0019】
ネットワーク通信部180は、ネットワーク40に接続するための、着脱可能なLANインターフェースを備えている。LANインターフェースには、TCP/IP、AppleTalk、SMB等の各種ネットワークプロトコルのインテリジェントな送受信を行うネットワーク部を含んでいる。
【0020】
次に、図3に示す受信機情報登録テーブル120aの構成について説明する。受信機情報登録テーブル120aは、通信装置10がSIP管理サーバー30から取得した受信機グループ20のコンタクトアドレスであるSIPアドレスと受信機21AのSIPアドレスなどが登録されるテーブルである。受信機情報登録テーブル120aは、図3に示すように「No」、「SIPアドレス」、「使用回数」、「通信エラー回数」の項目から構成されている。「No」は、受信機毎に昇順に付けられている番号である。「SIPアドレス」は、受信機毎に割り付けられているSIPの宛先である。「使用回数」には、「SIPアドレス」をあて先として使用した回数が設定され、制御部110のSIP監視処理部110bにより更新される。「通信エラー回数」には、「SIPアドレス」に画像を送信することで通信エラーが発生した場合にその通信エラーの回数が設定され、制御部110のSIP監視処理部110bにより更新される。この「使用回数」と「通信エラー回数」の情報は、受信機グループ20に画像を送信するときに、受信機グループ20の受信機20X、受信機20Y、及び受信機20Zの優先順位を決定するときに使用される。
【0021】
次に、優先順位設定テーブル120bの構成について、図4を用いて説明する。優先順位設定テーブル120bは、通信装置10がSIP管理サーバー30から取得した受信機グループ20の「SIPアドレス」に対する「優先順位」が登録されるテーブルである。優先順位設定テーブル120bは、図4に示すように「優先順位(I)」と「SIPアドレス」の項目から構成されている。「優先順位(I)」は、SIP管理サーバー30から取得した受信機グループ20の「SIPアドレス」に対して、自動または手動で設定される優先順位である。「SIPアドレス」は、通信装置10がSIP管理サーバー30から取得した受信機グループ20の受信機20X、受信機20Y、及び受信機20Zに割り付けられているSIPアドレスである。
【0022】
次に、本発明の実施形態に係る制御部110の画像送信処理部110aが実行する画像送信処理の流れを図5に示す。
【0023】
ユーザーが通信装置10の画像の送信を行うために、まず操作パネル140から送信先の宛先である受信機グループ20の「SIP−URI」を指定すると、操作パネル処理部150が操作パネル140から「SIP−URI」を入力し、制御部110に出力する。制御部110は、操作パネル処理部150から「SIP−URI」を入力すると画像送信処理部110aを起動する。画像送信処理部110aが起動されると、画像データ送信処理を開始する。以下、図5に示す画像送信処理のステップ順に説明する。
【0024】
(ステップS10)
まず、画像送信処理部110aは、送信先の宛先である受信機グループ20の「SIP−URI」を入力する。例えば、受信機グループ20の「SIP−URI」が「rcg20@west.net」であれば、「rcg20@west.net」を入力する。
【0025】
(ステップS20)
次いで、画像送信処理部110aは、ステップS10で取り出した受信機グループ20の「SIP−URI」を、ネットワーク通信部180を経由してSIP管理サーバー30に送信し、受信機グループ20の「SIP−URI」のコンタクトアドレスである「SIPアドレス」をSIP管理サーバー30から受信する。例えば、SIP管理サーバー30に受信機グループ20の「SIP−URI」である「rcg20@west.net」を送信すると、「rcg20@west.net」のコンタクトアドレスである受信機20Xの「XXXX−XXXX@west.net;user=fax」、受信機20Yの「YYYY−YYYY@west.net;user=fax」、及び受信機20Zの「ZZZZ−ZZZZ@west.net;user=fax」の「SIPアドレス」がSIP管理サーバー30から送信される。
【0026】
(ステップS30)
次いで、画像送信処理部110aは、ステップS20で取得した「SIPアドレス」を補助記憶部120の優先順位設定テーブル120bに設定する。例えば、ステップS20において「SIPアドレス」として、「XXXX−XXXX@west.net;user=fax」、「YYYY−YYYY@west.net;user=fax」、及び「ZZZZ−ZZZZ@west.net;user=fax」が取得されると、これらの情報が優先順位設定テーブル120bに設定される。
【0027】
(ステップS40)
次いで、画像送信処理部110aは、ステップS20で取得した「SIPアドレス」が複数であるかを判定する。「SIPアドレス」が複数であるとき(ステップS40のYes)は、自動で優先順位の設定が可能かを判定するステップS50に進む。また、「SIPアドレス」が1つであるとき(ステップS40のNo)は、取得した「SIPアドレス」に優先順位「1」を設定するステップS90に進む。
【0028】
(ステップS50)
ステップS40のYesにおいて、画像送信処理部110aは、ステップS20で取得した「SIPアドレス」に対して、自動で優先順位の設定が可能かを判定する。つまり、自動での優先順位の設定は、受信機情報登録テーブル120aの「使用回数」と「通信エラー回数」に基づいて行われるため、ステップS20で取得した「SIPアドレス」が受信機情報登録テーブル120aに登録されているかを判定する。自動で優先順位の設定が可能であるとき(ステップS50のYes)は、取得した「SIPアドレス」に対して自動で優先順位を設定するステップS60に進む。また、自動で優先順位の設定が可能でないとき(ステップS50のNo)は、手動で優先順位を設定するステップS70に進む。
【0029】
(ステップS60)
ステップS50のYesにおいて、画像送信処理部110aは、ステップS20で取得した「SIPアドレス」に対応する受信機情報登録テーブル120aの「使用回数」と「通信エラー回数」に基づいて優先順位を決定する。例えば、ステップS20で取得した「SIPアドレス」が「XXXX−XXXX@west.net;user=fax」、「YYYY−YYYY@west.net;user=fax」、及び「ZZZZ−ZZZZ@west.net;user=fax」であれば、受信機情報登録テーブル120aの「XXXX−XXXX@west.net;user=fax」に対応する「使用回数」の「u7」と「通信エラー回数」の「e7」、「YYYY−YYYY@west.net;user=fax」に対応する「使用回数」の「u8」と「通信エラー回数」の「e8」、及び「ZZZZ−ZZZZ@west.net;user=fax」に対応する「使用回数」の「u9」と「通信エラー回数」の「e9」に基づいて優先順位が決定される。「使用回数」と「通信エラー回数」による優先順位の決定方法としては、「使用回数」の多い順に優先順位を決定して「使用回数」が同じであるときに「通信エラー回数」が少ない方の優先順位を高くする方法、「通信エラー回数」の少ない順に優先順位を決定して「通信エラー回数」が同じであるときに「使用回数」が多い方の優先順位を高くする方法、又は「使用回数」と「通信エラー回数」を組み合わせて優先順位を決定する方法などがある。そして、画像送信処理部110aは、決定した優先順位を優先順位設定テーブル120bの「SIPアドレス」に対応する「優先順位」に設定する。例えば、「ZZZZ−ZZZZ@west.net;user=fax」が優先順位「1」に決定すると、図4に示す優先順位設定テーブル120bの「SIPアドレス」の「ZZZZ−ZZZZ@west.net;user=fax」に対応する「優先順位」に「1」が設定される。
【0030】
(ステップS70)
ステップS50のNoにおいて、画像送信処理部110aは、ステップS20で取得した「SIPアドレス」を図6に示す優先順位設定画面200に設定して、操作パネル処理部150を経由して操作パネル140に表示する。また、画像送信処理部110aは、ステップS20で取得した「SIPアドレス」が受信機情報登録テーブル120aに登録されていないものについては、新規としてその「SIPアドレス」を受信機情報登録テーブル120aに登録する。例えば、ステップS20で取得した「SIPアドレス」が「XXXX−XXXX@west.net;user=fax」、「YYYY−YYYY@west.net;user=fax」、及び「ZZZZ−ZZZZ@west.net;user=fax」であり、これらの情報が図3に示す受信機情報登録テーブル120aに登録されていない場合には、新規の「SIPアドレス」として図6に示す優先順位設定画面200に表示され「優先順位」が設定される。また、これらの新規の「SIPアドレス」は、受信機情報登録テーブル120aに登録される。
【0031】
(ステップS80)
次いで、ユーザーが操作パネル140に表示された優先順位設定画面200から優先順位を設定すると、画像送信処理部110aは、操作パネル処理部150を経由して優先順位を入力する。そして、画像送信処理部110aは、入力した優先順位を優先順位設定テーブル120bの「SIPアドレス」に対応する「優先順位」に設定する。
【0032】
(ステップS90)
ステップS40のNoにおいて、画像送信処理部110aは、「SIPアドレス」が1つである場合には、ステップS20で取得した「SIPアドレス」の優先順位が「1」となるので、優先順位設定テーブル120bには1つの「SIPアドレス」が設定され、この「SIPアドレス」の「優先順位」に「1」を設定する。
【0033】
(ステップS100)
次いで、画像送信処理部110aが操作パネル処理部150を経由して操作パネル140に、送信条件と原稿の読み取り操作を要求するメッセージを出力すると、ユーザーが操作パネル140から送信条件の設定操作と、原稿の読み取り操作を行う。画像送信処理部110aは、操作パネル140から設定された送信条件を、操作パネル処理部150を経由して入力する。また、画像送信処理部110aは、原稿読取部160により読み取られた原稿の画像を、画像処理部170を経由して入力する。
【0034】
(ステップS110)
次いで、画像送信処理部110aは、優先順位(I)に初期値「1」を設定する。
【0035】
(ステップS120)
次いで、画像送信処理部110aは、優先順位設定テーブル120bの「優先順位」に優先順位(I)が設定されているかを判定する。優先順位(I)が設定されているとき(ステップS120のYes)は、優先順位(I)に対応する「SIPアドレス」の受信機から機能を受信するステップS130に進む。また、優先順位(I)が設定されていないとき(ステップS120のNo)は、画像送信処理部110aは、画像データ送信処理を終了する。
【0036】
(ステップS130)
ステップS120のYesにおいて、画像送信処理部110aは、優先順位(I)の「SIPアドレス」の受信機とのセッションを確立し、優先順位(I)の「SIPアドレス」の受信機から機能を受信する。
【0037】
(ステップS140)
次いで、画像送信処理部110aは、ユーザーが設定した送信条件に対応する機能を優先順位(I)の「SIPアドレス」の受信機が備えているかをチェックする。優先順位(I)の「SIPアドレス」の受信機が機能を備えているとき(ステップS140のYes)は、送信許可確認画面300を表示するステップS150に進む。優先順位(I)の「SIPアドレス」の受信機が機能を備えていないとき(ステップS140のNo)は、優先順位(I)を更新するステップS180に進む。
【0038】
(ステップS150)
ステップS140のYesにおいて、画像送信処理部110aは、優先順位(I)、優先順位(I)の受信機の「SIPアドレス」、及び送信する画像のプレビューを図7に示す送信許可確認画面300に設定して、操作パネル処理部150を経由して操作パネル140に表示する。例えば、優先順位設定テーブル120bの「優先順位(I)」が「3」で、「SIPアドレス」が「YYYY−YYYY@west.net;user=fax」である受信機20Yが機能を備えていれば、送信許可確認画面300には、優先順位「3」と「SIPアドレス」の「YYYY−YYYY@west.net;user=fax」が表示される。
【0039】
(ステップS160)
次いで、ユーザーが操作パネル140に表示された送信許可確認画面300から送信を許可する「はい」または送信を許可しない「いいえ」を設定すると、画像送信処理部110aは、操作パネル処理部150を経由して「はい」が設定されたかを判定する。「はい」の送信を許可するが設定されたとき(ステップS160のYes)は、優先順位(I)の「SIPアドレス」の受信機に画像を送信するステップS170に進む。また、「いいえ」の送信を許可しないが設定されたとき(ステップS160のNo)は、優先順位(I)を更新するステップS180に進む。
【0040】
(ステップS170)
ステップS160のYesにおいて、画像送信処理部110aは、優先順位(I)の「SIPアドレス」の受信機に画像を送信する。また、画像送信処理部110aは、画像の送信を完了すると、操作パネル処理部150を経由して操作パネル140に「送信終了」を表示し、画像データ送信処理を終了する。
【0041】
(ステップS180)
ステップS140のNoとステップS160のNoにおいて、画像送信処理部110aは、優先順位(I)に「1」を加算してステップS120に戻る。
【0042】
なお、自動での優先順位の決定は、受信機情報登録テーブル120aの「使用回数」と「通信エラー回数」の両方の情報を用いて決定するようにしたが、どちらか一方でもよい。また、これらの情報だけでなく、通信装置10が採取できるあらゆる情報に基づいて優先順位を決定することが可能である。また、画像送信処理において、全ての受信機が送信条件の機能を備えていない場合には、画像送信処理を終了するのでなく、「優先順位(I)」が「1」のSIPアドレスの受信機に画像を送信するようにすることも可能である。更に、受信機グループ20の中から送信条件に最も近い機能を備えている受信機に画像を送信することも可能である。この場合には、最も近い機能を備えている受信機の「SIPアドレス」、送信条件の変更内容、及び送信する画像のプレビューを図8に示す変更送信許可確認画面400に設定して、操作パネル140に表示することも可能である。
【0043】
このような本発明の通信装置によれば、優先順位と受信機の機能により送信先の受信機を決定することができる。また、送信する前に指定した送信条件を受信機が備えているかの確認と、受信機に送信する画像のプレビューを表示することができる。また、優先順位をSIPアドレスの使用回数に基づいて決定することで、使用回数が増加するSIPアドレスの受信機については、優先順位を上げることができる。また、優先順位を「通信エラー回数」に基づいて決定することで、通信エラーが増加するSIPアドレスの受信機については、優先順位を下げることができる。また、受信機に意図しない画像が送信される回数が減少するので、再送による送信側と受信側のユーザーの手間や再送による通信料を削減することができる。
【0044】
具体的な実施の形態により本発明を説明したが、上記実施の形態は本発明の例示であり、この実施の形態に限定されないことは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、画像を送受信する通信装置に好適であるが、通信装置に限られるものではなく、データの送受信を行う装置一般に適用可能である。
【符号の説明】
【0046】
1・・・・・通信装置管理システム
10・・・・・通信装置
20・・・・・受信機グループ
20X・・・・受信機
20Y・・・・受信機
20Z・・・・受信機
21A・・・・受信機
30・・・・・SIP管理サーバー
40・・・・・ネットワーク
110・・・・・制御部
110a・・・・画像送信処理部
110b・・・・SIP監視処理部
120・・・・・補助記憶部
120a・・・・受信機情報登録テーブル
120b・・・・優先順位設定テーブル
130・・・・・データ保存部
130a・・・・画像データ保存エリア
140・・・・・操作パネル
150・・・・・操作パネル処理部
160・・・・・原稿読取部
170・・・・・画像処理部
180・・・・・ネットワーク通信部
190・・・・・バス
200・・・・・優先順位設定画面
300・・・・・送信許可確認画面
400・・・・・変更送信許可確認画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
SIPアドレスが割り付けられている受信機にIP網を用いてファクシミリ通信により画像を送信する通信装置であって、
送信先の宛先であるSIP−URIを指定した送信指示を受け付ける宛先受付手段と、
前記宛先受付手段によって受け付けられた前記SIP−URIをSIP管理サーバーに送信し、前記SIP管理サーバーから前記SIP−URIのコンタクトアドレスである前記SIPアドレスを受信するSIPアドレス受信手段と、
送信条件の入力を受け付ける送信条件入力手段と、
前記SIPアドレス受信手段で受信した前記SIPアドレスが複数である場合に、当該SIPアドレスが割り付けられている前記受信機から機能を受信する機能受信手段とを具備し、
前記SIPアドレス受信手段で受信された複数の前記SIPアドレスの中で、前記送信条件を満たす機能を備える前記受信機に割り当てられている前記SIPアドレス宛にファクシミリ通信により画像を送信することを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記SIPアドレス受信手段により受信した前記SIPアドレスに対して優先順位が割り当てられている場合には、前記送信条件を満たす機能を備えた前記受信機の中で前記優先順位が一番高い前記SIPアドレスの前記受信機にファクシミリ通信により画像を送信することを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記SIPアドレス受信手段により受信した前記SIPアドレスに割り当てられている前記優先順位の高い順に、前記優先順位が割り当てられている前記SIPアドレスの受信機について前記送信条件に適合する機能を備えているかを判定し、前記送信条件を満たす機能を備えていると判定された前記受信機にファクシミリ通信により画像を送信することを特徴とする請求項2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記SIPアドレス受信手段により受信した前記SIPアドレスの使用状態とファクシミリ通信状態を監視して前記SIPアドレスの使用回数と通信エラー回数をカウントし、前記使用回数と前記通信エラー回数に基づいて前記SIPアドレスに対して前記優先順位を割り当てる優先順位設定手段を備えることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の通信装置。
【請求項5】
前記SIPアドレス受信手段により受信した前記SIPアドレスに割り当てる前記優先順位の入力を受け付ける優先順位受付手段を備えることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の通信装置。
【請求項6】
前記受信機に前記画像を送信する前に送信許可の確認を行う送信許可確認手段を備えることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項7】
前記送信許可確認手段は、送信先の前記SIPアドレスと前記画像の画像プレビューを表示することを特徴とする請求項6に記載の通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−31099(P2013−31099A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−167146(P2011−167146)
【出願日】平成23年7月29日(2011.7.29)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】