説明

連結装置

【課題】一般環境下での液体を移動する際の汚染を防止でき、複数回使用可能な連結装置を提供する。
【解決手段】チューブ22とチューブ62とを連結させる連結装置10は、チューブ22の一端に接続されるオス側コネクタ20と、オス側コネクタ20と連結可能で、チューブ62の一端に接続されるメス側コネクタ60とを備える。オス側コネクタ20には、開閉部36が設けられる。メス側コネクタ60には、開閉部76が設けられる。開閉部36,76は、オス側コネクタ20とメス側コネクタ60とが連結されていない状態でチューブ22,62の一端側の開口を閉鎖し、オス側コネクタ20とメス側コネクタ60とが連結されている状態でチューブ22,62の一端側の開口を開閉可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連結装置に関し、特に、第一管材と第二管材とを連結し、第一管材と第二管材との間に液体流通用の通路を形成する、連結装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、基礎研究領域のみならず、産業、医療などの領域において、体内の組織から取り出した細胞を体外で成育させる細胞培養が行なわれている。細胞培養の際に、一つの容器から他の容器への細胞や培地の移動が必要となるが、一般環境下で容器同士を連結すると、細胞や培地が汚染される危険性がある。細胞や培地の移動時の汚染を防止するために、無菌状態で容器同士を連結する必要がある。そのため従来は、クリーンベンチを使用して、無菌環境下での容器の連結が行なわれている。
【0003】
しかし、クリーンベンチを使用して連結する操作は、連結が必要な場合毎にクリーンベンチへ移動する必要があるため、非常に煩雑であり、かつ時間がかかってしまう。そこで、クリーンベンチを使用せず細胞や培地の汚染を防止可能である、容器間の連結装置が求められている。
【0004】
二つの管材を無菌状態で連結して管材間に液体流通用の流路を形成するための連結装置に関する従来の技術は、たとえば、米国特許出願公開第2003/0030272号明細書(特許文献1)、および、特開昭61−290035号公報(特許文献2)などに開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2003/0030272号明細書
【特許文献2】特開昭61−290035号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記先行文献に開示された連結装置は、一度連結すると取り外すことができないため、連結した容器間で液体が移動してしまう。また、繰り返し使用することができないため、経済的でない。
【0007】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、一般環境下での液体を移動する際の汚染を防止でき、複数回使用可能な連結装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る連結装置は、第一管材と第二管材とを連結させる連結装置であって、第一管材の一端に接続される第一連結部材と、第一連結部材と連結可能で、第二管材の一端に接続される第二連結部材とを備える。第一連結部材には、第一開閉部が設けられる。第二連結部材には、第二開閉部が設けられる。第一開閉部および第二開閉部は、第一連結部材と第二連結部材とが連結されていない状態では、第一管材の一端側の開口および第二管材の一端側の開口を閉鎖している。第一開閉部および第二開閉部は、第一連結部材と第二連結部材とが連結されている状態では、第一管材の一端側の開口および第二管材の一端側の開口を開閉可能に設けられている。
【0009】
好ましくは、第一連結部材は、内部に、第一管材と連通する第一管状部を含む。第二連結部材は、内部に、第二管材と連通する第二管状部と、第二開閉部と第二管状部との間の通路を閉塞する弾性部材と、を含む。連結装置は、第一連結部材と第二連結部材とが連結されている状態で、第一管状部が弾性部材に挿通されることにより、第一管材および第二管材を連通させる。
【0010】
好ましくは、第一連結部材は、第一管状部の第二連結部材への挿通動作を操作するための挿通操作部を含む。連結装置は、第一開閉部と第二開閉部とを移動させて第一管材の一端側の開口および第二管材の一端側の開口を開閉する開閉操作部を備える。
【0011】
好ましくは、第一連結部材は、第一管状部を閉塞させる膜体を含む。第二連結部材は、第二管状部の先端に配置された針部を含む。針部は、第一管状部が第二連結部材の内部へ挿通されるとき、膜体を貫通して、第一管材および第二管材を連通させる。
【0012】
好ましくは、連結装置は、第一開閉部と第二開閉部とを連動させて開閉動作を行なわせる連動部を備える。
【0013】
好ましくは、連結装置は、第一連結部材と第二連結部材とを連結するときの位置決めを行なう、位置決め部を備える。
【0014】
好ましくは、第一開閉部と第二開閉部とは、平行移動することにより第一管材の一端側の開口および第二管材の一端側の開口を開閉する。
【0015】
好ましくは、第一連結部材と第二連結部材とは、互いに相対回転して一体に固定される。第一管材の一端側の開口および第二管材の一端側の開口を開状態にする位置に移動された第一開閉部と第二開閉部とは、第一連結部材と第二連結部材との相対回転を妨げる。
【0016】
好ましくは、第一開閉部と第二開閉部とは、回転移動することにより第一管材の一端側の開口および第二管材の一端側の開口を開閉する。
【0017】
好ましくは、第一連結部材と第二連結部材との一方は係合部材を含み、他方は被係合部材を含み、係合部材が被係合部材に係合して第一連結部材と第二連結部材とが結合される。第一開閉部と第二開閉部とは、係合部材と被係合部材との係合および分離を可能または不可能にするように回転移動する。
【発明の効果】
【0018】
本発明の連結装置によると、一般環境下で第一管材から第二管材へ液体を流通する際の液体の汚染を防止できる。また本発明の連結装置は、複数回使用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の連結装置が適用された容器の一例を示す模式図である。
【図2】本発明の連結装置が適用された容器の一例を示す模式図である。
【図3】本発明の連結装置が適用された容器の一例を示す模式図である。
【図4】本発明の連結装置が適用された容器の一例を示す模式図である。
【図5】実施の形態1の連結装置の連結前の状態を示す斜視図である。
【図6】図5に示す連結装置の断面図である。
【図7】閉状態のオス側コネクタの下面図である。
【図8】閉状態のメス側コネクタの上面図である。
【図9】メス側コネクタの開閉部の下面図である。
【図10】図6に示すX−X線に沿う連結装置の部分断面図である。
【図11】オス側コネクタとメス側コネクタとを組み合わせた状態を示す斜視図である。
【図12】図11に示す状態の連結装置の断面図である。
【図13】メス側コネクタに対しオス側コネクタを相対的に回転させた状態を示す斜視図である。
【図14】図13に示す状態の連結装置の断面図である。
【図15】開閉部をスライド移動させた状態を示す斜視図である。
【図16】図15に示す状態の連結装置の断面図である。
【図17】開状態のオス側コネクタの下面図である。
【図18】開状態のメス側コネクタの上面図である。
【図19】図16に示すXIX−XIX線に沿う連結装置の部分断面図である。
【図20】チューブ間の通路を連通させた状態を示す斜視図である。
【図21】図20に示す状態の連結装置の断面図である。
【図22】実施の形態2の連結装置の連結前の状態を示す断面図である。
【図23】開閉部をスライド移動させた状態の連結装置を示す断面図である。
【図24】チューブ間の通路を連通させた状態の連結装置を示す断面図である。
【図25】実施の形態3の連結装置の連結前の状態を示す斜視図である。
【図26】図25に示す連結装置の断面図である。
【図27】閉状態のオス側コネクタの下面図である。
【図28】閉状態のメス側コネクタの上面図である。
【図29】オス側コネクタとメス側コネクタとを組み合わせた状態を示す斜視図である。
【図30】図29に示す状態の連結装置の断面図である。
【図31】開閉部を回転移動させた状態を示す斜視図である。
【図32】図31に示す状態の連結装置の断面図である。
【図33】開状態のオス側コネクタの下面図である。
【図34】開状態のメス側コネクタの上面図である。
【図35】チューブ間の通路を連通させた状態を示す斜視図である。
【図36】図35に示す状態の連結装置の断面図である。
【図37】本発明の連結装置が適用された容器同士を連結した状態の一例を示す模式図である。
【図38】本発明の連結装置が適用された容器同士を連結した状態の一例を示す模式図である。
【図39】本発明の連結装置が適用された容器同士を連結した状態の一例を示す模式図である。
【図40】本発明の連結装置が適用された容器同士を連結した状態の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面に基づいてこの発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において、同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰返さない。
【0021】
(実施の形態1)
図1〜4は、本発明の連結装置が適用された容器の一例を示す模式図である。図1は細胞培養用の培養バッグ1を示す。図2はフラスコ2を示す。図3は遠心分離用の遠心管3を示す。図4は体内へ移植するための点滴用のバッグ4を示す。図1〜4に示す培養バッグ1、フラスコ2、遠心管3およびバッグ4は、容器の一例である。これら容器には、第一管材の一例としてのチューブ22を介在させて、第一連結部材の一例としてのオス側コネクタ20が連結されており、第二管材の一例としてのチューブ62を介在させて、第二連結部材の一例としてのメス側コネクタ60が連結されている。
【0022】
図5は、実施の形態1の連結装置10の連結前の状態を示す斜視図である。図6は、図5に示す連結装置10の断面図である。図5および図6に示すように、第一連結部材の一例であるオス側コネクタ20には、第一管材の一例であるチューブ22が接続されている。オス側コネクタ20は、チューブ22の一端に接続されている。第二連結部材の一例であるメス側コネクタ60には、第二管材の一例であるチューブ62が接続されている。メス側コネクタ60は、チューブ62の一端に接続されている。チューブ22,62は、オス側コネクタ20およびメス側コネクタ60にそれぞれ接続された後に、滅菌されている。
【0023】
オス側コネクタ20は、樹脂成型品の本体部24を含む。本体部24は、中空の略円筒形状に形成されている。本体部24の内部には、本体部24よりも小径の短管状に形成された、第一管状部としての管状部26が配置されている。管状部26は、オス側コネクタ20の内部に設けられている。管状部26は、本体部24の形成する円筒形状の軸方向(図5,6中の上下方向)に、移動可能に形成されている。
【0024】
管状部26の一部が径方向外側に張り出したフランジ形状の部分と、当該フランジ形状に結合されたスリーブ形状の部分とによって、チューブ22を収容して保持するためのチューブ保持部28が形成されている。チューブ22がチューブ保持部28に保持された状態で、チューブ22の内面と管状部26の外周面とが面接触して、チューブ22と管状部26との液密な接合が形成されている。管状部26は、チューブ22と連通している。
【0025】
チューブ22が取り付けられていない管状部26の一方端は、挿通部30を形成する。メス側コネクタ60側に向く管状部26の端部が、挿通部30を形成する。管状部26の外周面は、挿通部30へ向かって外径が徐々に小さくなるように、テーパ形状に形成されている。
【0026】
チューブ保持部28を形成するスリーブ形状の部分は、上記軸方向に延び、キャップ状の挿通操作部32と一体に結合されている。挿通操作部32は、円環形状の部分と、当該円環形状の最外周縁に結合されたスリーブ状の部分とを有する。上記スリーブ状の部分は、本体部24の外周面よりも大径に形成されている。挿通操作部32と、チューブ保持部28と、管状部26とは、樹脂材料により一体に成形されている。そのため、挿通操作部32を把持して、挿通操作部32を軸方向に沿って移動させることにより、本体部24に対して、管状部26を軸方向に移動させることが可能とされている。
【0027】
チューブ保持部28の外径は、本体部24の内径よりもわずかに小さく形成されている。挿通操作部32の内径は、本体部24の外径よりもわずかに大きく形成されている。これにより、挿通操作部32を把持して軸方向に移動させるときの摩擦抵抗を低減し、同時に移動に伴うがたつきの発生を防止している。
【0028】
挿通操作部32の外周面および内周面には、複数の畝状突起33が形成されている。この畝状突起33により、挿通操作部32を把持して軸方向に移動させる操作が容易となり、また挿通操作部32の強度が向上されている。
【0029】
オス側コネクタ20の、メス側コネクタ60に対向する側の端部には、本体部24に対し径方向外側へ張り出す張出部34が設けられている。本体部24と張出部34との、メス側コネクタ60に対向する側の表面の一部に、溝状の受け部が形成され、この受け部の内部に、第一開閉部の一例としての開閉部36が配置されている。オス側コネクタ20は、開閉部36を含む。開閉部36は、メス側コネクタ60に対向して配置されている。
【0030】
図7は、閉状態のオス側コネクタ20の下面図である。図7に示すように、メス側コネクタ60に対向する面であるオス側コネクタ20の下面に、開閉部36が配置されている。図7に示すように、オス側コネクタ20とメス側コネクタ60とが連結される前の状態で、開閉部36は、本体部24の内部の中空部が形成するオス側コネクタ20の内部空間が開口する開口部27を覆って配置されている。オス側コネクタ20とメス側コネクタ60とが連結されていない状態で、開閉部36は、チューブ22の一端側の開口を閉鎖している。図7に示すオス側コネクタ20の下面視では、実際には開口部27を視認できないので、開口部27はその外形が点線で図示されている。
【0031】
図6に示すように、開閉部36の一部が突起して、嵌合凸部38が形成されている。嵌合凸部38は、図7に示すように、その平面形状が円形であるように形成されている。図7に示す状態で、オス側コネクタ20の本体部24が形成する円筒形状と、開口部27の円形状と、嵌合凸部38の外形の円形状とが同心円となるように、オス側コネクタ20は形成されている。
【0032】
開閉部36の、本体部24から最も離れる最外径部分には、スライド操作部40と、係合突起42とが結合されている。開閉部36と、スライド操作部40と、係合突起42とは、樹脂材料により一体に成形されている。スライド操作部40と開閉部36とは、張出部34を上下から挟み込むように配置されている。後述するオス側コネクタ20とメス側コネクタ60とを結合した状態において、係合突起42は、メス側コネクタ60に係合する。
【0033】
本体部24の周辺から径方向外側に突き出し、メス側コネクタ60へ向かって延びる、複数の噛合部44が設けられている。噛合部44は本体部24と一体成形されている。噛合部44は、メス側コネクタ60側へ延びる爪状部45を有する。爪状部45の先端部46が径方向内側へ向かって曲げられており、爪状部45は鉤型構造を形成する。爪状部45の先端部46と本体部24との間に、溝状部48が形成されている。
【0034】
本体部24の外周面の一部が面取りされたように略平面形状に形成されて、位置決め部58が設けられている。この位置決め部58は、オス側コネクタ20とメス側コネクタ60とを結合するときの位置決めを行なうために使用できる。位置決め部58の表面が隆起した複数の畝状突起59が形成されているために、位置決め部58を把持してオス側コネクタ20を操作することが容易になっている。
【0035】
オス側コネクタ20と連結可能に設けられたメス側コネクタ60は、樹脂成型品の外筐部64を含む。外筐部64は、中空の略円筒形状に形成されている。外筐部64の内部には、外筐部64の内周面に嵌合する樹脂成型品の嵌合体65が配置されている。嵌合体65は、外筐部64よりも小径の短管状に形成された、第二管状部としての管状部66と、チューブ62を収容して保持するためのチューブ保持部68とを有する。管状部66は、メス側コネクタ60の内部に設けられている。
【0036】
管状部66の一部が径方向外側に張り出したフランジ形状の部分と、当該フランジ形状に結合されたスリーブ形状の部分とによって、チューブ保持部68が形成されている。チューブ62がチューブ保持部68に保持された状態で、チューブ62の内面と管状部66の外周面とが面接触して、チューブ62と管状部66との液密な接合が形成されている。管状部66は、チューブ62と連通している。
【0037】
メス側コネクタ60の、オス側コネクタ20に対向する側の端部には、外筐部64に対し径方向外側へ張り出す張出部74が設けられている。外筐部64と張出部74との、オス側コネクタ20に対向する側の表面の一部に、溝状の受け部が形成され、この受け部の内部に、第二開閉部の一例としての開閉部76が配置されている。メス側コネクタ60は、開閉部76を含む。樹脂成型品の開閉部76は、オス側コネクタ20に対向して配置されている。
【0038】
メス側コネクタ60の張出部74には、開閉部76に対向する張出部74の一部が線状に窪んだスライド溝82が形成されている。開閉部76には、張出部74に対向する側の表面の一部が突起した突起83が形成されている。突起83は、スライド溝82の内部に嵌合されている。オス側コネクタ20とメス側コネクタ60とが連結されていない状態では、突起83は、スライド溝82の径方向内側の端部に配置されている。
【0039】
図8は、閉状態のメス側コネクタ60の上面図である。図8に示すように、オス側コネクタ20に対向する面であるメス側コネクタ60の上面に、開閉部76が配置されている。図8に示すように、オス側コネクタ20とメス側コネクタ60とが連結される前の状態で、開閉部76は、外筐部64および嵌合体65によって取り囲まれた中空部が形成するメス側コネクタ60の内部空間が開口する、開口部67を覆って配置されている。オス側コネクタ20とメス側コネクタ60とが連結されていない状態で、開閉部76は、チューブ62の一端側の開口を閉鎖している。図8に示すメス側コネクタ60の下面視では、実際には開口部67を視認できないので、開口部67はその外形が点線で図示されている。
【0040】
図6に示すように、開閉部76の一部が窪んで、嵌合凹部78が形成されている。嵌合凹部78は、図8に示すように、その平面形状が円形であるように形成されている。図8に示す状態で、メス側コネクタ60の外筐部64が形成する円筒形状と、開口部67の円形状と、嵌合凹部78の外形の円形状とが同心円となるように、メス側コネクタ60は形成されている。
【0041】
開閉部76の、外筐部64から最も離れる最外径部分には、円弧溝77が形成されている。図6に示すように、開閉部76に対向する側の張出部74の面に段差部79が形成され、張出部74に対向する側の開閉部76の面に段差部81が形成されており、段差部79,81が組み合わされて、円弧溝77が形成されている。後述するオス側コネクタ20とメス側コネクタ60とを結合した状態において、オス側コネクタ20の係合突起42は、円弧溝77の内部に嵌合する。
【0042】
外筐部64の周辺部には、複数の噛合部84が設けられている。噛合部84は外筐部64と一体成形されている。噛合部84は、外筐部64の円形の縁部が径方向内側に切り欠かれた切欠き部85と、外筐部64の縁部から径方向外側に突き出したストッパ部86と、切欠き部85とストッパ部86との間の外筐部64の縁部が円弧状に延びる畝状部88と、を含む。オス側コネクタ20とメス側コネクタ60とを結合するとき、噛合部44,84が互いに噛み合うように係止されて、オス側コネクタ20とメス側コネクタ60とは一体に結合される。
【0043】
メス側コネクタ60の内部空間には、弁体の一例としてのスリット弁90が設けられている。弁体は、流体の遮断や流量の調整などのため、開閉できるものであればよく、逆止弁などの弁体であってもよい。スリット弁90の外形は円板状である。円板の外周面が嵌合体65と密着し、また円板の表裏面が外筐部64と嵌合体65とに密着しているために、スリット弁90は、開閉部76と管状部66との間を閉塞させて、メス側コネクタ60の内部空間を二分割する。スリット弁90は、ゴムなどに代表される弾性材料で形成された弾性膜92を有する。弾性膜92には、弾性膜92の一部が真一文字状に切開された、弾性膜92を厚み方向に貫通する、スリット開口94が形成されている。
【0044】
外筐部64の外周面の一部が面取りされたように略平面形状に形成されて、位置決め部98が設けられている。この位置決め部98は、オス側コネクタ20とメス側コネクタ60とを結合するときの位置決めを行なうために使用できる。位置決め部98の表面が隆起した複数の畝状突起99が形成されているために、位置決め部98を把持してメス側コネクタ60を操作することが容易になっている。
【0045】
図9は、メス側コネクタ60の開閉部76の下面図である。上述したように、開閉部76の張出部74に対向する側の面である下面には、当該下面の一部が突起した突起83が形成されている。開閉部76の上面の一部が窪んだ嵌合凹部78は、図9において、その外形が点線で図示されている。嵌合凹部78から離れる側の開閉部76の端部には、開閉部76の下面の一部が窪んだ段差部81が形成されている。
【0046】
図10は、図6に示すX−X線に沿う連結装置10の部分断面図である。図10には、メス側コネクタ60の張出部74に形成された、開閉部76を受ける溝状の受け部69と、受け部69の一部が線状に窪んだスライド溝82と、が図示されている。図10にはまた、メス側コネクタ60の開閉部76の下面の一部が突起した突起83の断面形状が図示されている。
【0047】
図10に示すように、スライド溝82の外形を形成する内壁には、内壁の一部がスライド溝82の内部に向かって突起した、一対の突起82aと、一対の突起82bと、が設けられている。一対の突起82aは、互いに対向するように形成されている。一対の突起82bは、互いに対向するように形成されている。
【0048】
一対の突起82aが形成されている箇所において、スライド溝82の溝幅はわずかに小さくなっている。開閉部76がメス側コネクタ60の開口部67を覆っている状態で、突起83は、スライド溝82の径方向内側の端部に配置されている。スライド溝82の一方側の内面と一対の突起82aとによって、突起83を収容する空間が形成されている。突起82aがスライド溝82の溝幅を小さくしていることにより、突起83の、スライド溝82の延びる方向に沿うスライド溝82に対する相対移動が妨げられている。突起82aが設けられているために、メス側コネクタ60の開閉部76の、張出部74に対する相対的な移動が妨げられている。
【0049】
メス側コネクタ60の張出部74に形成されたスライド溝82内における突起83の移動が妨げられることにより、開閉部76が張出部74に対して移動できなくなっている。そのため、図5および図6に示すオス側コネクタ20とメス側コネクタ60とが連結されていないとき、メス側コネクタ60の開閉部76は、開口部67を閉鎖した状態に保たれる。メス側コネクタ60の張出部74に設けられた一対の突起82aによって開閉部76の移動が妨げられるので、オス側コネクタ20とメス側コネクタ60とを連結する前にメス側コネクタ60の開閉を防止することが可能となっている。
【0050】
以上のような構成を備える連結装置10を使用して、チューブ22,62を連結する手順について、以下に詳細に説明する。図11は、オス側コネクタ20とメス側コネクタ60とを組み合わせた状態を示す斜視図である。図12は、図11に示す状態の連結装置10の断面図である。
【0051】
連結装置10を操作する操作者は、オス側コネクタ20とメス側コネクタ60とをそれぞれ把持し、図11に示すように位置決め部58,98が略同一平面上に配置されるようにオス側コネクタ20とメス側コネクタ60との位置を調整して、メス側コネクタ60上にオス側コネクタ20を載置することができる。位置決め部58,98は、オス側コネクタ20とメス側コネクタ60とを結合するときの位置決めを行なう。位置決め部58,98を合わせてオス側コネクタ20とメス側コネクタ60とを接続することにより、図11,12に示す、オス側コネクタ20とメス側コネクタ60とが位置合わせされ、互いに組み合わせられた状態が得られる。
【0052】
このとき、オス側コネクタ20の噛合部44の爪状部45は、メス側コネクタ60の噛合部84の切欠き部85と組み合わせられる。噛合部44の鉤状の先端部46が干渉することなく切欠き部85を通過できるように、爪状部45の周方向の寸法に対し切欠き部85の周方向の寸法の方が大きくなるように、噛合部44,84は形成されている。
【0053】
また、オス側コネクタ20の開閉部36が突起した嵌合凸部38は、メス側コネクタ60の開閉部76が窪んだ嵌合凹部78と組み合わせられ、嵌合凸部38は嵌合凹部78の内部に嵌合する。嵌合凸部38と嵌合凹部78との両方は、円形の平面形状を有するように形成されている。そのため、嵌合凹部78内に嵌合凸部38が嵌合した状態で、上記円形の中心を回転軸とする、開閉部36,76の相対回転運動が許容される。一方、上記円形の径方向に沿う開閉部36,76の相対移動は許容されない。
【0054】
図11,12中の回転軸Aは、開閉部76に対して開閉部36が相対的に移動し得る回転運動の軸を示す。回転軸Aを回転中心として開閉部36,76を相対回転させると、この回転運動に伴って、図11中に示す矢印方向に、オス側コネクタ20はメス側コネクタ60に対し相対回転する。このオス側コネクタ20とメス側コネクタ60との相対回転運動は、回転軸Aを中心とした回転運動である。
【0055】
図13は、メス側コネクタ60に対しオス側コネクタ20を相対的に回転させた状態を示す斜視図である。図14は、図13に示す状態の連結装置10の断面図である。図11,12に示す回転軸Aを中心としてメス側コネクタ60に対しオス側コネクタ20をねじるようにして相対的に回転させることにより、図13,14に示すように、張出部34,74が組み合わせられ、開閉部36,76もまた組み合わせられる。これにより、オス側コネクタ20とメス側コネクタ60とは一体に結合されて固定される。オス側コネクタ20とメス側コネクタ60とは、互いに相対回転して一体に固定される。
【0056】
この回転運動の際に、オス側コネクタ20の噛合部44の溝状部48の内部にメス側コネクタ60の噛合部84の畝状部88が嵌合した状態で、噛合部44は噛合部84に対して摺動する。そして、爪状部45がストッパ部86に当接することにより、オス側コネクタ20の相対回転運動が停止する。オス側コネクタ20の相対回転運動を停止させたときに一対の張出部34,74が互いに組み合わさるように、噛合部44,84が形成されている。噛合部44,84は、オス側コネクタ20とメス側コネクタ60とを一体に結合する、結合部としての機能を有する。
【0057】
また、図13,14に示す状態で、オス側コネクタ20の係合突起42は、メス側コネクタ60の張出部74の段差部79と開閉部76の段差部81とにより形成された円弧溝77の内部に係合される。図8中に点線で示す円弧溝77の側面は、係合突起42の円弧運動を妨げないように、平面形状が円弧状に形成されている。図7に示す係合突起42の、本体部24側に向く径方向内側の側面もまた、係合突起42の円弧運動を妨げないように、平面形状が円弧状に形成されている。嵌合凸部38と嵌合凹部78との嵌合に加え、係合突起42を円弧溝77内に係合させることにより、開閉部36,76を一体として移動させることがより容易にされている。
【0058】
図12,14に示す状態では、オス側コネクタ20の内部空間は、開閉部36が開口部27を閉塞させているために、外部に開放されていない閉じられた閉空間である。同様にメス側コネクタ60の内部空間は、開閉部76が開口部67を閉塞させているために、外部に開放されていない閉じられた閉空間である。本体部24および張出部34に対して高い気密性を有するように開閉部36を形成することで、オス側コネクタ20の内部空間を無菌状態に維持することができる。外筐部64および張出部74に対して高い気密性を有するように開閉部76を形成することで、メス側コネクタ60の内部空間を無菌状態に維持することができる。
【0059】
図15は、開閉部36,76をスライド移動させた状態を示す斜視図である。図16は、図15に示す状態の連結装置10の断面図である。図15,16に示すように、オス側コネクタ20の張出部34には、張出部34の表面の一部が線状に窪んだ溝35が形成されている。溝35に対して本体部24から離れる側の張出部34には、係合部37が形成されている。係合部37は、溝35と比較して、相対的に表面が突起している。スライド操作部40は、係合突起41を有する。係合突起41は、溝35に嵌合している。
【0060】
連結装置10を操作する操作者は、スライド操作部40を本体部24から離れる方向に移動させることができる。このとき、係合突起41が溝35に沿って移動し、係合突起41が係合部37と係合する位置においてスライド操作部40の移動が妨げられる。
【0061】
図16に示すように、メス側コネクタ60の開閉部76が張出部74に対して外筐部64から離れる方向に相対的に移動するとき、突起83はスライド溝82の内部をスライド移動する。
【0062】
連結装置10を操作する操作者がスライド操作部40を操作するとき、開閉部36はスライド操作部40と一体に成形されているために、開閉部36も本体部24から離れる方向へ移動する。開閉部36の嵌合凸部38が開閉部76の嵌合凹部78に嵌合しているために、開閉部76もまた、開閉部36に連動して、外筐部64から離れる方向へ移動する。このように開閉部36,76が平行移動することにより、オス側コネクタ20の開口部27が開放され、メス側コネクタ60の開口部67も開放される。嵌合凸部38と嵌合凹部78とは、開閉部36,76を連動させて開閉動作を行なわせる連動部としての機能を備える。
【0063】
図14と図16とを比較して、開閉部36はオス側コネクタ20の開口部27を開閉し、オス側コネクタ20の内部空間が閉空間を形成する閉状態から、オス側コネクタ20の内部空間が開放された開状態へと切り換えている。同様に、開閉部76はメス側コネクタ60の開口部67を開閉し、メス側コネクタ60の内部空間が閉空間を形成する閉状態から、メス側コネクタ60の内部空間が開放された開状態へと切り換えている。
【0064】
図14に示す閉状態において、オス側コネクタ20の開閉部36は開口部27を閉塞させ、メス側コネクタ60の開閉部76は開口部67を閉塞させる。そのため、閉状態では、オス側コネクタ20の内部空間とメス側コネクタ60の内部空間とが連通していない。閉状態では、開閉部36,76が障害になるために、オス側コネクタ20の管状部26の、メス側コネクタ60の内部への挿通は不可能である。開閉部36は、閉状態において管状部26を覆う。開閉部36,76は、閉状態において、管状部26のメス側コネクタ60内への進入を禁止する。閉状態とは、管状部26をメス側コネクタ60内へ移動不可能な状態である。
【0065】
一方開状態とは、オス側コネクタ20の内部空間とメス側コネクタ60の内部空間とが連通し、オス側コネクタ20の管状部26が開口部27,67を経由してメス側コネクタ60の内部へ挿通可能な状態である。開状態において、管状部26は、メス側コネクタ60内へ移動可能である。開閉部36は、開状態において管状部26をメス側コネクタ60側へ露出させる。開閉部36,76は、開状態において、管状部26のメス側コネクタ60内への進入を許容する。
【0066】
開閉部36は、管状部26を収容する空間を形成するオス側コネクタ20の本体部24に対して、開閉可能に設けられている。開閉部36は、本体部24に開閉自在に設けられ、開状態において開口部27を開放して、管状部26をメス側コネクタ60内へ挿通可能とする。開閉部76は、メス側コネクタ60の外筐部64に対して、開閉可能に設けられている。開閉部76は、外筐部64に開閉自在に設けられ、開状態において開口部67を開放し、管状部26をメス側コネクタ60内へ挿通可能とする。
【0067】
開閉部36,76は、管状部26のメス側コネクタ60の内部への挿通経路を開閉自在に設けられている。オス側コネクタ20とメス側コネクタ60とが連結された状態で、開閉部36,76は、管状部26をオス側コネクタ20の外方へ突出可能な開状態と、突出不可能な閉状態とを切り換えるように移動する。開閉部36,76は、平行移動することにより、挿通経路を開閉する。スライド操作部40は、開閉部36,76を移動させて挿通経路を開閉する、開閉操作部としての機能を有している。オス側コネクタ20は、開閉操作部の一例としてのスライド操作部40を備える。
【0068】
図17は、開状態のオス側コネクタ20の下面図である。上述した開閉部36の平行移動により、図17に示すように、オス側コネクタ20の内部空間が開口する開口部27が露出する。オス側コネクタ20の本体部24と張出部34とに形成された溝状の受け部29内を開閉部36が平行移動することにより、開口部27と、開口部27の周囲の受け部29とが外部に露出する。
【0069】
図18は、開状態のメス側コネクタ60の上面図である。上述した開閉部76の平行移動により、図18に示すように、メス側コネクタ60の内部空間が開口する開口部67が露出する。メス側コネクタ60の外筐部64と張出部74とに形成された溝状の受け部69内を開閉部76が平行移動することにより、開口部67と、開口部67の周囲の受け部69とが外部に露出する。
【0070】
図19は、図16に示すXIX−XIX線に沿う連結装置10の部分断面図である。図19には、図10と同様のメス側コネクタ60の一部の、開状態の部分断面が図示されている。なお図10には閉状態の部分断面が図示されている。開状態において、開閉部76に形成された突起83は、スライド溝82の径方向外側の端部に配置されている。スライド溝82の他方側の内面と一対の突起82bとによって、突起83を収容する空間が形成されている。突起82bがスライド溝82の溝幅を小さくしていることにより、突起83の、スライド溝82の延びる方向に沿うスライド溝82に対する相対移動が妨げられている。そのため、開閉部76が開口部67を閉鎖する側へ逆戻りするすることが抑制され、確実に開状態を維持することができる。
【0071】
なお、オス側コネクタ20に形成された溝35に、図10および図19に示す突起82a,82bと同様の突起を形成してもよい。溝35に形成された突起が溝35内部の係合突起41の移動を妨げることにより、オス側コネクタ20とメス側コネクタ60とが連結されていない状態で開閉部36が開口部27を閉塞させる閉状態を保つことができ、かつ、開状態とされた開閉部36が開口部27を閉鎖する側へ逆戻りすることを抑制して開状態を維持することができる。
【0072】
図16,18に示すように、メス側コネクタ60の開閉部76が開口部67を開放した状態において、管状部26のメス側コネクタ60の内部への挿通経路は、スリット弁90によって閉塞されている。メス側コネクタ60は、開閉部76と管状部66との間の挿通経路を閉塞させる弾性部材としてのスリット弁90を含む。
【0073】
図16に示すように、開閉部36,76が平行移動することにより、平面形状円形状の嵌合凸部38と嵌合凹部78との円の中心を通る回転軸Aもまた移動し、回転軸Aは本体部24および外筐部64の円筒形状の中心から外れている。回転軸Aを中心とする開閉部36,76の回転運動は、張出部34,74が障害物となり妨げられる。そのため、図16に示す開状態において、オス側コネクタ20は、図11に示すようなメス側コネクタ60に対する相対回転をすることができない。挿通経路を開状態にする位置に移動された開閉部36,76は、オス側コネクタ20とメス側コネクタ60との相対回転を妨げる。
【0074】
図13,14に示す状態から、オス側コネクタ20とメス側コネクタ60とを分離させるためには、図11中に示す矢印方向と逆方向にオス側コネクタ20とメス側コネクタ60とを相対回転させる必要がある。スライド操作部40を操作し開閉部36,76を平行移動させることにより、オス側コネクタ20とメス側コネクタ60との相対回転が不可能になり、オス側コネクタ20とメス側コネクタ60とが一体に固定されたロック状態を確実に保つことができる。開閉部36,76の操作により開状態とすることで、オス側コネクタ20とメス側コネクタ60との分離を妨げて、オス側コネクタ20とメス側コネクタ60とは一体に結合される。
【0075】
開閉部36,76が挿通経路を開状態にする位置に配置されているとき、オス側コネクタ20とメス側コネクタ60とは相対回転できず、オス側コネクタ20とメス側コネクタ60とを結合させることができない。そのため、図11〜14を参照して既に説明したように、オス側コネクタ20とメス側コネクタ60とは、開閉部36,76が開口部27,67を閉塞させ挿通経路を閉状態にする位置に配置されているときに、互いに結合される。
【0076】
図20は、チューブ22,62間の通路12を連通させた状態を示す斜視図である。図21は、図20に示す状態の連結装置10の断面図である。図15と図20とを比較して明確に示されるように、オス側コネクタ20の管状部26のメス側コネクタ60内部への連通経路が形成された状態において、連結装置10を操作する操作者は、挿通操作部32を把持し、挿通操作部32をメス側コネクタ60へ近接する側へ移動させることができる。この挿通操作部32の操作により、図21に示すように、管状部26がメス側コネクタ60の内部へ挿通される。挿通操作部32は、管状部26のメス側コネクタ60への挿通動作を操作するために使用される。
【0077】
図18に示すように、開閉部76を移動させて開口部67を露出させた状態では、メス側コネクタ60の内部側から開口部67を覆って管状部26の連通経路を閉塞させるように、スリット弁90が設けられている。このスリット弁90に真一文字状のスリット開口94が形成されているので、管状部26の先端の挿通部30をスリット開口94に刺通するように、管状部26をスリット弁90に対し押圧することで、管状部26はスリット弁90を厚み方向に貫通できる。管状部26は、スリット弁90を貫通してメス側コネクタ60の内部へ挿通される。
【0078】
オス側コネクタ20とメス側コネクタ60とが連結された状態で、管状部26をメス側コネクタ60の内部のスリット弁90に挿通することにより、通路12を連通させることができる。オス側コネクタ20の管状部26と、メス側コネクタ60の管状部66とは、通路12の一部を構成する。このようにして、連結装置10を使用してチューブ22,62が互いに連結され、チューブ22,62が連通されて、チューブ22,62との間に液体流通用の通路12が形成される。したがって、図21中の両矢印に示すように、連結装置10の内部を経由して、チューブ22からチューブ62へ、またはチューブ62からチューブ22への、液体の流通が可能になる。
【0079】
本体部24の外周面と、挿通操作部32のスリーブ状の部分の内周面とに、互いに噛み合うねじ山を形成してもよい。この場合、挿通操作部32を本体部24にねじ込むようにして、挿通操作部32をメス側コネクタ60側へ移動させ、管状部26がメス側コネクタ60内に挿通された位置で挿通操作部32を本体部24に固定することができる。そのため、チューブ22,62間の通路12が形成された状態を確実に維持することができる。
【0080】
図21に示す管状部26がメス側コネクタ60の内部に挿通された状態において、管状部26はオス側コネクタ20からメス側コネクタ60へ亘るように、開口部27,67を経由して配置されている。そのため、開口部27,67が開放される開状態にする位置から、開口部27,67が閉止される閉状態にする位置への、開閉部36,76の移動ができなくなっている。メス側コネクタ60の内部へ挿通された管状部26は、開閉部36,76の移動を妨げ、開状態から閉状態への切り換えを不可能にしている。
【0081】
上述した通り、オス側コネクタ20とメス側コネクタ60とを分離するためには、閉状態においてオス側コネクタ20とメス側コネクタ60とを相対回転させる必要がある。メス側コネクタ60内に挿通された管状部26によって常時開状態が維持されるので、オス側コネクタ20とメス側コネクタ60との分離が禁止される。したがって、図21に示す通路12が連通された状態で、オス側コネクタ20とメス側コネクタ60とが外れることを確実に防止できる構造となっている。
【0082】
以上説明した実施の形態1の連結装置10によると、気密性の高い開閉部36,76を閉じたままの状態でオス側コネクタ20とメス側コネクタ60とを結合し、結合させた後に開閉部36,76をスライド移動させて管状部26の挿通経路を形成し、管状部26をメス側コネクタ60へ挿通して液体流通用の通路12を形成する。開閉部36,76は、オス側コネクタ20とメス側コネクタ60とが連結されている状態で、チューブ22の一端側の開口およびチューブ62の一端側の開口を開閉可能に設けられている。このようにすれば、開閉部36,76によって気密空間とされたオス側コネクタ20、メス側コネクタ60の各内部空間が、外部環境によって汚染されることを防止できる。
【0083】
そのため、オス側コネクタ20内に収容された管状部26と、メス側コネクタ60内に収容された管状部66と、の汚染を防止することができる。この状態で開閉部36,76を移動させ、管状部26,66を無菌的に接続して通路12が形成されるので、通路12内を流通する細胞や培地などの汚染を防止することができる。したがって、クリーンベンチなどを使用しない一般環境下でチューブ22,62を連結して通路12を形成しても、通路12内を流通する液体の汚染を防止することができる。
【0084】
連結装置10は、図5〜図21を参照して説明した手順を順に行なうことにより連結できる。また、図21に示す状態から図5に示す状態の順に、逆の手順を行うことにより、容易に連結装置10の連結を解除できる。連結を解除する際に、開閉部36,76を操作して、オス側コネクタ20、メス側コネクタ60の内部に気密空間が形成されるので、連結解除中または連結解除後の管状部26,66の汚染を防止できる。そのため、連結装置10を、繰り返して複数回使用することができ、経済的である。
【0085】
連結装置10は、オス側コネクタ20とメス側コネクタ60との結合時に容易に位置合わせを可能とする位置決め部58,98を備えている。また、開閉部36,76の開閉操作を行なうためのスライド操作部40が連結装置10の表面に配置されており、管状部26の挿通操作を行なうための挿通操作部32が連結装置10の表面に配置されている。オス側コネクタ20とメス側コネクタ60との結合と、開閉部36,76のスライド移動による管状部26の挿通経路の形成と、管状部26の挿通とを、全て簡単な手作業のみによって行なうことができる。したがって、本実施の形態の連結装置10は、操作が容易である。
【0086】
また、開閉部36に嵌合凸部38が形成され、開閉部76に嵌合凹部78が形成されている。オス側コネクタ20とメス側コネクタ60とを結合させたとき、嵌合凹部78の内部に嵌合凸部38が嵌合され、開閉部36,76が一体として移動可能となる。そのため、開閉部36,76を個々に移動させる必要がなく、単一の操作で開閉部36,76を連動させることができるので、操作のより容易な連結装置10を提供できる。
【0087】
また、メス側コネクタ60内にスリット弁90が配置されている。そのため、メス側コネクタ60内の管状部66を収容する空間の気密性をより向上でき、管状部66の汚染をよりよく防止できる。
【0088】
また、管状部26はスリット弁90を貫通してメス側コネクタ60の内部へ挿通される。スリット弁90は弾性材料で形成されており、管状部26がスリット弁90を貫通した状態で、管状部26の外周面にスリット弁90が密着する。そのため、図21に示す管状部26,66の接合部が収容される小空間を、液密に保つことができる。これにより、通路12内を流通する液体が管状部26,66の接合部から漏洩した場合でも、上記小空間内に液体が溜められ、外部への液体の流出を防止することができる。
【0089】
加えて、連結装置10の連結を解除する場合において、管状部26がメス側コネクタ60から抜き出されるときに、管状部26の外周面がスリット弁90によってしごかれ、管状部26の外周面に付着した液体が拭い取られる。そのため、開口部27,67を経由して管状部26をオス側コネクタ20内へ移動させるときに液滴が滴ることを抑制でき、外部環境への液体の流出を一層防止することができる。
【0090】
また、オス側コネクタ20とメス側コネクタ60とは、開閉部36,76が挿通経路を閉状態にする位置に配置されている場合においてのみ、互いに相対回転させて結合または分離することが可能であるように、設けられている。通路12が形成されている状態で、メス側コネクタ60内部に挿通された管状部26が開閉部36,76の平行移動を妨げ、開閉部36,76は挿通経路を開状態にする位置に保持されるので、オス側コネクタ20とメス側コネクタ60との相対回転が妨げられる。したがって、オス側コネクタ20とメス側コネクタ60とを確実に結合して一体に固定することができ、通路12が形成された状態においてオス側コネクタ20とメス側コネクタ60とが意図せず外れることを防止することができる。
【0091】
(実施の形態2)
図22は、実施の形態2の連結装置10の連結前の状態を示す断面図である。図22に示す実施の形態2の連結装置10と、上述した実施の形態1の連結装置10とは、基本的に同様の構成を備えている。しかし、実施の形態2では、図22に示すように、オス側コネクタ20が管状部26を閉塞させる膜体56を含み、メス側コネクタ60が管状部66の先端に配置された針部96を含む点で、実施の形態1とは異なっている。
【0092】
図23は、開閉部36,76をスライド移動させた状態の連結装置10を示す断面図である。図24は、チューブ22,62間の通路を連通させた状態の連結装置10を示す断面図である。図24に示すように、実施の形態2の連結装置10では、管状部26がメス側コネクタ60の内部へ挿通されるとき、針部96が膜体56を貫通して、通路12を連通させる。
【0093】
このようにすれば、膜体56によって管状部26を密封できるので、針部96が膜体56を貫通する以前に、一層確実に管状部26の汚染を防止することができる。さらに、管状部26から液体が漏洩するのを防止することができる。実施の形態1と同様の、挿通操作部32を使用した管状部26の挿通操作によって、針部96に膜体56を貫通させて液体流通用の通路12を形成できるので、膜体56を貫通させるための別途の操作を必要とせず、通路12を形成する際の工程の追加および作業性の低下を回避することができる。
【0094】
膜体56の構造は任意であるが、実施の形態1のスリット弁90と同様に、弾性材料により形成された膜体本体にスリット開口を形成した構造とすれば、針部96を抜き出した後に膜体56を再度閉塞させることができる。これにより、膜体56を備えるオス側コネクタ20を複数回使用でき、膜体56を備えるオス側コネクタ20を使用した連結装置10の再連結が可能となる。
【0095】
(実施の形態3)
図25は、実施の形態3の連結装置110の連結前の状態を示す斜視図である。図26は、図25に示す連結装置110の断面図である。図25および図26に示すように、第一連結部材の一例であるオス側コネクタ120には、第一管材の一例であるチューブ22が接続されている。オス側コネクタ120は、チューブ22の一端に接続されている。第二連結部材の一例であるメス側コネクタ160には、第二管材の一例であるチューブ62が接続されている。メス側コネクタ160は、チューブ62の一端に接続されている。チューブ22,62は、オス側コネクタ120およびメス側コネクタ160にそれぞれ接続された後に、滅菌されている。
【0096】
オス側コネクタ120は、本体部124を含む。本体部124は、略円筒形状の外周部分と、略円板形状の下側部分と、を含む形状に形成されている。本体部124の内部には、本体部124の外周部分が形成する円筒の軸方向に沿って本体部124の下側部分から延びる、中空円筒状の筒部125が配置されている。本体部124と筒部125とは、樹脂材料を使用して、一体の成型品として形成されている。筒部125の内側には、筒部125よりも小径の短管状に形成された、第一管状部としての管状部126が配置されている。管状部126は、オス側コネクタ120の内部に設けられている。管状部126は、本体部124の外周部分が形成する円筒形状の軸方向(図25,26中の上下方向)に、移動可能に形成されている。
【0097】
管状部126の一部が径方向外側に張り出したフランジ形状の部分によって、チューブ22を収容して保持するためのチューブ保持部128が形成されている。チューブ22がチューブ保持部128に保持された状態で、チューブ22の内面と管状部126の外周面とが面接触して、チューブ22と管状部126との液密な接合が形成されている。管状部126は、チューブ22と連通している。
【0098】
チューブ22が取り付けられていない管状部126の一方端は、挿通部130を形成する。メス側コネクタ160側に向く管状部126の端部が、挿通部130を形成する。管状部126の外周面は、挿通部130へ向かって外径が徐々に小さくなるように、テーパ形状に形成されている。
【0099】
チューブ保持部128の外縁部には、スリーブ形状の鞘部129が結合されている。鞘部129は、中空円筒形状に形成されている。鞘部129の内部に、鞘部129とは間隔を空けて、管状部126が配置されている。
【0100】
鞘部129の、上記軸方向において管状部126と反対側の端部には、鞘部129に対して大径の挿通操作部132が設けられている。挿通操作部132と、チューブ保持部128と、管状部126と、鞘部129は、樹脂材料により一体に成形されている。そのため、挿通操作部132を把持して、挿通操作部132を軸方向に沿って移動させることにより、筒部125に対して、管状部126を軸方向に移動させることが可能とされている。
【0101】
鞘部129の外径は、本体部124の外周部分の内径よりもわずかに小さく形成されている。これにより、挿通操作部132を把持して軸方向に移動させるときの鞘部129と筒部125との間の摩擦抵抗を低減し、同時に移動に伴うがたつきの発生を防止している。また、挿通操作部132は、筒部125の端部と干渉するように筒部125の内周面よりも大径に形成されている。これにより、挿通操作部132を軸方向に移動させるとき、挿通操作部132が筒部125の端部に当接する箇所において、挿通操作部132の移動範囲を規定している。
【0102】
オス側コネクタ120の本体部124の下側部分の、メス側コネクタ160に対向する側の面には、第一開閉部の一例としての開閉部136が配置されている。オス側コネクタ120は、開閉部136を含む。開閉部136は、メス側コネクタ160に対向して配置されている。開閉部136は、略円板形状の部分と、当該円板形状の最外周縁に結合されたスリーブ状の部分とを有する、キャップ状の形状に形成されている。開閉部136は、スリーブ状の部分が本体部124に収容されることにより、本体部124に対して相対的に回転移動可能に配置されている。
【0103】
図27は、閉状態のオス側コネクタ120の下面図である。図27に示すように、メス側コネクタ160に対向する面であるオス側コネクタ120の下面に、開閉部136が配置されている。図27に示すように、オス側コネクタ120とメス側コネクタ160とが連結される前の状態で、開閉部136は、中空円筒状の筒部125の内部空間が開口する開口部127を覆って配置されている。オス側コネクタ120とメス側コネクタ160とが連結されていない状態で、開閉部136は、チューブ22の一端側の開口を閉鎖している。図27に示すオス側コネクタ120の下面視では、実際には開口部127を視認できないので、開口部127はその外形が点線で図示されている。
【0104】
図26に示すように、開閉部136の一部が窪んで、嵌合凹部138が形成されている。嵌合凹部138は、図27に示すように、その平面形状が円弧の一部を切り取った形状であるように形成されている。また、開閉部136の略円板形状の部分の一部には、開閉部136を厚み方向に貫通する貫通孔部137が形成されている。貫通孔部137の径は、開口部127の径よりも若干大きいように、形成されている。
【0105】
開閉部136の略円板形状の部分の外縁には、回転操作部140が設けられている。回転操作部140は、開閉部136の外縁が径方向外側に突起した突起部141を含む。突起部141は、開閉部136の周囲において周方向に沿って、複数形成されている。開閉部136はまた、外縁に突起部141が形成されていない円弧部142を有する。円弧部142の径は、本体部124の外径よりもわずかに小さく形成されている。突起部141と円弧部142とは、開閉部136の略円板形状の部分が形成する円の中心を通る直線に対して、線対称に設けられている。
【0106】
本体部124の周辺から径方向外側に、本体部124の軸方向に沿ってメス側コネクタ160へ向かって延びる、係合部材144が設けられている。係合部材144は本体部124と一体成形されている。係合部材144は、メス側コネクタ160側へ延びる爪状部146を有する。爪状部146の先端部は、径方向外側に張り出すように、肉厚に形成されている。図27に示すように、爪状部146は、開閉部136の略円板形状の部分の周方向に沿って延び、その延在長さは円弧部142の周方向長さよりも小さい。
【0107】
係合部材144に対し、本体部124の略円筒形状の外周部分が形成する円筒の軸に対して対称な位置において、本体部124の一部が径方向外側に張り出し、中空の収容部148が形成されている。収容部148の径方向外側の壁面には、開口部149が形成されている。開口部149は、当該壁面を厚み方向に貫通して形成されている。
【0108】
オス側コネクタ120とメス側コネクタ160とを結合させるとき、この収容部148の内部に、後述するメス側コネクタ160の係合部材184が収容される。メス側コネクタ160の爪状部186の先端部が開口部149に掛止されることにより、メス側コネクタ160がオス側コネクタ120に取り付けられる。収容部148と開口部149とは、メス側コネクタ160の係合部材184に係合される、被係合部材としての機能を有する。また係合部材144と収容部148とは、オス側コネクタ120とメス側コネクタ160とを結合するときの位置決めを行なう位置決め部としての機能を有する。
【0109】
オス側コネクタ120と連結可能に設けられたメス側コネクタ160は、本体部164を含む。本体部164は、略円筒形状の外周部分と、略円板形状の上側部分とを含む、壷形状に形成されている。本体部164の内部には、本体部164の外周部分が形成する円筒の軸方向に沿って本体部164の上側部分から延びる、中空円筒状の筒部165が配置されている。本体部164と筒部165とは、樹脂材料を使用して、一体の成型品として形成されている。筒部165の内側には、筒部165よりも小径の短管状に形成された、第二管状部としての管状部166が配置されている。管状部166は、メス側コネクタ160の内部に設けられている。
【0110】
管状部166の一部が径方向外側に張り出したフランジ形状の部分と、当該フランジ形状に結合されたスリーブ形状の部分とによって、チューブ62を収容して保持するためのチューブ保持部168が形成されている。チューブ62がチューブ保持部168に保持された状態で、チューブ62の内面と管状部166の外周面とが面接触して、チューブ62と管状部166との液密な接合が形成されている。管状部166は、チューブ62と連通している。
【0111】
メス側コネクタ160の本体部124の上側部分の、オス側コネクタ120に対向する側の面には、第二開閉部の一例としての開閉部176が配置されている。メス側コネクタ160は、開閉部176を含む。開閉部176は、オス側コネクタ120に対向して配置されている。開閉部176は、略円板形状の部分と、当該円板形状の最外周縁に結合されたスリーブ状の部分とを有する、キャップ状の形状に形成されている。開閉部176は、スリーブ状の部分が本体部164に収容されることにより、本体部164に対して相対的に回転移動可能に配置されている。
【0112】
図28は、閉状態のメス側コネクタ160の上面図である。図28に示すように、オス側コネクタ120に対向する面であるメス側コネクタ160の上面に、開閉部176が配置されている。図28に示すように、オス側コネクタ120とメス側コネクタ160とが連結される前の状態で、開閉部176は、中空円筒状の筒部165の内部空間が開口する開口部167を覆って配置されている。オス側コネクタ120とメス側コネクタ160とが連結されていない状態で、開閉部176は、チューブ62の一端側の開口を閉鎖している。図28に示すメス側コネクタ160の下面視では、実際には開口部167を視認できないので、開口部167はその外形が点線で図示されている。
【0113】
図26に示すように、開閉部176の一部が突起して、嵌合凸部178が形成されている。嵌合凸部178は、図28に示すように、その平面形状が円弧の一部を切り取った形状であるように形成されている。また、開閉部176の略円板形状の部分の一部には、開閉部176を厚み方向に貫通する貫通孔部177が形成されている。貫通孔部177の径は、開口部167の径よりも若干大きいように、形成されている。貫通孔部177の縁部分は、オス側コネクタ120とメス側コネクタ160とを結合させたときに、オス側コネクタ120の開閉部136の貫通孔部137に嵌合するように、円環状に突起している。開閉部176の径は、本体部164の外径よりもわずかに小さく形成されている。
【0114】
本体部164の周辺から径方向外側に、本体部164の軸方向に沿ってオス側コネクタ120へ向かって延びる、係合部材184が設けられている。係合部材184は本体部164と一体成形されている。係合部材184は、オス側コネクタ120側へ延びる爪状部186を有する。爪状部186の先端部は、径方向外側に張り出すように、肉厚に形成されている。爪状部186は、オス側コネクタ120の爪状部146と同一の形状を有するように形成されている。
【0115】
係合部材184に対し、本体部164の略円筒形状の外周部分が形成する円筒の軸に対して対称な位置において、本体部164の一部が径方向外側に張り出し、中空の収容部188が形成されている。収容部188の径方向外側の壁面には、開口部189が形成されている。開口部189は、当該壁面を厚み方向に貫通して形成されている。収容部188は、オス側コネクタ120の収容部148と同一の形状を有するように形成されている。
【0116】
オス側コネクタ120とメス側コネクタ160とを結合させるとき、収容部188の内部に、オス側コネクタ120の係合部材144が収容される。オス側コネクタ120の爪状部146の先端部が開口部189に掛止されることにより、オス側コネクタ120がメス側コネクタ160に取り付けられる。収容部188と開口部189とは、オス側コネクタ120の係合部材144に係合される、被係合部材としての機能を有する。また係合部材184と収容部188とは、オス側コネクタ120とメス側コネクタ160とを結合するときの位置決めを行なう位置決め部としての機能を有する。
【0117】
以上のような構成を備える連結装置110を使用して、チューブ22,62を連結する手順について、以下に詳細に説明する。図29は、オス側コネクタ120とメス側コネクタ160とを組み合わせた状態を示す斜視図である。図30は、図29に示す状態の連結装置110の断面図である。
【0118】
連結装置110を操作する操作者は、オス側コネクタ120とメス側コネクタ160とをそれぞれ把持し、オス側コネクタ120の係合部材144がメス側コネクタ160の収容部188内に配置され、かつメス側コネクタ160の係合部材184がオス側コネクタ120の収容部148内に配置されるように、オス側コネクタ20とメス側コネクタ60との位置を調整する。係合部材144,184と収容部148,188とは、オス側コネクタ20とメス側コネクタ60とを結合するときの位置決めを行なう。係合部材144,184と収容部148,188とを合わせてオス側コネクタ20とメス側コネクタ60とを接続することにより、図29,30に示す、オス側コネクタ120とメス側コネクタ160とが位置合わせされ、互いに組み合わせられた状態が得られる。
【0119】
係合部材144,184と収容部148,188とは、オス側コネクタ120とメス側コネクタ160とを一体に結合する、結合部としての機能を有する。オス側コネクタ120は係合部材144を含み、メス側コネクタ160は被係合部材として機能する収容部188と開口部189とを含む。メス側コネクタ160は係合部材184を含み、オス側コネクタ120は被係合部材として機能する収容部148と開口部149とを含む。係合部材144が収容部188および開口部189に係合し、かつ、係合部材184が収容部148および開口部149に係合して、オス側コネクタ120とメス側コネクタ160とが結合される。
【0120】
このとき、オス側コネクタ120の爪状部146は、メス側コネクタ160の開口部189と係合する。メス側コネクタ160の爪状部186は、オス側コネクタ120の開口部149と係合する。爪状部146,186が収容部148,188内に挿入されるとき、爪状部146,186は径方向内側に弾性変形する。爪状部146,186の周方向の両側には、爪状部146,186の弾性変形を容易にするための、切欠き部が形成されている。
【0121】
また、オス側コネクタ120の開閉部136が窪んだ嵌合凹部138は、メス側コネクタ160の開閉部176が突起した嵌合凸部178と組み合わせられ、嵌合凸部178は嵌合凹部138の内部に嵌合する。これにより、開閉部136,176が一体として回転運動可能に結合される。オス側コネクタ120に設けられた回転操作部140を操作することにより、オス側コネクタ120の開閉部136とメス側コネクタ160の開閉部176との両方を、一体として回転運動させることが可能とされている。
【0122】
図26,30に示す状態では、オス側コネクタ120の筒部125の内部空間は、開閉部136が開口部127を閉塞させているために、外部に開放されていない閉じられた閉空間である。同様にメス側コネクタ160の筒部165の内部空間は、開閉部176が開口部167を閉塞させているために、外部に開放されていない閉じられた閉空間である。本体部124に対して高い気密性を有するように開閉部136を形成することで、オス側コネクタ120の内部空間を無菌状態に維持することができる。本体部164に対して高い気密性を有するように開閉部176を形成することで、メス側コネクタ160の内部空間を無菌状態に維持することができる。
【0123】
図31は、開閉部136,176を回転移動させた状態を示す斜視図である。図32は、図31に示す状態の連結装置110の断面図である。連結装置110を操作する操作者は、回転操作部140を、図27に示す反時計回り方向に回転移動させることができる。このとき、開閉部136のスリーブ状の部分に突起を設け、本体部124に形成された当該スリーブ状の部分を収容する円周溝内に上記突起と当接する当接突起を形成することにより、回転操作部140の回転範囲が規定される。
【0124】
連結装置110を操作する操作者が回転操作部140を図27に示す反時計回り方向に回転移動するように操作するとき、回転操作部140と一体に成形されている開閉部136は、反時計回り方向に回転運動する。開閉部176の嵌合凸部178が開閉部136の嵌合凹部138に嵌合しているために、開閉部176もまた、開閉部136に連動して、図28に示す時計回り方向に回転運動する。嵌合凹部138と嵌合凸部178とは、開閉部136,176を連動させて開閉動作を行なわせる連動部としての機能を備える。
【0125】
図33は、開状態のオス側コネクタ120の下面図である。上述した開閉部136の回転移動により、本体部124に形成された開口部127と、開閉部136に形成された貫通孔部137との位置が合わせられる。開閉部136が本体部124に対して相対的に回転移動することにより、図33に示すように、オス側コネクタ120の筒部125の内部空間が開口する開口部127が開放され、筒部125の内側に設けられた管状部126が外部に露出する。
【0126】
図34は、開状態のメス側コネクタ160の上面図である。上述した開閉部176の回転移動により、本体部164に形成された開口部167と、開閉部176に形成された貫通孔部177との位置が合わせられる。開閉部176が本体部164に対して相対的に回転移動することにより、図34に示すように、メス側コネクタ160の筒部165の内部空間が開口する開口部167が開放され、筒部165の内側に設けられた管状部166が外部に露出する。
【0127】
図30と図32とを比較して、開閉部136はオス側コネクタ120の開口部127を開閉し、オス側コネクタ120の内部空間が閉空間を形成する閉状態から、オス側コネクタ120の内部空間が開放された開状態へと切り換えている。同様に、開閉部176はメス側コネクタ160の開口部167を開閉し、メス側コネクタ160の内部空間が閉空間を形成する閉状態から、メス側コネクタ160の内部空間が開放された開状態へと切り換えている。
【0128】
開閉部136,176は、管状部126のメス側コネクタ160の内部への挿通経路を開閉自在に設けられている。開閉部136,176は、管状部126をオス側コネクタ120の外方へ突出可能な開状態と、突出不可能な閉状態とを切り換えるように移動する。開閉部136,176は、回転移動することにより、挿通経路を開閉する。回転操作部140は、開閉部136,176を移動させて挿通経路を開閉する開閉操作部としての機能を有している。オス側コネクタ120は、開閉操作部の一例としての回転操作部140を備える。
【0129】
図32,33に示すように、開閉部136が回転移動することにより、開閉部136の外周に設けられた突起部141および円弧部142もまた移動し、突起部141は係合部材144,184の内周面に当接する。この状態で、係合部材144,184の径方向内側への弾性変形は、突起部141が障害物となり妨げられる。
【0130】
図29,30に示す状態から、オス側コネクタ120とメス側コネクタ160とを分離させるためには、係合部材144,184を本体部124,164に近接する側へ弾性変形させて、爪状部146,186をそれぞれ開口部189,149の外部へ押し出す必要がある。回転操作部140を操作し開閉部136を回転移動させることにより、係合部材144,184の弾性変形が不可能になり、オス側コネクタ20とメス側コネクタ60とが一体に固定されたロック状態を確実に保つことができる。開閉部136の操作により開状態とすることで、オス側コネクタ120とメス側コネクタ160との分離を妨げて、オス側コネクタ120とメス側コネクタ160とは一体に結合される。
【0131】
開閉部136,176は、図30に示すように、係合部材144,184と収容部148,188および開口部149,189との係合および分離を可能にするように回転移動する。また開閉部136,176は、図32に示すように、係合部材144,184と収容部148,188および開口部149,189との係合および分離を不可能にするように回転移動する。
【0132】
開閉部136,176が挿通経路を開状態にする位置に配置されているとき、突起部141が障害物となることにより、係合部材144,184は弾性変形できず、オス側コネクタ120とメス側コネクタ160とを結合させることができない。そのため、図25〜30を参照して既に説明したように、オス側コネクタ120とメス側コネクタ160とは、開閉部136,176が開口部127,167を閉塞させ挿通経路を閉状態にする位置に配置されているときに、互いに結合される。
【0133】
図35は、チューブ22,62間の通路112を連通させた状態を示す斜視図である。図36は、図35に示す状態の連結装置110の断面図である。図31と図35とを比較して明確に示されるように、オス側コネクタ120の管状部126のメス側コネクタ160内部への連通経路が形成された状態において、連結装置110を操作する操作者は、挿通操作部132を把持し、挿通操作部132をメス側コネクタ160へ近接する側へ移動させることができる。この挿通操作部132の操作により、図36に示すように、管状部126がメス側コネクタ160の内部へ挿通される。挿通操作部132は、管状部126のメス側コネクタ160への挿通動作を操作するために使用される。
【0134】
オス側コネクタ120とメス側コネクタ160とが連結された状態で、管状部126をメス側コネクタ160の内部へ挿通することにより、通路112を連通させることができる。オス側コネクタ120の管状部126と、メス側コネクタ160の管状部166とは、通路112の一部を構成する。このようにして、連結装置110を使用してチューブ22,62が互いに連結され、チューブ22,62が連通されて、チューブ22,62との間に液体流通用の通路112が形成される。したがって、図36中の両矢印に示すように、連結装置110の内部を経由して、チューブ22からチューブ62へ、またはチューブ62からチューブ22への、液体の流通が可能になる。
【0135】
図36に示す管状部126がメス側コネクタ160の内部に挿通された状態において、管状部126はオス側コネクタ120からメス側コネクタ160へ亘るように、開口部127,167を経由して配置されている。そのため、開口部127,167が開放される開状態にする位置から、開口部127,167が閉止される閉状態にする位置への、開閉部136,176の移動ができなくなっている。メス側コネクタ160の内部へ挿通された管状部126は、開閉部136,176の移動を妨げ、開状態から閉状態への切り換えを不可能にしている。
【0136】
上述した通り、オス側コネクタ120とメス側コネクタ160とを分離するためには、係合部材144,184が弾性変形可能な位置、すなわち、係合部材144,184が円弧部142と対向する位置に、開閉部136を回転させる必要がある。メス側コネクタ160内に挿通された管状部126によって開閉部136の回転が妨げられるので、オス側コネクタ120とメス側コネクタ160との分離が禁止される。したがって、図36に示す通路112が連通された状態で、オス側コネクタ120とメス側コネクタ160とが外れることを確実に防止できる構造となっている。
【0137】
以上説明した実施の形態3の連結装置110によると、実施の形態1の連結装置10と同様に、気密性の高い開閉部136,176を閉じたままの状態でオス側コネクタ120とメス側コネクタ160とを結合し、結合させた後に開閉部136,176を回転移動させて管状部126の挿通経路を形成し、管状部126をメス側コネクタ160へ挿通して液体流通用の通路112を形成する。開閉部136,176は、オス側コネクタ120とメス側コネクタ160とが連結されている状態で、チューブ22の一端側の開口およびチューブ62の一端側の開口を開閉可能に設けられている。このようにすれば、開閉部136,176によって気密空間とされたオス側コネクタ120、メス側コネクタ160の各内部空間が、外部環境によって汚染されることを防止できる。
【0138】
そのため、オス側コネクタ120内に収容された管状部126と、メス側コネクタ160内に収容された管状部166と、の汚染を防止することができる。この状態で開閉部136,176を移動させ、管状部126,166を無菌的に接続して通路112が形成されるので、通路112内を流通する細胞や培地などの汚染を防止することができる。したがって、クリーンベンチなどを使用しない一般環境下でチューブ22,62を連結して通路112を形成しても、通路112内を流通する液体の汚染を防止することができる。
【0139】
連結装置110は、図25〜図36を参照して説明した手順を順に行なうことにより連結できる。また、図36に示す状態から図25に示す状態の順に、逆の手順を行うことにより、容易に連結装置110の連結を解除できる。連結を解除する際に、開閉部136,176を操作して、オス側コネクタ120、メス側コネクタ160の内部に気密空間が形成されるので、連結解除中または連結解除後の管状部126,166の汚染を防止できる。そのため、連結装置110を、繰り返して複数回使用することができ、経済的である。
【0140】
連結装置110は、オス側コネクタ120とメス側コネクタ160との結合時に容易に位置合わせを可能とする、係合部材144,184を備えている。また、開閉部136,176の開閉操作を行なうための回転操作部140が連結装置110の表面に配置されており、管状部126の挿通操作を行なうための挿通操作部132が連結装置110の表面に配置されている。オス側コネクタ120とメス側コネクタ160との結合と、開閉部136,176の回転移動による管状部126の挿通経路の形成と、管状部126の挿通とを、全て簡単な手作業のみによって行なうことができる。したがって、本実施の形態の連結装置110は、操作が容易である。
【0141】
以下、本発明の連結装置を使用してチューブ22,62を連結し、チューブ22,62間に液体流通用の通路を形成する実施例について説明する。図37〜40は、本発明の連結装置が適用された容器同士を連結した状態の一例を示す模式図である。
【0142】
図37は、細胞培養用の培養バッグ1とフラスコ2とが連結された例を示す。培養バッグ1に、チューブ62を介在させてメス側コネクタ60が取り付けられており、フラスコ2に、チューブ22を介在させてオス側コネクタ20が取り付けられている。このように、連結装置10を使用して培養バッグ1とフラスコ2とを連結することにより、クリーンベンチを使用せずにフラスコ2内で調整された細胞と培地とを無菌状態で培養バッグ1へ移動させることができる。
【0143】
図38は、二つの培養バッグ1が連結された例を示す。一方の培養バッグ1に、チューブ62を介在させてメス側コネクタ60が取り付けられており、他方の培養バッグ1に、チューブ22を介在させてオス側コネクタ20が取り付けられている。このように、連結装置10を使用して二つの培養バッグ1を連結することにより、クリーンベンチを使用せずに、培地が充填された一方の培養バッグ1と、細胞および培地が充填された他方の培養バッグ1とを無菌状態で連結し、細胞を両方の培養バッグ1内へ均等に分散させることができる。その後両方の培養バッグ1をインキュベータ内で適温に保つことで、効率よく大量の細胞を培養することができる。
【0144】
図39は、培養バッグ1と遠心分離用の遠心管3とを連結した例を示す。培養バッグ1に、チューブ22を介在させてオス側コネクタ20が取り付けられており、遠心管3に、メス側コネクタ60が取り付けられている。このように、連結装置10を使用して培養バッグ1と遠心管3とを連結することにより、クリーンベンチを使用せずに培養バッグ1内で培養された細胞を無菌状態で遠心管3へ移動させることができる。
【0145】
図40は、遠心分離用の遠心管3と点滴用のバッグ4とを連結した例を示す。バッグ4に、チューブ22を介在させてオス側コネクタ20が取り付けられており、遠心管3に、メス側コネクタ60が取り付けられている。このように、連結装置10を使用して遠心管3とバッグ4とを連結することにより、クリーンベンチを使用せずに遠心管3内で遠心分離された細胞を無菌状態でバッグ4へ移動させ、バッグ4から点滴により細胞を体内へ移植することができる。
【0146】
以上のように本発明の実施の形態について説明を行なったが、各実施の形態の構成を適宜組合せてもよい。また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0147】
本発明は、細胞培養分野において、細胞や培地を無菌状態で移動する際の容器間の連結装置に、特に有利に適用され得る。
【符号の説明】
【0148】
10,110 連結装置、12,112 通路、20,120 オス側コネクタ、22,62 チューブ、24,124,164 本体部、26,66,126,166 管状部、27,67,127,167 開口部、32,132 挿通操作部、36,76,136,176 開閉部、38,178 嵌合凸部、40 スライド操作部、44,84 噛合部、56 膜体、58,98 位置決め部、60,160 メス側コネクタ、64 外筐部、65 嵌合体、78,138 嵌合凹部、90 スリット弁、92 弾性膜、94 スリット開口、96 針部、125,165 筒部、137,177 貫通孔部、140 回転操作部、141 突起部、142 円弧部、144,184 係合部材、146,186 爪状部、148,188 収容部、149,189 開口部、A 回転軸。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一管材と第二管材とを連結させる連結装置であって、
前記第一管材の一端に接続される第一連結部材と、
前記第一連結部材と連結可能で、前記第二管材の一端に接続される第二連結部材とを備え、
前記第一連結部材には、第一開閉部が設けられ、前記第二連結部材には、第二開閉部が設けられ、
前記第一開閉部および前記第二開閉部は、前記第一連結部材と前記第二連結部材とが連結されていない状態では、前記第一管材の一端側の開口および前記第二管材の一端側の開口を閉鎖しており、
前記第一開閉部および前記第二開閉部は、前記第一連結部材と前記第二連結部材とが連結されている状態では、前記第一管材の一端側の開口および前記第二管材の一端側の開口を開閉可能に設けられている、連結装置。
【請求項2】
前記第一連結部材は、内部に、前記第一管材と連通する第一管状部を含み、
前記第二連結部材は、内部に、前記第二管材と連通する第二管状部と、前記第二開閉部と前記第二管状部との間の通路を閉塞する弾性部材と、を含み、
前記第一連結部材と前記第二連結部材とが連結されている状態で、前記第一管状部が前記弾性部材に挿通されることにより、前記第一管材および前記第二管材を連通させる、請求項1に記載の連結装置。
【請求項3】
前記第一連結部材は、前記第一管状部の前記第二連結部材への挿通動作を操作するための挿通操作部を含み、
前記連結装置は、前記第一開閉部と前記第二開閉部とを移動させて前記第一管材の一端側の開口および前記第二管材の一端側の開口を開閉する開閉操作部を備える、請求項2に記載の連結装置。
【請求項4】
前記第一連結部材は、前記第一管状部を閉塞させる膜体を含み、
前記第二連結部材は、前記第二管状部の先端に配置された針部を含み、
前記針部は、前記第一管状部が前記第二連結部材の内部へ挿通されるとき、前記膜体を貫通して、前記第一管材および前記第二管材を連通させる、請求項2または請求項3に記載の連結装置。
【請求項5】
前記第一開閉部と前記第二開閉部とを連動させて開閉動作を行なわせる連動部を備える、請求項1から請求項4のいずれかに記載の連結装置。
【請求項6】
前記第一連結部材と前記第二連結部材とを連結するときの位置決めを行なう、位置決め部を備える、請求項1から請求項5のいずれかに記載の連結装置。
【請求項7】
前記第一開閉部と前記第二開閉部とは、平行移動することにより前記第一管材の一端側の開口および前記第二管材の一端側の開口を開閉する、請求項1から請求項6のいずれかに記載の連結装置。
【請求項8】
前記第一連結部材と前記第二連結部材とは、互いに相対回転して一体に固定され、
前記第一管材の一端側の開口および前記第二管材の一端側の開口を開状態にする位置に移動された前記第一開閉部と前記第二開閉部とは、前記第一連結部材と前記第二連結部材との相対回転を妨げる、請求項7に記載の連結装置。
【請求項9】
前記第一開閉部と前記第二開閉部とは、回転移動することにより前記第一管材の一端側の開口および前記第二管材の一端側の開口を開閉する、請求項1から請求項6のいずれかに記載の連結装置。
【請求項10】
前記第一連結部材と前記第二連結部材との一方は係合部材を含み、他方は被係合部材を含み、前記係合部材が前記被係合部材に係合して前記第一連結部材と前記第二連結部材とが結合され、
前記第一開閉部と前記第二開閉部とは、前記係合部材と前記被係合部材との係合および分離を可能または不可能にするように回転移動する、請求項9に記載の連結装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【公開番号】特開2012−7650(P2012−7650A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−142536(P2010−142536)
【出願日】平成22年6月23日(2010.6.23)
【出願人】(000135036)ニプロ株式会社 (583)
【Fターム(参考)】