説明

遊技システム

【課題】遊技場管理装置のメンテナンス作業やトラブル発生時の対応が容易な遊技システムを提供する。
【解決手段】遊技場に設置される複数の遊技装置と、遊技装置が稼働することによって生成される遊技情報を収集する複数の情報収集端末装置と、情報収集端末装置によって収集された遊技情報を集計した実績情報を管理可能な遊技場管理装置と、を有する遊技システムにおいて、遊技場管理装置は、遊技場の外部に設置され、情報収集端末装置及び遊技場管理装置は、ネットワークを介して接続され、情報収集端末装置は、少なくとも管理対象の遊技装置から収集した遊技情報を記憶する情報記憶手段と、情報記憶手段に記憶された遊技情報に基づいて実績情報を編集する実績情報編集手段と、実績情報編集手段によって編集された実績情報を、遊技場管理装置又は他の情報収集端末装置に出力する実績情報出力手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の遊技場における遊技情報を一括して管理する遊技システムに関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機(例えばパチンコ機やスロットマシンなど)を備える遊技場では、遊技機の稼働にともなって発生する遊技情報を、遊技場管理装置を用いて遊技機別及び営業日別に収集・集計している。
【0003】
遊技場管理装置にはデータベースが構築されており、遊技機に対応する遊技情報が記憶される。このように収集された遊技情報は、例えば、1ヶ月から数ヶ月といった長期にわたって遊技場管理装置に蓄積される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−024335号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、遊技場管理装置には日々最新の遊技情報が記憶され、遊技情報を長期にわたって蓄積させるために莫大な記憶容量が必要となる。また、メンテナンス作業時のデータのバックアップや障害発生時のデータの復旧には、多くの時間や労力を必要とした。さらに、遊技場ごとに遊技場管理装置を設置すると、個別にメンテナンス費用などが発生し、総コストがさらに大きくなってしまうという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、遊技場管理装置のメンテナンス作業やトラブル発生時の対応に必要な労力を軽減することが可能な遊技システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の遊技システムは、遊技場に設置される複数の遊技装置と、前記遊技装置が稼働することによって生成される遊技情報を収集する複数の情報収集端末装置と、前記情報収集端末装置によって収集された遊技情報を集計した実績情報を管理可能な遊技場管理装置と、を有する遊技システムにおいて、前記遊技場管理装置は、前記遊技場の外部に設置され、前記情報収集端末装置及び前記遊技場管理装置は、ネットワークを介して接続され、前記情報収集端末装置は、少なくとも管理対象の遊技装置から収集した遊技情報を記憶する情報記憶手段と、前記情報記憶手段に記憶された遊技情報に基づいて、前記実績情報を編集する実績情報編集手段と、前記実績情報編集手段によって編集された前記実績情報を、前記遊技場管理装置又は他の情報収集端末装置に出力する実績情報出力手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、遊技場管理本部に設置された遊技場管理装置によって各遊技場の遊技情報を一括して管理されるので、遊技場管理装置のメンテナンス作業やトラブル発生時の対応を各遊技場で行う必要がなく、管理コストを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1の実施の形態の遊技システムのシステム構成図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の遊技場管理本部に設置されたターミナルの構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態の遊技場管理装置の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態の会員管理装置の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態の遊技場に設置されたターミナルの構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態の精算装置の構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態の情報収集端末装置の構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態の遊技装置の構成を説明する図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態の遊技場管理本部から要求された実績情報を遊技場で収集し、編集した実績情報を応答するための各構成を説明する図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態の遊技場に設置された各装置の実績情報を巡回して取得する経路を説明する図である。
【図11】本発明の第1の実施の形態の各装置の識別番号の一例を示す図である。
【図12】本発明の第1の実施の形態の要求情報の一例を示す図である。
【図13】本発明の第1の実施の形態の種類及び貸出レートごとの実績情報を収集するための要求情報の一例を示す図である。
【図14】本発明の第1の実施の形態の遊技機(パチンコ機、貸出レート4円)ごとの実績情報を収集するための要求情報の一例を示す図である。
【図15】本発明の第1の実施の形態の遊技機(パチンコ機、貸出レート1円)ごとの実績情報を収集するための要求情報の一例を示す図である。
【図16】本発明の第1の実施の形態の遊技機(スロット機、貸出レート20円)ごとの実績情報を収集するための要求情報の一例を示す図である。
【図17】本発明の第1の実施の形態の遊技機(スロット機、貸出レート5円)ごとの実績情報を収集するための要求情報の一例を示す図である。
【図18】本発明の第1の実施の形態の情報収集端末装置及び精算装置のマスターデータを設定するために遊技場管理装置から送信される設定情報の一例を示す図である。
【図19】発明の第1の実施の形態の遊技場管理装置1が遊技場内の情報収集端末装置から実績情報を収集する際のパケットの流れを説明する図である。
【図20】本発明の第1の実施の形態の遊技場管理装置が遊技場内の情報収集端末装置及び精算装置から実績情報を収集する際のパケットの流れを説明する図である。
【図21】本発明の第1の実施の形態のマスターデータを配布する手順を説明する図である。
【図22】本発明の第1の実施の形態における遊技場管理装置で遊技場から実績情報を収集する情報収集処理の手順を示すフローチャートである。
【図23】本発明の第1の実施の形態の遊技場管理本部に設置されたターミナルにおけるパケット送受信処理の手順を示すフローチャートである。
【図24】本発明の第1の実施の形態の遊技場に設置されたターミナルにおけるパケット送受信処理の手順を示すフローチャートである。
【図25】本発明の第1の実施の形態の遊技場に設置された情報収集端末装置における情報編集処理の手順を示すフローチャートである。
【図26】本発明の第1の実施の形態の遊技場に設置された精算装置における精算情報編集処理の手順を示すフローチャートである。
【図27】本発明の第1の実施の形態において遊技場管理装置から最初に送信され、遊技場の各装置を巡回して実績情報を収集するパケットの格納内容の変化を説明する図である。
【図28】本発明の第1の実施の形態において遊技場管理装置から2回目以降に送信され、遊技場の各装置を巡回して実績情報を収集するパケットの格納内容の変化を説明する図である。
【図29】本発明の第1の実施の形態の第1変形例の遊技場に設置された各装置の実績情報を収集するためにブロードキャスト通信でパケットを送信することを説明する図である。
【図30】本発明の第1の実施の形態の第1変形例の遊技場管理装置から要求情報をブロードキャストによって送信し、情報収集端末装置から収集された実績情報が遊技場管理装置に応答されるまでのパケットの流れを説明する図である。
【図31】本発明の第1の実施の形態の第1変形例のパケット確認処理の手順を示すフローチャートである。
【図32】本発明の第1の実施の形態の第2変形例の遊技場に設置された各装置の実績情報を取得する経路を説明する図である。
【図33】本発明の第1の実施の形態の第3変形例の遊技システムのシステム構成図である。
【図34】本発明の第1の実施の形態の第3変形例の中継端末装置の構成を示すブロック図である。
【図35】本発明の第1の実施の形態の第3変形例の遊技場に設置された各装置の遊技情報(要求情報)を巡回して取得する経路を説明する図である。
【図36】本発明の第1の実施の形態の第3変形例の遊技場管理装置から送信された要求情報を含むパケットが中継端末装置から情報収集端末装置に送受信される処理を説明する図である。
【図37】本発明の第1の実施の形態の第3変形例の中継端末装置においてパケットの内容をバックアップする手順を示すフローチャートである。
【図38】本発明の第2の実施の形態の遊技システムのシステム構成図である。
【図39】本発明の第2の実施の形態の各遊技場に設置された各装置の実績情報を遊技場ごとに巡回して収集する経路を説明する図である。
【図40】本発明の第2の実施の形態の各遊技場に設置された各装置の実績情報をすべて巡回して収集する経路を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、本発明の第1の実施の形態の遊技システムのシステム構成図である。
【0011】
本発明の第1の実施の形態における遊技システムでは、遊技場において複数の遊技装置4から収集された実績情報(遊技情報)を遊技場管理本部で一括して管理する。
【0012】
遊技場には、複数の遊技装置4が設置されている。遊技装置4は、パチンコ機やスロットマシンなどの遊技機5を含む。遊技装置4は、遊技球又はメダル等の遊技媒体を用いて実際に遊技を行う遊技機5を備え、さらに、当該遊技媒体を提供するための構成(記憶媒体受付端末装置6)を備える。なお、本発明の第1の実施の形態では、パチンコ機を含む遊技装置4を例に説明を行ない、詳細については図8にて後述する。また、遊技場内のネットワークには、遊技装置4、ターミナル8、精算装置(残額精算機)15、景品POS9が接続され、遊技装置4は、情報収集端末装置3を介してネットワークに接続される。
【0013】
遊技機5としてパチンコ機を含む遊技装置4では、遊技媒体(遊技球)を計数する各台計数器68(図8参照)が備えられており、獲得した遊技球を遊技装置4から離れずに計数することが可能となっている。一方、遊技機5としてスロットマシンを含む遊技装置4には、遊技装置4ごとに遊技媒体を計数する装置が設置されていないため、遊技場の遊技エリアごとに計数装置(JC)が設置されている。なお、パチンコ機を含む遊技装置4ごとに遊技媒体を計数する装置を設置せず、遊技場の島端などに計数装置を設置してもよい。また、遊技機5としてスロットマシンを含む遊技装置4に、遊技媒体(遊技球又はメダル)を計数する各台計数器を備えてもよい。
【0014】
また、各遊技装置4(記憶媒体受付端末装置6)には、所定の有価価値(例えば、現金)に対する遊技媒体(例えば、遊技球、メダル)の遊技料金(以下、貸出レートまたはレートと言う。)が設定されており、遊技装置ごとに異なる貸出レートを設定することが可能となっている。貸出レートは、例えば、パチンコ機では、遊技球(遊技媒体)1個につき4円(有価価値)や、遊技球1個につき1円など複数種類の貸出レートが設定可能である。
【0015】
また、遊技装置4は、遊技者が所持する記憶媒体(会員カード又はワンデイカード等)を受け付けた場合には、当該記憶媒体に記憶されているカードIDを遊技場管理本部に設置された会員管理装置2に送信する。さらに、遊技媒体を遊技者に貸出した場合には、貸出情報を、有価価値(現金)が入金された場合には、入金された金額情報を会員管理装置2に送信する。
【0016】
会員カードは、図示しない記憶媒体受付発行装置(専用の会員登録端末)によって発行される。遊技者は、記憶媒体受付発行装置に会員カードを発行させる場合には、遊技者の個人情報(名前、住所、電話番号など)を入力する必要がある。
【0017】
情報収集端末装置3は、遊技装置4に接続され、遊技装置4から出力された各種信号に基づいて遊技情報を収集し、累積して保持する。また、情報収集端末装置3は、累積された遊技情報を集計することによって実績情報(蓄積情報)を生成する。収集された遊技情報又は生成された実績情報は、遊技場管理本部に設置された遊技場管理装置1からの要求に応じてターミナル8を介して遊技場管理装置1に送信される。なお、実績情報は、遊技情報そのものを含むようにしてもよい。
【0018】
また、情報収集端末装置3は、遊技場管理装置1に要求された場合以外にも、所定のタイミング(例えば、10分毎)で遊技場管理本部に設置された遊技場管理装置1に送信するようにしてもよい。例えば、一営業単位の実績情報の累積値であれば、遊技場の閉店時に送信するようにしてもよい。ここで営業単位とは一日の営業開始から営業終了までの時間を含むように、開店時間より早く始まり閉店時間より遅く終わる。なお、一日の営業時間を午前、午後等に分割して、一日に複数の営業単位を設定してもよい。また、営業単位を、複数日(例えば、一週間)にわたるものとしてもよい。
【0019】
なお、情報収集端末装置3は、1台の遊技装置4に接続される構成であってもよいし、複数(例えば、2台)の遊技装置4に接続される構成であってもよい。
【0020】
遊技装置4は、遊技球又はメダル等の遊技媒体を用いて実際に遊技を行う遊技機5を備え、当該遊技媒体を提供するための構成(例えば、カードユニット)を備える。なお、遊技媒体を提供するための構成として現金玉貸機で構成しても良い。
【0021】
精算装置15は、遊技者が所持する記憶媒体に記憶されているカードIDに対応する有価価値(残額)を遊技者に払い戻す。また、精算装置15が、会員カードを遊技者に発行する機能を有してもよい。
【0022】
景品POS9は、遊技者が保有する遊技媒体と景品を交換し、景品の在庫を管理する。また、景品POS9は、遊技者に関する情報を登録し、会員カードを発行する機能を備えてもよい。景品POS9は、使用レート景品交換マスタなどを格納するデータベースを備えるようにしてもよい。
【0023】
一方、遊技場管理本部には、遊技場管理装置1、会員管理装置2及びターミナル7が設置されている。遊技場管理装置1、会員管理装置2及びターミナル7は、互いに接続されている。遊技場管理装置1、会員管理装置2及びターミナル7は、例えば、ネットワークを介して接続される。
【0024】
遊技場管理本部に設置されたターミナル7は、広域ネットワーク10を介して遊技場に設置されたターミナル8と接続される。広域ネットワーク10は、インターネットであってもよいし、専用回線であってもよい。インターネット経由で接続する場合には、セキュリティ向上のために、仮想専用回線(VPN)を利用するようにしてもよいし、暗号化通信を行うようにしてもよい。
【0025】
遊技場管理装置1は、従来、遊技場に設置されるコンピュータ(いわゆる、ホールコン)であったが、本発明の第1の実施の形態では、遊技場管理本部に設置される。そして、遊技場に設置された情報収集端末装置3に実績情報の生成及び取得を要求する。このとき、情報収集端末装置3に未編集の遊技情報を要求してもよい。
【0026】
遊技場管理装置1には、実績情報(遊技情報)を管理するデータベース106aを備える。データベース106aには、営業単位ごとに集計された実績情報が格納される。また、複数の遊技場の遊技情報を管理する場合には、遊技場ごとに実績情報が管理される。データベース106aは、情報収集端末装置3によって収集された遊技情報そのものを管理してもよく、また、営業単位とは異なる期間の実績情報をさらに管理するようにしてもよい。なお、データベース2aは、外部のストレージ装置に格納するようにしてもよい。
【0027】
本発明の第1の実施の形態では、遊技者が獲得した遊技媒体を遊技場に預け入れ、後日来店した際に、遊技場に預け入れた遊技媒体を引き出して遊技する、いわゆる貯球再プレイ遊技が可能となっている。会員管理装置2は、会員の個人情報の他に、遊技者(会員)が所持する記憶媒体(例えば、会員カード)の識別情報(カードID)と当該遊技者が所有する各種遊技媒体の数量(貯球数、持球数、貯メダル数、持メダル数等)とを対応付けた口座情報を管理する。
【0028】
会員管理装置2は、会員情報データベース、遊技媒体情報データベース及び使用レート景品交換マスタを含むデータベースを備える。データベース206aは、外部のストレージ装置に格納するようにしてもよい。なお、会員管理装置2が複数の遊技場の会員情報を管理している場合には、遊技場ごとに会員情報を管理する。
【0029】
また、遊技媒体を遊技場に預け入れるためには、遊技者は、あらかじめ遊技場に会員登録し、会員カードの発行を受ける必要がある。そして、会員カードを記憶媒体受付端末装置6に読み取らせた状態で貯球スイッチ(図示省略)を押すことにより、個人口座に遊技媒体を預け入れる(貯球する)ことができる。なお、本発明の第1の実施の形態では、会員登録は上記の方法に限らず、記憶媒体受付端末装置6に氏名、電話番号、生年月日等を入力することにより、その場で会員登録をし、会員証を発行できるようにしても良い。
【0030】
また、遊技者が所持する記憶媒体(会員カード)を遊技装置4が受け付けると、会員管理装置2は、遊技装置4から送信されたカードIDに基づいて、当該遊技者が預け入れている遊技媒体数を特定し、特定された遊技媒体数を遊技装置4に送信する。このとき、遊技者は、特定された遊技媒体数に基づいて、個人口座に預け入れられた遊技媒体を遊技装置4から引き出して遊技を行うことができる。また、複数の遊技者を含むグループを登録することによって、遊技場に預け入れられた遊技媒体を他の遊技者と共有することができるように構成してもよい。
【0031】
遊技場管理本部では、複数の遊技場における実績情報(遊技情報)及び会員情報を一括して管理している。例えば、複数の遊技場を運営するグループの本部において、グループ内の各店舗の実績情報(遊技情報)及び会員情報を管理する。このように、複数の遊技場の実績情報(遊技情報)の収集及び管理を一括して行うことによって、管理コストの削減を図ることが可能となる。また、遊技場管理本部は、遊技場と同一敷地内に設置しても良いが、敷地を隔てて設置(つまり、遊技場の外部に設置)し、広域ネットワークを介して通信を行うようにすることで、システムのメンテナンス作業を行う作業者が各遊技場に出向く必要がなくなり、効率良くメンテナンス作業を実施することができる。
【0032】
また、遊技場管理本部には、遊技場管理装置1及び会員管理装置2の他に、遊技場外部管理装置が設置されるようにしてもよい。遊技場外部管理装置は、遊技場管理装置1にデータを提供するコンピュータであって、例えば、遊技機メーカ、ホールコンピュータメーカ、中古遊技機販売会社等から提供されたデータを遊技場管理装置1に提供する。
【0033】
図2は、本発明の第1の実施の形態の遊技場管理本部に設置されたターミナル7の構成を示すブロック図である。
【0034】
ターミナル7は、遊技場管理本部内のネットワークと、広域ネットワークとを接続するコンピュータである。ターミナル7は、CPU701、RAM702、ROM703、EEPROM704、バス705、ネットワーク通信ポート706、I/Oポート707及び外部ネットワーク通信ポート708を備える。CPU701、RAM702、ROM703、EEPROM704、ネットワーク通信ポート706、I/Oポート707及び外部ネットワーク通信ポート708は、バス705を介して互いに接続される。
【0035】
CPU701は、メモリに記憶されたプログラムを実行し、ネットワークの制御などの処理を実行する。RAM702には、CPU701によって実行されるプログラムが格納される記憶領域、プログラムの実行に必要なデータが一時的に記憶される作業領域、及び各種データを一時的に記憶する記憶領域が設けられる。
【0036】
ROM703は、原則的に書き換え不能な不揮発性のメモリであって、ターミナル7の機能を実現するためのプログラムやデータが格納される。また、EEPROM704は、プログラムによって書き換え可能な領域が設けられた不揮発性のメモリであって、ネットワーク構成など、停電等でも保持する必要のあるデータ等を記憶する。
【0037】
ネットワーク通信ポート706は、遊技場管理装置1や会員管理装置2に接続される。I/Oポート707は、入力装置710及び出力装置711に接続される。入力装置710は、例えば、キーボードやマウスなどであり、管理者がターミナル7を動作させるために必要なパラメータを入力する。出力装置711は、例えば、ディスプレイ装置であり、動作ログ(状況)を出力したり、設定されたパラメータ情報を出力したりする。
【0038】
外部ネットワーク通信ポート708は、遊技場管理本部の外部の広域ネットワーク10に接続される通信インターフェースであり、所定の通信プロトコルに従って遊技場管理本部の外部のコンピュータ、具体的には、遊技場に設置されたターミナル8とデータ通信を行う。なお、ネットワーク通信ポート706と、外部ネットワーク通信ポート708とは、物理的に一つのネットワークインターフェースカード上に論理的に構成されても、物理的に二つのネットワークインターフェースカードによって構成されてもよい。
【0039】
図3は、本発明の第1の実施の形態の遊技場管理装置1の構成を示すブロック図である。
【0040】
遊技場管理装置1は、CPU101、CPU101の動作時にワークエリアとして使用されるメモリであるRAM102、プログラム等を予め格納したROM103、各遊技場で収集された実績情報を管理するデータベース106aを記憶するハードディスク等の記憶装置(HDD)106及びネットワーク通信ポート105を備える。
【0041】
RAM102には、CPU101によって実行されるプログラムが格納される記憶領域及びプログラムの実行に必要なデータが一時的に記憶される作業領域が設けられる。また、ROM103にプログラムを記憶する代わりに、HDD106にプログラムを格納し、RAM102にプログラムをロードし、RAM102にロードされたプログラムを実行してもよい。
【0042】
これらのCPU101、RAM102、ROM103、HDD106、及びネットワーク通信ポート105はバス104によって接続されている。バス104は、CPU101がデータを読み書きするために使用するアドレスバス及びデータバスによって構成される。
【0043】
ネットワーク通信ポート105は、遊技場管理本部内のネットワークに接続される通信インターフェースであり、所定の通信プロトコルに従って遊技場管理本部内に設置された会員管理装置2やターミナル7を介して遊技場に設置された機器とデータ通信を行う。
【0044】
HDD106には、遊技場から収集された実績情報を管理するデータベース106aが格納される。収集された実績情報は、営業単位(日、月など)ごとに管理される。また、遊技場管理装置1が複数の遊技場の実績情報を管理する場合には、遊技場ごとに実績情報を記憶するようにしてもよいし、実績情報に遊技場ごとの識別子を付与することによって、全実績情報を一括して管理してもよい。
【0045】
図4は、本発明の第1の実施の形態の会員管理装置2の構成を示すブロック図である。
【0046】
会員管理装置2は、CPU201、CPU201の動作時にワークエリアとして使用されるメモリであるRAM202、プログラム等を予め格納したROM203、各遊技場の会員情報を記憶するハードディスク等の記憶装置(HDD)206及びネットワーク通信ポート205を備える。
【0047】
RAM202には、CPU201によって実行されるプログラムが格納される記憶領域及びプログラムの実行に必要なデータが一時的に記憶される作業領域が設けられる。また、ROM203にプログラムを記憶する代わりに、HDD206にプログラムを格納し、RAM202にプログラムをロードし、RAM202にロードされたプログラムを実行してもよい。
【0048】
これらのCPU201、RAM202、ROM203、HDD206、及びネットワーク通信ポート205はバス204によって接続されている。バス204は、CPU201がデータを読み書きするために使用するアドレスバス及びデータバスから構成される。
【0049】
ネットワーク通信ポート205は、遊技場管理本部内のネットワークに接続される通信インターフェースであり、所定の通信プロトコルに従って遊技場管理本部内に設置された遊技場管理装置1やターミナル7を介して遊技場に設置された情報収集端末装置3などの機器とデータ通信を行う。
【0050】
図5は、本発明の第1の実施の形態の遊技場に設置されたターミナル8の構成を示すブロック図である。
【0051】
ターミナル8は、遊技場内のネットワークと、広域ネットワークとを接続するコンピュータである。ターミナル8は、CPU801、RAM802、ROM803、EEPROM804、バス805、ネットワーク通信ポート806、I/Oポート807及び外部ネットワーク通信ポート808を備える。CPU801、RAM802、ROM803、EEPROM804、ネットワーク通信ポート806、I/Oポート807及び外部ネットワーク通信ポート808は、バス805を介して互いに接続される。
【0052】
CPU801は、RAM802又はROM803に記憶されたプログラムを実行し、ネットワークの制御などの処理を実行する。RAM802には、CPU801によって実行されるプログラムが格納される記憶領域、プログラムの実行に必要なデータが一時的に記憶される作業領域、及び各種データを一時的に記憶する記憶領域が設けられる。
【0053】
ROM803は、原則的に書き換え不能な不揮発性のメモリであって、ターミナル7の機能を実現するためのプログラムやデータが格納される。また、EEPROM804は、不揮発性のメモリであって、ネットワーク構成など、停電等でも保持する必要のあるデータ等を記憶する。
【0054】
ネットワーク通信ポート806は、情報収集端末装置3、精算装置15、及び景品POS9に接続される。I/Oポート807は、入力装置811及び出力装置812に接続される。入力装置811は、例えば、キーボードやマウスなどであり、管理者がターミナル8を動作させるために必要なパラメータを入力する。出力装置812は、例えば、ディスプレイ装置であり、動作ログ(状況)を出力したり、設定されたパラメータ情報を出力したりする。
【0055】
外部ネットワーク通信ポート808は、遊技場外部の広域ネットワークに接続される通信インターフェースであり、所定の通信プロトコルに従って遊技場外部のコンピュータ、具体的には、遊技場管理本部に設置されたターミナル7とデータ通信を行う。なお、ネットワーク通信ポート806と、外部ネットワーク通信ポート808とは、物理的に一つのネットワークインターフェースカード上に論理的に構成されても、物理的に二つのネットワークインターフェースカードによって構成されてもよい。
【0056】
図6は、本発明の第1の実施の形態の精算装置15の構成を示すブロック図である。
【0057】
精算装置15は、CPU1501、RAM1502、ROM1503、バス1504、ネットワーク通信ポート1505及びI/Oポート1506を備える。CPU1501、RAM1502、ROM1503、ネットワーク通信ポート1505、及びI/Oポート1506は、バス1504を介して互いに接続される。
【0058】
CPU1501は、RAM1502又はROM1503に記憶されたプログラムを実行し、残高金額の精算に必要な処理を実行する。RAM1502には、CPU1501によって実行されるプログラムが格納される記憶領域、プログラムの実行に必要なデータが一時的に記憶される作業領域、及び各種データを一時的に記憶する記憶領域が設けられる。ROM1503は、原則的に書き換え不能な不揮発性のメモリであって、残高金額の精算に必要な処理を行うためのプログラムやデータが格納される。
【0059】
ネットワーク通信ポート1505は、情報収集端末装置3及びターミナル8に接続される。I/Oポート1506は、精算ボタンスイッチ(SW)1510、表示装置1511、カードリードライタ(R/W)1512及びカードストッカ1513に接続される。
【0060】
精算装置15に設けられたカード挿排部(図示略)に会員カードやワンデイカードが挿入されると、カードリードライタ(R/W)1512によって残高金額が読み出され、表示装置1511に精算される残高金額情報が表示される。この状態で精算ボタンスイッチ(SW)1510が遊技者によって操作されると、紙幣排出口(図示略)から残高金額分の紙幣が排出され、残高金額の精算が行われる。なお、会員カードやワンデイカードに記憶された残高金額情報はカードリードライタ(R/W)1512によってクリアされ、会員カードが挿入されている場合は、前述のカード挿排部から会員カードを排出し、ワンデイカードが挿入されている場合は、カードストッカ1513に残高金額が0となったワンデイカードが収納される。
【0061】
図7は、本発明の第1の実施の形態の情報収集端末装置3の構成を示すブロック図である。
【0062】
情報収集端末装置3は、3個のCPU301〜303を内蔵した1チップタイプのプロセッサを備える。このプロセッサは、メディアアクセスコントロールCPU(MACCPU)301、ネットワークCPU302及びアプリケーションCPU303の三つのCPUを内蔵している。また、これらのCPU301〜303が接続されているアドレス及びデータのためのコモンバス304には、各CPUに共通して使用されるメモリとして、RAM305、EEPROM306及びROM307がコモンバス304を介して接続されている。
【0063】
RAM305には、アプリケーションCPU303によって実行されるプログラムが格納される記憶領域、プログラムの実行に必要なデータが一時的に記憶される作業領域、及び各種データ(例えば、通常時データ、特賞中データ等)を一時的に記憶する記憶領域が設けられる。
【0064】
EEPROM306は、不揮発性のメモリであって、情報収集端末装置3に接続される遊技装置4の台番号、ネットワーク構成、ネットワーク通信アドレスの指定情報及び識別コード(チップID)等、情報収集端末装置3に設定される情報や停電等でも保持する必要のある遊技データ等を記憶する。
【0065】
EEPROM306には、プログラムによって書き換え可能な領域が設けられる。このプログラムによって書き換え可能なEEPROM306の領域及びROM307には、遊技情報の収集及び実績情報の生成に用いられるプログラムが格納されている。
【0066】
情報収集端末装置3は、さらに、ネットワーク通信ポート308、I/Oポート309、通信ポート310及び制御回路311を備える。ネットワーク通信ポート308、シリアル通信回路312、I/Oポート309、通信ポート310及び制御回路311は、コモンバス304を介して、CPU等の構成に接続されている。
【0067】
ネットワーク通信ポート308は、遊技場内のネットワークに接続される通信インターフェースであり、所定の通信プロトコルに従って遊技場内に設置された他の情報収集端末装置3、精算装置15、ターミナル8を介して遊技場管理本部に設置された遊技場管理装置1などとデータ通信を行う。また、ネットワーク通信ポート308は、コーナーランプ11や呼出しランプ12にも接続される。
【0068】
コーナーランプ11は、複数の遊技装置4が配置される一つの島設備に一つ又は複数(例えば、島設備の両端)配置される報知装置である。島設備に配置される遊技装置4等に異常が発生した場合、当該島設備に配置されたコーナーランプ11が点灯又は点滅して、当該島設備に異常が発生したことを遊技場の従業員に報知する。なお、コーナーランプ11は、島設備毎に設置されなくてもよく、例えば、フロア毎、通路毎、又は、所定のブロック毎に設置されてもよい。
【0069】
呼出しランプ12は、遊技装置4等に異常が発生した場合に、ランプを点灯又は点滅し、当該遊技装置4の異常を遊技場の従業員に報知する。また、呼出しランプ12は、遊技者が遊技場の従業員を呼びたいときに操作する呼出しボタンを備える。
【0070】
I/Oポート309は、パラレル信号又はシリアル信号が入出力されるインターフェースであり、遊技機5の遊技制御装置の外部通信端子526に接続されている。I/Oポート309には、遊技機5から賞球信号、特賞信号、確変・時短信号、スタート信号、始動入賞信号、図柄確定信号、枠開放信号が入力され、記憶媒体受付端末装置6からカード情報、球貸情報、貯球払出情報、入金情報が入力され、各台計数器68から出力される計数信号、持球払出信号が入力され、補給球計数装置71から補給信号が入力され、回収球計数装置81から回収信号が入力される。
【0071】
通信ポート310は、遊技機5の外部通信端子504を介して遊技用マイクロコンピュータから出力される信号を受信する。
【0072】
制御回路311は、情報収集端末装置3に接続される各種装置と通信するための回路である。制御回路311には、例えば、台番号設定スイッチが接続される。また、制御回路311から、CPU301〜303のクロックやリセット等の制御信号を出力してもよい。
【0073】
遊技装置4から情報収集端末装置3に遊技情報が入力されると、アプリケーションCPU303によって遊技情報の累積値が算出される。遊技情報の累積値は、RAM305に一定期間記憶される。さらに、算出された遊技情報の累積値に基づいて、当該遊技装置の実績情報を生成する。情報収集端末装置3は、遊技場管理装置1からの要求に応じて、ネットワーク通信ポート308から遊技場管理装置1に当該遊技装置の実績情報を送信する。
【0074】
図8は、本発明の第1の実施の形態の遊技装置4の構成を説明する図である。
【0075】
遊技装置4は、遊技機5、記憶媒体受付端末装置6(カードユニット)及び各台計数器68を備える。遊技機5は、前述のように、パチンコ機やスロットマシンなどである。パチンコ機は封入球式であってもよい。
【0076】
遊技装置4に備えられた記憶媒体受付端末装置6は、遊技媒体の貸出に関する機能を有する。記憶媒体受付端末装置6は、遊技者が所有する有価価値の投入を受け付けると、遊技機5に貸出指令信号を送信する。遊技機5は、記憶媒体受付端末装置6からの貸出指令信号に基づいて、排出制御装置(図示省略)の制御によって排出装置から遊技媒体を払い出す。なお、投入された有価価値の残数がある状態で遊技機5に設けられる貸出ボタンの操作入力を受け付けたことに基づいて貸出指令信号を送信する場合もある。
【0077】
また、遊技装置4に備えられた記憶媒体受付端末装置6は、遊技場に預け入れられた遊技媒体(いわゆる貯球)を払い出す機能を有する。記憶媒体受付端末装置6は、遊技者が所持する記憶媒体(会員カード)を受け付けた状態で再プレイ操作が行われると、遊技場に預け入れられた遊技媒体を指定された数だけ払い出す。遊技者は、払い出された遊技媒体を用いて、遊技機5によって遊技を行うことができる。
【0078】
島設備には、遊技機5に遊技球を補給する補給器70と、遊技機5から排出されたアウト球(回収球)を計数するためのアウトタンク80とが設置される。
【0079】
遊技球は、遊技機5の裏面側上部に設けられた上タンクに供給される。補給器70は補給した球数を計数する補給球計数装置71を有する。補給球計数装置71は、所定数(例えば、10個)の遊技球を計数する毎に補給球の計数結果である補給信号を出力する。
【0080】
遊技に使用された遊技球は、入賞口(入賞装置)に入賞し、又は、いずれの入賞口にも入賞せずにアウト口39に受け入れられ、遊技機5の裏面側から外部へ導出される。アウトタンク80は、遊技機5の外部に排出された遊技球を計数する回収球計数装置81を有する。回収球計数装置81は、所定数(例えば、10個)の遊技球を計数する毎にアウト球の計数結果である回収信号を出力する。
【0081】
この補給球計数装置71及び回収球計数装置81は情報収集端末装置3に接続され、情報収集端末装置3が補給球計数装置71及び回収球計数装置81から出力される情報を収集する。
【0082】
次に、遊技機5の構成について説明する。
【0083】
遊技機5の前面枠19は本体枠(外枠)17に図示しないヒンジを介して開閉回動可能に組み付けられる。遊技盤50は前面枠19の表側に形成された収納部(図示省略)に収装される。また、前面枠19には、遊技盤50の前面を覆うカバーガラス(透明部材)を備えたガラス枠18が取り付けられている。
【0084】
遊技盤50の表面には、ガイドレール55で囲われた略円形状の遊技領域51が形成される。
【0085】
遊技領域51には、センターケース40が設置され、センターケース40のほぼ中央で、センターケース40に設けられた凹部で、センターケース40の前面より奥まった位置に表示装置58が取り付けられる。すなわち、センターケース40は表示装置58の表示領域の周囲を囲い、表示装置58の表示面から前面側(遊技者側)に突出するように設けられている。
【0086】
表示装置58は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等で表示画面が構成されている。表示画面の表示領域には、複数の変動表示領域が設けられており、各変動表示領域に識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタが表示される。例えば、表示画面の変動表示領域には、識別情報として割り当てられた三つの特別図柄が変動表示(可変表示)して特図変動表示ゲーム(補助遊技)が行われる。その他、表示画面には遊技の進行に基づく画像(例えば、大当り表示、ファンファーレ表示、エンディング表示等)が表示される。
【0087】
センターケース40の左側には、普通図柄始動ゲート31が設けられる。センターケース40の左下側には、三つの一般入賞口32が設けられ、センターケース40の右下側には、一つの一般入賞口32が設けられる。センターケース40の下側には、開閉可能な普通変動入賞装置33を備える始動入賞口34が設けられる。センターケース40の下側に設けられた始動入賞口34の下方には、特別図柄変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れやすい状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)36が設けられる。
【0088】
一般入賞口32、始動入賞口34、又は特別変動入賞装置36に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた賞球数の遊技球が賞球として払い出される。
【0089】
遊技機5では、遊技球(パチンコ球)が発射装置(図示省略)から遊技領域51に向けて打ち出される。打ち出された遊技球は、遊技領域51内の各所に設置された釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域51を流下し、一般入賞口32、始動入賞口34又は特別変動入賞装置36に入賞するか、遊技領域51の最下部に設けられたアウト口39に入ることによって遊技が行われる。なお、一部の遊技球は、普通図柄始動ゲート31を通過した後、各入賞口又はアウト口39に入る。
【0090】
始動入賞口34は、普通変動入賞装置33の開閉によって、遊技球が入賞しやすい状態と遊技球が入賞しにくい状態とのいずれかに変換される。普通変動入賞装置33は通常は閉状態であり、始動入賞口34に遊技球が入賞しにくい状態である。普通図柄始動ゲート31を遊技球が通過することによって、普図変動表示ゲームが実行され、普図変動表示ゲームの結果、当たり状態が発生すると、普通変動入賞装置33が開状態に変換され、始動入賞口34は遊技球が入賞しやすい状態となる。
【0091】
一般入賞口32への遊技球の入賞は、一般入賞口センサによって検出される。
【0092】
始動入賞口34への遊技球の入賞は、特図始動口センサによって検出される。この遊技球の通過タイミングによって抽出された特別図柄乱数カウンタ値は、遊技機5の特図記憶領域に特別図柄入賞記憶(始動記憶)として所定数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この始動記憶の記憶数は、遊技状態表示器に表示される。遊技機5は、始動記憶に基づいて、表示装置58にて特図変動表示ゲーム(補助遊技)を行う。
【0093】
始動記憶又は始動入賞口34に遊技球の入賞があると、表示装置58では、前述した数字等で構成される識別情報(特別図柄)が変動表示を開始して、特図変動表示ゲームに関する画像が表示される。つまり、表示装置58では、始動記憶の記憶数に対応する回数だけ、特図変動表示ゲームが行われ、興趣向上のために多様な表示を演出する。
【0094】
始動入賞口34への入賞が所定のタイミングでなされたとき(具体的には、入賞検出時の当たり乱数値が当たり値であるとき)には特図変動表示ゲームの結果として表示図柄により特定の結果態様(特別結果態様)が導出されて、大当り状態となる。具体的には、特図表示器(遊技状態表示器)では、当たり図柄である一桁の特別図柄で停止して、表示装置58は、三つの特別図柄が揃った状態(大当り図柄)で停止する。このとき、特別変動入賞装置36の大入賞口は、所定の時間(例えば、30秒)だけ、遊技球を受け入れない閉状態から遊技球を受け入れやすい開状態に変換されることを所定回数だけ繰り返す大当り状態(特別遊技状態)となる。すなわち、特別変動入賞装置36が所定の時間又は所定数の遊技球が入賞するまで大きく開くので、この間遊技者は多くの遊技球を獲得することができるという特典が付与される。
【0095】
特別変動入賞装置36の大入賞口への遊技球の入賞は、カウントセンサによって検出される。
【0096】
普通図柄始動ゲート31への遊技球の通過は、普通図柄始動ゲートセンサによって検出される。この遊技球の通過タイミングによって抽出された普通図柄乱数カウンタ値は、遊技機5の普図記憶領域に普通図柄入賞記憶として所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、普通図柄入賞記憶の記憶された個数は遊技状態表示器に表示される。
【0097】
普図入賞記憶があると、表示装置58では、普図入賞記憶に基づいて普図表示器(遊技状態表示器)で普図変動表示ゲームを開始する。すなわち、普通図柄始動ゲート31への通過検出が所定のタイミングでなされたとき(具体的には、通過検出時の普図乱数カウンタ値が当たり値であるとき)には、普図表示器に表示される普通図柄が当たり状態で停止し、普通図柄の当たり状態となる。このとき、普通変動入賞装置33が所定の時間だけ開放されるため、始動入賞口34は遊技球が入賞しやすい状態となる。なお、普通変動入賞装置33の開放時間は、例えば、確率変動状態及び変動時間短縮状態では2.9秒間、通常遊技状態では0.5秒間として、遊技状態に応じて開放時間又は回数が変化するようにしてもよい。
【0098】
ガラス枠18のカバーガラスの周囲には、その内部に装飾装置(ランプ、LED等)を備え、遊技の進行に合わせて発光する装飾部材16が設けられる。また、ガラス枠18の上方には、その内部に装飾装置(ランプ、LED等)が備わる照明ユニット37が設けられる。
【0099】
前面枠19の下部の開閉パネル20には発射装置に遊技球を供給する上皿21が、固定パネル22には灰皿29、下皿23及び図示しない発射装置の操作部24等が備わっている。
【0100】
また、上皿21の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付けるためのセレクトボタン44及び演出ボタン41が備わっている。遊技者がセレクトボタン44を操作することによって、特図変動表示ゲームにおいて表示装置58に表示される演出内容を選択することができる。また、遊技者が演出ボタン41を操作することによって、特図変動表示ゲームにおいて、遊技者の操作を介入させた演出を行うことができる。
【0101】
上皿21の右上部には、遊技者が有価価値を消費して遊技媒体を借りる場合に操作する貸出ボタン26、及び、記憶媒体受付端末装置6から記憶媒体(ワンデイカード、会員カード等)を排出させるために操作される排出ボタン27が設けられている。これらのボタン26、27の間には、会員カードやワンデイカード等のカードに記憶された残高を表示する残高表示部28が設けられる。
【0102】
下皿23には、下皿23に貯留された遊技球を排出するための下皿球抜き機構42が備えられる。操作部24が遊技者により回動操作されると、上皿21の遊技球が発送装置によって発射される。前面枠19の下部右側には、ガラス枠18を施錠するための鍵25が備わっている。
【0103】
遊技機5からは、賞球信号、特賞信号、確変・時短信号、スタート信号、始動入賞信号、図柄確定信号、枠開放信号が出力される。
【0104】
賞球信号は、所定数の賞球を払い出した場合に遊技機5から出力される信号で、例えば10個の賞球を排出する毎にパルス信号が出力される。特賞信号は、特図変動表示ゲームの結果が大当りとなると実行される大当り状態と、確変状態や時短状態等の単位時間に特図変動表示ゲームが多く実行され、多くの大当りが導出され得る状態において出力される信号である。
【0105】
確変信号は、単位時間に特図変動表示ゲームの結果、多くの大当りが導出される状態(確変状態、時短状態等の)において出力される信号である。始動入賞信号は、特図始動口センサ511が始動入賞口34への遊技球の入賞を検出した場合に出力される信号である。
【0106】
スタート信号は、特図変動表示ゲームが開始した場合に出力される信号である。図柄確定信号は、特図変動表示ゲームが終了した(識別情報の変動表示が停止した)場合に出力される信号である。枠開放信号は、ガラス枠18又は前面枠19が開放された場合に出力される信号である。
【0107】
なお、遊技機5は、これらの信号の全てを出力しなくても、一部の信号のみを出力するものであってもよい。
【0108】
次に、記憶媒体受付端末装置6の構成について説明する。
【0109】
記憶媒体受付端末装置6は、カード挿入口61、表示装置62、紙幣挿入口63、状態表示部64、払出口66及び球払出案内装置67を備える。
【0110】
カード挿入口61は、記憶媒体受付端末装置6の表示装置62の下方に設けられる。カード挿入口61には、ワンデイカード又は会員カード等の記憶媒体が挿入される。
【0111】
表示装置62は、記憶媒体受付端末装置6の中央付近に設けられる。表示装置62は、表示画面及び操作部(中断スイッチ、カードIDクリアスイッチ)を備える。
【0112】
中断スイッチは、遊技者が食事など遊技装置4の前を離れる場合(つまり、遊技を中断する場合)に操作されるスイッチである。中断スイッチが操作されると、記憶媒体受付端末装置6は、カード挿入口61に挿入されているカードのカードIDを記憶してからカードを排出する。そして、カード挿入口61にカードが新たに挿入されても、挿入されたカードのカードIDとカード記憶されたカードIDとが一致しなければ、新たに挿入されたカードを排出し、記憶されたカードID以外のカード以外での遊技を禁止する。カードIDクリアスイッチは、中断スイッチの操作によって記憶されたカードIDを消去する場合に操作される。
【0113】
遊技者がカード挿入口61に会員カード又はワンデイカードを挿入すると、遊技機5の残高表示部28に、受け付けられたカード残高が表示される。その後、遊技者が遊技機5の貸出ボタン26を操作すると、記憶媒体受付端末装置6からの貸出指令信号に基づいて、排出制御装置の制御によって排出装置から所定数の遊技球が排出され、排出流路を流下して上皿21に排出される。なお、記憶媒体受付端末装置6が球貸し機能を有し、払出口66から貸球を排出するようにしてもよい。
【0114】
なお、本発明の第1の実施の形態では、貯球と貸球を区別しているが、貯球を遊技者所有の有価価値と捉え、貯球を再使用する場合に、有価価値を消費して遊技球を払い出したと見做せば、貯球も貸球と考えることができる。従って、貯球の再使用を売上(貸球)とみなして割数を算出することもできる。
【0115】
表示装置62は、カード情報表示画面、大当り情報表示画面、残高情報表示画面、及びグループ登録画面等を表示する。カード情報表示画面では、カード挿入口61に挿入されたワンデイカード又は会員カードに記憶された情報(会員情報)が表示される。大当り情報表示画面では、遊技機5において所定期間の間に実行された特図変動表示ゲームの回数及び特図変動表示ゲームの結果が大当りである回数が表示される。残高情報表示画面では、カード挿入口61に挿入されたワンデイカード又は会員カードに記憶された有価価値、又は、カードが挿入されない状態で、紙幣挿入口63に紙幣が挿入されることにより、記憶媒体受付端末装置6内にストックされた有価価値の残高が表示される。
【0116】
記憶媒体受付端末装置6からは、カード情報、球貸情報、貯球払出情報、持球払出情報が出力される。
【0117】
カード情報は、記憶媒体受付端末装置6に受け付けられたカードに記憶されたカードIDやカードの種類である。球貸情報は、記憶媒体受付端末装置6が貸し出した遊技球の数を示す信号である。貯球払出情報は、記憶媒体受付端末装置6が払い出した貯玉の数を示す信号である。持球払出情報は、記憶媒体受付端末装置6が払い出した持球の数を示す信号である。
【0118】
図8に示す構成では、記憶媒体受付端末装置6は各遊技機5に一対一に設けられているが、例えば、1台の記憶媒体受付端末装置6を2台の遊技機5の間に設け、切替スイッチによって、左右どちらの遊技機5に対応するかを切り替えてもよい。
【0119】
各台計数器68は、遊技者が遊技の結果獲得した遊技球の数を計数し、計数信号を出力する。各台計数器68からは、計数した遊技球の数を示す計数信号が出力される。
【0120】
以上が、遊技システムの各構成である。続いて、遊技場管理本部に設置された遊技場管理装置1によって送信された遊技情報の取得要求を受け付けて、遊技情報に基づく実績情報(累積情報)を応答する手順について説明する。
【0121】
図9は、本発明の第1の実施の形態の遊技場管理本部から要求された遊技情報を遊技場で収集し、編集した遊技情報を応答するための各構成を説明する図である。
【0122】
まず、ターミナル8、情報収集端末装置3及び遊技装置4の機能について説明する。ターミナル8は、遊技場管理本部の遊技場管理装置1から送信された要求情報を受け付ける要求受付部820と、編集された遊技情報を情報収集端末装置3から受け付け、遊技場管理本部に送信する実績情報受付部830を備える。
【0123】
情報収集端末装置3は、遊技装置4から収集された遊技情報を編集し、実績情報を生成する遊技情報処理部320と、遊技装置4から収集された遊技情報を記憶する情報記憶部(情報記憶手段)330と、遊技装置4から遊技情報を収集する遊技情報収集部340とを備える。
【0124】
遊技情報処理部320は、要求解析部321と、情報編集部(実績情報生成部、実績情報編集手段)322と、実績情報出力部(実績情報出力手段)323とを含む。要求解析部321は、ターミナル8を介して遊技場管理本部から送信された遊技情報の要求情報を解析し、解析内容を情報編集部322に通知する。情報編集部322は、通知された解析内容に基づいて、情報記憶部330に記憶された遊技情報を読み出す。そして、読み出された遊技情報に基づいて実績情報を生成する。
【0125】
実績情報出力部323は、情報編集部322によって生成された実績情報を、ターミナル8の実績情報受付部830、又は、要求情報とともに他の情報収集端末装置3(又は精算装置15)に送信する。なお、本発明の第1の実施の形態では、要求情報を送信するパケットには、実績情報を記憶するためのデータ領域が含まれており、受信したパケットのデータ領域を更新して次の情報収集端末装置に送信すれば、実績情報を送信するとともに要求情報を送信することになる。
【0126】
情報記憶部330は、基本情報記憶部(マスターデータ記憶部)331と、遊技情報保持部(稼働情報保持部)332と、を含む。基本情報記憶部331は、遊技情報を収集したり、実績情報を生成したりするために必要な設定(パラメータ)が定義されたマスターデータを格納する。マスターデータには、例えば、大当りの種類、大当り発生時の賞球数を計数するための遅延時間などが定義される。遊技情報保持部332は、遊技装置4から収集された遊技情報(稼働情報)を保持する。
【0127】
遊技情報収集部340は、遊技情報受付部342と、遊技情報出力部341と、を含む。遊技情報受付部342は、遊技装置4から出力された遊技情報の入力を受け付ける。遊技情報出力部341は、遊技情報受付部342によって受け付けられた遊技情報を情報記憶部330の遊技情報保持部332に書き込む。
【0128】
続いて、遊技情報の取得が要求されてから応答するまでに各構成によって実行される一連の処理について説明する。遊技場管理本部に設置された遊技場管理装置1から実績情報の取得要求が広域ネットワーク10を介して送信されると、ターミナル8の要求受付部820は、要求情報の入力を受け付ける。要求受付部820は、受信した要求情報を情報収集端末装置3の遊技情報処理部320の要求解析部321に送信する。
【0129】
要求解析部321は、受信した要求情報を解析し、解析結果を情報編集部322に通知する。情報編集部322は、通知された解析結果に基づいて、遊技情報保持部332から必要な遊技情報を読み出す。さらに、情報編集部322は、基本情報記憶部331に記憶されたマスターデータに基づいて、読み出された遊技情報を編集して実績情報を生成し、実績情報出力部323に引き渡す。
【0130】
実績情報出力部323は、引き渡された実績情報をターミナル8の実績情報受付部830又は他の情報収集端末装置3に送信する。実績情報受付部830は、情報収集端末装置3から送信された実績情報を受け付けると、広域ネットワーク10を介して遊技場管理本部に実績情報を送信する。また、他の情報収集端末装置3に実績情報を送信する場合には、当該他の情報収集端末装置3の情報編集部322が実績情報を、要求解析部321が要求情報を受け付ける。その後、情報編集部322が受信した実績情報に、自身で収集した遊技情報を反映させる。なお、他の情報収集端末装置3に実績情報を送信する場合には、当該他の情報収集端末装置3の要求解析部321が実績情報と要求情報を受け付け、当該要求解析部321を介して情報編集部322が実績情報を受け付けるようにしてもよい。
【0131】
本発明の第1の実施の形態では、遊技場に複数の情報収集端末装置3が設置されており、遊技場管理装置1から送信された要求情報には、これら複数の情報収集端末装置3で収集された遊技情報に基づいて、実績情報を編集(生成)する順序が規定されている。
【0132】
遊技場側のターミナル8は、遊技場管理装置1から送信された要求情報を受信すると、最初に遊技情報を収集する情報収集端末装置3を特定する。特定された情報収集端末装置3は実績情報を生成し、指定された順序にしたがって生成された実績情報を他の情報収集端末装置3に送信する。そして、実績情報を受信した情報収集端末装置3は、自身で保持する遊技情報を実績情報に反映させることによって受信した実績情報を編集する。
【0133】
このように、遊技場内を巡回してすべての情報収集端末装置3で遊技情報を実績情報に反映させると、最後の実績情報を受信した情報収集端末装置3がターミナル8に実績情報を送信し、ターミナル8から遊技場管理装置1に実績情報を送信する。
【0134】
本発明の第1の実施の形態では、実績情報を格納する領域を含むパケット(トークン)が各情報収集端末装置3を巡回しながら実績情報を更新するように構成されており、各情報収集端末装置3がパケットを受信すると、当該パケットの所定の領域に実績情報を書き込んで他の情報収集端末装置3に送信するようになっている。なお、遊技場管理装置1から送信された要求情報に遊技情報を格納する領域を含むように構成し、各情報収集端末装置3を巡回するようにしてもよい。
【0135】
図10は、本発明の第1の実施の形態の遊技場に設置された各装置の遊技情報(要求情報)を巡回して取得する経路を説明する図である。
【0136】
また、遊技場内で遊技情報を取得するために巡回される機器は、情報収集端末装置3に限らず、精算装置15も巡回対象となる。さらに、すべての情報収集端末装置3を巡回する必要はなく、例えば、パチンコ機のみの遊技情報を収集する場合には、パチンコ機に接続された情報収集端末装置3のみを巡回するように順序が設定される。
【0137】
さらに、リング型のネットワークが構成されている場合には、遊技情報を収集するパケット(トークン)がすべての装置を巡回するように構成し、遊技情報を収集する対象となる装置のみが遊技情報をパケットに設定するようにしてもよい。また、スター型のネットワークが構成されている場合には、収集対象の装置のみを巡回するようにしてもよい。
【0138】
また、遊技場管理装置1は、複数(n)種類の要求情報を送信可能に構成されている。したがって、遊技場管理装置1は、複数の異なるタイミングで定期的に要求情報を送信したり、必要な情報を必要なタイミングで取得するために任意のタイミングで要求情報を送信したりすることが可能となっている。
【0139】
続いて、実際に各装置を巡回するトークンの具体例について説明する。まず、図11を参照しながら各装置を識別するための番号について説明し、図12から図17を参照しながらパケットの内容を例示しながら説明する。
【0140】
図11は、本発明の第1の実施の形態の各装置の識別番号一覧の一例を示す図である。
【0141】
本発明の第1の実施の形態では、遊技場管理本部及び各遊技場に設置された装置には、識別番号が割り当てられている。識別番号一覧には、設置場所、装置名及び識別番号(No)が含まれる。識別番号(No)は、各装置を識別可能であればよく、例えば、IPアドレスを識別番号として利用してもよい。
【0142】
図12は、本発明の第1の実施の形態の要求情報の一例を示す図である。図12に示す要求情報では、遊技場全体にかかわる遊技情報を収集し、実績情報を生成するように設定されている。
【0143】
本発明の第1の実施の形態では、要求情報に実績情報を格納するデータ領域が含まれている。データ領域には、要求情報に含まれる宛先に基づいて、順次、情報収集端末装置3などを巡回し、各装置で実績情報を設定する。
【0144】
要求情報には、トークン、巡回対象の装置(宛先)、受領確認(受領)、及び実績情報などが含まれる。トークンは、パケットの使用状況を示し、ネットワークを巡回中であるか否かを示す。巡回中には“1”が設定され、指定された装置を巡回して遊技場管理装置1に戻ってきた場合に“0”が設定される。
【0145】
宛先には図11に示した各装置の識別番号が設定される。受領には、初期値として実績情報が未設定であることを示す“0”が設定され、各装置が要求情報を受信して実績情報を設定すると、“1”が設定される。実績情報を設定すると、各装置は、次の宛先に要求情報を送信する。最後の宛先まで要求情報の送信が終了すると、送信元に指定された装置(通常、遊技場管理装置1)に実績情報が設定された要求情報を応答する。
【0146】
実績情報には、各遊技機の入金情報や機械割、粗利などが含まれる。また、特定の貸出レートのパチンコ機の情報を収集する場合には、出玉数や打玉数などパチンコ機特有のデータを収集することも可能である。また、貸出レートの異なる遊技機について実績情報を収集する場合には、貸出レートを合わせて累積情報を計算してもよいし、金額換算してもよい。実績情報(遊技情報)の詳細については後述する。
【0147】
(A)は、遊技場に設置された全遊技機の実績情報を収集するための要求情報である。遊技機には、パチンコ機とスロット機が含まれる。本発明の第1の実施の形態における遊技場には、パチンコ機が300台、スロット機が100台設置されている。さらに、遊技場には精算装置15が一台設置されている。
【0148】
パチンコ機には、11から310までの識別番号が割り当てられている。同じく、スロット機には、311から410までの識別番号が割り当てられている。(A)に示す要求情報は、すべての遊技機の遊技情報に基づいて実績情報を生成するため、宛先に11から410までの識別番号が設定されている。さらに、精算金額などを取得するために、精算装置15の識別番号である411が最後の宛先として設定されている。このとき、巡回リストの先頭の宛先から順に要求情報を送信する。
【0149】
(A)の要求情報における実績情報は、すべてのパチンコ機及びスロット機を巡回して設定される。したがって、遊技媒体及び貸出レートが異なるため、遊技機の種類に依存する遊技情報ではなく、入金合計、売上合計など、共通して収集可能な情報が収集される。
【0150】
例えば、入金合計は、遊技者が各情報収集端末装置3に接続された遊技装置4の記憶媒体受付端末装置6に入金した金額である。売上合計は、遊技媒体(遊技球、メダル)の貸出に使用された金額である。
【0151】
機械割数は、(売上合計−差額)÷売上合計によって算出され、払い出された金額を投入した金額で割った値である。差額は、投入された遊技媒体の金額と、払い出された遊技媒体の金額との差である。景品割数は、景品個数(JCカウント数)÷売上合計によって算出される。景品個数(JCカウント数)は、各台計数機などによって計数された遊技媒体の数(ここでは金額ベースで算出)である。したがって、開店中には、計数されていない遊技媒体が存在するため、機械割の値が景品割の値よりも大きくなるが、閉店時には、機械割と景品割の値は多少の誤差は生じるが、ほぼ同じ値となる。
【0152】
機械粗利は、売上合計−(売上合計×機械割数×原価率)によって算出され、原価率は交換価値÷貸出価値で算出される。同じく、景品粗利は、売上合計−(売上合計×景品割数×原価率)で算出される。
【0153】
(B)は、遊技場に設置された全パチンコ機の実績情報を収集するための要求情報である。パチンコ機の実績情報を収集する場合には、一部の情報を金額ベースではなく、玉数ベースで計算してもよい。なお、貸出レートが1種類の場合には、出玉数などの値をそのまま累積すればよいが、複数種類の貸出レートが存在する場合には、特定の貸出レートに換算してから計算すればよい。
【0154】
また、本発明の第1の実施の形態の遊技場では、再プレイが可能となっている。再プレイとは、遊技場に獲得した遊技媒体(遊技球)を預け入れ、預け入れた遊技媒体を引き出して遊技を行うことである。再プレイを実施する場合には、入金合計と、遊技に使用された遊技媒体とが整合しなくなるため、割数(機械割数、景品割数)や粗利(機械粗利、景品粗利)を補正して算出する必要がある。
【0155】
(C)は、遊技場に設置された全スロット機の実績情報を収集するための要求情報である。スロット機の場合も、パチンコ機の場合と同様に、各情報を収集することができる。
【0156】
図13は、本発明の第1の実施の形態の種類及び貸出レートごとの実績情報を収集するための要求情報の一例を示す図である。図13に示す要求情報によって収集される実績情報は、遊技機の種類及び貸出レートが同じであるため、遊技装置4から収集した遊技情報をそのまま計算することが可能である。
【0157】
(A)は貸出レート4円のパチンコ機、(B)は貸出レート1円のパチンコ機、(C)は貸出レート20円のスロット機、(D)は貸出レート5円のスロットの実績情報を収集するための要求情報の一例である。なお、同一貸出レート、例えば、貸出レート4円のパチンコ機と、貸出レート4円のスロットと貸出レート4円のパロット(遊技球を使用するスロット)がある場合、パロットをパチンコ機やスロットと異なる種類の遊技機としても良い。また、スロットと同じ種類の遊技機としても良い。また、使用する遊技媒体が同じパチンコ球なので、パチンコ機としても良い。
【0158】
図14及び図15は、本発明の第1の実施の形態の遊技機(パチンコ機)の機種ごとの実績情報を収集するための要求情報の一例を示す図である。機種が同一であるため、図13に示す要求情報と同様に、貸出レートが同じであるため、遊技装置4から収集した遊技情報をそのまま計算することが可能である。
【0159】
図14(A)はパチンコ機A(貸出レート4円)、(B)はパチンコ機B(貸出レート4円)、(C)はパチンコ機K(貸出レート4円)の実績情報を収集するための要求情報の一例である。本発明の第1の実施の形態の遊技場には、複数の機種のパチンコ機が設置されており、機種の人気などに応じて設置台数が異なっている。
【0160】
また、図15(A)はパチンコ機Aa(貸出レート1円)、(B)はパチンコ機Bb(貸出レート1円)、(C)はパチンコ機Yy(貸出レート1円)の実績を収集するための要求情報の一例である。
【0161】
図16及び図17は、本発明の第1の実施の形態の遊技機(スロット機)の機種ごとの実績情報を収集するための要求情報の一例を示す図である。
【0162】
図16(A)はスロット機A(貸出レート20円)、(B)はスロット機B(貸出レート20円)、(C)はスロット機C(貸出レート20円))の実績情報を収集するための要求情報の一例である。
【0163】
また、図17(A)はスロット機Aa(貸出レート5円)、(B)はスロット機Bb(貸出レート5円)、(C)はスロット機Kk(貸出レート5円)の実績情報を収集するための要求情報の一例である。
【0164】
図18は、本発明の第1の実施の形態の情報収集端末装置3及び精算装置15のマスターデータを設定するために遊技場管理装置1から送信される設定情報の一例を示す図である。
【0165】
マスターデータは、遊技場管理装置1から遊技場に送信され、遊技場内の各情報収集端末装置3を巡回して対応するマスターデータが配布される。各情報収集端末装置3は、受信したマスターデータのうち、自宛のマスターデータを取得し、取得したマスターデータを基本情報記憶部331に設定する。
【0166】
図19は、本発明の第1の実施の形態の遊技場管理装置1が遊技場内の情報収集端末装置3から実績情報を収集する際のパケットの流れを説明する図である。このとき送信されるパケットには、パチンコ又はスロット全体、機種別の実績情報を収集するための要求情報が設定される。
【0167】
まず、遊技場管理装置1は、情報収集処理が実行されると、要求情報を含むパケットを準備し、当該パケットの使用設定を行う。具体的には、パケットに含まれるトークンの値を“1”に設定する。そして、要求情報の送信元に遊技場管理装置1の識別番号を設定する。その後、遊技場管理本部に設置されたターミナル7にパケットを送信する。
【0168】
ターミナル7は、常駐して実行されているパケット送信処理によって、受信したパケットを処理する。パケット送信処理では、パケットを受信するまで待機しており、遊技場管理装置1から送信されたパケットを受信すると、宛先を確認し、宛先となる装置が設置されている遊技場のターミナル8にパケットを送信(転送)する。なお、パケット送信処理の詳細は、後述するパケット受信処理と合わせてパケット送受信処理として、図23にて後述する。
【0169】
遊技場に設置されているターミナル8には、遊技場管理本部に設置されたターミナル7と同様に、パケットを受信するためのパケット受信処理が常駐して実行されている。ターミナル8は、遊技場管理本部のターミナル7から送信されたパケットを受信すると、パケットに含まれる要求情報の先頭の宛先を確認する。そして、確認した宛先に受信したパケットを送信する。なお、パケット受信処理の詳細は、後述するパケット送信処理と合わせてパケット送受信処理として、図24にて後述する。
【0170】
情報収集端末装置3は、情報編集処理が実行されており、パケットを受信するまで待機している。パケットを受信すると、自宛であるか否かを確認し、自宛であれば、パケットに含まれる実績情報を更新し、受領情報を0から1に設定する。その後、次の送信先に送信する。なお、情報編集処理の詳細については、後述するマスターデータ設定処理とともに図25にて説明する。
【0171】
そして、要求情報に指定された最後の情報収集端末装置3で実績情報が更新されると、送信元に設定された装置にパケットを送信する。図19では、送信元は遊技場管理装置1であるため、パケットは遊技場内のターミナル8、広域ネットワーク10、遊技場管理本部のターミナル7を経由して送信元に届けられる。
【0172】
ターミナル8は、前述したパケット受信処理とともに、パケット送信処理が常駐して実行されており、遊技場管理装置1宛のパケットを受信すると、送信元を確認する。図19では、送信元は遊技場管理装置1であるため、広域ネットワーク10を介して遊技場管理本部のターミナル8にパケットを送信する。なお、パケット送信処理の詳細は、前述したパケット受信処理と合わせてパケット送受信処理として、図24にて後述する。
【0173】
ターミナル7は、前述したパケット送信処理とともに、パケット受信処理が常駐して実行されており、遊技場管理装置1宛のパケットを受信すると、送信元である遊技場管理装置1にパケットを送信する。なお、パケット受信処理の詳細は、前述したパケット送信処理と合わせてパケット送受信処理として、図23にて後述する。
【0174】
遊技場管理装置1は、応答されたパケットを受信して処理する集計情報生成処理を実行する。集計情報生成処理は、遊技場管理装置1で常駐して実行されるようにしてもよい。遊技場管理装置1は、応答されたパケットを受信すると、パケットに格納された実績情報に基づいて、営業情報を更新する。その後、使用したパケットを未使用の状態に設定し、実績情報の収集を終了する。
【0175】
なお、情報収集処理でパケットを生成し、集計情報生成処理において、営業情報を更新した後に受信したパケットを破棄するようにしてもよい。また、複数のパケットを順次送信することが可能となっており、様々な種類の実績情報を受信するために順次パケットを送信するようにしてもよい。
【0176】
次に、精算装置も含めた遊技場全体のデータを集計する場合におけるパケットの流れについて説明する。図20は、本発明の第1の実施の形態の遊技場管理装置1が遊技場内の情報収集端末装置3及び精算装置15から実績情報を収集する際のパケットの流れを説明する図である。このとき送信されるパケットには、精算装置15を含む遊技場全体の実績情報を収集するための要求情報が設定される。
【0177】
基本的には、図19に示したパケットの流れと同様であるが、図20に示すように、遊技場内の情報収集端末装置3の他に精算装置15が巡回先に含まれており、すべての情報収集端末装置3を巡回した後、精算装置15にパケットが送信される。精算装置15では、精算情報編集処理が実行されており、自宛のパケットを受信するまで待機している。そして、自宛のパケットを受信すると、精算情報を更新し、受領情報を設定する。その後、ターミナル8及びターミナル7を介して遊技場管理装置1にパケットを送信する。
【0178】
続いて、遊技場管理装置1から遊技場内の情報収集端末装置3及び精算装置15に情報収集用のマスターデータを配布する手順について説明する。図21は、本発明の第1の実施の形態のマスターデータを配布する際のパケットの流れを説明する図である。
【0179】
マスターデータは、前述のように、遊技情報を特定するためのデータであり、例えば、機種ごとに設定される。また、精算装置15に設定されるデータとしては、例えば図11に示した識別番号等があげられる。遊技場内の遊技機が入れ替えられた場合など、必要に応じてマスターデータは再設定される。なお、マスターデータ設定処理の詳細については、前述した情報編集処理とともに図25にて説明する。
【0180】
マスターデータは実績情報を収集する対象となるすべての装置に保持されており、図20に示した遊技場全体の実績情報を収集する場合と同じように各装置を巡回する。このとき送信されるパケットには、要求情報ではなく、図18に示したマスターデータが含まれる。
【0181】
そして、巡回対象の各装置では、マスターデータ設定処理が実行される。各装置は、マスターデータを含むパケットを受信すると、受信したパケットから各装置に対応するマスターデータを取り込んで基本情報記憶部331を更新する。なお、マスターデータ設定処理は常駐して常に実行されているように構成してもよいし、遊技場管理装置1からの指示を受けた場合に都度実行されるように構成してもよい。
【0182】
以下、本発明の第1の実施の形態における遊技システムにおいて、各装置で実行される処理について説明する。
【0183】
まず、遊技場管理装置1で実行される情報収集処理について説明する。図22は、本発明の第1の実施の形態における遊技場管理装置1で遊技場から実績情報を収集する情報収集処理の手順を示すフローチャートである。
【0184】
情報収集処理は、パケットを初期化し、収集する実績情報を指定する処理と、要求情報に基づいて遊技場で収集された実績情報を受信し、営業情報記憶領域に記憶する集計情報生成処理と、を含む。本処理は、遊技場管理装置1のCPU101によって実行される。
【0185】
遊技場管理装置1は、まず、パケットを受信したか否かを判定する(S2201)。パケットを受信していない場合には(S2201の結果が「No」)、本処理を終了する。
【0186】
一方、遊技場管理装置1は、パケットを受信した場合には(S2201の結果が「Yes」)、受信したパケットのアドレス領域に記憶されている送信元情報を取得する(S2202)。さらに、パケットの送信元が遊技場管理装置1であるかを確認し(S2203)、パケットの送信元が遊技場管理装置1であるか否かを判定する(S2204)。
【0187】
遊技場管理装置1は、遊技場管理装置1でない場合には(S2204の結果が「No」)、ネットワーク通信ポート105から遊技場管理本部内の他の装置に受信したパケットを送信するために準備する(S2210)。
【0188】
一方、遊技場管理装置1は、パケットの送信元が遊技場管理装置1である場合には(S2204の結果が「Yes」)、パケットのデータ領域に記憶されている実績情報を取得する(S2205)。実績情報には、図12から図17に示したパケットの入金合計や売上合計などのデータである。
【0189】
続いて、遊技場管理装置1は、取得した実績情報に基づいて、遊技場管理装置1のHDD106に格納された営業情報記憶領域を更新する(S2206)。なお、営業情報記憶領域をRAM102に確保し、定期的にHDD106に書き込むようにしてもよい。
【0190】
さらに、遊技場管理装置1は、新たに実績情報を収集するために、受信したパケットのデータ領域をクリアする(S2207)。例えば、入金合計の値を0に設定する。次に、パケットのアドレス領域のパケット使用情報及びパケット受領情報をクリアし(S2208)、パケットを初期化する。
【0191】
その後、遊技場管理装置1は、新たに実績情報を遊技場から収集するために、パケットのアドレス領域にパケット使用情報及び送信元情報を設定する(S2209)。そして、再設定されたパケットを再び遊技場に送信するために、ネットワーク通信ポート105に当該パケットの送信準備を行う(S2210)。
【0192】
なお、S2209の処理において、再設定されるパケットのアドレス領域は、受信したパケットと同じ実績情報を取得するように設定してもよいし、別の実績情報を取得するように設定してもよい。また、遊技場管理装置1で要求情報を順次送信することによって、複数種類の実績情報を並行して収集するように構成してもよいし、収集する実績情報の種類を順次変更しながら要求情報を送信するようにしてもよい。
【0193】
また、情報収集処理は、遊技場からパケットが送信されてから実行するように定義されており、最初に実績情報を収集する場合には、管理者が手動で実績情報の収集を指示するようにしたり、営業開始時間に合わせて実績情報を収集したりするパケットを送信する処理を実行するようにしてもよい。
【0194】
なお、情報収集処理では、実績情報の収集が完了したパケットをクリアして再度送信しているため、定期的に実績情報を収集する場合に適しているが、管理者が手動で実績情報の収集を指示し、パケットを再送せずに終了させることによって、単独で実績情報を収集できるように構成してもよい。この場合には、再送するか否かを指定する情報をパケットに設定できるようにすればよい。
【0195】
次に、遊技場管理本部のターミナル7で実行されるパケット送受信処理について説明する。図23は、本発明の第1の実施の形態の遊技場管理本部に設置されたターミナル7におけるパケット送受信処理の手順を示すフローチャートである。パケット送受信処理には、遊技場管理本部から広域ネットワーク10を介して遊技場にパケットを送信するパケット送信処理と、遊技場から送信されたパケットを受信し、遊技場管理本部内部のネットワークに受け入れるパケット受信処理とが含まれる。本処理は、ターミナル7のCPU701によって実行される。
【0196】
ターミナル7は、まず、パケットを受信したか否かを判定する(S2301)。パケットを受信していない場合には(S2301の結果が「No」)、本処理を終了する。
【0197】
ターミナル7は、パケットを受信した場合には(S2301の結果が「Yes」)、パケットのアドレス領域に記憶される受領情報を取得する(S2302)。さらに、取得した受領情報が設定済みであるかを確認する(S2303)。
【0198】
ターミナル7は、取得した受領情報が設定済みであるか否かを判定する(S2304)。取得した受領情報が設定済みでない場合には(S2304の結果が「No」)、遊技場で実績情報が設定される前のデータであるため、パケットのアドレス領域に記憶されている宛先情報を取得する(S2305)。そして、取得した宛先情報に基づいて、外部ネットワーク通信ポート708に受信したパケットを送信する準備を行う(S2306)。
【0199】
一方、ターミナル7は、取得した受領情報が設定済みの場合には(S2304の結果が「Yes」)、遊技場で既に実績情報が設定されたデータであるため、パケットのアドレス領域に記憶されている送信元情報を取得する(S2307)。そして、受信したパケットを遊技場管理本部内の装置(遊技場管理装置1)に送信するために、ネットワーク通信ポート706に当該パケットの送信準備を行う(S2308)。
【0200】
以上のように、パケットに含まれる受領情報が設定されているか否かによって、遊技場から受信したパケットか、遊技場に送信するパケットかを判断することができる。遊技場のターミナル8で実行されるパケット送受信処理について同様に処理している。
【0201】
図24は、本発明の第1の実施の形態の遊技場に設置されたターミナル8におけるパケット送受信処理の手順を示すフローチャートである。遊技場側のパケット送受信処理には、遊技場管理本部から送信されて広域ネットワーク10からのパケットを受信するパケット受信処理と、遊技場から遊技場管理本部に収集された実績情報を送信するためのパケット送信処理とが含まれる。本処理は、ターミナル8のCPU801によって実行される。
【0202】
本処理において、S2401からS2404までの処理は、図23に示した遊技場管理本部のターミナル7におけるS2301からS2304までの処理と同じであるため、説明を省略する。
【0203】
ターミナル8は、取得した受領情報が設定済みでない場合には(S2404の結果が「No」)、遊技場で実績情報が設定される前のデータであるため、パケットのアドレス領域に記憶されている宛先情報を取得する(S2405)。そして、取得した宛先情報に基づいて、遊技場内部の情報収集端末装置3などの装置にパケットを送信するために、ネットワーク通信ポート806に受信したパケットを送信する準備を行う(S2406)。
【0204】
一方、ターミナル7は、取得した受領情報が設定済みの場合には(S2404の結果が「Yes」)、既に実績情報が設定されたデータであるため、送信元にパケットを送信するために、パケットのアドレス領域に記憶されている送信元情報を取得する(S2407)。そして、受信したパケットを遊技場管理本部内の装置(遊技場管理装置1)に送信するために、外部ネットワーク通信ポート808に受信したパケットを送信する準備を行う(S2408)。
【0205】
次に、遊技場において、遊技装置4に接続された情報収集端末装置3がパケットを受信した場合に実行される処理について説明する。図25は、本発明の第1の実施の形態の遊技場に設置された情報収集端末装置3における情報編集処理の手順を示すフローチャートである。
【0206】
情報編集処理には、受信したパケットに実績情報を設定及び送信する処理と、受信したパケットに含まれる自宛のマスターデータを情報収集端末装置3に反映させる処理とが含まれる。本処理は、情報収集端末装置3のアプリケーションCPU303によって実行される。
【0207】
情報収集端末装置3は、まず、要求情報を含むパケットを受信したか否かを判定する(S2501)。要求情報を含むパケットを受信していない場合には(S2501の結果が「No」)、本処理を終了する。
【0208】
情報収集端末装置3は、要求情報を含むパケットを受信した場合には(S2501の結果が「Yes」)、パケットのアドレス領域に記憶される宛先情報を取得する(S2502)。さらに、取得した宛先情報から受信したパケットが自宛であるかを確認し(S2503)、受信したパケットが自宛であるか否かを判定する(S2504)。そして、受信したパケットが自宛でない場合には(S2504の結果が「No」)、パケットの宛先となる装置に当該パケットを送信するために、ネットワーク通信ポート308に当該パケットの送信準備を行う(S2511)。
【0209】
一方、情報収集端末装置3は、受信したパケットが自宛である場合には(S2504の結果が「Yes」)、受信したパケットのデータ領域に記憶されている情報がマスターデータであるかを確認する(S2505)。
【0210】
情報収集端末装置3は、受信したパケットにマスターデータが設定されている場合には(S2506の結果が「Yes」)、受信したパケットから自宛のマスターデータを取得し、基本情報記憶部331に取得したマスターデータを設定する(S2509)。
【0211】
一方、情報収集端末装置3は、受信したパケットにマスターデータが設定されていない場合には(S2506の結果が「No」)、受信したパケットに記憶されている実績情報を取得する(S2507)。さらに、遊技情報保持部332に記憶されている遊技情報及び受信したパケットから取得した実績情報に基づいて、自身の実績情報を反映させた実績情報を生成し、パケットの実績情報に設定する(S2508)。このとき、売上金額などの場合には対応する実績値を加算し、出玉率などの場合には自身の実績情報を累積値に反映させてから再計算する。
【0212】
情報収集端末装置3は、S2508の処理又はS2509の処理が終了すると、受信したパケットの自宛の宛先情報に対応する受領情報に受領済みであることを示す値を設定する(S2510)。最後に、次の宛先にパケットを送信するために、ネットワーク通信ポート308にパケットの送信準備を行い(S2511)、本処理を終了する。
【0213】
次に、遊技場において、精算装置15がパケットを受信した場合に実行される処理について説明する。図26は、本発明の第1の実施の形態の遊技場に設置された精算装置15における精算情報編集処理の手順を示すフローチャートである。精算情報編集処理には、情報収集端末装置3における情報編集処理と同様に、受信したパケットに精算情報を設定して送信する処理と、受信したパケットに含まれる自宛のマスターデータを精算装置15に反映させる処理とが含まれる。本処理は、精算装置15のCPU1501によって実行される。
【0214】
精算装置15は、まず、要求情報を含むパケットを受信したか否かを判定する(S2601)。要求情報を含むパケットを受信していない場合には(S2601の結果が「No」)、本処理を終了する。
【0215】
精算装置15は、要求情報を含むパケットを受信した場合には(S2601の結果が「Yes」)、パケットのアドレス領域に記憶される宛先情報を取得する(S2602)。さらに、取得した宛先情報から受信したパケットが自宛であるかを確認する(S2603)。
【0216】
精算装置15は、受信したパケットが自宛であるか否かを判定する(S2604)。受信したパケットが自宛でない場合には(S2604の結果が「No」)、パケットの宛先に送信するために、ネットワーク通信ポート308に当該パケットの送信準備を行う(S2611)。
【0217】
一方、精算装置15は、受信したパケットが自宛である場合には(S2604の結果が「Yes」)、受信したパケットのデータ領域に記憶されている情報がマスターデータであるかを確認する(S2605)。
【0218】
精算装置15は、受信したパケットにマスターデータが設定されている場合には(S2606の結果が「Yes」)、受信したパケットから自宛のマスターデータを取得し、基本情報記憶部に取得したマスターデータを設定する(S2609)。
【0219】
一方、精算装置15は、受信したパケットにマスターデータが設定されていない場合には(S2606の結果が「No」)、受信したパケットに記憶されている実績情報を取得する(S2607)。さらに、精算情報保持部に記憶されている精算情報及びパケットから取得した実績情報に基づいて、精算情報を反映させた実績情報を生成し、パケットの実績情報に設定する(S2608)。
【0220】
精算装置15は、S2608の処理又はS2609の処理が終了すると、受信したパケットの自宛の宛先情報に対応する受領情報に受領済みであることを示す値を設定する(S2610)。最後に、次の宛先にパケットを送信するために、ネットワーク通信ポート308にパケットの送信準備を行い(S2611)、本処理を終了する。
【0221】
以上が、本発明の第1の実施の形態の各装置における処理である。最後に、図27及び図28を参照しながら、遊技場管理装置1から送信されたパケットが各装置を巡回し、更新される手順について具体的に説明する。
【0222】
図27及び図28は、本発明の第1の実施の形態において遊技場管理装置1から送信され、遊技場の各装置を巡回して実績情報を収集するパケットの格納内容の変化を説明する図である。図27は実績情報を最初に収集する場合を示しており、図28は次の周回で実績情報を収集する場合を示している。
【0223】
まず、図27及び図28に記載されている内容について説明すると、上段は各装置の実績情報を示しており、下段は実際に送信される要求情報を含むパケットとなっている。なお、網掛けの部分が巡回時に更新されている又は更新するデータに対応する。
【0224】
各装置の実績情報は、各装置において、電源投入時から累積して記録される。実績情報は定期的に収集され、実績情報を収集するパケットは、遊技場管理装置1から定期的に送信されるように構成されている。
【0225】
そのため、遊技場管理装置1から実績情報がクリアされた状態のパケットが送信されると、各装置の累積された実績情報がパケットのデータ領域に反映される。したがって、指定したすべての装置で実績情報が収集された後、遊技場管理装置1に返送されたパケットには、開店からの実績情報の累積値が格納されている。以下、具体的に、パケットの内容の遷移について説明する。
【0226】
まず、図27は最初にパケットが送信される場合を示しているため、遊技場管理装置1のデータ領域にはデータが設定されていない状態となっている。下段の左は、送信直前のパケットである。パケットを送信する直前に、パケットが巡回状態であることを示すトークンの値を“1”に設定し、さらに、送信元に遊技場管理装置1であることを示す“0”を設定する。
【0227】
また、図27に示す例では、情報収集端末装置A(宛先:11)、情報収集端末装置B(宛先:12)、情報収集端末装置m(宛先:n)を巡回するように宛先が設定されている。なお、この段階では、実績情報を格納するデータ領域には値が設定されていない。
【0228】
続いて、遊技場管理装置1からパケットが送信され、情報収集端末装置Aが受信してパケットに実績情報を格納する場合について説明する。上段の左から2列目には情報収集端末装置Aの実績情報が示されている。このとき、パケットのデータ領域にはデータが格納されていないため、要求された実績情報をデータ領域の対応する領域に格納する。実績情報の格納が終了すると、パケットを受領済みであることを示す領域に“1”を設定する。
【0229】
次に、情報収集端末装置Aから送信されたパケットを情報収集端末装置Bが受信した場合について説明する。受信したパケットには、情報収集端末装置Aの実績情報が設定済みの状態となっている。
【0230】
情報収集端末装置Bは、情報収集端末装置Aから送信されたパケットを受信すると、累計値となる入金金額などは、パケットのデータ領域に格納されている値に情報収集端末装置Bの遊技情報保持部332に格納された値を加算して格納する。具体的には、パケットを受信した時点で入金金額は5000円となっており、情報収集端末装置Bでは入金金額が10000円となっているため、15000円がパケットに書き込まれる。
【0231】
一方、機械割数など再計算の必要な情報については、パケットに格納されたデータと、情報収集端末装置に格納されたデータとによって再計算する。具体的には、機械割数は、(売上玉数−差玉数)÷売上玉数で算出される。貸出レートを1玉4円として売上金額(5500(=3500+2000))から売上玉数を算出すると、1375玉となる。さらに差玉数は487(=37+450)であるため、機械割数は(1375−487)÷1375=64.6%となる。同様に景品割数や粗利(機械、景品)を算出し、パケットに格納する。
【0232】
情報収集端末装置mにおいても、同様に、実績情報を算出して、パケットに書き込む。その後、遊技場管理装置1にパケットを送信する。遊技場管理装置1は、実績情報が書き込まれたパケットを受信すると、データ領域に格納された実績情報を遊技場管理装置1のHDD106の所定の領域に書き込む(図27上段右)。そして、受信したパケットを初期化する。具体的には、トークンの値を“0”に設定し、さらに、各宛先の受領を“0”に設定する。
【0233】
続いて、図28について説明する。図28に示す状態では、既に遊技場管理装置1には実績情報が格納された状態となっている。
【0234】
遊技場管理装置1から再び情報収集端末装置Aにパケットが送信されると、図27にて説明した場合と同様に、遊技情報保持部332に格納された実績情報をパケットに格納する。このとき、図27に示した状態よりも時間が経過しているため、売上合計などの値が更新されている。その後、他の情報収集端末装置などにパケットが送信され、各装置でパケットに実績情報が格納される。
【0235】
そして、遊技場管理装置1が実績情報を格納したパケットを受信すると、遊技場管理装置1のHDD106の所定の領域に実績情報が格納される。このとき、格納済みの実績情報を上書きするようにしてもよいが、履歴情報として別途保持するようにしてもよい。
【0236】
以上のように、遊技場管理装置1から定期的にパケットを送信することによって、実績情報を収集及び格納することが可能となる。また、所定の時間ごとにデータを保持することによって、時間単位の実績情報を収集したり、実績情報の履歴を作成したりすることができる。このような情報を保持することによって、不正行為や機器の障害などを迅速に発見することが可能となる。
【0237】
なお、図27及び図28に示した手順において、各情報収集端末装置で実績情報の累積値をパケットに書き込んでいたが、遊技場管理装置1に送信されていない実績情報のみ、すなわち、差分情報のみをパケットに書き込むようにしてもよい。遊技場管理装置1は、受信したパケットに格納された実績情報と、HDD106に格納された実績情報に基づいて、最新の実績情報を算出することが可能となる。
【0238】
また、実績情報に差分情報のみを反映させる場合には、遊技場管理装置1から送信されるパケットに初期値として累積された実績情報を格納することによって、遊技場管理装置1における実績情報の算出を省略することが可能となる。
【0239】
以上のように、本発明の第1の実施の形態によれば、遊技場管理装置を遊技場外部に設置することによって、実績情報を集中して管理することができる。そして、遊技場管理装置を遊技場管理本部に設置すればよく、各遊技場に遊技場管理装置を設置する必要がなくなるため、メンテナンス作業時やトラブル対応時に遊技場ごとに対応する必要がなく、作業負荷を軽減することができる。
【0240】
(第1の実施の形態の第1変形例)
本発明の第1の実施の形態では、遊技場管理装置1からパケットが送信され、当該パケットが遊技場を巡回して実績情報を収集していたが、第1の実施の形態の第1変形例では、遊技場内でパケットが常時巡回して実績情報を収集する。そして、遊技場管理装置1から実績情報の取得要求が送信されると、巡回しているパケットを処理している装置から遊技場管理装置1に応答するように構成している。このように構成することによって、遊技場管理装置1は、リアルタイムに実績情報を収集することが可能となる。
【0241】
図29は、本発明の第1の実施の形態の第1変形例の遊技場に設置された各装置の実績情報を取得する経路を説明する図である。
【0242】
前述のように、本発明の第1の実施の形態の第1変形例では、実績情報を収集するパケットが常時巡回している。遊技場管理装置1が情報を収集する場合には、ブロードキャスト通信によってパケットが巡回する装置に要求指示を送信し、要求指示を受信した装置がパケットを遊技場管理装置1に送信する。
【0243】
このとき、要求指示を受信した装置は、要求指示を含むパケットのデータ領域に、巡回しているパケットに含まれる実績情報をコピーして送信する。巡回しているパケットそのものの複製を遊技場管理装置1に送信するようにしてもよい。
【0244】
さらに、図30を参照しながら、パケットの送信経路について説明する。図30は、本発明の第1の実施の形態の遊技場管理装置1が要求指示を含むブロードキャスト通信によって送信し、情報収集端末装置3から収集された実績情報が遊技場管理装置1に応答されるまでのパケットの流れを説明する図である。
【0245】
前述のように、遊技場管理装置1から実績情報(リアルタイム情報)を取得するパケットが送信されると、遊技場管理本部のターミナル7から広域ネットワーク10を介して遊技場のターミナル8にパケットが送信される。このとき、ターミナル8でリアルタイム情報を要求しているか否かを判定し、リアルタイム情報を要求している場合には、ブロードキャストアドレスを指定してパケットを送信する。なお、遊技場管理装置1がブロードキャストアドレスを指定したパケットを送信するようにしてもよい。
【0246】
遊技場のターミナル8は、要求情報を含むパケットを受信すると、遊技場内の各装置に受信したパケットを一斉に送信する。パケットを受信した各装置は、自身が巡回中のパケットを保持している場合には、自身の遊技情報に基づいて実績情報を更新してからパケットをターミナル8に応答する。ターミナル8は、応答されたパケットを遊技場管理本部のターミナル7に送信する。
【0247】
続いて、実績情報の取得要求を受信した各情報収集端末装置によって実行される処理について説明する。図31は、本発明の第1の実施の形態の第1変形例のパケット確認処理の手順を示すフローチャートである。パケット確認処理は、情報収集端末装置3及び精算装置15で実行され、各装置のCPUによって実行される。なお、以下のフローチャートでは、情報収集端末装置3における処理について説明する。
【0248】
情報収集端末装置3は、まず、リアルタイム情報の要求情報(取得要求)を受信したか否かを判定する(S3101)。受信していない場合には(S3101の結果が「No」)、本処理を終了する。
【0249】
一方、情報収集端末装置3は、リアルタイム情報の要求情報を受信した場合には(S3101の結果が「Yes」)、自身が要求された実績情報を含むパケットを保持しているかを確認し(S3102)、保持している否かを判定する(S3103)。要求された実績情報を含むパケットを保持していない場合には(S3103の結果が「No」)、本処理を終了する。
【0250】
一方、情報収集端末装置3は、要求された実績情報を含むパケットを保持している場合には(S3103の結果が「Yes」)、パケットのデータ領域に記憶される実績情報を取得する(S3104)。そして、取得した実績情報に自身の遊技情報が反映されているかを確認し(S3105)、取得した実績情報に自身の遊技情報が反映されているか否かを判定する(S3106)。
【0251】
情報収集端末装置3は、取得した実績情報に自身の遊技情報が反映されていない場合には(S3106の結果が「No」)、取得した実績情報を編集し、自身の遊技情報を反映させる(S3107)。
【0252】
情報収集端末装置3は、自身の遊技情報が反映された実績情報を送信用実績情報として取得し(S3108)、ネットワーク通信ポート308に送信用実績情報を含むパケットを送信する準備を行う(S3109)。
【0253】
以上のように構成することによって、受信した装置が直ちに実績情報を応答するため、第1の実施の形態のように、収集対象の装置から実績情報を改めて収集してから応答するよりも迅速に必要な情報を収集することができる。例えば、機種別の実績情報を収集する場合に有効である。
【0254】
なお、実績情報を収集するすべてのパターンについて、パケットを常時巡回させると、ネットワークのトラフィックが高くなるため、リアルタイムに情報を収集する必要のある実績情報に対して本変形例を適用するとよい。所定の時間間隔で収集する実績情報は第1の実施の形態のように、遊技場管理装置1からの要求でパケットを巡回させるように構成し、本変形例による収集方法と併用するとよい。
【0255】
以上のように、巡回して実績情報を収集するパケットと、ブロードキャスト通信で直接実績情報を収集するパケットを併用することによって、定期的に実績情報を収集しながら必要な実績情報を必要なタイミングで収集することが可能となる。
【0256】
さらに、常時巡回して実績情報を収集するパケットには、反映されていない遊技情報、すなわち、新たに更新された遊技情報の差分情報をパケットに格納された実績情報に反映させるようにしてもよい。遊技場管理装置1から送信されたパケットに実績情報を格納する場合には、データ領域がクリアされた状態で遊技場に到達するため、累積情報を用いた実績情報の更新が適している。
【0257】
一方、パケットが常時巡回する場合に、累積情報で実績情報を生成すると、新たな周回のたびにパケットのデータ領域をクリアする必要がある。そこで、実績情報の更新後、次の更新タイミングまでの間に更新された遊技情報、すなわち、差分情報に基づいて実績情報を更新することによって、パケットのデータ領域をクリアする処理を追加する必要がなくなる。
【0258】
さらに、差分情報に基づく実績情報と、累積情報に基づく実績情報を比較することによって、データの整合性を確保することができる。
【0259】
(第1の実施の形態の第2変形例)
また、本発明の第1の実施の形態では、複数の情報収集端末装置3で収集された遊技情報に基づいて集計された実績情報を収集する。これに対し、第1の実施の形態の第2変形例として、個別の情報収集端末装置3の実績情報を収集する構成について説明する。
【0260】
個別の情報収集端末装置3の実績情報を収集するためには、遊技場管理装置1が、情報収集端末装置3にネットワークを介して実績情報を直接要求すればよい。また、複数の情報収集端末装置3の実績情報を個別に取得する場合には、図32に示すように、必要に応じてブロードキャスト通信で要求指示を含むパケットを送信し、要求された情報収集端末装置3が受信したパケットに実績情報をセットして応答するように構成してもよい。
【0261】
以上のように、本発明の第1の実施の形態の第2変形例によれば、リアルタイムに特定の遊技機の実績情報を取得することが可能となる。例えば、特定の機種の実績情報を確認したい場合などに利用できる。
【0262】
さらに、巡回して実績情報を収集するパケットと、ブロードキャスト通信で直接実績情報を収集するパケットを併用することによって、定期的に実績情報を収集しながら特定の遊技機の実績情報を必要なタイミングで取得することが可能となる。
【0263】
(第1の実施の形態の第3変形例)
また、本発明の第1の実施の形態では、遊技場のターミナル8から直接情報収集端末装置3にパケットが送受信されていたが、第1の実施の形態の第3変形例では、ターミナル8と情報収集端末装置3との間に中継端末装置13を設置する。
【0264】
図33は、本発明の第1の実施の形態の第3変形例の遊技システムのシステム構成図である。
【0265】
中継端末装置13は、遊技場に設置され、ターミナル8と情報収集端末装置3との間を送受信されるパケットを中継し、パケットの送受信を制御する。また、少なくとも中継したパケットが遊技場管理装置1に応答されるまで当該パケットの複製を保持し、コリジョンなどによってパケットが消失した場合に再送する。
【0266】
また、中継端末装置13は、少なくとも1台設置されていればよいが、情報収集端末装置3と同数設置されていてもよい。その他の構成については、第1の実施の形態と同じである。なお、中継端末装置13の構成については、図34を参照しながら説明する。
【0267】
図34は、本発明の第1の実施の形態の第3変形例の中継端末装置13の構成を示すブロック図である。
【0268】
中継端末装置13は、3個のCPU1101〜1103を内蔵した1チップタイプのプロセッサを備える。このプロセッサは、メディアアクセスコントロールCPU(MACCPU)1101、ネットワークCPU1102及びアプリケーションCPU1103の三つのCPUを内蔵している。また、これらのCPU1101〜1103が接続されているアドレス及びデータのためのコモンバス1104には、各CPUに共通して使用されるメモリとして、RAM1105、EEPROM1106及びROM1107がコモンバス1104を介して接続されている。
【0269】
RAM1105には、アプリケーションCPU1103によって実行されるプログラムが格納される記憶領域、プログラムの実行に必要なデータが一時的に記憶される作業領域、及び送受信されるパケットの内容を一時的に記憶する記憶領域が設けられる。なお、大量のパケットを保持する必要がある場合には、記憶装置を別途用意してもよい。
【0270】
EEPROM1106は、不揮発性のメモリであって、プログラムによって書き換え可能な領域が設けられている。EEPROM1106は、接続される情報収集端末装置3や精算装置15の識別情報、ネットワーク構成、及びネットワーク通信アドレスの指定情報等の情報や停電等でも保持する必要のあるデータ等を記憶する。
【0271】
EEPROM1106には、このプログラムによって書き換え可能なEEPROM1106の領域及びROM1107には、遊技情報の収集に用いられるプログラムが格納されている。
【0272】
中継端末装置13は、さらに、ネットワーク通信ポート1108及びI/Oポート1109を備える。ネットワーク通信ポート1108及びI/Oポート1109は、コモンバス1104を介して、CPU等の構成に接続されている。
【0273】
ネットワーク通信ポート1108は、遊技場内のネットワークに接続される通信インターフェースであり、遊技場内に設置された情報収集端末装置3やターミナル8、精算装置15に接続される。
【0274】
I/Oポート1109は、パラレル信号又はシリアル信号が入出力されるインターフェースであり、中継端末装置13による制御を実行するために必要な情報の入力や出力のために入力装置1110及び出力装置1111が接続されている。
【0275】
続いて、本発明の第1の実施の形態の第3変形例において、パケットが転送される経路について説明する。図35は、本発明の第1の実施の形態の第3変形例の遊技場に設置された各装置の実績情報を巡回して取得する経路を説明する図である。なお、図35では、中継端末装置13が1台のみ設置されている構成の例を示している。
【0276】
図35に示すように遊技場管理装置1から送信されたパケットは、遊技場のターミナル8から、まず、中継端末装置13に送信される。そして、中継端末装置13からパケットに含まれる経路情報にしたがって各装置に送信される。受信したパケットに実績情報を設定すると、各装置は中継端末装置13にパケットを送信する。
【0277】
中継端末装置13は、実績情報が設定されたパケットを受信すると、パケットに格納された実績情報をバックアップ(格納)する。具体的なバックアップ手順については、図36及び図37を参照しながら説明する。
【0278】
中継端末装置13は、各装置から実績情報が設定されたパケットを受信すると、指定された順序で他の装置にパケットを送信する。すべての装置でパケットに実績情報を設定すると、ターミナル8を介して遊技場管理装置1にパケットを送信する。
【0279】
図36は、本発明の第1の実施の形態の第3変形例の遊技場管理装置1から送信された要求情報を含むパケットが中継端末装置13から情報収集端末装置3に送受信される処理を説明する図である。
【0280】
中継端末装置13は、遊技場管理装置1から送信されたパケットを、ターミナル8を介して受信すると、まず、受信したパケットの情報を記憶(バックアップ)する。パケットの内容を記憶(バックアップ)する手順については、図37にて後述する。そして、パケットに含まれる経路情報に基づいて、情報収集端末装置3に受信したパケットを送信する。
【0281】
その後、中継端末装置13は、情報収集端末装置3又は精算装置15から実績情報が設定されたパケットを受信するたびにパケットの内容を記憶する。そして、巡回対象のすべての装置からパケットを受信すると、遊技場管理装置1にパケットを送信する。
【0282】
図37は、本発明の第1の実施の形態の第3変形例の中継端末装置13においてパケットの内容をバックアップする手順を示すフローチャートである。本処理は、中継端末装置13のアプリケーションCPU1103によって実行される。
【0283】
中継端末装置13は、まず、要求情報を含むパケットを受信したか否かを判定し(S3701)、要求情報を含むパケットを受信していない場合には(S3701の結果が「No」)、本処理を終了する。
【0284】
一方、中継端末装置13は、要求情報を含むパケットを受信した場合には(S3701の結果が「Yes」)、受信したパケットのアドレス領域及びデータ領域に記憶されている情報を取得する(S3702)。さらに、取得した情報をRAM1105にバックアップする(S3003)。なお、中継端末装置13に別途不揮発性記憶装置を接続して取得した情報を記憶するようにしてもよい。不揮発性記憶装置にパケットのバックアップを記憶することによって、停電時などに遊技場管理装置1から要求情報を再送させることなく、迅速に実績情報の収集を再開させることが可能となる。
【0285】
中継端末装置13は、パケットのバックアップが完了すると、宛先情報に基づいて次の送信先となる装置にパケットを送信するために、ネットワーク通信ポート1108にパケットの送信準備を行う(S3704)。
【0286】
以上のように、中継端末装置13でパケットをバックアップすることによって、パケットが消失した場合であっても、中継端末装置13から最新のバックアップ情報に基づいて迅速に実績情報の収集を再開することが可能となる。なお、遊技場管理装置1にパケットを送信した後にはバックアップを消去して使用する記憶容量を抑えるようにしてもよい。
【0287】
(第2の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態では、主として単一の遊技場内における実績情報の収集について説明していたが、第2の実施の形態では、複数の遊技場で実績情報を収集する場合について説明する。なお、各遊技場内における実績情報の収集については、第1の実施の形態と同様に行われる。
【0288】
図38は、本発明の第2の実施の形態の遊技システムのシステム構成図である。第1の実施の形態との相違点は、遊技場管理本部が複数の遊技場と通信可能であることが明示されている点だけである。また、遊技場内の機器構成については、第1の実施の形態と同じである。
【0289】
図39は、本発明の第2の実施の形態の各遊技場に設置された各装置の実績情報を遊技場ごとに巡回して収集する経路を説明する図である。
【0290】
図39に示す経路では、実績情報を1ヶ所の遊技場から収集するたびに遊技場管理本部に応答する。具体的には、遊技場Aで実績情報を収集すると、遊技場管理本部に実績情報を格納したパケットを送信し、遊技場管理装置1がデータベース106aの所定の領域に実績情報を格納する。
【0291】
次に、遊技場Bに要求情報を含むパケットを送信し、同様に実績情報を収集し、データベース106aに格納する。最後に、遊技場Cに要求情報を含むパケットを送信し、同様に実績情報を収集し、データベース106aに格納する。前述のように、各遊技場における実績情報の収集手順については、第1の実施の形態にて説明した手順と同じである。
【0292】
一方、複数の遊技場がチェーン店である場合など、遊技場をまたがって実績情報を収集する場合も想定される。図40は、本発明の第2の実施の形態の各遊技場に設置された各装置の実績情報をすべて巡回して収集する経路を説明する図である。
【0293】
図40に示すように、遊技場Aで実績情報の収集が完了すると、遊技場管理装置1ではなく、遊技場Bのターミナルにパケットを送信する。そして、遊技場Bで実績情報の収集が完了すると、遊技場Cのターミナルにパケットを送信する。最後に、遊技場Cで実績情報の収集が完了すると、すべての遊技場の実績情報が格納されたパケットを遊技場管理本部の遊技場管理装置1に送信する。その後、遊技場管理装置1が、遊技場ごとにデータベース106aの所定の領域に実績情報を格納する。
【0294】
なお、図40に示す場合において、パケットにはすべての遊技場の実績情報が集計された情報を格納するようにしてもよいが、遊技場ごとのデータ領域を含むように構成し、図39に示した場合と同様に、遊技場ごとの実績情報を収集するようにしてもよい。また、図39に示す場合であっても、遊技場管理装置1で受信したパケットをクリアせずに、次の遊技場に送信することによって、全遊技場の実績情報を収集することが可能となる。
【0295】
また、図39に示したパケットの巡回経路と、図40に示したパケットの巡回経路とを収集する実績情報の種類に応じて選択するようにしてもよい。
【0296】
以上のように、本発明の第2の実施の形態によれば、新規に遊技場を開店する場合であっても、パケットの送信先を新たに追加することによって、遊技場管理装置1を設置せずに実績情報の収集及び管理が可能となり、設備導入にともなう初期費用を抑制することができる。
【0297】
以上のように、本発明の第2の実施の形態によれば、複数の遊技場の実績情報を収集することが可能となり、収集するデータの用途に応じて実績情報の収集する形態を選択することができる。
【0298】
また、遊技場管理本部に遊技場管理装置1を設置するのではなく、いずれかの遊技場内に遊技場管理装置1を設置するようにしてもよい。特に、管理対象の各遊技場が同一グループの場合などに有効である。
【0299】
なお、今回開示した実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではない。また、本発明の範囲は前述した発明の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0300】
1 遊技場管理装置
1a データベース
2 会員管理装置
3 情報収集端末装置
4 遊技装置
5 遊技機
6 記憶媒体受付端末装置(台間サンド、遊技用装置)
7 ターミナル(遊技場管理本部側)
8 ターミナル(遊技場側)
10 広域ネットワーク
13 中継端末装置
15 精算装置(残額精算機)
68 各台計数器
320 遊技情報処理部
321 要求解析部
322 情報編集部
323 実績情報出力部
330 情報記憶部(情報記憶手段)
331 基本情報記憶部(マスターデータ記憶部)
332 遊技情報保持部(稼働情報保持部)
340 遊技情報収集部
341 遊技情報受付部
342 遊技情報出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技場に設置される複数の遊技装置と、前記遊技装置が稼働することによって生成される遊技情報を収集する複数の情報収集端末装置と、前記情報収集端末装置によって収集された遊技情報を集計した実績情報を管理可能な遊技場管理装置と、を有する遊技システムにおいて、
前記遊技場管理装置は、前記遊技場の外部に設置され、
前記情報収集端末装置及び前記遊技場管理装置は、ネットワークを介して接続され、
前記情報収集端末装置は、
少なくとも管理対象の遊技装置から収集した遊技情報を記憶する情報記憶手段と、
前記情報記憶手段に記憶された遊技情報に基づいて、前記実績情報を編集する実績情報編集手段と、
前記実績情報編集手段によって編集された前記実績情報を、前記遊技場管理装置又は他の情報収集端末装置に出力する実績情報出力手段と、
を備えることを特徴とする遊技システム。
【請求項2】
前記遊技場管理装置は、前記実績情報の収集を指示する収集指示を前記情報収集端末装置に送信し、
前記実績情報の収集指示には、前記実績情報編集手段によって前記実績情報を編集する前記情報収集端末装置の順序が定義され、
前記実績情報出力手段は、
前記順序に基づいて、前記実績情報を次に編集する情報収集端末装置を特定し、
前記実績情報を次に編集する情報収集端末装置が存在しない場合には、前記遊技場管理装置に当該実績情報を出力することを特徴とする請求項1に記載の遊技システム。
【請求項3】
前記遊技場に設置され、前記遊技場管理装置及び前記情報収集端末装置と前記ネットワークを介して接続されるターミナル装置を備え、
前記実績情報は、当該実績情報の収集指示に基づいて、当該実績情報を編集するすべての情報収集端末装置に順次送信され、
前記ターミナル装置は、前記遊技場管理装置から前記実績情報の取得指示を受信すると、当該実績情報を保持しているか否かを確認する受信確認をブロードキャストによって情報収集端末装置に送信する受信確認手段を備え、
前記情報収集端末装置は、前記受信確認を受信したタイミングで前記実績情報を保持している場合に、当該保持している実績情報を前記遊技場管理装置に送信するリアルタイム送信手段を備えることを特徴とする請求項2に記載の遊技システム。
【請求項4】
前記情報収集端末装置は、
前記受信確認手段によって前記実績情報を保持していると判定された場合に、当該実績情報が自身の遊技情報に基づいて編集済みであるか否かを確認する実績情報確認手段を備え、
前記実績情報編集手段は、前記実績情報確認手段によって前記自身の遊技情報に基づいて前記実績情報が編集されていないと判定された場合には、前記自身の遊技情報に基づいて当該実績情報を編集し、
前記リアルタイム送信手段は、前記自身の遊技情報に基づいて編集された前記実績情報を送信することを特徴とする請求項3に記載の遊技システム。
【請求項5】
前記遊技場管理装置は、複数種類の実績情報を管理可能であって、前記実績情報の種類ごとに収集指示を送信し、
前記実績情報編集手段は、前記実績情報の種類ごとに当該実績情報を編集することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の遊技システム。
【請求項6】
前記遊技場管理装置は、
複数の遊技場の実績情報を管理可能に構成され、
前記遊技場の営業日ごとの実績情報を記憶可能な実績情報データベースを有し、
前記ネットワークを介して複数の遊技場が有する情報収集端末装置と通信可能に接続され、
前記実績情報データベースは、前記複数の遊技場における実績情報をそれぞれ記憶可能であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の遊技システム。
【請求項7】
前記複数の遊技場が有する各情報収集端末装置は、前記ネットワークを介して前記遊技場管理装置に通信可能に接続され、
前記遊技場管理装置は、前記遊技場ごとに前記実績情報の収集指示を送信することを特徴とする請求項6に記載の遊技システム。
【請求項8】
前記複数の遊技場が有する各情報収集端末装置は、前記ネットワークを介して相互に通信可能に接続され、
前記実績情報出力手段は、前記ネットワークを介して他の遊技場に設けられる前記情報収集端末装置に前記実績情報を出力可能とし、
前記遊技場管理装置は、前記ネットワークを介して前記複数の遊技場で収集された実績情報を管理することを特徴とする請求項6に記載の遊技システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32】
image rotate

【図33】
image rotate

【図34】
image rotate

【図35】
image rotate

【図36】
image rotate

【図37】
image rotate

【図38】
image rotate

【図39】
image rotate

【図40】
image rotate


【公開番号】特開2012−223322(P2012−223322A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−92797(P2011−92797)
【出願日】平成23年4月19日(2011.4.19)
【出願人】(390025601)株式会社西陣 (107)
【出願人】(598044464)株式会社ピーエーネット技術研究所 (51)
【出願人】(000132747)株式会社ソフイア (2,465)
【Fターム(参考)】