説明

遊技場の装飾装置

【課題】 遊技場のスペースを有効に利用しつつより趣向を凝らした装飾を実現する装置を提供すること。
【解決手段】 パチンコやスロットマシン等の遊技機2が列設された遊技場を装飾する遊技場の装飾装置100において、遊技機2の上部に配置された半透明のケース体110と、ケース体110の内部に配置された発光手段120と、ケース体110の正面側に配置されたプロジェクタ130とを備え、発光手段120を点灯することによりケース体110を発光させる第1の装飾形態と、プロジェクタ130によりケース体110の正面に映像を投影する第2の装飾形態とを有する構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコやスロットマシン等の遊技機が列設された遊技場を装飾する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の遊技場においては、ポスターや立て札、或は電飾等の装飾を施すことにより、遊技者の興味を引くべく様々な工夫が施されている。特許文献1乃至3等には、プロジェクタを用いて画像を展示する装置も開示されている。
【0003】
また、各遊技機の上部には、遊技の履歴や状態を表示する表示装置が設けられている。呼出しランプ、データカウンタ、或はファサードランプ等と呼ばれているものである。このような表示装置は、LED等の発光手段を備え、発光手段の発光色、配置構成、発光方法等を工夫することにより、その表示情報を多様化するとともに、装飾的効果を高める構成となっている。特許文献4乃至12等には、この種の表示装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平06−43821号公報
【特許文献2】特開2002−360908号公報
【特許文献3】特開2007−267921号公報
【特許文献4】特許第3889935号公報
【特許文献5】特開平06−296726号公報
【特許文献6】特開平09−294866号公報
【特許文献7】特開平10−94668号公報
【特許文献8】特開平10−249043号公報
【特許文献9】特開2000−342834号公報
【特許文献10】特開2001−340542号公報
【特許文献11】特開2002−200320号公報
【特許文献12】特開2007−61567号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
さて、遊技場の装飾については、その装飾形態の変化が重要であると考えられる。つまり、装飾そのものが派手であっても、それが変化に乏しい単調なものであると、遊技者に与える印象が次第に薄まり、満足な効果が得られないと考えられる。
【0006】
また、遊技機を列設して構築した一帯を島と呼ぶ。装飾に利用可能な島のスペースは限られており、遊技場の営業現場においては、例えば遊技機を新しく入換える場合に、その島に対して如何に効果的な装飾を施すかが、非常に重要な課題とされている。
【0007】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、遊技場のスペースを有効に利用しつつより趣向を凝らした装飾を実現する装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願第1請求項に記載した発明は、パチンコやスロットマシン等の遊技機が列設された遊技場を装飾する遊技場の装飾装置において、前記遊技機の上部に配置された半透明のケース体と、前記ケース体の内部に配置された発光手段と、前記ケース体の正面側に配置されたプロジェクタとを備え、前記発光手段を点灯することにより前記ケース体を発光させる第1の装飾形態と、前記プロジェクタにより前記ケース体の正面に映像を投影する第2の装飾形態とを有する構成の遊技場の装飾装置である。
【0009】
本願第2請求項に記載した発明は、請求項1において、前記ケース体は、複数の前記遊技機に対してそれぞれ配置し、隣り合う前記ケース体の側面同士は、隙間を空けて互いに向かい合うものとし、前記プロジェクタの映像は、隣り合う前記ケース体の正面に跨るようにした構成の遊技場の装飾装置である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、遊技場のスペースを有効に利用しつつより趣向を凝らした装飾を実現する装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施例に係り、遊技機が列設された遊技場を示す正面図である。
【図2】本発明の実施例に係り、遊技場の装飾装置を示す上面図である。
【図3】本発明の実施例に係り、遊技場の装飾装置を示す側面図である。
【図4】本発明の実施例に係り、ケース体の内部を示す横断面図である。
【図5】本発明の実施例に係り、ケース体の内部を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の実施例を図1乃至図5に基づいて説明する。本例の装飾装置100は、パチンコやスロットマシン等の遊技機2が列設された遊技場を装飾するものである。図1は、遊技場のホールに複数のパチンコを列設して構築した一つの島1を示している。各遊技機2の上部には、それぞれ表示装置3が設けられている。更に表示装置3の上部には、幕板4が設けられている。幕板4の内側には、遊技機2にパチンコ玉を供給する装置が設けられている。
【0013】
本例の装飾装置100は、遊技機2の上部に配置された半透明のケース体110と、ケース体110の内部に配置された複数の発光手段120と、ケース体110の正面側に配置されたプロジェクタ130とを備えたものである。発光手段120は、幕板4にねじ止めして固定した支持体140に設けられている。また、ケース体110は、支持体140にねじ止め又は嵌合することにより、支持体140に対して着脱可能に装着される構成となっている。表示装置3は、遊技機2とケース体110との間に位置する。
【0014】
この装飾装置100は、発光手段120を点灯することによりケース体110を発光させる第1の装飾形態と、プロジェクタ130によりケース体110の正面に映像を投影する第2の装飾形態とを有するものとなっている。発光手段120及びプロジェクタ130は、不図示の制御手段によって制御されており、第1の装飾形態と第2の装飾形態とは、予め設定された所定のプログラムに従って切換わる構成となっている。
【0015】
ケース体110は、透明樹脂製の箱体の内面に乳白色の塗装を施してなるものである。濁った色の半透明体である。つまり本願では、光の透明性ではなく、光を透過する性質についてケース体110を半透明(translucent)と称している。発光手段120としては、LED又は蛍光管を採用している。プロジェクタ130としては、動画を投影する液晶プロジェクタ又はCRTプロジェクタを採用している。発光手段120の光は、ケース体110を透過して外部にもたらされる。また、プロジェクタ130の映像は、ケース体110がスクリーンとして作用することにより、ケース体110に投影される。
【0016】
本例の場合、ケース体110は、複数の遊技機2に対してそれぞれ配置されている。そして、隣り合うケース体110の側面同士は、隙間を空けて互いに向かい合うものとなっており、プロジェクタ130の映像は、隣り合うケース体110の正面に跨るように構成されている。隙間の間隔は、5〜30mm程度である。図例した島1は、9台の遊技機2が列設されたものである。プロジェクタ130は、3台設けられており、各プロジェクタ130の映像は、隣り合う3つのケース体110の正面に跨るように投影される。各プロジェクタ130は、天井に支持されている。コストの面では、プロジェクタ130の台数は少ないほうがよい。但し、映像の鮮明さを確保する必要もある。コストパフォーマンスを考慮すると、2〜4つのケース体110に対して一台のプロジェクタ130を設けるとよい。尚、プロジェクタ130が投影する映像としては、遊技機2を紹介するデモンストレーション映像等を用いるとよい。また、その遊技場の営業案内を告示する映像を用意し、これを投影するようにしてもよい。
【0017】
このような構成によると、複数のケース体110を一つのスクリーンとして利用することができる。そして、第1の装飾形態と第2の装飾形態とを交互に切換えることにより、より変化に富んだ装飾を実現することができる。第1の装飾形態と第2の装飾形態とは、いずれも電飾の一形態であるところ、それらの電飾方法が異なるため、装飾に変化をもたらすという点で非常に効果的である。遊技場のスペースも有効に利用することができる。
【0018】
また、本例の場合、装飾装置100の制御手段は、遊技機2から遊技情報を取得して、その情報を装飾形態の切換えに反映する構成となっている。例えば、通常時は第2の装飾形態とし、島1のいずれかの遊技機2に所謂当りが発生すると、そこから一定時間、プロジェクタ130による投影を停止し、第1の装飾形態に切換わる構成となっている。その第1の装飾形態も、特に限定はしないが、本例の場合、当りが発生した遊技機2上部のケース体110の内部に設けられた発光手段120が点灯するとともに、その他のケース体110の内部に設けられた発光手段120が島1の左右一方から他方へ流れるように点灯する構成となっている。特に、既存の表示装置3も遊技機2からの遊技情報を取得するものであることから、その配線を共通利用して遊戯情報を取得することも可能である。また、表示装置3の制御手段が表示装置3とともに装飾装置100を制御するように構成することも可能である。
【0019】
以上説明したように、本例の装飾装置は、遊技機が列設された遊技場を装飾する装置として極めて合理的に構成されたものである。尚、本例における各部の構成は、特許請求の範囲に記載した技術的範囲において適宜に設計変更が可能であり、図例説明したものに限定されないことは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0020】
本発明の遊技場の装飾装置は、パチンコやスロットマシン等の遊技機が列設された遊技場を装飾する装置として極めて好適に利用することが可能である。
【符号の説明】
【0021】
1 島
2 遊技機
3 表示装置
4 幕板
100 遊技場の装飾装置
110 ケース体
120 発光手段
130 プロジェクタ
140 支持体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パチンコやスロットマシン等の遊技機が列設された遊技場を装飾する遊技場の装飾装置において、
前記遊技機の上部に配置された半透明のケース体と、前記ケース体の内部に配置された発光手段と、前記ケース体の正面側に配置されたプロジェクタとを備え、
前記発光手段を点灯することにより前記ケース体を発光させる第1の装飾形態と、前記プロジェクタにより前記ケース体の正面に映像を投影する第2の装飾形態とを有することを特徴とする遊技場の装飾装置。
【請求項2】
前記ケース体は、複数の前記遊技機に対してそれぞれ配置し、
隣り合う前記ケース体の側面同士は、隙間を空けて互いに向かい合うものとし、
前記プロジェクタの映像は、隣り合う前記ケース体の正面に跨るようにしたことを特徴とする請求項1記載の遊技場の装飾装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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