説明

進捗管理システム及び管理サーバ

【課題】工事の進捗を適切に管理する技術を提供する。
【解決手段】進捗管理システム10は、工事の進捗を管理する進捗管理データベース30と、工事の作業工程における複数の場所に設けられた複数の端末40と、端末40から工事の作業に関するデータを取得して進捗管理データベース30を管理する管理サーバ20を含む。端末40は、建設資材80に貼付されたラベル82に印刷された図形を読み取ることにより建設資材80の識別情報を取得し、その建設資材80に対して行われた作業内容と作業日時とを対応づけて管理サーバ20へ送信する。管理サーバ20は、取得した作業データを進捗管理データベース30に登録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工事の進捗を管理する進捗管理システム、及びその進捗管理システムにおいて利用可能な管理サーバに関する。
【背景技術】
【0002】
プラント建設など大規模な建設工事の中では多種多様で膨大な量の資材が必要となる。初めは個々の材料要素を組立て、最終的にはシステムとして完成させる方法で工事が進められるが、それを管理する中で、作業工程により管理すべき対象が異なるなど、その進捗管理は大変複雑なものとなる。従来、個別に作業進捗を管理するシステムはあったが、特に大規模な建設工事では、個別の作業進捗管理ではなく、作業の開始から完了まで一貫した作業履歴を管理できるようなシステムが求められるようになっている。
【特許文献1】特開2004−59249号公報
【特許文献2】特開2004−234338号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
溶接、非破壊検査、塗装、取り付けなど、それぞれの建設資材に対して複数の作業工程が必要となるが、従来は工事の進捗を管理する際に、現場で紙に手書きで記録をとり、それを事務所などに持ち帰ってコンピュータ等を用いて電子化していた。そのため、記録が揃うまでに時間がかかったり、誤入力等により適切に管理がなされず、建設資材が行方不明になったりすることがあった。
【0004】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、工事の進捗を適切に管理する技術の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のある態様は、進捗管理システムに関する。この進捗管理システムは、工事の進捗を管理するためのデータを格納する進捗管理データベースと、前記工事の作業工程における複数の場所に設けられた複数の端末と、前記端末から前記工事の作業に関するデータを取得して前記進捗管理データベースを管理する管理サーバと、を含み、前記端末は、建設資材に付された前記建設資材の識別情報を取得する識別情報取得部と、取得した前記建設資材の識別情報に、その建設資材に対して行われた作業内容と作業日時とを対応づけた作業データを前記管理サーバへ送信する送信部と、を含み、前記管理サーバは、前記端末から前記作業データを取得する作業データ取得部と、取得した前記作業データを前記進捗管理データベースに登録する登録部と、を含むことを特徴とする。
【0006】
これにより、工事の進捗を管理するための作業データを記録する際の手間を低減することができるとともに、誤入力を防止し、精確に作業データを記録することができる。
【0007】
前記管理サーバは、建築物を設計する段階で生成された前記建設資材の識別情報を含むデータベースから、前記建設資材の識別情報をインポートするインポート部と、インポートされた前記建設資材の識別情報を変換して、前記建設資材に貼付可能なラベルに印刷される図形を生成するラベル生成部と、を更に含んでもよい。これにより、識別情報を付与する際の手間を低減することができるとともに、誤入力を防止することができる。
【0008】
前記識別情報取得部は、前記建設資材に貼付された前記ラベルに印刷された前記図形を光学的に読み取ることにより前記識別情報を取得してもよい。識別情報取得部は、バーコードリーダであってもよい。
【0009】
前記建設資材が配管部材である場合、前記配管部材には複数の前記ラベルが貼付されてもよく、前記ラベルは、少なくとも前記配管部材の一端と他端とに貼付されてもよい。数メートルから数十メートルの大きな配管部材であっても、両端にラベルを貼付することにより、識別情報を読み取る作業を効率良く進めることができる。
【0010】
前記建設資材が配管部材である場合、前記配管部材には複数の前記ラベルが貼付されてもよく、前記ラベルは、少なくとも前記配管部材の外面とその逆側の外面とに貼付されてもよい。配管部材を地面などに置いたときに、一方のラベルが地面に接地して読み取れない状態にあっても、他方のラベルから識別情報を読み取ることができる。
【0011】
前記ラベルは、前記配管部材を塗装した後に、再び外面に貼付されてもよい。これにより、塗装工程後もラベルから識別情報を読み取ることができる。
【0012】
前記管理サーバは、建築物を設計する段階で生成された前記建設資材の識別情報を含むデータベースから、前記建設資材の識別情報をインポートするインポート部と、インポートされた前記建設資材の識別情報を、前記建設資材に貼付するICタグのICに記録させて、前記識別情報を発信可能な前記ICタグを生成させるタグ生成部と、を更に含んでもよい。前記識別情報取得部は、前記ICタグから発信された前記識別情報を受信することにより前記識別情報を取得してもよい。
【0013】
前記建設資材の一時保管場所に設けられた前記端末は、現在位置を検知するためのGPS受信機を更に含んでもよく、前記建設資材を前記一時保管場所に保管するときに、前記GPS受信機によりその建設資材の保管位置を検知し、検知した保管位置を前記作業データとともに前記管理サーバへ送信してもよい。前記登録部は、前記端末から取得した前記建設資材の保管位置を更に前記進捗管理データベースに登録してもよく、前記建設資材の保管位置の検索要求を受け付け、前記進捗管理データベースを参照して、その建設資材の保管位置を検索して回答する保管位置検索部を更に含んでもよい。これにより、一時保管場所において建設資材を検索する効率を向上させることができる。
【0014】
前記進捗管理データベースに登録された作業データを、配管の溶接作業を管理する溶接管理データベースにエクスポートするエクスポート部を更に備えてもよい。
【0015】
本発明の別の態様は、管理サーバに関する。この管理サーバは、建築物を設計する段階で生成された建設資材の識別情報を含むデータベースから、前記建設資材の識別情報をインポートするインポート部と、インポートされた前記建設資材の識別情報を、工事の進捗を管理するためのデータを格納する進捗管理データベースに登録する登録部と、インポートされた前記建設資材の識別情報をもとに、前記建設資材の識別情報を含む、前記建設資材に添付可能なタグを生成するタグ生成部と、前記タグから前記建設資材の識別情報を取得した端末から、その建設資材の識別情報と、その建設資材に対して行われた作業内容及び作業日時とを含む作業データを取得する作業データ取得部と、を含み、前記登録部は、前記作業データ取得部が取得した前記作業データを前記進捗管理データベースに登録することにより、前記工事の進捗に合わせて前記進捗管理データベースを更新することを特徴とする。
【0016】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、工事の進捗を適切に管理する技術を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1は、実施の形態に係る進捗管理システムの構成を示す。進捗管理システム10は、工事の進捗を管理する進捗管理データベース30と、工事の作業工程における複数の場所に設けられた複数の端末40と、端末40から工事の作業に関するデータを取得して進捗管理データベース30を管理する管理サーバ20を含む。管理サーバ20と端末40は、インターネットなどのネットワーク(図示せず)により接続されている。
【0019】
管理サーバ20は、インポート部21、ラベル生成部22、エクスポート部23、通信部24、作業データ取得部25、登録部26、データ照会受付部27、保管位置検索部28を含む。端末40は、送信部41、GPS受信機42、識別情報取得部43を含む。これらの構成は、ハードウエアコンポーネントでいえば、任意のコンピュータのCPU、メモリ、メモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0020】
インポート部21は、工事に係る建築物の設計を支援する設計支援システム12により生成された建築物のCADデータを格納したCADデータベース13、又は、工事図面を作成する図面作成システム14により生成された図面データベース15をもとに、設計された建築物を構成する配管部材(スプール)の溶接工程の進捗及び実績を管理する溶接管理システム16により管理される溶接管理データベース17など、建築物を設計する段階で生成されたデータベースから、建設資材の識別情報をインポートして進捗管理データベース30に登録する。
【0021】
後述するように、進捗管理データベース30では、建設資材ごとに、その建設資材に対して行われた作業内容や作業日時を管理する。従来は、進捗管理工程において、建設資材にIDを割り当て、そのIDを用いて進捗を管理していたが、IDが重複していたり、IDを付与していない建設資材が存在していたりするなど、人為的なミスにより建設資材の一部が失われたり、進捗を適切に管理できない場合があった。
【0022】
本実施の形態では、上流の設計工程において、工事に使用する建設資材は既に確定されており、識別情報も付与されていることを利用して、上流のシステムから建設資材の識別情報をインポートする。これにより、進捗管理データベース30に建設資材の識別情報を手動で入力する際に発生する人為的ミスを回避し、データの信頼性を向上させることができる。また、建設資材の識別情報の入力作業を簡素化し、工数を大幅に低減させることができる。後述するように、建設資材の識別情報は、図面作成システム14により作成された図面の図面番号と、その図面における建設資材の資材番号を含んでもよい。
【0023】
ラベル生成部22は、インポート部21によりインポートされた建設資材の識別情報を、バーコードなどの図形に変換し、建設資材に貼付可能なラベルに印刷される図形を生成する。生成された図形は、ラベル82の表面に印刷される。ラベル82は、建設資材80に貼付される。各作業工程において、担当者が作業内容を記録する際に、端末40によりラベル82に印刷された図形を読み取って建設資材80の識別情報を取得し、その識別情報に作業内容と作業日時を対応付けて管理サーバ20に送信する。これにより、識別情報の誤入力を防止し、作業の進捗を適切に管理することができる。ラベル82には、図1に示すように、図面番号、資材番号などの識別情報や、配管部材の中に流す流体の種別を示すコード、建設資材の材質を示すコード、建設現場や一時保管場所などにおけるエリア番号などを図形に加えて印刷してもよい。これにより、工事関係者がラベル82を視認して建設資材80に関する情報を得ることができ、作業効率を向上させることができる。
【0024】
端末40の識別情報取得部43は、建設資材80に貼付されたラベル82に印刷された図形を光学的に読み取ることにより、建設資材80の識別情報を取得する。ラベル82に印刷された図形がバーコードである場合、識別情報取得部43はバーコードリーダであってもよい。GPS受信機42は、GPS(Global Positioning System)衛星から発信された電波を受信して測位を行うことにより、端末40の現在位置を取得する。GPS受信機42に代えて、その他任意の技術により現在位置を取得してもよい。後述するように、建設資材80を一時的に保管する場所に設けられた端末40は、建設資材80の保管位置を管理するために位置を取得するための構成を設けているが、その他の作業工程に設けられる端末40にはGPS受信機42などの位置を取得するための構成を設けなくてもよい。
【0025】
送信部41は、識別情報取得部43が取得した建設資材の識別情報に、その建設資材に対して行われた作業内容と作業日時とを対応づけた作業データを管理サーバ20へ送信する。端末40が、複数の作業工程において共通に利用される場合は、送信部41は、複数の作業内容から作業内容を選択するための選択部を含んでもよい。端末40が、単一の作業工程において利用される場合は、作業内容を特定する情報に代えて、端末40のIDなどを送信してもよい。この場合、管理サーバ20は、端末IDにより作業内容を特定する。作業日時は、作業データを受信した管理サーバ20側で付加してもよい。
【0026】
通信部24は、有線又は無線のネットワークや、データケーブルなどを介した端末40との間の通信を制御する。作業データ取得部25は、端末40から送信された作業データを取得する。登録部26は、取得した作業データを進捗管理データベース30に登録する。
【0027】
データ照会受付部27は、進捗管理データベース30に登録された工事の進捗を示す作業データの照会要求を受け付け、進捗管理データベース30から要求されたデータを読み出して回答する。これにより、工事に関与する業者の担当者や、工事を発注した顧客の担当者などが、工事の進捗状況を閲覧することができる。
【0028】
保管位置検索部28は、進捗管理データベース30に登録された建設資材の位置情報の検索要求を受け付け、進捗管理データベース30から要求された建設資材の位置情報を読み出して回答する。これにより、建設資材の一時保管場所などにおいて建設資材を探し出す際の効率を向上させることができる。
【0029】
エクスポート部23は、進捗管理データベース30に登録された作業データを、溶接管理データベース17など他のデータベースにエクスポートする。配管部材の溶接工程を、溶接点ごとに管理するための溶接管理データは、工事後に溶接工程の実績を証明するために工事の発注者に納品されることが多い。このとき、進捗管理データベース30のデータをエクスポートすることにより、溶接管理データベース17を別に管理する必要がなくなり、工数を削減することができる。また、データの信頼性を向上させることができる。
【0030】
図2は、進捗管理データベース30の内部データの例を示す。進捗管理データベース30には、図面番号欄50、資材番号欄51、登録日時欄52、作業記録欄53、業者コード欄54、エリアコード欄55、材質種別欄56、保管位置欄57、最終更新日時欄60が設けられている。図面番号欄50は、図面作成システム14により作成された図面の番号を格納し、資材番号欄51は、各図面に記載されている建設資材の番号を格納する。これらが建設資材の識別情報として機能し、図面番号と資材番号により建設資材が一意に識別される。図面番号と資材番号は、インポート部21により溶接管理データベース17などからインポートされ、登録される。登録日時欄52は、インポート部21により図面番号と資材番号が登録された日時を格納する。
【0031】
業者コード欄54は、その建設資材の作業を担当する業者の識別情報を格納する。エリアコード欄55は、建設現場においてその建設資材が配置されるエリアを示すコードを格納する。材質種別欄56は、その建設資材の材質の種別を示す情報を格納する。最終更新日時欄60は、その建設資材のレコードを最後に更新した日時を記録する。
【0032】
作業記録欄53は、各工程における作業の内容ごとに、作業を行った日時を格納する。作業記録欄53は、工場製作完了欄61、一時保管場所入荷欄62、一時保管場所出荷欄63、工事現場入荷欄64、取付完了欄65を含む。その他、一時保管場所や現場などで工事の内容に応じて任意に項目を設定して記録するための項目欄を含んでもよい。
【0033】
工場製作完了欄61には、工場において建設資材の製作が完了した日時を格納する。端末40は、工場において建設資材の製作が完了したときに、建設資材に貼付されたラベル82の識別情報を取得し、作業内容と作業日時とともに管理サーバ20へ送信する。登録部26は、取得した識別情報に対応する資材の工場製作完了欄61に、端末40から通知された作業日時を記録する。
【0034】
一時保管場所入荷欄62は、資材を一時的に保管するための一時保管場所に資材が入荷された日時を格納し、保管位置欄57は、一時保管場所における資材の保管位置を格納する。保管位置欄57は、ブロック番号欄72、X座標欄73、Y座標欄74を含み、それぞれ、一時保管場所をブロックに分割したときのブロック番号、GPS受信機42を用いて検知された保管位置のX座標、Y座標を格納する。端末40は、一時保管場所において建設資材を入荷して保管するときに、その建設資材の識別情報と位置情報を取得し、作業内容と作業日時とともに管理サーバ20へ送信する。登録部26は、取得した識別情報に対応する資材の一時保管場所入荷欄62に、端末40から通知された作業日時を記録し、保管位置欄57に、保管位置を示す情報を記録する。
【0035】
一時保管場所出荷欄63は、一時保管場所から建設現場へ建設資材を出荷した日時を格納する。端末40は、一時保管場所において資材を出荷するときに、その資材の識別情報を取得し、作業内容と作業日時とともに管理サーバ20へ送信する。登録部26は、取得した識別情報に対応する資材の一時保管場所出荷欄63に、端末40から通知された日時を記録する。
【0036】
その他の作業記録欄53にも、同様に、作業ごとに作業を行った日時を格納していく。これにより、作業の進捗状況を建設資材ごとに適切に管理することができる。また、工事後に作業実績の記録を納品する場合にも利用することができる。
【0037】
保管位置検索部28は、一時保管場所における建設資材の保管位置の検索要求を受け付け、進捗管理データベース30を参照して、その建設資材の保管位置を検索する。保管位置検索部28は、図示しないユーザインタフェイスを介してユーザから検索要求を受け付けてもよいし、インターネットなどの通信手段を介して他の端末などから検索要求を受け付けてもよい。例えば、担当者の端末40から検索要求を受け付け、端末40の現在位置と、建設資材の保管位置とを地図上に表示してもよい。一時保管場所が広大であったり、雪に埋もれてしまうような状況であったとしても、保管位置を進捗管理データベース30から検索して取得することにより、目的の資材を容易に効率良く発見することができる。
【0038】
図3は、配管部材にラベルを貼付した様子を示す。図3に示すように、建設資材80が配管部材である場合は、数メートルから数十メートルの長さを有する部材も少なくないので、担当者が端末40を用いてラベル82に表示されている図形を読み取るときの作業効率を考慮して、複数のラベル82を貼付するのが好ましい。その際、図3に示すように、建設資材80の両端にラベル82を貼付するのが好ましい。更に、中央付近にもラベル82を貼付してもよい。また、建設資材80を地面などに置いたときに、ラベル82が地面に接地して読み取れない状態になる可能性を考慮して、図3に示すように、建設資材80の外面とその逆側の外面とに貼付されるのが好ましい。これにより、建設資材80に貼付されたラベル82から識別情報を読み取るときの作業効率を向上させることができる。建設資材80の塗装工程が終了すると、ラベル82は塗料により塗りつぶされるので、塗装工程の終了後に再びラベル82を貼付してもよい。これにより、塗装後も同様にラベル82から識別情報を読み取ることができる。
【0039】
図4は、進捗管理システムの構成の別の例を示す。図4に示した進捗管理システム10は、図1に示した進捗管理システム10の構成と比べて、ラベル生成部22に代えてICタグ生成部29を有しており、建設資材80には、ラベル82に代えてICタグ84が貼付される。また、端末40の識別情報取得部43は、ICタグ84から発信される識別情報を取得する。その他の構成及び動作は、図1に示した進捗管理システム10と同様である。
【0040】
ICタグ生成部29は、インポート部21によりインポートされた建設資材の識別情報を、その建設資材80に貼付するICタグ84のICに転送して記録させ、識別情報を発信可能なICタグ84を生成させる。ICタグ84は、建設資材80に貼付され、ICに記録された識別情報を発信する。識別情報取得部43は、ICタグ84から発信される識別情報を受信することにより、建設資材80の識別情報を取得する。これにより、図1に示した進捗管理システム10と同様に、識別情報の誤入力を防止し、作業の進捗を適切に管理することができる。
【0041】
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】実施の形態に係る進捗管理システムの構成を示す図である。
【図2】進捗管理データベースの内部データの例を示す図である。
【図3】配管部材にラベルを貼付した様子を示す図である。
【図4】進捗管理システムの構成の別の例を示す図である。
【符号の説明】
【0043】
10 進捗管理システム、13 CADデータベース、15 図面データベース、17 溶接管理データベース、20 管理サーバ、21 インポート部、22 ラベル生成部、23 エクスポート部、24 通信部、25 作業データ取得部、26 登録部、27 データ照会受付部、28 保管位置検索部、29 ICタグ生成部、30 進捗管理データベース、40 端末、41 送信部、42 GPS受信機、43 識別情報取得部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
工事の進捗を管理するためのデータを格納する進捗管理データベースと、
前記工事の作業工程における複数の場所に設けられた複数の端末と、
前記端末から前記工事の作業に関するデータを取得して前記進捗管理データベースを管理する管理サーバと、を含み、
前記端末は、
建設資材に付された前記建設資材の識別情報を取得する識別情報取得部と、
取得した前記建設資材の識別情報に、その建設資材に対して行われた作業内容と作業日時とを対応づけた作業データを前記管理サーバへ送信する送信部と、を含み、
前記管理サーバは、
前記端末から前記作業データを取得する作業データ取得部と、
取得した前記作業データを前記進捗管理データベースに登録する登録部と、を含む
ことを特徴とする進捗管理システム。
【請求項2】
前記管理サーバは、
建築物を設計する段階で生成された前記建設資材の識別情報を含むデータベースから、前記建設資材の識別情報をインポートするインポート部と、
インポートされた前記建設資材の識別情報を変換して、前記建設資材に貼付可能なラベルに印刷される図形を生成するラベル生成部と、
を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の進捗管理システム。
【請求項3】
前記識別情報取得部は、前記建設資材に貼付された前記ラベルに印刷された前記図形を光学的に読み取ることにより前記識別情報を取得することを特徴とする請求項2に記載の進捗管理システム。
【請求項4】
前記建設資材が配管部材である場合、前記配管部材には複数の前記ラベルが貼付され、
前記ラベルは、少なくとも前記配管部材の一端と他端とに貼付されることを特徴とする請求項2又は3に記載の進捗管理システム。
【請求項5】
前記建設資材が配管部材である場合、前記配管部材には複数の前記ラベルが貼付され、
前記ラベルは、少なくとも前記配管部材の外面とその逆側の外面とに貼付されることを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の進捗管理システム。
【請求項6】
前記ラベルは、前記配管部材を塗装した後に、再び外面に付されることを特徴とする請求項4又は5に記載の進捗管理システム。
【請求項7】
前記管理サーバは、
建築物を設計する段階で生成された前記建設資材の識別情報を含むデータベースから、前記建設資材の識別情報をインポートするインポート部と、
インポートされた前記建設資材の識別情報を、前記建設資材に貼付するICタグのICに記録させて、前記識別情報を発信可能な前記ICタグを生成させるタグ生成部と、
を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の進捗管理システム。
【請求項8】
前記識別情報取得部は、前記ICタグから発信された前記識別情報を受信することにより前記識別情報を取得することを特徴とする請求項7に記載の進捗管理システム。
【請求項9】
前記建設資材の一時保管場所に設けられた前記端末は、現在位置を検知するためのGPS受信機を更に含み、前記建設資材を前記一時保管場所に保管するときに、前記GPS受信機によりその建設資材の保管位置を検知し、検知した保管位置を前記作業データとともに前記管理サーバへ送信することを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の進捗管理システム。
【請求項10】
前記登録部は、前記端末から取得した前記建設資材の保管位置を更に前記進捗管理データベースに登録し、
前記建設資材の保管位置の検索要求を受け付け、前記進捗管理データベースを参照して、その建設資材の保管位置を検索して回答する保管位置検索部を更に含むことを特徴とする請求項8に記載の進捗管理システム。
【請求項11】
前記進捗管理データベースに登録された作業データを、配管の溶接作業を管理する溶接管理データベースにエクスポートするエクスポート部を更に備えることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の進捗管理システム。
【請求項12】
建築物を設計する段階で生成された建設資材の識別情報を含むデータベースから、前記建設資材の識別情報をインポートするインポート部と、
インポートされた前記建設資材の識別情報を、工事の進捗を管理するためのデータを格納する進捗管理データベースに登録する登録部と、
インポートされた前記建設資材の識別情報をもとに、前記建設資材の識別情報を含む、前記建設資材に添付可能なタグを生成するタグ生成部と、
前記タグから前記建設資材の識別情報を取得した端末から、その建設資材の識別情報と、その建設資材に対して行われた作業内容及び作業日時とを含む作業データを取得する作業データ取得部と、を含み、
前記登録部は、前記作業データ取得部が取得した前記作業データを前記進捗管理データベースに登録することにより、前記工事の進捗に合わせて前記進捗管理データベースを更新することを特徴とする管理サーバ。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−323497(P2007−323497A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−154781(P2006−154781)
【出願日】平成18年6月2日(2006.6.2)
【出願人】(000003285)千代田化工建設株式会社 (162)
【Fターム(参考)】