説明

連続的可変位置決め装置

連続的可変位置決め装置は、第1の係合表面を備える第1の部分を有する。第1の係合表面の少なくとも一部は、可動アクチュエータのパターンで覆われる。第2の部分は、第1の係合表面と接触する第2の係合表面を備える。第2の係合表面の少なくとも一部は、アクチュエータ係合形状を備え、少なくとも複数の可動アクチュエータは凹状であり、他の可動アクチュエータは、アクチュエータ係合形状に一致するよう延在される。駆動組立体は、第1の部分及び第2の部分の相対運動をもたらす一方、第1の係合表面を第2の係合表面と連続的に係合させて保持するよう、与えられる。可動アクチュエータは、第1の部分及び第2の部分の相対運動中に軸方向に動く。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジョイント(joint)等である2つの部分の相対位置を連続的に変えるための位置決め装置に係る。
【背景技術】
【0002】
大半の機械的位置決め装置は、摩擦ベース又はピン・イン・ホール型のロッキングシステムを使用する。かかるシステムは、多面的な応力に対して位置を保持することにおいて困難を有し、多次元ジョイント用途(multipledimensional joint applications)への適合が不可能であり、強いロッキング力を必要とし、限られた数のロッキング位置を有し、不確実な重量耐久強度を有し、また3Dロッキング性能を得ることにおいて困難を有する。
【0003】
米国特許第6,238,124号(Merlo)(特許文献1)は、人工アーム(義肢)における使用に対して適切である再位置付け可能なジョイントを記載している。該ジョイントは、各々の相対配向を調節するよう引き離され得且つ所望の位置を保持するよう共にロックする係合表面を有する2つの部分を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第6,238,124号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様によれば、連続的可変位置決め装置(continuously variable positioning device)が与えられる。連続的可変位置決め装置は、第1の係合表面を備える第1の部分(first body)を備える。第1の係合表面の少なくとも一部は、可動アクチュエータのパターン(a pattern of movable actuators)で覆われる。また、第1の係合表面と接触する第2の係合表面を備える第2の部分がある。第2の係合表面の少なくとも一部は、アクチュエータ係合形状(プロファイル)を備える。可動のアクチュエータのうち少なくとも複数は凹状であり、他の可動アクチュエータはアクチュエータ係合形状に一致するよう延在される。第1の部分及び第2の部分の相対運動をもたらす一方で、第1の係合表面を第2の係合表面に連続的に係合させて保持するよう、手段が与えられる。可動アクチュエータは、第1の部分及び第2の部分の相対運動中に軸方向に動く。
【0006】
これら及び他の特徴は、添付の図面を参照する以下の説明からより明らかとなる。図面は、例示を目的とするだけであり、いかようにも制限的であるよう意図されない。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】先行技術によるロッキング機構の斜視図である。
【図2】連続的可変位置決め装置の斜視図である。
【図3】第1の位置における連続的可変位置決め装置の側部断面図である。
【図4】第2の位置における連続的可変位置決め装置の側部断面図である。
【図5】第3の位置における連続的可変位置決め装置の側部断面図である。
【図6】アクチュエータを有する連続的可変位置決め装置の斜視図である。
【図7】他のアクチュエータの平面図である。
【図8】外側筐体を有する連続的可変位置決め装置の側部断面図である。
【図9】係合されていない位置における外側筐体を有する連続的可変位置決め装置の側部断面図である。
【図10】ロックされた位置にある外側筐体を有する連続的可変位置決め装置の側部断面図である。
【図11】平坦な第2の部分、及び位置制御可能である可動アクチュエータの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
先行技術による装置は、図1を参照して説明される。参照符号10で全体的に示される連続的可変位置決め装置の望ましい実施例は、図2乃至11を参照して説明される。
【0009】
部品の構造及び関係:
【0010】
図1を参照すると、先行技術の「受動的ロッキング(passive-locking)」ジョイントが示されている。このジョイントにおいて、ボール又はその一部のように丸くされた物体102は、離間された隆起104の多角形パターンを有して覆われる表面を備える。隆起104間の空間は、キャビティ105である。密接であるよう離間された感圧アクチュエータ108の組立体106が隆起104に対して押される(imprinted)とき、アクチュエータ108は、対向する表面の鏡像のようになる(emulate mirror image)。隆起104に接触するアクチュエータ108は押し戻される一方、妨害されないアクチュエータ108は、隆起104間におけるキャビティ105へと貫通する。アクチュエータ108は、キャビティ105において捕捉されると、いかなる方向においても動くことができず、それによって、ピッチ、ヨー、及びロール(pitch, yaw, and roll)の力(3つの自由度)に対してアクチュエータ108とボール表面102との間における空間的配向をフリーズさせる。アクチュエータ組立体106が隆起104から離されるとすぐに、妨げられない(干渉されない)ボール102は、他の角度まで自由に動かされ得る。アクチュエータ108は、多種の深度まで押し込まれる一方で隆起104に係合し、その完全伸張位置に戻り、異なるロッキング位置における隆起104を押すよう準備される。アクチュエータ108は、直立リップ110によって取り囲まれ、該直立リップ110は、アクチュエータ108及びボール表面102を封入するよう意図される全体構造の一部を形成する。このジョイントは、2つの位置、ジョイントの配向が操作されるようにする非係合調節位置、及び選択された配向が固定される係合ロッキング位置を有する。
【0011】
本発明の位置決め装置10は、2つの係合表面間における恒久的連携を特徴とする三次元機械的ギア駆動機構として作用するよう、類似するロッキング原理を使用する。該連携は、ロッキング位置間における連続的な流れを可能にする。適合可能な表面に個別に可動である構成要素を与えるようことによって、装置の汎用性は高められる。更に、ロボット産業においてマニピュレータアームに一般的に使用される複数の単方向性ジョイントシステムとは異なり、新しい装置は、単一ユニットジョイント機構からピッチ、ヨー、及びロールの三次元運動を反復することができる。
【0012】
図2を参照すると、連続的可変位置決め装置10は、第1の係合表面14を備える第1の部分12、及び第2の係合表面18を備える第2の部分16を有する。図示される通り、第2の係合表面18は、休憩であるが、他の形状も可能であり得ることは以下の説明から明らかである。第1の係合表面14の少なくとも一部は、可動アクチュエータ20のパターンを有して覆われる。第2の係合表面18の少なくとも一部は、アクチュエータ係合形状22を備える。図2に示される通り、アクチュエータ係合形状22は、突起及び凹面のパターンを有して作られる。他のパターン又は設計は、例えばリッジ、窪み、穴等を有して使用され得る、ことが理解される。第2の係合表面18は、第1の係合表面14と接触するため、可動アクチュエータ20のうち少なくとも複数は凹状であり、他の可動アクチュエータ20はアクチュエータ係合形状22に一致するよう延在される。その際、第1の係合表面14は第2の係合表面に一致し、他の場合に可能であるよりも更に大きな接触表面が与えられる。第2の部分16は、人工又はロボットツール等である、装置を第2の部分16に対して接続するための端末装置を備える。
【0013】
先行技術とは対照的に、第1の部分12及び第2の部分16の相対運動をもたらす一方で第1の係合表面14を第2の係合表面18に連続的に係合させて保持するための手段も与えられる。可動アクチュエータ20は、第1の部分12及び第2の部分16の相対運動中に軸方向に動く。相対運動をもたらすには、異なる手段があり得る。一実施例において、駆動組立体は、第1の部分12又は第2の部分16のいずれか一方を動かすよう使用され得る。この例は、図6において示される。この実施例において、駆動組立体40は、第1の部分12を横方向に動かす一方、第2の部分16は、ハウジング52に固定され、ピボット点の周囲に動くようにする。アクチュエータはまた、第1の部分12を回転させ得る。第1の部分12の横方向運動及び回転を制御することによって、第2の部分16のピッチ、ヨー、及びロールも制御される。あるいは、異なる駆動組立体は、第2の部分16のピッチ、ヨー、及び/又はロールを調節するよう与えられ得、第1の部分12の配向を制御する。かかる実施例のいずれかにおいて、可動アクチュエータ20は、受動的なバネ付きアクチュエータであり、第1の係合表面14を第2の係合表面18に対して常に一致させる。図示される物理的バネの代わりに、アクチュエータ20は、バネ効果を与えるよう異なる種類の圧縮性流体又は固体を使用し得る。
【0014】
図11を参照する他の実施例において、複数又は全ての可動アクチュエータ20は位置制御可能であるため、第2の部分14の位置及び配向は、複数のアクチュエータ20を伸張させ且つ他のアクチュエータを縮めることによって所望の方向において調節され得る。全てのアクチュエータ20がリニアアクチュエータ23又はハイドロリックシステム等によって位置制御される必要はなく、残りのアクチュエータ20は、受動的なバネ付きアクチュエータである。
【0015】
他の実施例において、第1の部分12及び第2の部分16のいずれかあるいは両方は、ユーザの嗜好に依存して、弓状、平面的(planar)、又は他の形状の係合表面14及び16を備え得る。図11は、第1の部分12及び第2の部分16が平面的である一実施例を示す。位置決め装置10の残りの部分に対する適切な調節は、当業者によって認識されるであろう。
【0016】
図6を参照して、駆動機構40に関する更なる詳細がこれより与えられる。組立体アクチュエータ40は、2つのリニア駆動機構42及び44、並びに回転駆動機構46を備える。リニア駆動機構42及び44は、第1の部分12の横方向位置を制御する一方、回転駆動機構46は、矢印によって示される方向において軸の周囲に第1の部分12を回転させる。リニア駆動機構42及び44は、水平方向シャフト48に沿って動く。各々は、第1の部分12、及び、それと第1の部分12との間における駆動機構を関連付けられる方向において動かす。回転駆動機構46は、第1の部分12を回転させる。3つの駆動機構42,44,46は、第2の部分16及びそこに取り付けられるなんらかの端末装置のロール、ピッチ、及びヨーを制御するよう共に作動する。かかる駆動機構42,44,46はまた、第2の部分16を特定の運動経路に沿って動かすようプログラムされ得る。状況によっては、精密な運動及び位置を達成するよう駆動機構42,44,46を制御するためにコンピュータを与えることが望ましいことがあり得る。
【0017】
図7を参照すると、他の駆動機構24が示されている。駆動機構24は、第2の部分12を動かすよう接続され、平面的な駆動機構26及び回転駆動機構27を備える。平面的な駆動機構26は、回転されるときにプラットフォーム30を動かす1つ又は図示される通り2つのねじ山付きシャフト28を有する。プラットフォーム30は、第1の部分12に対して取り付けられる。ねじ山付きシャフト28は、各端部において据え付けられるギア34を備えるため、ギア34が回るとき、ねじ山付きシャフト28の配向は変更される。これにより、ねじ山付きシャフト28は、第1の部分12を二次元方向において横方向に動かすようにされる。回転駆動機構27は、平面的な駆動機構26によって運ばれる(carried by)かあるいは動かされ、第1の部分12を回転させる。平面的要素26及び回転要素27の両方の運動を制御することによって、第2の部分16のピッチ、ロール、及びヨーは、潤滑で連続的であるよう、更には所望される移動経路を通るよう調節され得る。
【0018】
上述された2つの例から、駆動機構は、第1の部分12の横方向及び回転位置、ひいては第2の部分16のロール、ピッチ、及びヨーを制御する、ことが分かり得る。必要な範囲の動作を与える他の設計は、図示及び説明されたものの域を越えて当業者に明らかである。しかしながら、上述された駆動機構は、狭いハウジング内において適合することが出来るという利点を備え、該利点は、装置10が例えばロボットアームに対する手(リスト)関節として使用される場合には重要となり得る。
【0019】
望ましい一実施例において、二次元電子位置決めシステムは、位置決め装置10に対する制御センターとして作用する。位置決めシステムは、対応する案内溝(race counterpart)に連結される第1の部分12の方向性及び回転運動を制御することができる。アクチュエータ組立体による同時の方向及び回転変化は、全ての三次元運動の正確な提示(true representation)を引き起こす一方で、工程全体を通してボール案内溝(ball race)18とアクチュエータ20との間における正確な3Dインターロックを常に保持する。
【0020】
他の実施例において、図8乃至10を参照すると、第2の部分16に対する可動アクチュエータ組立体32の軸方向位置は、制御され得る。図8を参照すると、可動アクチュエータ組立体32は、第1の部分12と外側筐体33を有する。外側筐体33は、第1の部分12と共に、あるいは第2の部分12とは無関係に、あるいはそれらの組み合わせで動き得る。これによりユーザは、図8において示される通り中間の可動位置を選択し得るか、図9に示される通り第1及び第2の係合表面14及び18の係合を離し得るか、あるいは図10に示される通り可動アクチュエータ組立体32に第2の係合表面18を係合させることによって装置10をロックし得る。可動アクチュエータ組立体32が可動アクチュエータ20のように第2の部分16に一致しないため、第1及び第2の部分12及び16の相対位置は、ロックされるようになる。これは例えば、大きな力が一方又は他方の部分に対して加えられる状況において、あるいは位置が偶発的に変わらないことをユーザが確実なものとしたいとする場合に、有用であり得る。
【0021】
以下における望ましい実施例の説明において、ボールジョイントが与えられる。該ボールジョイントは、コネクタ50によって適切な端末装置(人工の手(義手)又はロボットツール等)に対して接続されて与えられ、静止した不動の金属リング(図示せず)等であるシェル状筐体によって適所に維持され、完全にそれ自体の軸の周囲において動くこと及び/又はその領域内における全方向においてチルトすることが可能である。例えば、中心から50度までのチルトは可能にされるか、あるいは、他の設計を使用して、中心から90度より大きいチルトが達成され得る。ボール16の一部は、感圧の離間されたアクチュエータ20の頂部と恒久的に連結されるボール案内溝隆起を有する。結果もたらされる結合は、柔軟であり、非常に可撓性がある。
【0022】
密接に相互依存する部分は、物理的連携によって結びつけられ、各部分が他の部分に伴ってまとまってのみ動き得る(only move as a union, each part with the other in tow)。故にアクチュエータ組立体は、ボールジョイント10の運動を制御する。アクチュエータ組立体は、小さな水平方向の軌道面内において動くとき、ボール案内溝の角状及び回転変位を方向付け、その結果として底に取り付けられた端末装置を方向付ける。端末装置による全ての軸方向回転及び/又はチルトの角度は、アクチュエータによってなされた方向変更に直接に比例する。基本的に、2つの構成要素は、端末装置の軸方向回転又はチルトの角度に直接関連付けられる水平方向軌道プラットフォームの周辺内におけるアクチュエータ組立体による全ての方向変更に伴って動く。
【0023】
この実施例は、ボール案内溝の独特な形状及びアクチュエータと相互作用する性能により正常に動作することができる。駆動機構による方向変更は、2つのもの(the two entities)の間における反応を引き起こし、それによって感圧アクチュエータの先端は、潤滑なカム作用において隆起の変動圧力に屈する(yield to)ため、案内溝隆起間における凹面への多種の伸張を連続的に自動調節する。アクチュエータの妨げられない自動調節を保護するよう、ボール案内溝隆起は、操作されている間にアクチュエータ筐体の上縁に接触してはいけない。アクチュエータと隆起との間の中和的相互依存は、アクチュエータ組立体が右に動かされるときに端末装置を左にチルトさせ、またアクチュエータ組立体が左に動かされるときに端末装置を右にチルトさせる。アクチュエータの回転動作は、端末装置を現在の角度に関わらず360度の経路に従わせる。
【0024】
隆起と密接に離間されたアクチュエータとの間におけるカオス的相互作用は、2つの非常に互換性のある連結表面によって置き換えられ得る。隆起間における開口に合うようアクチュエータを離間することは、正多面体の分割に従ってなされた。例えば、アクチュエータ及び隆起の形状は、20面体形状を使用することによって最適にされ得る。更には、隆起の高さを変更すること及び突出するアクチュエータを延ばすことは、2つのもの間の貫通深度を変える。貫通の多種の深度及び高められたロッキング特徴はまた、アクチュエータ組立体を上昇又は下降させることによって達成され得る。
【0025】
利点:
【0026】
この装置は、多数のロボット用途において使用され得る。小型単一ユニット3Dジョイントモジュールの成功する開発の重要な鍵は、ロッキング位置の間におけるロボットジョイントに動力を供給する性能である。この技術は、適切な環境において現在のマニピュレータのアームの手首組立体において使用される一連のピッチ、ヨー、及びロール運動を置き換え(元に戻し)得る、ことが予測される。
【0027】
理論的には、最低限2つのアクチュエータは、3つ全ての物理的自由度をブロックすることを求められる。かかる数を数倍に増大させることの利点は、広い表面積にわたる外力の分配を保証する。多くの数の貫通アクチュエータはまた、ジョイントシステムの重量耐久性能を大幅に高める。用途に依存して、アクチュエータ組立体は、密接に離間され得るか、あるいは個別に案内され得る。FEA(有限要素分析)の報告によれば、全体的なジョイント強度は、アクチュエータ及び隆起の直径を26%増大させることによって二倍になる。
【0028】
この設計が有する他の利点とは以下の通りである:
・ 動作範囲内の平面又は角度における無制限の3Dロッキング位置。
・ 自動変更、自動係合のコア表面。
・ 1D、2D、及び3Dのジョイント用途に対して適切であること。
・ 全てのロッキング箇所における即時3Dロッキング/手動又は電子制御。
・ 非常にすぐれたピッチ、ヨー、及びロールの力に対する重量耐久強度及びロッキング。
【0029】
変形:
【0030】
上記説明及び図面は、ロッキング形状が主として一連の隆起及び凹面で作られる一実施例を説明している。これは、係合されるときにインターロックされる2つの表面を与えるよう経済的且つ実用的な解決法を与える、ことが分かっている。しかしながら、他のロッキング形状も使用されてよいことは理解される。例えば、ロッキング形状は、複数のアクチュエータを押圧し、他のアクチュエータを係合させる一連のリッジ又はくぼみを有し得る。ロッキング形状は、凹部、伸張部、又はその2つの組合せを有して設計され得る。ロッキング形状及びアクチュエータに対する他のパターンは、当業者に明らかである。
【0031】
上記説明はまた、第1の部分が第2の部分のピッチ及びヨーを変更するよう横方向に動かされる状況に焦点を置いた。しかしながら、異なる運動も可能である。例えば、図11を参照すると、複数又は全てのピストンの高さが制御されるため、第2の部分は、所望される運動を得るよう特定の方向において「押され」得る。この場合、第1の部分は静止のままであり、第2の部分は、そのピッチ及びヨーを変更することに加えて横方向に動く。更には、この設計を使用して、図示されるような丸みのある表面ではなく平らな表面を有する部分の配向を制御することは可能である。位置制御アクチュエータは、部分(body)を押し、その配向を変更させる。
【0032】
また、第1の部分の配向を調節することによって第1の部分の位置を制御する丸みのある第2の部分を備える、ことも可能である。第2の部分がそのピボット点の周囲に動いた際、可動ロッキング係合は、アクチュエータに応力を加え、アクチュエータ及び第1の部分を横方向に動かすようにする。
【0033】
ボールの曲率を更によくたどるよう、アクチュエータの組立体は、3つの異なるアクチュエータ長さを有し得、最も外側のものの背が最も高い。アクチュエータと隆起との間における相互作用は、動作に反応するバネ付きアクチュエータの先端が円錐形にされたボール案内溝隆起の変動する圧力に屈するようにさせる。スチールで囲われたアクチュエータ組立体が動いている一方、アクチュエータは、潤滑なカム作用のような方途において一群の隆起への変動する伸張を連続的に自動調節する。アクチュエータの妨げられない自動調節を確実なものとするよう、アクチュエータと完全に衝突する隆起は、スチールのアクチュエータ筐体の上縁から離間されたままとなる、ことが重要である。この再位置決め工程の全体を通して、アクチュエータと隆起との間の結合(union)は、外部の多面的な応力に対して3Dインターロックを保持する。可能性のあるリストジョイント用途に対するボール案内溝は、ワイヤハーネス接続を収容するよう開放中心コアを特徴とする一方、アクチュエータの頂点は、電子回路に対するスムーズなアクセスを可能にするようリング形状であり得る。
【0034】
本願において、「有する」という語は、該語の後に続くアイテムが含まれることを意味する非制限的な意味において使用されているが、特記されないアイテムも除外されない。単数形で示される要素に関する言及は、1つの要素及び要素のうちの1つのみがあることを明確に要求する状況ではない限り、要素の1つ又はそれより多くが存在するという可能性を除外しない。
【0035】
添付の請求項は、上記において具体的に図示及び説明されるもの、概念的に同等であるもの、及び明らかに置換され得るものを含むよう理解されるべきである。当業者は、上述された実施例の多種の適合及び修正が請求項の範囲から逸脱せず構成され得る、ことを理解するものとする。図示される実施例は、単なる例として説明されており、発明を制限するものとして理解されるべきではない。添付の請求項の範囲内において、本発明は、具体的に図示及び説明されるもの以外において実施され得る、ことが理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続的可変位置決め装置は、
第1の係合表面を備える第1の部分と、
前記第1の係合表面と接触する第2の係合表面を備える第2の部分と、
前記第1の部分及び前記第2の部分の相対運動をもたらす一方で、前記第1の係合表面を前記第2の係合表面に連続的に係合させて維持する手段と、
を有し、
前記第1の係合表面の少なくとも一部は、可動アクチュエータのパターンを有して覆われ、
前記第2の係合表面の少なくとも一部は、アクチュエータ係合形状を備え、少なくとも複数の前記可動アクチュエータは凹状であり、他の前記可動アクチュエータは前記アクチュエータ係合形状に一致するよう延在され、
前記可動アクチュエータは、前記第1の部分及び前記第2の部分の相対運動中に軸方向に動く、
連続的可変位置決め装置。
【請求項2】
前記アクチュエータ係合形状は、突起及び凹面のパターンを有する、
請求項1記載の連続的可変位置決め装置。
【請求項3】
前記可動アクチュエータは、バネ付きアクチュエータである、
請求項1記載の連続的可変位置決め装置。
【請求項4】
前記相対運動をもたらす手段は、位置制御された可動アクチュエータを有する、
請求項1記載の連続的可変位置決め装置。
【請求項5】
前記相対運動をもたらす手段は、前記第1の部分及び前記第2の部分のうち少なくとも一方を動かす、
請求項1記載の連続的可変位置決め装置。
【請求項6】
前記相対運動をもたらす手段は、少なくとも1つの駆動組立体を有する、
請求項1記載の連続的可変位置決め装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つの駆動組立体は、前記第1の部分のピッチ、ヨー、及びロールのうち少なくとも1つを変更する、
請求項6記載の連続的可変位置決め装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つの駆動組立体は、平面的駆動組立体及び回転駆動組立体を有し、該平面的駆動組立体は第1の部分を横方向に動かし、該回転駆動組立体が前記平面的な駆動組立体によって運ばれる場合、前記回転駆動組立体は前記第1の部分を回転させる、
請求項6記載の連続的可変位置決め装置。
【請求項9】
前記第1の部分及び前記第2の部分のうち少なくとも一方を回転させる手段、
を更に有する請求項1記載の連続的可変位置決め装置。
【請求項10】
前記第2の係合表面は、平らな表面及び弓状の表面のうちの一方である、
請求項1記載の連続的可変位置決め装置。
【請求項11】
前記可動アクチュエータは、アクチュエータ組立体内において収容され、該アクチュエータ組立体は、前記第2の部分に対して軸方向に可動である、
請求項1記載の連続的可変位置決め装置。
【請求項12】
前記アクチュエータ組立体は、第1及び第2の軸方向において可動であり、該アクチュエータ組立体は、前記第1及び第2の係合表面の係合が離されている非係合位置と、前記第1及び第2の部分の相対運動が許容される中間駆動位置と、前記第1及び第2の部分の相対運動が許容されない第3のロック位置と、を備える、
請求項11記載の連続的可変位置決め装置。
【請求項13】
前記少なくとも1つの駆動組立体は、該少なくとも1つの駆動組立体が稼働されていないときに、前記第1及び第2の部分を選択位置において保持する、
請求項6記載の連続的可変位置決め装置。
【請求項14】
前記第1の係合表面は前記第2の係合表面に係合し、ピッチ、ヨー、及びロール運動は、前記第1の部分及び前記第2の部分の前記相対運動によって制御される、
請求項1記載の連続的可変位置決め装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2011−517747(P2011−517747A)
【公表日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−520390(P2010−520390)
【出願日】平成20年8月15日(2008.8.15)
【国際出願番号】PCT/CA2008/001458
【国際公開番号】WO2009/023957
【国際公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【出願人】(510042910)
【Fターム(参考)】