説明

遊技場における有価媒体搬送装置

【課題】有価媒体を有価媒体投入装置から効率よく回収し安全に保管するための、遊技場における有価媒体搬送装置を提供する。
【解決手段】紙幣の搬送制御を停止し若しくは搬送制御が停止される場合に、遊技場島2における有価媒体投入装置22に投入された後、紙幣保留ユニット12を介して紙幣搬送ユニット16によって、金庫部90に向かって移動する紙幣がその金庫部90に格納され、若しくは紙幣搬送経路18上に残留する紙幣が無くなるまで、紙幣搬送経路18上の紙幣に対する搬送制御を島管理装置制御部80のセンサから取得し、保留中継ユニット14を介して得られるデータに基づいて継続した後に停止させる。すると、有価媒体の搬送制御が停止されたときに紙幣が紙幣搬送経路18上に在留することが無いので、遊技場島2における有価媒体を確実に保全することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技場において有価媒体を搬送するための有価媒体搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技場における遊技機には、遊技媒体であるメダルやパチンコ球を遊技客に貸し出すための遊技媒体貸出装置と、遊技媒体貸出装置から遊技媒体を借り出すために遊技客が支払う有価媒体である紙幣等を投入するための有価媒体投入装置が付設されている。
【0003】
一般に、遊技場においては複数の遊技機が列設されて、所謂、遊技場島が形成されており、遊技場島毎に、各遊技機に付設されている有価媒体投入装置から紙幣が回収されるようになっている。
【0004】
そして、各遊技機における遊技客の遊技を妨げることなく有価媒体投入装置に投入された紙幣を円滑に回収するために、各有価媒体投入装置に投入された紙幣を一時保留する一時保留部と、そこに一時保留された紙幣を回収して一箇所に保管する手段と、を備えた紙幣回収手段が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
特許文献1に記載された紙幣回収手段は、複数枚の紙幣を各有価媒体投入装置に付設された一時保留部に保留しておき、紙幣を回収する回収ユニットがベルトコンベア上を移動して順次一時保留部から紙幣を回収し、遊技場島の端部に設けられた金庫に保管するようになっている。
【特許文献1】特開2002−203266号 公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記紙幣回収手段では、有価媒体投入装置に投入された紙幣を、回収ユニットで遊技島端に設けられた金庫に保管するため、従業員が各遊技機に付設された各有価媒体投入装置から紙幣を回収する必要がなくなり、保安上の問題(紙幣をできるだけ従業員や遊技者の目に触れさせない)を防止したり、サービス上の問題(遊技中に遊技を中断して紙幣を回収する)をなくすことができるようになっている。
【0007】
しかし、上記機能に加え、遊技場島毎に各有価媒体投入装置の状態(紙幣満状態や紙詰り等の不具合発生等)が把握できるようになっていると、その有価媒体投入装置の状態に合わせて効率的に紙幣の回収ができる。例えば、紙幣満状態になっている有価媒体投入装置から紙幣を回収したり、不具合が発生している有価媒体投入装置からは紙幣を回収しない等の効率的な紙幣の回収ができる。
【0008】
また、各有価媒体投入装置の状態として投入紙幣枚数を把握すれば、遊技場の管理(特に売上げ管理)を迅速に行うことができるようになる。
【0009】
ところが、上記紙幣回収手段では、単に有価媒体を機械的に一時保留部から順次回収し、金庫に保管するだけであるため、有価媒体投入装置からの情報(紙幣投入枚数や紙幣詰り情報等)に基づいて紙幣回収を効率的に行うことができなかった。また、有価媒体各有価媒体投入装置での紙幣投入枚数を把握し、売上げ管理を行うこともできなかった。
【0010】
本発明は、かかる事情に鑑みなされたものであり、有価媒体を有価媒体投入装置から効率よく回収し安全に保管するための、遊技場における有価媒体搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
かかる目的を達成するためになされた請求項1に記載の遊技場における有価媒体搬送装置は、遊技場における有価媒体搬送装置であって、遊技機(8)が列設された遊技場島(2)の少なくとも1つの遊技機(8)に付設された有価媒体投入装置(22)に連繋して設けられ各装置を中継接続する保留中継基板(14)を含む島端末(5)と、 遊技場島(2)の一端側に有価媒体を保管するために設けられた有価媒体格納庫(90)を有する島管理装置(4)と、有価媒体投入装置(22)に投入された有価媒体若しくは有価媒体投入装置(22)から有価媒体格納庫(90)に至る有価媒体搬送経路(18)上に残留する有価媒体を回収し、有価媒体格納庫(90)へ搬送する有価媒体搬送手段(16)と、有価媒体の搬送状況に関する有価媒体搬送制御データを取得するための搬送制御データ取得手段(31,39,62)と、有価媒体搬送手段(16)を介して有価媒体を回収し搬送するために必要な有価媒体搬送制御データを搬送制御データ取得手段(31,39,62)から取得し、その取得した有価媒体搬送制御データに基づいて、有価媒体搬送手段(16)を制御する有価媒体搬送制御手段(80)と、を備え、保留中継基板(14)に有価媒体搬送制御に係る設定を行うための第1の設定手段(73,74)を設けると共に、島管理装置(4)に有価媒体搬送制御に係る設定を行うための第2の設定手段(81,82)を設けたことを特徴とする。
【0012】
このような構成の遊技場における有価媒体搬送装置によると、有価媒体搬送手段(16)が、有価媒体投入装置(22)に投入された有価媒体若しくは有価媒体投入装置(22)から有価媒体格納庫(90)に至る有価媒体搬送経路(18)上に残留する有価媒体を回収し、有価媒体格納庫(90)へ搬送する。
【0013】
また、搬送制御データ取得手段(31,39,62)で有価媒体の搬送状況に関する有価媒体搬送制御データを取得する。
【0014】
更に、有価媒体搬送制御手段(80)では、有価媒体搬送手段(16)を介して有価媒体を回収し搬送するために必要な有価媒体搬送制御データを搬送制御データ取得手段(31,39,62)から取得し、その取得した有価媒体搬送制御データに基づいて、有価媒体搬送手段(16)を制御する。
【0015】
そして、島端末(5)に含まれた保留中継基板(14)が、遊技機(8)が列設された遊技場島(2)の少なくとも1つの遊技機(8)に付設された有価媒体投入装置(22)に連繋して設けられ各装置を中継接続する。更に、保留中継基板(14)に有価媒体制御に係る設定を行うための第1の設定手段(73,74)が設けられている。したがって、保留中継基板(14)に設けられた第1の設定手段(73,74)で有価媒体制御に係る各島端末(5)側での設定を行うことができる。
【0016】
また、島管理装置(4)に有価媒体搬送制御に係る設定を行うための第2の設定手段(81,82)を設けているので、島管理装置(4)で有価媒体搬送制御に係る島管理側での設定を行うことができる。
【0017】
ここで、「有価媒体搬送経路」とは、有価媒体が投入されてから有価媒体格納庫に格納されるまでに有価媒体が搬送される経路を意味している。
【0018】
第1の設定手段(73,74)及び第2の設定手段(81,82)で設定する有価媒体制御に係る設定には、種々のものが考えられるが、請求項2に記載のように、第1の設定手段(73,74)が、島端末(5)を特定するために、島端末(5)毎に識別データを設定するための識別データ設定変更手段(73,74)であり、第2の設定手段(81,82)が少なくとも島管理装置(4)で各種設定を行うための表示操作パネル(81)であることを特徴とするとよい。
【0019】
このようにすると、例えば、有価媒体投入装置(22)を島端末(5)ごとに設けた場合には、管理者は識別データ設定変更手段(73,74)を介して各島端末(5)を識別するための設定を保留中継基板(14)に設けられた第1の設定手段(73,74)である識別データ設定変更手段(73,74)によって容易に行うことができる。
【0020】
更に、設定された識別データに基づいて各島端末(5)から有価媒体監理データを取得できる。更に取得された有価媒体監理データが表示手段に視認可能に表示されるので、管理者は有価媒体の管理を容易にかつ効率よく行うことができる。
【0021】
例えば、島端末(5)から有価媒体投入装置(22)の不具合発生状況(例えば、詰りや、偽有価媒体)や有価媒体の投入状況(満状態)、あるいは、有価媒体搬送手段(16)の搬送状況(有価媒体投入装置(22)との相対位置情報等)を搬送情報として出力するようにしておく。そして、有価媒体搬送制御手段(80)は、それらの搬送情報に基づいて、不具合のある有価媒体投入装置(22)からの有価媒体の回収を止めたり、満状態の有価媒体投入装置(22)の有価媒体を回収するというようにして有価媒体搬送手段(16)を制御する。そのような制御を行うことにより、回収すべき有価媒体投入装置(22)から効率よく有価媒体を回収することができるのである。
【0022】
また、保留中継基板(14)において識別データを設定できるので、例えば、有価媒体投入装置(22)に連繋して設けられ各装置を中継接続によって脱着交換可能な状態で統括的に制御できる。また、各装置を遊技場島(2)の紙幣搬送経路(18)上より交換した場合においても新たな識別番号を再設定する必要なく交換した各装置が識別できるとともに制御できる。
【0023】
更に、保留中継基板(14)を、各装置の位置を島管理装置(4)に送信するようにすれば、搬送されている紙幣が遊技場島(2)の紙幣搬送経路(18)上の何れの位置にあるかが島管理装置(4)において確認可能になる。
【0024】
そして、島管理装置(4)では、表示操作パネル(81)において表示操作を行うためにも設定ができるので、表示操作パネル(81)において、例えば、紙幣詰りの異常表示が実行されるように設定すれば、紙詰まりの異常表示が実行することができる。
【0025】
以上のように、表示操作パネル(81)によって、島全体として一括で、若しくは島における特定の有価媒体投入装置(22)からの紙幣搬送と、島管理装置(4)の有価媒体格納庫(90)に至る有価媒体搬送手段(16)による紙幣搬送制御を個別に表示制御することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
(第1実施形態)
<有価媒体搬送装置の全体構成>
以下に本発明の実施形態を図面とともに説明する。
【0027】
図1は、本実施形態の有価媒体管理設備が適用された遊技場島2の平面図である。尚遊技場には複数の遊技場島2が設置されているが、図1ではそのうちの1つの遊技場島2の平面図を示している。
【0028】
遊技場における遊技場島2は、列設された複数の島端末5と、島端末5の一端側に設けられた島管理装置4と、各島端末5の列間に設置された紙幣搬送ユニット16とを備える。
【0029】
図1に示すように、遊技場島2には複数の島端末5が前面側(例えば、図1の紙面下方向)と背面側(例えば、図1の紙面上方向)の2列に亘って島管理装置4から延出している。前面側の島端末5と後面側の島端末5との間には、列設されている島端末5に沿って紙幣搬送経路18が設けられている。そして、紙幣搬送ユニット16がその紙幣搬送経路18上を図1中左右方向に、換言すれば島管理装置4とその反対側の端部との方向に移動する。
【0030】
島端末5は、各島端末5毎に遊技機8、遊技媒体貸出装置10、紙幣保留ユニット12、保留中継基板14を各1台ずつ備える。なお、本実施形態における遊技機8は、所謂パチンコ台、スロットであり、遊技媒体貸出装置10としてはパチンコ球貸し機、メダル貸し機である。また、遊技媒体貸出装置10の一部には、紙幣投入装置22が設けられている。
【0031】
なお、紙幣投入装置22は、遊技機8に設けられるものとしてもよく、紙幣投入装置22若しくは遊技媒体貸出装置10とは独立して設ける構成であってもよい。
【0032】
また、遊技機8にはスロットマシンやパチンコ遊技機が含まれ、遊技媒体にはメダル若しくはパチンコ球が含まれる。
【0033】
これらのパチンコ球貸し機、メダル貸し機に使われる有価媒体としては、紙幣、硬貨、ICタグ及び各種カードなどが一般的であり、有価媒体投入装置としては紙幣投入装置、硬貨投入装置、ICタグ投入装置などがあるが、本実施形態では紙幣を有価媒体として以下の説明を進める。従って、以下の説明における有価媒体投入装置としては、特に断らない限り紙幣投入装置22を意味する。
【0034】
なお、図1に示す遊技場管理装置6は、遊技場内の複数の遊技場島2を一括して管理する遊技場全体の管理装置であり、ホールコンピュータとも称される。
【0035】
以下、有価媒体搬送装置の主要構成要素である紙幣投入装置22、保留中継基板14、紙幣保留ユニット12、紙幣搬送ユニット16及び島管理装置4について説明する。
<紙幣投入装置>
図2は、紙幣投入装置22、紙幣保留ユニット12、紙幣搬送ユニット16の側面図である。
【0036】
紙幣投入装置22は、遊技客が遊技媒体貸出装置10から遊技媒体を借り出すために紙幣を投入する装置であり、遊技場島2の前面と背面の両面に設置された各島端末5に設けられている。なお、遊技媒体貸出装置10は遊技機8一体として設けられる場合もある。
【0037】
紙幣投入装置22は、図2に示すように、紙幣を投入する紙幣投入ユニット24、紙幣投入ユニット24に投入された紙幣を紙幣保留ユニット12に導くための紙幣投入ノズル26及び紙幣投入ユニット24を遊技場島2に結合させるための紙幣投入ユニットガイド部28から構成されている。
【0038】
紙幣投入ユニット24は、紙幣を受け入れる受入口であり、本実施形態の場合、長方形の紙幣は縦にされた状態でその短辺が紙幣投入ユニット24の一端(図2の右側端部)から紙幣投入ノズル26に向けて図2の左側方向へ挿入される。
【0039】
紙幣投入ノズル26は、紙幣を紙幣投入ユニット24から紙幣保留ユニット12へ中継する筒状のガイドであり、遊技場島2における紙幣投入装置22と紙幣保留ユニット12との接合箇所における紙幣の通過を円滑なものとする。紙幣投入ノズル26は、紙幣投入装置22と紙幣保留ユニット12とに対して係脱可能に形成され、遊技媒体貸出装置10などが設置される遊技場島2に対して脱着可能に装着される。
【0040】
紙幣は、上記のように、図2に示す紙幣投入ユニット24の端部(図2の右側方向)から上下方向に立てられた状態で投入される。投入された紙幣は、図示しない紙幣識別装置(ビルバリ)によって異常紙幣であるか否かが識別される。
【0041】
そして、異常でないと判別された紙幣は、紙幣投入装置22に設けられた正逆回転する駆動モータの駆動力を介して紙幣を押圧して係動作用する回転ローラより紙幣保留ユニット12方向側へ移送され、異常であると判別された紙幣などは、紙幣保留ユニット12が設けられた方向とは異なる逆の紙幣投入口方向側に返送される。
【0042】
紙幣保留ユニット12方向側へ移送された紙幣は、まず、紙幣投入ノズル26に移送される。紙幣投入ノズル26に移送された紙幣は、紙幣投入ノズル26と紙幣保留ユニット12との間に設けられ、紙幣の誘導路と紙幣を回転させて紙幣保留ユニット12に押圧する搬送押圧回転体30によって90度向きが変えられて紙幣保留ユニット12の紙幣格納領域34に押圧され収納される。
【0043】
また、紙幣投入装置22は、CPUやメモリを備えた制御部を内蔵(図示せず)しており、保留中継基板14から投入禁止データを受信した場合には、紙幣投入装置22への紙幣取込みを禁止する機能を有している。また、遊技媒体貸出装置10に設けられる場合もある当該紙幣投入装置22の内部には紙幣の有無を確認する紙幣確認センサが設けられている。
【0044】
ここで、投入禁止データとしては、以下の6つがある。
【0045】
(1)紙幣搬送ユニット16が接近し、紙幣の回収を行う必要があるために紙幣投入を禁止するためのデータ。
【0046】
(2)紙幣保留ユニット12が満杯で、それ以上紙幣を投入できない場合に紙幣投入を禁止するためのデータ。
【0047】
(3)紙幣保留ユニット12や紙幣搬送ユニット16に紙幣詰り等の異常が発生しているため紙幣の投入を禁止するためのデータ。
【0048】
(4)紙幣搬送ユニット16が遊技場島2より取外され、紙幣保留ユニットカバー43が開放された場合に紙幣投入を禁止するためのデータ。
【0049】
(5)紙幣搬送経路18の紙幣搬送経路側カバー摺動体48が水平方向にスライドして紙幣搬送経路18が開放された場合に紙幣投入を禁止するためのデータ。
【0050】
(6)島管理装置4の金庫部90において紙幣格納処理の障害が検知手段を介して判定された場合に紙幣投入を禁止するためのデータ。
【0051】
なお、紙幣の投入禁止は、紙幣投入装置22への紙幣の取込手段を構成する紙幣取込用駆動モータの回転動作が停止され、あるいは、紙幣取込用駆動モータが逆回転して投入された紙幣を返却することにより行われる。
【0052】
このほか、紙幣投入装置22は、遊技媒体貸出装置10にエラーがあった場合に紙幣保留ユニット12及び紙幣搬送ユニット16に表示と待機とを実行させるためのエラー信号を保留中継基板14に送信するエラー信号伝送機能を有する。
【0053】
また、紙幣投入装置22を含む場合のある遊技媒体貸出装置10は、当該紙幣投入装置22において異常が検出された場合には、紙幣保留ユニット12と紙幣搬送ユニット16の紙幣保留動作と紙幣搬送動作とを待機させるとともに、島管理装置4の島管理装置表示操作パネル81と保留中継基板14とに設けられた表示手段によりエラー表示などの異常時における制御を、島管理装置4に設けられた島管理装置制御部80から指令して各部に実行させるエラー信号を、保留中継基板14を介して島管理装置4に送信する。
【0054】
次に、紙幣投入装置22の制御部で実行される紙幣投入処理について、図3のフローチャートに従って説明する。
【0055】
紙幣投入処理は、制御部の電源投入と同時に実行が開始され、図3に示すように、先ずS100にて、投入禁止データを取得する。これは、前述したように、保留中継基板14から入力され、紙幣搬送ユニット16の位置や紙幣保留ユニット12の異常が発生しているか否かのデータである。投入禁止データを取得したらS105へ移行する。
【0056】
S105では、紙幣投入情報を取得する。ここでは、紙幣投入ユニット24の端部(図2の右側方向)に設けられた、図示しない光センサからの信号(紙幣が入力されていればこのセンサから信号が出力される)情報を取得する。そして、取得後、S110へ移行して、紙幣が投入されているか否かを判定する。紙幣が投入されていなければ(S110でNoの場合)、S100に戻って最初から紙幣投入処理を繰り返す。一方、紙幣が投入されていれば(S110でYesの場合)、S115へ移行する。
【0057】
S115では、S100にて取得した投入禁止データが投入禁止を示しているか否かを判定する。そして、投入禁止を示していれば(S115でYesの場合)、S100に戻って、投入禁止データの取得を繰り返す。逆に、投入禁止を示していなければ(S115でNoの場合)、S120へ移行する。
【0058】
S120では、投入された紙幣を紙幣投入ユニット24内に取込み、S125へ移行する。
【0059】
S125では、紙幣が真性紙幣であるか否かが紙幣識別装置(ビルバリ)によって判定された結果が入力される。そして、真性紙幣でなければ(S125でNoの場合)、S130へ移行して紙幣を返却し、S100に戻り、最初から紙幣投入処理を繰り返す。逆に、真性紙幣(S125でYesの場合)、S135へ移行して、投入紙幣枚数をカウントし、続くS140で遊技媒体貸出装置10に遊技媒体支払指令を出力する。そして、S145へ移行して、紙幣を紙幣保留ユニット12に搬出する。
【0060】
S145にて、紙幣を紙幣保留ユニット12に搬出した後、S100に戻り最初から紙幣投入処理を繰り返す。
【0061】
尚、本紙幣投入処理は、制御部の電源が遮断されると停止される。
【0062】
以上の、構成、機能を有する紙幣投入装置22によれば、保留中継基板14から、投入禁止を禁止する旨の投入禁止データを受け取ると、紙幣投入を行わないため、紙幣投入装置22における紙幣詰りの発生、紙幣の搬送障害等のユニット故障を防止することができる。
<保留中継基板>
図4は、保留中継基板14の外観図である。
【0063】
保留中継基板14は、紙幣投入装置22内に脱着可能に格納されている平板状の板部材であり、基板の四隅に設けられたビス孔76によって中継基板収納ボックス75に取り付けられている。保留中継基板14の基板本体71には、LED72、ロータリースイッチ73及びディップスイッチ74が備えられている。
【0064】
当該保留中継基板14が稼動状態にあるかを識別させるLED72は、発光色の異なる3個のLED(RGB)が配設され、紙幣保留ユニット12(図1参照)の満杯状態、紙幣保留ユニット12の取外しや紙幣保留ユニットカバー43の開放や紙幣詰りなどの異常を表示するとともに電源インジケータを兼ねている。
【0065】
具体的には、紙幣保留ユニット12について、紙幣満杯、紙幣詰り、扉開放、ユニット取外しなどの異常が検出された場合、島管理装置4(図1参照)に異常信号を出力し、紙
幣搬送ユニット16(図1参照)における搬送を禁止するともに、紙幣保留ユニット12に対応して配設された表示部(保留中継基板14のLED)で紙幣保留ユニット12において発生した異常の種別を識別して表示する。
【0066】
例えば、保留中継基板14に配設された3色のLEDの組み合わせや、点灯と点滅との組み合わせにより複数種類の異常を識別して表示することができる。例えば、黄色三点点灯で電源投入後における待機状態を、赤色三点点滅によっては紙幣詰まりを、赤色三点点灯では紙幣満杯を表示する例などが実施できる。
【0067】
保留中継基板14は、遊技機8若しくは遊技媒体貸出機を含む紙幣投入装置22と島管理装置間におけるデータを授受して中継するだけでなく、遊技媒体貸出機若しくは遊技機8を中心に一組として、遊技場の島に列設される当該遊技機8と遊技媒体貸出機と紙幣投入装置22と紙幣保留ユニット12とにおける各センサから得られる検出信号を授受して表示などを含む駆動制御を実行可能とする制御回路を有する一方、遊技媒体貸出機若しくは遊技機8を中心として紙幣投入装置22を含む当該装置の組に、同一のアドレス部を付与されて遊技場島2に列設される多数の他の装置の組より識別して特定することが可能な構成となっている。
【0068】
ロータリースイッチ73とディップスイッチ74とは、島端末5(図1参照)の紙幣保留ユニット12のアドレスを設定するためのアドレス設定手段である。ロータリースイッチ73は、島端末5の紙幣保留ユニット12が遊技場島2の前面側か背面側の何れかにあるかを設定し、ディップスイッチ74は、島端末5の紙幣保留ユニット12の個体のアドレスを設定するためのスイッチである。具体的には、複数のディップスイッチ74を切換設定してデータビットを指定することにより、島端末5の紙幣保留ユニット12のアドレスが設定される。
【0069】
保留中継基板14は、このアドレスにより特定される紙幣保留ユニット12の紙幣保留動作状況を示すデータを島管理装置4に送信する。
【0070】
また、紙幣保留ユニット12には、紙幣搬送ユニット16の接近を検出するセンサが設けられており、保留中継基板14は、紙幣搬送ユニット16の紙幣保留ユニット12への接近データを島管理装置4に送信する。つまり、保留中継基板14は、紙幣搬送ユニット16の移動情報を島管理装置4に送信する。
【0071】
保留中継基板14は、このようにアドレス設定機能を有しているため、多数の紙幣保留ユニット12と紙幣搬送ユニット16とを中継接続によって脱着交換可能な状態で統括的に制御できる。また、紙幣保留ユニット12を当該遊技場島2の紙幣搬送経路18上より交換した場合においても新たな紙幣保留ユニット12に識別番号を再設定する必要なく交換した紙幣保留ユニット12と紙幣搬送ユニット16とが識別できるとともに制御できる。
【0072】
更に、紙幣保留ユニット12は、保留中継基板14を介して紙幣搬送ユニット16の位置を島管理装置4に送信しているため、搬送されている紙幣が遊技場島2の紙幣搬送経路18上の何れの位置にあるかが島管理装置4において確認可能になる。
【0073】
また、保留中継基板14は、紙幣投入装置22と紙幣保留ユニット12及び紙幣搬送ユニット16との間の電気接続が完了していないと遊技媒体貸し出し操作が受付けられない旨を表示する。具体的には、紙幣投入装置22と紙幣保留ユニット12及び紙幣搬送ユニット16との間における断線やそれらの装置の未接続を保留中継基板14に設けたLED72で次のように表示する。
【0074】
(ア)紙幣保留ユニット12と保留中継基板14が接続されると3個のLED72のうち1個を青色点灯する。
【0075】
(イ)紙幣保留ユニット12と島管理装置4と紙幣投入装置22とが電気的に接続されると、保留中継基板14のLED3個が青色点灯する。
【0076】
(ウ)また紙幣保留ユニット12と島管理装置4と紙幣投入装置22を含むことのある遊技媒体貸出機若しくは遊技機8が電気的に接続された場合にも、保留中継基板14の3個のLEDが青色点灯する。
【0077】
また更に、保留中継基板14は、遊技媒体貸出装置10と紙幣保留ユニット12及び紙幣搬送ユニット16間におけるデータ通信回路の電源系統と異なる電気系統の断線が検出された場合に遊技媒体貸出装置10と紙幣保留ユニット12及び紙幣搬送ユニット16との間における紙幣搬送動作を停止する信号を発信する。
【0078】
保留中継基板14は、紙幣保留ユニット12について紙幣詰り、扉開放、ユニット取外し異常が検出された場合、島管理装置制御部80に異常信号を出力する。また、LED72で当該紙幣保留ユニット12の異常の種別を識別して表示をする紙幣保留ユニット識別機能を有している。
【0079】
具体的には、保留中継基板14のLEDの色彩、点灯、消灯及び点滅の組み合わせにより複数種類の異常を識別して表示している。従って、異常の発生した紙幣保留ユニット12を遊技場島2の当該紙幣保留ユニット12に対して確認することができるので、異常発生箇所の発見に労力を費やす必要がなくなるとともに、更に継続して紙幣が搬送され続け障害が拡大することを防止できる。
【0080】
また、保留中継基板14は、紙幣満杯を出力するものとしてもよい。即ち、遊技場島2に多数列設される保留中継基板14毎に、特定の保留中継基板14が統括する紙幣投入装置22より紙幣保留ユニット12に至る紙幣搬送経路18上において発生した紙幣詰りなどの異常を、他の装置の組より識別するとともに異なる事象毎にも識別して表示し、広い遊技場内に設置された対象についての迅速で的確な対応を行うことを可能としている。
【0081】
更に、保留中継基板14は、その保留中継基板14が付設されている紙幣保留ユニット12を島管理装置制御部80で識別させる識別データを設定変更可能とする識別データ設定変更手段を有する(ロータリースイッチとディップスイッチとで遊技場島2の前面側、背面側及び特定紙幣保留ユニット12のアドレスを設定して識別可能としている。)。
【0082】
従って、紙幣保留ユニット12を遊技場島2に設置する場合や紙幣搬送経路18から交換した場合において紙幣保留ユニット12と島管理装置4において識別表示させることができる。
【0083】
特に保留中継基板14においてパラメータを設定する場合においては、同一箇所に位置する保留中継基板14のパラメータを設定変更することなく異なる新たな紙幣保留ユニット12を差換えて紙幣搬送経路18上に配置することが可能となる。
【0084】
また、紙幣投入装置22若しくは遊技機8や遊技媒体貸出機を障害や新装開店の為に個別に交換する場合にも、当該保留中継基板14におけるアドレス設定を援用することができるものとなっている。
【0085】
尚、保留中継基板14に対して脱着可能にされる第二の基板をコネクタ接続して当該紙幣搬送装置における制御パターンを適宜設定可能とするパラメータ設定手段を有するようにしてもよい。
【0086】
また、保留中継基板14は、紙幣投入装置22、遊技媒体貸出装置10、島管理装置4、紙幣搬送ユニット16の電気接続が完了していない場合に遊技媒体貸し出し操作を禁止する信号を出力する電気的接続条件判定手段を有している。即ち、それらの装置の電気的接続がなされていないか、あるいは、それらの装置間の配線に断線がある場合に、遊技媒体貸出装置10に貸出禁止信号を出力するとともに紙幣投入装置22に紙幣投入禁止信号を出力する。
【0087】
従って、紙幣を遊技媒体貸出装置10に投入したにも拘わらず紙幣投入装置22側で紙幣を搬送処理することができない不具合が解消されるとともに、貸出し金額等に係る遊技媒体貸出装置10からの入金データが島管理装置制御部80に至らず喪失してしまうことを防止できる。
【0088】
また、保留中継基板14は、遊技媒体貸出装置10と紙幣保留ユニット12間における断線を保留中継基板14に設けたLEDで表示する構成となっている。
【0089】
また、保留中継基板14は、紙幣保留ユニット12と保留中継基板14が接続されるとLEDを点灯させ、紙幣搬送ユニット16と島管理装置制御部80とが電気的に接続されると保留中継基板14に設けられたLEDを点灯させる紙幣搬送回路断線表示手段を有している。従って、紙幣を遊技媒体貸出装置10に投入したにも拘わらず紙幣投入装置側22で紙幣を搬送処理することができない不具合の発生と、貸出し金額等に係る遊技媒体貸出装置10からの入金データが喪失してしまう不具合の発生とを未然に防止することができる。更に、LEDの点灯状態により、未接続の紙幣保留ユニット12が容易に確認できる。
【0090】
また、保留中継基板14は、遊技媒体貸出装置10と紙幣搬送ユニット16との間におけるデータ通信回路の断線(電源系統と異なる電気系統の断線)が検出された場合に遊技媒体貸出装置10と紙幣搬送ユニット16との間における紙幣搬送動作を停止する紙幣搬送停止手段を有している。従って、紙幣が物理的に搬送されているにも拘わらず、紙幣の遊技媒体貸出しに係る入金データや紙幣転送に係る制御信号が送受信されず、紙幣投入装置22が異常処理を行うという状況が発生することを未然に防止できる。
<紙幣保留ユニット>
<構成と機能>
図5は、紙幣保留ユニット12の構成図である。図5(a)は、紙幣保留ユニット12の紙幣保留ユニット基体42の拡大平面図であり、図5(b)は、紙幣を紙幣投入装置22側より取込んで保留するとともに紙幣搬送ユニット16に受け渡す駆動手段となるDCモータ32と、紙幣の取込み状態と移送状態と紙幣の移送経路上における待機状態とを検出する入口センサ31と、紙幣取込センサ39と紙幣保留センサ62と紙幣搬送ユニット通過センサ61とが設けられる紙幣保留ユニット12の基体全体を表す平面図である。図5(c)は、紙幣保留ユニット12の紙幣保留ユニットカバー43を表す平面図である
紙幣保留ユニット12は、紙幣投入装置22に投入された紙幣を一時保留し、一時保留した紙幣を紙幣搬送ユニット16に引き渡す装置である。
【0091】
紙幣保留ユニット12は、紙幣保留ユニット基体42と紙幣保留ユニットカバー43とから構成されている。紙幣保留ユニット基体42は、ほぼ矩形平板状の部材であり、平板部分には紙幣格納領域34(図5(b)参照)が形成され、平板の一端には紙幣導入路35が形成されている。
【0092】
紙幣導入路35は、紙幣投入ノズル26から導出されてきた紙幣を紙幣保留ユニット12に受け入れる受入口である。紙幣導入路35に隣接して紙幣を紙幣格納領域34に誘導する曲面形状の誘導路44が形成されている。誘導路44の紙幣導入路35とは反対側の端部には紙幣保留ユニット格納口35aが設けられている。紙幣保留ユニット格納口35aは紙幣格納領域34の入口となっている。
【0093】
従って、紙幣は立てられた状態(図5の紙面の表裏方向)で、その紙幣の片側の短辺が図5の紙面下方向から紙面上方に向けて紙幣導入路35に受け入れられ、誘導路44で90度右向きに方向が変えられた後、紙幣保留ユニット格納口35aを通過して紙幣保留ユニット格納口35aの右側に設けられた紙幣格納領域34に格納される。
【0094】
紙幣保留ユニット基体42には、CPUやメモリを備えた制御部(図示せず)とDCモータ32と紙幣収容第1回転体33とが組み付けられている。この実施形態の他、保留中継基板14に制御部を設ける構成としてもよい。
【0095】
制御部は、紙幣導入路35の入口に設けられた入口センサ31により紙幣の搬入が検知されると、DCモータ32を起動し、紙幣収容第1回転体33を回転駆動させる。そして、紙幣収容第1回転体33は、誘導路44にある紙幣を摺動摩擦力で誘導路壁面に押し付けつつ、紙幣を紙幣保留ユニット格納口35aに導く。
【0096】
紙幣保留ユニット12では、紙幣取込み動作が当該紙幣保留ユニット12に対する紙幣搬送ユニット16の移動動作のない場合に限って許容されている。そして、紙幣保留ユニット12では、格納された紙幣が所定の枚数(本実施形態では20枚)内で、扉開放と紙幣詰りとを含む異常がないと判定された場合に、紙幣搬送ユニット16における紙幣の搬送を実行される。
【0097】
紙幣保留ユニット12が保留する紙幣枚数は、入口センサ31が紙幣の通過を検出して計数するものとしても良いが、紙幣取込センサ39が紙幣格納領域34への紙幣の格納を検出したセンサ信号に基づき計数する構成が、紙幣の破損や詰まりなどによって紙幣保留ユニット12から紙幣が取除かれる場合もあるので好ましい。
【0098】
また、紙幣搬送ユニット16に紙幣保留ユニット12より紙幣を引き渡す箇所に紙幣枚数計数用のセンサを設け、あるいは、紙幣搬送ユニット16が搬送する紙幣枚数を計数する紙幣枚数計数用のセンサを紙幣搬送ユニット16に設ける構成として、紙幣投入装置22から島管理装置4に至る紙幣搬送経路18上を移動する紙幣枚数を、紙幣投入装置22から紙幣保留ユニット12を経て紙幣搬送ユニット16に載置される紙幣搬送経路18上の複数箇所において格別に取得できるように構成しても良い。
【0099】
また、紙幣保留ユニット12では、制御部により紙幣満杯判定、紙幣詰りの異常判定、紙幣保留ユニットカバー43の開放判定が実行され、何れかに該当する場合には、制御部は、保留中継基板14に異常発生データを送信する。その結果、保留中継基板14を介して異常発生データを受信した島管理装置制御部80は、紙幣搬送ユニット16における紙幣搬送を禁止するとともに、紙幣投入装置22は入金処理(紙幣の取込み)を禁止することとなる。
【0100】
そして、制御部は、遊技場島2における紙幣搬送経路18に設置された紙幣保留ユニット12における当該紙幣保留ユニット12の紙幣保留ユニットカバー43取出し、若しくは当該紙幣保留ユニット12の扉開放を検出した場合にも、保留中継基板14に異常発生データを送信する。その結果、保留中継基板14を介して異常発生データを受信した紙幣搬送ユニット16は紙幣回収動作を停止し、紙幣投入装置22は入金動作を停止することとなる。
【0101】
更に、制御部は、投受光レベルによって「正当な紙幣あり」と判定した場合に、紙幣搬送ユニット16と紙幣保留ユニット12による島管理装置4の金庫への紙幣搬送を許容する。判定投光側の変化に対応して受光側の出力電圧のレベル変化により真正な判定を実現することができる。
【0102】
これは、遊技場島2における紙幣搬送の実行条件となる紙幣の有無の判定を、外乱光の影響を抑制して実行する機能であって、制御部は、発光側の変化に対応して、出力電圧が変化する場合を「紙幣あり」、出力電圧が変化しないでLoの場合を「紙幣無し」として判定し、紙幣の有無を示す紙幣有無データを保留中継基板14に出力する。その結果、保留中継基板14を介して紙幣有無データを受信した島管理装置制御部80は、紙幣保留ユニット12及び紙幣搬送ユニット16における紙幣搬送動作を許可する。
【0103】
また、制御部は、遊技場の紙幣保留ユニット12及び紙幣搬送ユニット16における紙幣収容部に収容した紙幣の破れ、破損、折れ、曲がりに起因する異常判定を、紙幣保留ユニット12及び紙幣搬送ユニット16の何れかに設けられた紙幣格納領域34に格納した紙幣の紙幣検出領域の相違(大小、不一致を含)により判定する。
【0104】
また、制御部は、紙幣保留ユニット12への紙幣誘入に伴って生じるセンサによりDCモータ32を起動させ、センサにおける紙幣通過後の光透過により紙幣保留ユニット12に設けられたDCモータ32の回転を停止する。
【0105】
更に、制御部は、紙幣に対する光センサの透過状態と遮蔽状態とに基づいて、異常紙幣が紙幣保留ユニット12から取除かれたことを判定するとともに、紙幣の取除きが完了してから一定時間(0.2秒)遅延させて、DCモータ32を再駆動して紙幣を紙幣保留ユニット12内への格納動作を再開する。
【0106】
<紙幣保留処理>
以上の構成及び機能を有する紙幣保留ユニット12において制御部が実行する紙幣保留処理を図6のフローチャートに基づき説明する。
【0107】
紙幣保留処理は、紙幣保留ユニット12の電源投入と同時に制御部で処理が開始され、図6に示したように、先ずS200にて入口センサ31(図5参照)の情報を取得し、S205へ移行する。
【0108】
S205では、S200にて取得した入口センサ31情報に基づき、紙幣が紙幣保留ユニット12に送られてきたか否かを判定する。そして、紙幣が送られてきていなければ(S205でNoの場合)、S200に戻って入口センサ31の情報取得を繰り返す。一方、紙幣が送られてきていれば(S205でYesの場合)、S210へ移行してDCモータ32を正回転させ、S215へ移行し、紙幣取込センサ39の情報を取得した後S220へ移行する。
【0109】
S220では、S215で取得した紙幣取込センサ39の情報に基づき、紙幣の取込みが完了したか否かを判定する。そして、紙幣の取込みが完了していなければ(S220にてNoの場合)、S215へ戻って紙幣取込センサ39(図2、図5参照)からの情報取得を繰り返す。一方、紙幣の取込みが完了していれば(S220にてYesの場合)、S225へ移行する。
【0110】
S225では、DCモータ32を逆回転させ、続くS230にて、紙幣保留センサ62(図10)の情報を取得しS235へ移行する。このようにDCモータ32を逆転させる
ことで紙幣の搬送方向を90°変換し、紙幣格納領域34(図5参照)に紙幣を格納し、更に紙幣保留ユニット12で保留した紙幣を紙幣搬送ユニット16に引き渡す準備動作を実行する。
【0111】
即ち、DCモータ32が逆回転されると紙幣収容第1回転体と係合する図示しない第一のクラッチ機構を解き、第二のクラッチ機構によりDCモータ32の駆動軸とを係合して、紙幣を紙幣投入装置22方向からの直進動作を曲面形状の誘導路44を介して90度方向変換して紙幣搬送ユニット16が走行する紙幣搬送経路18に平行となる紙幣の紙幣保留ユニット12における紙幣格納領域34に送出する。
【0112】
紙幣保留ユニット12の紙幣格納領域34に到達した紙幣に対しては、紙幣を係入した紙幣押圧回転体36が前記紙幣搬送ユニット16が走行する紙幣搬送経路18に90度交差する回転動作により圧接して当該紙幣保留ユニット12に収容する保留動作が行われる。
【0113】
S235では、S230にて取得した紙幣保留センサ62の情報に基づいて、紙幣格納領域34への紙幣の取込みが完了したか否かを判定する。そして、紙幣の取込みが完了していなければ(S235でNoの場合)、S230へ戻り、紙幣保留センサ62の情報取得を繰り返す。一方、紙幣の取込みが完了していれば(S235でYesの場合)、S240へ移行し、0.5秒待機した後、続くS245で反転センサ60(図10参照)の情報を取得し、S250へ移行する。
【0114】
S250では、S245にて取得した反転センサ60の情報に基づき紙幣押圧回転体36(図2参照)が初期位置にあるか否かを判定する。そして、紙幣押圧回転体36が初期位置になければ(S250でNoの場合)、S245へ戻り、回転センサの情報取得を繰り返す。一方、紙幣押圧回転体36が初期位置にあれば(S250でYesの場合)、S255へ移行してDCモータ32を停止し、S200に戻り紙幣保留処理を繰り返す。
【0115】
<異常処理>
図7に紙幣保留ユニット異常処理のフローチャートを示す。この処理は、紙幣保留ユニット12に設けられている各種センサからの信号入力があった場合に起動される割り込み処理であり、起動されると、先ずS700にて各センサの情報を取得し、続くS705でどの部分に異常が発生したかを抽出した後S710へ移行する。
【0116】
ここで、センサの異常情報とは、紙幣保留ユニット12における、扉開放検出センサ64の開放検出情報、離脱検出センサ63の離脱検出、入口センサ31紙詰り検出、紙幣取込センサ紙詰り検出、満杯状態の判定情報をいう。
【0117】
なお、満杯の判定は既述の実施手段において入口センサ31により検出された紙幣枚数が20枚を超えた場合に満杯判定がされ、紙幣保留ユニット12において保留されていた紙幣が紙幣搬送ユニット16により回収されて転出したことが検出された場合に、判定情報はリセットされる。
【0118】
この場合、紙幣保留ユニット12より紙幣搬送ユニット16への受渡しが完了したことは、紙幣保留ユニット12の紙幣保留領域に設けられた紙幣保留センサ62(図10参照)によって、紙幣保留ユニット12側で待機している紙幣の有無を感知して判定する。
【0119】
勿論、紙幣搬送ユニット16が紙幣保留ユニット12で待機する紙幣を取込むワンショットの動作完了により、転出された紙幣の受渡しの確認をすること無く、紙幣搬送の制御を次の行程へすすめるものとしてもよい。
【0120】
S710では、DCモータ32を停止し、続くS715で異常発生情報(どのセンサで異常が発生したか)島管理装置制御部80に送信した後、S720へ移行する。
【0121】
S720では、各センサの情報を取得し、続くS725で、異常が解消したか否かを判定する。そして、異常が解消していなければ(S725でNoの場合)、S720に戻り、センサの情報取得を続ける。一方、異常が解消していれば(S725でYesの場合)、S730へ移行し、異常解消情報を島管理装置制御部80に送信し、本処理を終了する。
【0122】
以上のような紙幣保留ユニット12は、紙幣保留ユニット12における紙幣投入装置22からの紙幣取込み動作が、紙幣保留ユニット12に対する紙幣搬送ユニット16の回収移動動作のない場合に限って許容される紙幣回収規制制御手段を有している。従って、紙幣相互の干渉や紙幣詰りの発生を防止できる。
【0123】
また、紙幣保留ユニット12は、紙幣満杯判定、紙幣詰り判定、若しくは紙幣保留ユニットカバー43開放の何れかが発生している場合には、紙幣搬送ユニット16における紙幣搬送を禁止するとともに、紙幣投入装置22における入金処理(紙幣の取込み)を禁止する入金処理禁止制御手段を有している。従って、紙幣保留ユニット12と紙幣搬送ユニット16とにおける故障の発生が防止できるとともに紙幣保留ユニット12と紙幣搬送ユニット16とにおいて生じる紙幣詰りや紙幣の破損を防止できる。
【0124】
更に、紙幣保留ユニット12は、格納された紙幣が所定の枚数内であって、少なくとも紙幣搬送経路18の開放と紙幣詰りとの異常がない場合には、紙幣搬送ユニット16における紙幣の搬送を実行する紙幣搬送制御手段を有している。従って、予めこれらの異状の有無が確認された後に紙幣搬送が実行されるので、紙幣の破損や更なる紙幣詰りが防止できるとともに紙幣保留ユニット12と紙幣搬送ユニット16における故障の発生が抑制できる。
【0125】
また、紙幣保留ユニット12は、紙幣投入装置22から紙幣搬送ユニット16に至る紙幣搬送経路18上における複数箇所でそれぞれ紙幣詰りを格別に検出して判定する複数個の紙幣詰り判定手段を有している(具体的には、入口センサ31通過後、取込みセンサで紙幣詰りを検出)。従って、紙幣投入装置22から紙幣搬送ユニット16に至る紙幣搬送経路18上で生じる異なる態様の紙幣詰りを併せて判定した後において紙幣の搬送が処理されることとなり紙幣搬送障害が頻発することが防止できる。
【0126】
また、紙幣保留ユニット12は、遊技場島2における紙幣搬送経路18上に設置された紙幣保留ユニット12を紙幣搬送経路18上から取出しを検知した場合、若しくは紙幣保留ユニット12の扉開放を検出した場合に、紙幣搬送ユニット16の紙幣保留ユニット12からの紙幣回収動作と紙幣投入装置22における紙幣の入金処理をともに停止する紙幣搬送待機手段を有している。従って、紙幣保留ユニット12が取外され若しくは紙幣保留ユニット12の扉が開放されて紙幣搬送経路18が分断された場合に、紙幣投入装置22における入金処理や紙幣搬送ユニット16による紙幣の取込み動作が停止されるので、紙幣が紙幣搬送経路18を外れて消失したり紙幣搬送経路18の非連通時に紙幣が紙幣投入装置22に入金されることが阻止できる。
【0127】
また、紙幣保留ユニット12は、投受光レベルによって「正当な紙幣あり」と判定した場合に、紙幣搬送ユニット16と紙幣保留ユニット12による金庫部90への紙幣搬送を許容するとともに、判定投光側の変化に対応して受光側の出力電圧のレベル変化により真正な判定を実現(換言すれば、光の透過と遮蔽のみによって紙幣の有無を判別する構成ではない)する紙幣搬送認証制御手段を有する。従って、例えば遊技場島2における遊技機前面枠の開放などによる光の混入を原因とする誤動作による紙幣搬送障害を軽減できる。
【0128】
また、紙幣保留ユニット12は、遊技場内における紙幣搬送の実行条件となる紙幣の有無の判定を、外乱光の影響を抑制して実行する構成となっており、発光側の変化に対応して出力電圧が変化する場合を「紙幣あり」、出力電圧が変化しないでLoの場合を「紙幣無し」として判定した場合に紙幣搬送ユニット16における紙幣搬送動作を許可する紙幣確認手段を有している。従って、光の透過と遮蔽のみによって紙幣の有無を判別する構成ではないので、搬送対象紙幣判別の精度が高まり、誤動作による紙幣搬送障害を生じることを防止できる。また、遊技場島2における遊技機扉の開閉によって紙幣搬送ユニット16に光が混入することによる誤動作を抑制することができる。
【0129】
また、紙幣保留ユニット12は、遊技場の紙幣搬送ユニット16の紙幣収容部に収容した紙幣の破れ、破損、折れ、曲がりに基づく異常判定を、紙幣の紙幣検出領域の相違(大小、不一致を含む)により判定する搬送異常紙幣識別手段を有している。従って、紙幣が正規の紙幣搬送経路18からずれ、あるいは、変形変位して搬送され格納されることにより紙幣詰りや紙幣破損が発生することを防止するとともに当該装置(紙幣投入装置22、紙幣保留ユニット12、紙幣搬送ユニット16、紙幣搬送経路18、金庫部90)に故障が生じることが防止できる。
【0130】
また、紙幣保留ユニット12は、紙幣投入装置22の搬送速度より紙幣投入装置22の後段に配置される紙幣保留ユニット12の紙幣搬送速度を速く、若しくは同一速度に設定するとともに、紙幣保留ユニット12における紙幣の取込みトルクが紙幣投入装置22の紙幣搬送速度より弱く、若しくは同一トルクに設定した紙幣取込み作用調整手段を有している。従って、紙幣の取込み側の速度を紙幣が取込まれる側より速くするとともに、紙幣取込み側のトルクを紙幣が取込まれる側より小さくしたので、円滑な紙幣転送と転送に伴う紙幣破損の生じない搬送が実現できる。
【0131】
また、紙幣保留ユニット12は、紙幣保留ユニット12への紙幣誘入による光遮蔽によりDCモータ32を起動する一方、センサにおける紙幣通過後の光透過により紙幣保留ユニット12に設けられたDCモータ32を停止する紙幣保留ユニット動作制御手段を有している。従って、紙幣保留ユニット12に取込む紙幣に対して非接触で検出するので、例えば紙幣投入装置22から導入された紙幣を紙幣保留ユニット12に折曲げ作用しつつ導入する際に生じる摩擦抵抗に影響を与えない円滑な紙幣転送が実現できる。
【0132】
また、紙幣保留ユニット12は、紙幣に対する光センサの透過状態と遮蔽状態との変換作用に基づいて、異常紙幣に対する紙幣保留ユニット12からの紙幣取除き動作の完了を判定するとともに、紙幣の取除き動作が完了した一定時間(0.2秒)遅延させて、DCモータ32を再駆動して紙幣を紙幣保留ユニット12内への格納動作を再開させる紙幣保留ユニット12における紙幣保留動作制御手段を有している。従って、異常時における紙幣搬送動作の再起動が、異状回復後直ちに行われず一定時間経過した後行われるので、紙幣保留ユニット12を構成する各部材や素子の復帰動作に遅延時間を要するものがあった場合にも紙幣投入装置22についての円滑な再起動が実現できる。
【0133】
また、紙幣保留ユニット12は、異常判定検出後において、紙幣保留ユニット12の扉の閉鎖を扉開放検出センサ64が検出することにより、保留中継基板14若しくは島管理装置制御部80に記憶された紙幣保留ユニット12についての異常データをクリアする紙幣搬送異常データリセット手段を有している(つまり、リセットスイッチの操作によらない紙幣異常データリセット手段)。従って、紙幣詰りや紙幣保留ユニット12の開放・離脱によって生じた異常データが、扉の紙幣保留ユニット12への係着によって特別なリセット手段への操作がなされなくてもイニシャライズされるので、紙幣投入装置22のリセット処理に労力を要さず、特にリセット操作忘れによる誤動作や不具合を紙幣搬送ユニット16に生じることがなくなる。
【0134】
また、紙幣保留ユニット12は、紙幣保留ユニット12の扉が開放離脱状態より閉鎖係着状態への復帰されることにより島管理装置制御部80と保留中継基板14を含む紙幣保留ユニット12との異常データのイニシャライズと、当該センサにおける検出信号のリセットとを実行するともに、紙幣搬送ユニット16におけるDCモータ32の駆動位置を初期値に復帰させる紙幣搬送ユニットリセット手段を有している。従って、紙幣搬送ユニット16に記憶された異常データが、紙幣保留ユニット12の扉の係着に伴いリセット手段への操作をすることなくイニシャライズされるので、紙幣搬送ユニット16の復帰処理に労力を要さず、特に操作忘れによる不具合を紙幣搬送ユニット16に呈することを防止できる。
【0135】
また、紙幣保留ユニット12は、紙幣搬送ユニット16において紙幣詰り等の異常が発生した場合に、紙幣取除き処理と電源投入信号とにより制御状態を異常状態(センサの検出リセット、球詰り表示の消去、DCモータ32による起動位置の初期化)より復帰させている(リセットスイッチの操作や扉の閉鎖によらない初期化手段)。従って、紙幣搬送ユニット16で生じた異常データが、紙幣の取除き信号と電源投入とによって特別なリセット手段に対する操作なく初期化される紙幣搬送ユニット初期化手段を有している。従って、紙幣搬送ユニット16におけるリセット処理に労力を要さず、またリセット操作忘れによる紙幣搬送ユニット16の誤動作や不具合を防止できる。
【0136】
また、紙幣保留ユニット12は、保留中継基板14を含む紙幣保留ユニット12に設けられた紙幣返却スイッチへの操作により当該紙幣保留ユニット12におけるDCモータ32の回転動作を実行して紙幣保留ユニット12に挟持された異常紙幣を解放する紙幣取込障害回復手段を有している。従って、紙幣保留ユニット12の扉を開放し若しくは紙幣保留ユニット12を取外して詰まった紙幣を取除かなくても、簡便なスイッチ操作により障害紙幣を直ちに紙幣保留ユニット12より取除くことができる。
【0137】
遊技場島2に構成される紙幣搬送経路18から紙幣保留ユニット12を開閉回動可能とする回動軸と、紙幣を保留する紙幣保留ユニット12を紙幣搬送経路18を形成する枠体より係脱可能とする係合部材とを有する紙幣搬送経路18となっているため、遊技場島2に構成された紙幣搬送経路18より障害の発生した紙幣保留ユニット12を容易に取外し、再び紙幣搬送経路18に紙幣保留ユニット12を係着することが可能となる。
【0138】
また、紙幣保留ユニット12には紙幣が誘導路を介して紙幣投入ノズル26より導入される。すると、紙幣保留ユニット12における入口センサ31による紙幣検出によってDCモータ32が起動される。
【0139】
DCモータ32が駆動されると、DCモータ32の回転軸に連繋される図示しないギア機構を介して紙幣収容第1回転体33が回転する。すると、紙幣が紙幣収容第1回転体33による接触摩擦と蹴出し作用を受けて紙幣保留ユニット12の紙幣格納位置まで進入する。
【0140】
ここで、紙幣保留ユニット12における紙幣格納領域34には、上下一対の紙幣押圧回転体36が設けられ、その紙幣押圧回転体36は、DCモータ32にギア機構を介して連繋され正逆回転可能に軸支されている。一対の紙幣押圧回転体36には紙幣収容溝36aが刻設され、紙幣保留ユニット12の紙幣格納領域34に導入された紙幣が当該上下一対の紙幣収容溝36a内に納められて係止される。
【0141】
また、入口センサ31による紙幣の検出に基づいて起動されたDCモータ32の回転は一定時間(0.5秒)継続されて紙幣の紙幣収容溝36aへの収納動作が完了する。
【0142】
そして、紙幣格納領域34、即ち、紙幣収容溝36aへの紙幣の格納動作が完了すると紙幣格検出センサにより紙幣の格納が検出される。紙幣の紙幣格納センサによる格納検出に基づいてDCモータ32が再び起動され、図示しないギア機構を介して紙幣押圧回転体36が回動され紙幣収容溝36aで係止された紙幣が回動動作に伴って紙幣挟持片36bと紙幣押圧回転体36の背面とによって把持される。
【0143】
即ち、紙幣押圧回転体36の回転動作によって紙幣保留ユニット12の紙幣格納領域34に誘導された紙幣は、紙幣挟持片36bと紙幣押圧回転体36の背面とによって挟持され、所定枚数に至るまで順次積層され、紙幣保留ユニット12の紙幣格納領域34に格納される。
【0144】
また、紙幣押圧回転体36の紙幣収容溝36aが、紙幣投入ノズル26より紙幣を係入する回動位置は、紙幣押圧回転体36の回動位置を検出する反転センサ60からの出力信号に基づいて決定され、反転センサ60の検出信号に対応してDCモータ32が初期位置に復帰して停止するよう回転制御される。
【0145】
ところで、所定枚数の判定は、入口センサ31の検出動作によるパルス波計数を制御部の演算手段を介して実行されるが、入口センサ31の代わりに紙幣取込センサ39の検出動作に基づいて実行されるものでも、あるいは、紙幣投入装置22に設けられた紙幣識別用のセンサに基づいて実行されるものであってもよい。
【0146】
次に、図2若しくは図5において前面側及び背面側の複数の紙幣保留ユニット12が取囲む中央部は、紙幣搬送ユニット16が移動する紙幣搬送経路18となる。
【0147】
そして、紙幣保留ユニット12の紙幣挟持片36bと紙幣押圧回転体36の背面とによって把持された紙幣は、紙幣搬送ユニット16の図示しない係動片によって紙幣保留ユニット12の紙幣挟持片36bが押動されて開放される状態となる。そして、紙幣挟持片36bが開放された後紙幣搬送ユニット16の搬送紙幣収容台54から紙幣を紙幣搬送ユニット16に取込む。
【0148】
紙幣搬送ユニット16に取込まれた紙幣は島管理装置4に設けられた金庫部90に向かって搬送される。
【0149】
一方、紙幣保留ユニット12の紙幣格納領域34に紙幣が保留されている状態において紙幣の返却が必要とされる場合には、(例えば、入口センサ31、紙幣取込センサ39、若しくは紙片格納検出センサにおいて所定時間以上紙幣の検出状態が継続して検出されたことを原因として紙幣詰りが判定された場合、あるいは、紙幣の破損が判定された場合。)これらのセンサ信号の判定結果に基づいて島管理装置4から図19、図20、図21に示す送受信データ、即ち、図19に示す島管理装置4からの問い合わせデータ(コマンド)に応答して、図20及び図21に示す異常情報を有する応答データ(コマンド)を処理した島管理装置制御部80からの制御指令コマンド(図19参照)が保留中継基板14に送信される。
【0150】
制御指令コマンドを受信した保留中継基板14は、保留中継基板14に設けられた(実施形態によっては紙幣保留ユニット12に設けられた)制御部のモータ制御回路を介してDCモータ32を反転起動する。そして、DCモータ32の逆回転によって紙幣収容第1回転体33が紙幣を押圧逆転して、紙幣を紙幣格納領域34側より紙幣投入装置22方向に導出する。
【0151】
また、紙幣押圧回転体36の反転回動によっては、紙幣収容溝36aで係止される紙幣が紙幣保留ユニット12の紙幣保留ユニットカバー43側に向けて繰出される。従って、紙幣保留ユニットカバー43が開放されることにより紙幣格納領域34において詰りを呈した紙幣を容易に取除くことができる。
【0152】
なお、紙幣搬送ユニット16が遊技場島2を移動する紙幣搬送経路18の構造を図8及び図9において示した。紙幣保留ユニット基体42に対して、紙幣保留ユニットカバー43は紙幣保留ユニット12の回動軸を介して旋回されて紙幣保留ユニット12の紙幣保留領域を開放する構造となっている。図5を併せて参照。
【0153】
<鍵部材>
紙幣搬送経路18において、紙幣保留ユニットカバー43の前記回動軸側の他端には、紙幣搬送経路18のフレーム構造を補強するとともに紙幣搬送経路側カバー47に積層されて摺動する紙幣搬送経路側カバー摺動体48(ユニット)と嵌合して、該紙幣搬送経路側カバー摺動体48の移動と紙幣保留ユニット蓋(カバー)43の開放とを所定の島管理者以外実施することができないものとする鍵部材108が設けられている。
【0154】
紙幣搬送経路側カバー47と紙幣搬送経路側カバー摺動体48とは、図9(a)に示すように紙幣搬送ユニット16が往復移動する進路の軸線上に平行な複数の摺動軸を有する凹凸面形状をもって紙幣搬送経路側カバー47に紙幣搬送経路側カバー摺動体48が嵌合されて積層される。
【0155】
これによって紙幣搬送経路18を形成するフレーム構造が補強されるとともに、図9(b)に示すように、遊技場島2に固着された紙幣搬送経路18の枠側に設けられた紙幣搬送経路側カバー47より紙幣搬送経路側カバー摺動体48のスライド操作によって紙幣搬送経路18に作業用の開口が形成され、紙幣搬送経路18内を通過する紙幣搬送ユニット16などに対する作業を行うことが可能となる。
【0156】
なお、紙幣搬送経路側カバー47と紙幣搬送経路側カバー摺動体48とはともに透明半透明の合成樹脂材で形成して紙幣若しくは紙幣搬送ユニット16を視認できるようにするのが好ましい。
【0157】
また、紙幣保留ユニット12に関する紙幣詰りが判定された場合において、紙幣保留ユニット12の紙幣保留領域内で捕捉された紙幣は、紙幣保留ユニットカバー43の先端に設けられた鍵部材108(図5及び図8参照)を解錠操作して、紙幣搬送経路側カバー摺動体48に鍵着された紙幣保留ユニットカバー(扉、蓋)43を紙幣搬送経路側カバー摺動体48より開放することができる。これにより紙幣保留ユニット12の紙幣保留領域で捕捉されていた詰り紙幣は、遊技場の管理者により取除かれることが可能となる。
【0158】
また、紙幣保留ユニットカバー43を含む紙幣保留ユニット12が、鍵部材108に対する解錠操作によって、紙幣搬送経路18を構成する枠体例えば紙幣搬送経路側カバー摺動体48若しくは紙幣搬送経路側カバー47取外し可能とされる。
【0159】
そして、紙幣保留ユニット12を上記回動軸における軸支状態を取除くことによって、当該紙幣搬送経路18の一部を構成した当該紙幣保留ユニット12を紙幣搬送経路18の構造体より分離し離脱させることができる。なお、回転軸の軸支構造については軸棒を付勢手段により軸孔で係支させる。
【0160】
以上により、例えば、紙幣保留ユニット12において故障が発生した場合には、新たな紙幣保留ユニット12に交換することが可能となり、故障の発生した紙幣保留ユニット12に対する修理も容易に行えることとなる。併せて、紙幣保留ユニット12紙幣搬送経路18を構成する枠体より取除けば、紙幣搬送経路18が開放されることとなって、紙幣搬送経路18に対する保守作業や修理を容易に支障無く行うことも可能とする。
【0161】
なお、上記の遊技場島2に固着された紙幣搬送経路側カバー47に対する紙幣搬送経路側カバー摺動体48の伸縮摺動によって、遊技場島2に多数設置される紙幣保留ユニット12相互の間隔が異なる場合であっても、紙幣搬送経路18を適正に保護嵌装することができることともなる。
【0162】
なお、既述の紙幣詰りの判定に関する制御工程は次のようなものとなっている。
【0163】
即ち、紙幣投入ノズル26より導入された紙幣が紙幣保留ユニット12における誘導路を通過して紙幣格納領域34に至る過程において入口センサ31と紙幣取込センサ39とから放射される投光がともに遮蔽されて「紙幣あり」と検出され、しかも「紙幣あり」の検出状態が所定時間(60m秒)以上経過しても遮断状態が透過状態に復帰しない場合においては、紙幣詰りが判定されるとともに紙幣詰りが生じた箇所が入口センサ31と紙幣取込センサ39とを結ぶ位置において発生していることが判定される。
【0164】
また、紙幣押圧回転体36がDCモータ32より起動された信号が検出された後、所定時間経過しても反転センサ60による紙幣押圧回転体36の位置検出信号が受信されない場合にあっては、紙幣押圧回転体36の紙幣収容溝36aで係止されていた紙幣が紙幣押圧回転体36近傍において紙幣詰りを呈したと判定する。
【0165】
これらの紙幣詰り判定制御回路は保留中継基板14の制御部に設けられ、紙幣保留ユニット12で生じた紙幣詰りに対しては紙幣保留ユニット12に対設された保留中継基板14において判定制御されるものである。
【0166】
そして、既述したように、遊技場島2に列設された多数の紙幣保留ユニット12における特定のアドレスを有する紙幣保留ユニット12において紙幣詰りが発生すると、その紙幣詰りが発生したことを保留中継基板14が島管理装置4に知らせる。
【0167】
つまり、島管理装置4の制御部からネットワークを介して送信されてくる問い合わせデータ(コマンド)(図19参照)に応答して、その紙幣詰りが紙幣保留ユニット12の入口センサ31と紙幣取込センサ39とを結ぶ線上の近傍において生じていることを保留中継基板14が応答コマンドのデータのビット列(図20、図21参照)をもって返信する。
【0168】
図19において、島管理装置4より紙幣保留ユニット12側に対しては、島の左右列を指定する問合わせ列に関するデータビットと、指定された列に配列された紙幣保留ユニット12の内特定の紙幣保留ユニット12を指定するアドレスを示すデータビット、本実施形態においては5ビットと、問合わせする情報の別、即ち図20で示すように主として紙幣保留ユニット12の動作状態を内容とする応答コマンドか、図21に示す各紙幣保留ユニット12おける動作内容を詳細に記録した応答コマンドを要求するものかを指定して保留中継基板14を介し、当該紙幣保留ユニット12に送信する1ビットと、島管理装置4側で確認された当該紙幣保留ユニット12において保留している受入紙幣枚数に関する5ビットデータが送信される。
【0169】
指定された列とアドレスを有する紙幣保留ユニット12は、保留中継基板14を介して通常情報の取得が要求された場合には、当該紙幣保留ユニット12が待機中であるか、紙幣を受入動作中であるか紙幣の取込が完了しているのか、あるいは、紙幣詰りなどの異常を生じているのかを示す2ビットデータと、当該紙幣保留ユニット12で受け入れた紙幣枚数を示す5ビットデータと、リセット処理後当該紙幣保留ユニット12で保留した紙幣枚数の累積枚数に関する5ビットデータを図20において示す例の如く応答コマンド1として返信する。
【0170】
一方、図21に示すように、例えば島管理装置4が受信した応答コマンド1において異常を示すデータビットを応答コマンド1の保留動作ステータス情報により判別した場合には、島管理装置4に設けられた制御部の有するプログラムのセグメントにおける分岐命令によって、島管理装置4は当該紙幣保留ユニット12に対して応答コマンド2を問合せコマンドのステータス要求ビットに1を指定して、再び、当該紙幣保留ユニット12に応答コマンド2を要求する。
【0171】
指定された紙幣保留ユニット12は例えば紙幣導入路35に臨んで設けられた入口センサ31が紙幣詰りを検出している場合には、応答コマンド2の異常ステータス情報において「0010」の4ビットデータを書込み、島管理装置4に送信する。
【0172】
なお、応答コマンド1においては、受入異常の他、本実施形態においては、待機中、受入動作中、取込動作中の別を2ビットで識別して返信する構成としている。
【0173】
また本実施形態における応答コマンド2においては、異常無し、紙幣満杯、紙幣取込詰まり、紙幣収納異状、紙幣戻り、紙幣引抜き、紙幣搬送失敗、紙幣保留ユニット12開放、紙幣保留ユニットカバー43開放の別が5ビットデータの内、4ビットで識別して表示する構成となっている。更に、紙幣保留ユニット12に設けられた入口センサ31、紙幣取込センサ39、紙幣押圧回転体36の回転位置を検出する反転センサ60、紙幣保留ユニット12における保留を示す紙幣保留センサ62、紙幣保留ユニットカバー43が開放されたことを示す扉開放センサ81a(開閉センサ)、当該紙幣保留ユニット12に紙幣搬送ユニット16が対置しているか否かを示す紙幣搬送ユニット通過センサ61における検出動作の有無を示すデータビットを有する構成となっている。
【0174】
図21に示す設定情報は、保留中継基板14において、特定の紙幣保留ユニット12、遊技機8若しくは遊技媒体貸出装置10に設けられることのある紙幣投入装置22を当該特定の紙幣保留ユニット12ともにアドレス(インデックスデータ)をロータリースイッチ73とディップスイッチ74とで設定する場合に設定された当該紙幣保留ユニット12などのアドレスを島管理装置4の制御部に伝達するためのデータビットである。
【0175】
そして、島管理装置4では、その応答コマンドを受け、島管理装置表示操作パネル81において紙幣詰りの異常表示が実行される。
【0176】
つまり、島管理装置4に設けられた島管理装置表示操作パネル81の蛍光表示パネル82において異常表示(E)がされる。更に、島管理装置表示操作パネル81は、遊技場管理者による操作ボタン(表示ボタン84、機能ボタン85、移動表示ボタン85a、加減ボタン85b、解除ボタン86、決定ボタン87)への選択操作によって画面を詳細画面に切り換え、前述の紙幣詰りが所定のアドレスを有する特定の紙幣保留ユニット12において発生した事実と、更に特定の紙幣保留ユニット12における入口センサ31と紙幣取込センサ39とを結ぶ線上の近傍において紙幣詰りが発生している事実とが確認できる構成となっている。
【0177】
一方、保留中継基板14いは発光色の異なる3個のLED(RGB)が配設されていて、紙幣保留ユニット12において紙幣詰りが生じたことを赤色三点点滅により報知するようになっている。
【0178】
同時に、保留中継基板14は紙幣投入装置22のホルダ内の脱着可能に係着される構造であり、LEDからの投光は紙幣投入装置22の図示しないホルダに透設された表示孔より拡散される構造を有する。
【0179】
一方、紙幣保留ユニット12に遊技場島2に延設された上蓋と底板と、既述の紙幣搬送ユニット側カバーと紙幣返送ユニット側カバー47と紙幣搬送経路側カバー摺動体48とから形成される紙幣搬送経路18の下端の底板版上には紙幣搬送ユニットガイドレール51が敷設されている。紙幣搬送ユニットガイドレール51の内側面を滑走する紙幣搬送ユニット16には紙幣搬送ユニット第1ローラ52が、下方端には片側に2個の搬送ユニット第2ローラ53が架設された紙幣搬送ユニットが紙幣搬送ユニットガイドレール51に嵌装されている。
【0180】
また、遊技場島2に延設された底板と、上蓋と、紙幣搬送経路側カバー47と紙幣搬送経路側カバー摺動体48と、紙幣保留ユニット12とから形成される紙幣搬送経路18の下端の底板上には、紙幣搬送ユニット16が滑走する紙幣搬送ユニットガイドレール51が敷設されている。
【0181】
島管理装置4内の金庫部90に設けられた送りモータ55(紙幣搬送駆動モータ)に連係された紙幣搬送ユニット作用紐が紙幣搬送駆動モータ55の正回転によって島管理装置4側に紙幣搬送ユニット16を牽引して移動させる。また、紙幣搬送駆動モータ55の逆回転動作により島管理装置4とは反対方向である遊技場島2端部に設けられた紙幣搬送ユニット16の待機位置に紙幣搬送ユニット16が移送される。
【0182】
なお、以上に説明した以外にも、入口センサ31、紙幣取込センサ39、反転センサ60、紙幣格納検出センサにおける検出動作を組み合わせて紙幣詰りを判定させてもよいことは勿論である。<紙幣搬送ユニット>
紙幣搬送ユニット16は紙幣保留ユニット12ともに紙幣搬送手段となるものである。
【0183】
紙幣搬送ユニット16は、図2に示すように、平板の縦面を有する部材であり、縦面には紙幣を収容する搬送紙幣収容台54が設けられている。紙幣搬送ユニット16は、紙幣搬送経路18に設けられた紙幣搬送ユニットガイドレール51に沿って移動する。紙幣搬送ユニット16の上端に取り付けられた紙幣搬送ユニット第1ローラ52と紙幣搬送ユニット16の下端に取り付けられた搬送ユニット第2ローラ53とが紙幣搬送ユニットガイドレール51に沿って転動することにより、紙幣搬送ユニット16が紙幣搬送ユニットガイドレール51に沿って移動する。
【0184】
このような構成の紙幣搬送ユニット16の動作について以下に説明する。
【0185】
紙幣搬送ユニット16は、図1に示す遊技場島2内の背面側島端末5(図1の紙面上方向)と右側島端末5(図1の紙面下方向)との間に設けられた紙幣搬送経路18に沿って島管理装置4と各島端末5との間を移動する。
【0186】
一部重複して説明すれば、遊技場島2端部における初期の待機位置で停止していた紙幣搬送ユニット16は、遊技場島2に列設された多数の紙幣保留ユニット12の何れかにおける紙幣の保留枚数が20枚に達したことが判定された場合には、判定信号を出力した紙幣保留ユニット12に向かって移送される。
【0187】
紙幣保留ユニット12での紙幣保留枚数は、紙幣が通過することによって紙幣取込センサ39の光が遮断される都度、保留中継基板14に設けられた演算手段のカウンタ回路による加算処理がなされる。加算処理は、当該紙幣保留ユニット12が電気的に接続された各保留中継基板14において設定されたアドレスに基づき、各紙幣保留ユニット12毎に対応して行われる。
【0188】
そして、20枚の保留枚数が演算手段のカウンタ回路によりカウントアップされたと制御部の判定回路が判定すると、既述したように、その判定信号が島管理装置4からの問い合わせデータ(コマンド)(図19参照)に応答して応答コマンド(図20、図21参照)に含まれるカウントアップデータが島管理装置4に返信される。
【0189】
島管理装置4においては、受信した応答コマンドを判別して紙幣満杯が判定された紙幣保留ユニット12を識別する。これにより遊技場島2の端部で待機していた紙幣搬送ユニット16は、紙幣搬送駆動モータ55(送りモータ55)に連係された紙幣搬送ユニット作用紐が牽引され紙幣満タン信号を発信した紙幣保留ユニット12に向かって移動を開始する。
【0190】
また、紙幣搬送ユニット16が紙幣保留ユニット12に接近すると紙幣保留ユニット12に設けられた紙幣搬送ユニット通過センサ61が紙幣を搭載する紙幣搬送ユニット16の当該紙幣保留ユニット12への接近と紙幣搬送ユニット16が当該紙幣保留ユニットに対置したことを併せて検出する。
【0191】
なおこの場合、遊技場島2の紙幣搬送経路18上を移動する紙幣搬送ユニット16に対して、遊技場島2列の前後に配列された複数の紙幣保留ユニット12に設けられた紙幣搬送ユニット通過センサ61により予め順次検出して行く構成とすれば、紙幣保留ユニット12における紙幣搬送ユニット16側への紙幣の転出動作を、当該紙幣保留ユニット12への紙幣搬送ユニット16の到着が当該紙幣保留ユニット12の搬送ユニット検出センサによっては検出できない早い段階で、前方に位置する紙幣保留ユニット12の搬送ユニット検出センサの検出に応じて開始させることができるので、迅速で確実な紙幣の取込制御が実現できる。
【0192】
さて、紙幣搬送ユニット16が紙幣保留ユニット12に対置された場合には、紙幣保留ユニット12の搬送ユニット検出センサが紙幣搬送ユニット16を捉えて紙幣搬送ユニット検出信号を発信する。その紙幣搬送ユニット検出データは保留中継基板14に送信される。そして、紙幣搬送ユニット検出データを受信した保留中継基板14に設けられたモータ駆動制御回路はDCモータ32を起動する。
【0193】
DCモータ32の回転起動により既述の紙幣押圧回転体36が正転側に旋回される。
【0194】
そして、紙幣押圧回転体36が正回転すると紙幣押圧回転体36の紙幣収容溝36aに収容されていた紙幣が紙幣搬送ユニット16側に転位する。このとき、紙幣押圧回転体36の紙幣挟持片36bは、紙幣繰出片(突出した部分)によって紙幣押圧回転体36が正転したときに常時紙幣を押圧する。すると、紙幣挟持片36bは、紙幣繰出片による押圧作用に敗れて紙幣の搬送通路側を開放する状態に紙幣を導き入れる位置にまで退避する。
【0195】
なお、紙幣挟持片36bと紙幣押圧回転体36の外周面で既に紙幣が挟持されている場合には、挟持されている紙幣に紙幣収容溝36aに紙幣が積載されることにより紙幣保留ユニット12における紙幣は既述したように順次積層される。
【0196】
次に、遊技場島2の紙幣搬送通路側に転出された紙幣は、接近した紙幣搬送ユニット16に設けられた係動片によって紙幣挟持片36bによる把持作用が解除され紙幣搬送ユニット16に設けられた搬送紙幣収容台54に載置される。
【0197】
そして、紙幣保留ユニット12により紙幣搬送ユニット16に取込まれた紙幣は紙幣搬送ユニット16によって島管理装置4に設けられた金庫部90内に導き入れられる。
【0198】
金庫部90に導き入れられた紙幣搬送ユニット16からは、後述するように、積層された紙幣が金庫部90に移送される。
【0199】
そして、金庫部90への紙幣の移送が終了すると紙幣搬送駆動モータ55の逆回転動作によって紙幣搬送ユニット16が島管理装置4とは反対側の島端末5に向かって移動する。
【0200】
紙幣搬送ユニット16には、金庫部90を有する島管理装置4が設けられた遊技場島2の反対側の島端部には、紙幣保留ユニット12に設けられた紙幣搬送ユニット通過センサ61と同様な位置検出センサであって、紙幣搬送ユニット16を島端部に設定され初期位置として待機させるためのテールセンサが設けられている。当該テールセンサによって紙幣搬送ユニット16の待機位置が設定され、紙幣搬送ユニット16が起動する位置と返却されて待機する位置とが判定される。
【0201】
以上の機能を有する紙幣搬送ユニット16が紙幣保留ユニット12に一時保留されていた紙幣を回収する手順を図11に示す。
【0202】
先ず、紙幣搬送ユニット16は図11中右から左へ移動し、紙幣保留ユニット12に接近する(図11(a))。
【0203】
次に、紙幣搬送ユニット16の先頭部分が紙幣保留ユニット12の側壁にガイドされるようにして紙幣保留ユニット12に入り込む(図11(b))。
【0204】
そして、紙幣搬送ユニット16が更に図11中左へ進むと紙幣搬送ユニット16の後端に設けられている搬送紙幣収容台54が紙幣保留ユニット12の入口に入り込み、紙幣Bを引っ掛けるようにして紙幣搬送ユニット16に回収する(図11(c)、(d))。
【0205】
そして、紙幣を回収した後、更に図11中左へ進み、紙幣保留ユニット12から回収した紙幣を保持し、紙幣保留ユニット12から離脱(換言すれば、島管理装置4に接近)して行く(図11(e))
このような、紙幣搬送ユニット16は、紙幣が紙幣搬送ユニット16の基準位置(紙幣保留ユニット12の紙幣格納領域34若しくは紙幣搬送ユニット16における紙幣収容領域)からずれた場合に紙幣搬送ユニット16の動作を停止する紙幣搬送異常制御手段を有する。従って、回収した紙幣の搬送異常(紙幣のずれ)により、紙幣詰り等を発生させることがない。
【0206】
また、紙幣搬送ユニット16により搬送される紙幣が紙幣搬送経路18上で詰まり、若しくは紙幣搬送ユニット16が搬送経路上において障害により停止した場合には、脱着交換可能にされた紙幣保留ユニット12を紙幣搬送経路18上より取外し、又は紙幣搬送経路18を枠構造で構成する枠部材の一つである紙幣搬送経路側カバー47、若しくは紙幣搬送経路側カバー摺動体48を開放し、あるいは、紙幣搬送経路側カバー摺動体48をスライドさせて紙幣搬送経路18を開放することができる。
【0207】
紙幣搬送経路18の開放に伴って紙幣搬送ユニット16を紙幣搬送ユニットガイドレール51上より離脱して紙幣搬送ユニット16上にある障害紙幣を取除き、当該紙幣搬送ユニット16に対する保守修理作業を行うことができる。勿論、前記紙幣搬送経路側カバー47や紙幣搬送経路側カバー摺動体48などへの開放操作によって紙幣搬送ユニット16上で露出された紙幣を取除き、紙幣の搭載状態を適正な状態に修正することもできる。
<島管理装置>
<構成と機能>
図12は、島管理装置4の主要部分を表す正面図である。
【0208】
島管理装置4は、紙幣搬送ユニット16によって搬送されてきた紙幣を取込み格納する金庫部90と、紙幣保留ユニット12、保留中継基板14及び紙幣搬送ユニット16を制御する島管理装置制御部80とを備える。島管理装置制御部80については、図15を参照して後述する。
【0209】
島管理装置4では、金庫部90に進入した紙幣搬送ユニット16上の紙幣を紙幣無センサ100が「紙幣あり」を検出すると、プレス板93が紙幣搬送ユニット16上の紙幣を挟持して金庫部90内における紙幣格納工程が開始される。
【0210】
一方、紙幣搬送ユニット16に載置されていた紙幣が紙幣格納工程を経て金庫部90内に取込まれることにより紙幣無センサ100が紙幣搬送ユニット16上の紙幣がなくなったことを検出する
そして、紙幣無センサ100が紙幣搬送ユニット16上の紙幣がなくなったことを検出すると紙幣搬送ユニット16を紙幣搬送駆動モータ55の再起動によって金庫部90を有する島管理装置4とは反対側の遊技場島2端に移動する。
【0211】
金庫部90は、図12に示すように、正収納庫91と副収納庫92とから構成されている。図12において、紙幣搬送ユニット16が島管理装置4の金庫部90に到着し、紙幣搬送ユニット16内の紙幣がプレス位置検出センサ93aによって検出されると、プレス板93が図示しないプレスモータによってプレス板軸93b周りに回動し、紙幣がピックアップローラ94に押圧される。
【0212】
そして、押圧された紙幣がピックアップ位置検出センサ94aによって検出されると、ピックアップローラ94が回転し、ピックアップローラ94と前記プレス板93とで挟持した紙幣の束の内上層一枚目の紙幣を係動して上方に上昇させる。上昇された紙幣は続いて配列された分離ローラ95により引き込まれて上昇を続ける。
【0213】
分離ローラ95には前記ピックアップローラ94と同様に外周面の一部に欠部が形成されていて、摩擦接触による紙幣の持上げ間欠動作として、一枚の紙幣に対する接触係動作用が終了する回転位置において紙幣との摩擦接触が一時期停止させ、紙幣に対するピックアップ作用を間欠的且周期的に行って、一枚の紙幣を、前記紙幣の束より抜き出して分離する構造となっている。
【0214】
分離ローラ95を通過した一枚の紙幣は、搬送ローラ97,98,99それぞれの作用により順次正収納庫91に向かって搬送され、送りローラ101に到達する。
この間、搬送ローラ97より搬送ローラ98に至る紙幣搬送経路18は、紙幣の移送経路を上昇方向より水平方向に変換する搬送方向切換部が曲折形成された、断面長方形状の間隙が形成された筒状の樹脂成型部材により構成されている。
【0215】
更に、送りローラ101によって、正収納庫91に向けて紙幣が搬送されると、送り完了センサ99aで紙幣が検出される。そして、送り完了センサ99aで紙幣が検出されると、島管理装置制御部80では、送り完了センサ99aの情報に基づいて、紙送り完了判定が行われる。
【0216】
この、島管理装置制御部80で行われる紙送り完了判定では、送りローラ101で紙幣を搬送しながら送り完了センサ99aにて紙幣の破れや紙幣の位置ずれである搬送障害がが検出される。そして搬送障害が場合には、島管理装置制御部80はその旨をを蛍光表示パネル82に表示する。
【0217】
搬送紙幣の搬送障害は、紙幣に破れや破損若しくは折り曲げなどの損傷が生じていたり、搬送される紙幣に偏加重が作用し、同期した回転動作を行って紙幣を係動する各ローラの回転速度やトルクが、ノイズや振動などの外乱を受けて変動して移送制御に異常が生じた場合に発生する。
【0218】
従って、所定の領域内に限って移動する紙幣については正常なものとし、基準とする所定の領域内を逸脱して移動する紙幣を正収納庫91に至る前に予め検出して、紙幣の金庫部90内における搬送異常と格納異常の発生を未然に防止する紙幣送り判定手段を本発明の実施形態は採用している。
【0219】
なお、本実施形態においては、正収納庫91に臨む送り完了センサ99aにおいて紙幣送りの異常を判定する構成としているが、複数個のセンサを組合わせて異常を判定し、分離ローラ95より送り完了センサ99aに至る経路途上に判定センサを設ける構成としても良いことは勿論である。
【0220】
ここで、送り完了センサ99aを通過する紙幣の破れや位置ずれを検出する際の送り完了センサ99aの紙幣検出パターンの詳細を図13、図14に基づき説明する。
【0221】
図13、図14に示すように、紙幣の破れや位置ずれは、紙幣の搬送時に送り完了センサ99aが紙幣を検出している時間(検出された信号の持続時間)によって判定している。 そして、判定に当たっては、問題とならない紙幣の微細な破れ、ゴミ、ノイズ等の判定エラー要因による判定エラーをなくすため、送り完了センサ99aで検出された実際の紙幣の搬送時間に10m秒のディレー時間を付加して判定を行っている。
【0222】
そして、検出された信号の持続時間がディレーを含めて50m秒以下の場合には、ゴミ、ノイズの影響であるとして無視する(図13(b)の場合)。
【0223】
また、検出された信号の持続時間がディレー時間を含めて250m秒〜450m秒の場合には紙幣の破れや位置ずれがない(つまり、正常)と判定する(図13(a)の場合)。
【0224】
更に、検出された信号の持続時間が、ディレーを含めずに450m秒以上の場合には、紙幣が10度以上傾いて搬送されてきた(つまり、位置ずれ異常が発生)と判定される(図13(c)の場合)。
【0225】
また、検出された信号の持続時間が250m秒以下の場合は紙幣が破れていたりする場合であり、紙幣の異常と判定される(図13(c)の場合)。
【0226】
そして、図14に示すように、問題とならない紙幣の微細な破れがあり、検出された信号が一瞬途切れた場合であっても、その時間が10m秒以内(つまり、ディレー時間内)であれば、異常とは判定されない(図14(a)の場合)。
【0227】
一方、検出された信号がディレー時間を含めて10m秒以上に亘って途切れた場合には無視できない紙幣の破れがある(つまり、紙幣異常)と判定される(図14(b)の場合)。
【0228】
そして、紙幣の異常や位置ずれがない(つまり、正常)と判定された場合は、紙幣枚数が集計される。
【0229】
そして、紙幣送り完了判定が正常である場合には、紙幣はそのまま正収納庫91へ送られる。
【0230】
次に、正収納庫91には上下一対のスタック板103と104とが設けられていて、正収納庫91に到達した紙幣は下部スタック板103と上部スタック板104との間に誘入される。既に紙幣が下部スタック板103上に格納されている場合には、格納済み紙幣の表層の紙幣と上部スタック板との間に形成された紙幣格納領域34に、新たに格納される紙幣が積載される。新たに格納される紙幣は、上部スタック板104がスタックモータ102の回転動作に基づいて下降すると、押圧されて格納済み紙幣上に積載される。
【0231】
上部スタック板104は、紙幣を押圧して格納した後スタックモータ102の逆回転動作により初期の待機位置に復帰して、新たな紙幣を収容可能とするための紙幣格納領域34を紙幣搬送経路18に連通状態に形成する。
【0232】
一方、下部スタック板103は、紙幣とともに上部スタック板104により押圧されて下降した位置において鋸歯状で弾性体の付勢力を受けて多段に係支するラチェット機構により、次に投入されてくる紙幣を収納可能な位置において係り止められる。
【0233】
このようにすれば、正収納庫91に格納される紙幣は上下のスタック板103,104により押圧されて格納されるものとなるので、紙幣の曲がり折れが強制され伸ばされて紙幣の歪みが補正されるとともに、収容する紙幣の間隙と厚さを軽減して正収納庫91における紙幣格納領域34を有効に使用する構造とすることができる。
【0234】
なお、下部と上部のスタック板103,104を設けること無く、下部スタック板103のみを設け、該下部スタック板103をスタックモータ102により正収納庫91内に積載された紙幣枚数(紙幣枚数データは、既述の紙幣枚数計数手段により取得できる)に応じて下降させ、順次紙幣格納領域34を広げてゆく構成としてもよい。
【0235】
そして、スタック満杯検出センサ103aが紙幣満杯を検知した場合において、紙幣搬送ユニット16が島管理装置4の金庫部90内に到達して紙幣の格納動作が起動されていると、紙幣搬送ユニット16上の紙幣は、前記ピックアップローラ94とプレス板93とで把持された紙幣が補助スタック板106により押圧されると同時に、ピックアップローラ94とプレス板93とによる把持作用が解除される。把持作用の解除は、プレス板93がプレスモータの初期位置に復帰される逆回転動作によって行われる。
【0236】
そして紙幣が補助スタック位置に待機していることが判定されると、図示しない補助スタックモータが起動され、補助スタック板106がコイルスプリング107の付勢力に抗してモータ駆動により押圧され紙幣は副収納庫92に収納される。
【0237】
島管理装置4の島管理装置制御部80には入出力装置としての島管理装置表示操作パネル81と蛍光表示パネル82とが設けられる。図15において島管理装置制御部80の概要を示す。
【0238】
図15に示すように、島管理装置表示操作パネル81は、蛍光表示パネル82を待機画面、集計画面、エラー表示画面に切り換えるための表示ボタン84と、機能選択画面に切り換える機能ボタン85と、操作済みの機能設定を解除し、保留中継基板14より受信し、島管理装置4の島管理装置制御部80において入力した入力データあるいは、検出したエラーを必要によりクリアしてリセットする解除ボタン86と、入力したデータや選択した機能を確定する決定ボタン87とを備える。
【0239】
さらに、選択した機能や表示のグループに属する制御の詳細項目を、順次展開して表示し、あるいは、概要項目に順次収束して戻し表示する(▼)ボタン(▲)ボタンとによりなる移動表示ボタン85aと、遊技場島2に列設された紙幣保留ユニット12と紙幣投入装置22とを特定するアドレスが設定された各保留中継基板14の番地を順次増分して選択するための(+)ボタンと漸減させて選択する(−)ボタンとによりなる数値入力用の加減ボタン85bが設けられていて、加減ボタン85bへの操作を繰り返すことによって、図16における01番地の保留中継基板14に関する紙幣保留枚数から00番地の保留中継基板14に関する紙幣保留枚数とを操作に対応して切り換え表示することができる。
【0240】
そして、例えば、エラー表示画面にあっては、異常の発生した紙幣保留ユニット12を島マップ表示(図16)で表示した後、当該紙幣保留ユニット12における異常の発生箇所となる例えば紙幣取込センサ39を、操作によって順次切り換え表示し、更にエラーコードの表示の後、エラー内容を説明する文章列を展開表示する。
【0241】
集計画面表示にあっては、集計対象とする紙幣保留ユニット12を島マップ表示(図1
6)で表示した後、当該紙幣保留ユニット12が保留し搬送した紙幣の累計枚数を表示し
、あるいは、島マップ表示(図16)で現された現在の紙幣保留枚数を切り換え操作せずに表示することも選択することができる。
【0242】
なお、上記した図15 における機能選択画面、待機画面、エラー表示画面、集計画面
の詳細については更に次のようなものを設定することが考えられる。
【0243】
待機画面においては、例えば遊技場島2の紙幣搬送装置における紙幣搬送動作や異常の発生を遊技場内の島を摸し図形化したマップ図形上で表示し、日付、時刻を表示し、集計履歴表示する。
【0244】
機能選択画面においては、紙幣搬送モード(遊技場営業中における通常営業における紙幣の搬送制御態様と、遊技場閉店時における紙幣の搬送制御態様との切換、この場合閉店時における紙幣の搬送制御には、紙幣投入装置22より紙幣保留ユニット12に至って各紙幣保留ユニット12において保留されている紙幣を順次回収して、紙幣搬送経路18上で残留する紙幣を島管理装置4における金庫部90内に全て格納させる制御態様が含まれる。)や、紙幣搬送モード(通常営業時、閉店持の切換)や、島構成設定(遊技場島2に設置する紙幣投入装置22を含む紙幣保留ユニット12の右左台数設定)、あるいは、搬送条件設定(紙幣保留ユニット12で保留する紙幣の保留枚数、保留時間)、 若しくは
特定の紙幣投入装置22を含む紙幣保留ユニット12に関する個別データの選択、集計クリア日付時刻の切換を行う為の情報表示等を行うものとしてもよい。
【0245】
エラー表示画面においては、エラー履歴表示、例えば過去30回分の紙幣搬送エラー発生日付時刻、エラー発生場所、エラーの種別、表示されるエラーコード内容等が表示される。
【0246】
異常の発生した島管理装置4を含む紙幣搬送装置における表示、島管理装置4にあっては検出されたスタッカ満杯、プレス保持異常、ピックアップ異常、送り検出異常、紙幣枚数データ異常が表示される。
【0247】
また、紙幣保留ユニット12に関しては、紙幣保留ユニット満杯、紙幣保留ユニット入口詰まり、紙幣保留ユニット取込詰まり、紙幣保留ユニット扉開放、紙幣保留ユニット蓋離脱、紙幣搬送ユニット16の停止、紙幣保留ユニット12における保留枚数オーバー、紙幣搬送ユニット16若しくは遊技場島2に配列された紙幣保留ユニット12に関する搬送限度枚数オーバー等の表示が行われる。
【0248】
集計画面においては、回収紙幣に関する回収合計金額、金庫部90における受入判定合計枚数、遊技上島に列設された全紙幣保留ユニット12で保留されている現在保留中紙幣の合計枚数、紙幣搬送ユニット16において現在搬送中の合計紙幣枚数の表示が行われる。
【0249】
なお、集計画面を選択して、紙幣枚数補正操作を選択すると図示する数字キー82aが表され、表示された数字キー82aを選択して、紙幣搬送途上で障害により取除いた紙幣枚数を加算対象として入力することにより、先に島管理装置4の金庫部90に格納したものとして計数された紙幣枚数に、当該抜取り紙幣枚数を加算した紙幣格納枚数を一連の遊技媒体貸出により当該島が取得した入金データとして記憶させることができる。
【0250】
また、当該紙幣枚数補正処理を島管理装置4の島管理装置制御部80における紙幣枚数補正操作によりすること無く、当該遊技場において発生した入金処理を一括して管理する遊技場管理装置6においてするものとしても良く、あるいは、抜き取った紙幣を島管理装置4の金庫部90におけるスタック位置(紙幣搬送ユニット16が紙幣を積載して到着する位置)に挿入し、プレス板93とピッアップローラとで金庫部90内に取込んだ後、搬送し、正収納庫91で格納する紙幣枚数をカウントする計数手段において、取除き操作されず正収納庫91に到達した紙幣とともに入金データとして処理し、紙幣を格納させるものとしても良い。この場合、破損などの障害を生じた紙幣は、正常な紙幣に置換えられて格納されることとなる。
【0251】
図16は、蛍光表示パネル82で表示される遊技場島2における紙幣搬送ユニット16の動作内容を示したものである。ここで数値1から0までは、それぞれ遊技場島2の前面側及び背面側に配列された遊技媒体貸出装置10を含む紙幣投入装置22を示している。
【0252】
図16においては、島管理装置4から他端の紙幣搬送ユニット16が待機するテールセンサ設置位置に至る紙幣搬送経路18と、紙幣搬送経路18に付設された紙幣投入装置22、即ち保留中継基板14を特定する番地1,2,3,4,5,6,7,8,9,0と、紙幣保留ユニット12若しくは紙幣搬送ユニット16の動作情報とを、各紙幣保留ユニット12で保留している紙幣枚数とともに表示する構成を示している。
【0253】
□形状のブロックが島管理装置4であって2本の平行線を紙幣の搬送経路として図示されている。
【0254】
△形状で図示するのが紙幣搬送ユニット16であって、現在時刻においてはNo.8番目の紙幣投入装置22とNo.9番目の紙幣投入装置22の中間位置を移動する状態が示されている。なお、紙幣投入装置22には紙幣保留ユニット12が対設されているので、No.8、No9のアドレスを有する2つの紙幣保留ユニット12に紙幣搬送ユニット16が移動していることが把握できる。
【0255】
なお、本実施形態においては島の前面側と背面側とで二つの紙幣投入装置22が設けられこれに対応した二つの紙幣保留ユニット12があるので、No8の二つの紙幣保留ユニット12に紙幣が近づき紙幣の受け取り制御を開始するものと把握することができる。
【0256】
また、No8の紙幣保留ユニット12の一方は、11枚の、他方は現在03枚の紙幣を貯留していることも併せ確認することができる。
【0257】
次に、記号+は、図16において上方の配列においてはNo.1のアドレスを有する紙幣保留ユニット12と下方の紙幣保留ユニット12の配列及びNo.9のアドレスの紙幣保留ユニット12に係る配線、信号系統において断線状態が生じ、島管理装置4との通信ができない状態に陥っていることを示している。
【0258】
また、記号Eは、上方の配列においてはNo.5のアドレスを有する紙幣保留ユニット12と下方の紙幣保留ユニット12の配列及びNo.4のアドレスの紙幣保留ユニット12に係る配線、信号系統において紙幣詰りや扉開放といった異常状態が発生していることを示している。
【0259】
そして、表示されたエラーの内容については、機能選択ボタンを操作してエラー表示画面よりエラーの種別を確認するエラー説明画面に切り換えることによって、エラーとして判定された異常の内容が、当該番地で表された紙幣投入装置22側における、紙幣保留ユニットカバーの開放若しくは紙幣保留ユニット12の離脱、あるいは、紙幣詰まりなどの別であることを確認することができる。
【0260】
更に、記号●は上方に配列されたアドレスNo.6紙幣保留ユニット12において紙幣の満杯、例えば20枚の紙幣が保留され、これ以上紙幣投入装置22に紙幣が投入できず遊技機8による遊技ができない状態に至ることを報知している。
【0261】
また、記号○で図示された紙幣保留ユニット12においては、現在正常な紙幣保留動作が実行されていることを蛍光表示パネル82の表示画面において一括して確認することができる。
【0262】
以上のように、機能選択画面と島管理装置表示操作パネル81、82とにおける機能ボタン85や表示ボタン84への選択操作によって、島全体として一括で、若しくは島における特定の紙幣投入装置22から紙幣保留ユニット12に至る紙幣搬送と、島管理装置4の金庫部90に至る紙幣搬送ユニット16による紙幣搬送制御を個別に、動作状況を確認するとともに表示制御することができる。
【0263】
なお、表示パネルは蛍光表示パネルとせず、カラー液晶表示パネルやプラズマディスプレイとしてよいことは勿論である。また、カラー液晶表示パネルには、タッチパネル機能を搭載し機能ボタンや表示ボタンの機能を有する構成とすることもできる。
【0264】
<データ送受信>
次に、有価媒体搬送装置における島管理装置制御部80と他の構成品との間にデータの送受信について図17及び図18に基づき説明する
図17は有価媒体管理設備の全体ブロック図であり、図18は有価媒体管理設備の各構成品の構成と通信方法を示した図である。
【0265】
有価媒体管理設備における通信は、図18に示すように保留中継基板14を介して行われる。即ち、保留中継基板14を介して紙幣投入装置22、紙幣保留ユニット12と島管理装置制御部80とのデータの送受信が行われる。尚、紙幣搬送ユニット16の位置データ等は紙幣保留ユニット12に備えられたセンサ等により検出されるため、紙幣搬送ユニット16の位置データ等は紙幣保留ユニット12から島管理装置制御部80に送信されるようになっている。
【0266】
実際の通信の際は図18に示すように、島管理装置4が紙幣投入装置22及び紙幣保留ユニット12宛の制御信号及び紙幣搬送データ問い合わせ信号等を保留中継基板14に向けて送信する。島管理装置4は1つの保留中継基板14に対して10ms単位にて通信し、紙幣保留ユニット12の島管理装置4に近い順に50ms単位で島管理装置4から呼掛け送信を行い、紙幣保留ユニット12の動作情報と 紙幣搬送ユニット16の位置データ
のレスポンスを取得する。一方保留中継基板14においては、島管理装置4からの読み出しに対し5ms以内に応答しデータを返信する。
【0267】
具体的には、紙幣投入装置22は、島管理装置制御部80から紙幣枚数を問い合わせる問い合わせデータ(コマンド)が送信されると紙幣枚数データを島管理装置制御部80に返信する。
【0268】
また、紙幣保留ユニット12で異常が発生した場合は、紙幣保留ユニット12から異常データが島管理装置制御部80へ送信され、その異常データを受信した島管理装置制御部80は、紙幣投入装置22へ投入禁止データを送信する。
【0269】
勿論、当該紙幣投入装置22から紙幣保留ユニット12に至る装置上での異常が検出された場合には、島管理装置4からの指令を待つこと無く、紙幣投入装置22や紙幣保留ユニット12の制御部や保留中継基板14より紙幣投入禁止データを紙幣投入装置22に送信する構成のものとしても良い。
【0270】
また、紙幣保留ユニット12で紙幣搬送ユニット16の接近を検出した場合には、紙幣搬送ユニット16から島管理装置制御部80へ通過データが送信され、島管理装置制御部80は、その通過データに基づいて紙幣投入装置22へ投入禁止信号を送信する。
【0271】
以下、以上と同様に島管理装置4における島管理装置制御部80からの指令を待つこと無く、紙幣保留ユニット12より保留中継基板14を介して紙幣投入装置22へ紙幣投入禁止信号を出力する構成としても良い。
【0272】
なお、前記した島管理装置4の島管理装置制御部80が保留中継基板14を介して受信した異常や接近信号若しくは位置情報に基づいて蛍光表示パネル82でのエラー表示等が実行される。
【0273】
更に、紙幣投入装置22、紙幣保留ユニット12から異常信号が送信された場合には、島管理装置制御部80は、その信号を受信し、蛍光表示パネル82で異常箇所と異常の内容を簡略化して識別表示する異常コード番号を表示する。
【0274】
更にまた、島管理装置制御部80は、紙幣保留ユニット12から送信される紙幣搬送ユニット16の位置情報を受信し、蛍光表示パネル82でその位置情報(紙幣搬送ユニット16の位置情報)を表示する。
【0275】
上記の、保留中継基板14を介して、島管理装置制御部80と紙幣保留ユニット12及び紙幣投入装置22との間で送受信されるデータの構造を図17に示す。
【0276】
既に説明したように、図19に示す問合わせコマンドは、島管理装置制御部80から保留中継基板14に対して送信される送信コマンドであり、図20及び図21に示すデータは、保留中継基板14から島管理装置制御部80に返信される返信コマンドである。
【0277】
図19に示す送信コマンドは、各島端末5の紙幣保留ユニット12の島列を指定(前面側・背面側の何れか)するビット列、紙幣保留ユニット12のアドレスを特定するビット列、紙幣保留ユニット12についてその動作情報(正常であるか異常であるかの動作ステータス)を要求するビット列、搬送位置情報(待機、接近、停止、通過待ち)を要求するビット列及び受入紙幣枚数を要求するビット列から成る。
【0278】
これに対応して、図20に示す返信コマンドは、紙幣保留ユニット12の島列(前面側・背面側の何れか)を表すビット列、紙幣保留ユニット12のアドレスを表すビット列、紙幣保留ユニット12の保留動作ステータス(待機、受入、取込み、異常)を表すビット列、紙幣保留ユニット12の搬送動作ステータス(通常、通過待ち、通過中)を表すビット列、受入紙幣枚数を表すビット列及び現在保留枚数を表すビット列から成る。
【0279】
更に、図21に示す返信コマンドでは、紙幣保留ユニット12の島列(左右列、即ち前面側か背面側の何れか)を表すビット列、紙幣保留ユニット12のアドレスを表すビット列、紙幣保留ユニット12について異常があった場合はその異常ステータス内容(満杯、入口詰り、異常収納、紙幣戻り、紙幣引抜き、搬送失敗、紙幣保留ユニットカバー43開放)を表すビット列及び紙幣保留ユニット12に設けられている各センサ(入口センサ31、取込みセンサなど)の状態を表すビット列から構成される。
【0280】
このように、島管理装置制御部80は、保留中継基板14を介して紙幣保留ユニット12及び紙幣投入装置22との間で送受信コマンドを送受信することにより紙幣保留ユニット12、紙幣搬送ユニット16、紙幣投入装置22、遊技媒体貸出装置10を制御している。
【0281】
次に、以上に説明した島管理装置制御部80で実行される処理について、図22〜図24のフローチャートに従って説明する。
【0282】
<紙幣搬送ユニット制御処理>
図22に紙幣搬送ユニット制御処理のフローチャートを示す。この紙幣搬送制御ユニット制御処理は、島管理装置制御部80の電源投入に応じて開始される。そして、図22に示すように、先ず、S300で紙幣保留ユニット12から紙幣搬送ユニット16の位置データを取得し、S305へ移行する。
【0283】
S305では、S300にて取得した紙幣搬送ユニット16の位置データから、紙幣搬送ユニット16が何れかの紙幣保留ユニット12の位置にあるか否かを判定する。そして、紙幣搬送ユニット16が何れかの紙幣保留ユニット12の位置になければ(S310でNoの場合)S365へ移行し、紙幣搬送ユニット16の牽引を続ける。逆に、紙幣搬送ユニット16が紙幣保留ユニット12の位置にあれば(S310でYesの場合)、S310へ移行する。
【0284】
S310では、紙幣投入装置22に紙幣投入禁止データを送信し、続くS315で紙幣保留ユニット12から紙幣抜取りデータを受信し、S320へ移行する。
【0285】
S320では、S310にて受信した紙幣抜取りデータに基づき、紙幣保留ユニット12から紙幣が抜き取られたか否かを判定する。そして、紙幣が抜き取られていなければ(S320でNoの場合)、S365へ移行して、紙幣搬送ユニット16の牽引を続ける。一方、紙幣保留ユニット12から紙幣が抜き取られていれば(S320でYesの場合)、S325へ移行する。
【0286】
S325では、紙幣投入装置22に紙幣投入許可データを送信し、続くS330で保留中継基板14から紙幣保留ユニット12のアドレス(N)を取得し、S335へ移行する。
【0287】
S335では、S330にて取得したアドレス(N)が最大値(つまり、遊技場島2端に一番近い紙幣保留ユニット12であることを示す。)であるか否かを判定する。そして、アドレス(N)が最大値でなければ(S335でNoの場合)、S365へ移行し、紙幣搬送ユニット16の牽引を続ける。一方、アドレス(N)が最大値であれば(S335でYesの場合)、S340へ移行し、搬送紙幣金庫内格納処理を実行した後S345へ移行する。
【0288】
S345では、紙幣搬送ユニット16を初期位置(つまり、島管理装置4の設置位置と反対端)へ向かって移動させ、続くS350で島端位置検出センサ信号を入力し、S355へ移行する。
【0289】
そして、S355で、島端位置センサ信号に基づき紙幣搬送ユニット16が島端にあるか否かを判定する。そして、紙幣搬送ユニット16が島端になければ(S355でNoの場合)、S345に戻って紙幣搬送ユニット16を初期位置へ戻す処理を続ける。一方、紙幣搬送ユニット16が島端にある場合は(S355でYesの場合)、S360へ移行する。
【0290】
S360では、紙幣搬送ユニット16の移動を停止し、その後S300に戻って、紙幣搬送ユニット制御処理を繰り返す。
【0291】
電源遮断若しくは、貯留紙幣の消滅と、蛍光表示パネル82に対する紙幣搬送終了指令の入力によって完了する。
【0292】
変形例として、紙幣保留ユニット12の紙幣搬送ユニット通過センサ61(紙幣搬送ユニット搬送位置検出手段)により紙幣搬送ユニット16の搬送位置データを取得し、紙幣保留ユニット12に関するアドレスが最大値になるか否かで金庫内格納処理に移行するのではなく、島管理装置4の設けられた島端とは反対側の紙幣搬送ユニット16が初期位置として待機するテールセンサの設けられた箇所より、順次、島管理装置4に向かってシーケンスに位置情報を取得しつつ各紙幣保留ユニット12で保留された紙幣を紙幣搬送ユニット16側に取込ませ、紙幣搬送ユニット16が取込んだ紙幣枚数が紙幣搬送ユニット16の搭載許容枚数を超えることが判定された場合には、紙幣保留ユニット12からの紙幣の取込動作を終了して島管理装置4の金庫部90に向けて紙幣搬送ユニット16を移動し金庫部90内格納処理に移行させるものとしても良い。
【0293】
紙幣保留ユニット12が取得した紙幣搬送ユニット16の位置情報は蛍光表示パネル82の紙幣搬送位置マップ上において(図16) 表示でき、当該紙幣取込制御後における
各紙幣保留ユニット12で保留されている紙幣枚数も、島管理装置4が取得した各保留中継基板14からの応答コマンドによって各紙幣保留ユニット12のアドレスに対応して表示される。金庫部90側に紙幣を取込ませた紙幣搬送ユニット16は初期位置に復帰した後、再び他の紙幣保留ユニット12に残された保留紙幣の取込動作を再開する。
【0294】
<搬送紙幣金庫内格納処理>
図23に搬送紙幣金庫内格納処理のフローチャートを示す。この搬送紙幣金庫内格納処理は、紙幣搬送制御ユニット制御処理から呼び出されるサブルーチンである。そして、図23に示すように、先ず、S400でスタック満杯検出センサ103a(図12参照)情報を取得し、S405へ移行する。
【0295】
S405では、S400にて取得したスタック満杯検出センサ103a情報に基づき、正収納庫91(図12参照)は満状態であるか否かを判定する。そして、正収納庫91が満杯でなければ(S405でNoの場合)、S410へ移行し、正収納庫91が満杯であれば(S405でYesの場合)、S470へ移行する。
【0296】
S410では、ピックアップローラ94(図12参照)を作動させ、紙幣搬送ユニット
16から取込んだ紙幣の搬送を開始し、S415へ移行し、紙幣搬送ユニット16の紙幣無センサ100(図12参照)の情報を取得し、S420へ移行する。
【0297】
S420では、S415にて取得した紙幣無センサ100の情報に基づき、紙幣搬送ユニット16に紙幣が残っているか否かを判定する。そして、紙幣搬送ユニット16に紙幣が残っていなければ(S420でYesの場合)、S455へ移行し、紙幣搬送ユニット16に紙幣が残っていれば(S420でNoの場合)、S425へ移行する。
【0298】
S425では、ワンウェイローラ96を駆動し、続くS430で分離ローラ95を駆動する。更に、続くS435において、送り完了センサの情報に基づき、紙幣枚数をカウントし、続く、S440でスタックモータ102を駆動し、更に続くS445で送り完了センサ99aの情報を取得し、S450へ移行する。
【0299】
S450では、S445にて取得した送り完了センサ99aの情報に基づき、紙幣送りが完了したか否かを判定する。そして、紙送りが完了して入れば(S450でYesの場合)、S455へ移行する。一方、紙幣送りが完了していなければ(S450でNoの場合)、S425に戻り、紙幣送りを続ける。
【0300】
S455では、各ローラ94、95、96を停止させ、紙幣送りを完了する。そして、続くS460でスタックモータ102を逆転させて下部スタック板103を初期位置へ戻し、S465へ移行し、S435でカウントした紙幣枚数に基づき、紙幣金額を集計した後メインルーチンへ戻る。
【0301】
S405にて、正収納庫91が満状態であるとして処理が移行したS470では、正収納庫91が満状態である旨の表示を蛍光表示パネル82に行った後、続くS475で副収納庫満センサ106a情報を取得し、S480へ移行する。
【0302】
S480では、S475にて取得した副収納庫満センサ106aの情報を基に副収納庫92が満状態であるか否かを判定する。そして、副収納庫92が満状態でない場合(S480でNoの場合)はS485へ移行し、副収納庫92が満状態の場合(S480でYesの場合)は、S500へ移行する。
【0303】
そして、S485では、図示しない補助スタック板駆動モータを起動し、紙幣搬送ユニット16内の紙幣を補助スタック板106で紙幣搬送ユニット16から副収納庫92へ押し出すようにして収納し、S490へ移行する。
【0304】
S490では、紙幣搬送ユニット16を初期位置へ移動させ、S495へ移行し、補助スタック板106を初期位置へ戻し、本処理を終了してメインルーチンへ戻る。
【0305】
S480で副収納庫92が満状態であるとして移行したS500では、蛍光表示パネル82に副収納庫92が満状態である旨を表示した後、S505へ移行し、紙幣投入装置22へ紙幣投入禁止データを送信し、紙幣投入装置22での紙幣投入を禁止して、続くS510で紙幣保留ユニット12に紙幣取込禁止データを送信し、紙幣保留ユニット12での紙幣取込みを禁止する。
【0306】
そして、続くS515で副収納庫満センサ106aの情報を取得しS520へ移行する。
【0307】
S520では、S515にて取得した副収納庫満センサ106aの情報を基に副収納庫92が満状態であるか否かを判定する。そして、副収納庫92が満状態でない場合(S520でNoの場合)はS525へ移行し、副収納庫92満状態の表示を消して、本処理を終了する。一方、副収納庫92が満状態の場合(S520でYesの場合)は、S515へ戻り処理を繰り返す。このように、副収納庫92が満状態であるか否かを繰り返すことにより、S500で副収納庫92が満状態となった旨を表示した後、副収納庫92から紙幣が取除かれるまで待機するのである。
【0308】
なお、この場合の変形例を説明する。正収納庫91に格納された紙幣の金庫管理者による回収が完了して、正収納庫91における紙幣格納領域34が再び形成された場合には、副収納庫92で格納された紙幣を、図示しない返却板によって、補助スタック板106が待機する紙幣搬送ユニット16が侵入してくる紙幣の取込み位置まで押動して返却する。
【0309】
紙幣の取込み位置まで返却された紙幣は、プレス板93とピックアップローラ94とで挟持される。副収納庫92より返却された後プレス板93とピックアップローラ94とで把持された紙幣の束は、分離ローラ95で一枚毎に分離された後、送り完了センサ99aにまで移送される。送り完了センサ99aに至る際もしくは送り完了センサ99aによる検出動作に伴って正収納庫91に格納する紙幣枚数が計数される。送り完了センサ99aなどの紙幣枚数カウンタによる計数手段によるカウント処理がされた紙幣は正収納庫91に格納される。
【0310】
<紙幣異常入金処理>
図24に紙幣異常入金処理のフローチャートを示す。この紙幣異常入金処理は、島管理装置制御部80の電源投入後、時間割り込みにより定期的に実行される処理であり、起動後先ず、S600にて、紙幣投入装置22から紙幣枚数データを取得した後、S605で紙幣保留ユニット12から紙幣枚数データを取得する。その後、S610で島管理装置4で取除かれた紙幣枚数データを取得し、続くS615で紙幣枚数カウンタから紙幣枚数データを取得し、S620へ移行する。
【0311】
S620では、S600〜S615にて取得した各紙幣枚数を比較し、異常がある場合にはS630へ移行して蛍光表示パネル82に不正表示を行う。ここで、異常がある場合とは、例えば、紙幣投入装置22から取得した紙幣枚数データと紙幣保留ユニット12から取得した紙幣枚数データが不一致の場合、あるいは、紙幣保留ユニット12から取得した紙幣枚数データから島管理装置4で取除かれた紙幣枚数データを引いた紙幣枚数と紙幣枚数カウンタから取得した紙幣枚数データとの間に不一致があるような場合のことをいう。
【0312】
即ち、島管理装置4の金庫部90において正収納庫91に格納される紙幣枚数は、紙幣投入装置22に遊技者が遊技媒体の貸出を受ける為に投入した紙幣枚数よりは、当該紙幣投入装置22において障害を生じて取除かれた紙幣枚数が減算され、紙幣保留ユニット12において保留された紙幣枚数よりは、紙幣投入装置22より紙幣保留ユニット12に至る経路上と紙幣保留ユニット12において障害の為に取除かれた紙幣枚数が減算され、紙幣搬送ユニット16が島管理装置4の金庫部90に搬送された紙幣枚数よりは、紙幣搬送ユニット16による搬送途上において障害の為に取除かれた紙幣枚数が減算され、島管理装置4における正収納庫91に格納された紙幣枚数よりは、当該島管理装置4の金庫部90内での移送途上において障害の為に取除かれた紙幣枚数が減算される。
【0313】
従って、紙幣投入装置22に投入された紙幣枚数より、紙幣保留ユニット12や紙幣搬送ユニット16を含む紙幣搬送手段や紙幣搬送経路18上で障害の為に取除かれた紙幣枚数が減算された紙幣枚数データが、島管理装置4における正収納庫91に格納された紙幣枚数データと一致する場合には、不正等が無いものと判定される。
【0314】
以上、障害のために取除かれた紙幣枚数データを、既述したように、島管理装置4の島管理装置表示操作パネル81で集計画面を選択した後、島管理装置表示操作パネル81で表される数字キー82aより取除き紙幣枚数データとして入力し補正する。
【0315】
これにより、島管理装置4の金庫部90において計数され格納された紙幣枚数に、補正値となる抜取り紙幣枚数を加算した紙幣格納枚数データが、紙幣投入装置22に投入された紙幣枚数として紙幣投入装置22より島管理装置4が受信した紙幣枚数データとの照合演算が、島管理装置4の島管理装置制御部80で実行される。島管理装置制御部80における照合演算の結果が一致しない場合には不正の判定がされる。
【0316】
以上のような島管理装置4は、金庫における紙幣格納手段(プレス板93、ピックアップローラ94、分離ローラ95、正収納庫91、副収納庫92)による紙幣の格納動作が、紙幣搬送ユニット16が移動中でなく、かつ、金庫に設けられた扉開放センサ81aが金庫扉の開放が無いことを検出した場合などに限って許容する紙幣格納規制制御手段を有する。従って、不完全な金庫への紙幣格納処理がなされることがなく、併せて不正に紙幣が抜き取られることを防止できる。
【0317】
また、島管理装置4は、多数個列設された紙幣保留ユニット12における一の紙幣保留ユニット12で保留した紙幣枚数の合計が20枚に達した場合に、紙幣搬送ユニット16を紙幣の回収可能に起動する紙幣搬送ユニット起動手段を有する。従って、容量を越えた紙幣が搬送されようとして紙幣搬送ユニット16が搬送障害を起こし故障することを防止するできるとともに搬送される紙幣枚数の掌握を一定単位数(紙幣搬送ユニット16に保留できる最大紙幣枚数)に基づいて効率的に行なえる。
【0318】
一方、紙幣保留ユニット12において保留できる紙幣枚数の20枚に達すると紙幣投入装置22側から紙幣保留ユニット12への搬送が一時停止され、保留紙幣が20枚に満たないことを紙幣保留ユニット12に設けられた入口センサ31等の紙幣枚数計数手段が判定すると紙幣保留ユニット12における紙幣の保留動作は再開される。
【0319】
また、島管理装置4は、少なくとも、遊技場島2に列設された多数個の紙幣保留ユニット12における紙幣の合計保留枚数が所定値に達した場合に紙幣搬送ユニット16を紙幣の回収可能に(紙幣搬送駆動モータを)起動する紙幣搬送ユニット起動手段を有する。従って、容量を越えた紙幣が紙幣保留ユニット12から紙幣搬送ユニット16に転送されることによる紙幣保留ユニット12からの取込み障害や紙幣搬送ユニット16による搬送障害やユニット故障を防止できるとともに取込み搬送される紙幣枚数の掌握が効率的に行うことができる。
【0320】
即ち、紙幣搬送ユニット16が搭載する紙幣枚数が30枚となることを、島全体の各紙幣保留ユニット12に設けられた入口センサ31などの各紙幣枚数計数手段から、島管理装置4の島管理装置制御部80からの問合わせコマンドに応じて島管理装置4の島管理装置制御部80が取得した応答コマンドに含まれる各紙幣保留ユニット12の紙幣枚数の島左一列側全体での紙幣枚数の合計値の演算結果によって、島管理装置4の島管理装置制御部80が判定すると、紙幣搬送ユニット16は当該島の左一列側に列設された紙幣保留ユニット12よりの紙幣取込動作を停止する。
【0321】
この場合、島内の他方の列である右側に配列された各紙幣保留ユニット12で保留している紙幣枚数が、島列全体合計で30枚に至らず、右側各紙幣保留ユニット12其々における紙幣枚数も20枚を満たすもので無ければ、右側に配列された各紙幣保留ユニット12からの紙幣搬送ユニット16による紙幣取込動作は禁止されない。
【0322】
紙幣搬送ユニット16による紙幣保留ユニット12からの紙幣取込を禁止する構成としては、紙幣保留ユニット12に設ける紙幣繰出し手段の動作を停止し、あるいは、紙幣搬送ユニット16に設ける紙幣取込手段の動作を島列の左右列の別に対応し停止する構成とすることによりも行える。
【0323】
以上の実施形態においては、紙幣搬送ユニット16による紙幣の回収動作は起動された状態にあって、前記紙幣取込手段若しくは紙幣繰出し手段のみが停止制御される構成となっている。
【0324】
また、島管理装置4は、遊技場島2に列設された多数個の紙幣保留ユニット12における合計紙幣保留枚数、若しくは一の紙幣保留ユニット12における紙幣保留枚数が、紙幣搬送ユニット16が搬送できる限界紙幣枚数に達した場合に(達する以前に)紙幣搬送ユニット16を紙幣の回収可能に(紙幣搬送駆動モータを)起動する紙幣搬送ユニット起動手段を有する実施形態にあっては、不必要に紙幣搬送ユニット16を駆動して電力浪費をすることのない紙幣搬送ユニット16とすることができるとともに当該遊技場島2全体の紙幣を統括した状態で紙幣の搬送制御がされるので、紙幣搬送毎に極めてバランスの異なる非効率的な紙幣搬送が実行されることを防止することができる。
【0325】
また、島管理装置4は、遊技場島2に列設された多数個の紙幣保留ユニット12における各紙幣保留ユニット12から取込む全紙幣の合計保留枚数、若しくは多数個の紙幣保留ユニット12における何れかの紙幣保留ユニット12における紙幣保留枚数が所定値に達した場合、若しくは紙幣搬送ユニット16が紙幣を収容して搬送できる紙幣の許容枚数に達した場合(例えば、紙幣搬送ユニット16における片面の収容領域に積載された紙幣枚数が30枚となった場合)の何れかの場合において、紙幣を積載した紙幣搬送ユニット16を島管理装置4側の金庫に向けて回収させるように起動する紙幣搬送ユニット起動手段を有する。
【0326】
従って、紙幣保留ユニット12と紙幣搬送ユニット16との何れかの容量を越えた紙幣が紙幣保留ユニット12から紙幣搬送ユニット16に転送されまた紙幣搬送ユニット16により搬送されることによる障害や、紙幣保留ユニット12と紙幣搬送ユニット16とにおいて積載量を超えた紙幣が搬送されることによって生じる故障の発生を防止することができる。
【0327】
また、島管理装置4は、先に実行した紙幣搬送ユニット16による金庫への紙幣収容動作から所定の時間が経過したと判定された場合において、紙幣搬送ユニット16を紙幣保留ユニット12に格納した紙幣を収容して遊技場島2内の金庫に向けて移動可能に起動する紙幣搬送ユニット起動手段を有する場合には、正副収納庫91,92内における紙幣の集積が完了せず更に紙幣が正副収納庫91,92に収容されてしまうことによる正副収納庫91,92の機能障害を防止するとともに紙幣保留ユニット12における紙幣の保留に未だ余裕ある場合に非経済な紙幣搬送が行われる不合理が解消できる。
【0328】
<バックアップ>
また、島管理装置4は、電源遮断時に紙幣保留ユニット12に格納された保留紙幣枚数を島管理装置4に設けられたバックアップ記憶手段に他のログデータとともに記憶する一方、電源の再投入時において、紙幣保留ユニット12に設けられたセンサによる紙幣の検出がない時は、バックアップ記憶手段に記憶された保留紙幣枚数に係るバックアップデータを破棄するバックアップデータ制御手段を有する。
【0329】
従って、異常な電源断により紙幣保留ユニット12で保留している保留枚数データに相違が生じて、実際の搬送枚数と異なる紙幣の搬送データが島管理装置4に格納されることによる誤入金処理がなされる不具合を解消するとともに、異常な紙幣保留ユニット12からの紙幣抜き取り操作にも対処できる健全な紙幣枚数に係る収支管理が実現できる。
【0330】
また、島管理装置4を含む紙幣搬送装置の電源が異常の発生により遮断された場合に、この停電などの電源異常時に紙幣保留ユニット12において保留している紙幣が、正規に遊技場の管理者により手操作により回収された場合には、バックアップした当該紙幣保留ユニット12における紙幣枚数データは、紙幣搬送装置によって回収する紙幣枚数データと一致しなくなることを当該制御によって補正することもできる。
【0331】
これら、紙幣搬送装置を含む有価媒体搬送装置の稼動データは、再起動時においても同様に、紙幣などの有価媒体の搬送や格納制御に応じて常時更新される各センサの検出データ、搬送手段の位置データ、モータ等の駆動手段に係わる制御データ、紙幣などの有価媒体の貸出に関して演算される紙幣枚数などの有価媒体数や入金データ、パチンコ球やメダル等についての個数データ等を含み更新される。
【0332】
さらに、島管理装置4より取出し可能にされる補助記憶部材に稼動データを記憶するバックアップ手段に格納されたバックアップデータが、有価媒体搬送装置の再起動時に各センサの検出データ、搬送手段の位置データ、モータ等の駆動手段に係わる制御データ、有価媒体の貸出に関して演算される紙幣枚数や入金データ、パチンコ球やメダル等についての個数データなどが変更されている場合には、更新されて有価媒体搬送装置が復旧される。 遊技場の島に、一例として掲げた紙幣保留ユニット12などの紙幣搬送ユニット16が、多数分散して配置される有価媒体搬送装置についての制御データに変更が生じていても、紙幣搬送ユニット16等の各手段や装置より情報を収集して修正入力操作などしてバックアップデータ更新する必要はなく、迅速かつ的確に遊技媒体搬送装置の復旧が行える。
【0333】
特に、本実施形態に記載した発明の構成においては、遊技媒体搬送装置のバックアップデータがリストアされる復旧時において、各手段や装置で形成されるデータに、バックアップ時と復旧再起動時において変更が生じている場合には、生じた変更を検知してバックアップデータを更新して復旧させるバックアップデータ更新手段を有する構成であるので、バックアップ及びリストアに際して異常な復旧制御が行われることを防止する。
【0334】
即ち、既述の実施形態においては、電源遮断にともなって行われたバックアップデータより、紙幣搬送装置についての電源再投入前に、紙幣搬送経路18上の紙幣保留ユニット12より取除かれた保留紙幣に関する紙幣データが、消去されてバックアップデータとして復旧時に使用される構成となっているので、インティグリティある紙幣搬送装置についての復帰回復制御を実現することができる。
【0335】
更に詳説すれば、島管理装置4を含む紙幣搬送装置の電源が異常の発生により遮断された場合に、この停電などの電源異常時に紙幣保留ユニット12において保留している紙幣が、正規に遊技場の管理者により手操作により回収された場合には、バックアップした当該紙幣保留ユニット12における紙幣枚数データは、紙幣搬送装置によって回収する紙幣枚数データと一致しなくなることを紙幣搬送バックアップデータ保持手段と紙幣搬送バックアップデータ更新手段とにより構成されるバックアップデータ制御手段による当該制御によって補正することができる。
【0336】
これら、紙幣搬送装置の稼動データは、再起動時において、紙幣の搬送や格納制御に応じて常時更新される各センサの検出データ、紙幣搬送手段の位置データ、DCモータ32等の駆動手段に係わる制御データ、パチンコ球やメダルの貸出に関して演算される紙幣枚数など入金データ、パチンコ球やメダル等についての個数データ等を含み当該紙幣搬送装置の稼動時と同様に更新される。
【0337】
島管理装置4より脱着可能にされた補助記憶部材に、前記稼動データが転送されバックアップデータとして記憶され、更に紙幣搬送装置の再起動時に、記憶されたデータが変更されたものとなっている場合には、データが更新されて紙幣搬送装置が復旧される。
【0338】
即ち、電源の遮断にともなって行われたバックアップ制御のバックアップデータは、紙幣搬送装置についての電源再投入前において、紙幣搬送経路18上の紙幣保留ユニット12において紙幣詰りの為に紙幣有り、紙幣詰り信号を島管理装置4の島管理装置制御部が受信して記録した紙幣有りデータは、紙幣保留ユニット12から詰まった紙幣が取除かれると紙幣保留センサ62の紙幣有り信号は紙幣無し信号に切換わって島管理装置制御部に送信され、紙幣搬送装置の電源再投入とともに紙幣無しデータを取込んで紙幣搬送装置は復旧される。
【0339】
紙幣搬送制御が、異常の発生や遊技場の閉店その他の原因により電源断などにより停止された場合であって、紙幣の搬送制御と、遊技媒体の貸出に伴って発生する紙幣枚数やメダル若しくはパチンコ球の貸出数など入金データを含んだ紙幣搬送装置に係わるバックアップデータについて、停止時と復旧起動時とにおいて変更が生じていると、バックアップしたデータを復旧起動時に更新しバックアップデータとして紙幣搬送装置の制御と管理に使用する構成となっているので、インティグリティある紙幣搬送装置についての復帰回復制御を実現することができる。
【0340】
なお、紙幣搬送装置がバックアップするデータは、紙幣投入装置22と紙幣保留ユニット12と島管理装置4の金庫部90のそれぞれに設けられる各センサ、例えば、搬送ユニット通過センサ61、反転センサ60、扉開放検出センサ64、保留ユニット離脱検出センサ63、プレス位置検出センサ93a、スタック位置センサ103b、扉開放センサ81aなどから取得したデータと、DCモータ32、スタックモータ102など駆動手段の動作データと、島管理装置制御部80の演算手段により得られた紙幣投入装置22若しくは紙幣保留ユニット12更には金庫部90のそれぞれにおいて取得された紙幣枚数データや貸出したパチンコ球やメダル等の遊技媒体数データに換算できる入金データ、さらに前記各センサの検出信号に基づき島管理装置制御部80で判定される故障や不正などの異常データが含まれる。
【0341】
また、紙幣搬送装置がバックアップするデータは、一定時間毎にサンプリングされたデータ、及び本日中における累計データ、あるいは、電源遮断時等による紙幣搬送装置の停止の都度、紙幣搬送装置の停止の時点で島管理装置制御部80の記憶部に格納されたデータが含まれる。
【0342】
紙幣搬送装置でバックアップするデータの紙幣格納領域34は、脱着可能な補助記憶手段に設けることの他、島管理装置制御部80に設けられる記憶部にバックアップ用の記憶エリアを設けるものとしてもよく、また、記憶エリアを複数設けダブルビン方式でバックアップデータを更新するものとしてもよい。
【0343】
既述の実施形態に記載した、図19、図20、図21に例示したビットデータを、バックアップ用の記憶エリアに時間の経過ともに順次更新記憶し、停止時にストアされているバックアップデータのリストアに際し、復旧起動時に変更されているデータの部分があれば、この部分のデータをUPDATEして復旧起動する。
【0344】
バックアップデータが更新される一例を更に詳細に説明すれば、既述したそれぞれに設けられた各センサ信号がON状態からOFF状態に切換わっている場合は、切換わった後のOFF信号に基づくデータにより当該紙幣搬送装置は復旧される。例えば、紙幣搬送装置の何れの箇所かにおいて紙幣詰りを起こした状態においてその紙幣が取除かれている場合には、紙幣が取除かれた状態での復旧制御が開始される。
【0345】
また、例えば他の実施態様においては島管理装置4の金庫部90に格納した紙幣枚数を記述した操作手段により補正入力した後、紙幣搬送装置の全体を復旧起動する例にあっては、金庫部90において格納した真正な紙幣枚数に基づいて当該紙幣搬送装置全体(紙幣保留ユニット12、紙幣搬送ユニット16、金庫部90を含む管理装置等の全体)の復旧起動が行われる。
【0346】
また、島管理装置4は、遊技媒体貸出装置10を含む遊技場の紙幣投入装置22における紙幣収容部に収容した紙幣の傾き若しくは位置ずれを、移送障害を生じない所定の範囲内にあっては許容して、紙幣の格納処理を実行する格納紙幣収容補助手段(傾き許容範囲や紙幣の位置ずれを許容して搬送を続行する。)を有する。従って、紙幣を緻密に紙幣の収容部に一致して格納する為の工程を省くことにより迅速で円滑な紙幣の収納管理が実現できる。
【0347】
即ち、精密な判定がなされることによって頻繁に紙幣の搬送制御が中断されたり、僅かなノイズ信号を受けて、正常な動作を誤動作として紙幣搬送制御してしまう不具合を解消する。
【0348】
また、島管理装置4は、遊技媒体貸出装置10を含む遊技場の紙幣投入装置22における紙幣の紙幣収容部に収容した紙幣について、紙幣の収容部で占有する領域が所定の範囲を超えると判定される場合には、紙幣の搬送若しくは格納処理を禁止するとともに紙幣異常を表示する紙幣搬送異常時制御手段を有する。従って、(破れ、破損、折れ曲がり)異常な紙幣や整列されていない紙幣を搬送し、あるいは、格納することによって紙幣詰りや格納部の故障が発生し、又は紙幣に損傷が生じることを防止することができる。
【0349】
また、島管理装置4は、遊技媒体貸出装置10を含む遊技場の紙幣搬送ユニット16における紙幣の紙幣収容部に収容した紙幣について、固定された横幅と、一定の許容範囲を有する縦幅とで囲まれる範囲内において、紙幣が収容されていると判定される場合には、紙幣の格納処理を続行させ、範囲外と判定される場合には紙幣を取込み対象外とする紙幣移動制御手段を有する。従って、紙幣を緻密に紙幣の収容部に一致して格納する為の工程を省くことにより迅速で円滑な紙幣の収納管理が実現し、異常な紙幣や整列されていない紙幣を搬送し、あるいは、格納することによって紙幣保留ユニット12や紙幣搬送ユニット16を含む紙幣搬送経路18上において紙幣詰りを生じ、島管理装置4に設けられる金庫部90の格納部の故障が発生し、又は紙幣に損傷が生じることを防止することができる。
【0350】
また、島管理装置4は、遊技場島2に列設された多数の紙幣保留ユニット12に対する紙幣搬送ユニット16の通過位置若しくは停止位置ならびに該当する紙幣保留ユニット12における異常動作を含む動作状態を島管理装置4の蛍光表示パネル82で紙幣保留ユニット12の配列とともに図表化して表示するとともに、異常の内容をコードした記号とともにモニタリング表示する紙幣搬送状態モニタリング表示手段を有する。
【0351】
従って、遊技場島2における紙幣の搬送状態が島管理装置4において一括して各紙幣保留ユニット12に対応して的確に把握できるとともに、紙幣保留ユニット12の停止箇所と経時的な移動動作が明快な図表と記号とにより島管理装置4の限られた表示領域において確認できる。
【0352】
また、島管理装置4は、複数の紙幣投入装置22(紙幣投入ユニット24、紙幣保留ユニット12、保留中継基板14)において発生した異常を保留中継基板14に設けられた複数のLEDよりなる表示手段より個別に表示するとともに、島管理装置4の表示領域において蛍光表示パネル82のエラー表示画面においてエラーコードにより前記紙幣投入装置22側とに同期して異常の発生を個別に表示する紙幣搬送異常マルチ表示手段を有する。
【0353】
従って、遊技場島2の何れかの箇所で発生した紙幣搬送に係る異常と、紙幣搬送に関する異常の内容とをコードにより各紙幣保留ユニット12に対応して的確に把握させることができるとともに、島管理装置4の限られた表示領域において各紙幣保留ユニット12の夫々で発生した異常を明確に識別して確認することができる。
【0354】
また、島管理装置4は、保留紙幣満杯異常に到達する前段階における各紙幣保留ユニット12での紙幣保留枚数を蛍光表示パネル82でレベル表示(紙幣枚数値データをグラフ化して変換し図表にて紙幣搬送動作を表示)する。
【0355】
従って、遊技場島2に設置された各紙幣保留ユニット12における紙幣の保留状態即ち紙幣枚数が、満杯状態に至る以前において紙幣が蓄積されていくに従って順次レベル(グラフ)表示する構成とする場合には、現在時刻での当該紙幣保留ユニット12における積載枚数が容易に識別できる。各紙幣保留ユニット12毎の積載枚数を対比することも可能となる。
【0356】
また、島管理装置4は、紙幣搬送ユニット16において生じた紙幣詰りを遊技媒体貸出装置10(紙幣投入装置22、紙幣保留ユニット12)側と島管理装置4側とにおいて、遊技場島2に列設された多数の紙幣保留ユニット12の内特定の紙幣保留ユニット12単体別に区別して表示する紙幣詰り識別表示手段を有する。
【0357】
従って、遊技場島2の何れかの箇所で発生した紙幣詰りが当該紙幣詰りの発生箇所と島管理装置4においてともに個別に視覚により確認できることとなるので、当該紙幣詰りに対する対応処理が迅速に行え、紙幣搬送ユニット16の障害を早期に復旧させることが可能となる。
【0358】
また、島管理装置4は、紙幣搬送ユニット16への取込み済紙幣の抜き取り操作を扉開放センサと紙幣保留センサ62とによる複数の検出動作の組み合わせを条件として判定して表示する紙幣抜き取り表示手段を有する。
【0359】
従って、紙幣が保留されていることを判別できる紙幣保留ユニット12に設けられた複数のセンサが供に紙幣の喪失を判定した場合にのみ紙幣の紙幣保留ユニット12から紙幣の抜き取りを表示するので、紙幣抜き取りを錯誤して報知することを防止することができる。
【0360】
また、島管理装置4は、蛍光表示パネル82において、紙幣投入装置22側(紙幣保留ユニット12、紙幣搬送ユニット16、保留中継基板14)の異常を含む動作状況と、島管理装置側4(正副収納庫91,92)の異常を含む動作状況とを併行表示するマルチ表示制御手段を有する(所定のサイクルで紙幣投入装置22側情報と正副収納庫91,92側情報とに切り換え表示する構成としてもよい)。
【0361】
従って、紙幣投入装置22側(紙幣保留ユニット12、紙幣搬送ユニット16、保留中継基板14)において発生した異常が当該異常の発生箇所に対応した遊技場島2の紙幣投入装置22側の該当箇所において表示されるとともに島管理装置4において当該異常の発生箇所が区別されて表示されるので、異常に対する復旧処置が的確にしかも迅速に行なえる。
【0362】
また同時に紙幣の格納された金庫部90を有する島管理装置4に関する異常情報を、紙幣保留ユニット12などの紙幣投入装置22側の異常情報に関連付けて取得し確認することが可能となる。
【0363】
また、島管理装置4は紙幣投入装置22側の保留中継基板14に搬送状況指令及び問い合わせ信号を送信する一方、各紙幣投入装置22側の保留中継基板14からは問い合わせ信号に応答して各紙幣投入装置22側で生じた個別の紙幣搬送データ(モータ駆動データ、各センサ検出データ、紙幣詰り判定データ、紙幣抜き取りデータ、入金データ、遊技媒体貸出しデータ、扉開放判定データ、紙幣搬送ユニット位置データなど)を島管理装置4に返信して紙幣投入装置22側における紙幣搬送動作を島管理装置4の島管理装置制御部80で逐一掌握し、後続の搬送動作の実行を行う紙幣搬送処理タイミング制御手段を有する。
【0364】
従って、島管理装置4からの問合わせ及び指令信号に応じて、保留中継基板14に接続される紙幣保留ユニット12の駆動手段が起動され、紙幣保留ユニット12の動作状況を示すセンサ信号が返信されるので、遊技場島2に多数列設された紙幣保留ユニット12の限られた信号系統において信号衝突や信号喪失に起因する錯誤のない正確な紙幣搬送制御が実現できる。
【0365】
また、島管理装置4は、島管理装置4内の正副収納庫91,92における紙幣の搬送格納動作がセンサにより検出され判定された場合においては、(紙幣搬送ユニット16の扉を含む)島管理装置4の紙幣取出し等のために設けられた扉の開放を禁止するストッパ励磁手段により金庫扉開放禁止手段を有する。
【0366】
従って、紙幣の正副収納庫91,92への格納処理中に扉が開放されて紙幣が不用意に金庫より落下し、また紙幣の格納処理に障害が生じ、島管理装置4に故障が発生することが防止できる。
【0367】
また、島管理装置4は、紙幣投入装置22側の保留中継基板14に搬送状況問い合わせ信号を送信する一方、各紙幣投入装置22側の保留中継基板14からは問い合わせ信号に応答して各紙幣投入装置22側で生じた個別の紙幣搬送データ(モータ駆動データ、各センサ検出データ、紙幣詰り判定データ、紙幣抜き取りデータ、入金データ、遊技媒体貸出しデータ、扉開放判定データ、紙幣搬送ユニット位置データなど)を島管理装置4に返信して紙幣搬送処理を逐一実行する紙幣搬送処理シリアル通信制御手段を有するとともに、異常の発生した紙幣投入装置22と紙幣保留ユニット12とを含む紙幣投入装置22側装置を特定する異常端末識別管理手段を有する。従って、紙幣の搬送制御に関して球貸し機若しくはメダル貸し機などの紙幣投入装置22と紙幣保留ユニット12とに接続される保留中継基板14で中継処理した信号を島管理装置4との間において順次送受信することができ、パチンコ遊技機やスロットマシンなどの複数種類の多機種の遊技機8からの当たりや大当たり信号、入賞や当たりの発生に伴うパチンコ球やメダルの払出し信号系統と当該保留中継基板14を中心とした紙幣の搬送制御データや貸出に伴う入金データに関する信号系統とが独立して遊技場島2に形成されるので、信号が更新して異常動作を生じることのない安全な紙幣搬送制御を司る通信手段を遊技場島2に確保することができる。
【0368】
併せて、遊技機8における入賞や賞の払出しに係る信号系統とは分離して遊技場島2に配設することができるものであるので、当該紙幣投入装置22側装置の紙幣搬送装置と金庫部90を含む島管理装置4との通信接続を、紙幣投入装置22を含むことのある遊技機8と島管理装置4若しくは遊技場管理装置6間における信号や電源配線に影響されることなく構築することができる。
【0369】
また、島管理装置4においては、島管理装置4の金庫内に紙幣搬送ユニット16が進入、下方を紙幣搬送ユニット16の支持枠により係支された紙幣束の上端部をプレス板93が把持する、紙幣搬送ユニット16が金庫より脱出、プレス板93はピックアップローラ94とともに紙幣束を把持する、ピックアップローラ94が回転を開始し、ピックアップローラ94外周の摩擦面が積層された紙幣の内、表層の紙幣を係動する、間欠的に動作するピックアップローラ94の摩擦面により引き抜かれた表層一枚目の紙幣が次段で待機するワンウェイローラ96と分離ローラ95とによって挟持される、ワンウェイローラ96の接線とほぼ平行な線上おいて紙幣と接触して回転駆動される分離ローラ95の回転動作によって積層された紙幣の内の一枚が取出され、取出された紙幣は一対の回転ローラによって挟持されつつ正収納庫91に誘導される。
【0370】
この間、金庫部90内に短辺側を立てて紙幣搬送ユニット16に係支され侵入した紙幣は、縦方向に上昇した後、90度旋回されて前記短辺側を水平に倒して、正収納庫91内に格納されるが、紙幣搬送ユニット16の先端に位置する短辺側は、島管理装置4の金庫部90に覆設され開閉される扉の開放側面に一致して、対向する状態で前記各ローラにより搬送移動された後正収納庫91内に格納される。
【0371】
従って、金庫扉を開放することにより搬送され格納される紙幣の短辺側が、金庫管理者により操作可能にされ、挟持して金庫部90より取除き可能とされている。
【0372】
また、島管理装置4において、紙幣搬送駆動モータ55により駆動される回転ローラにより正収納庫内に進入した紙幣は上層パネルと底板(下部スタック板103)間に形成された間隙に収容される。
【0373】
下部スタック板103上に載置された紙幣は、モータの回転動作が昇降動作に変換されて付勢部材の押圧作用に抗して下降する。前記下部スタック板103とともに下降した紙幣の上方位置には新たな紙幣導入用の空間が形成される。
【0374】
下部スタック板103は、モータの逆回転動作によって格納済み紙幣を底板側に残して初期の待機位置まで上昇する。
【0375】
また、後回転ローラの回転動作によって新たな紙幣が正収納庫内に進入し、順次先に進入して載置された紙幣の上に新たな紙幣を積層し、正収納庫91内に格納した紙幣の上端面が、紙幣格納動作の繰り返しによって上昇して、正収納庫91内に設けられたスタック満杯検出センサ103aにより検出されると、正収納庫91内紙幣満杯信号が島管理装置4の島管理装置制御部80に出力される。
【0376】
正収納庫91のスタック満杯検出センサ103aによって紙幣満杯信号が出力された場合には、前記ピックアップローラ94とプレス板93とによる紙幣取込動作は停止されて待機状態に変換される。
【0377】
また、島管理装置4においては、紙幣搬送ユニット16で保持された紙幣が、プレス板93により複数枚の紙幣が一括して把持された後において紙幣の下方端部を係支していた紙幣搬送ユニット16が離脱すると、紙幣は補助スタック板106上に載置される。
【0378】
L状の補助スタック板106は回転動作を水平動作に変換するカムモータの駆動力を受けて摺動されるとともに、プレス板93による紙幣把持作用が解除され、プレス板93は、90度旋回して回動した待機位置に移動する。摺動される補助スタック板106は初期位置に向かって摺動し、格納された紙幣は図示しない紙幣把持片により押圧されて待機する。そして補助スタック板106が副収納庫92内に接近してくると、紙幣把持片は一旦副収納庫92内より離脱する。
【0379】
この後紙幣が紙幣把持片を越えた位置にまで補助スタック板106により押動されてくると、前記の如く再び紙幣保持板が副収納庫92内に進出する。次に、補助スタック板106は駆動モータの逆回転動作に応じて初期の待機位置に向かって摺動し、格納する紙幣を挟持する。
【0380】
従って、正収納庫91で紙幣満杯が発生した場合には、副収納庫92において正収納庫91から溢れる紙幣を格納することができる。金庫部90内紙幣についての紙幣満杯表示が既述した島管理装置表示操作パネル81、蛍光表示パネル82で表示されても、暫くは、紙幣の金庫部90内への搬送制御を続行することができ、遊技場の管理者は遊技者の遊技媒体貸出要求に余裕をもって対応することができる。
【0381】
また、島管理装置4は、金庫内においてスタック満杯検出センサ103aにより紙幣満タンが判定された場合、若しくは送り完了センサ99aにより紙幣の検出状態が島管理装置4の島管理装置制御部80に設けられたタイマにより所定時間以上継続して検出された場合には、紙幣か正収納庫91に至る経路上で停止し紙幣詰りと判定された場合、若しくは島管理装置4に設けられた扉の開放が扉開放検出センサ64により検出された場合には、紙幣投入装置22(遊技媒体貸出装置10)に、島管理装置4の島管理装置制御部80より問合わせコマンドのビットデータ群に含ませた紙幣投入禁止信号(貸出禁止信号)を遊技場島2に列設された保留中継基板14を介して全ての紙幣投入装置22側装置に出力して、全ての紙幣投入装置22における紙幣取込制御を禁止する。
【0382】
一方、島管理装置4においては検出された紙幣満杯と紙幣詰りと扉の開放とを識別してエラーコードにより、蛍光表示パネル82に異常表示する表示パネル有する島紙幣管理手段を有する。従って、金庫を有する島管理装置4において異常が発生した場合には、紙幣投入装置22への紙幣投入が禁止され、保留中継基板14を介して紙幣保留ユニット12より紙幣搬送ユニット16への紙幣の繰出し作用が停止される。また、島管理装置4の島管理装置制御部80は紙幣搬送ユニット16を搬送移動させる駆動モータを停止して、島管理装置4の金庫部90に向かう紙幣搬送ユニット16の回収動作を停止されるので、新たな紙幣搬送より紙幣搬送ユニット16や島管理装置4において紙幣詰りや故障等の障害の拡大を防止して、紙幣満杯にともなって発生する障害を極小化することができる。
【0383】
また、金庫内で生じた異常の種別が明確なコードにより分別されて報知されるので、各異常の種別に応じた的確な処置を金庫を有する島管理装置4に対し行うことが可能となる。
【0384】
また、島管理装置4は、遊技場閉店(操作)信号に基いて、紙幣搬送ユニット16が起動され、紙幣保留ユニット12と紙幣投入装置22(遊技媒体貸出装置10)とで保留された全ての紙幣を、島管理装置4の金庫部90に向けて搬送した後、該金庫部90に収容する有価媒体搬送制御維持手段の一実施形態となる閉店時紙幣格納制御手段が設けられている。
【0385】
従って、紙幣搬送ユニット16に紙幣が残置されたまま遊技場が閉じられる場合には遊技媒体についての正確な貸出し集計管理が実現できない。また閉店時に紙幣が紙幣搬送ユニット16に残置されると不正な紙幣抜き取り行為を誘発することとなる。そこで、閉店操作信号に基づいて紙幣投入装置22、紙幣保留ユニット12、紙幣搬送ユニット16などの紙幣搬送経18路上にある紙幣が島管理装置4の金庫に回収され格納されることにより正確な集計管理が実現できるともに不正行為の発生を防止することができる。
【0386】
なお、紙幣投入装置22から紙幣保留ユニット12に至る紙幣の搬送経路上おいて停留している紙幣は、紙幣投入装置22に設けられたセンサと、紙幣保留ユニット12に設けられた入口センサ31、紙幣取込センサ39、紙幣保留センサ62によって紙幣の有無が検出され、残留紙幣の有りが検出された場合には、当該センサに対応して該当する箇所となる位置に配置された駆動モータ、DCモータ32が回転駆動される。DCモータ32の回転動作に伴って、紙幣搬送ユニット16に繰出され、紙幣保留ユニット12より繰出された紙幣は搬送ユニットによって金庫部90に向かって回収動作され搬送される。
【0387】
駆動モータ、DCモータ32における回転動作の継続とともに、島管理装置4の島管理装置制御部80は、紙幣搬送ユニット16を駆動する搬送ユニット駆動モータの回転動作を継続して、紙幣搬送経路18上に残る紙幣の回収制御を続行する。
【0388】
紙幣投入装置22より紙幣保留ユニット12を経由して紙幣搬送ユニット16に至る紙幣の搬送経路上で残留する紙幣の回収制御が実行された後、紙幣有りを検出した前記何れのセンサにおいても紙幣有りが検出されなくなった場合において紙幣搬送ユニット16に搭載された最後の残留紙幣が金庫部90内に搬入されると紙幣の回収制御は終了する。
【0389】
なお、紙幣投入装置22内において紙幣が抜取り不能に保全できる場合などには、紙幣投入装置22を除いた紙幣保留ユニット12を含む紙幣の搬送経路上で残留する紙幣のみを回収制御する構成としてもよい。
【0390】
また、紙幣保留ユニット12で保留して待機する紙幣、あるいは、紙幣搬送ユニット16上に搭載される紙幣を抜き取り不能に保全する保全手段(ロック機構)を設ける構成とする場合には、紙幣保留ユニット12で保全され若しくは紙幣搬送ユニット16で保全可能にされる紙幣を除いた紙幣搬送経路18上で残留する紙幣のみを回収制御する構成としてもよい。
【0391】
この場合、閉店時における電源遮断による紙幣搬送装置の停止以外の異常発生時などに停止操作して当該島において保留されている紙幣を回収搬送する場合にあっても、各センサによる紙幣有り無し検出と、紙幣保留ユニット12及び紙幣搬送ユニット16による回収制御によって同様に紙幣の回収制御は実行できる。
【0392】
勿論、この場合にも、紙幣投入装置22で保留されている紙幣をも含めて島管理装置4の金庫部90に回収することも、紙幣投入装置22における紙幣有無検出と紙幣搬送機能とを紙幣保留ユニット12や紙幣搬送ユニット16における紙幣回収機能とともに組合わせ、保留中継基板14を介して、紙幣投入装置22と紙幣保留ユニット12と紙幣搬送ユニット16とを連係して搬送制御する構成とすることにより紙幣投入装置22と紙幣保留ユニット12と紙幣搬送ユニット16とより金庫に至る紙幣搬送経路18上で停留する全ての紙幣を島管理装置4の金庫部90に回収することもできる。
【0393】
なおまた、紙幣搬送装置における紙幣投入装置22と紙幣保留ユニット12及び紙幣搬送ユニット16などの各装置間の紙幣搬送経路18上において紙幣が抜取り可能に残留することを防ぐ為、例えば紙幣保留ユニット12の入口センサ31や紙幣取込センサ39で紙幣を検出している状態で紙幣搬送装置の稼動が電源断などにより停止制御が実行される場合に、DCモータ32により駆動される紙幣収容第1回転体33と紙幣押圧回転体36とを、蓄電された電荷によってそのまま回転制御を継続して、入口センサ31付近で留まる紙幣を、紙幣保留ユニット12の紙幣格納領域34に移送した後、紙幣格納領域34において紙幣収容第1回転体33と紙幣押圧回転体36とにより把持して抜き取り不能に格納する待機紙幣保全手段を設ける構成としてもよい。
【0394】
一方、紙幣搬送装置の閉店終了時を含む停止時において紙幣搬送経路18上で停留し残留する紙幣を保全する為には、紙幣搬送装置の停止に応答制御して紙幣搬送経路18上で停留する紙幣の全てを島管理装置4の金庫部90へ回収して格納する構成とは異なって、紙幣が残留する紙幣搬送装置における紙幣搬送経路18の全体を開放不能に封止する構成も考えられる。
【0395】
例えば、既述した鍵部材108を、紙幣搬送装置の電源を遮断することに呼応して励磁されるソレノイドにより連係するように構成すれば、鍵部材108の鍵着作用によって、紙幣保留ユニット12の基体より紙幣保留ユニットカバー43の開放がロックされ、また紙幣保留ユニット12が紙幣搬送経路18より離脱することが阻止されるとともに、また紙幣搬送路上で紙幣搬送経路側カバー摺動体48が摺動し紙幣搬送路が開放されることも抑制される。
【0396】
紙幣搬送路の紙幣搬送経路側カバー47の開放が、鍵着により一体となった紙幣保留ユニット12と紙幣搬送経路側カバー摺動体48とがロックされて禁止される。遊技場島2に列設された全ての鍵部材108が連係されて、紙幣搬送装置の停止時おいて紙幣搬送通路上より不正な紙幣の抜き取り行為がされることを防止することができる。
【0397】
なお、遊技場島2に列設された鍵部材108の内、紙幣詰まりを呈している紙幣搬送経路18上においては、該当する箇所における必要とする鍵部材108に対して正規の鍵が使用されれば、この鍵操作により当該箇所における紙幣保留ユニットカバー43の開動、若しくは紙幣搬送経路側カバー摺動体48に対する摺動操作が行え、紙幣詰りを呈した当該紙幣の除去作業が行える。
【0398】
<閉店時紙幣格納連繋手段>
また、島管理装置4は、遊技場の閉店終了時、ホールコンピュータ(若しくは島管理装置4)における閉店(操作)信号の発生に基いて、紙幣投入装置22を紙幣投入禁止状態とに変換するとともに、当該紙幣投入装置22に残留している紙幣と紙幣保留ユニット12において保留している紙幣などの紙幣搬送経路18上の紙幣を紙幣搬送ユニット16により島管理装置4の金庫に搬送して格納する閉店時紙幣格納連繋手段を有する。
【0399】
従って、閉店時における正確な集計管理が実現できるとともに閉店後において紙幣搬送ユニット16内にある紙幣が不正に抜き取られる不正行為を防止する。また、閉店を気づかず紙幣が紙幣投入装置22に投入される障害を防止し、遊技場管理者による回収処理を不要とすることができる。
【0400】
また、島管理装置4は、島管理装置表示操作パネル81と蛍光表示パネル82において、紙幣枚数(貸出遊技媒体)表示画面と、紙幣搬送表示画面と、エラー表示画面とエラー内容説明表示画面とに切換設定するとともに、通常運用モード表示と装置保守のためのサービスマンモード表示画面とに切換設定する切換え設定スイッチを設ける一方、画面を表示する島管理装置表示操作パネル81に付設された解除スイッチへの操作によって島管理装置4の異常データをリセットする島管理装置表示操作パネル81を有している。
【0401】
従って、既述したように単一の蛍光表示パネル82の表示画面上で技媒体貸出し金額情報に係る紙幣枚数と、紙幣投入装置22における紙幣搬送動作情報と、紙幣投入装置22で生じたエラーの表示と、エラーの種別に応じた対応処置方法の表示とが切り換え表示可能にされるので、島管理装置4における狭い表示パネル領域において紙幣枚数に係る集計情報と紙幣搬送格納動作情報とをともに把握でき、併せて紙幣搬送に係る異常情報と異常対処処理情報とを取得することも可能となる。
【0402】
また、紙幣搬送ユニット16のメンテナンス時には紙幣搬送ユニット16の保守者のみが確認できる情報をマスク表示することも可能であるとともに、異常処理対応して異常データを消去することもできる。
【0403】
また、島管理装置制御部80は、送信した問合わせコマンドに対応する応答データ(コマンド)に基づいて、検出したセンサのデータとアドレスのデータにより識別して、不具合の検出された特定の紙幣投入装置22側装置からの紙幣の回収を停止し、紙幣満杯が判定された紙幣保留ユニット12と紙幣投入装置22とを含む特定の紙幣投入装置22側装置からの紙幣を優先的に回収するというような制御を構成することができる。
【0404】
なお、本実施形態において、紙幣投入装置22が有価媒体投入装置に相当し、紙幣保留ユニット12が有価媒体保留手段及び副有価媒体格納庫に相当し、金庫部90が有価媒体収納庫に相当し、紙幣搬送ユニット16が有価媒体搬送手段に相当し、島管理装置制御部80が有価媒体搬送制御手段に相当し、蛍光表示パネル82が表示手段に相当し、図24のS630の処理が有価媒体管理制御手段の実行する表示制御の処理に相当する。
(第2実施形態)
なお、第1実施形態の一部を変更した第2実施形態として、紙幣保留ユニット12で保留可能とする紙幣枚数を20枚とし、遊技場島2の片側(紙幣搬送ユニット16で紙幣を搭載する搬送紙幣収容台54の片側、図2で参照される。)全体において紙幣搬送ユニット16により搬送可能とする紙幣枚数を30枚として設定した紙幣搬送の制御フローチャートを図25〜図30において図示する。
【0405】
この実施形態における紙幣搬送ユニット16で搬送する紙幣枚数の上限値20枚若しくは30枚については、既述の当該紙幣保留ユニット12に設けられた入口センサ31や紙幣取込センサ39などの検出信号を計数して20枚の判定がされ、また島管理装置4の制御部が、遊技場島2の片側に列設された各紙幣保留ユニット12の入口センサ31で検出されて保留中継基板14の制御部で記憶された紙幣枚数の合計値に関する問合わせ信号を送受信して30枚であると判定するものである。
【0406】
紙幣保留ユニット12における保留枚数若しくは遊技場島2の片側に列設された紙幣保留ユニット12で保留する紙幣枚数の合計値が上限値に至った場合には、紙幣投入装置22から紙幣保留ユニット12への紙幣の保留制御は、島管理装置4の制御部からの指令を受信することにより一旦待機される。
【0407】
なお、紙幣搬送ユニット16の紙幣保留ユニット12に対する保留紙幣の取込制御は、紙幣保留ユニット12のアドレスで指定された特定の紙幣保留ユニット12に対して紙幣搬送ユニット16を移動制御して紙幣搬送を行うことの他、遊技場島2の他端よりシーケンスに、順次、金庫部90の設けられた遊技場島2の島管理装置4に向かって各紙幣保留ユニット12で保留された紙幣を取込む制御方法を取ってよいことは既述のとうりである。
【0408】
なお、図25〜図30のフローチャートにおいて示した第2実施形態にあっては金庫部90の正収納庫91の正収納庫紙幣満杯判定手段が正収納庫91における満杯を検出する紙幣枚数は600枚とされている。
【0409】
そして、副収納庫92において判定される紙幣満杯判定は300枚と設定されていて、副収納庫92における満杯判定は副収納庫満センサ106aによる検出動作によって実行され、正収納庫91における満杯判定は、例えば分離されて送り込まれた紙幣を送り完了センサ99aが検出し検出パルスを島管理装置4の制御部に設けられた演算手段が計数することにより紙幣枚数が判定される。
【0410】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想から逸脱しない範囲において種々の態様を採ることができる。
【0411】
例えば、本実施形態では、有価媒体として紙幣を使用しているが、紙幣の代わりにカードやコイン等を使用してもよい。
【0412】
また、本実施形態では、紙幣投入装置22は遊技媒体貸出装置10の一部に取り付けられているが、紙幣投入装置22を遊技機8の一部に取り付けるようにしてもよい。それにより、遊技者は遊技機8から離れることなく遊技を続けることができる。
【0413】
なお、正収納庫に91至る紙幣搬送経路18において、プレス板93で紙幣を把持した後ピックアップローラ94で分離し、紙幣一枚毎に計数手段により計数した後、正収納庫で格納する構成とせず、プレス板93で把持した紙幣をそのまま副収納庫に押動作用して格納する構成としてもよい。この場合、正副収納庫91,92の別はなくなる。このようにすれば、収納庫の構造を簡略化して部品点数を軽減することが可能となるとともに、紙幣収納庫に大きな領域を形成して多数枚の紙幣を格納することができる効果を生じる。
【0414】
<定義等>
有価媒体とは、紙幣、硬貨、その他紙幣と同様に遊技場において遊技媒体を貸出し購入可能とするICコイン、ICカード、ICタグ、磁気カードプリペイドカードを含む。
【0415】
有価媒体投入装置とは、本実施形態に記載の紙幣投入装置22がこれに相当しメダル貸出機やパチンコ球貸出機に紙幣投入装置22が組み込まれるもの及び独立して設けられるものの何れも含み、またスロットマシンに設けられるメダル貸出機やパチンコ機に設けられるパチンコ球貸出機がこれを有する場合を含む。
【0416】
有価媒体格納庫とは、本実施形態においては、島管理装置4に設けられた紙幣格納用の金庫部90が該当する。
【0417】
有価媒体搬送経路とは、本実施形態における紙幣が有価媒体投入装置より有価媒体格納庫に至る経路を云い、搬送ベルトで紙幣を挟持して紙幣を搬送する実施態様にあっては、搬送ベルトが有価媒体搬送経路となる。
【0418】
有価媒体搬送制御手段とは、本実施形態における紙幣搬送ユニット16、紙幣保留ユニット12、紙幣投入装置22、保留中継基板14、島管理装置4若しくは島管理装置4の制御部など紙幣の搬送制御を司り、また制御データを授受させる伝送路など一連の紙幣媒体搬送制御手段を云う。
【0419】
搬送制御データ取得手段とは、例えば紙幣保留ユニット12や、当該紙幣保留ユニット12に設けられる紙幣取込センサ39、入口センサ31、紙幣保留センサ62、DCモータ32、保留中継基板14や該保留中継基板14に設けられるディップスイッチやLED及びその中継回路基板などを指す。
【0420】
有価媒体搬送制御維持手段とは、島管理装置4の制御部に設けられ実施形態に記載した、残留する紙幣の搬送制御を完了する制御回路や制御プログラムなどをいう。
【0421】
有価媒体搬送制御データとは、図17を掲げて実施形態で説明した問合わせコマンドと応答コマンドとを形成するビットワードデータが一実施形態として掲げられる。
【0422】
有価媒体搬送バックアップデータとは、前記有価媒体搬送制御データが格納される記憶エリアとは異なる記憶エリアに格納され、有価媒体搬送制御データや有価媒体搬送制御データにアップデートされデリート若しくはアッドされて紙幣搬送装置の再起動時に使用されるデータをいう。
【0423】
有価媒体搬送バックアップデータ保持手段は、上記記憶エリアを有するものであって、島管理装置4の制御部より脱着可能にされる認証機能、暗号化機能を有する補助記憶手段とするのが好ましい。
【0424】
有価媒体搬送バックアップデータ更新手段とは、有価媒体搬送バックアップデータ保持手段に格納されたバックアップデータが変更された場合に、変更後のバックアップデータを前記記憶エリアに転送するものである。
【0425】
有価媒体有無検出センサとは、有価媒体の有無を検出するためのセンサであり、紙幣保留ユニット12に設けられた入口センサ31、紙幣取込センサ39、紙幣保留センサ62が本実施形態では例示されている。
【0426】
有価媒体搬送位置検出センサは、搬送されている有価媒体の位置を検出するためのセンサであり、紙幣搬送ユニット16の接近、当接などを検出する紙幣搬送ユニット通過センサ61が本実施形態として掲げられている。
【0427】
有価媒体搬送通信制御手段は、本実施形態にあっては、島管理装置4の制御部と保留中継基板14とにより、紙幣保留ユニット12や紙幣投入装置22と島管理装置相互間におけるデータ伝送を行う伝送路を含んで構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0428】
【図1】本実施形態の有価媒体管理設備が適用された遊技場島2の平面図である。
【図2】紙幣投入装置22、紙幣保留ユニット12、紙幣搬送ユニット16の側面図である。
【図3】紙幣投入処理のフローチャートである。
【図4】保留中継基板14の外観図である。
【図5】紙幣保留ユニット12の構成図である。
【図6】紙幣保留処理のフローチャートである。
【図7】紙幣保留ユニット12の異常処理のフローチャートである。
【図8】紙幣搬送経路18の構造を示す図である。
【図9】紙幣搬送経路18における紙幣保留ユニットカバー43、紙幣搬送経路側カバー47、紙幣搬送経路側カバー摺動体48の構造を示す図である。
【図10】紙幣保留ユニットカバー43に設けられたセンサ等の配置を示す図である。
【図11】紙幣搬送ユニット16が紙幣保留ユニット12に一時保留されていた紙幣を回収する手順を示す図である。
【図12】島管理装置4の主要部分を表す正面図である。
【図13】送り完了センサ99aの紙幣検出パターンを示す図である。
【図14】送り完了センサ99aの紙幣検出パターンを示す図である。
【図15】島管理装置制御部80の概要図である。
【図16】蛍光表示パネル82で表示される遊技場島2における紙幣搬送ユニット16の動作内容を示した図である。
【図17】有価媒体管理設備の全体ブロック図である。
【図18】有価媒体管理設備の各構成品の構成と通信方法を示した図である。
【図19】島管理装置制御部80と島端末5との間で送受信されるデータうち問い合わせデータ(コマンド)の構造を示す図である。
【図20】島管理装置制御部80と島端末5との間で送受信されるデータうち応答データ(コマンド)1の構造を示す図である。
【図21】島管理装置制御部80と島端末5との間で送受信されるデータうち応答データ(コマンド)2の構造を示す図である。
【図22】紙幣搬送ユニット制御処理のフローチャートである。
【図23】搬送紙幣金庫内格納処理のフローチャートである。
【図24】紙幣異常入金処理のフローチャートである。
【図25】紙幣搬送格納処理のフローチャートである。
【図26】紙幣搬送格納処理のフローチャートである。
【図27】紙幣搬送格納処理のフローチャートである。
【図28】保留ユニットエラー処理のフローチャートである。
【図29】紙幣搬送ユニット制御処理のフローチャートである。
【図30】紙幣異常入金処理及びコマンドデータ送受信ルーチンのフローチャートである。
【符号の説明】
【0429】
2…遊技場島、4…島管理装置、5…島端末、6…遊技場管理装置、8…遊技機、10…遊技媒体貸出装置、12…紙幣保留ユニット、14…保留中継基板、16…紙幣搬送ユニット、18…紙幣搬送経路、22…紙幣投入装置、24…紙幣投入ユニット、26…紙幣投入ノズル、28…紙幣投入ユニットガイド部、30…搬送押圧回転体、31…入口センサ、32…DCモータ、33…紙幣収容第1回転体、34…紙幣格納領域、35…紙幣導入路、35a…紙幣保留ユニット格納口、36…紙幣押圧回転体、36a…紙幣収容溝、36b…紙幣挟持片、39…紙幣取込センサ、42…紙幣保留ユニット基体、43…紙幣保留ユニットカバー、44…誘導路、47…紙幣搬送経路側カバー、48…紙幣搬送経路側カバー摺動体、51…紙幣搬送ユニットガイドレール、52…紙幣搬送ユニット第1ローラ、53…搬送ユニット第2ローラ、54…搬送紙幣収容台、55…紙幣搬送駆動モータ(送りモータ)、60…反転センサ、61…紙幣搬送ユニット通過センサ、62…紙幣保留センサ、63…離脱検出センサ、64…扉開放検出センサ、71…基板本体、73…ロータリースイッチ、74…ディップスイッチ、75…中継基板収納ボックス、76…ビス孔、80…島管理装置制御部、81…島管理装置表示操作パネル、81a…扉開放センサ、82…蛍光表示パネル、82a…数字キー、84…表示ボタン、85…機能ボタン、85a…移動表示ボタン、85b…加減ボタン、86…解除ボタン、87…決定ボタン、90…金庫部、91…正収納庫、92…副収納庫、93…プレス板、93a…プレス位置検出センサ、94…ピックアップローラ、94a…ピックアップ位置検出センサ、95…分離ローラ、96…ワンウェイローラ、97…搬送ローラ、98…搬送ローラ、99a…送り完了センサ、100…紙幣無センサ、101…送りローラ、102…スタックモータ、103…下部スタック板、103a…スタック満杯検出センサ、103b…スタック位置センサ、104…上部スタック板、106…補助スタック板、106a…副収納庫満センサ、107…コイルスプリング、108…鍵部材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技場における有価媒体搬送装置であって、
遊技機(8)が列設された遊技場島(2)の少なくとも1つの遊技機(8)に付設された有価媒体投入装置(22)に連繋して設けられ各装置を中継接続する保留中継基板(14)を含む島端末(5)と、
前記遊技場島(2)の一端側に有価媒体を保管するために設けられた有価媒体格納庫(90)を有する島管理装置(4)と、
前記有価媒体投入装置(22)に投入された有価媒体若しくは前記有価媒体投入装置(22)から前記有価媒体格納庫(90)に至る有価媒体搬送経路(18)上に残留する有価媒体を回収し、前記有価媒体格納庫(90)へ搬送する有価媒体搬送手段(16)と、
有価媒体の搬送状況に関する有価媒体搬送制御データを取得するための搬送制御データ取得手段(31,39,62)と、
前記有価媒体搬送手段(16)を介して前記有価媒体を回収し搬送するために必要な有価媒体搬送制御データを前記搬送制御データ取得手段(31,39,62)から取得し、その取得した有価媒体搬送制御データに基づいて、前記有価媒体搬送手段(16)を制御する有価媒体搬送制御手段(80)と、
を備え、
前記保留中継基板(14)に有価媒体搬送制御に係る設定を行うための第1の設定手段(73,74)を設けると共に、前記島管理装置(4)に有価媒体搬送制御に係る設定を行うための第2の設定手段(81,82)を設けたことを特徴とする遊技場における有価媒体搬送装置。
【請求項2】
前記第1の設定手段(73,74)が、前記島端末(5)を特定するために、島端末(5)毎に識別データを設定するための識別データ設定変更手段(73,74)であり、
前記第2の設定手段(81,82)が少なくとも島管理装置(4)で各種設定を行うための表示操作パネル(81)であることを特徴とする請求項1に記載の遊技場における有価媒体搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図4】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−101171(P2009−101171A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−308515(P2008−308515)
【出願日】平成20年12月3日(2008.12.3)
【分割の表示】特願2005−331788(P2005−331788)の分割
【原出願日】平成17年11月16日(2005.11.16)
【出願人】(591006508)株式会社メイセイ (14)
【Fターム(参考)】