説明

遊技店の計数機不正防止システム

【課題】パチンコ島やスロット島で客が獲得した賞球やメダルを計数する計数機の不正操作を防止するとともに、店員の負担を軽くしかつ客とのトラブルも未然に防止することができるようにする。
【解決手段】計数機が計数不可状態にあるときに、店員の呼出しを促す表示を行い、店員が携帯する計数カードを受け付けると、遊技媒体を計数する計数機のシャッタを開いて該計数機を計数可能状態に制御し、該計数機による遊技媒体の計数終了後に、会員が携帯する会員カードを受け付けた場合は、該会員カードの会員に対応して会員管理コンピュータで管理されている貯玉数を該計数機で計数した計数結果に基づき更新した後、該計数機のシャッタを閉じて該計数機を計数可能状態から計数不可状態に制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、パチンコ店等の遊技店のパチンコ島やスロット島で客が獲得した賞球やメダルを計数する計数機の不正操作を防止した遊技店の計数機不正防止システムに関する。
【背景技術】
【0002】
最近のパチンコ店等の遊技店においては、パチンコ島やスロット島で客が獲得した賞球やメダルをその近くで計数することができるようにした計数機が配置されている。
【0003】
この計数機は、パチンコ島やスロット島で客が獲得した賞球やメダルを投入することによりこの賞球やメダルの計数を行い、この計数結果を記録したレシート等を排出するように構成されている。
【0004】
ところで、この種の計数機は、客の利便性を考えて、パチンコ島やスロット島の近くに配置されているので、悪意を持った遊技者は、この計数機の近くで無線機等を操作して、実際に投入された賞球やメダルの数よりの多くの数を計数機に計数させる不正操作が問題になっている。
【0005】
また、従来、特許文献1に開示されているように、この種の計数機にシャッタを設け、この島内の玉保有量が規定値以上になると、このシャッタを閉めてその計数機をしようできないようにした構成も提案されているが、この構成は、島内の玉保有量の制御のために用いられているだけで、上述した不正使用には対応できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平4−30876号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、通常は、計数機の電源をオフにしておき、客がこの計数機を利用したい場合は、店員に声をかけて、これにより店員がこの計数機の電源をオンにしてこの計数機を使用可能状態にする手法も用いられているが、この場合は、計数機の電源をオンにしてから使用可能状態になるまでに時間がかかる。
【0008】
特に、最近の、パチンコ店等においては、この種の計数機で計数された賞球やメダルの数もコンピュータ管理されているため、計数機の電源をオンにしても初期プログラムを実行させる必要があるため、計数機の電源をオンにしても直ちにこの計数機の計数を開始させることはできない。
【0009】
また、この種の計数機の電源をオン、オフするスイッチは、計数機の内部にあるのが普通であり、このために、客が計数機の使用を申し出る度に計数機の電源をオン、オフするのは店員にとって非常に手間がかかり、店員の作業量が増えるという問題もある。
【0010】
また、電源をオフにしたままで、計数機に賞球等を投入すると、この投入された賞球等は計数されずに島側に流れ込んでしまうことになり、これにより客との間にトラブルが発生することもある。
【0011】
そこで、この発明は、パチンコ島やスロット島で客が獲得した賞球やメダルを計数する計数機の不正操作を防止するとともに、店員の負担を軽くしかつ客とのトラブルも未然に防止することができるようにした遊技店の計数機不正防止システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、賞球類等の遊技媒体の計数を行う計数機の不正操作を防止する遊技店の計数機不正防止システムにおいて、前記遊技店の店員が携帯する計数用記録媒体を受け付ける計数用記録媒体受付手段と、前記遊技店の顧客である会員に対応して登録された会員用記録媒体を受け付ける会員用記録媒体受付手段と、前記計数機が計数不可状態にあるときに、店員の呼出しを促す表示を行う表示制御手段と、前記計数用記録媒体受付手段により前記計数用記録媒体を受け付けて認証すると、前記計数機を計数可能状態に制御する第1の制御手段と、前記計数機によって前記遊技媒体を計数したときに、前記会員用記録媒体受付手段により前記会員用記録媒体を受け付けた場合は、該会員用記録媒体の会員に対応して管理されている貯遊技媒体数を前記計数機で計数した遊技媒体数に基づき更新するように制御する第2の制御手段とを具備することを特徴とする。
【0013】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記計数用記録媒体の認証が行われたことを条件に、前記会員用記録媒体受付手段による前記会員用記録媒体の受け付けを可能に制御する第3の制御手段を更に具備することを特徴とする。
【0014】
また、請求項3の発明は、請求項1または2の発明において、前記計数可能状態は、前記計数機に対する前記遊技媒体の投入を拒否するかあるいは前記計数機内の計数通路を開閉するシャッタを開くことにより制御され、前記計数不可状態は、前記シャッタを閉じることにより制御されることを特徴とする。
【0015】
また、請求項4の発明は、請求項1または2の発明において、前記計数機は、メダルを計数するメダル計数機であり、前記計数可能状態は、前記メダル計数機の計数盤の回転を駆動することにより制御され、前記計数不可状態は、前記計数盤の回転を停止することにより制御されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
この発明の遊技店の計数機不正防止システムによれば、パチンコ島やスロット島で客が獲得した賞球やメダルを計数する計数機の不正操作を防止することにより客とのトラブルも未然に防止することができるとともに、店員の負担を軽くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】この発明に係わる遊技店の計数機不正防止システムが適用される遊技店システムの概略構成を示すブロック図。
【図2】店員が携帯する計数カードを使用して計数機3での計数を1回だけ可能にする場合のシステム内の処理手順を示すシーケンス図。
【図3】店員が携帯する計数カードを使用して計数機3での計数を1回だけ可能にする場合で会員カードによる貯玉を行う場合のシステム内の処理手順を示すシーケンス図。
【図4】店員が携帯する計数カードを使用して計数機3での計数を予め設定されている一定時間の間だけ可能にする場合のシステム内の処理手順を示すシーケンス図。
【図5】店員が携帯する計数カードを使用して計数機3での計数を、予め設定されている時間帯に応じて1回毎に可能にしたり、連続して可能にする場合のシステム内の処理手順を示すシーケンス図。
【図6】店員が携帯する連続計数カードを使用して計数機3での計数を連続して可能にする場合のシステム内の処理手順を示すシーケンス図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、この発明に係わる遊技店の計数機不正防止システムの実施の形態を添付図面を参照して詳細に説明する。
【0019】
図1は、この発明に係わる遊技店の計数機不正防止システムが適用される遊技店システムの概略構成を示すブロック図である。
【0020】
図1に示す遊技店システムは、客の管理のために導入された会員カードシステムを採用する遊技店において採用されるものであり、この実施の形態では、会員管理コンピュータ1(管理手段)、会員カードリーダ2、計数機3(パチンコ玉計数機あるいはメダル計数機)を備えて構成される。なお、これら各構成部は、ローカルエリアネットワーク(LAN)によるシリアル通信回線で接続され、相互にデータ交換を行うことができる。
【0021】
ここで、会員管理コンピュータ1は、この会員カードシステムで使用される顧客の情報を記憶管理する。具体的には、各口座に預入れられた賞球類等の遊技媒体(パチンコ玉あるいはメダル)の貯玉数を示す貯玉データ(パチンコ玉とメダルとに別けて記憶される)を管理ファイルに記憶・管理するとともに、口座を開設した会員の住所、氏名、年齢、性別、電話番号からなる台帳データや会員の来店データ等を記憶管理する。
【0022】
また、本発明では、この会員管理コンピュータ1が、後述する店員(従業員)が携帯所持する計数カード(鍵カード)の設定を行う機能と、この機能により設定された計数カードの情報(計数カードのID(識別)情報、及び計数カードが1回毎に計数を許可する1回計数用カードを示す情報或いは連続して計数を許可する連続計数用カードを示す情報)を記憶管理する機能を有している。
【0023】
また、会員カードリーダ2は、後述の計数機3に併設され、その計数機3の計数結果をレシートあるいは磁気カードに記録して出力する計数結果出力機能を有し、また、会員カードが挿入された場合、上記会員管理コンピュータ1に対して会員カードの真偽を問合わせ、会員管理コンピュータ1の応答によって真である、つまり登録された会員カードである旨の通知があった場合に、使用者による貯玉更新要求に応じて、上記会員管理コンピュータ1との間で貯玉の更新処理を行う。
【0024】
また、本発明では、この会員カードリーダ2が、上述の店員の所持する計数カードが挿入された場合、上記会員管理コンピュータ1に対して計数カードの真偽を問合せ、会員管理コンピュータ1の応答によって真である、つまり登録された計数カードである旨の通知があった場合に、自機に接続される計数機3の計数動作を制御する機能を有している。
【0025】
また、計数機3は、遊技客によりホッパー(パチンコ玉の受け入れ部)に投入された遊技媒体(パチンコ玉或いはメダル)の数量を、センサ(磁気センサ、光センサ等)により検出して計数するとともに、この計数結果を紙(レシート)或いは磁気カードに記録して出力する機能を有する。なお、遊技者は、上記出力されたレシート等を景品交換所に持参して景品と交換する。
【0026】
また、本発明では、計数機3に、店員による上述の計数カードの会員カードリーダ2への挿入操作により開閉されるシャッタを有する。このシャッタは、計数機3がパチンコ玉計数機の場合は、このパチンコ玉計数機のホッパー部を開閉するジャバラ式シャッタ或いはパチンコ玉計数機のパチンコ玉計数通路を開閉するシャッタ等から構成される。また、計数機3がメダル計数機の場合は、店員の計数カードの挿入操作により、計数盤の回転を駆動または停止する機構も含む。
【0027】
次に、上記図1に示した遊技店システムにおいて店員が携帯所持する計数カード(鍵カード)を使用して計数機3の計数動作を制御する場合のシステム動作について説明する。
【0028】
図2および図3は、店員が携帯する計数カードを使用して計数機3での計数動作を制御するシステム内の処理手順の一実施の形態を示すシーケンス図であり、図2は、計数結果を景品レシートにて出力する場合を示し、図3は、計数結果を会員カードで管理する場合を示している。
【0029】
まず、図2に示すように、この処理は、会員カードリーダ2にカードが挿入されると開始される。
【0030】
会員カードリーダ2は、通常、カード挿入待ち状態であり(ステップS201a)、ここで、カードが挿入されると(ステップS202aYES)、会員管理コンピュータ1に対して挿入されたカードが計数カードであるかどうかの計数カードの真偽問合せを行う(ステップS202a)。
【0031】
これに対し、会員管理コンピュータ1は、計数カードの真偽チェックを行う。すなわち、会員カードリーダ2に挿入されたカードの識別情報と予め装置内に記憶管理されている識別情報とを照合し、正規の計数カードであるかどうかの認証を行う(ステップS102a)。次いで、その真偽結果を会員カードリーダ2に対して通知する。
【0032】
会員カードリーダ2は、通知された判定結果により「真」である、つまり挿入されたカードが予め設定されている正規の計数カードであると判定された場合(ステップS203aYES)、計数機3に対して計数許可コマンドを送信し、その後、計数カードを返却する(ステップS204a)。
【0033】
計数機3は、上記計数許可コマンドを受信すると、通常時、遊技媒体(パチンコ玉等)の投入を拒否するため閉状態のシャッタを開いて計数可能状態になる(ステップS302a)。これにより遊技客の計数が行われるようになる。そして、ここで遊技客のパチンコ玉等の計数が行われ、この計数が終了した場合(ステップS305aYES)、会員カードリーダ2に対して計数終了および計数結果の通知を行う。
【0034】
これに対し、会員カードリーダ2は、遊技客により景品レシート発行ボタン等の押圧操作が行われると、景品レシートの発行を行い(ステップS206a)、その後、計数機3に対して計数不可コマンドを送信する。
【0035】
これにより、計数機3は、上記計数不可コマンドを受信すると、シャッタを閉じ(ステップS306a)、計数不可状態へと移行する。
【0036】
なお、上記シーケンスのステップS203aの判定の結果により「偽」である、すなわち、挿入されたカードが正規に登録されている計数カードでないと判定された場合、会員カードリーダ2は、その挿入カードの取込み処理を行う。また、ここでの処理において、挿入されたカードが会員カードである場合には、例えば、表示部に、「ただいま計数できません係員を呼び、計数OKにしてください。」などと遊技者に対し係員の呼出指示を表示し、一般会員カードを返却する。
【0037】
また、図3のシーケンスでは、計数機3のステップS305bの処理までは、上記図2に示すシーケンスの計数機3のステップS305aまでの処理と同様であるので、ここでの説明を省略し、それ以降の処理について説明する。
【0038】
図3に示すように、会員カードリーダ2は、計数機3から計数終了と計数結果の通知を受け取った後、遊技客の会員カードが挿入されると(ステップS206b)、会員管理コンピュータ1に対して会員情報の要求を行う。
【0039】
これに対して、会員管理コンピュータ1は、会員情報の検索処理を行って(ステップS103b)、その検索結果を会員カードリーダ2に対して通知する。
【0040】
その後、会員カードリーダ2は、遊技客による貯玉更新要求操作が行われると(ステップS207b)、会員管理コンピュータ1に対して貯玉更新要求を行う。
【0041】
これに対し、会員管理コンピュータ1は、貯玉更新処理を行って(ステップS104b)、その貯玉更新結果を会員カードリーダ2に通知する。
【0042】
この通知を受取った会員カードリーダ2は、会員カードを返却し(ステップS208b)、その後、計数機3に対して計数不可コマンドを送信する。
【0043】
これにより、計数機3は、上記計数不可コマンドを受信すると、シャッタを閉じて(ステップS306a)、計数不可状態へと移行する。
【0044】
このように、上記構成によると、計数機は、通常時、電源をONにした状態のままで計数を不可状態にしつつ、計数時には、店員の所持する計数カードにより計数可能状態になるように構成しているので、装置内部にある電源SWを操作するという手間を省き計数時の店員の操作を軽減し、且つ、絶えず電源ON状態になっていることにより計数可能状態になるまでの待ち時間を短縮し計数待ち遊技客のストレスを軽減しながら、計数機の不正を防止することができるようになる。
【0045】
また、この構成によると、パチンコ玉計数機においては、通常時には、シャッターを閉状態に維持しているので、電源が切れた状態で玉が計数されずに島側に流れ込むことで各種トラブルが発生することを未然に防止することができる。
【0046】
図4は、店員が携帯する計数カードを使用して計数機3での計数を予め設定されている一定時間の間だけ可能にする場合のシステム内の処理手順の他の実施の形態を示すシーケンス図である。なお、この例では、計数結果を景品レシートにて出力する場合を示しているが、上記図2と図3の関係と同様に、計数結果を会員カードで管理する場合も同様に考えられる。
【0047】
図4に示すように、この処理では、上記図2に示す処理と相違する点として、会員管理コンピュータ1は、計数カードの真偽チェックを行った(ステップS102c)後、予め設定されている一定時間の計時をスタートさせ(ステップS103c)、この一定時間の計時が終了した場合(ステップS104c)、会員カードリーダ2に対して一定時間経過した旨通知することにより、会員カードリーダ2が、計数機3に対して計数不可コマンドを送信して計数機3がシャッタを閉じる(ステップS303c)。
【0048】
このように、上記構成によると、計数カードを挿入して一定時間経過するまでは、計数機3のシャッタが開いたまま計数可能状態を維持しているので、一定時間内なら何度でも計数を行うことができるため、計数を目的とする遊技客が連続して何人かいる場合には、1回計数毎にわざわざ店員が計数カードを挿入しなくても済み、店員の負担が軽減される。
【0049】
図5は、店員が携帯する計数カードを使用して計数機3での計数を、予め設定されている時間帯に応じて1回毎に可能にしたり、連続して可能にする場合のシステム内の処理手順の更に他の実施の形態を示すシーケンス図である。なお、この例では、計数結果を景品レシートにて出力する場合を示しているが、上記図2と図3の関係と同様に、計数結果を会員カードで管理する場合も同様に考えられる。
【0050】
図5に示すように、この処理では、上記図2に示す処理手順と比較して以下の処理が相違している。会員カードリーダ2が、景品レシートを発行した後(ステップS206d)、直ちに計数機3に対して計数不可コマンドを送信するのではなく、景品レシートの発行の都度、会員管理コンピュータ1に対して時間帯別計数の確認を行う。つまり、現在の時間帯の計数許可回数を問合せる(ステップS207d)。これに対し、会員管理コンピュータ1は、現在の時刻が予め設定されている連続計数の時間帯であるかどうかを判定し(ステップS103d)、この判定の結果、現在時刻が連続計数の時間帯でないと判定した場合、会員カードリーダ2に対して連続計数不可通知を行う。これにより、会員カードリーダ2が、計数機3に対して計数不可コマンドを送信し、計数機3がシャッタを閉めて(ステップS306d)、計数不可状態へ移行する。
【0051】
このように、上記構成によると、予め設定されている1回/連続計数の時間帯に応じて、計数カードを使用して計数機3での計数を1回あるいは連続して可能になるように制御しているので、1枚の計数カードを用いて時間帯別に1回あるいは連続して計数機3での計数を許可することができ、これにより、混雑する時間帯には1回毎に計数カードを挿入しなくても済み、店員の負担が軽減される。
【0052】
図6は、店員が携帯する連続計数カードを使用して計数機3での計数を連続して可能にする場合のシステム内の処理手順の更に他の実施の形態を示すシーケンス図である。なお、この例では、計数結果を景品レシートにて出力する場合を示しているが、上記図2と図3の関係と同様に、計数結果を会員カードで管理する場合も同様に考えられる。
【0053】
図6に示すように、この処理は、会員カードリーダ2にカードが挿入されると開始される。
【0054】
会員カードリーダ2は、通常、カード挿入待ち状態であり(ステップS201e)、ここで、カードが挿入されると(ステップS202eYES)、会員管理コンピュータ1に対して挿入されたカードが連続計数カードであるかどうかの連続計数カードの真偽問合せを行う。
【0055】
これに対し、会員管理コンピュータ1は、連続計数カードの真偽チェックを行う。すなわち、会員カードリーダ2に挿入されたカードの識別情報と予め装置内に記憶管理されている識別情報とを照合し、正規の計数カードであるかどうかの認証を行う(ステップS102e)。次いで、その真偽結果を会員カードリーダ2に対して通知する。
【0056】
会員カードリーダ2は、通知された判定結果により「真」である、つまり挿入されたカードが予め設定されている正規の連続計数カードであると判定された場合(ステップS203eYES)、計数機3に対して計数許可コマンドを送信し、その後、連続計数カードを返却する(ステップS204e)。
【0057】
計数機3は、上記計数許可コマンドを受信すると、通常時、遊技媒体(パチンコ玉等)の投入を拒否するため閉状態のシャッタを開いて計数可能状態になる(ステップS302e)。これにより遊技客の計数が行われるようになる(ステップS303e)。
【0058】
他方、会員カードリーダ2は、上記計数結果を受信して、景品レシートの発行等を行う(ステップS206e)。その後、会員カードリーダ2は、連続計数カードが再度挿入されると(ステップS207e)、会員管理コンピュータ1に対して連続計数カードの真偽問い合わせを行う。
【0059】
これに対し、会員管理コンピュータ1は、連続計数カードの真偽チェックを行って(ステップS103e)、チェック結果を会員カードリーダ2に通知する。
【0060】
これに対し、会員カードリーダ2は、上記通知により、「真」、つまり連続計数カードであると通知されると(ステップS208YES)、計数機3に対して計数不可コマンドを送信し、その後、連続計数カードを返却する(ステップS209e)。
【0061】
これにより、計数機3が、シャッタを閉じ(ステップS304e)、計数不可状態へ移行する。
【0062】
なお、上記シーケンスでは、計数機3のステップS303eの処理と、会員カードリーダ2のステップS206eの処理は、1回だけの計数のようであるが、実際は会員カードリーダ2に連続計数カードが再度挿入されるまで、何回か行われるものである。
【0063】
このように、上記構成によると、会員カードリーダ2に予め設定されている連続計数カードが挿入されると、計数機3のシャッタが開いて計数可能状態になり、再度、連続計数カードが会員カードリーダ2に挿入されるまで上記計数可能状態を維持することができる。なお、実際には、店員が上記2種類のカード(1回計数用カードと連続計数用カード)を携帯し、時間帯に応じて使い別けることで効率的な運用が行える。
【0064】
上記各シーケンスでは、計数カード挿入時にリアルタイムで問い合わせる方法を記述しているが、これに限定されず、会員カードリーダ2の電源投入時に設定を取得し、会員カードリーダ2自身で、計数カードの真偽を判断しても良いものとする。また、会員カードリーダ2に設定を手入力する方法も考えられる。
【0065】
また、上記実施例における計数カードの登録を随時変更することにより、例え、不正を行うものが計数カードのコピーを作製しても、そのコピーカードが使用できるかどうかわからないので不正するのが困難である。また、この構成によれば、メカの鍵のように、合鍵が作製されると不正を防止することができず、且つメカの鍵の交換を必要といった不具合を解消することができる。
【0066】
また、上記実施例では、計数機3としては、パチンコ玉計数機の場合を例にしているが、これに限定されるものではなく、メダル計数機の場合にも同様の処理手順が適用されるものである。なお、この場合は、シャッタの開閉ではなく、計数盤の回転の駆動または停止を計数カードの挿入に合わせて制御するようにする。
【0067】
更に、上記実施例では、計数機の計数動作を制御する手段、すなわち、計数機のシャッターの開閉を行う手段として、計数カードを例にして説明しているが、本願発明は、これに限定されず、パチンコ玉計数機において、店員の所持する機械式鍵或いは電子キーによって、ホッパー部を閉鎖する機能を有するジャバラ式シャッター或いは計数経路を閉鎖する機能を有するシャッターの開閉を行う機構を備え、他方、メダル計数機においては、店員の所持する機械式鍵或いは電子キーによって、計数盤の回転を駆動または停止する機構を備えることによっても同様の効果が得られるものである。
【0068】
なお、本発明では、計数機のシャッターの開動作と閉動作の両方を、店員の機械式鍵or電子キー、あるいは計数カードの所定の操作により行うようにしているが、これに限定されず、少なくともシャッターを開く場合のみ上記機械式鍵or電子キー、あるいは計数カードを使用し、閉じる場合には、上記機械式鍵or電子キー、あるいは計数カードの要、不要は問わないものとする。そして、シャッターを閉じることについては、手で締めれば自動ロックがかかるもの、上記機械式鍵or電子キー、あるいは計数カードを使用して手で締めるものが考えられる。
【0069】
なお、上記メダル計数機にも、パチンコ玉計数機と同様のシャッタを取付けることが可能である。
【符号の説明】
【0070】
1 会員管理コンピュータ
2 会員カードリーダ
3 計数機(玉計数機、メダル計数機)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
賞球類等の遊技媒体の計数を行う計数機の不正操作を防止する遊技店の計数機不正防止システムにおいて、
前記遊技店の店員が携帯する計数用記録媒体を受け付ける計数用記録媒体受付手段と、
前記遊技店の顧客である会員に対応して登録された会員用記録媒体を受け付ける会員用記録媒体受付手段と、
前記計数機が計数不可状態にあるときに、店員の呼出しを促す表示を行う表示制御手段と、
前記計数用記録媒体受付手段により前記計数用記録媒体を受け付けて認証すると、前記計数機を計数可能状態に制御する第1の制御手段と、
前記計数機によって前記遊技媒体を計数したときに、前記会員用記録媒体受付手段により前記会員用記録媒体を受け付けた場合は、該会員用記録媒体の会員に対応して管理されている貯遊技媒体数を前記計数機で計数した遊技媒体数に基づき更新するように制御する第2の制御手段と
を具備することを特徴とする遊技店の計数機不正防止システム。
【請求項2】
前記計数用記録媒体の認証が行われたことを条件に、前記会員用記録媒体受付手段による前記会員用記録媒体の受け付けを可能に制御する第3の制御手段
を更に具備することを特徴とする請求項1に記載の遊技店の計数機不正防止システム。
【請求項3】
前記計数可能状態は、
前記計数機に対する前記遊技媒体の投入を拒否するかあるいは前記計数機内の計数通路を開閉するシャッタを開くことにより制御され、
前記計数不可状態は、
前記シャッタを閉じることにより制御される
ことを特徴とする請求項1または2に記載の遊技店の計数機不正防止システム。
【請求項4】
前記計数機は、
メダルを計数するメダル計数機であり、
前記計数可能状態は、
前記メダル計数機の計数盤の回転を駆動することにより制御され、
前記計数不可状態は、
前記計数盤の回転を停止することにより制御される
ことを特徴とする請求項1または2に記載の遊技店の計数機不正防止システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−119869(P2010−119869A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−46141(P2010−46141)
【出願日】平成22年3月3日(2010.3.3)
【分割の表示】特願2007−332136(P2007−332136)の分割
【原出願日】平成11年9月21日(1999.9.21)
【出願人】(000001432)グローリー株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】