説明

遊技機、及び、サービス提供システム

【課題】 遊技中に発作等の病を遊技者が発症した場合であっても、適切に対処することを、遊技機の制御に大きな負荷をかけることなく可能とする遊技機を提供すること。
【解決手段】 遊技者の生体情報を検出する生体情報検出手段と、遊技者の生体情報を検出するタイミングであるか否かを判断する判断手段と、遊技者の生体情報を検出するタイミングであると判断手段が判断した場合に、生体情報検出手段による検出を実行する制御を行う生体情報検出制御手段と、生体情報検出手段により検出された生体情報が異常を示す情報であるか否かを判定する判定手段と、生体情報検出手段により検出された生体情報が異常を示す情報であると判定手段が判定した場合に、外部へ緊急信号を送信する送信手段とを備えた遊技機。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチスロ遊技装置、パチンコ遊技装置、スロットマシン等の遊技機、及び、遊技機と管理装置とが接続されたサービス提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールと、遊技メダルやコイン等(以下、メダル等)が投入され、遊技者によりスタートレバーが操作されたことを検出し、複数のリールの回転の開始を要求するスタートスイッチと、複数のリールのそれぞれに対応して設けられたストップボタンが遊技者により押されたことを検出し、該当するリールの回転の停止を要求する信号を出力するストップスイッチと、複数のリールのそれぞれに対応して設けられ、それぞれの駆動力を各リールに伝達するステッピングモータと、スタートスイッチ及びストップスイッチにより出力された信号に基づいて、ステッピングモータの動作を制御し、各リールの回転及びその停止を行うリール制御部と、を備え、スタートレバーが操作されたことを検出すると、乱数値に基づいて抽籤を行い、この抽籤の結果(以下、「内部当籤役」という)とストップボタンが操作されたことを検出したタイミングとに基づいてリールの回転の停止を行う、パチスロと呼ばれる遊技機が知られている。
【0003】
一方、近年では、定年退職者等の高齢者を相手として老後を楽しんでもらうためのビジネスが盛んとなってきており、遊技機の分野においても高齢者に幅広く遊技を楽しんでもらうための試みが種々提案されている。
【0004】
高齢者を相手としてサービスを提供する場合、高齢者には持病を有する者が多かったり、また、持病がない者であっても突発的な発作を発症する可能性が低くないため、サービスの提供にあたって、このような事態が発生した場合に適切に対処できる環境が整えられていることが好ましい。
【0005】
例えば、特許文献1や特許文献2に記載の遊技機においては、遊技機を介して遊技者同士で会話をすることを可能としており、ある遊技者が体調の不良を訴えればその遊技者と会話をしているもう一方の遊技者が種々の対処を行うことを可能とし得る。
【0006】
【特許文献1】特開2007−54498号公報
【特許文献2】特開2007−54499号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1や特許文献2の遊技機であっても、遊技者が常に誰かと会話しながら遊技をするとは限らず、1人で遊技を行っている場合に発作等を発症した場合には、対処できないといった問題があった。また、誰かと会話中に発症したとしても、遊技に熱中していると、ある遊技者が発作等を発症したことに気づけないおそれがあるといった問題があった。さらには、全面的に遊技者に対処を委ねると、対処が不適切となってしまう場合があるといった問題があった。
【0008】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、遊技中に発作等の病を遊技者が発症した場合であっても、適切に対処することを、遊技機の制御に大きな負荷をかけることなく可能とする遊技機、及び、サービス提供システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以上のような目的を達成するために、本発明は、以下のようなものを提供する。
(1) 遊技者の生体情報を検出する生体情報検出手段と、
遊技者の生体情報を検出するタイミングであるか否かを判断する判断手段と、
遊技者の生体情報を検出するタイミングであると上記判断手段が判断した場合に、上記生体情報検出手段による検出を実行する制御を行う生体情報検出制御手段と、
上記生体情報検出手段により検出された生体情報が異常を示す情報であるか否かを判定する判定手段と、
上記生体情報検出手段により検出された生体情報が異常を示す情報であると上記判定手段が判定した場合に、外部へ緊急信号を送信する送信手段と
を備えたことを特徴とする遊技機。
【0010】
(1)の発明によれば、遊技者の生体情報(例えば、脈拍、血圧、体温等)を検出し、検出した生体情報が異常を示す情報であるか(例えば、脈拍、血圧、体温等が所定範囲内であるか)判定する。そして、異常がある情報であると判定した場合には、外部へ緊急信号を送信する。例えば、外部として遊技店が備えるサーバを採用する場合、遊技店に医師等を配置しておけば、緊急信号の受信を受けて、医師等がすぐに駆けつけて当該遊技機の遊技者に対して適切な処置を施すことが可能となる。また、例えば、外部として最寄りの医療機関を採用する場合、緊急信号の受信を受けて、当該最寄りの医療機関の医師等がすぐに駆けつけて当該遊技機の遊技者に対して適切な処置を施すことが可能となる。
【0011】
通常、高齢者が遊技中に発作等を発症するのは、何かのきっかけがある場合が多い。そこで、(1)の発明では、遊技の間、常に生体情報を検出し続けるのではなく、生体情報を検出するタイミングであると判断した場合に、生体情報の検出を実行する制御を行う。従って、常に検出し続ける場合に比して遊技機の制御にかかる負担を少なくすることができる。
このように、(1)の発明によれば、遊技中に発作等の病を遊技者が発症した場合であっても、適切に対処することを、遊技機の制御に大きな負荷をかけることなく可能とすることができる。
【0012】
さらに、本発明は、以下のようなものを提供する。
(2) 上記(1)に記載の遊技機であって、
上記判断手段は、遊技が所定期間実行されていない場合に、遊技者の生体情報を検出するタイミングであると判断することを特徴とする。
【0013】
遊技が所定期間実行されていない場合、遊技者に何か異変が起こっている可能性が高い。しかしながら、(2)の発明によれば、遊技が所定期間実行されていない場合に、遊技者の生体情報を検出するため、より適切なタイミングで遊技者の生体情報に異常があるかを確認することができる。また、遊技が実行されていない期間に生体情報を検出するので、遊技機の制御に大きな負荷がかかることを少なくすることができる。
【0014】
さらに、本発明は、以下のようなものを提供する。
(3) 上記(1)又は(2)に記載の遊技機であって、
投入された遊技媒体の枚数と払い出された遊技媒体の枚数との差枚数を算出する算出手段
を備え、
上記判断手段は、上記算出手段により算出された差枚数が所定数を超えた場合に、遊技者の生体情報を検出するタイミングであると判断することを特徴とする。
【0015】
遊技において、多くの遊技媒体を消費してしまった場合、遊技者は落胆のために、発作等を発症する可能性が高くなる。しかしながら、(3)の発明によれば、投入された遊技媒体の枚数と払い出された遊技媒体の枚数との差枚数が、所定数を超えた場合に、遊技者の生体情報を検出するため、より適切なタイミングで遊技者の生体情報に異常があるかを確認することができる。
【0016】
さらに、本発明は、以下のようなものを提供する。
(4) 上記(1)〜(3)のいずれか1の遊技機であって、
遊技者にとって有利な遊技状態である特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段
を備え、
上記判断手段は、上記特別遊技状態発生手段が特別遊技状態を発生させたことを契機として、遊技者の生体情報を検出するタイミングであると判断することを特徴とする。
【0017】
遊技において大当たりが発生した場合、遊技者は興奮のあまり、発作等を発症する可能性が高くなる。しかしながら、(4)の発明によれば、特別遊技状態を発生させたことを契機として、遊技者の生体情報を検出するため、より適切なタイミングで遊技者の生体情報に異常があるかを確認することができる。
【0018】
さらに、本発明は、以下のようなものを提供する。
(5) 上記(1)〜(4)のいずれか1の遊技機であって、
投入された遊技媒体の枚数をクレジットとして記憶する記憶手段と、
遊技者の操作に応じて、緊急時に応急処置が行われることを要求する応急処置要求を入力可能な入力手段と、
上記入力手段から上記応急処置要求が入力された場合に、上記記憶手段に記憶されたクレジットから所定数を減算する減算手段と
を備え、
上記生体情報検出制御手段は、上記減算手段によりクレジットから所定数が減算され、且つ、遊技者の生体情報を検出するタイミングであると上記判断手段が判断した場合に、上記生体情報検出手段による検出を実行する制御を行うことを特徴とする。
【0019】
(5)の発明によれば、緊急時に応急処置が行われることを要求する応急処置要求が遊技者の操作に応じて入力された場合に、所定数の遊技媒体の減算(消費)を条件として、生体情報の検出を行い得る状態に制御する。従って、応急処置等に費やした費用を遊技者に負担させることができるため、遊技店側に損失が発生することを防止し、質の高い応急処置の提供を維持することが可能になる。
【0020】
さらに、本発明は、以下のようなものを提供する。
(6) 上記(1)〜(5)のいずれか1の遊技機と、管理装置とが通信回線を介して通信可能に接続されたサービス提供システムであって、
上記遊技機は、
当該遊技機で遊技を行う遊技者を撮像可能な撮像手段と、
画像を表示することが可能な表示手段と
を備え、
上記遊技機が備える上記送信手段は、上記生体情報検出手段により検出された生体情報が異常を示す情報であると上記判定手段が判定した場合、緊急信号と、上記撮像手段で撮像した画像を示す画像データとを上記管理装置に送信し、
上記管理装置は、
上記送信手段から送信された画像データに基づく画像を表示する管理装置側表示手段と、
医療行為者により医療処置方法に関する処置方法データが入力されたことを契機として、該処置方法データを、画像データの送信元の遊技機から所定範囲内にある遊技機に対して送信する送信手段と
を備え、
上記遊技機は、さらに、
処置方法データを上記管理装置から受信した場合に、該処置方法データに基づく処置依頼画像を上記表示手段に表示する表示制御手段
を備えることを特徴とするサービス提供システム。
【0021】
(6)の発明によれば、遊技機において生体情報が異常を示す情報であると判定された場合、緊急信号と、当該遊技機に備えられた撮像手段(例えば、カメラ)で撮像された画像を示す画像データとが管理装置に送信される。管理装置では、受信した画像データに基づく画像が表示される。そして、これを見た医療行為者(例えば、管理装置が医療機関に設置されている場合には、医師)が、医療処置方法に関する処置方法データを入力すると、該処置方法データが、画像データの送信元の遊技機から所定範囲内にある遊技機(例えば、隣の遊技機)に対して送信される。処置方法データを管理装置から受信した遊技機では、該処置方法データに基づく処置依頼画像が表示される。従って、救急等が駆けつけるまでの間にも、病を発症した遊技者の近くで遊技を行っていた他の遊技者が即座に適切な処置を施すことが可能になる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、遊技中に発作等の病を遊技者が発症した場合であっても、適切に対処することを、遊技機の制御に大きな負荷をかけることなく可能とする遊技機、及び、サービス提供システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明の遊技機に係る実施の形態について、以下図面を参照しながら説明する。はじめに、図1を参照して、本実施の形態における遊技機(以下、パチスロ)の機能フローについて説明する。
【0024】
図1は、本実施形態に係るパチスロの機能フローを示す機能ブロック図である。
遊技者によりメダルが投入され、スタートレバーが操作されると、予め定められた数値の範囲(例えば、0〜65535)の乱数から1つの値(以下、乱数値)が抽出される。
【0025】
内部抽籤手段は、抽出された乱数値に基づいて抽籤を行い、内部当籤役を決定する。内部当籤役の決定により、後述の入賞判定ラインに沿って表示を行うことを許可する図柄の組合せが決定される。尚、図柄の組合せの種別としては、メダルの払い出し、再遊技の作動、ボーナスの作動等といった特典が遊技者に与えられる「入賞」に係るものと、それ以外のいわゆる「ハズレ」に係るものとが設けられている。
【0026】
続いて、複数のリールの回転が行われた後で、遊技者によりストップボタンが押されると、リール停止制御手段は、内部当籤役とストップボタンが押されたタイミングとに基づいて、該当するリールの回転を停止する制御を行う。
【0027】
ここで、パチスロでは、基本的に、ストップボタンが押されたときから規定時間(190msec)内に、該当するリールの回転を停止する制御が行われる。本実施の形態では、上記規定時間内でのリールの回転に伴って移動する図柄の数を「滑り駒数」と呼び、その最大数を図柄4個分に定める。
【0028】
リール停止制御手段は、入賞に係る図柄の組合せの表示を許可する内部当籤役が決定されているときでは、上記規定時間を利用して、その図柄の組合せが入賞判定ラインに沿って極力表示されるようにリールの回転を停止する。その一方で、内部当籤役によってその表示が許可されていない図柄の組合せについては、上記規定時間を利用して、入賞判定ラインに沿って表示されることがないようにリールの回転を停止する。
【0029】
こうして、複数のリールの回転がすべて停止されると、入賞判定手段は、入賞判定ラインに沿って表示された図柄の組合せが、入賞に係るものであるか否かの判定を行う。入賞に係るものであるとの判定が行われると、メダルの払い出し等の特典が遊技者に与えられる。以上のような一連の流れがパチスロにおける1回の遊技として行われる。
【0030】
また、パチスロでは、前述した一連の流れの中で、液晶表示装置により行う映像の表示、各種ランプにより行う光の出力、スピーカにより行う音の出力、或いはこれらの組合せを利用して様々な演出が行われる。
【0031】
遊技者によりスタートレバーが操作されると、前述の内部当籤役の決定に用いられた乱数値とは別に、演出用の乱数値(以下、演出用乱数値)が抽出される。演出用乱数値が抽出されると、演出内容決定手段は、内部当籤役に対応づけられた複数種類の演出内容の中から今回実行するものを抽籤により決定する。
【0032】
演出内容が決定されると、演出実行手段は、リールの回転が開始されるとき、各リールの回転がそれぞれ停止されるとき、入賞の有無の判定が行われたとき等の各契機に連動させて演出の実行を進める。このように、パチスロでは、内部当籤役に対応づけられた演出内容を実行することによって、決定された内部当籤役(言い換えると、狙うべき図柄の組合せ)を知る或いは予想する機会が遊技者に提供され、遊技者の興味の向上が図られる。
【0033】
また、生体情報検出制御手段は、遊技者の生体情報(例えば、脈拍、血圧、体温等)を検出するタイミングであると判断された場合に、生体情報検出手段(例えば、脈拍測定装置、血圧測定装置、体温計等)による検出を実行する制御を行う。そして、判定手段が検出された生体情報が異常を示す情報であると判定した場合に、外部へ緊急信号を送信する。
【0034】
このように、パチスロでは、遊技者の生体情報(例えば、脈拍、血圧、体温等)を検出し、検出した生体情報が異常を示す情報であるか(例えば、脈拍、血圧、体温等が所定範囲内であるか)判定する。そして、異常がある情報であると判定した場合には、外部へ緊急信号を送信する。従って、例えば、外部として遊技店が備えるサーバを採用する場合、遊技店に医師等を配置しておけば、緊急信号の受信を受けて、医師等がすぐに駆けつけて当該遊技機の遊技者に対して適切な処置を施すことが可能となる。また、例えば、外部として最寄りの医療機関を採用する場合、緊急信号の受信を受けて、当該最寄りの医療機関の医師等がすぐに駆けつけて当該遊技機の遊技者に対して適切な処置を施すことが可能となる。
【0035】
通常、高齢者が遊技中に発作等を発症するのは、何かのきっかけがある場合が多い。そこで、パチスロでは、遊技の間、常に生体情報を検出し続けるのではなく、生体情報を検出するタイミングであると判断した場合に、生体情報の検出を実行する制御を行う。従って、常に検出し続ける場合に比してパチスロの制御にかかる負担を少なくすることができる。このように、パチスロによれば、遊技中に発作等の病を遊技者が発症した場合であっても、適切に対処することを、パチスロの制御に大きな負荷をかけることなく可能とすることができる。
【0036】
パチスロの機能フローについての説明は以上である。
次に、図2を参照して、本実施形態に係るサービス提供システムについて説明する。
図2は、本実施形態に係るサービス提供システムの一例を示すネットワーク構成図である。
【0037】
サービス提供システム500は、通信回線を介して接続された、複数台のパチスロ1(図2では、パチスロ1a、パチスロ1b、パチスロ1c、パチスロ1d)と、医療機関に設置された管理装置300と、遊技店に設置された管理装置400とを備える。パチスロ1は、脈拍測定装置90(図3参照)を備えており、所定のタイミングで遊技者の脈拍を測定する。そして、測定した脈拍が異常を示す値(データ)である場合には、医療機関の管理装置300に緊急信号を送信する。また、パチスロ1は、当該パチスロ1で遊技を行う遊技者を撮像することが可能なCCDカメラ91(図3参照)が備えられており、測定した脈拍が異常を示す値である場合には、カメラで撮像した画像を示す画像データを管理装置300に送信する。
【0038】
管理装置300では、受信した画像データに基づく画像が表示される。この画像には、当該画像データの送信元のパチスロ1で遊技を行っている遊技者が撮像されているため、管理装置300が設置されている医療機関においてこの画像を見ることができる。そして、この画像を見た医療行為者が医療処置方法を入力すると、入力した医療処置方法を示す処置方法データが、画像データの送信元のパチスロ1の隣に設置されているパチスロ1に送信される。例えば、パチスロ1bから画像データが送信されてきた場合には、パチスロ1bの両隣に設置されているパチスロ1(パチスロ1a、及び、パチスロ1c)に処置方法データが送信される。
【0039】
処置方法データを受信したパチスロ1では、受信した処置方法データに基づく処置依頼画像が表示される。その結果、救急等が駆けつけるまでの間にも、病を発症した遊技者の近くで遊技を行っていた他の遊技者が即座に適切な処置を施すことが可能になる。
【0040】
また、パチスロ1において薬の選択が行われた場合には、パチスロ1から遊技店に備えられているサーバ400に、どの薬が選択されたかを示す選択信号と、当該パチスロ1の識別情報とが送信される。これにより、遊技店は、サーバ400に送信された選択信号、及び、識別情報により、どのパチスロ1において薬が獲得されたかを知ることができる。
【0041】
次に、図3及び図4を参照して、本実施の形態におけるパチスロの構造について説明する。
【0042】
図3は、本実施形態に係るパチスロの外部構造を示す斜視図である。
【0043】
本発明に係る遊技機は、遊技媒体として、コイン、メダル又はトークン等の他、遊技者に付与されたか、若しくは、付与される遊技価値の情報を記憶したカード等を用いて遊技を行うことが可能な遊技機であるが、以下においては、メダルを用いるパチスロ1について説明することとする。
【0044】
パチスロ1は、リールや回路基板等を収容するキャビネット2と、キャビネット2に対して開閉可能に取り付けられるフロントドア8とを備える。キャビネット2の内部には、3つのリール3(リール3L、3C及び3R)が横並びに設けられている。各リール3は、円筒状のフレームの周面に、複数の図柄(例えば21個)が回転方向に沿って連続的に配された帯状のシートを貼り付けて構成されている。
【0045】
フロントドア8の中央には、表示手段としての液晶表示装置5が設けられている。液晶表示装置5は、図柄表示領域4(図柄表示領域4L、4C及び4R)を含む表示画面を備え、正面から見て3つのリール3に重畳する手前側に位置するように設けられている。図柄表示領域4は、3つのリール3のそれぞれに対応して設けられており、その背後に設けられたリール3を透過することが可能な構成を備えている。
【0046】
本発明の表示手段としては、液晶表示装置に限定されず、例えば、ブラウン管表示装置、プラズマ表示装置等を挙げることができる。
【0047】
つまり、図柄表示領域4は、表示窓としての機能を果たすものであり、その背後に設けられたリール3の回転及びその停止の動作が遊技者側から視認可能となる。また、本実施の形態では、図柄表示領域4を含めた表示画面の全体を使って、映像の表示が行われ、演出が実行される。
【0048】
図柄表示領域4(以下、表示窓4)は、その背後に設けられたリールの回転が停止されたとき、リール3の表面に配された複数種類の図柄のうち、その枠内における上段、中段及び下段の各領域にそれぞれ1個の図柄(合計で3個)を表示する。また、各表示窓4が有する上段、中段及び下段からなる3つの領域のうち予め定められた何れかをそれぞれ組合せてなる擬似的なラインを、入賞か否かの判定を行う対象となるライン(入賞判定ラインL)として定義する。
【0049】
本実施の形態では、各表示窓4の上段を組合せてなるトップライン、各表示窓4の中段を組合せてなるセンターライン、各表示窓4の下段を組合せてなるボトムライン、表示窓4Lの上段、表示窓4Cの中段及び表示窓4Rの下段を組合せてなるクロスダウンライン、表示窓4Lの下段、表示窓4Cの中段及び表示窓4Rの上段を組合せてなるクロスアップラインの5つを入賞判定ラインLとして設けている。
【0050】
フロントドア8には、遊技者による操作の対象となる各種装置が設けられている。メダル投入口22は、遊技者によって外部から投下されるメダルを受け入れるために設けられる。メダル投入口22に受け入れられたメダルは、所定枚数(例えば3枚)を上限として1回の遊技に投入されることとなり、所定枚数を超えた分はパチスロ内部に預けることが可能となる(いわゆるクレジット機能)。
【0051】
ベットボタン11及びベットボタン13は、パチスロ内部に預けられているメダルから1回の遊技に投入する枚数を決定するために設けられる。精算ボタン14は、パチスロ内部に預けられているメダルを外部に引き出すために設けられる。
【0052】
スタートレバー6は、全てのリール3の回転を開始するために設けられる。ストップボタン7(ストップボタン7L、7C及び7R)は、3つのリール3のそれぞれに対応づけられ、対応するリール3の回転を停止するために設けられる。
【0053】
応急処置可能化ボタン92は、緊急時に応急処置が行われることを要求することを入力するためのものである。応急処置可能化ボタン92は、本発明の入力手段に相当するものである。
【0054】
また、フロントドア8には、脈拍測定装置90と、CCDカメラ91とが設けられている。
脈拍測定装置90は、遊技者の脈拍を測定するためのものである。脈拍測定装置90は、本発明の生体情報検出手段に相当するものである。なお、脈拍測定装置としては、従来公知のものを採用することができ、本実施形態のように指で測るものであってもよく、腕で測るものであってもよい。また、本発明における生体情報検出手段は、脈拍の検出に限られず、例えば、生体情報としての血圧、体温等を検出するものであってもよい。また、本実施形態では、脈拍という1種類の生体情報を用い、脈拍が異常であるかどうかにより、生体情報が異常を示す情報であるか否かを判断する場合について説明するが、本発明においてはこの例に限定されず、脈拍と血圧、血圧と体温といったように、複数種類の生体情報を用い、生体情報が異常を示す情報であるか否かを判断することとしてもよい。
CCDカメラ91は、当該パチスロ1で遊技を行う遊技者を撮像可能に設置されている。CCDカメラ91は、本発明の撮像手段に相当する。本実施形態では、撮像手段としてCCDカメラを用いる場合について説明するが、本発明における撮像手段は、特に限定されるものではなく、例えば、CMOSセンサカメラ等を挙げることができる。
【0055】
7セグ表示器18は、7セグメントLEDからなり、今回の遊技に投入されたメダルの枚数(以下、投入枚数)、特典として遊技者に対して払い出すメダルの枚数(以下、払出枚数)、パチスロ内部に預けられているメダルの枚数(以下、クレジット枚数)等の情報を遊技者に対してデジタル表示する。
【0056】
ランプ9(LED等)は、演出内容に応じた点消灯のパターンにて光を出力する。スピーカ21(スピーカ21L及び21R)は、演出内容に応じた効果音や楽曲等の音を出力する。メダル払出口15は、後述のメダル払出装置50の駆動により排出されるメダルを外部に導く。メダル払出口15から排出されたメダルは、メダル受皿16に貯められる。
【0057】
図4は、図3に示したパチスロの内部構造を示す正面図である。
フロントドア8が開放され、フロントドア8の裏面側の構造及びキャビネット2内部の構造が現れた状態が示されている。
【0058】
キャビネット2内部の上方には、主制御回路81を構成する基板(以下、主基板)が設けられている。主制御回路81は、内部当籤役の決定、リールの回転及び停止、入賞の有無の判定といった、パチスロにおける遊技の主な流れを制御する回路である。主制御回路81の具体的な構成は後述する。
【0059】
キャビネット2内部の中央には、3つのリール3(リール3L、3C及び3R)が設けられている。各リール3のそれぞれには、所定の減速比をもったギアを介してステッピングモータ59(ステッピングモータ59L、59C及び59R)が接続されている。
【0060】
3つのリール3の左側には、副制御回路82を構成する基板(以下、副基板)が設けられている。副制御回路82は、映像の表示等による演出の実行を制御する回路である。副制御回路82の具体的な構成は後述する。
【0061】
キャビネット2内部の下方には、多量のメダルを収容可能で、それらを1枚ずつ排出可能な構造を有するメダル払出装置50(以下、ホッパー50)が設けられている。ホッパー50の左側には、パチスロ1が有する各装置に対して必要な電力を供給するための電源装置54が設けられている。
【0062】
フロントドア8裏側の中央、表示窓4(表示窓4L、4C及び4R)の下方には、セレクタ52が設けられている。セレクタ52は、材質や形状等が適正であるメダルか否かを選別する装置であり、メダル投入口22に受け入れられた適正なメダルをホッパー50へ案内する。尚、セレクタ52内においてメダルが通過する経路上には、後述のメダルセンサ22Sが設けられており、適正なメダルが通過したことを検出する。
【0063】
パチスロ1の構造についての説明は以上である。次に、図5及び図6を参照して、本実施の形態におけるパチスロ1が備える回路の構成について説明する。本実施の形態におけるパチスロ1は、主制御回路81、副制御回路82及びこれらと電気的に接続する周辺装置(アクチュエータ)を備える。
【0064】
図5は、図4に示したパチスロの主制御回路の構成を示すブロック図である。
【0065】
主制御回路81は、回路基板上に設置されたマイクロコンピュータ40を主たる構成要素としている。マイクロコンピュータ40は、CPU41(以下、メインCPU41)、ROM42(以下、メインROM42)及びRAM43(以下、メインRAM43)により構成される。
【0066】
メインROM42には、メインCPU41により実行される制御プログラム、内部抽籤テーブル等のデータテーブル、副制御回路82に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が記憶されている。メインRAM43には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられる。
【0067】
メインCPU41には、クロックパルス発生回路144、分周器145、乱数発生器146及びサンプリング回路147が接続されている。クロックパルス発生回路144及び分周器145は、クロックパルスを発生する。メインCPU41は、発生されたクロックパルスに基づいて、制御プログラムを実行する。乱数発生器146は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0〜65535)を発生する。サンプリング回路147は、発生された乱数の中から1つの値を抽出する。
【0068】
マイクロコンピュータ40の入力ポートには、スイッチ等が接続されている。メインCPU41は、スイッチ等の入力を受けて、ステッピングモータ59(ステッピングモータ59L、59C及び59R)等の周辺装置の動作を制御する。ストップスイッチ56は、3つのストップボタン7(ストップボタン7L、7C及び7R)のそれぞれが遊技者により押されたこと(停止操作)を検出する。また、スタートスイッチ6Sは、スタートレバー6が遊技者により操作されたこと(開始操作)を検出する。
【0069】
メダルセンサ22Sは、メダル投入口22に受け入れられたメダルが前述のセレクタ52内を通過したことを検出する。また、ベットスイッチ11S及びベットスイッチ13Sは、ベットボタン11及びベットボタン13が遊技者により押されたことを検出する。また、精算スイッチ14Sは、精算ボタン14が遊技者により押されたことを検出する。
【0070】
応急処置可能化スイッチ92Sは、応急処置可能化ボタン92が遊技者により押されたことを検出する。
【0071】
マイクロコンピュータ40により動作が制御される周辺装置としては、ステッピングモータ59、7セグ表示器18及びホッパー50がある。また、マイクロコンピュータ40の出力ポートには、各周辺装置の動作を制御するための回路が接続されている。
【0072】
モータ駆動回路49は、各リール3(リール3L、3C及び3R)に対応して設けられたステッピングモータ59の駆動を制御する。リール位置検出回路60は、発光部と受光部とを有する光センサにより、リール3が一回転したことを示すリールインデックスを各リール3に応じて検出する。
【0073】
ステッピングモータ59は、運動量がパルスの出力数に比例し、回転軸を指定された角度で停止させることが可能な構成を備えている。ステッピングモータ59の駆動力は、所定の減速比をもったギアを介してリール3に伝達される。ステッピングモータ59に対して1回のパルスが出力されるごとに、リール3は一定の角度で回転する。
【0074】
メインCPU41は、リールインデックスを検出してからステッピングモータ59に対してパルスを出力した回数をカウントすることによって、リールの回転角度(主に、リール3が図柄何個分だけ回転したか)を管理し、リール3の表面に配された各図柄の位置を管理するようにしている。
【0075】
表示部駆動回路58は、7セグ表示器18の動作を制御する。また、ホッパー駆動回路51は、ホッパー50の動作を制御する。また、払出完了信号回路61は、ホッパー50に設けられたメダル検出部50Sが行うメダルの検出を管理し、ホッパー50から外部に排出されたメダルが払出枚数に達したか否かをチェックする。
【0076】
図6は、図5に示した副制御回路の構成を示すブロック図である。
【0077】
副制御回路82は、主制御回路81と電気的に接続されており、主制御回路81から送信されるコマンドに基づいて演出内容の決定や実行等の処理を行う。副制御回路82は、基本的に、CPU206(以下、サブCPU206)、ROM208(以下、サブROM208)、RAM210(以下、サブRAM210)、レンダリングプロセッサ212、描画用RAM216、ドライバ218、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)232、オーディオRAM234及びA/D変換器233及びアンプ236を含んで構成されている。
【0078】
サブCPU206は、主制御回路81から送信されたコマンドに応じて、サブROM208に記憶されている制御プログラムに従い、映像、音、光の出力の制御を行う。サブRAM210は、決定された演出内容や演出データを登録する格納領域や、主制御回路81から送信される内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられている。サブROM208は、基本的に、プログラム記憶領域とデータ記憶領域によって構成される。
【0079】
プログラム記憶領域には、サブCPU206が実行する制御プログラムが記憶されている。例えば、制御プログラムには、主制御回路81との通信を制御するための主基板通信タスクや、演出用乱数値を抽出し、演出内容(演出データ)の決定及び登録を行うための演出登録タスク、決定した演出内容に基づいて液晶表示装置5による映像の表示を制御する描画制御タスク、ランプ9による光の出力を制御するランプ制御タスク、スピーカ21(スピーカ21L及び21R)による音の出力を制御する音声制御タスク等が含まれる。
【0080】
データ記憶領域は、各種データテーブルを記憶する記憶領域、各演出内容を構成する演出データを記憶する記憶領域、映像の作成に関するアニメーションデータを記憶する記憶領域、BGMや効果音に関するサウンドデータを記憶する記憶領域、光の点消灯のパターンに関するランプデータを記憶する記憶領域等が含まれている。
【0081】
また、副制御回路82には、その動作が制御される周辺装置として、液晶表示装置5、スピーカ21及びランプ9が接続されている。
【0082】
サブCPU206、レンダリングプロセッサ212、描画用RAM216(フレームバッファを含む)及びドライバ218は、演出内容により指定されたアニメーションデータに従って映像を作成し、作成した映像を液晶表示装置5により表示する。
【0083】
また、サブCPU206、DSP232、オーディオRAM234、A/D変換器233及びアンプ236は、演出内容により指定されたサウンドデータに従ってBGM等の音をスピーカ21により出力する。また、サブCPU206は、演出内容により指定されたランプデータに従ってランプ9の点灯及び消灯を行う。
【0084】
また、副制御回路82には、脈拍測定装置90の脈拍センサ90aが接続されており、所定のタイミングで駆動され、脈拍の測定が行われる。また、副制御回路82には、CCDカメラ91が接続されており、脈拍測定装置90により測定された脈拍が異常を示す値(データ)である場合に駆動される。
【0085】
本実施形態において、メインCPU41及びメインROM42を含む主制御回路81と、サブCPU206及びサブROM208を含む副制御回路82と、を別々に構成したが、これに限らず、メインCPU41及びメインROM42を含む主制御回路81のみで構成してもよく、この場合には、上述したサブROM208に記憶されているプログラムをメインROM42に記憶させ、メインCPU41により実行されるように構成してもよい。もちろん、サブCPU206及びサブROM208を含む副制御回路82のみで構成するようにしてもよく、この場合には、上述したメインROM42に記憶されているプログラムをサブROM208に記憶させ、サブCPU206により実行されるように構成してもよい。
【0086】
パチスロ1が備える回路の構成についての説明は以上である。次に、図7〜図13を参照して、メインROM42に記憶されている各種データテーブルの構成について説明する。
【0087】
図7を参照して、図柄配置テーブルについて説明する。
図7は、図柄配置テーブルを示す図である。
図柄配置テーブルは、各リール3(リール3L、3C及び3R)の回転方向における各図柄の位置と、各位置に配された図柄の種類を特定するデータ(以下、図柄コード)とを規定している。
【0088】
図柄配置テーブルは、リールインデックスが検出されるときに表示窓4(表示窓4L、4C及び4R)内の中段に存在する図柄の位置を「0」として、リール3の回転方向に進む順に、各図柄の位置に対して「0」〜「20」をそれぞれ割り当てている。したがって、リールインデックスが検出されてから図柄何個分の回転が行われたかを管理しつつ、図柄配置テーブルを参照することによって、主として表示窓4の中段に存在する図柄の位置及びその図柄の種類を常に管理することが可能となっている。
【0089】
図8を参照して、図柄組合せテーブルについて説明する。
図8は、図柄組合せテーブルを示す図である。
本実施の形態では、入賞判定ラインLに沿って各リール3(リール3L、3C及び3R)により表示される図柄の組合せが、図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せと一致する場合に、入賞と判定され、メダルの払い出し、再遊技の作動、ボーナスゲームの作動といった特典が遊技者に対して与えられる。
【0090】
図柄組合せテーブルは、特典の種類に応じて予め定められた図柄の組合せと、表示役と、払出枚数とを規定している。表示役は、入賞判定ラインLに沿って表示された図柄の組合せを識別するデータである。
【0091】
表示役は、各ビットに対して固有の図柄の組合せが割り当てられた1バイトのデータとして表される。例えば、各リール3の図柄「ベル」が入賞判定ラインLに沿って表示されたとき、表示役として「ベル(00000010)」が決定される。
【0092】
また、払出枚数として1以上の数値が決定された場合、メダルの払い出しが行われる。本実施の形態では、表示役としてチェリー、ベル又はスイカが決定されたときメダルの払い出しが行われる。また、払出枚数は、投入枚数に応じて規定されており、基本的に投入枚数が少ないときの方がより多くの払出枚数が決定される。
【0093】
また、表示役としてリプレイが決定されたとき、再遊技の作動が行われる。表示役としてBBが決定されたとき、ボーナスの作動が行われる。尚、入賞判定ラインLに沿って表示された図柄の組合せが、図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せの何れとも一致しない場合には、いわゆる「ハズレ」となる。
【0094】
図9を参照して、ボーナス作動時テーブルについて説明する。
図9は、ボーナス作動時テーブルを示す図である。
ボーナス作動時テーブルは、ボーナスの作動が行われるときに、メインRAM43に設けられた各種格納領域に格納するデータを規定している。
【0095】
作動中フラグは、作動が行われるボーナスの種類を識別するためのデータである。本実施の形態では、ボーナスの種類としてBB(第1種特別役物に係る役物連続作動装置)及びRB(第1種特別役物)を設けている。RBの作動は、BBの作動が行われている間、連続的に行われる。
【0096】
BBの作動は、規定枚数に達するメダルの払い出しが行われた場合に終了する。RBの作動は、規定回数に達する遊技が行われた場合、規定回数に達する入賞が有った場合、又は、BBの作動が終了した場合の何れかによって終了する。ボーナス終了枚数カウンタ、遊技可能回数カウンタ及び入賞可能回数カウンタは、ボーナスの終了契機となる上記規定枚数或いは上記規定回数に達したか否かを管理するためのデータである。
【0097】
より具体的には、ボーナス作動時テーブルにより規定されている数値が上記各カウンタに格納され、ボーナスの作動を通じてその減算が行われていく。その結果、各カウンタの値が「0」に更新されたことを条件に該当ボーナスの作動が終了する。
【0098】
図10及び図11を参照して、内部抽籤テーブルについて説明する。
図10は、一般遊技状態用内部抽籤テーブルを示す図である。
図11は、RB作動中用内部抽籤テーブルを示す図である。
内部抽籤テーブルは、当籤番号に応じて、データポインタと抽籤値とを規定している。データポインタは、内部抽籤テーブルを参照して行う抽籤の結果として取得されるデータであり、後述の内部当籤役決定テーブルにより規定されている内部当籤役を指定するためのデータである。データポインタには、小役・リプレイ用データポインタ及びボーナス用データポインタが設けられている。
【0099】
本実施の形態では、予め定められた数値の範囲「0〜65535」から抽出される乱数値を、各当籤番号に応じた抽籤値で順次減算し、減算の結果が負となったか否か(いわゆる「桁かり」が生じたか否か)の判定を行うことによって内部的な抽籤が行われる。
【0100】
したがって、抽籤値として規定されている数値が大きいほど、これが割り当てられたデータ(つまり、データポインタ)が決定される確率が高い。尚、各当籤番号の当籤確率は、「各当籤番号に対応する抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(65536)」によって表すことができる。
【0101】
図10は、一般遊技状態用内部抽籤テーブルを示す。図11は、RB作動中用内部抽籤テーブルを示す。本実施の形態では、ボーナスの作動が行われているか否かといった状況に応じて、複数種類の内部抽籤テーブルを使い分けることにより、決定される内部当籤役の種類や当籤確率を変動させ、この結果、遊技者が抱く期待に起伏が生じるようにしている。
【0102】
図12及び図13を参照して、内部当籤役決定テーブルについて説明する。
図12は、小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルを示す図である。
図13は、ボーナス用内部当籤役決定テーブルを示す図である。
内部当籤役決定テーブルは、データポインタに応じて内部当籤役を規定している。データポインタが決定されると、内部当籤役が一義的に取得される構成となっている。
【0103】
内部当籤役は、入賞判定ラインLに沿って表示を許可する各リール3(リール3L、3C及び3R)の図柄の組合せを識別するデータである。内部当籤役は、表示役と同様に、各ビットに対して固有の図柄の組合せが割り当てられた1バイトのデータとして表される。尚、データポインタが「0」のとき、内部当籤役の内容は「ハズレ」となるが、これは前述の図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せの表示が何れも許可されないことを示す。
【0104】
図12は、小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルを示す。小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルは、メダルの払い出しに係る内部当籤役又は再遊技の作動に係る内部当籤役を規定している。図13は、ボーナス用内部当籤役決定テーブルを示す。ボーナス用内部当籤役決定テーブルは、ボーナスの作動に係る内部当籤役を規定している。
【0105】
メインROM42に記憶されているデータテーブルの内容についての説明は以上である。次に、図14〜図16を参照して、メインRAM43に設けられている各種格納領域の構成について説明する。
【0106】
図14を参照して、内部当籤役格納領域の構成について説明する。
図14は、内部当籤役格納領域を説明するための図である。
内部当籤役格納領域は、前述の1バイトのデータにより表される内部当籤役を格納する。ビットに「1」が立っているとき、該当する図柄の組合せの表示が許可される。尚、全ビットが「0」であるとき、その内容はハズレとなる。
【0107】
尚、メインRAM43には、前述の表示役が格納される表示役格納領域が設けられている。表示役格納領域の構成は、内部当籤役格納領域の構成と同様となっている。ビットに「1」が立っているとき、該当する図柄の組合せが入賞判定ラインLに沿って表示されたことになる。
【0108】
図15を参照して、持越役格納領域の構成について説明する。
図15は、持越役格納領域を説明するための図である。
【0109】
前述の抽籤の結果、ボーナスの作動に係る内部当籤役が決定されたときは、これが持越役格納領域に格納される。持越役格納領域に格納されたボーナスの作動に係る内部当籤役(以下、持越役)は、対応する図柄の組合せが入賞判定ラインLに表示されるまで、その内容がクリアされずに保持される構成となっている。そして、持越役格納領域に持越役が格納されている間は、前述の抽籤の結果にかかわらず、これが内部当籤役格納領域に格納される。
【0110】
図16を参照して、作動中フラグ格納領域の構成について説明する。
図16は、作動中フラグ格納領域を説明するための図である。
【0111】
作動中フラグ格納領域は、1バイトからなる作動中フラグを格納する。作動中フラグは、各ビットに対して固有のボーナスが割り当てられている。ビットに「1」が立っているとき、該当するボーナスの作動が行われている。尚、全ビットが「0」であるときの状態を一般遊技状態と定義する。
【0112】
メインRAM43に設けられる各種格納領域の構成についての説明は以上である。次に、図17〜図23を参照して、主制御回路81のメインCPU41により実行されるプログラムの内容について説明する。
【0113】
まず、図17を参照して、メインCPU41の制御によるメインフローチャートについて説明する。
図17は、図5に示した主制御回路のメインCPUにより実行される処理を示すフローチャートである。
パチスロ1に電源が投入されると、はじめに、メインCPU41は、初期化処理を行う(ステップS1)。次に、メインCPU41は、メインRAM43における指定格納領域のクリアを行う(ステップS2)。例えば、内部当籤役格納領域や表示役格納領域等、1回の遊技ごとに消去が必要となる格納領域に格納されたデータがクリアされる。
【0114】
次に、メインCPU41は、後で図18を参照して説明するメダル受付・スタートチェック処理を行う(ステップS3)。この処理では、メダルセンサ22Sやスタートスイッチ6Sの入力のチェック等が行われる。
【0115】
次に、メインCPU41は、乱数値を抽出し、メインRAM43に設けられた乱数値格納領域に格納する(ステップS4)。次に、メインCPU41は、後で図19を参照して説明する内部抽籤処理を行う(ステップS5)。この処理では、乱数値に基づいた抽籤により内部当籤役の決定が行われる。次に、メインCPU41は、スタートコマンドを副制御回路82に対して送信する(ステップS6)。スタートコマンドは、内部当籤役等を特定するパラメータを含んで構成される。
【0116】
次に、メインCPU41は、全メインリール3(リール3L、3C及び3R)の回転開始を要求する(ステップS7)。尚、全メインリール3の回転開始が要求されると、一定の周期(1.1173msec)で実行される割込処理(後述の図23)によってステッピングモータ59(ステッピングモータ59L、59C及び59R)の駆動が制御され、各リール3の回転が開始される。
【0117】
次に、メインCPU41は、後で図20を参照して説明するリール停止制御処理を行う(ステップS8)。この処理では、ストップスイッチの入力のチェックが行われ、ストップボタンが押されたタイミングと内部当籤役とに基づいて該当リールの回転が停止される。
【0118】
次に、メインCPU41は、入賞判定ラインLに沿って表示された図柄の組合せを検索し、その結果に基づいて払出枚数等を決定する(ステップS9)。検索の結果、入賞判定ラインLに沿って表示された図柄の組合せが図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せと一致する場合、対応する表示役及び払出枚数が決定される。次に、メインCPU41は、表示コマンドを副制御回路82に対して送信する(ステップS10)。表示コマンドは、表示役や払出枚数等を特定するパラメータを含んで構成される。
【0119】
次に、メインCPU41は、メダル払出処理を行う(ステップS11)。決定された払出枚数に基づいて、ホッパー50の駆動やクレジット枚数の更新が行われる。次に、メインCPU41は、払出枚数に基づいて、ボーナス終了枚数カウンタを更新する(ステップS12)。払出枚数として決定された数値がボーナス終了枚数カウンタから減算される。
【0120】
次に、メインCPU41は、ボーナス作動中フラグがオンであるか否かを判別する(ステップS13)。メインCPU41は、ボーナス作動中フラグがオンであると判別したときには、後で図22を参照して説明するボーナス終了チェック処理を行う(ステップS14)。ボーナスの終了契機を管理するための各種カウンタを参照して、ボーナスの作動を終了するか否かがチェックされる。
【0121】
メインCPU41は、ステップS14の後、又は、ステップS13においてボーナス作動中フラグがオンではないと判別したときには、後で図21を参照して説明するボーナス作動チェック処理を行う(ステップS15)。ボーナスの作動を開始するか否かがチェックされる。この処理が終了すると、ステップS2に移る。
【0122】
次に、図18を参照して、メダル受付・スタートチェック処理について説明する。
図18は、メダル受付・スタートチェック処理を示すフローチャートである。
はじめに、メインCPU41は、自動投入カウンタは0であるか否かを判別する(ステップS31)。自動投入カウンタは0であると判別したときには、メダル通過許可を行う(ステップS32)。セレクタ52のソレノイドの駆動が行われ、セレクタ52内のメダルの通過が促される。
【0123】
メインCPU41は、自動投入カウンタは0ではないと判別したときには、自動投入カウンタを投入枚数カウンタに複写する(ステップS33)。次に、メインCPU41は、自動投入カウンタをクリアする(ステップS34)。ステップS33及びステップS34は再遊技を行うための処理である。
【0124】
メインCPU41は、ステップS32又はステップS34の後で、投入枚数カウンタの最大値として3をセットする(ステップS35)。次に、メインCPU41は、ボーナス作動中フラグがオンであるか否かを判別する(ステップS36)。メインCPU41は、ボーナス作動中フラグがオンであると判別したときには、投入枚数カウンタの最大値を変更する(ステップS37)。例えば、最大値が2に変更される。
【0125】
メインCPU41は、ステップS37の後、又は、ステップS36においてボーナス作動中フラグがオンではないと判別したときには、メダルの通過は検出されたか否かを判別する(ステップS38)。メインCPU41は、メダルの通過は検出されたと判別したときには、投入枚数カウンタは最大値に達したか否かを判別する(ステップS39)。メインCPU41は、投入枚数カウンタは最大値に達していないと判別したときには、投入枚数カウンタを1加算する(ステップS40)。次に、メインCPU41は、有効ラインカウンタに5を格納する(ステップS41)。次に、メインCPU41は、メダル投入コマンドを副制御回路82に対して送信する(ステップS42)。メダル投入コマンドは、投入枚数等を特定するためのパラメータを含んで構成されている。
【0126】
メインCPU41は、ステップS39において投入枚数カウンタは最大値であると判別したときには、クレジットカウンタを1加算する(ステップS43)。なお、クレジットカウンタは、メインRAM43の所定領域に記憶されている。クレジットカウンタを記憶するメインRAM43は、投入されたメダルの枚数をクレジットとして記憶する記憶手段として機能する。メインCPU41は、ステップS43の後、ステップS42の後、又は、ステップS38においてメダルの通過が検出されていないと判別したときには、ベットスイッチ11S及びベットスイッチ13Sのチェックを行う(ステップS44)。ベットボタン11及びベットボタン13に対応する数値が投入枚数カウンタに加算される一方でクレジットカウンタから減算される。
【0127】
次に、メインCPU41は、投入枚数カウンタは最大値に達したか否かを判別する(ステップS45)。投入枚数カウンタは最大値に達していないと判別したときには、ステップS38に移る一方で、投入枚数カウンタは最大値に達したと判別したときには、スタートスイッチ6Sはオンであるか否かを判別する(ステップS46)。
【0128】
メインCPU41は、スタートスイッチ6Sはオンではないと判別したときには、ステップS38に移る一方で、スタートスイッチ6Sはオンであると判別したときには、メダル通過禁止を行う(ステップS47)。セレクタ52のソレノイドの駆動が行われず、メダルの排出が促される。この処理が終了すると、メダル受付・スタートチェック処理を終了する。
【0129】
次に、図19を参照して、内部抽籤処理について説明する。
図19は、内部抽籤処理を示すフローチャートである。
なお、図19に示す内部抽籤処理を実行するとき、メインCPU41は、内部抽籤手段として機能する。
【0130】
はじめに、メインCPU41は、内部抽籤テーブル及び抽籤回数を決定する(ステップS61)。作動中フラグ格納領域が参照され、ボーナスの作動の有無等に応じて、内部抽籤テーブル及び抽籤回数が決定される。尚、抽籤回数は、内部抽籤テーブルにより規定された各当籤番号について、抽籤値の減算及び桁かりが生じたか否かの判定を行う回数を示す。
【0131】
次に、メインCPU41は、乱数値格納領域に格納されている乱数値を取得し、判定用乱数値としてセットする(ステップS62)。次に、メインCPU41は、当籤番号の初期値として1をセットする(ステップS63)。
【0132】
次に、メインCPU41は、内部抽籤テーブルを参照し、当籤番号に対応する抽籤値を取得する(ステップS64)。次に、メインCPU41は、判定用乱数値から抽籤値を減算する(ステップS65)。次に、メインCPU41は、桁かりが行われたか否かを判別する(ステップS66)。メインCPU41は、桁かりが行われていないと判別したときには、抽籤回数を1減算し、当籤番号を1加算する(ステップS67)。
【0133】
次に、メインCPU41は、抽籤回数は0であるか否かを判別する(ステップS68)。メインCPU41は、抽籤回数は0ではないと判別したときには、ステップS64に移る一方で、抽籤回数は0であると判別したときには、小役・リプレイ用データポインタとして0をセットし、ボーナス用データポインタとして0をセットする(ステップS69)。
【0134】
メインCPU41は、ステップS66において桁かりが行われたと判別したときには、現在の当籤番号に応じて、小役・リプレイ用データポインタ及びボーナス用データポインタを取得する(ステップS70)。メインCPU41は、ステップS70又はステップS69の後で、小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルを参照し、小役・リプレイ用データポインタに基づいて内部当籤役を取得する(ステップS71)。
【0135】
次に、メインCPU41は、取得した内部当籤役を内部当籤役格納領域に格納する(ステップS72)。次に、メインCPU41は、持越役格納領域に格納されているデータは0であるか否かを判別する(ステップS73)。メインCPU41は、持越役格納領域に格納されているデータは0であると判別したときは、ボーナス用内部当籤役決定テーブルを参照し、ボーナス用データポインタに基づいて内部当籤役を取得する(ステップS74)。次に、メインCPU41は、取得した内部当籤役を持越役格納領域に格納する(ステップS75)。
【0136】
メインCPU41は、ステップS75の後、又は、ステップS73において持越役格納領域に格納されているデータは0ではないと判別したときには、持越役格納領域と内部当籤役格納領域との論理和をとり、その結果を内部当籤役格納領域に格納する(ステップS76)。つまり、ボーナスの作動に係る内部当籤役の持ち越しが行われる。この処理が終了すると、内部抽籤処理を終了する。
【0137】
次に、図20を参照して、リール停止制御処理について説明する。
図20は、リール停止制御処理を示すフローチャートである。
【0138】
はじめに、メインCPU41は、有効なストップボタン7(ストップボタン7L、7C及び7R)が押されたか否かを判別する(ステップS101)。メインCPU41は、有効なストップボタン7が押されていないと判別したときには、これが押されるまで待機する。
【0139】
メインCPU41は、有効なストップボタン7が押されたと判別したときには、該当ストップボタン7の操作を無効化する(ステップS102)。各ストップボタン7の有効及び無効の状態は、メインRAM43に設けられた所定の格納領域において管理される。
【0140】
次に、メインCPU41は、チェック回数として5をセットする(ステップS103)。本実施の形態では、滑り駒数の最大数を「4」としていることから、ストップボタン7が押されたときに該当表示窓4(表示窓4L、4C又は4R)の中段にある図柄の位置を含め、そこから4個先の図柄の位置までがチェックの対象となる。つまり、「0」、「1」、「2」、「3」及び「4」の5つの数値の何れかが滑り駒数として決定される。
【0141】
次に、メインCPU41は、内部当籤役に基づいて、ストップボタン7が押されたときに該当表示窓4の中段にある図柄の位置(以下、停止開始位置)を含めたチェック回数の範囲内にある各図柄の位置の中で、最も優先順位の高い図柄の位置を検索する(ステップS104)。この処理では、内部当籤役によって表示が許可されている図柄の組合せを、入賞判定ラインLに沿って表示することが可能となる図柄の位置が、最も優先順位の高い図柄の位置として決定される。
【0142】
次に、メインCPU41は、検索の結果に基づいて滑り駒数を決定する(ステップS105)。停止開始位置から上記最も優先順位の高い図柄の位置までの図柄の個数が滑り駒数として決定される。次に、メインCPU41は、停止予定位置待ちへ移行する(ステップS106)。停止予定位置待ちへ移行すると、後述の割込処理によってステッピングモータ(ステッピングモータ59L、59C及び59R)の駆動が制御され、最も優先順位の高い図柄の位置が該当表示窓4の中段に到達するのを待って該当リール3の回転が停止される。
【0143】
次に、メインCPU41は、リール停止コマンドを副制御回路82に対して送信する(ステップS107)。リール停止コマンドは、停止したリール3の種別等を特定するパラメータを含んで構成されている。
【0144】
次に、メインCPU41は、操作が有効なストップボタン7があるか否かを判別する(ステップS108)。つまり、まだ回転中のリール3があるか否かが判別される。メインCPU41は、操作が有効なストップボタン7があると判別したときには、ステップS101に移る一方で、操作が有効なストップボタン7がないと判別したときには、リール停止制御処理を終了する。
【0145】
次に、図21を参照して、ボーナス作動チェック処理について説明する。
図21は、ボーナス作動チェック処理を示すフローチャートである。
はじめに、メインCPU41は、表示役はBBであるか否かを判別する(ステップS121)。メインCPU41は、表示役はBBであると判別したときには、ボーナス作動時テーブルを参照し、BB作動時処理を行う(ステップS122)。この処理では、BB作動中フラグがオンにされ、ボーナス終了枚数カウンタに所定値がセットされる。ステップS122の処理を実行するとき、メインCPU41は、BB(特別遊技状態)を発生させる特別遊技状態発生手段として機能する。
【0146】
次に、メインCPU41は、持越役格納領域をクリアする(ステップS123)。次に、メインCPU41は、ボーナス開始コマンドを副制御回路82に対して送信する(ステップS124)。この処理が終了すると、ボーナス作動チェック処理を終了する。
【0147】
メインCPU41は、ステップS121において表示役はBBではないと判別したときには、表示役はリプレイであるか否かを判別する(ステップS125)。メインCPU41は、表示役はリプレイであると判別したときには、投入枚数カウンタの値を自動投入カウンタに複写する(ステップS126)。
【0148】
メインCPU41は、ステップS125において表示役はリプレイではないと判別したときには、BB作動中フラグはオンであるか否かを判別する(ステップS127)。メインCPU41は、BB作動中フラグはオンではないと判別したときには、ボーナス作動チェック処理を終了する一方で、BB作動中フラグはオンであると判別したときには、RB作動中フラグはオンであるか否かを判別する(ステップS128)。
【0149】
メインCPU41は、RB作動中フラグはオンであると判別したときには、ボーナス作動チェック処理を終了する一方で、RB作動中フラグはオンではないと判別したときには、ボーナス作動時テーブルを参照し、RB作動時処理を行う(ステップS129)。この処理では、RB作動中フラグがオンにされ、入賞可能回数カウンタ及び遊技可能回数カウンタに所定値がセットされる。この処理が終了すると、ボーナス作動チェック処理を終了する。
【0150】
次に、図22を参照して、ボーナス終了チェック処理について説明する。
図22は、ボーナス終了チェック処理を示すフローチャートである。
はじめに、メインCPU41は、ボーナス終了枚数カウンタは0であるか否かを判別する(ステップS141)。メインCPU41は、ボーナス終了枚数カウンタは0であると判別したときには、BB終了時処理を行う(ステップS142)。この処理では、BB作動中フラグ及びRB作動中フラグがオフされ、ボーナスの終了契機を管理するための各種カウンタがクリアされる。次に、メインCPU41は、ボーナス終了コマンドを副制御回路82に対して送信する(ステップS143)。この処理が終了すると、ボーナス終了チェック処理を終了する。
【0151】
メインCPU41は、ステップS141においてボーナス終了枚数カウンタは0ではないと判別したときには、入賞可能回数カウンタ又は遊技可能回数カウンタを更新する(ステップS144)。遊技可能回数カウンタが1減算され、また、入賞が有った場合に入賞可能回数カウンタが1減算される。次に、メインCPU41は、入賞可能回数カウンタ又は遊技可能回数カウンタは0であるか否かを判別する(ステップS145)。
【0152】
メインCPU41は、入賞可能回数カウンタ又は遊技可能回数カウンタは0ではないと判別したときには、ボーナス終了チェック処理を終了する一方で、入賞可能回数カウンタ又は遊技可能回数カウンタは0であると判別したときには、RB終了時処理を行う(ステップS146)。この処理では、RB作動中フラグがオフされ、入賞可能回数カウンタ及び遊技可能回数カウンタがクリアされる。この処理が終了すると、ボーナス終了チェック処理を終了する。
【0153】
次に、図23を参照して、メインCPU41の制御による割込処理(1.1173msec)について説明する。
図23は、割込処理を示すフローチャートである。
はじめに、メインCPU41は、レジスタの退避を行う(ステップS161)。次に、メインCPU41は、入力ポートチェック処理を行う(ステップS162)。この処理では、ストップスイッチ56等の各種スイッチから入力される信号がチェックされる。
【0154】
次に、メインCPU41は、リール制御処理を行う(ステップS163)。この処理では、全リール3(リール3L、3C及び3R)の回転開始が要求されたときに、各リール3の回転を開始し、その後一定速度での回転を行うよう、ステッピングモータ59(ステッピングモータ59L、59C及び59R)の駆動が制御される。また、滑り駒数が決定されたときは、該当リール3の回転が滑り駒数分継続するのを待ってその回転の減速及び停止を行うよう、ステッピングモータ59の駆動が制御される。
【0155】
次に、メインCPU41は、ランプ・7セグ駆動処理を行う(ステップS164)。
【0156】
次に、メインCPU41は、応急処理可能化処理を行う(ステップS165)。この処理につては、図24を用いて後に詳述する。
【0157】
次に、メインCPU41は、レジスタの復帰を行う(ステップS166)。この処理が終了すると、割込処理を終了する。
【0158】
図24は、応急処置可能化処理を示すフローチャートである。
まず、メインCPU41は、クレジットカウンタを参照し、クレジット数が100以上であるか否かを判断する(ステップS181)。クレジット数が100以上であると判断した場合、メインCPU41は、応急処置可能化要求があったか否かを判断する(ステップS182)。この処理において、メインCPU41は、応急処置可能化ボタン92が操作されたか否かを判断する。応急処置可能化要求があったと判断した場合、メインCPU41は、生体情報検出フラグをメインRAM43の所定領域にセットする。これにより、生体情報検出フラグがセットされている間は、ステップS182において応急処置可能化要求があったと判断されることになる。
【0159】
次に、ステップS184において、メインCPU41は、クレジット数を100減算する。ステップS184の処理を実行するとき、メインCPU41は、減算手段として機能する。次に、ステップS185において、生体情報検出要コマンドを副制御回路82に対して送信する。生体情報検出要コマンドは、生体情報の検出を必要とする旨を副制御回路82に通知するためのコマンドである。
【0160】
ステップS181においてクレジット数が100以上ではないと判断された場合、ステップS182において応急処置可能化要求がなかったと判断された場合、又は、ステップS185の処理の後、メインCPU41は、応急処置解除要求があったかを判断する(ステップS186)。
応急処置解除要求があったと判断された場合、クレジット数に100を加算するとともに、生体情報検出フラグをクリアする(ステップS187)。次に、メインCPU41は、生体情報検出否コマンドを副制御回路82に対して送信する。生体情報検出否コマンドは、生体情報の検出を必要としない旨を副制御回路82に通知するためのコマンドである。ステップS186において応急処置解除要求がなかったと判断した場合、又は、ステップS188の処理の後、本サブルーチンを終了する。
【0161】
主制御回路81のメインCPU41により実行されるプログラムの内容についての説明は以上である。次に、図25〜図27を参照して、副制御回路82のサブCPU206により実行されるプログラムの内容について説明する。
【0162】
図25を参照して、サブCPU206により行われる主基板通信タスクについて説明する。
図25は、図6に示したサブCPUにより行われる主基板通信タスクを示すフローチャートである。
はじめに、サブCPU206は、主制御回路81から送信されたコマンドの受信チェックを行う(ステップS301)。次に、サブCPU206は、コマンドを受信した場合、そのコマンドの種別を抽出する(ステップS302)。
【0163】
次に、サブCPU206は、前回とは異なるコマンドを受信したか否かを判別する(ステップS303)。サブCPU206は、前回とは異なるコマンドを受信しなかったと判別したときには、ステップS301に移る一方で、前回とは異なるコマンドを受信したと判別したときには、メッセージキューに格納し(ステップS304)、ステップS301に移る。
【0164】
次に、図26を参照して、サブCPU206により行われる演出登録タスクについて説明する。
図26は、図6に示したサブCPUにより行われる演出登録タスクを示すフローチャートである。
はじめに、サブCPU206は、メッセージキューからメッセージを取り出す(ステップS311)。次に、サブCPU206は、メッセージは有るか否かを判別する(ステップS312)。サブCPU206は、メッセージは有ると判別したときには、メッセージから遊技情報を複写する(ステップS313)。例えば、パラメータによって特定される、内部当籤役、回転が停止したリール3(リール3L、3C及び3R)の種別、表示役、作動中フラグ等といった各種データがサブRAM210に設けられた格納領域に複写される。
【0165】
次に、サブCPU206は、後で図27を参照して説明する演出内容決定処理を行う(ステップS314)。この処理では、受信したコマンドの種別に応じて、演出内容の決定や演出データの登録等が行われる。
【0166】
サブCPU206は、ステップS314の後、又は、ステップS312においてメッセージは無かったと判別したときには、アニメーションデータの登録を行う(ステップS315)。次に、サブCPU206は、サウンドデータの登録を行う(ステップS316)。次に、サブCPU206は、ランプデータの登録を行う(ステップS317)。アニメーションデータの登録、サウンドデータの登録及びランプデータの登録は、演出内容決定処理において登録された演出データに基づいて行われる。この処理が終了すると、ステップS311に移る。
【0167】
次に、図27を参照して、サブCPU206により実行される演出内容決定処理のフローチャートについて説明する。
図27は、図6に示したサブCPUにより行われる演出内容決定処理を示すフローチャートである。
はじめに、サブCPU206は、スタートコマンド受信時であるか否かを判別する(ステップS321)。サブCPU206は、スタートコマンド受信時であると判別したときには、演出用乱数値を抽出し、内部当籤役等に基づいて演出番号を抽籤により決定し、登録する(ステップS322)。演出番号は、今回において実行する演出内容を指定するデータである。
【0168】
次に、サブCPU206は、登録されている演出番号に基づいて、スタート時の演出データを登録する(ステップS323)。演出データは、アニメーションデータ、サウンドデータ及びランプデータを指定するデータである。演出データが登録されると、対応するアニメーションデータ等が決定され、映像の表示等の演出が実行される。この処理が終了すると、演出内容決定処理を終了する。
【0169】
次に、サブCPU206は、スタートコマンド受信時ではないと判別したときには、リール停止コマンド受信時であるか否かを判別する(ステップS324)。サブCPU206は、リール停止コマンド受信時であると判別したときには、登録されている演出番号とストップボタン7(ストップボタン7L、7C及び7R)の種別に基づいて、停止時の演出データを登録する(ステップS325)。この処理が終了すると、演出内容決定処理を終了する。
【0170】
次に、サブCPU206は、リール停止コマンド受信時ではないと判別したときには、表示コマンド受信時であるか否かを判別する(ステップS326)。サブCPU206は、表示コマンド受信時であると判別したときには、登録されている演出番号に基づいて、表示時の演出データを登録する(ステップS327)。この処理が終了すると、演出内容決定処理を終了する。
【0171】
次に、サブCPU206は、表示コマンド受信時ではないと判別したときには、ボーナス開始コマンド受信時であるか否かを判別する(ステップS328)。サブCPU206は、ボーナス開始コマンド受信時であると判別したときには、ボーナス開始用の演出データを登録する(ステップS329)。この処理が終了すると、演出内容決定処理を終了する。
【0172】
次に、サブCPU206は、ボーナス開始コマンド受信時ではないと判別したときには、ボーナス終了コマンド受信時であるか否かを判別する(ステップS330)。サブCPU206は、ボーナス終了コマンド受信時ではないと判別したときには、演出内容決定処理を終了する一方で、ボーナス終了コマンド受信時であると判別したときには、ボーナス終了用の演出データを登録する(ステップS331)。この処理が終了すると、演出内容決定処理を終了する。
【0173】
図28は、図6に示したサブCPUにより行われる検出要否決定処理を示すフローチャートである。
この処理は、主基板通信タスク(図25参照)、演出登録タスク(図26)、及び、演出内容決定処理(図27)とは別に所定のタイミングで実行される。
【0174】
まず、サブCPU206は、メインCPU41から生体情報検出要コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS341)。生体情報検出要コマンドを受信したと判断した場合、サブCPU206は、検出要フラグをサブRAM210にセットする(ステップS342)。
【0175】
ステップS341において生体情報検出要コマンドを受信していないと判断した場合、又はステップS342の処理の後、サブCPU206は、メインCPU41から生体情報検出否コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS343)。生体情報検出否コマンドを受診したと判断した場合、サブCPU206は、検出要フラグをクリアする。ステップS343において生体情報検出否コマンドを受診していないと判断した場合、又は、ステップS344の処理の後、本サブルーチンを終了する。
【0176】
図29は、図6に示したサブCPUにより行われる経過時間計測処理を示すフローチャートである。
この処理は、主基板通信タスク(図25参照)、演出登録タスク(図26)、演出内容決定処理(図27)、及び、検出要否決定処理(図28)とは別に所定のタイミングで実行される。
【0177】
まず、サブCPU206は、スタートコマンドをメインCPU41から受信したか否かを判断する(ステップS351)。スタートコマンドを受信したと判断した場合、サブRAM210の所定領域に経過時間タイマT=0をセットする(ステップS352)。
【0178】
ステップS351においてスタートコマンドを受信していないと判断した場合、又は、ステップS352の処理の後、サブCPU206は、リール停止コマンドをメインCPU41から受信したか否かを判断する(ステップS353)。リール停止コマンドを受信した場合、経過時間タイマTをクリアする(ステップS354)。ステップS353においてリール停止コマンドを受信していない場合、又は、ステップS354の処理の後、本サブルーチンを終了する。
【0179】
図30は、図6に示したサブCPUにより行われる差枚数計数処理を示すフローチャートである。
この処理は、主基板通信タスク(図25参照)、演出登録タスク(図26)、演出内容決定処理(図27)、検出要否決定処理(図28)、及び、経過時間計測処理(図29)とは別に所定のタイミングで実行される。
なお、図30に示す差枚数計数処理を実行するとき、サブCPU206は、差枚数を算出する算出手段として機能する。
【0180】
まず、サブCPU206は、メダル投入コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS361)。メダル投入コマンドを受信したと判断した場合、このコマンドに含まれている投入枚数だけ差枚数カウンタを減算する(ステップS362)。なお、差枚数カウンタは、サブRAM210の所定領域に記憶されている。
【0181】
ステップS361においてメダル投入コマンドを受信しなかった場合、又は、ステップS362の処理の後、サブCPU206は、払出数パラメータを受信したか否かを判断する(ステップS363)。払出数パラメータは、メインCPU41から送信されてくる表示コマンド(ステップS10参照)に含まれている。
払出数パラメータを受信した場合、サブCPU206は、払出数を差枚数カウンタに加算する(ステップS364)。ステップS363において払出数パラメータを受信しなかった場合、又は、ステップS364の処理の後、本サブルーチンを終了する。
【0182】
図31は、図6に示したサブCPUにより行われる検出タイミング監視処理を示すフローチャートである。
この処理は、主基板通信タスク(図25参照)、演出登録タスク(図26)、演出内容決定処理(図27)、検出要否決定処理(図28)、経過時間計測処理(図29)、及び、差枚数計数処理(図30)とは別に所定のタイミングで実行される。
【0183】
まず、ステップS371において、サブCPU206は、サブRAM210に検出要フラグがセットされているか否かを判断する。検出要フラグがセットされていると判断した場合、サブCPU206は、経過時間タイマTが15秒以上であるか否かを判断する(ステップS372)。経過時間タイマTが15秒以上ではないと判断した場合、サブCPU206は、ボーナス開始コマンドをメインCPU41から受信したか否かを判断する(ステップS373)。ボーナス開始コマンドを受信していないと判断した場合、サブCPU206は、サブRAM210に記憶されている差枚数カウンタを参照し、差枚数が500以上であるか否かを判断する。ステップS372、ステップS373、及び、ステップS374の処理を実行するとき、サブCPU206は、遊技者の生体情報を検出するタイミングであるか否かを判断する判断手段として機能する。
【0184】
ステップS372において経過時間タイマTが15秒以上であると判断した場合、ステップS373においてボーナス開始コマンドを受信したと判断した場合、ステップS374において差枚数が500以上であると判断した場合、サブCPU206は、生体情報検出処理を実行する(ステップS375)。生体情報検出処理については、後に図32を用いて詳述することとする。ステップS371において検出要フラグがセットされていないと判断した場合、ステップS気374において差枚数が500以上ではないと判断した場合、又は、ステップS375の処理の後、本サブルーチンを終了する。
【0185】
図32は、図6に示したサブCPUにより行われる生体情報検出処理を示すフローチャートである。
この処理は、主基板通信タスク(図25参照)、演出登録タスク(図26)、演出内容決定処理(図27)、検出要否決定処理(図28)、経過時間計測処理(図29)、差枚数計数処理(図30)、及び、検出タイミング監視処理(図31)とは別に所定のタイミングで実行される。
【0186】
まず、サブCPU206は、脈拍測定装置90を駆動させ、脈拍測定装置90から生体情報(本実施形態では、測定した脈拍数のデータ)を受信する(ステップS381)。ステップS381の処理を実行するとき、サブCPU206は、生体情報検出制御手段として機能する。次に、サブCPU206は、受信したデータが示す脈拍数が正常な範囲内であるか否かを判断する(ステップS382)。ステップS382の処理を実行するとき、サブCPU206は、検出された生体情報が異常を示す情報であるか否かを判定する判定手段として機能する。この処理において、サブCPU206は、サブROM208に記憶されており、受信した脈拍数のデータと対比するための対比用データを参照し、受信したデータに係る脈拍数が対比用データの示す数値範囲内であるか否かを判断し、対比用データの示す数値範囲内であると判断した場合には、正常な範囲内であると判断し、数値範囲内ではないと判断した場合には、正常な範囲内ではないと判断する。なお、対比用データの示す数値範囲としては、適宜設定可能であるが、例えば、40〜130、45〜120、50〜110等を挙げることができる。また、不整脈の有無により、受信した生体情報が異常を示す情報であるか否かを判断することとしてもよい。
【0187】
受信したデータに係る脈拍数が対比用データの示す数値範囲内であるとステップS382において判断された場合、サブCPU206は、薬獲得処理を実行し(ステップS386)、本サブルーチンを終了する。
【0188】
受信したデータに係る脈拍数が対比用データの示す数値範囲内ではないとステップS382において判断された場合、サブCPU206は、緊急信号を医療機関の管理装置300に対して送信する(ステップS383)。ステップS383の処理を実行するとき、サブCPU206は、管理装置300へ緊急信号を送信する送信手段として機能する。次に、サブCPU206は、CCDカメラ91を駆動させ、撮像を開始し(ステップS384、撮像して得られた画像データを医療機関の管理装置300に送信する(ステップS385)。なお、画像データが示す画像には、当該パチスロ1で遊技を行っている遊技者の画像が含まれることとなる。ステップS385の処理の後、本サブルーチンを終了する。
【0189】
図33は、図32に示した処理のステップS386において呼び出されて実行される薬獲得処理を示すフローチャートである。
図34は、液晶表示装置に表示される画像の一例を示す図である。
薬獲得処理(図33参照)において、サブCPU206は、まず、薬選択画像の表示を行う(ステップS401)。この処理を実行すると、図34に示すように、液晶表示装置5には、薬選択画像160と薬を選択するためのカーソル画像161とが表示される。
【0190】
つぎに、ステップS402において、サブCPU206は、薬の選択入力があったか否かを判断する。この処理において、サブCPU206は、ストップボタン7Lが操作された場合には、操作に応じてカーソル画像161を移動させ、ストップボタン7Rが操作された場合には、カーソル画像161が指し示している薬が選択されたと判断する。なお、ストップボタン7L、及び、ストップボタン7Rが操作されたことを示す信号は、メインCPU41から送信されてくる。サブCPU206は、この信号に応じて、カーソル画像161の移動、及び、薬の選択を行う。薬の選択がなかった場合(薬不要が選択された場合)、本サブルーチンを終了する。
【0191】
ステップS402において薬選択入力があったと判断された場合、サブCPU206は、遊技店が備えるサーバ400にどの薬が選択されたかを示す選択信号と、当該パチスロ1の識別情報とを送信する。これにより、遊技店は、サーバ400に送信された選択信号、及び、識別情報により、どのパチスロ1において薬が獲得されたかを知ることができ、当該パチスロ1の遊技者に対して選択された薬を手渡すこと等ができる。
なお、この処理は、生体情報を取得したものの、異常がない場合に、当該遊技者に対して薬の獲得を可能とするものである。
【0192】
その後、サブCPU206は、検出要フラグをクリアし(ステップS404)、本サブルーチンを終了する。
【0193】
図35は、医療機関が備える管理装置が実行する管理装置側処理を示すフローチャートである。
管理装置300が備えるCPUは、パチスロ1から緊急信号を受信した場合(ステップS501:YES)、緊急信号を受信したことを報知する(ステップS502)。報知方法としては、特に限定されず、例えば、特定のメールアドレスに緊急信号を受信したことを通知するメールを送信することとしてもよく、管理装置300が備えるスピーカから警告音等の音を出力することとしてもよい。
【0194】
次に、管理装置300が備えるCPUは、受信した画像データに基づく画像を管理装置300が備える表示装置(例えば、液晶表示装置)に表示する(ステップS503)。管理装置300が備える表示装置は、管理装置側表示手段に相当する。管理装置側表示手段としては、特に限定されず、例えば、液晶表示装置、ブラウン管表示装置、プラズマ表示装置等を挙げることができる。報知により緊急信号の受信を知った医療行為者(例えば、医者や看護士)は、この表示装置に表示された画像(遊技者が映し出されている画像)を確認しながら、管理装置300が備える入力装置(例えば、キーボードやマウス)を用いて処置方法を入力することができる。
【0195】
ステップS503の処理の後、管理装置300が備えるCPUは、処置方法が入力されたか否かを判断する(ステップS504)。処理方法が入力されていないと判断した場合、処理をステップS503に戻す。一方、処理方法が入力されたと判断した場合には、処置方法を示す処置方法データを、緊急信号の送信元のパチスロ1の隣に配置されているパチスロ1に送信する。その後、本サブルーチンを終了する。
【0196】
図35は、管理装置に表示される画像の一例を示す図である。
管理装置300が備える表示装置301には、パチスロ1から受信した画像データに基づく画像(カメラ画像)302が画面の右側に表示されている。また、画面の左側には、処置方法を選択するための画像303、及び、カーソル画像304が表示されている。医療行為者は、カメラ画像302に映し出されている画像を見ながら当該遊技者の病状等を判断し、入力装置を用いて処置の方法を入力することができる。
【0197】
図37は、図6に示したサブCPUにより行われる処置依頼画像表示処理を示すフローチャートである。
この処理は、主基板通信タスク(図25参照)、演出登録タスク(図26)、演出内容決定処理(図27)、検出要否決定処理(図28)、経過時間計測処理(図29)、差枚数計数処理(図30)、検出タイミング監視処理(図31)、及び、生体情報検出処理(図32)とは別に所定のタイミングで実行される。
なお、図37に示す処理依頼画像表示処理を実行するとき、サブCPU206は、
処置依頼画像を液晶表示装置5に表示する表示制御手段として機能する。
【0198】
まず、サブCPU206は、医療機関の管理装置300から処置方法データを受信したか否かを判断する(ステップS411)。処置方法データを受信したと判断した場合、サブCPU206は、受信した処置方法データに対応する処置依頼画像162(図38(b)参照)を表示する。ステップS411において処置方法データを受信していないと判断した場合、又は、ステップS412の処理の後、本サブルーチンを終了する。
【0199】
図38(a)、図38(b)は、液晶表示装置に表示される画像の一例を示す図である。
処置方法データを医療機関の管理装置300から受信していない場合、図38(a)に示すように、液晶表示装置5には、処置方法に関する画像は表示されない。一方、処置方法データを医療機関の管理装置300から受信した場合には、図38(b)に示すように、液晶表示装置5の略全面に、処置依頼画像162が表示される。これにより、処置依頼画像162が表示されたパチスロ1で遊技を行っていた遊技者は、処置依頼画像162に示された処置方法に従った処置を行うことが可能となる。
【0200】
以上、パチスロ1によれば、スタートレバー6が操作されてから、15秒以上経過した場合に、遊技者の生体情報を検出するため、より適切なタイミングで遊技者の生体情報に異常があるかを確認することができる。また、遊技が実行されていない期間に生体情報を検出するので、遊技機の制御に大きな負荷がかかることを少なくすることができる。
【0201】
遊技において、多くの遊技媒体を消費してしまった場合、遊技者は落胆のために、発作等を発症する可能性が高くなる。しかしながら、パチスロ1によれば、投入されたメダルの枚数と払い出されたメダルの枚数との差枚数が、所定数(本実施形態では、500)以上である場合に、遊技者の生体情報を検出するため、より適切なタイミングで遊技者の生体情報に異常があるかを確認することができる。
【0202】
遊技において大当たりが発生した場合、遊技者は興奮のあまり、発作等を発症する可能性が高くなる。しかしながら、パチスロ1によれば、特別遊技状態(BB)を発生させたことを契機として、遊技者の生体情報を検出するため、より適切なタイミングで遊技者の生体情報に異常があるかを確認することができる。
【0203】
また、パチスロ1によれば、緊急時に応急処置が行われることを要求する応急処置要求が遊技者の操作に応じて入力された場合に、所定数(本実施形態では、100)のメダルの減算(消費)を条件として、生体情報の検出を行い得る状態に制御する。従って、応急処置等に費やした費用を遊技者に負担させることができるため、遊技店側に損失が発生することを防止し、質の高い応急処置の提供を維持することが可能になる。
【0204】
また、サービス提供システム500によれば、パチスロ1において生体情報が異常を示す情報であると判定された場合、緊急信号と、当該パチスロ1に備えられたCCDカメラ91で撮像された画像を示す画像データとが医療機関の管理装置300に送信される。管理装置300では、受信した画像データに基づく画像が表示される。そして、これを見た医療行為者が、医療処置方法に関する処置方法データを入力すると、該処置方法データが、画像データの送信元のパチスロ1の隣のパチスロ1に対して送信される。処置方法データを管理装置300から受信したパチスロ1では、該処置方法データに基づく処置依頼画像162が表示される。従って、救急等が駆けつけるまでの間にも、病を発症した遊技者の近くで遊技を行っていた他の遊技者が即座に適切な処置を施すことが可能になる。
【0205】
本実施形態では、緊急信号を外部としての医療機関の管理装置300に送信する場合について説明した。しかしながら、本発明においては、この例に限定されず、例えば、外部として遊技店が備えるサーバ(管理装置)を採用することとしてもよい。この場合、遊技店に医師等を配置しておけば、緊急信号の受信を受けて、医師等がすぐに駆けつけて当該パチスロ1(遊技機)の遊技者に対して適切な処置を施すことが可能となる。また、例えば、外部として最寄りの医療機関を採用することとしてもよい。この場合、緊急信号の受信を受けて、当該最寄りの医療機関の医師等がすぐに駆けつけて当該パチスロ1(遊技機)の遊技者に対して適切な処置を施すことが可能となる。
【0206】
上述した実施形態では、本発明における、「遊技が所定期間実行されていない」こと、が、「スタートレバー6が操作されてから、15秒以上経過した」こと、である場合について説明した。しかしながら、本発明における、「遊技が所定期間実行されていない」ことは、この例に限定されず、例えば、最後にストップボタンが操作されてからの経過時間が所定時間以上となったこと、であってもよく、最後にベットボタンが操作されてからの経過時間が所定時間以上となったことであってもよく、遊技者が遊技に関する操作入力を所定期間以上行っていないと判断され得るものであればよい。
【0207】
本実施形態では、本発明をパチスロ1に適用した場合について説明したが、本発明においては、パチンコ遊技装置に適用してもよい。
【0208】
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、各手段等の具体的構成は、適宜設計変更可能である。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0209】
【図1】本実施形態に係るパチスロの機能フローを示す機能ブロック図である。
【図2】本実施形態に係るサービス提供システムの一例を示すネットワーク構成図である。
【図3】本実施形態に係るパチスロの外部構造を示す斜視図である。
【図4】図3に示したパチスロの内部構造を示す正面図である。
【図5】図3に示したパチスロの主制御回路の構成を示すブロック図である。
【図6】図5に示した副制御回路の構成を示すブロック図である。
【図7】図柄配置テーブルを示す図である。
【図8】図柄組合せテーブルを示す図である。
【図9】ボーナス作動時テーブルを示す図である。
【図10】一般遊技状態用内部抽籤テーブルを示す図である。
【図11】RB作動中用内部抽籤テーブルを示す図である。
【図12】小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルを示す図である。
【図13】ボーナス用内部当籤役決定テーブルを示す図である。
【図14】内部当籤役格納領域を説明するための図である。
【図15】持越役格納領域を説明するための図である。
【図16】作動中フラグ格納領域を説明するための図である。
【図17】図5に示した主制御回路のメインCPUにより実行される処理を示すフローチャートである。
【図18】メダル受付・スタートチェック処理を示すフローチャートである。
【図19】内部抽籤処理を示すフローチャートである。
【図20】リール停止制御処理を示すフローチャートである。
【図21】ボーナス作動チェック処理を示すフローチャートである。
【図22】ボーナス終了チェック処理を示すフローチャートである。
【図23】割込処理を示すフローチャートである。
【図24】応急処置可能化処理を示すフローチャートである。
【図25】図6に示したサブCPUにより行われる主基板通信タスクを示すフローチャートである。
【図26】図6に示したサブCPUにより行われる演出登録タスクを示すフローチャートである。
【図27】図6に示したサブCPUにより行われる演出内容決定処理を示すフローチャートである。
【図28】図6に示したサブCPUにより行われる検出要否決定処理を示すフローチャートである。
【図29】図6に示したサブCPUにより行われる経過時間計測処理を示すフローチャートである。
【図30】図6に示したサブCPUにより行われる差枚数計数処理を示すフローチャートである。
【図31】図6に示したサブCPUにより行われる検出タイミング監視処理を示すフローチャートである。
【図32】図6に示したサブCPUにより行われる生体情報検出処理を示すフローチャートである。
【図33】図32に示した処理のステップS386において呼び出されて実行される薬獲得処理を示すフローチャートである。
【図34】液晶表示装置に表示される画像の一例を示す図である。
【図35】図2に示した管理装置が実行する管理装置側処理を示すフローチャートである。
【図36】管理装置に表示される画像の一例を示す図である。
【図37】図6に示したサブCPUにより行われる処置依頼画像表示処理を示すフローチャートである。
【図38】(a)、(b)は、液晶表示装置に表示される画像の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0210】
1 パチスロ
2 キャビネット
3(3L、3C、3R) リール
5 液晶表示装置
6 スタートレバー
6S スタートスイッチ
7(7L、7C、7R) ストップボタン
21(21L、21R) スピーカ
40 マイクロコンピュータ
41 メインCPU
42 メインROM
43 メインRAM
56 ストップスイッチ
58 表示部駆動回路
59(59L、59C、59R) ステッピングモータ
60 リール位置検出回路
81 主制御回路
82 副制御回路
90 脈拍測定装置
90a 脈拍センサ
91 CCDカメラ
92 応急処置可能化ボタン
92S 応急処置可能化スイッチ
206 サブCPU
208 サブROM
210 サブRAM
300 (医療機関の)管理装置
400 (遊技店の)管理装置
500 サービス提供システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者の生体情報を検出する生体情報検出手段と、
遊技者の生体情報を検出するタイミングであるか否かを判断する判断手段と、
遊技者の生体情報を検出するタイミングであると前記判断手段が判断した場合に、前記生体情報検出手段による検出を実行する制御を行う生体情報検出制御手段と、
前記生体情報検出手段により検出された生体情報が異常を示す情報であるか否かを判定する判定手段と、
前記生体情報検出手段により検出された生体情報が異常を示す情報であると前記判定手段が判定した場合に、外部へ緊急信号を送信する送信手段と
を備えたことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記判断手段は、遊技が所定期間実行されていない場合に、遊技者の生体情報を検出するタイミングであると判断することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
投入された遊技媒体の枚数と払い出された遊技媒体の枚数との差枚数を算出する算出手段
を備え、
前記判断手段は、前記算出手段により算出された差枚数が所定数を超えた場合に、遊技者の生体情報を検出するタイミングであると判断することを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
【請求項4】
遊技者にとって有利な遊技状態である特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段
を備え、
前記判断手段は、前記特別遊技状態発生手段が特別遊技状態を発生させたことを契機として、遊技者の生体情報を検出するタイミングであると判断することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載の遊技機。
【請求項5】
投入された遊技媒体の枚数をクレジットとして記憶する記憶手段と、
遊技者の操作に応じて、緊急時に応急処置が行われることを要求する応急処置要求を入力可能な入力手段と、
前記入力手段から前記応急処置要求が入力された場合に、前記記憶手段に記憶されたクレジットから所定数を減算する減算手段と
を備え、
前記生体情報検出制御手段は、前記減算手段によりクレジットから所定数が減算され、且つ、遊技者の生体情報を検出するタイミングであると前記判断手段が判断した場合に、前記生体情報検出手段による検出を実行する制御を行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1に記載の遊技機。
【請求項6】
複数の請求項1〜5のいずれか1に記載の遊技機と、管理装置とが通信回線を介して通信可能に接続されたサービス提供システムであって、
前記遊技機は、
当該遊技機で遊技を行う遊技者を撮像可能な撮像手段と、
画像を表示することが可能な表示手段と
を備え、
前記遊技機が備える前記送信手段は、前記生体情報検出手段により検出された生体情報が異常を示す情報であると前記判定手段が判定した場合、緊急信号と、前記撮像手段で撮像した画像を示す画像データとを前記管理装置に送信し、
前記管理装置は、
前記送信手段から送信された画像データに基づく画像を表示する管理装置側表示手段と、
医療行為者により医療処置方法に関する処置方法データが入力されたことを契機として、該処置方法データを、画像データの送信元の遊技機から所定範囲内にある遊技機に対して送信する送信手段と
を備え、
前記遊技機は、さらに、
処置方法データを前記管理装置から受信した場合に、該処置方法データに基づく処置依頼画像を前記表示手段に表示する表示制御手段
を備えることを特徴とするサービス提供システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【公開番号】特開2010−29451(P2010−29451A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−194971(P2008−194971)
【出願日】平成20年7月29日(2008.7.29)
【出願人】(598098526)株式会社ユニバーサルエンターテインメント (7,628)
【Fターム(参考)】