説明

遊技機の可動演出装置

【課題】演出部材が適切に支持されると共にスムーズに移動するように構成する。
【解決手段】第1可動演出装置50は、固定ベース部材41に移動不能に設けられ、第1演出部材61に所要長に延在する第1移動ガイド溝84に対し移動可能に係合する第1固定ガイドローラ72を備える。第1演出部材61は、該第1演出部材61に移動不能に設けられ、固定ベース部材51に所要長に延在する第1固定ガイド溝71に対し移動可能に係合する第1移動ガイドローラ85を備える。第1固定ガイドローラ72が第1移動ガイド溝84に対して相対的に移動すると共に、第1移動ガイドローラ85が第1固定ガイド溝71に対して相対的に移動することで、固定ベース部材51に対して第1演出部材61が適切に支持されながら移動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、図柄を変動表示させて遊技演出を行なう図柄表示装置が臨む装飾部材の支持台部に移動可能に配設され、前記図柄表示装置の遊技演出に合わせて所定の演出動作を行なう演出部材を備えた遊技機の可動演出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
代表的な遊技機であるパチンコ機は、機内にセットされる遊技盤の盤面に画成した遊技領域の略中央位置に装飾部材(センター役物とも称される)が配設されて、該装飾部材に開設した開口部に、各種図柄を変動および停止表示させて所要の図柄変動ゲームを行なう図柄表示装置を臨ませるよう構成される。そして、遊技盤の盤面に形成された遊技領域に打ち出された遊技球が、装飾部材の下方位置に配設した始動入賞装置に入賞することにより、図柄表示装置の図柄表示部での図柄変動ゲームが行なわれるようになっている。また、多くのパチンコ機では、所要の動作を行なう演出部材を備えた可動演出装置が前記装飾部材に配設されており、演出部材を図柄表示装置での図柄変動ゲームに合わせて動作させることにより演出効果の向上を図っている。
【0003】
例えば可動演出装置としては、装飾部材の下側に上下方向に往復運動が可能な複数の可動部材(演出部材)を備えたものがある(特許文献1参照)。各可動部材は、ラックの上端に固定され、モータに連動したピニオンをラックと噛合し、モータの回転駆動に伴うピニオンの回転によりラックが上下動する構成である。そして、ラックの上下動に伴って、可動部材が装飾部材の下側から上方に突出して図柄表示装置の前側に臨んだり、装飾部材の内方に退避するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−137461号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述した可動演出装置では、可動部材がラックの上端に固定されているだけで、装置に対して案内部を介して昇降可能に配設されてはいない。このため、モータの回転駆動に伴ってラックを上下動させる際に、可動部材にぶれが発生して安定的に昇降移動できなくなり、該可動部材が出入口に接触して異音が発生したり、場合によっては該可動部材が出入口に引掛かって破損する等の問題がある。
【0006】
すなわち本発明は、従来の技術に係る遊技機の可動演出装置に内在する前記問題に鑑み、これらを好適に解決するべく提案されたものであって、演出部材がスムーズに移動するように構成した遊技機の可動演出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の請求項1に記載の発明は、
図柄を変動表示させて遊技演出を行なう図柄表示装置(H)の表示部(H1)に臨むよう配設した固定部(51)と、前記固定部(51)に移動可能に配設され、前記図柄表示装置(H)の遊技演出に合わせて所定の演出動作を行なう演出部材(61)とを備えた遊技機の可動演出装置であって、
前記固定部(51)に移動不能に設けられ、前記演出部材(61)に所要長に延在する第1移動案内部(84)に対し移動可能に係合する第2固定案内部(72)と、
前記演出部材(61)に移動不能に設けられ、前記固定部(51)に所要長に延在する第1固定案内部(71)に対し移動可能に係合する第2移動案内部(85)とを備え、
前記第2固定案内部(72)が前記第1移動案内部(84)に対して相対的に移動すると共に、前記第2移動案内部(85)が前記第1固定案内部(71)に対して相対的に移動することで、前記固定部(51)に対する前記演出部材(61)の移動が規定されるよう構成したことを要旨とする。
【0008】
従って、請求項1に係る発明によれば、演出部材に設けた第2移動案内部と固定部に設けた第1固定案内部とが当接すると共に、該演出部材に設けた第1移動案内部と該固定部に設けた第2固定案内部とが当接することで、演出部材は2カ所で固定部に支持されながら安定して移動するようになる。これにより、演出部材が移動するに際してがたつきが発生することを防止することができると共に、該演出部材と他部との接触による異音の発生や該演出部材の破損等を防止することができ、演出部材による演出効果の向上を図ることができる。
【0009】
請求項2に記載の発明では、
前記第2固定案内部(72)および第2移動案内部(85)は回転自在な回転体であり、
前記第1移動案内部(84)および第1固定案内部(71)は、前記回転体が転動可能なガイド溝であることを要旨とする。
従って、請求項2に係る発明によれば、演出部材に設けた回転体が装飾部材に設けたガイド溝を転動すると共に、装飾部材に設けた回転体が演出部材に設けたガイド溝を転動することで、装飾部材に対して演出部材をスムーズに移動させることができる。
【0010】
請求項3に記載の発明では、
第1演出部材である前記演出部材(61)に隣接して、該第1演出部材(61)に連係された第2演出部材(62)が配設され、
前記固定部(51)に移動不能に設けられ、前記第2演出部材(62)に所要長に延在する第3移動案内部(94)に対し移動可能に係合する第4固定案内部(76)と、
前記第2演出部材(62)に移動不能に設けられ、前記固定部(51)に所要長に延在する第3固定案内部(75)に対し移動可能に係合する第4移動案内部(95)と、
前記第2演出部材(62)の前記第1演出部材(61)に臨む部位に設けられ、両演出部材(61,62)が近接する方向で該第1演出部材(61)に設けた被当接部(123)に当接する当接部(122)とを備え、
前記第4固定案内部(76)が前記第3移動案内部(94)に対して相対的に移動すると共に、前記第4移動案内部(95)が前記第3固定案内部(75)に対して相対的に移動することで、前記固定部(51)に対する前記第2演出部材(62)の移動が規定されると共に、前記当接部(122)が前記被当接部(123)に当接することで、両演出部材(61,62)の間隔が保持されるよう構成したことを要旨とする。
従って、請求項3に係る発明によれば、第1演出部材に隣接して設けた第2演出部材は、該第2演出部材に設けた第4移動案内部と装飾部材に設けた第3固定案内部とが当接すると共に、該第2演出部材に設けた第3移動案内部と該装飾部材に設けた第4固定案内部とが当接することで、2カ所で固定部に支持されながら安定して移動するようになる。また、第1演出部材に設けた被当接部と第2演出部材に設けた当接部とが当接することで、両演出部材の間隔が一定に保持されるようになり、両演出部材が移動する際にがたつきが発生することを防止することができると共に、両演出部材の接触による異音の発生や該演出部材の破損等を防止することができる。
【0011】
請求項4に記載の発明では、
前記固定部(51)は、前側に装飾体(40)を備えると共に、
前記演出部材(61)は、前記装飾体(40)の前方に臨む演出体(81)を備え、
前記装飾体(40)には、前記演出部材(61)の移動方向に沿って延在する第5固定案内部(55)が設けられると共に、
前記演出体(81)には、前記第5固定案内部(55)に摺動可能に係合する第5移動案内部(89)が設けられ、
前記第5移動案内部(89)が前記第5固定案内部(55)に係合することで、前記演出体(81)が前記装飾体(40)に支持された状態で移動するよう構成したことを要旨とする。
従って、請求項4に係る発明によれば、固定部に備えられた装飾体に設けた第5固定案内部に、演出部材における装飾体の前方に臨む演出体に設けた第5移動案内部が摺動可能に係合しているので、固定部に対して演出部材が移動する際に、演出体が装飾体に支持されながら安定して移動するようになる。これにより、演出部材が移動するに際して演出体にがたつきが発生することを防止することができると共に、該演出体と装飾体との接触による異音の発生や該演出体の破損等を防止することができる。
【0012】
請求項5に記載の発明では、
前記固定部(51)は、前側に装飾体(40)を備え、
前記第1演出部材(61)は、前記装飾体(40)の前方に臨む第1演出体(81)を備えると共に、
前記第2演出部材(62)は、前記装飾体(40)の前方に臨む第2演出体(91)を備え、
前記装飾体(40)には、前記第1演出部材(61)の移動方向に沿って延在する第5固定案内部(55)が設けられると共に、前記第2演出部材(62)の移動方向に沿って延在する第6固定案内部(56)が設けられ、
前記第1演出体(81)には、前記第5固定案内部(55)に摺動可能に係合する第5移動案内部(89)が設けられると共に、前記第2演出体(91)には、前記第6固定案内部(56)に摺動可能に係合する第6移動案内部(99)が設けられ、
前記第5移動案内部(89)が前記第5固定案内部(55)に係合することで、前記第1演出体(81)が前記装飾体(40)に支持された状態で移動すると共に、前記第6移動案内部(99)が前記第6固定案内部(56)に係合することで、前記第2演出体(91)が前記装飾体(40)に支持された状態で移動するよう構成したことを要旨とする。
従って、請求項5に係る発明によれば、固定部の備えられた第5固定案内部に、第1演出部材における装飾体の前方に臨む第1演出体に設けた第5移動案内部が摺動可能に係合しているので、装飾部材に対して第1演出部材が移動する際に、第1演出体が装飾体に支持されながら安定して移動するようになる。また、装飾部材の装飾体に設けた第6固定案内部に、第2演出部材における装飾体の前方に臨む第2演出体に設けた第6移動案内部が摺動可能に係合しているので、装飾部材に対して第2演出部材が移動する際に、第2演出体が装飾体に支持されながら安定して移動するようになる。これにより、第1演出部材および第2演出部材が移動するに際して、第1演出体および第2演出体にがたつきが発生することを防止することができると共に、第1演出体と装飾体との接触および第2演出体および装飾体との接触による異音の発生や、両演出体の破損等を防止することができる。
【発明の効果】
【0013】
本願発明に係る遊技機の可動演出装置によれば、演出部材がスムーズに移動するので、可動演出装置の故障を防止し得ると共に、適切な演出効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施例のパチンコ機の正面図である。
【図2】実施例のパチンコ機における遊技盤の正面図である。
【図3】遊技盤の後側に配設される設置部材に、第1可動演出装置を装着する状態を示す斜視図である。
【図4】(a)は、第1演出部材が第1退避位置に停止すると共に第2演出部材が第2退避位置に停止した状態の第1可動演出装置を前側から見た斜視図であり、(b)は、(a)の状態の第1可動演出装置を後側から見た斜視図である。
【図5】第1可動演出装置の平面図である。
【図6】第1演出部材が第1退避位置に停止すると共に第2演出部材が第2退避位置に停止した状態の第1可動演出装置を、固定ベース部材の後半体を取り外した状態で示す背面図である。
【図7】第1可動演出装置を背面側から見た分解斜視図である。
【図8】第1演出部材、第2演出部材および前支持板を背面側から見た斜視図である。
【図9】(a)は、第1演出部材が第1移動位置に停止すると共に第2演出部材が第2退避位置に停止した状態の第1可動演出装置を前側から見た斜視図であり、(b)は、(a)の状態の第1可動演出装置を後側から見た斜視図である。
【図10】第1演出部材が第1移動位置に停止すると共に第2演出部材が第2移動位置に停止した状態の第1可動演出装置を、固定ベース部材の後半体を取り外した状態で示す背面図である。
【図11】図10のX−X線断面図である。
【図12】図10のY−Y線断面図である。
【図13】(a)は、第1装飾部材の前装飾部材に設けた第1ガイドレールおよび第1演出部材の第1演出体に設けたガイドバーとの係合状態を示す説明図であり、(b)は、第1装飾部材の前装飾部材に設けた第2ガイドレールおよび第2演出部材の第2演出体に設けたガイド片との係合状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明に係る遊技機の可動演出装置につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。なお、遊技機としては、一般的なパチンコ機Pを例にして説明する。また、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」とは、特に断りのない限り、図1に示すようにパチンコ機Pを前側(遊技者側)から見た状態で指称する。
【実施例】
【0016】
(パチンコ機)
実施例に係るパチンコ機Pは、図1に示すように、前後に開口する矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に縦置き姿勢で設置される固定枠としての外枠Aの開口前面側に、遊技盤Dを着脱可能に保持する本体枠としての中枠Bが、開閉および着脱可能に組み付けられている。そして、前記遊技盤Dの裏側に、所定条件の成立(後述する始動入賞装置20の始動入賞口20Aへのパチンコ球(遊技球)の入賞)を契機として演出用の図柄を変動表示させて図柄変動演出を行なう図柄表示装置Hが着脱可能に配設されている。また、前記中枠Bの前面側には、前記遊技盤Dを透視保護するガラス板や透明な合成樹脂材により形成された透視保護板26で前後に開口する窓部を覆うよう構成された装飾枠としての前枠Cが開閉可能に組み付けられると共に、該前枠Cの下方にパチンコ球を貯留する下球皿Fが前記中枠Bに組み付けられる。更に、前記前枠Cの下部位置に、パチンコ球を貯留する上球皿Eが一体的に組み付けられており、前枠Cの開閉に合わせて上球皿Eも一体的に開閉するよう構成される。
【0017】
前記中枠Bの右下方位置には、該中枠Bに配設された打球発射装置(図示せず)を作動する操作ハンドルGが設けられており、該操作ハンドルGの操作により打球発射装置が作動されることで、前記上球皿Eに貯留されたパチンコ球が所定間隔(例えば、0.6秒間隔)で1球ずつ前記遊技盤Dに向けて連続的に発射されるようになっている。なお実施例では、前記図柄表示装置Hとして、各種図柄を表示可能な液晶パネルを収容ケースに収容した液晶表示装置が採用されるが、これに限られるものではなく、ドラム式の図柄表示装置やドットマトリックス式の図柄表示装置等の各種図柄を停止および変動表示可能な従来公知の各種の表示装置を採用し得る。また、前記上球皿Eは、前記前枠Cと別体に形成して中枠Bに対して開閉可能に組み付けるようにしてもよい。
【0018】
(遊技盤)
前記遊技盤Dは、図2に示すように、アクリルやポリカーボネート等の光透過性の合成樹脂製板やベニア等の木製合板を材質とし、前記中枠Bに設けた遊技盤保持部(図示せず)の内縁形状に整合する外縁形成された略矩形の平板状に形成され、その前側には遊技領域10が設けられると共に、その後側には図3に示す設置部材30が配設されている。遊技盤Dの前側には、左下部から右上部にかけて円弧状に延在する外レール11と、この外レール11の内側に中央下部から左上部にかけて並べて配置された内レール12と、外レール11の右上部から内レール12の下部までの間に右方へ凹む湾曲形状に構成された盤面飾り部材13等が配設されており、両レール11,12および盤面飾り部材13で囲まれた内側が前記遊技領域10として構成されている。これにより、前記打球発射装置から発射されたパチンコ球は、外レール11と内レール12との間を通って遊技領域10の左上部に打ち出された後、該遊技領域10内を流下する。但し、前記内レール12の延在長を大きく設定して、前記外レール11および該内レール12で遊技領域10を形成するように構成してもよい。
【0019】
前記遊技盤Dには、図2に示すように、中央に大きな貫通口が形成され、前後に開口して遊技演出領域とされる表示窓口28Aが形成された枠状装飾部材28が、該貫通口の開口縁に配設されている。この枠状装飾部材28には、前記設置部材30の後側に着脱可能に配設された図柄表示装置H(図1参照)の表示部H1で演出表示される遊技内容に合わせた装飾が施されている。そして、前記枠状装飾部材28の表示窓口28Aには、前記設置部材30に配設された図柄表示装置Hにおける表示部H1や、該設置部材30の前側に配設される後述の第1〜第3の可動演出装置50,130,135等が臨んでいる。なお、前記枠状装飾部材28と前記盤面飾り部材13との間には、パチンコ球の流下が可能な流下経路15が形成されている。
【0020】
また前記遊技盤Dには、前記貫通口の真下において、該遊技盤Dの左右中央に第1装着口が開設され、該貫通口の右下方(第1装着口の右側)に第2装着口が開設されると共に、前記第1装着口の左側に第3装着口が開設されている。前記第1装着口には始動入賞装置20が前側から配設され、前記第2装着口には特別入賞装置21が前側から配設されると共に、第3装着口には3つの入賞口22Aが左右に配列された普通入賞具22が配設されている。すなわち前記特別入賞装置21は、前記枠状装飾部材28の右側に形成された前記流下経路15の下方に位置している。なお、遊技盤Dの前面における前記遊技領域10内には、多数の球案内釘23および回転球案内具25等が配設されている。
【0021】
前記始動入賞装置20、特別入賞装置21および普通入賞具22には、各々に入賞したパチンコ球を検知する球検知スイッチが個別に配設され、各球検知スイッチからの球検知信号は、前記設置部材30の後側に取り付けられて当該パチンコ機Pを総合的に制御する主制御装置(図示せず)に送出される。前記主制御装置は、前記始動入賞装置20の球検知スイッチからの検出信号を受けると、大当たり抽選を行なうと共に、前記設置部材30の後側に取り付けられた統括制御装置(図示せず)に制御信号を出力して前記図柄表示装置Hに図柄変動演出を行なわせると共に、前記中枠Bの後側に配設された払出制御装置(図示せず)に制御信号を出力して、球払出装置(図示せず)に所定数の賞球を払い出させる。そして、前記主制御装置における前記大当たり抽選の結果として大当たりが発生する場合には、図柄表示装置Hの表示部H1での図柄変動演出の後に、該表示部H1に所定の図柄組合わせで図柄が停止表示され、前記特別入賞装置21の開閉扉21Aが開放位置に姿勢変位して多数のパチンコ球の入賞が可能となる。また主制御装置は、前記特別入賞装置21の球検知スイッチからの検出信号を受けると、前記払出制御装置に制御信号を出力して前記球払出装置に所定数の賞球を払い出させる。更に主制御装置は、前記普通入賞具22の球検知スイッチからの検出信号を受けると、前記払出制御装置に制御信号を出力して前記球払出装置に所定数の賞球を払い出させる。
【0022】
(設置部材)
前記設置部材30は、図3に示すように、前方に開放する略矩形のバケット状に一体成された合成樹脂製の部材であって、前側の開放端を遊技盤Dの後面に突き合わせて該遊技盤Dに取り付けられる。この設置部材30は、遊技盤Dの後面に対して後方から所要の間隔で対向して該遊技盤Dの後面を構成する設置壁部31と、この設置壁部31の周縁から前方へ延出形成された外周壁部32と、この外周壁部32の前端から外方に向けて屈曲形成された縁板部33等を備えている。すなわち設置部材30は、外周壁部32で囲われて遊技盤D側に開放する前部開口が矩形状に形成されると共に、縁板部33の外周縁が、遊技盤Dの外周縁より一回り小さい形状および大きさで形成されている。このような設置部材30は、縁板部33を遊技盤Dの後面にネジ止めすることで該遊技盤Dに固定され、遊技盤Dの後面から離間した設置壁部31の前側に、第1〜第3の各可動演出装置50,130,135や、装飾部材およびその他の各種部材の配設を可能とする空間SPを画成する。
【0023】
前記設置部材30の設置壁部31には、図3に示すように、前後に貫通する表示開口34が形成されており、該設置壁部31の後側には、前記表示部H1を臨ませた状態で前記図柄表示装置Hが着脱可能に取り付けられる(図3では、図柄表示装置は図示省略してある)。この図柄表示装置Hは、各種図柄を表示可能な表示部H1をなす液晶パネルが収容ケースに収容されたユニット部材であって、該収容ケースの後面には、該図柄表示装置Hの表示部H1の表示制御を行なう表示制御装置と、当該パチンコ機Pの遊技演出を統括的に制御する前記統括制御装置が配設される。統括制御装置には、設置壁部31の後側に配設した中継基板(図示せず)を介して前記図柄表示装置H、前記前枠Cに配設されたランプ装置や前記中枠Bに配設されたスピーカ等が電気的に接続されており、該統括制御装置から出力される制御信号に基づいて各装置が作動制御される。また統括制御装置には、中継基板を介して、設置壁部31の前側に配設された前記第1〜第3の装飾部材40,45,46に配設されたランプ装置や、前記第1〜第3の各可動演出装置50,130,135等が電気的に接続されており、該統括制御装置から出力される制御信号に基づいて各ランプ装置の点灯制御や各可動演出装置50,130,135の作動が制御される。なお前記設置壁部31は、表示開口34の上側部分を上板部31A、表示開口34の下側部分を下板部31Bと指称すると共に、表示開口34の右側部分を右板部31C、表示開口34の左側部分を左板部31Dと指称する。
【0024】
前記設置部材30における設置壁部31の上板部31Aの前側には、図3に示すように、左右方向に細長い横長の第1可動演出装置50が配設されている。この第1可動演出装置50の左右方向の長さは、前記上板部31Aの左右幅と略同じに設定されている。そして、前記上板部31Aの前面における左端近傍および右端近傍には、前方へ突出した複数の第1取付ボス35が形成されており、第1可動演出装置50は、その左端部分および右端部分を各第1取付ボス35の前部に支持された状態で、上板部31Aとの間に空間を画成した状態で該上板部31Aに前方に配設されている。前記第1可動演出装置50は、前記設置壁部31に固定される固定ベース部材(固定部)51を備え、この固定ベース部材51の前側に第1装飾部材(装飾体)40が配設されており、この第1装飾部材40の前装飾部42が前記表示窓口28Aに臨んでいる。第1装飾部材40は、所定の意匠が形成された前装飾部42の後側に、複数のLEDを備えた照明装置43が配設されており、この照明装置43は前記統括制御装置により遊技内容に合わせて点灯・点滅制御され、前記前装飾部42を後側から照明する。
【0025】
前記設置壁部31における右板部31Cの前側には、図1および図2に示す縦長の第2可動演出装置130が配設されている。すなわち、前記右板部31Cの前面における上端近傍および下端近傍には、前方へ突出した複数の第2取付ボス36が形成されており、第2可動演出装置130は、その上端部分および下端部分を各第2取付ボス36の前部に支持された状態で、右板部31Cとの間に空間を画成した状態で該右板部31Cに配設されている。そして第2可動演出装置130には、図2に示すように、第2装飾部材45が配設されている。また、前記設置壁部31における左板部31Dの前側には、図1および図2に示す縦長の第3装飾部材46が配設されている。すなわち、前記左板部31Dの前面における上端近傍および下端近傍には、前方へ突出した複数の第3取付ボス37が形成されており、第3装飾部材46は、その上端部分および下端部分を各第3取付ボス37の前部に支持された状態で、左板部31Dとの間に空間を画成した状態で該左板部31Dに配設されている。更に、前記設置壁部31の前側には、前記第1可動演出装置50、第2可動演出装置130および第3装飾部材46の後側に形成された空間に、後述する第3可動演出装置135が配設されている。
【0026】
(第1可動演出装置)
前記第1可動演出装置50は、図4〜図6に示すように、前記設置部材30の設置壁部31における前記上板部31Aに固定され、前記図柄表示装置Hの前記表示部H1に臨む上板部31Aに配設される固定ベース部材51と、前記固定ベース部材51に配設され、前記図柄表示装置Hの遊技演出に合わせて昇降移動する第1演出部材61と、前記第1演出部材61と並んで前記固定ベース部材51に配設されて、前記図柄表示装置Hの遊技演出に合わせて昇降移動する第2演出部材62とを備えている。前記第1演出部材61は、固定ベース部材51において、該第1演出部材61および前記第2演出部材62の後方から外れた位置(実施例では左側)に配設されたステッピングモータ等の電動モータ(駆動手段)63に、前記第1演出部材61および該電動モータ63に夫々連係された連係作動手段としての連係作動機構64を介して連係されており、該電動モータ63の駆動力により昇降移動するようになっている。また前記第2演出部材62は、後述するように、前記第1演出部材61に係脱可能に連係しており、該第1演出部材61が下方へ移動する際には該第2演出部材62の自重により下方へ移動すると共に、該第1演出部材61が上方へ移動する際には該第1演出部材61により押し上げられて上方へ移動するようになっている。なお、第1演出部材61の昇降移動量と第2演出部材62の昇降移動量は同じではなく、該第2演出部材62の昇降移動量が該第1演出部材61の昇降移動量より小さく設定されている。
【0027】
(固定ベース部材)
前記固定ベース部材51は、図4および図7に示すように、左右に長い前半体51Aと、この前半体51Aに後側から取り付けられる後半体51Bとを有し、前半体51Aと後半体51Bとを組み付けることで、内部に空間が画成されたケース部材として構成されている。そして固定ベース部材51は、図6および図7に示すように、内部空間における左右方向の略中央に、前記第1演出部材61および第2演出部材62を昇降可能に支持する板状の支持部材65が配設されている。この支持部材65には、前記第1演出部材61を昇降可能に支持する第1支持部66と、前記第2演出部材62を昇降可能に支持する第2支持部67とが、左右に並んで設けられる。そして、前記支持部材65は、前記固定ベース部材51の内部において、前記前半体51Aの前板と後半体51Bの後板との間に垂直に配設され、該支持部材65の前側に前配設空間68が画成されると共に、該支持部材65の後側に後配設空間69が画成されている(図11、図12参照)。また固定ベース部材51の内部における左側には、前記電動モータ63および連係作動機構64を配設する機構配設部70が設けられている。
【0028】
(第1支持部および第2支持部)
前記第1支持部66は、図6〜図8に示すように、前記支持部材65に前後に開口するように設けられ、下方に行くにつれて左側へ徐々に変位する縦長の第1固定ガイド溝(第1固定案内部)71と、該支持部材65の後側における前記第1固定ガイド溝71の下端より下方において、後方に突出した回転支軸に回転自在に配設された回転体としての第1固定ガイドローラ(第2固定案内部)72とを備えている。そして、前記支持部材65の後面には、前記第1固定ガイド溝71を挟んだ左右両側に、後方へ突出すると共に該第1固定ガイド溝71と平行に延在する第1ガイド突片73,73が設けられている。また前記第2支持部67は、前記支持部材65に前後に開口するように設けられ、下方に行くにつれて左側へ徐々に変位する縦長の第2固定ガイド溝(第3固定案内部)75と、該支持部材65の後側における前記第2固定ガイド溝75の下端より下方において、後方に突出した回転支軸に回転自在に配設された回転体としての第2固定ガイドローラ(第4固定案内部)76とを備えている。そして、前記支持部材65の後面には、前記第2固定ガイド溝75を挟んだ左右両側に、後方へ突出すると共に該第2固定ガイド溝75と平行に延在する第2ガイド突片77,77が設けられている。なお、前記第2固定ガイド溝75の長さは前記第1固定ガイド溝71の長さの約1/2に設定され、前記第2ガイド突片77の長さは前記第1ガイド突片73の長さの約1/2に設定されている。
【0029】
(第1演出部材)
前記第1演出部材61は、図4〜図8および図11に示すように、前記固定ベース部材51に配設した支持部材65に設けた前記第1支持部66に支持されて昇降移動が可能な第1昇降体80と、この第1昇降体80に支持されて前記前装飾部42の前方において昇降移動が可能な第1演出体81とを備えている。第1昇降体80は、上下に長い板状を呈して、前記後配設空間69に下方から挿入された昇降板部82と、この昇降板部82の下部から前方へ突出して前記第1装飾部材40の下方に位置する取付部83とからなり、側方から見て略L字形を呈している。前記昇降板部82には、縦長の第1移動ガイド溝(第1移動案内部)84が設けられると共に、前方に軸心を向けた回転支軸に回転自在に配設された回転体としての第1移動ガイドローラ(第2移動案内部)85が、前記第1移動ガイド溝84の上端より上方に設けられている。前記第1移動ガイド溝84の長手方向の長さは前記第1固定ガイド溝71長手方向の長さと同じに設定されている。
【0030】
そして、図7に示すように、前記第1固定ガイドローラ72が、昇降板部82に設けた第1移動ガイド溝84に対し後方から挿通して前記支持部材65の後側に取付けられると共に、第1移動ガイドローラ85が、支持部材65に設けた第1固定ガイド溝71に対し前方から挿通して前記昇降板部82の前側に取付けられることで、第1昇降体80は、第1装飾部材40の第1支持部66に安定的に支持されている。なお、図6および図8に示すように、前記第1固定ガイドローラ72の外周後端には、前記第1移動ガイド溝84の短手方向開口幅より大径のリブが形成されていると共に、前記第1移動ガイドローラ85の外周前端には、前記第1固定ガイド溝71の短手方向開口幅より大径のリブが形成されており、支持部材65に対して第1昇降体80が後方へ移動することが防止されている。従って、前記第1固定ガイドローラ72が前記第1移動ガイド溝84に沿って転動して該第1移動ガイド溝84に対して相対的に移動すると共に、前記第1移動ガイドローラ85が前記第1固定ガイド溝71に沿って転動して該第1固定ガイド溝71に対して相対的に移動することで、第1昇降体80は、第1支持部66に適切に支持された状態で、前記第1移動ガイド溝84および第1固定ガイド溝71の延在方向に沿って昇降移動する。
【0031】
ここで、前記第1演出部材61は、前記表示開口34から上方へ退避して前記第1装飾部材40の前装飾部42の前方に位置する退避位置(第1退避位置)と、前記表示開口34の前方に位置する移動位置(第1移動位置)との間を昇降移動するようになっている。そして、前記第1演出部材61の前記第1退避位置においては、前記第1固定ガイドローラ72が前記第1移動ガイド溝84の下端に到来すると共に、前記第1移動ガイドローラ85が前記第1固定ガイド溝71の上端に到来するようになっている。また、前記第1演出部材61の前記第1移動位置においては、前記第1固定ガイドローラ72が前記第1移動ガイド溝84の上端に到来すると共に、前記第1移動ガイドローラ85が前記第1固定ガイド溝71の下端に到来するようになっている。すなわち、第1固定ガイド溝71の下端71Aが規制部として機能すると共に、第1移動ガイドローラ85が該下端71Aに上方から当接する被規制部として機能して、第1移動ガイドローラ85が第1固定ガイド溝71の下端71Aに上方から当接することで、第1演出部材61が第1移動位置に保持されるようになっている。なお、第1固定ガイドローラ72を被規制部とすると共に、第1移動ガイド溝84の上端を規制部として機能させるようにしてもよい。
【0032】
前記第1演出体81は、図4、図5、図7〜図9および図11に示すように、前記第1昇降体80の取付部83の前端に固定される支持部材86と、前面に所定のデザインが施されて前記支持部材86の前側に装着される演出部材87とを備え、これら支持部材86と演出部材87との間に、図柄表示装置Hの表示部H1の演出内容に合わせて点灯・消灯制御されるLED基板からなる照明装置(図示せず)が配設されている。そして第1演出体81は、前記支持部材86の後側下部を前記第1昇降体80の取付部83の前端にネジ等で固定することで、前記第1装飾部材40の前装飾部42の前側に略垂直に起立した状態で配設され、第1昇降体80の昇降移動に連動して昇降移動するように構成されている。
【0033】
前記固定ベース部材51の前側(前記第1装飾部材40の前装飾部42)には、図4、図5および図7等に示すように、前記第1演出体81の演出部材87の左方に設けたガイドバー(第5移動案内部)89が摺動可能に係合する第1ガイドレール(第5固定案内部)55が設けられている。これらガイドバー89の傾斜角度および第1ガイドレール55の傾斜角度は、前記第1固定ガイド溝71の傾斜角度と同じに設定されている。前記第1ガイドレール55は、図13(a)に概略的に示すように、ガイドバー89の摺動方向と交差する短手方向の断面形状が略矩形をなして摺動方向に沿って延在する内部空間が画成されており、該内部空間を囲むように摺動方向へ延在する前壁部55A、後壁部55B、左壁部55Cおよび右壁部55Dを備えている。そして、第1演出体81に隣接する前記右壁部55Dには、摺動方向に沿って延在するスリット55Eが形成されており、該右壁部55Dは、該スリット55Eを挟んで前後に分離している。また前記ガイドバー89は、図13(a)に示すように、第1演出体81から第1ガイドレール55側へ延出して前記スリット55Eへ挿通される基部89Aと、この基部89Aより前後に幅広に形成されて前記第1ガイドレール55の内部空間内に位置する係止突部89Bとを備えている。前記ガイドバー89の係止突部89Bの前後幅W1は、前記スリット55Eの前後幅W2より大きく設定されると共に、前記内部空間の前後幅W3より僅かに小さく設定されている。従ってガイドバー89は、係止突部89Bが前記右壁部55Dに当接することで右方への移動が規制されると共に、該係止突部89Bが前記前壁部55Aおよび後壁部55Bに当接することで前後への移動が規制された状態で、第1ガイドレール55に対して摺動するよう構成されている。従って、第1演出部材61の昇降移動に伴って前記第1演出体81が固定ベース部材51(第1装飾部材40)の前方を昇降移動する際に、前記ガイドバー89が右方および前後への移動が規制されながら前記第1ガイドレール55に沿って摺動可能になり、該第1演出体81が第2演出部材62の第2演出体91に接触することを防止し得ると共に、該第1演出体81が第1装飾部材40の前装飾部42に接触することが防止されるようになっている。
【0034】
(第2演出部材)
前記第2演出部材62は、図4〜図8および図12に示すように、基本的な構成は前記第1演出部材61と同じである。すなわち第2演出部材62は、前記固定ベース部材51に配設した前記支持部材65に設けた前記第2支持部67に支持されて昇降移動が可能な第2昇降体90と、この第2昇降体90に支持されて前記前装飾部42の前方において昇降移動が可能な第2演出体91とを備えている。第2昇降体90は、上下に長い板状を呈して、前記後配設空間69に下方から挿入された昇降板部92と、この昇降板部92の下部から前方へ突出して前記第1装飾部材40の下方に位置する取付部93とからなり、側方から見て略L字形を呈している。前記昇降板部92には、縦長の第2移動ガイド溝(第3移動案内部)94が設けられると共に、前方に軸心を向けた回転支軸に回転自在に配設された回転体としての第2移動ガイドローラ(第4移動案内部)95が、前記第2移動ガイド溝94の上端より上方に設けられている。前記第2移動ガイド溝94の長手方向の長さは前記第2固定ガイド溝75の長手方向の長さと同じに設定されている
【0035】
そして、図7に示すように、第2固定ガイドローラ76が、昇降板部92に設けた第2移動ガイド溝94に対し後方から挿通して前記支持部材65の後側に取付けられると共に、第2移動ガイドローラ95が、前記支持部材65に設けた第2固定ガイド溝75に対し前方から挿通して前記昇降板部92の前側に取付けられることで、第2昇降体90は、第1装飾部材40の第2支持部67に安定的に支持されている。なお、図6および図8に示すように、前記第2固定ガイドローラ76の外周後端には、前記第2移動ガイド溝94の短手方向開口幅より大径のリブが形成されていると共に、前記第2移動ガイドローラ95の外周前端には、前記第2固定ガイド溝75の短手方向開口幅より大径のリブが形成されており、支持部材65に対して第2昇降体90が後方へ移動することが防止されている。従って、前記第2固定ガイドローラ76が前記第2移動ガイド溝94に沿って転動して該第2移動ガイド溝94に対して相対的に移動すると共に、前記第2移動ガイドローラ95が前記第2固定ガイド溝75に沿って転動して該第2固定ガイド溝75に対して相対的に移動することで、第2昇降体90は、第2支持部67に適切に支持された状態で、前記第2移動ガイド溝94および第2固定ガイド溝75の延在方向に沿って昇降移動する。
【0036】
ここで、前記第2演出部材62は、前記表示開口34から上方へ退避して前記第1装飾部材40の前装飾部42の前方に位置する退避位置(第2退避位置)と、前記表示開口34の前方に位置する移動位置(第2移動位置)との間を昇降移動するようになっている。そして、前記第2演出部材62の前記第2退避位置においては、前記第2固定ガイドローラ76が前記第2移動ガイド溝94の下端に到来すると共に、前記第2移動ガイドローラ95が前記第2固定ガイド溝75の上端に到来するようになっている。また、前記第2演出部材62の前記第2移動位置においては、前記第2固定ガイドローラ76が前記第2移動ガイド溝94の上端に到来すると共に、前記第2移動ガイドローラ95が前記第2固定ガイド溝75の下端に到来するようになっている。すなわち、第2固定ガイド溝75の下端75Aが規制部として機能すると共に、第2移動ガイドローラ95が該下端75Aに上方から当接する被規制部として機能して、第2移動ガイドローラ95が第2固定ガイド溝75の下端75Aに上方から当接することで、第2演出部材62が第2移動位置に保持されるようになっている。なお、第2固定ガイドローラ726被規制部とすると共に、第2移動ガイド溝94の上端を規制部として機能させるようにしてもよい。
【0037】
前記第2演出体91は、図4、図5、図7〜図9および図12に示すように、前記第2昇降体90の取付部93の前端に固定される支持部材96と、前面に所定のデザインが施されて前記支持部材96の前側に装着される演出部材97とを備え、これら支持部材96と演出部材97との間に、図柄表示装置Hの表示部H1の演出内容に合わせて点灯・消灯制御されるLED基板を備えた照明装置(図示せず)が配設されている。そして第2演出体91は、前記支持部材96の後側下部を前記第2昇降体90の取付部93の前端にネジ等で固定することで、前記第1装飾部材40の前側に略垂直に起立した状態で配設され、第2昇降体90の昇降移動に連動して昇降移動するように構成されている。
【0038】
前記固定ベース部材51の前側(前記第1装飾部材40の前装飾部42)には、図4、図5および図7に示すように、前記第2演出体91の演出部材97の左部に設けたガイド片(第6移動案内部)99が摺動可能に係合する第2ガイドレール(第6固定案内部)56が設けられている。第2ガイドレール56の傾斜角度は、前記第2固定ガイド溝75の傾斜角度と同じに設定されている。前記第2ガイドレール56は、図13(b)に概略的に示すように、ガイドバー89の摺動方向と交差する短手方向の断面形状が略L形をなし、前装飾部42から前側へ離間して摺動方向へ延在する前壁部56Aと、前壁部56Aと前装飾部42との間で摺動方向へ延在する左壁部56Bとを備え、前壁部56Aと前装飾部42との間に、右方へ開放した空間を画成している。また前記ガイド片99は、図13(b)に示すように、第2演出体91の後側から第2ガイドレール55側へ延出して、該第2ガイドレール55の前壁部56Aの後側へ右方から延出する係止片99Aと、この係止片99Aの左端に形成された当接面99Bとを備えている。そしてガイド片99は、係止片99Aの前面が前記第2ガイドレール56の前壁部56Aに後方から当接することで前方への移動が規制されると共に、前記当接面99Bが該第2ガイドレール56の左壁部56Bに当接することで左方への移動が規制された状態で、該第2ガイドレール56に対して摺動するよう構成されている。従って、第2演出部材62の昇降移動に伴って前記第2演出体91が固定ベース部材51(第1装飾部材40)の前方を昇降移動する際に、前記ガイド片99が左方および前方への移動が規制されながら前記第2ガイドレール56に沿って摺動可能になり、該第2演出体91が前記第1演出部材61の第1演出体91に接触することを防止し得るようになっている。
【0039】
実施例の第1可動演出装置50は、前記第1演出部材61が第1退避位置にあると共に第2演出部材62が第2退避位置にある場合においては、該第1演出部材61の第1演出体81および該第2演出部材62の第1演出体81が左右方向で整列して、該第1演出体81の演出部材87の前面に形成されたデザインと該第2演出体91の演出部材97の前面に形成されたデザインとが一体となって1つの大きなデザインを構成した状態となる(図4、図6参照)。また、第2演出部材61の移動量が第1演出部材62の移動量の1/2程度となっていることで、第1演出部材61が第1移動位置にあると共に第2演出部材62が第2移動位置にある場合においては、第1演出部材61の第1演出体81が第2演出部材62の第2演出体91より下方に位置するようになる(図9、図10参照)。
【0040】
(第1演出部材と第2演出部材との連係構造)
前記第1演出部材61は、図6および10に示すように、前記第1昇降体80の昇降板部82に、第2演出部材62における第2昇降体90の昇降板部92側へ突出する第1当接部(被当接部)100が設けられている。一方、前記第2演出部材62は、前記第2昇降体90の昇降板部92に、第1演出部材61における第1昇降体80の昇降板部82側へ突出する第2当接部(当接部)101が設けられている。前記第1当接部100は前記昇降板部82に一体的に形成されていると共に、前記第2当接部101は前記昇降板部92に一体的に形成されている。前記第2当接部101は、第1演出部材61が第1退避位置にあると共に第2演出部材62が第2退避位置にある場合において、前記第1当接部100に対して上方から当接する位置に形成されている。従って前記第2演出部材62は、前記第2後退位置から前記第2移動位置までの間では、前記第1当接部100に第2当接部101が上方から当接することで前記第1演出部材61に連動して昇降移動し、前記第2移動位置まで移動した以降は、前記第1移動ガイドローラ85が第1固定ガイド溝71の下端71Aに当接すると共に第1当接部100が第2当接部101から離間することで、該第2演出部材62は第2移動位置に保持されるようになっている。すなわち、第2演出部材62が第2演出位置に保持された以降は、第1演出部材61だけが第1移動位置まで移動するよう構成されている。
【0041】
なお、前記第1当接部100には、図6、図8および図10に示すように、前方へ水平に延出する連係ローラ102が突設されていると共に、前記支持部材65における第1支持部66と第2支持部67の間には、該連係ローラ102が貫通すると共に上下に移動が可能なスリット103が形成されている。前記連係ローラ102は、前記スリット103を介して前記前配設空間68へ突出しており、後述するレバー体110の第2レバー部112に形成されて第2係合孔118に後方から係合している。
【0042】
(駆動手段)
駆動手段としての前記電動モータ63は、図4(a)、図5および図6等に示すように、前記第1装飾部材40の固定ベース部材51における後半体51Bの後側外面において、該固定ベース部材51の左端部に隣接した部位の後側に固定され、駆動軸63Aを固定ベース部材51内へ延出させて機構配設部70に臨ませている。前記電動モータ63は、例えば正逆回転が可能なステッピングモータ等の電動モータであり、減速用のギアボックス63Bを備えている。そして電動モータ63は、前述した統括制御装置により駆動制御される。なお駆動手段としては、前記電動モータに限らず、流体を使用するアクチュエータや、ロータリーソレノイド等であってもよい。
【0043】
(連係作動機構)
前記連係作動機構64は、図6、図7および図10に示すように、前記機構配設部70に水平前方に突出するように設けた回転支軸(回転支点)104に回転自在に支持されたレバー体100を備えている。前記レバー体100は、回転支軸104を挟んで左方向(図6、図10では右方向)へ延出する第1レバー部111と、該回転支軸104を挟んで右方向へ延出する第2レバー部112とを備えている。また、前記機構配設部70には、前記電動モータ63の出力軸63Aに固定した駆動ギア113に噛合する中間ギア114と、この中間ギア114の右側に配設されて該中間ギア114に噛合する従動ギア115とからなるギアトレインが配設されており、電動モータ63が回転することで駆動ギア113および中間ギア114を介して従動ギア115が回転するように構成されている。前記従動ギア115は、回転中心から半径方向へ離間した前端面に、前方へ突出した連結ピン116が配設されている。そして、前記レバー体100の第1レバー部111は前記従動ギア115の前側へ延出しており、該第1レバー部111の先端部(一方の端部)111Aには、該第1レバー部111の長手方向へ延在する長孔状の第1係合孔117が形成されており、前記連結ピン116が後方から遊嵌状態で該第1係合孔117に係合している。従って、従動ギア115が回転すると、第1係合孔117に係合した前記連結ピン116が円弧軌道に沿って上下へ移動することで、前記レバー体100が前記回転支軸104を中心として揺動するようになっている。
【0044】
前記レバー体100の第2レバー部112は、図6および図10に示すように、前記前配設空間68へ延出して第2支持部67の前方近くまで延出している。そして第2レバー部112の先端部(他方の端部)112A側には、該第2レバー部112の長手方向へ延在する長孔状の第2係合孔118が形成されており、前記第1演出部材61に設けた前記連係ローラ102が後方から遊嵌状態で該第2係合孔118に係合している。従って、前記レバー体100が前記回転支軸104を中心として揺動して第2レバー部112が上下に移動することで、第2係合孔118に係合した前記連係ローラ102が上下に移動するようになり、前記第1演出部材61が前記第1退避位置と第1移動位置との間を昇降移動するようになっている。なお、前記回転支軸104には、前記固定ベース部材51と前記レバー体100とに各レバー部が夫々掛止された捻りバネ105が配設されている。この捻りバネ105は、第2レバー部112の先端を上方へ押し上げる方向にレバー体100を弾力的に付勢しており、前記電動モータ63の作動負荷を軽減するようになっている。
【0045】
(その他の構成)
前記第1演出部材61の第1昇降体80および第2演出部材62の第2昇降体90が、前述したように、下方に行くにつれて左側へ変位するよう傾斜した構成となっているため、図6、図8および図10に示すように、支持部材65における後面には、上下に離間して2つの第1支持ローラ120,120が、前後方向に軸心が延在する支持軸を中心として回転可能に配設される。また、第2演出部材62における第2昇降体90の昇降板部92の右端面には、各第1支持ローラ120が当接して転動可能な第1転動面121が上下方向に延在するように形成されている。従って、第2演出部材62の第2昇降体90は、取付部93に固定した前記第2演出体91の重みにより下側が右方向へ変位する力が作用しても各第1支持ローラ120で支持されているため、第2退避位置と第2移動位置との間を一定の姿勢で安定的かつ直線的に昇降移動するようになっている。
【0046】
また、図6、図8および図10に示すように、前記第2演出部材62の第2昇降体90における前記取付部93の左部には、前記第1演出部材62の第1昇降体90側へ転動面を突出させた1つの第2支持ローラ(第2ガイド部)122が、水平前後方向に軸心が延在する支持軸を中心として回転可能に配設される。そして、第1演出部材61における第1昇降体80の昇降板部82の右端には、前記第2支持ローラ122が当接して転動可能な第2転動面(第1ガイド部)123が上下方向に延在するように形成されている。従って、第1演出部材61の第1昇降体80は、取付部83に固定した前記第1演出体81の重みにより下側が右方向へ変位する力が作用しても前記第2支持ローラ122で支持されているため、第1演出部材61は第1退避位置と第1移動位置との間を適切な姿勢で安定的かつ直線的に昇降移動するようになっている。
【0047】
(第2可動演出装置)
第2可動演出装置130は、図2に示すように、前記設置壁部31に固定される固定ベース部材(図示せず)と、この固定ベース部材に枢支された揺動部材131と、該揺動部材131の上端側に回転可能に配設された回転部材132とを備えると共に、図示省略したリンク機構および電動モータからなる駆動機構とを備えている。そして第2可動演出装置130は、前記駆動機構の駆動により揺動部材131が揺動変位して、前記第2装飾部材45の前側に重なった退避位置と、前記表示開口34へ延出して前記表示部H1の前側に位置する移動位置との間を回転変位するように構成されている。
【0048】
(第3可動演出装置)
前記第3可動演出装置135は、図3に示すように、前記設置部材30の設置壁部31の前面において、前記表示開口34の周囲に設けられた3つの演出機構136,136,136を備え、各演出機構136,136,136で該表示開口34を円形に囲繞した状態に配設されている(図3では、左下に配設した1つの演出機構136は、第3装飾部材46により殆ど隠れている)。各演出機構136は、基本的構成が同じであり、表示開口34の外側に形成されて円形のガイド部に沿ってスライド移動する円弧状のスライド板137と、設置壁部31から前方へ突出した複数の支持部143の各々に回転自在に配設された複数(実施例では3個)の回転演出部材138と、前記スライド板137をガイド部142に沿って往復移動させる駆動機構139とを備えている。従って、駆動機構139により前記スライド板137を円弧状に往復移動させることで、各回転演出部材138は、前記表示開口34から退避して前記ガイド部142の前側に位置する退避位置(図4参照)と、前記表示開口34へ演出して前記表示部H1の前側に位置する移動位置との間を回転移動するように構成されている。
【0049】
(実施例の作用)
前述のように構成された実施例のパチンコ機Pでは、前記遊技盤Dの遊技領域10へ打ち出されたパチンコ球が前記始動入賞装置20の始動入賞口20Aに入賞して、該始動入賞装置20に配設された球検知スイッチによる球検知信号を前記主制御装置が受けると、該主制御装置は、大当たり抽選を行なうと共に、前記統括制御装置に制御信号を出力して前記図柄表示装置Hの表示部H1において図柄変動演出を行なわせる。そして主制御装置は、前記大当たり抽選の結果として大当たりが発生すると、前記統括制御装置を介して図柄表示装置Hの表示部H1に所定の図柄組合わせで図柄を停止表示させ、前記特別入賞装置21の開閉扉21Aを開放動作させて入賞口を開放させる。
【0050】
また前記統括制御装置は、前記主制御装置からの制御信号に基づき、前記第1可動演出装置50、第2可動演出装置130および第3可動演出装置135等を、前記図柄表示装置Hの表示部H1での遊技内容に合わせて総合的に作動制御する。すなわち統括制御装置は、前記図柄表示装置Hの表示部H1での遊技内容に基づき、前記第1〜第3の各可動演出装置50,130,135の何れかを単独で作動させたり、各可動演出装置50,130,135を同時または同期的に作動させる。
【0051】
前記第1可動演出部材50では、前記電動モータ63の駆動制御前においては、図1、図2、図4および図6に示すように、前記連係作動機構64を介して該電動モータ63と連係している前記第1演出部材61は第1退避位置に保持されていると共に、該第1演出部材61に連係した前記第2演出部材62は第2退避位置に保持されている。すなわち、第1退避位置に保持された第1演出部材61および第2退避位置に保持された第2演出部材62は、図柄表示装置Hの表示部H1の前側から退避した状態で互いに整列して、第1演出体81の演出部材87の前面に形成されたデザインと第2演出体91の演出部材97の前面に形成されたデザインとが1つの大きなデザインとして視認される。
【0052】
そして、前記電動モータ63が駆動制御されると、前記連係作動機構64のレバー体110が揺動することで、第1退避位置に停止していた第1演出部材61は第1移動位置に向けて下方へ移動するようになる。また前記第2演出部材62は、前記第1演出部材61の下方への移動に追従して、第2退避位置から第2移動位置に向けて下方へ移動するようになる。すなわち第1演出部材61および第2演出部材62は、該第2演出部材62が第2移動位置に到達するまでは一体的に下方へ移動するようになり、左右幅が大きな単一の演出部材が下方へ移動するように見えるので、演出効果を好適に向上させることができる。
【0053】
前記第2演出部材62が第2移動位置まで到達すると、該第2演出部材62は該第2移動位置に停止保持され、以降は前記電動モータ63の駆動に伴い、昇降移動量が大きく設定された第1演出部材61だけが下方へ移動する。そして、第1演出部材61が第1移動位置に到達すると、図示省略した位置検出手段がこれを認識することで、前記電動モータ63が停止制御される。従って、図9〜図12に示すように、第1演出部材61が第1移動位置に停止すると共に第2演出部材62が第2移動位置に停止した状態では、第2演出部材62より第1演出部材61が下方に位置するようになる。
【0054】
一方、第1演出部材61が第1移動位置に停止すると共に第2演出部材62が第2移動位置に停止した状態で前記電動モータ63を逆駆動制御すると、先ず第1演出部材61だけが前記第1退避位置に向けて上方へ移動する。そして、第1演出部材61が第2移動位置に停止保持されていた第2演出部材62と左右で整列すると、該第1演出部材61と第2演出部材62とが連係した状態となるから、該第1演出部材61の上方への移動に追従して第2演出部材62も上方へ移動するようになり、両演出部材61,62は整列した状態で第1退避位置および第2退避位置まで上昇する。
【0055】
前述のように構成された実施例のパチンコ機Pによれば、第1可動演出装置50が、電動モータ63で連係作動機構64を作動させることで、第1演出部材61が図柄表示装置Hの表示部H1の上方に退避した第1退避位置および該表示部H1の前方に臨む第1移動位置の間を昇降移動すると共に、第1演出部材61に係脱可能に係合する第2演出部材62が、この第1演出部材61に連動して図柄表示装置Hの表示部H1の上方に退避した第2退避位置および該表示部H1の前方に臨む第2移動位置の間を、該第1演出部材61より小さい昇降移動量で昇降移動するようになるから、昇降移動量が異なる2つの演出部材61,62が連動することで表示部H1の図柄変動に合わせた演出効果を高めることができる。そして第1可動演出装置50は、電動モータ63が第1演出部材61および第2演出部材62の後方から外れた位置に配設されているから、図5に示すように、該第1可動演出装置50の前後サイズを小さく抑えて小型化を図り得る。また、第1演出部材61と電動モータ63とが連係作動機構64のレバー体110を介して連係されているので、該レバー体110の動作範囲を大きくすることができるから、これにより第1演出部材61および第2演出部材62の移動量を大きくして演出効果を高めることが可能である。
【0056】
また、前記連係作動機構64におけるレバー体110を、第1レバー部111の回転支軸104から第1連係ピン116までの長さに対して、第2レバー部112の該回転支軸104から第2連係ピン102までの長さを大きく設定することで、所謂レバー比が大きくなって該第2レバー部112の端部側の移動量を大きくすることができる。これにより、レバー体110の第2レバー部112の第2係合孔118に連結された第1演出部材61の移動量を大きく確保することができると共に、該第1演出部材61に連動する第2演出部材62の移動量も大きく確保することができ、演出効果を好適に向上することができる。
【0057】
また、昇降移動量が異なる第1演出部材61と第2演出部材62とが係脱可能に係合するようになっているから、該第1演出部材61および該第2演出部材62が連動して昇降移動する演出態様と、該第2演出部材62が停止して該第1演出部材61だけが昇降移動する演出態様とが発現されるから、演出が多様化されて演出効果を好適に高めることができる。そして、第1演出部材62に設けた第2支持ローラ122と第1演出部材61に設けた第2転動面123とが両演出部材61,62の近接方向で常に係合しているので、第1演出部材61および第2演出部材62は一定の間隔に保持されたもとで昇降移動するようになる。これにより、第1演出部材61の第1昇降体80および第2演出部材62の第2昇降体90が、互いが対向する側面全体で接触することが防止されるので両演出部材61,62の移動不良の発生を防止し得ると共に、第1演出部材61が姿勢を保持された状態で適切に昇降移動するようになる。
【0058】
そして、第1演出部材61に設けた第1移動ガイド溝84と固定ベース部材51に設けた第1固定ガイドローラ72とが当接すると共に、該第1演出部材61に設けた第1移動ガイドローラ85と該固定ベース部材51に設けた第1固定ガイド溝71とが当接することで、第1演出部材61は2カ所で固定ベース部材51に支持されながら安定して移動するようになる。これにより、第1演出部材61が移動するに際してがたつきが発生することを防止することができると共に、該第1演出部材61と第1装飾部材40との接触による異音の発生や該演出部材の破損等を防止することができ、第1演出部材61による演出効果の向上を図ることができる。しかも、第1演出部材61に設けた第1移動ガイドローラ85が固定ベース部材51に設けた第1固定ガイド溝71を転動すると共に、固定ベース部材51に設けた第1固定ガイドローラ72が第1演出部材61に設けた第1移動ガイド溝84を転動することで、固定ベース部材51に対して第1演出部材61をスムーズに移動させることができる。
【0059】
また、第2演出部材62に設けた第2移動ガイド溝94と固定ベース部材51に設けた第2固定ガイドローラ76とが当接すると共に、該第2演出部材62に設けた第2移動ガイドローラ95と該固定ベース部材51に設けた第2固定ガイド溝75とが当接することで、第2演出部材62は2カ所で固定ベース部材51に支持されながら安定して移動するようになる。これにより、第2演出部材62が移動するに際してがたつきが発生することを防止することができると共に、該第2演出部材62と第1装飾部材40との接触による異音の発生や該演出部材の破損等を防止することができ、第2演出部材62による演出効果の向上を図ることができる。しかも、第2演出部材62に設けた第2移動ガイドローラ95が固定ベース部材51に設けた第1固定ガイド溝75を転動すると共に、固定ベース部材51に設けた第2固定ガイドローラ76が第2演出部材62に設けた第2移動ガイド溝94を転動することで、固定ベース部材51に対して第2演出部材62をスムーズに移動させることができる。
【0060】
また、固定ベース部材51の前側(第1装飾部材40の前装飾部42)に設けた第1ガイドレール55に、第1演出部材61における第1装飾部材40の前方に臨む第1演出体81に設けたガイドバー89が摺動可能に係合しているので、第1装飾部材40に対して第1演出部材61が移動する際に、第1演出体81が前装飾部42に支持されながら安定して移動するようになる。これにより、第1演出部材61が移動するに際して第1演出体81にがたつきが発生することを防止することができると共に、該第1演出体81が前記第2演出部材62の第2演出体91側へ移動して該第2演出体91に接触することが防止される。また、固定ベース部材51の前側(第1装飾部材40の前装飾部42)に設けた第2ガイドレール56に、第2演出部材62における第1装飾部材40の前方に臨む第2演出体91に設けたガイド片99が摺動可能に係合しているので、第1装飾部材40に対して第2演出部材62が移動する際に、第2演出体91が前装飾部42に支持されながら安定して移動するようになる。これにより、第2演出部材62が移動するに際して第2演出体91にがたつきが発生することを防止し得ると共に、該第2演出体91が前記第1演出部材61の第1演出体81側へ移動して該第1演出体81に接触することが防止される。従って、第1演出部材61の第1演出体81と第2演出部材62の第2演出体91との接触による異音の発生を防止し得ると共に、両演出体81,91の破損等も防止できる。
【0061】
〔変更例〕
本発明に係る遊技機は、実施例に例示の形態に限らず種々の変更が可能である。
(1)駆動手段63の配設位置は、実施例で例示した位置に限定されず、第1演出部材61および第2演出部材62の後方から外れた位置であればどこでもよい。
(2)連係作動手段64は、実施例に例示したレバー体110および各ギア113,114,115からなるギアトレインから構成されるものに限らず、例えばチェンとスプロケットからなる作動機構、ベルトまたはワイヤとプーリとからなる作動機構等であってもよい。
(3)第1演出部材61および第2演出部材62は、左右に隣接して配設される形態に限らず、上下に隣接して配設される形態、前後に隣接して配設される形態であってもよい。また、第1演出部材61および第2演出部材62の配設位置は、図柄表示装置Hの上方に限らず、該図柄表示装置Hの下方に配設されて表示部H1の前側に下方から移動する形態、該図柄表示装置Hの左方に配設されて表示部H1の前側に左方から移動する動態、該図柄表示装置Hの右方に配設されて表示部H1の前側に右方から移動する形態等であってもよい。
(4)第1演出部材61および第2演出部材62は、異なる方向へ移動する形態であってもよい。
(5)第1演出部材61および第2演出部材62は、実施例のように斜めに移動するものに限らず、垂直に移動する形態や、水平に移動する形態であってもよい。
(6)第1演出部材61を第1退避位置および第1移動位置に停止させる構成および第2演出部材62を第2退避位置および第2移動位置に停止させる構成は、実施例で例示したガイド溝の端部にガイドローラを当接させる形態に限らず、次のような構成であってもよい。
(a)第1演出部材61においては、第1昇降体80に設けた第1当接部100を当接部とし、第1装飾部材40の固定ベース部材51に前記第1当接部100が第1退避位置および第1移動位置で夫々当接する被当接部を設けると共に、第2演出部材62においては、第2昇降体90に設けた第2当接部101を当接部とし、第1装飾部材40の固定ベース部材51に前記第2当接部101が第2退避位置および第2移動位置で夫々当接する被当接部を設ける。
(b)第1演出部材61においては、第1演出体81に設けたガイドバー89を当接部とし、第1装飾部材40の前装飾部42に前記ガイドバー89が第1退避位置および第1移動位置で夫々当接する被当接部を設けると共に、第2演出体82に設けたガイド片99を当接部とし、第1装飾部材40の前装飾部42に前記ガイド片99が第2退避位置および第2移動位置で夫々当接する被当接部を設ける。
(c)第1演出部材61においては、第1昇降体80に別途当接部を設け、第1装飾部材40の固定ベース部材51に該当接部が第1退避位置および第1移動位置で夫々当接する被当接部を設けると共に、第2演出部材62においては、第2昇降体90に別途当接部を設け、第1装飾部材40の固定ベース部材51に該当接部が第2退避位置および第2移動位置で夫々当接する被当接部を設ける。
なお、第1演出部材61および第2演出部材62においては、前記取付部83,93を各々当接部として、第1装飾部材40の前装飾部42の下縁を、退避位置において該当接部が当接する被当接部としてもよい。
(7)第2装飾部材61は、実施例では第2退避位置から第2移動位置に向けて自重で移動する形態を例示したが、バネや付勢手段で付勢させて第2退避位置から第2移動位置へ移動するものであってもよい。
(8)実施例では、遊技機としてのパチンコ機を示したが、遊技機はパチンコ機に限られるものではなく、アレンジボール機等であってもよい。
【符号の説明】
【0062】
40 第1装飾部材(装飾体),51 固定ベース部材(固定部)
55 第1ガイドレール(第5固定案内部),56 第2ガイドレール(第6固定案内部)
61 第1演出部材(演出部材),62 第2演出部材
71 第1固定ガイド溝(第1固定案内部),72 第1固定ガイドローラ(第2固定案内部)
75 第2固定ガイド溝(第3固定案内部),76 第2固定ガイドローラ(第4固定案内部)
84 第1移動ガイド溝(第1移動案内部),85 第1移動ガイドローラ(第2移動案内部)
89 ガイドバー(第5移動案内部)
91 第2演出体,94 第2移動ガイド溝(第3移動案内部)
95 第2移動ガイドローラ(第4移動案内部),99 ガイド片(第6移動案内部)
122 第2支持ローラ(当接部),123 第2転動面(被当接部),H 図柄表示装置
H1 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
図柄を変動表示させて遊技演出を行なう図柄表示装置の表示部に臨むよう配設した固定部と、前記固定部に移動可能に配設され、前記図柄表示装置の遊技演出に合わせて所定の演出動作を行なう演出部材とを備えた遊技機の可動演出装置であって、
前記固定部に移動不能に設けられ、前記演出部材に所要長に延在する第1移動案内部に対し移動可能に係合する第2固定案内部と、
前記演出部材に移動不能に設けられ、前記固定部に所要長に延在する第1固定案内部に対し移動可能に係合する第2移動案内部とを備え、
前記第2固定案内部が前記第1移動案内部に対して相対的に移動すると共に、前記第2移動案内部が前記第1固定案内部に対して相対的に移動することで、前記固定部に対する前記演出部材の移動が規定されるよう構成した
ことを特徴とする遊技機の可動演出装置。
【請求項2】
前記第2固定案内部および第2移動案内部は回転自在な回転体であり、
前記第1移動案内部および第1固定案内部は、前記回転体が転動可能なガイド溝である請求項1記載の遊技機の可動演出装置。
【請求項3】
第1演出部材である前記演出部材に隣接して、該第1演出部材に連係された第2演出部材が配設され、
前記固定部に移動不能に設けられ、前記第2演出部材に所要長に延在する第3移動案内部に対し移動可能に係合する第4固定案内部と、
前記第2演出部材に移動不能に設けられ、前記固定部に所要長に延在する第3固定案内部に対し移動可能に係合する第4移動案内部と、
前記第2演出部材の前記第1演出部材に臨む部位に設けられ、両演出部材が近接する方向で該第1演出部材に設けた被当接部に当接する当接部とを備え、
前記第4固定案内部が前記第3移動案内部に対して相対的に移動すると共に、前記第4移動案内部が前記第3固定案内部に対して相対的に移動することで、前記固定部に対する前記第2演出部材の移動が規定されると共に、前記当接部が前記被当接部に当接することで、両演出部材の間隔が保持されるよう構成した請求項1または2記載の遊技機の可動演出装置。
【請求項4】
前記固定部は、前側に装飾体を備えると共に、
前記演出部材は、前記装飾体の前方に臨む演出体を備え、
前記装飾体には、前記演出部材の移動方向に沿って延在する第5固定案内部が設けられると共に、
前記演出体には、前記第5固定案内部に摺動可能に係合する第5移動案内部が設けられ、
前記第5移動案内部が前記第5固定案内部に係合することで、前記演出体が前記装飾体に支持された状態で移動するよう構成した請求項1または2記載の遊技機の可動演出装置。
【請求項5】
前記固定部は、前側に装飾体を備え、
前記第1演出部材は、前記装飾体の前方に臨む第1演出体を備えると共に、
前記第2演出部材は、前記装飾体の前方に臨む第2演出体を備え、
前記装飾体には、前記第1演出部材の移動方向に沿って延在する第5固定案内部が設けられると共に、前記第2演出部材の移動方向に沿って延在する第6固定案内部が設けられ、
前記第1演出体には、前記第5固定案内部に摺動可能に係合する第5移動案内部が設けられると共に、前記第2演出体には、前記第6固定案内部に摺動可能に係合する第6移動案内部が設けられ、
前記第5移動案内部が前記第5固定案内部に係合することで、前記第1演出体が前記装飾体に支持された状態で移動すると共に、前記第6移動案内部が前記第6固定案内部に係合することで、前記第2演出体が前記装飾体に支持された状態で移動するよう構成した請求項3記載の遊技機の可動演出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−102977(P2013−102977A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−249025(P2011−249025)
【出願日】平成23年11月14日(2011.11.14)
【出願人】(000135210)株式会社ニューギン (1,935)
【Fターム(参考)】