説明

連続混合器

【課題】効果的に混合できるように仕切り壁をずらして角度を調整することができる連続混合器を提供する。
【解決手段】上部入口より下部出口を経て断面形状が連続的に変化し、垂直方向に伸長する第1変形通路を形成する第1中仕切羽根を有する第1エレメント200と、第1エレメン
ト側の下部出口と連結する第2外壁部内の上部入口より下部出口を経て断面形状が連続的に変化し、垂直方向に伸長する第2変形通路を形成する第2中仕切羽根を有する第2エレメント400と、を備え、被混合材料を第1エレメント側から投入し、第2エレメント側の
下部出口へ向かって通過させ、第1及び第2中仕切羽根による分割と合流を行う連続混合器であって、第1変形通路と第2変形通路とでは下部出口へ向かって回転して通過する方向が異なるように形成され、第1エレメント200と第2エレメント400を連結する際、第1エレメント200と第2エレメント400との接合位置を周方向に調整可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流動性のある被混合材料を混合する連続混合器に関し、更に詳細には、被混合材料を断面形状の変化した変形通路内を通すことによって被混合材料自体の断面形状を変化させて混合する連続混合器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、混合を必要とする材料には種々のものがある。その材料は、例えば、食べ物として愛用されている「うどん」や「そば」などの麺類の材料であり、その他、練り製品の材料、更にはモルタルやコンクリートなどである。
【0003】
このような混合を必要とする被混合材料は、混合するほど好ましい性状あるいは良好な性質や物性をしめすことが多く、従って、そのような被混合材料の場合には、予め十分な混合作業を必要とする。
【0004】
かかる被混合材料を混合する装置として、装置の断面形状が長手方向に亘って漸次変化する変形通路を備え、この変形通路を被混合材料の自重による自由落下により被混合材料を通過させ、被混合材料を効率的に混合する装置が知られている。
【0005】
例えば、特開平10−286449号公報の装置のエレメント11は、図17に示すように、一端に入口部Iが形成され、又他端に出口部Eが形成されている。この装置のエレメント11は、入口部Iを(図17の)左右に2分割する仕切り壁14で仕切られており、出口部Eも(図17の)上下に2分割する仕切り壁15で仕切られている。また、従来の装置は、このエレメント11を縦に複数接続して構成されている。図17では装置のエレメント11が2個それぞれの入口部I及び出口部Eに設けられたフランジFを介して接続して構成されている。
【0006】
そして、図18に示すように、入口部Iから中間部を介し出口部Eへ向かって、断面形状A,Bが連続的に変化し、且つほぼ軸方向(被混合材料を自由落下させる場合は垂直方向)に伸長する複数の変形通路12,13を備えている。なお、入口部Iの壁部14と出口部Eの壁部15とでは、仕切る位置が90°異なるように形成されている。これら各変形通路12,13は、各変形通路12,13を通る被混合材料を合流し且つ分割する合流分割機能を備えている。そして、流動性のある1又は2以上の被混合材料を入口部Iから投入し、自由落下により各変形通路12,13を出口部Eへ向かって通過させることによって混合する。
【0007】
そして、かかるエレメント11は、筒部、入口部I、出口部E、2つの変形通路12,13、仕切り壁14,15等が一体構造のものとして構成されている。
【0008】
また、各エレメント11は、それぞれの入口部I、出口部Eを相互に接続するための方形フランジFが形成されている。この方形フランジFには、複数のボルト穴が形成され、隣接するエレメント11同士はこのボルト穴を利用して端部同士がボルト止めされて接続される。
【特許文献1】特開平10−286449号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、自由落下する2種類の被混合材料を50:50に分割するために各変形通路
12,13をずらすずらし角度は、理論上は90°である。しかし、被混合材料の特性により、ずらし角度が必ずしも90°が適切であるとは限らない。例えば、被混合材料の性質(例えば粘性)や流量の違いによっては、ずらし角度が90°で通過させても、各変形通路による分割割合が50:50にならずに、例えば、20:80になって2種類が十分効果的に混合しないといった不具合が生じる。
【0010】
しかしながら、従来の装置は、筒部、変形通路、仕切り壁等がずらし角度が90°の一体構造でできており、効果的に混合できるように仕切り壁をずらして角度を調整することができなかった。
【0011】
本発明的は、かかる従来の問題点を解決するためになされたもので、効果的に混合できるように仕切り壁をずらして角度を調整することができる連続混合器を提供することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は連続混合器であり、前述した技術的課題を解決するために以下のように構成されている。
すなわち、本発明の連続混合器は、円筒状の第1外壁部内にあって、前記第1外壁部の上部入口より下部出口を経て内部空間の断面形状が連続的に変化し、且つ周方向に回転しながら垂直方向に伸長する第1変形通路を形成する第1中仕切羽根を有する第1エレメントと、
円筒状の第2外壁部内にあって、前記第1エレメント側の下部出口と係脱自在に連結する前記第2外壁部の上部入口より下部出口を経て内部空間の断面形状が連続的に変化し、且つ周方向に回転しながら垂直方向に伸長する第2変形通路を形成する第2中仕切羽根を有する第2エレメントを備え、
流動性のある2以上の被混合材料を前記第1エレメント側の上部入口から投入し、自由落下により前記第1及び第2変形通路を経て前記第2エレメント側の下部出口へ向かって通過させる過程において前記第1及び第2中仕切羽根による分割と合流を行うことによって混合する連続混合器であって、
前記第1変形通路と前記第2変形通路とでは前記下部出口へ向かって回転して通過する方向が異なるように形成され、
前記第1エレメントと前記第2エレメントの結合部の結合角度を周方向に調整可能とするような連結部材を備えていることを特徴とする。
【0013】
なお、前述の連続混合器において、前記第1エレメントの外壁部は、2個の中空円錐台形状部材を用い円錐台大径部同士を連結した形状であり、
前記第2エレメントの外壁部は、2個の中空円錐台形状部材を用い円錐台大径部同士を連結した形状である構成も本発明の連続混合器に含まれる。
【0014】
また、本発明の連続混合器は、一端に入口部が形成され、又他端に出口部が形成され、更に前記入口部と出口部とを連結する中間部が形成され、
前記入口部から前記中間部を経て前記出口部へ向かってその内部空間の断面形状が連続的に変化し、且つ周方向に回転しながら垂直方向に伸長する複数の変形通路とを備え、
流動性のある2以上の被混合材料を前記入口部から投入し、前記中間部を経て自由落下により前記各変形通路を前記出口部へ向かって通過させる過程において中仕切羽根による分割と合流を行うことによって混合する連続混合器において、
前記入口部は、中空円錐台形状であり、
前記中間部は、2個の中空円錐台形状部材を用い円錐台小径部同士を連結した形状であり、
前記出口部は、中空円錐台形状であり、
前記変形通路は、前記入口部と前記中間部との間の内部空間の断面形状を連続的に変化させ、且つ周方向に回転させる第1中仕切羽根と、前記出口部と前記中間部との間の内部空間の断面形状を連続的に変化させ、且つ周方向に回転させる第2中仕切羽根と、により形成され、
前記第1中仕切羽根が成す変形通路と、前記第1中仕切羽根が成す変形通路と、では前記出口部へ向かって回転して通過する方向が異なるように形成され、
前記入口部、前記中間部、前記出口部、第1中仕切羽根及び第2中仕切羽根がそれぞれ着脱自在に形成されている連続混合器であって、
前記入口部と前記中間部、及び前記中間部と前記出口部を着脱自在に連結する連結部材を備え、
この連結部材は、前記中間部と前記出口部との接合位置を周方向に調整可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明の連続混合器の構成によれば、被混合材料の性質(例えば粘性)や流量の違いに応じて仕切り壁をずらし角度調整を可能にしたことにより、被混合材料の性質(例えば粘性)や流量が違っても使用できるといった汎用性が高くなった。例えば、生産日によって混合対象となる被混合材料の種類が変わるような場合に、それらの性質に応じた最適な混合効率が得られるように調整が可能となる。また、流量が変化した場合に最適な混合効率が得られるように調整が可能となる。
【0016】
従って、本発明の連続混合器は、効果的に混合できるように仕切り壁をずらして角度を調整することができる連続混合器を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明にかかる連続混合器を図1〜図16に示される実施形態1及び実施形態2について更に詳細に説明する。
【0018】
[実施形態1の構成]
図1には、実施形態1に係る連続混合器100が示されている。
この連続混合器100は、第1エレメント200と、第2エレメント400と、第1エレメント200と第2エレメントを周方向調整可能に連結する連結部材(小クランプ)8と、から構成される。
【0019】
第1エレメント200は、円筒状の第1外壁部と、この第1外壁部内にあって、第1外壁部内の上部入口より下部出口を経て断面形状が連続的に変化し、且つほぼ垂直方向に伸長する第1変形通路を形成する第1中仕切羽根500(図2参照)と、を有する。また、第1外壁部は、その両端にリング形状を有する小フェルール21,21(図1参照)が形成されている。小フェルール21の端面にはそれぞれOリング溝が穿設されている。
【0020】
第2エレメント400は、円筒状の第2外壁部と、この第2外壁部内にあって、第2外壁部内の上部入口より下部出口を経て断面形状が連続的に変化し、且つほぼ垂直方向に伸長する第2変形通路を形成する第2中仕切羽根600(図3参照)と、を有する。また、第2外壁部は、その両端にリング形状を有する小フェルール21,21が形成されている。小フェルール21の端面にはそれぞれOリング溝が穿設されている。
【0021】
そして、第1変形通路は、上部入口より下部出口に向かう内部空間の断面形状を時計回り(右周り)に連続的に変化させる第1中仕切羽根(上部中仕切羽根)500により形成される。また、第2変形通路は、上部入口より下部出口に向かう内部空間の断面形状を反時計回り(左周り)に連続的に変化させる第2中仕切羽根(下部中仕切羽根)600によ
り形成される。
【0022】
第1中仕切羽根(上部中仕切羽根)500は、図2に示すように、交差する板部材51,52,53で形成される。板部材51,52,53は、第1外壁部が形成する筒内部に収納可能に形成されている。そして、上部中仕切羽根500の上部において、板部材51は、筒収納時には、図2(a)の平面図に示すように、第1外壁部の上部入口を2分割する仕切り壁を形成し、板部材52,53は、板部材51の左右から交差し第1変形通路を時計回り(右周り)にすべく固定されている(図2(b)(c)(d)参照)。そして、板部材53は、図2(e)の底面図に示すように、第1外壁部の下部出口を2分割する仕切り壁を形成する。
【0023】
第2中仕切羽根(下部中仕切羽根)600は、図3に示すように、交差する板部材61,62,63で形成される。板部材61,62,63は、第2外壁部が形成する筒内部に収納可能に形成されている。そして、下部中仕切羽根600の上部において、板部材62は、筒収納時には、図3(a)の平面図に示すように、第2外壁部の上部入口を2分割する仕切り壁を形成し、板部材61,63は、板部材62の左右から交差し第2変形通路を反時計回り(左周り)にすべく固定されている(図3(b)(c)(d)参照)。そして、板部材61は、図3(e)の底面図に示すように、第2外壁部の下部出口を2分割する仕切り壁を形成する。
【0024】
そして、図1は、連続混合器100を組み付けた状態を示している。また、図4(a)は第1外壁部の上部入口のA−A断面図を示し、図4(b)は第1外壁部の中間部のB−B断面図を示し、図4(c)は第2外壁部の中間部のC−C断面図を示している。
【0025】
[実施形態1の作用]
次に、この実施の形態1に係る連続混合器100の作用を説明する。
図5の第1エレメント200に示すように、2種類の被混合材料(例えば粉粒体A,B)を上部エレメント200の上部入口より投入する場合で説明する。
【0026】
粉粒体Aを材料注入口Aより注入し、粉粒体Bを材料注入口Bより注入すると、材料注入口Aから投入される粉粒体Aは、板部材51、53に沿って右回りに内部空間の断面形状が連続的に変化する中を落下する。また、材料注入口Bから投入される粉粒体Bは、板部材51、52に沿って右回りに内部空間の断面形状が連続的に変化する中を落下する。
【0027】
上部エレメント200の下部出口まで落下した粉粒体A,Bは、下部中仕切羽根600により、イの方向(図6参照)に落下するものと、ロの方向に落下するものに分かれる。すなわち、材料注入口Aから注入された粉粒体Aは、下部中仕切羽根600により、イの方向に落下するものと、ロの方向に落下するものに分かれる。一方、材料注入口Bから注入された粉粒体Bは、下部中仕切羽根600により、イの方向に落下するものと、ロの方向に落下するものに分かれる。これによって、中仕切羽根による分割と合流を行うことによって材料注入口Aから注入された粉粒体Aと材料注入口Bから注入された粉粒体Bとが混合される。
【0028】
そして、上部エレメント200と下部エレメント400を接合する際、小クランプ8を介し、被混合材料の性質(例えば粘性)や流量の違いに応じて上部エレメント200と下部エレメント400の接合部分をずらして角度調整(角度を90度より大きく、又は小さく)を可能とすることで、被混合材料の性質(例えば粘性)や流量が違っても使用できるといった汎用性が高くなる。例えば、生産日によって混合対象となる被混合材料の種類が変わるような場合に、それらの性質に応じた最適な混合効率が得られるように調整が可能となる。また、流量が変化した場合に最適な混合効率が得られるように調整が可能となる

【0029】
また、イの地点で混合された粉粒体A,Bは、下部中仕切羽根600を通過する毎にX方向とY方向とに分かれて落下するので、実施の形態2に係わる連続混合器100の接続数を増やすことでより効果的に均一に混合されることになる。
【0030】
[実施形態2の構成]
次に、実施形態2に係わる連続混合器1構成を説明する。
図7には、本発明に係る実施形態1に係る連続混合器1が示されている。
この連続混合器1は、入口部である上部ケーシング2と、出口部である下部ケーシング4と、上部ケーシング2と下部ケーシング4とを連結する中間部ケーシング3と、で形成されている。
【0031】
そして、上部ケーシング2と中間部ケーシング3は連結部材である大クランプ7で係脱自在に連結されている。また、下部ケーシング4と中間部ケーシング3も大クランプ7で連結されている。なお、小クランプ8は連続混合器1同士を係脱自在に連結する連結部材であり、図示した上部ケーシング2と図示しない連続混合器の下部ケーシング4とを係脱自在に連結する。
【0032】
上部ケーシング2は、図8に示すように、中空円錐台形状の本体22と、この本体22の小径側に接続しリング形状を有する小フェルール21と、本体22の大径側に接続しリング形状を有する大フェルール23と、で形成されている。小フェルール21と大フェルール23の端面にはそれぞれOリング溝21a,23aが穿設されている。
【0033】
中間部ケーシング3は、図9に示すように、円錐台小径部同士を連結した2個の中空円錐台形状部32,33と、この中空円錐台形状部32,33の大径側に接続しリング形状を有する大フェルール31,34と、で形成されている。大フェルール31,34の端面にはそれぞれOリング溝31a,34aが穿設されている。また、中空円錐台形状部32には、筒状中間位置に内部に向かって突出するピン(第1突起)35,35が、図10の断面図に示すように、180°位置に向かい合って筒壁に設けられている。このピン35,35は円柱状に形成され、後述する第1中仕切羽根5の第1係合部と係合し第1中仕切羽根5の周方向移動を防止する。
【0034】
下部ケーシング4は、図11に示すように、中空円錐台形状の本体42と、この本体42の大径側に接続しリング形状を有する大フェルール41と、本体42の小径側に接続しリング形状を有する小フェルール43と、で形成されている。大フェルール41と小フェルール43の端面にはそれぞれOリング溝41a,43aが穿設されている。また、本体42には、筒状中間位置に内部に向かって突出するピン(突起)44,44が、図12の断面図に示すように、180°位置に向かい合って設けられている。このピン44,44は円柱状に形成され、後述する第2中仕切羽根6の第2係合部と係合し第2中仕切羽根6の周方向移動を防止する。
【0035】
連続混合器1は、上部ケーシング2から中間部ケーシング3へ向かって断面形状が連続的に変化し、且つ周方向に回転させて垂直方向に伸長する第1の変形通路と、中間部ケーシング3から下部ケーシング4へ向かって断面形状が連続的に変化し、且つ周方向に回転させて垂直方向に伸長する第2の変形通路を形成する。
【0036】
そして、第1の変形通路は、上部ケーシング2から中間部ケーシング3に向かう内部空間の断面形状を時計回り(右周り)に連続的に変化させる第1中仕切羽根(上部中仕切羽根)5により形成される。第2の変形通路は、中間部ケーシング3から下部ケーシング4
に向かう内部空間の断面形状を反時計回り(左周り)に連続的に変化させる第2中仕切羽根(下部中仕切羽根)6により形成される。
【0037】
第1中仕切羽根(上部中仕切羽根)5は、図13に示すように、交差する板部材51,52,53で形成される。板部材51,52,53は、上部ケーシング2と中間部ケーシング3とが形成する筒内部に収納可能に形成されている。そして、上部中仕切羽根5の上部において、板部材51は、筒収納時には、図13(a)の平面図に示すように、上部ケーシング2の入り口を2分割する仕切り壁を形成し、板部材52,53は、板部材51の左右から交差し第1の変形通路を時計回り(右周り)にすべく固定されている(図13(b)(C)(d)参照)。そして、板部材53は、図13(e)の底面図に示すように、中間部ケーシング3の中央部を2分割する仕切り壁を形成する。また、板部材52,53には、それぞれ第1係合部54,54が、180°位置に設けられている。この第1係合部54,54はU形の溝を有し、このU溝がピン35,35と係合し第1中仕切羽根5の周方向移動を防止する。
【0038】
第2中仕切羽根(下部中仕切羽根)6は、図14に示すように、交差する板部材61,62,63で形成される。板部材61,62,63は、中間部ケーシング3と下部ケーシング4とが形成する筒内部に収納可能に形成されている。そして、下部中仕切羽根6の上部において、板部材62は、筒収納時には、図14(a)の平面図に示すように、中間部ケーシング3の中央部を2分割する仕切り壁を形成し、板部材61,63は、板部材62の左右から交差し第2の変形通路を反時計回り(左周り)にすべく固定されている(図14(b)(c)(d)参照)。そして、板部材61は、図14(e)の底面図に示すように、下部ケーシング4の出口を2分割する仕切り壁を形成する。また、板部材61,63には、それぞれ第2係合部64,64が、180°位置に設けられている。この第2係合部64,64はU形の溝を有し、このU溝がピン44,44と係合し第2中仕切羽根6の周方向移動を防止する。
【0039】
そして、図15は、図7の正面図に対する側面図であり、連続混合器1を組み付けた状態を示している。また、図16(a)は上部ケーシング2の入り口のA−A断面図を示し、図16(b)は中間部ケーシング3の入り口のB−B断面図を示し、図16(c)は下部ケーシング4の入り口のC−C断面図を示している。
【0040】
[実施形態2の作用]
次に、この実施形態2に係る連続混合器1の作用を実施形態1で用いた図5,6を用いて説明する。また、図5の第1エレメント200の場合と同様に、2種類の被混合材料(例えば粉粒体A,B)を上部ケーシング2の入り口より投入する場合で説明する。
【0041】
粉粒体Aを材料注入口Aより注入し、粉粒体Bを材料注入口Bより注入すると、材料注入口Aから投入される粉粒体Aは、板部材51、53に沿って右回りに内部空間の断面形状が連続的に変化する中を落下する。また、材料注入口Bから投入される粉粒体Bは、板部材51、52に沿って右回りに内部空間の断面形状が連続的に変化する中を落下する。
【0042】
中間部ケーシング3の中央部まで落下した粉粒体A,Bは、下部中仕切羽根6により、イの方向(図6参照)に落下するものと、ロの方向に落下するものに分かれる。すなわち、材料注入口Aから注入された粉粒体Aは、下部中仕切羽根6により、イの方向に落下するものと、ロの方向に落下するものに分かれる。一方、材料注入口Bから注入された粉粒体Bは、下部中仕切羽根6により、イの方向に落下するものと、ロの方向に落下するものに分かれる。これによって、中仕切羽根による分割と合流を行うことによって材料注入口Aから注入された粉粒体Aと材料注入口Bから注入された粉粒体Bとが混合される。
【0043】
そして、被混合材料の種類や流量の違いに応じて出口部4の外壁を捻って小クランプ8を介して入口部2及び中間部3と接合することにより、仕切り壁をずらして角度の調整(角度を90度より大きく、又は小さく)が可能となり、被混合材料の性質(例えば粘性)や流量が違っても使用できるといった汎用性が高くなる。例えば、生産日によって混合対象となる被混合材料の種類が変わるような場合に、それらの性質に応じた最適な混合効率が得られるように調整が可能となる。また、流量が変化した場合に最適な混合効率が得られるように調整が可能となる。
【0044】
また、イの地点で混合された粉粒体A,Bは、下部中仕切羽根6を通過する毎にX方向とY方向とに分かれて落下するので、実施の形態1に摩る連続混合器1の接続数を増やすことでより効果的に均一に混合されることになる。
【0045】
更に、この実施形態2に係る連続混合器1は、連続する連続混合器1の数及び大きさを調整することによって、歯科用材料、接着剤、化粧品、食品、セメント等の粉粒体の混合に用いることが可能である。なお、被混合材料は、粉体、球状体、顆粒体などの粉粒体の他、液体、固液混合体等の流動性のある材料が含まれる。
【0046】
そして、この実施形態2に係る連続混合器1は、上部ケーシング2、中間部ケーシング3、下部ケーシング4、上部中仕切羽根5及び下部中仕切羽根6が係着自在で分解可能な構成になっており、内部の清掃、メンテナンスの作業が容易にできる顕著な効果を有している。また、組み付け時にも、上部ケーシング2と中間部ケーシング3、中間部ケーシング3と下部ケーシング4を連結部材で係着自在に連結するので、従来のボルト締めに比して組み付けが容易である。
【0047】
なお、前述の実施形態1,2では、連結部材としてフェルールをクランプする場合で説明したが、連結部材は、フェルールをクランプする場合に限定されるものではなく、フランジを取り付けてボルトで接合しても良いし、ビクトリックジョイントを用いてもよい。すなわち、連続混合器としては、要求される混合能力に応じて大きさが様々であり、非常に小さい物であれば(例えば直径5cm程度)の場合であれば、フェルールをクランプする場合が好ましく、中程度(例えば直径10cm〜15cm程度)の場合であれば、汎用のビクトリックジョイントを用いるのが好ましく、それより大型の場合は、フランジを取り付けてボルトにより接合する方法が好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の実施形態1に係る連続混合器を示す正面図である。
【図2】実施形態1に係る第1中仕切羽根の外形図であり、(a)は平面図を示し、(b)は左側面図を示し、(c)は正面図を示し、(d)は右側面図を示し、(e)は底面図を示す。
【図3】実施形態1に係る第2中仕切羽根の外形図であり、(a)は平面図を示し、(b)は左側面図を示し、(c)は正面図を示し、(d)は右側面図を示し、(e)は底面図を示す。
【図4】図1の各部断面図であり、(a)はA−A断面図を示し、(b)はB−B断面図を示し、(c)はC−C断面図を示す。
【図5】本発明の連続混合器の使用状態を示す斜視図である。
【図6】本発明の連続混合器の第1中仕切羽根と第2中仕切羽根の使用状態を示す正面図である。
【図7】本発明の実施形態2に係る連続混合器を示す正面図である。
【図8】本発明の実施形態2に係る入口部(上部ケーシング)の断面図である。
【図9】本発明の実施形態2に係る中間部(中間部ケーシング)の断面図である。
【図10】図9のA−A断面図である。
【図11】本発明の実施形態2に係る出口部(下部ケーシング)の断面図である。
【図12】図11のB−B断面図である。
【図13】第1中仕切羽根の外形図であり、(a)は平面図を示し、(b)は左側面図を示し、(c)は正面図を示し、(d)は右側面図を示し、(e)は底面図を示す。
【図14】第2中仕切羽根の外形図であり、(a)は平面図を示し、(b)は左側面図を示し、(c)は正面図を示し、(d)は右側面図を示し、(e)は底面図を示す。
【図15】図7の正面図に対する側面図である。
【図16】図15の各部断面図であり、(a)はA−A断面図を示し、(b)はB−B断面図を示し、(c)はC−C断面図を示す。
【図17】従来の連続混合器を示す斜視図である。
【図18】従来の連続混合器の使用状態を説明する説明図である。
【符号の説明】
【0049】
1(100) 連続混合器
2 入口部(上部ケーシング)
3 中間部(中間部ケーシング)
4 出口部(下部ケーシング)
5 第1中仕切羽根
6 第2中仕切羽根
7 連結部材(大クランプ)
8 連結部材(小クランプ)
7 連結部材(大クランプ)
35 第1突起
44 第2突起
54 第1係合部
64 第2係合部
100 連続混合器
200 第1エレメント(上部エレメント)
400 第2エレメント(下部エレメント)
500 第1中仕切羽根
600 第2中仕切羽根

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状の第1外壁部内にあって、前記第1外壁部の上部入口より下部出口を経て内部空間の断面形状が連続的に変化し、且つ周方向に回転しながら垂直方向に伸長する第1変形通路を形成する第1中仕切羽根を有する第1エレメントと、
円筒状の第2外壁部内にあって、前記第1エレメント側の下部出口と係脱自在に連結する前記第2外壁部の上部入口より下部出口を経て内部空間の断面形状が連続的に変化し、且つ周方向に回転しながら垂直方向に伸長する第2変形通路を形成する第2中仕切羽根を有する第2エレメントを備え、
流動性のある2以上の被混合材料を前記第1エレメント側の上部入口から投入し、自由落下により前記第1及び第2変形通路を経て前記第2エレメント側の下部出口へ向かって通過させる過程において前記第1及び第2中仕切羽根による分割と合流を行うことによって混合する連続混合器であって、
前記第1変形通路と前記第2変形通路とでは前記下部出口へ向かって回転して通過する方向が異なるように形成され、
前記第1エレメントと前記第2エレメントの結合部の結合角度を周方向に調整可能とするような連結部材を備えていることを特徴とする連続混合器。
【請求項2】
前記第1エレメントの外壁部は、2個の中空円錐台形状部材を用い円錐台大径部同士を連結した形状であり、
前記第2エレメントの外壁部は、2個の中空円錐台形状部材を用い円錐台大径部同士を連結した形状であることを特徴とする請求項1に記載の連続混合器。
【請求項3】
一端に入口部が形成され、又他端に出口部が形成され、更に前記入口部と出口部とを連結する中間部が形成され、
前記入口部から前記中間部を経て前記出口部へ向かってその内部空間の断面形状が連続的に変化し、且つ周方向に回転しながら垂直方向に伸長する複数の変形通路とを備え、
流動性のある2以上の被混合材料を前記入口部から投入し、前記中間部を経て自由落下により前記各変形通路を前記出口部へ向かって通過させる過程において中仕切羽根による分割と合流を行うことによって混合する連続混合器において、
前記入口部は、中空円錐台形状であり、
前記中間部は、2個の中空円錐台形状部材を用い円錐台小径部同士を連結した形状であり、
前記出口部は、中空円錐台形状であり、
前記変形通路は、前記入口部と前記中間部との間の内部空間の断面形状を連続的に変化させ、且つ周方向に回転させる第1中仕切羽根と、前記出口部と前記中間部との間の内部空間の断面形状を連続的に変化させ、且つ周方向に回転させる第2中仕切羽根と、により形成され、
前記第1中仕切羽根が成す変形通路と、前記第1中仕切羽根が成す変形通路と、では前記出口部へ向かって回転して通過する方向が異なるように形成され、
前記入口部、前記中間部、前記出口部、第1中仕切羽根及び第2中仕切羽根がそれぞれ着脱自在に形成されている連続混合器であって、
前記入口部と前記中間部、及び前記中間部と前記出口部を着脱自在に連結する連結部材を備え、
この連結部材は、前記中間部と前記出口部との接合位置を周方向に調整可能であることを特徴とする連続混合器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2007−203156(P2007−203156A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−22916(P2006−22916)
【出願日】平成18年1月31日(2006.1.31)
【出願人】(000201478)前田建設工業株式会社 (358)
【Fターム(参考)】