説明

遊技機、プログラム及び記憶媒体

【課題】 図柄表示装置において抽選用図柄の変動表示が行われているときにも、遊技者が興趣に富んだ遊技を行うことができる遊技機を提供する。
【解決手段】 図柄表示装置14で図柄の変動表示中に当たり決定抽選が行われた場合の抽選結果は抽選結果記憶部36によって記憶される。記憶された抽選結果が当選であった場合には特別報知実行決定部37が報知抽選を行う。特別報知実行決定部37による報知抽選が当選であった場合、CPU33は、図柄表示装置14に識別情報50を表示するよう図柄表示制御装置43に制御信号を入力し、可動体26aを動作させるよう可動体制御装置47に制御信号を入力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ店などの遊技場に設置して使用される遊技機、プログラム及び記憶媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
本明細書中では遊技機としてパチンコ機等の弾球遊技機を例に挙げて説明しているため、遊技媒体として遊技球を用いて説明し、遊技盤の遊技盤面に設けられた入賞口に遊技球が入ることを入賞として説明する。
【0003】
現在、パチンコ店などの遊技場に設置して使用されるパチンコ機の多くは、遊技者の操作によって遊技盤面に打ち出された遊技球が始動入賞口と呼ばれる特定入賞口に入賞することを契機として、始動入賞口への1回の入賞毎に1回の移行抽選(例えば、乱数の抽出)を行い、この移行抽選に当選(例えば、定められた乱数との一致)した場合には、通常状態から遊技者に有利な状態に遊技状態が移行するようになっている。遊技者に有利な遊技状態には、「大当たり」と呼ばれるものがあり、この遊技状態になるとアタッカと呼ばれる入賞口が断続的に所定期間開放される。アタッカは盤面上を流下していく遊技球が入賞し易い構造となっており、したがって「大当たり」状態に移行された遊技者は多くの賞球を獲得することができる。また、移行抽選が1回行われる毎に所定の図柄表示装置に抽選用図柄を変動表示するとともに、該移行抽選の抽選結果に応じて抽選用図柄を入賞ライン上に特定の組み合わせで停止表示させることで、移行抽選の抽選結果を遊技者に報知するようにしている。
【0004】
抽選用図柄を変動表示する図柄表示装置としては、モータなどによって回転されるドラムを用いた機械式リールを複数並べたものや、液晶表示装置などを用いてリールの画像を複数並べて表示するものなどが良く知られている。これらの図柄表示装置の多くは遊技盤の遊技領域の略中央に設けられ、抽選用図柄の変動表示を様々な態様で行うことによって遊技者を飽きさせないようにするとともに、当選に対する遊技者の期待感を高めている。また、図柄表示装置に抽選用図柄を変動表示しているときに行われた移行抽選の抽選結果は所定個数を限度に保留され、保留された抽選結果は順次1個ずつ、図柄表示装置における抽選用図柄の変動表示及び停止表示を行って遊技者に報知される。
【0005】
最近では、図柄表示装置における抽選用図柄の変動表示の表示態様に、演出効果を付加した様々なバリエーションを用意して、このバリエーションの中から移行抽選の抽選結果に応じて適宜選択した表示態様によって、図柄表示装置における抽選用図柄の変動表示を行うものが多く提供されている。図柄表示装置における抽選用図柄の変動表示の表示態様に演出効果をもたせた様々なバリエーションがあることで、遊技者を飽きさせないようにでき、さらに、図柄表示装置における抽選用図柄の変動表示の表示態様の違いによって、移行抽選の抽選結果に基づく当選または不当選の告知を遊技者が予測できるようにすることで興趣を盛り立てることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のような遊技機であっては、図柄表示装置における抽選用図柄の変動表示の表示態様として演出効果を付加したものは変動表示している時間が長くなってしまう傾向があり、また、図柄表示装置における変動表示中に遊技球を入賞させて行われた移行抽選の抽選結果は保留されてしまうので、図柄表示装置における変動表示中に遊技者が遊技を休止してしまうことがあった。このため、演出効果を付加した変動表示に対する興味が低下した遊技者には変動表示が行われている時間は退屈なものとなってしまい、また、遊技者が変動表示中に遊技を休止してしまうことは遊技場の売り上げを低下させることとなってしまっていた。
【0007】
本発明は、上記従来技術の問題を解決するためになされたものであり、図柄表示装置において抽選用図柄の変動表示が行われているときにも、遊技者が興趣に富んだ遊技を行うことができる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の遊技機は、遊技領域に打ち出された遊技媒体が特定入賞口へ入賞することを契機として遊技者に有利な遊技状態へ移行させるための抽選を行う移行抽選手段と、前記移行抽選手段の抽選結果に基づいて図柄を変動表示及び停止表示する図柄表示手段と、前記図柄表示手段が図柄を変動表示しているときに行われた前記移行抽選手段による抽選の抽選結果を記憶する抽選結果記憶手段とを備えたものであって、前記抽選結果記憶手段が前記移行抽選手段の抽選結果を記憶した場合に、この抽選結果が当選であるとき、前記抽選結果記憶手段に記憶された抽選結果が当選であることを遊技者に報知するか否かを決定する特別報知実行決定手段と、前記特別報知実行決定手段が前記報知を行うことを決定したときに、前記報知を行う特別抽選結果報知手段を備えたことを特徴とするものである。
【0009】
また、前記特別抽選結果報知手段は、前記図柄表示装置に特定の識別情報を表示することによって前記報知を行うことが好適である。
【0010】
また、前記特別抽選結果報知手段は、前記遊技領域に設けられた可動体を動作させることによって前記報知を行うことが好適である。
【0011】
また、前記報知実行決定手段は、抽選を行い、該抽選に当選したときに前記報知を行うことを決定することが好適である。
【0012】
また、用いるプログラムは、遊技領域に打ち出された遊技媒体が特定入賞口へ入賞することを契機として遊技者に有利な遊技状態へ移行させるための抽選を行う移行抽選手段と、前記移行抽選手段の抽選結果に基づいて図柄を変動表示及び停止表示する図柄表示手段と、前記図柄表示手段が図柄を変動表示しているときに行われた前記移行抽選手段による抽選の抽選結果を記憶する抽選結果記憶手段と、前記抽選結果記憶手段が前記移行抽選手段の抽選結果を記憶した場合に、この抽選結果が当選であるとき、前記抽選結果記憶 手段に記憶された抽選結果が当選であることを遊技者に報知するか否かを決定する特別報知実行決定手段と、前記特別報知実行決定手段が前記報知を行うことを決定したときに、前記報知を行う特別抽選結果報知手段として、遊技機のコンピュータを機能させるためのものである。
【0013】
また、使用する記憶媒体は、遊技領域に打ち出された遊技媒体が特定入賞口へ入賞することを契機として遊技者に有利な遊技状態へ移行させるための抽選を行う移行抽選手段と、前記移行抽選手段の抽選結果に基づいて図柄を変動表示及び停止表示する図柄表示手段と、前記図柄表示手段が図柄を変動表示しているときに行われた前記移行抽選手段による抽選の抽選結果を記憶する抽選結果記憶手段と、前記抽選結果記憶手段が前記移行抽選手段の抽選結果を記憶した場合に、この抽選結果が当選であるとき、前記抽選結果記憶手段に記憶された抽選結果が当選であることを遊技者に報知するか否かを決定する特別報知実行決定手段と、前記特別報知実行決定手段が前記報知を行うことを決定したときに、前記報知を行う特別抽選結果報知手段として、遊技機のコンピュータを機能させるプログラムが記憶されるとともに、そのプログラムをコンピュータで読み取ることのできるものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明の遊技機は、抽選結果記憶手段が移行抽選手段の抽選結果を記憶した場合に、この抽選結果が当選であるとき、抽選結果記憶手段に記憶された抽選結果が当選であることを遊技者に報知するか否かを決定する特別報知実行決定手段と、特別報知実行決定手段が報知を行うことを決定したときに、報知を行う特別抽選結果報知手段を備えたので、図柄表示手段における図柄の変動表示中に行われた移行抽選の抽選結果を該変動表示中に遊技者に報知することができ、遊技者は、図柄表示手段における図柄の変動表示中に行った遊技によって移行抽選に当選した場合に変動表示の終了をまたずに抽選結果を認識できるので、遊技者は、図柄表示手段において変動表示中であっても興趣に富む遊技を行うことができる。
【0015】
また、特別抽選結果報知手段が、図柄表示装置に特定の識別情報を表示することによって前記報知を行うことで、図柄表示装置における図柄の変動表示による興趣を損なうことなく、図柄表示手段における図柄の変動表示中に行われた移行抽選の抽選結果を該変動表示中に遊技者に報知することができる。
【0016】
また、特別抽選結果報知手段が、遊技領域に設けられた可動体を動作させることによって報知を行うことで、遊技者は、図柄表示装置における図柄の変動表示を見ながら該報知を視認できるので、図柄表示装置における図柄の変動表示による興趣を損なうことなく、図柄表示手段における図柄の変動表示中に行われた移行抽選の抽選結果を該変動表示中に遊技者に報知することができる。
【0017】
また、報知実行決定手段が、抽選を行い、該抽選に当選したときに報知を行うことを決定することで、該報知が行われるか否かが不確実となるので、該報知がなされることに対する期待を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1にパチンコ機10の外観を示し、先ず、パチンコ機10の遊技の流れの概略を説明する。パチンコ機10では、通常状態及び「大当たり」状態の2つの遊技モードが設けられている。始動入賞口(特定入賞口)11に遊技球が入賞すると、当たり又はハズレのいずれかを抽選により決定する当たり決定抽選が行われ、当たり決定抽選で当たりに当選すると、遊技状態が通常状態から「大当たり」状態に移行される。「大当たり」状態では、通常状態で閉じられた状態となっている大入賞口12が開放される。1回の「大当たり」状態では大入賞口12が15回を上限に開放され、大入賞口12の1回の開放につき例えば30秒経過するまで又は遊技球が10個入賞するまで開放され続けるように設定されている。詳しくは図示しないが、大入賞口12は非継続入賞口と継続入賞口とに区画されており、大入賞口12が開放された回数が14回目までは、継続入賞口に遊技球が入賞すると、次回も大入賞口12が開放される。
【0019】
次に、パチンコ機10の構成を説明する。パチンコ機10の遊技盤13の遊技盤面13aには図柄表示装置(図柄表示手段)14が組み込まれている。また、遊技盤面13aには、始動入賞口11、通常入賞口15、アタッカ16、アウト口17が設けられ、さらに図示は省略してあるが、障害釘や風車などが設けられている。
【0020】
また、パチンコ機10には発射ハンドル18が設けられており、発射ハンドル18が操作されると、遊技球は発射制御装置によって一個ずつ遊技盤面13a上の遊技領域に打ち出され、始動入賞口11、通常入賞口15または大入賞口12のいずれかに入賞するか、あるいはアウト口17に入る。
【0021】
アタッカ16の奥には大入賞口12が設けられており、アタッカ16は大入賞口12を開放する開放位置と大入賞口12を閉じる閉じ位置との間で回動自在に取り付けられている。通常状態では、アタッカ16は閉じ位置に位置しており、「大当たり」状態に移行されると、アタッカ16が開放位置に回動して大入賞口12が開放される。
【0022】
図柄表示装置14には液晶パネル19が組み込まれている。液晶パネル19には後述するように、3個の図柄、記憶個数を示す数字及び特定の識別情報が表示される。始動入賞口11に遊技球が入賞すると液晶パネル19に表示されている各図柄が変動表示される。液晶パネル19上では、3個の図柄を組み合わせた入賞有効ラインが設定されており、変動表示されている図柄が停止表示されたときの入賞有効ライン上の図柄の組み合わせによって当たり決定抽選の抽選結果が報知される。入賞有効ライン上に特定の図柄が揃うと通常状態から「大当たり」状態に移行される。「大当たり」状態では、大入賞口12に遊技球が入賞した個数や大入賞口12が開放された回数などが遊技の状況に応じて変化するように表示される。なお、変動表示を行う図柄の数、図柄の種類、また、当たり決定抽選の抽選結果を示す図柄の組み合わせは、適宜に決めてよい。
【0023】
図柄表示装置14の上方には演出装置26が設けられている。演出装置26は、可動体26aと、図示を省略した駆動装置(例えば、ステッピングモータ)を備えており、可動体26aは、遊技状況に基づいて演出装置26内で回転する。
【0024】
始動入賞口11、通常入賞口15、大入賞口12のいずれかに遊技球が入賞すると、入賞した入賞口ごとに割り当てられた個数の遊技球が払い出し口27から受け皿28に払い出される。
【0025】
パチンコ機10の前面側には、遊技領域13aを視認可能にするガラス窓を有するガラス扉29が遊技盤13の前面側に位置するように設けられている。ガラス扉29は、遊技領域13aを外部に露呈する開き位置と、遊技領域13aを覆う閉じ位置(図1に示す位置)との間で回動自在に取り付けられている。
【0026】
次に図2を用いてパチンコ機10の電気的構成について説明する。パチンコ機10は主制御部30と副制御部31とから構成されている。主制御部30には主制御装置32が設けられている。パチンコ機10は主制御装置32に設けられたCPU(制御手段)33によって管制される。
【0027】
主制御装置32には、CPU33の他、メモリ34、当たり決定部(移行抽選手段)35、抽選結果記憶部(抽選結果記憶手段)36、特別報知実行決定部(特別報知実行決定手段)37が設けられている。CPU33は、メモリ34のROM領域に格納されたプログラムにしたがって、パチンコ機10の動作を制御して遊技を行うことを可能にするための処理を実行する。当たり決定部35、抽選結果記憶部36、特別報知実行決定部37もCPU33によってその動作が制御される。
【0028】
当たり決定部35は乱数発生器、乱数サンプリング回路、当たり決定抽選(移行抽選)において当たりかハズレかを決定するための当たり決定テーブルを備えている。当たり決定部35は、始動入賞口11で入賞が発生したことを契機に作動される。当たり決定部35は、乱数サンプリング回路で乱数値のサンプリングを行い、サンプリングした乱数値を当たり決定テーブルと照合して当たり決定抽選を行う。CPU33は、当たり決定部35による当たり決定抽選の抽選結果が当たりに当選すると、遊技状態を通常状態から「大当たり」状態に移行させる。
【0029】
図柄表示装置14で図柄の変動表示が行われている場合に始動入賞口11で入賞が発生したことに応じて当たり決定抽選が行われたとき、CPU33は抽選結果記憶部36を作動させ、抽選結果記憶部36は、当たり決定抽選の抽選結果をメモリ34のRAM領域に記憶する。抽選結果記憶部36は所定個数(例えば4個)を上限とする複数の抽選結果を記憶するとともに、記憶した順序も記憶する。CPU33は、記憶された抽選結果毎に図柄表示装置14による図柄の変動表示及び停止表示をそれぞれの抽選結果に基づいて行い、記憶された順序に従って抽選結果を一つずつ順次報知する。抽選結果記憶部36は、記憶された抽選結果に基づく図柄の変動表示が開始されたときにメモリ34のRAM領域から該抽選結果の記憶を削除する。
【0030】
特別報知実行決定部37は、乱数発生器、乱数サンプリング回路、抽選結果記憶部36によって記憶された抽選結果が当選であることを、液晶パネル19での識別情報の表示及び可動体26aの動作によって即時に報知するか否かを決定するための報知抽選に用いられる報知決定テーブルを備えている。抽選結果記憶部36が当たり決定抽選の抽選結果を記憶した場合に、この抽選結果が当選であったときCPU33は特別報知実行決定部37を作動させる。特別報知実行決定部37は、乱数サンプリング回路で乱数値のサンプリングを行い、サンプリングした乱数値を報知決定テーブルと照合して報知抽選を行う。
【0031】
CPU33には、始動口センサ39、大入賞口センサ40、通常入賞口センサ41及び払出口センサ42が接続されており、これらからの信号が入力される。また、CPU33には、図柄表示制御装置(特別抽選結果報知手段)43、ランプ制御装置44、音声制御装置45、払出制御装置46、可動体制御装置(特別抽選結果報知手段)47が接続されており、CPU33は遊技の状況に応じて、副制御部31の各制御装置43〜45及び主制御部30の各制御装置46,47を作動する。さらに、主制御部30内には発射制御装置48が設けられている。
【0032】
始動口センサ39は始動入賞口11、また、大入賞口センサ40は大入賞口12、また、通常入賞口センサ41は通常入賞口15に遊技球が入賞したか否かをそれぞれ検知するものであり、これらのセンサは、遊技球が金属製であれば磁気センサを用いるなど、適宜のものを用いれば良い。。払出口センサ42は払い出し口27から遊技球が払い出されたか否かを検知する。これらのセンサ39〜41は入賞した遊技球(入賞球)を、また、払出口センサ42は払い出された遊技球をそれぞれ検知するとCPU33に検知信号を送信する。
【0033】
図柄表示制御装置43は、図柄表示装置14で図柄、記憶個数を示す数字、特定の識別情報のそれぞれを表示するための表示データが格納されているメモリと、該メモリから表示データを読み出して図柄表示装置14の駆動を制御するCPUを備えている。該CPUは、CPU33からの制御信号に応じて、表示データに基づく図柄の変動表示及び停止表示、また、記憶個数を示す数字及び特定の識別情報の表示を、図柄表示装置14を用いて行う。また、表示データには「大当たり」状態で表示する画像のデータも含まれており、「大当たり」状態中にも遊技の状況に応じた画像が図柄表示装置14の液晶パネル26aに表示される。
【0034】
CPU33は、当たり決定抽選の抽選結果を抽選結果記憶部36がメモリ34のRAM領域に記憶したときに、液晶パネル19に表示されている、記憶されている抽選結果の個数を示す数字を、1増加させた数字に更新するするよう、図柄表示制御部43に制御信号を入力する。また、CPU33は、記憶された抽選結果に基づく図柄の変動表示が開始されたときに、液晶パネル19に表示されている数字を、1減少させた数字に更新するするよう、図柄表示制御部43に制御信号を入力する。
【0035】
ランプ制御装置44では、遊技盤面上のランプやパチンコ機10の枠に設けられたランプなど、パチンコ機10に設けられた各種ランプの点灯制御が行われる。
【0036】
音声制御装置45はサウンドメモリを備えており、図柄の変動表示を行っているときや「大当たり」状態へ移行したときなどに、音楽や音声をプログラム化したサウンドプログラムをサウンドメモリから読み出し、サウンドプロセッサを介してパチンコ機10の枠に設けられたスピーカーなどに音楽や音声などを出力させる。
【0037】
払出制御装置46は、始動口センサ39、大入賞口センサ40、通常入賞口センサ41のいずれかのセンサによって遊技球が入賞したことが検知されると作動される。払出制御装置46はメモリを備えており、該メモリは各入賞口ごとの遊技球1個の入賞に対する配当球の個数を記憶している。いずれかの入賞口で入賞が発生すると払出制御装置46は払い出し用の遊技球が貯留されている貯留装置を駆動し、入賞口の種類に応じた個数の遊技球の払い出しを行う。
【0038】
可動体制御装置47は、CPU33からの制御信号に応じて、アタッカ16を大入賞口12を開放する位置と大入賞口12を閉じる位置との間で回動させ、また、演出装置26の駆動装置を駆動制御することによって可動体26aを動作させる。
【0039】
CPU33は、特別報知実行決定部37による報知抽選が当選したときに、図柄表示装置14に特定の識別情報を表示するよう図柄表示制御装置43に制御信号を入力し、可動体26aを動作させるよう可動体制御装置47に制御信号を入力する。図柄表示装置14に特定の識別情報が表示され、可動体26aが動作されることによって、記憶された抽選結果が当選であることが即時に報知される。
【0040】
発射制御装置48は発射ハンドル18に連結されており、発射ハンドル18が操作されると、発射ハンドル18で調節された遊技球の打ち出しの強さに応じて、遊技球を一定時間ごとに発射する。
【0041】
図柄表示装置14の液晶パネル19に表示される図柄、記憶個数を示す数字及び特定の識別情報の表示態様の例を図3に示す。図3(a)は、3個の図柄A, B,Cが停止表示されたときの表示態様の例であり、図3(b)は、図柄が3箇所で変動表示されているときに、識別情報50が表示されたときの表示態様の例である。
【0042】
図3に示すように、液晶パネル19の略中央には、図柄が3箇所で変動表示されるとともに、横方向に一列となる入賞有効ラインが設定されている。入賞有効ライン上に、例えば図柄A,B,Cのように、3個の図柄が停止表示されることによって当たり決定抽選の結果が報知される。液晶パネル19の左下隅には、抽選結果記憶部36によって記憶されている抽選結果の記憶個数を示す数字Dが表示される。液晶パネル19の右下隅には、識別情報50が表示される。識別情報50は、例えば、流れ星が流れる動画や記号などの静止画を、適宜設定すれば良く、また、表示される位置も右下隅に限らず、複数の位置とするなど適宜設定して良い。
【0043】
次に、上記のように構成されたパチンコ機の作用について図4のフローチャートを用いて説明する。パチンコ機10では先ず通常状態での遊技が行われる。遊技者が発射ハンドル18を操作し、遊技盤13の遊技盤面13a上に遊技球が打ち出されると、打ち出された遊技球は、始動入賞口11又は通常入賞口15のいずれかに入賞するか、アウト口17に入る。
【0044】
始動入賞口11に遊技球が入賞すると、始動口センサ39で遊技球が検知されたことを示す検知信号がCPU33に入力される。CPU33は、検知信号に応答して払出制御装置46及び当たり決定部35を作動する制御処理を行う。払出制御装置46は、始動入賞口11の入賞に対する賞球として予め設定された個数の遊技球の払い出しを行う。当たり決定部35は、当たり決定抽選を行って当たりかハズレかを決定する。
【0045】
当たり決定部35で抽選が行われると、CPU33は入賞有効ライン上に停止表示させる図柄の組み合わせを決定し、この組み合わせを示す信号を図柄表示制御装置43に入力する。これに応答して、図柄表示制御装置43のCPUはメモリから図柄の表示データを読み出して図柄表示装置14の液晶パネル19での図柄の変動表示を開始させる。
【0046】
図柄表示装置14での図柄の変動表示中に始動入賞口11に遊技球が入賞すると、始動口センサ39で遊技球が検知されたことを示す検知信号がCPU33に入力される。CPU33は、検知信号に応答して払出制御装置46及び当たり決定部35を作動する制御処理を行う。払出制御装置46は、始動入賞口11の入賞に対する賞球として予め設定された個数の遊技球の払い出しを行う。当たり決定部35は、当たり決定抽選を行って当たりかハズレかを決定する。
【0047】
図柄表示装置14で図柄の変動表示中に始動入賞口11で入賞が発生したことに応じて当たり決定抽選が行われたときには、抽選結果は抽選結果記憶部36によって記憶され、この抽選結果に基づく図柄の変動表示及び停止表示は保留される。そして、CPU33は、液晶パネル19に表示されている、記憶されている抽選結果の個数を示す数字を1増加させた数字に更新するするよう、図柄表示制御部43に制御信号を入力し、図柄表示制御部43は、液晶パネル19の表示を更新する。抽選結果記憶部36が当たり決定抽選の抽選結果を記憶した場合に、この抽選結果が当選であったときには、該抽選結果が当選であることを即時に報知するか否かを特別報知実行決定部37が報知抽選をして決定する。
【0048】
特別報知実行決定部37による報知抽選が当選であった場合、CPU33は、図柄表示装置14に識別情報50を表示するよう図柄表示制御装置43に制御信号を入力し、可動体26aを動作させるよう可動体制御装置47に制御信号を入力する。図柄表示制御装置43は、図柄表示装置14を用いて識別情報50を表示し、可動体制御装置47は、可動体26aを動作させる。
【0049】
予め定められた時間、図柄表示装置14で図柄の変動表示が行われた後、図柄の停止表示が行われる。当たり決定部35で当たりが決定された場合、図柄表示制御装置43によって、特定図柄が入賞有効ライン上に揃うように図柄の停止表示が行われて当たりが表示され、通常状態から「大当たり」状態に移行される。
【0050】
「大当たり」状態では、CPU33は可動体制御装置47を介してアタッカ16を閉じ位置と開放位置との間で回動させる。アタッカ16が開放位置に位置するときは、大入賞口12が開放されるので、大入賞口12に遊技球を入賞させることが可能になる。「大当たり」状態では、大入賞口12の継続入賞口に遊技球が入賞したことを条件に、大入賞口12が15回を上限に開放される。大入賞口12は、1回の開放につき例えば30秒経過するまで又は遊技球が10個入賞するまで開放され続ける。また、「大当たり」状態に移行されると、図柄表示制御装置43は「大当たり」状態で遊技の状況に応じた画像を液晶パネル19に表示させる。
【0051】
「大当たり」状態が終了すると、CPU33は、遊技状態を通常状態に移行させる。そして、CPU33は、抽選結果記憶部36によって記憶されている抽選結果の記憶個数を確認し、記憶されている抽選結果がある場合には、記憶された抽選結果毎に図柄表示装置14による図柄の変動表示及び停止表示をそれぞれの抽選結果に基づいて行い、記憶された抽選結果が無くなるまで、記憶された順序に従って抽選結果を一つずつ順次報知する。このように、図柄表示装置14における図柄の変動表示中に行われた当たり決定抽選に当選したことを該変動表示中に報知することができるので、遊技者は、図柄表示装置14における図柄の変動表示中であっても興趣に富む遊技を行うことができる。
【0052】
図5は、記憶媒体(CD,フレキシブルディスク,ICメモリ,MO等)60をパチンコ機61にインストールする例を示しており、上記の実施形態を、CPU62とメモリ63とを含むパチンコ機61で実現するためのプログラムが格納されている。この場合、例えば移行抽選手段、図柄表示手段、抽選結果記憶手段、特別報知実行手段、特別抽選結果報知手段をパチンコ機61で実現するためのプログラムを記憶媒体60に記憶する。そして、この記憶媒体60を読み取り装置64に装填して、プログラムをパチンコ機61にインストールする。
【0053】
また、上記プログラムを、記憶媒体を利用してインストールする代わりに、インターネットを利用して、パチンコ機に配信させることができる。また、上記プログラムに、パチンコ機の基本動作を実行させるプログラムを追加することで、パソコンにインストールし、モニタ上でパチンコ遊技を行うことができる。
【0054】
なお、上記実施形態では、特別報知実行決定部37による報知抽選が当選であった場合に、図柄表示制御装置43による識別情報の表示と、可動体制御装置47による可動体26aの動作が同時に行われていたが、どちらか一方を選択的に行うとしても良い。また、その際に、抽選によって選択を行うとしても良い。
【0055】
上記実施形態では、図柄表示装置14における図柄の変動表示中に行われた当たり決定抽選の、抽選結果が当選であることを即時に報知するか否かを、特別報知実行決定部37は報知抽選を行って決定していたが、当たり決定抽選の抽選結果を即時に報知することを特別報知実行決定部37が決定する条件は抽選に限らず、例えば、特定の入賞口に遊技球が入賞することとするなど、適宜に設定して良い。また、特定の入賞口を複数用意し、入賞した入賞口に応じて識別情報の表示態様を変えても良い。その際、識別情報の表示時間や色彩や形状などの差異によって、識別情報の表示を認識することに難易差を設けると、識別情報の表示態様の変化が興趣に富むものとなり好適である。
【0056】
上記実施形態では、抽選結果記憶部36によって記憶された抽選結果の個数を図柄表示装置14を用いて表示していたが、例えば、抽選結果記憶部36によって抽選結果が記憶される毎に点灯するランプを遊技領域13内に配設することによって、記憶された抽選結果の個数を遊技者等に報知するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明を用いたパチンコ機の外観を示す斜視図である。
【図2】パチンコ機の電気的構成の要部を示す機能ブロック図である。
【図3】液晶パネルの表示態様を示す説明図である。
【図4】遊技の流れを示すフローチャートである。
【図5】プログラムが格納された記憶媒体を、パチンコ機にインストールする場合の説明図である。
【符号の説明】
【0058】
10, 61 パチンコ機(遊技機)
11 始動入賞口
13a 遊技領域
14 図柄表示装置(図柄表示手段)
26a 可動体
35 当たり決定部(移行抽選手段)
36 抽選結果記憶部(抽選結果記憶手段)
37 特別報知実行決定部(特別報知実行決定手段)
43 図柄表示制御装置(特別抽選結果報知手段)
47 可動体制御装置(特別抽選結果報知手段)
50 識別情報
60 記憶媒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技領域に打ち出された遊技媒体が特定入賞口へ入賞することを契機として遊技者に有利な遊技状態へ移行させるための抽選を行う移行抽選手段と、前記移行抽選手段の抽選結果に基づいて図柄を変動表示及び停止表示する図柄表示手段と、前記図柄表示手段が図柄を変動表示しているときに行われた前記移行抽選手段による抽選の抽選結果を記憶する抽選結果記憶手段とを備えた遊技機において、
前記抽選結果記憶手段が前記移行抽選手段の抽選結果を記憶した場合に、この抽選結果が当選であるとき、前記抽選結果記憶手段に記憶された抽選結果が当選であることを遊技者に報知するか否かを決定する特別報知実行決定手段と、前記特別報知実行決定手段が前記報知を行うことを決定したときに、前記報知を行う特別抽選結果報知手段を備えたことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記特別抽選結果報知手段は、前記図柄表示装置に特定の識別情報を表示することによって前記報知を行うことを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
前記特別抽選結果報知手段は、前記遊技領域に設けられた可動体を動作させることによって前記報知を行うことを特徴とする請求項1または請求項2記載の遊技機。
【請求項4】
前記報知実行決定手段は、抽選を行い、該抽選に当選したときに前記報知を行うことを決定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の遊技機。
【請求項5】
遊技領域に打ち出された遊技媒体が特定入賞口へ入賞することを契機として遊技者に有利な遊技状態へ移行させるための抽選を行う移行抽選手段と、前記移行抽選手段の抽選結果に基づいて図柄を変動表示及び停止表示する図柄表示手段と、前記図柄表示手段が図柄を変動表示しているときに行われた前記移行抽選手段による抽選の抽選結果を記憶する抽選結果記憶手段と、前記抽選結果記憶手段が前記移行抽選手段の抽選結果を記憶した場合に、この抽選結果が当選であるとき、前記抽選結果記憶手段に記憶された抽選結果が当選であることを遊技者に報知するか否かを決定する特別報知実行決定手段と、前記特別報知実行決定手段が前記報知を行うことを決定したときに、前記報知を行う特別抽選結果報知手段として、遊技機のコンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項6】
請求項5記載のプログラムが記憶されるとともに、そのプログラムをコンピュータで読み取ることのできる記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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