説明

造粒方法及び造粒物

【課題】嵩比重の異なる粉体について均一な粒度分布を有する造粒物を流動層造粒機にて造粒する造粒方法及び造粒物の提供。
【解決手段】造粒物に嵩比重の異なる粉体以外を先に混合した後、該粉体をバインダー溶液とともに噴霧し、分散することで嵩比重の異なる粉体について均一な粒度分布を有する造粒物を造粒する方法、及び得られた造粒物。バインダー溶液としては、プルラン、でん粉、ゼラチン、アラビアゴム等の公知のバインダー溶液を用いることが出来る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、嵩比重の異なる粉体を均一な粒度分布を有する造粒物を流動層造粒機にて造粒することを特徴とする造粒方法及び該造粒法により得られた造粒物に関する。
【背景技術】
【0002】
流動層造粒において均一な粒度分布を有する造粒物を製造する方法としては、バインダーに用いる結合剤の種類、バインダーの噴霧量や流量、送風量、風圧や乾燥温度に関する様々な技術が開発されている。
しかし、この技術は、嵩比重が近似の値を有する成分での場合であり、嵩比重の異なる成分での場合は均一な粒度分布を有する造粒物を製造できないという問題点がある。また、造粒後に再度混合工程を経る方法もあるが煩雑さと時間とを要し、生産性に問題が生じる。
【特許文献1】特開平11−313657号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、本発明の課題は、嵩比重の異なる粉体について均一な粒度分布を有する造粒物を流動層造粒機にて造粒することを特徴とする造粒方法を提供することにある。本発明の別の課題は、前記造粒方法により造粒された造粒物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
かかる課題を解決するため、本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、造粒物に嵩比重の異なる粉体以外を先に混合した後、該粉体をバインダー溶液とともに噴霧し、分散することで嵩比重の異なる粉体について均一な粒度分布を有する造粒物を造粒する方法を見出し、本発明を完成するに至った。また、本発明によれば、前記造粒方法により得られた造粒物が提供される。
【0005】
バインダー溶液としては、プルラン、でん粉、ゼラチン、アラビアガム等の公知のバインダー溶液を用いることができる。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、粒度分布が均一な造粒物を流動層造粒機にて造粒する造粒方法及び、その造粒方法により造粒された造粒物が得られ、食品、医薬品、医薬部外品、化粧料等の製造に利用することができる。
【実施例】
【0007】
以下、本発明の実施例及び比較例について説明する。なお、本発明は、これらに限定して解釈すべきではなく、特許請求の範囲における記載の範囲内で種々の変更が可能である。
【0008】
(実施例)
水溶性食物繊維54.4kg(商品名「パインファイバーBi」、松谷化学工業(株)製)、麦芽糖34.96kg(商品名「サンマルトS」、(株)林原商事製)、煎茶末11.9kg((株)東洋新薬製)、砂糖8.5kg(商品名「グラニュ糖EF」、塩水港精糖(株)製)、カルシウム0.34kg(商品名「コーラルカルシウムパウダー(CCP−44)」、マリーンバイオ(株)製)、スピルリナ1.7kg(商品名「スピルリナパウダーMSG」、大日本インキ化学工業(株)製)、ケール末56.1kg((株)東洋新薬製)をフローコーターNFLO−200型流動層造粒機(フロイント産業(株)製)に投入し、数分間気流で混合した。バインダー溶液(水)60Lにイソフラボン2.1kg(商品名「フジフラボンP40」、フジッコ(株)製)を分散させ混合しながら当該バインダー溶液を1分間に2000mL噴霧することにより造粒した。得られた造粒物を30メッシュの篩いにて篩別したものを定法に従い総アグリコン当量を測定した。
【0009】
(比較例)
実施例と同様の水溶性食物繊維54.4kg(商品名「パインファイバーBi」、松谷化学工業(株)製)、麦芽糖34.96kg(商品名「サンマルトS」、(株)林原商事製)、煎茶末11.9kg((株)東洋新薬製)、砂糖8.5kg(商品名「グラニュ糖EF」、塩水港精糖(株)製)、カルシウム0.34kg(商品名「コーラルカルシウムパウダー(CCP−44)」、マリーンバイオ(株)製)、スピルリナ1.7kg(商品名「スピルリナパウダーMSG」、大日本インキ化学工業(株)製)、ケール末56.1kg((株)東洋新薬製)及びイソフラボン2.1kg(商品名「フジフラボンP40」、フジッコ(株)製)をフローコーターNFLO−200型流動層造粒機(フロイント産業(株)製)に投入し、数分間気流で混合した。バインダー溶液(水)30Lを1分間に2000mL噴霧することにより造粒した。得られた造粒物を30メッシュの篩いにて篩別したものを定法に従い総アグリコン当量を測定した。
【表1】

【0010】
得られた造粒物は粗大粒もなく、粒度分布が均一であった。
【産業上の利用可能性】
【0011】
本発明によれば、粒度分布が均一な造粒物を流動層造粒機にて造粒する造粒方法及び、その造粒方法により造粒された造粒物が得られ、食品、医薬品、医薬部外品、化粧料等の製造に利用することができる。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
嵩比重の異なる粉体を均一に流動層造粒することを特徴とする造粒方法。
【請求項2】
請求項1に記載の造粒方法により得られた造粒物。


【公開番号】特開2009−34580(P2009−34580A)
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−199292(P2007−199292)
【出願日】平成19年7月31日(2007.7.31)
【出願人】(398028503)株式会社東洋新薬 (182)
【Fターム(参考)】