遊技システム
【課題】遊技媒体を不正に払い出させる不正基板を貸出装置と遊技機との通信経路に取り付けるような不正を確実に回避して、動作信頼性を高めた遊技システムを提供する。
【解決手段】貸出装置110とCR遊技機210が正しく接続されることで遊技球貸出機能が有効となる遊技システムで、貸出装置110の主制御基板101に設けた認証手段111と、CR遊技機210に設けた認証手段211との間で、暗号化した認証用電文のやり取りを行い、認証手段111と認証手段211が暗号化・復号化に使う暗号鍵が同じであれば、一方で暗号化した認証用電文を他方で復号化できるので、接続相手が正しい接続相手であるかを認証用電文のやり取りで相互認証し、認証が完了した場合にのみ、貸出装置110とCR遊技機210が正常稼働する。
【解決手段】貸出装置110とCR遊技機210が正しく接続されることで遊技球貸出機能が有効となる遊技システムで、貸出装置110の主制御基板101に設けた認証手段111と、CR遊技機210に設けた認証手段211との間で、暗号化した認証用電文のやり取りを行い、認証手段111と認証手段211が暗号化・復号化に使う暗号鍵が同じであれば、一方で暗号化した認証用電文を他方で復号化できるので、接続相手が正しい接続相手であるかを認証用電文のやり取りで相互認証し、認証が完了した場合にのみ、貸出装置110とCR遊技機210が正常稼働する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機と貸出装置が適正に接続されることで遊技が可能になる遊技システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、遊技媒体を用いた遊技が行える遊技機と、遊技機での遊技に使う遊技機を貸し出すための制御を行う貸出装置とが適正に接続されることで遊技が可能になる遊技システムがある。遊技機は、主制御基板のCPUによって遊技制御されていることから、そのCPUを不正なものに交換する不正が行われることがあった。不正なCPUに交換されると、本来の遊技機能が損なわれて、遊技店に多大な損害を与えることもあった。
【0003】
このため、遊技機の主制御基板をカシめ、封印シールをはり、更に封印シールにICチップを埋め込んで、遊技機の制御基板が不正なものと交換されることを困難にし、不正な遊技媒体の払い出しを排除する方法が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−289419号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の不正監視システムでは、対処できない不正がある。すなわち、遊技機の主制御基板はそのまま残し、遊技媒体の払出に係る信号が送受信されるインターフェース部や配線ケーブルに対して不正な基板を外付けし、この不正基板によってニセの信号を割り込ませることで、遊技媒体を不正に払出させるような不正には、特許文献1に記載の不正監視システムは対処できないのである。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、遊技媒体を不正に払い出させる不正基板を貸出装置と遊技機との通信経路に取り付けるような不正を確実に回避して、動作信頼性を高めた遊技システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、請求項1に係る発明は、遊技媒体を貸し出すための貸出制御機能を備えた貸出装置と、該貸出装置が正しく接続されている事で遊技が可能となる遊技機と、で構成される遊技システムであって、前記貸出装置と前記遊技機には、共通の暗号化・復号化機能によって認証用電文の暗号化および復号化を行える認証手段を各々設け、前記貸出装置と前記遊技機とが相互に正当な接続相手先である事を認証するための所定の認証用電文を暗号通信する事で相互認証し、認証の結果、双方が正当な接続先であると判断した場合に限り、貸出装置および遊技機が正常動作するようにしたことを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に係る発明は、前記請求項1に記載の遊技システムにおいて、前記貸出装置および前記遊技機が備える認証手段は、鍵生成のための共通の暗号鍵初期化情報を入力して同一系列の疑似乱数値を順次生成して内部に保持する暗号鍵生成機能を含み、この内部生成した暗号鍵を外部に通知することなく認証用電文の暗号化・復号化に用いるようにしたことを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に係る発明は、前記請求項2に記載の遊技システムにおいて、前記貸出装置および前記遊技機の認証手段が、暗号鍵生成機能により暗号鍵を生成するための暗号鍵初期化情報は、貸出装置に搭載された通信手段によって貸出装置の外部から取得し、取得した暗号鍵初期化情報を貸出装置から遊技機へ通知することで、双方が共通の暗号鍵初期化情報により共通の暗号鍵を生成できるようにしたことを特徴とする。
【0010】
また、請求項4に係る発明は、前記請求項3に記載の遊技システムにおいて、前記貸出装置が取得する暗号鍵生成用の暗号鍵初期化情報は、当該貸出装置が遊技店内通信ネットワークを介して接続された店舗内の店舗管理コンピュータから供給されるようにしたことを特徴とする。
【0011】
また、請求項5に係る発明は、前記請求項3に記載の遊技システムにおいて、前記貸出装置が取得する暗号鍵生成用の暗号鍵初期化情報は、当該貸出装置が遊技店内通信ネットワークおよび広域通信網を介して接続された店舗外のセキュリティ管理サーバから供給されるようにしたことを特徴とする。
【0012】
また、請求項6に係る発明は、前記請求項2に記載の遊技システムにおいて、前記貸出装置および前記遊技機の認証手段が、暗号鍵生成機能により暗号鍵を生成するための暗号鍵初期化情報は、貸出装置に設けた暗号鍵初期化情報生成手段によってランダムに生成し、生成した暗号鍵初期化情報を貸出装置から遊技機へ通知することで、双方が共通の暗号鍵初期化情報により共通の暗号鍵を生成できるようにしたことを特徴とする。
【0013】
また、請求項7に係る発明は、前記請求項6に記載の遊技システムにおいて、前記貸出装置の暗号鍵初期化情報生成手段は、貸出装置の稼働中にランダムに生ずるイベントの中から予め定めた初期化情報更新イベントが発生することに基づいて暗号鍵初期化情報を生成することにより、暗号鍵初期化情報の更新タイミングがランダムになるようにしたことを特徴とする。
【0014】
また、請求項8に係る発明は、前記請求項2〜請求項7の何れか1項に記載の遊技システムにおいて、前記貸出装置および前記遊技機が備える認証手段の暗号鍵生成機能は、暗号化および/または復号化による認証の実行毎に所定の手順で新たな暗号鍵を生成することにより、貸出装置の認証手段と遊技機の認証手段が更新された共通の暗号鍵を利用できるようにしたことを特徴とする。
【0015】
また、請求項9に係る発明は、前記請求項8に記載の遊技システムにおいて、前記遊技機は、当該遊技機の個体を識別できる遊技機固有情報を保持するものとし、前記遊技機固有情報を含む認証用電文を遊技機より貸出装置へ送信し、これを受信した貸出装置は遊技機固有情報を記憶するとともに認証用電文を新たに生成した暗号鍵で暗号化した暗号電文を遊技機へ送信し、これを受信した遊技機は新たに生成した貸出装置と共通の暗号鍵で暗号電文を復号化するとともに貸出装置に送信した認証用電文と比較し、遊技機から送信した認証用電文と遊技機が受信して復号した認証用電文とが一致することで相互認証が完了するようにしたことを特徴とする。
【0016】
また、請求項10に係る発明は、前記請求項8に記載の遊技システムにおいて、前記遊技機は、当該遊技機の個体を識別できる遊技機固有情報を保持するものとし、前記遊技機固有情報を含む認証用電文を遊技機内で新たに生成した暗号鍵により暗号化した暗号化電文を遊技機より貸出装置へ送信し、これを受信した貸出装置は新たに生成した遊技機と共通の暗号鍵で暗号化電文を復号化し、復号化した認証用電文の遊技機固有情報を記憶するとともに認証用電文を新たに生成した暗号鍵で暗号化した暗号電文を遊技機へ送信し、これを受信した遊技機は新たに生成した貸出装置と共通の暗号鍵で暗号電文を復号化するとともに貸出装置に送信した認証用電文と比較し、遊技機から送信した認証用電文と遊技機が受信して復号した認証用電文とが一致することで相互認証が完了するようにしたことを特徴とする。
【0017】
また、請求項11に係る発明は、前記請求項8に記載の遊技システムにおいて、前記貸出装置は、当該貸出装置の個体を識別できる貸出装置固有情報を保持するものとし、前記貸出装置固有情報を含む認証用電文を貸出装置より遊技機へ送信し、これを受信した遊技機は貸出装置固有情報を記憶するとともに認証用電文を新たに生成した暗号鍵で暗号化した暗号電文を貸出装置へ送信し、これを受信した貸出装置は新たに生成した遊技機と共通の暗号鍵で暗号電文を復号化するとともに遊技機に送信した認証用電文と比較し、貸出装置から送信した認証用電文と貸出装置が受信して復号した認証用電文とが一致することで相互認証が完了するようにしたことを特徴とする。
【0018】
また、請求項12に係る発明は、前記請求項8に記載の遊技システムにおいて、前記貸出装置は、当該貸出装置の個体を識別できる貸出装置固有情報を保持するものとし、前記貸出装置固有情報を含む認証用電文を貸出装置内で新たに生成した暗号鍵により暗号化した暗号化電文を貸出装置より遊技機へ送信し、これを受信した遊技機は新たに生成した貸出装置と共通の暗号鍵で暗号化電文を復号化し、復号化した認証用電文の貸出装置固有情報を記憶するとともに認証用電文を新たに生成した暗号鍵で暗号化した暗号電文を貸出装置へ送信し、これを受信した貸出装置は新たに生成した遊技機と共通の暗号鍵で暗号電文を復号化するとともに遊技機に送信した認証用電文と比較し、貸出装置から送信した認証用電文と貸出装置が受信して復号した認証用電文とが一致することで相互認証が完了するようにしたことを特徴とする。
【0019】
また、請求項13に係る発明は、前記請求項9〜請求項12に記載の遊技システムにおける相互認証を複数組み合わせ、組み合わせた複数の相互認証が全て完了することによって認証条件が達成されるようにしたことを特徴とする。
【0020】
また、請求項14に係る発明は、前記請求項9〜請求項13に記載の遊技システムにおいて、前記貸出装置と前記遊技機との間で最初に行う初回相互認証のときに取得した相手機器の固有情報を初期固有情報として記憶保持する初期固有情報記憶手段と、前記初期固有情報記憶手段に初期固有情報が記憶された後に行う相互認証で取得した相手機器の固有情報が初期固有情報と一致するか否かに基づいて、接続対象の相手機器が変更された異常の有無を判定する接続異常判定手段と、を備えることを特徴とする。
【0021】
また、請求項15に係る発明は、前記請求項1〜請求項14の何れか1項に記載の遊技システムにおいて、前記貸出装置の認証手段と前記遊技機の認証手段は、共に通信機能を備え、認証用電文を直接やりとりするようにしたことを特徴とする。
【0022】
また、請求項16に係る発明は、前記請求項1〜請求項14の何れか1項に記載の遊技システムにおいて、前記貸出装置の認証手段と前記遊技機の認証手段は、共に通信機能を持たず、貸出装置および遊技機の各制御基板が備える通信機能によって認証用電文のやりとりを行うようにしたことを特徴とする。
【0023】
また、請求項17に係る発明は、前記請求項1〜請求項16の何れか1項に記載の遊技システムにおいて、前記貸出装置と前記遊技機との信号接続構造は、遊技機より一方的に出力される遊技機状態出力信号と、貸出装置と遊技機間で双方向通信する遊技媒体の貸出に関する貸出関連信号とを、各々異なる信号線束に分離し、前記遊技機の認証手段からの送信は遊技機状態出力信号線束を通じて行い、前記貸出装置の認証手段からの送信は貸出関連信号線束を通じて行うようにしたことを特徴とする。
【0024】
また、請求項18に係る発明は、前記請求項1〜請求項16の何れか1項に記載の遊技システムにおいて、前記貸出装置と前記遊技機との信号接続構造は、遊技機より一方的に出力される遊技機状態出力信号と、貸出装置と遊技機間で双方向通信する遊技媒体の貸出に関する貸出関連信号とを、各々異なる信号線束に分離し、前記遊技機の認証手段からの送信および前記貸出装置の認証手段からの送信は、共に貸出関連信号線束を通じて行うようにしたことを特徴とする。
【0025】
また、請求項19に係る発明は、前記請求項1〜請求項16の何れか1項に記載の遊技システムにおいて、前記貸出装置と前記遊技機との信号接続構造は、遊技機より一方的に出力される遊技機状態出力信号と、貸出装置と遊技機間で双方向通信する遊技媒体の貸出に関する貸出関連信号とを、同じ信号線束に統合し、前記遊技機の認証手段からの送信および前記貸出装置の認証手段からの送信は、共に統合信号線束を通じて行うようにしたことを特徴とする。
【0026】
また、請求項20に係る発明は、前記請求項19に記載の遊技システムにおいて、前記統合信号線束を介して遊技機から貸出装置へ送信する遊技機状態出力信号には、少なくとも大当り、図柄停止、確率変動、時間短縮、不正検知、発射数、賞球数の各状態を含むようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
請求項1に係る遊技システムによれば、前記貸出装置と前記遊技機には、共通の暗号化・復号化機能によって認証用電文の暗号化および復号化を行える認証手段を各々設け、前記貸出装置と前記遊技機とが相互に正当な接続相手先である事を認証するための所定の認証用電文を暗号通信する事で相互認証し、認証の結果、双方が正当な接続先であると判断した場合に限り、貸出装置および遊技機が正常動作するようにしたので、貸出装置と遊技機の通信経路に不正基板が取り付けられたり、不正な改竄ケーブルで貸出装置と遊技機を接続したような場合には、相互認証が成立せず、貸出装置及び遊技機が正常動作しない。よって、不正に遊技媒体が払い出されるような事態を確実に回避でき、信頼性の高い遊技システムとなる。
【0028】
また、請求項2に係る遊技システムによれば、前記貸出装置および前記遊技機が備える認証手段は、鍵生成のための共通の暗号鍵初期化情報を入力して同一系列の疑似乱数値を順次生成して内部に保持する暗号鍵生成機能を含み、この内部生成した暗号鍵を外部に通知することなく認証用電文の暗号化・復号化に用いるようにしたので、認証に用いる暗号鍵自体が外部に漏洩する危険性が無く、貸出装置と遊技機との相互認証の信頼性を一層高めることができる。
【0029】
また、請求項3に係る遊技システムによれば、前記貸出装置および前記遊技機の認証手段が、暗号鍵生成機能により暗号鍵を生成するための暗号鍵初期化情報は、貸出装置に搭載された通信手段によって貸出装置の外部から取得し、取得した暗号鍵初期化情報を貸出装置から遊技機へ通知することで、双方が共通の暗号鍵初期化情報により共通の暗号鍵を生成できるようにしたので、任意の暗号鍵初期化情報を外部から任意のタイミングで供給でき、相互認証の信頼性向上に寄与できる。
【0030】
また、請求項4に係る遊技システムによれば、前記貸出装置が取得する暗号鍵生成用の暗号鍵初期化情報は、当該貸出装置が遊技店内通信ネットワークを介して接続された店舗内の店舗管理コンピュータから供給されるようにしたので、暗号鍵初期化情報を店舗管理コンピュータで管理できる。
【0031】
また、請求項5に係る遊技システムによれば、前記貸出装置が取得する暗号鍵生成用の暗号鍵初期化情報は、当該貸出装置が遊技店内通信ネットワークおよび広域通信網を介して接続された店舗外のセキュリティ管理サーバから供給されるようにしたので、暗号鍵初期化情報をセキュリティ管理サーバで管理できる。
【0032】
また、請求項6に係る遊技システムによれば、前記貸出装置および前記遊技機の認証手段が、暗号鍵生成機能により暗号鍵を生成するための暗号鍵初期化情報は、貸出装置に設けた暗号鍵初期化情報生成手段によってランダムに生成し、生成した暗号鍵初期化情報を貸出装置から遊技機へ通知することで、双方が共通の暗号鍵初期化情報により共通の暗号鍵を生成できるようにしたので、暗号鍵初期化情報自体の秘匿性を高めることができ、相互認証の信頼性維持に寄与できる。
【0033】
また、請求項7に係る遊技システムによれば、前記貸出装置の暗号鍵初期化情報生成手段は、貸出装置の稼働中にランダムに生ずるイベントの中から予め定めた初期化情報更新イベントが発生することに基づいて暗号鍵初期化情報を生成することにより、暗号鍵初期化情報の更新タイミングがランダムになるようにしたので、暗号鍵初期化情報自体の秘匿性を一層高めることができ、相互認証の信頼性維持に寄与できる。
【0034】
また、請求項8に係る遊技システムによれば、前記貸出装置および前記遊技機が備える認証手段の暗号鍵生成機能は、暗号化および/または復号化による認証の実行毎に所定の手順で新たな暗号鍵を生成することにより、貸出装置の認証手段と遊技機の認証手段が更新された共通の暗号鍵を利用できるようにしたので、暗号鍵初期化情報から直接生成される暗号鍵とは異なる暗号鍵に順次更新されてゆき、相互認証の信頼性維持に寄与できる。
【0035】
また、請求項9に係る遊技システムによれば、前記遊技機は、当該遊技機の個体を識別できる遊技機固有情報を保持するものとし、前記遊技機固有情報を含む認証用電文を遊技機より貸出装置へ送信し、これを受信した貸出装置は遊技機固有情報を記憶するとともに認証用電文を新たに生成した暗号鍵で暗号化した暗号電文を遊技機へ送信し、これを受信した遊技機は新たに生成した貸出装置と共通の暗号鍵で暗号電文を復号化するとともに貸出装置に送信した認証用電文と比較し、遊技機から送信した認証用電文と遊技機が受信して復号した認証用電文とが一致することで相互認証が完了するようにしたので、貸出装置の暗号化機能と遊技機の復号化機能で簡易に相互認証を行うことができる。
【0036】
また、請求項10に係る遊技システムによれば、前記遊技機は、当該遊技機の個体を識別できる遊技機固有情報を保持するものとし、前記遊技機固有情報を含む認証用電文を遊技機内で新たに生成した暗号鍵により暗号化した暗号化電文を遊技機より貸出装置へ送信し、これを受信した貸出装置は新たに生成した遊技機と共通の暗号鍵で暗号化電文を復号化し、復号化した認証用電文の遊技機固有情報を記憶するとともに認証用電文を新たに生成した暗号鍵で暗号化した暗号電文を遊技機へ送信し、これを受信した遊技機は新たに生成した貸出装置と共通の暗号鍵で暗号電文を復号化するとともに貸出装置に送信した認証用電文と比較し、遊技機から送信した認証用電文と遊技機が受信して復号した認証用電文とが一致することで相互認証が完了するようにしたので、貸出装置と遊技機双方の暗号化・復号化機能で信頼性の高い相互認証を行うことができる。
【0037】
また、請求項11に係る遊技システムによれば、前記貸出装置は、当該貸出装置の個体を識別できる貸出装置固有情報を保持するものとし、前記貸出装置固有情報を含む認証用電文を貸出装置より遊技機へ送信し、これを受信した遊技機は貸出装置固有情報を記憶するとともに認証用電文を新たに生成した暗号鍵で暗号化した暗号電文を貸出装置へ送信し、これを受信した貸出装置は新たに生成した遊技機と共通の暗号鍵で暗号電文を復号化するとともに遊技機に送信した認証用電文と比較し、貸出装置から送信した認証用電文と貸出装置が受信して復号した認証用電文とが一致することで相互認証が完了するようにしたので、遊技機の暗号化機能と貸出装置の復号化機能で簡易に相互認証を行うことができる。
【0038】
また、請求項12に係る遊技システムによれば、前記貸出装置は、当該貸出装置の個体を識別できる貸出装置固有情報を保持するものとし、前記貸出装置固有情報を含む認証用電文を貸出装置内で新たに生成した暗号鍵により暗号化した暗号化電文を貸出装置より遊技機へ送信し、これを受信した遊技機は新たに生成した貸出装置と共通の暗号鍵で暗号化電文を復号化し、復号化した認証用電文の貸出装置固有情報を記憶するとともに認証用電文を新たに生成した暗号鍵で暗号化した暗号電文を貸出装置へ送信し、これを受信した貸出装置は新たに生成した遊技機と共通の暗号鍵で暗号電文を復号化するとともに遊技機に送信した認証用電文と比較し、貸出装置から送信した認証用電文と貸出装置が受信して復号した認証用電文とが一致することで相互認証が完了するようにしたので、貸出装置と遊技機双方の暗号化・復号化機能で信頼性の高い相互認証を行うことができる。
【0039】
また、請求項13に係る遊技システムによれば、前記請求項9〜請求項12に記載の遊技システムにおける相互認証を複数組み合わせ、組み合わせた複数の相互認証が全て完了することによって認証条件が達成されるようにしたので、相互認証の信頼性を一層高めることができる。
【0040】
また、請求項14に係る遊技システムによれば、前記貸出装置と前記遊技機との間で最初に行う初回相互認証のときに取得した相手機器の固有情報を初期固有情報として記憶保持する初期固有情報記憶手段と、前記初期固有情報記憶手段に初期固有情報が記憶された後に行う相互認証で取得した相手機器の固有情報が初期固有情報と一致するか否かに基づいて、接続対象の相手機器が変更された異常の有無を判定する接続異常判定手段と、を備えるので、認証手段による相互認証に加えて、相手機器の個体変更も接続異常と判定でき、一層信頼性の高いシステムとなる。
【0041】
また、請求項15に係る遊技システムによれば、前記貸出装置の認証手段と前記遊技機の認証手段は、共に通信機能を備え、認証用電文を直接やりとりするようにしたので、各認証手段の内部をブラックボックス化でき、相互認証のセキュリティを一層高めることができる。
【0042】
また、請求項16に係る遊技システムによれば、前記貸出装置の認証手段と前記遊技機の認証手段は、共に通信機能を持たず、貸出装置および遊技機の各制御基板が備える通信機能によって認証用電文のやりとりを行うようにしたので、各認証手段はコプロセッサ的な位置付けとなり、貸出装置と遊技機における各制御基板の設計の自由度を高めることができる。
【0043】
また、請求項17に係る遊技システムによれば、前記貸出装置と前記遊技機との信号接続構造は、遊技機より一方的に出力される遊技機状態出力信号と、貸出装置と遊技機間で双方向通信する遊技媒体の貸出に関する貸出関連信号とを、各々異なる信号線束に分離し、前記遊技機の認証手段からの送信は遊技機状態出力信号線束を通じて行い、前記貸出装置の認証手段からの送信は貸出関連信号線束を通じて行うようにしたので、貸出装置と遊技機の相互認証を遊技機状態出力信号線束と貸出関連信号線束に分けて行うことができる。
【0044】
また、請求項18に係る遊技システムによれば、前記貸出装置と前記遊技機との信号接続構造は、遊技機より一方的に出力される遊技機状態出力信号と、貸出装置と遊技機間で双方向通信する遊技媒体の貸出に関する貸出関連信号とを、各々異なる信号線束に分離し、前記遊技機の認証手段からの送信および前記貸出装置の認証手段からの送信は、共に貸出関連信号線束を通じて行うようにしたので、貸出装置と遊技機の相互認証を貸出関連信号線束に集約して行うことができる。
【0045】
また、請求項19に係る遊技システムによれば、前記貸出装置と前記遊技機との信号接続構造は、遊技機より一方的に出力される遊技機状態出力信号と、貸出装置と遊技機間で双方向通信する遊技媒体の貸出に関する貸出関連信号とを、同じ信号線束に統合し、前記遊技機の認証手段からの送信および前記貸出装置の認証手段からの送信は、共に統合信号線束を通じて行うようにしたので、貸出装置と遊技機の相互認証を統合信号線束に集約して行うことができる。
【0046】
また、請求項20に係る遊技システムによれば、前記統合信号線束を介して遊技機から貸出装置へ送信する遊技機状態出力信号には、少なくとも大当り、図柄停止、確率変動、時間短縮、不正検知、発射数、賞球数の各状態を含むようにしたので、遊技機の主な遊技機状態に関する情報を貸出装置で集中的に取り扱うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明に係る遊技システムの第1実施形態を示す概略構成図である。
【図2】第1実施形態に係る遊技システムの運用例を示す説明図である。
【図3】本発明に係る遊技システムの第2実施形態を示す概略構成図である。
【図4】第2実施形態の遊技システムの第1構成例を示す詳細構成図である。
【図5】貸出装置電源投入処理と遊技機電源投入処理を示すフローチャートである。
【図6】貸出装置の遊技機ID記憶更新処理を示すフローチャートである。
【図7】第2実施形態の遊技システムの第2構成例を示す詳細構成図である。
【図8】本発明に係る遊技システムの第3実施形態を示す概略構成図である。
【図9】本発明に係る遊技システムの第4実施形態を示す概略構成図である。
【図10】本発明に係る遊技システムの第5実施形態を示す概略構成図である。
【図11】本発明に係る遊技システムの第6実施形態を示す概略構成図である。
【図12】本発明に係る遊技システムの第7実施形態を示す概略構成図である。
【図13】本発明に係る遊技システムの第8実施形態を示す概略構成図である。
【図14】第8実施形態の遊技システムの第1構成例を示す詳細構成図である。
【図15】第8実施形態の遊技システムの第2構成例を示す詳細構成図である。
【図16】本発明に係る遊技システムの第9実施形態を示す概略構成図である。
【図17】第9実施形態に係る遊技システムの改変例を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
次に、本発明に係る遊技システムの実施形態を添付図面に基づいて説明する。なお、本実施形態では、遊技媒体である遊技球の貸出機能を備えたCR遊技機と、現金やプリペイドカード等を受け入れて遊技球の貸出制御を行う貸出装置とで構成した遊技システムとして説明するが、これに限定されるものではなく、例えば、遊技媒体としてコイン形状の遊技メダルを使うスロット式遊技機と、これに対応して接続されたメダル貸出装置からなる遊技システムにも適用可能である。
【0049】
図1は、貸出装置110とCR遊技機210から構成した遊技システムであり、貸出装置110とCR遊技機210が相互に正規の接続相手であると認証することで、双方が適正動作可能となり、貸出装置110の遊技球貸出制御によって遊技者に遊技球を貸し出し、貸し出された遊技球を用いてCR遊技機210での弾球遊技が行えるのである。
【0050】
遊技球貸出機能を有する貸出装置110は、主たる制御を司る主制御基板101を備える。遊技媒体の貸出には、現金、プリペイドカードやチャージされた会員カード等を使うことができる。現金を使う場合、貨幣投入口102aから投入された貨幣Mを貨幣識別部102bによって識別(真贋の鑑別および貨幣価値の判定)し、貨幣識別部102bから投入金額の通知を受けた主制御基板101の制御により、投入金額に応じた遊技球がCR遊技機210から払い出される。プリペイドカードや会員カードなどの価値等記録媒体Cを使う場合、媒体投入口103aから投入されて記録媒体保持部103bに保持される価値等記録媒体Cの記録情報を媒体R/W部103cが読み取り、媒体R/W部103cから記録情報を受けた主制御基板101の制御により、遊技球がCR遊技機210から払い出される。なお、投入貨幣Mの金額や価値等記録媒体Cの利用可能情報(残額や度数など)を表示/操作部104に表示し、遊技者が表示/操作部104を操作して選択した金額や度数分の遊技球を借りることができる。
【0051】
主制御基板101は、貸出信号中継基板105を介して、PIFケーブル(図示省略)によりCR遊技機210と接続され、遊技球貸出信号(例えば、遊技機準備状態信号、遊技機貸出完了信号、貸出装置準備状態信号、貸出装置貸出要求信号)の授受を行って、所定数の遊技球払出を行う。なお、CR遊技機210は、遊技球の最小貸出単位を1度数(例えば、100円で25個分に相当する価値)とし、度数単位での払出が可能な球払出機能を備えるものである。なお、貸出装置110としては、遊技球を1個単位で払い出す機能を搭載することも可能であり、CR遊技機210側が個数単位払出に対応している場合には、1個単位払出I/Fに基づく貸出信号の送受信によって、個数単位の払い出しを行うように構成することも可能である。
【0052】
また、貸出装置110とCR遊技機210とは、例えば、電源投入時に接続確認を行って、適正な接続相手と確認できなければ、正常に起動できない。このため、貸出装置110の主制御基板101は、電源部106からの電源供給を受けて動作すると、遊技機210から信号線を介して供給された電源を使ってI/F用電力を生成し、貸出信号中継基板105を介してI/F用電力をCR遊技機210へ供給し、CR遊技機210が正常起動可能な状態にあれば、供給されたI/F用電力から接続確認信号を生成して貸出装置110へ送信し、この接続確認信号を受けた貸出装置110側でCR遊技機210が正常接続されていると確認できる。なお、貸出装置110に台別設定記憶部107を設け、接続対象の遊技機種を記憶させておき、その対象機種に応じた接続確認を行うようにしても構わない。
【0053】
上記のようにして、貸出装置110とCR遊技機210が正常稼働した後、貸出装置110で遊技媒体の貸出動作が実行されると、その取引情報等を外部へ送信したり、取引のための顧客情報等を外部から受けたりする。例えば、外部機器通信用中継基板108を介して、当該遊技店に設置されたホールコンピュータ300へ各種の売上信号やエラー信号を送信し、顧客/持玉管理サーバ400から価値等記録媒体Cに紐付けされた顧客/持玉データを受信し、価値等記録媒体Cの使用あるいはチャージにより更新された顧客/持玉データを顧客/持玉管理サーバ400へ送信し、プリペイドシステム管理コンピュータ500へプリペイド取引データを送信する。
【0054】
さらに、本実施形態に係る遊技システムは、貸出装置110とCR遊技機210との間に相互認証専用の信号線を備え、貸出装置110の主制御基板101に設けた認証手段111とCR遊技機210に設けた認証手段211とが、予め定めた認証手法によって相互に認証を行うことで、双方が正当な接続対象機器であると判断できなければ、貸出装置110とCR遊技機210は何れも正常起動しないようにした。
【0055】
すなわち、貸出装置110の主制御基板101に設けた認証手段111とCR遊技機210に設けた認証手段211は、共通の暗号化・復号化機能によって認証用電文の暗号化および復号化を行えるものであり、貸出装置110とCR遊技機210とが相互に正当な接続相手先である事を認証するための所定の認証用電文を暗号通信する事で相互認証し、認証の結果、双方が正当な接続先であると判断した場合に限り、貸出装置110およびCR遊技機210が正常動作するようにしたので、貸出装置110とCR遊技機210の通信経路に不正基板が取り付けられたり、不正な改竄ケーブルで貸出装置110とCR遊技機210を接続したような場合には、相互認証が成立せず、貸出装置110及び遊技機210が正常動作しない。よって、不正に遊技球が払い出されるような事態を確実に回避でき、信頼性の高い遊技システムとなる。しかも、認証用電文の送受信を貸出装置110の認証手段111とCR遊技機210の認証手段211が直接やりとりすることで、各認証手段111,211の内部をブラックボックス化でき、相互認証のセキュリティを一層高めることができる。
【0056】
また、貸出装置110の認証手段111とCR遊技機210の認証手段211で行う相互認証の手法は特に限定されるものではなく、暗号化・復号化に用いる暗号鍵が両者で適正なものと判定できれば、お互いが適正な相手機器と接続されているものとして通常稼働させるようにすればよい。貸出装置110とCR遊技機210の両者で行う相互認証のために、暗号化および復号化のための共通秘密鍵を両者が持つようにしても良いし、暗号化鍵と復号化鍵を分けて両者に各々持たせる公開鍵方式でも良い。
【0057】
例えば、貸出装置110の認証手段111とCR遊技機210の認証手段211で、同一の共通暗号鍵が記憶されている認証チップを用い、貸出装置110またはCR遊技機210の一方で認証用電文を暗号化して他方へ送信すると、これを受けた側で復号化すれば元の認証用電文を得ることができる。そこで、認証用電文の暗号化・復号化機能が貸出装置110とCR遊技機210の双方で適正かどうかを判定できるように、認証用電文の送信手順を定めておけばよい。認証用電文の送信手順として、例えば、一方から平分の認証用電文を送信し、受信側では認証用電文を暗号化して暗号化認証用電文を送り返し、送り返された暗号化認証用電文を復号化した認証用電文が元の認証用電文と一致しているかを判定するものでも良いし、逆に、一方から暗号化した認証用電文を送って、他方で復号化した平分の認証用電文を送り返して、元の認証用電文に復号されているかを判定するものでも良いし、これらを組み合わせて、双方の認証機能の適否を厳格に判定するようにしても良い。
【0058】
さらに、貸出装置110の認証手段111とCR遊技機210の認証手段211の暗号化・復号化に用いる暗号鍵を固定情報とせず、暗号鍵自体を任意に変更できるようにしても構わない。例えば、ある初期値(タネ:シード)から別系列の疑似乱数列(暗号鍵)を生成するアルゴリズムを実行する暗号鍵生成手法がシード交換方式として知られている。タネ(シード)となる疑似乱数値を共通の初期値とした場合、同じ順番の疑似乱数値は同一の値になるのでこれを暗号鍵として用いるのである。送信側と受信側では、この乱数生成アルゴリズムを共通に有していて、あるタイミングでシードと順番が分かれば、暗号鍵自体の交換が不要な暗号システムが成立する。そして、暗号鍵生成のアルゴリズム自体は秘匿されているので、暗号鍵生成の初期値が知られるようなことがあっても、貸出装置110の認証手段111とCR遊技機210の認証手段211で共通に用いる暗号鍵自体は第三者に知られることはないので、貸出装置110の認証手段111とCR遊技機210の認証手段211で行う相互認証の信頼性は高いものとなる。
【0059】
このように、貸出装置110およびCR遊技機210が備える各認証手段111,211は、鍵生成のための共通の暗号鍵初期化情報を入力して同一系列の疑似乱数値を順次生成して内部に保持する暗号鍵生成機能を含み、この内部生成した暗号鍵を外部に通知することなく認証用電文の暗号化・復号化に用いるようにすれば、認証に用いる暗号鍵自体が外部に漏洩する危険性が無く、貸出装置110とCR遊技機210との相互認証の信頼性を一層高めることができる。
【0060】
さらに、貸出装置110およびCR遊技機210が備える認証手段111,211の暗号鍵生成機能は、暗号化および復号化による認証の実行毎に、或いは暗号化または復号化の何れかを実行する毎に、所定の手順で新たな暗号鍵を生成することにより、貸出装置110の認証手段111とCR遊技機210の認証手段211が更新された共通の暗号鍵を利用できるようにすれば、暗号鍵初期化情報から直接生成される暗号鍵とは異なる暗号鍵に順次更新されてゆき、相互認証の信頼性維持に寄与できる。
【0061】
なお、稼働中のノイズや瞬断、停電等に起因して貸出装置110とCR遊技機120が使う暗号鍵の同期がずれた場合を考慮し、前後数個分の暗号鍵を記憶保持しておき、これらの暗号鍵で認証用電文の復号を試み、いずれかの暗号鍵で復号できれば、その暗号鍵を基準とするように再設定して、相手機器との同期を図るようにしても良い。また、貸出装置110側で所定回数の認証(復号化)に失敗した時には、暗号鍵初期化情報の通知から再開して、暗号鍵の同期を図るように自動修復するようにしても良い。斯くすれば、認証失敗による機器の稼働停止を低減できるので、遊技店での省力化に寄与できる。
【0062】
上述したシード交換方式によって、暗号鍵を貸出装置110の認証手段111とCR遊技機210の認証手段211の内部で生成する場合、そのための暗号鍵初期化情報の選定方法や貸出装置110とCR遊技機210での共有方法は、特に限定されるものではないが、幾つかの具体例を図2に基づき説明する。
【0063】
例えば、貸出装置110側に暗号鍵初期化情報生成手段112を設けておき、紙幣識別機102への紙幣投入や記録媒体R/W103による価値等記録媒体Cの受け入れに起因する不作為情報(紙幣やカードの投入日時、投入カードの固有ID、金額情報、これらの組み合わせ等)から所定の演算手法によってランダムに暗号鍵初期化情報を生成できるようにする。そして、貸出装置110の電源投入時などのリセット動作がなされた時に暗号鍵初期化情報を決定し、貸出装置110自身の認証手段111の暗号鍵を更新すると同時に、この暗号鍵初期化情報をCR遊技機210に通知し、CR遊技機210側でもこの暗号鍵初期化情報を使って認証手段211の暗号鍵を更新させれば、暗号鍵を貸出装置110の認証手段111とCR遊技機210の認証手段211の暗号鍵を同期させておくことができる。或いは、CR遊技機210の電源投入時などのリセット動作がなされたタイミングを検知して、貸出装置110側で暗号鍵初期化情報を決定するようにしても良い。
【0064】
すなわち、貸出装置110およびCR遊技機210の各認証手段111,121が暗号鍵生成機能により暗号鍵を生成するための暗号鍵初期化情報を、貸出装置110に設けた暗号鍵初期化情報生成手段112によってランダムに生成し、生成した暗号鍵初期化情報を貸出装置110からCR遊技機210へ通知することで、双方が共通の暗号鍵初期化情報により共通の暗号鍵を生成できるようにすれば、暗号鍵初期化情報自体の秘匿性を高めることができ、相互認証の信頼性維持に寄与できる。
【0065】
加えて、貸出装置110の暗号鍵初期化情報生成手段112は、貸出装置110の稼働中にランダムに生ずるイベントの中から予め定めた初期化情報更新イベントが発生することに基づいて暗号鍵初期化情報を生成することにより、暗号鍵初期化情報の更新タイミングがランダムになるようにすれば、暗号鍵初期化情報自体の秘匿性を一層高めることができ、相互認証の信頼性維持に寄与できる。
【0066】
また、貸出装置110およびCR遊技機210の認証手段が、暗号鍵生成機能により暗号鍵を生成するための暗号鍵初期化情報は、貸出装置110に搭載された通信手段によって貸出装置110の外部から取得し、取得した暗号鍵初期化情報を貸出装置110からCR遊技機210へ通知することで、双方が共通の暗号鍵初期化情報により共通の暗号鍵を生成できるようにすれば、任意の暗号鍵初期化情報を外部から任意のタイミングで供給でき、相互認証の信頼性向上に寄与できる。
【0067】
貸出装置110が取得する暗号鍵生成用の暗号鍵初期化情報は、当該貸出装置110が遊技店内通信ネットワークを介して接続された店舗内の店舗管理コンピュータ600(ホールコンピュータ300や顧客/持玉管理サーバ400やプリペイドシステム管理コンピュータ500等の店舗に設置される管理コンピュータの総称)から供給されるようにすれば、暗号鍵初期化情報を店舗管理コンピュータ600で管理できるので、店舗内の各貸出装置110に一斉に暗号鍵初期化情報を送信したり、任意のタイミングで特定の貸出装置110へ個別に暗号鍵初期化情報を送信したりできる。なお、店舗管理コンピュータ600からの操作により、貸出装置110側での認証チェックを行わない設定に変更できるようにしても良い。斯くすれば、遊技店の工事中や仮設置状態のとき、貸出装置110単体での動作確認や故障発生時の原因切り分けなどを行うとき、CR遊技機210との接続を行う必要が無いので、利便性を高めることができる。
【0068】
また、貸出装置110が取得する暗号鍵生成用の暗号鍵初期化情報は、当該貸出装置110が遊技店内通信ネットワークおよび広域通信網を介して接続された店舗外のセキュリティ管理サーバ700から供給されるようにすれば、暗号鍵初期化情報をセキュリティ管理サーバで管理でき、管理対象である全店舗へ一斉に暗号鍵初期化情報を送信したり、任意のタイミングで特定の店舗へ個別に暗号鍵初期化情報を送信したりできる。
【0069】
上述した第1実施形態の遊技システムでは、貸出装置110とCR遊技機210とで相互認証を行うための信号を授受するために新たな信号線を追加したが、既存の接続ケーブル構造を活かして相互認証を行うようにすることも可能である。
【0070】
図3に示す第2実施形態の遊技システムにおいては、CR遊技機220より一方的に出力される遊技機状態出力信号を束ねた遊技機状態出力信号線束と、貸出装置120とCR遊技機220との間で双方向通信する遊技媒体の貸出に関する貸出関連信号を束ねた貸出関連信号線束とに分離して、貸出装置110と遊技機210とを接続した信号接続構造に本発明を適用したものである。
【0071】
例えば、貸出装置120の認証手段121からの送信およびCR遊技機220の認証手段221からの送信を、共に双方向通信の貸出関連信号線束を通じて行うようにすれば、貸出装置110とCR遊技機210の相互認証を貸出関連信号線束に集約して行うことができる。また、CR遊技機220の認証手段221からの送信は単方向通信の遊技機状態出力信号線束を通じて行い、貸出装置110の認証手段111からの送信は双方向通信の貸出関連信号線束を通じて行うようにすれば、貸出装置110とCR遊技機210の相互認証を遊技機状態出力信号線束と貸出関連信号線束に分けて行うことができる。なお、貸出装置120とCR遊技機220との双方向通信は、貸出装置120からCR遊技機220への単方向通信線とCR遊技機220から貸出装置120への単方向通信線を組み合わせることで実現しても構わない。
【0072】
また、本実施形態の遊技システムでは、貸出装置120に遊技機状態信号入力基板122を設けて、遊技機状態出力線束を接続し、この遊技機状態信号入力基板122を介して賞球信号等の外部端子出力情報を受けると共に、遊技機ID信号から遊技機220の個体を識別できる遊技機固有情報を取得できるものとした。
【0073】
図4は、第2実施形態に係る遊技システムを貸出装置120AとCR遊技機220Aで構成した第1構成例を示すもので、主制御基板201の遊技機用セキュリティチップ等に記憶されている遊技機固有情報を払出制御基板202が読み出し、固有番号送信バッファ202aに一時記憶し、固有番号を遊技機外部端子板203を介して遊技機固有情報を貸出装置120Aへ送信する。なお、図4に示す第2実施形態の第1構成例においては図示を省略したが、貸出装置120Aの主制御基板101は外部ネットワーク通信I/Fを備えており、外部機器通信用中継基板108を介して店内ネットワーク上の外部機器との通信が可能である。
【0074】
この遊技機固有情報を遊技機状態信号入力基板122を介して受信した貸出装置120Aでは、主制御基板101の固有番号受信バッファ101aに一時記憶し、台別設定記憶部107に既に記憶されている固有番号と固有番号受信バッファ101aに記憶されている固有番号とを比較手段101bによって比較し、両者が一致していなければ、表示/操作部104によってエラー報知を行う。すなわち、CR遊技機220Aから新たに送信された遊技機固有情報が以前の遊技機固有情報と異なっていた場合には、主制御基板201の制御CPUを交換する等の不正が行われた可能性があるため、これを報知するのである。
【0075】
なお、CR遊技機220Aを別の個体に交換する場合には、初期設定モードで接続確認を行わせることにより、貸出装置120Aの記憶制御手段101cが有効となり、固有番号受信バッファ101aに一時記憶された遊技機固有情報を初期固有情報として台別設定記憶部107に記憶させ、以降は、この台別設定記憶部107に記憶された遊技機固有情報が比較対象となる。
【0076】
以上のように、CR遊技機220Aの遊技機固有情報は、貸出装置120Aで接続対象のCR遊技機220Aの同一性を確認するための情報として使うことができるものである。そして、本実施形態の遊技システムでは、この遊技機固有情報を認証用電文として用いるようにした。なお、認証用電文としての遊技機固有情報を遊技機外部端子板203から出力する本構成例では、CR遊技機220Aの認証手段221からの送信は単方向通信の遊技機状態出力信号線束を通じて行い、貸出装置110の認証手段111からの送信は双方向通信の貸出関連信号線束を通じて行うものとなる。
【0077】
CR遊技機220Aから貸出装置120Aへ送信する遊技機固有情報を平文の認証用電文として受けた貸出装置120Aでは、認証手段121によって遊技機固有情報を暗号化(暗号化実行に際して、暗号鍵は新たに生成して使う。)し、貸出信号中継基板105より暗号化固有情報としてCR遊技機220Aへ送信し、これを貸出装置接続端子板204を介して受けたCR遊技機220Aでは、払出制御基板202の認証手段221によって復号化(復号化実行に際して、暗号鍵は新たに生成して使うので、貸出装置120Aの認証手段121が使った暗号鍵と同じ暗号鍵に更新される。)し、復号化した認証用電文である遊技機固有情報が固有情報送信バッファ202bに一時記憶されている遊技機固有情報と一致するか比較手段202bにより比較され、比較手段202bが一致していると判定すれば、制御信号生成入力部202cが正常に機能するようになり、貸出装置120Aとの接続確認や遊技媒体貸出制御のための信号の授受が可能になる。なお、貸出装置120AとCR遊技機220Aの起動時には、CR遊技機110Aの遊技機電源205から貸出装置120Aに電源供給し、これを元にI/F用電力生成出力制御部109が生成したI/F用電力をCR遊技機220Aに供給すると、これを検知した制御信号生成入力部202cが接続確認信号を貸出装置120Aへ出力することで、貸出装置120AとCR遊技機220Aの双方で接続確認を行うプロセスも実行する。また、CR遊技機220Aの認証手段221は、払出制御基板202に設けず、主制御基板201に設けても構わない。
【0078】
上述したように、CR遊技機220Aは、自らの個体を識別できる遊技機固有情報を保持するものとし、遊技機固有情報を含む認証用電文をCR遊技機220Aより貸出装置120Aへ送信し、これを受信した貸出装置120Aは遊技機固有情報を記憶するとともに認証用電文を新たに生成した暗号鍵で暗号化した暗号電文をCR遊技機220Aへ送信し、これを受信したCR遊技機220Aは新たに生成した貸出装置120Aと共通の暗号鍵で暗号電文を復号化するとともに貸出装置120Aに送信した認証用電文と比較し、CR遊技機220Aから送信した認証用電文とCR遊技機220Aが受信して復号した認証用電文とが一致することで相互認証が完了するようにすれば、貸出装置120Aの暗号化機能とCR遊技機220Aの復号化機能で簡易に相互認証を行うことができる。なお、貸出装置120Aの認証手段121とCR遊技機220Aの認証手段221の暗号鍵は自動更新せず、暗号鍵初期化情報に基づいて生成した暗号鍵を使い続けるようにしても良い。また、CR遊技機220Aより送信されて貸出装置120Aが保持している遊技機固有情報を貸出装置120A側の操作で表示・確認できる様にしても良い。CR遊技機220Aの遊技機固有情報を遊技店の係員等が目視確認できるようになっていれば、貸出装置120Aが記憶している遊技機固有情報と実際に接続されているCR遊技機220Aの遊技機固有情報が不一致で認証に失敗した状況を迅速に判断できる。
【0079】
ここで、上述した貸出装置120AとCR遊技機220Aの電源投入時に行われる相互認証の流れを図5に基づき説明する。図5では、CR遊技機220Aの起動処理と貸出装置120Aの起動処理とを並記することで、相互に行う信号の送受信の時系列な流れを分かり易くした。
【0080】
先ず、CR遊技機220Aは、電源投入により、自己診断を行い(ステップS101)、診断結果に異常があるか否かを判定する(ステップS102)。このステップS102の判定で異常がなければ、貸出装置120Aが正常に稼働することで入力される貸出装置スタンバイ信号の入力を待つ(ステップS103)。もし、ステップS102で異常有りと判定された場合には、エラー表示等を行って異常停止し(ステップS104)、遊技媒体貸出処理を行うことはない。
【0081】
一方、貸出装置120Aは、電源投入により、自己診断および自己モード確認(例えば、1度数当たり貸出個数や1度数当たり消費金額等の設定情報の確認)を行い(ステップS201)、確認結果として異常があるか否かを判定する(ステップS202)。このステップS202の判定で異常がなければ、CR遊技機220Aへ貸出装置スタンバイ信号を出力し(ステップS203)、CR遊技機220Aから認証用電文が入力されるのを待つ(ステップS204)。もし、ステップS202で異常有りと判定された場合には、貸出装置120Aの適所に設けたエラー表示灯等でエラー表示を行うと共に、ホールコンピュータ300やプリペイドシステム管理コンピュータ500等の上位システムへ異常検知を報告し(ステップS205)、遊技媒体貸出処理を行うことはない(ステップS206)。
【0082】
上記のようにして、貸出装置120Aから貸出装置スタンバイ信号を受信したCR遊技機220Aは、自らの遊技機固有情報(遊技機ID)を含む認証用電文を生成し(ステップS105)、生成した認証用電文を貸出装置120Aへ送信し(ステップS106)、認証情報を比較用に固有番号送信バッファ202aに記憶し(ステップS107)、貸出装置120Aからの認証応答電文を待つ(ステップS108)。
【0083】
一方、上記ステップS204で認証用電文の入力待ちをしていた貸出装置120Aが認証用電文を受けると、この認証用電文から遊技機固有情報を読み出し(ステップS207)、暗号化により認証応答電文を生成し(ステップS208)、生成した認証応答電文を遊技機220Aへ送信する(ステップS209)。
【0084】
続いて、貸出装置120Aでは、CR遊技機220Aからの認証用電文に遊技機固有情報が有ったか否かを判定し(ステップS210)、遊技機固有情報が有った場合には、記憶済み遊技機固有情報(既に台別設定記憶部107に記憶されている遊技機固有情報)と新たに受信した遊技機固有情報を比較し(ステップS211)、両方の遊技機固有情報が一致したか否かを判定し(ステップS212)、一致していると判定されれば、CR遊技機220Aからの遊技機スタンバイ信号の入力を待つ(ステップS213)。
【0085】
しかしながら、上記ステップS212で、記憶済みの遊技機固有情報と同じではないと判定された場合には、上記ステップS205へ移行し、エラー表示灯等でエラー表示を行うと共に、ホールコンピュータ300やプリペイドシステム管理コンピュータ500等の上位システムへ異常検知を報告し、異常停止する。すなわち、記憶済みの遊技機固有情報と今回受信した遊技機固有情報が異なることから、CR遊技機220Aに対する不正改竄が疑われるため、貸出装置120Aの動作を規制することで、不正な遊技が行われることを防止できる。
【0086】
なお、新装開店などでCR遊技機220Aの入れ替えを行った場合など、貸出装置120Aの記憶する遊技機固有情報を新たな遊技機固有情報に更新する処理の一例を説明する。図6は遊技機ID更新処理を示すもので、上記ステップS206で貸出装置異常停止になった場合、或いは出荷直後の初期状態(台別設定記憶部107に遊技機固有情報が記憶されていない状態)で、遊技場の係員等が行う更新処理の操作を待ち(ステップS31)、接続中遊技機IDへの更新操作が行われたか否かを判定する(ステップS32)。なお、遊技機IDの更新操作は、貸出装置120Aに設けた操作パネル等で行うようにしても良いし、係員等が所持するリモコンから行うようにしても良い。そして、更新操作があると、接続中のCR遊技機220Aの遊技機固有情報(受信遊技機ID)を正規の接続遊技機として記録し(ステップS33)、記録した遊技機固有情報を上位システム(ホールコンピュータ300等)に通知する(ステップS34)。このように、貸出装置120Aで遊技機ID記憶更新処理を行えば、ホールコンピュータ300等へ更新された遊技機固有情報を送信できるので、台入替時の設定変更が自動的に行われることとなり、旧来のように手入力で設定操作を行う必要が無く、入れ替え作業の効率化を図れると共に、入力ミス等によって情報の信頼性が損なわれることもない。
【0087】
一方、貸出装置120Aから認証応答電文を受信したCR遊技機220Aは、認証用応答電文から認証情報を復号し(ステップS109)、比較用に固有番号送信バッファ202aに記憶しておいた遊技機固有情報と、認証応答電文を復号して得た遊技機固有情報とが一致するか比較し(ステップS110)、一致していると判定されれば遊技機スタンバイ信号を貸出装置120Aへ出力する(ステップS111)。
【0088】
しかしながら、上記ステップS110において、遊技機固有情報が一致しないと判定された場合には、遊技機異常報知を行い(ステップS112)、異常停止する(ステップS113)。すなわち、貸出装置120AとCR遊技機220Aが互いに同じ暗号鍵に基づく暗号化・復号化を行っていないことから、貸出装置120Aを精機の接続機器ではないとCR遊技機220Aで判定し、遊技媒体貸出制御を行わないのである。なお、認証用電文の送受信中にノイズ混入によるエラーが発生したような場合を考慮して、所定回数だけ認証用電文の送受信をリトライするようにしても良い。
【0089】
上記のようにして、CR遊技機220Aから出力された遊技機スタンバイ信号の入力を受けると、貸出装置120Aは、遊技媒体の貸出に関連する情報を遊技機固有情報に関連付けて、取引内容を逐次記録して行けるようにスタンバイする(ステップS214)。
【0090】
その後、貸出装置120Aは、遊技者からの貸出要求に応じて遊技媒体貸出処理を行い(ステップS215)、また、CR遊技機220Aの接続断が検知されたか否かを判定し(ステップS216)、CR遊技機220Aとの接続断が生じていると判定された場合には、ステップS201へ移行して、CR遊技機220Aとの相互認証を改めて行う。同様に、CR遊技機220Aも、貸出装置120Aからの貸出要求に応じて遊技媒体貸出処理を行い(ステップS113)、また、貸出装置120Aの接続断が検知されたか否かを判定し(ステップS114)、貸出装置120Aとの接続断が生じていると判定された場合には、ステップS102へ移行して、貸出装置120Aとの相互認証を改めて行う。
【0091】
図7は、第2実施形態に係る遊技システムを貸出装置120BとCR遊技機220Bで構成した第2構成例を示すもので、CR遊技機220Bから送信する認証用電文としての遊技機固有情報を貸出装置接続端子板204から貸出信号中継基板105へ出力し、貸出装置120Bから送信する認証用電文として暗号化固有情報を貸出中継基板105から貸出装置接続端子板204へ出力する本構成例では、CR遊技機220Bの認証手段221からの送信と、貸出装置110の認証手段111からの送信を、共に双方向通信の貸出関連信号線束を通じて行うものとなる。なお、図7に示す第2実施形態の第2構成例においては図示を省略したが、貸出装置120Bの主制御基板101は外部ネットワーク通信I/Fを備えており、外部機器通信用中継基板108を介して店内ネットワーク上の外部機器との通信が可能である。
【0092】
この第2構成例においても、上述した第1構成例と同様に、CR遊技機220Bから平文の遊技機固有情報を貸出装置120Bへ送信し、貸出装置120Bから暗号化固有情報をCR遊技機220Bへ送信するようにしても良いが、本構成例では、CR遊技機220Bからも暗号化固有情報を送信する構成例を説明する。
【0093】
CR遊技機220Bにおける主制御基板201の遊技機用セキュリティチップ等に記憶されている遊技機固有情報を払出制御基板202が読み出し、固有番号送信バッファ202aに一時記憶すると共に、これを認証手段221へ送信し、遊技機固有情報を受けた認証手段221は遊技機固有情報を暗号化(暗号化実行に際して、暗号鍵は新たに生成して使う。)した暗号化固有情報を固有番号送信バッファ202aへ送り、固有番号送信バッファ202aから暗号化固有情報が遊技機外部端子板203を介して遊技機固有情報を貸出装置120Bへ送信される。
【0094】
この暗号化固有情報を遊技機状態信号入力基板122を介して受信した貸出装置120Bでは、主制御基板101の固有番号受信バッファ101aに一時記憶すると共に認証手段121へ送信し、暗号化固有情報を受けた認証手段121は暗号化固有情報を復号化(復号化実行に際して、暗号鍵は新たに生成して使うので、CR遊技機220Bの認証手段221が使った暗号鍵と同じ暗号鍵に更新される。)した遊技機固有情報を固有番号受信バッファ101aへ送り、台別設定記憶部107に既に記憶されている固有番号と固有番号受信バッファ101aに記憶されている固有番号とを比較手段101bによって比較し、両者が一致していなければ、表示/操作部104によってエラー報知を行う。
【0095】
比較手段101bによる比較結果が一致していれば、固有番号受信バッファ101aに一時記憶してある遊技機固有情報を認証手段121によって暗号化(暗号化実行に際して、暗号鍵は新たに生成して使う。)し、貸出信号中継基板105より暗号化固有情報としてCR遊技機220Bへ送信し、これを貸出装置接続端子板204を介して受けたCR遊技機220Bでは、払出制御基板202の認証手段221によって復号化(復号化実行に際して、暗号鍵は新たに生成して使うので、貸出装置120Bの認証手段121が使った暗号鍵と同じ暗号鍵に更新される。)し、復号化した認証用電文である遊技機固有情報が固有情報送信バッファ202bに一時記憶されている遊技機固有情報と一致するか比較手段202bにより比較され、比較手段202bが一致していると判定すれば、制御信号生成入力部202cが正常に機能するようになり、貸出装置120Bとの接続確認や遊技媒体貸出制御のための信号の授受が可能になる。
【0096】
上述したように、CR遊技機220Bは、自らの個体を識別できる遊技機固有情報を保持するものとし、遊技機固有情報を含む認証用電文をCR遊技機220B内で新たに生成した暗号鍵により暗号化した暗号化電文をCR遊技機220Bより貸出装置120Bへ送信し、これを受信した貸出装置120は新たに生成したCR遊技機220Bと共通の暗号鍵で暗号化電文を復号化し、復号化した認証用電文の遊技機固有情報を記憶するとともに認証用電文を新たに生成した暗号鍵で暗号化した暗号電文をCR遊技機220Bへ送信し、これを受信したCR遊技機220Bは新たに生成した貸出装置120Bと共通の暗号鍵で暗号電文を復号化するとともに貸出装置に送信した認証用電文と比較し、CR遊技機220Bから送信した認証用電文と遊技機が受信して復号した認証用電文とが一致することで相互認証が完了するようにすれば、貸出装置120BとCR遊技機220B双方の暗号化・復号化機能で信頼性の高い相互認証を行うことができる。なお、貸出装置120Bの認証手段121とCR遊技機220Bの認証手段221の暗号鍵は自動更新せず、暗号鍵初期化情報に基づいて生成した暗号鍵を使い続けるようにしても良い。
【0097】
また、第2実施形態に係る遊技システムの第1,第2構成例では、CR遊技機220A,220Bのみが個体識別可能な固有情報を持つものとしたが、貸出装置120に個体識別可能な貸出装置固有情報を持たせておき、この貸出装置固有情報を認証用電文に用いて相互認証を行うようにしても良い。
【0098】
例えば、貸出装置120は、当該貸出装置120の個体を識別できる貸出装置固有情報を保持するものとし、貸出装置固有情報を含む認証用電文を貸出装置120よりCR遊技機220へ送信し、これを受信したCR遊技機220は貸出装置固有情報を記憶するとともに認証用電文を新たに生成した暗号鍵で暗号化した暗号電文を貸出装置120へ送信し、これを受信した貸出装置120は新たに生成したCR遊技機220と共通の暗号鍵で暗号電文を復号化するとともにCR遊技機220に送信した認証用電文と比較し、貸出装置120から送信した認証用電文と貸出装置120が受信して復号した認証用電文とが一致することで相互認証が完了するようにすれば、CR遊技機220の暗号化機能と貸出装置120の復号化機能で簡易に相互認証を行うことができる。なお、貸出装置120の認証手段121とCR遊技機220の認証手段221の暗号鍵は自動更新せず、暗号鍵初期化情報に基づいて生成した暗号鍵を使い続けるようにしても良い。また、貸出装置120より送信されてCR遊技機220が保持している貸出装置固有情報をCR遊技機220側の操作で表示・確認できる様にし、且つ、貸出装置120の貸出装置固有情報を遊技店の係員等が目視確認できるようにしておけば、CR遊技機220が記憶している貸出装置固有情報と実際に接続されている貸出装置120の貸出装置固有情報が不一致で認証に失敗した状況を迅速に判断できる。
【0099】
或いは、貸出装置120は、当該貸出装置120の個体を識別できる貸出装置固有情報を保持するものとし、貸出装置固有情報を含む認証用電文を貸出装置120内で新たに生成した暗号鍵により暗号化した暗号化電文を貸出装置120よりCR遊技機220へ送信し、これを受信したCR遊技機220は新たに生成した貸出装置120と共通の暗号鍵で暗号化電文を復号化し、復号化した認証用電文の貸出装置固有情報を記憶するとともに認証用電文を新たに生成した暗号鍵で暗号化した暗号電文を貸出装置120へ送信し、これを受信した貸出装置120は新たに生成したCR遊技機220と共通の暗号鍵で暗号電文を復号化するとともにCR遊技機220に送信した認証用電文と比較し、貸出装置120から送信した認証用電文と貸出装置120が受信して復号した認証用電文とが一致することで相互認証が完了するようにすれば、貸出装置120とCR遊技機220双方の暗号化・復号化機能で信頼性の高い相互認証を行うことができる。なお、貸出装置120の認証手段121とCR遊技機220の認証手段221の暗号鍵は自動更新せず、暗号鍵初期化情報に基づいて生成した暗号鍵を使い続けるようにしても良い。
【0100】
さらに、貸出装置120とCR遊技機220との間で行う相互認証は1回に限らず、上述した各種の認証工程を複数組み合わせて行い、組み合わせた複数の相互認証が全て完了することによって認証条件が達成されるようにすれば、相互認証の信頼性を一層高めることができる。
【0101】
また、接続相手の適否を判定するために記憶しておく相手機器の固有情報を認証用電文に用いるものとした本実施形態においては、貸出装置120とCR遊技機220との間で最初に行う初回相互認証のときに取得した相手機器の固有情報(遊技機固有情報および貸出装置固有情報)を初期固有情報として記憶保持する初期固有情報記憶手段と、初期固有情報記憶手段に初期固有情報が記憶された後に行う相互認証で取得した相手機器の固有情報が初期固有情報と一致するか否かに基づいて、接続対象の相手機器が変更された異常の有無を判定する接続異常判定手段と、を備えることで、認証手段による相互認証に加えて、相手機器の個体変更も接続異常と判定でき、一層信頼性の高いシステムとなる。
【0102】
図8に示すのは、実球排出機能と獲得球計数機能とを備えた貸出装置130とこれに対応したCR遊技機230とからなる第3実施形態の遊技システムである。なお、図8中、前述した第1,第2実施形態と同じ構成には同一符号を付して説明を省略する。
【0103】
貸出装置130は、遊技球払出部132と、払い出される遊技球を検出する払出センサ133aにより払い出される遊技球を検出する払出球検出部133を備え、球払出ノズルを介してCR遊技機230の球貯留皿へ所定数または任意数の実球を排出することができる。すなわち、CR遊技機230は払出最小単位である度数毎の払出にしか対応していないため、一度数に満たない半端な球数を遊技者へ払い出すために、この機能を使うことができるのである。
【0104】
また、貸出装置130には、獲得球計数部134を設けてあり、CR遊技機230で遊技者が獲得した遊技球を投入することにより、獲得球を貸出装置130で計数することができる。計数された獲得球の情報は、顧客/持玉管理サーバ400へ送信されて、価値等記録媒体CのカードIDに基づく顧客情報に紐付けて管理され、景品交換や再遊技に使ったりできる。
【0105】
このように、実球排出機能と獲得球計数機能とを備えた貸出装置130を用いて遊技システムを構成すれば、1度数に満たない端数残高の処理が可能となり、遊技者の利便性を高めることができる。なお、第3実施形態においても、貸出装置130の認証手段131とCR遊技機230の認証手段231とによって、上述した各種の相互認証を適宜に行うことが可能である。
【0106】
図9に示すのは、発射球計数機能を備えた貸出装置140とこれに対応したCR遊技機240とからなる第4実施形態の遊技システムである。なお、図9中、前述した第1〜第3実施形態と同じ構成には同一符号を付して説明を省略する。
【0107】
貸出装置140の遊技機状態信号入力基板122には遊技球計数器142を接続してあり、この遊技球計数機142がCR遊技機240の発射球を検出する毎に送出される発射球検出信号から、CR遊技機240での発射球数を主制御基板101で計数把握することができる。この発射球数は、CR遊技機240における遊技状態情報の1項目として収集管理しても良いし、暗号鍵初期化情報を生成するタイミングの判定などに用いても良く、貸出装置140における制御動作の幅を広げることができる。なお、第4実施形態においても、貸出装置140の認証手段141とCR遊技機240の認証手段241とによって、上述した各種の相互認証を適宜に行うことが可能である。
【0108】
なお、本実施例では、発射球計数器142を別体としてCR遊技機240に取り付けて発射球数を取得するものとしたが、これに限定されるものではなく、発射球検出手段を備えるCR遊技機を接続した場合、発射球を検出した時にCR遊技機の外部端子から出力される発射球検出信号を貸出装置側に出力するように構成すれば、CR遊技機での発射球数を貸出装置側で計数可能となる。
【0109】
図10に示すのは、1球単位払出仕様の貸出装置150とCR遊技機250とからなる第5実施形態の遊技システムである。なお、図10中、前述した第1〜第4実施形態と同じ構成には同一符号を付して説明を省略する。
【0110】
貸出装置150は、1球単位での払出指示が可能であり、これに接続されるCR遊技機250も1球単位での払出指示に応じた球払出が可能である。すなわち、本実施形態の遊技システムでは、既存の度数払出パラレルインターフェースを一新し、双方向シリアル通信の1球単位払出インターフェースに準じて、貸出装置150とCR遊技機250を接続したものであるから、貸出装置150に遊技球払出部を設けなくても、1度数に満たない端数分の球払出をCR遊技機250の球排出装置によって行うことが可能となる。なお、第5実施形態においても、貸出装置150の認証手段151とCR遊技機250の認証手段251とによって、上述した各種の相互認証を適宜に行うことが可能である。
【0111】
図11に示すのは、上述した第5実施形態の遊技システムと同様に、1球単位払出仕様の貸出装置160とCR遊技機260とからなる第6実施形態の遊技システムである。なお、図11中、前述した第1〜第5実施形態と同じ構成には同一符号を付して説明を省略する。
【0112】
本実施形態の遊技システムでは、貸出装置160の遊技機状態信号入力基板122には遊技球計数器142を接続してあり、この遊技球計数機142がCR遊技機260の発射球を検出する毎に送出される発射球検出信号から、CR遊技機260での発射球数を主制御基板101で計数把握することができる。この発射球数は、CR遊技機260における遊技状態情報の1項目として収集管理しても良いし、暗号鍵初期化情報を生成するタイミングの判定などに用いても良く、貸出装置160における制御動作の幅を広げることができる。なお、第6実施形態においても、貸出装置160の認証手段161とCR遊技機260の認証手段261とによって、上述した各種の相互認証を適宜に行うことが可能である。また、本実施形態では、発射球計数器142を別体としてCR遊技機260に取り付けて発射球数を取得するものとしたが、これに限定されるものではなく、発射球検出手段を備えるCR遊技機を接続した場合、発射球を検出した時にCR遊技機の外部端子から出力される発射球検出信号を貸出装置側に出力するように構成すれば、CR遊技機での発射球数を貸出装置側で計数可能となる。
【0113】
図12に示すのは、遊技球の物理的な出入りの無い封入式のCR遊技機270とこれに対応した貸出装置170とからなる第7実施形態の遊技システムである。なお、図12中、前述した第1〜第6実施形態と同じ構成には同一符号を付して説明を省略する。
【0114】
CR遊技機270は、内部に封入された所定数の遊技球を循環使用することで弾球遊技を可能にするもので、遊技者が実球に触れることはない。このため、遊技者に貸し出した遊技球数や遊技に使われた発射数、入賞により遊技者に払い出された賞球数、入賞せずに回収された回収球数等を内部でデータ管理する。
【0115】
上述したCR遊技機270は、内部管理情報(例えば、賞球数、発射球数、遊技状態情報、エラー情報、遊技機固有情報など)を単方向通信の遊技機状態出力信号線束を通じて貸出装置170へ送信する一方、貸出関連信号および相互認証信号は双方向通信の貸出関連信号線束を通じて貸出装置170へ送信する。このように、封入式のCR遊技機270に対しても、遊技機状態信号入力基板105および貸出信号中継基板122を備える貸出装置170との互換性を保つことができる。なお、第7実施形態においても、貸出装置170の認証手段171とCR遊技機270の認証手段271とによって、上述した各種の相互認証を適宜に行うことが可能である。
【0116】
図13に示すのは、上述した第7実施形態の遊技システムと同様に、遊技球の物理的な出入りの無い封入式のCR遊技機280とこれに対応した貸出装置180とからなる第8実施形態の遊技システムであるが、貸出装置180とCR遊技機280との接続には相互通信可能なシリアルインターフェースを採用した。なお、図13中、前述した第1〜第7実施形態と同じ構成には同一符号を付して説明を省略する。
【0117】
貸出装置180には、シリアル通信用の遊技機接続中継基板182を設けてCR遊技機280と接続することで、貸出装置180とCR遊技機280との間の通信ラインを1系統に簡素化し、配線を簡略化するのに寄与できる。なお、貸出装置180にはシリアル通信用の送受信手段183を、CR遊技機280にはシリアル通信用の送受信手段282を各々設け、これら送受信手段183,282の制御によって送受信される認証用電文から、認証手段181,281による相互認証が行われるもので、前述した各実施形態とは異なり、認証手段181,281には通信機能を持たせないで、通信自体は貸出装置180とCR遊技機280の制御基板同士で行う。斯くすれば、認証手段181,281はコプロセッサ的な位置付けとなるので、貸出装置180とCR遊技機280における各制御基板の設計の自由度を高めることができる。
【0118】
そして、本実施形態の遊技システムでは、貸出装置180とCR遊技機280との信号接続構造は、CR遊技機280より一方的に出力される遊技機状態出力信号と、貸出装置180とCR遊技機280間で双方向通信する遊技媒体の貸出に関する貸出関連信号とを、同じ信号線束に統合し、CR遊技機280の認証手段281からの送信および貸出装置180の認証手段181からの送信は、共に統合信号線束を通じて行うことで、貸出装置180とCR遊技機280の相互認証を統合信号線束に集約して行うことができる。また、統合信号線束を介してCR遊技機180から貸出装置280へ送信する遊技機状態出力信号には、少なくとも大当り、図柄停止、確率変動、時間短縮、不正検知、発射数、賞球数の各状態を含むようにすれば、CR遊技機280の主な遊技機状態に関する情報を貸出装置で集中的に取り扱うことが可能となる。
【0119】
また、旧来はCR遊技機280からホールコンピュータ300等へ送信されていた遊技機状態情報などは、貸出装置180が収集し、これを外部機器通信用中継基板108を介してホールコンピュータ300等の上位システムへ中継送信する。かくすれば、CR遊技機280は貸出装置180とだけ接続された状態で稼働させることができ、貸出装置180とCR遊技機280は相互認証によって接続相手の厳格な確認を行って正常起動するのであるから、システムのセキュリティを一層高めることができる。
【0120】
図14は、第8実施形態に係る遊技システムを貸出装置180AとCR遊技機280Aで構成した第1構成例を示すもので、貸出装置180Aの遊技機接続基板182とCR遊技機280Aの貸出装置接続基板283をシリアル通信で接続したものである。なお、貸出装置180Aの遊技機接続基板182とCR遊技機280Aの貸出装置接続基板283の接続信号線束には、CR遊技機280Aから貸出装置180Aへの電源供給ラインと、貸出装置180AからCR遊技機280AへのI/F用電力供給ラインが含まれる。なお、図14に示す第8実施形態の第1構成例においては図示を省略したが、貸出装置180Aの主制御基板101は外部ネットワーク通信I/Fを備えており、外部機器通信用中継基板108を介して店内ネットワーク上の外部機器との通信が可能である。
【0121】
本構成例のCR遊技機280Aにおいては、発射制御手段284の動作制御も行う払出制御基板202に認証手段281および送受信手段282を設けることで、遊技機状態出力信号、貸出関連信号および相互認証信号の全てを送受信手段282が行うシリアルの双方向通信に集約できる。このように、旧来のCR遊技機が備える払出制御基板202に送受信手段282を設ければ、通信専用の基板等を別途設ける必要が無く、コスト削減に効果がある。
【0122】
図15は、第8実施形態に係る遊技システムを貸出装置180BとCR遊技機280Bで構成した第2構成例を示すもので、貸出装置180Bには暗号・復号/通信基板184を設け、CR遊技機280Bには暗号・復号/通信基板285を設け、各種情報信号や認証用電文の送受信を専用の基板で行うようにしたものである。なお、図15に示す第2実施形態の第2構成例においては図示を省略したが、貸出装置180Bの主制御基板101は外部ネットワーク通信I/Fを備えており、外部機器通信用中継基板108を介して店内ネットワーク上の外部機器との通信が可能である。
【0123】
本構成例のCR遊技機280Bにおいては、暗号・復号/通信基板285に第1認証手段281aを設け、払出制御基板202に第2認証手段281bを設け、認証および送受信に関する機能を2つの基板に分割した。例えば、第1認証手段281aには暗号鍵の生成・更新、電文の暗号化、電文の復号化、認証電文の判定の各機能を持たせ、第2認証手段281bには、主制御基板201からの遊技機固有情報の読み取り及び一時記憶機能を持たせる。すなわち、第1構成例において認証手段281と送受信手段282とで実現した機能を、第2構成例においては、第1認証手段281aを備える暗号・復号/通信基板285と払出制御基板202の第2認証手段281bによって実現するのである。
【0124】
また、本構成例の貸出装置180Bにおいては、暗号・復号/通信基板184に第1認証手段181aを設け、主制御基板101に第2認証手段181bを設け、認証および送受信に関する機能を2つの基板に分割した。例えば、第1認証手段181aには暗号鍵の生成・更新、電文の暗号化、電文の復号化、認証電文の判定の各機能を持たせ、第2認証手段181bには、認証電文からの遊技機固有情報の抽出および一時記憶機能を持たせる。すなわち、第1構成例において認証手段181と送受信手段283とで実現した機能を、第2構成例においては、第1認証手段181aを備える暗号・復号/通信基板184と主制御基板101の第2認証手段181bによって実現するのである。
【0125】
このように、認証および通信に関する機能の一部を別基板に設ける構成とすれば、貸出装置180Bにおける主制御基板101やCR遊技機280Bにおける払出制御基板202の負担が減り、プログラム容量を抑えることが出来る。なお、暗号化機能と通信機能の分割形態は、本構成例に限定されるものではなく、自由に設定して構わない。
【0126】
図16に示すのは、封入式の遊技機290と貸出装置190とで構成した第9実施形態に係る遊技システムであり、貸出装置190と遊技機290との間の信号のやり取りを全て暗号化してセキュリティを一層高めるものである。
【0127】
貸出装置190の貸出装置メイン基板191は汎用CPUで構成する。この貸出装置メイン基板191とシリアル双方向通信で接続される暗号処理基板191は暗号用セキュリティCPUで構成し、遊技機290から暗号化送信された信号を復号すると共に、遊技機290へ送信する信号を暗号化する。この暗号処理基板192に認証手段の機能を含ませるのである。
【0128】
また、貸出装置メイン基板191は、紙幣が投入される紙幣識別ユニット193、価値等記録媒体Cの読み書きを行うカード等R/Wユニット194、汎用CPUで構成された操作表示部制御基板195とシリアル信号線で接続される。なお、操作表示部制御基板195は、タッチパネル表示器等で構成した操作表示部表示器196とパラレル信号線で接続され、表示制御を行うものである。また、この操作表示制御基板195の機能は、貸出装置メイン基板191に設けるようにしても構わない。
【0129】
貸出装置190の外部機器やシステムとの通信を行うための外部出力接続端子基板197は、ホールコンピュータ、プリペイド管理サーバ、景品サーバ、貯玉サーバ、当日持玉サーバ、呼出ランプ、店舗外のデータ管理センタなどと通信を行う。なお、外部出力接続端子基板197は、電源基板198からの電源供給を受けて、更に貸出装置メイン基板191に供給し、この貸出装置メイン基板191から他の基板やユニットへ所要電源が供給される。
【0130】
一方、遊技機190の払出制御基板291は、遊技機用セキュリティCPUで構成され、貸出装置190から暗号化送信された信号を復号すると共に、貸出装置190へ送信する信号を暗号化する。なお、遊技機用セキュリティCPUは書き込んだ内容を外部から読み出すことが困難なプログラマブルCPUであり、暗号処理機能をマクロで組んで搭載すれば、別途認証用チップ等を基板に設ける必要がない。
【0131】
また、封入式の遊技機290は、交換自在なゲージ盤292に主制御基板292aを備え、この主制御基板292aも遊技機用セキュリティCPUで構成されているので、暗号処理機能をマクロで組んで搭載できる。この主制御基板292aと払出制御基板291とは双方向のシリアル信号線で接続され、貸出装置190より送信された認証用電文を払出制御基板291より受け取った主制御基板292aが復号し、貸出装置190へ送信する認証用電文を暗号化して払出制御基板291へ送信したりする。このように、遊技機190では、特別な認証用チップを設けずに、認証手段の機能を実現できる。
【0132】
上記ゲージ盤292には、汎用CPUで構成された演出用サブ制御基板292bを設け、単方向シリアル信号線で接続された主制御基板292aからの演出指示を受けて、単方向パラレル信号線で接続された液晶表示器292cの表示制御を行う。なお、演出用サブ制御基板292bには、電源基板293から電源供給を受け、液晶表示器292cに駆動用電源を供給する。
【0133】
また、電源基板293から払出制御基板291へも電源供給され、この払出制御基板291からゲージ盤292の主制御基板292a、双方向パラレル信号線で接続された球磨き制御基板294、双方向パラレル信号線で接続された発射制御基板295、単方向パラレル信号線で接続された球数等表示基板296へ電源供給される。
【0134】
本実施形態の遊技システムでは、貸出装置190と遊技機290とで相互認証を行うことに加えて、貸出装置190と遊技機290と間でやり取りされる信号自体を暗号化できるので、セキュリティを一層高めることができる。
【0135】
なお、本実施形態の遊技システムでは、貸出装置190や遊技機290の内部機能における信号送信方式の一例を示したが、内部機能間における信号送信様式をシリアル送信にするかパラレル送信にするかは任意であり、どちらの方法をとっても良いが、一般的に、スピードを重視する場合はパラレル送信方式を、信号線数を減らすときにはシリアル方式をとる。スピードかコストかの制約に基づいてどちらを採用しても実現可能である。
【0136】
上述した第9実施形態の遊技システムにおいては、貸出関連の操作や表示を貸出装置190に設けた操作表示部表示器196を介して行うようにしたが、これに限定されるものではなく、遊技機290側にて種々の操作を行えるようにすることも可能である。例えば、図17に示す遊技システムは第9実施形態の改変例で、例えば、操作表示部表示器196を備えていない貸出装置190′と、操作表示部表示器196′を設けたCR遊技機190′とから構成したものである。斯く構成すれば、遊技者にとって手近なCR遊技機190′の適所(例えば、遊技機前面下部の上部球皿の上面など)に設けられた操作表示部表示器196′によって貸出関連の諸操作を行うことができるので、遊技者にとっての使い勝手が良い。
【0137】
なお、操作表示部表示器196′は、貸出装置190′の操作表示部制御基板195からの給電および信号入力によって動作するものとし、貸出装置190′が適正に稼働状態になっていなければ、操作表示部表示器196′を使った貸出操作はできない。なお、操作表示部制御基板195と操作表示部表示器196′の接続には、専用のコネクタを別途設けて専用のケーブルで接続するようにしても良いし、貸出装置190′の暗号処理基板192とCR遊技機290′の払出制御基板291を接続する貸出装置I/Fケーブルと同一のハーネスに束ねておくことで、接続を簡易に行えるようにしても良い。
【0138】
以上、本発明に係る遊技システムの実施形態を添付図面に基づいて説明したが、本発明の包摂範囲は、これらの実施形態に限定されるものではなく、公知既存の手法を適宜転用することで実現しても構わない。
【符号の説明】
【0139】
110 貸出装置
101 主制御基板
105 貸出信号中継基板
111 認証手段
210 CR遊技機
211 認証手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機と貸出装置が適正に接続されることで遊技が可能になる遊技システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、遊技媒体を用いた遊技が行える遊技機と、遊技機での遊技に使う遊技機を貸し出すための制御を行う貸出装置とが適正に接続されることで遊技が可能になる遊技システムがある。遊技機は、主制御基板のCPUによって遊技制御されていることから、そのCPUを不正なものに交換する不正が行われることがあった。不正なCPUに交換されると、本来の遊技機能が損なわれて、遊技店に多大な損害を与えることもあった。
【0003】
このため、遊技機の主制御基板をカシめ、封印シールをはり、更に封印シールにICチップを埋め込んで、遊技機の制御基板が不正なものと交換されることを困難にし、不正な遊技媒体の払い出しを排除する方法が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−289419号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の不正監視システムでは、対処できない不正がある。すなわち、遊技機の主制御基板はそのまま残し、遊技媒体の払出に係る信号が送受信されるインターフェース部や配線ケーブルに対して不正な基板を外付けし、この不正基板によってニセの信号を割り込ませることで、遊技媒体を不正に払出させるような不正には、特許文献1に記載の不正監視システムは対処できないのである。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、遊技媒体を不正に払い出させる不正基板を貸出装置と遊技機との通信経路に取り付けるような不正を確実に回避して、動作信頼性を高めた遊技システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、請求項1に係る発明は、遊技媒体を貸し出すための貸出制御機能を備えた貸出装置と、該貸出装置が正しく接続されている事で遊技が可能となる遊技機と、で構成される遊技システムであって、前記貸出装置と前記遊技機には、共通の暗号化・復号化機能によって認証用電文の暗号化および復号化を行える認証手段を各々設け、前記貸出装置と前記遊技機とが相互に正当な接続相手先である事を認証するための所定の認証用電文を暗号通信する事で相互認証し、認証の結果、双方が正当な接続先であると判断した場合に限り、貸出装置および遊技機が正常動作するようにしたことを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に係る発明は、前記請求項1に記載の遊技システムにおいて、前記貸出装置および前記遊技機が備える認証手段は、鍵生成のための共通の暗号鍵初期化情報を入力して同一系列の疑似乱数値を順次生成して内部に保持する暗号鍵生成機能を含み、この内部生成した暗号鍵を外部に通知することなく認証用電文の暗号化・復号化に用いるようにしたことを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に係る発明は、前記請求項2に記載の遊技システムにおいて、前記貸出装置および前記遊技機の認証手段が、暗号鍵生成機能により暗号鍵を生成するための暗号鍵初期化情報は、貸出装置に搭載された通信手段によって貸出装置の外部から取得し、取得した暗号鍵初期化情報を貸出装置から遊技機へ通知することで、双方が共通の暗号鍵初期化情報により共通の暗号鍵を生成できるようにしたことを特徴とする。
【0010】
また、請求項4に係る発明は、前記請求項3に記載の遊技システムにおいて、前記貸出装置が取得する暗号鍵生成用の暗号鍵初期化情報は、当該貸出装置が遊技店内通信ネットワークを介して接続された店舗内の店舗管理コンピュータから供給されるようにしたことを特徴とする。
【0011】
また、請求項5に係る発明は、前記請求項3に記載の遊技システムにおいて、前記貸出装置が取得する暗号鍵生成用の暗号鍵初期化情報は、当該貸出装置が遊技店内通信ネットワークおよび広域通信網を介して接続された店舗外のセキュリティ管理サーバから供給されるようにしたことを特徴とする。
【0012】
また、請求項6に係る発明は、前記請求項2に記載の遊技システムにおいて、前記貸出装置および前記遊技機の認証手段が、暗号鍵生成機能により暗号鍵を生成するための暗号鍵初期化情報は、貸出装置に設けた暗号鍵初期化情報生成手段によってランダムに生成し、生成した暗号鍵初期化情報を貸出装置から遊技機へ通知することで、双方が共通の暗号鍵初期化情報により共通の暗号鍵を生成できるようにしたことを特徴とする。
【0013】
また、請求項7に係る発明は、前記請求項6に記載の遊技システムにおいて、前記貸出装置の暗号鍵初期化情報生成手段は、貸出装置の稼働中にランダムに生ずるイベントの中から予め定めた初期化情報更新イベントが発生することに基づいて暗号鍵初期化情報を生成することにより、暗号鍵初期化情報の更新タイミングがランダムになるようにしたことを特徴とする。
【0014】
また、請求項8に係る発明は、前記請求項2〜請求項7の何れか1項に記載の遊技システムにおいて、前記貸出装置および前記遊技機が備える認証手段の暗号鍵生成機能は、暗号化および/または復号化による認証の実行毎に所定の手順で新たな暗号鍵を生成することにより、貸出装置の認証手段と遊技機の認証手段が更新された共通の暗号鍵を利用できるようにしたことを特徴とする。
【0015】
また、請求項9に係る発明は、前記請求項8に記載の遊技システムにおいて、前記遊技機は、当該遊技機の個体を識別できる遊技機固有情報を保持するものとし、前記遊技機固有情報を含む認証用電文を遊技機より貸出装置へ送信し、これを受信した貸出装置は遊技機固有情報を記憶するとともに認証用電文を新たに生成した暗号鍵で暗号化した暗号電文を遊技機へ送信し、これを受信した遊技機は新たに生成した貸出装置と共通の暗号鍵で暗号電文を復号化するとともに貸出装置に送信した認証用電文と比較し、遊技機から送信した認証用電文と遊技機が受信して復号した認証用電文とが一致することで相互認証が完了するようにしたことを特徴とする。
【0016】
また、請求項10に係る発明は、前記請求項8に記載の遊技システムにおいて、前記遊技機は、当該遊技機の個体を識別できる遊技機固有情報を保持するものとし、前記遊技機固有情報を含む認証用電文を遊技機内で新たに生成した暗号鍵により暗号化した暗号化電文を遊技機より貸出装置へ送信し、これを受信した貸出装置は新たに生成した遊技機と共通の暗号鍵で暗号化電文を復号化し、復号化した認証用電文の遊技機固有情報を記憶するとともに認証用電文を新たに生成した暗号鍵で暗号化した暗号電文を遊技機へ送信し、これを受信した遊技機は新たに生成した貸出装置と共通の暗号鍵で暗号電文を復号化するとともに貸出装置に送信した認証用電文と比較し、遊技機から送信した認証用電文と遊技機が受信して復号した認証用電文とが一致することで相互認証が完了するようにしたことを特徴とする。
【0017】
また、請求項11に係る発明は、前記請求項8に記載の遊技システムにおいて、前記貸出装置は、当該貸出装置の個体を識別できる貸出装置固有情報を保持するものとし、前記貸出装置固有情報を含む認証用電文を貸出装置より遊技機へ送信し、これを受信した遊技機は貸出装置固有情報を記憶するとともに認証用電文を新たに生成した暗号鍵で暗号化した暗号電文を貸出装置へ送信し、これを受信した貸出装置は新たに生成した遊技機と共通の暗号鍵で暗号電文を復号化するとともに遊技機に送信した認証用電文と比較し、貸出装置から送信した認証用電文と貸出装置が受信して復号した認証用電文とが一致することで相互認証が完了するようにしたことを特徴とする。
【0018】
また、請求項12に係る発明は、前記請求項8に記載の遊技システムにおいて、前記貸出装置は、当該貸出装置の個体を識別できる貸出装置固有情報を保持するものとし、前記貸出装置固有情報を含む認証用電文を貸出装置内で新たに生成した暗号鍵により暗号化した暗号化電文を貸出装置より遊技機へ送信し、これを受信した遊技機は新たに生成した貸出装置と共通の暗号鍵で暗号化電文を復号化し、復号化した認証用電文の貸出装置固有情報を記憶するとともに認証用電文を新たに生成した暗号鍵で暗号化した暗号電文を貸出装置へ送信し、これを受信した貸出装置は新たに生成した遊技機と共通の暗号鍵で暗号電文を復号化するとともに遊技機に送信した認証用電文と比較し、貸出装置から送信した認証用電文と貸出装置が受信して復号した認証用電文とが一致することで相互認証が完了するようにしたことを特徴とする。
【0019】
また、請求項13に係る発明は、前記請求項9〜請求項12に記載の遊技システムにおける相互認証を複数組み合わせ、組み合わせた複数の相互認証が全て完了することによって認証条件が達成されるようにしたことを特徴とする。
【0020】
また、請求項14に係る発明は、前記請求項9〜請求項13に記載の遊技システムにおいて、前記貸出装置と前記遊技機との間で最初に行う初回相互認証のときに取得した相手機器の固有情報を初期固有情報として記憶保持する初期固有情報記憶手段と、前記初期固有情報記憶手段に初期固有情報が記憶された後に行う相互認証で取得した相手機器の固有情報が初期固有情報と一致するか否かに基づいて、接続対象の相手機器が変更された異常の有無を判定する接続異常判定手段と、を備えることを特徴とする。
【0021】
また、請求項15に係る発明は、前記請求項1〜請求項14の何れか1項に記載の遊技システムにおいて、前記貸出装置の認証手段と前記遊技機の認証手段は、共に通信機能を備え、認証用電文を直接やりとりするようにしたことを特徴とする。
【0022】
また、請求項16に係る発明は、前記請求項1〜請求項14の何れか1項に記載の遊技システムにおいて、前記貸出装置の認証手段と前記遊技機の認証手段は、共に通信機能を持たず、貸出装置および遊技機の各制御基板が備える通信機能によって認証用電文のやりとりを行うようにしたことを特徴とする。
【0023】
また、請求項17に係る発明は、前記請求項1〜請求項16の何れか1項に記載の遊技システムにおいて、前記貸出装置と前記遊技機との信号接続構造は、遊技機より一方的に出力される遊技機状態出力信号と、貸出装置と遊技機間で双方向通信する遊技媒体の貸出に関する貸出関連信号とを、各々異なる信号線束に分離し、前記遊技機の認証手段からの送信は遊技機状態出力信号線束を通じて行い、前記貸出装置の認証手段からの送信は貸出関連信号線束を通じて行うようにしたことを特徴とする。
【0024】
また、請求項18に係る発明は、前記請求項1〜請求項16の何れか1項に記載の遊技システムにおいて、前記貸出装置と前記遊技機との信号接続構造は、遊技機より一方的に出力される遊技機状態出力信号と、貸出装置と遊技機間で双方向通信する遊技媒体の貸出に関する貸出関連信号とを、各々異なる信号線束に分離し、前記遊技機の認証手段からの送信および前記貸出装置の認証手段からの送信は、共に貸出関連信号線束を通じて行うようにしたことを特徴とする。
【0025】
また、請求項19に係る発明は、前記請求項1〜請求項16の何れか1項に記載の遊技システムにおいて、前記貸出装置と前記遊技機との信号接続構造は、遊技機より一方的に出力される遊技機状態出力信号と、貸出装置と遊技機間で双方向通信する遊技媒体の貸出に関する貸出関連信号とを、同じ信号線束に統合し、前記遊技機の認証手段からの送信および前記貸出装置の認証手段からの送信は、共に統合信号線束を通じて行うようにしたことを特徴とする。
【0026】
また、請求項20に係る発明は、前記請求項19に記載の遊技システムにおいて、前記統合信号線束を介して遊技機から貸出装置へ送信する遊技機状態出力信号には、少なくとも大当り、図柄停止、確率変動、時間短縮、不正検知、発射数、賞球数の各状態を含むようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
請求項1に係る遊技システムによれば、前記貸出装置と前記遊技機には、共通の暗号化・復号化機能によって認証用電文の暗号化および復号化を行える認証手段を各々設け、前記貸出装置と前記遊技機とが相互に正当な接続相手先である事を認証するための所定の認証用電文を暗号通信する事で相互認証し、認証の結果、双方が正当な接続先であると判断した場合に限り、貸出装置および遊技機が正常動作するようにしたので、貸出装置と遊技機の通信経路に不正基板が取り付けられたり、不正な改竄ケーブルで貸出装置と遊技機を接続したような場合には、相互認証が成立せず、貸出装置及び遊技機が正常動作しない。よって、不正に遊技媒体が払い出されるような事態を確実に回避でき、信頼性の高い遊技システムとなる。
【0028】
また、請求項2に係る遊技システムによれば、前記貸出装置および前記遊技機が備える認証手段は、鍵生成のための共通の暗号鍵初期化情報を入力して同一系列の疑似乱数値を順次生成して内部に保持する暗号鍵生成機能を含み、この内部生成した暗号鍵を外部に通知することなく認証用電文の暗号化・復号化に用いるようにしたので、認証に用いる暗号鍵自体が外部に漏洩する危険性が無く、貸出装置と遊技機との相互認証の信頼性を一層高めることができる。
【0029】
また、請求項3に係る遊技システムによれば、前記貸出装置および前記遊技機の認証手段が、暗号鍵生成機能により暗号鍵を生成するための暗号鍵初期化情報は、貸出装置に搭載された通信手段によって貸出装置の外部から取得し、取得した暗号鍵初期化情報を貸出装置から遊技機へ通知することで、双方が共通の暗号鍵初期化情報により共通の暗号鍵を生成できるようにしたので、任意の暗号鍵初期化情報を外部から任意のタイミングで供給でき、相互認証の信頼性向上に寄与できる。
【0030】
また、請求項4に係る遊技システムによれば、前記貸出装置が取得する暗号鍵生成用の暗号鍵初期化情報は、当該貸出装置が遊技店内通信ネットワークを介して接続された店舗内の店舗管理コンピュータから供給されるようにしたので、暗号鍵初期化情報を店舗管理コンピュータで管理できる。
【0031】
また、請求項5に係る遊技システムによれば、前記貸出装置が取得する暗号鍵生成用の暗号鍵初期化情報は、当該貸出装置が遊技店内通信ネットワークおよび広域通信網を介して接続された店舗外のセキュリティ管理サーバから供給されるようにしたので、暗号鍵初期化情報をセキュリティ管理サーバで管理できる。
【0032】
また、請求項6に係る遊技システムによれば、前記貸出装置および前記遊技機の認証手段が、暗号鍵生成機能により暗号鍵を生成するための暗号鍵初期化情報は、貸出装置に設けた暗号鍵初期化情報生成手段によってランダムに生成し、生成した暗号鍵初期化情報を貸出装置から遊技機へ通知することで、双方が共通の暗号鍵初期化情報により共通の暗号鍵を生成できるようにしたので、暗号鍵初期化情報自体の秘匿性を高めることができ、相互認証の信頼性維持に寄与できる。
【0033】
また、請求項7に係る遊技システムによれば、前記貸出装置の暗号鍵初期化情報生成手段は、貸出装置の稼働中にランダムに生ずるイベントの中から予め定めた初期化情報更新イベントが発生することに基づいて暗号鍵初期化情報を生成することにより、暗号鍵初期化情報の更新タイミングがランダムになるようにしたので、暗号鍵初期化情報自体の秘匿性を一層高めることができ、相互認証の信頼性維持に寄与できる。
【0034】
また、請求項8に係る遊技システムによれば、前記貸出装置および前記遊技機が備える認証手段の暗号鍵生成機能は、暗号化および/または復号化による認証の実行毎に所定の手順で新たな暗号鍵を生成することにより、貸出装置の認証手段と遊技機の認証手段が更新された共通の暗号鍵を利用できるようにしたので、暗号鍵初期化情報から直接生成される暗号鍵とは異なる暗号鍵に順次更新されてゆき、相互認証の信頼性維持に寄与できる。
【0035】
また、請求項9に係る遊技システムによれば、前記遊技機は、当該遊技機の個体を識別できる遊技機固有情報を保持するものとし、前記遊技機固有情報を含む認証用電文を遊技機より貸出装置へ送信し、これを受信した貸出装置は遊技機固有情報を記憶するとともに認証用電文を新たに生成した暗号鍵で暗号化した暗号電文を遊技機へ送信し、これを受信した遊技機は新たに生成した貸出装置と共通の暗号鍵で暗号電文を復号化するとともに貸出装置に送信した認証用電文と比較し、遊技機から送信した認証用電文と遊技機が受信して復号した認証用電文とが一致することで相互認証が完了するようにしたので、貸出装置の暗号化機能と遊技機の復号化機能で簡易に相互認証を行うことができる。
【0036】
また、請求項10に係る遊技システムによれば、前記遊技機は、当該遊技機の個体を識別できる遊技機固有情報を保持するものとし、前記遊技機固有情報を含む認証用電文を遊技機内で新たに生成した暗号鍵により暗号化した暗号化電文を遊技機より貸出装置へ送信し、これを受信した貸出装置は新たに生成した遊技機と共通の暗号鍵で暗号化電文を復号化し、復号化した認証用電文の遊技機固有情報を記憶するとともに認証用電文を新たに生成した暗号鍵で暗号化した暗号電文を遊技機へ送信し、これを受信した遊技機は新たに生成した貸出装置と共通の暗号鍵で暗号電文を復号化するとともに貸出装置に送信した認証用電文と比較し、遊技機から送信した認証用電文と遊技機が受信して復号した認証用電文とが一致することで相互認証が完了するようにしたので、貸出装置と遊技機双方の暗号化・復号化機能で信頼性の高い相互認証を行うことができる。
【0037】
また、請求項11に係る遊技システムによれば、前記貸出装置は、当該貸出装置の個体を識別できる貸出装置固有情報を保持するものとし、前記貸出装置固有情報を含む認証用電文を貸出装置より遊技機へ送信し、これを受信した遊技機は貸出装置固有情報を記憶するとともに認証用電文を新たに生成した暗号鍵で暗号化した暗号電文を貸出装置へ送信し、これを受信した貸出装置は新たに生成した遊技機と共通の暗号鍵で暗号電文を復号化するとともに遊技機に送信した認証用電文と比較し、貸出装置から送信した認証用電文と貸出装置が受信して復号した認証用電文とが一致することで相互認証が完了するようにしたので、遊技機の暗号化機能と貸出装置の復号化機能で簡易に相互認証を行うことができる。
【0038】
また、請求項12に係る遊技システムによれば、前記貸出装置は、当該貸出装置の個体を識別できる貸出装置固有情報を保持するものとし、前記貸出装置固有情報を含む認証用電文を貸出装置内で新たに生成した暗号鍵により暗号化した暗号化電文を貸出装置より遊技機へ送信し、これを受信した遊技機は新たに生成した貸出装置と共通の暗号鍵で暗号化電文を復号化し、復号化した認証用電文の貸出装置固有情報を記憶するとともに認証用電文を新たに生成した暗号鍵で暗号化した暗号電文を貸出装置へ送信し、これを受信した貸出装置は新たに生成した遊技機と共通の暗号鍵で暗号電文を復号化するとともに遊技機に送信した認証用電文と比較し、貸出装置から送信した認証用電文と貸出装置が受信して復号した認証用電文とが一致することで相互認証が完了するようにしたので、貸出装置と遊技機双方の暗号化・復号化機能で信頼性の高い相互認証を行うことができる。
【0039】
また、請求項13に係る遊技システムによれば、前記請求項9〜請求項12に記載の遊技システムにおける相互認証を複数組み合わせ、組み合わせた複数の相互認証が全て完了することによって認証条件が達成されるようにしたので、相互認証の信頼性を一層高めることができる。
【0040】
また、請求項14に係る遊技システムによれば、前記貸出装置と前記遊技機との間で最初に行う初回相互認証のときに取得した相手機器の固有情報を初期固有情報として記憶保持する初期固有情報記憶手段と、前記初期固有情報記憶手段に初期固有情報が記憶された後に行う相互認証で取得した相手機器の固有情報が初期固有情報と一致するか否かに基づいて、接続対象の相手機器が変更された異常の有無を判定する接続異常判定手段と、を備えるので、認証手段による相互認証に加えて、相手機器の個体変更も接続異常と判定でき、一層信頼性の高いシステムとなる。
【0041】
また、請求項15に係る遊技システムによれば、前記貸出装置の認証手段と前記遊技機の認証手段は、共に通信機能を備え、認証用電文を直接やりとりするようにしたので、各認証手段の内部をブラックボックス化でき、相互認証のセキュリティを一層高めることができる。
【0042】
また、請求項16に係る遊技システムによれば、前記貸出装置の認証手段と前記遊技機の認証手段は、共に通信機能を持たず、貸出装置および遊技機の各制御基板が備える通信機能によって認証用電文のやりとりを行うようにしたので、各認証手段はコプロセッサ的な位置付けとなり、貸出装置と遊技機における各制御基板の設計の自由度を高めることができる。
【0043】
また、請求項17に係る遊技システムによれば、前記貸出装置と前記遊技機との信号接続構造は、遊技機より一方的に出力される遊技機状態出力信号と、貸出装置と遊技機間で双方向通信する遊技媒体の貸出に関する貸出関連信号とを、各々異なる信号線束に分離し、前記遊技機の認証手段からの送信は遊技機状態出力信号線束を通じて行い、前記貸出装置の認証手段からの送信は貸出関連信号線束を通じて行うようにしたので、貸出装置と遊技機の相互認証を遊技機状態出力信号線束と貸出関連信号線束に分けて行うことができる。
【0044】
また、請求項18に係る遊技システムによれば、前記貸出装置と前記遊技機との信号接続構造は、遊技機より一方的に出力される遊技機状態出力信号と、貸出装置と遊技機間で双方向通信する遊技媒体の貸出に関する貸出関連信号とを、各々異なる信号線束に分離し、前記遊技機の認証手段からの送信および前記貸出装置の認証手段からの送信は、共に貸出関連信号線束を通じて行うようにしたので、貸出装置と遊技機の相互認証を貸出関連信号線束に集約して行うことができる。
【0045】
また、請求項19に係る遊技システムによれば、前記貸出装置と前記遊技機との信号接続構造は、遊技機より一方的に出力される遊技機状態出力信号と、貸出装置と遊技機間で双方向通信する遊技媒体の貸出に関する貸出関連信号とを、同じ信号線束に統合し、前記遊技機の認証手段からの送信および前記貸出装置の認証手段からの送信は、共に統合信号線束を通じて行うようにしたので、貸出装置と遊技機の相互認証を統合信号線束に集約して行うことができる。
【0046】
また、請求項20に係る遊技システムによれば、前記統合信号線束を介して遊技機から貸出装置へ送信する遊技機状態出力信号には、少なくとも大当り、図柄停止、確率変動、時間短縮、不正検知、発射数、賞球数の各状態を含むようにしたので、遊技機の主な遊技機状態に関する情報を貸出装置で集中的に取り扱うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明に係る遊技システムの第1実施形態を示す概略構成図である。
【図2】第1実施形態に係る遊技システムの運用例を示す説明図である。
【図3】本発明に係る遊技システムの第2実施形態を示す概略構成図である。
【図4】第2実施形態の遊技システムの第1構成例を示す詳細構成図である。
【図5】貸出装置電源投入処理と遊技機電源投入処理を示すフローチャートである。
【図6】貸出装置の遊技機ID記憶更新処理を示すフローチャートである。
【図7】第2実施形態の遊技システムの第2構成例を示す詳細構成図である。
【図8】本発明に係る遊技システムの第3実施形態を示す概略構成図である。
【図9】本発明に係る遊技システムの第4実施形態を示す概略構成図である。
【図10】本発明に係る遊技システムの第5実施形態を示す概略構成図である。
【図11】本発明に係る遊技システムの第6実施形態を示す概略構成図である。
【図12】本発明に係る遊技システムの第7実施形態を示す概略構成図である。
【図13】本発明に係る遊技システムの第8実施形態を示す概略構成図である。
【図14】第8実施形態の遊技システムの第1構成例を示す詳細構成図である。
【図15】第8実施形態の遊技システムの第2構成例を示す詳細構成図である。
【図16】本発明に係る遊技システムの第9実施形態を示す概略構成図である。
【図17】第9実施形態に係る遊技システムの改変例を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
次に、本発明に係る遊技システムの実施形態を添付図面に基づいて説明する。なお、本実施形態では、遊技媒体である遊技球の貸出機能を備えたCR遊技機と、現金やプリペイドカード等を受け入れて遊技球の貸出制御を行う貸出装置とで構成した遊技システムとして説明するが、これに限定されるものではなく、例えば、遊技媒体としてコイン形状の遊技メダルを使うスロット式遊技機と、これに対応して接続されたメダル貸出装置からなる遊技システムにも適用可能である。
【0049】
図1は、貸出装置110とCR遊技機210から構成した遊技システムであり、貸出装置110とCR遊技機210が相互に正規の接続相手であると認証することで、双方が適正動作可能となり、貸出装置110の遊技球貸出制御によって遊技者に遊技球を貸し出し、貸し出された遊技球を用いてCR遊技機210での弾球遊技が行えるのである。
【0050】
遊技球貸出機能を有する貸出装置110は、主たる制御を司る主制御基板101を備える。遊技媒体の貸出には、現金、プリペイドカードやチャージされた会員カード等を使うことができる。現金を使う場合、貨幣投入口102aから投入された貨幣Mを貨幣識別部102bによって識別(真贋の鑑別および貨幣価値の判定)し、貨幣識別部102bから投入金額の通知を受けた主制御基板101の制御により、投入金額に応じた遊技球がCR遊技機210から払い出される。プリペイドカードや会員カードなどの価値等記録媒体Cを使う場合、媒体投入口103aから投入されて記録媒体保持部103bに保持される価値等記録媒体Cの記録情報を媒体R/W部103cが読み取り、媒体R/W部103cから記録情報を受けた主制御基板101の制御により、遊技球がCR遊技機210から払い出される。なお、投入貨幣Mの金額や価値等記録媒体Cの利用可能情報(残額や度数など)を表示/操作部104に表示し、遊技者が表示/操作部104を操作して選択した金額や度数分の遊技球を借りることができる。
【0051】
主制御基板101は、貸出信号中継基板105を介して、PIFケーブル(図示省略)によりCR遊技機210と接続され、遊技球貸出信号(例えば、遊技機準備状態信号、遊技機貸出完了信号、貸出装置準備状態信号、貸出装置貸出要求信号)の授受を行って、所定数の遊技球払出を行う。なお、CR遊技機210は、遊技球の最小貸出単位を1度数(例えば、100円で25個分に相当する価値)とし、度数単位での払出が可能な球払出機能を備えるものである。なお、貸出装置110としては、遊技球を1個単位で払い出す機能を搭載することも可能であり、CR遊技機210側が個数単位払出に対応している場合には、1個単位払出I/Fに基づく貸出信号の送受信によって、個数単位の払い出しを行うように構成することも可能である。
【0052】
また、貸出装置110とCR遊技機210とは、例えば、電源投入時に接続確認を行って、適正な接続相手と確認できなければ、正常に起動できない。このため、貸出装置110の主制御基板101は、電源部106からの電源供給を受けて動作すると、遊技機210から信号線を介して供給された電源を使ってI/F用電力を生成し、貸出信号中継基板105を介してI/F用電力をCR遊技機210へ供給し、CR遊技機210が正常起動可能な状態にあれば、供給されたI/F用電力から接続確認信号を生成して貸出装置110へ送信し、この接続確認信号を受けた貸出装置110側でCR遊技機210が正常接続されていると確認できる。なお、貸出装置110に台別設定記憶部107を設け、接続対象の遊技機種を記憶させておき、その対象機種に応じた接続確認を行うようにしても構わない。
【0053】
上記のようにして、貸出装置110とCR遊技機210が正常稼働した後、貸出装置110で遊技媒体の貸出動作が実行されると、その取引情報等を外部へ送信したり、取引のための顧客情報等を外部から受けたりする。例えば、外部機器通信用中継基板108を介して、当該遊技店に設置されたホールコンピュータ300へ各種の売上信号やエラー信号を送信し、顧客/持玉管理サーバ400から価値等記録媒体Cに紐付けされた顧客/持玉データを受信し、価値等記録媒体Cの使用あるいはチャージにより更新された顧客/持玉データを顧客/持玉管理サーバ400へ送信し、プリペイドシステム管理コンピュータ500へプリペイド取引データを送信する。
【0054】
さらに、本実施形態に係る遊技システムは、貸出装置110とCR遊技機210との間に相互認証専用の信号線を備え、貸出装置110の主制御基板101に設けた認証手段111とCR遊技機210に設けた認証手段211とが、予め定めた認証手法によって相互に認証を行うことで、双方が正当な接続対象機器であると判断できなければ、貸出装置110とCR遊技機210は何れも正常起動しないようにした。
【0055】
すなわち、貸出装置110の主制御基板101に設けた認証手段111とCR遊技機210に設けた認証手段211は、共通の暗号化・復号化機能によって認証用電文の暗号化および復号化を行えるものであり、貸出装置110とCR遊技機210とが相互に正当な接続相手先である事を認証するための所定の認証用電文を暗号通信する事で相互認証し、認証の結果、双方が正当な接続先であると判断した場合に限り、貸出装置110およびCR遊技機210が正常動作するようにしたので、貸出装置110とCR遊技機210の通信経路に不正基板が取り付けられたり、不正な改竄ケーブルで貸出装置110とCR遊技機210を接続したような場合には、相互認証が成立せず、貸出装置110及び遊技機210が正常動作しない。よって、不正に遊技球が払い出されるような事態を確実に回避でき、信頼性の高い遊技システムとなる。しかも、認証用電文の送受信を貸出装置110の認証手段111とCR遊技機210の認証手段211が直接やりとりすることで、各認証手段111,211の内部をブラックボックス化でき、相互認証のセキュリティを一層高めることができる。
【0056】
また、貸出装置110の認証手段111とCR遊技機210の認証手段211で行う相互認証の手法は特に限定されるものではなく、暗号化・復号化に用いる暗号鍵が両者で適正なものと判定できれば、お互いが適正な相手機器と接続されているものとして通常稼働させるようにすればよい。貸出装置110とCR遊技機210の両者で行う相互認証のために、暗号化および復号化のための共通秘密鍵を両者が持つようにしても良いし、暗号化鍵と復号化鍵を分けて両者に各々持たせる公開鍵方式でも良い。
【0057】
例えば、貸出装置110の認証手段111とCR遊技機210の認証手段211で、同一の共通暗号鍵が記憶されている認証チップを用い、貸出装置110またはCR遊技機210の一方で認証用電文を暗号化して他方へ送信すると、これを受けた側で復号化すれば元の認証用電文を得ることができる。そこで、認証用電文の暗号化・復号化機能が貸出装置110とCR遊技機210の双方で適正かどうかを判定できるように、認証用電文の送信手順を定めておけばよい。認証用電文の送信手順として、例えば、一方から平分の認証用電文を送信し、受信側では認証用電文を暗号化して暗号化認証用電文を送り返し、送り返された暗号化認証用電文を復号化した認証用電文が元の認証用電文と一致しているかを判定するものでも良いし、逆に、一方から暗号化した認証用電文を送って、他方で復号化した平分の認証用電文を送り返して、元の認証用電文に復号されているかを判定するものでも良いし、これらを組み合わせて、双方の認証機能の適否を厳格に判定するようにしても良い。
【0058】
さらに、貸出装置110の認証手段111とCR遊技機210の認証手段211の暗号化・復号化に用いる暗号鍵を固定情報とせず、暗号鍵自体を任意に変更できるようにしても構わない。例えば、ある初期値(タネ:シード)から別系列の疑似乱数列(暗号鍵)を生成するアルゴリズムを実行する暗号鍵生成手法がシード交換方式として知られている。タネ(シード)となる疑似乱数値を共通の初期値とした場合、同じ順番の疑似乱数値は同一の値になるのでこれを暗号鍵として用いるのである。送信側と受信側では、この乱数生成アルゴリズムを共通に有していて、あるタイミングでシードと順番が分かれば、暗号鍵自体の交換が不要な暗号システムが成立する。そして、暗号鍵生成のアルゴリズム自体は秘匿されているので、暗号鍵生成の初期値が知られるようなことがあっても、貸出装置110の認証手段111とCR遊技機210の認証手段211で共通に用いる暗号鍵自体は第三者に知られることはないので、貸出装置110の認証手段111とCR遊技機210の認証手段211で行う相互認証の信頼性は高いものとなる。
【0059】
このように、貸出装置110およびCR遊技機210が備える各認証手段111,211は、鍵生成のための共通の暗号鍵初期化情報を入力して同一系列の疑似乱数値を順次生成して内部に保持する暗号鍵生成機能を含み、この内部生成した暗号鍵を外部に通知することなく認証用電文の暗号化・復号化に用いるようにすれば、認証に用いる暗号鍵自体が外部に漏洩する危険性が無く、貸出装置110とCR遊技機210との相互認証の信頼性を一層高めることができる。
【0060】
さらに、貸出装置110およびCR遊技機210が備える認証手段111,211の暗号鍵生成機能は、暗号化および復号化による認証の実行毎に、或いは暗号化または復号化の何れかを実行する毎に、所定の手順で新たな暗号鍵を生成することにより、貸出装置110の認証手段111とCR遊技機210の認証手段211が更新された共通の暗号鍵を利用できるようにすれば、暗号鍵初期化情報から直接生成される暗号鍵とは異なる暗号鍵に順次更新されてゆき、相互認証の信頼性維持に寄与できる。
【0061】
なお、稼働中のノイズや瞬断、停電等に起因して貸出装置110とCR遊技機120が使う暗号鍵の同期がずれた場合を考慮し、前後数個分の暗号鍵を記憶保持しておき、これらの暗号鍵で認証用電文の復号を試み、いずれかの暗号鍵で復号できれば、その暗号鍵を基準とするように再設定して、相手機器との同期を図るようにしても良い。また、貸出装置110側で所定回数の認証(復号化)に失敗した時には、暗号鍵初期化情報の通知から再開して、暗号鍵の同期を図るように自動修復するようにしても良い。斯くすれば、認証失敗による機器の稼働停止を低減できるので、遊技店での省力化に寄与できる。
【0062】
上述したシード交換方式によって、暗号鍵を貸出装置110の認証手段111とCR遊技機210の認証手段211の内部で生成する場合、そのための暗号鍵初期化情報の選定方法や貸出装置110とCR遊技機210での共有方法は、特に限定されるものではないが、幾つかの具体例を図2に基づき説明する。
【0063】
例えば、貸出装置110側に暗号鍵初期化情報生成手段112を設けておき、紙幣識別機102への紙幣投入や記録媒体R/W103による価値等記録媒体Cの受け入れに起因する不作為情報(紙幣やカードの投入日時、投入カードの固有ID、金額情報、これらの組み合わせ等)から所定の演算手法によってランダムに暗号鍵初期化情報を生成できるようにする。そして、貸出装置110の電源投入時などのリセット動作がなされた時に暗号鍵初期化情報を決定し、貸出装置110自身の認証手段111の暗号鍵を更新すると同時に、この暗号鍵初期化情報をCR遊技機210に通知し、CR遊技機210側でもこの暗号鍵初期化情報を使って認証手段211の暗号鍵を更新させれば、暗号鍵を貸出装置110の認証手段111とCR遊技機210の認証手段211の暗号鍵を同期させておくことができる。或いは、CR遊技機210の電源投入時などのリセット動作がなされたタイミングを検知して、貸出装置110側で暗号鍵初期化情報を決定するようにしても良い。
【0064】
すなわち、貸出装置110およびCR遊技機210の各認証手段111,121が暗号鍵生成機能により暗号鍵を生成するための暗号鍵初期化情報を、貸出装置110に設けた暗号鍵初期化情報生成手段112によってランダムに生成し、生成した暗号鍵初期化情報を貸出装置110からCR遊技機210へ通知することで、双方が共通の暗号鍵初期化情報により共通の暗号鍵を生成できるようにすれば、暗号鍵初期化情報自体の秘匿性を高めることができ、相互認証の信頼性維持に寄与できる。
【0065】
加えて、貸出装置110の暗号鍵初期化情報生成手段112は、貸出装置110の稼働中にランダムに生ずるイベントの中から予め定めた初期化情報更新イベントが発生することに基づいて暗号鍵初期化情報を生成することにより、暗号鍵初期化情報の更新タイミングがランダムになるようにすれば、暗号鍵初期化情報自体の秘匿性を一層高めることができ、相互認証の信頼性維持に寄与できる。
【0066】
また、貸出装置110およびCR遊技機210の認証手段が、暗号鍵生成機能により暗号鍵を生成するための暗号鍵初期化情報は、貸出装置110に搭載された通信手段によって貸出装置110の外部から取得し、取得した暗号鍵初期化情報を貸出装置110からCR遊技機210へ通知することで、双方が共通の暗号鍵初期化情報により共通の暗号鍵を生成できるようにすれば、任意の暗号鍵初期化情報を外部から任意のタイミングで供給でき、相互認証の信頼性向上に寄与できる。
【0067】
貸出装置110が取得する暗号鍵生成用の暗号鍵初期化情報は、当該貸出装置110が遊技店内通信ネットワークを介して接続された店舗内の店舗管理コンピュータ600(ホールコンピュータ300や顧客/持玉管理サーバ400やプリペイドシステム管理コンピュータ500等の店舗に設置される管理コンピュータの総称)から供給されるようにすれば、暗号鍵初期化情報を店舗管理コンピュータ600で管理できるので、店舗内の各貸出装置110に一斉に暗号鍵初期化情報を送信したり、任意のタイミングで特定の貸出装置110へ個別に暗号鍵初期化情報を送信したりできる。なお、店舗管理コンピュータ600からの操作により、貸出装置110側での認証チェックを行わない設定に変更できるようにしても良い。斯くすれば、遊技店の工事中や仮設置状態のとき、貸出装置110単体での動作確認や故障発生時の原因切り分けなどを行うとき、CR遊技機210との接続を行う必要が無いので、利便性を高めることができる。
【0068】
また、貸出装置110が取得する暗号鍵生成用の暗号鍵初期化情報は、当該貸出装置110が遊技店内通信ネットワークおよび広域通信網を介して接続された店舗外のセキュリティ管理サーバ700から供給されるようにすれば、暗号鍵初期化情報をセキュリティ管理サーバで管理でき、管理対象である全店舗へ一斉に暗号鍵初期化情報を送信したり、任意のタイミングで特定の店舗へ個別に暗号鍵初期化情報を送信したりできる。
【0069】
上述した第1実施形態の遊技システムでは、貸出装置110とCR遊技機210とで相互認証を行うための信号を授受するために新たな信号線を追加したが、既存の接続ケーブル構造を活かして相互認証を行うようにすることも可能である。
【0070】
図3に示す第2実施形態の遊技システムにおいては、CR遊技機220より一方的に出力される遊技機状態出力信号を束ねた遊技機状態出力信号線束と、貸出装置120とCR遊技機220との間で双方向通信する遊技媒体の貸出に関する貸出関連信号を束ねた貸出関連信号線束とに分離して、貸出装置110と遊技機210とを接続した信号接続構造に本発明を適用したものである。
【0071】
例えば、貸出装置120の認証手段121からの送信およびCR遊技機220の認証手段221からの送信を、共に双方向通信の貸出関連信号線束を通じて行うようにすれば、貸出装置110とCR遊技機210の相互認証を貸出関連信号線束に集約して行うことができる。また、CR遊技機220の認証手段221からの送信は単方向通信の遊技機状態出力信号線束を通じて行い、貸出装置110の認証手段111からの送信は双方向通信の貸出関連信号線束を通じて行うようにすれば、貸出装置110とCR遊技機210の相互認証を遊技機状態出力信号線束と貸出関連信号線束に分けて行うことができる。なお、貸出装置120とCR遊技機220との双方向通信は、貸出装置120からCR遊技機220への単方向通信線とCR遊技機220から貸出装置120への単方向通信線を組み合わせることで実現しても構わない。
【0072】
また、本実施形態の遊技システムでは、貸出装置120に遊技機状態信号入力基板122を設けて、遊技機状態出力線束を接続し、この遊技機状態信号入力基板122を介して賞球信号等の外部端子出力情報を受けると共に、遊技機ID信号から遊技機220の個体を識別できる遊技機固有情報を取得できるものとした。
【0073】
図4は、第2実施形態に係る遊技システムを貸出装置120AとCR遊技機220Aで構成した第1構成例を示すもので、主制御基板201の遊技機用セキュリティチップ等に記憶されている遊技機固有情報を払出制御基板202が読み出し、固有番号送信バッファ202aに一時記憶し、固有番号を遊技機外部端子板203を介して遊技機固有情報を貸出装置120Aへ送信する。なお、図4に示す第2実施形態の第1構成例においては図示を省略したが、貸出装置120Aの主制御基板101は外部ネットワーク通信I/Fを備えており、外部機器通信用中継基板108を介して店内ネットワーク上の外部機器との通信が可能である。
【0074】
この遊技機固有情報を遊技機状態信号入力基板122を介して受信した貸出装置120Aでは、主制御基板101の固有番号受信バッファ101aに一時記憶し、台別設定記憶部107に既に記憶されている固有番号と固有番号受信バッファ101aに記憶されている固有番号とを比較手段101bによって比較し、両者が一致していなければ、表示/操作部104によってエラー報知を行う。すなわち、CR遊技機220Aから新たに送信された遊技機固有情報が以前の遊技機固有情報と異なっていた場合には、主制御基板201の制御CPUを交換する等の不正が行われた可能性があるため、これを報知するのである。
【0075】
なお、CR遊技機220Aを別の個体に交換する場合には、初期設定モードで接続確認を行わせることにより、貸出装置120Aの記憶制御手段101cが有効となり、固有番号受信バッファ101aに一時記憶された遊技機固有情報を初期固有情報として台別設定記憶部107に記憶させ、以降は、この台別設定記憶部107に記憶された遊技機固有情報が比較対象となる。
【0076】
以上のように、CR遊技機220Aの遊技機固有情報は、貸出装置120Aで接続対象のCR遊技機220Aの同一性を確認するための情報として使うことができるものである。そして、本実施形態の遊技システムでは、この遊技機固有情報を認証用電文として用いるようにした。なお、認証用電文としての遊技機固有情報を遊技機外部端子板203から出力する本構成例では、CR遊技機220Aの認証手段221からの送信は単方向通信の遊技機状態出力信号線束を通じて行い、貸出装置110の認証手段111からの送信は双方向通信の貸出関連信号線束を通じて行うものとなる。
【0077】
CR遊技機220Aから貸出装置120Aへ送信する遊技機固有情報を平文の認証用電文として受けた貸出装置120Aでは、認証手段121によって遊技機固有情報を暗号化(暗号化実行に際して、暗号鍵は新たに生成して使う。)し、貸出信号中継基板105より暗号化固有情報としてCR遊技機220Aへ送信し、これを貸出装置接続端子板204を介して受けたCR遊技機220Aでは、払出制御基板202の認証手段221によって復号化(復号化実行に際して、暗号鍵は新たに生成して使うので、貸出装置120Aの認証手段121が使った暗号鍵と同じ暗号鍵に更新される。)し、復号化した認証用電文である遊技機固有情報が固有情報送信バッファ202bに一時記憶されている遊技機固有情報と一致するか比較手段202bにより比較され、比較手段202bが一致していると判定すれば、制御信号生成入力部202cが正常に機能するようになり、貸出装置120Aとの接続確認や遊技媒体貸出制御のための信号の授受が可能になる。なお、貸出装置120AとCR遊技機220Aの起動時には、CR遊技機110Aの遊技機電源205から貸出装置120Aに電源供給し、これを元にI/F用電力生成出力制御部109が生成したI/F用電力をCR遊技機220Aに供給すると、これを検知した制御信号生成入力部202cが接続確認信号を貸出装置120Aへ出力することで、貸出装置120AとCR遊技機220Aの双方で接続確認を行うプロセスも実行する。また、CR遊技機220Aの認証手段221は、払出制御基板202に設けず、主制御基板201に設けても構わない。
【0078】
上述したように、CR遊技機220Aは、自らの個体を識別できる遊技機固有情報を保持するものとし、遊技機固有情報を含む認証用電文をCR遊技機220Aより貸出装置120Aへ送信し、これを受信した貸出装置120Aは遊技機固有情報を記憶するとともに認証用電文を新たに生成した暗号鍵で暗号化した暗号電文をCR遊技機220Aへ送信し、これを受信したCR遊技機220Aは新たに生成した貸出装置120Aと共通の暗号鍵で暗号電文を復号化するとともに貸出装置120Aに送信した認証用電文と比較し、CR遊技機220Aから送信した認証用電文とCR遊技機220Aが受信して復号した認証用電文とが一致することで相互認証が完了するようにすれば、貸出装置120Aの暗号化機能とCR遊技機220Aの復号化機能で簡易に相互認証を行うことができる。なお、貸出装置120Aの認証手段121とCR遊技機220Aの認証手段221の暗号鍵は自動更新せず、暗号鍵初期化情報に基づいて生成した暗号鍵を使い続けるようにしても良い。また、CR遊技機220Aより送信されて貸出装置120Aが保持している遊技機固有情報を貸出装置120A側の操作で表示・確認できる様にしても良い。CR遊技機220Aの遊技機固有情報を遊技店の係員等が目視確認できるようになっていれば、貸出装置120Aが記憶している遊技機固有情報と実際に接続されているCR遊技機220Aの遊技機固有情報が不一致で認証に失敗した状況を迅速に判断できる。
【0079】
ここで、上述した貸出装置120AとCR遊技機220Aの電源投入時に行われる相互認証の流れを図5に基づき説明する。図5では、CR遊技機220Aの起動処理と貸出装置120Aの起動処理とを並記することで、相互に行う信号の送受信の時系列な流れを分かり易くした。
【0080】
先ず、CR遊技機220Aは、電源投入により、自己診断を行い(ステップS101)、診断結果に異常があるか否かを判定する(ステップS102)。このステップS102の判定で異常がなければ、貸出装置120Aが正常に稼働することで入力される貸出装置スタンバイ信号の入力を待つ(ステップS103)。もし、ステップS102で異常有りと判定された場合には、エラー表示等を行って異常停止し(ステップS104)、遊技媒体貸出処理を行うことはない。
【0081】
一方、貸出装置120Aは、電源投入により、自己診断および自己モード確認(例えば、1度数当たり貸出個数や1度数当たり消費金額等の設定情報の確認)を行い(ステップS201)、確認結果として異常があるか否かを判定する(ステップS202)。このステップS202の判定で異常がなければ、CR遊技機220Aへ貸出装置スタンバイ信号を出力し(ステップS203)、CR遊技機220Aから認証用電文が入力されるのを待つ(ステップS204)。もし、ステップS202で異常有りと判定された場合には、貸出装置120Aの適所に設けたエラー表示灯等でエラー表示を行うと共に、ホールコンピュータ300やプリペイドシステム管理コンピュータ500等の上位システムへ異常検知を報告し(ステップS205)、遊技媒体貸出処理を行うことはない(ステップS206)。
【0082】
上記のようにして、貸出装置120Aから貸出装置スタンバイ信号を受信したCR遊技機220Aは、自らの遊技機固有情報(遊技機ID)を含む認証用電文を生成し(ステップS105)、生成した認証用電文を貸出装置120Aへ送信し(ステップS106)、認証情報を比較用に固有番号送信バッファ202aに記憶し(ステップS107)、貸出装置120Aからの認証応答電文を待つ(ステップS108)。
【0083】
一方、上記ステップS204で認証用電文の入力待ちをしていた貸出装置120Aが認証用電文を受けると、この認証用電文から遊技機固有情報を読み出し(ステップS207)、暗号化により認証応答電文を生成し(ステップS208)、生成した認証応答電文を遊技機220Aへ送信する(ステップS209)。
【0084】
続いて、貸出装置120Aでは、CR遊技機220Aからの認証用電文に遊技機固有情報が有ったか否かを判定し(ステップS210)、遊技機固有情報が有った場合には、記憶済み遊技機固有情報(既に台別設定記憶部107に記憶されている遊技機固有情報)と新たに受信した遊技機固有情報を比較し(ステップS211)、両方の遊技機固有情報が一致したか否かを判定し(ステップS212)、一致していると判定されれば、CR遊技機220Aからの遊技機スタンバイ信号の入力を待つ(ステップS213)。
【0085】
しかしながら、上記ステップS212で、記憶済みの遊技機固有情報と同じではないと判定された場合には、上記ステップS205へ移行し、エラー表示灯等でエラー表示を行うと共に、ホールコンピュータ300やプリペイドシステム管理コンピュータ500等の上位システムへ異常検知を報告し、異常停止する。すなわち、記憶済みの遊技機固有情報と今回受信した遊技機固有情報が異なることから、CR遊技機220Aに対する不正改竄が疑われるため、貸出装置120Aの動作を規制することで、不正な遊技が行われることを防止できる。
【0086】
なお、新装開店などでCR遊技機220Aの入れ替えを行った場合など、貸出装置120Aの記憶する遊技機固有情報を新たな遊技機固有情報に更新する処理の一例を説明する。図6は遊技機ID更新処理を示すもので、上記ステップS206で貸出装置異常停止になった場合、或いは出荷直後の初期状態(台別設定記憶部107に遊技機固有情報が記憶されていない状態)で、遊技場の係員等が行う更新処理の操作を待ち(ステップS31)、接続中遊技機IDへの更新操作が行われたか否かを判定する(ステップS32)。なお、遊技機IDの更新操作は、貸出装置120Aに設けた操作パネル等で行うようにしても良いし、係員等が所持するリモコンから行うようにしても良い。そして、更新操作があると、接続中のCR遊技機220Aの遊技機固有情報(受信遊技機ID)を正規の接続遊技機として記録し(ステップS33)、記録した遊技機固有情報を上位システム(ホールコンピュータ300等)に通知する(ステップS34)。このように、貸出装置120Aで遊技機ID記憶更新処理を行えば、ホールコンピュータ300等へ更新された遊技機固有情報を送信できるので、台入替時の設定変更が自動的に行われることとなり、旧来のように手入力で設定操作を行う必要が無く、入れ替え作業の効率化を図れると共に、入力ミス等によって情報の信頼性が損なわれることもない。
【0087】
一方、貸出装置120Aから認証応答電文を受信したCR遊技機220Aは、認証用応答電文から認証情報を復号し(ステップS109)、比較用に固有番号送信バッファ202aに記憶しておいた遊技機固有情報と、認証応答電文を復号して得た遊技機固有情報とが一致するか比較し(ステップS110)、一致していると判定されれば遊技機スタンバイ信号を貸出装置120Aへ出力する(ステップS111)。
【0088】
しかしながら、上記ステップS110において、遊技機固有情報が一致しないと判定された場合には、遊技機異常報知を行い(ステップS112)、異常停止する(ステップS113)。すなわち、貸出装置120AとCR遊技機220Aが互いに同じ暗号鍵に基づく暗号化・復号化を行っていないことから、貸出装置120Aを精機の接続機器ではないとCR遊技機220Aで判定し、遊技媒体貸出制御を行わないのである。なお、認証用電文の送受信中にノイズ混入によるエラーが発生したような場合を考慮して、所定回数だけ認証用電文の送受信をリトライするようにしても良い。
【0089】
上記のようにして、CR遊技機220Aから出力された遊技機スタンバイ信号の入力を受けると、貸出装置120Aは、遊技媒体の貸出に関連する情報を遊技機固有情報に関連付けて、取引内容を逐次記録して行けるようにスタンバイする(ステップS214)。
【0090】
その後、貸出装置120Aは、遊技者からの貸出要求に応じて遊技媒体貸出処理を行い(ステップS215)、また、CR遊技機220Aの接続断が検知されたか否かを判定し(ステップS216)、CR遊技機220Aとの接続断が生じていると判定された場合には、ステップS201へ移行して、CR遊技機220Aとの相互認証を改めて行う。同様に、CR遊技機220Aも、貸出装置120Aからの貸出要求に応じて遊技媒体貸出処理を行い(ステップS113)、また、貸出装置120Aの接続断が検知されたか否かを判定し(ステップS114)、貸出装置120Aとの接続断が生じていると判定された場合には、ステップS102へ移行して、貸出装置120Aとの相互認証を改めて行う。
【0091】
図7は、第2実施形態に係る遊技システムを貸出装置120BとCR遊技機220Bで構成した第2構成例を示すもので、CR遊技機220Bから送信する認証用電文としての遊技機固有情報を貸出装置接続端子板204から貸出信号中継基板105へ出力し、貸出装置120Bから送信する認証用電文として暗号化固有情報を貸出中継基板105から貸出装置接続端子板204へ出力する本構成例では、CR遊技機220Bの認証手段221からの送信と、貸出装置110の認証手段111からの送信を、共に双方向通信の貸出関連信号線束を通じて行うものとなる。なお、図7に示す第2実施形態の第2構成例においては図示を省略したが、貸出装置120Bの主制御基板101は外部ネットワーク通信I/Fを備えており、外部機器通信用中継基板108を介して店内ネットワーク上の外部機器との通信が可能である。
【0092】
この第2構成例においても、上述した第1構成例と同様に、CR遊技機220Bから平文の遊技機固有情報を貸出装置120Bへ送信し、貸出装置120Bから暗号化固有情報をCR遊技機220Bへ送信するようにしても良いが、本構成例では、CR遊技機220Bからも暗号化固有情報を送信する構成例を説明する。
【0093】
CR遊技機220Bにおける主制御基板201の遊技機用セキュリティチップ等に記憶されている遊技機固有情報を払出制御基板202が読み出し、固有番号送信バッファ202aに一時記憶すると共に、これを認証手段221へ送信し、遊技機固有情報を受けた認証手段221は遊技機固有情報を暗号化(暗号化実行に際して、暗号鍵は新たに生成して使う。)した暗号化固有情報を固有番号送信バッファ202aへ送り、固有番号送信バッファ202aから暗号化固有情報が遊技機外部端子板203を介して遊技機固有情報を貸出装置120Bへ送信される。
【0094】
この暗号化固有情報を遊技機状態信号入力基板122を介して受信した貸出装置120Bでは、主制御基板101の固有番号受信バッファ101aに一時記憶すると共に認証手段121へ送信し、暗号化固有情報を受けた認証手段121は暗号化固有情報を復号化(復号化実行に際して、暗号鍵は新たに生成して使うので、CR遊技機220Bの認証手段221が使った暗号鍵と同じ暗号鍵に更新される。)した遊技機固有情報を固有番号受信バッファ101aへ送り、台別設定記憶部107に既に記憶されている固有番号と固有番号受信バッファ101aに記憶されている固有番号とを比較手段101bによって比較し、両者が一致していなければ、表示/操作部104によってエラー報知を行う。
【0095】
比較手段101bによる比較結果が一致していれば、固有番号受信バッファ101aに一時記憶してある遊技機固有情報を認証手段121によって暗号化(暗号化実行に際して、暗号鍵は新たに生成して使う。)し、貸出信号中継基板105より暗号化固有情報としてCR遊技機220Bへ送信し、これを貸出装置接続端子板204を介して受けたCR遊技機220Bでは、払出制御基板202の認証手段221によって復号化(復号化実行に際して、暗号鍵は新たに生成して使うので、貸出装置120Bの認証手段121が使った暗号鍵と同じ暗号鍵に更新される。)し、復号化した認証用電文である遊技機固有情報が固有情報送信バッファ202bに一時記憶されている遊技機固有情報と一致するか比較手段202bにより比較され、比較手段202bが一致していると判定すれば、制御信号生成入力部202cが正常に機能するようになり、貸出装置120Bとの接続確認や遊技媒体貸出制御のための信号の授受が可能になる。
【0096】
上述したように、CR遊技機220Bは、自らの個体を識別できる遊技機固有情報を保持するものとし、遊技機固有情報を含む認証用電文をCR遊技機220B内で新たに生成した暗号鍵により暗号化した暗号化電文をCR遊技機220Bより貸出装置120Bへ送信し、これを受信した貸出装置120は新たに生成したCR遊技機220Bと共通の暗号鍵で暗号化電文を復号化し、復号化した認証用電文の遊技機固有情報を記憶するとともに認証用電文を新たに生成した暗号鍵で暗号化した暗号電文をCR遊技機220Bへ送信し、これを受信したCR遊技機220Bは新たに生成した貸出装置120Bと共通の暗号鍵で暗号電文を復号化するとともに貸出装置に送信した認証用電文と比較し、CR遊技機220Bから送信した認証用電文と遊技機が受信して復号した認証用電文とが一致することで相互認証が完了するようにすれば、貸出装置120BとCR遊技機220B双方の暗号化・復号化機能で信頼性の高い相互認証を行うことができる。なお、貸出装置120Bの認証手段121とCR遊技機220Bの認証手段221の暗号鍵は自動更新せず、暗号鍵初期化情報に基づいて生成した暗号鍵を使い続けるようにしても良い。
【0097】
また、第2実施形態に係る遊技システムの第1,第2構成例では、CR遊技機220A,220Bのみが個体識別可能な固有情報を持つものとしたが、貸出装置120に個体識別可能な貸出装置固有情報を持たせておき、この貸出装置固有情報を認証用電文に用いて相互認証を行うようにしても良い。
【0098】
例えば、貸出装置120は、当該貸出装置120の個体を識別できる貸出装置固有情報を保持するものとし、貸出装置固有情報を含む認証用電文を貸出装置120よりCR遊技機220へ送信し、これを受信したCR遊技機220は貸出装置固有情報を記憶するとともに認証用電文を新たに生成した暗号鍵で暗号化した暗号電文を貸出装置120へ送信し、これを受信した貸出装置120は新たに生成したCR遊技機220と共通の暗号鍵で暗号電文を復号化するとともにCR遊技機220に送信した認証用電文と比較し、貸出装置120から送信した認証用電文と貸出装置120が受信して復号した認証用電文とが一致することで相互認証が完了するようにすれば、CR遊技機220の暗号化機能と貸出装置120の復号化機能で簡易に相互認証を行うことができる。なお、貸出装置120の認証手段121とCR遊技機220の認証手段221の暗号鍵は自動更新せず、暗号鍵初期化情報に基づいて生成した暗号鍵を使い続けるようにしても良い。また、貸出装置120より送信されてCR遊技機220が保持している貸出装置固有情報をCR遊技機220側の操作で表示・確認できる様にし、且つ、貸出装置120の貸出装置固有情報を遊技店の係員等が目視確認できるようにしておけば、CR遊技機220が記憶している貸出装置固有情報と実際に接続されている貸出装置120の貸出装置固有情報が不一致で認証に失敗した状況を迅速に判断できる。
【0099】
或いは、貸出装置120は、当該貸出装置120の個体を識別できる貸出装置固有情報を保持するものとし、貸出装置固有情報を含む認証用電文を貸出装置120内で新たに生成した暗号鍵により暗号化した暗号化電文を貸出装置120よりCR遊技機220へ送信し、これを受信したCR遊技機220は新たに生成した貸出装置120と共通の暗号鍵で暗号化電文を復号化し、復号化した認証用電文の貸出装置固有情報を記憶するとともに認証用電文を新たに生成した暗号鍵で暗号化した暗号電文を貸出装置120へ送信し、これを受信した貸出装置120は新たに生成したCR遊技機220と共通の暗号鍵で暗号電文を復号化するとともにCR遊技機220に送信した認証用電文と比較し、貸出装置120から送信した認証用電文と貸出装置120が受信して復号した認証用電文とが一致することで相互認証が完了するようにすれば、貸出装置120とCR遊技機220双方の暗号化・復号化機能で信頼性の高い相互認証を行うことができる。なお、貸出装置120の認証手段121とCR遊技機220の認証手段221の暗号鍵は自動更新せず、暗号鍵初期化情報に基づいて生成した暗号鍵を使い続けるようにしても良い。
【0100】
さらに、貸出装置120とCR遊技機220との間で行う相互認証は1回に限らず、上述した各種の認証工程を複数組み合わせて行い、組み合わせた複数の相互認証が全て完了することによって認証条件が達成されるようにすれば、相互認証の信頼性を一層高めることができる。
【0101】
また、接続相手の適否を判定するために記憶しておく相手機器の固有情報を認証用電文に用いるものとした本実施形態においては、貸出装置120とCR遊技機220との間で最初に行う初回相互認証のときに取得した相手機器の固有情報(遊技機固有情報および貸出装置固有情報)を初期固有情報として記憶保持する初期固有情報記憶手段と、初期固有情報記憶手段に初期固有情報が記憶された後に行う相互認証で取得した相手機器の固有情報が初期固有情報と一致するか否かに基づいて、接続対象の相手機器が変更された異常の有無を判定する接続異常判定手段と、を備えることで、認証手段による相互認証に加えて、相手機器の個体変更も接続異常と判定でき、一層信頼性の高いシステムとなる。
【0102】
図8に示すのは、実球排出機能と獲得球計数機能とを備えた貸出装置130とこれに対応したCR遊技機230とからなる第3実施形態の遊技システムである。なお、図8中、前述した第1,第2実施形態と同じ構成には同一符号を付して説明を省略する。
【0103】
貸出装置130は、遊技球払出部132と、払い出される遊技球を検出する払出センサ133aにより払い出される遊技球を検出する払出球検出部133を備え、球払出ノズルを介してCR遊技機230の球貯留皿へ所定数または任意数の実球を排出することができる。すなわち、CR遊技機230は払出最小単位である度数毎の払出にしか対応していないため、一度数に満たない半端な球数を遊技者へ払い出すために、この機能を使うことができるのである。
【0104】
また、貸出装置130には、獲得球計数部134を設けてあり、CR遊技機230で遊技者が獲得した遊技球を投入することにより、獲得球を貸出装置130で計数することができる。計数された獲得球の情報は、顧客/持玉管理サーバ400へ送信されて、価値等記録媒体CのカードIDに基づく顧客情報に紐付けて管理され、景品交換や再遊技に使ったりできる。
【0105】
このように、実球排出機能と獲得球計数機能とを備えた貸出装置130を用いて遊技システムを構成すれば、1度数に満たない端数残高の処理が可能となり、遊技者の利便性を高めることができる。なお、第3実施形態においても、貸出装置130の認証手段131とCR遊技機230の認証手段231とによって、上述した各種の相互認証を適宜に行うことが可能である。
【0106】
図9に示すのは、発射球計数機能を備えた貸出装置140とこれに対応したCR遊技機240とからなる第4実施形態の遊技システムである。なお、図9中、前述した第1〜第3実施形態と同じ構成には同一符号を付して説明を省略する。
【0107】
貸出装置140の遊技機状態信号入力基板122には遊技球計数器142を接続してあり、この遊技球計数機142がCR遊技機240の発射球を検出する毎に送出される発射球検出信号から、CR遊技機240での発射球数を主制御基板101で計数把握することができる。この発射球数は、CR遊技機240における遊技状態情報の1項目として収集管理しても良いし、暗号鍵初期化情報を生成するタイミングの判定などに用いても良く、貸出装置140における制御動作の幅を広げることができる。なお、第4実施形態においても、貸出装置140の認証手段141とCR遊技機240の認証手段241とによって、上述した各種の相互認証を適宜に行うことが可能である。
【0108】
なお、本実施例では、発射球計数器142を別体としてCR遊技機240に取り付けて発射球数を取得するものとしたが、これに限定されるものではなく、発射球検出手段を備えるCR遊技機を接続した場合、発射球を検出した時にCR遊技機の外部端子から出力される発射球検出信号を貸出装置側に出力するように構成すれば、CR遊技機での発射球数を貸出装置側で計数可能となる。
【0109】
図10に示すのは、1球単位払出仕様の貸出装置150とCR遊技機250とからなる第5実施形態の遊技システムである。なお、図10中、前述した第1〜第4実施形態と同じ構成には同一符号を付して説明を省略する。
【0110】
貸出装置150は、1球単位での払出指示が可能であり、これに接続されるCR遊技機250も1球単位での払出指示に応じた球払出が可能である。すなわち、本実施形態の遊技システムでは、既存の度数払出パラレルインターフェースを一新し、双方向シリアル通信の1球単位払出インターフェースに準じて、貸出装置150とCR遊技機250を接続したものであるから、貸出装置150に遊技球払出部を設けなくても、1度数に満たない端数分の球払出をCR遊技機250の球排出装置によって行うことが可能となる。なお、第5実施形態においても、貸出装置150の認証手段151とCR遊技機250の認証手段251とによって、上述した各種の相互認証を適宜に行うことが可能である。
【0111】
図11に示すのは、上述した第5実施形態の遊技システムと同様に、1球単位払出仕様の貸出装置160とCR遊技機260とからなる第6実施形態の遊技システムである。なお、図11中、前述した第1〜第5実施形態と同じ構成には同一符号を付して説明を省略する。
【0112】
本実施形態の遊技システムでは、貸出装置160の遊技機状態信号入力基板122には遊技球計数器142を接続してあり、この遊技球計数機142がCR遊技機260の発射球を検出する毎に送出される発射球検出信号から、CR遊技機260での発射球数を主制御基板101で計数把握することができる。この発射球数は、CR遊技機260における遊技状態情報の1項目として収集管理しても良いし、暗号鍵初期化情報を生成するタイミングの判定などに用いても良く、貸出装置160における制御動作の幅を広げることができる。なお、第6実施形態においても、貸出装置160の認証手段161とCR遊技機260の認証手段261とによって、上述した各種の相互認証を適宜に行うことが可能である。また、本実施形態では、発射球計数器142を別体としてCR遊技機260に取り付けて発射球数を取得するものとしたが、これに限定されるものではなく、発射球検出手段を備えるCR遊技機を接続した場合、発射球を検出した時にCR遊技機の外部端子から出力される発射球検出信号を貸出装置側に出力するように構成すれば、CR遊技機での発射球数を貸出装置側で計数可能となる。
【0113】
図12に示すのは、遊技球の物理的な出入りの無い封入式のCR遊技機270とこれに対応した貸出装置170とからなる第7実施形態の遊技システムである。なお、図12中、前述した第1〜第6実施形態と同じ構成には同一符号を付して説明を省略する。
【0114】
CR遊技機270は、内部に封入された所定数の遊技球を循環使用することで弾球遊技を可能にするもので、遊技者が実球に触れることはない。このため、遊技者に貸し出した遊技球数や遊技に使われた発射数、入賞により遊技者に払い出された賞球数、入賞せずに回収された回収球数等を内部でデータ管理する。
【0115】
上述したCR遊技機270は、内部管理情報(例えば、賞球数、発射球数、遊技状態情報、エラー情報、遊技機固有情報など)を単方向通信の遊技機状態出力信号線束を通じて貸出装置170へ送信する一方、貸出関連信号および相互認証信号は双方向通信の貸出関連信号線束を通じて貸出装置170へ送信する。このように、封入式のCR遊技機270に対しても、遊技機状態信号入力基板105および貸出信号中継基板122を備える貸出装置170との互換性を保つことができる。なお、第7実施形態においても、貸出装置170の認証手段171とCR遊技機270の認証手段271とによって、上述した各種の相互認証を適宜に行うことが可能である。
【0116】
図13に示すのは、上述した第7実施形態の遊技システムと同様に、遊技球の物理的な出入りの無い封入式のCR遊技機280とこれに対応した貸出装置180とからなる第8実施形態の遊技システムであるが、貸出装置180とCR遊技機280との接続には相互通信可能なシリアルインターフェースを採用した。なお、図13中、前述した第1〜第7実施形態と同じ構成には同一符号を付して説明を省略する。
【0117】
貸出装置180には、シリアル通信用の遊技機接続中継基板182を設けてCR遊技機280と接続することで、貸出装置180とCR遊技機280との間の通信ラインを1系統に簡素化し、配線を簡略化するのに寄与できる。なお、貸出装置180にはシリアル通信用の送受信手段183を、CR遊技機280にはシリアル通信用の送受信手段282を各々設け、これら送受信手段183,282の制御によって送受信される認証用電文から、認証手段181,281による相互認証が行われるもので、前述した各実施形態とは異なり、認証手段181,281には通信機能を持たせないで、通信自体は貸出装置180とCR遊技機280の制御基板同士で行う。斯くすれば、認証手段181,281はコプロセッサ的な位置付けとなるので、貸出装置180とCR遊技機280における各制御基板の設計の自由度を高めることができる。
【0118】
そして、本実施形態の遊技システムでは、貸出装置180とCR遊技機280との信号接続構造は、CR遊技機280より一方的に出力される遊技機状態出力信号と、貸出装置180とCR遊技機280間で双方向通信する遊技媒体の貸出に関する貸出関連信号とを、同じ信号線束に統合し、CR遊技機280の認証手段281からの送信および貸出装置180の認証手段181からの送信は、共に統合信号線束を通じて行うことで、貸出装置180とCR遊技機280の相互認証を統合信号線束に集約して行うことができる。また、統合信号線束を介してCR遊技機180から貸出装置280へ送信する遊技機状態出力信号には、少なくとも大当り、図柄停止、確率変動、時間短縮、不正検知、発射数、賞球数の各状態を含むようにすれば、CR遊技機280の主な遊技機状態に関する情報を貸出装置で集中的に取り扱うことが可能となる。
【0119】
また、旧来はCR遊技機280からホールコンピュータ300等へ送信されていた遊技機状態情報などは、貸出装置180が収集し、これを外部機器通信用中継基板108を介してホールコンピュータ300等の上位システムへ中継送信する。かくすれば、CR遊技機280は貸出装置180とだけ接続された状態で稼働させることができ、貸出装置180とCR遊技機280は相互認証によって接続相手の厳格な確認を行って正常起動するのであるから、システムのセキュリティを一層高めることができる。
【0120】
図14は、第8実施形態に係る遊技システムを貸出装置180AとCR遊技機280Aで構成した第1構成例を示すもので、貸出装置180Aの遊技機接続基板182とCR遊技機280Aの貸出装置接続基板283をシリアル通信で接続したものである。なお、貸出装置180Aの遊技機接続基板182とCR遊技機280Aの貸出装置接続基板283の接続信号線束には、CR遊技機280Aから貸出装置180Aへの電源供給ラインと、貸出装置180AからCR遊技機280AへのI/F用電力供給ラインが含まれる。なお、図14に示す第8実施形態の第1構成例においては図示を省略したが、貸出装置180Aの主制御基板101は外部ネットワーク通信I/Fを備えており、外部機器通信用中継基板108を介して店内ネットワーク上の外部機器との通信が可能である。
【0121】
本構成例のCR遊技機280Aにおいては、発射制御手段284の動作制御も行う払出制御基板202に認証手段281および送受信手段282を設けることで、遊技機状態出力信号、貸出関連信号および相互認証信号の全てを送受信手段282が行うシリアルの双方向通信に集約できる。このように、旧来のCR遊技機が備える払出制御基板202に送受信手段282を設ければ、通信専用の基板等を別途設ける必要が無く、コスト削減に効果がある。
【0122】
図15は、第8実施形態に係る遊技システムを貸出装置180BとCR遊技機280Bで構成した第2構成例を示すもので、貸出装置180Bには暗号・復号/通信基板184を設け、CR遊技機280Bには暗号・復号/通信基板285を設け、各種情報信号や認証用電文の送受信を専用の基板で行うようにしたものである。なお、図15に示す第2実施形態の第2構成例においては図示を省略したが、貸出装置180Bの主制御基板101は外部ネットワーク通信I/Fを備えており、外部機器通信用中継基板108を介して店内ネットワーク上の外部機器との通信が可能である。
【0123】
本構成例のCR遊技機280Bにおいては、暗号・復号/通信基板285に第1認証手段281aを設け、払出制御基板202に第2認証手段281bを設け、認証および送受信に関する機能を2つの基板に分割した。例えば、第1認証手段281aには暗号鍵の生成・更新、電文の暗号化、電文の復号化、認証電文の判定の各機能を持たせ、第2認証手段281bには、主制御基板201からの遊技機固有情報の読み取り及び一時記憶機能を持たせる。すなわち、第1構成例において認証手段281と送受信手段282とで実現した機能を、第2構成例においては、第1認証手段281aを備える暗号・復号/通信基板285と払出制御基板202の第2認証手段281bによって実現するのである。
【0124】
また、本構成例の貸出装置180Bにおいては、暗号・復号/通信基板184に第1認証手段181aを設け、主制御基板101に第2認証手段181bを設け、認証および送受信に関する機能を2つの基板に分割した。例えば、第1認証手段181aには暗号鍵の生成・更新、電文の暗号化、電文の復号化、認証電文の判定の各機能を持たせ、第2認証手段181bには、認証電文からの遊技機固有情報の抽出および一時記憶機能を持たせる。すなわち、第1構成例において認証手段181と送受信手段283とで実現した機能を、第2構成例においては、第1認証手段181aを備える暗号・復号/通信基板184と主制御基板101の第2認証手段181bによって実現するのである。
【0125】
このように、認証および通信に関する機能の一部を別基板に設ける構成とすれば、貸出装置180Bにおける主制御基板101やCR遊技機280Bにおける払出制御基板202の負担が減り、プログラム容量を抑えることが出来る。なお、暗号化機能と通信機能の分割形態は、本構成例に限定されるものではなく、自由に設定して構わない。
【0126】
図16に示すのは、封入式の遊技機290と貸出装置190とで構成した第9実施形態に係る遊技システムであり、貸出装置190と遊技機290との間の信号のやり取りを全て暗号化してセキュリティを一層高めるものである。
【0127】
貸出装置190の貸出装置メイン基板191は汎用CPUで構成する。この貸出装置メイン基板191とシリアル双方向通信で接続される暗号処理基板191は暗号用セキュリティCPUで構成し、遊技機290から暗号化送信された信号を復号すると共に、遊技機290へ送信する信号を暗号化する。この暗号処理基板192に認証手段の機能を含ませるのである。
【0128】
また、貸出装置メイン基板191は、紙幣が投入される紙幣識別ユニット193、価値等記録媒体Cの読み書きを行うカード等R/Wユニット194、汎用CPUで構成された操作表示部制御基板195とシリアル信号線で接続される。なお、操作表示部制御基板195は、タッチパネル表示器等で構成した操作表示部表示器196とパラレル信号線で接続され、表示制御を行うものである。また、この操作表示制御基板195の機能は、貸出装置メイン基板191に設けるようにしても構わない。
【0129】
貸出装置190の外部機器やシステムとの通信を行うための外部出力接続端子基板197は、ホールコンピュータ、プリペイド管理サーバ、景品サーバ、貯玉サーバ、当日持玉サーバ、呼出ランプ、店舗外のデータ管理センタなどと通信を行う。なお、外部出力接続端子基板197は、電源基板198からの電源供給を受けて、更に貸出装置メイン基板191に供給し、この貸出装置メイン基板191から他の基板やユニットへ所要電源が供給される。
【0130】
一方、遊技機190の払出制御基板291は、遊技機用セキュリティCPUで構成され、貸出装置190から暗号化送信された信号を復号すると共に、貸出装置190へ送信する信号を暗号化する。なお、遊技機用セキュリティCPUは書き込んだ内容を外部から読み出すことが困難なプログラマブルCPUであり、暗号処理機能をマクロで組んで搭載すれば、別途認証用チップ等を基板に設ける必要がない。
【0131】
また、封入式の遊技機290は、交換自在なゲージ盤292に主制御基板292aを備え、この主制御基板292aも遊技機用セキュリティCPUで構成されているので、暗号処理機能をマクロで組んで搭載できる。この主制御基板292aと払出制御基板291とは双方向のシリアル信号線で接続され、貸出装置190より送信された認証用電文を払出制御基板291より受け取った主制御基板292aが復号し、貸出装置190へ送信する認証用電文を暗号化して払出制御基板291へ送信したりする。このように、遊技機190では、特別な認証用チップを設けずに、認証手段の機能を実現できる。
【0132】
上記ゲージ盤292には、汎用CPUで構成された演出用サブ制御基板292bを設け、単方向シリアル信号線で接続された主制御基板292aからの演出指示を受けて、単方向パラレル信号線で接続された液晶表示器292cの表示制御を行う。なお、演出用サブ制御基板292bには、電源基板293から電源供給を受け、液晶表示器292cに駆動用電源を供給する。
【0133】
また、電源基板293から払出制御基板291へも電源供給され、この払出制御基板291からゲージ盤292の主制御基板292a、双方向パラレル信号線で接続された球磨き制御基板294、双方向パラレル信号線で接続された発射制御基板295、単方向パラレル信号線で接続された球数等表示基板296へ電源供給される。
【0134】
本実施形態の遊技システムでは、貸出装置190と遊技機290とで相互認証を行うことに加えて、貸出装置190と遊技機290と間でやり取りされる信号自体を暗号化できるので、セキュリティを一層高めることができる。
【0135】
なお、本実施形態の遊技システムでは、貸出装置190や遊技機290の内部機能における信号送信方式の一例を示したが、内部機能間における信号送信様式をシリアル送信にするかパラレル送信にするかは任意であり、どちらの方法をとっても良いが、一般的に、スピードを重視する場合はパラレル送信方式を、信号線数を減らすときにはシリアル方式をとる。スピードかコストかの制約に基づいてどちらを採用しても実現可能である。
【0136】
上述した第9実施形態の遊技システムにおいては、貸出関連の操作や表示を貸出装置190に設けた操作表示部表示器196を介して行うようにしたが、これに限定されるものではなく、遊技機290側にて種々の操作を行えるようにすることも可能である。例えば、図17に示す遊技システムは第9実施形態の改変例で、例えば、操作表示部表示器196を備えていない貸出装置190′と、操作表示部表示器196′を設けたCR遊技機190′とから構成したものである。斯く構成すれば、遊技者にとって手近なCR遊技機190′の適所(例えば、遊技機前面下部の上部球皿の上面など)に設けられた操作表示部表示器196′によって貸出関連の諸操作を行うことができるので、遊技者にとっての使い勝手が良い。
【0137】
なお、操作表示部表示器196′は、貸出装置190′の操作表示部制御基板195からの給電および信号入力によって動作するものとし、貸出装置190′が適正に稼働状態になっていなければ、操作表示部表示器196′を使った貸出操作はできない。なお、操作表示部制御基板195と操作表示部表示器196′の接続には、専用のコネクタを別途設けて専用のケーブルで接続するようにしても良いし、貸出装置190′の暗号処理基板192とCR遊技機290′の払出制御基板291を接続する貸出装置I/Fケーブルと同一のハーネスに束ねておくことで、接続を簡易に行えるようにしても良い。
【0138】
以上、本発明に係る遊技システムの実施形態を添付図面に基づいて説明したが、本発明の包摂範囲は、これらの実施形態に限定されるものではなく、公知既存の手法を適宜転用することで実現しても構わない。
【符号の説明】
【0139】
110 貸出装置
101 主制御基板
105 貸出信号中継基板
111 認証手段
210 CR遊技機
211 認証手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技媒体を貸し出すための貸出制御機能を備えた貸出装置と、該貸出装置が正しく接続されている事で遊技が可能となる遊技機と、で構成される遊技システムであって、
前記貸出装置と前記遊技機には、共通の暗号化・復号化機能によって認証用電文の暗号化および復号化を行える認証手段を各々設け、
前記貸出装置と前記遊技機とが相互に正当な接続相手先である事を認証するための所定の認証用電文を暗号通信する事で相互認証し、認証の結果、双方が正当な接続先であると判断した場合に限り、貸出装置および遊技機が正常動作するようにしたことを特徴とする遊技システム。
【請求項2】
前記貸出装置および前記遊技機が備える認証手段は、鍵生成のための共通の暗号鍵初期化情報を入力して同一系列の疑似乱数値を順次生成して内部に保持する暗号鍵生成機能を含み、この内部生成した暗号鍵を外部に通知することなく認証用電文の暗号化・復号化に用いるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の遊技システム。
【請求項3】
前記貸出装置および前記遊技機の認証手段が、暗号鍵生成機能により暗号鍵を生成するための暗号鍵初期化情報は、貸出装置に搭載された通信手段によって貸出装置の外部から取得し、取得した暗号鍵初期化情報を貸出装置から遊技機へ通知することで、双方が共通の暗号鍵初期化情報により共通の暗号鍵を生成できるようにしたことを特徴とする請求項2に記載の遊技システム。
【請求項4】
前記貸出装置が取得する暗号鍵生成用の暗号鍵初期化情報は、当該貸出装置が遊技店内通信ネットワークを介して接続された店舗内の店舗管理コンピュータから供給されるようにしたことを特徴とする請求項3に記載の遊技システム。
【請求項5】
前記貸出装置が取得する暗号鍵生成用の暗号鍵初期化情報は、当該貸出装置が遊技店内通信ネットワークおよび広域通信網を介して接続された店舗外のセキュリティ管理サーバから供給されるようにしたことを特徴とする請求項3に記載の遊技システム。
【請求項6】
前記貸出装置および前記遊技機の認証手段が、暗号鍵生成機能により暗号鍵を生成するための暗号鍵初期化情報は、貸出装置に設けた暗号鍵初期化情報生成手段によってランダムに生成し、生成した暗号鍵初期化情報を貸出装置から遊技機へ通知することで、双方が共通の暗号鍵初期化情報により共通の暗号鍵を生成できるようにしたことを特徴とする請求項2に記載の遊技システム。
【請求項7】
前記貸出装置の暗号鍵初期化情報生成手段は、貸出装置の稼働中にランダムに生ずるイベントの中から予め定めた初期化情報更新イベントが発生することに基づいて暗号鍵初期化情報を生成することにより、暗号鍵初期化情報の更新タイミングがランダムになるようにしたことを特徴とする請求項6に記載の遊技システム。
【請求項8】
前記貸出装置および前記遊技機が備える認証手段の暗号鍵生成機能は、暗号化および/または復号化による認証の実行毎に所定の手順で新たな暗号鍵を生成することにより、貸出装置の認証手段と遊技機の認証手段が更新された共通の暗号鍵を利用できるようにしたことを特徴とする請求項2〜請求項7の何れか1項に記載の遊技システム。
【請求項9】
前記遊技機は、当該遊技機の個体を識別できる遊技機固有情報を保持するものとし、
前記遊技機固有情報を含む認証用電文を遊技機より貸出装置へ送信し、これを受信した貸出装置は遊技機固有情報を記憶するとともに認証用電文を新たに生成した暗号鍵で暗号化した暗号電文を遊技機へ送信し、これを受信した遊技機は新たに生成した貸出装置と共通の暗号鍵で暗号電文を復号化するとともに貸出装置に送信した認証用電文と比較し、遊技機から送信した認証用電文と遊技機が受信して復号した認証用電文とが一致することで相互認証が完了するようにしたことを特徴とする請求項8に記載の遊技システム。
【請求項10】
前記遊技機は、当該遊技機の個体を識別できる遊技機固有情報を保持するものとし、
前記遊技機固有情報を含む認証用電文を遊技機内で新たに生成した暗号鍵により暗号化した暗号化電文を遊技機より貸出装置へ送信し、これを受信した貸出装置は新たに生成した遊技機と共通の暗号鍵で暗号化電文を復号化し、復号化した認証用電文の遊技機固有情報を記憶するとともに認証用電文を新たに生成した暗号鍵で暗号化した暗号電文を遊技機へ送信し、これを受信した遊技機は新たに生成した貸出装置と共通の暗号鍵で暗号電文を復号化するとともに貸出装置に送信した認証用電文と比較し、遊技機から送信した認証用電文と遊技機が受信して復号した認証用電文とが一致することで相互認証が完了するようにしたことを特徴とする請求項8に記載の遊技システム。
【請求項11】
前記貸出装置は、当該貸出装置の個体を識別できる貸出装置固有情報を保持するものとし、
前記貸出装置固有情報を含む認証用電文を貸出装置より遊技機へ送信し、これを受信した遊技機は貸出装置固有情報を記憶するとともに認証用電文を新たに生成した暗号鍵で暗号化した暗号電文を貸出装置へ送信し、これを受信した貸出装置は新たに生成した遊技機と共通の暗号鍵で暗号電文を復号化するとともに遊技機に送信した認証用電文と比較し、貸出装置から送信した認証用電文と貸出装置が受信して復号した認証用電文とが一致することで相互認証が完了するようにしたことを特徴とする請求項8に記載の遊技システム。
【請求項12】
前記貸出装置は、当該貸出装置の個体を識別できる貸出装置固有情報を保持するものとし、
前記貸出装置固有情報を含む認証用電文を貸出装置内で新たに生成した暗号鍵により暗号化した暗号化電文を貸出装置より遊技機へ送信し、これを受信した遊技機は新たに生成した貸出装置と共通の暗号鍵で暗号化電文を復号化し、復号化した認証用電文の貸出装置固有情報を記憶するとともに認証用電文を新たに生成した暗号鍵で暗号化した暗号電文を貸出装置へ送信し、これを受信した貸出装置は新たに生成した遊技機と共通の暗号鍵で暗号電文を復号化するとともに遊技機に送信した認証用電文と比較し、貸出装置から送信した認証用電文と貸出装置が受信して復号した認証用電文とが一致することで相互認証が完了するようにしたことを特徴とする請求項8に記載の遊技システム。
【請求項13】
前記請求項9〜請求項12に記載の遊技システムにおける相互認証を複数組み合わせ、組み合わせた複数の相互認証が全て完了することによって認証条件が達成されるようにしたことを特徴とする遊技システム。
【請求項14】
前記貸出装置と前記遊技機との間で最初に行う初回相互認証のときに取得した相手機器の固有情報を初期固有情報として記憶保持する初期固有情報記憶手段と、
前記初期固有情報記憶手段に初期固有情報が記憶された後に行う相互認証で取得した相手機器の固有情報が初期固有情報と一致するか否かに基づいて、接続対象の相手機器が変更された異常の有無を判定する接続異常判定手段と、
を備えることを特徴とする請求項9〜請求項13に記載の遊技システム。
【請求項15】
前記貸出装置の認証手段と前記遊技機の認証手段は、共に通信機能を備え、認証用電文を直接やりとりするようにしたことを特徴とする請求項1〜請求項14の何れか1項に記載の遊技システム。
【請求項16】
前記貸出装置の認証手段と前記遊技機の認証手段は、共に通信機能を持たず、貸出装置および遊技機の各制御基板が備える通信機能によって認証用電文のやりとりを行うようにしたことを特徴とする請求項1〜請求項14の何れか1項に記載の遊技システム。
【請求項17】
前記貸出装置と前記遊技機との信号接続構造は、遊技機より一方的に出力される遊技機状態出力信号と、貸出装置と遊技機間で双方向通信する遊技媒体の貸出に関する貸出関連信号とを、各々異なる信号線束に分離し、
前記遊技機の認証手段からの送信は遊技機状態出力信号線束を通じて行い、前記貸出装置の認証手段からの送信は貸出関連信号線束を通じて行うようにしたことを特徴とする請求項1〜請求項16の何れか1項に記載の遊技システム。
【請求項18】
前記貸出装置と前記遊技機との信号接続構造は、遊技機より一方的に出力される遊技機状態出力信号と、貸出装置と遊技機間で双方向通信する遊技媒体の貸出に関する貸出関連信号とを、各々異なる信号線束に分離し、
前記遊技機の認証手段からの送信および前記貸出装置の認証手段からの送信は、共に貸出関連信号線束を通じて行うようにしたことを特徴とする請求項1〜請求項16の何れか1項に記載の遊技システム。
【請求項19】
前記貸出装置と前記遊技機との信号接続構造は、遊技機より一方的に出力される遊技機状態出力信号と、貸出装置と遊技機間で双方向通信する遊技媒体の貸出に関する貸出関連信号とを、同じ信号線束に統合し、
前記遊技機の認証手段からの送信および前記貸出装置の認証手段からの送信は、共に統合信号線束を通じて行うようにしたことを特徴とする請求項1〜請求項16の何れか1項に記載の遊技システム。
【請求項20】
前記統合信号線束を介して遊技機から貸出装置へ送信する遊技機状態出力信号には、少なくとも大当り、図柄停止、確率変動、時間短縮、不正検知、発射数、賞球数の各状態を含むようにしたことを特徴とする請求項19に記載の遊技システム。
【請求項1】
遊技媒体を貸し出すための貸出制御機能を備えた貸出装置と、該貸出装置が正しく接続されている事で遊技が可能となる遊技機と、で構成される遊技システムであって、
前記貸出装置と前記遊技機には、共通の暗号化・復号化機能によって認証用電文の暗号化および復号化を行える認証手段を各々設け、
前記貸出装置と前記遊技機とが相互に正当な接続相手先である事を認証するための所定の認証用電文を暗号通信する事で相互認証し、認証の結果、双方が正当な接続先であると判断した場合に限り、貸出装置および遊技機が正常動作するようにしたことを特徴とする遊技システム。
【請求項2】
前記貸出装置および前記遊技機が備える認証手段は、鍵生成のための共通の暗号鍵初期化情報を入力して同一系列の疑似乱数値を順次生成して内部に保持する暗号鍵生成機能を含み、この内部生成した暗号鍵を外部に通知することなく認証用電文の暗号化・復号化に用いるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の遊技システム。
【請求項3】
前記貸出装置および前記遊技機の認証手段が、暗号鍵生成機能により暗号鍵を生成するための暗号鍵初期化情報は、貸出装置に搭載された通信手段によって貸出装置の外部から取得し、取得した暗号鍵初期化情報を貸出装置から遊技機へ通知することで、双方が共通の暗号鍵初期化情報により共通の暗号鍵を生成できるようにしたことを特徴とする請求項2に記載の遊技システム。
【請求項4】
前記貸出装置が取得する暗号鍵生成用の暗号鍵初期化情報は、当該貸出装置が遊技店内通信ネットワークを介して接続された店舗内の店舗管理コンピュータから供給されるようにしたことを特徴とする請求項3に記載の遊技システム。
【請求項5】
前記貸出装置が取得する暗号鍵生成用の暗号鍵初期化情報は、当該貸出装置が遊技店内通信ネットワークおよび広域通信網を介して接続された店舗外のセキュリティ管理サーバから供給されるようにしたことを特徴とする請求項3に記載の遊技システム。
【請求項6】
前記貸出装置および前記遊技機の認証手段が、暗号鍵生成機能により暗号鍵を生成するための暗号鍵初期化情報は、貸出装置に設けた暗号鍵初期化情報生成手段によってランダムに生成し、生成した暗号鍵初期化情報を貸出装置から遊技機へ通知することで、双方が共通の暗号鍵初期化情報により共通の暗号鍵を生成できるようにしたことを特徴とする請求項2に記載の遊技システム。
【請求項7】
前記貸出装置の暗号鍵初期化情報生成手段は、貸出装置の稼働中にランダムに生ずるイベントの中から予め定めた初期化情報更新イベントが発生することに基づいて暗号鍵初期化情報を生成することにより、暗号鍵初期化情報の更新タイミングがランダムになるようにしたことを特徴とする請求項6に記載の遊技システム。
【請求項8】
前記貸出装置および前記遊技機が備える認証手段の暗号鍵生成機能は、暗号化および/または復号化による認証の実行毎に所定の手順で新たな暗号鍵を生成することにより、貸出装置の認証手段と遊技機の認証手段が更新された共通の暗号鍵を利用できるようにしたことを特徴とする請求項2〜請求項7の何れか1項に記載の遊技システム。
【請求項9】
前記遊技機は、当該遊技機の個体を識別できる遊技機固有情報を保持するものとし、
前記遊技機固有情報を含む認証用電文を遊技機より貸出装置へ送信し、これを受信した貸出装置は遊技機固有情報を記憶するとともに認証用電文を新たに生成した暗号鍵で暗号化した暗号電文を遊技機へ送信し、これを受信した遊技機は新たに生成した貸出装置と共通の暗号鍵で暗号電文を復号化するとともに貸出装置に送信した認証用電文と比較し、遊技機から送信した認証用電文と遊技機が受信して復号した認証用電文とが一致することで相互認証が完了するようにしたことを特徴とする請求項8に記載の遊技システム。
【請求項10】
前記遊技機は、当該遊技機の個体を識別できる遊技機固有情報を保持するものとし、
前記遊技機固有情報を含む認証用電文を遊技機内で新たに生成した暗号鍵により暗号化した暗号化電文を遊技機より貸出装置へ送信し、これを受信した貸出装置は新たに生成した遊技機と共通の暗号鍵で暗号化電文を復号化し、復号化した認証用電文の遊技機固有情報を記憶するとともに認証用電文を新たに生成した暗号鍵で暗号化した暗号電文を遊技機へ送信し、これを受信した遊技機は新たに生成した貸出装置と共通の暗号鍵で暗号電文を復号化するとともに貸出装置に送信した認証用電文と比較し、遊技機から送信した認証用電文と遊技機が受信して復号した認証用電文とが一致することで相互認証が完了するようにしたことを特徴とする請求項8に記載の遊技システム。
【請求項11】
前記貸出装置は、当該貸出装置の個体を識別できる貸出装置固有情報を保持するものとし、
前記貸出装置固有情報を含む認証用電文を貸出装置より遊技機へ送信し、これを受信した遊技機は貸出装置固有情報を記憶するとともに認証用電文を新たに生成した暗号鍵で暗号化した暗号電文を貸出装置へ送信し、これを受信した貸出装置は新たに生成した遊技機と共通の暗号鍵で暗号電文を復号化するとともに遊技機に送信した認証用電文と比較し、貸出装置から送信した認証用電文と貸出装置が受信して復号した認証用電文とが一致することで相互認証が完了するようにしたことを特徴とする請求項8に記載の遊技システム。
【請求項12】
前記貸出装置は、当該貸出装置の個体を識別できる貸出装置固有情報を保持するものとし、
前記貸出装置固有情報を含む認証用電文を貸出装置内で新たに生成した暗号鍵により暗号化した暗号化電文を貸出装置より遊技機へ送信し、これを受信した遊技機は新たに生成した貸出装置と共通の暗号鍵で暗号化電文を復号化し、復号化した認証用電文の貸出装置固有情報を記憶するとともに認証用電文を新たに生成した暗号鍵で暗号化した暗号電文を貸出装置へ送信し、これを受信した貸出装置は新たに生成した遊技機と共通の暗号鍵で暗号電文を復号化するとともに遊技機に送信した認証用電文と比較し、貸出装置から送信した認証用電文と貸出装置が受信して復号した認証用電文とが一致することで相互認証が完了するようにしたことを特徴とする請求項8に記載の遊技システム。
【請求項13】
前記請求項9〜請求項12に記載の遊技システムにおける相互認証を複数組み合わせ、組み合わせた複数の相互認証が全て完了することによって認証条件が達成されるようにしたことを特徴とする遊技システム。
【請求項14】
前記貸出装置と前記遊技機との間で最初に行う初回相互認証のときに取得した相手機器の固有情報を初期固有情報として記憶保持する初期固有情報記憶手段と、
前記初期固有情報記憶手段に初期固有情報が記憶された後に行う相互認証で取得した相手機器の固有情報が初期固有情報と一致するか否かに基づいて、接続対象の相手機器が変更された異常の有無を判定する接続異常判定手段と、
を備えることを特徴とする請求項9〜請求項13に記載の遊技システム。
【請求項15】
前記貸出装置の認証手段と前記遊技機の認証手段は、共に通信機能を備え、認証用電文を直接やりとりするようにしたことを特徴とする請求項1〜請求項14の何れか1項に記載の遊技システム。
【請求項16】
前記貸出装置の認証手段と前記遊技機の認証手段は、共に通信機能を持たず、貸出装置および遊技機の各制御基板が備える通信機能によって認証用電文のやりとりを行うようにしたことを特徴とする請求項1〜請求項14の何れか1項に記載の遊技システム。
【請求項17】
前記貸出装置と前記遊技機との信号接続構造は、遊技機より一方的に出力される遊技機状態出力信号と、貸出装置と遊技機間で双方向通信する遊技媒体の貸出に関する貸出関連信号とを、各々異なる信号線束に分離し、
前記遊技機の認証手段からの送信は遊技機状態出力信号線束を通じて行い、前記貸出装置の認証手段からの送信は貸出関連信号線束を通じて行うようにしたことを特徴とする請求項1〜請求項16の何れか1項に記載の遊技システム。
【請求項18】
前記貸出装置と前記遊技機との信号接続構造は、遊技機より一方的に出力される遊技機状態出力信号と、貸出装置と遊技機間で双方向通信する遊技媒体の貸出に関する貸出関連信号とを、各々異なる信号線束に分離し、
前記遊技機の認証手段からの送信および前記貸出装置の認証手段からの送信は、共に貸出関連信号線束を通じて行うようにしたことを特徴とする請求項1〜請求項16の何れか1項に記載の遊技システム。
【請求項19】
前記貸出装置と前記遊技機との信号接続構造は、遊技機より一方的に出力される遊技機状態出力信号と、貸出装置と遊技機間で双方向通信する遊技媒体の貸出に関する貸出関連信号とを、同じ信号線束に統合し、
前記遊技機の認証手段からの送信および前記貸出装置の認証手段からの送信は、共に統合信号線束を通じて行うようにしたことを特徴とする請求項1〜請求項16の何れか1項に記載の遊技システム。
【請求項20】
前記統合信号線束を介して遊技機から貸出装置へ送信する遊技機状態出力信号には、少なくとも大当り、図柄停止、確率変動、時間短縮、不正検知、発射数、賞球数の各状態を含むようにしたことを特徴とする請求項19に記載の遊技システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2011−72520(P2011−72520A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−226552(P2009−226552)
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【出願人】(501468770)株式会社ジョイコシステムズ (66)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【出願人】(501468770)株式会社ジョイコシステムズ (66)
【Fターム(参考)】
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