説明

遊技店の情報表示システム

【課題】遊技客から休憩の要求を受けたとき、従業員等の作業負担を軽減して、当該遊技機での遊技が規制されていることを明確に表示できるようにすると共に、情報記録媒体が盗難されないようなセキュリティも備えた遊技店の情報表示システムを提供する。
【解決手段】CR遊技機100で遊技を行っていた遊技客の求めにより管理用リモコンRCで休憩を設定すると、球貸に使用していた情報記録媒体Cのカード固有IDを待機モード解除情報記憶手段211に記憶して情報記録媒体Cを返却し、待機モード制御手段212が球貸要求を受け付けない待機モードへの移行制御を行い、待機状態情報送信手段213が台ランプ400へ待機状態情報(休憩フラグと休憩時間)を送信し、主情報表示器401に休憩中である旨と残り時間をカウントダウン表示させておき、遊技客が戻って情報記録媒体Cを投入すると、待機モードから通常モードに自動復帰する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技店に設置され、遊技媒体を用いた遊技が可能な遊技機と、該遊技機に対応して設けられ、遊技者が所持する情報記録媒体を用いて遊技媒体の貸出制御を行う遊技媒体貸出装置と、前記遊技機および遊技媒体貸出装置から供給される表示情報を可視表示する情報表示装置と、からなる遊技店の情報表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、多数の遊技機が設置された遊技店においては、係員等が店内巡回に際して参照する情報や遊技客が欲する情報など、様々な情報が表示できるようになっている。このような情報表示の一つとして、遊技客が休憩のために一時的に遊技機を離れるときの休憩中表示がある。例えば、休憩中お知らせプレートに従業員がマッジク等で休憩を始めた時間を書き込んで、当該遊技機の上部等にプレートを取り付けておき、他の遊技客がその遊技機で遊技を開始することを規制すると共に、遊技客の休憩状況を把握し、著しく遊技機の稼働率が低下しないように管理している。
【0003】
上記のような休憩中お知らせプレートによる情報表示においては、遊技店の従業員がプレートに休憩開始時間を書き込まなければならない上に、休憩時間の経過管理についても逐一プレートの休憩開始時間を確認しておかなければならず、従業員の作業負担が大きく、効率が悪いものであった。これを改善するものとして、休憩中お知らせプレートにデジタル表示部を設けておき、休憩開始時には休憩時間のカウントタイマを作動させ、休憩時間の経過をデジタル表示部に表示し、所定の休憩時間が経過するとデジタル表示部が点滅して知らせるようにした休憩中お知らせプレートが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−079258号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された発明の休憩中お知らせプレートを用いた情報表示では、従業員が休憩中お知らせプレートを持ち歩くか、その都度プレートを取りに行かなければならないし、休憩から遊技客が戻った際にもプレートを取り外すなどの操作が必要となるので、必ずしも従業員の作業負担を効率的に軽減できるとは言えない。しかも、休憩中表示を施した遊技機に対応する遊技媒体貸出装置から情報記録媒体を持ち去るような不正を防ぐこともできず、セキュリティ上の問題もあった。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、遊技客から休憩の要求を受けたとき、従業員等の作業負担を軽減して、当該遊技機での遊技が規制されていることを明確に表示できるようにすると共に、情報記録媒体が盗難されないようなセキュリティも備えた遊技店の情報表示システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、請求項1に係る発明は、遊技店に設置され、遊技店に設置され、遊技媒体を用いた遊技が可能な遊技機と、該遊技機に対応して設けられ、遊技者が所持する情報記録媒体を用いて遊技媒体の貸出制御を行う遊技媒体貸出装置と、前記遊技機および遊技媒体貸出装置から供給される表示情報を可視表示する情報表示装置と、からなる遊技店の情報表示システムにおいて、前記遊技媒体貸出装置は、投入中の情報記録媒体に設定されたユニークな識別情報を、情報記録媒体の返却後も記憶保持可能な情報記憶手段と、外部からの待機要求を受け付け、このときに投入中の情報記憶媒体の識別情報を待機モード解除情報として前記情報記憶手段に記憶させて、情報記録媒体を返却し、遊技媒体の貸出要求を受け付けない待機モードへ移行し、待機モード中に投入された情報記録媒体の識別情報が前記情報記憶手段に記憶させた待機モード解除情報と一致することに基づいて待機モードを解除する待機モード制御手段と、前記待機モード制御手段により待機モードへ移行することで、その待機状態を前記情報表示装置に表示させるための待機状態情報を情報表示装置へ送信する待機状態情報送信手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に係る発明は、前記請求項1に記載の遊技店の情報表示システムにおいて、前記遊技媒体貸出装置は、通常稼働状態から待機モードへの移行に伴って待機モード連動信号を遊技機へ送信し、前記遊技機は、前記遊技媒体貸出装置からの待機モード連動信号を受けることで、遊技機能が制限された遊技制限状態となるようにしたことを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に係る発明は、前記請求項1又は請求項2に記載の遊技店の情報表示システムにおいて、前記遊技媒体貸出装置の待機モード制御手段は、任意設定された待機モードの維持時間を受け付け可能とし、前記遊技媒体貸出装置の待機状態送信手段は、待機状態情報と併せて、設定された待機モードの維持時間を前記情報表示装置へ送信するものとし、前記情報表示装置は、前記遊技媒体貸出装置から待機状態情報を受けることに基づき、対応する遊技機が待機モードである旨の表示を行うことと併せて、待機モード維持時間のカウントダウン表示を行うようにしたことを特徴とする。
【0010】
また、請求項4に係る発明は、前記請求項3に記載の遊技店の情報表示システムにおいて、前記遊技媒体貸出装置の待機モード制御手段は、予め設定された待機猶予期間内であれば、待機モードの維持時間を経過しても待機モードを維持するものとし、前記遊技媒体貸出装置の待機状態送信手段は、待機状態が通常の待機モードから待機猶予期間に移行した待機状態情報を前記情報表示装置へ送信し、前記情報表示装置は、前記遊技媒体貸出装置から待機猶予期間に移行した待機状態情報を受けることに基づき、対応する遊技機の待機モード期間が経過した旨の表示を行うことと併せて、待機猶予期間の経過を示すカウントアップ表示を行うようにしたことを特徴とする。
【0011】
また、請求項5に係る発明は、前記請求項4に記載の遊技店の情報表示システムにおいて、前記遊技媒体貸出装置の待機モード制御手段は、待機モード維持時間が経過した待機猶予期間内においても、待機モード解除情報に該当する識別情報を記憶している情報記録媒体が投入されると待機モードを解除できると共に、外部からの強制解除要求によっても待機モードを解除できるようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る遊技店の情報表示システムによれば、前記遊技媒体貸出装置は、投入中の情報記録媒体に設定されたユニークな識別情報を、情報記録媒体の返却後も記憶保持可能な情報記憶手段と、外部からの待機要求を受け付け、このときに投入中の情報記憶媒体の識別情報を待機モード解除情報として前記情報記憶手段に記憶させて、情報記録媒体を返却し、遊技媒体の貸出要求を受け付けない待機モードへ移行し、待機モード中に投入された情報記録媒体の識別情報が前記情報記憶手段に記憶させた待機モード解除情報と一致することに基づいて待機モードを解除する待機モード制御手段と、前記待機モード制御手段により待機モードへ移行することで、その待機状態を前記情報表示装置に表示させるための待機状態情報を情報表示装置へ送信する待機状態情報送信手段と、を備えるので、遊技店の従業員等が遊技媒体貸出装置に対して待機要求を行えば、遊技媒体貸出装置が待機モードになることと連動して、情報表示装置にも待機状態の表示が行われ、待機モード解除情報と一致する識別情報が記憶されている情報記録媒体を所持する遊技者等が戻ってきた場合には、その情報記録媒体を遊技媒体貸出装置へ投入すれば待機モードが解除されることから、従業員等による待機モード解除操作を必要とせず、従業員等の作業負担を効率良く軽減できる。しかも、遊技媒体貸出装置が待機モードになると、情報記録媒体は所持者に返却されるので、情報記録媒体の盗難を防ぐことができ、高いセキュリティを期せる。
【0013】
また、請求項2に係る遊技店の情報表示システムによれば、前記遊技媒体貸出装置は、通常稼働状態から待機モードへの移行に伴って待機モード連動信号を遊技機へ送信し、前記遊技機は、前記遊技媒体貸出装置からの待機モード連動信号を受けることで、遊技機能が制限された遊技制限状態となるようにしたので、遊技機の不正使用を防ぐことができ、高いセキュリティを期せる。
【0014】
また、請求項3に係る遊技店の情報表示システムによれば、前記遊技媒体貸出装置の待機モード制御手段は、任意設定された待機モードの維持時間を受け付け可能とし、前記遊技媒体貸出装置の待機状態送信手段は、待機状態情報と併せて、設定された待機モードの維持時間を前記情報表示装置へ送信するものとし、前記情報表示装置は、前記遊技媒体貸出装置から待機状態情報を受けることに基づき、対応する遊技機が待機モードである旨の表示を行うことと併せて、待機モード維持時間のカウントダウン表示を行うようにしたので、用途に応じた適切な長さの待機モード維持時間を適宜設定することができ、情報表示装置で行われる待機モード維持時間のカウントダウン表示を行うことで、従業員等が待機モードの維持管理をし易くなる。
【0015】
また、請求項4に係る遊技店の情報表示システムによれば、前記遊技媒体貸出装置の待機モード制御手段は、予め設定された待機猶予期間内であれば、待機モードの維持時間を経過しても待機モードを維持するものとし、前記遊技媒体貸出装置の待機状態送信手段は、待機状態が通常の待機モードから待機猶予期間に移行した待機状態情報を前記情報表示装置へ送信し、前記情報表示装置は、前記遊技媒体貸出装置から待機猶予期間に移行した待機状態情報を受けることに基づき、対応する遊技機の待機モード期間が経過した旨の表示を行うことと併せて、待機猶予期間の経過を示すカウントアップ表示を行うようにしたので、予定の待機モード維持時間を僅かにオーバーして遊技客が戻ってきた場合に、待機モードが解除されていて、遊技客に不利益を与えるようなケースを救済できるし、待機猶予期間が適切な有限時間であれば、遊技機の稼働率が極端に低下してしまうことも防げる。
【0016】
また、請求項5に係る遊技店の情報表示システムによれば、前記遊技媒体貸出装置の待機モード制御手段は、待機モード維持時間が経過した待機猶予期間内においても、待機モード解除情報に該当する識別情報を記憶している情報記録媒体が投入されると待機モードを解除できると共に、外部からの強制解除要求によっても待機モードを解除できるようにしたので、予定の待機モード維持時間を僅かにオーバーして遊技客が戻ってきても、待機猶予期間内であれば、従業員等の手を患わせることなく待機モードの解除を行うことができるし、従業員等の判断で待機モードを強制解除することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】遊技機とCRユニットと球箱ユニットと台ランプの正面図である。
【図2】CRユニットの概略機能ブロック図である。
【図3】情報記録媒体における記憶領域の構成図である。
【図4】CRユニットの表示/操作部における待機モードに関連した表示例である。
【図5】待機モード状態の変化に伴う時間表示の説明図である。
【図6】台ランプの主情報表示器における情報表示例である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本発明に係る遊技店の情報表示システムの実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
【0019】
図1に示すのは、島設備に設置され、遊技球を遊技媒体として遊技を行うCR遊技機100と、これに対応して設けられた遊技媒体貸出装置としてのCRユニット200と、このCRユニット200が備える獲得球計数機能部へ獲得球を導入する球箱ユニット300と、CR遊技機100およびCRユニット200の上方に配された幕板に取り付けられた情報表示装置としての台ランプ400の正面図である。
【0020】
CR遊技機100は、ガラス枠110の保持するガラス越しに遊技者が見える遊技盤(図示省略)へ遊技球を弾発して遊技を行うもので、遊技盤上に設けられた種々の入賞口へ入賞すると所定数の賞球が排出されて上皿120に導入される。上皿120に大量の球が貯まって溢れると、賞球は上皿120の下方部に設けられた下皿130に導かれ、下皿130に貯まって行く。なお、下皿130の底部には球排出口を設けてあり、排出スイッチ131を操作することで球排出口を開成させることができ、下皿130に貯まった球を球箱ユニット300へ移すことができる。
【0021】
CRユニット200は、プリペイドカードやICカード等の情報記録媒体に記録された有価価値に基づいて、等価分の数量の遊技球を貸し出す制御を行うものである。遊技球の貸出に際しては、CRユニット200がCR遊技機100と遊技球貸出関連の信号をやりとりして、CR遊技機100の賞球排出装置から貸出用の遊技球を排出させるものである。なお、情報記録媒体の有価価値が遊技媒体の貸出可能な最低基準単位に満たなくなった場合には、CRユニット200が備える球排出ノズル201から端数分の遊技球を排出し、情報記録媒体の有価価値を全て消費することができる。
【0022】
また、CRユニット200は、その下方部に獲得球計数機(図示省略)を備えるもので、球箱ユニット300の獲得球貯留部301に貯まった獲得球が獲得球誘導部310内の球通路から供給され、遊技者の操作によって獲得球のカウントが指示されると、獲得球計数機によって獲得球を1個宛検出し、CRユニット200内で管理する。なお、カウント済みの獲得球は更に下流へと流下して行き、島設備内の回収球流路へ排出される。なお、獲得球を供給する球箱ユニット300とCRユニット200とは着脱可能であり、例えば、球箱ユニット300側に設けた施錠機構部320に適正なキーを差し込んで解錠操作を行うと分離可能となり、逆に施錠操作を行うと分離不可能となる。
【0023】
CRユニット200の前面側には、貨幣(硬貨や紙幣)を投入する貨幣投入口202、遊技店の従業員等が所持する管理用リモコンからの信号(例えば、赤外光)を受信するリモコン受光部203、タッチパネル式の液晶表示器等よりなる表示/操作部204、遊技媒体の貸出に使う有価価値や固有の識別情報が記録されている情報記録媒体が挿入・排出される媒体挿排口205を設けてある。
【0024】
台ランプ400は、カラー液晶パネル等で構成した主情報表示器401、赤色灯や黄色灯の報知ランプ402、遊技店の従業員や遊技者が表示情報を選択するために操作する操作部403等を備え、CR遊技機100から所定の電文または信号により供給される表示データ(例えば、スタート情報、確変・時短情報、大当り情報、扉開放情報、不正検知情報等)およびCRユニット200から所定の電文または信号により供給される表示データ(例えば、台番号情報、持玉計数情報、持玉計数合計情報、持玉払出数情報、持玉払出数合計情報、媒体挿入情報、媒体識別情報、エラー情報、待機状態情報等)に基づいて、種々の情報表示を行うものである。なお、CRユニット200から台ランプ400への表示データ通信は、定期的(例えば、500ms毎)、もしくは情報に変化が発生したときに行うものとし、CRユニット200が有する情報と連動した内容が台ランプ400にて表示されるのである。また、本実施形態における台ランプ400は、CR遊技機100とCRユニット200のペアに対応して1台が設けられているので、各台の情報を可視表示する上で、高い報知機能を発揮できる。
【0025】
上述したように、本実施形態に係る遊技店の情報表示システムは、遊技機としてのCR遊技機100と遊技媒体貸出装置としてのCRユニット200と情報表示装置としての台ランプ400で構成するものとしたが、情報表示装置は台ランプ400に限定されるものではない。例えば、遊技をしながらTVなどが見られる台間の表示器や、遊技者の獲得球の多さを演出する持玉表示器などが設けられている場合には、これらの表示器を情報表示装置として用いても構わない。
【0026】
図2は、遊技客が休憩等で一時的に席を離れる場合に通常モードから待機モードへ移行する機能に着目して示したCRユニット200の概略構成図である。なお、端数分の遊技球を排出する機能などについては省略した。
【0027】
遊技媒体貸出装置であるCRユニット200は、主たる動作制御を行う主制御回路210(例えば、CPU,ROM,RAM等を含むコンピュータ構成)を有し、貨幣投入口202から投入された貨幣Mの真贋や金額を識別する貨幣識別部220、管理用リモコンRCからの送信信号(外部からの待機要求を含む種々の指令信号)を受信するリモコン受光部203、情報表示や設定操作を行う表示/操作部204、媒体挿排口205から投入された情報記録媒体Cを保持する記録媒体保持部230(情報記録媒体Cに記録された記録情報の読出/書換を行う媒体R/W部231を有する。)、球箱ユニット300から供給された獲得球を計数する獲得球計数機240、外部から電源供給を受けて、主制御回路210や遊技機用電源生成部251等へ所要の電源を供給する電源部250等と接続される。
【0028】
そして、CRユニット200は、貨幣投入口202より投入された貨幣Mによって、プリペイド媒体(例えば、磁気記録部に有価価値を記録したカード形状のプリペイドカードやICを内蔵した硬貨形状のプリペイドコイン等)の情報記録媒体Cを発行したり、媒体挿排口205から投入された情報記録媒体Cをチャージしたりでき、情報記録媒体Cに残っている有価価値に基づいて遊技球の貸出制御を行う。
【0029】
本実施形態のCRユニット200で扱える情報記録媒体Cは、図3に示すような記憶領域を有するもので、当該遊技店あるいはチェーン店でID登録した会員が所持する会員カードとして発行したり、当日限りの限定使用で遊技者に貸し出されるビジター用カードとして発行したりできる。何れの用途で発行した場合でも、全ての情報記録媒体Cは、ユニークな識別情報としてカード固有IDが記録されているので、カード固有IDが重複して存在することはない。なお、CRユニット200で遊技球貸出のために使用できるのは、購入金額に応じた有価価値が記録されたプリペイド媒体に限定されるものではなく、遊技で獲得した遊技球を貯めておける貯玉システムを利用可能な会員カードを媒体挿排口205から受け入れ、会員カードにより特定される顧客番号に応じた貯玉を引き出すように遊技球貸出を行うようにしても良い。
【0030】
さらに、CRユニット200は、貸出インターフェース260を介してCR遊技機100と、外部入出力インターフェース270を介して、ホールコンピュータ500、顧客管理システムサーバ600、プリペイドシステム管理コンピュータ700等と接続される。
【0031】
CR遊技機100は、CRユニット200と1対1で接続されるもので、CRユニット200との間で遊技球貸出信号の授受を行い、貸出要求に応じて、内蔵する遊技球排出装置から所定数の遊技球を払い出す。また、CR遊技機100には、CRユニット200の遊技機用電源生成部251によって生成された貸出インターフェース用電源(AC24V)が、貸出インターフェース260を介して入力されており、この貸出インターフェース用電源をCR遊技機100で監視する。そして、この貸出インターフェース用電源が遮断された場合、CR遊技機100は遊技継続が出来ない遊技制限状態(遊技機能が制限された状態)となる。すなわち、CRユニット200が通常稼働状態から待機モードに移行するときに貸出インターフェース用電源をオフにすれば、CR遊技機100も遊技制限状態(例えば、パチンコ遊技機の場合は、発射ハンドルが無効となり遊技球の発射が出来ない状態であり、スロット遊技機の場合は、リールの回転開始が出来ない状態)になるので、待機モードになったCRユニット200に対応するCR遊技機100で他者が遊技を行うことを阻止でき、高いセキュリティを期せる。
【0032】
なお、CRユニット200が通常稼働状態から待機モードに移行するときでも貸出インターフェース用電源をCR遊技機100へ供給し続けるようにして、CR遊技機100は遊技制限状態へ移行させないようにしても良い。すなわち、CRユニット200からCR遊技機100へ供給される貸出インターフェース用電源を待機モード連動信号として用いる(例えば、貸出インターフェース用電源の供給停止を待機モード連動信号の送信に対応させる)ことにより、CRユニット200の待機モードへの移行とCR遊技機100の遊技制限状態への移行を連動させるか否かを、CRユニット200の設定によって容易に変更することが可能となる。そして、表示/操作部204で行う待機モードの設定時に、CR遊技機100との連動可否を選択できるように構成しておけば、状況に応じた柔軟な待機モードの設定を行うことができる。また、待機モード連動信号は貸出インターフェース用電源に限定されるものではなく、別の信号としてCR遊技機100へ供給するものとし、これを受けたCR遊技機100が予め定めた遊技制限状態へ移行するように構成しても良い。
【0033】
ホールコンピュータ500は、CRユニット200で遊技球の貸出に消費した情報記録媒体Cの有価価値情報や新たに発行した情報記録媒体Cの金額情報などの各種売上信号を受信する。顧客管理システムサーバ600は、プリペイド機能あるいは貯玉機能を有する会員カードがCRユニット200へ投入されたときに、その会員カードについての顧客データ等を送信するものである。プリペイドシステム管理コンピュータは、CRユニット200において新たに発行された情報記録媒体Cの発行情報や遊技媒体貸出に伴う有価価値消費情報等の取引データを受信するものであり、この収集情報はプリペイドシステムの管理会社で管理される。
【0034】
しかして、本実施形態に係る遊技店の情報表示システムを構成する遊技媒体貸出装置としてのCRユニット200は、主制御回路210の機能により、「投入中の情報記録媒体に設定されたユニークな識別情報を、情報記録媒体の返却後も記憶保持可能な情報記憶手段」としての待機もと解除情報記憶手段211と、「外部からの待機要求を受け付け、このときに投入中の情報記憶媒体の識別情報を待機モード解除情報として前記情報記憶手段に記憶させて、情報記録媒体を返却し、遊技媒体の貸出要求を受け付けない待機モードへ移行し、待機モード中に投入された情報記録媒体の識別情報が前記情報記憶手段に記憶させた待機モード解除情報と一致することに基づいて待機モードを解除する待機モード制御手段」としての待機モード制御手段212と、「待機モード制御手段により待機モードへ移行することで、その待機状態を前記情報表示装置に表示させるための待機状態情報を情報表示装置へ送信する待機状態情報送信手段」としての待機状態情報送信手段213を有する。
【0035】
斯く構成したCRユニット200を含む遊技店の情報表示システムにおいては、遊技客が休憩のために遊技を一時中断しようと遊技店の従業員等を呼び、従業員が管理用リモコンRCを使ってCRユニット200に待機要求を行えば、CRユニット200が待機モードになることと連動して、台ランプ400の主情報表示器401にも待機状態の表示が行われ、また、待機モード解除情報として記憶されたカード固有IDの情報記録媒体Cが遊技客に返却されるので、遊技客は情報記録媒体Cを持って休憩に行くことができ、休憩で遊技客が離席した際に、情報記録媒体Cが盗まれことを防げる。更に、CRユニット200の待機モード移行と連動させてCR遊技機100も遊技機能を制限すれば、休憩中のCR遊技機100が他の遊技者に使われるおそれもないので、休憩で遊技客が離席した際に、CR遊技機100が不正に使用されることを防ぎ、高いセキュリティを期せる。
【0036】
そして、休憩から戻ってきた遊技客が待機モード解除情報と一致する識別情報が記憶されている情報記録媒体CをCRユニット200に投入すると待機モードが解除されるので、わざわざ従業員を呼んで待機モードを解除してもらう必要がないし、CRユニット200の通常状態復帰に連動してCR遊技機100も遊技機能制限が解除されるので、遊技客にとっての利便性が高いと共に、従業員等の作業負担を効率良く軽減できる。
【0037】
また、CRユニット200の待機モード制御手段212は、表示/操作部204を介して任意設定された待機モードの維持時間を受け付け可能とし、待機状態送信手段213は、待機状態情報と併せて、設定された待機モードの維持時間を台ランプ400へ送信するものとし、更に、台ランプ400は、CRユニット200から待機状態情報を受けることに基づき、対応するCR遊技機100が待機モードである旨の表示を行うことと併せて、待機モード維持時間のカウントダウン表示を行うようにする。
【0038】
例えば、休憩要望をした遊技客が利用中のCRユニット200に対し、従業員等が管理用リモコンRCを使って待機要求を行うと、表示/操作部204に、図4(a)のような休憩時間設定画面が表示され、この画面でのパネル操作により休憩時間(待機モード維持時間)を従業員が入力設定する。設定が完了すると、表示/操作部204に、図4(b)のような休憩中画面が表示され、休憩時間の残り時間がカウントダウン表示される。このように、トイレ休憩や食事休憩などの目的に応じて適切な長さの休憩時間を任意に設定することができれば、必要以上に長い待機時間を割り当てて遊技機の稼働率を極端に低下させてしまうことを防げる。なお、管理用リモコンRCがテンキーを備えていれば、このテンキーを使って管理用リモコンRCから休憩時間を直接入力してCRユニット200へ送信することができ、CRユニット200にタッチ操作のできない表示器が設けられているような場合に有効である。或いは、タッチ操作のできない表示器に予め定めた数種類の休憩時間候補を表示して、その中の何れかを管理用リモコンRCで選ぶような操作とすることもできる。
【0039】
しかし、CRユニット200に設けられた表示/操作部204は比較的小さな表示画面であり、遠くからの視認性はよくないが、同様の表示内容を台ランプ400の主情報表示器401に表示することで、遊技島の端からでも見易くし、従業員等による待機中の遊技機管理を容易にできる。
【0040】
例えば、表示/操作部204を用いて、休憩時間40分を入力すると、CRユニット200は台ランプ400への表示データを送信し、待機状態情報として休憩情報(フラグ)を通常状態の“0”から休憩中の“1”に変更することと併せて、待機モード維持時間である40分を知らせる(図5を参照)。これにより、台ランプ400の主情報表示器401には、図6(a)に示すように、休憩中であることを示す『Lunch』と、休憩時間『40』が表示される。
【0041】
なお、通常の待機モードにあるCRユニット200の操作/表示部204には、設定された休憩時間(待機モード維持時間)のカウントダウン表示が行われ、これと連動して、台ランプ400でも休憩時間のカウントダウン表示が行われることとなるが、この連動表示のために、待機モード維持の残時間が更新される毎(例えば、1分経過毎)にCRユニット200から台ランプ400へ更新データを送信しても良いし、台ランプ400側のタイマ機能で独自にカウントダウン表示を継続するようにしても良い。
【0042】
上記のように設定された待機モードの設定時間(例えば、40分)が経過すると、CRユニット200における表示/操作部204および台ランプ400における主情報表示器401のカウントダウン表示が『00』となり、休憩時間が終了する(図6(b)を参照)。設定された休憩時間内に球技客が戻ってこなければ、そのまま待機モードを解除して、他の遊技客が自由に使える通常状態に戻すようにしても構わないが、本実施形態においては、設定した休憩時間が経過した後にも待機モードを保持する待機猶予期間を設けるものとした。
【0043】
すなわち、CRユニット200の待機モード制御手段212は、予め設定された待機猶予期間内であれば、待機モードの維持時間を経過しても待機モードを維持するものとし、待機猶予期間へ移行した旨の情報および待機猶予期間の経過を示すカウントアップを表示/操作部203に表示し(例えば、図5(c)を参照)、待機状態送信手段213は、待機状態が通常の待機モードから待機猶予期間に移行した待機状態情報(例えば、休憩情報フラグを“1”から“2”に変更)を台ランプ400へ送信し、これを受けた台ランプ400は、図6(c)に示すように、対応するCR遊技機100の待機モード期間が経過した旨の表示(例えば、『Lunch』から『Out』に変更)を行うことと併せて、待機猶予期間の経過を示すカウントアップ表示を行うのである。
【0044】
このように、待機モード猶予期間を設ければ、予定の休憩時間(待機モード維持時間)を僅かにオーバーして遊技客が戻ってきた場合に、待機モードが解除されていて、遊技客に不利益を与えるようなケースを救済できるし、待機猶予期間が適切な有限時間であれば、遊技機の稼働率が極端に低下してしまうことも防げる。なお、上述したように、待機猶予期間は有限とせずに、従業員等が待機モードの解除を行うまで待機猶予期間を永続させるようにすれば、従業員の判断により、店内混雑時には待機猶予期間を短くするように待機モードの解除を早めに行ったり、逆に空いているときは待機猶予期間を長くするように待機モードの解除を遅めに行うように、弾力的な運用方法を採ることができる。
【0045】
また、CRユニット200の待機モード制御手段212は、待機モード維持時間が経過した待機猶予期間内においても、待機モード解除情報に該当する識別情報(待機モード解除情報記憶手段211に記憶されているカード固有ID)を記憶している情報記録媒体Cが投入されると待機モードを解除でき、更に、管理用リモコンRC等で外部から解除要求を受けても待機モードを解除できるようにすれば、予定の待機モード維持時間を僅かにオーバーして遊技客が戻って来ても、待機猶予期間内であれば従業員等の手を患わせることなく待機モードの解除を行うことができるし、従業員等の判断で待機モードを強制解除することもできる。なお、待機猶予期間中に待機モードが解除されると、CRユニット200から台ランプ400への表示データ送信により、待機状態情報として休憩情報(フラグ)を休憩超過の“2”から通常状態の“0”に変更することと併せて、休憩時間を帰零させる(図6(d)を参照)。
【0046】
逆に、通常の待機モードから待機猶予期間に移行した後には、CRユニット200の待機モード解除情報記憶手段211の記憶情報を消去し、遅れて戻ってきた遊技客が情報記録媒体CをCRユニット200に投入しても、待機モードの自動解除をできなくし、従業員を呼んで管理用リモコンRCから解除する必要があるように構成すれば、遊技客が安易に休憩時間を延ばすことの抑止に繋がるという利点がある。
【0047】
以上、本発明に係る遊技店の情報表示システムの実施形態を添付図面に基づいて説明したが、本発明の包摂範囲は、これらの実施形態に限定されるものではなく、公知既存の手法を適宜転用することで実現しても構わない。例えば、上記実施形態では、待機モードを遊技客の休憩要求に用いる場合を例示したが、機器故障が疑われる遊技機を『一時使用停止』とするために、係員が所持する情報記録媒体を用いて待機モードにしておくような用途にも適用できる。また、遊技媒体貸出装置からの表示データを受信する情報表示装置を遊技機および遊技媒体貸出装置の周辺に複数設けておき、例えば、遊技媒体貸出装置の待機状態や待機モードの種別に応じて、いずれか1台もしくは複数台の情報表示装置を使い分けることにより、一層報知効果の高い連動表示を行うように構成しても良い。
【符号の説明】
【0048】
100 CR遊技機
200 CRユニット
203 リモコン受光部
204 表示/操作部
205 媒体挿排口
210 主制御回路
211 待機モード解除情報記憶手段
212 待機モード制御手段
213 待機状態情報送信手段
230 記録媒体保持部
231 媒体R/W部
400 台ランプ
401 主情報表示器
C 情報記録媒体
RC 管理用リモコン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技店に設置され、遊技媒体を用いた遊技が可能な遊技機と、該遊技機に対応して設けられ、遊技者が所持する情報記録媒体を用いて遊技媒体の貸出制御を行う遊技媒体貸出装置と、前記遊技機および遊技媒体貸出装置から供給される表示情報を可視表示する情報表示装置と、からなる遊技店の情報表示システムにおいて、
前記遊技媒体貸出装置は、
投入中の情報記録媒体に設定されたユニークな識別情報を、情報記録媒体の返却後も記憶保持可能な情報記憶手段と、
外部からの待機要求を受け付け、このときに投入中の情報記憶媒体の識別情報を待機モード解除情報として前記情報記憶手段に記憶させて、情報記録媒体を返却し、遊技媒体の貸出要求を受け付けない待機モードへ移行し、待機モード中に投入された情報記録媒体の識別情報が前記情報記憶手段に記憶させた待機モード解除情報と一致することに基づいて待機モードを解除する待機モード制御手段と、
前記待機モード制御手段により待機モードへ移行することで、その待機状態を前記情報表示装置に表示させるための待機状態情報を情報表示装置へ送信する待機状態情報送信手段と、
を備えることを特徴とする遊技店の情報表示システム。
【請求項2】
前記遊技媒体貸出装置は、通常稼働状態から待機モードへの移行に伴って待機モード連動信号を遊技機へ送信し、
前記遊技機は、前記遊技媒体貸出装置からの待機モード連動信号を受けることで、遊技機能が制限された遊技制限状態となるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の遊技店の情報表示システム。
【請求項3】
前記遊技媒体貸出装置の待機モード制御手段は、任意設定された待機モードの維持時間を受け付け可能とし、
前記遊技媒体貸出装置の待機状態送信手段は、待機状態情報と併せて、設定された待機モードの維持時間を前記情報表示装置へ送信するものとし、
前記情報表示装置は、前記遊技媒体貸出装置から待機状態情報を受けることに基づき、対応する遊技機が待機モードである旨の表示を行うことと併せて、待機モード維持時間のカウントダウン表示を行うようにしたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遊技店の情報表示システム。
【請求項4】
前記遊技媒体貸出装置の待機モード制御手段は、予め設定された待機猶予期間内であれば、待機モードの維持時間を経過しても待機モードを維持するものとし、
前記遊技媒体貸出装置の待機状態送信手段は、待機状態が通常の待機モードから待機猶予期間に移行した待機状態情報を前記情報表示装置へ送信し、
前記情報表示装置は、前記遊技媒体貸出装置から待機猶予期間に移行した待機状態情報を受けることに基づき、対応する遊技機の待機モード期間が経過した旨の表示を行うことと併せて、待機猶予期間の経過を示すカウントアップ表示を行うようにしたことを特徴とする請求項3に記載の遊技店の情報表示システム。
【請求項5】
前記遊技媒体貸出装置の待機モード制御手段は、待機モード維持時間が経過した待機猶予期間内においても、待機モード解除情報に該当する識別情報を記憶している情報記録媒体が投入されると待機モードを解除できると共に、外部からの強制解除要求によっても待機モードを解除できるようにしたことを特徴とする請求項4に記載の遊技店の情報表示システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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