説明

遊技情報表示装置

【課題】 遊技に関する遊技情報、或いは、遊技において発生する遊技情報等を遊技客に対してわかりやすくアピールすると共に、遊技情報を把握しやすく、且つ、視認しやすい遊技情報表示装置を提供する。
【解決手段】 遊技情報表示装置は、複数の照明部を備えた表示装置本体と、表示装置本体を取付固定する装置固定ベースと、からなり、装置固定ベースは、固定ベースに対して回転可動可能とする回転ベースと、表示装置本体が取付固定され、且つ、回転ベースに対して前後方向に可動可能とするスライドベースと、から構成され、回転ベース、及びスライドベースを任意の位置に可動することで、複数の遊技用椅子に夫々設けた表示装置本体の設置位置を、遊技島の演出状況に合わせて個々に可変可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技島に複数配設された遊技台と対座可能に備えた遊技用椅子の脚部近傍に設け、遊技に関する遊技情報、或いは、遊技において発生する遊技情報等を照明部の発光、点滅により表示を行う遊技情報表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技台において遊技客が獲得したパチンコ玉(遊技媒体)は、玉箱などの収納ケースに収納され、このケースを玉計数装置又は景品交換所まで運んだ後、獲得した遊技媒体を計数することが行われている。
【0003】
また、昨今の遊技店には、遊技客が獲得したパチンコ玉を遊技機に隣設された玉貸機の内部を通過させ、遊技機の背面側の遊技島内へと移送して回収するとともに、パチンコ玉を移送する過程でその個数を計数し、計数された個数をカード等の媒体に記憶させて該媒体を遊技客に提供し、遊技客は提供された媒体を景品交換所に持ち込んで所望の景品と交換するというシステムが提案されている。(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
上記システムを構成する特許文献1記載の遊技機用玉計数装置は、遊技機の下皿の下方に配設された玉受皿と、玉貸機の内部に形成された計数通路と、該計数通路と前記玉受皿とを連結する連結通路と、前記計数通路に設けられた計数センサによって構成されている。
【0005】
上述のように構成された遊技機用玉計数装置においては、遊技機の下皿から落下するパチンコ玉は玉受皿で受けられ、この受けられたパチンコ玉は、連結通路及び計数通路を移送された遊技機の背面側の遊技島内へと回収されるとともに、計数通路を移送される過程でその個数が計数センサによって計数される。
【0006】
上記システムにおいては、パチンコ玉が収容された複数のケースを遊技客の足下周辺に積み上げたり、パチンコ玉が収容されたケースを玉計数装置或いは景品交換所まで運ぶ必要がないので、遊技店店員の作業を軽減することができるが、その反面、遊技店としてはパチンコ玉が収容された複数のケースを積むことによる演出ができず、また、遊技客としては獲得したパチンコ玉で埋まったケースを積み上げて他の遊技客に対し誇示することができず、結果、稼働率が低下する事態も発生していた。そこで、前記システムを導入した店舗では、遊技客が獲得したパチンコ玉の数量に応じて、どの程度のパチンコ玉が出ているのかを知らしめる出玉感を演出するための様々な工夫がなされていた。
【0007】
そこで、遊技台(遊技機)に対座可能な遊技用椅子に設けられ、前記遊技台で遊技可能なパチンコ玉(遊技媒体)の数量データに基づいて遊技台の遊技媒体数、及び様々な情報表示を行うようにした遊技媒体数表示装置(遊技情報表示装置)が特許文献2にて開示されている。前記遊技媒体数表示装置により遊技機から遠く離れた位置からでも、遊技客以外の人が遊技媒体数を知ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009−045203
【特許文献2】特開2004−166743
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、前述する遊技媒体数表示装置は、遊技島に横方向直線的に配された複数の遊技台に対向する遊技用椅子に夫々設けられ、横方向で同一直線状に配設された夫々の遊技媒体数表示装置は、遊技店の営業中において、遊技台の大当り、エラー、獲得したパチンコ玉の数量データに基づく出玉数量、等の遊技において発生する遊技情報や、遊技店内のお勧め台といったイベント台情報、空席情報、等の遊技に関する遊技情報などを、一斉に発光、点滅等、様々な表示を行うため、遊技客、及び遊技店店員、等が遊技島側を見る位置(例えば遊技島端、通路側など)によっては、隣り合う遊技媒体数表示装置同士が重なってしまい、どの位置の遊技台の情報を表示しているかが把握しにくく、遊技台の状態を視認することが難しかった。
【0010】
本発明は上記問題を鑑みて、遊技に関する遊技情報、或いは、遊技において発生する遊技情報等を遊技店内にいる遊技客に対してわかりやすくアピールすると共に、遊技客、及び遊技店店員、等にとっては遊技情報を把握しやすく、且つ、視認しやすい遊技情報表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の問題を解決するために、本発明の請求項1は、遊技島に複数配設された遊技台と対座可能に備えた遊技用椅子の脚部近傍に設け、遊技に関する遊技情報、或いは、遊技において発生する遊技情報等を照明部の発光、点滅により表示を行う遊技情報表示装置において、遊技情報表示装置は、複数の照明部を備えた表示装置本体と、遊技用椅子の脚部近傍に表示装置本体を取付固定する装置固定ベースと、からなり、装置固定ベースは、遊技用椅子を基準とし、遊技用椅子の脚部近傍の床面に固定設置する固定ベースと、固定ベースに対して回転可動可能とする回転ベースと、表示装置本体が取付固定され、且つ、回転ベースに対して前後方向に可動可能とするスライドベースと、から構成され、回転ベース、及びスライドベースを任意の位置に可動することで、複数の遊技用椅子に夫々設けた表示装置本体の設置位置を、遊技島の演出状況に合わせて個々に可変可能とすることを特徴とする。
【0012】
本発明の請求項2は、請求項1記載の遊技情報表示装置において、回転ベース、及び前記スライドベースの可動範囲を段階的に調整可能とすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、装置固定ベースに取付固定する遊技情報表示装置の表示装置本体は、前記装置固定ベースを構成する回転ベースと、スライドベースと、によって、複数の遊技用椅子に夫々設けた前記表示装置本体の設置位置を、遊技島の演出状況に合わせて個々に可変可能であるため、遊技島の演出におけるレイアウトに特徴を持たせると共に、遊技情報表示装置の照明部の発光表示が、隣り合う遊技情報表示装置同士で重なること無く配置することが可能であり、遊技島の演出状況において、何れか数台の設置位置を可変させて隣り合う遊技情報表示装置と設置位置を相違させることで、遊技店内にいる遊技客に対してわかりやすくアピールすると共に、遊技客、及び遊技店店員、等にとってはどの遊技台の遊技情報であるかを把握しやすく、遊技台の状態が視認しやすい。
【0014】
また、回転ベース、及びスライドベースは、回転方向、及び前後方向への可動範囲を段階的に調整可能であるため、可動させる範囲が明確となることで、一の遊技島の演出状況において、可変させた遊技情報表示装置の設置位置を、他の遊技島においても同様のレイアウトで演出構成が容易に行え、遊技店内で統一感のある演出を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】遊技情報表示装置を備えた遊技島を示す外観斜視図である。
【図2】遊技島に設置された遊技台と、該遊技台の周辺機器を示す正面図である。
【図3】遊技情報表示装置を示す図であり、(a)は外観斜視図、(b)は正面図である。
【図4】遊技情報表示装置の表示例を示す図である。
【図5】遊技情報表示装置の構成を示す図である。
【図6】装置固定ベースの構成を示す図である。
【図7】装置固定ベースの回転動作を示す図であり、(a)は回転動作前の装置固定ベースを示す図であり、(b)は回転動作後を示す図であり、(c)は装置固定ベースの部分拡大図を示す図である。
【図8】装置固定ベースのスライド動作を示す図であり、(a)はスライド動作前の装置固定ベースを示す図であり、(b)はスライド動作後を示す図であり、(c)、(d)は装置固定ベースの部分拡大図を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
【0017】
図1は遊技情報表示装置13を備えた遊技島1を示す外観斜視図であり、図2は遊技島1に設置された遊技台3と、該遊技台3の周辺機器を示す正面図である。
遊技店に設置された遊技島1には、横方向直線的に複数の遊技台3が配設されており、夫々の遊技台3前方側には、遊技客が各遊技台3に対座可能に遊技用椅子5が配設されている。また、図1、図2に示すように、夫々の遊技台3には、遊技客が紙幣を挿入することでパチンコ玉(遊技媒体)を払い出す玉貸機7が隣設している。
【0018】
前記玉貸機7の前面上部には縦方向に長いスリット状の紙幣挿入口7aが形成され、高さ方向中間部には水平方向に回動可能な玉払出ノズル7bが設けられている。又、玉貸機7の玉払出ノズル7bの下方の前面下部には表示部7cが設けられている。遊技台3の前面には、前記玉貸機7に設けられた玉払出ノズル7bからパチンコ玉の払い出しを受ける上皿3aが突設されており、この上皿3aの下方には下皿3bが配置され、その下方には前記下皿3bから落下するパチンコ玉を受ける玉受皿9aが配置されている。
【0019】
上記玉受皿9aは、玉貸機7に一体的に備えられた出玉計数装置9の一部を構成するものであって、出玉計数装置9は、玉受皿9aの他、前記玉貸機7の内部に形成された不図示の計数通路と、該計数通路と玉受皿9aとを連結する連結通路9bと、計数通路の途中に設けられた不図示の計数センサによって構成されている。尚、連結通路9bは玉受皿9aから横方向に水平に延びた後、玉貸機7に向かって略直角に折り曲げられ、その端部は玉貸機7の内部に形成された計数通路に接続されている。そして、これらの連結通路9bと計数通路は、パチンコ玉の移送方向に沿って下がるよう傾斜している。又、前記計数センサとしては、金属製のパチンコ玉の通過を電磁気的に検知してそのパチンコ玉の個数を計数する貫通型近接スイッチ等が使用される。
【0020】
前述する出玉計数装置9を備えた玉貸機7により、下皿3bから落下するパチンコ玉は、玉受皿9aから連結通路9bを経て計数通路へ流れ、計数センサによって計数され遊技島1内へ排出される。計数されたパチンコ玉はその個数を玉貸機7の表示部7cにて表示を行うと共に、データとしてサーバへ送信される。
【0021】
また、遊技台3の上方近傍には、呼出ランプ11が設置されている。前記呼出ランプ11は、遊技客が遊技店店員を呼び出す際に使用すると共に、遊技台3と接続され、該遊技台3の大当たり、エラー、不正等の情報を視認可能に表示するとともに、該遊技台3と連動して発光、点滅するものである。さらに、図1に示すように、夫々の遊技用椅子5の背面側の脚部5a近傍には本発明である遊技情報表示装置13が設置されている。
【0022】
図3は遊技情報表示装置13を示す図であり、(a)は外観斜視図、(b)は正面図である。遊技情報表示装置13は略半円筒状であり、遊技用椅子5の脚部5aを囲むように設置されている。前記遊技情報表示装置13は、その前面側に樹脂材にて形成された、玉箱を模した形状の照明部13bを円筒状に沿って湾曲に複数(図3(a)、(b)においては、横5個、縦5列の総計25個)設けている。夫々の照明部13bには、赤、青、黄等多色発光可能な発光LEDを設けた発光基板を内部に備え、前記発光基板は遊技情報表示装置13の内部に設けた制御部(不図示)と接続されている。
【0023】
遊技情報表示装置13の内部に備えた制御部は、夫々の照明部13bと接続されると共に、遊技島1に設置された遊技台3、呼出ランプ11、及び玉貸機7と、を該遊技島1内から床下配線、もしくは、夫々の配線を遊技店の床面に敷設させて接続されており、遊技情報表示装置13は、接続されている前述の機器から出力される信号を制御部にて受信し、予め設定を行った発光方式(例えば図4(a)〜(f)に示す表示例)に伴い発光、点滅を行う。本実施例において、遊技島1に設置された遊技台3、呼出ランプ11、及び玉貸機7と、を該遊技島1内から床下配線、もしくは、夫々の配線を遊技店の床面に敷設させて接続されているとしたが、遊技情報表示装置13に受信部を設けて、無線方式にて各周辺機器からのデータを受信してもよい。
【0024】
図4は遊技情報表示装置13の表示例を示す図である。遊技台3からは、該遊技台3から出力される大当たり信号、不正信号、エラー信号等を制御部で受信し、該遊技台3と連動して発光、点滅を行う。呼出ランプ11からは、遊技客が遊技店店員を呼び出す際に出力される呼出信号を制御部で受信し、該呼出ランプ11と連動して発光、点滅を行う。遊技台3、呼出ランプ11から信号を受信した制御部は、大当たりや不正、店員呼び出しといった夫々の事例に対して設定された発光方式に伴って発光、点滅を行う。例えば、図4(a)、(b)の示すように、縦方向、及び斜め方向(図中矢印方向)にライン発光表示、また、図4(c)、(d)に示すような、遊技情報表示装置13の全体をグラデーション発光表示、等を行う。
【0025】
遊技情報表示装置13の照明部13bは、大当たりや不正、店員呼び出しといった夫々の事例に対して、設定された発光方式に伴って発光、点滅を行うことで、遊技客以外の人や遊技店店員に、遊技台3から遠く離れた位置からでも様々な事例内容を判りやすく簡単に知らせることができる。
【0026】
また、玉貸機7からは、該玉貸機7に備えた出玉計数装置9にて計数されたパチンコ玉数を持玉数データとして制御部へ1玉毎出力され、前記持玉数データを受信した制御部は、接続している照明部13bを予め設定された区分情報に従って発光させる。制御部は、受信した持玉数データが各区分の境界値に達しているか否かによって各照明部13bの発光を制御している。例えば、持玉数の区分値を1000玉毎に設定した場合、玉貸機7より出力された持玉数データが1000玉達した際に、図4(e)に示すように、複数設けた照明部13bの1個(図中最下段左側)を発光させ、さらに1000玉達した場合、照明部13bを矢印方向の照明部13bをさらに1個発光させる。図4(f)においては、照明部13bが8個発光しているため、8000個以上持玉数を保持していることとなる。
【0027】
玉貸機7より制御部へ伝達される持玉数データは、1玉毎出力し制御部で受信した持玉数データが各区分の境界値に達しているか否かによって各照明部13bの発光を制御しているとしたが、例えば、玉貸機7側で持玉数が境界値に達しているか否かを判断し、区分値に達した場合に制御部に出力をしてもよい。
【0028】
また、遊技客が計数されたパチンコ玉(持玉)を遊技に使用する際、遊技客の操作により玉貸機7からパチンコ玉を玉払出ノズルにより遊技台3の上皿3aへ払い出されると共に、玉貸機7から持玉払出数データを制御部へ1玉毎出力する。前記持玉払出数データを受信した制御部は、接続している照明部13bを予め設定された区分情報に従って消灯させる。
【0029】
前述した持玉数データの設定のように、玉貸機7より制御部へ伝達される持玉払出数データは、1玉毎出力し制御部で受信した持玉払出数データが各区分の境界値に達しているか否かによって各照明部13bの消灯を制御しているとしたが、例えば、玉貸機7側で持玉払出数が境界値に達しているか否かを判断し、区分値に達した場合に制御部に出力をしてもよい。
【0030】
また、各遊技情報表示装置13の制御部は、遊技店のホールコンピュータと接続して、空席情報やイベント台情報等の遊技店情報を、その事例に合わせて照明部13bを発光、点滅表示してもよい。遊技情報表示装置13にて遊技店情報を発光、点滅にて表示することで、遊技店側の情報を遊技客にわかりやすく提供することが可能となる。
【0031】
図5は遊技情報表示装置13の構成を示す図である。遊技情報表示装置13は、遊技用椅子5の脚部5aを略中心とし囲むように設置されており、該遊技情報表示装置13は、U字形状をした半円筒状で、その円周上に沿って複数に照明部13bを設けた表示装置本体13aと、脚部5aの根もと近傍の床面に固定された装置固定ベース17と、前記表示装置本体13aの対面側に備えた保護カバー15と、で構成されている。
【0032】
保護カバー15は、半円柱形状で、表示装置本体13aの背面側を遊技客からの衝突などから保護するものであり、対面する表示装置本体13aに向かって係止爪15aが複数形成されている。また、表示装置本体13aの背面側には、係止穴13cが複数(図中4箇所)開口しており、前記保護カバー15に形成された複数の係止爪15aに対応して設けられている。さらに、表示装置本体13aの背面側下端部には、後述する係止部23dが嵌り込む穴が開口した固定片13dが下方向に形成されている。
【0033】
装置固定ベース17は、表示装置本体13aと同様にU字形状であり、その凹み部分が遊技用椅子5の脚部5aの中心を基準として該脚部5aを挟むように、該脚部5aの根もと近傍の床面に冶具等を用いて固定設置する。前記装置固定ベース17には、前記表示装置本体13aを取付固定するための係止部23dと、表示装置本体の固定片13dを前記係止部23dへ導くためのガイド壁23cと、表示装置本体13aと嵌り合う嵌合片23eと、を形成している。
【0034】
遊技情報表示装置13は、まず、装置固定ベース17を脚部5aの根もと近傍の床面に固定設置する。設置した前記装置固定ベース17に対し、表示装置本体13aを遊技用椅子5の背面側からスライドさせながら取付固定を行う。前記表示装置本体13aをスライドさせて取付固定を行う際、該表示装置本体13aの背面側下端部に形成された固定片13dは、装置固定ベース17に形成されたガイド壁23cによって、その端部に備えた係止部23dへと支持されながら導かれ、該固定片13dの一部開口した穴に係止部23dが係止され、装置固定ベース17に形成された嵌合片23eが表示装置本体13aと嵌り合うことで取付固定を行うことができる。
【0035】
また、保護カバー15は、装置固定ベース17に取付固定した表示装置本体13aに、脚部5aを囲むように該表示装置本体13aの対面側から取り付けを行う。前記表示装置本体13aに複数開口する係止穴13cに、保護カバー15に形成された複数の係止爪15aが係止されることで、該表示装置本体13aに該保護カバー15を取り付けることができる。
【0036】
図6は、装置固定ベース17の構成を示す図である。装置固定ベース17は、遊技用椅子5の脚部5a近傍に表示装置本体13aを取付固定するものであり、前記遊技用椅子5を基準とし、前記遊技用椅子5の脚部5aの根もと近傍の床面に固定設置する固定ベース19と、前記表示装置本体13aを前記固定ベース19に対して回転方向に可動可能とする回転ベース21と、前記表示装置本体13aが取付固定され、且つ、前記回転ベース21に対して前後方向にスライド可動可能とするスライドベース23と、で構成されている。
【0037】
前述した各ベース(固定ベース19、回転ベース21、スライドベース23)は、夫々が略U字形状であり、固定ベース19を脚部5aの根もと近傍の床面に固定設置して前記装置固定ベース17の基準とし、該固定ベース19にその他のベース(回転ベース21、スライドベース23)を夫々重ねて固着することで装置固定ベース17を構成している。
【0038】
固定ベース19は、脚部5aの根もと近傍の床面に固定設置するために、該脚部5aの位置を基準として、冶具等用いて固定設置を行う。前記固定ベース19は、その底面に両面テープを貼り付けて床面に貼着するか、もしくは、数箇所設けた固定穴19aから床面に直接ネジで固定する。また、固定ベース19には、後述する回転ベース21の回転調整部21dに係合する、弾性バネ19cによって支持された係止ピン19bが設けられている。
【0039】
回転ベース21は、床面に固定設置した固定ベース19に対して回転方向に可動可能とするものであり、湾曲形状に開口する複数のガイド溝21c(図中3箇所)と、複数の係止凹部21eを順次配設した回転調整部21dと、該回転ベース21の左右両側に立設し、複数の円形穴が連なった状態で開口する位置調整部21fと、で構成されている。
【0040】
図6に示すように、回転ベース21は、床面に固定設置された固定ベース19の上方から重ねるように、回転ガイドネジ21a、及び回転固定ネジ21bにて複数のガイド溝21cを介して夫々挿通し、前記固定ベース19に取り付ける。回転ベース21は、ガイド溝21cを介して挿通する回転ガイドネジ21aによって、該ガイド溝21cの湾曲形状に沿って、固定ベース19上をスムーズに回転動作を行う。
【0041】
また、固定ベース19に回転ベース21を取り付ける際に、該固定ベース19に設けられた係止ピン19bが、該回転ベース21に順次配設された複数の係止凹部21eの何れか一箇所に係止する。図7(c)に示すように、回転ベース21は、弾性バネ19cによって支持された係止ピン19bが複数の係止凹部21eに段階的に係止されることによって回転ベース21の回転動作を間欠的に停止することが可能となる。このような構成により、回転ベース21は、湾曲形状のガイド溝21cに沿ってスムーズに回転動作を行うと共に、回転ベース21の回転角度を段階的に調整して、表示装置本体13aを所望の方向に向けることが可能となる。
【0042】
回転ベース21の回転調整部21dには、回転角度をわかりやすく示すために、順次配設した複数の係止凹部21e毎に回転角度を示す目盛りを備えている。また、所望の方向に向け、その方向で表示装置本体13aを固定したい場合は回転固定ネジ21bにて回転ベース21を固定ベース19にねじ止めして固定することができる。
【0043】
スライドベース23は、前記表示装置本体13aが取付固定され、且つ、前記回転ベース21に対して前後方向にスライド可動可能にするものであり、直線形状に開口するガイド溝23b(図中3箇所)と、表示装置本体13aに嵌合する嵌合片23eと、
前記表示装置本体13aに形成された固定片13dと係止する係止部23d(図中2箇所)と、表示装置本体13aを装置固定ベース17に設置する際に、前記固定片13dを前記係止部23dへ導くガイド壁23c(図中2箇所)と、前記スライドベース23の左右両側に備えたピン受部23hに軸支され、回転ベース21の位置調整部21fの何れかひとつの円形穴に嵌合する、弾性バネ23gによって支持された係止ピン23fと、で構成されている。
【0044】
図6に示すように、スライドベース23は、固定ベース19に取り付けた回転ベース21の上方から重ねるように、スライドガイドネジ23aにて複数のガイド溝23bを介して夫々挿通し、前記回転ベース21に取り付ける。スライドベース23は、ガイド溝23bを介して挿通するスライドガイドネジ23aによって、該ガイド溝23bの直線形状に沿って、回転ベース21上をスムーズにスライド可動を行う。
【0045】
弾性バネ23gによって支持された係止ピン23fは、前記スライドベース23を回転ベース21に取り付けた後に、回転ベース21の左右両側に形成された位置調整部21fの外方より、該位置調整部21fの円形穴を介して弾性バネ23gと共に挿通し、ピン受部23hに軸支される。係止ピン23fは、円柱形状で、且つ、溝が形成されており、該係止ピン23fの円周は位置調整部21fの円形穴の円周と略同等であり、該係止ピン23fに形成された溝の円周は、円形穴が連なった隙間よりも小さい。
【0046】
よって、図8(c)に示すように、通常時においては、係止ピン23fの円周が位置調整部21fの円周と略同等であるため、該位置調整部21fの何れかひとつの円形穴に嵌合し、スライドベース23は回転ベース21に対してスライド可動することができず、ロックされた状態となる。また、図8(d)に示すように、スライドベース23の左右両側に備えた係止ピン23fを同時に押し込むと、該係止ピン23fと位置調整部21fの円形穴との嵌合が外れ、該係止ピン23fに形成された溝の円周は、円形穴が連なった隙間よりも小さいため、位置調整部21f内を図中矢印方向にスライド可動可能である。位置調整部21fは、複数の円形穴が連なって状態で開口しており、任意の位置の円形穴に係止ピン23fを嵌合することで、表示装置本体13aの前後方向におけるスライド量を段階的に調整することができる。
【0047】
固定ベース19と、回転ベース21と、スライドベース23と、から構成される装置固定ベース17は、図7(a)、(b)に示すように、前記回転ベース21によって、床面に固定設置した固定ベース19に対して回転方向に回転可動可能であり、併せて、図8(a)、(b)に示すように、前記スライドベース23によって、前記回転ベース21に対して前後方向にスライド可動可能である。また、スライドベース23は、回転ベース21の上方から重ねるように、該回転ベース21に取り付けられているため、回転可動を行うと共に、スライド可動も同時に行うことが可能である。
【0048】
前述する構成により、該スライドベース23に取付固定する表示装置本体13aを回転方向、及び前後方向に可動させることが可能となり、遊技用椅子5の脚部5a近傍に設けた遊技情報表示装置13の設置位置を可変することができる。
【0049】
よって、遊技島1にて複数の遊技用椅子5に夫々設けた遊技情報表示装置13の設置位置を、該遊技島1の演出状況に合わせて夫々設置位置の可変を行うことで、遊技島1の演出におけるレイアウト(配置)に特徴を持たせ、且つ、遊技情報表示装置13の照明部13bの発光表示が、隣り合う遊技情報表示装置13同士で重なること無く配置することができる。
【0050】
例えば、複数の遊技用椅子5に夫々設けた表示装置本体13aの何れか数台を、イベント台等の遊技に関する遊技情報を表示するといった遊技島1の演出状況において、該当する何れか数台の設置位置を回転方向、及び前後方向に可変させて、隣り合う遊技情報表示装置13同士の設置位置を相違させる。
【0051】
該当する遊技情報表示装置13の設置位置を可変させる前は、遊技客が遊技島側を見る位置(例えば、遊技島1端、通路側など)により、隣り合う遊技情報表示装置13同士の発光表示が重なってしまい、どの遊技台3の情報かが視認、把握しにくい状態であったが、該当する何れか数台の設置位置を可変させ、隣り合う遊技情報表示装置13同士の設置位置を相違させることで、夫々設置位置にズレ、段差、回転等といった相違点が生じ、隣設する遊技情報表示装置13との設置位置の違いが明確となって視認、把握しやすくなり、遊技店内にいる遊技客に対してわかりやすくアピールすると共に、遊技客にとってはどの遊技台3の遊技情報であるかを視認、把握しやすい。
【0052】
また、遊技情報表示装置13は、大当り、エラー等の、遊技において発生する遊技情報も表示するので、隣り合う遊技情報表示装置13同士の設置位置が相違しているため、遊技店店員にとっても、どの遊技台3が、大当り状態、エラー状態等であるかがを即座に視認、把握が可能であり、該遊技店店員はその内容に併せて、遊技客に対しサービス、エラー解除といった対処を即座に行うことができる。
【0053】
また、回転ベース、及びスライドベースは、回転方向、及び前後方向への可動範囲を段階的に調整可能であるため、可動させる範囲が明確となることで、一の遊技島の演出状況において、可変させた遊技情報表示装置の設置位置を、他の遊技島においても同様のレイアウトで演出構成が容易に行え、遊技店内で統一感のある演出を行うことが可能となる。例えば、複数の遊技用椅子5に夫々設けた遊技情報表示装置13を、遊技島1の一端側から他端側へむけて徐々に通路側へ迫り出すように可動範囲を調整して配置することができる。
【0054】
また、図3(a)、及び図5に示すように、表示装置本体13aの両側には、押下可能な可動ボタン13eを備えており、該表示装置本体13aを装置固定ベース17に取付固定した際に、スライドベース23に備えた係止ピン23fと同位置で、可動ボタン13eを押下することで、併せて係止ピン23fを押し込むことが可能であり、該表示装置本体13aを装置固定ベース17に取付固定した状態であっても、前後方向にスライド可動可能である。また、回転固定ネジ21bを固着しなければ、回転ベース21が回転可能であることから、該表示装置本体13aを装置固定ベース17に取付固定した状態であっても回転方向に可動可能である。
【0055】
また、遊技島1の演出状況として、前述した配置とは別に、複数の遊技用椅子5に夫々設けた遊技情報表示装置13の設置位置を、隣り合う遊技情報表示装置13同士で揃えたい演出状況もある。表示装置本体13aの装置固定ベース17は、脚部5aの根もと近傍の床面に固定設置するために、該脚部5aの位置を基準として、冶具等用いて人為的に固定設置を行うため、隣設する遊技情報表示装置13同士の設置位置が横方向直線的ではなく、稀にズレてしまう。その際は回転ベース21、及びスライドベース23にて回転方向、及び前後方向へ可動を行って段階的に設置位置を調整することで、隣設する遊技情報表示装置13同士の設置位置を横方向直線的に揃えることもできる。
【0056】
本実施例において、遊技媒体としてパチンコ玉を使用したシステムに設置される遊技情報表示装置13としたが、他の遊技媒体(コイン、メダル等)を使用したシステムにおいても設置可能である。
【符号の説明】
【0057】
1 遊技島
3 遊技台
3b 下皿
5 遊技用椅子
5a 脚部
7 玉貸機
9 出玉計数装置
9a 玉受皿
13 遊技情報表示装置
13a 表示装置本体
13b 照明部
17 装置固定ベース
19 固定ベース
21 回転ベース
23 スライドベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技島に複数配設された遊技台と対座可能に備えた遊技用椅子の脚部近傍に設け、遊技に関する遊技情報、或いは、遊技において発生する遊技情報等を照明部の発光、点滅により表示を行う遊技情報表示装置において、
前記遊技情報表示装置は、
複数の照明部を備えた表示装置本体と、
前記遊技用椅子の脚部近傍に前記表示装置本体を取付固定する装置固定ベースと、からなり、
前記装置固定ベースは、
前記遊技用椅子を基準とし、前記遊技用椅子の脚部近傍の床面に固定設置する固定ベースと、
前記固定ベースに対して回転可動可能とする回転ベースと、
前記表示装置本体が取付固定され、且つ、前記回転ベースに対して前後方向に可動可能とするスライドベースと、から構成され、
前記回転ベース、及び前記スライドベースを任意の位置に可動することで、
複数の遊技用椅子に夫々設けた前記表示装置本体の設置位置を、遊技島の演出状況に合わせて個々に可変可能とすることを特徴とする遊技情報表示装置。
【請求項2】
前記回転ベース、及び前記スライドベースの可動範囲を段階的に調整可能とすることを特徴とする請求項1記載の遊技情報表示装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図4】
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