通行制御装置
【課題】撮像画像を用いて不正通行を高精度に検出することが可能な通行制御装置を提供する。
【解決手段】利用者の所持する媒体が受け付けられると、カメラを駆動して1枚目の画像を取得し、この1枚目の画像に基づいて、媒体受付時の利用者の位置を算出する。利用者が、当該位置より所定距離だけ前方の位置へ移動したことが検出されると、再びカメラを駆動して2枚目の画像を取得する。そして、1枚目の画像から得られる利用者の人数および利用者の推定身長と、2枚目の画像から得られる利用者の人数および利用者の推定身長とを突合し、当該突合結果に基づいて不正通行の有無を判定する。
【解決手段】利用者の所持する媒体が受け付けられると、カメラを駆動して1枚目の画像を取得し、この1枚目の画像に基づいて、媒体受付時の利用者の位置を算出する。利用者が、当該位置より所定距離だけ前方の位置へ移動したことが検出されると、再びカメラを駆動して2枚目の画像を取得する。そして、1枚目の画像から得られる利用者の人数および利用者の推定身長と、2枚目の画像から得られる利用者の人数および利用者の推定身長とを突合し、当該突合結果に基づいて不正通行の有無を判定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道の駅などに設置される自動改札装置のような通行制御装置に関し、特に、利用者を撮像するための撮像装置を備えた通行制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動改札装置において、例えば大人と子供の判別を行う場合、従来は透過型の赤外線センサが用いられていた。しかしながら、赤外線センサ方式には、大人がかがんで入場したような場合に、不正入場を検出できないという問題がある。そこで、より高精度に不正を検出する手段として、カメラにより通行者を撮影し、得られた画像を解析することにより通行状態を検出する方法が提案されている。下記の特許文献1には、カメラの撮像画像から大人か子供かを判別する技術が記載されている。
【0003】
【特許文献1】特開平7−14038号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画像技術は、自動改札装置における高精度な検出手段として最近注目されており、例えば、顔認証による年齢推定や身長推定のようなアプリケーションを用いた大人/子供の判別なども実現化されつつあるが、その一方でまだ解決すべき課題も多い。例えば、顔認証の場合は、通行者がサングラスやマスクを装着していると、年齢推定ができない。また、身長推定の場合は、推定誤差が±10cm程度あるため、通行者の身長が改札装置における大人/子供の判定基準(身長124cm)付近にある場合は、判定結果の信憑性が薄くなる。さらに、通行者が重なって入場した場合は、正確な人数を計数できないという問題もある。
【0005】
本発明は、撮像画像を用いて不正通行を高精度に検出することが可能な通行制御装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る通行制御装置は、通路を通行する利用者を撮像する撮像手段と、この撮像手段が撮像した画像に基づいて、利用者の不正通行の有無を判定する判定手段と、この判定手段の判定結果に応じた通行処理を行なう通行処理手段とを備えた通行制御装置であって、利用者の所持する媒体が受け付けられると、撮像手段を駆動して1枚目の画像を取得し、この1枚目の画像に基づいて、媒体受付時の利用者の位置を算出する。また、利用者が、算出された位置より所定距離だけ前方の位置へ移動したことが検出されると、撮像手段を駆動して2枚目の画像を取得する。そして、判定手段は、1枚目および2枚目の画像に基づいて、利用者の不正通行の有無を判定する。
【0007】
このようにすると、媒体受付時の利用者の位置において得られた1枚目の画像の解析結果と、その位置から所定距離だけ前方の位置で得られた2枚目の画像の解析結果とを突合することで、不正通行を高精度に検出することができる。
【0008】
本発明の好ましい実施形態では、1枚目の画像に基づいて、利用者の推定身長および/または利用者の人数を算出する第1の算出手段と、2枚目の画像に基づいて、利用者の推定身長および/または利用者の人数を算出する第2の算出手段とが設けられる。この場合、判定手段は、第1の算出手段が算出した推定身長および/または人数と、第2の算出手段が算出した推定身長および/または人数とを突合し、当該突合結果に基づいて不正通行の有無を判定する。
【0009】
このようにすると、1枚目と2枚目の各画像から得られる利用者の人数および/または推定身長を用いて、不正通行を高精度に検出することができる。
【0010】
この場合、判定手段は、突合の結果、第1の算出手段が算出した推定身長と、第2の算出手段が算出した推定身長との差が所定値以上か否かを検証し、当該検証結果に基づいて不正通行の有無を判定するようにすればよい。
【0011】
このようにすると、1枚目と2枚目の各画像から得られる推定身長の差を検証することで、不正通行をより高精度に検出することができる。
【0012】
検証の結果、推定身長の差が所定値以上でない場合は、第1の算出手段が算出した利用者の人数と、第2の算出手段が算出した利用者の人数とが同じであれば、利用者を正常通行者と判定すればよい。このとき、通行処理手段は、判定結果に応じて、利用者の通行を許可する。
【0013】
一方、第1の算出手段が算出した利用者の人数と、第2の算出手段が算出した利用者の人数とが同じでない場合は、第1の算出手段が算出した利用者の人数が1人で、かつ、第2の算出手段が算出した利用者の人数が2人であれば、2人目の利用者を無札通行者と判定すればよい。このとき、通行処理手段は、判定結果に応じて、2人目の利用者の通行を禁止する。
【0014】
また、検証の結果、推定身長の差が所定値以上である場合は、当該推定身長が、第1の基準値以下と第2の基準値以上に分かれるときは、利用者がかがんで通行していると判定すればよい。このとき、通行処理手段は、判定結果に応じて、利用者の通行を禁止する。
【0015】
一方、推定身長が、第1の基準値以下と第2の基準値以上に分かれないときは、推定身長の差を誤差の範囲と判定すればよい。このとき、通行処理手段は、判定結果に応じて、利用者の通行を許可する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、媒体受付時に撮像された1枚目の画像と、その後に撮像された2枚目の画像とを用いて、不正通行を高精度に検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1ないし図3は、本発明の実施形態に係る自動改札装置を示した図であり、図1は斜視図、図2は正面図、図3は側面図である。図において、50は自動改札装置、51は自動改札装置50の本体、52は自動改札装置50の入口側(改札側)に設けられたゲート扉、53は自動改札装置50の出口側(集札側)に設けられたゲート扉、54は自動改札装置50で使用される非接触ICカード(図示省略)との間で通信を行うアンテナ、55はアンテナ54で読み取った非接触ICカードが正常な乗車媒体であるか否かを表示するランプ表示部、56は利用者に対して通行許可や通行禁止等の各種メッセージを表示するメッセージ表示部、57は本体51の側部に設けられた側板、58は側板57の上面に設けられた小児/学生表示ランプ、59は側板57内に設けられているセンサやカメラ(後述)を覆うカバー、60は本体51の正面に設けられている通行可否表示部、61は1対の自動改札装置50により形成される改札通路である。x、y、zは3次元空間の座標軸を表しており、xは改札通路61の通行方向(長手方向)と直交する方向の座標軸、yは改札通路61の通行方向と同方向の座標軸、zは垂直方向の座標軸である。
【0018】
図3は、図1における右側の自動改札装置50のカバー59を取り外した状態の側面図である。40は通行方向に直線状に複数個配列された人間位置追跡用のセンサであって、例えば透過型の光センサから構成されている。また、図1の左側の自動改札装置50における側板57にも、改札通路61を挟んでセンサ40のそれぞれと対向する位置に、透過型の光センサが複数個設けられている。そして、各自動改札装置50においては、センサを構成する投光素子と受光素子とが通行方向に交互に配列されており、かつ、一方の自動改札装置50の投光素子と他方の自動改札装置50の受光素子とが改札通路61を挟んで対向している。
【0019】
図1に示すように、右側の自動改札装置50の側板57の内部には、カメラ11が配備されている。このカメラ11は、改札通路61の入口側(図1で手前側)から入場する利用者を撮像する。このため、カメラ11は図3に示すように設置されていて、撮像領域Rを撮像する。
【0020】
図2は、図1を出口側(図1で奥側)からみた図であって、向かって左側の自動改札装置50に設置されたカメラ11は、上述した撮像領域Rを撮像する。Pは改札通路61を通行する利用者を示している。
【0021】
以上のような自動改札装置50は、例えば鉄道の駅に設置され、利用者が非接触ICカードをアンテナ54の上にかざすと、アンテナ54が読み取った非接触ICカードのデータが本体51の内部に設けられている制御部に送られ、制御部が乗車媒体の適否を判定してゲート扉52,53の開閉を制御し、通行を許可または禁止する。
【0022】
図4は、自動改札装置50の電気的構成を示したブロック図である。1は自動改札装置50の動作を制御する制御部としてのCPU、2はメモリから構成される記憶部である。記憶部2には、後述する処理結果を格納する処理結果エリア2aと、カメラ11で撮像した画像を格納する画像エリア2bとが設けられている。また、これ以外にも、乗車媒体から読み取った媒体情報が格納されるエリアや、CPU1の動作プログラムが格納されるエリア、各種の制御パラメータが格納されるエリアなどを有している(図示省略)。3はゲート扉52,53を駆動する扉駆動部であって、扉開閉用のモータや、モータの駆動回路などから構成される。4は表示部であって、図1に示したランプ表示部55、メッセージ表示部56、小児/学生表示ランプ58および通行可否表示部60から構成される。5は上位装置であるホスト装置(図示省略)との間で通信を行うホスト通信部、6は自動改札装置50の各部に電源を供給する電源部である。
【0023】
7は撮像部であって、前述したカメラ11とその駆動回路等から構成される。8は、カメラ11で撮像された画像を処理する画像処理部であって、撮像画像から利用者の位置、利用者の人数、利用者の推定身長を算出する処理(詳細は後述)を行う。9は人間検知部であって、図3に示したセンサ40などから構成される。10はアンテナ54の動作を制御するアンテナ制御部であって、アンテナ54は非接触ICカードからなる非接触媒体70との間で無線通信を行い、非接触媒体70に記録されている媒体情報を非接触で読み取る。
【0024】
以上において、CPU1は、本発明における通行処理手段の一実施形態を構成し、撮像部7は本発明における撮像手段の一実施形態を構成している。また、CPU1および画像処理部8は、本発明における第1の算出手段、第2の算出手段、および判定手段の一実施形態を構成している。
【0025】
図5は、自動改札装置50の動作を示したフローチャートである。以下、このフローチャートに基づいて、不正通行の検出処理の詳細を説明する。
【0026】
ステップS1では、乗車媒体を受け付ける。利用者の所持する非接触媒体70がアンテナ54にかざされて検知されると、乗車媒体が受け付けられたと判断してステップS2へ進む。
【0027】
ステップS2では、カメラ11が駆動されてシャッターが切られ、利用者の撮像が行われる。これにより、1枚目の画像が取得される。例えば、図2に示すように利用者Pが自動改札装置50に入場する場合、図6のような画像Gが取得される。取得された画像は、記憶部2の画像エリア2b(図4)に保存される。
【0028】
次に、ステップS3へ進んで、1枚目の画像から、媒体受付時の利用者の位置(以下「旅客位置」という)を推定する。旅客位置は、利用者が自動改札装置50の通路入口からどれだけ手前にいるかを表すもので、図7における通路入口位置kから利用者位置hまでの距離Bがこれに該当する。この旅客位置Bの推定方法については、後で詳しく説明する。
【0029】
ステップS3で旅客位置の推定処理が終わると、次に、ステップS4〜S5と、ステップS6〜S10とが並行して実行される。
【0030】
まず、ステップS4では、ステップS2で取得された1枚目の画像から、利用者の人数を計数するとともに、利用者の身長を推定する。人数は、画像から人物の顔を抽出することにより算出することができる。身長の推定方法については、後で詳しく説明する。
【0031】
ステップS4を実行した後は、ステップS5へ進み、算出した利用者の人数や身長のデータを記憶部2の処理結果エリア2aへ保存する。これらのデータは、例えば図12(a)に示すように、処理結果エリア2aにおけるテーブルの画像番号「1」のエリアに格納される。
【0032】
一方、ステップS6では、ステップS3で推定された旅客位置から37.5cm先にあるセンサ40の状態をチェックする。37.5cmの根拠については後述する。図8に示すように、センサ40は、通路入口位置kから等間隔βで配置されているので、旅客位置から37.5cm先に相当する通路内距離をCとしたとき、37.5cmに最も近いセンサの番号N(N=#1〜#n)は、
N=C/β=(37.5−B)/β ・・・ (1)
により求まり、これによって37.5cm先のセンサ40を選出することができる。なお、式(1)では、四捨五入により整数を算出する。
【0033】
続くステップS7では、当該センサが遮光状態であるか否かをチェックする。センサが遮光状態でなければ(ステップS7:NO)、当該センサが利用者を検知していないと判断し、ステップS6へ戻る。センサが遮光状態になると(ステップS7:YES)当該センサが利用者を検知したと判断し、ステップS8へ進む。
【0034】
ステップS8では、カメラ11が再び駆動されてシャッターが切られ、利用者の撮像が行われる。これにより、2枚目の画像が取得される。取得された画像は、記憶部2の画像エリア2b(図4)に保存される。
【0035】
上記説明からわかるように、1枚目の画像は、媒体受付時に撮像され、このとき、利用者は乗車媒体をかざすために、旅客位置で一旦立ち止まった状態にある。一方、2枚目の画像は、旅客位置から37.5cm先のセンサが遮光状態になったときに撮像される。これは、日本人成人の平均歩幅が75cmであり、その中間である37.5cmにおいて、1枚目の画像と歩き方(姿勢)の点で最も差異が出やすいことから、この差異の出やすい中間タイミングで2枚目の画像を取得することで、後述する1枚目の画像と2枚目の画像との突合における判定精度を上げるためである。
【0036】
次に、ステップS9へ進んで、ステップS8で取得された2枚目の画像から、利用者の人数を計数するとともに、利用者の身長を推定する。前述のステップS4と同様、人数は、画像から人物の顔を抽出することで算出できる。身長の推定方法については後述する。
【0037】
ステップS9を実行した後は、ステップS10へ進み、算出した利用者の人数や身長のデータを記憶部2の処理結果エリア2aへ保存する。これらのデータは、例えば図12(a)に示すように、処理結果エリア2aにおけるテーブルの画像番号「2」のエリアに格納される。
【0038】
次に、ステップS11では、ステップS5で保存した1枚目の画像の処理結果(利用者人数、推定身長)と、ステップS10で保存した2枚目の画像の処理結果(利用者人数、推定身長)とを、処理結果エリア2aから読み出して、それらを突合する。そして、以下の検証を行う。
【0039】
最初に、ステップS12において、身長の推定結果に所定値以上の差があるかどうかを検証する。ここでは、所定値を10cmとしている。但し、この値は一例であって、他の値を用いてもよい。
【0040】
推定身長に10cm以上の差がない場合(ステップS12:NO)は、ステップS13に進む。ステップS13では、人数の計数結果に1人以上の差があるかどうかを検証する。1人以上の差がなければ(ステップS13:NO)、1枚目の画像から得られた人数と、2枚目の画像から得られた人数が同じ(共に1人)と判断し、ステップS15へ進んで通常の改札処理を行う。この場合は、利用者が正常通行者なので、ゲート扉53を開いて入場を許可する。なお、実際には、入場許可にあたって、アンテナ54が非接触媒体70から読み取った乗車区間や有効期間などの媒体情報も参照されるが、ここでは簡単のためにそれらの判定処理を省略してある(後述のステップS16、S19においても同様)。
【0041】
ステップS13で1人以上の差がある場合は(ステップS13:YES)、ステップS14へ進んで、1枚目の画像から得られた人数が1人で、2枚目の画像から得られた人数が2人かどうかを検証する。
【0042】
ステップS14の検証結果がYESであれば、ステップS16へ進む。ステップS16では、図17に示すように、乗車媒体をかざして正規に入場した1人目の利用者P1に続いて、2人目の利用者P2が無札で入場したと判断し、1人目の利用者に対しては通常の改札処理(入場許可)を行う一方、2人目の利用者に対しては不正入場処理、すなわちゲート扉53を閉じて入場を禁止する処理を行う。
【0043】
ステップS14の検証結果がNOであれば、不正はないと判断してステップS15へ進み、通常の改札処理(入場許可)を行う。
【0044】
ステップS12において、推定身長に10cm以上の差がある場合(ステップS12:YES)は、ステップS17に進む。ステップS17では、推定身長が第1の基準値以下と第2の基準値以上に分かれるかどうかを検証する。ここでは、第1の基準値を114cmとし、第2の基準値を134cmとしている。これらの値は、先述の大人/子供の判定基準である124cmと誤差の±10cmから導出されたものである。但し、これらの基準値も一例であり、他の基準値を用いてもよい。
【0045】
ステップS17で、推定身長が114cm以下と134cm以上に分かれる場合は(ステップS17:YES)、ステップS18へ進み、大人がかがんで通行していると判断し、不正入場処理(入場禁止)を行う。
【0046】
ステップS17で、推定身長が114cm以下と134cm以上に分かれない場合は(ステップS17:NO)、ステップS19へ進み、身長推定結果は誤差の範囲内と判断して、通常処理(入場許可)を行う。
【0047】
図12〜図16は、上述したステップS12〜S19における種々の判定パターンを例示したもので、各図の(a)は処理結果エリア2aに保存された推定身長と利用者人数のデータ、(b)は判定結果と処理種別をそれぞれ表している。
【0048】
図12(a)では、1枚目の画像(画像番号1)から得られた推定身長は170cm、2枚目の画像(画像番号2)から得られた推定身長は173cmであり、人数はいずれの場合も1人となっている。したがって、ステップS12での判定はNO、ステップS13での判定はNOとなり、ステップS15で通常処理が行われる。すなわち、図12(b)のように判定結果は正常となり、入場が許可される。
【0049】
図13(a)では、1枚目の画像(画像番号1)から得られた推定身長は170cm、2枚目の画像(画像番号2)から得られた推定身長は173cmであり、人数は1枚目の画像の場合が1人、2枚目の画像の場合が2人となっている。したがって、ステップS12での判定はNO、ステップS13での判定はYES、ステップS14での判定はYESとなり、ステップS16で通常処理と不正入場処理とが行われる。すなわち、図13(b)のように、1人目については判定結果は正常で入場が許可され、2人目については判定結果は無札入場で入場が禁止される。
【0050】
図14(a)では、1枚目の画像(画像番号1)から得られた推定身長は170cm、2枚目の画像(画像番号2)から得られた推定身長は173cmであり、人数は1枚目の画像の場合が2人、2枚目の画像の場合が1人となっている。したがって、ステップS12での判定はNO、ステップS13での判定はYES、ステップS14での判定はNOとなり、ステップS15で通常処理が行われる。この場合は、1枚目と2枚目とで人数が一致しないが、実際に入場したのは1人であるので、通常処理を行う。すなわち、図14(b)のように、判定結果は正常で入場が許可される。
【0051】
図15(a)では、1枚目の画像(画像番号1)から得られた推定身長は170cm、2枚目の画像(画像番号2)から得られた推定身長は90cmであり、人数はいずれの場合も1人となっている。したがって、ステップS12での判定はYES、ステップS17での判定はYESとなり、ステップS18で不正入場処理が行われる。すなわち、図15(b)のように、かがんで通行していると判定され、入場が禁止される。
【0052】
図16(a)では、1枚目の画像(画像番号1)から得られた推定身長は175cm、2枚目の画像(画像番号2)から得られた推定身長は163cmであり、人数はいずれの場合も1人となっている。したがって、ステップS12での判定はYES、ステップS17での判定はNOとなり、ステップS19で通常処理が行われる。すなわち、図16(b)のように、判定結果は正常(誤差の範囲)で入場が許可される。
【0053】
次に、図6と図7を参照して、図5のステップS3における旅客位置の推定方法を説明する。図6は、カメラ11が撮像した利用者Pの旅客位置における画像の例、図7は、自動改札装置50を上からみた場合の撮像状態を示す図である。
【0054】
図6において、aは、画像G上での利用者Pの右腕と画像右端との間の距離、uは画像G上での画像右端と画像左端との距離である。図7において、nはカメラ11の撮像面、αはカメラ11の設置角度、kは通路入口位置、hは利用者位置、mは撮像面nと平行な直線、Rは撮像領域である。Aは、図6のaの実空間での距離であり、Uは、図6のuの実空間での距離である。距離a内の横方向の画素数をi、距離u内の横方向の画素数をjとしたとき、Aは、次式により求めることができる。
A=U・(i/j) ・・・ (2)
Uとjの値はあらかじめ分かっているので、撮像素子の出力からiの値を求めれば、Aは一義的に定まる。したがって、旅客位置Bは次式から算出される。
B=A・sinα=U・(i/j)・sinα ・・・ (3)
【0055】
次に、図9〜図11を参照して、図5のステップS4およびS9における身長推定方法を説明する。図9は、2次元のxy空間におけるカメラ11の撮像状態を示す図、図10は、2次元のyz空間におけるカメラ11の撮像状態を示す図、図11は三角測量の原理を説明する図である。
【0056】
図9において、20はカメラ11の光軸であって、xy空間において撮像領域Rの中心に位置している。光軸20は、図10に示すように、yz空間においても撮像領域Rの中心に位置する。図10において、γは光軸20とy軸とのなす角度、すなわちカメラ11の取付角度である。ここで、光軸20の長さをQとすると、光軸20から下の自動改札装置50の上面までの距離L2は
L2=Q・sinγ ・・・ (4)
となる。Qの算出方法については後述する。また、L2に含まれる垂直方向(z方向)の画素数をL2で割った値、すなわち1画素あたりの垂直方向の距離をKとし、光軸20から上の利用者Pの頭部上端までの距離L1に含まれる垂直方向の画素数をσとすると、L1は次式から算出される。
L1=K・σ ・・・ (5)
また、L3は自動改札装置50の高さであって、既知の値である。よって、利用者Pの身長Lは、上述したL1、L2、L3を用いて
L=L1+L2+L3 ・・・ (6)
で算出される。
【0057】
図10における光軸20の長さQは、図11に示した公知の三角測量の原理から求めることができる。図11において、11a、11bは、カメラ11に備わる1対のレンズであって、撮像面と平行な方向に距離Eをおいて配置されている。Wは撮像対象物、fはレンズ11a、11bの焦点距離、Dはレンズ11a、11bの視差である。ここで、Q/E=f/Dであるから、
Q=E・f/D ・・・ (6)
となる。よって、このQを用いて式(4)からL2を求めることができる。
【0058】
以上述べたように、上述した実施形態においては、利用者Pの所持する乗車媒体が受け付けられると、カメラ11を駆動して1枚目の画像を取得し、この1枚目の画像に基づいて、媒体受付時の利用者Pの位置(旅客位置)を算出する。また、利用者Pが、旅客位置より所定距離(37.5cm)だけ前方の位置へ移動したことが検出されると、再びカメラ11を駆動して2枚目の画像を取得する。そして、1枚目の画像から得られる利用者の人数および推定身長と、2枚目の画像から得られる利用者の人数および推定身長とを突合し、当該突合結果に基づいて不正通行の有無を判定するようにしている。このため、2つの画像から、利用者の人数と推定身長とに基づいて、不正通行を高精度に検出することができる。また、カメラ11は、1回の通行に対して2回撮像を行うだけであるので、画像を保存する記憶部2のメモリ容量も少なくて済む。
【0059】
なお、上述した実施形態では、突合において推定身長と人数の両方を用いたが、推定身長のみを突合してもよく、あるいは人数のみを突合してもよい。
【0060】
本発明は、上述した実施形態以外にも、種々の実施形態を採用することができる。例えば、上記実施形態では、カメラ11を改札通路61の片側の自動改札装置50に設置し、入場する利用者を撮像する例を挙げたが、自動改札装置50を入場(改札)と出場(集札)の両用機とする場合は、通路の両側の自動改札装置50にカメラをそれぞれ設け、一方のカメラは改札通路61の入場側に光軸を向けて入場する利用者を撮像し、他方のカメラは改札通路61の出場側に光軸を向けて出場する利用者を撮像するようにしてもよい。
【0061】
また、上記実施形態では、カメラ11を自動改札装置50の側板57の内部に設置したが、自動改札装置50の本体51にカメラ11を設置してもよく、カメラ11の設置場所は任意である。
【0062】
また、上記実施形態では、非接触媒体専用の自動改札装置50を例に挙げたが、本発明は、非接触媒体と磁気券の両方に対応した自動改札装置や、磁気券のみに対応した自動改札装置にも適用することができる。
【0063】
さらに、本発明は、自動改札装置に限らず、入退出管理システムに用いられるゲート装置などにも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の実施形態に係る自動改札装置を示した斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る自動改札装置を示した正面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る自動改札装置を示した側面図である。
【図4】自動改札装置の電気的構成を示したブロック図である。
【図5】自動改札装置の動作を示したフローチャートである。
【図6】カメラが撮像した利用者の旅客位置における画像の例である。
【図7】自動改札装置を上からみた場合の撮像状態を示す図である。
【図8】センサの選定を説明する図である。
【図9】2次元のxy空間におけるカメラの撮像状態を示す図である。
【図10】2次元のyz空間におけるカメラの撮像状態を示す図である。
【図11】三角測量の原理を説明する図である。
【図12】判定パターンの例である。
【図13】判定パターンの例である。
【図14】判定パターンの例である。
【図15】判定パターンの例である。
【図16】判定パターンの例である。
【図17】複数の利用者の進入を説明する図である。
【符号の説明】
【0065】
1 CPU
2 記憶部
2a 処理結果エリア
2b 画像エリア
7 撮像部
8 画像処理部
11 カメラ
50 自動改札装置
70 非接触媒体
B 旅客位置
G 画像
L 身長
P 利用者
R 撮像領域
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道の駅などに設置される自動改札装置のような通行制御装置に関し、特に、利用者を撮像するための撮像装置を備えた通行制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動改札装置において、例えば大人と子供の判別を行う場合、従来は透過型の赤外線センサが用いられていた。しかしながら、赤外線センサ方式には、大人がかがんで入場したような場合に、不正入場を検出できないという問題がある。そこで、より高精度に不正を検出する手段として、カメラにより通行者を撮影し、得られた画像を解析することにより通行状態を検出する方法が提案されている。下記の特許文献1には、カメラの撮像画像から大人か子供かを判別する技術が記載されている。
【0003】
【特許文献1】特開平7−14038号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画像技術は、自動改札装置における高精度な検出手段として最近注目されており、例えば、顔認証による年齢推定や身長推定のようなアプリケーションを用いた大人/子供の判別なども実現化されつつあるが、その一方でまだ解決すべき課題も多い。例えば、顔認証の場合は、通行者がサングラスやマスクを装着していると、年齢推定ができない。また、身長推定の場合は、推定誤差が±10cm程度あるため、通行者の身長が改札装置における大人/子供の判定基準(身長124cm)付近にある場合は、判定結果の信憑性が薄くなる。さらに、通行者が重なって入場した場合は、正確な人数を計数できないという問題もある。
【0005】
本発明は、撮像画像を用いて不正通行を高精度に検出することが可能な通行制御装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る通行制御装置は、通路を通行する利用者を撮像する撮像手段と、この撮像手段が撮像した画像に基づいて、利用者の不正通行の有無を判定する判定手段と、この判定手段の判定結果に応じた通行処理を行なう通行処理手段とを備えた通行制御装置であって、利用者の所持する媒体が受け付けられると、撮像手段を駆動して1枚目の画像を取得し、この1枚目の画像に基づいて、媒体受付時の利用者の位置を算出する。また、利用者が、算出された位置より所定距離だけ前方の位置へ移動したことが検出されると、撮像手段を駆動して2枚目の画像を取得する。そして、判定手段は、1枚目および2枚目の画像に基づいて、利用者の不正通行の有無を判定する。
【0007】
このようにすると、媒体受付時の利用者の位置において得られた1枚目の画像の解析結果と、その位置から所定距離だけ前方の位置で得られた2枚目の画像の解析結果とを突合することで、不正通行を高精度に検出することができる。
【0008】
本発明の好ましい実施形態では、1枚目の画像に基づいて、利用者の推定身長および/または利用者の人数を算出する第1の算出手段と、2枚目の画像に基づいて、利用者の推定身長および/または利用者の人数を算出する第2の算出手段とが設けられる。この場合、判定手段は、第1の算出手段が算出した推定身長および/または人数と、第2の算出手段が算出した推定身長および/または人数とを突合し、当該突合結果に基づいて不正通行の有無を判定する。
【0009】
このようにすると、1枚目と2枚目の各画像から得られる利用者の人数および/または推定身長を用いて、不正通行を高精度に検出することができる。
【0010】
この場合、判定手段は、突合の結果、第1の算出手段が算出した推定身長と、第2の算出手段が算出した推定身長との差が所定値以上か否かを検証し、当該検証結果に基づいて不正通行の有無を判定するようにすればよい。
【0011】
このようにすると、1枚目と2枚目の各画像から得られる推定身長の差を検証することで、不正通行をより高精度に検出することができる。
【0012】
検証の結果、推定身長の差が所定値以上でない場合は、第1の算出手段が算出した利用者の人数と、第2の算出手段が算出した利用者の人数とが同じであれば、利用者を正常通行者と判定すればよい。このとき、通行処理手段は、判定結果に応じて、利用者の通行を許可する。
【0013】
一方、第1の算出手段が算出した利用者の人数と、第2の算出手段が算出した利用者の人数とが同じでない場合は、第1の算出手段が算出した利用者の人数が1人で、かつ、第2の算出手段が算出した利用者の人数が2人であれば、2人目の利用者を無札通行者と判定すればよい。このとき、通行処理手段は、判定結果に応じて、2人目の利用者の通行を禁止する。
【0014】
また、検証の結果、推定身長の差が所定値以上である場合は、当該推定身長が、第1の基準値以下と第2の基準値以上に分かれるときは、利用者がかがんで通行していると判定すればよい。このとき、通行処理手段は、判定結果に応じて、利用者の通行を禁止する。
【0015】
一方、推定身長が、第1の基準値以下と第2の基準値以上に分かれないときは、推定身長の差を誤差の範囲と判定すればよい。このとき、通行処理手段は、判定結果に応じて、利用者の通行を許可する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、媒体受付時に撮像された1枚目の画像と、その後に撮像された2枚目の画像とを用いて、不正通行を高精度に検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1ないし図3は、本発明の実施形態に係る自動改札装置を示した図であり、図1は斜視図、図2は正面図、図3は側面図である。図において、50は自動改札装置、51は自動改札装置50の本体、52は自動改札装置50の入口側(改札側)に設けられたゲート扉、53は自動改札装置50の出口側(集札側)に設けられたゲート扉、54は自動改札装置50で使用される非接触ICカード(図示省略)との間で通信を行うアンテナ、55はアンテナ54で読み取った非接触ICカードが正常な乗車媒体であるか否かを表示するランプ表示部、56は利用者に対して通行許可や通行禁止等の各種メッセージを表示するメッセージ表示部、57は本体51の側部に設けられた側板、58は側板57の上面に設けられた小児/学生表示ランプ、59は側板57内に設けられているセンサやカメラ(後述)を覆うカバー、60は本体51の正面に設けられている通行可否表示部、61は1対の自動改札装置50により形成される改札通路である。x、y、zは3次元空間の座標軸を表しており、xは改札通路61の通行方向(長手方向)と直交する方向の座標軸、yは改札通路61の通行方向と同方向の座標軸、zは垂直方向の座標軸である。
【0018】
図3は、図1における右側の自動改札装置50のカバー59を取り外した状態の側面図である。40は通行方向に直線状に複数個配列された人間位置追跡用のセンサであって、例えば透過型の光センサから構成されている。また、図1の左側の自動改札装置50における側板57にも、改札通路61を挟んでセンサ40のそれぞれと対向する位置に、透過型の光センサが複数個設けられている。そして、各自動改札装置50においては、センサを構成する投光素子と受光素子とが通行方向に交互に配列されており、かつ、一方の自動改札装置50の投光素子と他方の自動改札装置50の受光素子とが改札通路61を挟んで対向している。
【0019】
図1に示すように、右側の自動改札装置50の側板57の内部には、カメラ11が配備されている。このカメラ11は、改札通路61の入口側(図1で手前側)から入場する利用者を撮像する。このため、カメラ11は図3に示すように設置されていて、撮像領域Rを撮像する。
【0020】
図2は、図1を出口側(図1で奥側)からみた図であって、向かって左側の自動改札装置50に設置されたカメラ11は、上述した撮像領域Rを撮像する。Pは改札通路61を通行する利用者を示している。
【0021】
以上のような自動改札装置50は、例えば鉄道の駅に設置され、利用者が非接触ICカードをアンテナ54の上にかざすと、アンテナ54が読み取った非接触ICカードのデータが本体51の内部に設けられている制御部に送られ、制御部が乗車媒体の適否を判定してゲート扉52,53の開閉を制御し、通行を許可または禁止する。
【0022】
図4は、自動改札装置50の電気的構成を示したブロック図である。1は自動改札装置50の動作を制御する制御部としてのCPU、2はメモリから構成される記憶部である。記憶部2には、後述する処理結果を格納する処理結果エリア2aと、カメラ11で撮像した画像を格納する画像エリア2bとが設けられている。また、これ以外にも、乗車媒体から読み取った媒体情報が格納されるエリアや、CPU1の動作プログラムが格納されるエリア、各種の制御パラメータが格納されるエリアなどを有している(図示省略)。3はゲート扉52,53を駆動する扉駆動部であって、扉開閉用のモータや、モータの駆動回路などから構成される。4は表示部であって、図1に示したランプ表示部55、メッセージ表示部56、小児/学生表示ランプ58および通行可否表示部60から構成される。5は上位装置であるホスト装置(図示省略)との間で通信を行うホスト通信部、6は自動改札装置50の各部に電源を供給する電源部である。
【0023】
7は撮像部であって、前述したカメラ11とその駆動回路等から構成される。8は、カメラ11で撮像された画像を処理する画像処理部であって、撮像画像から利用者の位置、利用者の人数、利用者の推定身長を算出する処理(詳細は後述)を行う。9は人間検知部であって、図3に示したセンサ40などから構成される。10はアンテナ54の動作を制御するアンテナ制御部であって、アンテナ54は非接触ICカードからなる非接触媒体70との間で無線通信を行い、非接触媒体70に記録されている媒体情報を非接触で読み取る。
【0024】
以上において、CPU1は、本発明における通行処理手段の一実施形態を構成し、撮像部7は本発明における撮像手段の一実施形態を構成している。また、CPU1および画像処理部8は、本発明における第1の算出手段、第2の算出手段、および判定手段の一実施形態を構成している。
【0025】
図5は、自動改札装置50の動作を示したフローチャートである。以下、このフローチャートに基づいて、不正通行の検出処理の詳細を説明する。
【0026】
ステップS1では、乗車媒体を受け付ける。利用者の所持する非接触媒体70がアンテナ54にかざされて検知されると、乗車媒体が受け付けられたと判断してステップS2へ進む。
【0027】
ステップS2では、カメラ11が駆動されてシャッターが切られ、利用者の撮像が行われる。これにより、1枚目の画像が取得される。例えば、図2に示すように利用者Pが自動改札装置50に入場する場合、図6のような画像Gが取得される。取得された画像は、記憶部2の画像エリア2b(図4)に保存される。
【0028】
次に、ステップS3へ進んで、1枚目の画像から、媒体受付時の利用者の位置(以下「旅客位置」という)を推定する。旅客位置は、利用者が自動改札装置50の通路入口からどれだけ手前にいるかを表すもので、図7における通路入口位置kから利用者位置hまでの距離Bがこれに該当する。この旅客位置Bの推定方法については、後で詳しく説明する。
【0029】
ステップS3で旅客位置の推定処理が終わると、次に、ステップS4〜S5と、ステップS6〜S10とが並行して実行される。
【0030】
まず、ステップS4では、ステップS2で取得された1枚目の画像から、利用者の人数を計数するとともに、利用者の身長を推定する。人数は、画像から人物の顔を抽出することにより算出することができる。身長の推定方法については、後で詳しく説明する。
【0031】
ステップS4を実行した後は、ステップS5へ進み、算出した利用者の人数や身長のデータを記憶部2の処理結果エリア2aへ保存する。これらのデータは、例えば図12(a)に示すように、処理結果エリア2aにおけるテーブルの画像番号「1」のエリアに格納される。
【0032】
一方、ステップS6では、ステップS3で推定された旅客位置から37.5cm先にあるセンサ40の状態をチェックする。37.5cmの根拠については後述する。図8に示すように、センサ40は、通路入口位置kから等間隔βで配置されているので、旅客位置から37.5cm先に相当する通路内距離をCとしたとき、37.5cmに最も近いセンサの番号N(N=#1〜#n)は、
N=C/β=(37.5−B)/β ・・・ (1)
により求まり、これによって37.5cm先のセンサ40を選出することができる。なお、式(1)では、四捨五入により整数を算出する。
【0033】
続くステップS7では、当該センサが遮光状態であるか否かをチェックする。センサが遮光状態でなければ(ステップS7:NO)、当該センサが利用者を検知していないと判断し、ステップS6へ戻る。センサが遮光状態になると(ステップS7:YES)当該センサが利用者を検知したと判断し、ステップS8へ進む。
【0034】
ステップS8では、カメラ11が再び駆動されてシャッターが切られ、利用者の撮像が行われる。これにより、2枚目の画像が取得される。取得された画像は、記憶部2の画像エリア2b(図4)に保存される。
【0035】
上記説明からわかるように、1枚目の画像は、媒体受付時に撮像され、このとき、利用者は乗車媒体をかざすために、旅客位置で一旦立ち止まった状態にある。一方、2枚目の画像は、旅客位置から37.5cm先のセンサが遮光状態になったときに撮像される。これは、日本人成人の平均歩幅が75cmであり、その中間である37.5cmにおいて、1枚目の画像と歩き方(姿勢)の点で最も差異が出やすいことから、この差異の出やすい中間タイミングで2枚目の画像を取得することで、後述する1枚目の画像と2枚目の画像との突合における判定精度を上げるためである。
【0036】
次に、ステップS9へ進んで、ステップS8で取得された2枚目の画像から、利用者の人数を計数するとともに、利用者の身長を推定する。前述のステップS4と同様、人数は、画像から人物の顔を抽出することで算出できる。身長の推定方法については後述する。
【0037】
ステップS9を実行した後は、ステップS10へ進み、算出した利用者の人数や身長のデータを記憶部2の処理結果エリア2aへ保存する。これらのデータは、例えば図12(a)に示すように、処理結果エリア2aにおけるテーブルの画像番号「2」のエリアに格納される。
【0038】
次に、ステップS11では、ステップS5で保存した1枚目の画像の処理結果(利用者人数、推定身長)と、ステップS10で保存した2枚目の画像の処理結果(利用者人数、推定身長)とを、処理結果エリア2aから読み出して、それらを突合する。そして、以下の検証を行う。
【0039】
最初に、ステップS12において、身長の推定結果に所定値以上の差があるかどうかを検証する。ここでは、所定値を10cmとしている。但し、この値は一例であって、他の値を用いてもよい。
【0040】
推定身長に10cm以上の差がない場合(ステップS12:NO)は、ステップS13に進む。ステップS13では、人数の計数結果に1人以上の差があるかどうかを検証する。1人以上の差がなければ(ステップS13:NO)、1枚目の画像から得られた人数と、2枚目の画像から得られた人数が同じ(共に1人)と判断し、ステップS15へ進んで通常の改札処理を行う。この場合は、利用者が正常通行者なので、ゲート扉53を開いて入場を許可する。なお、実際には、入場許可にあたって、アンテナ54が非接触媒体70から読み取った乗車区間や有効期間などの媒体情報も参照されるが、ここでは簡単のためにそれらの判定処理を省略してある(後述のステップS16、S19においても同様)。
【0041】
ステップS13で1人以上の差がある場合は(ステップS13:YES)、ステップS14へ進んで、1枚目の画像から得られた人数が1人で、2枚目の画像から得られた人数が2人かどうかを検証する。
【0042】
ステップS14の検証結果がYESであれば、ステップS16へ進む。ステップS16では、図17に示すように、乗車媒体をかざして正規に入場した1人目の利用者P1に続いて、2人目の利用者P2が無札で入場したと判断し、1人目の利用者に対しては通常の改札処理(入場許可)を行う一方、2人目の利用者に対しては不正入場処理、すなわちゲート扉53を閉じて入場を禁止する処理を行う。
【0043】
ステップS14の検証結果がNOであれば、不正はないと判断してステップS15へ進み、通常の改札処理(入場許可)を行う。
【0044】
ステップS12において、推定身長に10cm以上の差がある場合(ステップS12:YES)は、ステップS17に進む。ステップS17では、推定身長が第1の基準値以下と第2の基準値以上に分かれるかどうかを検証する。ここでは、第1の基準値を114cmとし、第2の基準値を134cmとしている。これらの値は、先述の大人/子供の判定基準である124cmと誤差の±10cmから導出されたものである。但し、これらの基準値も一例であり、他の基準値を用いてもよい。
【0045】
ステップS17で、推定身長が114cm以下と134cm以上に分かれる場合は(ステップS17:YES)、ステップS18へ進み、大人がかがんで通行していると判断し、不正入場処理(入場禁止)を行う。
【0046】
ステップS17で、推定身長が114cm以下と134cm以上に分かれない場合は(ステップS17:NO)、ステップS19へ進み、身長推定結果は誤差の範囲内と判断して、通常処理(入場許可)を行う。
【0047】
図12〜図16は、上述したステップS12〜S19における種々の判定パターンを例示したもので、各図の(a)は処理結果エリア2aに保存された推定身長と利用者人数のデータ、(b)は判定結果と処理種別をそれぞれ表している。
【0048】
図12(a)では、1枚目の画像(画像番号1)から得られた推定身長は170cm、2枚目の画像(画像番号2)から得られた推定身長は173cmであり、人数はいずれの場合も1人となっている。したがって、ステップS12での判定はNO、ステップS13での判定はNOとなり、ステップS15で通常処理が行われる。すなわち、図12(b)のように判定結果は正常となり、入場が許可される。
【0049】
図13(a)では、1枚目の画像(画像番号1)から得られた推定身長は170cm、2枚目の画像(画像番号2)から得られた推定身長は173cmであり、人数は1枚目の画像の場合が1人、2枚目の画像の場合が2人となっている。したがって、ステップS12での判定はNO、ステップS13での判定はYES、ステップS14での判定はYESとなり、ステップS16で通常処理と不正入場処理とが行われる。すなわち、図13(b)のように、1人目については判定結果は正常で入場が許可され、2人目については判定結果は無札入場で入場が禁止される。
【0050】
図14(a)では、1枚目の画像(画像番号1)から得られた推定身長は170cm、2枚目の画像(画像番号2)から得られた推定身長は173cmであり、人数は1枚目の画像の場合が2人、2枚目の画像の場合が1人となっている。したがって、ステップS12での判定はNO、ステップS13での判定はYES、ステップS14での判定はNOとなり、ステップS15で通常処理が行われる。この場合は、1枚目と2枚目とで人数が一致しないが、実際に入場したのは1人であるので、通常処理を行う。すなわち、図14(b)のように、判定結果は正常で入場が許可される。
【0051】
図15(a)では、1枚目の画像(画像番号1)から得られた推定身長は170cm、2枚目の画像(画像番号2)から得られた推定身長は90cmであり、人数はいずれの場合も1人となっている。したがって、ステップS12での判定はYES、ステップS17での判定はYESとなり、ステップS18で不正入場処理が行われる。すなわち、図15(b)のように、かがんで通行していると判定され、入場が禁止される。
【0052】
図16(a)では、1枚目の画像(画像番号1)から得られた推定身長は175cm、2枚目の画像(画像番号2)から得られた推定身長は163cmであり、人数はいずれの場合も1人となっている。したがって、ステップS12での判定はYES、ステップS17での判定はNOとなり、ステップS19で通常処理が行われる。すなわち、図16(b)のように、判定結果は正常(誤差の範囲)で入場が許可される。
【0053】
次に、図6と図7を参照して、図5のステップS3における旅客位置の推定方法を説明する。図6は、カメラ11が撮像した利用者Pの旅客位置における画像の例、図7は、自動改札装置50を上からみた場合の撮像状態を示す図である。
【0054】
図6において、aは、画像G上での利用者Pの右腕と画像右端との間の距離、uは画像G上での画像右端と画像左端との距離である。図7において、nはカメラ11の撮像面、αはカメラ11の設置角度、kは通路入口位置、hは利用者位置、mは撮像面nと平行な直線、Rは撮像領域である。Aは、図6のaの実空間での距離であり、Uは、図6のuの実空間での距離である。距離a内の横方向の画素数をi、距離u内の横方向の画素数をjとしたとき、Aは、次式により求めることができる。
A=U・(i/j) ・・・ (2)
Uとjの値はあらかじめ分かっているので、撮像素子の出力からiの値を求めれば、Aは一義的に定まる。したがって、旅客位置Bは次式から算出される。
B=A・sinα=U・(i/j)・sinα ・・・ (3)
【0055】
次に、図9〜図11を参照して、図5のステップS4およびS9における身長推定方法を説明する。図9は、2次元のxy空間におけるカメラ11の撮像状態を示す図、図10は、2次元のyz空間におけるカメラ11の撮像状態を示す図、図11は三角測量の原理を説明する図である。
【0056】
図9において、20はカメラ11の光軸であって、xy空間において撮像領域Rの中心に位置している。光軸20は、図10に示すように、yz空間においても撮像領域Rの中心に位置する。図10において、γは光軸20とy軸とのなす角度、すなわちカメラ11の取付角度である。ここで、光軸20の長さをQとすると、光軸20から下の自動改札装置50の上面までの距離L2は
L2=Q・sinγ ・・・ (4)
となる。Qの算出方法については後述する。また、L2に含まれる垂直方向(z方向)の画素数をL2で割った値、すなわち1画素あたりの垂直方向の距離をKとし、光軸20から上の利用者Pの頭部上端までの距離L1に含まれる垂直方向の画素数をσとすると、L1は次式から算出される。
L1=K・σ ・・・ (5)
また、L3は自動改札装置50の高さであって、既知の値である。よって、利用者Pの身長Lは、上述したL1、L2、L3を用いて
L=L1+L2+L3 ・・・ (6)
で算出される。
【0057】
図10における光軸20の長さQは、図11に示した公知の三角測量の原理から求めることができる。図11において、11a、11bは、カメラ11に備わる1対のレンズであって、撮像面と平行な方向に距離Eをおいて配置されている。Wは撮像対象物、fはレンズ11a、11bの焦点距離、Dはレンズ11a、11bの視差である。ここで、Q/E=f/Dであるから、
Q=E・f/D ・・・ (6)
となる。よって、このQを用いて式(4)からL2を求めることができる。
【0058】
以上述べたように、上述した実施形態においては、利用者Pの所持する乗車媒体が受け付けられると、カメラ11を駆動して1枚目の画像を取得し、この1枚目の画像に基づいて、媒体受付時の利用者Pの位置(旅客位置)を算出する。また、利用者Pが、旅客位置より所定距離(37.5cm)だけ前方の位置へ移動したことが検出されると、再びカメラ11を駆動して2枚目の画像を取得する。そして、1枚目の画像から得られる利用者の人数および推定身長と、2枚目の画像から得られる利用者の人数および推定身長とを突合し、当該突合結果に基づいて不正通行の有無を判定するようにしている。このため、2つの画像から、利用者の人数と推定身長とに基づいて、不正通行を高精度に検出することができる。また、カメラ11は、1回の通行に対して2回撮像を行うだけであるので、画像を保存する記憶部2のメモリ容量も少なくて済む。
【0059】
なお、上述した実施形態では、突合において推定身長と人数の両方を用いたが、推定身長のみを突合してもよく、あるいは人数のみを突合してもよい。
【0060】
本発明は、上述した実施形態以外にも、種々の実施形態を採用することができる。例えば、上記実施形態では、カメラ11を改札通路61の片側の自動改札装置50に設置し、入場する利用者を撮像する例を挙げたが、自動改札装置50を入場(改札)と出場(集札)の両用機とする場合は、通路の両側の自動改札装置50にカメラをそれぞれ設け、一方のカメラは改札通路61の入場側に光軸を向けて入場する利用者を撮像し、他方のカメラは改札通路61の出場側に光軸を向けて出場する利用者を撮像するようにしてもよい。
【0061】
また、上記実施形態では、カメラ11を自動改札装置50の側板57の内部に設置したが、自動改札装置50の本体51にカメラ11を設置してもよく、カメラ11の設置場所は任意である。
【0062】
また、上記実施形態では、非接触媒体専用の自動改札装置50を例に挙げたが、本発明は、非接触媒体と磁気券の両方に対応した自動改札装置や、磁気券のみに対応した自動改札装置にも適用することができる。
【0063】
さらに、本発明は、自動改札装置に限らず、入退出管理システムに用いられるゲート装置などにも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の実施形態に係る自動改札装置を示した斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る自動改札装置を示した正面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る自動改札装置を示した側面図である。
【図4】自動改札装置の電気的構成を示したブロック図である。
【図5】自動改札装置の動作を示したフローチャートである。
【図6】カメラが撮像した利用者の旅客位置における画像の例である。
【図7】自動改札装置を上からみた場合の撮像状態を示す図である。
【図8】センサの選定を説明する図である。
【図9】2次元のxy空間におけるカメラの撮像状態を示す図である。
【図10】2次元のyz空間におけるカメラの撮像状態を示す図である。
【図11】三角測量の原理を説明する図である。
【図12】判定パターンの例である。
【図13】判定パターンの例である。
【図14】判定パターンの例である。
【図15】判定パターンの例である。
【図16】判定パターンの例である。
【図17】複数の利用者の進入を説明する図である。
【符号の説明】
【0065】
1 CPU
2 記憶部
2a 処理結果エリア
2b 画像エリア
7 撮像部
8 画像処理部
11 カメラ
50 自動改札装置
70 非接触媒体
B 旅客位置
G 画像
L 身長
P 利用者
R 撮像領域
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通路を通行する利用者を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段が撮像した画像に基づいて、利用者の不正通行の有無を判定する判定手段と、
前記判定手段の判定結果に応じた通行処理を行なう通行処理手段と、
を備えた通行制御装置において、
前記利用者の所持する媒体が受け付けられると、前記撮像手段を駆動して1枚目の画像を取得し、
前記1枚目の画像に基づいて、媒体受付時の利用者の位置を算出し、
前記利用者が、前記算出された位置より所定距離だけ前方の位置へ移動したことが検出されると、前記撮像手段を駆動して2枚目の画像を取得し、
前記判定手段は、前記1枚目および2枚目の画像に基づいて、利用者の不正通行の有無を判定することを特徴とする通行制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の通行制御装置において、
前記1枚目の画像に基づいて、利用者の推定身長および/または利用者の人数を算出する第1の算出手段と、
前記2枚目の画像に基づいて、利用者の推定身長および/または利用者の人数を算出する第2の算出手段と、を備え、
前記判定手段は、前記第1の算出手段が算出した推定身長および/または人数と、前記第2の算出手段が算出した推定身長および/または人数とを突合し、当該突合結果に基づいて不正通行の有無を判定することを特徴とする通行制御装置。
【請求項3】
請求項2に記載の通行制御装置において、
前記判定手段は、前記突合の結果、前記第1の算出手段が算出した推定身長と、前記第2の算出手段が算出した推定身長との差が所定値以上か否かを検証し、当該検証結果に基づいて不正通行の有無を判定することを特徴とする通行制御装置。
【請求項4】
請求項3に記載の通行制御装置において、
前記判定手段は、前記検証の結果、前記推定身長の差が所定値以上でない場合に、前記第1の算出手段が算出した利用者の人数と、前記第2の算出手段が算出した利用者の人数とが同じであれば、利用者を正常通行者と判定し、
前記通行処理手段は、前記判定結果に応じて、利用者の通行を許可することを特徴とする通行制御装置。
【請求項5】
請求項4に記載の通行制御装置において、
前記判定手段は、前記第1の算出手段が算出した利用者の人数と、前記第2の算出手段が算出した利用者の人数とが同じでない場合に、前記第1の算出手段が算出した利用者の人数が1人で、かつ、前記第2の算出手段が算出した利用者の人数が2人であれば、2人目の利用者を無札通行者と判定し、
前記通行処理手段は、前記判定結果に応じて、2人目の利用者の通行を禁止することを特徴とする通行制御装置。
【請求項6】
請求項3に記載の通行制御装置において、
前記判定手段は、前記検証の結果、前記推定身長の差が所定値以上である場合に、当該推定身長が、第1の基準値以下と第2の基準値以上に分かれるときは、利用者がかがんで通行していると判定し、
前記通行処理手段は、前記判定結果に応じて、利用者の通行を禁止することを特徴とする通行制御装置。
【請求項7】
請求項6に記載の通行制御装置において、
前記判定手段は、前記推定身長が、第1の基準値以下と第2の基準値以上に分かれないときは、推定身長の差を誤差の範囲と判定し、
前記通行処理手段は、前記判定結果に応じて、利用者の通行を許可することを特徴とする通行制御装置。
【請求項1】
通路を通行する利用者を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段が撮像した画像に基づいて、利用者の不正通行の有無を判定する判定手段と、
前記判定手段の判定結果に応じた通行処理を行なう通行処理手段と、
を備えた通行制御装置において、
前記利用者の所持する媒体が受け付けられると、前記撮像手段を駆動して1枚目の画像を取得し、
前記1枚目の画像に基づいて、媒体受付時の利用者の位置を算出し、
前記利用者が、前記算出された位置より所定距離だけ前方の位置へ移動したことが検出されると、前記撮像手段を駆動して2枚目の画像を取得し、
前記判定手段は、前記1枚目および2枚目の画像に基づいて、利用者の不正通行の有無を判定することを特徴とする通行制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の通行制御装置において、
前記1枚目の画像に基づいて、利用者の推定身長および/または利用者の人数を算出する第1の算出手段と、
前記2枚目の画像に基づいて、利用者の推定身長および/または利用者の人数を算出する第2の算出手段と、を備え、
前記判定手段は、前記第1の算出手段が算出した推定身長および/または人数と、前記第2の算出手段が算出した推定身長および/または人数とを突合し、当該突合結果に基づいて不正通行の有無を判定することを特徴とする通行制御装置。
【請求項3】
請求項2に記載の通行制御装置において、
前記判定手段は、前記突合の結果、前記第1の算出手段が算出した推定身長と、前記第2の算出手段が算出した推定身長との差が所定値以上か否かを検証し、当該検証結果に基づいて不正通行の有無を判定することを特徴とする通行制御装置。
【請求項4】
請求項3に記載の通行制御装置において、
前記判定手段は、前記検証の結果、前記推定身長の差が所定値以上でない場合に、前記第1の算出手段が算出した利用者の人数と、前記第2の算出手段が算出した利用者の人数とが同じであれば、利用者を正常通行者と判定し、
前記通行処理手段は、前記判定結果に応じて、利用者の通行を許可することを特徴とする通行制御装置。
【請求項5】
請求項4に記載の通行制御装置において、
前記判定手段は、前記第1の算出手段が算出した利用者の人数と、前記第2の算出手段が算出した利用者の人数とが同じでない場合に、前記第1の算出手段が算出した利用者の人数が1人で、かつ、前記第2の算出手段が算出した利用者の人数が2人であれば、2人目の利用者を無札通行者と判定し、
前記通行処理手段は、前記判定結果に応じて、2人目の利用者の通行を禁止することを特徴とする通行制御装置。
【請求項6】
請求項3に記載の通行制御装置において、
前記判定手段は、前記検証の結果、前記推定身長の差が所定値以上である場合に、当該推定身長が、第1の基準値以下と第2の基準値以上に分かれるときは、利用者がかがんで通行していると判定し、
前記通行処理手段は、前記判定結果に応じて、利用者の通行を禁止することを特徴とする通行制御装置。
【請求項7】
請求項6に記載の通行制御装置において、
前記判定手段は、前記推定身長が、第1の基準値以下と第2の基準値以上に分かれないときは、推定身長の差を誤差の範囲と判定し、
前記通行処理手段は、前記判定結果に応じて、利用者の通行を許可することを特徴とする通行制御装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2010−33390(P2010−33390A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−195614(P2008−195614)
【出願日】平成20年7月30日(2008.7.30)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月30日(2008.7.30)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】
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