連続ポケットコイルバネ列製造方法及び連続ポケットコイルバネ列
【課題】コイルバネの上端や下端に不快な凹凸を形成しなくて済む連続ポケットコイルバネ列製造方法を提供する。
【解決手段】通気性を有する帯状シート材1を長手方向に沿って搬送しながら、幅中央部で折り畳んで半分または略半分の幅の上下二層の帯状シート材10,11を形成する工程と、コイルバネ7の高さを圧縮する工程と、折り畳まれた帯状シート材1の側面部に形成される開口部1Dから圧縮されたコイルバネ7を順次挿入する工程と、開口部1Dを閉鎖して溶着する工程と、隣接するコイルバネ7の間を溶着する工程と、を有し、開口部1Dを閉鎖するに際し、折り畳まれて上下二層となった帯状シート材1の上側帯状シート材10と下側帯状シート材11の開口部1D側の端部10a,11aを夫々折り返して、端部10a,11aどうしに重なり部を形成させる工程と、重なり部を溶着して開口部1Dを閉鎖する工程と、を有する。
【解決手段】通気性を有する帯状シート材1を長手方向に沿って搬送しながら、幅中央部で折り畳んで半分または略半分の幅の上下二層の帯状シート材10,11を形成する工程と、コイルバネ7の高さを圧縮する工程と、折り畳まれた帯状シート材1の側面部に形成される開口部1Dから圧縮されたコイルバネ7を順次挿入する工程と、開口部1Dを閉鎖して溶着する工程と、隣接するコイルバネ7の間を溶着する工程と、を有し、開口部1Dを閉鎖するに際し、折り畳まれて上下二層となった帯状シート材1の上側帯状シート材10と下側帯状シート材11の開口部1D側の端部10a,11aを夫々折り返して、端部10a,11aどうしに重なり部を形成させる工程と、重なり部を溶着して開口部1Dを閉鎖する工程と、を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、椅子やソファー等の家具やベットマットレス等の寝具に内装されて使用されるポケットコイルバネ列を、マット状に効率よく接合して組み立てる連続ポケットコイルバネ列製造方法及び連続ポケットコイルバネ列に関するものである。
【背景技術】
【0002】
かかる連続ポケットコイルバネ列の製造工程については、下記特許文献1に開示されるポケットに包まれたバネのストリングを形成する方法が公知である。この方法によれば、帯状シート材を長手方向に沿って搬送しながら、2か所で折り畳むにように構成され、折り畳み工程で形成される第1垂れ縁と第2垂れ縁を重ねるようにしている。重なり部は折り畳まれた帯状シート材の平面上に形成され、コイルバネを挿入する時は、この重なり部を開いて開口部を形成させ、コイルバネの挿入後に再び重なり部を閉じるようにしている。次いで、この重なり部を溶着してコイルバネが収納されたポケットコイルバネ列を製造している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許2983641号(請求項1、図5〜図11)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この製造方法によると、コイルバネを包むシート材の縫製あるいは溶着位置がコイルバネの上端や下端に形成されないので、ソファーやマットレスの形成時に不快な凹凸が形成されないという利点がある。
【0005】
しかしながら、上記先行技術における製造工程では、帯状シート材を長手方向に沿って2か所で折り畳む構成であると共に、折り畳んで重ねた垂れ縁を一度開いて、再び閉じるという工程も必要である。従って、工程が複雑化すると共に、その工程を実現するための設備も必要になり、コスト高になるという問題がある。
【0006】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その課題は、コイルバネの上端や下端に不快な凹凸を形成しなくて済む連続ポケットコイルバネ列を提供すると共に、その製造工程を複雑化することなく実現可能な連続ポケットコイルバネ列製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため本発明に係る連続ポケットコイルバネ列製造方法は、
通気性を有する帯状シート材によりポケット状に形成された連続円筒形袋の1袋に1個のコイルバネを収納して列状に形成された連続ポケットコイルバネ列を製造する方法であって、
前記帯状シート材を長手方向に沿って搬送しながら、幅中央部で折り畳んで半分または略半分の幅の上下二層の帯状シート材を形成する工程と、
前記コイルバネの高さを圧縮する工程と、
折り畳まれた前記帯状シート材の側面部に形成される開口部から前記圧縮されたコイルバネを順次挿入する工程と、
前記開口部を閉鎖して溶着する工程と、
隣接するコイルバネの間の帯状シート材部分を溶着する工程と、を有し、
前記開口部を閉鎖するに際し、折り畳まれて上下二層となった前記帯状シート材の上側帯状シート材と下側帯状シート材の前記開口部側の端部を夫々折り曲げて、端部どうしに重なり部を形成させる工程と、
前記重なり部を溶着して前記開口部を閉鎖する工程と、を有することを特徴とするものである。
【0008】
かかる構成による連続ポケットコイルバネ列製造方法の作用・効果を説明する。この構成によると、まず、帯状シート材を長手方向に沿って、帯状シート材の幅中央部で折り畳む。これにより、帯状シート材は、幅が(ほぼ)半分の上下二層(2つ折り)の帯状シート材となる。上下二層の帯状シート材の幅方向一方の端部は、長手方向に沿って開口部が形成される。この開口部から、圧縮されたコイルバネを順次挿入する。次に、開口部を溶着して閉じる工程が行われる。この時に、上下二層の上側帯状シート材の端部を(例えば、90゜)折り曲げる。また、上下二層の下側帯状シート材の端部を(例えば、90゜)折り曲げる。これら折り曲げた端部同士を重ね、この重なり部を溶着する。そして、隣接するコイルバネの間も溶着される。これにより、連続円筒形袋の1袋に1個のコイルバネが収納された状態になる。端部を折り曲げた上で重なり部を形成するので、シート材の厚み分の段差は形成されるが、その量はごくわずかであり、感触に影響はほとんどない。
【0009】
本発明の上記構成によれば、コイルバネを挿入するまでの帯状シート材の折り畳み箇所は1箇所で済む。従って、先行技術に比較して簡素な構成とすることができる。また、コイルバネを挿入するために、重なり部を開く工程も不要である。さらに、コイルバネの挿入も折り畳んだ帯状シート材の側面の開口部から行うので、コイルバネを挿入するための機構も無理なく配置することができ、簡素化することができる。その結果、コイルバネの上端や下端に不快な凹凸を形成しなくて済む連続ポケットコイルバネ列を提供すると共に、その製造工程を複雑化することなく実現可能となる。
【0010】
本発明において、前記端部の折り曲げは、折り曲げ形状に対応したプレートに沿わせて前記帯状シート材を搬送することで行われることが好ましい。
【0011】
端部の折り曲げをプレートに沿わせることで実現できるので、複雑な駆動機構は不要であり、設備のコストも低減することができる。
【0012】
上記課題を解決するため本発明に係る連続ポケットコイルバネ列は、
通気性を有する帯状シート材によりポケット状に形成された連続円筒形袋の1袋に1個のコイルバネを収納して列状に形成された連続ポケットコイルバネ列であって、
前記連続円筒形袋は、前記帯状シート材を幅中央部で折り畳んで半分または略半分の幅の上下二層構造とし、この上下二層の帯状シート材の長手方向に沿って所定ピッチで溶着すると共に、前記上下二層の帯状シート材の長手方向端部同士を溶着して形成され、
前記長手方向の端部同士は、上下二層の一方の帯状シート材の端部を折り曲げ、その折り曲げ部の上に、もう一方の帯状シート材の端部を折り曲げて重なり部を形成させた上で溶着させていることを特徴とするものである。
【0013】
この連続ポケットコイルバネ列によれば、コイルバネの上端あるいは下端に重なり部が位置するが、上下二層の帯状シート材の端部をそのまま溶着するのではなく、折り曲げた上で溶着しているので、凹凸を形成させずにコイルバネを収納することができる。これにより、コイルバネの上端や下端に不快な凹凸を形成しなくて済む連続ポケットコイルバネ列を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】上下二層の帯状シート材を形成する工程を示す平面図
【図1A】上下二層の帯状シート材を形成する工程を示す側面図
【図1B】帯状シート材の折り畳み工程を示す模式図
【図2】開口部形成工程を示す図
【図3】コイルバネを挿入する工程を示す側面図
【図4】コイルバネを挿入する工程を示す平面図
【図5】開口部の閉鎖工程を説明する平面図及び側面図
【図6】開口部の溶着工程を示す図
【図7】隣接して配置されるコイルバネの間を溶着する工程を示す平面図
【図8】隣接して配置されるコイルバネの間を溶着する工程を示す断面図
【図9】姿勢変更工程を示す平面図及び断面図
【図10】コイルバネが開放された状態を示す平面図及び断面図
【図11】1つのポケットコイルバネを示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に係る連続ポケットコイルバネ列製造方法の好適な実施形態を図面を用いて説明する。図1〜図9は、製造工程を示す図である。以下、順を追って説明する。
【0016】
<製造工程>
<1.帯状シート材の折り畳み工程>
図1は、帯状シート材を長手方向に沿って搬送しながら、幅中央部で折り畳んで半分(または略半分)の幅の上下二層の帯状シート材を形成する工程を示す図である。図1は、工程を示す平面図、図1Aは側面図、図1Bは、折り畳み手順を分かりやすく説明するための模式図である。折り畳みを行うために、第1折り畳みプレート2と第2折り畳みプレート3が用いられる。帯状シート材1は、例えば、通気性の良い不織布が用いられる。不織布の種類としては、特定のものに限定されるものではない。
【0017】
図1B(a)において、帯状シート材1は右から左へローラ等の搬送機構により搬送されている。第1折り畳みプレート2の作用面2aを用いて、1Aで示す箇所を谷として直角に折り曲げるようにする。この状態を図1B(b)に示す。1Aで示すラインの搬送方向となす角度θ1は45゜である。
【0018】
次に、第2折り畳みプレート3を用いて、1Bで示す箇所を谷になるように、かつ、1Cで示す箇所を山になるように折り返す。ライン1Bの角度θ2も搬送方向に対して45゜をなしている。第2折り畳みプレート3の作用面3aがライン1Bに位置するようにすればよい。折り返した状態は、図1B(c)及び図1に示される。折り返した時、帯状シート材1の幅WはW/2になっており、搬送方向は折り畳む前と逆方向になる。
【0019】
なお、帯状シート材1は、不図示の巻き取りロールに巻き取られており、このロールから順次引き出されていくように駆動される。図1Aに示すように、搬送経路にはローラ4,5が配置され、第1・第2折り畳みプレート2,3の方に向けて搬送される。なお、図1において、二層に折り畳まれた状態では、図1の下側が折り曲げのライン1Cの側(閉じた側)に相当し、図1の上側が開口部1Dに相当する。
【0020】
<開口部形成工程>
図1のように、2つに折り畳まれた帯状シート材1は、二層構造になり、図2に示すように開口部1Dの側を開くために、開口部材4が設けられる。開口部材4は、所定の直径を有する軸状部材であり、図例では2つが搬送方向(左から右)に沿って配置されている。なお、開口部1Dを開くための構成は、これに限定されるものではなく、種々の変形例が考えられる。
【0021】
帯状シート材1は、上側帯状シート材10と下側帯状シート材11の二層構造となっている。また、この帯状シート材1を上下から挟むような形で下側案内プレート5と内側案内プレート6が配置されている。図2の右側には大きな搬送ローラ対100が示されており、帯状シート材1はこの搬送ローラ対100に引っ張られる形で搬送力を受ける。なお、図3以後で説明する各工程は、図2において波線で省略した箇所に設けられる。搬送ローラ対100は、搬送経路の下流側に位置しており、ちょうど上下の案内プレート5,6がなくなる位置(出口側)に配置されている。
【0022】
<コイルバネ挿入工程>
図3は、コイルバネ7を挿入する工程を示す図である。この図3は、帯状シート材1の搬送方向に直交する断面を示している。コイルバネ7は、バネ挿入装置8により挿入される。コイルバネ7は、上端7aと下端7bを有しており、円筒形のバネ案内筒80に自然状態で供給される。バネ案内筒80の下部には、バネ載置板81が設けられている。また、バネ挿入装置80には、挿入部82が設けられており、帯状シート材1の開口部1Dから上下の帯状シート材10,11の間に挿入された状態になる。
【0023】
コイルバネ7は、不図示の圧縮機構により上端7aが押圧されることで、圧縮され高さ寸法が短くなる。バネ挿入装置80の前記挿入部82の反対側に案内部82が設けられており、操作部材84が左右方向にスライド可能に構成されている。コイルバネ7を圧縮した状態で操作部材84を左から右へスライドさせることで、開口部1Dからコイルバネ7を帯状シート材1の中に挿入させることができる。上下に案内プレート5,6が設けられているので、コイルバネ7は圧縮された状態を保持することができる。
【0024】
折り畳まれた帯状シート材1の右側の側面部12は閉じているが、完全に直角に折られているのではなく、半円形にカーブするような形で緩く折り曲げられている状態である。側面部12の内側には、ガイド棒9が配置されており、帯状シート材1の側面部12をガイドしている。
【0025】
図4は、コイルバネ7を挿入する工程を示す平面図である。コイルバネ7は、図示のように同時に2つを挿入できるように構成されている。このように、コイルバネ7は、所定のピッチで折り畳まれた帯状シート材1の中に順次連続的に収納されていく。なお、コイルバネ7を同時に挿入する個数は1個でもよいし2個でもよい。
【0026】
<開口部の閉鎖工程>
次に、開口部の閉鎖工程を説明する。図5は、閉鎖工程を示す(a)平面図及び(b)側面図(図5のA矢視図)である。閉鎖工程では、上側帯状シート材10の開口部1D側の端部10aを直角に折り曲げ、下側帯状シート材11の開口部1D側の端部11aを直角に折り曲げる。折り曲げ方向は、端部10a,11aが互いに近づきオーバーラップ可能な状態になる方向に折り曲げる。
【0027】
上記折り曲げ作用を行うために、上側折り曲げプレート20と下側折り曲げプレート21が設けられている。これら上下の折り曲げプレート20,21の内側に、帯状シート材1の端部10a,11aが入り込むようにする。上下の折り曲げプレート20,21は、折り曲げ形状に対応した形状を有している。折り曲げ角度は90゜であるが、角部がエッジにならないように1/4円弧部が形成されている。これにより、無理なく端部10a,11aを折り曲げることができる。
【0028】
また、上下の折り曲げプレート20,21の内側であって、上下の帯状シート材10,11に挟まれる位置に支持ブロック22が配置される。支持ブロック22の開口部1D側には突起部22aが形成されている。
【0029】
<開口部の溶着工程>
次に、開口部1Dの溶着工程を図6により説明する。前述の折り曲げプレート20,21による折り曲げ工程の後、図7に示すように、超音波溶着装置30を用いて溶着する。すなわち、端部10a,11aの重なり部を内側から支持ブロック22の突起部22aが支持し、外側から超音波溶着装置30のホーン部30aを圧着させることで、重なり部を溶着させることができる。
【0030】
<隣接バネ間の溶着工程>
次に、隣接して配置されるコイルバネ7の間を溶着する工程を説明する。図7は、かかる溶着工程の平面図を示し、図8は、断面図を示す。溶着ラインは図番14で示される。溶着ライン14は、実線ではなく破線状に形成される。図8に示すように、帯状シート材1の上側に超音波溶着装置31が配置され、下側に支持ブロック32が配置される。支持ブロック32の上面には突起部32aが形成されている。この突起部32aと超音波溶着装置31のホーン部31aにより溶着箇所を挟持して溶着する。これにより、帯状シート材1にポケット状に形成された連続円筒形袋が形成され、コイルバネ7は1個が1つの袋に収納された状態になる。
【0031】
<コイルバネ姿勢変更工程>
以上のように、1つの袋に1つのコイルバネ7が収納された状態になった後、コイルバネ7の姿勢を変更させる。図9(a)は姿勢変更工程を示す平面図であり、図9(b)(c)は断面図である。コイルバネ7は、上下の帯状シート材10,11に圧縮された状態で収納されているが、圧縮状態を解除すると共に、コイルバネ7の姿勢を90゜変更させる。
【0032】
姿勢変更部材32が設けられており、図9に示すようにひっかけ部32aを備えている。姿勢変更部材32を上側帯状シート材10の表面に沿って移動させることで、ひっかけ部32aをコイルバネ7の上端に作用させる。これにより、図9(b)(c)に示すように、コイルバネ7の上端7aが少しずつ倒れていき、姿勢変更されると共に、コイルバネ7は圧縮状態を開放されて自由状態になる。コイルバネ7の姿勢が変更されると、上下の帯状シート材10,11の間の必要な空間部が大きくなるので、図9(a)に示すように、帯状シート材1(10,1)の幅は短くなる。なお、帯状シート材1は、コイルバネ7の両側に配置されたローラ200により搬送されている。
【0033】
図10は、コイルバネ7が開放された状態を示す図であり、(a)は平面図、(b)は断面図である。図11は、別の方向からみた断面図である。以上のようにして、連続ポケットコイルバネ列が製造される。製造されたポケットコイルバネを図11の方向から見ると、コイルバネ7の上端7a(あるいは下端7b)側の帯状シート材1の表面(側面部)は平坦に形成される。端部10a,11a同士が重ねられた箇所についても、単に重ねるのではなく、90゜折り曲げた状態にしてから重ねているので、ごく僅かな段差が形成されているが、不快な凹凸は形成されていない。
【0034】
また、帯状シート材1の折り畳み箇所も1か所でよいので、折り畳みのための機構も簡素化することができる。さらに、上下の帯状シート材1の端部10a,11aを折り曲げるための機構は、固定された折り曲げプレート20,21により行われるので、設備のコストを低減することができる。
【0035】
<別実施形態>
本実施形態では、端部11aが端部10aよりも外側になるように折り曲げているが、これを逆にして端部10aの方が外側になるように処理してもよい。
【0036】
本発明において、上側、下側という呼称は便宜上使用しているものである。従って、製品として使用される状態において、必ずしも上側と下側の関係が一致するものではない。
【符号の説明】
【0037】
1 帯状シート材
1D 開口部
2 第1折り畳みプレート
3 第2折り畳みプレート
7 コイルバネ
10 上側帯状シート材
11 下側帯状シート材
20 上側折り曲げプレート
21 下側折り曲げプレート
【技術分野】
【0001】
本発明は、椅子やソファー等の家具やベットマットレス等の寝具に内装されて使用されるポケットコイルバネ列を、マット状に効率よく接合して組み立てる連続ポケットコイルバネ列製造方法及び連続ポケットコイルバネ列に関するものである。
【背景技術】
【0002】
かかる連続ポケットコイルバネ列の製造工程については、下記特許文献1に開示されるポケットに包まれたバネのストリングを形成する方法が公知である。この方法によれば、帯状シート材を長手方向に沿って搬送しながら、2か所で折り畳むにように構成され、折り畳み工程で形成される第1垂れ縁と第2垂れ縁を重ねるようにしている。重なり部は折り畳まれた帯状シート材の平面上に形成され、コイルバネを挿入する時は、この重なり部を開いて開口部を形成させ、コイルバネの挿入後に再び重なり部を閉じるようにしている。次いで、この重なり部を溶着してコイルバネが収納されたポケットコイルバネ列を製造している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許2983641号(請求項1、図5〜図11)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この製造方法によると、コイルバネを包むシート材の縫製あるいは溶着位置がコイルバネの上端や下端に形成されないので、ソファーやマットレスの形成時に不快な凹凸が形成されないという利点がある。
【0005】
しかしながら、上記先行技術における製造工程では、帯状シート材を長手方向に沿って2か所で折り畳む構成であると共に、折り畳んで重ねた垂れ縁を一度開いて、再び閉じるという工程も必要である。従って、工程が複雑化すると共に、その工程を実現するための設備も必要になり、コスト高になるという問題がある。
【0006】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その課題は、コイルバネの上端や下端に不快な凹凸を形成しなくて済む連続ポケットコイルバネ列を提供すると共に、その製造工程を複雑化することなく実現可能な連続ポケットコイルバネ列製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため本発明に係る連続ポケットコイルバネ列製造方法は、
通気性を有する帯状シート材によりポケット状に形成された連続円筒形袋の1袋に1個のコイルバネを収納して列状に形成された連続ポケットコイルバネ列を製造する方法であって、
前記帯状シート材を長手方向に沿って搬送しながら、幅中央部で折り畳んで半分または略半分の幅の上下二層の帯状シート材を形成する工程と、
前記コイルバネの高さを圧縮する工程と、
折り畳まれた前記帯状シート材の側面部に形成される開口部から前記圧縮されたコイルバネを順次挿入する工程と、
前記開口部を閉鎖して溶着する工程と、
隣接するコイルバネの間の帯状シート材部分を溶着する工程と、を有し、
前記開口部を閉鎖するに際し、折り畳まれて上下二層となった前記帯状シート材の上側帯状シート材と下側帯状シート材の前記開口部側の端部を夫々折り曲げて、端部どうしに重なり部を形成させる工程と、
前記重なり部を溶着して前記開口部を閉鎖する工程と、を有することを特徴とするものである。
【0008】
かかる構成による連続ポケットコイルバネ列製造方法の作用・効果を説明する。この構成によると、まず、帯状シート材を長手方向に沿って、帯状シート材の幅中央部で折り畳む。これにより、帯状シート材は、幅が(ほぼ)半分の上下二層(2つ折り)の帯状シート材となる。上下二層の帯状シート材の幅方向一方の端部は、長手方向に沿って開口部が形成される。この開口部から、圧縮されたコイルバネを順次挿入する。次に、開口部を溶着して閉じる工程が行われる。この時に、上下二層の上側帯状シート材の端部を(例えば、90゜)折り曲げる。また、上下二層の下側帯状シート材の端部を(例えば、90゜)折り曲げる。これら折り曲げた端部同士を重ね、この重なり部を溶着する。そして、隣接するコイルバネの間も溶着される。これにより、連続円筒形袋の1袋に1個のコイルバネが収納された状態になる。端部を折り曲げた上で重なり部を形成するので、シート材の厚み分の段差は形成されるが、その量はごくわずかであり、感触に影響はほとんどない。
【0009】
本発明の上記構成によれば、コイルバネを挿入するまでの帯状シート材の折り畳み箇所は1箇所で済む。従って、先行技術に比較して簡素な構成とすることができる。また、コイルバネを挿入するために、重なり部を開く工程も不要である。さらに、コイルバネの挿入も折り畳んだ帯状シート材の側面の開口部から行うので、コイルバネを挿入するための機構も無理なく配置することができ、簡素化することができる。その結果、コイルバネの上端や下端に不快な凹凸を形成しなくて済む連続ポケットコイルバネ列を提供すると共に、その製造工程を複雑化することなく実現可能となる。
【0010】
本発明において、前記端部の折り曲げは、折り曲げ形状に対応したプレートに沿わせて前記帯状シート材を搬送することで行われることが好ましい。
【0011】
端部の折り曲げをプレートに沿わせることで実現できるので、複雑な駆動機構は不要であり、設備のコストも低減することができる。
【0012】
上記課題を解決するため本発明に係る連続ポケットコイルバネ列は、
通気性を有する帯状シート材によりポケット状に形成された連続円筒形袋の1袋に1個のコイルバネを収納して列状に形成された連続ポケットコイルバネ列であって、
前記連続円筒形袋は、前記帯状シート材を幅中央部で折り畳んで半分または略半分の幅の上下二層構造とし、この上下二層の帯状シート材の長手方向に沿って所定ピッチで溶着すると共に、前記上下二層の帯状シート材の長手方向端部同士を溶着して形成され、
前記長手方向の端部同士は、上下二層の一方の帯状シート材の端部を折り曲げ、その折り曲げ部の上に、もう一方の帯状シート材の端部を折り曲げて重なり部を形成させた上で溶着させていることを特徴とするものである。
【0013】
この連続ポケットコイルバネ列によれば、コイルバネの上端あるいは下端に重なり部が位置するが、上下二層の帯状シート材の端部をそのまま溶着するのではなく、折り曲げた上で溶着しているので、凹凸を形成させずにコイルバネを収納することができる。これにより、コイルバネの上端や下端に不快な凹凸を形成しなくて済む連続ポケットコイルバネ列を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】上下二層の帯状シート材を形成する工程を示す平面図
【図1A】上下二層の帯状シート材を形成する工程を示す側面図
【図1B】帯状シート材の折り畳み工程を示す模式図
【図2】開口部形成工程を示す図
【図3】コイルバネを挿入する工程を示す側面図
【図4】コイルバネを挿入する工程を示す平面図
【図5】開口部の閉鎖工程を説明する平面図及び側面図
【図6】開口部の溶着工程を示す図
【図7】隣接して配置されるコイルバネの間を溶着する工程を示す平面図
【図8】隣接して配置されるコイルバネの間を溶着する工程を示す断面図
【図9】姿勢変更工程を示す平面図及び断面図
【図10】コイルバネが開放された状態を示す平面図及び断面図
【図11】1つのポケットコイルバネを示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に係る連続ポケットコイルバネ列製造方法の好適な実施形態を図面を用いて説明する。図1〜図9は、製造工程を示す図である。以下、順を追って説明する。
【0016】
<製造工程>
<1.帯状シート材の折り畳み工程>
図1は、帯状シート材を長手方向に沿って搬送しながら、幅中央部で折り畳んで半分(または略半分)の幅の上下二層の帯状シート材を形成する工程を示す図である。図1は、工程を示す平面図、図1Aは側面図、図1Bは、折り畳み手順を分かりやすく説明するための模式図である。折り畳みを行うために、第1折り畳みプレート2と第2折り畳みプレート3が用いられる。帯状シート材1は、例えば、通気性の良い不織布が用いられる。不織布の種類としては、特定のものに限定されるものではない。
【0017】
図1B(a)において、帯状シート材1は右から左へローラ等の搬送機構により搬送されている。第1折り畳みプレート2の作用面2aを用いて、1Aで示す箇所を谷として直角に折り曲げるようにする。この状態を図1B(b)に示す。1Aで示すラインの搬送方向となす角度θ1は45゜である。
【0018】
次に、第2折り畳みプレート3を用いて、1Bで示す箇所を谷になるように、かつ、1Cで示す箇所を山になるように折り返す。ライン1Bの角度θ2も搬送方向に対して45゜をなしている。第2折り畳みプレート3の作用面3aがライン1Bに位置するようにすればよい。折り返した状態は、図1B(c)及び図1に示される。折り返した時、帯状シート材1の幅WはW/2になっており、搬送方向は折り畳む前と逆方向になる。
【0019】
なお、帯状シート材1は、不図示の巻き取りロールに巻き取られており、このロールから順次引き出されていくように駆動される。図1Aに示すように、搬送経路にはローラ4,5が配置され、第1・第2折り畳みプレート2,3の方に向けて搬送される。なお、図1において、二層に折り畳まれた状態では、図1の下側が折り曲げのライン1Cの側(閉じた側)に相当し、図1の上側が開口部1Dに相当する。
【0020】
<開口部形成工程>
図1のように、2つに折り畳まれた帯状シート材1は、二層構造になり、図2に示すように開口部1Dの側を開くために、開口部材4が設けられる。開口部材4は、所定の直径を有する軸状部材であり、図例では2つが搬送方向(左から右)に沿って配置されている。なお、開口部1Dを開くための構成は、これに限定されるものではなく、種々の変形例が考えられる。
【0021】
帯状シート材1は、上側帯状シート材10と下側帯状シート材11の二層構造となっている。また、この帯状シート材1を上下から挟むような形で下側案内プレート5と内側案内プレート6が配置されている。図2の右側には大きな搬送ローラ対100が示されており、帯状シート材1はこの搬送ローラ対100に引っ張られる形で搬送力を受ける。なお、図3以後で説明する各工程は、図2において波線で省略した箇所に設けられる。搬送ローラ対100は、搬送経路の下流側に位置しており、ちょうど上下の案内プレート5,6がなくなる位置(出口側)に配置されている。
【0022】
<コイルバネ挿入工程>
図3は、コイルバネ7を挿入する工程を示す図である。この図3は、帯状シート材1の搬送方向に直交する断面を示している。コイルバネ7は、バネ挿入装置8により挿入される。コイルバネ7は、上端7aと下端7bを有しており、円筒形のバネ案内筒80に自然状態で供給される。バネ案内筒80の下部には、バネ載置板81が設けられている。また、バネ挿入装置80には、挿入部82が設けられており、帯状シート材1の開口部1Dから上下の帯状シート材10,11の間に挿入された状態になる。
【0023】
コイルバネ7は、不図示の圧縮機構により上端7aが押圧されることで、圧縮され高さ寸法が短くなる。バネ挿入装置80の前記挿入部82の反対側に案内部82が設けられており、操作部材84が左右方向にスライド可能に構成されている。コイルバネ7を圧縮した状態で操作部材84を左から右へスライドさせることで、開口部1Dからコイルバネ7を帯状シート材1の中に挿入させることができる。上下に案内プレート5,6が設けられているので、コイルバネ7は圧縮された状態を保持することができる。
【0024】
折り畳まれた帯状シート材1の右側の側面部12は閉じているが、完全に直角に折られているのではなく、半円形にカーブするような形で緩く折り曲げられている状態である。側面部12の内側には、ガイド棒9が配置されており、帯状シート材1の側面部12をガイドしている。
【0025】
図4は、コイルバネ7を挿入する工程を示す平面図である。コイルバネ7は、図示のように同時に2つを挿入できるように構成されている。このように、コイルバネ7は、所定のピッチで折り畳まれた帯状シート材1の中に順次連続的に収納されていく。なお、コイルバネ7を同時に挿入する個数は1個でもよいし2個でもよい。
【0026】
<開口部の閉鎖工程>
次に、開口部の閉鎖工程を説明する。図5は、閉鎖工程を示す(a)平面図及び(b)側面図(図5のA矢視図)である。閉鎖工程では、上側帯状シート材10の開口部1D側の端部10aを直角に折り曲げ、下側帯状シート材11の開口部1D側の端部11aを直角に折り曲げる。折り曲げ方向は、端部10a,11aが互いに近づきオーバーラップ可能な状態になる方向に折り曲げる。
【0027】
上記折り曲げ作用を行うために、上側折り曲げプレート20と下側折り曲げプレート21が設けられている。これら上下の折り曲げプレート20,21の内側に、帯状シート材1の端部10a,11aが入り込むようにする。上下の折り曲げプレート20,21は、折り曲げ形状に対応した形状を有している。折り曲げ角度は90゜であるが、角部がエッジにならないように1/4円弧部が形成されている。これにより、無理なく端部10a,11aを折り曲げることができる。
【0028】
また、上下の折り曲げプレート20,21の内側であって、上下の帯状シート材10,11に挟まれる位置に支持ブロック22が配置される。支持ブロック22の開口部1D側には突起部22aが形成されている。
【0029】
<開口部の溶着工程>
次に、開口部1Dの溶着工程を図6により説明する。前述の折り曲げプレート20,21による折り曲げ工程の後、図7に示すように、超音波溶着装置30を用いて溶着する。すなわち、端部10a,11aの重なり部を内側から支持ブロック22の突起部22aが支持し、外側から超音波溶着装置30のホーン部30aを圧着させることで、重なり部を溶着させることができる。
【0030】
<隣接バネ間の溶着工程>
次に、隣接して配置されるコイルバネ7の間を溶着する工程を説明する。図7は、かかる溶着工程の平面図を示し、図8は、断面図を示す。溶着ラインは図番14で示される。溶着ライン14は、実線ではなく破線状に形成される。図8に示すように、帯状シート材1の上側に超音波溶着装置31が配置され、下側に支持ブロック32が配置される。支持ブロック32の上面には突起部32aが形成されている。この突起部32aと超音波溶着装置31のホーン部31aにより溶着箇所を挟持して溶着する。これにより、帯状シート材1にポケット状に形成された連続円筒形袋が形成され、コイルバネ7は1個が1つの袋に収納された状態になる。
【0031】
<コイルバネ姿勢変更工程>
以上のように、1つの袋に1つのコイルバネ7が収納された状態になった後、コイルバネ7の姿勢を変更させる。図9(a)は姿勢変更工程を示す平面図であり、図9(b)(c)は断面図である。コイルバネ7は、上下の帯状シート材10,11に圧縮された状態で収納されているが、圧縮状態を解除すると共に、コイルバネ7の姿勢を90゜変更させる。
【0032】
姿勢変更部材32が設けられており、図9に示すようにひっかけ部32aを備えている。姿勢変更部材32を上側帯状シート材10の表面に沿って移動させることで、ひっかけ部32aをコイルバネ7の上端に作用させる。これにより、図9(b)(c)に示すように、コイルバネ7の上端7aが少しずつ倒れていき、姿勢変更されると共に、コイルバネ7は圧縮状態を開放されて自由状態になる。コイルバネ7の姿勢が変更されると、上下の帯状シート材10,11の間の必要な空間部が大きくなるので、図9(a)に示すように、帯状シート材1(10,1)の幅は短くなる。なお、帯状シート材1は、コイルバネ7の両側に配置されたローラ200により搬送されている。
【0033】
図10は、コイルバネ7が開放された状態を示す図であり、(a)は平面図、(b)は断面図である。図11は、別の方向からみた断面図である。以上のようにして、連続ポケットコイルバネ列が製造される。製造されたポケットコイルバネを図11の方向から見ると、コイルバネ7の上端7a(あるいは下端7b)側の帯状シート材1の表面(側面部)は平坦に形成される。端部10a,11a同士が重ねられた箇所についても、単に重ねるのではなく、90゜折り曲げた状態にしてから重ねているので、ごく僅かな段差が形成されているが、不快な凹凸は形成されていない。
【0034】
また、帯状シート材1の折り畳み箇所も1か所でよいので、折り畳みのための機構も簡素化することができる。さらに、上下の帯状シート材1の端部10a,11aを折り曲げるための機構は、固定された折り曲げプレート20,21により行われるので、設備のコストを低減することができる。
【0035】
<別実施形態>
本実施形態では、端部11aが端部10aよりも外側になるように折り曲げているが、これを逆にして端部10aの方が外側になるように処理してもよい。
【0036】
本発明において、上側、下側という呼称は便宜上使用しているものである。従って、製品として使用される状態において、必ずしも上側と下側の関係が一致するものではない。
【符号の説明】
【0037】
1 帯状シート材
1D 開口部
2 第1折り畳みプレート
3 第2折り畳みプレート
7 コイルバネ
10 上側帯状シート材
11 下側帯状シート材
20 上側折り曲げプレート
21 下側折り曲げプレート
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通気性を有する帯状シート材によりポケット状に形成された連続円筒形袋の1袋に1個のコイルバネを収納して列状に形成された連続ポケットコイルバネ列を製造する方法であって、
前記帯状シート材を長手方向に沿って搬送しながら、幅中央部で折り畳んで半分または略半分の幅の上下二層の帯状シート材を形成する工程と、
前記コイルバネの高さを圧縮する工程と、
折り畳まれた前記帯状シート材の側面部に形成される開口部から前記圧縮されたコイルバネを順次挿入する工程と、
前記開口部を閉鎖して溶着する工程と、
隣接するコイルバネの間の帯状シート材部分を溶着する工程と、を有し、
前記開口部を閉鎖するに際し、折り畳まれて上下二層となった前記帯状シート材の上側帯状シート材と下側帯状シート材の前記開口部側の端部を夫々折り曲げて、端部どうしに重なり部を形成させる工程と、
前記重なり部を溶着して前記開口部を閉鎖する工程と、を有することを特徴とする連続ポケットコイルバネ列製造方法。
【請求項2】
前記端部の折り曲げは、折り曲げ形状に対応したプレートに沿わせて前記帯状シート材を搬送することで行われることを特徴とする請求項1に記載の連続ポケットコイルバネ列製造方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の製造方法により製造された連続ポケットコイルバネ列。
【請求項4】
通気性を有する帯状シート材によりポケット状に形成された連続円筒形袋の1袋に1個のコイルバネを収納して列状に形成された連続ポケットコイルバネ列であって、
前記連続円筒形袋は、前記帯状シート材を幅中央部で折り畳んで半分または略半分の幅の上下二層構造とし、この上下二層の帯状シート材の長手方向に沿って所定ピッチで溶着すると共に、前記上下二層の帯状シート材の長手方向端部同士を溶着して形成され、
前記長手方向の端部同士は、上下二層の一方の帯状シート材の端部を折り曲げ、その折り曲げ部の上に、もう一方の帯状シート材の端部を折り曲げて重なり部を形成させた上で溶着させていることを特徴とする連続ポケットコイルバネ列。
【請求項1】
通気性を有する帯状シート材によりポケット状に形成された連続円筒形袋の1袋に1個のコイルバネを収納して列状に形成された連続ポケットコイルバネ列を製造する方法であって、
前記帯状シート材を長手方向に沿って搬送しながら、幅中央部で折り畳んで半分または略半分の幅の上下二層の帯状シート材を形成する工程と、
前記コイルバネの高さを圧縮する工程と、
折り畳まれた前記帯状シート材の側面部に形成される開口部から前記圧縮されたコイルバネを順次挿入する工程と、
前記開口部を閉鎖して溶着する工程と、
隣接するコイルバネの間の帯状シート材部分を溶着する工程と、を有し、
前記開口部を閉鎖するに際し、折り畳まれて上下二層となった前記帯状シート材の上側帯状シート材と下側帯状シート材の前記開口部側の端部を夫々折り曲げて、端部どうしに重なり部を形成させる工程と、
前記重なり部を溶着して前記開口部を閉鎖する工程と、を有することを特徴とする連続ポケットコイルバネ列製造方法。
【請求項2】
前記端部の折り曲げは、折り曲げ形状に対応したプレートに沿わせて前記帯状シート材を搬送することで行われることを特徴とする請求項1に記載の連続ポケットコイルバネ列製造方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の製造方法により製造された連続ポケットコイルバネ列。
【請求項4】
通気性を有する帯状シート材によりポケット状に形成された連続円筒形袋の1袋に1個のコイルバネを収納して列状に形成された連続ポケットコイルバネ列であって、
前記連続円筒形袋は、前記帯状シート材を幅中央部で折り畳んで半分または略半分の幅の上下二層構造とし、この上下二層の帯状シート材の長手方向に沿って所定ピッチで溶着すると共に、前記上下二層の帯状シート材の長手方向端部同士を溶着して形成され、
前記長手方向の端部同士は、上下二層の一方の帯状シート材の端部を折り曲げ、その折り曲げ部の上に、もう一方の帯状シート材の端部を折り曲げて重なり部を形成させた上で溶着させていることを特徴とする連続ポケットコイルバネ列。
【図1】
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−239749(P2012−239749A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−114931(P2011−114931)
【出願日】平成23年5月23日(2011.5.23)
【出願人】(000187714)松下工業株式会社 (4)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月23日(2011.5.23)
【出願人】(000187714)松下工業株式会社 (4)
【Fターム(参考)】
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