説明

遊技媒体の収容箱用透明シート、遊技媒体の収容箱用基材シート、遊技媒体の収容箱用マット

【課題】広告媒体等を取り付けたり差し換えたりするに際して互換性に優れ、何度でも繰り返して広告媒体等の差し換えが可能な遊技媒体の収容箱用透明シート、遊技媒体の収容箱用基材シート、遊技媒体の収容箱用マットを提供する。
【解決手段】収容箱用マット10は、粘着面11を有する透明シート12と、遊技媒体の落下による衝撃を吸収するための弾性を有する衝撃吸収部15と、衝撃吸収部15の上面に接着されており粘着面11が粘着される被粘着面17とを有する。透明シート12は衝撃吸収基材13に対して粘着・剥離が繰り返し可能となるため、粘着面11と被粘着面17との間に広告媒体19を粘着状態で積層するに際して、透明シートを衝撃吸収基材13に対して粘着・剥離することで容易に広告媒体19の差し換えができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ等の遊技機において、遊技媒体を収容する収容箱に取り付けられる遊技媒体の収容箱用透明シート、遊技媒体の収容箱用基材シート、遊技媒体の収容箱用マットに関する。
【背景技術】
【0002】
スロットマシンやパチンコ遊技機等により遊技を行っているとき、遊技者が獲得したコインやパチンコ球等の遊技媒体は、遊技機の受皿(パチンコ機の下皿及びスロットマシンの受皿等)に賞与される。この受皿で収容しきれない場合には、球箱等の遊技媒体の収容箱に移し入れて貯留する。例えば、パチンコ機で用いる球箱の多くは、硬質の樹脂材からなるため、鉄製のパチンコ球がパチンコ機から排出されて球箱内に落下する時には大きな衝撃音が発生する。この衝撃音による騒音を解消するために、球箱の底面に設けられる衝撃吸収性マットが知られている(特許文献1参照)。このマットは、厚さ3〜5mm程度のゴムやスポンジ等の弾性体であって、受皿から落下するパチンコ球の衝撃を緩和吸収して騒音の発生を抑制するようになっている。
【0003】
こうしたマットの中には、例えばマットの表面に遊技場の宣伝、広告、案内等の各種表示を施したものがある。これらの表示方法としては、マットの表面に広告内容等を直接プリントしたり、各種表示がプリントされた薄い紙等の用紙(以下、単に「広告媒体」という。)をマットの表面にラミネート加工により固着させたもの等がある。こうしたマットによれば、球箱が空のときには遊技者はマットの表面の各種表示内容を視認することができるため、広告宣伝効果を図ることができるとされていた。
【特許文献1】特開平10−5441号公報(請求項1、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、こうした構成では、各種表示がマットの表面に固着されているため、一旦プリントされた各種表示内容を変更することができない。また、各種表示内容を変更するには、マット自体を取り替えなくてならず、互換性に乏しく不便であった。
【0005】
一方、上記構成の他に、ある程度の互換性を考慮した構成として、例えば、広告媒体をマットと塩化ビニール等の透明フィルムとの間に挟み込むようにして、透明フィルムをマットの表面に両面テープで貼着するというものもある。この構成によれば、手軽かつ簡単に各種表示をマットに貼着させることができ、新たな広告媒体に取り替える場合は、両面テープで貼着された透明フィルムをマットから剥がすことで対応することができる。そのため、マット自体を取り替える必要はない。
【0006】
しかし、このように両面テープで貼着された透明フィルムをマットから剥す場合、透明フィルムを剥がした後のマットの表面には両面テープの接着糊が残存することも多く、その残存した糊をいちいちきれいに落とすことは非常に面倒であった。また、透明フィルム自体を取り替える必要があり、やはり互換性に優れているとはいえなかった。さらに、マットの表面に対して両面テープを貼着したり剥がしたりを繰り返すため、その耐久性にも限度があった。ある程度繰り返し使用していれば、やはりマット自体を取り替える必要もある。また、使用時においても、マット表面上で両面テープの貼着スペースを確保する必要があるため、遊技者からは両面テープによる貼着部が見えてしまい見栄えが悪く、マットとの一体感も得られず好適な態様とはいえなかった。
【0007】
本発明は、このような実情に鑑みなされたものであり、その目的は、広告媒体等を取り付けたり差し換えたりするに際して互換性に優れ、何度でも繰り返して広告媒体等の差し換えが可能な遊技媒体の収容箱用透明シート、遊技媒体の収容箱用基材シート、遊技媒体の収容箱用マットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、請求項1に係る遊技媒体の収容箱用透明シートは、遊技機で遊技する際に用いられる遊技媒体を収容する収容箱に敷設され、前記収容箱の底面に対向して設置される透明シート粘着面と、当該粘着面の上表面を保護する透明シート保護面とを有し、前記透明シート粘着面は前記収容箱側に設けられる被粘着面に対して粘着・剥離が繰り返し可能に構成され、かつ、前記透明シート粘着面と前記被粘着面との間に挟まれるシート状部材を上面から視認可能に透明に構成されたことを特徴とする。
【0009】
請求項2に係る遊技媒体の収容箱用透明シートは、請求項1に記載の遊技媒体の収容箱用透明シートにおいて、前記透明シート粘着面の材質はウレタン系粘着材であり、前記透明シート保護面の材質はオレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、エステル系樹脂、アクリル樹脂、カーボネート樹脂から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする。
【0010】
請求項3に係る遊技媒体の収容箱用透明シートは、請求項2に記載の遊技媒体の収容箱用透明シートにおいて、前記透明シート保護面の材質はオレフィン系樹脂であることを特徴とする。
【0011】
請求項4に係る遊技媒体の収容箱用基材シートは、遊技機で遊技する際に用いられる遊技媒体を収容する収容箱に敷設され、透明シートの下面に対向して設置される基材シート粘着面と、当該粘着面の下表面を保護する基材シート保護面とを有し、前記基材シート粘着面は、シート状部材を挟んで前記基材シートを上方から被覆する前記透明シートが前記基材シート粘着面に対して粘着・剥離が繰り返し可能に構成されたことを特徴とする。
【0012】
請求項5に係る遊技媒体の収容箱用基材シートは、請求項4に記載の遊技媒体の収容箱用基材シートにおいて、前記基材シート粘着面の材質はウレタン系粘着材であり、前記基材シート保護面の材質はオレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、エステル系樹脂、アクリル樹脂、カーボネート樹脂から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする。
【0013】
請求項6に係る遊技媒体の収容箱用マットは、遊技機で遊技する際に用いられる遊技媒体を収容する収容箱に敷設され、透明シートと、当該透明シートの下面に設置される基材シートとを有し、透明シートの下面及び基材シートの上面のうちいずれか一方の面は粘着面に形成され、透明シートの下面及び基材シートの上面のうち前記粘着面に形成されないもう一方の面は被粘着面に形成され、前記透明シートは前記基材シートに対して粘着・剥離が繰り返し可能に構成されていることを特徴とする。
【0014】
請求項7に係る遊技媒体の収容箱用マットは、請求項6に記載の遊技媒体の収容箱用マットにおいて、前記粘着面の材質はウレタン系粘着材であり、前記被粘着面の材質はオレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、エステル系樹脂、アクリル樹脂、カーボネート樹脂から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする。
【0015】
請求項8に係る遊技媒体の収容箱用マットは、請求項6又は請求項7に記載の遊技媒体の収容箱用マットにおいて、前記遊技媒体の落下による衝撃を吸収するための弾性を有する衝撃吸収部を更に有し、当該衝撃吸収部の上面に前記基材シートが接着されていることを特徴とする。
【0016】
請求項9に係る遊技媒体の収容箱用マットは、請求項6乃至請求項8のいずれか1項に記載の遊技媒体の収容箱用マットにおいて、前記透明シート及び前記基材シートは、前記収容箱の底面を覆うように当該底面と略同一形状に形成されており、前記遊技媒体に帯電する静電気を逃すための帯電防止孔を更に有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、広告媒体等を取り付けたり差し換えたりするに際して互換性に優れ、何度でも繰り返して広告媒体等の差し換えを可能とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の遊技媒体の収容箱用透明シート、遊技媒体の収容箱用基材シート、遊技媒体の収容箱用マットを具体化した一実施形態を図1〜図4にしたがって説明する。
図1は、本実施形態の遊技媒体の収容箱用マットの使用態様を示す全体図である。図1に示すように、遊技媒体であるパチンコ球やメダルを貯留しておくための略直方体形状の収容箱1の内底面には、収容箱用マット(以下、単に「マット」ともいう。)10がその内底面一面をほぼ隙間なく覆うようにして敷設されている。以下、本明細書では、「遊技媒体」を「パチンコ球」を例として説明する。
【0019】
本実施形態の収容箱1は、周知の収容箱1であって、上部両側部には把持部2が形成されている。また、収容箱1の底面は平坦に形成され、底面の対角に位置する2隅には(図1においては、斜視図の都合上1箇所のみ図示されている。)、パチンコ球の一部を底面から露出させる孔3が形成されている。孔3は、底面から下方に擂り鉢状に陥没した底部4の最底部に貫通形成されており、パチンコ球の一部が底部4に嵌り込んで収容箱1の下部に設けられる金属製の台板等(図示略)に接することで静電気を逃すようになっている。
【0020】
図2は、収容箱用マット10を示す全体斜視図であって、図3は、この収容箱用マット10の分解斜視図である。収容箱用マット10は、収容箱1の底面と略同一形状の平面視長方形形状であって、下面に粘着面11を有する透明シート12と、衝撃吸収基材13とで構成されている。透明シート12の対角に位置する2隅には、平面視円形状の帯電防止孔14が貫通形成されている。この帯電防止孔14の位置は、収容箱1の底面に形成される2つの孔の位置に対応している。
【0021】
透明シート12の下面は、ウレタン系粘着材からなる粘着面11となっており、透明シート12の上面は粘着面11を保護する保護面21となっている。本実施形態の保護面21の材質はポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンである。本実施形態におけるポリオレフィンは、プロピレン及びエチレンを原料としてリアクターで直接重合した軟質樹脂であり、軟質成分が微細で均一に分散しているものである。そして、衝撃に強く、耐水性、耐薬品性に優れているため、粘着・剥離が繰り返し行われる本件のような場合にはポリオレフィンは非常に有用である。なお、保護面21の材質は、その他、塩化ビニル系樹脂であるポリ塩化ビニル、エステル系樹脂であるポリエチレンテレフタレート、又はアクリル樹脂、カーボネート樹脂等でもよい。ポリ塩化ビニルは難燃性を有し、耐候性に優れている。ポリエチレンテレフタレートは強靱で耐熱性に優れている。アクリル樹脂は耐候性、耐薬品性、耐久性に優れており、カーボネート樹脂は耐熱性に優れている。よって、これらの材質によっても、可撓性を有し繰り返し使用に耐えうる透明シート12とすることができる。
【0022】
一方、衝撃吸収基材13は、衝撃吸収部15と、その衝撃吸収部15の上面に接着された合成樹脂板16とで構成されている。本実施形態の衝撃吸収部15は、ポリエチレン発泡材であって、弾性を有しており落下してきたパチンコ球の衝撃を緩和吸収するようになっている。なお、衝撃吸収部15の材質は、その他、NRゴム発泡、ポリプロピレン発泡、ポリスチレン発泡等であってもよい。また、合成樹脂板16の平滑な表面(上面)が、透明シート12の粘着面11が粘着される被粘着面17となっている。この被粘着面17の材質はポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンである。そして、上記材質により被粘着面17を有する衝撃吸収基材13に対して粘着面11を有する透明シート12を繰り返し粘着・剥離することができるようになっている。なお、粘着・剥離が繰り返し可能な同様の作用を有する被粘着面17の材質としては、その他、塩化ビニル系樹脂であるポリ塩化ビニル、エステル系樹脂であるポリエチレンテレフタレート及びポリスチレン、さらにアクリル樹脂、カーボネート樹脂等でもよい。なお、ポリスチレンは剛性に優れ、表面硬度も大きい。
【0023】
また、衝撃吸収基材13には、透明シート12に形成される帯電防止孔14に対応する位置に同様の帯電防止孔18が貫通形成されている。そして、収容箱用マット10を収容箱1に敷設した場合に、透明シート12及び衝撃吸収基材13の帯電防止孔14,18にいくつかのパチンコ球が嵌り込んで、収容箱1の底面の孔3から静電気を逃すようになっている。なお、本発明の「帯電防止孔」でいう「孔」とは、各シートを貫通していれば良く、各シートの端部から切り欠き形状に形成されるものも含む。
【0024】
また、本実施形態の収容箱用マット10では、衝撃吸収基材13と透明シート12との間に、所定の広告・案内等がプリントされた広告媒体19が粘着状態で積層されている。広告媒体19は薄い紙製であって、その表示内容を透明シート12を介して上方から視認できるようになっている。なお、広告媒体19の材質は紙以外に、プラスティックやポリエステル等の合成繊維でもよい。要は、粘着面11に粘着して、粘着面11と被粘着面17との間に圧着可能な程度に薄いものであればよい。材質にもよるが、その厚みは、おおよそ0.7mm以内の範囲であれば透明シート12の粘着面11と合成樹脂板16の被粘着面17との間に目立った凹凸も発生せず粘着性に関しても問題ない程度で挟み込むことができる。
【0025】
次に、上記構成の収容箱用マット10において、透明シート12と衝撃吸収基材13との間に広告媒体19を挟圧させる手順について説明する。上記のように、本実施形態では透明シート12と衝撃吸収基材13とが、粘着面11と被粘着面17との粘着性質にて粘着・剥離自在となっているため、図4に示すように衝撃吸収基材13から透明シート12の一端を指でつまんで剥がすように持ち上げれば、容易に透明シート12を衝撃吸収基材13から剥離することができる。こうして、透明シート12と衝撃吸収基材13とを分離した後に、衝撃吸収基材13の上面に広告媒体19をその広告表示を上にして載置する。次いで、透明シート12をその輪郭を衝撃吸収基材13の輪郭に沿うようして、衝撃吸収基材13に密着させる。このとき、紙製の広告媒体19と粘着面11、及び広告媒体19の粘着した部分以外の粘着面11と被粘着面17とが強固に粘着するため、広告媒体19は透明シート12と衝撃吸収基材13との間に粘着状態で積層される。
【0026】
透明シート12と衝撃吸収基材13との間に粘着状態で挟まれた広告媒体19を取り除く場合には、上記と同様に衝撃吸収基材13から透明シート12の一端を剥がすように持ち上げて(図4参照)、透明シート12を衝撃吸収基材13から剥離する。このとき、広告媒体19は透明シート12側に粘着して貼り付いた状態であるが、広告媒体19をゆっくりと透明シート12から剥がすようにすれば、容易に広告媒体19を粘着面11から剥がすことができる。粘着面11と被粘着面17との適度な粘着性により、広告媒体19を剥がす場合でも広告媒体19が切れたり、その一部が粘着面11に付着して残存することはほとんどない。従って、その広告媒体19を再び使用することができ、もちろん、別の表示内容の広告媒体19を改めて透明シート12と衝撃吸収基材13との間に粘着状態で挟んで取り付けることもできる。このように、本実施形態によれば、従来のように例えば両面テープ等特別な接着材を敢えて使用することなく、マット10そのもののみで広告媒体19を容易にマット10に取り付けることができる。かつ、容易に取り外すこともできる。
【0027】
また、上記したように紙製等の広告媒体19であれば、広告媒体19自体が透明シート12に貼り付いた状態となるため広告媒体19とマット10との一体感があり見栄えがよく、効率的に広告宣伝効果を奏すことができる。さらに、両面テープ等による貼着では、両面テープを剥がした後のマットの表面に両面テープの接着糊が残存することも多く汚れが目立つところであるが、本実施形態ではこうした問題も起こり得ない。
【0028】
また、粘着面11と被粘着面17とは、上記したような材質にて構成されている。従って、繰り返し使用するうちに、粘着力が弱くなってきた場合には、水洗いした後乾かせば、粘着力が回復して半永久的に繰り返し使用することができる。
【0029】
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、衝撃吸収基材13に被粘着面17を形成し、透明シート12に粘着面11を形成する。そして、衝撃吸収基材13に対して透明シート12を繰り返し粘着・剥離することができる構成となっている。このため、透明シート12を剥がしたり粘着させたりすることで、透明シート12と衝撃吸収基材13との間に粘着状態で積層される広告媒体19を容易に取付け・取外しすることができる。広告媒体19を取り付けたり差し換えたりするに際して互換性に優れ、何度でも繰り返して広告媒体19の差し換えをすることができる。広告内容を変更したい場合に有用である。
【0030】
また、粘着により広告媒体19の表示面側から密着するため広告媒体19とマット10との一体感があり見栄えがよく、効果的に広告宣伝することができる。
また、吸着と比べると、広告媒体19の種類を問わず広告媒体19を直接安定した状態で固定することができるという効果がある。
【0031】
(2)収容箱1の底面の対角する2隅には孔3が形成され、収容箱用マット10には、それらの孔3に対応する位置に帯電防止孔14,18が貫通形成されている。そして、孔3から静電気を逃すようになっているため、収容箱1に収容されたパチンコ球に静電気が帯電することを防止できる。
【0032】
(3)透明シート12は、その全体を透明に形成されている。よって、透明シート12の下部に挟まれた広告媒体19の表示内容を、上面から視認することができる。
(4)また、マット10は、収容箱1の底面を覆うように、底面と略同一形状に形成されているため、収容箱1に落下するパチンコ球の衝撃を広い範囲で効果的に緩和吸収することができる。また、広い面積に亘って広告表示を行うことができる。
【0033】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・透明シート12の一側辺を予め衝撃吸収基材13の一側辺に固着させた構成としてもよい。この構成によれば、衝撃吸収基材13に対する透明シート12の位置決めがなされるため、透明シート12を一旦剥がした後、再度粘着する作業を容易にすることができる。
【0034】
・上記実施形態では、遊技媒体としてパチンコ球を例に説明したが、その他メダル等の遊技媒体であっても同様に実施できる。
・上記実施形態では、広告媒体19を透明シート12と衝撃吸収基材13との間に挟む構成としたが、透明シート12自体に広告表示を印刷等により施してもよい。
【0035】
・上記実施形態では、広告媒体19を被粘着面17上に載置するようにして取り付けたが、粘着面11側に先に粘着させて取り付けてもよく、広告媒体19の材質や大きさ等によってその取付手順は適宜変更できる。
【0036】
・上記実施形態では、透明シート12の下面を粘着面11として構成したが、合成樹脂板16の上面(被粘着面17)を粘着面(基材シート粘着面)として構成してもよい。この場合、合成樹脂板16の上面に上記実施形態の粘着面11と同様の材質により粘着面が形成され、透明シート12は保護面21の材質のみで粘着面なしで構成され、この透明シート12の下面(保護面21と同材質)が被粘着面として機能することとなる。なお、この別例において、上記実施形態における合成樹脂板そのものが本発明における「基材シート保護面」に相当する。この構成においては、広告媒体19を裏面側から粘着により合成樹脂板16と密着するため広告媒体19とマット10との一体感があり見栄えがよく、効果的に広告宣伝することができる。
【0037】
・さらに、合成樹脂板16に粘着面がある構成とした場合には、この粘着面付きの基材シートである合成樹脂板は、従来品にも対応させて実施できる。例えば、従来の衝撃吸収マットに両面テープで透明フィルムを貼付するタイプに対して、従来の衝撃吸収マット上にこの合成樹脂板を載置すれば、両面テープを使用せずに従来の透明フィルムをこの合成樹脂板に粘着・剥離自在な構成として上記実施形態と同様に実施できる。なお、合成樹脂板は衝撃吸収マットに接着・粘着その他適宜の方法で固定してもよい。
【0038】
・上記実施形態の透明シート12は、透明シート12単体でも実施できる。遊技媒体の収容箱1は、通常表面が平滑な合成樹脂製であるため、上記構成の透明シート12の粘着面11を直接収容箱1に粘着させることができる。従って、例えば収容箱1の遊技媒体の収容量をなるべく確保したいという場合等には、衝撃吸収基材13を省略してもよい。この場合も、透明シート12と収容箱1の底面との間に直接広告媒体19を挟み込んで、透明シート12は収容箱1に対して粘着・剥離が繰り返し可能な構成として実施できる。特に、帯電防止孔14が設けられていれば、収容箱1の孔3により遊技媒体の帯電を防止する機能を生かすことができる。
【0039】
・さらに、上記実施形態において、透明シート12と合成樹脂板16のみの組み合わせで実施することもできる。すなわち、衝撃吸収部15を省略した形態である。この場合も、上記実施形態と同様に透明シート12と合成樹脂板16との間に広告媒体19を挟み込んで、透明シート12を合成樹脂板16に対して粘着・剥離が繰り返し可能な構成として実施できる。なお、この場合も上記したように、粘着面は透明シート12の下面又は合成樹脂板16の上面のうちどちらに形成されていてもよい。
【0040】
次に、上記各実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、以下に追記する。
(イ)前記収容箱の底面を覆うように当該底面と略同一形状に形成されており、前記遊技媒体に帯電する静電気を逃すための帯電防止孔を更に有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の遊技媒体の収容箱用透明シート。
【0041】
(ロ)前記収容箱の底面を覆うように当該底面と略同一形状に形成されており、前記遊技媒体に帯電する静電気を逃すための帯電防止孔を更に有することを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の遊技媒体の収容箱用基材シート。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本実施形態の遊技媒体の収容箱用マットの使用態様を示す全体図。
【図2】収容箱用マットを示す全体斜視図。
【図3】収容箱用マットの分解斜視図。
【図4】透明シートを衝撃吸収基材から剥離する態様を説明する図。
【符号の説明】
【0043】
1…遊技媒体の収容箱、2…把持部、3…孔、4…底部、10…遊技媒体の収容箱用マット、11…粘着面(透明シート粘着面)、12…透明シート(遊技媒体の収容箱用透明シート)、13…衝撃吸収基材、14,18…帯電防止孔、15…衝撃吸収部、16…合成樹脂板(基材シート)、17…被粘着面、19…広告媒体(シート状部材)、21…保護面(透明シート保護面)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機で遊技する際に用いられる遊技媒体を収容する収容箱に敷設され、
前記収容箱の底面に対向して設置される透明シート粘着面と、
当該粘着面の上表面を保護する透明シート保護面と
を有し、前記透明シート粘着面は前記収容箱側に設けられる被粘着面に対して粘着・剥離が繰り返し可能に構成され、かつ、前記透明シート粘着面と前記被粘着面との間に挟まれるシート状部材を上面から視認可能に透明に構成されたことを特徴とする遊技媒体の収容箱用透明シート。
【請求項2】
前記透明シート粘着面の材質はウレタン系粘着材であり、前記透明シート保護面の材質はオレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、エステル系樹脂、アクリル樹脂、カーボネート樹脂から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の遊技媒体の収容箱用透明シート。
【請求項3】
前記透明シート保護面の材質はオレフィン系樹脂であることを特徴とする請求項2に記載の遊技媒体の収容箱用透明シート。
【請求項4】
遊技機で遊技する際に用いられる遊技媒体を収容する収容箱に敷設され、
透明シートの下面に対向して設置される基材シート粘着面と、
当該粘着面の下表面を保護する基材シート保護面と
を有し、前記基材シート粘着面は、シート状部材を挟んで前記基材シートを上方から被覆する前記透明シートが前記基材シート粘着面に対して粘着・剥離が繰り返し可能に構成されたことを特徴とする遊技媒体の収容箱用基材シート。
【請求項5】
前記基材シート粘着面の材質はウレタン系粘着材であり、前記基材シート保護面の材質はオレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、エステル系樹脂、アクリル樹脂、カーボネート樹脂から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項4に記載の遊技媒体の収容箱用基材シート。
【請求項6】
遊技機で遊技する際に用いられる遊技媒体を収容する収容箱に敷設され、
透明シートと、
当該透明シートの下面に設置される基材シートと
を有し、透明シートの下面及び基材シートの上面のうちいずれか一方の面は粘着面に形成され、透明シートの下面及び基材シートの上面のうち前記粘着面に形成されないもう一方の面は被粘着面に形成され、前記透明シートは前記基材シートに対して粘着・剥離が繰り返し可能に構成されていることを特徴とする遊技媒体の収容箱用マット。
【請求項7】
前記粘着面の材質はウレタン系粘着材であり、前記被粘着面の材質はオレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、エステル系樹脂、アクリル樹脂、カーボネート樹脂から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項6に記載の遊技媒体の収容箱用マット。
【請求項8】
前記遊技媒体の落下による衝撃を吸収するための弾性を有する衝撃吸収部を更に有し、
当該衝撃吸収部の上面に前記基材シートが接着されていることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の遊技媒体の収容箱用マット。
【請求項9】
前記透明シート及び前記基材シートは、前記収容箱の底面を覆うように当該底面と略同一形状に形成されており、前記遊技媒体に帯電する静電気を逃すための帯電防止孔を更に有することを特徴とする請求項6乃至請求項8のいずれか1項に記載の遊技媒体の収容箱用マット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−84717(P2006−84717A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−268739(P2004−268739)
【出願日】平成16年9月15日(2004.9.15)
【出願人】(503402116)
【Fターム(参考)】