説明

通話データ管理装置及び通話データ管理システム

【課題】オペレータにかかる負担をなくし、音声データの分類の精度の低下を防止して、顧客のクレーム部分の精度高いデータ検索を可能にする。
【解決手段】顧客とオペレータとの電話での通話を音声データに変換して1処理毎の音声ファイルを音声データ用データベース9に蓄積し、蓄積した音声ファイル毎に音声データを読み出して、顧客の声のトーンから当該顧客によるクレームの有無を判断し、クレーム有りと判断した場合、その音声データにクレームであることを示すタグ種別データを付与すると共に、顧客の通話終了間際の声のトーンから当該顧客に対するオペレータの対応が適正か否かを判断して、オペレータの対応が適正、不適正に応じた対応タグデータを前記タグ種別データに付加してタグデータ用データベース10に格納する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電話でのコールセンタのオペレータと顧客の通話の音声データの保管し、その音声データの検索、再生を可能にする通話データ管理装置及び通話データ管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の通話データ管理システムとして、電話での顧客の呼び出しに対してコールセンタのオペレータの電話を接続し、オペレータと顧客の通話内容を音声データとして録音して、顧客のクレーム(苦情の申立)の分析を行うようにしたシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−252845
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の技術においては、以下の問題がある。
すなわち、通話データ管理システムで録音したオペレータと顧客の通話内容を音声データのうち、顧客のクレームに該当する部分の検索を行う場合、そのクレームに該当する部分少なくとも先頭部分にタグデータを付与することで分類し、このタグによりクレームに該当する部分を検索できるようにすることが考えられるが、このタグデータの付与をオペレータが音声データを聞きながら端末の操作により行うようにすると、オペレータに多大な負担がかかり、また操作ミス等の発生も考えられるので、それにより音声データの分類の精度が低下するという問題がある。
【0005】
また、単に顧客のクレームに該当する部分を検索するだけでは、クレームに対してどのように対応すべきかを的確に判断することが難しいという問題もある。
本発明は、このような問題を解決することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そのため、本発明は、顧客とオペレータとの電話での通話を音声データに変換して1処理毎の音声ファイルを音声データ用データベースに蓄積し、蓄積した音声ファイル毎に音声データを読み出して、その音声データにおける顧客の声のトーンから当該顧客によるクレームの有無を判断し、クレーム有りと判断した場合、その音声データにクレームであることを示すタグ種別データを付与すると共に、前記音声データにおける顧客の通話終了間際の声のトーンから当該顧客に対するオペレータの対応が適正か否かを判断して、オペレータの対応が適正と判断した場合は適正であることを示す対応タグデータを、適正でないと判断した場合は不適正であることを示す対応タグデータを前記タグ種別データに付加して、このタグ種別データを前記音声データに関連付けてタグデータ用データベースに格納することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
このようにした本発明は、顧客との通話の音声データに対して自動的にクレーム部分にタグデータの付与を行うことにより、オペレータにかかる負担をなくし、オペレータの操作ミス等に起因する音声データの分類の精度の低下を防止して、顧客のクレーム部分の精度高いデータ検索が可能になるという効果が得られる。
また、顧客のクレームに対する適正対応、不適正対応のタグデータをクレーム部分に付加するようにしているため、これらのデータを基にオペレータの教育、研修などに役立てることができるという効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1の実施例を示すシステム構成図
【図2】第1の実施例における通話データ管理装置のブロック図
【図3】タグデータを自動的付与する手順を示すフローチャート
【図4】フーリエ変換により得られた音声波形の例を示す図
【図5】音声データとタグデータを関連付けるためのデータ構成例を示す図
【図6】音声データ検索画面の例を示す図
【図7】音声データ検索画面の例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明による通話データ管理装置及び通話データ管理システムの実施例を説明する。
【実施例1】
【0010】
図1は第1の実施例を示すシステム構成図である。図1に示したように本通話データ管理システムは、公衆電話回線網に接続されている構内交換機(PBX)1、及びこの構内交換機に音声回線で接続された複数の電話機2と1台の通話データ管理装置3、この通話データ管理装置3にLAN等のネットワーク網で接続された複数の端末(オペレータ端末)4により構成されており、構内交換機(PBX)1、電話機2、通話データ管理装置3、及び端末4は、例えば、顧客からの商品の発注、発注商品の確認、クレーム等の用件を電話で受付けるコールセンタに設置されている。
【0011】
ここで構内交換機(PBX)1は、顧客がかけて来た電話に対し、接客をしていない待機中のオペレータが使用する電話機2に接続する機能を有し、オペレータは電話機2で顧客に対応する。通話データ管理装置3は、顧客とオペレータとの通話を音声データに変換し、その音声データにタグ付けを行って管理する装置であり、WEBサーバとしての機能を有している。端末4は各オペレータが操作するもので、キーボードやマウス等の入力部、LCD等の表示部、音声再生部、これらを制御すると共に通話データ管理装置3に対してデータの授受を行う制御部等を備えている。
尚、公衆電話回線網には多数の顧客の電話機が接続されている。
【0012】
図2は通話データ管理装置3のブロック図で、音声をデジタルデータに変換する変換部6と、記憶部7と、この記憶部7に格納された制御プログラムに基づいて装置全体を制御する制御部8と、顧客とオペレータとの通話の音声データを格納する音声データ用DB(データベース)9及びタグデータを付与した音声データを格納するタグデータ用DB(データベース)10を備えており、また記憶部7にはオペレータの端末4で表示される各種の処理画面データや音声データに付与する各種のタグ種別データも記憶されている。
【0013】
上述した構成の作用について説明する。
尚、以下に説明する各部の動作について、通話データ管理装置3は記憶部7に格納された制御プログラムに基づいて制御部8により制御され、また端末4はそれぞれ図示しない記憶部に格納された制御プログラムに基づいて図示しない制御部により制御されるものとする。
【0014】
まず、顧客の電話機からの呼び出しに対して構内交換機1が接客をしていない待機中のオペレータの電話機2に接続し、オペレータは電話機2により顧客と通話を行う。通話内容は通話データ管理装置3に送られて、変換部6によりオペレータと顧客の音声がそれぞれデジタルデータに変換されて音声データ化される。そしてこのオペレータと顧客の音声データは別々にファイル化されて1つの音声ファイルとして音声データ用DB9に格納されるが、音声データ用DB9に音声データを格納する際に未処理の音声ファイル(音声データ)であることを示す識別データが制御部8により付与される。
【0015】
この他にも、通話した音声データに対する通番(データ番号)、通話の日付、通話開始時間、通話時間、担当オペレータ、通話中にオペレータが端末4を操作しながら確認した顧客の氏名、住所等のデータが付与される。
同様に他のオペレータと顧客の通話内容の音声データが上記の各データと共に音声ファイルとして音声データ用DB9に格納され、蓄積される。
【0016】
このようにして音声データ用DB9に格納された音声データに対し、コールセンタの業務終了後、あるいはあらかじめ定められた日時、一定期間毎に、顧客のクレームに該当する部分に顧客のクレームであることを示すクレームタグデータ及びオペレータの対応の適否を示す対応タグデータを自動的に付与する。
【0017】
図3はクレームタグデータ及び対応タグデータを自動的に付与する手順を示すフローチャートで、以下この図にSで示したステップに従ってタグデータの自動的付与について説明する。尚以下の処理において制御部8は顧客の声のトーンからクレーム有無及び顧客に対するオペレータの対応が適正か否かを判断する判断手段として機能すると共に、音声データに対してタグデータを付与するタグデータ付与手段としても機能する。
【0018】
まず、制御部8は音声データ用DB9を検索して未処理の音声ファイルがあるか否かを判断し(S1)、無い場合は処理を終了するが、ある場合はその未処理の音声ファイルからオペレータと顧客の音声データを読み出し、読み出したオペレータと顧客の音声データをフーリエ変換によりそれぞれ音声波形に変換する(S2)。
【0019】
図4はフーリエ変換により得られた音声波形の例を示す図で、(a)は顧客の音声波形、(b)はオペレータの音声波形である。
制御部8は顧客の音声波形から顧客の声のトーンの変化を分析し、クレーム(苦情の申立)があるか否かを判断する(S3)。
【0020】
例えば、読み出した音声データが、顧客からコールセンタに発注商品に対するクレーム(苦情)の電話をかけてきた場合であって、コールセンタのオペレータがそのクレームに対する処理を行うため、最初に次のような通話が行われていたものとする。
オペレータ: お電話、有難うございます。こちらXXXコールセンタでございます。どの様なご用件でございましょうか。
顧客: 商品Bを11時で頼んだのに17時に届くし、商品Bではなく商品Aが届いたんだけど、一体どうなっているんだ!・・・(イ)
オペレータ: 大変申し訳ありません。只今、確認いたしますので、少々お待ちください。・・・(ロ)
【0021】
このような通話において、クレームを言う顧客の声は怒り声になってトーンが上がるので、上記(イ)で示した顧客の声トーンは図4(a)における音声波形(イ)のように右上がりの波形として現れることになり、それに対して上記(ロ)で示したオペレータの声は顧客をなだめるために声のトーンを落とすので、図4(b)における音声波形(ロ)のように右下がりの波形として現れることになる。そのため、制御部8は通話の最初に図4(a)におけるの(イ)のように右上がりの音声波形がある場合、顧客の声のトーンが上がり、オペレータの声は下がっているものとして、クレームありと判断することができる。
【0022】
これに対して、例えば、顧客が注文品の確認等の電話をかけてきたような場合は、顧客の声のトーンは上がらず、オペレータの声のトーンも下がらないのでクレームなしと判断することができる。
クレームなしと判断した場合、オペレータと顧客の音声データに対して通話内容に応じた注文品の確認等、通常処理であることを示す種別のタグデータ付与(タグ付け)を行い(S4)、音声ファイルの識別データを処理済みであることを示す識別データに更新してS1に戻る。なお、通常処理のタグデータ付与に関しては、制御部8が記憶部7から通常処理であることを示す種別のタグデータを記憶部7から読み出し、それぞれの音声データに付与する。
【0023】
クレームありと判断した場合、制御部8はオペレータと顧客の音声データに対してクレームであることを示す種別のタグデータ付与(タグ付け)を行う(S5)。タグデータ付与の範囲は顧客の音声データの場合、顧客のクレームの範囲で、図4の例では、図4(a)における(イ)から(ハ)の音声波形を含む範囲、オペレータの場合は顧客のクレームに対応する範囲で、図4の例では、図4(b)におけるの(ロ)から(ニ)の音声波形を含む範囲とする。この場合も制御部8が記憶部7から種別がクレームのタグデータを読み出し、それぞれの音声データに付与する。
【0024】
クレームのタグデータ付与が終了すると、制御部8は、顧客に対するオペレータの対応が適正であったか否かを判断する(S6)。この場合の判断としては、顧客の通話の終了間際の音声のトーンが予め定めた基準値まで下がっている場合は、顧客の怒りが収まっているものとして適正対応(模範対応)、基準値まで下がっていない場合は、顧客の怒りが収まっていないものとして不適正対応(非模範対応)とする。
【0025】
例えば、オペレータと顧客の通話が次のように終了したとする。
オペレータ: 確認したところ、確かにお客様から商品Bの注文をいただいております。当方手違いで商品Aをお届けしてしまい、申し訳ありません。直ぐに、商品Bをお届けするよう手配致します。商品の差額分、送料については当方の負担と致します。大変申し訳ありません。
顧客: 商品Aはどうすればいい?
オペレータ: お客様がよろしければ差し上げたいと思いますが。
顧客: ああそう、まあ次から気をつけて。・・・(ハ)
オペレータ: はい、今後共弊社をよろしくお願い申し上げます。・・・(ニ)
【0026】
この場合、クレームを言う顧客の通話の終了間際の音声は上記(ハ)であるが、このときの顧客の音声波形は図4(a)における音声波形(ハ)のように右下がりになっていて、顧客の声のトーンは基準レベルまで下がっているので、顧客の怒りが収まっているものとしてオペレータの対応が適正であったと判断する。尚、基準値は変更可能であり、予め記憶部7等に記憶されている。
【0027】
顧客に対するオペレータの対応が適正であったと判断した場合、制御部8は適正であることを示す種別のタグデータを記憶部7から読み出し、クレームのタグデータに適正であることを示す種別の対応タグデータを付加(タグ付け)して、この適正であることを示す種別の対応タグデータを付加したクレームのタグデータをオペレータと顧客の音声データに関連付けを行って、音声データファイルを音声データ用DB9に、タグデータをタグデータ用DB10にそれぞれ格納(S7)した後、音声ファイルの識別データを処理済みであることを示す識別データに更新してS1に戻る。
【0028】
顧客に対するオペレータの対応が不適正であったと判断した場合、制御部8は不適正であることを示す種別のタグデータを記憶部7から読み出し、クレームのタグデータに不適正であることを示す種別の対応タグデータを付加(タグ付け)して、この不適正であることを示す種別の対応タグデータを付加したクレームのタグデータをオペレータと顧客の音声データに関連付けを行って、音声データファイルを音声データ用DB9に、タグデータをタグデータ用DB10にそれぞれ格納(S8)した後、音声ファイルの識別データを処理済みであることを示す識別データに更新してS1に戻る。
【0029】
図5は音声データとタグデータを関連付けるためのデータ構成例を示す図で、1回分の通話を記録した音声データには、データ通番、データ取得の年月日、取得の開始時刻及び終了時刻、通話時間、担当オペレータ、顧客氏名等のデータが付加され、またタグデータにはタグ通番、データ通番、タグ種別(適正、不適正の対応タグデータを含む)、タグ付けの開始位置及び終了位置等のデータが付加されていて、音声データとタグデータのデータ通番が同一データとして関連付けられている。
【0030】
音声データの検索と再生は次のように行われる。例えば、オペレータが端末4を操作して表示部に音声データ検索画面を表示させる。図6及び図7はこの音声データ検索画面の例を示す図で、検索条件指定のフィールド14内には、タグ種別、開始時間、担当オペレータ、顧客氏名、他の条件(例えば、年月日や商品名、音声ファイル名等)という検索条件(音声データを特定するデータ)の入力エリアが設定され、これらのエリアの少なくとも1つに検索条件の入力を行って、フィールド14にある検索ボタンを押下すると、音声データの検索条件が通話データ管理装置3に送信される。
【0031】
通話データ管理装置3の制御部8は、端末4から受信した検索条件に該当するデータを音声データ用DB9及びタグデータ用DB10から検索して、その検索したデータを端末4に送信し、そのデータを受信した端末4は受信したデータの一覧15を音声データ検索画面上に表示する。このデータの一覧15には、タグ種別が「クレーム」のデータが含まれる場合、顧客に対するオペレータの対応の適正、不適正を示す対応タグデータもクレームのタグ種別データと並べて表示される。
【0032】
これによりオペレータが、表示されたデータの一覧を見て希望するデータを選択すると、端末4は選択されたデータをダイアログのような形式で表示する。例えば図6に置いて複数のデータ番号「5〜8」とタグ種別が「クレーム」のデータが選択された場合、音声データの量を示すバーと、音声再生の際にスライダの移動により再生量を示すシークバー、音声データを取得した年月日、開始時刻、終了時刻、担当オペレータ、顧客の氏名、タグデータの一覧を含む音声再生画面16を音声データ検索画面上に表示する。
【0033】
ここでオペレータが、例えば、タグデータの一覧からデータ番号「8」を選択すると、データ番号「8」とタグ種別の「クレーム」を指定するデータが通話データ管理装置3に送信され、これにより通話データ管理装置3の制御部8は、端末4から受信したデータ番号とタグ種別に基づいてタグデータ用DB10から該当するデータ番号とタグ種別のタグ付け開始位置と終了位置を読出し、更に音声データ用DB9からデータ通番「8」とタグ種別のタグ付け開始位置と終了位置に該当する音声データを読み出して端末4に送信する。
【0034】
端末4はその音声データを受信して、音声として再生し、スピーカ等の音声出力装置から出力する。その際、シークバーは音声データがどこまで再生されたかをオペレータに示す。
同様にして前記音声再生画面16で、他のデータ番号を指定すれば、それに該当する音声を再生することが可能である。
【0035】
尚、音声再生画面16中の音声データの量を示すバーの色をオペレータ対応の適正、不適正に応じて色を変えることで、オペレータ対応の適正、不適正を視覚的に判断することが可能になる。
また、例えば、図7に示したようにデータの一覧15から単一のデータ番号「7」、タグ種別が「クレーム」のデータが選択された場合、クレームの音声データの量を示すバーと、音声再生の際にスライダの移動により再生量を示すシークバー、音声データを取得した年月日、開始時刻、終了時刻、担当オペレータ、顧客の氏名、タグデータの一覧を含む音声再生画面17を表示する。
【0036】
この場合、タグデータの一覧にはデータ番号「7」の「クレーム」しか表示されないので、オペレータがタグデータの一覧からこのクレームを選択すると、データ通番「7」とタグ種別の「クレーム」を指定するデータが通話データ管理装置3に送信され、これにより通話データ管理装置3の制御部8は、端末4から受信したデータ通番3とタグ種別に基づいてタグデータ用DB10から該当するデータ番号3とタグ種別のタグ付け開始位置と終了位置を読出し、更に音声データ用DB9からデータ通番3とタグ種別のタグ付け開始位置と終了位置に該当する音声データを読み出して端末4に送信する。
端末4はその音声データを受信して、音声として再生し、スピーカから出力する。その際、シークバーは音声データがどこまで再生されたかをオペレータに示す。
【0037】
以上説明した第1の実施例によると、オペレータと顧客の電話での通話から取得した音声データに対して顧客の声のトーンの変化からクレームを識別し、時系列に沿ってクレームタグのタグ付けを通話データ管理装置で自動的に行うようにしているため、制度の高いクレームタグのタグ付けを行うことが可能となり、そのためオペレータにかかる負担をなくし、オペレータの操作ミス等に起因する音声データの分類の精度の低下を防止して、顧客のクレーム部分の精度高いデータ検索が可能になるという効果が得られる。
【0038】
また、顧客のクレームに対するオペレータの適正対応、不適正対応のタグデータをクレームのタグデータに付加するようにしているため、これらのデータを基にオペレータの教育、研修などに役立てることができるという効果も得られる。
【0039】
尚、上述した実施例では、顧客からの商品の発注、発注商品の確認、クレーム等を電話で受付けるコールセンタのオペレータと顧客との通話から取得した音声データの管理、検索を可能にする例について説明したが、これに限られるものでなく、例えば、会員制クラブの入会申込、照会、クレーム等を電話で受付けるコールセンタのオペレータと顧客との通話から取得した音声データを管理、検索するような場合等にも適用可能である。この場合、タグ種別の名称やオペレータが操作する端末の画面構成等は必要に応じて適宜変更してもよい。
【0040】
また、音声データの検索、再生に用いる端末は、顧客と電話機で対応するオペレータが操作する端末を用いる必要はなく、音声データの検索、再生のための専用の端末を設けて、その端末で検索、再生を行うようにしてもよい。
また、DBを音声データ用DBとタグデータ用DBに分けず、1つのDBに音声データとタグデータを格納するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0041】
1 構内交換機
2 電話機
3 通話データ管理装置
4 端末
6 変換部
7 記憶部
8 制御部
9 音声データ用DB
10 タグデータ用DB

【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客とオペレータとの電話での通話を音声データに変換して1処理毎の音声ファイルを音声データ用データベースに蓄積し、
蓄積した音声ファイル毎に音声データを読み出して、その音声データにおける顧客の声のトーンから当該顧客によるクレームの有無を判断し、クレーム有りと判断した場合、その音声データにクレームであることを示すタグ種別データを付与すると共に、
前記音声データにおける顧客の通話終了間際の声のトーンから当該顧客に対するオペレータの対応が適正か否かを判断して、オペレータの対応が適正と判断した場合は適正であることを示す対応タグデータを、適正でないと判断した場合は不適正であることを示す対応タグデータを前記タグ種別データに付加して、このタグ種別データを前記音声データに関連付けてタグデータ用データベースに格納することを特徴とする通話データ管理装置。
【請求項2】
請求項1記載の通話データ管理装置において、
前記音声データを音声波形に変換し、その音声波形から顧客の声のトーンを判断することを特徴とする通話データ管理装置。
【請求項3】
通話データ管理装置と、この通話データ管理装置に接続された端末を備え、
前記通話データ管理装置は、顧客とオペレータとの電話での通話を音声データに変換して1処理毎の音声ファイルを音声データ用データベースに蓄積し、蓄積した音声ファイル毎に音声データを読み出して、その音声データにおける顧客の声のトーンから当該顧客によるクレームの有無を判断し、クレーム有りと判断した場合、その音声データにクレームであることを示すタグ種別データを付与すると共に、前記音声データにおける顧客の通話終了間際の声のトーンから当該顧客に対するオペレータの対応が適正か否かを判断して、オペレータの対応が適正と判断した場合は適正であることを示す対応タグデータを、適正でないと判断した場合は不適正であることを示す対応タグデータを前記タグ種別データに付加して、このタグ種別データを前記音声データに関連付けてタグデータ用データベースに格納し、前記オペレータ端末から音声データを特定する検索データを受信すると、その検索データに該当する音声データに関連するタグ種別データを前記オペレータ端末に送信し、
前記端末は前記通話データ管理装置から受信したタグ種別データの一覧を表示部に表示すると共に、タグ種別データにクレームのタグ種別データが含まれている場合、顧客に対するオペレータの対応の適正、不適正を示す対応タグデータもクレームのタグ種別データと並べて表示することを特徴とする通話データ管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−51529(P2013−51529A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−188003(P2011−188003)
【出願日】平成23年8月30日(2011.8.30)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【出願人】(591051645)株式会社OKIソフトウェア (173)
【Fターム(参考)】