説明

連続炊飯装置

【課題】加熱効率の向上および加熱時間の短縮化を図り良好な炊飯を実現することができるとともに、作業環境の良化、室内の空調負荷を低減させる連続炊飯装置を提供する。
【解決手段】耐熱金属繊維を使用した表面燃焼部材で全一次空気予混合ガスを赤熱状態で燃焼させる矩形状のバーナヘッドを有し、矩形状のバーナヘッドの長辺を前記炊飯釜の搬送方向に略平行として前記炊飯釜の搬送方向と略直交する方向に互いに間隔を設けて複数配置した表面燃焼バーナユニットと、炊飯釜の搬送方向の両サイドに設けた縦壁部215と、表面燃焼バーナユニット、縦壁部と炊飯釜の底面および側面部によりトンネル状の加熱室を前記炊飯釜の搬送方向に形成し、両サイドに設けた各々の縦壁部に開口220を設け、開口から加熱室内の排気ガスを導出させて炊飯釜の搬入開口、搬出開口からの排気ガスの流出を抑制するようにしたことを特徴とする連続炊飯装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、特に学校、病院等の給食のように、連続的かつ大量に炊飯を行う連続炊飯装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のガス燃焼バーナを加熱源に用い、コンベアにより炊飯釜を一方向に連続して搬送、移動させながら炊飯を行う連続炊飯装置としては、下記のものが知られている。
【0003】
直線走行するコンベアによって加熱室内を直線走行する炊飯釜の底面部を走行路に沿って連続的に赤外線加熱を行うための赤外線バーナを配置した連続炊飯装置としたものである(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平2−32733号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記特許文献1に記載されたものは、炊飯釜の底面の全面に亘って赤外線バーナを配置し、この赤外線バーナによって加熱室内を直線走行する炊飯釜を加熱するものであるため、炊飯釜の底面の全面に、上昇する炊飯水の対流と下降する炊飯水の対流とがランダムに混在して安定せず、また、炊飯水の上面まで到達する上昇対流経路が形成しにくく、これらの循環経路を確実に形成することができない。このため炊飯水の上下方向に温度差を生じやすく、良好な炊飯を行うことが困難であった。
【0006】
また、赤外線バーナ、仕切壁、炊飯釜の底面、側面によって区画した加熱室を形成するが、赤外線バーナの燃焼ガスの発生によって加熱室内の圧力が上昇し、排気ガスが炊飯釜の搬入開口および搬出開口から外部に流出しやすく、これによって、作業環境の悪化、室内の空調負荷の増大となる課題を有している。
【0007】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、加熱効率の向上および加熱時間の短縮化を図り良好な炊飯を実現することができるとともに、作業環境の良化、室内の空調負荷を低減させる連続炊飯装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の連続炊飯装置は、米と炊飯水を収容した炊飯釜を一方向に連続的に搬送する搬送手段と、前記搬送手段により搬送される前記炊飯釜の下方に空間を隔てて配置した加熱バーナを備えた連続炊飯装置であって、耐熱金属繊維を使用した表面燃焼部材で全一次空気予混合ガスを赤熱状態で燃焼させる矩形状のバーナヘッドを有し、前記矩形状のバーナヘッドの長辺を前記炊飯釜の搬送方向に略平行として前記炊飯釜の搬送方向と略直交する方向に互いに間隔を設けて複数配置した表面燃焼バーナユニットと、前記炊飯釜の搬送方向の両サイドに設けた縦壁部と、前記表面燃焼バーナユニット、縦壁部と炊飯釜の底面および側面部によりトンネル状の加熱室を前記炊飯釜の搬送方向に形成し、前記両サイドに設けた各々の縦壁部に開口を設け、前記開口から加熱室内の排気ガスを導出させて前記炊飯釜の搬入開口、搬出開口からの排気ガスの流出を抑制するようにしたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の連続炊飯装置によれば、加熱効率の向上および加熱時間の短縮化を図り良好な炊飯を実現することができるとともに、作業環境の良化、室内の空調負荷を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態の連続炊飯装置の全体を示す外観正面図。
【図2】連続炊飯装置の炊飯釜の搬入方向から見た外観側面図。
【図3】連続炊飯装置の外観平面図。
【図4】連続炊飯装置の正面側要部構成図。
【図5】図4中のA−A線における断面構成図。
【図6】縦壁部の一部斜視図。
【図7】仕切壁の構成図。
【図8】図5中のB−B線における断面構成図。
【図9】図8中のC−C線における断面構成図。
【図10】図8中のD−D線における断面構成図。
【図11】耐熱金属繊維を使用した表面燃焼バーナユニットの平面構成図。
【図12】図11中のE−E線における一部断面構成図。
【図13】(a)第1のバーナヘッドの平面図。 (b)同長辺方向の側面図。 (c)同短辺方向の側面図。
【図14】(a)第2のバーナヘッドの平面図。 (b)同長辺方向の側面図。 (c)同短辺方向の側面図。
【図15】図11中のF−F線における一部断面構成図。
【図16】燃焼系統の基本構成を示すブロック構成図。
【図17】炊飯釜加熱時の釜内の対流状態を示す図。
【図18】表面燃焼部材の赤熱燃焼中に青色燃焼火炎を混在させた状態図。
【図19】図5中のB−B線における断面構成図に対応した表面燃焼バーナユニットの他の実施例を示す平面構成図。
【図20】図5中のB−B線における断面構成図に対応した表面燃焼バーナユニットの他の実施例を示す平面構成図。
【図21】図5中のB−B線における断面構成図に対応した表面燃焼バーナユニットの他の実施例を示す平面構成図。
【図22】図5中のB−B線における断面構成図に対応した表面燃焼バーナユニットの他の実施例を示す平面構成図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の請求項1に記載の発明は、米と炊飯水を収容した炊飯釜を一方向に連続的に搬送する搬送手段と、前記搬送手段により搬送される前記炊飯釜の下方に空間を隔てて配置した加熱バーナを備えた連続炊飯装置であって、耐熱金属繊維を使用した表面燃焼部材で全一次空気予混合ガスを赤熱状態で燃焼させる矩形状のバーナヘッドを有し、前記矩形状のバーナヘッドの長辺を前記炊飯釜の搬送方向に略平行として前記炊飯釜の搬送方向と略直交する方向に互いに間隔を設けて複数配置した表面燃焼バーナユニットと、前記炊飯釜の搬送方向の両サイドに設けた縦壁部と、前記表面燃焼バーナユニット、縦壁部と炊飯釜の底面および側面部によりトンネル状の加熱室を前記炊飯釜の搬送方向に形成し、前記両サイドに設けた各々の縦壁部に開口を設け、前記開口から加熱室内の排気ガスを導出させて前記炊飯釜の搬入開口、搬出開口からの排気ガスの流出を抑制するようにしたことを特徴とする連続炊飯装置としたものである。
【0012】
これにより、矩形状のバーナヘッドの表面燃焼部材の位置する炊飯釜の底部を輻射熱により集中して加熱し、上面に達する強力な炊飯水の上昇対流経路を形成させることができる。したがって、炊飯水の上下温度差を無くすとともに、炊飯釜内に上下に対流する炊飯水の循環経路を隙間無く確実に形成させて、米の膨潤、糊化を上下方向において均一化し、バラツキの無い均質な炊飯米を得ることができる。
【0013】
また、矩形状のバーナヘッドの長辺を炊飯釜の搬送方向に略平行に配置することによって、移動する炊飯釜内の同一位置に上下に対流する循環経路を連続して形成させることができる。
【0014】
さらに、加熱室内の圧力を下げて炊飯釜の搬入開口、搬出開口からの排気ガスの流出を抑制することができる。
【0015】
したがって、加熱効率の向上および加熱時間の短縮化を図り良好な炊飯を実現することができるとともに、作業環境の良化、室内の空調負荷を低減させることができる。
【0016】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、炊飯釜の搬送方向に炊き上げ加熱ゾーン、沸騰維持加熱ゾーン、焼き上げ加熱ゾーンを備え、前記各々のゾーンごとに表面燃焼ユニット、縦壁部を有し、前記各々のゾーンごとに前記縦壁部に設けた開口から加熱室内の排気ガスを導出させることを特徴とする連続炊飯装置としたものである。
【0017】
これにより、各ゾーンの加熱室間の圧力差を低減し、加熱室内の排気ガスが炊飯釜の搬送方向に流れるのを抑制することができる。したがって、炊き上げ加熱ゾーン、沸騰維持加熱ゾーン、焼き上げ加熱ゾーンにおける燃焼の安定化および炊飯釜の加熱量を安定化させて均質な炊飯米を得ることができる。
【0018】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、加熱室内からの排気ガスの導出量を調節可能としたことを特徴とする連続炊飯装置としたものである。
【0019】
これにより、加熱室から導出する排気ガスの量を増減させ、加熱室内の圧力を最適条件に調節することができる。したがって、より確実に炊飯釜の搬入開口、搬出開口からの排気ガスの流出を抑制して作業環境の良化、室内の空調負荷を低減させることができる。
【0020】
以下、本発明の一実施形態の連続炊飯装置について図1〜図22を参照しながら説明する。
【0021】
先ず、本発明の連続炊飯装置の基本的な構成を説明する。本発明の連続炊飯装置は、大きく分けて本体外郭部100と、本体外郭部100の内側に配置した本体内郭部200、本体内郭部200の内側に位置する炊飯釜300および耐熱金属繊維を使用した表面燃焼バーナユニット(加熱手段)400、ガスと燃焼用空気を混合した予混合ガスを表面燃焼バーナユニット400に供給する予混合ガス供給手段500からなる。
【0022】
本体外郭部100は、主に図1〜図5に示すように、複数の脚102を床面側に固定した骨格部材101をベースに、下方部に位置する正面下部ケース103、側面下部ケース104を配置し、正面下部ケース103には開口103a、103bを設けている。なお、骨格部材101にバーナユニット固定部材101aを固定している。正面下部ケース103の上部に連設して側面部に延設した正面中間ケース105を設け、さらに正面中間ケース105に連設して側面視半円状の天板ケース106を設け、この天板ケース106の両側面に側面天板ケース107を固定している。
【0023】
また、側面下部ケース104、正面中間ケース105、側面天板ケース107で囲まれた開口部分を炊飯釜300の搬入開口108(右側面)および搬出開口109(左側面)としているものである。なお、排気筒212の外周面と天板ケース106とに間隔をあけて開口106aを形成している(図5参照)。
【0024】
また、本体内郭部200は、主に図5〜図9に示すように、正面中間ケース105の内側に間隔を有して仕切壁201、天板ケース106の内側に間隔を有して仕切壁202を両サイドに位置させて、正面中間ケース105と仕切壁201との間隔に空気通路203、天板ケース106と仕切壁202との間隔に、正面下部ケース103に形成した開口103aと連通する空気通路204を形成している。
【0025】
また、仕切壁201の内側に間隔を有して仕切壁205、仕切壁202の内側に間隔を有して仕切壁206を両サイドに位置させて、仕切壁201と仕切壁205との間隔に空気通路207、仕切壁202と仕切壁206との間隔に空気通路208を形成している。なお、図5中の実線矢印は空気の流れ方向を示す。
【0026】
各仕切壁には、例えば、図7に示すように二枚の波状に形成した金属板同士を部分的に接合し、内部に空気層を含むように構成したもの、二枚の金属板同士の間に断熱材をサンドイッチし遮熱性を高めた材料を用いることができる。
【0027】
また、仕切壁205の内側に間隔を有して仕切壁209を両サイドに位置させ、さらに仕切壁209の内側に間隔を有して仕切壁210を位置させている。この仕切壁209と仕切壁210との間隔に空気排気ガス通路211を形成している。仕切壁206に接触し天板ケース106の中央部分にダンパー(図示なし)を有する排気筒212を設けている。排気ガスは排気筒212の出口から、フード(図示なし)を介して屋外に排出される。なお、排気筒212は炊き上げ加熱ゾーンA、沸騰維持加熱ゾーンB、焼き上げ加熱ゾーンCの各々に対応して設けている。
【0028】
仕切壁210の内側に炊飯釜300の搬送方向に沿って一対の無端状のコンベア(搬送手段)213を位置させ、このコンベア213はコンベア支持体214に支持されて回動する。
【0029】
炊飯釜300の両サイドであって炊飯釜300の搬送方向に略平行に縦壁部215を設けている。この縦壁部215は図6、図9に示すように、外ケース216と内ケース217で箱状として内部に断熱材219を挟持している。内ケース217には、複数の開口220が形成されており、また、外ケース216にはダンパー221aを有する排気ダクト221を開口220に対向して複数設けている。また、断熱材219には開口220と排気ダクト221を導通させる排気ガス通路218を形成している。なお、内ケース217の内面(炊飯釜300側)は、鏡面仕上げ、熱反射率の高い材料として熱を効果的に反射する構成としている。
【0030】
縦壁部215はバーナユニット固定部材101a上に固定し、炊き上げ加熱ゾーンA、沸騰維持加熱ゾーンB、焼き上げ加熱ゾーンCの各々に対応して炊飯釜300の搬送方向に平行な両サイドに複数設けている。
【0031】
炊飯釜300の搬入開口108部には炊飯釜300に形成した両サイドのフランジをコンベア213に載せるための搬入ローラ222を設け、また、炊飯釜300の搬出開口109部には炊飯釜300をコンベア213から外して取り出す搬出ローラ223を設けている。
【0032】
図5に示すように、炊飯釜300の上部であって仕切壁206の内側に排気ガス集合空間225を形成し、ここに炊飯釜300に注水する炊飯水等を予熱する水熱交換器224を位置させている。
【0033】
蓋301を有する炊飯釜300の底面および側面と、縦壁部215、耐熱金属繊維を使用した表面燃焼バーナユニット400で囲まれた空間に炊飯釜300の搬入開口108から搬出開口109にかけてトンネル状の加熱室302を構成しているものである。なお、縦壁部215の下部は表面燃焼バーナユニット400の両サイドに連接して固定している。
【0034】
図8に示すように、表面燃焼バーナユニット400は炊飯釜300の底面に対向して炊飯釜300の搬送方向に複数(実施形態では3ユニット)配置し、バーナ固定部材101aに固定している。
【0035】
図9〜15に示すように、表面燃焼部材として耐熱金属繊維を使用した表面燃焼バーナユニット400は、炊飯釜300の搬送方向と略直交する方向に上面視で矩形状の第1のバーナヘッド401と炊飯釜300の搬送方向に略平行な方向に上面視で矩形状の複数の第2のバーナヘッド406を有している。
【0036】
第1のバーナヘッド401と複数の第2のバーナヘッド406は、矩形状の複数の第2のバーナヘッド406の一方の短辺407b側の側面が、第1のバーナヘッド401の長辺の一方の側面402aに近接または接触するようにして櫛歯状に構成、配置している。
【0037】
表面燃焼部材としては、耐熱金属繊維をニット状に編んだメタルニットと、耐熱金属繊維を多孔基材上にランダムに積層し固着したメタルファイバーマットがある。表面燃焼部材405、405a、410、410a、410b、410cに、前記いずれかを表面燃焼部材として用い、同様に実施することができる。
【0038】
メタルニット、メタルファイバーマットは、耐熱金属繊維の表面部で薄い膜状の燃焼火炎を形成し、燃焼開始から瞬時に表面部が赤熱状態となる。また、耐熱金属繊維同士の中から燃焼火炎を形成するため保炎性に優れており、幅広い燃焼量を設定することができる。
また、屈曲性を有しており加工性に優れ、熱衝撃にも強い。
【0039】
炊飯釜300の搬送方向と略直交する方向に有する第1のバーナヘッド401は、図13に示すように、両端が閉塞されたパイプ状のバーナケース402をベースとし、このバーナケース402の上面に多数の小孔403を形成させ、小孔403を覆うとともに、バーナケース402の上面および長辺の一方の側面402a(複数の第2のバーナヘッド406側)に表面燃焼部材405、405aを電気溶接等によりほぼ密着して固着させてある。なお、表面燃焼部材405から屈曲させて表面燃焼部材405aを一体的に構成している。
【0040】
また、バーナケース402の上面に形成した多数の小孔403は表面燃焼部材405a側に片寄った位置で長辺方向に形成している。さらにバーナケース402の長辺方向の中央部の底部に接続管404を固定してある。
【0041】
また、炊飯釜300の搬送方向に略平行な方向に有する複数の第2のバーナヘッド406は、図14に示すように、両端が閉塞されたパイプ状のバーナケース407をベースとし、このバーナケース407の上面に多列状に多数の小孔408を形成させ、この小孔408を覆うとともに、バーナケース407の上面、長辺の両方側の側面407aおよび短辺407bの一方側の側面に表面燃焼部材410、410a、410b、410cを電気溶接等によりほぼ密着して固着させてある。
【0042】
なお、表面燃焼部材410から屈曲させて410a、410b、410cを一体的に構成し、表面燃焼部材410a、410b部分をバーナケース407の長辺の両方側の側面407aに電気溶接等により固着させてある。
【0043】
さらに、バーナケース407の底部に接続管409を固定してある。この予混合ガス導入管409の位置は、第1のバーナヘッド401に近い側に固定してある。
【0044】
炊飯釜300の搬送方向と略直交する方向に有する第1のバーナヘッド401と炊飯釜300の搬送方向に略平行な方向に有する複数の第2のバーナヘッド406を有する表面燃焼バーナユニット400は、図11、図12に示すように、ユニットケース411を有し、このユニットケース411上に第1のバーナヘッド401と複数の第2のバーナヘッド406をこれらに設けた脚(図示なし)を介して固定してある。
【0045】
さらに、ユニットケース411内に断熱材413を収容した状態で、第1のバーナヘッド401と第2のバーナヘッド406の上部が露出するように熱反射板412を被せユニットケース411に固定してある。
【0046】
さらに、ユニットケース411に固定部材を介して所定の間隔を有した2本のスパークバー(点火手段)414およびフレームロッド(燃焼検知手段)415を固定してある。スパークバー414の略水平先端部は第1のバーナヘッド401の上部に近接し、フレームロッド415の略水平先端部は第1のバーナヘッド401および中央部に位置する第2のバーナヘッド406の上部に近接して位置させている。
【0047】
図16に示すように、スパークバー414は高電圧を発生するイグナイター414aに接続され、フレームロッド415はDC印加電源415aに接続されている。
【0048】
なお、二本のスパークバー414間の火花方式での点火手段としたが、これに限定するものではなく、赤熱電気ヒータ等の他の手段であってもよい。さらに、第1のバーナヘッド401、複数の第2のバーナヘッド406にガストーチ等によって手動で点火させてもよい。
【0049】
また、燃焼検知手段としてフレームロッド415、DC印加電源415aによって、燃焼火炎の電気伝導度を検出する燃焼検知手段としたが、熱電対による手段、さらには赤外線検知、紫外線検知等による遠隔検知手段であってもよい。
【0050】
また、図11に示すように、第1のバーナヘッド401の長辺方向の長さは、搬送方向と直交する方向の炊飯釜300の底面の幅と略同一になっている。さらに、炊飯釜300の搬送方向に沿う方向に有する複数の第2のバーナヘッド406の内、最も外側に位置する第2のバーナヘッド406の外側間の幅(W2)は、搬送方向と直交する方向の炊飯釜300の底面の幅よりも小さく、さらには、炊飯釜300の底面の水平面の幅よりも小さく構成している。
【0051】
また、第1のバーナヘッド401の短辺の幅(W1)は、第2のバーナヘッド406の短辺の幅(W3)よりも小さく構成している。複数の第2のバーナヘッド406同士の間隔を(W4)で示す。
【0052】
以上のように、炊飯釜300の搬送方向と略直交する方向に有する第1のバーナヘッド401、炊飯釜300の搬送方向に略平行な方向に有する複数の第2のバーナヘッド406、これらを一体的に固定するユニットケース411、ユニットケース411内に断熱材413を収容し、さらに、断熱材413上に内ケース412を備えて一つの基本的な表面燃焼バーナユニット400を形成しているものである。
【0053】
なお、表面燃焼バーナユニット400には、点火手段、燃焼検知手段を備えることが好ましい。これによって第1のバーナヘッド401、複数の第2のバーナヘッド406、点火手段、燃焼検知手段の各々を予め最適な位置関係に固定して一体化することができる。
【0054】
図4、図6に示すように、炊飯釜300の搬送方向には、炊飯釜300の搬入開口108側から大別して順次、炊き上げ加熱ゾーンA、沸騰維持加熱ゾーンB、焼き上げ加熱ゾーンCを構成しているが、原則としてこれらのゾーンに耐熱金属繊維を使用した表面燃焼バーナユニット400を各々配置しているものである。また、第1のバーナヘッド401を炊飯釜300の搬入開口108側に位置させているものである。
【0055】
炊飯釜300の底面と複数の第2のバーナヘッド406の表面との距離は、炊飯釜300の底面を最も効率的に加熱するために35〜45mmとしている。好ましくは40mmである。
【0056】
また、耐熱金属繊維を使用した表面燃焼バーナユニット400ごとに、炊飯釜300の搬送方向の両サイドに各々縦壁部215を備え、表面燃焼バーナユニット400と縦壁部215を連接させている。
【0057】
なお、表面燃焼バーナユニット400の配置位置、数は一例であってこれに限定するものではない。例えば、各々のゾーンごとに複数の表面燃焼バーナユニット400を配置してもよく、また、複数のゾーンに跨って一つの表面燃焼バーナユニット400を配置してもよい。
【0058】
図16に示すように、予混合ガス供給手段500は、燃焼用空気を供給するブロア501を有し、ブロア501から空気ガス混合部502に空気を吐出する。ブロア501から空気ガス混合部502への空気の供給圧力を、分岐管503を介して空燃比比例制御装置505に印加する。分岐管503の途中には空気の供給圧力を検出するエアーフロースイッチを設けている。
【0059】
空燃比比例制御装置505の入口には、コック507を介してガスを供給するガス管506を接続し、さらに空燃比比例制御装置505の出口には、コック509を介して空気ガス混合部502へガスを供給するガス管508を接続している。
【0060】
空気ガス混合部502から空気とガスの予混合ガスを、予混合ガス供給管510、接続管404を介して第1のバーナヘッド401に供給し、また予混合ガスを予混合ガス供給管511、接続管409を介して複数の第2のバーナヘッド406に供給する。予混合ガス供給管511から複数の第2のバーナヘッド406に予混合ガスを供給する過程に各々流量調整弁512を設けている。
【0061】
予混合ガス供給手段500は、表面燃焼バーナユニット400ごとに各々予混合ガス供給手段500を備えているが、これは一例であってこれに限定するものではない。例えば、複数の表面燃焼バーナユニット400に一つの予混合ガス供給手段500により予混合ガスを供給するようにしてもよい。
【0062】
また、複数の表面燃焼バーナユニット400に有する各々の第1のバーナヘッド401に一つの予混合ガス供給手段500により予混合ガスを供給し、複数の表面燃焼バーナユニット400に有する各々の複数の第2のバーナヘッド406に予混合ガス供給手段500を備えて予混合ガスを供給してもよい。
【0063】
なお、図示していないが、点火手段、燃焼検知手段、炊飯釜300の搬送手段であるコンベアの駆動、予混合ガス供給手段500等は、連続炊飯装置として各々関連して全体を制御する制御器、操作部を備えているものである。
【0064】
図19〜図22に、図5中のB−B線における断面構成図に対応した耐熱金属繊維を使用した表面燃焼バーナユニット400の他の実施例を示す。
【0065】
図19は、第1のバーナヘッド401の両サイドに接触または近接させて複数の第2のバーナヘッド406a、406bを両櫛歯状に配置したものである。なお、図19において、炊飯釜300の搬入開口108側の炊き上げ加熱ゾーンAに位置する表面燃焼バーナユニット400の構成を、図11に示した片櫛歯状の表面燃焼バーナユニット400を組み合わせて配置してもよい。この場合には第1のバーナヘッド401が炊飯釜300の搬入開口側に位置することになる。
【0066】
図20は、炊き上げ加熱ゾーンA、沸騰維持加熱ゾーンB、焼き上げ加熱ゾーンCにおいて、炊飯釜300搬送方向に略平行な複数の第2のバーナヘッド406の短辺(炊飯釜300搬送方向と直交する方向)の幅(W3)を異なるようにしたものである。図20においては、炊き上げ加熱ゾーンAから沸騰維持加熱ゾーンB、焼き上げ加熱ゾーンCにかけて、第2のバーナヘッド406の短辺方向の幅(W3)を順次小さく構成している。
【0067】
図21は、炊き上げ加熱ゾーンA、沸騰維持加熱ゾーンB、焼き上げ加熱ゾーンCにおいて、炊飯釜300搬送方向に略平行な複数の第2のバーナヘッド406の長辺(炊飯釜300搬送方向と平行な方向)の一部の長さを異なるようにしたものである。図21においては、炊き上げ加熱ゾーンAから沸騰維持加熱ゾーンB、焼き上げ加熱ゾーンCにかけて複数の第2のバーナヘッド406の内、最も外側に位置する第2のバーナヘッド406の長辺の長さを順次短く構成している。
【0068】
図22は、炊き上げ加熱ゾーンA、沸騰維持加熱ゾーンB、焼き上げ加熱ゾーンCにおいて、炊飯釜300搬送方向に略平行な複数の第2のバーナヘッド406の数を異なるようにしたものである。図22においては、炊き上げ加熱ゾーンAに対して沸騰維持加熱ゾーンB、焼き上げ加熱ゾーンCに有する複数の第2のバーナヘッド406の数を順次少なく構成している。なお、各ゾーンにおいて第2のバーナヘッド406を炊飯釜300搬送方向に同列状に配置してもよい。
【0069】
図20〜22に示す構成においては、炊き上げ加熱ゾーンA、沸騰維持加熱ゾーンB、焼き上げ加熱ゾーンCのゾーンごとに、搬送、移動する炊飯釜300への加熱熱量をより調節しやすくし、効果的に炊飯釜300を加熱することができる。
【0070】
さらに、図19〜図22に示す構成を任意に組み合わせることも可能で、効果的に炊飯釜300を加熱することができる。
【0071】
次に、本実施形態における運転動作を説明する。
【0072】
先ず、イグナイター414aに通電し、複数の表面燃焼バーナユニット400の第1のバーナヘッド401上に位置するスパークバー414間に放電火花を発生させる。
【0073】
次に、予混合ガス供給手段500であるブロア501のモータ(図示なし)に通電し燃焼用空気を空気ガス混合部502、予混合ガス供給管510、511、第1のバーナヘッド401、第2のバーナヘッド406へ供給を開始する。また、分岐管503から空気ガス混合部502への供給空気圧力を空燃比比例制御装置505に印加するとともにエアーフロースイッチ504で供給空気圧力を検出する。
【0074】
次に、コック507、509を開とすると、燃焼用のガスが空燃比比例制御装置505、ガス管508を介して空気ガス混合部502に流れ、ガスと燃焼用空気を混合する。さらに、ガスと燃焼用空気を混合した予混合ガスは、空気ガス混合部502から予混合ガス供給管510、511を介して第1のバーナヘッド401、複数の第2のバーナヘッド406へ各々供給される。
【0075】
このとき、空気ガス混合部502へ供給される燃焼用空気量と分岐管503から空燃比比例制御装置505へ印加する供給空気圧力の相関を把握しておき、この供給空気圧力を空燃比比例制御装置505に印加して空燃比(空気とガスの混合比)を所定値範囲になるように空気ガス混合部502に供給するガス量を空燃比比例制御装置505で制御する。
【0076】
空燃比(空気過剰率)を例えば1.2〜1.4とし、ガスの理論燃焼空気量よりも多い全1次空気量として燃焼用空気量とガス量を設定する。
【0077】
第1のバーナヘッド401、複数の第2のバーナヘッド406でのガスの燃焼量の設定は、空燃比比例制御装置505へ印加する供給空気圧力に追従してガスの流量を制御して設定する。ガスの燃焼量の変化はブロア501の回転数の制御によって行う。
【0078】
したがって、ブロア501が回転または規定の回転数に達しないときは、空気ガス混合部502にガスが供給されないことになる。
【0079】
前記した動作は、複数の表面燃焼バーナユニット400ごとにほぼ同時に行われる。
【0080】
ガスと燃焼用空気を混合した予混合ガスは、空気ガス混合部502から予混合ガス供給管510を介して第1のバーナヘッド401に供給され、バーナケース407の小孔403から噴出し、表面燃焼部材405内を拡がり表面部から噴出する。この噴出した予混合ガスはスパークバー414間に形成された放電火花によって着火し表面燃焼部材405の全体で燃焼を開始する。
【0081】
さらに、小孔403から噴出した予混合ガスは、表面燃焼部材405から側面部表面燃焼部材405aにも拡がり同様に燃焼する。
【0082】
また、ガスと燃焼用空気を混合した予混合ガスは、空気ガス混合部502から予混合ガス供給管511、流量調整弁512を介して第2のバーナヘッド406の各々に供給され、バーナケース407の小孔408から噴出し、表面燃焼部材410内を拡がり表面部から噴出する。
【0083】
さらに、小孔408から噴出した予混合ガスは、表面燃焼部材410から側面部表面燃焼部材410a、410b、410cにも拡がり同様に噴出する。
【0084】
第1のバーナヘッド401の表面燃焼部材405および側面部表面燃焼部材405aの表面燃焼炎に複数の第2のバーナヘッド406の表面燃焼部材410および側面部表面燃焼部材410a、410b、410cから噴出した予混合ガスに接触して火移りし燃焼を開始する。第1のバーナヘッド401、複数の第2のバーナヘッド406が燃焼開始後、スパークバー414間の放電火花を停止させる。また、フレームロッド415により燃焼を確認し動作を継続する。
【0085】
図8、図15に示すように、第1のバーナヘッド401の側面部表面燃焼部材405aと第2のバーナヘッド406の側面部表面燃焼部材410cを接触または近接させていることによって、側面部表面燃焼部材405aの表面燃焼炎から側面部表面燃焼部材410cから噴出する予混合ガスへの火移りが極めて短時間となる。さらに、第2のバーナヘッド406の側面部表面燃焼部材410cから表面燃焼部材410および側面部表面燃焼部材410a、410bの全体に火移りし、未燃焼予混合ガスの放出を抑えてスムーズに燃焼を開始させることができる。
【0086】
図15に示すように、第2のバーナヘッド406の表面燃焼部材410の位置よりも第1のバーナヘッド401の表面燃焼部材405の位置を下げて段差417を設けたことによって、第1のバーナヘッド401の表面燃焼部材405および側面部表面燃焼部材405aの上昇する表面燃焼炎が複数の第2のバーナヘッド406の表面燃焼部材410および側面部表面燃焼部材410a、410b、410cから噴出する予混合ガスへより確実に火移りさせることができる。
【0087】
第1のバーナヘッド401の側面部表面燃焼部材405aおよび第2のバーナヘッド406の側面部表面燃焼部材410cに対向する各々のバーナケース402およびバーナケース407に小孔を形成して、この小孔からも予混合ガスを噴出させる構成としてもよい。この場合には、さらに第1のバーナヘッド401から複数の第2のバーナヘッド406へ確実に火移りさせることができる。
【0088】
炊き上げ加熱ゾーンA、沸騰維持加熱ゾーンB、焼き上げ加熱ゾーンCにおける各々の表面燃焼バーナユニット400の炊飯釜300への加熱量は、炊き上げ加熱ゾーンAにおける加熱量を基準とした場合、沸騰維持加熱ゾーンBは略80〜90%、焼き上げ加熱ゾーンCは略30〜40%となる。これに合わせ各々のゾーンに配置した表面燃焼バーナユニット400の燃焼量を設定する。
【0089】
炊き上げ加熱ゾーンA、沸騰維持加熱ゾーンBにおいては、燃焼開始後、直ちに第1のバーナヘッド401の表面燃焼部材405、複数の第2のバーナヘッド406の表面燃焼部材410での表面燃焼により、これらの表面が略850度Cに達する赤熱状態となる。
【0090】
焼き上げ加熱ゾーンCにおいては、第1のバーナヘッド401の表面燃焼部材405、複数の第2のバーナヘッド406の表面燃焼部材410は赤熱状態の表面燃焼にする必要は無く、燃焼量の減少により表面燃焼部材405、410の表面温度は低下し、表面燃焼部材410の表面部で薄い青色火炎を形成し、表面燃焼部材405、410自体は赤熱しない。この非赤熱状態として炊飯釜300の底面を加熱する。
【0091】
なお、第1のバーナヘッド401の側面部表面燃焼部材405aおよび第2のバーナヘッド406の側面部表面燃焼部材410a、410b、410cの部分は、表面燃焼部材405、410に比し予混合ガスの噴出量が少ないため赤熱状態とはならない。
【0092】
炊き上げ加熱ゾーンA、沸騰維持加熱ゾーンB、焼き上げ加熱ゾーンCの表面燃焼バーナユニット400が燃焼を開始した後、コンベア213を駆動し米と炊飯水を収容した炊飯釜300を、搬入開口108から挿入し搬入ローラ222を滑らせてコンベア213の上に載置させ搬出開口109に向けて搬送を開始する。炊飯釜300は互いがほぼ接触した状態で連続した状態で搬送される。
【0093】
炊き上げ加熱ゾーンAにおいて、搬入開口108から入った炊飯釜300の底面から加熱を開始し、炊飯釜300内の炊飯水の温度を上昇させ、沸騰温度まで一気に加熱するもので、この間に、米の外側から急速に吸水、膨潤し、糊化し始めるものである。なお、炊飯釜300内には米と略40度Cに予熱された炊飯水が収容されている。
【0094】
搬入開口108から連続して搬入され、コンベア213により移動する炊飯釜300は、炊き上げ加熱ゾーンAに配置した表面燃焼バーナユニット400の赤熱状態の表面燃焼によって加熱される。搬入開口108から入った炊飯釜300の底面は、先ず表面燃焼バーナユニット400の第1のバーナヘッド401の赤熱状態の表面燃焼によって加熱される、
【0095】
第1のバーナヘッド401は、炊飯釜300の搬送方向と直交する方向に配置されていることから、炊飯釜300の搬送方向と直交する方向の全体がほぼ均一に加熱されて温度上昇していく。
【0096】
さらに、炊飯釜300は第1のバーナヘッド401を通過した後、複数の第2のバーナヘッド406の赤熱状態の表面燃焼によって、炊飯釜300の底面が炊飯釜300の搬送方向に沿って連続して加熱され、急速に温度上昇し、やがて炊飯水が沸騰温度に達する。
【0097】
第2のバーナヘッド406は、炊飯釜300の搬送方向に沿う方向に配置されていることから、第2のバーナヘッド406と対向する炊飯釜300の複数部分の底面部分が輻射熱により集中して加熱される。
【0098】
複数の第2のバーナヘッド406の赤熱状態の表面燃焼による加熱によって、炊飯水の温度が例えば70〜80度Cに達すると、図17に示すように、第2のバーナヘッド406と対向する炊飯釜300の底面部において炊飯水が上昇する対流経路を形成し、上昇した炊飯水が第2のバーナヘッド406と対向しない炊飯釜300の底面部に向けて下降する対流経路を形成し、これらにより上下に対流する循環経路を形成する。図17中の矢印は対流の流れを示す。
【0099】
また、前記したように、炊飯釜300の搬送方向に沿う方向に有する複数の第2のバーナヘッド406の内、最も外側に位置する第2のバーナヘッド406の外側間の幅(W2)は、搬送方向と直交する方向の炊飯釜300の底面の幅よりも小さく、さらには、炊飯釜300の底面の水平面の幅よりも小さく構成している。
【0100】
これによって、炊飯釜300の搬送方向の両サイド側において、炊飯釜300の底面部に向けて下降する対流経路を炊飯釜300の各々の側壁内面部に沿って確実に形成させることができる。
【0101】
さらに、複数の第2のバーナヘッド406間の幅(W4)は、複数の第2のバーナヘッド406で上下に対流する循環経路が隙間無く形成されるように設定されている。また、複数の第2のバーナヘッド406の幅(W3)は、炊飯水が上面に達する上昇対流経路を確実に形成するように設定されている。
【0102】
第2のバーナヘッド406間の幅(W4)は、炊飯釜300の底面部に向けて下降する対流経路が互いに干渉して乱れないようにして安定した下降する対流経路を形成し、かつ上下に対流する循環経路が形成されないで温度低下を引き起こす領域を無くすように設定する。
【0103】
複数の第2のバーナヘッド406の数、幅(W3)、第2のバーナヘッド406間の幅(W4)は、前記した上下に対流する循環経路を隙間無く確実に形成させ、かつ炊飯釜300の底面部の加熱量が最大となるように設定するものである。これによって、炊飯釜300内の炊飯水の上下温度差を無くすことができる。
【0104】
浸漬された米は70〜80度Cから吸水作用が加速し、膨潤、糊化が促進されるが、炊飯釜300内の炊飯水の上下温度差を無くすことによって、膨潤、糊化を上下方向において均一化し、バラツキの無い均質な炊飯米を得ることができる。
【0105】
なお、第2のバーナヘッド406の炊飯釜300の搬送方向に平行な第2のバーナヘッド406の長さは、炊き上げ加熱ゾーンAにおける炊飯釜300の移動速度、全体として炊飯釜300への必要な加熱量によって設定する。
【0106】
本実施形態において、一例として、第2のバーナヘッド406の幅(W3)は、35〜45mmで、好ましくは40mmである。第2のバーナヘッド406間の幅(W4)は、70〜95mmで、好ましくは85mmである。これによって、前記したような上下に対流する炊飯水の循環経路を隙間無く確実に形成させ、かつ炊飯釜300の底面部の加熱量を最大としてバラツキの無い均質な炊飯米を得ることができる。
【0107】
炊き上げ加熱ゾーンAにおいて、炊飯釜300内の炊飯水の温度を上昇させ、沸騰温度まで一気に加熱した後、炊飯釜300は沸騰維持加熱ゾーンBに移動する。
【0108】
沸騰維持加熱ゾーンBに配置した表面燃焼バーナユニット400は、炊き上げ加熱ゾーンAに配置した表面燃焼バーナユニット400と同様の構成としている。沸騰維持加熱ゾーンBにおいて、沸騰温度まで温度上昇した炊飯釜300内の炊飯水の温度を沸騰温度に維持するものである。この間において、米の膨潤、糊化を一層促進させる。
【0109】
また、沸騰維持加熱ゾーンBにおいて、炊飯釜300内に炊飯水が所定量以上存在する間は、炊き上げ加熱ゾーンAと同様に効果的な上下に対流する循環経路を隙間無く確実に形成させ米の膨潤、糊化を一層促進させることができる。
【0110】
沸騰維持加熱ゾーンBに移動した炊飯釜300は、沸騰維持加熱ゾーンBの炊飯釜300の搬送方向と直交する方向に配置されている第1のバーナヘッド401によって、再び炊飯釜300の搬送方向と直交する方向の全体をほぼ均一に加熱することができる。
【0111】
これによって、炊き上げ加熱ゾーンAの第2のバーナヘッド406によって隙間無く確実に形成させた上下に対流する循環経路に、第1のバーナヘッド401の赤熱状態の表面燃焼による加熱によって、炊飯釜300の搬送方向と直交する方向の対流を加えて、さらに、炊飯釜300の炊飯水の温度をより均一に加熱することができる。
【0112】
炊飯釜300の移動によって、第1のバーナヘッド401から再び複数の第2のバーナヘッド406によって炊飯釜300の底面部が加熱される。複数の第2のバーナヘッド406によって、炊き上げ加熱ゾーンAの第2のバーナヘッド406と同様に、炊飯釜300内に上下に対流する循環経路を隙間無く確実に形成させて、米の膨潤、糊化を一層促進させることができる。
【0113】
特に、複数の第2のバーナヘッド406は、炊き上げ加熱ゾーンAの第2のバーナヘッド406と同一線上に配置されていることから、第1のバーナヘッド401を通過した炊飯釜300内に速やかに上下に対流する循環経路を隙間無く確実に形成させることができる。
【0114】
沸騰維持加熱ゾーンBにおいて、炊飯水の沸騰温度を維持させて炊飯した後、炊飯釜300は焼き上げ加熱ゾーンCに移動し、第1のバーナヘッド401、複数の第2のバーナヘッド406の加熱によって炊飯釜300の内面部の残余水を完全に蒸発させて米を蒸された状態にするものである。
【0115】
この焼き上げ加熱ゾーンCにおいては、炊飯釜300の内面部の水分が完全に無くなって釜底に接している部分が孤色に薄く色づく(焦げるのではない)まで加熱するもので、これによって真にうまい炊飯米に仕上げることができる。
【0116】
焼き上げ加熱ゾーンCにおいて、残余水を完全に蒸発させた後、搬出開口109から炊飯釜300を取り出し、次の工程であるバーナによる加熱の無い蒸らしゾーンに搬送し所定時間放置するものである。
【0117】
炊き上げ加熱ゾーンA、沸騰維持加熱ゾーンBにおいては、第1のバーナヘッド401の表面燃焼部材405、複数の第2のバーナヘッド406の表面燃焼部材410での表面燃焼により、これらの表面が略850度Cに達する赤熱状態として炊飯釜300の底面を加熱する。
【0118】
焼き上げ加熱ゾーンCにおいては、燃焼量の減少により表面燃焼部材405、410の表面温度は低下し、表面燃焼部材405、410で薄い青色火炎を形成し、表面燃焼部材405、410自体は赤熱しない。この非赤熱状態として炊飯釜300の底面を加熱することのよって、炊飯釜300の底面の局部加熱を抑えて炊飯釜300、蓋301の全体が均一温度になるようにする加熱する。これによって、炊飯米の部分的な焦げを防止する。
【0119】
また、設定する燃焼量の減少に加え、予めガスに混合する空気量の割合を高めて表面燃焼部材405、410の表面上に薄い膜状の青色燃焼火炎を形成させてもよい。また、複数の第2のバーナヘッド406の表面燃焼部材410と炊飯釜300の底面との距離をより大きくしてもよい。これによって、より炊飯釜300の底面の局部加熱を抑えて炊飯釜300、蓋301の全体が均一温度になるようにする加熱し炊飯米の部分的な焦げを防止することができる。
【0120】
炊き上げ加熱ゾーンA、沸騰維持加熱ゾーンBにおいては、主加熱源となる複数の第2のバーナヘッド406の表面燃焼部材410を略850度Cに達する赤熱状態とすることによって、ブンゼン燃焼の青色燃焼火炎に比べ燃焼熱の大半を赤外線による輻射熱に変換して炊飯釜300の底面を強力に加熱することができる。
【0121】
また、炊飯釜300の底面と表面燃焼部材410との距離を近接して設置でき、かつ複数の第2のバーナヘッド406を炊飯釜300の搬送方向に平行で同一ライン上に配置することによって、炊き上げ加熱ゾーンA、沸騰維持加熱ゾーンBにおいて移動する炊飯釜300の同一箇所を連続して加熱することができる。
【0122】
なお、炊飯釜300の底面と表面燃焼部材410との距離は、35〜45mm、好ましくは略40mmとすることによって、炊飯釜300の底面の加熱を効果的に行うことができる。
【0123】
これらによって、炊き上げ加熱ゾーンA、沸騰維持加熱ゾーンBにおいて、表面燃焼部材410の位置する炊飯釜300の底部を輻射熱により集中して加熱し、上面に達する上昇する強力な対流経路を形成させることができる。したがって、炊飯釜300内に上下に対流する循環経路を隙間無く確実に形成させて、米の膨潤、糊化を一層促進させることができる。
【0124】
また、前記したように、複数の第2のバーナヘッド406の表面燃焼部材410の表面部が略850度Cに達する赤熱状態として燃焼させるが、図18に示すように、赤熱状態の表面燃焼部材410の一部に柱状の青色火炎416を形成、混在させた燃焼状態とすることができる。
【0125】
青色火炎416を形成は、例えば、バーナケース407に設けた多数の小孔408の径を部分的に大きくする等によって、小孔408からの予混合ガスの噴出量をより多く設定し、この小孔408上に位置する表面燃焼部材410の燃焼負荷を高めることによって実現できる。
【0126】
青色火炎416は表面燃焼部材410上に形成するが、青色火炎416の形成の無い表面燃焼部材410は赤熱状態として燃焼させることによる保炎効果により吹き飛び等の無い安定した燃焼を維持する。なお、第1のバーナヘッド401においても同様に実施できる。
【0127】
さらに、青色火炎416は全一次空気を混合した予混合ガスとしているため、二次空気が存在しなくとも完全燃焼させることができる。
【0128】
この青色火炎416先端は、炊飯釜300の底面近傍に達する。表面燃焼部材410の赤熱状態による輻射熱による炊飯釜300の底面の加熱に加え、青色火炎416による炊飯釜300の底面の直接的な加熱作用によって、より一層炊飯釜300を効率的に加熱することができる。
【0129】
また、炊き上げ加熱ゾーンAにおいて、炊飯釜300の搬送方向と直交する方向に配置されている第1のバーナヘッド401を搬入開口108側に位置させたことによって、搬入開口108部に第1のバーナヘッド401での燃焼火炎およびこの排気ガスによるカーテン作用を生じさせ、搬入開口108からトンネル状の加熱室302への冷気の侵入を防止し、炊飯釜300をより効率的に加熱することができ、さらに燃焼の安定化を図ることができる。
【0130】
蓋301を有する炊飯釜300の底面および側面と、縦壁部215、耐熱金属繊維使用の表面燃焼バーナユニット400で囲まれた空間に炊飯釜300の搬入開口108から搬出開口109にかけてトンネル状の加熱室302を構成しているが、表面燃焼バーナユニット400を構成する熱反射板412、および縦壁部215を構成する内ケース217によって輻射熱を炊飯釜300の底面および側面に再反射させてより効率的に炊飯釜300を加熱することができる。
【0131】
さらに、ユニットケース411と熱反射板412の間に断熱材413を設け、また縦壁部215を構成する外ケース216と内ケース217の間に断熱材413を設けていることによって、より一層の遮熱効果を生じ、より効率的に炊飯釜300を加熱することができる。
【0132】
次に、表面燃焼バーナユニット400の他の実施例を図19〜図22に基づいて説明する。
【0133】
図19に示す構成は、第1のバーナヘッド401の両サイドに接触または近接させて複数の第2のバーナヘッド406a、406bを両櫛歯状に配置したものである。
【0134】
この構成においても、図8に示す表面燃焼バーナユニット400と同様の作用、効果を有するものである。さらに、図11に示した片櫛歯状の表面燃焼バーナユニット400を、第1のバーナヘッド401が炊飯釜300の搬入開口側に位置するように組み合わせて配置してもよく様々な炊飯条件に対応させて構成することができる。
【0135】
また、表面燃焼バーナユニット400の他の実施例である図20に示す構成は、炊き上げ加熱ゾーンAから沸騰維持加熱ゾーンB、焼き上げ加熱ゾーンCにかけて、第2のバーナヘッド406の短辺方向の幅(W3)を順次小さく構成している。これによって、炊き上げ加熱ゾーンA、沸騰維持加熱ゾーンB、焼き上げ加熱ゾーンCにおける各々の表面燃焼バーナユニット400の炊飯釜300への加熱量の調節をよりきめ細かく設定することができる。
【0136】
また、表面燃焼バーナユニット400の他の実施例である図21に示す構成は、炊き上げ加熱ゾーンAから沸騰維持加熱ゾーンB、焼き上げ加熱ゾーンCにかけて、炊飯釜300搬送方向に略平行な複数の第2のバーナヘッド406の長辺方向(炊飯釜300搬送方向と平行な方向)の一部の長さを順次短くしたものである。これによって、炊き上げ加熱ゾーンA、沸騰維持加熱ゾーンB、焼き上げ加熱ゾーンCにおける各々の表面燃焼バーナユニット400の炊飯釜300への加熱量の調節をよりきめ細かく設定することができる。
【0137】
また、表面燃焼バーナユニット400の他の実施例である図22に示す構成は、炊き上げ加熱ゾーンAから沸騰維持加熱ゾーンB、焼き上げ加熱ゾーンCにかけて、複数の第2のバーナヘッド406の数を順次少なくしたものである。これによって、炊き上げ加熱ゾーンA、沸騰維持加熱ゾーンB、焼き上げ加熱ゾーンCにおける各々の表面燃焼バーナユニット400の炊飯釜300への加熱量の調節をよりきめ細かく設定することができる。
【0138】
さらに、図8および図19〜図22に示す構成を任意に組み合わせることも可能で、効果的に炊飯釜300を加熱するとともに、炊き上げ加熱ゾーンA、沸騰維持加熱ゾーンB、焼き上げ加熱ゾーンCにおける各々の表面燃焼バーナユニット400の炊飯釜300への加熱量の調節をよりきめ細かく設定することができる。
【0139】
連続して搬送する炊飯釜300の底面および側面と、炊飯釜300の搬送方向の両サイドに位置する縦壁部215、表面燃焼バーナユニット400で囲まれた空間に炊飯釜300の搬入開口108から搬出開口109にかけてトンネル状の加熱室302を構成し、搬送開口108から搬出開口109に至るトンネル状の加熱室302を互いが接触した複数の炊飯釜300連続して移動する。
【0140】
炊き上げ加熱ゾーンA、沸騰維持加熱ゾーンB、焼き上げ加熱ゾーンCに配置した表面燃焼バーナユニット400において表面燃焼した排気ガスは、トンネル状の加熱室302を構成し炊飯釜300の搬送方向の両サイドに位置する縦壁部215の内ケース217に設けた開口220から断熱材219の排気ガス通路218を介して排気ダクト221に導出させる。
【0141】
この両サイドの縦壁部215は炊き上げ加熱ゾーンA、沸騰維持加熱ゾーンB、焼き上げ加熱ゾーンCに配置した表面燃焼バーナユニット400ごとに区分して設けている。
【0142】
各表面燃焼バーナユニット400で表面燃焼した排気ガスのトンネル状の加熱室302からの流れは、チェーン状のコンベア213自体の隙間、炊飯釜300のフランジのコンベア213への載置部分から排気ガス集合空間225に至る経路と、炊飯釜300の搬送方向の両サイドに位置する縦壁部215の開口220、排気ガス通路218を介して排気ダクト221に導出させて、空気通路207内に吐出させ、ここを上昇する空気と混合して排気ガス集合空間225に至る経路とに分かれて流れる。
【0143】
チェーン状のコンベア213の自体の隙間、炊飯釜300のフランジのコンベア213への載置部分から排気ガス集合空間225に至る経路は、排気ガスが流れる開口部分が小さく、排気ガスの大半は、縦壁部215の開口220、排気ガス通路218を介して排気ダクト221にドラフト作用により流れるようになっている。したがって、排気ガスは炊飯釜300の搬送方向と直交する方向の両サイドに大半が流れることになる。
【0144】
排気ダクト221の上端の開口より空気排気ガス通路211に流れ、下方からの対流空気と混合して排気ガス集合空間225に入る。チェーン状のコンベア213自体の隙間、炊飯釜300のフランジのコンベア213への載置部分からの排気ガスも排気ガス集合空間225に入り、この両者の排気ガスが排気ガス集合空間225から排気筒212により本体装置外に排気される。
【0145】
炊き上げ加熱ゾーンA、沸騰維持加熱ゾーンB、焼き上げ加熱ゾーンCに配置した各々の排気筒212により本体装置外に排気された排気ガスは、各々の排気筒212からの排気ガスを集合させるフード(図示なし)で集められ、さらに、このフードから排気筒(図示なし)を介して屋外に排出される。
【0146】
トンネル状の加熱室302に発生した表面燃焼による排気ガスの体積により加熱室302内の圧力が上昇する。コンベア213自体の隙間、炊飯釜300のフランジのコンベア213への載置部分から排気ガス集合空間225に至る排出経路のみの場合には、加熱室302内の圧力が連続炊飯装置の外における圧力よりも高くなり、搬入開口108、搬出開口109から排気ガスが流出する。
【0147】
前記したように、搬入開口108から排気ガスが流出した場合には、加熱前の炊飯釜300を取り扱う比較的低温作業エリアである搬入開口108側が高温になりやすく、作業者にとって好ましくなく、さらに、搬出開口109からの流出する排気ガスを含めて室内の空調負荷が増大し好ましくない。
【0148】
これに対して、排気ガスの大半は、縦壁部215の開口220、排気ガス通路218を介して排気ダクト221に流れるようになっていることによって、加熱室302内の圧力を下げ、搬入開口108、搬出開口109からの排気ガスの流出を抑制して作業環境の良化、室内の空調負荷を低減させることができる。
【0149】
排気ダクト221にダンパー221aを設けたことによって、加熱室302から導出する排気ガスの量を増減させ、加熱室302内の圧力を最適条件に調節することができる。
【0150】
また、炊き上げ加熱ゾーンA、沸騰維持加熱ゾーンB、焼き上げ加熱ゾーンCに亘って加熱室302が連通しており、さらに、各々のゾーンでガスの燃焼量が異なって発生する排気ガスの量も異なることによって加熱室間に圧力差を生じ、加熱室302内の排気ガスが炊飯釜300の搬送方向に流れやすくなる。これによって、炊き上げ加熱ゾーンA、沸騰維持加熱ゾーンB、焼き上げ加熱ゾーンCにおける炊飯釜300の加熱量にバラツキを生じる要因となり、好ましくない。
【0151】
これに対して、炊き上げ加熱ゾーンA、沸騰維持加熱ゾーンB、焼き上げ加熱ゾーンCの各々の両サイドに、縦壁部215およびこの開口220、排気ダクト221を位置させたことによって、排気ガスは炊飯釜300の搬送方向と直交する方向の両サイドに大半が流れることになるととともに、加熱室302内の排気ガスが炊飯釜300の搬送方向に流れるのを抑制することができる。したがって、炊き上げ加熱ゾーンA、沸騰維持加熱ゾーンB、焼き上げ加熱ゾーンCにおける燃焼の安定化および炊飯釜300の加熱量を安定化させて均質な炊飯米を得ることができる。
【0152】
また、排気ガスは炊飯釜300の搬送方向と直交する方向の両サイドに大半が流れることによって、炊飯釜300の側面も加熱し、加熱効率を高めることができる。
【0153】
また、排気ガス集合空間225内において、ここに位置させた水熱交換器224を排気ガスで加熱し炊飯水を予熱して排気ガス熱を有効的に利用することができる。なお、排気ダクト221から出る排ガスは、焼き上げ加熱ゾーンCの後工程である蒸らし室等に供給して排気ガス熱を有効的に利用することもできる。
【0154】
なお、縦壁部215の開口220の大きさ、数等は実施形態に限定するものではなく、炊き上げ加熱ゾーンA、沸騰維持加熱ゾーンB、焼き上げ加熱ゾーンCにおける燃焼量の設定、排気筒212のドラフトの差等によって、最適条件に設定すればよい。
【0155】
なお、縦壁部215の開口220からブロア等により強制的に排気ガスを吸引させてもよい。この場合には例えばブロアの回転数、吸引ダンパーにより排気ガスの吸引量を調節することができる。
【0156】
また、実施形態においては、縦壁部215を外ケース216と内ケース217で箱状として内部に断熱材219を挟持している。さらに、内ケース217の炊飯釜300側は、熱反射板としての機能をもたせていることによって、加熱室302から外方へ放熱を抑制し、炊飯釜300をより効率的に加熱することができるとともに、内郭部材、外郭部材の温度上昇を抑えることができる。
【0157】
また同様に、表面燃焼バーナユニット400を構成するユニットケース411、熱反射板412、断熱材413によって、加熱室302から外方への放熱を抑制し、炊飯釜300をより効率的に加熱することができるとともに、内郭部材、外郭部材の温度上昇を抑えることができる。
【0158】
また、加熱室302および排気ガス集合空間225の両サイドには、仕切壁201、202、205、206、209による熱遮断と、空気通路203、204、207、208を上昇する空気流によって、本体外郭部100の外面の温度上昇を抑え、作業環境を良化させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0159】
炊飯に限らず他の被加熱物の加熱調理にも適用することができる。
【符号の説明】
【0160】
100 本体外郭部
101 骨格部材
101a バーナ固定部材
102 脚
103 正面下部ケース
103a 開口
103b 開口
104 側面下部ケース
105 正面中間ケース
106 天板ケース
106a 開口
107 側面天板ケース
108 搬入開口
109 搬出開口

200 本体内郭部
201 仕切壁
202 仕切壁
203 空気通路
204 空気通路
205 仕切壁
206 仕切壁
207 空気通路
208 空気通路
209 仕切壁
210 仕切壁
211 空気排気ガス通路
212 排気筒
213 コンベア(搬送手段)
214 コンベア支持体
215 縦壁部
216 外ケース
217 内ケース
218 排気ガス通路
219 断熱材
220 開口
221 排気ダクト
221a ダンパー(排気ガス導出量調節手段)
222 搬入ローラ
223 搬出ローラ
224 水熱交換器
225 排気ガス集合空間
300 炊飯釜
301 蓋
302 加熱室
400 表面燃焼バーナユニット(加熱手段)
401 第1のバーナヘッド
402 バーナケース
402a 長辺の側面
402b 短辺の側面
403 小孔
404 接続管
405 表面燃焼部材(メタルニット、メタルファイバー)
405a 側面部表面燃焼部材(メタルニット、メタルファイバー)
406 第2のバーナヘッド
406 第2のバーナヘッド
406a 第2のバーナヘッド
407 バーナケース
407a 長辺の側面
407b 短辺の側面
408 小孔
409 接続管
410 表面燃焼部材(メタルニット、メタルファイバー)
410a 側面部表面燃焼部材(メタルニット、メタルファイバー)
410b 側面部表面燃焼部材(メタルニット、メタルファイバー)
410c 側面部表面燃焼部材(メタルニット、メタルファイバー)
411 ユニットケース
412 熱反射板
413 断熱材
414 スパークバー(点火手段)
414a イグナイター
415 フレームロッド(燃焼検知手段)
415a DC印加電源
416 青色火炎
417 段差
500 予混合ガス供給手段
501 ブロア
502 空気ガス混合部
503 分岐管
504 エアーフロースイッチ
505 空燃比比例制御装置
506 ガス管
507 コック
508 ガス管
509 コック
510 予混合ガス供給管
511 予混合ガス供給管
512 流量調整弁


【特許請求の範囲】
【請求項1】
米と炊飯水を収容した炊飯釜を一方向に連続的に搬送する搬送手段と、前記搬送手段により搬送される前記炊飯釜の下方に空間を隔てて配置した加熱バーナを備えた連続炊飯装置であって、
耐熱金属繊維を使用した表面燃焼部材で全一次空気予混合ガスを赤熱状態で燃焼させる矩形状のバーナヘッドを有し、前記矩形状のバーナヘッドの長辺を前記炊飯釜の搬送方向に略平行として前記炊飯釜の搬送方向と略直交する方向に互いに間隔を設けて複数配置した表面燃焼バーナユニットと、前記炊飯釜の搬送方向の両サイドに設けた縦壁部と、前記表面燃焼バーナユニット、縦壁部と炊飯釜の底面および側面部によりトンネル状の加熱室を前記炊飯釜の搬送方向に形成し、前記両サイドに設けた各々の縦壁部に開口を設け、前記開口から加熱室内の排気ガスを導出させて前記炊飯釜の搬入開口、搬出開口からの排気ガスの流出を抑制するようにしたことを特徴とする連続炊飯装置。
【請求項2】
炊飯釜の搬送方向に炊き上げ加熱ゾーン、沸騰維持加熱ゾーン、焼き上げ加熱ゾーンを備え、前記各々のゾーンごとに表面燃焼ユニット、縦壁部を有し、前記各々のゾーンごとに前記縦壁部に設けた開口から加熱室内の排気ガスを導出させることを特徴とする請求項1に記載の連続炊飯装置。
【請求項3】
加熱室内からの排気ガスの導出量を調節可能としたことを特徴とする請求項1または2に記載の連続炊飯装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2012−65732(P2012−65732A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−211462(P2010−211462)
【出願日】平成22年9月21日(2010.9.21)
【出願人】(390007456)株式会社中西製作所 (26)
【Fターム(参考)】